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JP2023028446A - 水硬性セメント組成物及びセメントコンクリート組成物 - Google Patents

水硬性セメント組成物及びセメントコンクリート組成物 Download PDF

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JP2023028446A
JP2023028446A JP2021134145A JP2021134145A JP2023028446A JP 2023028446 A JP2023028446 A JP 2023028446A JP 2021134145 A JP2021134145 A JP 2021134145A JP 2021134145 A JP2021134145 A JP 2021134145A JP 2023028446 A JP2023028446 A JP 2023028446A
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mass
hydraulic
cement
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compound
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JP2021134145A
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崇 佐々木
Takashi Sasaki
隆典 山岸
Takanori Yamagishi
瑠奈 中村
Runa Nakamura
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Denka Co Ltd
Original Assignee
Denka Co Ltd
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Abstract

【課題】アルミナセメントの持つ特長を損なうことなく、転移による強度低下を防止し、さらに中性化抵抗性にも優れるセメント組成物を提供すること。
【解決手段】5~90質量部のアルミナセメントと95~10質量部の潜在水硬性物質からなる100質量部の結合材と、5~300質量部の非水硬性化合物とを含有してなり、非水硬性化合物が、γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、非水硬性化合物中にLiを含有し、非水硬性化合物中におけるLiの含有率が酸化物換算で0.001~1.0質量%である水硬性セメント組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明は、主に土木・建築分野において使用される水硬性セメント組成物及びセメントコンクリート組成物に関する。
アルミナセメントは、ポルトランドセメントに比べ、初期強度が高く、低温条件で硬化し、硫酸塩による侵食等に優れた耐久性を有するなど、独特の性質を多く有している(非特許文献1参照)。
しかしながら、アルミナセメントを用いたコンクリートは、長期強度が低下するという課題を避けて通れないものとなっていた。
また、アルミナセメントを用いたコンクリートは、同じ強度のポルトランドセメントを用いたコンクリートと比較すると炭酸化に対する抵抗性が小さいという課題があった。
これらアルミナセメントの課題の原因は、常温では、アルミナセメントの主要水和物であるCaO・Al2O3・10H2O(CAH10)が3CaO・Al2O3・6H2O(C3AH6)へ転移することが避けられず、この転移に伴って空隙率が増加するため、強度の低下や中性化抵抗性に劣る結果となるのである。
このため、土木・建築分野では、優れた初期強度や高い耐久性を有するにも関わらず、アルミナセメントを構造部材に用いることは敬遠され、もっぱら高温炉用のキャスタブル耐火ライニング材等として用いられてきた。
このアルミナセメントの主要水和物の転移を防止するための技術としては高炉水砕スラグ微粉末を併用する方法、炭酸カルシウムを併用する方法、及びセッコウを併用する方法等が知られている(特許文献1、特許文献2、非特許文献2、及び非特許文献3参照)。
しかしながら、これらの方法は転移による強度の低下を防ぐことはできても、中性化抵抗性については考慮されておらず、より高い中性化抵抗性が求められていた。
W.チェルニン、セメント・コンクリート化学、pp.181~193、技報堂出版、1969 Fentiman, C.H.:Cement and Concrete Research, Vol.15, No.4, pp.622-630, 1985 杉智光他:セメント技術年報,No.30,pp.118-122,1976
特開昭60-180945号公報 特開2005-53723号公報
本発明者は鋭意努力の結果、特定の材料を使用することによって前記従来技術の持つ課題を解消し、アルミナセメントの持つ特徴を損なうことなく、転移による強度低下を防止し、さらに中性化抵抗性に優れるアルミナセメントを用いた水硬性セメント組成物が得られるとの知見を得て本発明を完成するに至った。
5~90質量部のアルミナセメントと95~10質量部の潜在水硬性物質からなる100質量部の結合材と、5~300質量部の非水硬性化合物とを含有してなり、前記非水硬性化合物が、γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、前記非水硬性化合物中にLiを含有し、前記非水硬性化合物中におけるLiの含有率が酸化物換算で0.001~1.0質量%である水硬性セメント組成物である。
さらに、前記非水硬性化合物中の硫黄の含有量が酸化物換算で1質量%以下である水硬性セメント組成物であり、該水硬性セメント組成物を含有してなるセメントコンクリート組成物である。
本発明により、アルミナセメントの持つ特長を損なうことなく、転移による強度低下を防止し、さらに中性化抵抗性にも優れるセメント組成物が得られる。
以下、本発明を詳しく説明する。
なお、本発明で使用する部や%は特に規定のない限り質量基準である。
また、本発明でいうセメントコンクリートとは、セメントペースト、モルタル、及びコンクリートを総称するものであり、本発明でいうセメントコンクリート組成物とは、セメント組成物、モルタル組成物、及びコンクリート組成物を総称するものである。
<アルミナセメント>
本発明で使用するアルミナセメントは、市販のいかなる種類のアルミナセメントでも使用することが可能であるが、旧JIS R 2511:1995「耐火物用アルミナセメント」に規定されるものが好ましい。
<潜在水硬性物質>
本発明で使用する潜在水硬性物質は特に限定されるものではなく、具体的には、高炉水砕スラグなどの急冷スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカフューム、及びライスハスクアッシュ(籾殻灰)等が挙げられ、本発明ではこれらのうち一種又は二種以上の使用が可能である。
潜在水硬性物質の使用量は、アルミナセメントと潜在水硬性物質からなる結合材100質量部中、10~95質量部であり、50~80質量部が好ましい。潜在水硬性物質の使用量が10~95質量部だと、アルミナセメント水和物転移の防止効果が大きくなり、所定の強度が得られる効果がある。
<非水硬性化合物>
本発明の非水硬性化合物は、γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、さらに非水硬性化合物中にLiを含有し、非水硬性化合物中におけるLiの含有率が酸化物換算で0.001~1.0質量%であることが好ましい。また、非水硬性化合物中におけるLiの含有率は、酸化物換算で0.005~1.0質量%であることが好ましく、0.010~0.90質量%であることがより好ましく、0.015~0.80質量%であることがさらに好ましい。この所定量のLiにより、C-S-H(ケイ酸カルシウム水和物)の炭酸化のうち、炭酸カルシウムの1種であるバテライトの生成が促進されると推定され、炭酸(塩)化によってより緻密な硬化状態が得られ、中性化抵抗性が高くなりやすくなると考えられる。
ここで、「非水硬性化合物中にLiを含有」しているとは、非水硬性化合物中に化学組成としてLiOを含む(ICP発光分光分析で存在を確認できる)が、X線回折測定ではLiOが同定されない(LiOの明確なピークが見られない)状態をいい、単に、非水硬性化合物とLi化合物とが物理的に混合された状態ではないことをいう。このような状態は、それぞれの原料を混合して1,000℃以上の高温での熱処理をすることで得られる。以下、各成分等について説明する。
(γ-2CaO・SiO
γ-2CaO・SiOとは、2CaO・SiOで表される化合物のうちで、低温相として知られるものであり、高温相であるα-2CaO・SiOやα’-2CaO・SiO、β-2CaO・SiOとは全く異なるものである。これらはいずれも、2CaO・SiOで表されるが、結晶構造や密度は異なっている。
(3CaO・2SiO
3CaO・2SiOとは、偽ケイ灰石にCaOを含有する鉱物でランキナイトと呼ばれる。水和活性は無く化学的に安定な鉱物であるが、炭酸(塩)化促進効果が比較的大きい。
(α-CaO・SiO
α-CaO・SiO(α型ワラストナイト)とは、CaO・SiOで表される化合物のうちで、高温相として知られるものであり、低温相であるβ-CaO・SiOとは全く異なるものである。これらはいずれも、CaO・SiOで表されるが、結晶構造や密度は異なっている。
天然に産出するワラストナイトは低温相のβ-CaO・SiOである。β-CaO・SiOは針状結晶を有し、ワラストナイト繊維等のような無機繊維質物質として利用されてはいるが、本実施形態に係るα-CaO・SiOのような炭酸(塩)化促進効果はない。
(カルシウムマグネシウムシリケート)
カルシウムマグネシウムシリケートとは、CaO-MgO-SiO系化合物を総称するものであるが、本実施形態では、3CaO・MgO・2SiO(CMS)で表されるメルヴィナイト(Merwinite)であることが好ましく、メルヴィナイトによれば比較的大きい炭酸(塩)化促進効果が達成される。
<Li>
上記のような非水硬性化合物は1種でも2種以上でもよいが、非水硬性化合物中におけるLiの含有率は酸化物換算で0.001~1.0質量%であり、0.005~1.0質量%であることが好ましく、0.010~0.90質量%であることがより好ましく、0.015~0.80質量%であることがさらに好ましい。Liの含有率が酸化物換算で0.001%以上1.0質量%以下であることで、炭酸化促進効果が得られやすい。なお、酸化物換算のLiの含有率は、実施例に記載の方法にて測定することができる。
なお、非水硬性化合物が2種以上である場合、Liの含有率とは、2種以上の非水硬性化合物の合計に対する該Liの酸化物換算での含有率をいう。
上記の非水硬性化合物の中でも、特にγ-2CaO・SiOは、製造時にダスティングと呼ばれる粉化現象をともなうため他の化合物に比べて粉砕に要するエネルギーが少ないこと、長期にわたって炭酸(塩)化促進効果が比較的大きいこと、一方、低水結合材比でアルミナセメントと組み合わせた場合には中性化抑制効果が非常に大きい点で好ましい。
本実施形態に係る非水硬性化合物は、CaO原料、SiO原料、MgO原料及びLi原料を所定のモル比で配合して熱処理することによって得られる。CaO原料としては、例えば、石灰石などの炭酸カルシウム、消石灰などの水酸化カルシウム、アセチレン副生消石灰などの副生消石灰、廃コンクリート塊から発生する微粉末、などが挙げられる。SiO原料としては、例えば、ケイ石や粘土、さらには、シリカフュームやフライアッシュに代表されるような産業副産物として発生する様々なシリカ質ダストなどが挙げられる。MgO原料としては、例えば、水酸化マグネシウムや塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイトなどを挙げることができる。また、Li原料としては、炭酸リチウムなどを挙げることができる。なお、CaO原料、SiO原料、MgO原料にLiが含まれる場合は、Li原料を新たに加える必要はない。熱処理時の非エネルギー由来CO排出量の削減からも、副生消石灰、廃コンクリート塊から発生する微粉末、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥焼却灰など、CaOを含む産業副産物から選ばれる1種又は2種以上を利用できる。中でも他の産業副産物に比べて不純物量が少ない副生消石灰の使用がさらに好ましい。
副生消石灰としては、カルシウムカーバイド法によるアセチレンガスの製造工程で副生される副生消石灰(アセチレンガス製造方法の違いで、湿式品と乾式品がある)、カルシウムカーバイド電気炉の湿式集塵工程で捕獲されるダスト中に含まれる副生消石灰といったアセチレン副生消石灰等が挙げられる。副生消石灰は、例えば、水酸化カルシウムが65~95質量%(好ましくは、70~90質量%)で、その他に、炭酸カルシウムを1~10質量%、酸化鉄を0.1~6.0質量%(好ましくは、0.1~3.0質量%)含む。これらの割合は蛍光X線分析による測定、及び示差熱重量分析(TG-DTA)で求まる質量減量分(Ca(OH):405℃~515℃付近、CaCO:650℃~765℃付近)にて確認することができる。レーザー回折・散乱法で測定する体積平均粒子径は、50~100μm程度である。さらに、JIS K 0068「化学製品の水分測定方法」中、乾燥減量法で測定される水分率は、10質量%以下であることが好ましい。また、CaS、A1、及びCaC・CaSなどイオウ化合物を含んでもよいが、2質量%以下であることが好ましい。
既述の1,000℃以上の高温での熱処理は、特に限定されるものではないが、例えば、ロータリーキルンや電気炉などによって行うことができる。その熱処理温度は、一義的に定められるものではないが、通常、1,000~1,800℃程度の範囲で行われ、1,200~1,600℃程度の範囲で行われることが多い。
本実施形態は、既述の非水硬性化合物を含む産業副産物を用いることもできる。この際には不純物が共存する。このような産業副産物として、製鋼スラグ等が挙げられる。
CaO原料、SiO原料には不純物を含む場合があるが、本発明の効果を阻害しない範囲内では特に問題とはならない。不純物の具体例としては、例えば、Al、Fe、TiO、MnO、NaO、KO、S、P、F、B、塩素などが挙げられる。また、共存する化合物としては、遊離酸化カルシウム、水酸化カルシウム、カルシウムアルミネート、カルシウムアルミノシリケート、カルシウムフェライトやカルシウムアルミノフェライト、カルシウムフォスフェート、カルシウムボレート、マグネシウムシリケート、リューサイト(KO、NaO)・Al・SiO、スピネルMgO・Al、マグネタイトFe、前述のCaS、A1、及びCaC・CaSなどイオウ化合物などが挙げられる。
これらの不純物のうち、非水硬性化合物中のS(硫黄)の含有率は酸化物(SO)換算で1.0質量%以下であることが好ましく、0.7質量%以下であることがより好ましく、さらに0.5質量%以下であることが好ましい。1.0質量%以下であることで、十分な炭酸(塩)化促進効果が得られ、また、凝結や硬化性状を適切な範囲にすることができる。酸化物(SO)換算でのSの含有率は、非水硬性化合物中に例えば硫酸カルシウムを加えることで調整でき、蛍光X線分析により測定することで確認できる。なお、非水硬性化合物中のS(硫黄)は、酸化物換算で0.2質量%程度であれば存在していてもよい。
非水硬性化合物におけるγ-2CaO・SiOの含有率は、35質量%以上が好ましく、45質量%以上がより好ましい。また、γ-2CaO・SiOの含有率の上限値は特に限定されない。製鋼スラグの中では、γ-2CaO・SiO含有率が多い電気炉還元期スラグ又はステンレススラグが好ましい。
また、非水硬性化合物においてはその効果をより発現しやすくする観点から、化学成分として、非水硬性化合物100質量部中、LiOを0.001~1.0質量部、CaOを45~70質量部、SiOを30~55質量部、Alを0~10質量部含むことが好ましい。LiOの含有量は後述の実施例に記載の方法により測定することができる。また、CaO、SiO、Alは蛍光X線分析により測定することができる。
化学成分としては、非水硬性化合物100質量部中、LiOは0.002~0.5質量部、CaOは60~70質量部、SiOは30~45質量部、Alは0.5~5質量部含むことがより好ましい。
さらに、化学成分として、非水硬性化合物100質量部中、LiO、CaO、SiO、及びAlの合計は、90質量部以上であることが好ましく、95~100質量部であることがより好ましい。
非水硬性化合物中の非水硬性化合物を定量する方法として、粉末X線回折法によるリートベルト法等が挙げられる。
非水硬性化合物のブレーン比表面積は特に限定されるものではないが、1,500cm/g以上が好ましく、また上限は8,000cm/g以下が好ましい。なかでも、2,000~6,000cm/gがより好ましく、4,000~6,000cm/gが最も好ましい。ブレーン比表面積が2,000cm/g以上であることで、良好な材料分離抵抗性が得られ、炭酸(塩)化促進効果が十分になる。また、8,000cm/g以下であることで粉砕する際の粉砕動力が大きくならず経済的であり、また、風化が抑制され品質の経時的な劣化を抑えることができる。
非水硬性化合物の使用量は、アルミナセメントと潜在水硬性物質からなる結合材100質量部に対して、5~300質量部であり、10~100質量部がより好ましい。非水硬性化合物の使用量が、アルミナセメントと潜在水硬性物質からなる結合材100質量部に対して、5~300質量部だと、中性化抑制効果が得られる。
本発明の水硬性セメント組成物の粒度は、使用する目的・用途に依存するため特に限定されるものではないが、通常、ブレーン値で3,000cm/g以上が好ましく、5,000~50,000cm/gがより好ましい。3,000cm/g未満では本発明の効果が充分に得られない場合がある。
本発明で使用する水量は、使用する材料の種類や配合により変わるため一義的に決定されるものではないが、通常、水/アルミナセメント比で25~60質量%が好ましく、30~50質量%がより好ましい。25質量%以上では所定の作業性を得るために併用する減水剤等の必要量が過剰になることがなく、60質量%以下では充分な強度発現性が得られる。
本発明では、本発明の水硬性セメント組成物の他に、骨材、減水剤、高性能減水剤、AE減水剤、高性能AE減水剤、流動化剤、消泡剤、増粘剤、防錆剤、防凍剤、セメント混和用ポリマーディスパージョン、収縮低減剤、凝結調整剤、ベントナイトなどの粘土鉱物、及びハイドロタルサイトなどのアニオン交換体等のセメント混和材又はセメント混和剤や、ビニロン繊維、アクリル繊維、及び炭素繊維等の繊維状物質のうちの一種又は二種以上を、本発明の目的を実質的に阻害しない範囲で使用することが可能である。
本発明における各材料の混合方法は特に限定されるものではなく、それぞれの材料を施工時に混合しても良いし、あらかじめその一部あるいは全部を混合しておいても差し支えない。
混合装置としては、既存の如何なる装置も使用可能であり、例えば、傾胴ミキサ、オムニミキサ、ヘンシェルミキサ、V型ミキサ、及びナウターミキサなどが挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実験例>
結合材を表1に示すアルミナセメントと潜在水硬性物質を含み、その量を合計100質量部とし、水/アルミナセメント比45質量%、結合材/砂比を1/3(質量比)としたとき、表1に示す非水硬性化合物を非水硬性化合物と同じ量の砂と置換して配合したモルタル組成物を調製し、撹拌してモルタルを作製した。このとき、モルタルのフロー値が175±5cmとなるように、減水剤をモルタルに加えた。調製したモルタルについて、材齢1日で脱型後、20℃水中養生を行い、モルタル硬化体を作製した。モルタル硬化体について、圧縮強度を測定し、中性化促進試験を行った。その結果を表1に示す。
[使用材料]
・アルミナセメント:市販品、ブレーン値4,750cm2/g、密度3.01g/cm3
・潜在水硬性物質A:高炉水砕スラグ微粉末、市販品、ブレーン値6,200cm2/g、密度2.90g/cm3
・潜在水硬性物質B:フライアッシュ、市販品、ブレーン値4,400cm2/g、密度2.35g/cm3
・潜在水硬性物質C:シリカフューム、市販品、ブレーン値135,000cm2/g、密度2.30g/cm3
・潜在水硬性物質D:潜在水硬性物質Aと潜在水硬性物質Bの質量比1:1の混合品。
・非水硬性化合物A:Li含有γ-2CaO・SiO。試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とをモル比2:1で混合し、さらに混合物に対してLiの含有量が酸化物(LiO)換算で0.01質量%(内割置換)、SOの含有量が0.5質量%(内割置換)となるように、試薬1級の炭酸リチウムと硫酸カルシウムを混合し、Liの含有量とSOの含有量を蛍光X線分析で確認した。その混合物を1,400℃で2時間熱処理し、室温まで放冷した後、粉砕して、ブレーン比表面積を4,000cm/gとした。
・非水硬性化合物A1:非水硬性化合物中のLiの含有量が酸化物(LiO)換算で0.001質量%(内割置換)、SOの含有量が0.5質量%(内割置換)となるように試薬1級の炭酸リチウムと硫酸カルシウムとを混合し、Liの含有量とSOの含有量を蛍光X線分析で確認したこと以外は非水硬性化合物Aと同様に作製した。
・非水硬性化合物A2:非水硬性化合物中のLiの含有量が酸化物(LiO)換算で1.0質量%(内割置換)、SOの含有量が1.0質量%(内割置換)となるように試薬1級の炭酸リチウムと硫酸カルシウムとを混合し、Liの含有量とSOの含有量を蛍光X線分析で確認したこと以外は非水硬性化合物Aと同様に作製した。
・非水硬性化合物A3:非水硬性化合物中のLiの含有量が酸化物(LiO)換算で0.0005質量%(内割置換)、SOの含有量が1.0質量%(内割置換)となるように試薬1級の炭酸リチウムと硫酸カルシウムとを混合し、Liの含有量とSOの含有量を蛍光X線分析で確認したこと以外は非水硬性化合物Aと同様に作製した。
・非水硬性化合物A4:非水硬性化合物中のLiの含有量が酸化物(LiO)換算で1.5質量%(内割置換)、SOの含有量が1.2質量%(内割置換)となるように試薬1級の炭酸リチウムと硫酸カルシウムとを混合し、Liの含有量とSOの含有量を蛍光X線分析で確認したこと以外は非水硬性化合物Aと同様に作製した。
・非水硬性化合物B:Li含有α-CaO・SiO。試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とを1:1のモル比で混合し、さらに混合物に対してLiの含有量が酸化物(LiO)換算で0.0005~1.1%(内割置換)となるように試薬1級の炭酸リチウムを混合した。その混合物を1,500℃で2時間熱処理し、室温まで放冷した後、粉砕して、ブレーン比表面積を4,000cm/gとした。
・非水硬性化合物C:β-2CaO・SiO。試薬1級の炭酸カルシウムと試薬1級の二酸化ケイ素とをモル比2:1で混合し、1,400℃で2時間熱処理し、室温まで放冷した後、粉砕してXRDでγ-2CaO・SiOのピークが確認されなくなるまで同様の熱処理を繰り返した。β-2CaO・SiOのみのピークが確認された後、ブレーン比表面積を4,000cm/gとした。
なお、非水硬性化合物における酸化物換算のLiの含有量は、ICP発光分光分析装置(日立ハイテクサイエンス社製、VISTA-PRO)によって測定した。そして、ICP用混合液(SPEX社製、XSTC-22)を希釈して用いた絶対検量線法から、仕込み量と同量のLiの含有量であることを確認した。なお、測定条件は下記のとおりである。
・Li測定波長:670.783nm
・BG補正:フィッティングカーブ法
・検量線用標準溶液:ICP用混合液(SPEX社製、XSTC-22)を希釈して使用
・検量線範囲:0~5mg/L(0mg/L,0.1mg/L,0.5mg/L,1mg/L,5mg/Lの5点検量線)
・絶対検量線法で定量
さらに、非水硬性化合物における酸化物換算のS含有量は、蛍光X線分析により測定した。
・水 :水道水
・減水剤:ナフタレンスルホン酸系高性能減水剤、市販品
・砂 :JIS標準砂
[測定方法]
・圧縮強度
寸法が4×4×16cmの供試体を作製し、JIS R 5201に準じて20℃で水中養生を施し、材齢28日の時点で圧縮強度を測定した。さらに60℃環境下で水中に1年間浸漬した後に圧縮強度を測定した。測定した試料数は1つの例につき3個であり、その平均値を表1に記載の圧縮強度とした。
・中性化深さ
寸法が4×4×16cmの供試体を作製し、材齢28日まで20℃水中養生を施した後、大気圧下30℃、相対湿度60%、炭酸ガス濃度5%の環境で中性化促進を行った。中性化促進を始めてから8週間後に、供試体に曲げ荷重を加え、供試体の長手方向に対して略垂直な断面を作製した。そして、JIS A 1152に準じて、断面にフェノールフタレインアルコール溶液を塗布して、断面の外縁部から赤紫色に呈色した部分までの距離をノギスで外縁部に沿って10mm間隔にて測定し、その平均値を表1に記載の中性化深さとした。
Figure 2023028446000001
表1より、実施例に示されるモルタル硬化体は、浸漬1年の圧縮強度が材齢28日の圧縮強度に比べて比較的低下していないことから、転移による強度低下を防止できることが分かり、中性化深さが比較的小さいことから、中性化抵抗性に優れていることが分かった。
<変形例>
上記の実施例に沿ってモルタル組成物を調製する際に、さらに粗骨材を加えてコンクリート組成物として調製してもよく、この場合、撹拌してコンクリートを作製し、養生して、コンクリート硬化体を作製することができる。また、上記の実施例に沿ってモルタル組成物を調製する際に、砂の量を0質量部(砂を加えない)としてセメント組成物(水硬性セメント組成物)として調製してもよく、この場合、撹拌してセメントペーストを作製し、養生して、セメント硬化体を作製することができる。このようなコンクリート硬化体やセメント硬化体は、上記の実施例と同様に、転移による強度低下を防止でき、中性化抵抗性に優れている。

Claims (3)

  1. 5~90質量部のアルミナセメントと95~10質量部の潜在水硬性物質からなる100質量部の結合材と、5~300質量部の非水硬性化合物とを含有してなり、
    前記非水硬性化合物が、γ-2CaO・SiO、3CaO・2SiO、α-CaO・SiO及びカルシウムマグネシウムシリケートからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、
    前記非水硬性化合物中にLiを含有し、前記非水硬性化合物中におけるLiの含有率が酸化物換算で0.001~1.0質量%である水硬性セメント組成物。
  2. 前記非水硬性化合物中の硫黄の含有量が酸化物換算で1質量%以下である請求項1に記載の水硬性セメント組成物。
  3. 請求項1または2に記載の水硬性セメント組成物を含有してなるセメントコンクリート組成物。
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