JP2023013499A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】エネルギー密度が高く、実用充電速度での電池作動が可能なリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】正極層2とセパレータ層3と負極層4とが順次積層されたリチウムイオン二次電池1である。正極層2は、第1固体電解質21と正極活物質22とを含有する。正極層2には、電解液23が含浸されている。セパレータ層3は、第2固体電解質31を含有する。負極層4は、第3固体電解質41と負極活物質42とを含有する。負極活物質42は金属リチウムである。負極層4が、第3固体電解質41から構成される多孔質部411と、第3固体電解質41から構成され、多孔質部411よりも緻密度の高い稠密部412とを有する。稠密部412が、負極層4の外周側面413に形成されている。
【選択図】図2
【解決手段】正極層2とセパレータ層3と負極層4とが順次積層されたリチウムイオン二次電池1である。正極層2は、第1固体電解質21と正極活物質22とを含有する。正極層2には、電解液23が含浸されている。セパレータ層3は、第2固体電解質31を含有する。負極層4は、第3固体電解質41と負極活物質42とを含有する。負極活物質42は金属リチウムである。負極層4が、第3固体電解質41から構成される多孔質部411と、第3固体電解質41から構成され、多孔質部411よりも緻密度の高い稠密部412とを有する。稠密部412が、負極層4の外周側面413に形成されている。
【選択図】図2
Description
本発明は、電解液が含浸された正極と、電解液を実質的に含有しない負極及びセパレータを有するリチウムイオン二次電池に関する。
固体電池は、正極と負極とをセパレータを挟んで一体化した積層構造を有する。セパレータは、固体電解質を含み、正極及び負極は、いずれも固体電解質と電極活物質とを含む。正極は、電極活物質として正極活物質を含有し、負極は、電極活物質として負極活物質を含有する。固体電解質としては、リチウムイオン伝導性を有する酸化物系又は硫化物系の化合物が知られている。また、電池のエネルギー密度を高くするために、負極活物質として金属リチウムを用いることが有利である。
例えば特許文献1には、電解質として固体電解質を用いた全固体リチウム硫黄電池が提案されている。全固体電池は、電解液を含有していないため、例えば、負極などの電極と電解液とが接触して発熱することを回避することできる。
全固体電池では、負極と電解液との接触を回避できているため、負極活物質として金属リチウムを使用することができる。これは、電池の高エネルギー密度化に繋がる。一方、固体電解質はイオン電導度が低い。そのため、全固体電池では正極活物質と固体電解質の界面抵抗が高くなる。これにより、正極での界面抵抗が、過電圧と電流密度から計算される許容抵抗を超え、実用充電速度での電池作動が困難になる。界面抵抗を下げるためには、電解液の使用が効果的であるが、電解液を使用すると、発熱の観点から負極に金属リチウムを用いることが困難になり、エネルギー密度が低くなる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、エネルギー密度が高く、実用充電速度での電池作動が可能なリチウムイオン二次電池を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、第1固体電解質(21)と正極活物質(22)とを含有し、電解液(23)が含浸された正極層(2)と、第2固体電解質(31)を含有し、電解液を実質的に含有しないセパレータ層(3)と、第3固体電解質(41)と負極活物質(42)とを含有し、電解液を実質的に含有しない負極層(4)とが順次積層された単セル構造(11)を有するリチウムイオン二次電池(1)であって、
上記負極活物質が金属リチウムであり、
上記負極層が、上記第3固体電解質から構成される多孔質部(411)と、上記第3固体電解質から構成され、上記多孔質部よりも緻密度の高い稠密部(412)とを有し、
上記稠密部が、上記負極層の外周側面(413)に形成されている、リチウムイオン二次電池にある。
上記負極活物質が金属リチウムであり、
上記負極層が、上記第3固体電解質から構成される多孔質部(411)と、上記第3固体電解質から構成され、上記多孔質部よりも緻密度の高い稠密部(412)とを有し、
上記稠密部が、上記負極層の外周側面(413)に形成されている、リチウムイオン二次電池にある。
上記リチウムイオン二次電池では、負極活物質が金属リチウムである。そのため、エネルギー密度が高くなる。また、正極層に電解液が含浸されている。そのため、正極層における界面抵抗が低くなり、実用充電速度での電池作動が可能になる。
上記リチウムイオン二次電池では、正極層に電解液が含浸されていても、負極活物質として金属リチウムを用いることができる。これは、負極層が多孔質部と、負極層の外周側面に形成された稠密部とを有しているからである。つまり、稠密部の存在により、正極層に含浸された電解液の多孔質部への到達が防止され、電池作動において多孔質部に析出する金属リチウムと電解液との反応を防止することができる。したがって、上記リチウムイオン二次電池では、正極層に電解液を含浸させつつ、負極活物質として金属リチウムを用いることが可能になる。これにより、実用充電速度での電池作動を可能しつつ、エネルギー密度を高くすることができる。
以上のごとく、上記態様によれば、エネルギー密度が高く、実用充電速度での電池作動が可能なリチウムイオン二次電池を提供することができる。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
なお、特許請求の範囲及び課題を解決する手段に記載した括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(実施形態1)
リチウムイオン二次電池1に係る実施形態について、図1~図3を参照して説明する。
リチウムイオン二次電池1に係る実施形態について、図1~図3を参照して説明する。
(電池構成)
図1~図3に示されるように、リチウムイオン二次電池1は、単セル構造11を少なくとも1つ有する。単セル構造11は、正極層2とセパレータ層3と負極層4とを有する。正極層2とセパレータ層3と負極層4とは、この順で積層されており、セパレータ層3が正極層2と負極層4との間に配置される。また、正極層2、負極層4には、セパレータ層3と反対面に集電体5を配置することができる。なお、詳細な構成については後述するが、リチウムイオン二次電池1は、単セル構造11を2以上有することができ、この場合には、積層方向に連結された直列構造の単セル構造11間に集電体5が配置される。
図1~図3に示されるように、リチウムイオン二次電池1は、単セル構造11を少なくとも1つ有する。単セル構造11は、正極層2とセパレータ層3と負極層4とを有する。正極層2とセパレータ層3と負極層4とは、この順で積層されており、セパレータ層3が正極層2と負極層4との間に配置される。また、正極層2、負極層4には、セパレータ層3と反対面に集電体5を配置することができる。なお、詳細な構成については後述するが、リチウムイオン二次電池1は、単セル構造11を2以上有することができ、この場合には、積層方向に連結された直列構造の単セル構造11間に集電体5が配置される。
リチウムイオン二次電池1は、キャリアイオンがリチウムイオンの二次電池である。固体電解質(具体的には、第1固体電解質21、第2固体電解質31、第3固体電解質41)がリチウムイオン伝導性を有する。本明細書では、正極層2の固体電解質を第1固体電解質21といい、セパレータ層3の固体電解質を第2固体電解質31といい、負極層4の固体電解質を第3固体電解質41という。第1固体電解質21、第2固体電解質31、第3固体電解質41の材質は、同じであっても、異なっていてもよい。好ましくは、各固体電解質21、31、41の材質は、同じであることがよい。この場合には、材質が異なる場合と比較して、界面の接合が形成しやすく高イオン電導度を担保できるという効果を奏する。
リチウムイオン二次電池1は、正極層2に電解液23を含有し、セパレータ層3及び負極層4には、電解液23を実質的に含まない。このような構成のリチウムイオン二次電池1は、電解液を含まない全固体電池、正極及び負極間に電解液を含有する電解液駆動型リチウムイオン二次電池に対して、半固体電池とも呼ばれる。なお、「電解液を実質的に含有しないセパレータ層」とは、本開示のリチウムイオン二次電池1に、電解液が含浸された或いは含有させたセパレータ層を有する電池が含まれないことを意味するが、例えば、製法上不可避的に、セパレータ層3(具体的には、セパレータ層3における正極層2と接する部分、セパレータ層3における負極層4と接する部分等)に、部分的に含有されうる電解液は許容される。また、「電解液を実質的に含有しない負極層」とは、本開示のリチウムイオン二次電池に、電解液が含浸された或いは含有させた負極層を有する電池が含まれないことを意味するが、例えば、製法上不可避的に、負極層4(具体的には、負極層4の稠密部412等)に、部分的に含有されうる電解液は許容される。
(正極層)
図2に示されるように、正極層2は、所謂正極であり、第1固体電解質21と正極活物質22とを含有する。
図2に示されるように、正極層2は、所謂正極であり、第1固体電解質21と正極活物質22とを含有する。
第1固体電解質21としては、リチウムイオン伝導性セラミックスを用いることができる。リチウムイオン伝導性セラミックスは、少なくともLiとLaとを含有し、ガーネット型またはガーネット型類似の結晶構造を有する。また、上記結晶構造内の一部がAl、Ta、Ni、Biから選ばれる1種類以上の元素によって置換された複合酸化物であってもよい。第1固体電解質21としては、リチウム-ランタン-ジルコニウム複合酸化物、リチウム-アルミニウム-チタン-リン酸複合酸化物、リチウム-ランタン-酸化チタン-リン酸複合酸化物、ケイ酸塩リチウム-ホウ酸リチウム複合酸化物、ホウ酸リチウム-硫酸リチウム複合酸化物、リン酸リチウムオキシナイトライド複合酸化物、リチウム-アルミニウム-チタン-リン酸複合酸化物、リチウム-ケイ素-リン-硫黄-塩素複合酸化物、リチウム-ゲルマニウム-リン-硫黄複合酸化物等を用いることができる。好ましくは、リチウム-ランタン-ジルコニウム複合酸化物がよい。この場合には、イオン電導度が高く、Liに対して安定であり、長期に所望のイオン電導度を保つという効果が得られる。
正極活物質22としては、硫黄、ニッケル酸リチウム、コバルト酸リチウム、遷移金属を一定割合でリチウムと複合させた酸化物、マンガン酸リチウム酸化物、リン酸鉄リチウム酸化物等を用いることができる。なお、リチウムと複合させる遷移金属は、ニッケル、コバルト、マンガンなどである。
正極層2は、例えば、第1固体電解質21から構成される多孔質基材211と、多孔質基材211の気孔212内に配置される正極活物質22とを有する。また、正極層2には、電解液23が含浸される。電解液23は、例えば、固体電解質の結晶粒と、正極活物質22の結晶粒との隙間に保持される。電解液23の存在により、固体電解質と、正極活物質22との界面抵抗が低下する。具体的には、電解液23を含有しない全固体電池に比べて、界面抵抗が大幅に低下する。これにより、実用充電速度で電池作動が可能になる。正極層2は、例えば、液体を透過させる程度の稠密性を有することが好ましい。この場合には、液体の電解液を正極活物質の外部から注入することが可能になる。なお、満充電時において、正極層2の緻密度は、20~50vol%であることが好ましく、30~40vol%であることがより好ましい。正極層2の緻密度は、第1固体電解質21から構成される多孔質基材211の緻密度である。なお、本明細書における緻密度は、相対密度を意味する。
また、正極層2は、導電助剤を含有することができる。導電助剤は、例えば、正極活物質22の結晶粒の表面に配置される。導電助剤により、正極活物質22と固体電解質との界面抵抗がさらに低減する。
電解液23は、液体であってもゲル状であってもよい。また、電解液23は、水系(具体的には、水溶液)であってもよく、非水系(具体的には、有機溶媒)であってもよい。混合導電体(イオン・電子導電)であってもよい。ゲル状の電解液23を用いると、正極層2の多孔質基材211に電解液23を保持させることが容易になる。
電解液23としては、グライム系溶媒、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、ハイドロフルオロエーテルなどの溶媒から選択される2種以上の溶媒の混合溶媒、リチウム塩とエチレンカーボネートとの混合溶媒などを用いることができる。リチウム塩は、具体的には、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、過塩素酸リチウムなどである。
(セパレータ層)
図1及び図2に示すように、セパレータ層3は、所謂セパレータであり、正極層2と負極層4とを分離する。セパレータ層3は、第2固体電解質31を含有する。セパレータ層3は、通常、稠密な層である。セパレータ層3は、電解液23を通過させない程度の稠密性を有することが好ましく、液体の透過を防止できる程度の稠密性を有することがより好ましい。
図1及び図2に示すように、セパレータ層3は、所謂セパレータであり、正極層2と負極層4とを分離する。セパレータ層3は、第2固体電解質31を含有する。セパレータ層3は、通常、稠密な層である。セパレータ層3は、電解液23を通過させない程度の稠密性を有することが好ましく、液体の透過を防止できる程度の稠密性を有することがより好ましい。
セパレータ層3は、通常、正極層2(例えば、正極層2の多孔質基材211)、及び負極層4の多孔質部411よりも緻密度が高い。具体的には、セパレータ層3は、緻密度が90vol%以上であることが好ましく、95vol%以上であることがより好ましく、98vol%以上であることがさらに好ましい。セパレータはその機能上、緻密度をできる限り高くすることが好ましい。
第2固体電解質31としては、第1固体電解質21と同様に、リチウムイオン伝導性セラミックスを用いることができる。具体的には、リチウム-ランタン-ジルコニウム複合酸化物、リチウム-アルミニウム-チタン-リン酸複合酸化物、リチウム-ランタン-酸化チタン-リン酸複合酸化物、ケイ酸塩リチウム-ホウ酸リチウム複合酸化物、ホウ酸リチウム-硫酸リチウム複合酸化物、リン酸リチウムオキシナイトライド複合酸化物、リチウム-アルミニウム-チタン-リン酸複合酸化物、リチウム-ケイ素-リン-硫黄-塩素複合酸化物、リチウム-ゲルマニウム-リン-硫黄複合酸化物等を用いることができる。好ましくは、リチウム-ランタン-ジルコニウム複合酸化物がよい。この場合には、イオン度伝導度が高くなり、Liに対して安定であり、さらに長期に所望のイオン電導度を保つことができる。
(負極層)
図1~図3に示すように、負極層4は、所謂負極であり、第3固体電解質41と負極活物質42とを含有する。負極活物質42は、金属リチウムである。
図1~図3に示すように、負極層4は、所謂負極であり、第3固体電解質41と負極活物質42とを含有する。負極活物質42は、金属リチウムである。
負極層4は、第3固体電解質41を含有する。第1固体電解質21と同様に、リチウムイオン伝導性セラミックスを用いることができる。具体的には、リチウム-ランタン-ジルコニウム複合酸化物、リチウム-アルミニウム-チタン-リン酸複合酸化物、リチウム-ランタン-酸化チタン-リン酸複合酸化物、ケイ酸塩リチウム-ホウ酸リチウム複合酸化物、ホウ酸リチウム-硫酸リチウム複合酸化物、リン酸リチウムオキシナイトライド複合酸化物、リチウム-アルミニウム-チタン-リン酸複合酸化物、リチウム-ケイ素-リン-硫黄-塩素複合酸化物、リチウム-ゲルマニウム-リン-硫黄複合酸化物等を用いることができる。好ましくは、リチウム-ランタン-ジルコニウム複合酸化物がよい。この場合には、イオン度伝導度が高くなり、Liに対して安定であり、さらに長期に所望のイオン電導度を保つことができる。
図2、図3に示すように、負極層4は、多孔質部411と稠密部412とを有する。多孔質部411及び稠密部412は、第3固体電解質41から構成されている。
多孔質部411は、多数の気孔415を有する。例えばリチウムイオン二次電池1の充電時には、多孔質部411の気孔415内に金属リチウムが析出する。
稠密部412は、多孔質部411より緻密度が高い。稠密部412は、電解液23を通過させない程度の稠密性を有することが好ましく、液体の透過を防止できる程度の稠密性を有することがより好ましい。
稠密部412は、通常、正極層2(例えば、正極層2の多孔質基材211)、及び負極層4の多孔質部411よりも緻密度が高い。電解液23の透過をより確実に防止するという観点から、稠密部412の緻密度は、90vol%以上であることが好ましく、95vol%以上であることがより好ましく、98vol%以上であることがさらに好ましい。また、多孔質部411の緻密度は、20~50vol%であることが好ましく、30~40%であることがより好ましい。稠密部412、多孔質部411の緻密度は、完全に放電された状態において測定されるものである。
緻密度(具体的には、相対密度)は、測定箇所(具体的には、正極層2の多孔質基材211、セパレータ層3、負極層4の多孔質部411、稠密部412)を3次元計測走査電子顕微鏡にて観測し、定量化することができる。3次元計測走査電子顕微鏡としては、例えば日立ハイテク社製の高性能FIB-SEM複合装置を用いる。FIBは、集束イオンビームを意味し、SEMは走査型電子顕微鏡を意味する。具体的には、例えば、次のようにして緻密度が測定される。まず、集束イオンビーム装置による測定試料の加工と、加工断面のSEM観察とを繰り返し行い、SEM画像をコンピュータで処理する。これにより、測定試料の3D構造を具現化し、この3D構造に基づいて緻密度を計測することができる。
図3、図4に示すように、稠密部412が、負極層4の外周側面413に形成されており、稠密部412は多孔質部411(具体的には多孔質部411の側面411s)を被覆している。外周側面413は、単セル構造11の積層方向と直交方向における外側面である。
(集電体)
集電体5としては、銅(ただし、正極用集電体)、アルミニウム(ただし、負極用集電体負極)、ニッケル、ニッケル・クロム・アルミナ合金等を用いることができる。
集電体5としては、銅(ただし、正極用集電体)、アルミニウム(ただし、負極用集電体負極)、ニッケル、ニッケル・クロム・アルミナ合金等を用いることができる。
(製造方法)
リチウムイオン二次電池1は、次のようにして製造される。
まず、固体電解質を合成する。次いで、原料と混合溶剤とを秤量、混錬、混合、成形することにより、多孔質基材形成用シート、多孔質部形成用シートを作製する。また、原料と混合溶剤とを秤量、混錬、混合、成形することにより、稠密部形成用シート、セパレータ層形成用シートを作製する。原料は、シート毎調製され、固体電解質、活物質、焼失材などを含有する。焼失材としては、焼成時に蒸散する材料が用いられ、例えば、アクリル樹脂ビーズが用いられる。消失材量を調整することにより、緻密度を調整することができる。
リチウムイオン二次電池1は、次のようにして製造される。
まず、固体電解質を合成する。次いで、原料と混合溶剤とを秤量、混錬、混合、成形することにより、多孔質基材形成用シート、多孔質部形成用シートを作製する。また、原料と混合溶剤とを秤量、混錬、混合、成形することにより、稠密部形成用シート、セパレータ層形成用シートを作製する。原料は、シート毎調製され、固体電解質、活物質、焼失材などを含有する。焼失材としては、焼成時に蒸散する材料が用いられ、例えば、アクリル樹脂ビーズが用いられる。消失材量を調整することにより、緻密度を調整することができる。
次に、集電体上に多孔質部形成用シートを形成する。多孔質部形成用シートの外周端面を稠密部形成用シートで被覆する。被覆は、印刷により行われる。多孔質部形成用シート、稠密部形成用シートの上に、セパレータ層形成用を積層形成する。セパレータ層形成用シートの上に、多孔質基材形成用シートを形成することにより、積層体を得る。積層体を一体焼成することにより焼成体を得る。
次いで、硫黄及び/又はNCM(ニッケル、コバルト、マンガン)などの活物質と、ケッチェンブラックなど導電助剤とをそれぞれ秤量し、活物質エタノール・N-メチル-ピロリドン等と混合し、粉砕する。これにより、合材を得る。次に、焼成体の多孔質基材に合材を含浸させる。そして、焼成体の多孔質基材の上に集電体を形成する。
次に、ゲル化剤を含む電解液を多孔質基材に含浸し、多孔質基材中でゲル化させることにより、多孔質基材中で電解液を保持させる。このようにして、リチウムイオン二次電池を得ることができる。
(効果)
図1~図3に示すように、リチウムイオン二次電池1では、負極活物質42が金属リチウムであるため、エネルギー密度が高くなる。また、正極層2に電解液23が含浸されている。そのため、正極層2における界面抵抗が低くなり、実用充電速度での電池作動が可能になる。
図1~図3に示すように、リチウムイオン二次電池1では、負極活物質42が金属リチウムであるため、エネルギー密度が高くなる。また、正極層2に電解液23が含浸されている。そのため、正極層2における界面抵抗が低くなり、実用充電速度での電池作動が可能になる。
リチウムイオン二次電池1では、正極層2に電解液23が含浸されていても、負極活物質42として金属リチウムを用いることができる。これは、負極層4が多孔質部411と、負極層の外周側面に形成された稠密部412とを有しているからである。つまり、稠密部412の存在により、正極層に2含浸された電解液23の多孔質部411への到達が防止され、電池作動において多孔質部411に析出する金属リチウムと電解液との反応を防止することができる。金属リチウムと電解液23とが反応すると、発熱する可能性があるが、リチウムイオン二次電池1では、発熱を防止することができる。
上記のごとく、リチウムイオン二次電池1では、正極層2に電解液23を含浸させつつ、負極活物質42として金属リチウムを用いることが可能になる。これにより、実用充電速度での電池作動を可能しつつ、エネルギー密度を高くすることができる。
リチウムイオン二次電池1は、電池を駆動源とする自動車等の車両に用いられる。また、リチウムイオン二次電池1は、電力貯蔵システムに用いられる。
(実施形態2)
本形態は、単セル構造11を複数有し、これらの単セル構造11を電解液中に浸漬した構造のリチウムイオン二次電池1について説明する(図4参照)。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
本形態は、単セル構造11を複数有し、これらの単セル構造11を電解液中に浸漬した構造のリチウムイオン二次電池1について説明する(図4参照)。なお、実施形態2以降において用いた符号のうち、既出の実施形態において用いた符号と同一のものは、特に示さない限り、既出の実施形態におけるものと同様の構成要素等を表す。
図4に示すように、本例のリチウムイオン二次電池1は、単セル構造11を電気的に直列に繋いだ積層体をさらに電気的に並列に繋いだ構造体6を有する。この構造体6が袋体7内で液状の電解液23に浸漬されている。袋体7は、例えばラミネートパックである。
本形態のリチウムイオン二次電池1は、実施形態1と同様に作製した焼成体を積層、連結した構造体を、電解液23を入れたラミネートパック等の袋体7内に封入することにより製造される。
本形態のリチウムイオン二次電池1は、電解液23に各電極層2、4、セパレータ層3が浸漬されているが、セパレータ層3、及び負極層4の稠密部412が電解液23を透過させない。したがって、負極層4の多孔質部411内に金属リチウムが析出しても、電解液と金属リチウムとが接触することを防止し、両者が反応することを防止できる。一方、正極層2の多孔質基材211は、電解液23を透過させるため、正極活物質22と電解液23とが接触する。これにより、正極層2における界面抵抗が低くなり、実用充電速度での電池作動が可能になる。
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の実施形態に適用することが可能である。
1 リチウムイオン二次電池
2 正極層
23 電解液
3 セパレータ層
4 負極層
411 多孔質部
412 稠密部
2 正極層
23 電解液
3 セパレータ層
4 負極層
411 多孔質部
412 稠密部
Claims (4)
- 第1固体電解質(21)と正極活物質(22)とを含有し、電解液(23)が含浸された正極層(2)と、
第2固体電解質(31)を含有し、電解液を実質的に含有しないセパレータ層(3)と、
第3固体電解質(41)と負極活物質(42)とを含有し、電解液を実質的に含有しない負極層(4)とが順次積層された単セル構造(11)を有するリチウムイオン二次電池(1)であって、
上記負極活物質が金属リチウムであり、
上記負極層が、上記第3固体電解質から構成される多孔質部(411)と、上記第3固体電解質から構成され、上記多孔質部よりも緻密度の高い稠密部(412)とを有し、
上記稠密部が、上記負極層の外周側面(413)に形成されている、リチウムイオン二次電池。 - 上記セパレータ層及び上記稠密部が液体の透過を防止できる程度の稠密性を有している、請求項1に記載のリチウムイオン二次電池。
- 請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池を搭載する、自動車。
- 請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池を有する、電力貯蔵システム。
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JP2021117725A JP2023013499A (ja) | 2021-07-16 | 2021-07-16 | リチウムイオン二次電池 |
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JP2021117725A JP2023013499A (ja) | 2021-07-16 | 2021-07-16 | リチウムイオン二次電池 |
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- 2021-07-16 JP JP2021117725A patent/JP2023013499A/ja active Pending
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