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JP2023065057A - 液晶ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

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JP2023065057A
JP2023065057A JP2021175628A JP2021175628A JP2023065057A JP 2023065057 A JP2023065057 A JP 2023065057A JP 2021175628 A JP2021175628 A JP 2021175628A JP 2021175628 A JP2021175628 A JP 2021175628A JP 2023065057 A JP2023065057 A JP 2023065057A
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JP2021175628A
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正寛 深澤
Masahiro Fukazawa
仁志 土谷
Hitoshi Tsuchiya
賢一 北林
Kenichi Kitabayashi
千晶 寺尾
Chiaki Terao
元基 林
Genki Rin
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Ueno Fine Chemicals Industry Ltd
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Ueno Fine Chemicals Industry Ltd
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Abstract

【課題】本発明は、摺動性を維持しつつ、機械的特性および耐熱性が改善された液晶ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、式(I)~(III)TIFF2023065057000008.tif28121[式中、Ar1およびAr2は、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、p、qおよびrは、それぞれ、液晶ポリエステル中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:35≦p≦90、5≦q≦30、および5≦r≦30]で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステルと、平均粒子径が25μm以上であるフッ素樹脂と、板状充填材とを含有し、液晶ポリエステル100質量部に対して、フッ素樹脂の含有量は1~30質量部、板状充填材の含有量は5~80質量部である液晶ポリエステル樹脂組成物に関する。【選択図】なし

Description

本発明は、摺動性を維持しつつ、機械的特性および耐熱性が改善された液晶ポリエステル樹脂組成物に関する。
液晶ポリエステルは、耐熱性、剛性等の機械物性、耐薬品性、寸法精度等に優れているため、成形品用途のみならず、繊維やフィルムといった各種用途にその使用が拡大しつつある。特にパーソナル・コンピューターや携帯電話等の情報・通信分野においては、部品の高集積度化、小型化、薄肉化、低背化等が急速に進んでおり0.5mm以下の非常に薄い肉厚部が形成されるケースが多く、液晶ポリマーの優れた成形性、すなわち、流動性が良好であり、かつバリが出ないという他のポリマーにない特徴を活かして、その使用量が大幅に増大している。
このように、液晶ポリマーは種々の優れた特性を有するが、成形品の異方性が大きいという特徴から摺動部品として使用した場合、摩耗による破損が生じやすいことがある。
このような問題を解決するために、例えば、特許文献1には、液晶ポリマーにフッ素樹脂を含有せしめることにより、液晶ポリマー組成物の摺動性を改良する方法が記載されている。
特開平5-105804号公報
しかしながら、フッ素樹脂を液晶ポリエステルに含有せしめると、樹脂組成物の耐熱性が低下するため、電気・電子部品や自動車部材等の用途の成形品として高温で加工した際に変形する場合があった。本発明の目的は、摺動性を維持しつつ、機械的特性および耐熱性が改善された液晶ポリエステル樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検討した結果、液晶ポリエステルに、特定の平均粒子径を有するフッ素樹脂および板状充填材を配合することにより、液晶ポリエステル樹脂組成物の摺動性を維持しつつ、機械的特性および耐熱性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の好適な態様を包含する。
〔1〕式(I)~(III)
Figure 2023065057000001
[式中、
ArおよびArは、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、p、qおよびrは、それぞれ、液晶ポリエステル中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:
35≦p≦90、
5≦q≦30、および
5≦r≦30]
で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステルと、
平均粒子径が25μm以上であるフッ素樹脂と、
板状充填材と
を含有し、液晶ポリエステル100質量部に対して、フッ素樹脂の含有量は1~30質量部、板状充填材の含有量は5~80質量部である液晶ポリエステル樹脂組成物。
〔2〕式(II)および/または式(III)は、ArおよびArが、互いに独立して、式(1)~(4)
Figure 2023065057000002
からなる群から選択される芳香族基である繰返し単位の1種または2種以上を含む、〔1〕に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
〔3〕フッ素樹脂はポリテトラフルオロエチレンである、〔1〕または〔2〕に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
〔4〕板状充填材はタルク、マイカおよびカオリンからなる群から選択される1種以上である、〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
〔5〕270℃において、長さ10mm、幅4.5mm、厚さ3.2mmの板状試験片の厚さ方向に1000mNの荷重をかけたときの凹み量が4.0μm以下である、〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
〔6〕〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物から構成される成形品。
〔7〕成形品はインストルメントパネル、ドアパネル、ドアトリム、ミドルボード、ドアオーナメント、カバーシートリヤアンダートレイ、トラックカバー、サービスホールカバー、ピラー、スカッフプレート、センターコンソール、カップホルダー、およびコラムカバーからなる群から選択される1種を構成する部品である、〔6〕に記載の成形品。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、摺動性を保持しつつ、改善された機械的特性および耐熱性を備えるため、例えば、電気・電子部品や自動車部材等の様々な用途に好適に用いられる。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物に使用する液晶ポリエステルは、当業者にサーモトロピック液晶ポリエステルと呼ばれる異方性溶融相を形成する液晶ポリエステルである。
液晶ポリエステルの異方性溶融相の性質は直交偏向子を利用した通常の偏向検査法、すなわち、ホットステージにのせた試料を窒素雰囲気下で観察することにより確認できる。
本発明に使用する液晶ポリエステルとしては、式(I)~(III)で表される繰返し単位を含むものが好適に使用される。
Figure 2023065057000003
[式中、
ArおよびArは、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、p、qおよびrは、それぞれ、液晶ポリエステル中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:
35≦p≦90、
5≦q≦30、および
5≦r≦30。]
式(I)に係る組成比pは、35~90モル%であり、40~85モル%が好ましく、45~80モル%がより好ましく、50~65モル%がさらに好ましい。
式(II)に係る組成比qと、式(III)に係る組成比rは、それぞれ、5~30モル%であり、7.5~30モル%が好ましく、10~27.5モル%がより好ましく、17.5~25モル%がさらに好ましい。qとrは、等モル量であるのが好ましい。
上記の繰返し単位において、例えばAr(またはAr)が2種以上の2価の芳香族基を表すとは、式(II)(または(III))で表される繰返し単位が液晶ポリエステル中に2価の芳香族基の種類に応じて2種以上含まれることを意味する。この場合、式(II)に係る組成比q(または式(III)に係る組成比r)は、2種以上の繰返し単位を合計した組成比を表す。
式(I)で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、ならびにこのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
式(II)で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、芳香族ジオールであるハイドロキノン、レゾルシン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、3,3’-ジヒドロキシビフェニル、3,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニルエーテルなど、およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
式(III)で表される繰返し単位を与える単量体の具体例としては、例えば、芳香族ジカルボン酸であるテレフタル酸、イソフタル酸、2,6-ナフタレンジカルボン酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジカルボキシビフェニルなど、およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
なかでも、液晶ポリエステルとして、式(II)および式(III)で表される繰返し単位に係るArおよびArが、互いに独立して、式(1)~(4)で表される芳香族基からなる群から選択される1種または2種以上を含むものが好ましく使用される。
Figure 2023065057000004
このなかでも、式(II)で表される繰返し単位としては、式(1)および式(3)で表される芳香族基が、重合時の反応性および得られる液晶ポリエステルの機械物性、耐熱性、結晶融解温度および成形加工性を適度なレベルに調整しやすいことからより好ましい。これら繰返し単位を与える単量体としては、4,4’-ジヒドロキシビフェニルおよびハイドロキノン、ならびにこれのエステル形成性誘導体が挙げられる。
また、式(III)で表される繰返し単位としては、式(1)で表される芳香族基が、得られる液晶ポリエステルの機械物性、耐熱性、結晶融解温度および成形加工性を適度なレベルに調整しやすいことからより好ましい。これら繰返し単位を与える単量体としては、テレフタル酸ならびにこのエステル形成性誘導体が挙げられる。
さらに、液晶ポリエステルとして、式(II)で表される繰返し単位に式(1)および式(3)に係る繰返し単位の少なくとも2種が含まれ、式(3)に係る繰返し単位が、式(II)で表される繰返し単位100モル%中、好ましくは80~99.9モル%、より好ましくは85~99モル%、さらに好ましくは90~98モル%含まれるものが特に好ましく使用される。
本発明の液晶ポリエステルにおいて繰返し単位の組成比の合計[p+q+r]が100モル%であることが好ましいが、本発明の目的を損なわない範囲において、他の繰返し単位をさらに含んでもよい。
他の繰返し単位を与える単量体としては、他の芳香族ヒドロキシカルボン酸、芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミン、芳香族アミノカルボン酸、芳香族ヒドロキシジカルボン酸、脂肪族ジオール、脂肪族ジカルボン酸、芳香族メルカプトカルボン酸、芳香族ジチオール、芳香族メルカプトフェノールおよびこれらの組合せなどが挙げられる。
他の芳香族ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸、3-ヒドロキシ安息香酸、2-ヒドロキシ安息香酸、5-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、4’-ヒドロキシフェニル-4-安息香酸、3’-ヒドロキシフェニル-4-安息香酸、4’-ヒドロキシフェニル-3-安息香酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
他の芳香族ジオールの具体例としては、例えば、レゾルシン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、1,4-ジヒドロキシナフタレン、4,4’-ジヒドロキシビフェニル、3,3’-ジヒドロキシビフェニル、3,4’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニルエーテルなどの芳香族ジオールおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
他の芳香族ジカルボン酸の具体例としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、1,6-ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン酸、1,4-ナフタレンジカルボン酸、4,4’-ジカルボキシビフェニルなどの芳香族ジカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのエステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
他の繰返し単位を与える単量体である芳香族ヒドロキシジカルボン酸の具体例としては、例えば、3-ヒドロキシ-2,7-ナフタレンジカルボン酸、4-ヒドロキシイソフタル酸、および5-ヒドロキシイソフタル酸などのヒドロキシ芳香族ジカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
他の繰返し単位を与える単量体である芳香族ヒドロキシアミンの具体例としては、例えば、4-アミノフェノール、3-アミノフェノール、4-アミノ-1-ナフトール、5-アミノ-1-ナフトール、8-アミノ-2-ナフトール、4-アミノ-4’-ヒドロキシビフェニルなどの芳香族ヒドロキシアミンおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
他の繰返し単位を与える単量体である芳香族ジアミンの具体例としては、例えば、1,4-ジアミノベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,5-ジアミノナフタレン、1,8-ジアミノナフタレンなどの芳香族ジアミンおよびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物などのアミド形成性誘導体が挙げられる。
他の繰返し単位を与える単量体である芳香族アミノカルボン酸の具体例としては、例えば、4-アミノ安息香酸、3-アミノ安息香酸、6-アミノ-2-ナフトエ酸などの芳香族アミノカルボン酸およびそれらのアルキル、アルコキシまたはハロゲン置換体、ならびにこれらのアシル化物、エステル誘導体、酸ハロゲン化物などのエステル形成性誘導体が挙げられる。
これらの他の単量体成分から与えられる繰返し単位の組成比の割合は、繰返し単位全体において、10モル%以下であるのが好ましい。
本発明に使用される液晶ポリエステルの結晶融解温度は、特に限定はされないが、機械的特性および耐熱性さらには低温加工性の観点から、310~360℃であるものが好ましく、315~355℃であるものがより好ましく、318~350℃であるものがさらに好ましく、320~340℃未満であるものがよりさらに好ましい。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「結晶融解温度」とは、示差走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter、以下DSCと略す)によって、昇温速度20℃/分で測定した際の結晶融解ピーク温度から求めたものである。より具体的には、液晶ポリエステルの試料を、室温から20℃/分の昇温条件で測定した際に観測される吸熱ピーク温度(Tm1)の観測後、Tm1より20~50℃高い温度で10分間保持し、次いで、20℃/分の降温条件で室温まで試料を冷却した後に、再度20℃/分の昇温条件で測定した際の吸熱ピークを観測し、そのピークトップを示す温度を液晶ポリエステルの結晶融解温度とする。測定機器としては、例えば、セイコーインスツルメンツ(株)製Exstar6000等を用いることができる。
本発明に使用される液晶ポリエステルは、キャピラリーレオメーター(東洋精機(株)製キャピログラフ1D)により、0.7mmφ×10mmのキャピラリーを用いて、剪断速度1000s-1の条件下、結晶融解温度+30℃で測定した溶融粘度が、1~1000Pa・sであるものが好ましく、5~300Pa・sであるものがより好ましい。
以下、本発明に使用する液晶ポリエステルの製造方法について説明する。
本発明に使用する液晶ポリエステルの製造方法に特に制限はなく、前記の単量体の組み合わせからなるエステル結合などを形成させる公知の重縮合方法、例えば溶融アシドリシス法、スラリー重合法などを使用することができる。
溶融アシドリシス法とは、本発明において用いる液晶ポリエステルを製造するのに適した方法であり、この方法は、最初に単量体を加熱して反応物質の溶融液を形成し、続いて反応を続けて溶融ポリエステルを得るものである。なお、縮合の最終段階で副生する揮発物(例えば、酢酸、水等)の除去を容易にするために真空を適用してもよい。
スラリー重合法とは、熱交換流体の存在下で重合性単量体を反応させる方法であって、固体生成物は熱交換媒質中に懸濁した状態で得られる。
溶融アシドリシス法およびスラリー重合法の何れの場合においても、液晶ポリエステルを製造する際に使用する重合性単量体成分は、常温において、ヒドロキシル基をアシル化した変性形態、すなわち低級アシル化物として反応に供することもできる。低級アシル基は炭素原子数2~5のものが好ましく、炭素原子数2または3のものがより好ましい。本発明の好ましい実施態様において、前記重合性単量体のアセチル化物を反応に供する。
重合性単量体の低級アシル化物は、別途アシル化して予め合成したものを用いてもよいし、液晶ポリエステルの製造時に重合性単量体に無水酢酸等のアシル化剤を加えて反応系内で生成せしめることもできる。
溶融アシドリシス法またはスラリー重合法のいずれの場合においても、重縮合反応は、温度150~400℃、好ましくは250~370℃で、常圧および/または減圧下で行うのがよく、必要に応じて触媒を用いてもよい。
触媒の具体例としては、ジアルキルスズオキシド(例えばジブチルスズオキシド)、ジアリールスズオキシドなどの有機スズ化合物;二酸化チタン;三酸化アンチモン;アルコキシチタンシリケート、チタンアルコキシドなどの有機チタン化合物;カルボン酸のアルカリおよびアルカリ土類金属塩(例えば酢酸ナトリウム、酢酸カリウム);無機酸塩類(例えば硫酸カリウム);ルイス酸(例えば三フッ化硼素)、ハロゲン化水素(例えば塩化水素)などの気体状酸触媒などが挙げられる。
触媒を使用する場合、該触媒の量は重合性単量体全量に対し、好ましくは1~1000ppm、より好ましくは2~100ppmである。
このような重縮合反応によって得られた液晶ポリエステルは、通常、溶融状態で重合反応槽より抜き出された後に、ペレット状、フレーク状、または粉末状に加工され、他の成分と溶融混練に供される。
ペレット状、フレーク状、または粉末状の液晶ポリエステルは、分子量を高めて耐熱性を向上させる目的で、減圧下、真空下または不活性ガスである窒素やヘリウムなどの雰囲気下において、実質的に固相状態で熱処理を行ってもよい。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、摺動性向上の観点から、上記液晶ポリエステルの他に、フッ素樹脂を含有する。フッ素樹脂としての平均粒子径は25μm以上である。上記平均粒子径が25μm未満であると、機械的強度及び耐熱性の保持と耐摺動摩耗性との両立を図りにくい。上記両立を達成しやすいことから、上記平均粒子径は、好ましくは30~80μm、より好ましくは33~70μmである。なお、本明細書において、平均粒子径とは、レーザ回折/散乱式粒度分布測定法で測定した体積基準の中央値(メディアン径)をいう。
本発明に用いるフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フルオロエチレン・ビニルエーテル共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン・エチレン共重合体、フルオロオレフィン・アクリル酸エステル共重合体およびテトラフルオロエチレン・パーフルオロジオキソール共重合体等が挙げられる。これらの中でも液晶ポリエステル樹脂組成物の摺動性の向上の観点から、PTFEが好ましい。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物における上述のフッ素樹脂の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、1~30質量部であり、好ましくは2~29質量部であり、より好ましくは3~28質量部であり、さらに好ましくは5~27質量部である。フッ素樹脂の含有量が上記範囲内であることで、液晶ポリエステル樹脂組成物の摺動性を維持しつつ、機械的特性および耐熱性が改善することができる。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、上述のフッ素樹脂以外にも、さらに他の樹脂成分を含有させてもよい。他の樹脂成分としては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテルおよびその変性物、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミドなどの熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂などの熱硬化性樹脂が挙げられる。他の樹脂成分は、単独でまたは2種以上を組み合わせて含有することができる。
他の樹脂成分の含有量は特に限定されず、液晶ポリエステル樹脂組成物の用途や目的に応じて適宜定めればよい。典型的には、液晶ポリエステル100質量部に対する他の樹脂の合計含有量が、好ましくは0.1~100質量部、より好ましくは0.2~80質量部となる範囲で添加される。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、摺動性、機械的特性および耐熱性の観点から、上記液晶ポリエステルおよびフッ素樹脂の他に、板状充填材を含有する。
本発明に用いる板状充填材としては、タルク、マイカ、カオリン、クレー、バーミキュライト、長石粉、酸性白土、ロウ石クレー、セリサイト、シリマナイト、ベントナイト、ガラスフレーク、スレート粉、シラン等の珪酸塩、炭酸カルシウム、胡粉、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、ドロマイト等の炭酸塩、バライト粉、沈降性硫酸カルシウム、焼石膏、硫酸バリウム等の硫酸塩、水和アルミナ等の水酸化物、アルミナ、酸化アンチモン、マグネシア、板状酸化チタン、亜鉛華、シリカ、珪砂、石英、ホワイトカーボン、珪藻土等の酸化物、二硫化モリブデン等の硫化物、板状のウォラストナイトなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を併用することができる。これらの中でも液晶ポリエステル樹脂組成物の機械的特性および耐熱性の向上の観点から、タルク、マイカおよびカオリンが好ましい。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物における板状充填材の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、5~80質量部であり、好ましくは7~78質量部であり、より好ましくは10~76質量部であり、さらに好ましくは15~75質量部である。板状充填材の含有量が上記範囲内であることで、耐摩耗性をさらに改善することができる。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、上述の板状充填材に加えて、他の繊維状、粒状の無機充填材または有機充填材を含有させてもよい。
他の繊維状充填材としては、例えば、ミルドガラス、シリカアルミナ繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズイミダゾール繊維、チタン酸カリウムウイスカ、ホウ酸アルミニウムウイスカ、針状酸化チタン、ウォラストナイト等の珪酸カルシウム、ゾノトライト、チタン酸カルシウム、硼酸アルミニウム、針状炭酸カルシウム、針状酸化チタン、テトラポット型酸化亜鉛などが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を併用することができる。
他の粒状充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、ガラスビーズなどが挙げられ、これらを単独でまたは2種以上を併用することができる。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物が板状充填材以外の無機充填材または有機充填材を含有する場合、その含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部、より好ましくは0.5~20質量部である。これら他の充填材の含有量が上記上限値を超えると、成形加工性が低下したり熱安定性が悪くなる傾向がある。
また、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した以外の他の添加剤を含有することができる。
他の添加剤としては、例えば、滑剤である高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩(ここで高級脂肪酸とは、例えば炭素原子数10~25のものをいう)など、離型改良剤であるポリシロキサンなど、着色剤である染料、顔料、カーボンブラックなど、難燃剤、帯電防止剤、界面活性剤、酸化防止剤であるリン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤など、耐候剤、熱安定剤、中和剤などが挙げられる。これらの添加剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸金属塩などの外部滑剤効果を有する添加剤については、液晶ポリエステル樹脂組成物を成形するに際して、予め、液晶ポリエステル樹脂組成物のペレットの表面に付着させてもよい。
これらの他の添加剤の含有量は、液晶ポリエステル100質量部に対して、好ましくは0.1~10質量部、より好ましくは0.5~5質量部である。これら他の添加剤の含有量が上記上限値を超えると、成形加工性が低下したり熱安定性が悪くなる傾向がある。
液晶ポリエステル、フッ素樹脂および板状充填材と、所望により他の樹脂成分、他の無機充填材および/または有機充填材、他の添加剤などを所定の組成で配合し、バンバリーミキサー、ニーダー、一軸もしくは二軸押出し機などを用いて溶融混練することによって、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物とすることができる。
この様にして得られた、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、射出成形機、押出機などを用いる公知の成形方法によって成形ないし加工され、所望の成形品を得ることができる。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、厚み3.2mmのASTM4号曲げ試験片を用いた曲げ試験において、曲げ強度は好ましくは150MPa以上、より好ましくは155MPa以上であり、曲げ弾性率は好ましくは10.0GPa以上、より好ましくは10.5GPa以上である。上記曲げ強度の上限値は、特に限定されないが、例えば200MPaである。また、上記曲げ弾性率の上限値は、特に限定されないが、例えば20Gpaである。したがって、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、上記曲げ強度が例えば150~200MPa、155~190MPa等であり、上記曲げ弾性率が例えば10.0~20GPa、10.5~18GPa等である。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、厚み3.2mmのASTM4号ダンベル試験片を用いてASTM D638に準拠した測定において、引張弾性率は好ましくは10GPa以上、より好ましくは11GPa以上である。上記引張弾性率の上限値は、特に限定されないが、例えば20GPaである。したがって、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、上記引張弾性率が例えば10~20GPa、11~18GPa等である。引張弾性率が上記範囲内にある樹脂組成物は、高い強度を示し、繰り返しの使用において変形し難い成形品になり得る。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、厚み3.2mmのASTM4号ダンベル試験片を用いてASTM D638に準拠した測定において、引張伸びは好ましくは2.0%以下、より好ましくは1.5%以下である。上記引張伸びの下限値は、特に限定されないが、例えば0.1%である。したがって、本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は、上記引張伸びが例えば0.1~2.0%、0.3~1.5%等である。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は優れた摺動性を有する。本明細書において、摺動性は、動摩擦係数として評価することができ、好ましい動摩擦係数は、0.15以下であり、より好ましくは、0.14以下であり、さらに好ましくは、0.13以下である。動摩擦係数が上記上限値を超える場合には、摺動性は不十分となる傾向にある。なお、動摩擦係数の測定方法の詳細は、実施例に記載のとおりである。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物は優れた耐熱性を有する。本明細書において、耐熱性は、高温時の凹み量として評価することができ、好ましい高温時の凹み量は、4.0μm以下であり、より好ましくは、3.5μm以下であり、さらに好ましくは、3.0μm以下である。高温時の凹み量が上記上限値を超える場合には、耐熱性は不十分となる傾向にある。なお、高温時の凹み量の測定方法の詳細は、実施例に記載のとおりである。
本発明の液晶ポリエステル樹脂組成物によれば、摺動性を保持しつつ、改善された機械的特性および耐熱性を示すため、インストルメントパネル、ドアパネル、ドアトリム、ミドルボード、ドアオーナメント、カバーシートリヤアンダートレイ、トラックカバー、サービスホールカバー、ピラー、スカッフプレート、センターコンソール、カップホルダー、およびコラムカバーなどの自動車部材に好適に用いられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中の曲げ強度、曲げ弾性率、高温凹み量および動摩擦係数の測定、評価は以下に記載の方法で行った。
〈曲げ強度、曲げ弾性率〉
射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH1000-110)を用いて結晶融解温度+20~40℃のシリンダー温度、金型温度70℃で射出成形し、厚み3.2mmのASTM4号曲げ試験片を作製した。曲げ試験は、3点曲げ試験をINSTRON5567(インストロンジャパンカンパニイリミティッド社製万能試験機)を用いて、スパン間距離40.0mm、圧縮速度1.3mm/分で行った。
〈引張弾性率、引張伸び〉
射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH1000-110)を用いて結晶融解温度+20~40℃のシリンダー温度、金型温度70℃で射出成形し、厚み3.2mmのASTM4号ダンベル試験片を作製した。引張弾性率および引張伸びは、INSTRON5567(インストロンジャパン カンパニイリミテッド社製万能試験機)を用いて、標線間25mmの接触式の伸び計を使用し、試験速度5mm/min、チャック間距離64mmの条件で、ASTM D638に準拠してそれぞれ測定した。
〈高温凹み試験〉
射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH1000-110)を用いて結晶融解温度+20~40℃のシリンダー温度、金型温度70℃で射出成形し、厚み3.2mmのASTM4号曲げ試験片を作製し、切削により板状試験片(長さ10mm×幅4.5mm×厚さ3.2mm)を作製した。高温凹み試験は、熱機械分析装置((株)日立ハイテクサイエンス製TMA7100C)を用いて、270℃において試験片の厚さ方向に1000mNの荷重をかけ、試験片の厚さ方向の凹み量(μm)を計測した。
〈動摩擦係数〉
射出成形機(日精樹脂工業(株)製UH1000-110)を用いて結晶融解温度+20~40℃のシリンダー温度、金型温度70℃で射出成形し、板状試験片(長さ80mm×幅80mm×厚さ1.0mm)を作製した。動摩擦係数の測定は、SUS304の圧子(テラオカ社製)を取り付けた表面性測定機(新東科学株式会社製TYPE:14FW)を用いて、摺動速度1200mm/分、摺動距離10.0mm(片道)、摺動回数1000回(往復)、圧子荷重1000gfで、往復摺動時の動摩擦係数を測定した。尚、動摩擦係数は、301~1000回目の動摩擦係数の平均値を算出した値である。
以下、実施例および比較例において下記の略号は以下の化合物を表す。
BON6:6-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸
HQ:ハイドロキノン
BP:4,4’-ジヒドロキシビフェニル
TPA:テレフタル酸
POB:パラヒドロキシ安息香酸
[合成例1(LCP-1)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた2Lの反応容器に、BON6:660.5g(54.0モル%)、BP:254.2g(21.0モル%)、HQ:14.3g(2.0モル%)およびTPA:248.3g(23.0モル%)を仕込み、さらに全モノマーの水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
窒素ガス雰囲気下に室温から150℃まで1時間かけて昇温し、150℃で60分保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ350℃まで7時間かけて昇温した後、90分かけて10mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステル(LCP-1)のペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたペレットの結晶融解温度(Tm)は338℃であり、溶融粘度は23Pa・sであった。
[合成例2(LCP-2)]
トルクメーター付き攪拌装置および留出管を備えた2Lの反応容器に、POB:314.2g(35モル%)、BON6:61.2g(5モル%)、BP:169.4g(14モル%)、HQ:114.5g(16モル%)およびTPA:323.9g(30モル%)を仕込み、さらに全単量体の水酸基量(モル)に対して1.03倍モルの無水酢酸を仕込み、次の条件で脱酢酸重合を行った。
窒素ガス雰囲気下に室温から145℃まで1時間かけて昇温し、同温度で30分保持した。次いで、副生する酢酸を留出させつつ350℃まで7.5時間かけて昇温した後、80分かけて5mmHgにまで減圧した。所定のトルクを示した時点で重合反応を終了し、反応容器から内容物を取り出し、粉砕機により液晶ポリエステル樹脂(LCP-2)のペレットを得た。重合時の留出酢酸量は、ほぼ理論値どおりであった。得られたペレットの結晶融解温度(Tm)は337℃であった。
以下の実施例および比較例で使用したフッ素樹脂および板状充填材を示す。
〈フッ素樹脂〉
FR1:(株)喜多村製、PTFE「KT-300M」(平均粒子径:40μm)
FR2:(株)喜多村製、PTFE「KT-400M」(平均粒子径:33μm)
FR3:(株)喜多村製、PTFE「KTL-610」(平均粒子径:12μm)
FR4:ダイキン工業(株)製、PTFE「L5-F」(平均粒子径:5μm)
〈板状充填材〉
タルク:日本タルク(株)製、「ローズK」
マイカ:(株)ヤマグチマイカ製、「AB-25S」
カオリン:(株)イメリス ミネラルズ・ジャパン製、「SB 100S」
〈粒状充填材〉
炭酸カルシウム:丸尾カルシウム(株)製、「KRS1」
実施例1~4および比較例1~8
合成例1および2にて合成したLCP、上記フッ素樹脂および上記充填剤を表1に記載の含有量(質量部)となるように配合し、2軸押出機(日本製鋼(株)製TEX-30)を用いて、350℃にて溶融混練を行い、液晶ポリエステル樹脂組成物のペレットを得た。上記の方法により、曲げ強度、曲げ弾性率、引張弾性率、引張伸び、高温凹み量および動摩擦係数を測定、評価した。結果を表1に示す。
表1に示すように、実施例1~4の液晶ポリエステル樹脂組成物はいずれも、摺動性を維持しつつ、機械的特性および耐熱性に優れたものであった。
これに対して、表1に示すように、比較例1~8の液晶ポリエステル樹脂組成物は、摺動性、機械的特性および耐熱性のいずれかに低下が確認された。
Figure 2023065057000005

Claims (7)

  1. 式(I)~(III)
    Figure 2023065057000006
    [式中、
    ArおよびArは、それぞれ1種または2種以上の2価の芳香族基を表し、p、qおよびrは、それぞれ、液晶ポリエステル中での各繰返し単位の組成比(モル%)であり、以下の条件を満たす:
    35≦p≦90、
    5≦q≦30、および
    5≦r≦30]
    で表される繰返し単位を含む液晶ポリエステルと、
    平均粒子径が25μm以上であるフッ素樹脂と、
    板状充填材と
    を含有し、液晶ポリエステル100質量部に対して、フッ素樹脂の含有量は1~30質量部、板状充填材の含有量は5~80質量部である液晶ポリエステル樹脂組成物。
  2. 式(II)および/または式(III)は、ArおよびArが、互いに独立して、式(1)~(4)
    Figure 2023065057000007
    からなる群から選択される芳香族基である繰返し単位の1種または2種以上を含む、請求項1に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
  3. フッ素樹脂はポリテトラフルオロエチレンである、請求項1または2に記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
  4. 板状充填材はタルク、マイカおよびカオリンからなる群から選択される1種以上である、請求項1~3のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
  5. 270℃において、長さ10mm、幅4.5mm、厚さ3.2mmの板状試験片の厚さ方向に1000mNの荷重をかけたときの凹み量が4.0μm以下である、請求項1~4のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物。
  6. 請求項1~5のいずれかに記載の液晶ポリエステル樹脂組成物から構成される成形品。
  7. 成形品はインストルメントパネル、ドアパネル、ドアトリム、ミドルボード、ドアオーナメント、カバーシートリヤアンダートレイ、トラックカバー、サービスホールカバー、ピラー、スカッフプレート、センターコンソール、カップホルダー、およびコラムカバーからなる群から選択される1種を構成する部品である、請求項6に記載の成形品。
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