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JP2023000458A - 電動機の駆動制御装置、電動機の駆動制御方法、及び、電動機の駆動制御プログラム - Google Patents

電動機の駆動制御装置、電動機の駆動制御方法、及び、電動機の駆動制御プログラム Download PDF

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JP2023000458A JP2021101288A JP2021101288A JP2023000458A JP 2023000458 A JP2023000458 A JP 2023000458A JP 2021101288 A JP2021101288 A JP 2021101288A JP 2021101288 A JP2021101288 A JP 2021101288A JP 2023000458 A JP2023000458 A JP 2023000458A
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隆志 高木
Takashi Takagi
敏満 會澤
Toshimitsu Aizawa
征則 井上
Masanori Inoue
浩志 榎倉
Hiroshi Enokura
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University Public Corporation Osaka
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Toshiba Corp
University Public Corporation Osaka
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Abstract

【課題】電動機の回転速度の直接トルク制御への影響を抑制し、直接トルク制御における設計を簡素化可能な電動機の駆動制御装置を提供すること。【解決手段】実施形態によれば、電動機の駆動制御装置は、変位量指令生成部、補償部及び電圧制御部を備える。変位量指令生成部は、電動機に出力されるトルクの推定値がトルクについての指令値に追従する状態に、電動機の回転位置の変位量についての指令を生成する。補償部は、電動機の回転速度に関する値を電動機の制御における制御周期に乗算した乗算値を、変位量についての指令値に加算する。電圧制御部は、乗算値を変位量についての指令値に加算した加算値に基づいて、電動機に印加される駆動電圧についての指令を生成する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、電動機の駆動制御装置、電動機の駆動制御方法、及び、電動機の駆動制御プログラムに関する。
電動機の駆動を制御する制御方法として、ベクトル制御、及び、直接トルク制御(DTC:Direct Torque Control)が知られている。ベクトル制御では、トルクを発生させる電流成分及び磁束を発生させる電流成分に電動機に流す電流を分離し、分離された2つの電流成分を互いに対して独立に制御する。また、直接トルク制御では、電動機に出力される(印加される)トルクを推定し、トルクの推定値がトルクについての指令値に追従する状態に、電動機の駆動を制御する。直接トルク制御は、ベクトル制御に比べて、演算処理が簡素である。ここで、100000rpm以上の回転速度で電動機(回転子)を回転させる等の高速で電動機を回転駆動させる場合は、電動機の駆動を安定的に制御するため、電動機の制御における制御周期(演算処理周期)を短縮することが、求められている。このため、高速で電動機を回転駆動させる場合は、電動機の駆動の制御に、演算処理が簡素な直接トルク制御を適用することが、求められている。
前述の直接トルク制御では、電動機に出力されるトルクの推定値とトルクについての指令値との偏差に基づいて、演算等が行われ、電動機に印加される駆動電圧についての指令等が、生成される。このような直接トルク制御では、電動機の回転速度の直接トルク制御への影響を抑制するとともに、直接トルク制御におけるパラメータ調整等の設計が簡素化されることが、求められている。例えば、電動機の回転速度が経時的に大きく変化する場合等でも、直接トルク制御における設計を複雑化することなく、トルクの推定値とトルクについての指令値との偏差が収束する(ゼロに近づく)状態に駆動電圧についての指令等が適切に生成されることが、求められている。
特開2009-232530号公報 特開2009-240042号公報
本発明が解決しようとする課題は、電動機の回転速度の直接トルク制御への影響を抑制し、直接トルク制御における設計を簡素化可能な電動機の駆動制御装置、電動機の駆動制御方法、及び、電動機の駆動制御プログラムを提供することにある。
実施形態によれば、電動機の駆動制御装置は、変位量指令生成部、補償部及び電圧制御部を備える。変位量指令生成部は、電動機に出力されるトルクの推定値がトルクについての指令値に追従する状態に、電動機の回転位置の変位量についての指令を生成する。補償部は、電動機の回転速度に関する値を電動機の制御における制御周期に乗算した乗算値を、変位量についての指令値に加算する。電圧制御部は、乗算値を変位量についての指令値に加算した加算値に基づいて、電動機に印加される駆動電圧についての指令を生成し、駆動電圧についての指令に基づいて、電動機に印加される駆動電圧を制御する。
図1は、第1の実施形態に係る制御システムの一例を示す概略図である。 図2は、図1の制御システムにおいて電動機に出力されるトルクを制御するトルク制御モデルを等価的に示すブロック線図である。 図3は、ある変形例に係る制御システムの一例を示す概略図である。 図4は、図3の制御システムにおいて電動機に出力されるトルクを制御するトルク制御モデルを等価的に示すブロック線図である。
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず、電動機及び電動機の駆動を制御する駆動制御装置を備える制御システムの一例として、第1の実施形態に係る制御システムについて説明する。図1は、第1の実施形態に係る制御システムの一例を示す。図1に示すように、本実施形態の制御システムは、電力変換器1、制御回路2及び電動機4を備える。本実施形態では、電動機4の駆動を制御する駆動制御装置10が、電力変換器1及び制御回路2から形成される。
図1の一例では、電動機4は、三相同期電動機である。電動機4等の三相同期電動機は、互いに対して位相が異なるu相駆動電圧、v相駆動電圧及びw相駆動電圧の三相の交流電圧が駆動電圧として印加されることにより、駆動される。u相駆動電圧の位相は、v相駆動電圧及びw相駆動電圧のそれぞれの位相に対して120°ずれ、v相駆動電圧の位相は、w相駆動電圧の位相に対して120°ずれる。このため、三相同期電動機では、u相軸、v相軸及びw相軸が規定される。そして、u相軸とv相軸との間の角度、v相軸とw相軸との間の角度、及び、w相軸とu相軸との間の角度のそれぞれは、120°となる。また、三相同期電動機では、α軸、及び、α軸に直交するβ軸が規定される。三相同期電動機では、α軸は、u相軸と一致する状態に、規定される。
電力変換器1は、インバータ回路を備える。ある一例では、電力変換器1は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子を6個備え、6個のIGBTを三相ブリッジ接続することにより、インバータ回路が構成される。電力変換器1には、駆動用の電源である直流電源(図示しない)から、直流電力が供給される。電力変換器1は、3つの出力端子(三相出力端子)を備え、3つの出力端子のそれぞれは、電動機4の3つの電機子巻線(固定子巻線)の対応する1つに、接続される。
電力変換器1は、直流電源から入力された電力を、任意の電圧及び周波数の三相交流電力に変換する。そして、電力変換器1は、変換した三相交流電力を電動機4に供給する。これにより、例えば疑似正弦波状の三相交流電圧が電力変換器1から出力され、出力された三相交流電圧が、駆動電圧として電動機4に印加される。この際、前述したu相駆動電圧、v相駆動電圧及びw相駆動電圧のそれぞれが、電動機4に印加される。電動機4に駆動電圧が印加されることにより、電動機4の回転子が回転する等して、電動機4が駆動される。制御回路2は、電力変換器1の作動を制御することにより、電動機4の駆動(回転駆動)を制御する。
制御回路2は、変位量指令生成部11、磁束指令生成部12、座標変換部13、推定部14、電圧制御部15及び補償部16を備える。ある一例では、制御回路2は、変位量指令生成部11、磁束指令生成部12、座標変換部13、推定部14、電圧制御部15及び補償部16が実装された集積回路(integrated circuit)から、構成される。この場合、集積回路は、プロセッサ及び記憶媒体等を備え、プロセッサは、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)又はFPGA(Field Programmable Gate Array)等を含む。プロセッサを含む集積回路は、記憶媒体等に記憶されるプログラム等を実行することにより、後述する処理を行う。なお、別のある一例では、少なくとも変位量指令生成部11、電圧制御部15及び補償部16が1つの集積回路に実装され、磁束指令生成部12、座標変換部13及び推定部14のいずれか1つ以上は、変位量指令生成部11、電圧制御部15及び補償部16とは別の集積回路等に実装されてもよい。
電圧制御部15は、電動機4に印加される駆動電圧についての指令を生成し、駆動電圧についての指令を電力変換器1へ伝達する。電圧制御部15は、生成した駆動電圧についての指令に基づいて電力変換器1の作動を制御することにより、電動機4に印加される駆動電圧を制御する。図1の一例では、駆動電圧の指令において、駆動電圧のα軸方向の電圧成分の指令値Vcomα、及び、駆動電圧のβ軸方向の電圧成分の指令値Vcomβが、設定される。電力変換器1は、指令値に対応した電圧及び周波数の三相交流電圧(u相駆動電圧V、v相駆動電圧V及びw相駆動電圧V)を生成し、生成した三相交流電圧を、電動機4に印加する。この際、電圧制御部15は、例えば、電力変換器1に設けられるIGBT等の半導体素子のそれぞれのオン/オフのタイミングを制御することにより、電動機4に印加される駆動電圧(三相交流電圧)を制御する。
また、制御システムには、2つの電流検出器3a,3bが設けられる。図1の一例では、電流検出器3aは、電動機4に流れるu相電流Iを検出し、電流検出器3bは、電動機4に流れるw相電流Iを検出する。制御回路2の座標変換部13は、電流検出器3a,3bでの検出結果を取得する。そして、座標変換部13は、u相電流I及びw相電流Iの検出結果から、電動機に流れるv相電流Iを算出する。なお、前述のように、u相軸とv相軸との間の角度、v相軸とw相軸との間の角度、及び、w相軸とu相軸との間の角度のそれぞれは、120°となる。このため、u相電流I及びw相電流Iからv相電流Iを算出可能である。また、別のある一例では、3つの電流検出器が設けられてもよい。この場合、電流検出器の1つがu相電流Iを検出し、電流検出器の別の1つがv相電流Iを検出し、電流検出器の残りの1つがw相電流Iを検出する。
座標変換部13は、前述のようにして電動機4に流れる電流(u相電流I、v相電流I、w相電流I)取得する。そして、座標変換部は、電流I,I,Iを三相/二相変換(三相/αβ変換)することにより、電動機4を流れる電流について、α軸方向の電流成分の検出値Iα及びβ軸方向の電流成分の検出値Iβを、算出する。この際、電流の検出値は、以下の式(1)を用いて算出される。
Figure 2023000458000002
推定部14は、電動機4を流れる電流について、α軸方向の電流成分の検出値Iα及びβ軸方向の電流成分の検出値Iβを取得する。また、推定部14は、電圧制御部15で生成される駆動電圧について指令から、駆動電圧のα軸方向の電圧成分の指令値Vcomα、及び、駆動電圧のβ軸方向の電圧成分の指令値Vcomβを取得する。そして、推定部14は、電動機4に流れる電流についての検出値Iα,Iβ、及び、電動機4の駆動電圧についての指令値Vcomα,Vcomβに基づいて、電動機4の電機子鎖交磁束(固定子鎖交磁束)を推定する。すなわち、電動機4に流れる電流及び電動機4に印加される駆動電圧についての指令に基づいて、電動機4の電機子鎖交磁束が、推定される。この際、電機子鎖交磁束について、α軸方向の磁束成分の推定値Φestα及びβ軸方向の磁束成分の推定値Φestβが、算出される。推定値Φestαは、以下の式(2)を用いて算出され、推定値Φestβは、以下の式(3)を用いて算出される。式(2)及び式(3)において、Rは、電動機4の一相あたりの巻線抵抗値を示す。巻線抵抗値Rに関する情報は、集積回路の記憶媒体に記憶されてもよく、ユーザインタフェース等においてユーザによって設定されてもよい。
Figure 2023000458000003
また、推定部14は、電機子鎖交磁束についての推定値Φestα,Φestβに基づいて、電動機4の回転位置を推定する。この際、推定部14は、以下の式(4)を用いて、電動機4の回転位置についての推定値θestを算出する。また、推定部14は、電動機4に流れる電流についての検出値Iα,Iβ、及び、電機子鎖交磁束についての推定値Φestα,Φestβに基づいて、電動機4に出力される(印加される)トルクを推定する。この際、推定部14は、以下の式(5)を用いて、電動機4に出力されるトルクについての推定値Testを算出する。式(5)において、Pは、電動機4の極対数を示す。極対数Pに関する情報は、例えば、集積回路の記憶媒体に記憶される。
Figure 2023000458000004
また、制御回路2には、電動機4に出力されるトルクについての指令が入力される。電動機4に出力されるトルクについての指令は、ユーザインタフェース等でのユーザによる設定に対応した指令となる。電動機4に出力されるトルクについての指令では、トルクについての指令値Tcomが、設定される。また、制御回路2では、電動機4に出力されるトルクについての指令値Tcomと推定部14が推定したトルクの推定値Testとの偏差ΔTが算出される。変位量指令生成部11は、トルクについての指令値Tcomとトルクの推定値Testとの偏差ΔTに基づいて、電動機4の回転位置の変位量についての指令を生成する。変位量指令生成部11は、トルクの推定値Testがトルクについての指令値Tcomに追従する状態に、すなわち、偏差ΔTがゼロに近づく状態に、電動機4の回転位置の変位量についての指令を生成する。変位量指令生成部11が生成する指令では、電動機4の回転位置の変化量についての指令値Δθcomが、設定される。
本実施形態では、変位量指令生成部11は、トルクの指令値Tcomと推定値Testとの偏差ΔTに基づいてPI制御又はP制御を行うことにより、電動機4の回転位置の変位量についての指令を生成する。ここで、トルクについての指令値Tcomは、PI制御又はP制御における目標値となり、トルクの推定値Testは、PI制御又はP制御においてフィードバックされる値となる。また、変位量指令生成部11がPI制御を行う場合は、偏差ΔT及び偏差ΔTの時間積分値に基づいて、電動機4の回転位置の変位量についての指令が生成される。一方、変位量指令生成部11がP制御を行う場合は、偏差ΔTに基づいて、電動機4の回転位置の変位量についての指令が生成される。
また、図1の一例の制御システムでは、速度センサ等の速度計測器5が設けられる。速度計測器5は、例えば、速度センサであり、電動機4の回転速度として回転角速度を計測する。補償部16は、電動機4の回転速度に関する値として、速度計測器5が計測した電動機4の回転角速度の計測値ωmesを取得する。本実施形態では、補償部16は、電動機4の回転角速度の計測値ωmesを電動機4の制御における制御周期(演算処理周期)Δtに乗算し、乗算値(ωmes・Δt)を算出する。したがって、補償部16は、電動機4の回転速度に関する値を電動機4の制御における制御周期Δtに乗算する。そして、補償部16は、変位量指令生成部11から出力された電動機4の回転位置の変位量についての指令値Δθcomに、算出した乗算値(ωmes・Δt)を加算する。これにより、乗算値(ωmes・Δt)を変位量についての指令値Δθcomに加算した加算値(Δθcom+ωmes・Δt)が、算出される。
また、推定部14は、電動機4の回転位置についての推定結果を出力する。制御回路2では、加算値(Δθcom+ωmes・Δt)に電動機4の回転位置についての推定値θestがさらに加算される。そして、加算値(Δθcom+ωmes・Δt)と推定値θestとの加算結果として、電動機4の回転位置についての指令値θcomが算出される。したがって、加算値(Δθcom+ωmes・Δt)と推定値θestとを加算することにより、電動機4の回転位置についての指令が生成される。
磁束指令生成部12には、電動機4の回転位置についての指令が入力され、磁束指令生成部12は、電動機4の回転位置についての指令値θcomを取得する。また、磁束指令生成部12には、電動機4に電機子鎖交磁束の大きさについての指令が入力される。電機子鎖交磁束の大きさについての指令は、ユーザインタフェース等でのユーザによる設定に対応した指令となる。電機子鎖交磁束の大きさについての指令では、電機子鎖交磁束の大きさについての指令値|Φcom|が、設定される。
磁束指令生成部12は、電動機4の回転位置についての指令、及び、電機子鎖交磁束の大きさについての指令に基づいて、電機子鎖交磁束についての指令を生成する。電機子鎖交磁束についての指令では、α軸方向の磁束成分の指令値Φcomα、及び、β軸方向の磁束成分の指令値Φcomβが、設定される。磁束指令生成部12は、電機子鎖交磁束について、以下の式(6)を用いて指令値Φcomαを算出し、以下の式(7)を用いて指令値Φcomβを算出する。
Figure 2023000458000005
電圧制御部15は、磁束指令生成部12から電機子鎖交磁束についての指令を取得する。また、電圧制御部15は、推定部14から電機子鎖交磁束についての推定結果を取得する。このため、電圧制御部15は、電機子鎖交磁束について、指令値Φcomα,Φcomβ及び推定値Φestα,Φestβを取得する。電圧制御部15は、電機子鎖交磁束についての指令及び電機子鎖交磁束の推定結果に基づいて、電動機4に印加される駆動電圧についての前述の指令を生成する。この際、電圧制御部15は、電動機4の駆動電圧について、以下の式(8)を用いて指令値Vcomαを算出し、以下の式(9)を用いて指令値Vcomβを算出する。したがって、電圧制御部15は、電機子鎖交磁束の推定結果が電機子鎖交磁束についての指令に追従する状態に、駆動電圧についての指令を生成し、電機子鎖交磁束についての指令での条件を満たす状態に、駆動電圧についての指令を生成する。すなわち、指令値Φcomαに推定値Φestαが追従し、かつ、指令値Φcomβに推定値Φestβが追従する状態に、駆動電圧についての指令値Vcomα,Vcomβが設定される。
Figure 2023000458000006
前述のように本実施形態では、電動機4に出力されるトルクの推定値Testがトルクについての指令値Tcomに追従する状態に、電動機4の回転位置の変化量についての指令が生成される。そして、変位量についての指令値Δθcomに前述の乗算値(ωmes・Δt)を加算した加算値(Δθcom+ωmes・Δt)が算出され、加算値(Δθcom+ωmes・Δt)に電動機4の位置についての推定値θestをさらに加算することにより、電動機4の回転位置についての指令が生成される。そして、電動機4の回転位置についての指令に基づいて、電機子鎖交磁束についての指令が生成され、電機子鎖交磁束についての指令に基づいて、電動機4に印加する駆動電圧についての指令が生成される。そして、電力変換器1は、駆動電圧についての指令に対応する状態に、作動が制御され、電動機4には、駆動電圧についての指令に対応する状態に、駆動電圧が印加される。したがって、本実施形態では、電力変換器1及び制御回路2を含む駆動制御装置10は、電動機4に出力されるトルクを推定し、トルクの推定値Testがトルクについての指令値Tcomに追従する状態に、電動機4の駆動を制御する直接トルク制御(DTC:Direct Torque Control)を行う。
図2は、図1の制御システムにおいて電動機4に出力される(印加される)トルクを制御するトルク制御モデルを等価的に示すブロック線図である。図2のトルク制御モデルは、駆動制御装置モデル20及び電動機モデル22を備える。駆動制御装置モデル20は、電力変換器1及び制御回路2を含む駆動制御装置10に相当するモデルであり、電動機モデル22は、電動機4に相当するモデルである。駆動制御装置モデル20は、指令生成部モデル21及び補償部モデル23を備える。指令生成部モデル21は、変位量指令生成部11に相当する部分を含むモデルであり、補償部モデル23は、補償部16に相当する部分を含むモデルである。なお、図2において、sは、ラプラス演算子を示す。
図2のトルク制御モデルでは、電動機4にリアルタイムで出力されているトルクの値として出力値Tが、電動機モデル22から出力される。出力値Tは、電動機4に出力されるトルクの電動機モデル22における真値に相当し、図1のトルクの推定値Testに対応するパラメータである。そして、トルクについての出力値Tは、駆動制御装置モデル20にフィードバックされる。指令生成部モデル21には、フィードバックされた出力値Tとトルクについての指令値Tcomとの偏差ΔTが、入力される。偏差ΔTは、図1の偏差ΔTに対応するパラメータである。
指令生成部モデル21は、トルクの出力値Tがトルクについての指令値Tcomに追従する状態に、すなわち、偏差ΔTがゼロに近づく状態に、電動機4の回転位置の変化量についての指令を生成する。図2の一例では、指令生成部モデル21は、偏差ΔTに基づいてPI制御を行うことにより、電動機4の回転位置の変化量についての指令を生成する。したがって、指令生成部モデル21は、偏差ΔT及び偏差ΔTの時間積分値に基づいて、電動機4の回転位置の変位量についての制御値Δθを設定し、設定した制御値Δθを出力する。制御値Δθは、図1の指令値Δθcomに対応するパラメータである。また、図2において、Kは、指令生成部モデル21でのPI制御における比例ゲインを示し、Kは、指令生成部モデル21でのPI制御における積分ゲインを示す。
電動機4の回転位置の変位量について前述のように指令が生成されると、変位量についての指令に対応する状態に電動機4に駆動電圧が印加され、変位量についての指令に対応する状態に電動機4の回転速度が制御される。このため、図2のトルク制御モデルでは、駆動制御装置モデル20から電動機モデル22に、電動機4の回転角速度(回転速度)についての制御値ωが入力される。制御値ωは、電動機4の回転位置の変位量についての制御値Δθに対応した値となる。
また、電動機モデル22では、電動機4に出力されるトルクの出力値Tと電動機4における負荷(負荷トルク)Tとの偏差に基づいて、電動機4の回転角速度について電動機モデル22における機械角での真値ωが算出される。そして、電動機モデル22は、電動機モデル22における電動機4の回転角速度について、機械角での真値ωが電気角での真値ωに変換される。ここで、図2において、Jは、電動機4の慣性モーメントを示し、Dは、電動機4の制動係数を示す。また、Pは、電動機4の極対数を示す。また、真値ωは、図1の計測値ωmesに対応するパラメータである。
また、電動機モデル22では、回転角速度の電気角での真値ωがフィードバックされ、回転角度について、駆動制御装置モデル20からの制御値ωと真値ωとの偏差が算出される。そして、電動機モデル22では、電動機4の回転角速度についての制御値ωと電気角での真値ωとの偏差を積分することにより、電動機4に出力されるトルクのトルク角δが、算出される。そして、電動機モデル22では、トルク角δ及び電動機のトルク定数kを用いて、電動機4に出力されるトルクについて前述の出力値Tが、算出される。この際、以下の式(10)を用いて、出力値Tが算出される。なお、トルク定数kは、電動機4に出力されるトルクとトルク角δとの変換比を示す。
Figure 2023000458000007
また、本実施形態では、補償部16は、電動機4の回転角速度の計測値ωmesを電動機4の制御における制御周期(演算処理周期)Δtに乗算し、乗算値(ωmes・Δt)を算出する。そして、補償部16は、変位量指令生成部11から出力された電動機4の回転位置の変位量についての指令値Δθcomに、算出した乗算値(ωmes・Δt)を加算する。そして、制御回路2では、指令値Δθcomに乗算値(ωmes・Δt)を加算した加算値(Δθcom+ωmes・Δt)に基づいて、電動機4に印加される駆動電圧についての指令が、生成される。このため、図2のトルク制御モデルの駆動制御装置モデル20では、補償部16に相当する部分を含む補償部モデル23に、電動機4の回転角速度についての電気角での真値ωが、電動機モデル22から入力される。そして、補償部モデル23では、電動機4の制御における離散系の制御周期(演算処理周期)Tが、回転角速度の真値ωに乗算される。
補償部モデル23は、制御周期Tと回転角速度の真値ωとの乗算値(T・ω)を、指令生成部モデル21から出力された電動機4の回転位置の変位量についての制御値Δθに、加算する。そして、駆動制御装置モデル20では、前述の乗算値(T・ω)と制御値Δθとの加算値(Δθ+T・ω)を離散系の制御周期Tで除算することにより、電動機4の回転角速度(回転速度)についての制御値ωが、算出される。これにより、電動機4の回転位置の変位量についての制御値Δθは、電動機4の回転角速度についての制御値ωに変換され、変換された制御値ωが、駆動制御装置モデル20から電動機モデル22に入力される。
前述のように本実施形態では、変位量指令生成部11は、電動機4に出力されるトルクの推定値Testがトルクについての指令値Tcomに追従する状態に、電動機4の回転位置の変位量についての指令を生成する。そして、補償部16は、電動機4の回転速度に関する値(本実施形態では、計測値ωmes)を電動機4の制御における制御周期Δtに乗算した乗算値(ωmes・Δt)を、変位量についての指令値Δθcomに加算する。そして、電圧制御部15は、乗算値(ωmes・Δt)を変位量についての指令値Δθcomに加算した加算値(Δθcom+ωmes・Δt)に基づいて、電動機4に印加される駆動電圧についての指令を生成し、駆動電圧についての指令に基づいて、電動機4に印加される駆動電圧を制御する。トルクの推定値Testとトルクについての指令値Tcomとの偏差ΔTに基づいて生成された回転位置の変位量についての指令に、回転速度に関する値(本実施形態では、計測値ωmes)を制御周期Δtに乗算した乗算値(本実施形態では、ωmes・Δt)が加算されることにより、電動機4の回転速度の直接トルク制御への影響が、適切に抑制される。
また、回転位置の変位量についての指令に前述の乗算値(本実施形態では、ωmes・Δt)を加算することで、電動機4の回転速度の直接トルク制御への影響が抑制されるため、直接トルク制御における設計を複雑化することなく、電動機4の回転速度の直接トルク制御への影響が抑制される。例えば、変位量指令生成部11でのPI制御又はP制御における制御パラメータの調整を簡素化するとともに、電動機4の回転速度の直接トルク制御への影響が抑制される。また、変位量指令生成部11において、積分項がない比例項のみのP制御が行われる場合でも、すなわち、変位量指令生成部11において、制御パラメータの調整がより簡素化されるP制御が行われる場合でも、電動機4の回転速度の直接トルク制御への影響が適切に抑制される。
前述のように、本実施形態では、電動機4の回転速度の直接トルク制御への影響を抑制し、パラメータ調整等を含む直接トルク制御における設計を簡素化可能になる。これにより、例えば、電動機4の回転速度が経時的に大きく変化する場合等でも、直接トルク制御における設計を複雑化することなく、トルクの推定値Testとトルクについての指令値Tcomとの偏差ΔTが収束する(ゼロに近づく)状態に、駆動電圧についての指令等が適切に生成される。また、電動機4の回転速度の直接トルク制御への影響が抑制されることにより、電動機4の回転速度の計測値又は推定値を回転速度についての指令値に追従させる速度制御を直接トルク制御に加えて駆動制御装置10が行う場合でも、トルク制御系と速度制御系とが互いに対して影響を及ぼし合うことが、有効に防止される。すなわち、直接トルク制御及び速度制御を互いに対して独立して実施可能となる。
(変形例)
図3は、ある変形例に係る制御システムの一例を示す。図3に示す変形例では、速度計測器5が設けられず、電動機4の回転速度の計測は行われない。代わりに、本変形例では、制御回路2の推定部14は、電動機4の回転速度を推定する。本変形例でも、推定部14は、第1の実施形態等と同様に、電動機4を流れる電流についての検出値Iα,Iβ、及び、電動機4に印加される駆動電圧についての指令値Vcomα,Vcomβを取得する。そして、推定部14は、第1の実施形態等と同様にして、電機子鎖交磁束についての推定値Φestα,Φestβ、電動機4の回転位置についての推定値θest、及び、電動機4に出力されるトルクについての推定値Testを算出する。また、本変形例では、推定部14は、電動機4の回転速度として、電動機4の回転角速度の推定値ωestを算出する。
推定部14は、電動機4の回転位置についての推定値θestを用いて、電動機4の回転角速度(回転速度)の推定値ωestを、電動機4の速度に関する値として算出する。ある一例では、推定部14は、電動機4の回転位置に関して、基準位置を設定する。そして、推定部14は、電動機4の回転位置が基準位置から次に基準位置になるまでの経過時間を検出する。そして、推定部14は、検出した経過時間に基づいて、電動機4の回転角速度を推定し、推定値ωestを算出する。したがって、本変形例では、電動機4に流れる電流についての検出結果(例えば、検出値Iα,Iβ)、及び、電動機4に印加される駆動電圧についての指令(例えば、指令値Vcomα,Vcomβ)に基づいて、電動機4の回転速度が推定される。
本変形例では、補償部16は、ローパスフィルタ処理部17及び乗算部18を備える。ローパスフィルタ処理部17は、推定部14が推定した電動機4の回転角速度の推定値ωestを取得する。そして、ローパスフィルタ処理部17は、電動機4の回転角速度(回転速度)の推定結果を示す信号をローパスフィルタ処理する。ローパスフィルタ処理によって、回転角速度を推定する演算処理に起因する遅れが、補償される。そして、ローパスフィルタ処理部17は、推定値ωestをローパスフィルタ処理した値ωを、電動機4の回転速度に関する値として出力する。
補償部16の乗算部18は、ローパスフィルタ処理された値ωを取得する。そして、乗算部18は、電動機4の回転速度に関する前述の値ωを電動機4の制御における制御周期(演算処理周期)Δtに乗算し、乗算値(ω・Δt)を算出する。そして、補償部16は、変位量指令生成部11から出力された電動機4の回転位置の変位量についての指令値Δθcomに、算出した乗算値(ω・Δt)を加算する。これにより、乗算値(ω・Δt)を変位量についての指令値Δθcomに加算した加算値(Δθcom+ω・Δt)が、算出される。前述のように、本変形例では、補償部16は、電動機4の回転角速度(回転速度)についての推定値ωestを取得し、推定値ωestを用いて前述の乗算値(ω・Δt)を算出する。
本変形例でも、第1の実施形態等と同様に、加算値(Δθcom+ωmes・Δt)に電動機4の位置についての推定値θestをさらに加算することにより、電動機4の回転位置についての指令が生成される。そして、第1の実施形態等と同様にして、磁束指令生成部12は、電動機4の回転位置についての指令に基づいて、電機子鎖交磁束についての指令を生成し、電圧制御部15は、電機子鎖交磁束についての指令に基づいて、電動機4に印加する駆動電圧についての指令を生成する。
図4は、図3の制御システムにおいて電動機4に出力される(印加される)トルクを制御するトルク制御モデルを等価的に示すブロック線図である。図4のトルク制御モデルも、駆動制御装置モデル20及び電動機モデル22を備え、駆動制御装置モデル20は、指令生成部モデル21及び補償部モデル23を備える。図4のトルク制御モデルでは、図2のトルク制御モデルとは異なり、指令生成部モデル21は、偏差ΔTに基づいてP制御を行うことにより、電動機4の回転位置の変化量についての指令を生成する。
また、本変形例では、前述のように、補償部16は、電動機4の回転角速度(回転速度)についての推定値ωestを取得する。そして、補償部16は、推定値ωestをローパスフィルタ処理し、ローパスフィルタ処理された値ωに制御周期を乗算することにより、前述の乗算値(ω・Δt)を算出する。このため、図4のトルク制御モデルでは、図2のトルク制御モデルとは異なり、補償部16に相当する部分を含む補償部モデル23に、電動機4の回転角速度についての電気角での真値ωが、電動機モデル22から入力されない。また、トルク制御モデルでは、電動機4の回転角速度(回転速度)についての制御値ωが、図3の推定値ωestに対応するパラメータとなる。このため、図4のトルク制御モデルでは、電気角での真値ωの代わりに、補償部モデル23には、電動機4の回転角速度についての制御値ωが入力される。
補償部モデル23では、制御値ωに対してローパスフィルタ処理が行われ、図4の一例では、2次ローパスフィルタ処理が行われる。なお、図4において、ωは、2次ローパスフィルタ処理における固有角周波数を示し、ζは、2次ローパスフィルタ処理における減衰係数を示す。そして、補償部モデル23では、電動機4の制御における離散系の制御周期(演算処理周期)Tが、回転角速度の制御値ωをローパスフィルタ処理した値ωに乗算される。補償部モデル23は、制御周期Tと回転速度に関する前述の値ωとの乗算値(T・ω)を、指令生成部モデル21から出力された電動機4の回転位置の変位量についての制御値Δθに、加算する。そして、駆動制御装置モデル20では、前述の乗算値(T・ω)と制御値Δθとの加算値(Δθ+T・ω)を離散系の制御周期Tで除算することにより、図2のトルク制御モデル等と同様に、電動機4の回転角速度(回転速度)についての制御値ωが、算出される。
本変形例でも、変位量指令生成部11は、電動機4に出力されるトルクの推定値Testがトルクについての指令値Tcomに追従する状態に、電動機4の回転位置の変位量についての指令を生成する。そして、補償部16は、電動機4の回転速度に関する値(本変形例では、値ω)を電動機4の制御における制御周期Δtに乗算した乗算値(ω・Δt)を、変位量についての指令値Δθcomに加算する。そして、電圧制御部15は、乗算値(ω・Δt)を変位量についての指令値Δθcomに加算した加算値(Δθcom+ω・Δt)に基づいて、電動機4に印加される駆動電圧についての指令を生成し、駆動電圧についての指令に基づいて、電動機4に印加される駆動電圧を制御する。トルクの推定値Testとトルクについての指令値Tcomとの偏差ΔTに基づいて生成された回転位置の変位量についての指令に、回転速度に関する値(本変形例では、値ω)を制御周期Δtに乗算した乗算値(本変形例では、ω・Δt)が加算されることにより、本変形例でも前述の実施形態等と同様に、電動機4の回転速度の直接トルク制御への影響が、適切に抑制される。したがって、本変形例でも、前述の実施形態等と同様の作用及び効果を奏する。
また、前述の実施形態等では、電力変換器1から電動機4に三相交流電力が供給されるが、トルク制御を含む前述の駆動制御は、一相の交流電力が電動機4に供給される場合、及び、二相の交流電力が電動機4に供給される場合も、適用可能である。同様に、前述の駆動制御は、四相以上の交流電力が電動機4に供給される場合も、適用可能である。
これらの少なくとも一つの実施形態又は実施例によれば、電動機に出力されるトルクの推定値がトルクについての指令値に追従する状態に、電動機の回転位置の変位量についての指令が、生成される。そして、電動機の回転速度に関する値を電動機の制御における制御周期に乗算した乗算値が、変位量についての指令値に加算される。そして、乗算値を変位量についての指令値に加算した加算値に基づいて、電動機に印加される駆動電圧についての指令が生成される。これにより、電動機の回転速度の直接トルク制御への影響を抑制し、直接トルク制御における設計を簡素化可能な電動機の駆動制御装置、電動機の駆動制御方法、及び、電動機の駆動制御プログラムを提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電力変換器、2…制御回路、4…電動機、10…駆動制御装置、11…変位量指令生成部、12…磁束指令生成部、13…座標変換部、14…推定部、15…電圧制御部、16…補償部、20…駆動制御装置モデル、21…指令生成部モデル、22…電動機モデル、23…補償部モデル。

Claims (8)

  1. 電動機に出力されるトルクの推定値が前記トルクについての指令値に追従する状態に、前記電動機の回転位置の変位量についての指令を生成する変位量指令生成部と、
    前記電動機の回転速度に関する値を前記電動機の制御における制御周期に乗算した乗算値を、前記変位量についての指令値に加算する補償部と、
    前記乗算値を前記変位量についての前記指令値に加算した加算値に基づいて、前記電動機に印加される駆動電圧についての指令を生成し、前記駆動電圧についての前記指令に基づいて、前記電動機に印加される前記駆動電圧を制御する電圧制御部と、
    を具備する、前記電動機の駆動制御装置。
  2. 前記補償部は、前記電動機の前記回転速度についての計測値を取得し、前記回転速度についての前記計測値を用いて前記乗算値を算出する、請求項1の駆動制御装置。
  3. 前記補償部は、前記電動機に流れる電流についての検出結果、及び、前記電動機に印加される前記駆動電圧についての前記指令に基づいて推定された前記電動機の前記回転速度についての推定値を取得し、前記回転速度についての前記推定値を用いて前記乗算値を算出する、請求項1の駆動制御装置。
  4. 前記電動機に流れる電流及び前記電動機に印加される前記駆動電圧についての前記指令に基づいて、前記電動機の電機子鎖交磁束を推定し、前記電機子鎖交磁束についての推定結果に基づいて、前記トルクの前記推定値を算出する推定部をさらに具備する、請求項1乃至3のいずれか1項の駆動制御装置。
  5. 入力された電力を任意の電圧及び周波数の交流電力に変換して前記電動機に供給する電力変換器をさらに具備し、
    前記電圧制御部は、生成した前記駆動電圧についての前記指令に基づいて前記電力変換器の作動を制御することにより、前記電動機に印加される前記駆動電圧を制御する、
    請求項1乃至4のいずれか1項の駆動制御装置。
  6. 前記変位量指令生成部、前記補償部及び前記電圧制御部が実装された集積回路を具備する、請求項1乃至5のいずれか1項の駆動制御装置。
  7. 電動機に出力されるトルクの推定値が前記トルクについての指令値に追従する状態に、前記電動機の回転位置の変位量についての指令を生成することと、
    前記電動機の回転速度に関する値を前記電動機の制御における制御周期に乗算した乗算値を、前記変位量についての指令値に加算することと、
    前記乗算値を前記変位量についての前記指令値に加算した加算値に基づいて、前記電動機に印加される駆動電圧についての指令を生成し、前記駆動電圧についての前記指令に基づいて、前記電動機に印加される前記駆動電圧を制御することと、
    を具備する、前記電動機の駆動制御方法。
  8. コンピュータに、
    電動機に出力されるトルクの推定値が前記トルクについての指令値に追従する状態に、前記電動機の回転位置の変位量についての指令を生成させ、
    前記電動機の回転速度に関する値を前記電動機の制御における制御周期に乗算した乗算値を、前記変位量についての指令値に加算させ、
    前記乗算値を前記変位量についての前記指令値に加算した加算値に基づいて、前記電動機に印加される駆動電圧についての指令を生成させ、前記駆動電圧についての前記指令に基づいて、前記電動機に印加される前記駆動電圧を制御させる、
    前記電動機の駆動制御プログラム。
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