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JP2023005142A - 水力発電装置、および制御方法 - Google Patents

水力発電装置、および制御方法 Download PDF

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JP2023005142A JP2021106875A JP2021106875A JP2023005142A JP 2023005142 A JP2023005142 A JP 2023005142A JP 2021106875 A JP2021106875 A JP 2021106875A JP 2021106875 A JP2021106875 A JP 2021106875A JP 2023005142 A JP2023005142 A JP 2023005142A
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water turbine
power
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隆志 伊藤
Takashi Ito
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NTN Corp
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  • Control Of Eletrric Generators (AREA)

Abstract

【課題】効率的に除塵処理を実行する水力発電装置および制御方法を提供する。【解決手段】水力発電装置100は、水車1と、水車1の回転によって発電する発電機3と、制御装置8とを備える。制御装置8は、発電機3による発電量を定期的に取得し、水車1の回転数を定期的に取得し、前回取得した発電量と、今回取得した発電量とに基づいた第1値を算出し、前回取得した回転数と、今回取得した回転数との差分値とに基づいた第2値を算出し、水車1の除塵を行う除塵処理を実行するか否かを、第1値および第2値に基づいて決定する。【選択図】図1

Description

この発明は、水力発電装置、および制御方法に関する。
水力発電装置は流水の運動エネルギーを発電に利用する装置である。水力発電装置は、主な構成として、水の流れを受け回転する水車と、水車と連結され回転エネルギーを電気エネルギーに変換する発電機と、発電機の出力および水車を制御する制御装置とを含む。上流より発電機に漂着する異物(たとえば、ゴミ、水草、枝、紐など)は、水車に絡まり発電量の低下の要因となる。したがって、水力発電では、異物対策が重要である。たとえば、水車の上流に異物を除去する装置を設置することが好ましい。しかしながら、小型で水路に手軽に設置可能な小水力発電装置では、大掛かりな除塵設備はコストアップの要因となるので使用することは難しい。
特許文献1には、除塵処理を実行する水力発電機が開示されている。除塵処理は、水車の翼の停止と回転とを繰り返すことにより、異物を除去する処理である。特許文献1では、水力発電装置の発電量が閾値未満となったときに、除塵処理を実行することが開示されている。
特開2020-90892号公報
上述の水力発電装置が設置されている箇所における水の流量が変化する場合がある。たとえば、流量が低下した場合には、水車に異物が絡まっていないにも関わらず、発電量が低下する場合がある。この場合には、水力発電装置は、除塵処理の必要性が低いにも関わらず不要な除塵処理を実行してしまうという問題が生じ得る。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、効率的に除塵処理を実行する水力発電装置および制御方法を提供することである。
本開示のある局面に従うと、水力発電装置は、水車と、水車の回転によって発電する発電機と、制御装置とを備える。制御装置は、発電機による発電量を定期的に取得する。制御装置は、水車の回転数を定期的に取得する。制御装置は、前回取得した発電量と、今回取得した発電量とに基づいた第1値を算出する。制御装置は、前回取得した回転数と、今回取得した回転数とに基づいた第2値を算出する。そして、制御装置は、水車の除塵を行う除塵処理を実行するか否かを、第1値および第2値に基づいて決定する。
本開示の別の局面に従うと、制御方法は、水車と、水車の回転によって発電する発電機とを備える水力発電装置の制御方法である。制御方法は、発電機による発電量を取得することと、水車の回転数を取得することと、前回取得した発電量と、今回取得した発電量とに基づいた第1値を算出することと、前回取得した回転数と、今回取得した回転数とに基づいた第2値を算出することと、水車の除塵を行う除塵処理を実行する否かを、第1値および第2値に基づいて決定することとを備える。
本開示によれば、効率的に除塵処理を実行することができる。
水力発電装置の構成例を示す図である。 制御装置のハードウェア構成例を示す図である。 除塵ブレーキの動作を説明するための波形図である。 制御マップの一例を示す図である。 制御装置の機能ブロック図である。 制御装置の除塵決定処理を示すフローチャートである。 除塵処理のフローチャートである。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する装置分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
[水力発電装置の構成例]
図1は、水力発電装置100の構成例を示す図である。図1の例では、水力発電装置100は、水車1と、発電機3と、AC/DC(Alternate Current/Direct Current)変換器4と、電圧維持装置5と、回転数検出器6と、発電量検出器7と、制御装置8と、系統連係インバータ10と、除塵ブレーキ12とを有する。
水車1は、水車1に対する流水の力で回転する。水車1には発電機3が連結されている。発電機3は、水車の回転エネルギーを電気エネルギーに変換することにより、発電する。発電機3は、たとえば、三相同期発電機であり、三相同期発電機から三相交流で出力される。なお、本実施の形態では、発電機3が三相同期発電機である場合について説明するが、発電機3の型式を限定するものではない。発電機3として、三相誘導発電機および直流発電機など、任意の型式の発電機を、発電機の型式に対応した制御装置と組合せて使用することができる。
発電機3が発電した交流電力は、AC/DC変換器4に出力される。AC/DC変換器4は、発電機3が発電した交流電力を直流電力に変換して中間ノードNM(NM+およびMN-)に出力する。電圧維持装置5は、中間ノードNMの電圧を維持する。電圧維持装置5は、たとえば、二次電池(バッテリー)またはコンデンサである。なお、電圧維持装置5は、他の電圧を維持できる装置、たとえば発電装置などであってもよい。系統連係インバータ10は、AC/DC変換器4で変換された直流電力を、所定の交流電力に変換して出力する。
回転数検出器6は、水車1の所定時間S1(たとえば、1分)における回転数を検出する。回転数検出器6は、定期的(たとえば、5分ごと)に回転数を検出する。このように、回転数検出器6は、所定時間S1における回転数を検出していることから、水車1の回転速度を検出すると表現してもよい。発電量検出器7は、発電機3が所定時間S2(たとえば、1分)において発電した発電量(発電電力量)を検出する。発電量検出器7は、たとえば、発電機3での発電電流値と、発電機3での発電電圧値とを取得する。そして、発電量検出器7は、発電電流値と、発電電圧値とを乗算することにより、発電量を検出する。発電量検出器7は、定期的(たとえば、5分ごと)に発電量を検出する。なお、所定時間S1と所定時間S2とは同一であってもよく、異なっていてもよい。また、典型的には、回転数と発電量とは同時に検出される。回転数検出器6が検出した回転数、および発電量検出器7が検出した発電量は、制御装置8に入力される。
制御装置8は、水車1の除塵処理を除塵ブレーキ12に実行させる。除塵処理は、水車1に絡まった異物(たとえば、ゴミ、水草、枝、紐など)を取り除く処理である。制御装置8は、回転数検出器6からの回転数、および発電量検出器7からの発電量に基づいて除塵処理を実行するか否かを判断する。
除塵ブレーキ12は、典型的には、運動エネルギーを摩擦により熱に変換する機械式ブレーキである。除塵ブレーキ12は、たとえば、電磁ブレーキまたはディスクブレーキである。なお、本実施の形態では、除塵ブレーキ12は、制動力を増減させることによって、水車1の回転数を増減または回転を停止させる。変形例として、発電機3の負荷を増減させて水車1の回転数を増減または回転を停止させるようにしてもよい。
[制御装置のハードウェア構成]
図2は、制御装置8のハードウェア構成例を示す図である。図2を参照して、制御装置8は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)160と、ROM(Read Only Memory)162と、RAM(Random Access Memory)164と、HDD(Hard Disk Drive)166と、通信I/F(Interface)168とを有する。各構成要素はデータバスによって相互に接続されている。
通信I/F168には、回転数検出器6と、発電量検出器7と、除塵ブレーキ12とに接続されている。制御装置8は、回転数検出器6からの回転数を、通信I/F168を経由して取得する。また、制御装置8は、発電量検出器7からの発電量を、通信I/F168を経由して取得する。また、制御装置8は、通信I/F168を経由して、除塵ブレーキ12に対して除塵信号を送信する。除塵信号は、除塵ブレーキ12に除塵処理を実行させるための信号である。
ROM162は、CPU160にて実行されるプログラムを格納する。RAM164は、CPU160におけるプログラムの実行により生成されるデータ、および通信I/F168を経由して入力されるデータを一時的に格納することができる。RAM164は、作業領域として利用される一時的なデータメモリとして機能し得る。HDD166は、不揮発性の記憶装置である。HDD166に代えて、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を採用してもよい。
ROM162に格納されているプログラムは、非一時的な記録媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通されてもよい。または、プログラムは、情報提供事業者によって、いわゆるインターネットなどによりダウンロード可能なプロダクトプログラムとして提供されてもよい。制御装置8は、記録媒体またはインターネットなどにより提供されたプログラムを読み取る。制御装置8は、読み取ったプログラムを所定の記憶領域(例えばROM162)に記憶する。CPU160は、当該プログラムを実行することにより、様々な処理を実行することができる。
[除塵ブレーキについて]
図3は除塵ブレーキ12の動作を説明するための波形図である。除塵ブレーキ12は、実行時間Tの間、切換処理を複数回(図3の例では、3回)、実行する。切替処理は、水車1に設置された電磁ブレーキ(図示せず)のONおよびOFFを切り換える処理である。電磁ブレーキをONにする処理は、水車1の回転を停止する処理である。なお、電磁ブレーキをONにする処理は、水車1の回転を減速する処理としてもよい。電磁ブレーキをOFFにする処理が実行される状態は、電磁ブレーキが作動されない状態(つまり、水車1が流水の力で回転する状態)となる。以下では、図3に示すように、電磁ブレーキをONにする時間を「第1設定時間t1」とも称され、電磁ブレーキをOFFにする時間を「第2設定時間t2」とも称される。
[制御マップ]
次に制御マップを説明する。制御装置8は、該制御マップを用いて、除塵処理を実行するか否かを決定する。図4は、制御マップの一例を示す図である。この制御マップの横軸は、差回転数ΔNを示し、縦軸は、差電力ΔPを示す。
ここで、差電力ΔPを説明する。上述のように、制御装置8は、定期的に、水車1の発電量を取得する。差電力ΔPは、前回取得した電力量(直近に取得した電力量)から、今回取得した電力量を差し引くことにより算出される値である。差電力ΔPは、本開示の「第1値」に対応する。差電力ΔPは、電力量の変化量である。
次に、差回転数ΔNを説明する。上述のように、制御装置8は、定期的に、水車1の回転数を取得する。差回転数ΔNは、前回取得した回転数(直近に取得した回転数)から、今回取得した回転数を差し引くことにより算出される値である。差回転数ΔNは、本開示の「第2値」に対応する。差回転数ΔNは、回転数の変化量である。
制御装置8では、グラフLが示されている。グラフLは、差回転数ΔNが大きくなるほど、差電力ΔPが大きくなるように規定されている。グラフLは、一例として、差電力ΔPについての閾値を示す。制御装置8は、差電力ΔPが、グラフLで示される閾値以上である場合には、除塵処理を実行することを決定する。一方、差電力ΔPが、グラフLで示される閾値未満である場合には、除塵処理を実行しないことを決定する。
次に、このグラフLを説明する。図4に示すように、差電力ΔPの値が、ΔP1である場合を説明する。ΔP1は、差電力ΔPの想定される範囲において、略中央の値である(つまり、ΔP1が比較的大きな値である)とする。ΔP1が比較的大きな値である場合とは、発電量が比較的大きく低下した場合である。
この場合において、差回転数ΔNが、小さい値であるΔN1である場合には、制御装置8は除塵処理を実行することを決定する。差回転数ΔNが小さい値である場合(差回転数ΔNがΔN1である場合)とは、水車1の回転数があまり変わっていない場合である。水車1の回転数があまり変わっていない場合にも関わらず、差電力ΔPがある程度の大きさである場合とは、水車1に異物が絡まっている可能性が高い。何故ならば、水車1に異物が絡まることにより、水車1のトルクが適切に発電機3に伝達されずに、想定量の発電が行われないからである。したがって、制御装置8は、この原因を解消するために、除塵処理を実行する。
一方、差回転数ΔNが、大きな値であるΔN2である場合には、制御装置8は除塵処理を実行しないことを決定する。差回転数ΔNが大きい値である場合(差回転数ΔNがΔN2である場合)とは、水車1の回転数が大きく減少した場合である。水車1の回転数が大きく減少した場合において、差電力ΔPがある程度の大きさである場合とは、流水量が低下したことが原因で発電量が大きく低下した可能性が高い(つまり、水車1に異物が絡まっていることが原因で発電量が大きく低下した可能性は低い)。したがって、この場合には、制御装置8は、除塵処理を実行しないことを決定する。
[制御装置の機能ブロック図]
図5は、制御装置8の機能ブロック図である。図4の例では、制御装置8は、取得部82と、処理部84と、制御部86と、記憶部88とを有する。取得部82は、発電量検出器7からの発電量を定期的に取得する。さらに、取得部82は、回転数検出器6からの回転数を定期的に取得する。取得された発電量および回転数は、処理部84に出力される。
処理部84は、前回取得した発電量から今回取得した発電量を差し引くことにより差電力ΔPを算出する。また、処理部84は、前回取得した回転数から今回取得した回転数を差し引くことにより差回転数ΔNを算出する。
なお、処理部84は、次回の差電力ΔPを算出する処理のために、今回取得した発電量を記憶部88に記憶させる。そして、処理部84は、該次回の差電力ΔPの算出の際には、該今回取得した発電量(つまり、記憶部88に記憶された発電量)を、前回取得した発電量として用いる。同様に、処理部84は、次回の差回転数ΔNを算出する処理のために、今回取得した回転数を記憶部88に記憶させる。そして、処理部84は、該次回の差回転数ΔNの算出の際には、該今回取得した回転数(つまり、記憶部88に記憶された回転数)を、前回取得した回転数として用いる。
処理部84は、制御マップ(図4参照)と、差回転数ΔNと、差電力ΔPとに基づいて、除塵処理を実行するか否かを決定する。制御マップは、記憶部88に記憶されている。処理部84は、決定結果を制御部86に出力する。なお、制御マップを用いずに、差分回転数ΔNと差電力ΔPとを引数とする関数を用いてもよい。処理部84は、該関数を用いて、除塵処理を実行するか否かを決定する。
処理部84からの決定結果が、除塵処理を実行するという決定である場合には、制御部86は、除塵ブレーキ12に除塵信号を出力することにより、該除塵ブレーキ12の除塵処理を実行させる。一方、処理部84からの決定結果が、除塵処理を実行しないという決定である場合には、制御部86は、除塵処理を実行させない(除塵信号を出力しない)。
[制御装置のフローチャート]
図6は、制御装置8の除塵決定処理を示すフローチャートである。除塵決定処理は、所定時間経過毎に実行され。ステップS2において、制御装置8は、回転数N1(今回の回転数)を取得する。次に、ステップS4において、制御装置8は、該回転数N1を記憶部88に記憶させる。該記憶された回転数N1は、次回の除塵決定処理において、前回の回転数N0として用いられる。
次に、ステップS6において、制御装置8は、発電量P1(今回の発電量)を取得する。次に、ステップS8において、制御装置8は、該発電量P1を記憶部88に記憶させる。該記憶された発電量P1は、次回の除塵決定処理において、前回の発電量P0として用いられる。
次に、ステップS10において、制御装置8は、前回取得した回転数N0から今回取得した回転数N1を差し引くことにより差回転数ΔNを算出する。つまり、制御装置8は、N0-N1を演算することにより、差回転数ΔNを算出する。なお、前回取得した回転数N0は、前回の除塵決定処理のステップS4で記憶された回転数である。
次に、ステップS12において、制御装置8は、前回取得した発電量P0から今回取得した発電量P1を差し引くことにより差発電量ΔPを算出する。つまり、制御装置8は、P0-P1を演算することにより、差発電量ΔPを算出する。なお、前回取得した発電量P0は、前回の除塵決定処理のステップS8で記憶された発電量である。
次に、ステップS14において、制御装置8は、ΔNおよびΔPに基づいて、制御マップを参照して、除塵処理の実行有無を決定する。次に、ステップS16において、除塵処理を実行することが決定された場合には(ステップS16でYES)、処理は、ステップS18に進む。一方ステップS16において、除塵処理を実行しないことが決定された場合には(ステップS16でNO)、除塵決定処理は終了する。
図7は、ステップS18の除塵処理のフローチャートである。ステップS32において、制御装置8は、内蔵するカウンタをクリアする。このカウンタは、電磁ブレーキのオンおよびオフの繰返しの回数を計測するためのカウンタである。次に、ステップS34において、制御装置8は、除塵ブレーキ12が制動力を発生するように除塵信号を出力する(ブレーキON)。その後ステップS36において、制御装置8はブレーキON状態において第1設定時間t1(たとえば1~10秒)待機する。
次に、ステップS38において、制御装置8は、除塵信号の出力を停止する(ブレーキOFF)。これにより、制御装置8は、除塵ブレーキ12が制動力を発生させないようにすることができる指令信号SBを設定する。その後ステップS40において、制御装置8はブレーキOFF状態において第2設定時間t2(たとえば1~10秒)待機する。
次に、ステップS42において、制御装置8は、カウンタをインクリメントする。そして、ステップS44において、カウンタのカウント値が上限値(増減繰返しの設定回数)に達したか否かを判断する。図3の例では、上限値は、3回である。ステップS44において、カウント値がまだ上限値に達していなければ(ステップS44でNO)、処理は、ステップS34に戻る。
一方、ステップS8において、カウント値が上限値に達した場合には(ステップS44でYES)、1回あたりの除塵運転が終了する。そして、処理は、図6の除塵決定処理に戻る。
従来の水力発電装置は、発電量が閾値よりも低下したときに、除塵処理を実行していた。しかしながら、水力発電装置が設置されている箇所における水の流量が変化する場合がある。たとえば、流量が低下した場合には、水車に異物が絡まっていないにも関わらず、発電量が低下する場合がある。この場合には、水力発電装置は、除塵処理の必要性が低いにも関わらず不要な除塵処理を実行してしまうという問題が生じ得る。
そこで、本実施の形態の制御装置8は、発電機3による発電量を定期的に取得する。そして、制御装置8は、前回取得した発電量P0と、今回取得した発電量P1との差電力ΔP(第1値)を算出する。また、制御装置8は、水車1の回転数を定期的に取得する。そして、制御装置8は、前回取得した回転数N0と、今回取得した回転数N1との差回転数ΔN(第2値)を算出する。
図4に示すように、差回転数ΔNが小さい場合(たとえば、差回転数ΔNがΔN1(図4参照)である場合)において、ΔPがΔP1である場合には、水車1に異物が絡まっている可能性が高い。したがって、この場合には、制御装置8は、除塵処理を実行する。
一方、差回転数ΔNが大きい場合(たとえば、差回転数ΔNがΔN2(図4参照)である場合)において、ΔPがΔP1である場合には、水車1への流水量が低下したことが原因で発電量が大きく低下した可能性が高い。したがって、この場合には、制御装置8は、除塵処理を実行しない。
このように、制御装置8は、差電力ΔPおよび差回転数ΔNに基づいて、制御マップを参照して除塵処理の実行有無を決定する。したがって、制御装置8は、発電量の変化量のみならず、水車1への流量も考慮して、除塵処理の実行有無を決定することができる。よって、制御装置8は、除塵処理の実行有無を、従来と比較してより細やかに決定することができ、その結果、効率的に除塵処理を実行することができる。
また、従来の水力発電装置においては、発電量が閾値未満となったときに除塵処理を実行していた。したがって、水車に異物が絡まっておらず水車への流量が低下したことが原因で発電量が低下したときにも、除塵処理を実行していた。したがって、従来の水力発電装置においては、不要な除塵処理が実行されていた。よって、該不要な除塵処理により、除塵ブレーキ12を作動させるための電力が消費され、発電量の損失が発生する。これとともに、該不要な除塵処理が行われたことにより、水車1が停止することから、発電量の損失が発生する。これに対し、本実施の形態の水力発電装置100は、水車に異物が絡まっておらず水車への流量が低下したことが原因で発電量が低下したときには、除塵処理の実行を抑制できる。したがって、上述の不要な除塵処理の実行を抑制できることから、上述の発電量の損失を低減でき、発電効率を向上させることができる。
また、制御装置8は、除塵処理を実行するか否かを、差回転数ΔNに基づいた閾値(つまり、図4のグラフLにより示される閾値)と、第1値とに基づいて決定する。したがって、除塵処理の実行有無を閾値判断により決定できることから、除塵処理の実行有無を決定する処理を、比較的簡易な処理とすることができる。
また、図4の制御マップにおいては、差回転数ΔN(第2値)が大きいほど、閾値は大きくなるように規定されている。そして、差電力ΔP(第1値)が閾値以上であるときに、制御装置8は、除塵処理を実行することを決定する。一方、該差電力ΔPが前記閾値未満であるときに、制御装置8は、除塵処理を実行しないことを決定する。したがって、差回転数ΔNに応じた閾値判断により、より細やかに、除塵処理の実行有無を決定することができる。
また、除塵処理は、図3に示すように、水車1の回転数を変動させる処理または水車1の回転を停止させる処理を含む。したがって、異物を除去する装置を別途設けることなく、制御装置8は、水車1の異物を除去できる。
[その他の実施の形態]
(1) 図4の制御マップ(以下、「第1制御マップ」とも称される。)においては、差回転数ΔNが大きいほど、差電力ΔPが大きくなるように規定されている構成を説明した。しかしながら、差回転数ΔNが大きいほど、差電力ΔPが小さくなるように規定されている第2制御マップが用いられてもよい。水力発電装置100の管理者は、水車1の構造および水車1が設置される場所などに応じて、第1制御マップまたは第2制御マップのいずれを用いるかを決定すればよい。
(2) 上述の実施の形態の水力発電装置においては、前回取得した発電量から、今回取得した発電量を差し引くことにより、第1値(差電力ΔP)を算出する構成を説明した。しかしながら、第1値の算出の手法は、他の手法であってもよい。たとえば、制御装置8は、今回取得した発電量から、前回取得した発電量を差し引くことにより、第1値(差電力ΔP)を算出するようにしてもよい。また、制御装置8は、前回取得した発電量を今回取得した発電量で除算することにより、第1値を算出するようにしてもよい。
また、上述の実施の形態の水力発電装置においては、前回取得した回転数から、今回取得した回転数を差し引くことにより、第2値(差回転数ΔN)を算出する構成を説明した。しかしながら、第2値の算出の手法は、他の手法であってもよい。たとえば、制御装置8は、今回取得した回転数から、前回取得した回転数を差し引くことにより、第2値(差回転数ΔN)を算出するようにしてもよい。また、制御装置8は、前回取得した回転数を今回取得した回転数で除算することにより、第2値を算出するようにしてもよい。これらの変形例が採用される場合には、上述の効果を奏するように、制御マップなどが適宜変更される。
以上のように本発明の実施の形態について説明を行ったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均などの意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
1 水車、3 発電機、4 変換器、5 電圧維持装置、6 回転数検出器、7 発電量検出器、8 制御装置、10 系統連係インバータ、12 除塵ブレーキ、82 取得部、84 処理部、86 制御部、88 記憶部、100 水力発電装置、162 ROM、164 RAM。

Claims (5)

  1. 水車と、
    前記水車の回転によって発電する発電機と、
    制御装置とを備え、
    前記制御装置は、
    前記発電機による発電量を定期的に取得し、
    前記水車の回転数を定期的に取得し、
    前回取得した発電量と、今回取得した発電量とに基づいた第1値を算出し、
    前回取得した回転数と、今回取得した回転数とに基づいた第2値を算出し、
    前記水車の除塵を行う除塵処理を実行するか否かを、前記第1値および前記第2値に基づいて決定する、水力発電装置。
  2. 前記制御装置は、前記除塵処理を実行するか否かを、前記第2値に基づいた閾値と、前記第1値とに基づいて決定する、請求項1に記載の水力発電装置。
  3. 前記制御装置は、
    前回取得した発電量から今回取得した発電量を差し引くことにより前記第1値を算出し、
    前回取得した回転数から今回取得した回転数を差し引くことにより前記第2値を算出し、
    前記第2値が大きいほど、前記閾値は大きくなり、
    前記制御装置は、
    前記第1値が前記閾値以上であるときに、前記除塵処理を実行することを決定し、
    前記第1値が前記閾値未満であるときに、前記除塵処理を実行しないことを決定する、請求項2に記載の水力発電装置。
  4. 前記除塵処理は、前記水車の回転数を変動させる処理または前記水車の回転を停止させる処理を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の水力発電装置。
  5. 水車と、前記水車の回転によって発電する発電機とを備える水力発電装置の制御方法であって、
    前記発電機による発電量を取得することと、
    前記水車の回転数を取得することと、
    前回取得した発電量と、今回取得した発電量とに基づいた第1値を算出することと、
    前回取得した回転数と、今回取得した回転数とに基づいた第2値を算出することと、
    前記水車の除塵を行う除塵処理を実行する否かを、前記第1値および前記第2値に基づいて決定することとを備える、制御方法。
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