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JP2023096944A - 非水電解液二次電池の検査方法 - Google Patents

非水電解液二次電池の検査方法 Download PDF

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JP2023096944A JP2021213029A JP2021213029A JP2023096944A JP 2023096944 A JP2023096944 A JP 2023096944A JP 2021213029 A JP2021213029 A JP 2021213029A JP 2021213029 A JP2021213029 A JP 2021213029A JP 2023096944 A JP2023096944 A JP 2023096944A
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Hiroki Nishi
博昭 池田
Hiroaki Ikeda
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Abstract

【課題】検査精度を高めることができる非水電解液二次電池の検査方法を提供する。【解決手段】非水電解液二次電池の製造条件に基づいて正極容量及び負極容量が予測される。予測された正極容量及び負極容量に基づいて対向容量比が予測される。各測定工程において測定された電圧値に基づく電圧降下値と、予測された対向容量比に対応する補正値とが演算され、電圧降下値が補正される。補正された電圧降下値が閾値以下であるときに非水電解液二次電池が正常であると判定される。【選択図】図5

Description

本発明は、非水電解液二次電池の検査方法に係り、詳しくは、自己放電検査の検査精度を高めることができる非水電解液二次電池の検査方法に関する。
従来より非水電解液二次電池においては、内部短絡があると自己放電を大きくなるため、非水電解液二次電池の自己放電検査が必要となっている。非水電解液二次電池の検査方法の1つとしては、例えば、特許文献1のように、高温エージング工程と、第1測定工程と、第2測定工程と、判定工程とを含むものが開示されている。高温エージング工程は、初充電が行われた二次電池を高温環境下で保管する工程である。第1測定工程は、高温環境下で保管された二次電池の電圧を測定する工程である。第2測定工程は、第1測定工程から規定時間が経過した後に二次電池の電圧を測定する工程である。そして、判定工程は、各測定工程において測定された電圧差が電圧降下値として算出された結果、電圧降下値が閾値よりも大きい場合に不良な二次電池であると判定する工程である。
特に、例えば、特許文献1のように、二次電池の対向容量比により電圧降下値にばらつきが生じることもあり、二次電池の対向容量比が許容範囲内であることを条件として、自己放電検査が行われることが開示されている。この許容範囲は、電圧降下値への影響が小さい範囲であり、電圧降下値のばらつきを抑制することができる。
特開2012-221782号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、二次電池の対向容量比が許容範囲内であったとしても、二次電池の対向容量比により電圧降下値に誤差が生じてしまい、検査精度が低下してしまうおそれがあった。
上記課題を解決する非水電解液二次電池の検査方法は、正極、負極及びセパレータを含む電極体と、非水電解液と、前記電極体及び前記非水電解液を収容する電池ケースと、を備えた非水電解液二次電池の検査方法であって、非水電解液二次電池の製造条件に基づいて、非水電解液二次電池の正極容量を予測する正極容量予測工程と、非水電解液二次電池の製造条件に基づいて、非水電解液二次電池の負極容量を予測する負極容量予測工程と、前記正極容量予測工程において予測された正極容量と、前記負極容量予測工程において予測された負極容量とに基づいて、対向容量比を予測する対向容量比予測工程と、非水電解液二次電池の電圧値を測定する第1測定工程と、前記第1測定工程が行われてから規定時間が経過したときに非水電解液二次電池の電圧値を測定する第2測定工程と、前記第1測定工程において測定された電圧値及び前記第2測定工程において測定された電圧値に基づく電圧降下値と、前記対向容量比予測工程において予測された対向容量比に対応する補正値とを演算し、電圧降下値を補正する補正工程と、前記補正工程において補正された電圧降下値が閾値以下であるときに非水電解液二次電池が正常であると判定する自己放電判定工程と、を含む。
また、前記補正工程は、前記対向容量比予測工程において予測された対向容量比が、基準対向容量比よりも大きい第1対向容量比であるときに、電圧降下値を増加させるように補正する一方で、前記対向容量比予測工程において予測された対向容量比が、前記基準対向容量比よりも小さい第2対向容量比であるときに、電圧降下値を減少させるように補正する工程であってもよい。
また、非水電解液二次電池の製造条件に基づいて、非水電解液二次電池の不可逆容量を予測する不可逆容量予測工程と、前記正極容量予測工程において予測された正極容量と、前記不可逆容量予測工程において予測された不可逆容量とに基づいて、非水電解液二次電池のセル容量を予測するセル容量予測工程と、非水電解液二次電池のセル容量を測定するセル容量測定工程と、前記セル容量測定工程において測定されたセル容量が、前記セル容量予測工程において予測されたセル容量を基準とした許容範囲内であるときに、非水電解液二次電池が正常であると判定するセル容量判定工程と、を含んでもよい。
また、前記正極容量予測工程は、非水電解液二次電池の製造条件として、正極の電極条件に基づいて、非水電解液二次電池の正極容量を予測する工程であり、前記負極容量予測工程は、非水電解液二次電池の製造条件として、負極の電極条件に基づいて、非水電解液二次電池の負極容量を予測する工程であってもよい。
また、前記正極容量予測工程は、正極の電極条件として、正極の材料物性、正極の目付量及び正極の塗工面積のうち少なくとも何れかに基づいて、非水電解液二次電池の正極容量を予測する工程であり、前記負極容量予測工程は、負極の電極条件として、負極の目付量及び負極の塗工面積のうち少なくとも何れかに基づいて、非水電解液二次電池の負極容量を予測する工程であってもよい。
また、充電された非水電解液二次電池を高温環境下で保管する高温エージング工程を含んでもよい。
また、前記第1測定工程及び前記第2測定工程は、非水電解液二次電池のSOCが80%~90%であるときに行われてもよい。
本発明によれば、検査精度を高めることができる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池の斜視図である。 リチウムイオン二次電池の電極体の積層体の構成を示す模式図である。 幅方向Wから見た電極体の端部の構成を示す模式図である。 本実施形態のリチウムイオン二次電池の検査構成を示す斜視図である。 第1実施形態のリチウムイオン二次電池の検査方法を示すフローチャートである。 本実施形態のリチウムイオン二次電池の対向容量比と補正値とを示すグラフである。 本実施形態のリチウムイオン二次電池のSOCと開放電圧と負極電位と対向容量比とを示すグラフである。 本実施形態のリチウムイオン二次電池のSOCと負極電位と対向容量比とを示すグラフである。 本実施形態のリチウムイオン二次電池のSOCと開放電圧と対向容量比とを示すグラフである。 本実施形態のリチウムイオン二次電池におけるSOC変化当たりの電圧降下値と対向容量比とを示すグラフである。
[第1実施形態]
以下、非水電解液二次電池の検査方法の一実施形態について説明する。
<リチウムイオン二次電池10>
本実施形態の前提となるリチウムイオン二次電池の構成を簡単に説明する。
図1に示すように、リチウムイオン二次電池10は、セル電池として構成される。リチウムイオン二次電池10は、直方体状の電池ケース11と、蓋体12とを備える。電池ケース11は、上側に図示しない開口部を備える。蓋体12は、電池ケース11の開口部を封止する。電池ケース11及び蓋体12はアルミニウム合金等の金属で構成されている。蓋体12は、電力の充放電に用いられる負極外部端子13及び正極外部端子14を備える。負極外部端子13及び正極外部端子14は、任意の形状であればよい。
リチウムイオン二次電池10は、電極体15を備える。リチウムイオン二次電池10は、負極集電体16と、正極集電体17と、を備える。負極集電体16は、電極体15の負極と負極外部端子13とを接続する。正極集電体17は、電極体15の正極と正極外部端子14とを接続する。電極体15は、電池ケース11の内部に収容される。電池ケース11内には図示しない注液孔から非水電解液18が注入される。このように、リチウムイオン二次電池10は、非水電解液18を備える。リチウムイオン二次電池10は、電池ケース11に蓋体12を取り付けることで密閉された電槽が構成される。このように、電池ケース11は、電極体15及び非水電解液18を収容する。
<非水電解液18>
非水電解液18は、非水溶媒に支持塩が含有された組成物である。本実施形態では、非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)を用いることができる。非水溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等からなる群から選択された一種または二種以上の材料でもよい。
また、支持塩としては、LiPF、LiBF、LiClO、LiAsF、LiCFSO、LiCSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、LiI等を用いることができる。またこれらから選択される一種または二種以上のリチウム化合物(リチウム塩)を用いることができる。
<電極体15>
図2に示すように、電極体15は、負極板20と、正極板30と、セパレータ40と、を備える。電極体15の長手の方向を「長さ方向Z」という。電極体15の厚さの方向を「厚み方向D」という。電極体15の長さ方向Z及び厚み方向Dに直交する方向を「幅方向W」という。
<負極板20>
負極板20は、リチウムイオン二次電池10の負極の一例として機能する。負極板20は、負極基材21と、負極合材層22とを備える。負極合材層22は、負極基材21の両面に形成される。負極基材21は、電極体15から露出する負極接続部23を備える。負極接続部23は、電極体15の幅方向Wの一端に設けられる。
本実施形態では、負極基材21は、Cu箔から構成されている。負極基材21は、負極合材層22の骨材としてのベースとなる。負極基材21は、負極合材層22から電気を集電する集電部材の機能を有している。
負極合材層22は負極活物質を有する。本実施形態では負極活物質は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な材料であり、黒鉛(グラファイト)等からなる粉末状の炭素材料を用いる。負極板20は、例えば、負極活物質と、溶媒と、結着剤(バインダー)とを混練し、混練後の負極合材を負極基材21に塗布して乾燥することで作製される。
<正極板30>
正極板30は、リチウムイオン二次電池10の正極の一例として機能する。正極板30は、正極基材31と、正極合材層32とを備える。正極合材層32は、正極基材31の両面に形成される。正極基材31は、電極体15から露出する正極接続部33を備える。正極接続部33は、電極体15の幅方向Wの他端に設けられる。
実施形態では、正極基材31は、Al箔やAl合金箔から構成されている。正極基材31は、正極合材層32の骨材としてのベースとなる。正極基材31は、正極合材層32から電気を集電する集電部材の機能を有している。
正極合材層32は、正極活物質を有する。正極活物質は、リチウムを吸蔵・放出可能な材料であり、例えばコバルト酸リチウム(LiCoO)、マンガン酸リチウム(LiMn)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)等を用いることができる。また、LiCoO、LiMn、LiNiOを任意の割合で混合した材料を用いてもよい。正極合材層32は、導電材を含む。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、黒鉛(グラファイト)を用いることができる。正極板30は、例えば、正極活物質と、導電材と、溶媒と、結着剤(バインダー)とを混練し、混練後の正極合材を正極基材31に塗布して乾燥することで作製される。
<セパレータ40>
セパレータ40は、負極板20及び正極板30の間に非水電解液18を保持する。セパレータ40は、多孔性樹脂であるポリプロピレン製等の不織布である。セパレータ40としては、多孔性ポリエチレン膜、多孔性ポリオレフィン膜、および多孔性ポリ塩化ビニル膜等の多孔性ポリマー膜、又は、リチウムイオンもしくはイオン導電性ポリマー電解質膜を、単独、又は組み合わせて使用することもできる。非水電解液18に電極体15に浸漬させるとセパレータ40の端部から中央部に向けて非水電解液18が浸透する。
<リチウムイオン二次電池10の製造工程>
ここで、本実施形態のリチウムイオン二次電池10の製造工程の概略を説明する。
本実施形態では、源泉工程が行われる。源泉工程は、リチウムイオン二次電池10の電池要素の作製の工程である。具体的に、源泉工程は、リチウムイオン二次電池10の電池要素を構成する負極板20及び正極板30をそれぞれ作製する工程である。
源泉工程が終了すると、積層工程が行われる。積層工程では、負極板20、セパレータ40、正極板30、セパレータ40の順に、負極板20、正極板30、セパレータ40が積層される。つまり、電極体15は、負極板20と正極板30とがセパレータ40を介して積層して構成される。負極合材層22と正極合材層32とは、セパレータ40を介して対面するように配置される。電極体15の幅方向Wに対する一方の端部に負極接続部23がセパレータ40から突出するように負極板20とセパレータ40とが配置される。電極体15の幅方向Wに対する他方の端部に正極接続部33がセパレータ40から突出するように正極板30とセパレータ40とが配置される。つまり、電極体15は、一端に負極基材21が露出した負極接続部23が形成されており、他端に正極基材31が露出した正極接続部33が形成されている。
積層工程が終了すると、捲回工程が行われる。捲回工程では、電極体15は、幅方向Wの捲回軸を中心に支持されて巻き付けられる。電極体15には、競走用のトラックのような平坦部と、その両端に形成される湾曲部とが形成される。
捲回工程が終了すると、捲回体プレス工程が行われる。電極体15は、厚み方向Dから所定の圧力を超えない力で押圧され圧縮される。本実施形態では、所定の圧力としては、100kNが採用されるが、これに限らない。
詳しくは、図3に示すように、電極体15は、負極板20と正極板30とがセパレータ40を介して重ねて積層された状態で、捲回軸を中心に支えられて長さ方向Zに捲回される。電極体15は、幅方向Wと直交する厚み方向Dから圧力を加えることにより、幅方向Wから見た端部が競走用トラック状の扁平な形状に整形される。
捲回体プレス工程が終了すると、端子溶接工程が行われる。端子溶接工程では、負極接続部23と負極集電体16とが溶接により電気的・機械的に接続される。正極接続部33と正極集電体17とが溶接により電気的・機械的に接続される。
端子溶接工程が終了すると、ケース挿入工程が行われる。ケース挿入工程では、電極体15は、捲回され扁平になった状態で、かつ、負極集電体16及び正極集電体17が接続された状態で、電池ケース11に挿入される。
ケース挿入工程が終了すると、封缶溶接工程が行われる。封缶溶接工程では、電池ケース11と蓋体12がレーザ溶接などにより密封される。この段階ではまだ非水電解液18は注液されておらず、蓋体12の注液口が開口している。
封缶溶接工程が終了すると、セル乾燥工程が行われる。セル乾燥工程では、電池ケース内に残存している水分などを十分に乾燥させるため、電池内の温度が例えば105°C程度まで上昇させる。この工程では、温度が高くセパレータ40の樹脂が軟化するため、拘束は行わない。
セル乾燥工程が終了すると、注液・封止工程が行われる。注液・封止工程では、蓋体12の注液口から電槽内に非水電解液18を注液する。注液が完了したら、注液口を密封する。これで、リチウムイオン二次電池10の組み立てが完了し、後述するように、セル容量検査及び自己放電検査が行われる。
<リチウムイオン二次電池10の検査構成>
次に、図4を参照してリチウムイオン二次電池10の検査が行われるときの構成について説明する。
図4に示すように、リチウムイオン二次電池10のセル容量検査及び自己放電検査が行われる場合、複数のリチウムイオン二次電池10は、図示しない検査治具への設置により、厚み方向Dに並ぶように配置される。本実施形態においては、25個のリチウムイオン二次電池10が検査治具に設置可能であるが、これに限らない。本実施形態において、複数のリチウムイオン二次電池10のそれぞれの間に溝形状の隙間が形成されるように複数のリチウムイオン二次電池10が配置されてもよい。
複数のリチウムイオン二次電池10は、工程の種類によっては厚み方向Dに拘束される。「拘束」とは、電極体15を直接又は間接に厚み方向Dから加圧して、セパレータ40を圧縮することをいう。本実施形態では、複数のリチウムイオン二次電池10を設置した状態で、電池ケース11を厚み方向Dに押圧する。押圧は、プレス機に限らず、拘束用のフレームにより、ねじで締め付けるような構成でもよい。
<リチウムイオン二次電池10の検査方法>
ここで、図5を参照してリチウムイオン二次電池10の検査方法について説明する。
図5に示すように、最初に、リチウムイオン二次電池10の製造が終了したら、ステップS11において、充電工程が行われる。充電工程では、SEI(Solid Electrolyte Interphase)被膜の形成などを目的として、初充電が行われる。初充電は、比較的低い充電レートで行われ、リチウムイオン二次電池10の温度上昇が抑制されている。充電処理では、SOC(State Of Charge)100%の満充電を行うが、例えばSOC90%等であってもよい。本実施形態では、充電工程は、例えば20°C程度の常温で行われる。充電工程では、複数のリチウムイオン二次電池10が拘束されてもよい。
充電工程が終了したら、ステップS12において、高温エージング工程が行われる。高温エージング工程は、充電工程において充電されたリチウムイオン二次電池10を高温環境下で保管する工程である。高温エージング工程では、リチウムイオン二次電池10を化学的に安定化・活性化をする。その目的の1つとしては、電極内に存在する微細な金属により生じる微細な電極間の短絡がある場合、高温にすることで、この金属の溶解・析出を加速し、微細な短絡を検出する。このため、高温エージング工程では、例えば本実施形態では60°C程度の高温に保温して行う。本実施形態において、高温エージング工程では、予め定めた時間に亘って高温環境下に複数のリチウムイオン二次電池10が保管される。本実施形態において、高温エージング工程では、複数のリチウムイオン二次電池10は、拘束されなくてもよい。
高温エージング工程が終了したら、ステップS13において、正極容量予測工程が行われる。正極容量予測工程は、リチウムイオン二次電池10の製造条件及び検査条件に基づいて、リチウムイオン二次電池10の正極容量を予測する工程である。つまり、正極容量予測工程は、正極容量予測工程よりも前までの前工程における条件に基づいて正極容量を予測する工程である。
具体的に、正極容量は、リチウムイオン二次電池10の製造条件として、例えば、正極の電極条件に基づいて予測可能である。正極の電極条件には、例えば、正極の材料物性、正極の目付量及び正極の塗工面積が含まれてもよい。正極の材料物性は、正極基材31及び正極合材層32の材料物性である。正極の目付量は、正極基材31に対する正極合材層32の目付量である。正極の塗工面積は、正極基材31に対する正極合材層32の塗工面積である。塗工面積は、塗工幅と塗工長とから算出可能である。正極容量は、リチウムイオン二次電池10の検査条件として、例えば、初充電容量に基づいて予測可能である。初充電容量は、ステップS11の充電工程において行われる初充電の容量である。
正極容量予測工程が終了したら、ステップS14において、不可逆容量予測工程が行われる。不可逆容量予測工程は、リチウムイオン二次電池10の製造条件及び検査条件に基づいて、リチウムイオン二次電池10の不可逆容量を予測する工程である。つまり、不可逆容量予測工程は、不可逆容量予測工程よりも前までの前工程における条件に基づいて不可逆容量を予測する工程である。
具体的に、不可逆容量は、リチウムイオン二次電池10の製造条件として、例えば、負極の電極条件に基づいて予測可能である。負極の電極条件には、例えば、負極の材料物性、負極の目付量、負極の塗工面積が含まれてもよい。負極の材料物性は、負極基材21及び負極合材層22の材料物性である。負極の目付量は、負極基材21に対する負極合材層22の目付量である。負極の塗工面積は、負極基材21に対する負極合材層22の塗工面積である。不可逆容量は、リチウムイオン二次電池10の製造条件として、例えば、電解液量に基づいて予測可能である。電界液量は、注液・封止工程において電槽内に注入される非水電解液18の分量である。不可逆容量は、リチウムイオン二次電池10の検査条件として、例えば高温エージング条件に基づいて予測可能である。高温エージング条件としては、高温エージングを行う時間及び設定温度であってもよい。
不可逆容量予測工程が終了したら、ステップS15において、負極容量予測工程が行われる。負極容量予測工程は、リチウムイオン二次電池10の製造条件に基づいて、リチウムイオン二次電池10の負極容量を予測する工程である。つまり、負極容量予測工程は、負極容量予測工程よりも前までの前工程における条件に基づいて負極容量を予測する工程である。
具体的に、負極容量は、リチウムイオン二次電池10の製造条件として、例えば、負極の電極条件に基づいて予測可能である。負極の電極条件には、例えば、負極の目付量及び負極の塗工面積が含まれてもよい。
ステップS13~S15において取得されるリチウムイオン二次電池10の製造条件及び検査条件としては、検査対象であるリチウムイオン二次電池10からの実測値であっても、設計者によるリチウムイオン二次電池10の設計値であってもよい。リチウムイオン二次電池10の製造条件及び検査条件としては、検査対象である複数のリチウムイオン二次電池10毎に実測値が取得されてもよい。リチウムイオン二次電池10の製造条件及び検査条件としては、1回の検査対象である複数のリチウムイオン二次電池10のうち代表となる1又は複数のリチウムイオン二次電池10の実測値が取得されてもよい。リチウムイオン二次電池10の製造条件としては、リチウムイオン二次電池10の製造ロットに含まれる複数のリチウムイオン二次電池10のうち代表となる1又は複数のリチウムイオン二次電池10の実測値が取得されてもよい。リチウムイオン二次電池10の製造条件としては、リチウムイオン二次電池10の電極体15を製造する際の材料ロットに含まれる複数のリチウムイオン二次電池10のうち代表となる1又は複数のリチウムイオン二次電池10の実測値が取得されてもよい。リチウムイオン二次電池10の製造条件及び検査条件のパラメータ毎に、設計値を採用するか実測値を採用するかが異なってもよく、実測値を取得する対象が異なってもよい。
負極容量予測工程が終了したら、ステップS16において、セル容量予測工程が行われる。セル容量予測工程は、ステップS13において予測された正極容量と、ステップS14において予測された不可逆容量とに基づいて、リチウムイオン二次電池10のセル容量を予測する工程である。詳しくは、セル容量予測工程では、ステップS13において予測された正極容量から、ステップS14において予測された不可逆容量を引いた容量がリチウムイオン二次電池10のセル容量として予測される。
セル容量予測工程が終了したら、ステップS17において、対向容量比予測工程が行われる。対向容量比予測工程は、ステップS13において予測された正極容量と、ステップS15において予測された負極容量と、負極板20と正極板30の対向部分の塗工面積に基づいて、リチウムイオン二次電池10の対向容量比を予測する工程である。詳しくは、対向容量比予測工程では、ステップS13において予測された正極容量と、ステップS15において予測された負極容量との比がリチウムイオン二次電池10の対向容量比として予測される。
対向容量比予測工程が終了したら、ステップS18において、セル容量測定工程が行われる。セル容量測定工程は、実際の検査対象であるリチウムイオン二次電池10のセル容量を測定する工程である。
セル容量測定工程が終了したら、ステップS19において、測定されたセル容量が許容範囲内であるか否かが判定される。許容範囲は、ステップS16において予測されたリチウムイオン二次電池10のセル容量を基準として算出される。セル容量測定工程は、例えば20°C程度の常温で行われる。セル容量測定工程では、複数のリチウムイオン二次電池10が拘束されてもよい。
測定されたセル容量が許容範囲内であると判定された場合、セル容量検査の検査結果としてはリチウムイオン二次電池10が正常であると判定され、ステップS20に移行する。測定されたセル容量が許容範囲内ではないと判定された場合、セル容量検査の検査結果としてはリチウムイオン二次電池10が異常であると判定され、ステップS26において、リチウムイオン二次電池10が異常であると判定される。このように、セル容量検査が行われる。本実施形態において、ステップS19,S25、S26がセル容量判定工程の一例に相当する。
セル容量が許容範囲内であると判定された場合、ステップS20において、第1測定工程が行われる。第1測定工程では、リチウムイオン二次電池10の第1開放電圧OCV(Open Circuit Voltage)1が測定される。つまり、第1測定工程は、リチウムイオン二次電池10の電圧値を測定する工程である。第1測定工程以降の工程は、例えば20°C程度の常温で行われる。第1測定工程以降の工程では、複数のリチウムイオン二次電池10が拘束されてもよい。
第1測定工程が終了したら、ステップS21において、第1測定工程が終了してから規定時間が経過したかが判定される。本実施形態において、規定時間としては、72時間が定められているが、これに限らない。第1測定工程が終了してから規定時間が経過するまで、ステップS22に移行せず、第1測定工程が終了してから規定時間が経過すると、ステップS22に移行する。
第1測定工程が終了してから規定時間が経過すると、ステップS22において、第2測定工程が行われる。第2測定工程では、リチウムイオン二次電池10の第2開放電圧OCV2が測定される。つまり、第2測定工程は、第1測定工程が行われてから規定時間が経過したときにリチウムイオン二次電池10の電圧値を測定する工程である。
第2測定工程が終了したら、ステップS23において、補正工程が行われる。補正工程では、第1開放電圧OCV1と第2開放電圧OCV2と差、及び、規定時間に基づいて、時間当たりの電圧降下値が算出される。ステップS17において予測された対向容量比に対応する補正値が算出される。算出された時間当たりの電圧降下値と補正値とが演算されることにより、時間当たりの電圧降下値が補正される。具体的に、算出された時間当たりの電圧降下値に補正値が加算されることにより、時間当たりの電圧降下値が補正される。また、補正値には、正の補正値と、負の補正値とがある。このように、補正工程は、ステップS20,S22において測定された電圧値に基づく時間当たりの電圧降下値と、ステップS17において予測された対向容量比に対応する補正値とを演算し、時間当たりの電圧降下値を補正する工程である。
補正工程が終了したら、ステップS24において、補正された時間当たりの電圧降下値が閾値以下であるか否かが判定される。時間当たりの電圧降下値が閾値以下であると判定された場合、ステップS25において、リチウムイオン二次電池10が正常であると判定される。時間当たりの電圧降下値が閾値以下ではないと判定された場合、ステップS26において、リチウムイオン二次電池10が異常であると判定される。このように、自己放電検査が行われる。本実施形態において、ステップS19,S25、S26が自己放電判定工程の一例に相当する。
<対向容量比及び補正値>
ここで、対向容量比と補正値との関係について説明する。
図6に示すように、基準対向容量比R0が定めらえている。基準対向容量比R0は、算出された時間当たりの電圧降下値に対する補正値が0となる対向容量比である。このように、ステップS17において基準対向容量比R0が予測されたときには、基準対向容量比R0に対応する補正値が0となり、算出された時間当たりの電圧降下値自体が自己放電検査の判定対象となる。
基準対向容量比R0よりも対向容量比が大きいときには、正の補正値が算出される。具体的な一例をあげると、基準対向容量比R0よりも大きい第1対向容量比R1が予測されるときには、補正値として第1補正値CV1が算出される。第1補正値CV1は、正の補正値である。このように、ステップS17において第1対向容量比R1が予測されたときには、第1対向容量比R1に対応する補正値が正の補正値となる。これにより、算出された時間当たりの電圧降下値に第1補正値CV1が加算された演算結果が補正された時間当たりの電圧降下値となり、自己放電検査の判定対象となる。このように、ステップS17において予測された対向容量比が、基準対向容量比R0よりも大きい第1対向容量比R1であるときに、時間当たりの電圧降下値が増加するように補正される。
基準対向容量比R0よりも対向容量比が小さいときには、負の補正値が算出される。具体的な一例をあげると、基準対向容量比R0よりも小さい第2対向容量比R2が予測されるときには、補正値として第2補正値CV2が算出される。第2補正値CV2は、負の補正値である。このように、ステップS17において第2対向容量比R2が予測されたときには、第2対向容量比R2に対応する補正値が負の補正値となる。これにより、算出された時間当たりの電圧降下値に第2補正値CV2が加算された演算結果が補正された時間当たりの電圧降下値となり、自己放電検査の判定対象となる。このように、ステップS17において予測された対向容量比が、基準対向容量比R0よりも小さい第2対向容量比R2であるときに、時間当たりの電圧降下値が減少するように補正される。なお、本実施形態では、基準対向容量比R0が1.72、第1対向容量比R1が1.86、第2対向容量比R2が1.65を想定しているが、これに限らない。
<SOC、対向容量比、開放電圧OCV及び負極電位Vnp>
次に、図7~図10を参照して、SOC、対向容量比、開放電圧OCV及び負極電位Vnpの関係について説明する。図7~図9において、対向容量比が基準対向容量比R0であるときの開放電圧OCV及び負極電位Vnpが実線で示される。図7~図9において、対向容量比が第1対向容量比R1であるときの開放電圧OCV及び負極電位Vnpが破線で示される。図7~図9において、対向容量比が第2対向容量比R2であるときの開放電圧OCV及び負極電位Vnpが二点鎖線で示される。
図7に示すように、SOCが低くなると、リチウムイオン二次電池10の開放電圧OCVは低くなる。SOCが高くなると、リチウムイオン二次電池10の開放電圧OCVは高くなる。SOCが低くなると、リチウムイオン二次電池10の負極電位Vnpは高くなる。SOCが高くなると、リチウムイオン二次電池10の負極電位Vnpは低くなる。
特に、図8に示すように、自己放電検査において取り得るSOC80%~90%では、対向容量比に応じて負極電位Vnpが異なる。具体的に、自己放電検査において取り得るSOC80%~90%では、対向容量比が第1対向容量比R1であるときよりも基準対向容量比R0であるときのほうが、負極電位Vnpが急激に低下する。また、自己放電検査において取り得るSOC80%~90%では、対向容量比が基準対向容量比R0であるときよりも第2対向容量比R2であるときのほうが、負極電位Vnpが急激に低下する。
図9に示すように、自己放電検査において取り得るSOC80%~90%では、対向容量比に応じてSOC当たりの開放電圧OCVの電圧降下値が異なる。これは、自己放電検査において取り得るSOC80%~90%では、対向容量比に応じて負極電位Vnpが異なることに起因している。
具体的に、図9及び図10に示すように、自己放電検査において取り得るSOC80%~90%では、対向容量比が基準対向容量比R0であるときよりも第1対向容量比R1であるときのほうが、SOC当たりの開放電圧OCVの電圧降下値が小さくなる。自己放電検査において取り得るSOC80%~90%では、対向容量比が基準対向容量比R0であるときよりも、対向容量比が第2対向容量比R2であるときのほうが、SOC当たりの開放電圧OCVの電圧降下値が大きくなる。
<本実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
最初に、リチウムイオン二次電池10の製造が行われる。特に、負極板20と正極板30とを作製する源泉工程において、例えば、正極の材料物性、正極の目付量、正極の塗工面積、負極の材料物性、負極の目付量及び負極の塗工面積が特定できる。また、注液・封止工程において、蓋体12に注入される非水電解液18の分量により電界液量が特定できる。
リチウムイオン二次電池10の製造が完了すると、充電工程においてリチウムイオン二次電池10に初充電が行われる。そして、高温エージング工程において、高温環境下においてリチウムイオン二次電池10が保管される。これにより、リチウムイオン二次電池10の検査条件として、初充電容量及び高温エージング条件が特定できる。
次に、リチウムイオン二次電池10の製造条件と、リチウムイオン二次電池10の検査条件とに基づいて、リチウムイオン二次電池10の正極容量、負極容量及び不可逆容量が予測される。そして、予測されたリチウムイオン二次電池10の正極容量、負極容量及び不可逆容量に基づいて、リチウムイオン二次電池10のセル容量及び対向容量比が予測される。
セル容量検査としては、測定されたセル容量が、予測されたセル容量を基準とした許容範囲内であるか否かが判定される。そして、測定されたセル容量が許容範囲内ではないと判定された場合、セル容量検査としてリチウムイオン二次電池10が異常であると判定される。測定されたセル容量が許容範囲内であると判定された場合、セル容量検査としてリチウムイオン二次電池10が正常であると判定される。
自己放電検査としては、測定された時間当たりの電圧降下値と、予測された対向容量比に対応する補正値とが演算されることにより、測定された時間当たりの電圧降下値が補正される。補正された時間当たりの電圧降下値が閾値以下であるか否かが判定される。そして、補正された時間当たりの電圧降下値が閾値以下ではないと判定された場合、自己放電検査としてリチウムイオン二次電池10が異常であると判定される。補正された時間当たりの電圧降下値が閾値以下であると判定された場合、自己放電検査としてリチウムイオン二次電池10が正常であると判定される。
<本実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態のリチウムイオン二次電池10の検査方法によれば、リチウムイオン二次電池10の製造条件に基づいて、リチウムイオン二次電池10の正極容量及び負極容量を予測することができる。更には、予測されたリチウムイオン二次電池10の正極容量及び負極容量に基づいて、リチウムイオン二次電池10の対向容量比を予測することができる。そして、測定された電圧値に基づく時間当たりの電圧降下値と、予測された対向容量比に対応する補正値とを演算し、時間当たりの電圧降下値を補正することができる。これにより、リチウムイオン二次電池10の対向容量比に応じて補正された時間当たりの電圧降下値を対象として、リチウムイオン二次電池10が正常であるか否かを判定することができ、検査精度を高めることができる。
(2)対向容量比が大きいときには、対向容量比が小さいときよりも、SOC当たりの電圧降下値が小さくなる傾向がある。このため、本実施形態のリチウムイオン二次電池10の検査方法によれば、予測された対向容量比が基準対向容量比R0よりも大きい第1対向容量比R1であるときに、時間当たりの電圧降下値を増加させるように補正することができる。その一方で、予測された対向容量比が基準対向容量比R0よりも小さい第2対向容量比R2であるときに、時間当たりの電圧降下値を減少させるように補正することができる。これにより、リチウムイオン二次電池10の対向容量比に応じて補正された時間当たりの電圧降下値を対象として、リチウムイオン二次電池10が正常であるか否かを判定することができ、検査精度を高めることができる。
(3)本実施形態のリチウムイオン二次電池10の検査方法によれば、リチウムイオン二次電池10の製造条件に基づいて、リチウムイオン二次電池10の不可逆容量を予測することができる。更には、予測されたリチウムイオン二次電池10の正極容量及び不可逆容量に基づいて、リチウムイオン二次電池10のセル容量を予測することができる。そして、測定されたセル容量が、予測されたセル容量を基準とした許容範囲内であるときに、リチウムイオン二次電池10が正常であると判定することができる。これにより、予測される正極容量を用いて自己放電検査とセル容量検査との両方を行うことができる。
(4)リチウムイオン二次電池10の製造条件として、正極の電極条件に基づいて、リチウムイオン二次電池10の正極容量を予測することができる。リチウムイオン二次電池10の製造条件として、負極の電極条件に基づいて、リチウムイオン二次電池10の負極容量を予測することができる。これにより、正極の電極条件と負極の電極条件とに応じて時間当たりの電圧降下値を補正することができる。
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○本実施形態において、例えば、測定したリチウムイオン二次電池10のセル容量が許容範囲内であることを前提として、予測したリチウムイオン二次電池10のセル容量との比較結果に対応する補正値が算出されてもよい。測定したリチウムイオン二次電池10のセル容量と予測したリチウムイオン二次電池10のセル容量との比較結果は、測定したリチウムイオン二次電池10のセル容量と予測したリチウムイオン二次電池10のセル容量との差分であってもよい。測定したリチウムイオン二次電池10のセル容量と予測したリチウムイオン二次電池10のセル容量との比較結果は、測定したリチウムイオン二次電池10のセル容量と予測したリチウムイオン二次電池10のセル容量との比率であってもよい。例えば、測定したセル容量が予測したセル容量よりも大きい場合に、実際の正極容量が予測した正極容量よりも大きく、実際の対向容量比が予測した対向容量比よりも小さいことを考慮して、補正値を小さくしてもよい。例えば、測定したセル容量が予測したセル容量よりも小さい場合に、実際の正極容量が予測した正極容量よりも小さく、実際の対向容量比が予測した対向容量比よりも大きいことを考慮して、補正値を大きくしてもよい。これにより、実際のセル容量と予測されるセル容量との比較結果を考慮して、自己放電検査を行うことができ、検査精度を高めることができる。
○本実施形態において、リチウムイオン二次電池10の製造条件として、例えば、正極容量を予測するためのパラメータとして、捲回工程において巻き付けられた電極体15の厚さなどの別のパラメータがあってもよい。また、例えば、本実施形態における正極容量、不可逆容量及び負極容量を予測するための複数のパラメータのうち少なくとも何れかがなくてもよい。
○本実施形態において、例えば、時間当たりの電圧降下値と補正値とを乗算してもよい。このように、時間当たりの電圧降下値と補正値との演算により、時間当たりの電圧降下値が補正されればよい。つまり、予測された対向容量比が大きいときに、時間当たりの電圧降下値を増加させるように補正し、予測された対向容量比が小さいときに、時間当たりの電圧降下値を減少させるように補正できれば、演算方法は問わない。
○本実施形態において、時間当たりの電圧降下値を判定対象としたが、例えば、第1開放電圧OCV1を測定する第1測定工程から、第2開放電圧OCV2を測定する第2測定工程までの規定時間が一定であれば、電圧降下値自体を判定対象としてもよい。
○本実施形態において、例えば初充電容量などのリチウムイオン二次電池10の検査条件に基づいては、リチウムイオン二次電池10の正極容量が予測されなくてもよい。
○本実施形態において、例えば高温エージング条件などのリチウムイオン二次電池10の検査条件に基づいては、リチウムイオン二次電池10の不可逆容量が予測されなくてもよい。
○本実施形態において、正極容量予測工程において、リチウムイオン二次電池10の製造条件として、正極の材料物性、正極の目付量及び正極の塗工面積のうち少なくとも何れかに基づいて、リチウムイオン二次電池10の正極容量を予測してもよい。
○本実施形態において、負極容量予測工程において、リチウムイオン二次電池10の製造条件として、負極の目付量及び負極の塗工面積のうち少なくとも何れかに基づいて、リチウムイオン二次電池10の負極容量が予測されてもよい。
○本実施形態において、不可逆容量予測工程において、リチウムイオン二次電池10の製造条件として、負極の材料物性、負極の目付量、負極の塗工面積及び電解液量のうち少なくとも何れかに基づいて、リチウムイオン二次電池10の不可逆容量を予測してもよい。
○本実施形態において、第1測定工程及び第2測定工程は、リチウムイオン二次電池10のSOCが80%~90%であるときに行われたが、これに限らない。第1測定工程及び第2測定工程は、例えば、リチウムイオン二次電池10のSOCが80%~100%であるときに行われてもよく、例えば、リチウムイオン二次電池10のSOCが90%~100%であるときに行われてもよい。
○本実施形態において、図5に示すフローチャートは、例示であり当業者においてその手順を付加し削除し変更し、順序を変えて実施することができる。特に、図5のステップS13~S17の少なくとも何れかは、ステップS11,S12よりも前に実施してもよく、ステップS11,S12の実施中に実施してもよい。
○本実施形態において、自己放電検査の後にセル容量検査が行われてもよい。
○本実施形態において、自己放電検査に合わせてセル容量検査が行われなくてもよい。この場合、図5のステップS14,S16,S18,S19を実施しなくてもよい。
○本実施形態において、リチウムイオン二次電池10を例に本発明を説明したが、他の非水電解液二次電池にも適用できる。
○本実施形態において、車載用の薄板状のリチウムイオン二次電池10を例示したが、円柱形の電池などにも適用できる。また、車載用に限らず、船舶用、航空機用、さらに定置用の電池にも適用できる。
○本発明は、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲で、当業者によりその構成を付加し削除し変更し、順序を変えて実施することができることは言うまでもない。
CV1…第1補正値
CV2…第2補正値
D…厚み方向
OCV…開放電圧
OCV1…第1開放電圧
OCV2…第2開放電圧
R0…基準対向容量比
R1…第1対向容量比
R2…第2対向容量比
Vnp…負極電位
W…幅方向
Z…長さ方向
10…リチウムイオン二次電池
11…電池ケース
12…蓋体
13…負極外部端子
14…正極外部端子
15…電極体
16…負極集電体
17…正極集電体
18…非水電解液
20…負極板
21…負極基材
22…負極合材層
23…負極接続部
30…正極板
31…正極基材
32…正極合材層
33…正極接続部
40…セパレータ

Claims (7)

  1. 正極、負極及びセパレータを含む電極体と、非水電解液と、前記電極体及び前記非水電解液を収容する電池ケースと、を備えた非水電解液二次電池の検査方法であって、
    非水電解液二次電池の製造条件に基づいて、非水電解液二次電池の正極容量を予測する正極容量予測工程と、
    非水電解液二次電池の製造条件に基づいて、非水電解液二次電池の負極容量を予測する負極容量予測工程と、
    前記正極容量予測工程において予測された正極容量と、前記負極容量予測工程において予測された負極容量とに基づいて、対向容量比を予測する対向容量比予測工程と、
    非水電解液二次電池の電圧値を測定する第1測定工程と、
    前記第1測定工程が行われてから規定時間が経過したときに非水電解液二次電池の電圧値を測定する第2測定工程と、
    前記第1測定工程において測定された電圧値及び前記第2測定工程において測定された電圧値に基づく電圧降下値と、前記対向容量比予測工程において予測された対向容量比に対応する補正値とを演算し、電圧降下値を補正する補正工程と、
    前記補正工程において補正された電圧降下値が閾値以下であるときに非水電解液二次電池が正常であると判定する自己放電判定工程と、を含む、
    非水電解液二次電池の検査方法。
  2. 請求項1に記載の非水電解液二次電池の検査方法において、
    前記補正工程は、前記対向容量比予測工程において予測された対向容量比が、基準対向容量比よりも大きい第1対向容量比であるときに、電圧降下値を増加させるように補正する一方で、前記対向容量比予測工程において予測された対向容量比が、前記基準対向容量比よりも小さい第2対向容量比であるときに、電圧降下値を減少させるように補正する工程である、
    非水電解液二次電池の検査方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の非水電解液二次電池の検査方法において、
    非水電解液二次電池の製造条件に基づいて、非水電解液二次電池の不可逆容量を予測する不可逆容量予測工程と、
    前記正極容量予測工程において予測された正極容量と、前記不可逆容量予測工程において予測された不可逆容量とに基づいて、非水電解液二次電池のセル容量を予測するセル容量予測工程と、
    非水電解液二次電池のセル容量を測定するセル容量測定工程と、
    前記セル容量測定工程において測定されたセル容量が、前記セル容量予測工程において予測されたセル容量を基準とした許容範囲内であるときに、非水電解液二次電池が正常であると判定するセル容量判定工程と、を含む、
    非水電解液二次電池の検査方法。
  4. 請求項1~請求項3のうち何れか一項に記載の非水電解液二次電池の検査方法において、
    前記正極容量予測工程は、非水電解液二次電池の製造条件として、正極の電極条件に基づいて、非水電解液二次電池の正極容量を予測する工程であり、
    前記負極容量予測工程は、非水電解液二次電池の製造条件として、負極の電極条件に基づいて、非水電解液二次電池の負極容量を予測する工程である、
    非水電解液二次電池の検査方法。
  5. 請求項4に記載の非水電解液二次電池の検査方法において、
    前記正極容量予測工程は、正極の電極条件として、正極の材料物性、正極の目付量及び正極の塗工面積のうち少なくとも何れかに基づいて、非水電解液二次電池の正極容量を予測する工程であり、
    前記負極容量予測工程は、負極の電極条件として、負極の目付量及び負極の塗工面積のうち少なくとも何れかに基づいて、非水電解液二次電池の負極容量を予測する工程である、
    非水電解液二次電池の検査方法。
  6. 請求項1~請求項5のうち何れか一項に記載の非水電解液二次電池の検査方法において、
    充電された非水電解液二次電池を高温環境下で保管する高温エージング工程を含む、
    非水電解液二次電池の検査方法。
  7. 請求項1~請求項6のうち何れか一項に記載の非水電解液二次電池の検査方法において、
    前記第1測定工程及び前記第2測定工程は、非水電解液二次電池のSOCが80%~90%であるときに行われる、
    非水電解液二次電池の検査方法。
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