JP2023022366A - 軌条車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】気密を維持しながら部材の変形を小さくできる強固な構体を備える軌条車両を提供することを目的とする。【解決手段】屋根構体と、前記屋根構体の幅方向の両端部に接続する側構体と、を有し、前記屋根構体の前記第1車内側面板と前記側構体の前記第2車内側面板延伸部とを締結する第1機械締結部と、前記屋根構体の第1端部リブと前記側構体の第2端部リブとを締結する第2機械締結部と、前記屋根構体の第1車外側面板と前記側構体の第2車外側面板とを溶接する第1溶接部と、を有する。【選択図】図4
Description
本発明は、軌条車両に関し、特に、構体を備える軌条車両に関する。
軌条車両である鉄道車両は、基本的には、床面をなす台枠と、台枠の幅方向の両端部に立設される側構体と、台枠の長手方向の両端部に立設される妻構体と、側構体および妻構体の上端部に載置される屋根構体と、からなる6面体の鉄道車両構体を有する。
鉄道車両構体は、これらの各構体を接続して構成するが、各構体の接続部には局所的な変形が生じる場合がある。このため、特許文献1では、接続部に生じる局所的な変形を抑制するとともに、製作工数を少なくできる鉄道車両構体が開示されている。
特許文献1の構成は、屋根構体の車外側の端部面板と側構体の車外側の第2面板との接続部は、溶融溶接される。屋根構体の車内側の第2面板と側構体の車内側の端部面板との接続部は、機械的締結によって接続される。このことにより、水密を必要とする車外側の接続部のみを、大きな入熱を伴う溶融溶接とし、車内側の接続部を入熱量が極めて小さい機械的締結手段で接続するので、接続部の局所的な変形を抑制できる特徴を有する。
一方で、高速走行する鉄道車両等に用いられる軌条車両構体を構成する部材は、軽量化のために部材の厚さ寸法を小さくしている。さらに、軌条車両構体は、トンネル通過時に車外圧力が大きく変動するため、軌条車両構体を気密に維持して、車外圧力変動に起因する車内圧力変動を抑制している。
軌条車両構体を気密に維持するために、入熱量の大きい溶融溶接で構体を組立てると、軽量化のために板厚寸法を小さくした接合部が溶接の熱により大きく変形する可能性が高くなる。さらに、この変形を矯正するための製作工数が大きくなる傾向があった。
特許文献1の構成では、車内側の機械的締結に対して車外側では溶融溶接で接続を行うため大きな入熱が必要となる。このため、軽量化に伴う厚みの小さい部材を用いる場合は変形が生じる可能性が存在する。
本発明は、上述した課題に鑑みて、気密を維持しながら部材の変形を小さくできる強固な構体を備える軌条車両を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、代表的な本発明の軌条車両の一つは、屋根構体と、前記屋根構体の幅方向の両端部に接続する側構体と、を有し、前記屋根構体は、第1車外側面板と、第1車内側面板と、前記第1車外側面板と前記第1車内側面板を接続する複数の第1接続リブと、前記第1車外側面板および前記第1車内側面板の幅方向の端部を接続する第1端部リブと、を有するとともに、前記第1車内側面板および前記第1接続リブの一部は取り除かれており、前記側構体は、第2車外側面板と、第2車内側面板と、前記第2車外側面板と前記第2車内側面板を接続する複数の第2接続リブと、前記第2車外側面板および前記第2車内側面板の幅方向の端部を接続する第2端部リブと、前記第2端部リブから前記第1車内側面板に沿う方向に延伸する第2車内側面板延伸部と、を有するとともに、前記第2車内側面板および前記第2接続リブの一部は取り除かれており、前記第1車内側面板と前記第2車内側面板延伸部とを締結する第1機械締結部と、前記第1端部リブと前記第2端部リブとを締結する第2機械締結部と、前記第1車外側面板と前記第2車外側面板とを溶接する第1溶接部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、軌条車両において、気密を維持しながら部材の変形を小さくするとともに強固な構体とすることができる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
上記以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態により明らかにされる。
以下、図を参照して、本発明を実施するための形態を説明する。まず、説明に供する各方向を定義する。軌条車両の長手方向またはレール方向をx方向、軌条車両の幅方向または枕木方向をy方向、軌条車両の高さ方向をz方向とし、以下、単にx方向、y方向、z方向と記す場合もある。
軌条車両は、敷設される軌道に沿って運行される車両であり、鉄道車両、モノレール車両、路面電車、新交通車両等を含む。以下に説明する本発明の実施形態では軌条車両の代表例として、鉄道車両による実施の形態を説明する。鉄道車両以外の軌条車両においても下記実施形態は適用可能である。
(全体の構成)
図1は本発明の鉄道車両の一実施形態を示す側面図であり、図2は本発明の鉄道車両の一実施形態を示す長手方向に交差する断面図(図1のA-A断面)である。
図1は本発明の鉄道車両の一実施形態を示す側面図であり、図2は本発明の鉄道車両の一実施形態を示す長手方向に交差する断面図(図1のA-A断面)である。
鉄道車両1は、6面体をなす構体3と、構体3のx方向の両端部下側で構体3を支持して、軌道(レール)90の上を転動する車輪を有する台車2とを有している。構体3は、構体底部8と、妻構体9と、側構体下部7と、側構体6と、屋根構体5とを有して、6面体を形成している。
構体底部8は、構体3の底部(z方向下側)を形成する。側構体下部7は、構体底部8のy方向の両端部に立設され、構体3のy方向の両端側面の下側を形成する。側構体6は、側構体下部7の上端部に接続され、構体3のy方向の両端側面の上側を形成する。妻構体9は、構体底部8の長手方向(x方向)の両端部に立設され、構体3のx方向の両端側面を形成する。屋根構体5は、側構体6および妻構体9の上端部に載置され、z方向上側を覆うように形成する。また、妻構体9にほぼ平行に、乗客等が乗降する出入口を有するデッキ部と座席のある客室部とを仕切る仕切り壁69が備えられ、仕切り壁69には乗客等の移動に供される仕切り扉76が備えられる。
さらに、構体3は側構体接続部12を有する。側構体接続部12はプラットホーム92の高さとほぼ同じ高さ位置で、y方向に沿って延在する。このとき、側構体接続部12はy方向両側に設けられた左右一対の側構体6を接続するとともに、x方向に沿って離散的に複数備えられる。また、同時に側構体接続部12は、y方向両側に設けられた左右一対の側構体下部7も接続することができる。このため、側構体接続部12の主な機能は、側構体6の下端部と側構体下部7の上端部とを機械的に接続することである。これにより側構体接続部12より上側に側構体6が延び、側構体接続部12より下側に側構体下部7が延びる構成となる。図2に示す側構体接続部12は、前述の機能に加えて、構体3をなすy方向両端の一対の、側構体6および側構体下部7の接続部を連結する部材(横梁)を例示したものである。
側構体接続部12の上面に上床72を備え、上床72の上面に座席70等が載置される。構体底部8と、側構体下部7と、側構体接続部12を含む上床72と、で囲まれる領域に、主回路機器、補助電源装置、空気圧縮機等の各種電気品が備えられる。なお、構体底部8と側構体下部7は、台車2の部分には設けなくてよい。
図3は、本発明の鉄道車両の屋根構体と側構体の構成例を示す斜視図である。屋根構体5は、第1車外側面板5aと、第1車内側面板5bと、これら面板を接続する第1接続リブ5cと、を有する。同様に、側構体6は、第2車外側面板6aと、第2車内側面板6bと、これら面板を接続する第2接続リブ6cと、を有する。
屋根構体5の第1車内側面板5bおよび第1接続リブ5cの一部、および、側構体6の第2車内側面板6bおよび第2接続リブ6cの一部は、軽量化のために切削されて取り除かれている。この構成は、側構体下部7でも同様に適用できる。なお、図3では、第1車内側面板5bおよび第1接続リブ5cと、第2車内側面板6bおよび第2接続リブ6cと、を大規模に取り除いた例を示したが、必ずしも車内側面板および接続リブを大規模に取り除く必要はなく、第2機械締結部M2を締結できる範囲の車内側面板および接続リブを取り除いても良い。側構体下部7においても、同様である。
(屋根構体と側構体の接続部の構成)
図4は、本発明の鉄道車両の屋根構体と側構体との接続部の構成例を示す断面図(図2のB部相当)である。図4を用いて、屋根構体5と側構体6との接続部の構成例を説明する。図4では、y方向右側の接続部の構成を示しているが、y方向左側の接続部でも左右対称に同様の構成とすることができる。
図4は、本発明の鉄道車両の屋根構体と側構体との接続部の構成例を示す断面図(図2のB部相当)である。図4を用いて、屋根構体5と側構体6との接続部の構成例を説明する。図4では、y方向右側の接続部の構成を示しているが、y方向左側の接続部でも左右対称に同様の構成とすることができる。
屋根構体5は、車外側を覆う第1車外側面板5aと、車内側に設けられる第1車内側面板5bと、これらの面板を接続する複数の第1接続リブ5cと、これらの面板のy方向の端部(側構体6側端部)を接続する第1端部リブ5dと、を有する。
側構体6は、車外側を覆う第2車外側面板6aと、車内側に設けられる第2車内側面板6bと、これらの面板を接続する複数の第2接続リブ6cと、これらの面板のy方向の端部(屋根構体5側端部)を接続する第2端部リブ6d1と、を有する。さらに、側構体6は、車内側において、第2端部リブ6d1の端部から第2車内側面板6bを延伸するように構成される第2車内側面板延伸部6bhを有する。第2車内側面板延伸部6bhの車外側の面が、側構体6のy方向の端部を屋根構体5のy方向の端部に突き合せた時、屋根構体5の第1車内側面板5bの車内側の面と重なるように構成される。
屋根構体5と側構体6とは、第1機械締結部M1及び第2機械締結部M2で締結した後に第1溶接部W1によって接合される。
第1機械締結部M1は、重なっている屋根構体5の第1車内側面板5bと側構体6の第2車内側面板延伸部6bhとを締結する。第1機械締結部M1は、例えば、ボルトやナットなどにより構成され、締結部分の第1車内側面板5bと第2車内側面板延伸部6bhに孔を開ける等して締結できる。また、図4の例では、y方向に2つの第1機械締結部M1を用いている。このため、第2車内側面板延伸部6bhもその長さ分を確保している。
第2機械締結部M2は、突き合わさっている屋根構体5の第1端部リブ5dと側構体6の第2端部リブ6d1とを締結する。第2機械締結部M2は、例えば、ボルトやナットなどにより構成され、締結部分の第1端部リブ5dと第2端部リブ6d1に孔を開ける等して締結できる。
第1溶接部W1は、屋根構体5の第1車外側面板5aと側構体6の第2車外側面板6aとの突き合わせ部を接合する。第1溶接部W1は、溶融溶接により行うことができ、x方向に沿って切れ目なく溶接される。このことで、気密性を保つことができる。また、第1機械締結部M1及び第2機械締結部M2の構成により、全体として接続強度が高まるため、溶融溶接における大きな入熱としなくても第1溶接部W1を構成できる。
第1機械締結部M1および第2機械締結部M2は、屋根構体5において、第1車内側面板5bと、第1端部リブ5dと、第1接続リブ5c1と、で構成される同一の略三角形状の断面形状(x方向に交差する断面形状)内で締結されている。ここで、第1接続リブ5c1は、屋根構体5の第1端部リブ5dに一番近い第1接続リブ5cである。第1接続リブ5c1は、図4では、第1車外側面板5a(のy方向端部)と第1端部リブ5d(の車外側端部)の接続部付近から、第1車内側面板5bへ向けて、第1端部リブ5dから離れる方向に斜めに形成されている。
第2機械締結部M2は、側構体6において、第2車外側面板6aと、第2端部リブ6d1と、第2接続リブ6c1と、で構成される略三角形状の断面形状(x方向に交差する断面形状)内で締結されている。ここで、第2接続リブ6c1は、側構体6の第2端部リブ6d1に一番近い第2接続リブ6cである。第2接続リブ6c1は、図4では、第2車内側面板6b(のy方向端部)と第2端部リブ6d1(の車内側端部)の接続部付近から、第2車外側面板6aへ向けて、第2端部リブ6d1から離れる方向に斜めに形成されている。
第2接続リブ6c1は、上記以外に、第2車外側面板6a(のy方向端部)と第2端部リブ6d1(の車外側端部)の接続部付近から、第2車内側面板6bへ向けて、第2端部リブ6d1から離れる方向に斜めに形成してもよい。この場合は、第2機械締結部M2は、側構体6において、第2車内側面板6bと、第2端部リブ6d1と、第2接続リブ6c1と、で構成される略三角形状内で締結される。
第2機械締結部M2は、屋根構体5と側構体6との接合部において、車内側から工具等を用いて締結できる。これは、図3に示すように、屋根構体5の第1車内側面板5bおよび第1接続リブ5cの一部、および、側構体6の第2車内側面板6bおよび第2接続リブ6cの一部が取り除かれていることにより、隙間が形成されているため可能である。
図4に示す屋根構体5と側構体6との接続構成において内部からの気密荷重96が作用した場合について説明する。気密荷重96により、屋根構体5と側構体6との接続部に、両構体を引き離される方向の力が作用した場合は、第1機械締結部M1がせん断方向の滑りを抑制し、同時に、第2機械締結部M2に生じる軸力および第1溶接部W1により、屋根構体5と側構体6を引き離される方向の力に抗する。
さらに、第1機械締結部M1および第2機械締結部M2で締結される部分は、屋根構体5および側構体6のx方向に交差する断面形状を略三角形状に構成しているので、これら接合部は高い剛性を有する堅牢な構造である。したがって、気密荷重96に伴う変形等に対して、効果的に抗するので、屋根構体5および側構体6の接合部の変形を抑制するとともに、変形に伴う過大な応力の発生を効果的に抑制できる。
上述した構成によって、高速で走行するとともに軽量化を促進するために小さい板厚寸法の部材から構成される軌条車両構体を、気密を維持しながら溶融溶接に伴う大きな入熱を抑制して、構体を構成する部材の変形を低減することができる。さらに、その変形に伴う矯正の製作工数を小さくできる。さらに、気密荷重に耐えうる強固で軽量な軌条車両構体とすることができる。
(側構体と側構体下部と側構体補強部の接続部の構成)
図5は、本発明の鉄道車両の側構体と側構体下部と側構体接続部との接続部の構成例を示す断面図(図2のC部相当)である。図5を用いて、側構体6と側構体下部7と側構体接続部12との接続部の構成例を説明する。図5では、y方向右側の接続部の構成を示しているが、y方向左側の接続部でも左右対称に同様の構成とすることができる。
図5は、本発明の鉄道車両の側構体と側構体下部と側構体接続部との接続部の構成例を示す断面図(図2のC部相当)である。図5を用いて、側構体6と側構体下部7と側構体接続部12との接続部の構成例を説明する。図5では、y方向右側の接続部の構成を示しているが、y方向左側の接続部でも左右対称に同様の構成とすることができる。
側構体6は、車外側を覆う第2車外側面板6aと、車内側に設けられる第2車内側面板6bと、これらの面板を接続する複数の第2接続リブ6cと、第2車外側面板6aと第2車内側面板6bのz方向の下端部を接続する第2端部リブ6d2と、を有する。
側構体下部7は、車外側を覆う第3車外側面板7aと、車内側に設けられる第3車内側面板7bと、これらの面板を接続する複数の第3接続リブ7cと、第3車外側面板7aと第3車内側面板7bのz方向の上端部を接続する第3端部リブ7dと、を有する。なお、図5では、側構体6の第2車外側面板6aと第2車内側面板6bの距離と、側構体下部7の第3車外側面板7aと第3車内側面板7bの距離は同じにした例が示されている。
側構体接続部12は、側構体6の下端部と側構体下部7の上端部とを接続する。側構体接続部12は、上部側に配置される上面板12aと、上面板12aに対して略平行に下部側に配置される下面板12bと、これらの面板を接続する複数の接続リブ12cと、側構体接続部12のy方向の端部にz方向に延伸する第4端部リブ12dhと、を有する。第4端部リブ12dhは、z方向の寸法が上面板12aから下面板12bに至るz方向の寸法より大きい。第4端部リブ12dhは、上面板12aよりも上部側に突出する上部端部リブ12dh1と下面板12bよりも下部側に突出する下部端部リブ12dh2とを有する。
さらに、側構体接続部12は、第4端部リブ12dhから突出するようにy方向に延伸し、上面板12aに対して略平行に形成される延伸部12ahを有する。延伸部12ahは、図5のように上面板12aから第4端部リブ12dhを貫通する態様で構成する上面板延伸部として強固に構成することができる。延伸部12ahのy方向の長さは、第4機械締結部M4を受け入れるのに必要な長さが確保される一方、第2端部リブ6d2や第3端部リブ7dの長さよりは短い。なお、側構体接続部12の延伸部12ahは、側構体6と側構体下部7とを接続するように、第4端部リブ12dhから延伸していればよい。このため、例えば、下面板12bのz方向の位置や、上面板12aと下面板12bの間のz方向の位置でも適用できる。
なお、側構体接続部12は、x方向に沿って連続的に備えても離散的に備えても良い。
側構体6と側構体下部7と側構体接続部12は、第4機械締結部M4で締結するとともに、側構体6と側構体接続部12は、上側の第3機械締結部M3で締結し、側構体下部7と側構体接続部12は、下側の第3機械締結部M3で締結する。さらに、側構体6と側構体下部7を第2溶接部W2によって接合される。
第4機械締結部M4は、側構体6の第2端部リブ6d2と側構体下部7の第3端部リブ7dで延伸部12ahを挟むようにして、これらをz方向に重ねて配置した位置において、z方向に貫通してこれらを締結する。第4機械締結部M4は、例えば、ボルトやナットなどにより構成され、締結部分の第2端部リブ6d2と第3端部リブ7dと延伸部12ahに孔を開ける等して締結できる。
上側の第3機械締結部M3は、側構体6の第2車内側面板6bと、側構体接続部12の第4端部リブ12dh(上部端部リブ12dh1)が重なる態様で配置される位置において、y方向に貫通してこれらを締結する。また、下側の第3機械締結部M3は、側構体下部7の第3車内側面板7bと、側構体接続部12の第4端部リブ12dh(下部端部リブ12dh2)が重なる態様で配置される位置において、y方向に貫通してこれらを締結する。第3機械締結部M3は、例えば、ボルトやナットなどにより構成され、締結部分の第4端部リブ12dhと第2車内側面板6bと第3車内側面板7bに孔を開ける等して締結できる。
第2溶接部W2は、側構体6の第2車外側面板6aと側構体下部7の第3車外側面板7aとの突き合わせ部を接合する。第2溶接部W2は、溶融溶接により行うことができ、x方向に沿って切れ目なく溶接される。このことで、気密性を保つことができる。また、第3機械締結部M3及び第4機械締結部M4の構成により、全体として接続強度が高まるため、溶融溶接における大きな入熱としなくても第2溶接部W2を構成できる。
上側の第3機械締結部M3は、側構体6において、第2車内側面板6bと、略水平に配置される第2接続リブ6c2と、傾斜して配置される第2接続リブ6c3と、からなる略三角形状の断面形状(x方向に交差する断面形状)内で締結されている。ここで、第2接続リブ6c2と第2接続リブ6c3は、第2車外側面板6a側で互いが接続されている。
下側の第3機械締結部M3は、側構体下部7において、第3車内側面板7bと、略水平に配置される第3接続リブ7c2と、傾斜して配置される第3接続リブ7c3と、からなる略三角形状の断面形状(x方向に交差する断面形状)内で締結されている。ここで、第3車内側面板7b2と第3接続リブ7c3は、第3車外側面板7a側で互いが接続されている。
第4機械締結部M4は、側構体6において、第2車内側面板6bと、第2端部リブ6d2と、傾斜して配置される第2接続リブ6c4と、で構成される略三角形状の断面形状(x方向に交差する断面形状)内で締結されている。ここで、第2接続リブ6c4は、側構体6の第2端部リブ6d2に一番近い第2接続リブ6cである。第2接続リブ6cは、第2車外側面板6a(のz方向端部)と第2端部リブ6d2(の車外側端部)の接続部付近から、第2車内側面板6bへ向けて、第2端部リブ6d2から離れる方向に斜めに形成されている。
第4機械締結部M4は、側構体下部7において、第3車内側面板7bと、第3端部リブ7dと、傾斜して配置される第3接続リブ7c1と、で構成される略三角形状の断面形状(x方向に交差する断面形状)内で締結されている。ここで、第3接続リブ7c1は、側構体下部7の第3端部リブ7dに一番近い第3接続リブ7cである。第3接続リブ7c1は、第3車外側面板7a(のz方向端部)と第3端部リブ7d(の車外側端部)の接続部付近から、第3車内側面板7bへ向けて、第3端部リブ7dから離れる方向に斜めに形成されている。
第4機械締結部M4は、側構体6と側構体下部7と側構体接続部12との接合部において、車内側から工具等を用いて締結できる。これは、図3に示すように、側構体6の第2車内側面板6bおよび第2接続リブ6cの一部、および、側構体下部7の第3車内側面板7bおよび第3接続リブ7cの一部が取り除かれていることにより、隙間が形成されているためである。
図5に示す側構体6と側構体下部7の接続構成において内部からの気密荷重96が作用した場合について説明する。気密荷重96により、側構体6と側構体下部7との接続部に、両構体を引き離される方向の力が作用した場合は、上下の第3機械締結部M3が側構体6と側構体下部7とせん断方向の滑りを抑制し、同時に、第4機械締結部M4に生じる軸力、および、第2溶接部W2が側構体6と側構体下部7を引き離される方向の力に抗する。
さらに、第3機械締結部M3および第4機械締結部M4で締結される部分は、側構体6および側構体下部7のx方向に交差する断面形状を三角形状(略三角形状)に構成しているので、これら接合部は高い剛性を有する堅牢な構造である。したがって、気密荷重96に伴う変形等に対して、効果的に抗するので、側構体6および側構体下部7の接合部の変形を抑制するとともに、変形に伴う過大な応力の発生を効果的に抑制できる。
上述した構成によって、高速で走行するとともに軽量化を促進するために小さい板厚寸法の部材から構成される軌条車両構体を、気密を維持しながら溶融溶接に伴う大きな入熱を抑制して、構体を構成する部材の変形を低減することができる。さらに、その変形に伴う矯正の製作工数を小さくできる。さらに、気密荷重に耐えうる強固で軽量な軌条車両構体を提供することができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
例えば、側構体接続部12を左右一対の側構体6の下端部(側構体下部7の上端部)との間に水平に架け渡される部材として例示した。しかし、これ以外に、側構体接続部12は、側構体6と側構体下部7との接続部と、構体底部8との間で、傾斜する態様で接続する部材であっても良い。
1…鉄道車両、2…台車、3…構体、5…屋根構体、5a…第1車外側面板、5b…第1車内側面板、5c、5c1…第1接続リブ、5d…第1端部リブ、6…側構体、6a…第2車外側面板、6b…第2車内側面板、6bh…第2車内側面板延伸部、6c、6c1、6c2、6c3、6c4…第2接続リブ、6d1、6d2…第2端部リブ、7…側構体下部、7a…第3車外側面板、7b、7b2…第3車内側面板、7c、7c1、7c2、7c3…第3接続リブ、7d…第3端部リブ、8…構体底部、9…妻構体、12…側構体接続部、12a…上面板、12ah…延伸部、12b…下面板、12c…接続リブ、12dh…第4端部リブ、12dh1…上部端部リブ、12dh2…下部端部リブ、20…側構体、69…仕切り壁、70…座席、72…上床、76…仕切り扉、92…プラットホーム、96…気密荷重、M1…第1機械締結部、M2…第2機械締結部、M3…第3機械締結部、M4…第4機械締結部、W1…第1溶接部、W2…第2溶接部
Claims (6)
- 屋根構体と、前記屋根構体の幅方向の両端部に接続する側構体と、を有し、
前記屋根構体は、第1車外側面板と、第1車内側面板と、前記第1車外側面板と前記第1車内側面板を接続する複数の第1接続リブと、前記第1車外側面板および前記第1車内側面板の幅方向の端部を接続する第1端部リブと、を有するとともに、前記第1車内側面板および前記第1接続リブの一部は取り除かれており、
前記側構体は、第2車外側面板と、第2車内側面板と、前記第2車外側面板と前記第2車内側面板を接続する複数の第2接続リブと、前記第2車外側面板および前記第2車内側面板の幅方向の端部を接続する第2端部リブと、前記第2端部リブから前記第1車内側面板に沿う方向に延伸する第2車内側面板延伸部と、を有するとともに、前記第2車内側面板および前記第2接続リブの一部は取り除かれており、
前記第1車内側面板と前記第2車内側面板延伸部とを締結する第1機械締結部と、前記第1端部リブと前記第2端部リブとを締結する第2機械締結部と、前記第1車外側面板と前記第2車外側面板とを溶接する第1溶接部と、を有することを特徴とする軌条車両。 - 請求項1に記載の軌条車両において、
前記屋根構体において、前記第1機械締結部が存在する、前記第1車内側面板と、前記第1接続リブと、前記第1端部リブと、で囲まれる略三角形状が形成されており、
前記側構体において、前記第2機械締結部が存在する、前記第2車内側面板又は前記第2車外側面板と、前記第2接続リブと、前記第2端部リブと、で囲まれる略三角形状が形成されていることを特徴とする軌条車両。 - 請求項1に記載の軌条車両において、
前記側構体の下端部に接続する側構体下部と、側構体接続部と、を有し、
前記側構体下部は、第3車外側面板と、第3車内側面板と、前記第3車外側面板と前記第3車内側面板を接続する複数の第3接続リブと、前記第3車外側面板および前記第3車内側面板の高さ方向の端部を接続する第3端部リブと、を有するとともに、前記第3車内側面板および前記第3接続リブの一部は取り除かれており、
前記側構体接続部は、前記側構体の下端部と、前記側構体下部の上端部と、を接続することを特徴とする軌条車両。 - 請求項3に記載の軌条車両において、
前記側構体接続部は、上面板と、前記上面板に略平行に配置される下面板と、前記上面板と前記下面板を接続する複数の第4接続リブと、前記上面板および前記下面板の幅方向端部において高さ方向に延伸する第4端部リブと、前記第4端部リブよりも幅方向外側に延伸する延伸部と、を有しており、
前記第4端部リブと前記第2車内側面板とを締結する上側第3機械締結部と、前記第4端部リブと前記第3車内側面板とを締結する下側第3機械締結部と、前記延伸部を介して、前記第2端部リブと前記第3端部リブとを締結する第4機械締結部と、前記第2車外側面板と前記第3車外側面板とを接続する第2溶接部と、を有することを特徴とする軌条車両。 - 請求項4に記載の軌条車両において、
前記延伸部は、前記上面板から前記第4端部リブを貫通する態様で幅方向に延伸する上面板延伸部であることを特徴とする軌条車両。 - 請求項4に記載の軌条車両において、
前記側構体接続部は、左右一対の前記側構体の間、および、左右一対の前記側構体下部の間、に架け渡される態様で備えられることを特徴とする軌条車両。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021127047A JP7582916B2 (ja) | 2021-08-03 | 軌条車両 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021127047A JP7582916B2 (ja) | 2021-08-03 | 軌条車両 |
Publications (2)
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JP2023022366A true JP2023022366A (ja) | 2023-02-15 |
JP7582916B2 JP7582916B2 (ja) | 2024-11-13 |
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