JP2022529855A - グリセロ-マンノ-ヘプトースホスフェートの誘導体および免疫応答をモジュレートする際のそれらの使用 - Google Patents
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Abstract
本開示は、式中、R1、R2、R5、R6、R7、L1、L2、W1、W2およびZ1が本明細書において定義されている通りである式(I)の化合物、およびそれを含む組成物、ならびに免疫応答をモジュレートするためにアルファ-キナーゼ1(ALPK1)を活性化すること、ならびにがん、感染、炎症および関連疾患および障害を処置または防止すること、同様に標的抗原に対する免疫応答を増強することに関連する方法を提供する。TIFF2022529855000076.tif3952【選択図】図1
Description
[01]本発明は、ADP-ヘプトース生合成経路におけるある特定の細菌代謝物の誘導体である化合物、それを含む組成物、および治療におけるそれらの使用のための方法に関する。
[02]炎症応答の機序に関する研究は、基本的なシグナル伝達構成成分として作用する様々なタンパク質キナーゼを同定してきた。タンパク質キナーゼの欠損は、ヒト炎症性疾患、がんおよび糖尿病の病変形成と頻繁に関連する。
[03]アルファ-キナーゼは、独特のタンパク質キナーゼスーパーファミリーであり、典型的なタンパク質キナーゼに対する配列類似性をほとんど呈さない。アルファタンパク質キナーゼ1(ALPK1)、ALPK2、ALPK3、伸長因子2キナーゼ(eEF2K)、および一過性受容体電位カチオンチャネルM6およびM7(TRPM6およびTRPM7)を含めた合計6つのアルファキナーゼメンバーが同定された(Ryazanov AGら、Curr Biol 1999 9(2):R43~45;Ryazanov AGら、Proc Natl Acad Sci USA 1997 94(10):4884~4889)。ALPK1は当初、上皮細胞におけるラフト含有スクロース-イソメラーゼ(SI)小胞の新たな構成成分として同定された(Heinet Mら、J.Biol.Chem.2005 280(27):25637~43)。ALPK1は、ミオシン1をリン酸化し、頂端形質膜への細胞外輸送において基本的な役割を果たすことが示された。マウスにおけるALPK1のトランスポゾン挿入ホモ接合型不活性化突然変異は、全長ALPK1を過剰発現することによってレスキューすることができる運動協調性欠陥をもたらした(Chen Mら、BMC Neurosci.2011 12:1)。
[04]遺伝子関連研究は、ALPK1を痛風、慢性腎臓疾患、心筋梗塞および糖尿病のリスクに関係づけた(Wang SJら、J.Mol.Med.2011 89:1241~51;Ko AMら、J.Intl.Epidemiol.2013 42:466~474;Chiba Tら、Human Cell 2015 28:1~4;Yamada Yら、J Med Genet 2013 50:410~418;Fujimaki Tら、Biomed Report 2014 2:127~131;Shimotaka Sら、Biomed Report 1 2013 940~44;Yamada Yら、Biomed.Report 2015 DOI:10.3892/br.2015.439)。
[05]ALPK1活性化は、肺がん、結腸直腸がんおよび乳がんを含めたがんにも関係づけられた(Liaoら、Scientific Reports 2016 6:27350;Strietzら、Oncotarget 2016 1~16)。
[06]近年の研究は、ある特定の細菌によって活性化される自然免疫応答の重要な調節因子としてALPK1を関係づけた。例えば、APLK1は、S.flexneri、S.typhimurium、およびNeisseria meningitidesでの感染に対する応答においてTIFAオリゴマー化およびインターロイキン8(IL-8)発現をそれが促進することを介して、細菌に対する自然免疫の鍵となる調節因子であることが示唆された(Milivojevicら、PLoS Pathog 2017 13(2):e1006224)。Zimmermanらは、Helicobacter pylori IV型分泌系によってトリガーされるALPK1およびTIFA依存性自然免疫応答を記載している。(Zimmermannら、Cell Reports 2017 20(10):2384~95)。これらの研究の両方が、細菌代謝物、ヘプトース-1,7-ビスホスフェート(HBP)はTIFA依存性自然免疫を活性化すると示唆する。
[07]臨床病態が炎症および様々な感染に起因する多くの疾患、障害および状態がある。こうした疾患、障害および状態を処置するために、標的組織における炎症をモジュレートするための新たな方法が必要である。本開示は、ADP-ヘプトース生合成経路においてHBPから下流に、ある特定の代謝物の誘導体である化合物を提供することによって、この必要に対処する。
[08]本発明は、部分的に、細菌代謝物D-グリセロ-β-D-マンノ-ヘプトース-1-ホスフェート(HMP1BP)のある特定の誘導体が予想外の生物学的活性を有するという発見に基づく。HMP1BPは、図1に示されている大腸菌H1b-ADP生合成経路においてD-グリセロ-β-D-マンノ-ヘプトース1,7-ビスホスフェート(ヘプトース1,7ビスホスフェートまたは「HBP」)の下流にある。
[09]本開示は、参照化合物と比較して、例えばHMP1BPと比較して、改善された化学的および/または生物学的特性を有する式(I)によって表される化合物、またはその立体異性体、安定同位体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を提供する。
[10]したがって、本開示は、化合物、これを含む組成物であって薬学的組成物を含むもの、ならびに本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物を含む式Iによって表される化合物の投与を介して、免疫応答をモジュレートすること、がんを処置すること、標的抗原に対する免疫応答を増強すること、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)ならびにC型肝炎ウイルス(HCV)およびB型肝炎ウイルス(HBV)によって引き起こされる疾患および障害を含めた肝臓疾患または障害を処置すること、ならびに本明細書に記載されている通りの感染病原体によって引き起こされる疾患または障害を処置または防止することに関連する方法を提供する。一部の実施形態において、本開示は、対象における免疫応答をモジュレートする方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdによって表される化合物を含む組成物を対象に投与することを含む。
[11]本開示は、式(I)によって表される化合物またはその立体異性体、安定同位体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩:
および/またはその立体異性体、互変異性体、安定同位体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を提供し、式中:
L1は、O、S、CH2、CHF、CF2、OCH2、SCH2、OCHF、SCHF、OCF2またはSCF2から選択され;
L2は、O、S、CH2、NR、CH2、CH(OH)、CHFおよびCF2からなる群から選択され、ここで、Rは、Hであるか、またはハロ、-OH、=O、C1~C4アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから選択される0~3個の置換基で置換されているC1~C8アルキルであり;
Z1は、OおよびSから選択され;
W1は、-C(R10R11)-であり、ここで、R10およびR11は、H、D、-OH、ハロゲン、ならびにC1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4アルケニルオキシ、アラルキルオキシ、ならびにC末端(termional)C(O)O-およびR12CO2-を介して連結されている1~6員オリゴペプチジルから選択される任意選択により置換されている基から独立して選択され、ここで、R12は、C1~C20アルキル、C1~C20アルケニル、C1~C20アルコキシ、C1~C20アルケニルオキシ、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリール、ならびにN末端のNを介して連結されている1~6員オリゴペプチジルから選択され;ここで、R10およびR11の任意選択の置換基は、D、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される1~3個の置換基であり;
W2は、R13-Q1-W3-であり、ここで、Q1は、-O-または-NH-から選択され;W3は、結合、またはハロゲン、-OH、=O、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルキル、C1~C3ハロアルコキシル、C1~C3アルケニルオキシから独立して選択される1~3個の置換基で任意選択により置換されているC1~C3アルキレン基から選択され;ここで、R13は、C末端カルボニル基またはR14Q2C(O)-を介して連結されている1~6員オリゴペプチジルであり;ここで、Q2は、結合、-O-または-NH-であり;R14は、N末端Nを介して連結されている1~6員オリゴペプチジルであるか、またはC1~C20アルキル、C1~C20アルキレニル、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択される任意選択により置換されている基であり、R14は、R15-Q3-Q4-Q5-であり;ここで、Q3,Q4およびQ5は、結合、アリール、5個から6個の環原子を含有するヘテロアリール、C3~C6シクロアルキル、ならびに4個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルから独立して選択され、Q3、Q4およびQ5のうちの少なくとも1つは、結合でなく;R15は、C1~C18アルキル(alky)およびC1~C18アルコキシから選択される任意選択により置換されている基であり、ここで、R14およびR15の任意選択の置換基は、ハロゲン、-OH、-CO2H、C1~C4アルキルオキシカルボニル(alkyloxycarbony)、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシC3~C6シクロアルキルおよびC3~C6シクロアルキルオキシから独立して選択される1~3個の置換基であり;
R1およびR2は、-ORaおよび-NRbRcからなる群から独立して選択され;R1およびR2の両方が-ORaである場合、Ra部分は、組み合わさることで5員または6員の複素環式環を形成することができ、ここで、
5員または6員の複素環式環は、H、D、ハロゲン、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル(heterocyclyoalkyl)、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR3部分で置換されており、ここで、アリールまたは5員もしくは6員のヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1~C8アルキルからなる群から選択される0から3個のR3a置換基で置換されている;あるいは
2個のR3置換基が5員または6員の複素環式環の隣接する環頂点上にある場合、それらは、組み合わさることで縮合フェニル環を形成することができ、これは、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR4部分で置換されており;
各Raは、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12ハロアルキル、-C(Ra1)(Ra2)C(O)ORa3、-C(Ra1)(Ra2)OC(O)Ra3、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、ならびに-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、5員または10員のヘテロアリールは、ハロゲン、C1~C8アルキルおよび-NO2からなる群から選択される0個から2個の置換基で置換されている。
L1は、O、S、CH2、CHF、CF2、OCH2、SCH2、OCHF、SCHF、OCF2またはSCF2から選択され;
L2は、O、S、CH2、NR、CH2、CH(OH)、CHFおよびCF2からなる群から選択され、ここで、Rは、Hであるか、またはハロ、-OH、=O、C1~C4アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから選択される0~3個の置換基で置換されているC1~C8アルキルであり;
Z1は、OおよびSから選択され;
W1は、-C(R10R11)-であり、ここで、R10およびR11は、H、D、-OH、ハロゲン、ならびにC1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4アルケニルオキシ、アラルキルオキシ、ならびにC末端(termional)C(O)O-およびR12CO2-を介して連結されている1~6員オリゴペプチジルから選択される任意選択により置換されている基から独立して選択され、ここで、R12は、C1~C20アルキル、C1~C20アルケニル、C1~C20アルコキシ、C1~C20アルケニルオキシ、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリール、ならびにN末端のNを介して連結されている1~6員オリゴペプチジルから選択され;ここで、R10およびR11の任意選択の置換基は、D、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される1~3個の置換基であり;
W2は、R13-Q1-W3-であり、ここで、Q1は、-O-または-NH-から選択され;W3は、結合、またはハロゲン、-OH、=O、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルキル、C1~C3ハロアルコキシル、C1~C3アルケニルオキシから独立して選択される1~3個の置換基で任意選択により置換されているC1~C3アルキレン基から選択され;ここで、R13は、C末端カルボニル基またはR14Q2C(O)-を介して連結されている1~6員オリゴペプチジルであり;ここで、Q2は、結合、-O-または-NH-であり;R14は、N末端Nを介して連結されている1~6員オリゴペプチジルであるか、またはC1~C20アルキル、C1~C20アルキレニル、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択される任意選択により置換されている基であり、R14は、R15-Q3-Q4-Q5-であり;ここで、Q3,Q4およびQ5は、結合、アリール、5個から6個の環原子を含有するヘテロアリール、C3~C6シクロアルキル、ならびに4個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルから独立して選択され、Q3、Q4およびQ5のうちの少なくとも1つは、結合でなく;R15は、C1~C18アルキル(alky)およびC1~C18アルコキシから選択される任意選択により置換されている基であり、ここで、R14およびR15の任意選択の置換基は、ハロゲン、-OH、-CO2H、C1~C4アルキルオキシカルボニル(alkyloxycarbony)、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシC3~C6シクロアルキルおよびC3~C6シクロアルキルオキシから独立して選択される1~3個の置換基であり;
R1およびR2は、-ORaおよび-NRbRcからなる群から独立して選択され;R1およびR2の両方が-ORaである場合、Ra部分は、組み合わさることで5員または6員の複素環式環を形成することができ、ここで、
5員または6員の複素環式環は、H、D、ハロゲン、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル(heterocyclyoalkyl)、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR3部分で置換されており、ここで、アリールまたは5員もしくは6員のヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1~C8アルキルからなる群から選択される0から3個のR3a置換基で置換されている;あるいは
2個のR3置換基が5員または6員の複素環式環の隣接する環頂点上にある場合、それらは、組み合わさることで縮合フェニル環を形成することができ、これは、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR4部分で置換されており;
各Raは、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12ハロアルキル、-C(Ra1)(Ra2)C(O)ORa3、-C(Ra1)(Ra2)OC(O)Ra3、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、ならびに-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、5員または10員のヘテロアリールは、ハロゲン、C1~C8アルキルおよび-NO2からなる群から選択される0個から2個の置換基で置換されている。
各RbおよびRcは、H、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリール、ならびに-C(Rb1)(Rb2)C(=O)ORb3からなる群から独立して選択され;
各Ra1、Ra2、Rb1およびRb2は、H、D、ならびにC1~C4アルキルC1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各Ra3およびRb3は、独立して、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
R5、R6およびR7は、H、-OH、ハロゲンおよびR12CO2-から独立して選択され、R5、R6およびR7のうちの少なくとも2つは、-OHまたはR12CO2-であり、ここで、R12は、C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシル、C1~C8アルカノイルオキシル、C1~C8アルケニルオキシル、C1~C8アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択され;ここで、R5、R6およびR7の隣接基の任意の2つは、環化することで、5個から9個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキルを形成し、各々は、D、CN、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される0~3個の置換基によって置換されている。
各Ra1、Ra2、Rb1およびRb2は、H、D、ならびにC1~C4アルキルC1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各Ra3およびRb3は、独立して、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
R5、R6およびR7は、H、-OH、ハロゲンおよびR12CO2-から独立して選択され、R5、R6およびR7のうちの少なくとも2つは、-OHまたはR12CO2-であり、ここで、R12は、C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシル、C1~C8アルカノイルオキシル、C1~C8アルケニルオキシル、C1~C8アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択され;ここで、R5、R6およびR7の隣接基の任意の2つは、環化することで、5個から9個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキルを形成し、各々は、D、CN、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される0~3個の置換基によって置換されている。
[12]実施形態において、本開示は、本明細書に記載されている通りの式(I)の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
[13]実施形態において、本開示は、こうした処置を必要とする対象における免疫応答をモジュレートするための方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む組成物を対象に投与することを含む。実施形態において、免疫応答をモジュレートするための方法は、自然免疫の活性化および適応免疫の活性化から選択される。
[13]実施形態において、本開示は、こうした処置を必要とする対象における免疫応答をモジュレートするための方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む組成物を対象に投与することを含む。実施形態において、免疫応答をモジュレートするための方法は、自然免疫の活性化および適応免疫の活性化から選択される。
[14]実施形態において、本開示は、こうした処置を必要とする対象におけるがんを処置するための方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む組成物を対象に投与することを含む。実施形態において、がんは、軟組織肉腫、乳がん、頭頸部がん、黒色腫、子宮頸がん、膀胱がん、血液悪性腫瘍、神経膠芽腫、膵臓がん、前立腺がん、結腸がん、乳がん、腎がん、肺がん、メルケル細胞癌腫、小腸がん、甲状腺がん、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、胃がん、胃腸ストロマ腫瘍、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、肝臓がん、白血病、リンパ腫、T細胞リンパ腫、脳がんおよび多発性骨髄腫から選択される。実施形態において、がんは、乳がん、頭頸部がん、黒色腫、腎がん、肺がん、メルケル細胞癌腫およびリンパ腫から選択される。
[15]実施形態において、本開示は、対象における標的抗原に対する免疫応答を増強するための方法を提供し、該方法は、標的抗原に対する免疫応答を増強するように作用するワクチンまたは免疫アジュバントとして、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む組成物を対象に投与することを含む。実施形態において、標的抗原は、アデノウイルス、コクサッキーBウイルス、サイトメガロウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、エボラウイルス、エンテロウイルス71、エプスタイン-バーウイルス、ヘモフィルスインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型(Hib)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、鉤虫、マールブルグウイルス、ノロウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ロタウイルス、チフス菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、A群溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)、水痘、ウエストナイルウイルス、ペスト菌(Yersinia pestis)、およびジカウイルスからなる群から選択される感染病原体の抗原である。実施形態において、本明細書に記載されている通りの式1の化合物は、炭疽、カリエス、シャーガス病、デング熱、ジフテリア、エーリキア症、A型もしくはB型肝炎(hepatits)、ヘルペス、季節性インフルエンザ、日本脳炎、ハンセン病、ライム病、マラリア、麻疹、ムンプス、髄膜炎および敗血症を含めた髄膜炎菌性疾患、オンコセルカ症河川盲目症、百日咳(pertussis)(百日咳(whooping cough))、肺炎球菌性疾患、ポリオ、狂犬病、風疹、住血吸虫症、重症急性呼吸症候群(SARS)、帯状疱疹、天然痘、梅毒、破傷風、結核、野兎病、ダニ媒介性脳炎ウイルス、腸チフス、トリパノソーマ症、黄熱病または内蔵リーシュマニア症の処置または防止におけるワクチンのためのワクチンアジュバントとして作用する。
[16]実施形態において、本開示は、対象の細胞におけるNFkB、p38、およびJNK細胞シグナリング経路の活性化による処置に適している(amendable)疾患または障害を処置するための方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む組成物を対象に投与することを含む。実施形態において、疾患または障害は、結核、髄膜炎、肺炎、潰瘍、セプシス、鼻炎、喘息、アレルギー、COPD、炎症性腸疾患、関節炎、肥満、放射線誘発性炎症、乾癬、アトピー性皮膚炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルツハイマー病、全身性ループス、エリテマトーデス(SLE)、自己免疫性甲状腺炎(グレーブス病)、多発性硬化症、強直性脊椎炎水疱性疾患、ならびにC型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる疾患および障害から選択される。
[17]実施形態において、本開示は、それを必要とする対象における、細菌、ウイルスまたは寄生生物から選択される感染病原体によって引き起こされる疾患または障害を処置または防止するための方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む組成物を対象に投与することを含む。実施形態において、感染病原体は細菌である。実施形態において、感染病原体はウイルスである。実施形態において、感染病原体は寄生生物である。実施形態において、細菌は、グラム陰性またはグラム陽性細菌である。実施形態において、グラム陰性細菌は、Acinetobacter baumanii、Aggregatobacter actinomycetemcomitans、Bartonella bacilliformis、Bartonella henselae、Bartonella quintana、Bifidobacterium、Borrelia、 Bortadella pertussis、Brucella sp、Burkholderia cepacis、Burkholderia psedomallei、Campylobacter jejuni、Cardiobacterium hominis、Campylobacter fetus、Chlamydia pneumonia、Chlymydia trachomatis、Clostridium difficile、シアノバクテリア、Eikennella corrodens、Enterobacter、Enterococcus faccium、大腸菌(Escherichiacoli)、大腸菌0157、Franceilla tularensis、Fusobacterium nucleatum、Haemophilus influenza、Haemophilus aphrophilus、Haemophilus ducreyi、Haemophilus parainfluenzae、Helicobacter pylori、Kingella kingae、Klebsiella pneumonia、Legionella bacteria、Legionella pneumophila serogroup 1、 Leptospria、Morganella morganii、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Proteus mirabilis、Proteus vulgaris、 Proteus myxofaciens、Providencia rettgeri、Providencia alcalifaciens、Providencia stuartii、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas paucimobilis、Pseudomonas putida、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas acidovorans、Rickettsiae、Salmonella enterica、Salmonella typhi、Salmonella paratyphi A型、Bチフス、Salmonella. dublin、Salmonella arizonae、Salmonella choleraesuis、Serratia marcescens、Schigella dysenteriae、Schigella flexneri、Schigella boydii、Schigella sonnei、Treponema、Stenotrophomonas maltophilia、Vibrio cholerae、Vibrio mimicus、Vibrio alginolyticus、Vibrio hollisae、Vibrio parahaemolyticus、Vibrio vulnificusおよびYersinia pestitisからなる群から選択される。実施形態において、グラム陽性細菌は、Actinomycetes、Bacillus anthracis、Bacillus subtilis、Clostridium tetani、Clostridium perfingens、Clostridium botulinum、Clostridium tetani. Corynebacterium diphtheriae、Enterococcus faecalis、Enterococcus faecium、Erysipelothrix ruhsiopathiae、Listeria monocytogenes、Mycobacterium leprae、Mycobacterium tuberculosis、Mycoplasma、Nocardia、Propionibacerium、Pseudomonas aeruginosa、Pneumococci、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、methicillin-resistant Staphylococcus aureus (MRSA)、vancomycin resistant Staphylococcus aureus (VRSA)、Staphylococcus lugdunensis、Staphylococcus saprophyticus、 Streptococcus pneumonia、Streptococcus pyogenes、およびStreptococcus突然変異体からなる群から選択される。実施形態において、ウイルスは、エボラウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV-6、HPV-11)、ヒトSARSコロナウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、狂犬病ウイルス、ポリオウイルス、SARSコロナウイルス、および黄熱病ウイルスからなる群から選択される。実施形態において、寄生生物は、Acanthamoeba spp、American trypanosomiasis、Balamuthia mandnillanis、Babesia divergenes、Babesia bigemina、Babesia equi、Babesia microfti、Babesia duncani、Balantidium coli、Blastocystis spp Cryptosporidium spp、Cyclospora cayetanensis、Dientamoeba fragilis、Diphyllobothrium latum、Leishmania amazonesis、Naegleria fowderi、Plasmodium falciparum、Plasmodium vivax、 Plasmodium ovale curtisi、Plasmodium malariae、Rhinosporidium seeberi、Sarcocystis bovihominis、Sarcocystiss suihominis、Toxoplasma gondii、Trichmonas vaginalis、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruziおよびTaenia multicepsからなる群から選択される。
[18]前述の方法のいずれかの実施形態において、該方法は、1種または複数の追加の治療剤または免疫モジュレーター、およびその組合せを対象に投与することをさらに含むことができる。実施形態において、1種または複数の追加の治療剤は、抗微生物剤、例えば抗細菌剤、抗ウイルス剤もしくは抗寄生剤、抗がん剤、または結核、髄膜炎、肺炎、潰瘍、セプシス、鼻炎、喘息、アレルギー、COPD、炎症性腸疾患、関節炎、肥満、放射線誘発性炎症、乾癬、アトピー性皮膚炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルツハイマー病、全身性ループス、エリテマトーデス(SLE)、自己免疫性甲状腺炎(グレーブス病)、多発性硬化症および強直性脊椎炎水疱性疾患の処置のための治療剤から選択される。
[19]がんを処置するための方法の実施形態において、1種または複数の追加の治療剤は、免疫モジュレーターである。実施形態において、免疫モジュレーターは、免疫チェックポイント調節因子の阻害剤またはアンタゴニスト、免疫刺激性分子、および免疫共刺激性分子のアゴニストの1つまたは複数から選択される。実施形態において、免疫チェックポイント調節因子の阻害剤またはアンタゴニストは、PD-1/PD-L1阻害剤である。実施形態において、PD-1/PD-L1阻害剤は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよびアベルマブからなる群から選択される。実施形態において、免疫モジュレーターは、インターフェロンアルファ(INFa)、インターフェロン遺伝子(「STING」)アゴニストの刺激剤、TLRアゴニスト(例えば、レシキモド(resquimod))、および抗OX40(CD134)アゴニスト抗体から選択される。実施形態において、免疫共刺激性分子のアゴニストは、抗OX40(CD134)アゴニスト抗体である。実施形態において、がんは、進行性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞癌腫、膀胱がん、ホジキンリンパ腫、肝臓がん、胃がん、結腸がん、乳がん、非ホジキンリンパ腫、前立腺がん、頭頸部がん、甲状腺がん、脳がん、急性骨髄球性白血病(AML)、メルケル細胞癌腫、多発性骨髄腫、子宮頸がんおよび肉腫から選択される。
[20]実施形態において、1種または複数の追加の免疫モジュレーターは、免疫チェックポイント調節因子の阻害剤もしくはアンタゴニスト、または免疫チェックポイント調節因子に対するワクチンである。実施形態において、1種または複数の追加の免疫モジュレーターは、共刺激性分子などの免疫チェックポイント調節因子のアゴニスト、例えば、OX40(CD134)のアゴニストである。実施形態において、免疫チェックポイント調節因子は、プログラム細胞死1(PD-1)受容体(CD279)、PD-1のリガンド(例えば、PD-L1)、細胞毒性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9(代替としてTNFRSF9、4-1BB)および4-1BBリガンド、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4(代替としてTNFRSF4、OX40)およびOX40リガンド、グルココルチコイド誘発TNFR関連タンパク質(GITR)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー7(代替としてTNFRSF7、表面抗原分類27、CD27)、TNFRSF25およびTNF様リガンド1A(TL1A)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー5(代替としてTNFRSF5、CD40)およびCD40リガンド、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)-腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー14(代替としてTNFSF14、LIGHT)-リンホトキシンアルファ(LTA)、ヘルペスウイルス侵入メディエーター-(HVEM)-BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)-CD160(代替としてTNFSF14)、リンパ球活性化性遺伝子3(LAG3)、T細胞免疫グロブリンおよびムチン-ドメイン含有3(TIM3)、シアル酸結合性免疫グロブリン様レクチン(SIGLEC)、誘発性T細胞共刺激分子(ICOS)およびICOSリガンド、B7-H3(B7ファミリー、代替としてCD276)、V-セットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、代替としてB7-H4)、T細胞活性化のV型免疫グロブリンドメイン含有抑制剤(VISTA)、ヒト内因性レトロウイルスH末端反復配列関連性タンパク質2(HHLA2)膜貫通および免疫グロブリンドメイン含有2(TMIGD2)、ブチロフィリン、ナチュラルキラー細胞受容体2B4(代替としてNKR2B4、CD244)およびB細胞膜タンパク質(CD48)、免疫グロブリン(Ig)および免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフドメイン(TIGIT)を有するT細胞免疫受容体ならびにポリオウイルス受容体(PVR)ファミリーメンバー、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、免疫グロブリン様転写物(ILT)および白血球免疫グロブリン様受容体(LIR)、ナチュラルキラー群タンパク質2メンバーD(NKG2D)およびナチュラルキラー群タンパク質2メンバーA(NKG2A)、主要な組織適合性複合体(MHC)クラスIポリペプチド関連配列A(MICA)およびMHCクラスIポリペプチド関連配列B(MICB)、ナチュラルキラー細胞受容体2B4(CD244)、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、形質転換成長因子ベータ(TGFβ)、アデノシン-エクト-ヌクレオチダーゼ三リン酸ジホスホヒドロラーゼ1(CD39)-5’-ヌクレオチダーゼ(CD73)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)およびC-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12)、ホスファチジルセリン、シグナル調節タンパク質アルファ(SIRPA)およびインテグリン関連タンパク質(CD47)、血管内皮成長因子(VEGF)、ならびにニューロピリンから選択される。
[21]実施形態において、1種または複数の追加の免疫モジュレーターは、ワクチンである。
[22]がんを処置するための方法の実施形態において、ワクチンは、腫瘍抗原に対するワクチンである。実施形態において、腫瘍抗原は、糖タンパク質100(gp100)、ムチン1(MUC1)および黒色腫関連抗原3(MAGEA3)から選択される。
[22]がんを処置するための方法の実施形態において、ワクチンは、腫瘍抗原に対するワクチンである。実施形態において、腫瘍抗原は、糖タンパク質100(gp100)、ムチン1(MUC1)および黒色腫関連抗原3(MAGEA3)から選択される。
[23]実施形態において、1種または複数の追加の免疫モジュレーターは、T細胞、好ましくはキメラ抗原受容体T細胞である。実施形態において、1種または複数の追加の免疫モジュレーターは、組換えタンパク質であり、好ましくは顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターロイキン7(IL-7)、IL-12、IL-15、IL-18およびIL-21から選択される。
[24]前述の方法のいずれかの実施形態において、組成物は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含むことができる。
[25]実施形態において、本開示は、こうした処置を必要とする対象における肝臓疾患または障害を処置するための方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を対象に投与することを含む。実施形態において、肝臓疾患または障害は、肝臓がん、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、およびC型肝炎ウイルス(HCV)またはB型肝炎ウイルス(HBV)での感染によって引き起こされる疾患または障害から選択される。
[26]前述の方法のいずれかの実施形態において、対象は、脊椎動物であってよい。実施形態において、対象はヒトである。
[27]本開示は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体、ならびに担体を含むワクチン組成物またはワクチンアジュバント組成物も提供する。
[27]本開示は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体、ならびに担体を含むワクチン組成物またはワクチンアジュバント組成物も提供する。
[28]実施形態において、本開示は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含むワクチン組成物またはワクチンアジュバント組成物を提供する。
[29]実施形態において、本開示は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む医薬組成物を提供する。
[30]実施形態において、本開示は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む組成物を対象に投与することを含む、こうした処置を必要とする対象におけるがんを処置する方法を提供する。実施形態において、方法は、PD-1/PD-L1阻害剤または免疫共刺激性分子のアゴニストを対象に投与することをさらに含む。実施形態において、PD-1/PD-L1阻害剤は、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよびアベルマブからなる群から選択される。実施形態において、免疫共刺激性分子のアゴニストは、抗OX40(CD134)アゴニスト抗体である。前述の方法に従って、対象は、ヒト対象であってよく、がんは、上文に記載されている通りのがんであってよい。実施形態において、がんは固形腫瘍である。実施形態において、がんは難治性である。
[31]本開示は、治療における使用のための組成物をさらに提供し、該組成物は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む。
[32]本開示は、こうした処置を必要とする対象における免疫応答をモジュレートするための方法における使用のための組成物も提供し、該組成物は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む。
[33]本開示は、こうした処置を必要とする対象におけるがんを処置するための方法における使用のための組成物も提供し、該組成物は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む。
[34]本開示は、こうした処置を必要とする対象における免疫応答を増強するための方法における使用のための組成物も提供し、該組成物は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む。
[35]本開示は、こうした処置を必要とする対象における対象の細胞中のNFkB、p38およびJNK細胞シグナリング経路の活性化による処置に適している疾患または障害を処置するための方法における使用のための組成物も提供し、該組成物は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む。
[36]本開示は、それを必要とする対象において細菌、ウイルスまたは寄生生物から選択される感染病原体によって引き起こされる疾患または障害を処置または防止する際における使用のための組成物も提供し、該組成物は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む。
[37]本開示は、こうした処置を必要とする対象におけるがんを処置するための方法における使用のための組成物も提供し、該組成物は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含み、該方法は、免疫チェックポイント調節因子の阻害剤またはアンタゴニスト、免疫刺激性分子、および免疫共刺激性分子のアゴニストの1つまたは複数から選択される免疫モジュレーターとALPK1アゴニストとの組合せ治療を含む。
[38]本開示は、こうした処置を必要とする対象における肝臓疾患または障害を処置するための方法における使用のための組成物も提供し、該組成物は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含み、ここで、肝臓疾患または障害は、任意選択により、肝臓がん、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、およびC型肝炎ウイルス(HCV)またはB型肝炎ウイルス(HBV)での感染によって引き起こされる疾患または障害から選択される。
詳細な記載
[45]本開示は、ADP-ヘプトース生合成経路におけるある特定の細菌代謝物の誘導体である化合物、それを含む組成物、および治療におけるそれらの使用のための方法を提供する。
定義
[46]本明細書で使用される場合、「ALPK1」という用語は、ヒトALPK1遺伝子の2つのスプライス変異体、アイソフォーム1またはアイソフォーム2のいずれか1つを指すことができる。各アイソフォームは、同じキナーゼドメインを共有する。参照のため、ヒトALPK1遺伝子は、Entrez Gene ID 80216によって同定される。
[45]本開示は、ADP-ヘプトース生合成経路におけるある特定の細菌代謝物の誘導体である化合物、それを含む組成物、および治療におけるそれらの使用のための方法を提供する。
定義
[46]本明細書で使用される場合、「ALPK1」という用語は、ヒトALPK1遺伝子の2つのスプライス変異体、アイソフォーム1またはアイソフォーム2のいずれか1つを指すことができる。各アイソフォームは、同じキナーゼドメインを共有する。参照のため、ヒトALPK1遺伝子は、Entrez Gene ID 80216によって同定される。
[47]本明細書で使用される場合、「ALPK1の活性化」という用語は、ALPK1キナーゼ活性の活性化を指す。実施形態において、本開示は、例えば、HBPまたはそのプロドラッグ、類似体もしくは誘導体など、ALPK1活性化リガンドであってよいALPK1アゴニストを提供することによってALPK1を活性化する方法を提供する。合成HBPを作製するための方法は、知られており、例えば、Inuki Sら、Organic Letter 2017 19(12):3079~82に記載されている通りである。実施形態において、ALPK1アゴニストは、HMP-1bPおよびH1b-ADPならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体から選択される。実施形態において、ALPK1アゴニストは、H1b-ADP、またはそのプロドラッグ、類似体または誘導体である。一部の実施形態において、本開示は、式I、Ia、Ib、IcまたはIdによって表されるALPK1アゴニストを提供することによってALPK1を活性化する方法を提供する。
[48]本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、示されている炭素原子数を有する直鎖または分岐の飽和脂肪族ラジカルを指す。アルキルは、C1~2、C1~3、C1~4、C1~5、C1~6、C1~7、C1~8、C1~9、C1~10、C2~3、C2~4、C2~5、C2~6、C3~4、C3~5、C3~6、C4~5、C4~6およびC5~6など、任意の数の炭素を含む。例えば、C1~6アルキルとしては、以下に限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシルなどが挙げられる。アルキルは、最大20個までの炭素原子を有するアルキル基、例えば、以下に限定されないが、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどを指すこともできる。アルキル基は、置換または非置換であってよい。一部の実施形態において、アルキル基は、1~2個の置換基で置換されている。非限定的な例として、適当な置換基としては、ハロゲンおよびヒドロキシルが挙げられる。
[49]本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、少なくとも2個の炭素原子および少なくとも1個の二重結合を有する直鎖または分岐の炭化水素を指す。アルケニルは、C2、C2-3、C2~4、C2~5、C2~6、C2-7、C2~8、C2-9、C2~10、C3、C3~4、C3~5、C3~6、C4、C4-5、C4~6、C5、C5-6およびC6など、任意の数の炭素を含むことができる。アルケニル基は、以下に限定されないが、1個、2個、3個、4個、5個以上を含めて、任意の適当な数の二重結合を有することができる。アルケニル基は、置換または非置換であってよい。
[50]本明細書で使用される場合、「アルキレン」という用語は、示されている炭素原子数を有するとともに少なくとも2個の他の基を連結する直鎖または分岐の飽和脂肪族ラジカル、即ち、二価炭化水素ラジカルを指す。アルキレンに連結されている2つの部分は、アルキレン基の同じ原子または異なる原子に連結されていてよい。例えば、直鎖アルキレンは、-(CH2)n-の二価のラジカルであってよく、ここで、nは、1、2、3、4、5または6である。代表的なアルキレン基としては、以下に限定されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec-ブチレン、ペンチレンおよびヘキシレンが挙げられる。アルキレン基は、置換または非置換であってよい。一部の実施形態において、アルキレン基は、1~2個の置換基で置換されている。非限定的な例として、適当な置換基としては、ハロゲンおよびヒドロキシルが挙げられる。
[51]本明細書で使用される場合、「アルコキシ」または「アルコキシル」という用語は、アルキル基を付着点に接続する酸素原子を有するアルキル基:アルキル-O-を指す。アルキル基に関して、アルコキシル基は、C1~6など、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。アルコキシル基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソ-プロポキシ、ブトキシ、2-ブトキシ、イソ-ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシなどが挙げられる。アルコキシ基は、置換または非置換であってよい。
[52]本明細書で使用される場合、「アルケニルオキシ」または「アルケニルオキシル」という用語は、アルケニル基を付着点に接続する酸素原子を有する、上記で定義されている通りのアルケニル基:アルケニル-O-を指す。アルケニルオキシル基は、C1~6など、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。アルケニルオキシル基は、本明細書に記載されている様々な置換基でさらに置換されていてよい。アルケニルオキシル基は、置換または非置換であってよい。
[53]本明細書で使用される場合、「アルキルアミン」または「アルキルアミノ」という用語は、アルキル基を付着点に接続する窒素原子を有するアルキル基:アルキル-N-を指す。アルキル基に関して、アルコキシル基は、C1~6など、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。
[54]本明細書で使用される場合、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。
[55]本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、水素原子の一部または全てがハロゲン原子と置き換えられている、上記で定義されている通りのアルキルを指す。アルキル基に関して、ハロアルキル基は、C1~6など、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。例えば、ハロアルキルとしては、トリフルオロメチル、フルオロメチルなどが挙げられる。
[55]本明細書で使用される場合、「ハロアルキル」という用語は、水素原子の一部または全てがハロゲン原子と置き換えられている、上記で定義されている通りのアルキルを指す。アルキル基に関して、ハロアルキル基は、C1~6など、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。例えば、ハロアルキルとしては、トリフルオロメチル、フルオロメチルなどが挙げられる。
[56]本明細書で使用される場合、「ハロアルコキシル」または「ハロアルコキシ」という用語は、水素原子の一部または全てがハロゲン原子で置換されているアルコキシル基を指す。アルキル基に関して、ハロアルコキシ基は、C1~6など、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。アルコキシ基は、1つ、2つ、3つ、またはそれ以上のハロゲンで置換されていてよい。
[57]本明細書で使用される場合、「アルカノイル」という用語は、アルキル基を付着点に接続するカルボニル基を有するアルキル基:アルキル-C(O)-を指す。アルキル基に関して、アルカノイルオキシル基は、C1~4など、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。例えば、アルカノイル基としては、アセチル、プロピノイル、ブチリルなどが挙げられる
[58]本明細書で使用される場合、「アルカノイルオキシル」という用語は、アルカノイル基を付着点に接続する酸素原子を有するアルカノイル基:アルキル-C(O)-O-を指す。アルキル基に関して、アルカノイルオキシル基は、C1~4など、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。例証的なアルカノイルオキシル基としては、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチルオキシ(butryloxy)などが挙げられる
[59]本明細書で使用される場合、「オキソ」という用語は、二重結合(=O)によって付着点に接続される酸素原子を指す。
[58]本明細書で使用される場合、「アルカノイルオキシル」という用語は、アルカノイル基を付着点に接続する酸素原子を有するアルカノイル基:アルキル-C(O)-O-を指す。アルキル基に関して、アルカノイルオキシル基は、C1~4など、任意の適当な数の炭素原子を有することができる。例証的なアルカノイルオキシル基としては、アセトキシ、プロピオニルオキシ、ブチルオキシ(butryloxy)などが挙げられる
[59]本明細書で使用される場合、「オキソ」という用語は、二重結合(=O)によって付着点に接続される酸素原子を指す。
[60]本明細書で使用される場合、「アリール」という用語は、任意の適当な数の環原子および任意の適当な数の環を有する芳香族環系を指す。アリール基は、任意の適当な数の環原子、例えば、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個または16個の環原子、同様に6個から10個、6個から12個、または6個から14個の環員を含むことができる。アリール基は、単環式であり得るか、縮合されることで二環式基もしくは三環式基を形成し得るか、または結合によって連結されることでビアリール基を形成し得る。代表的なアリール基としては、フェニル、ナフチルおよびビフェニルが挙げられる。他のアリール基としては、メチレン連結基を有するベンジルが挙げられる。一部のアリール基は、フェニル、ナフチルまたはビフェニルなど、6個から12個の環員を有する。他のアリール基は、フェニルまたはナフチルなど、6個から10個の環員を有する。一部の他のアリール基は、フェニルなど、6個の環員を有する。アリール基は、置換または非置換であってよい。一部の実施形態において、アリール基は、1~2個の置換基で置換されている。非限定的な例として、適当な置換基としては、ハロゲン、ヒドロキシル、-NO2、C1~8アルキル、C1~8アルコキシが挙げられる。
[61]本明細書で使用される場合、「アラルキルオキシル」という用語は、アリール基を付着点に接続するアルキルおよび酸素原子を有する、上記で定義されている通りのアリール基:アリール-アルキル-O-を指す。アルキル基に関して、アラルキルオキシル基は、任意の適当な数の炭素原子、例えば、C1~4を有することができる。
[62]本明細書で使用される場合、「ヘテロアリール」という用語は、5個から12個の環原子を含有する単環式または縮合二環式芳香族環アセンブリを指し、ここで、環原子の1個から5個は、N、OまたはSなどのヘテロ原子である。追加のヘテロ原子も、以下に限定されないが、B、Al、SiおよびPを含めて、有用であり得る。ヘテロ原子は、以下に限定されないが、-S(O)-および-S(O)2-など、酸化することもできる。ヘテロアリール基は、3個から6個、4個から6個、5個から6個、3個から8個、4個から8個、5個から8個、6個から8個、3個から9個、3個から10個、3個から11個、または3個から12個の環員など、任意の数の環原子を含むことができる。1個、2個、3個、4個もしくは5個、または1個から2個、1個から3個、1から4個、1個から5個、2個から3個、2個から4個、2個から5個、3個から4個、もしくは3個から5個など、任意の適当な数のヘテロ原子がヘテロアリール基中に含まれ得る。ヘテロアリール基は、5個から9個の環員および1個から4個のヘテロ原子、または5個から9個の環員および1個から3個のヘテロ原子、または5個から6個の環員および1個から4個のヘテロ原子、または5個から6個の環員および1個から3個のヘテロ原子を有することができる。ヘテロアリール基としては、ピロール、ピリジン、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン(1,2,3-、1,2,4-および1,3,5-異性体)、プリンなどの基が挙げられ得る。ヘテロアリール基は、フェニル環などの芳香族環系に縮合されることで、以下に限定されないが、ベンゾピロール、例えば、インドールおよびイソインドール、ベンゾピリジン、例えば、キノリンおよびイソキノリン、ベンゾピラジン(キノキサリン)、ベンゾピリミジン(キナゾリン)、ベンゾピリダジン、例えば、フタラジンおよびシンノリン、ベンゾチオフェン、ならびにベンゾフランを含めた員を形成することができる。他のヘテロアリール基としては、ビピリジンなど、結合によって連結されるヘテロアリール環が挙げられる。ヘテロアリール基は、置換または非置換であってよい。
[63]本明細書で使用される場合、「シクロアルキル」は、3個から8個の環原子または示されている原子数を含有する飽和環アセンブリを指す。シクロアルキルは、C3~6、C4~6、C5~6、C3~8、C4~8、C5~8、C6~8など、任意の数の炭素を含むことができる。シクロアルキル環としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロオクチルが挙げられる。シクロアルキル基は、置換または非置換であってよい。
[64]本明細書で使用される場合、「ヘテロシクリル」は、3個から12個の環員ならびにN、OおよびSの1個から4個のヘテロ原子を有する飽和環系を指す。追加のヘテロ原子も、以下に限定されないが、B、Al、SiおよびPを含めて、有用であり得る。ヘテロ原子は、以下に限定されないが、-S(O)-および-S(O)2-など、酸化することもできる。N原子は、さらに置換されることで、第3級アミン塩またはアンモニウム塩を形成するができる。ヘテロシクロアルキル基は、3個から6個、4個から6個、5個から6個、3個から8個、4個から8個、5個から8個、6個から8個、3個から9個、3個から10個、3個から11個、または3個から12個の環員など、任意の数の環原子を含むことができる。任意の適当な数のヘテロ原子は、1個、2個、3個もしくは4個、または1個から2個、1個から3個、1個から4個、2個から3個、2個から4個、もしくは3個から4個などを、ヘテロシクロアルキル基に含むことができる。ヘテロシクロアルキル基は、アジリジン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、キヌクリジン、ピラゾリジン、イミダゾリジン、ピペラジン(1,2-、1,3-および1,4-異性体)、オキシラン、テトラヒドロフラン、オキサン(テトラヒドロピラン)、オキセパン、チオラン(テトラヒドロチオフェン)、チアン(テトラヒドロチオピラン)、オキサゾリジン、イソオキサゾリジン、チアゾリジン、イソチアゾリジン、ジオキソラン、ジチオラン、モルホリンなどの基を含むことができる。ヘテロシクロアルキル基は、非置換または置換されていてよい。例えば、ヘテロシクロアルキル基は、数ある中でも、C1~6アルキルまたはオキソ(=O)で置換することができる。
[65]本発明のある特定の化合物は、不斉炭素原子(光学中心)または二重結合を有し;ラセミ体、ジアステレオマー、幾何異性体、位置異性体および個々の異性体(例えば、別個のエナンチオマー)は全て、本発明の範疇内に包含されると意図される。一部の実施形態において、本発明の化合物は、他の形態を実質的に含まない特別なエナンチオマー、アノマーまたはジアステレオマーである。
[66]本開示のある特定の化合物は、1つまたは複数のチオホスフェート部分を含む。現在の開示は、一般に、チオホスフェート部分を
として呈する。しかしながら、当業者は、チオホスフェート部分が
に相互変換できることを認識されよう。
[67]本開示のチオホスフェート部分の全ての安定な相互変換は、この出願の範疇内である。
[67]本開示のチオホスフェート部分の全ての安定な相互変換は、この出願の範疇内である。
[68]本明細書で使用される場合、「実質的に含まれない」という用語は、10%以下の別の形態、好ましくは8%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、またはそれ以下の別の形態の量を指す。一部の実施形態において、異性体は、立体異性体である。
実施形態の詳細な記載
[69]本開示は、式(I)によって表される化合物、またはその立体異性体、安定同位体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩:
実施形態の詳細な記載
[69]本開示は、式(I)によって表される化合物、またはその立体異性体、安定同位体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩:
および/またはその立体異性体、互変異性体、安定同位体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩を提供し、式中:
L1は、O、S、CH2、CHF、CF2、OCH2、SCH2、OCHF、SCHF、OCF2またはSCF2から選択され;
L2は、O、S、CH2、NR、CH2、CH(OH)、CHFおよびCF2からなる群から選択され、ここで、Rは、Hであるか、またはハロ、-OH、=O、C1~C4アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから選択される0~3個の置換基で置換されているC1~C8アルキルであり;
Z1は、OおよびSから選択され;
W1は、-C(R10R11)-であり、ここで、R10およびR11は、H、D、-OH、ハロゲン、ならびにC1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4アルケニルオキシ、アラルキルオキシ、ならびにC末端C(O)O-およびR12CO2-を介して連結されている1~6員オリゴペプチジルから選択される任意選択により置換されている基から独立して選択され、ここで、R12は、C1~C20アルキル、C1~C20アルケニル、C1~C20アルコキシ、C1~C20アルケニルオキシ、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリール、ならびにN末端Nを介して連結されている1~6員オリゴペプチジルから選択され;ここで、R10およびR11の任意選択の置換基は、D、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される1~3個の置換基であり;
W2は、R13-Q1-W3-であり、ここで、Q1は、-O-または-NH-から選択され;W3は、結合、またはハロゲン、-OH、=O、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルキル、C1~C3ハロアルコキシル、C1~C3アルケニルオキシから独立して選択される1~3個の置換基で任意選択により置換されているC1~C3アルキレン基から選択され;ここで、R13は、C末端カルボニル基またはR14Q2C(O)-を介して連結されている1~6員オリゴペプチジルであり;ここで、Q2は、結合、-O-または-NH-であり;R14は、N末端Nを介して連結されている1~6員オリゴペプチジルであるか、またはC1~C20アルキル、C1~C20アルキレニル、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択される任意選択により置換されている基であり、R14は、R15-Q3-Q4-Q5-であり;ここで、Q3、Q4およびQ5は、結合、アリール、5個から6個の環原子を含有するヘテロアリール、C3~C6シクロアルキル、ならびに4個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルから独立して選択され、Q3、Q4およびQ5のうちの少なくとも1つは、結合でなく;R15は、C1~C18アルキルおよびC1~C18アルコキシから選択される任意選択により置換されている基であり、ここで、R14およびR15の任意選択の置換基は、ハロゲン、-OH、-CO2H、C1~C4アルキルオキシカルボニル、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシC3~C6シクロアルキルおよびC3~C6シクロアルキルオキシから独立して選択される1~3個の置換基であり;
R1およびR2は、-ORaおよび-NRbRcからなる群から独立して選択され;R1およびR2の両方が-ORaである場合、Ra部分は、組み合わさることで、5員または6員の複素環式環を形成することができ、ここで、
5員または6員の複素環式環は、H、D、ハロゲン、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR3部分で置換されており、ここで、アリールまたは5員もしくは6員のヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1~C8アルキルからなる群から選択される0から3個のR3a置換基で置換されている;あるいは
2個のR3置換基が5員または6員の複素環式環の隣接する環頂点上にある場合、それらは、組み合わさることで、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR4部分で置換されている縮合フェニル環を形成することができ;
各Raは、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12ハロアルキル、-C(Ra1)(Ra2)C(O)ORa3、-C(Ra1)(Ra2)OC(O)Ra3、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、ならびに-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、5員または10員のヘテロアリールは、ハロゲン、C1~C8アルキルおよび-NO2からなる群から選択される0個から2個の置換基で置換されている。
L1は、O、S、CH2、CHF、CF2、OCH2、SCH2、OCHF、SCHF、OCF2またはSCF2から選択され;
L2は、O、S、CH2、NR、CH2、CH(OH)、CHFおよびCF2からなる群から選択され、ここで、Rは、Hであるか、またはハロ、-OH、=O、C1~C4アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから選択される0~3個の置換基で置換されているC1~C8アルキルであり;
Z1は、OおよびSから選択され;
W1は、-C(R10R11)-であり、ここで、R10およびR11は、H、D、-OH、ハロゲン、ならびにC1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4アルケニルオキシ、アラルキルオキシ、ならびにC末端C(O)O-およびR12CO2-を介して連結されている1~6員オリゴペプチジルから選択される任意選択により置換されている基から独立して選択され、ここで、R12は、C1~C20アルキル、C1~C20アルケニル、C1~C20アルコキシ、C1~C20アルケニルオキシ、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリール、ならびにN末端Nを介して連結されている1~6員オリゴペプチジルから選択され;ここで、R10およびR11の任意選択の置換基は、D、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される1~3個の置換基であり;
W2は、R13-Q1-W3-であり、ここで、Q1は、-O-または-NH-から選択され;W3は、結合、またはハロゲン、-OH、=O、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルキル、C1~C3ハロアルコキシル、C1~C3アルケニルオキシから独立して選択される1~3個の置換基で任意選択により置換されているC1~C3アルキレン基から選択され;ここで、R13は、C末端カルボニル基またはR14Q2C(O)-を介して連結されている1~6員オリゴペプチジルであり;ここで、Q2は、結合、-O-または-NH-であり;R14は、N末端Nを介して連結されている1~6員オリゴペプチジルであるか、またはC1~C20アルキル、C1~C20アルキレニル、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択される任意選択により置換されている基であり、R14は、R15-Q3-Q4-Q5-であり;ここで、Q3、Q4およびQ5は、結合、アリール、5個から6個の環原子を含有するヘテロアリール、C3~C6シクロアルキル、ならびに4個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルから独立して選択され、Q3、Q4およびQ5のうちの少なくとも1つは、結合でなく;R15は、C1~C18アルキルおよびC1~C18アルコキシから選択される任意選択により置換されている基であり、ここで、R14およびR15の任意選択の置換基は、ハロゲン、-OH、-CO2H、C1~C4アルキルオキシカルボニル、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシC3~C6シクロアルキルおよびC3~C6シクロアルキルオキシから独立して選択される1~3個の置換基であり;
R1およびR2は、-ORaおよび-NRbRcからなる群から独立して選択され;R1およびR2の両方が-ORaである場合、Ra部分は、組み合わさることで、5員または6員の複素環式環を形成することができ、ここで、
5員または6員の複素環式環は、H、D、ハロゲン、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR3部分で置換されており、ここで、アリールまたは5員もしくは6員のヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1~C8アルキルからなる群から選択される0から3個のR3a置換基で置換されている;あるいは
2個のR3置換基が5員または6員の複素環式環の隣接する環頂点上にある場合、それらは、組み合わさることで、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR4部分で置換されている縮合フェニル環を形成することができ;
各Raは、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12ハロアルキル、-C(Ra1)(Ra2)C(O)ORa3、-C(Ra1)(Ra2)OC(O)Ra3、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、ならびに-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、5員または10員のヘテロアリールは、ハロゲン、C1~C8アルキルおよび-NO2からなる群から選択される0個から2個の置換基で置換されている。
各RbおよびRcは、H、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリール、ならびに-C(Rb1)(Rb2)C(=O)ORb3からなる群から独立して選択され;
各Ra1、Ra2、Rb1およびRb2は、H、D、ならびにC1~C4アルキルC1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各Ra3およびRb3は、独立して、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
R5、R6およびR7は、-OH、ハロゲンおよびR12CO2-から独立して選択され、R5、R6およびR7のうちの少なくとも2つは、-OHまたはR12CO2であり、ここで、R12は、C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシル、C1~C8アルカノイルオキシル、C1~C8アルケニルオキシル、C1~C8アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択され;ここで、R5、R6およびR7の隣接基の任意の2つは、環化して、5個から9個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキルを形成することができ、各々は、D、CN、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される0~3個の置換基によって置換されている。
各Ra1、Ra2、Rb1およびRb2は、H、D、ならびにC1~C4アルキルC1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各Ra3およびRb3は、独立して、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
R5、R6およびR7は、-OH、ハロゲンおよびR12CO2-から独立して選択され、R5、R6およびR7のうちの少なくとも2つは、-OHまたはR12CO2であり、ここで、R12は、C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシル、C1~C8アルカノイルオキシル、C1~C8アルケニルオキシル、C1~C8アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択され;ここで、R5、R6およびR7の隣接基の任意の2つは、環化して、5個から9個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキルを形成することができ、各々は、D、CN、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される0~3個の置換基によって置換されている。
[70]一部の実施形態において、式Iの化合物は、式1a
によって表される化合物である。
[71]一部の実施形態において、式Iの化合物は、式Ib
[71]一部の実施形態において、式Iの化合物は、式Ib
によって表される化合物である。
[72]一部の実施形態において、式Iの化合物は、式Ic
[72]一部の実施形態において、式Iの化合物は、式Ic
によって表される化合物である。
[73]式Ia、IbおよびIcの化合物の一部の実施形態において、L2は、O、SおよびCH2からなる群から選択され;任意選択により、L1は、O、S、CH2、CHFおよびCF2からなる群から選択される、またはL1はOであり;さらに任意選択により、Z1はOである。
[73]式Ia、IbおよびIcの化合物の一部の実施形態において、L2は、O、SおよびCH2からなる群から選択され;任意選択により、L1は、O、S、CH2、CHFおよびCF2からなる群から選択される、またはL1はOであり;さらに任意選択により、Z1はOである。
[74]式Ia、IbおよびIcの化合物の一部の実施形態において、L2はOであり;任意選択により、L1は、O、S、CH2、CHFおよびCF2からなる群から選択される、またはL1はOであり;さらに任意選択により、Z1はOである。
[75]式I、Ia、IbおよびIcの化合物の一部の実施形態において、R1およびR2は各々-ORaであり、Ra部分は、組み合わさることで、5員または6員の複素環式環を形成することができ、ここで、
5員または6員の複素環式環は、H、D、ハロゲン、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR3部分で置換されており、ここで、アリールまたは5員もしくは6員のヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1~C8アルキルからなる群から選択される0から3個のR3a置換基で置換されている;あるいは
2個のR3置換基が5員または6員の複素環式環の隣接する環頂点上にある場合、それらは、組み合わさることで、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR4部分で置換されている縮合フェニル環を形成することができる。
5員または6員の複素環式環は、H、D、ハロゲン、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR3部分で置換されており、ここで、アリールまたは5員もしくは6員のヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1~C8アルキルからなる群から選択される0から3個のR3a置換基で置換されている;あるいは
2個のR3置換基が5員または6員の複素環式環の隣接する環頂点上にある場合、それらは、組み合わさることで、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR4部分で置換されている縮合フェニル環を形成することができる。
[76]一部の実施形態において、組み合わされたRa部分は、それらが付着されている酸素原子およびリン原子と一緒に、式iii
によって表される。
[77]式中、R8は、アリール、3員から6員のヘテロシクロアルキル、および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、3員から6員のヘテロシクロアルキルおよび5員から10員のヘテロアリールは各々、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有し、波線は、分子の残りへの付着点を示す。
[77]式中、R8は、アリール、3員から6員のヘテロシクロアルキル、および5員または6員のヘテロアリールからなる群から選択され、ここで、3員から6員のヘテロシクロアルキルおよび5員から10員のヘテロアリールは各々、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有し、波線は、分子の残りへの付着点を示す。
[78]一部の実施形態において、組み合わされたRa部分は、それらが付着されている酸素原子およびリン原子と一緒に、式ii
によって表され、
式中、R3は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各R4は、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから独立して選択され;
添字nは、1から3の整数であり;波線は、分子の残りへの付着点を示す。
式中、R3は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各R4は、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから独立して選択され;
添字nは、1から3の整数であり;波線は、分子の残りへの付着点を示す。
[79]式I、Ia、IbおよびIcの化合物の一部の実施形態において、R1およびR2は、-ORa、-NRbRcからなる群から選択される。
[80]R1およびR2が-ORa、-NRbRcからなる群から選択される式I、Ia、IbおよびIcの化合物の一部の実施形態において、R1およびR2は、それらが付着されているホスフェートと組み合わされて、式i
[80]R1およびR2が-ORa、-NRbRcからなる群から選択される式I、Ia、IbおよびIcの化合物の一部の実施形態において、R1およびR2は、それらが付着されているホスフェートと組み合わされて、式i
によって表され、
式中、各Ra4は、各々独立して、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから選択され、波線は、分子の残りへの付着点を示す。
式中、各Ra4は、各々独立して、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから選択され、波線は、分子の残りへの付着点を示す。
[81]R1およびR2が-ORa、-NRbRcからなる群から選択される式I、Ia、IbおよびIcの化合物の一部の実施形態において、R1およびR2は、それらが付着されているホスフェートと組み合わされて、式iv
によって表され、
式中、Rb4およびRb5は、任意選択により独立して、HまたはD、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル(heterocyclyoalkyll)、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Ra5は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Raは、H、D、アリール、または環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3個から6個の環員ヘテロシクロアルキル、-C1~C4アルキレン-アリール、ならびに-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し;波線は、分子の残りへの付着点を示す。
式中、Rb4およびRb5は、任意選択により独立して、HまたはD、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル(heterocyclyoalkyll)、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Ra5は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Raは、H、D、アリール、または環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3個から6個の環員ヘテロシクロアルキル、-C1~C4アルキレン-アリール、ならびに-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し;波線は、分子の残りへの付着点を示す。
[82]R1およびR2が-ORa、-NRbRcからなる群から選択される式I、Ia、IbおよびIcの化合物の一部の実施形態において、R1およびR2は、それらが付着されているホスフェートと組み合わされて、式v
によって表され、
式中、Rb6は、H、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
X1は、C3~5アルキレンであり;
Raは、H、D、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3個から6個の環員ヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、ならびに-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し;波線は、分子の残りへの付着点を示す。
式中、Rb6は、H、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
X1は、C3~5アルキレンであり;
Raは、H、D、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3個から6個の環員ヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、ならびに-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し;波線は、分子の残りへの付着点を示す。
[83]R1およびR2が-ORa、-NRbRcからなる群から選択される式I、Ia、IbおよびIcの化合物の一部の実施形態において、該化合物は、式Id
によって表され、
式中、各Raは、フェニルである。
[84]R5、R6およびR7が-OH、ハロゲンおよびR12CO2-から独立して選択される式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物の一部の実施形態において、R5、R6およびR7のうちの少なくとも2つは、-OHまたはR12CO2である。
式中、各Raは、フェニルである。
[84]R5、R6およびR7が-OH、ハロゲンおよびR12CO2-から独立して選択される式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物の一部の実施形態において、R5、R6およびR7のうちの少なくとも2つは、-OHまたはR12CO2である。
[85]一部の実施形態において、式I、Ia、Ib、IcまたはIdの化合物は、表1から選択される化合物、またはその立体異性体、安定同位体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩である。
[86]一部の実施形態において、式Iの化合物は、この出願の実施例に記載されている化合物である。
[87]本開示は、式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物を含む医薬組成物も提供する。
[87]本開示は、式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物を含む医薬組成物も提供する。
[88]本開示の化合物は、スキームI、IIおよびIIIに記載されている一般的プロセス、同様に例証的な実施形態に記載されている技法を使用して調製することができる。
[89]実施形態において、本開示は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体の形態におけるALPK1アゴニストを提供する。
[89]実施形態において、本開示は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体の形態におけるALPK1アゴニストを提供する。
[90]実施形態において、本開示は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を投与することによってがんを処置する方法を提供する。がんを処置する方法のさらなる実施形態において、本開示は、抗PD-1/PD-L1抗体などのチェックポイント阻害剤、および抗OX40(CD134)アゴニスト抗体などの免疫共刺激性分子のアゴニストから選択される免疫チェックポイントモジュレーターとの組合せで、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を投与することを含む組合せ治療を提供する。いかなる特定の理論によって結びつけられることなく、本発明者らは、本明細書に記載されているH1b-ADPおよびそれの誘導体が、腫瘍浸潤性抗原提示細胞(APC)の抗原提示機能ならびに腫瘍特異的T細胞増殖および分化を促進することができることを提案する。加えて、これらの分子は、腫瘍細胞におけるPD-L1発現を増加させることによって、腫瘍への腫瘍特異的CD8+T細胞の動員を高めることもできる。
[91]実施形態において、本開示は、対象における免疫応答をモジュレートする方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む組成物を対象に投与することを含む。
[92]実施形態において、本開示は、対象における標的抗原に対する免疫応答を増強する方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む組成物を対象に投与することを含む。実施形態において、標的抗原は、細菌性抗原、ウイルス抗原または寄生生物の抗原など、感染病原体の抗原であってよい。実施形態において、抗原は腫瘍抗原である。これらの実施形態のいずれかに従って、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体は、感染病原体によって引き起こされる疾患もしくは障害の処置もしくは防止のための、またはがんの処置のための、または例えば、アルツハイマー病を含めてワクチン組成物で処置することができる別の疾患または障害の処置のためのワクチン組成物に対するアジュバントとして働くことができる。実施形態において、抗原は、アルツハイマー病の処置におけるアミロイドタンパク質から選択される。実施形態において、抗原は、がんの処置における糖タンパク質100(gp100)、ムチン1(MUC1)および黒色腫関連抗原3(MAGEA3)から選択される。実施形態において、がんは、乳がん、卵巣がんまたは前立腺がんから選択される。実施形態において、がんは、HTLV-1 Tリンパ球向性白血病である。
[93]実施形態において、がんは黒色腫であり、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体は、タリモジーン・ラハーパレプベック(T-VEC)を用いる処置に対するアジュバントとして働くことができるか、またはT-VECとの組合せ治療レジメンにおいて使用することができる。
[94]感染性疾患の処置または防止のための実施形態において、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体は、炭疽、カリエス、シャーガス病、デング熱、ジフテリア、エーリキア症、A型もしくはB型肝炎、ヘルペス、季節性インフルエンザ、日本脳炎、ハンセン病、ライム病、マラリア、麻疹、ムンプス、髄膜炎および敗血症を含めた髄膜炎菌性疾患、オンコセルカ症河川盲目症、百日咳(pertussis)(百日咳(whooping cough))、肺炎球菌性疾患、ポリオ、狂犬病、風疹、住血吸虫症、重症急性呼吸症候群(SARS)、帯状疱疹、天然痘、梅毒、破傷風、結核、野兎病、ダニ媒介性脳炎ウイルス、腸チフス、トリパノソーマ症、黄熱病、および内蔵リーシュマニア症の処置または防止のためのワクチン組成物に対するアジュバントとして働くことができる。
[95]感染性疾患の処置または防止のための実施形態において、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体は、アデノウイルス、コクサッキーBウイルス、サイトメガロウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、エボラウイルス、エンテロウイルス71、エプスタイン-バーウイルス、ヘモフィルスインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型(Hib)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、鉤虫、マールブルグウイルス、ノロウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ロタウイルス、チフス菌(Salmonella typhi)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、A群溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)、水痘、ウエストナイルウイルス、ペスト菌(Yersinia pestis)、およびジカウイルスによって引き起こされる疾患または障害の処置または防止のためのワクチン組成物に対するアジュバントとして働くことができる。
[96]前述の実施形態のいずれかに従って、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含むワクチン組成物またはアジュバントを投与することを含むことができる。
[97]実施形態において、本開示は、対象の細胞におけるNFkB、p38、およびJNK細胞シグナリング経路の活性化による処置に適している疾患または障害を処置する方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を対象に投与することを含む。実施形態において、疾患または障害は、より詳細に下記で記載されている通りの細菌性、ウイルス性または寄生生物性感染によって引き起こされるとともに、例えば、C型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)およびヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる疾患および障害を含める。実施形態において、疾患または障害は、結核、髄膜炎、肺炎、潰瘍およびセプシスから選択される。実施形態において、疾患または障害は、鼻炎、喘息、アレルギー、COPD、炎症性腸疾患、関節炎、肥満、放射線誘発性炎症、乾癬、アトピー性皮膚炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルツハイマー病、全身性ループス、エリテマトーデス(SLE)、自己免疫性甲状腺炎(グレーブス病)、多発性硬化症、強直性脊椎炎および水疱性疾患から選択される。実施形態において、疾患または障害は、光線性角化症、潰瘍性大腸炎、クローン病および円形脱毛症から選択される。
[98]実施形態において、本開示は、それを必要とする対象における細菌性、ウイルス性または寄生生物性感染を処置または防止する方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ類似体および誘導体を含む組成物を対象に投与することを含む。
[99]実施形態において、該方法は、細菌性感染を処置または防止する方法である。実施形態において、細菌性感染は、グラム陰性またはグラム陽性細菌によって引き起こされる。実施形態において、細菌は、Acinetobacter baumanii、Aggregatobacter actinomycetemcomitans、Bartonella bacilliformis、Bartonella henselae、Bartonella quintana、Bifidobacterium Borrelia、 Bortadella pertussis、Brucella sp、Burkholderia cepacis、Burkholderia pseudomallei、Campylobacter jejuni、Cardiobacterium hominis、Campylobacter fetus、Chlamydia pneumonia、Chlymydia trachomatis、Clostridium difficile、シアノバクテリア、Eikennella corrodens、Enterobacter、Enterococcus faccium、大腸菌、大腸菌0157、Franceilla tularensis、Fusobacterium nucleatum、Haemophilus influenza、Haemophilus aphrophilus、Haemophilus ducreyi、Haemophilus parainfluenzae、Helicobacter pylori、Kingella kingae、Klebsiella pneumonia、Legionella bacteria、Legionella pneumophila serogroup 1、 Leptospria、Morganella morganii、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Proteus mirabilis、Proteus vulgaris、 Proteus myxofaciens、Providencia rettgeri、Providencia alcalifaciens、Providencia stuartii、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas paucimobilis、Pseudomonas putida、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas acidovorans、Rickettsiae、Salmonella enterica、Salmonella typhi、Salmonella paratyphi A型、Bチフス、Salmonella dublin、Salmonella arizonae、Salmonella choleraesuis、Serratia marcescens、Schigella dysenteriae、Schigella flexneri、Schigella boydii、Schigella sonnei、Treponema、Stenotrophomonas maltophilia、Vibrio cholerae、Vibrio mimicus、Vibrio alginolyticus、Vibrio hollisae、Vibrio parahaemolyticus、Vibrio vulnificusおよびYersinia pestitisからなる群から選択されるグラム陰性細菌である。
[100]実施形態において、細菌は、Actinomycetes、Bacillus anthracis、Bacillus subtilis、Clostridium tetani、Clostridium perfingens、Clostridium botulinum、Clostridium tetani. Corynebacterium diphtheriae、Enterococcus faecalis、Enterococcus faecium、Erysipelothrix ruhsiopathiae、Listeria monocytogenes、Mycobacterium leprae、Mycobacterium tuberculosis、Mycoplasma、Nocardia、Propionibacerium、Pseudomonas aeruginosa、Pneumococci、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、メチシリン抵抗性Staphylococcus aureus(MRSA)、バンコマイシ抵抗性Staphylococcus aureus (VRSA)、Staphylococcus lugdunensis、Staphylococcus saprophyticus、 Streptococcus pneumonia、Streptococcus pyogenes、およびStreptococcus突然変異体からなる群から選択されるグラム陽性細菌である。
[101]実施形態において、該方法は、ウイルス感染を処置または防止する方法である。実施形態において、ウイルス感染は、アデノ随伴ウイルス、アイチウイルス、アルファウイルス、アレナウイルス、アルボウイルス(Arobovirus)、オーストラリアコウモリリッサウイルス、BKポリオーマウイルス、バンナウイルス、ビルナウイルス、ボルナウイルス、ブニヤムウェラウイルス、ブニヤウイルスラクロス、ブニヤウイルスカンジキウサギ、カリシウイルス(Valicivirus)、オナガザルヘルペスウイルス、チャンディプラウイルス、チクングンヤ熱(Chikugunya)ウイルス、コサウイルスA、牛痘(Coxpox)ウイルス、コクサツキーウイルス、クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、デングウイルス、ドーリウイルス、ジュグベ(Dugbe)ウイルス、ドゥベンヘイジ(Devenhage)ウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、エボラウイルス、エコーウイルス、脳心筋炎ウイルス、エプスタイン-バーウイルス、ヨーロッパコウモリリッサウイルス、フラビウイルス、GBウイルス/G型肝炎ウイルス、ハンタンウイルス、ヘンドラウイルス、ヘパドナウイルス、A型肝炎ウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、デルタ肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス、馬痘ウイルス、ヒトアデノウイルス、ヒトアストロウイルス、ヒトコロナウイルス、ヒトサイトメガロウイルス、ヒトエンテロウイルス68,70、ヒトヘルペスウイルス1、ヒトヘルペスウイルス2、ヒトヘルペスウイルス6、ヒトヘルペスウイルス7、ヒトヘルペスウイルス8、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV-6、HPV-11)、ヒトスプーマレトロウイルス、ヒトT細胞白血病ウイルス、ヒトトロウイルス、インフルエンザ(Infleunza)Aウイルス、インフルエンザ(Infleunza)Bウイルス、インフルエンザCウイルス、イスファハン(Isfaha)ウイルス、JCポリオーマウイルス、日本脳炎ウイルス、フニンアレナウイルス、カポジ肉腫(HHV-8)、KIポリオーマウイルス、クンジンウイルス、ラゴスコウモリウイルス、ビクトリア湖マールブルグウイルス(Lake Vitoria marbugvirus)、ランガットウイルス、ラッサウイルス、LMCウイルス、ローズデール(Lordsdale)ウイルス、跳躍病ウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、マチュポウイルス、マーマス森林ウイルス(Marmath forest virus)、マヤロウイルス、MERSコロナウイルス、麻疹ウイルス、メンゴ脳心筋炎(encephalomycarditis)ウイルス、メルケル細胞ポリオーマウイルス、伝染性軟属腫(mlluscum)、パルボウイルスB19、モコラウイルス、ムンプスウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、ニューヨークウイルス、ニパウイルス、ノーウォークウイルス、オニョンニョンウイルス、オルフウイルス、オロプーシェウイルス、オルソミクソウイルス、パラインフルエンザウイルス、パラミクソウイルス(paramyxovaris)、パルボウイルス、ピチンデウイルス、ピコルナウイルス(picomavirus)、ポリオウイルス、ポリオーマウイルス、ポックスウイルス、プンタトロウイルス(Puntatorophleboviris)、プーマラウイルス、ラブドウイルス、狂犬病ウイルス、レオウイルス、ライノウイルス、呼吸器合胞体ウイルス、リフトバレー熱ウイルス、ロサウイルスA、ロスリバーウイルス、ロタウイルスA、ロタウイルスB、ロタウイルスC、風疹ウイルス、サギヤマウイルス、サリウイルスA、サシチョウバエ熱シチリアウイルス、サッポロウイルス、セムリキ森林ウイルス、ソウルウイルス、サル泡沫状ウイルス、サルウイルス5、シンドビスウイルス、サウサンプトンウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、ダニ媒介ポワッサンウイルス、トガウイルス,トルクウイルス、トスカーナウイルス、ウークニエミウイルス、ワクシニア(Vaccina)ウイルス、水痘-帯状疱疹ウイルス、痘瘡ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、水疱性口内炎(stomatitits)ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、UUポリオーマウイルス、ウエストナイルウイルス、ヤバサル腫瘍ウイルス、ヤバ様疾患ウイルス、黄熱病ウイルス、およびジカウイルスからなる群から選択されるウイルスによって引き起こされる。
[102]実施形態において、該方法は、寄生生物性感染を処置または防止する方法である。実施形態において、寄生生物性感染は、Acanthamoeba spp、American tryppanosomiasis、Balamuthia mandnillanis、Babesia divergenes、Babesia bigemina、Babesia equi、Babesia microfti、Babesia duncani、Balantidium coli、Blastocystis spp Cryptosporidium spp、Cyclospora cayetanensis、dientamoeba fragilis、Diphyllobothrium latum、Leishmania amazonesis、Naegleria fowderi、Plasmodium falciparum、Plasmodium vivax、 Plasmodium ovale curtisi、Plasmodium malariae、Rhinosporidium seeberi、Sarcocystis bovihominis、Sarcocystiss suihominis、Toxoplasma gondii、Trichmonas vaginalis、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruziおよびTaenia multicepsからなる群から選択される寄生生物によって引き起こされる。
[103]実施形態において、本開示は、対象におけるがんを処置する方法を提供し、該方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む組成物を対象に投与することを含む。実施形態において、がんは、軟組織肉腫、乳がん、頭頸部がん、黒色腫、子宮頸がん、膀胱がん、血液悪性腫瘍、神経膠芽腫、膵臓がん、前立腺がん、結腸がん、乳がん、腎がん、肺がん、メルケル細胞癌腫、小腸がん、甲状腺がん、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、胃がん、胃腸ストロマ腫瘍、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、肝臓がん、白血病、リンパ腫、T細胞リンパ腫から選択される。
[104]ここに記載されている方法のいずれかの実施形態において、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体は、例えば、ワクチンまたはワクチンアジュバントとの組合せにおけるのを含めて1種または複数の追加の治療剤または免疫モジュレーターとの組合せにおいて投与することができる。実施形態において、1種または複数の追加の治療剤は、例えば、プログラム細胞死1(PD-1)受容体(CD279)、PD-1のリガンド(例えば、PD-L1)、細胞毒性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9(代替としてTNFRSF9、4-1BB)および4-1BBリガンド、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4(代替としてTNFRSF4、OX40)およびOX40リガンド、グルココルチコイド誘発TNFR関連タンパク質(GITR)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー7(代替としてTNFRSF7、分化27のクラスター、CD27)、TNFRSF25およびTNF様リガンド1A(TL1A)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー5(代替としてTNFRSF5、CD40)およびCD40リガンド、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)-腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー14(代替としてTNFSF14、LIGHT)-リンホトキシンアルファ(LTA)、ヘルペスウイルス侵入メディエーター-(HVEM)-BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)-CD160(代替としてTNFSF14)、リンパ球活性化性遺伝子3(LAG3)、T細胞免疫グロブリンおよびムチン-ドメイン含有3(TIM3)、シアル酸結合性免疫グロブリン様レクチン(SIGLEC)、誘発性T細胞共刺激分子(ICOS)およびICOSリガンド、B7-H3(B7ファミリー、代替としてCD276)、V-セットドメイン-含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、代替としてB7-H4)、T細胞活性化のV型免疫グロブリンドメイン含有抑制剤(VISTA)、ヒト内因性レトロウイルスH末端反復配列関連性タンパク質2(HHLA2)膜貫通および免疫グロブリンドメイン含有2(TMIGD2)、ブチロフィリン、ナチュラルキラー細胞受容体2B4(代替としてNKR2B4、CD244)およびB細胞膜タンパク質(CD48)、免疫グロブリン(Ig)および免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフドメイン(TIGIT)およびポリオウイルス受容体(PVR)ファミリーメンバーとのT細胞免疫受容体、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、免疫グロブリン様転写物(ILT)および白血球免疫グロブリン様受容体(LIR)、ナチュラルキラー群タンパク質2メンバーD(NKG2D)およびナチュラルキラー群タンパク質2メンバーA(NKG2A)、主要な組織適合性複合体(MHC)クラスIポリペプチド関連配列A(MICA)およびMHCクラスIポリペプチド関連配列B(MICB)、ナチュラルキラー細胞受容体2B4(CD244)、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、形質転換成長因子ベータ(TGFβ)、アデノシン-エクト-ヌクレオチダーゼ三リン酸ジホスホヒドロラーゼ1(CD39)-5’-ヌクレオチダーゼ(CD73)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)およびC-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12)、ホスファチジルセリン、シグナル調節タンパク質アルファ(SIRPA)およびインテグリン関連タンパク質(CD47)、血管内皮成長因子(VEGF)、およびニューロピリンを含めて、免疫チェックポイント分子の阻害剤またはアンタゴニストまたはそれに対するワクチンである。
[105]ここに記載されている方法のいずれかの実施形態において、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体は、抗OX40(CD134)アゴニスト抗体など、チェックポイント阻害剤または免疫共刺激性分子のアゴニストとの組合せにおいて投与することができる。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗PD1抗体または抗PD-L1抗体などのPD-1/PD-L1阻害剤であり、ALPK1アゴニストは、H1b-ADP-6LおよびH1b-ADP、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体から選択される。
[106]実施形態において、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体は、1種または複数の免疫モジュレーターとの組合せにおいて投与することができる。実施形態において、免疫モジュレーターは、ワクチンであってよい。実施形態において、ワクチンは、上に記載されている通りの感染病原体に対するワクチンである。実施形態において、ワクチンは、がんワクチンである。実施形態において、がんワクチンは、糖タンパク質100(gp100)、ムチン1(MUC1)、および黒色腫関連抗原3(MAGEA3)から選択される腫瘍抗原を標的化する。
[107]実施形態において、1種または複数の免疫モジュレーターは、組換えタンパク質、例えば、顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターロイキン7(IL-7)、IL-12、IL-15、IL-18またはIL-21であってよい。
[108]がんの処置の実施形態において、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体は、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞治療などのT細胞治療との組合せにおいて投与することができる。
[109]がんを処置するための方法の実施形態において、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物、ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体は、PD-1/PD-L1阻害剤または免疫共刺激性分子のアゴニスト、例えば抗OX40(CD134)アゴニスト抗体との組合せにおいて投与することができる。実施形態において、がんは、進行性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞癌腫、膀胱がん、肝臓がん、胃がん、結腸がん、乳がん、非ホジキンリンパ腫、前立腺がん、頭頸部がん、甲状腺がん、脳がん、急性骨髄球性白血病(AML)、メルケル細胞癌腫、多発性骨髄腫、子宮頸がんおよび肉腫から選択され、該方法は、PD-1/PD-L1阻害剤または免疫共刺激性分子のアゴニストを対象に投与することをさらに含む。
[110]免疫応答をモジュレートするためのまたは細菌性、ウイルス性もしくは寄生生物性感染を処置もしくは防止するための方法の実施形態において、1種または複数の追加の治療剤は、免疫モジュレーター、例えば、免疫チェックポイント分子の阻害剤またはアンタゴニストであってよい。こうした分子は、一般に、免疫系の鍵となる調節因子として、例えば、免疫応答の共刺激剤として作用する。
[111]実施形態において、本開示は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含むワクチン組成物またはワクチンアジュバントも提供する。ここに記載されているワクチン組成物は、1種または複数のアジュバントをさらに含むことができる。
[112]実施形態において、本開示は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体を含む医薬組成物も提供する。
[113]ここに記載されている方法の文脈において、「処置すること」という用語は、処置されている疾患、障害または状態と関連した1つまたは複数の症状の改善または安定化を指すことができる。「処置すること」という用語は、疾患、障害または状態の管理を包含することもでき、対象が治療から引き出すが根底にある疾患、障害または状態の治癒をもたらすわけでない有益な効果を指す。本開示の文脈において、「防止」という用語は、疾患、障害または状態の1つまたは複数の症状の再発、発達、進行または発症を防止することを指す。
[114]治療有効量の化合物または組成物が対象に投与される実施形態において、治療有効量は、所望の治療転帰、例えば処置されている疾患、障害もしくは状態1つもしくは複数の症状の改善もしくは安定化を達成するのに十分な量、または防止の文脈において、疾患、障害もしくは状態の1つもしくは複数の症状の再発、発達、進行もしくは発症の防止を達成するのに十分な量である。
[115]実施形態において、治療有効量は、標準的治療と比較して少なくとも同等の治療効果を達成するために必要とされる量である。標準的治療の例は、同じ疾患、障害または状態を処置するために示されているFDA承認薬物である。
[116]ここに記載されている方法のいずれかの文脈において、対象は、好ましくはヒトであるが、非ヒト脊椎動物であってよい。他の実施形態において、非ヒト脊椎動物は、例えば、イヌ、ネコ、げっ歯類(例えば、マウス、ラット、ウサギ)、ウマ、雌ウシ、ヒツジ、ヤギ、ニワトリ、アヒル、または任意の他の非ヒト脊椎動物であり得る。
[117]実施形態において、ヒト対象は、成人のヒト、小児科のヒトまたは老齢期のヒトから選択され、それらの用語は、医療実務者によって理解されている通り、例えば、米国食品医薬品局によって定義されている通りである。
[118]実施形態において、本開示は、ALPK1アゴニストを含む組成物、またはALPK1をコード化するポリヌクレオチドを含む組成物、またはALPK1タンパク質、および1種または複数の賦形剤または担体、好ましくは薬学的に許容される賦形剤または担体を含む組成物を提供する。本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」という成句は、健全な医学的判断の範疇内で、ヒトおよび動物の組織との接触における使用に適当であり、過度の毒性、刺激性、アレルギー応答、または他の問題もしくは合併症なく、妥当な利益/リスク比に相応するような化合物、材料、組成物、担体および/または剤形を指す。薬学的組成物を調製するための賦形剤は、一般に、ヒトまたは動物の体に投与された場合に安全および非毒性であることが知られているものである。薬学的に許容される賦形剤の例としては、限定せずに、滅菌液体、水、緩衝生理食塩水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、油、界面活性剤、懸濁化剤、炭水化物(例えば、グルコース、ラクトース、スクロースまたはデキストラン)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸またはグルタチオン)、キレート化剤、低分子量タンパク質、および前述のいずれかの適当な混合物が挙げられる。組成物において利用される特別な賦形剤は、製剤化される化合物の化学的安定性および可溶性、ならびに意図される投与経路を含めて、様々な因子に依存する。
[119]薬学的組成物は、バルクまたは単位剤形において提供することができる。投与の簡便さおよび投与量の均一性のための単位剤形に薬学的組成物を製剤化することが、殊に有利である。「単位剤形」という用語は、処置されるべき対象のための単位投与量として適当である物理的に個別の単位を指し;各単位は、必要とされる薬学的担体と併せて所望の治療効果を生成するために算出された活性化合物の所定の定量を含有する。単位剤形は、アンプル、バイアル、坐剤、糖衣錠、錠剤、カプセル、IVバッグ、またはエアロゾル吸入器上の単一ポンプであってよい。
[120]治療用途において、用量は、活性化合物の化学的および物理的な特性、同様に、例えば、年齢、重量および併存症を含めて、対象の臨床的特徴に依存して変動することができる。一般に、用量は、治療有効量であるべきである。薬学的組成物の有効量は、臨床医または他の資格のある観察者によって認められる通りの、客観的に同定できる改善を提供するものである。例えば、障害、疾患または状態の症状を軽減すること。
[121]薬学的組成物は、任意の所望の経路(例えば、肺、吸入、鼻腔内、経口、頬側、舌下、非経口、皮下、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸膜内、くも膜下腔内、経皮、経粘膜、直腸など)による投与のための任意の適当な形態(例えば、液体、エアロゾル、溶液、吸入薬、ミスト、スプレー;または固体、粉末、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、パッチなど)をとることができる。実施形態において、薬学的組成物は、以下に限定されないが、カプセル、錠剤、バッカル形態、トローチ、ロゼンジ、およびエマルジョン、水性懸濁液、分散体または溶液の形態における経口液体を含めて、経口的に許容される剤形の形態である。カプセルは、デンプン(例えば、コーン、ジャガイモまたはタピオカデンプン)、糖、人工甘味剤、粉末化セルロース、例えば結晶性および微結晶性セルロース、粉、ゼラチン、ガムなどを含めて、不活性充填剤および/または希釈剤などの賦形剤を含有することができる。経口使用のための錠剤の場合において、共通して使用される担体としては、ラクトースおよびコーンスターチが挙げられる。ステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤も添加することができる。
[122]実施形態において、薬学的組成物は、錠剤の形態である。錠剤は、不活性希釈剤または担体、例えば糖または糖アルコール、例えば、ラクトース、スクロース、ソルビトールまたはマンニトールと一緒に、ここに記載されている化合物の単位用量を含むことができる。錠剤は、非糖誘導希釈液、例えば炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、またはセルロースもしくはその誘導体、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびデンプン、例えばコーンスターチをさらに含むことができる。錠剤は、結合剤および顆粒化剤、例えばポリビニルピロリドン、崩壊剤(例えば、架橋カルボキシメチルセルロースなどの膨張可能な架橋ポリマー)、潤滑剤(例えば、ステアレート)、保存料(例えば、パラベン)、抗酸化剤(例えば、ブチルヒドロキシトルエン)、緩衝剤(例えば、リン酸またはクエン酸緩衝液)、および発泡剤、例えばシトレート/ビカーボネート混合物をさらに含むことができる。錠剤は、コーティング錠剤であり得る。コーティングは、保護フィルムコーティング(例えば、ワックスまたはワニス)、または活性化合物の放出、例えば、遅延放出(経口摂取に続く所定の時間差後の活性物の放出)もしくは胃腸管における特別な位置での放出を制御するように設計されたコーティングであってよい。後者は、例えば、商標名Eudragit(登録商標)の下で販売されているものなどの腸溶性フィルムコーティングを使用して達成することができる。
[123]錠剤製剤は、従来の圧縮、湿式顆粒化または乾式顆粒化方法によって作製するとともに薬学的に許容される希釈液、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、表面改質剤(界面活性剤を含める)、懸濁化剤または安定化剤を利用することができ、以下に限定されないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム、微結晶性セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、アルギン酸、アカシアガム、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム、複合シリケート、炭酸カルシウム、グリシン、デキストリン、スクロース、ソルビトール、第二リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、タルク、乾燥デンプンおよび粉糖が挙げられる。好ましい表面改質剤としては、非イオン性およびアニオン性表面改質剤が挙げられる。表面改質剤の代表例としては、以下に限定されないが、ポロキサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、およびトリエタノールアミンが挙げられる。
[124]実施形態において、薬学的組成物は、硬または軟ゼラチンカプセルの形態である。この製剤に従って、本発明の化合物は、固体、半固体または液状形態であってよい。
[125]実施形態において、薬学的組成物は、非経口投与に適当な滅菌水溶液または分散体の形態である。非経口という用語は、本明細書で使用される場合、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、病巣内および頭蓋内の注射または注入技法を含む。
[125]実施形態において、薬学的組成物は、非経口投与に適当な滅菌水溶液または分散体の形態である。非経口という用語は、本明細書で使用される場合、皮下、皮内、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、滑膜内、胸骨内、くも膜下腔内、病巣内および頭蓋内の注射または注入技法を含む。
[126]実施形態において、薬学的組成物は、直接注射によるまたは静脈内注入のための滅菌の注入流体への添加によるのいずれかでの投与に適当な滅菌水溶液または分散体の形態であり、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、その適当な混合物、または1種もしくは複数の植物油を含有する溶媒または分散媒を含む。溶液または懸濁液は、共溶媒または界面活性剤の助剤とともに水中で調製することができる。適当な界面活性剤の例としては、ポリエチレングリコール(PEG)脂肪酸およびPEG脂肪酸モノおよびジエステル、PEGグリセロールエステル、アルコール-油エステル交換生成物、ポリグリセリル脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステロールおよびステロール誘導体、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖およびそれの誘導体、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン(POE-POP)ブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、イオン性界面活性剤、脂肪可溶性ビタミンおよびそれらの塩、水溶性ビタミンおよびそれらの両親媒性誘導体、アミノ酸およびそれらの塩、ならびに有機酸およびそれらのエステルおよび無水物が挙げられる。分散体は、例えば、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、および油中のその混合物中で調製することもできる。
[127]実施形態において、ここに記載されている化合物または組成物は、単独治療または補助治療として投与することができる。実施形態において、ここに記載されている化合物または組成物は、単独で、または1種もしくは複数の追加の治療剤(即ち、追加のAPI)もしくは治療との組合せで、例えば、食療法およびエクササイズの態様を含む例えば治療的レジメンの一部として投与することができる。実施形態において、ここに記載されている方法は、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体の投与を、一次治療として含む。他の実施形態において、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体の投与は、補助治療である。いずれかの場合において、本発明の方法は、1種または複数の追加の治療剤および/またはここに記載されている通りの疾患、障害もしくは状態の処置もしくは防止ための治療との組合せにおける、本明細書に記載されている式I、Ia、Ib、IcおよびIdの化合物ならびにそのプロドラッグ、類似体および誘導体の投与を企図する。「治療(単数)」および「治療(複数)」という用語は、疾患、障害または状態、その1つもしくは複数の症状の防止、処置、管理または改善に使用することができる任意の方法、プロトコールおよび/または薬剤を指す。
[128]本開示は、ここに記載されている方法における使用のための医薬組成物を含むパッケージングおよびキットも提供する。キットは、瓶、バイアル、アンプル、ブリスターパックおよびシリンジからなる群から選択される1つまたは複数の容器を含むことができる。キットは、使用のための指示の1つもしくは複数、1つもしくは複数のシリンジ、1つもしくは複数のアプリケーター、またはここに記載されている化合物もしくは組成物を再構築するのに適当な滅菌溶液をさらに含むことができる。
式Iの化合物の調製および例証的な化合物
I型:カルボニルオキシメチル
[129]カルボニルオキシメチルは、ホスフェート保護基のクラスである。一部の実施形態において、カルボニルオキシメチル保護基は、一般式i
式Iの化合物の調製および例証的な化合物
I型:カルボニルオキシメチル
[129]カルボニルオキシメチルは、ホスフェート保護基のクラスである。一部の実施形態において、カルボニルオキシメチル保護基は、一般式i
を有する。
[130]式中、各Ra4は、各々独立して、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから選択され、波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、各Ra4は、独立して、C1~8アルキルまたはC1~8アルコキシである。
[130]式中、各Ra4は、各々独立して、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから選択され、波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、各Ra4は、独立して、C1~8アルキルまたはC1~8アルコキシである。
[131]いかなる特別な理論に結び付けられることなく、カルボニルオキシメチル部分によって保護されたホスフェート基は、下記のスキームIに記載されている一連の化学変換を介してインビボで脱保護されると思われる。
スキームI
スキームI
[132]一部の実施形態において、HMPのプロドラッグは、式(Ia-1a)および(Ia-1b)
を有し、
式中、各Ra4は、独立して、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールである。一部の実施形態において、各Ra4は、独立して、C1~8アルキルまたはC1~8アルコキシである。
式中、各Ra4は、独立して、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールである。一部の実施形態において、各Ra4は、独立して、C1~8アルキルまたはC1~8アルコキシである。
[133]HMPのカルボニルオキシメチルプロドラッグは、Hwang、Y.およびCole、P.A.Organic Letters 2004、6、1555に記載されている方法を使用して調製することができる。
II型:シクロサリゲニル(cycloSal)
[134]シクロサリゲニル(cycloSal)は、ホスフェート保護基のクラスである。一部の実施形態において、cycloSal保護基は、一般式ii
II型:シクロサリゲニル(cycloSal)
[134]シクロサリゲニル(cycloSal)は、ホスフェート保護基のクラスである。一部の実施形態において、cycloSal保護基は、一般式ii
を有し、
式中、R3は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各R4は、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから独立して選択され;
添字nは、1から3の整数であり;
波線は、分子の残りへの付着点を示す。
式中、R3は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各R4は、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから独立して選択され;
添字nは、1から3の整数であり;
波線は、分子の残りへの付着点を示す。
[135]一部の実施形態において、R3は、HまたはC1~8アルキルである。一部の実施形態において、R4はC1~8アルキルである。一部の実施形態において、添字nは1である。
[136]いかなる特別な理論に結び付けられることなく、1つまたは複数のcycloSal部分によって保護されたホスフェート基は、下記のスキームIIに記載されている経路を介してインビボで脱保護されると思われる。
スキームII
スキームII
[137]一部の実施形態において、HMPのプロドラッグは、式Ia-2
を有し、
式中、R3は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各R4は、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから独立して選択され;
添字nは、1から3の整数であり;
波線は、分子の残りへの付着点を示す。
式中、R3は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各R4は、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから独立して選択され;
添字nは、1から3の整数であり;
波線は、分子の残りへの付着点を示す。
[138]一部の実施形態において、R3は、HまたはC1~8アルキルである。一部の実施形態において、R4はC1~8アルキルである。一部の実施形態において、添字nは1である。
[139]HMPのCycloSalプロドラッグは、Spacilova、P.ら、Chem.Med.Chem 2010、5、1386に記載されている方法を使用して調製することができる。
III型:環式1-アリール-1,3-プロパニルエステル(HepDirect)
[140]環式1-アリール-1,3-プロパニルエステル(HepDirects)は、ホスフェート保護基のクラスである。一部の実施形態において、HepDirect保護基は、一般式iii
III型:環式1-アリール-1,3-プロパニルエステル(HepDirect)
[140]環式1-アリール-1,3-プロパニルエステル(HepDirects)は、ホスフェート保護基のクラスである。一部の実施形態において、HepDirect保護基は、一般式iii
を有し、
式中、R8は、アリールまたは3員から6員のヘテロシクロアルキルおよび5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、3員から6員のヘテロシクロアルキルおよび5員から10員のヘテロアリールは各々、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有し、波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、R8は、アリールまたは6員ヘテロアリールである。一部の実施形態においてR8は、フェニルまたはピリジルである。
式中、R8は、アリールまたは3員から6員のヘテロシクロアルキルおよび5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、3員から6員のヘテロシクロアルキルおよび5員から10員のヘテロアリールは各々、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有し、波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、R8は、アリールまたは6員ヘテロアリールである。一部の実施形態においてR8は、フェニルまたはピリジルである。
[141]いかなる特別な理論に結び付けられることなく、HepDirect部分によって保護されたホスフェート基は、下記のスキームIIIに記載されている経路を介してインビボで脱保護されると思われる。
スキームIII
[142]一部の実施形態において、HMPのプロドラッグは、式Ia-3
[142]一部の実施形態において、HMPのプロドラッグは、式Ia-3
を有し、
式中、R8は、アリールまたは3員から6員のヘテロシクロアルキルおよび5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、3員から6員のヘテロシクロアルキルおよび5員から10員のヘテロアリールは各々、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有し、波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、R8は、アリールまたは6員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R8は、フェニルまたはピリジルである。
式中、R8は、アリールまたは3員から6員のヘテロシクロアルキルおよび5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、3員から6員のヘテロシクロアルキルおよび5員から10員のヘテロアリールは各々、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有し、波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、R8は、アリールまたは6員ヘテロアリールである。一部の実施形態において、R8は、フェニルまたはピリジルである。
[143]HMPのHepDirectプロドラッグは、Reddy、K.R.ら、Tetrahedron Letters 2005、46、4321に記載されている方法を使用して調製することができる。
IV型:アリールオキシアミノ酸アミデート(Protide)
[144]アリールオキシアミノ酸アミデート(Protide)は、ホスフェート保護基のクラスである。一部の実施形態において、protide保護基は、一般式iv
IV型:アリールオキシアミノ酸アミデート(Protide)
[144]アリールオキシアミノ酸アミデート(Protide)は、ホスフェート保護基のクラスである。一部の実施形態において、protide保護基は、一般式iv
を有し、
式中、Rb4およびRb5は、任意選択により独立して、HまたはD、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Ra5は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Raは、H、D、アリール、または環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3環員から6環員のヘテロシクロアルキル、-C1~C4アルキレン-アリール、および-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し;波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、Ra5は、メチルまたはイソプロピルである。一部の実施形態において、Raはフェニルである。
式中、Rb4およびRb5は、任意選択により独立して、HまたはD、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Ra5は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Raは、H、D、アリール、または環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3環員から6環員のヘテロシクロアルキル、-C1~C4アルキレン-アリール、および-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し;波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、Ra5は、メチルまたはイソプロピルである。一部の実施形態において、Raはフェニルである。
[145]いかなる特別な理論に結び付けられることなく、Protide部分によって保護されたホスフェート基は、下記のスキームIVに記載されている経路を介してインビボで脱保護されると思われる。
スキームIV
スキームIV
[146]一部の実施形態において、HMPのプロドラッグは、式Ia-4aまたはIa-4b
を有し、
式中、Rb4およびRb5は、任意選択により独立して、HまたはD、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Ra5は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Raは、H、D、アリール、または3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールであり;波線は、分子の残りへの付着点を示す。
式中、Rb4およびRb5は、任意選択により独立して、HまたはD、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Ra5は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Raは、H、D、アリール、または3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールであり;波線は、分子の残りへの付着点を示す。
[147]一部の実施形態において、R7aは、メチルまたはイソプロピルである。一部の実施形態において、R8aは、フェニルである。
[148]HMPのProtideプロドラッグは、van Boom、J.H.ら、Tetrahedron 1975、31、2953に記載されている方法を使用して調製することができる。
V型:メチルアリールハロアルキルアミデート
[149]メチルアリールハロアルキルアミデートは、ホスフェート保護基のクラスである。一部の実施形態において、メチルアリールハロアルキルアミデート保護基は、一般式v
[148]HMPのProtideプロドラッグは、van Boom、J.H.ら、Tetrahedron 1975、31、2953に記載されている方法を使用して調製することができる。
V型:メチルアリールハロアルキルアミデート
[149]メチルアリールハロアルキルアミデートは、ホスフェート保護基のクラスである。一部の実施形態において、メチルアリールハロアルキルアミデート保護基は、一般式v
を有し、
式中、Rb6は、H、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
X1は、C3~5アルキレンであり;
Raは、H、D、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3環員から6環員のヘテロシクロアルキル、アリール、5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、および-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、Rb6は、C1~4アルキルである。そして波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、X1は、C4アルキレンである。一部の実施形態において、Raは、アリールまたはアリールC1~4アルキレンである。一部の実施形態において、Raはフェニルである。一部の実施形態において、Raはベンジルである。
式中、Rb6は、H、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
X1は、C3~5アルキレンであり;
Raは、H、D、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3環員から6環員のヘテロシクロアルキル、アリール、5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、および-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、Rb6は、C1~4アルキルである。そして波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、X1は、C4アルキレンである。一部の実施形態において、Raは、アリールまたはアリールC1~4アルキレンである。一部の実施形態において、Raはフェニルである。一部の実施形態において、Raはベンジルである。
[150]いかなる特別な理論に結び付けられることなく、メチルアリールハロアルキルアミデート部分によって保護されたホスフェート基は、下記のスキームVに記載されている一連の化学変換を介してインビボで脱保護されると思われる。R9およびR10について定義されている基は、例証的であり、限定していると意図されないと理解される。
[151]一部の実施形態において、HMPのプロドラッグは、式Ia-5aまたはIa-5b
を有し、
式中、Rb6は、H、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
X1は、C3~5アルキレンであり;
Raは、H、D、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、および-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、Rb6はC1~4アルキルである。そして波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、X1は、C4アルキレンである。一部の実施形態において、Raは、アリールまたはアリールC1~4アルキレンである。一部の実施形態において、Raはフェニルである。一部の実施形態において、Raはベンジルである。
式中、Rb6は、H、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
X1は、C3~5アルキレンであり;
Raは、H、D、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、および-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する。一部の実施形態において、Rb6はC1~4アルキルである。そして波線は、分子の残りへの付着点を示す。一部の実施形態において、X1は、C4アルキレンである。一部の実施形態において、Raは、アリールまたはアリールC1~4アルキレンである。一部の実施形態において、Raはフェニルである。一部の実施形態において、Raはベンジルである。
[152]HMPのメチルアリールハロアルキルアミデートプロドラッグは、Wu、W.ら、Journal o fMedicinal Chemistry 2007、50、3743に記載されている方法を使用して調製することができる。
VI型:エステル
[153]一部の実施形態において、HMPのプロドラッグは、式Id
VI型:エステル
[153]一部の実施形態において、HMPのプロドラッグは、式Id
を有し、
[154]各Raは、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから独立して選択され;一部の実施形態において、各Raは、独立して、置換の有無におけるC6アリールである。一部の実施形態において、各Raは、独立して、フェニルである。
[154]各Raは、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから独立して選択され;一部の実施形態において、各Raは、独立して、置換の有無におけるC6アリールである。一部の実施形態において、各Raは、独立して、フェニルである。
[155]インビボでの可能な機序は、スキームVIに記載されている:
ホスフェート部分のベータ立体配置(Ib)における式Iの化合物のための一般的合成スキーム:
[156]L2がOである式Iの化合物は、スキーム1に例示されている通りの一般的合成方法によって作製することができる。置換ホスホロジクロリデートは、DCMのような適当な溶媒中でH-R5と混合される。ヒューニッヒ塩基は、この溶液に-50~-60℃で滴下により添加される。混合物は、1~3時間の間撹拌される。その後、混合物は、10~25℃に加温され、さらに2~4時間の間撹拌されることで、化合物IIが得られる。DCMのような適当な溶媒中の化合物IIの溶液は、化合物IIIおよびDMAPの溶液に、同じ溶媒中にて10~20℃で滴下により添加される。反応物を0~20℃で4~24時間の間撹拌したことで、化合物IVが得られた。
[156]L2がOである式Iの化合物は、スキーム1に例示されている通りの一般的合成方法によって作製することができる。置換ホスホロジクロリデートは、DCMのような適当な溶媒中でH-R5と混合される。ヒューニッヒ塩基は、この溶液に-50~-60℃で滴下により添加される。混合物は、1~3時間の間撹拌される。その後、混合物は、10~25℃に加温され、さらに2~4時間の間撹拌されることで、化合物IIが得られる。DCMのような適当な溶媒中の化合物IIの溶液は、化合物IIIおよびDMAPの溶液に、同じ溶媒中にて10~20℃で滴下により添加される。反応物を0~20℃で4~24時間の間撹拌したことで、化合物IVが得られた。
ホスフェート部分のアルファ立体配置における式Iの化合物のための一般的合成スキーム:
[157]L2がOである式Iの化合物は、スキーム2に例示されている通りの一般的合成方法によって作製することができる。不活性ガス下でのTHFのような適当な溶媒中の化合物IIIの混合物は、t-BuMgClを用いて-20℃から0℃で処理される。混合物は、こうした温度で0.5~2時間の間撹拌される。化合物Vが添加され、混合物は、10~20℃で不活性ガス下にて10~30時間の間撹拌されることで、化合物VIが得られる。
[157]L2がOである式Iの化合物は、スキーム2に例示されている通りの一般的合成方法によって作製することができる。不活性ガス下でのTHFのような適当な溶媒中の化合物IIIの混合物は、t-BuMgClを用いて-20℃から0℃で処理される。混合物は、こうした温度で0.5~2時間の間撹拌される。化合物Vが添加され、混合物は、10~20℃で不活性ガス下にて10~30時間の間撹拌されることで、化合物VIが得られる。
式Iの化合物のための一般的合成スキーム
[158]L2がOである式Iの化合物は、スキーム3に例示されている通りの一般的合成方法によって作製することができる。CH3CNのような適当な溶媒中の化合物IIIおよび化合物VIIの溶液に、Ag2CO3が添加される。混合物は、70℃で12時間の間不活性ガス下にて撹拌されることで、化合物VIIIが得られる。
[158]L2がOである式Iの化合物は、スキーム3に例示されている通りの一般的合成方法によって作製することができる。CH3CNのような適当な溶媒中の化合物IIIおよび化合物VIIの溶液に、Ag2CO3が添加される。混合物は、70℃で12時間の間不活性ガス下にて撹拌されることで、化合物VIIIが得られる。
式(I)の代表的化合物の合成:
[159]全ての水分感受性反応は、シリンジ-セプタムキャップ技法を使用してAr下で行った。分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル60 F 254プレート(Qindao、0.25mmの厚さ)上で行った。1H-NMRスペクトルは、Varian-400分光計で記録し、化学シフトは、内部テトラメチルシランまたは重水素化溶媒の残留プロトンに対してδ(ppm)値として報告した。13C-NMRスペクトルは、Varian-400分光計で記録し、化学シフトは、内部テトラメチルシランまたは重水素化溶媒の残留プロトンに対してδ(ppm)値として報告した。31P-NMRスペクトルは、Varian-400分光計で記録し、化学シフトは、外部85%リン酸に対してδ(ppm)値として報告した。1H-NMRスペクトルは、以下の通りに作表される:化学シフト、多重度(br=ブロード、s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット)、プロトンの数、およびカップリング定数(単数または複数)。アルファおよびベータ立体配座は、2D NMRによって決定することができる。エナンチオマーは、キラルHPLCによって分離することができ、これらのエナンチオマーの化学構造の提示は、自由裁量による。
化合物2の合成
[160]ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-2-((S)-1-フルオロ-2-(トリチルオキシ)エチル)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピランの調製
[159]全ての水分感受性反応は、シリンジ-セプタムキャップ技法を使用してAr下で行った。分析用薄層クロマトグラフィー(TLC)は、シリカゲル60 F 254プレート(Qindao、0.25mmの厚さ)上で行った。1H-NMRスペクトルは、Varian-400分光計で記録し、化学シフトは、内部テトラメチルシランまたは重水素化溶媒の残留プロトンに対してδ(ppm)値として報告した。13C-NMRスペクトルは、Varian-400分光計で記録し、化学シフトは、内部テトラメチルシランまたは重水素化溶媒の残留プロトンに対してδ(ppm)値として報告した。31P-NMRスペクトルは、Varian-400分光計で記録し、化学シフトは、外部85%リン酸に対してδ(ppm)値として報告した。1H-NMRスペクトルは、以下の通りに作表される:化学シフト、多重度(br=ブロード、s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレット)、プロトンの数、およびカップリング定数(単数または複数)。アルファおよびベータ立体配座は、2D NMRによって決定することができる。エナンチオマーは、キラルHPLCによって分離することができ、これらのエナンチオマーの化学構造の提示は、自由裁量による。
化合物2の合成
[160]ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-2-((S)-1-フルオロ-2-(トリチルオキシ)エチル)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピランの調製
[161]DCM(100mL)中の化合物(R)-1-((2R,3S,4S,5S,6S)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-2-(トリチルオキシ)エタン-1-オール(9.5g、12.9mmol)(Tiehai Liら、(2014)Bioorg.Med.Chem.22:1139~1147;Shinsuke Inukiら、Org.Lett.(2017)、19:3079~3082)の混合物に、DAST(10.4g、64.5mmol、8.5mL)およびピリジン(10.2g、128.9mmol、10.4mL)を0℃で添加した。混合物を25℃で16時間の間撹拌した。反応物を飽和NaHCO3(100mL)で慎重にクエンチした。混合物をDCM(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を2N HCl(150mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:0から12:1)によって精製した。所望の化合物(4.2g、収率:44.1%)を薄黄色の油として得た。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 7.38-7.18 (m, 30H), 4.92-4.61 (m, 2H), 4.53-4.51 (m, 6H), 4.06-4.02 (m, 1H), 3.77-3.75 (m, 1H), 3.65-3.51 (m, 3H), 3.14-3.06 (m, 1H), 2.96 (s, 3H).
[162]ステップ2.化合物(S)-2-フルオロ-2-((2S,3S,4S,5S,6S)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エタン-1-オールの調製
[162]ステップ2.化合物(S)-2-フルオロ-2-((2S,3S,4S,5S,6S)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エタン-1-オールの調製
[163]DCM(60mL)中の、上記ステップ1から得られる化合物(5.8g、7.9mmol)の溶液に、TFA(13.9g、121.6mmol、9mL)を添加した。混合物を25℃で1時間の間撹拌した。混合物に、飽和NaHCO3(150mL)を添加した。混合物をDCM(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=10:1から1:1)によって精製した。所望の化合物(3.2g、収率:79.7%、96.2%の純度)を無色の油として得た。
MS(ESI)m/z(M+H)+:519.1。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ7.35-7.28 (m, 15H), 4.99-4.96 (m, 2H), 4.73-4.65 (m, 4H), 4.60 (s, 2H), 4.14-4.10 (m, 3H), 3.77-3.76 (m, 1H), 3.70 (m, 1H), 3.60-3.57 (m, 1H), 3.27 (s, 3H). 19F NMR δ -207.84.
[164]ステップ3.化合物(3S,4S,5S,6S)-6-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルアセテートの調製
MS(ESI)m/z(M+H)+:519.1。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ7.35-7.28 (m, 15H), 4.99-4.96 (m, 2H), 4.73-4.65 (m, 4H), 4.60 (s, 2H), 4.14-4.10 (m, 3H), 3.77-3.76 (m, 1H), 3.70 (m, 1H), 3.60-3.57 (m, 1H), 3.27 (s, 3H). 19F NMR δ -207.84.
[164]ステップ3.化合物(3S,4S,5S,6S)-6-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルアセテートの調製
[165]HOAc(15mL)およびAc2O(15mL)中の、上記ステップ2から得られる化合物(3.2g、6.5mmol)の溶液に、H2SO4(2.8g、27.6mmol、1.5mL、98%の純度)を添加した。混合物を25℃で1時間の間撹拌した。反応物をメタノールにて(15mL)0℃でクエンチした。溶媒のほとんどを真空下で除去した。30mLの飽和NaHCO3を添加し、混合物を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。所望の化合物(3.9g、粗製)を薄黄色の油として得て、これを次のステップのために直接使用した。
[166]ステップ4.化合物(3S,4S,5S,6S)-6-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルアセテートの調製
[167]メタノール(20mL)、THF(10mL)、H2O(2mL)およびHOAc(0.5mL)中の、上記ステップ3の生成物(3.9g、6.9mmol)の混合物に、Pd(OH)2/C(0.6g、20%の純度)を25℃で添加した。混合物を25℃で水素下にて(50psi)32時間の間撹拌した。混合物をセライトに通して濾過し、メタノール(50mL×3)で洗浄した。濾液を回収し、真空下で濃縮した。所望の化合物(2.5g、粗製)を薄黄色の油として得て、これを次のステップのために直接使用した。
[168]ステップ5.化合物(3S,4S,5S,6S)-6-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2,3,4,5-テトライルテトラアセテートの調製
[169]ピリジン(20mL)中の、上記ステップ4の生成物(2.5g、8.4mmol)の溶液に、Ac2O(4.3g、42.2mmol、4.0mL)およびDMAP(515.5mg、4.2mmol)を添加した。混合物を25℃で0.5時間の間撹拌した。反応物をメタノール(15mL)でクエンチした。ピリジンのほとんどを真空下で除去した。1N HCl(20mL)を残渣に添加した。残渣を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機層を2N HCl(30mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=10:1から3:2)によって精製した。所望の化合物(1.6g、収率:44.6%)を無色の油として得た。MS(ESI)m/z(M+H)+:445.0。1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 6.07 (s, 1H), 5.54-5.49 (m, 1H), 5.34-5.31 (m, 1H), 5.24-5.22 (m, 1H), 4.70-4.56 (m, 1H), 4.38-4.24 (m, 2H), 3.98-3.89 (m, 1H), 2.16 (d, J = 6.4Hz, 6H), 2.06 (d, J = 6.0Hz, 6H), 1.99 (s, 3H).
[170]ステップ6.化合物(2S,3S,4S,5S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
[170]ステップ6.化合物(2S,3S,4S,5S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
[171]DMF(15mL)中の、ステップ5の生成物(1.6g、3.8mmol)の溶液に、酢酸ヒドラジン(520.1mg、5.7mmol)を添加した。混合物を25℃で20分間撹拌した。反応物をH2O(15mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(20mL×3)で抽出した。合わせた有機層をH2Oで(20mL×3)洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=10:1から1:1)によって精製した。所望の化合物(860mg、収率:60.1%)を無色の油として得た。
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 5.52-5.47 (m, 1H), 5.42-5.39 (m, 1H), 5.26-5.25 (m, 2H), 4.75-4.60 (m, 1H), 4.39-4.31 (m, 2H), 4.14-4.05 (m, 1H), 2.15 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 1.99 (s, 3H).
[172]ステップ7.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-((ジフェノキシホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
1H NMR (400MHz, CDCl3): δ 5.52-5.47 (m, 1H), 5.42-5.39 (m, 1H), 5.26-5.25 (m, 2H), 4.75-4.60 (m, 1H), 4.39-4.31 (m, 2H), 4.14-4.05 (m, 1H), 2.15 (s, 3H), 2.10 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 1.99 (s, 3H).
[172]ステップ7.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-((ジフェノキシホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
[173]DCM(50mL)中の[クロロ(フェノキシ)ホスホリル]オキシベンゼン(2.1g、7.7mmol、1.6mL)を、DCM(50mL)中の、上記ステップ6から得られる化合物(970mg、2.6mmol)およびDMAP(1.6g、12.8mmol)の溶液に25℃で3.5時間以内に滴下により添加した。混合物を25℃で16時間の間撹拌した。反応物を飽和NaHCO3(50mL)でクエンチした。混合物をDCM(80mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=10:1から3:2)によって精製した。所望の化合物(1.21g、収率:77.5%、100%の純度)を無色の油として得た。MS(ESI)m/z(M+H)+:658.1。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.35-7.13 (m, 10H), 5.54 (d, J = 6.8Hz, 1H), 5.50-5.46 (m, 2H), 5.07-5.04 (m, 1H), 4.72-4.57 (m, 1H), 4.30-4.26 (m, 1H), 4.23-4.19 (m, 1H), 3.74-3.65 (m, 1H), 2.10(s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.05 (s, 3H), 1.98 (s, 3H). 19F NMR δ -205.5.
化合物3の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-2-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピランの調製
化合物3の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-2-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピランの調製
[174]NaH(147.96mg、3.70mmol、60%の純度)を、DMF(10mL)中の(S)-2-フルオロ-2-((2S,3S,4S,5S,6S)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-メトキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)エタン-1-オール(1.67g、3.36mmol)の溶液に0℃で添加し、0℃で30分間撹拌し、次いで、CH3I(572.83mg、4.04mmol、251.24uL)を0℃で添加し、20~25℃で2時間の間撹拌した。反応物をH2O(40mL)でクエンチし、EtOAc(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、ブライン(50mL×3)で洗浄し、濃縮することで、粗生成物が得られた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:0から1:1)によって精製することで、所望の生成物(1.6g、収率:89.5%)が無色の油として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.42 - 7.28 (m, 15H), 5.11 - 5.06 (m, 0.5H), 5.01 - 4.94 (m, 1.5H), 4.78 - 4.74 (m, 3H), 4.69 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.20 - 4.13 (m, 1H), 3.90 - 3.80 (m, 2H), 3.80 - 3.77 (m, 1H), 3.70 - 3.64 (m, 1H), 3.63 - 3.57 (m, 1H), 3.41 (s, 3H), 3.28 (s, 3H).
MS(ESI)m/z(M+2Na+)=556.7。
ステップ2.化合物3S,4S,5S,6S)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルアセテートの調製
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.42 - 7.28 (m, 15H), 5.11 - 5.06 (m, 0.5H), 5.01 - 4.94 (m, 1.5H), 4.78 - 4.74 (m, 3H), 4.69 (d, J = 10.8 Hz, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.20 - 4.13 (m, 1H), 3.90 - 3.80 (m, 2H), 3.80 - 3.77 (m, 1H), 3.70 - 3.64 (m, 1H), 3.63 - 3.57 (m, 1H), 3.41 (s, 3H), 3.28 (s, 3H).
MS(ESI)m/z(M+2Na+)=556.7。
ステップ2.化合物3S,4S,5S,6S)-3,4,5-トリス(ベンジルオキシ)-6-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルアセテートの調製
[175]濃H2SO4(0.7mL、13.13mmol)を、HOAc(7mL)およびAc2O(7mL)中の、上記ステップ1で得られた化合物(1.5g、2.94mmol)の混合物に添加し、20~25℃で0.5時間の間撹拌した。MeOH(3mL)を添加することで、反応物を0℃未満にクエンチ、次いで、反応系を飽和NaHCO3でpH6~7に調整し、EtOAc(40mL×3)で抽出した。有機相を合わせ、所望の化合物(1.5g、収率:94.8%)に無色の油として濃縮した。
MS(ESI)m/z(M+2Na)+=584.3。
ステップ3.化合物(3S,4S,5S,6S)-6-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルアセテートの調製
MS(ESI)m/z(M+2Na)+=584.3。
ステップ3.化合物(3S,4S,5S,6S)-6-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルアセテートの調製
[176]THF/MeOH/H2O(v/v/v:1/2/1、20mL)中の、上記ステップ2から得られた化合物(1.5g、2.78mmol)およびAcOH(0.1mL、1.75mmol)の混合物に、Pd(OH)2(0.4g、284.83umol、20%の純度、乾燥)を添加し、25℃で16時間の間H2雰囲気下(50psi)にて撹拌した。濾過し、濾液を濃縮することで、所望の化合物(800mg、粗製)が無色の油として得られた。粗生成物をさらに精製することなく次のステップで直接使用した。
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ5.99 - 5.93 (m, 1H), 5.02 - 4.96 (m, 0.5H), 4.88 - 4.86 (m, 0.5H), 3.95 - 3.84 (m, 1H), 3.83 - 3.79 (m, 1H), 3.74 - 3.60 (m, 2H), 3.59 - 3.46 (m, 2H), 3.41 - 3.33 (m, 3H), 2.14 - 2.07 (m, 3H).
ステップ4.化合物(3S,4S,5S,6S)-6-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2,3,4,5-テトライルテトラアセテートの調製
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ5.99 - 5.93 (m, 1H), 5.02 - 4.96 (m, 0.5H), 4.88 - 4.86 (m, 0.5H), 3.95 - 3.84 (m, 1H), 3.83 - 3.79 (m, 1H), 3.74 - 3.60 (m, 2H), 3.59 - 3.46 (m, 2H), 3.41 - 3.33 (m, 3H), 2.14 - 2.07 (m, 3H).
ステップ4.化合物(3S,4S,5S,6S)-6-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-2,3,4,5-テトライルテトラアセテートの調製
[177]DCM(5mL)およびピリジン(1mL)中の、上記ステップ3から得られた化合物(800mg、2.98mmol)、Ac2O(3.04g、29.82mmol、2.79mL)およびDMAP(36.44mg、298.24umol)の混合物を、20~25℃で16時間の間撹拌した。MeOH(5mL)を添加することで、反応物をクエンチし、次いで、溶媒を減圧下で除去することで、粗生成物が得られた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:0から1:1)によって精製することで、所望の化合物(710mg、収率:60.37%)が無色の油として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 6.07 (d, J=1.3 Hz, 1H), 5.58 - 5.48 (m, 1H), 5.37 - 5.31 (m, 1H), 5.27 - 5.24 (m, 1H), 4.67 (t, J= 6.4 Hz, 0.5H), 4.56 (t, J= 6.4 Hz, 0.5H), 4.03 - 3.88 (m, 1H), 3.73 - 3.65 (m, 1H), 3.61 - 3.50 (m, 1H), 3.37 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.02 (s, 3H).
ステップ5.化合物(2S,3S,4S,5S)-2-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)-6-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 6.07 (d, J=1.3 Hz, 1H), 5.58 - 5.48 (m, 1H), 5.37 - 5.31 (m, 1H), 5.27 - 5.24 (m, 1H), 4.67 (t, J= 6.4 Hz, 0.5H), 4.56 (t, J= 6.4 Hz, 0.5H), 4.03 - 3.88 (m, 1H), 3.73 - 3.65 (m, 1H), 3.61 - 3.50 (m, 1H), 3.37 (s, 3H), 2.18 (s, 3H), 2.16 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.02 (s, 3H).
ステップ5.化合物(2S,3S,4S,5S)-2-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)-6-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
[178]酢酸ヒドラジン(248.72mg、2.70mmol、1.5当量)を、DMF(5mL)中の、上記ステップ4から得られた化合物(710mg、1.80mmol、1当量)の混合物に添加し、25℃で1時間の間撹拌した。反応物をH2O(20mL)で希釈し、EtOAc(30mL×3)で抽出し、有機相を合わせ、ブライン(40mL×3)で洗浄し、濃縮することで、粗生成物が得られた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:0から1:1)によって精製することで、所望の化合物(610mg、1.73mmol、96.17%の収率)が無色の油として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ5.55 - 5.46 (m, 1H), 5.45 - 5.38 (m, 1H), 5.30 - 5.21 (m, 2H), 4.72 (m, 0.5H), 4.62 - 4.59 (m, 0.5H), 4.11 - 4.06 (m, 1H), 3.78 - 3.56 (m, 2H), 3.42 (s, 3H), 3.39 - 3.34 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.01 (s, 3H).
ステップ6.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((ジフェノキシホスホリル)オキシ)-6-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ5.55 - 5.46 (m, 1H), 5.45 - 5.38 (m, 1H), 5.30 - 5.21 (m, 2H), 4.72 (m, 0.5H), 4.62 - 4.59 (m, 0.5H), 4.11 - 4.06 (m, 1H), 3.78 - 3.56 (m, 2H), 3.42 (s, 3H), 3.39 - 3.34 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.01 (s, 3H).
ステップ6.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((ジフェノキシホスホリル)オキシ)-6-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
[179]DCM(10mL)中の化合物ジフェニルホスホロクロリデート(1.40g、5.19mmol)の混合物を、DCM(10mL)中の、上記ステップ5から得られた化合物(610mg、1.73mmol)およびDMAP(1.06g、8.66mmol)の溶液に、10~20℃で30分の間滴下により添加した。添加後、反応混合物を10~20℃で16時間の間撹拌した。反応物をDCM(50mL)で希釈し、HCl(1M、40mL)飽和NaHCO3(40mL)およびブライン(40mL)で洗浄し、有機相を濃縮することで、粗生成物が得られた。粗生成物を(シリカゲル、PE:EA=1:0から1:1)カラムクロマトグラフィーによって精製することで、所望の化合物(780mg、収率:62.51%)が無色の油として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.39 - 7.09 (m, 10H), 5.55 - 5.43 (m, 3H), 5.07 - 4.99 (m, 1H), 4.66 - 4.60 (m, 0.5 H), 4.55 - 4.47 (m, 0.5H), 3.73 - 3.43 (m, 3H), 3.30 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.98 (s, 3H).
MS(ESI)m/z(M+Na+)=607.1。
化合物4の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-(((((S)-1-イソプロポキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.39 - 7.09 (m, 10H), 5.55 - 5.43 (m, 3H), 5.07 - 4.99 (m, 1H), 4.66 - 4.60 (m, 0.5 H), 4.55 - 4.47 (m, 0.5H), 3.73 - 3.43 (m, 3H), 3.30 (s, 3H), 2.08 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.98 (s, 3H).
MS(ESI)m/z(M+Na+)=607.1。
化合物4の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-(((((S)-1-イソプロポキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
[180]DCM(8mL)中の化合物(2S,3S,4S,5S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテート(200mg、526μmol)およびDMAP(321mg、2.63mmol)の撹拌溶液に、DCM(2mL)中の化合物イソプロピル(クロロ(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート(500.00mg、1.64mmol、Ref.J.Med.Chem.2017、60、3518~3524)をゆっくり添加した。結果として得られた混合物を15℃で48時間の間撹拌した。反応の完了後、混合物を減圧下で濃縮した。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:0から3:7)によって精製することで、所望の化合物(80mg、収率:19.12%)が無色のシロップとして得られた。
MS(ESI)m/z(M+Na)+=672.1
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 7.37 - 7.26 (m, 2H), 7.22 - 7.09 (m, 3H), 5.73 - 5.29 (m, 3H), 5.20 - 4.91 (m, 2H), 4.79 - 4.52 (m, 1H), 4.44 - 4.11 (m, 2H), 4.07 - 3.90 (m, 1H), 3.90 - 3.72 (m, 1H), 3.72 - 3.54 (m, 1H), 2.20 - 2.10 (m, 3H), 2.10 - 2.01 (m, 6H), 2.01 - 1.92 (m, 3H), 1.43 - 1.29 (m, 3H), 1.26 - 1.18 (m, 6H).
化合物6および7
(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-(((((S)-1-イソプロポキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートのキラル分離
MS(ESI)m/z(M+Na)+=672.1
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ 7.37 - 7.26 (m, 2H), 7.22 - 7.09 (m, 3H), 5.73 - 5.29 (m, 3H), 5.20 - 4.91 (m, 2H), 4.79 - 4.52 (m, 1H), 4.44 - 4.11 (m, 2H), 4.07 - 3.90 (m, 1H), 3.90 - 3.72 (m, 1H), 3.72 - 3.54 (m, 1H), 2.20 - 2.10 (m, 3H), 2.10 - 2.01 (m, 6H), 2.01 - 1.92 (m, 3H), 1.43 - 1.29 (m, 3H), 1.26 - 1.18 (m, 6H).
化合物6および7
(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-(((((S)-1-イソプロポキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートのキラル分離
[181]上記ステップ2から得られる化合物(90mg、139μmol)を超臨界流体クロマトグラフィー(カラム:REGIS(s,s)WHELK-O1(250mm*30mm,5μm);移動相:[0.1%NH3H2O EtOH];B%:30%~30%)によって精製することで、2種の異性体(38mg&36mg)が白色の固体、化合物6および7として得られた。
化合物6:
MS(ESI)m/z(M+Na)+=672.1
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ = 7.30 - 7.20 (m, 2H), 7.17 - 6.96 (m, 3H), 5.47 - 5.26 (m, 3H), 5.10 - 4.89 (m, 2H), 4.75 - 4.50 (m, 1H), 4.34 - 4.24 (m, 2H), 4.02 - 3.87 (m, 1H), 3.86 - 3.72 (m, 1H), 3.68 - 3.52 (m, 1H), 2.09 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 1.90 (s, 3H), 1.35 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.23 - 1.15 (m, 6H).
化合物7:
MS(ESI)m/z(M+Na)+=672.1
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ = 7.37 - 7.27 (m, 2H), 7.22 - 7.13 (m, 3H), 5.63 - 5.51 (m, 2H), 5.46 (t, J = 9.8 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 5.05 - 4.93 (m, 1H), 4.74 - 4.53 (m, 1H), 4.36 - 4.16 (m, 2H), 4.01 - 3.90 (m, 1H), 3.78 (t, J = 9.9 Hz, 1H), 3.72 - 3.61 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 1.35 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.25 - 1.17 (m, 6H).
化合物5の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-((ビス((ピバロイルオキシ)メトキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
化合物6:
MS(ESI)m/z(M+Na)+=672.1
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ = 7.30 - 7.20 (m, 2H), 7.17 - 6.96 (m, 3H), 5.47 - 5.26 (m, 3H), 5.10 - 4.89 (m, 2H), 4.75 - 4.50 (m, 1H), 4.34 - 4.24 (m, 2H), 4.02 - 3.87 (m, 1H), 3.86 - 3.72 (m, 1H), 3.68 - 3.52 (m, 1H), 2.09 (s, 3H), 2.03 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 1.90 (s, 3H), 1.35 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 1.23 - 1.15 (m, 6H).
化合物7:
MS(ESI)m/z(M+Na)+=672.1
1H NMR (400MHz, クロロホルム-d) δ = 7.37 - 7.27 (m, 2H), 7.22 - 7.13 (m, 3H), 5.63 - 5.51 (m, 2H), 5.46 (t, J = 9.8 Hz, 1H), 5.13 (d, J = 9.9 Hz, 1H), 5.05 - 4.93 (m, 1H), 4.74 - 4.53 (m, 1H), 4.36 - 4.16 (m, 2H), 4.01 - 3.90 (m, 1H), 3.78 (t, J = 9.9 Hz, 1H), 3.72 - 3.61 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.99 (s, 3H), 1.35 (d, J = 6.8 Hz, 3H), 1.25 - 1.17 (m, 6H).
化合物5の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-((ビス((ピバロイルオキシ)メトキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
[182]CH3CN(10mL)中の(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-(ホスホノオキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテート(320mg、720.24μmol)およびクロロメチルイソプロピルカーボネート(769mg、5.04mmol)の溶液に、Ag2CO3(596mg、2.16mmol)を添加した。混合物を70℃で12時間の間N2下にて撹拌した。固体を濾別した。濾液を回収し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:0約0:1)によって精製することで、所望の化合物(32mg、収率:5.45%)が無色の油として得られた。
MS(ESI)m/z[M+Na]+=715.1。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 5.66 - 5.40 (m, 7H), 5.13 - 5.10 (m, 1H), 4.98 - 4.84 (m, 2H), 4.78 - 4.71 (m, 0.5H), 4.66 - 4.59 (m, 0.5H), 4.44 - 4.33 (m, 2H), 3.78 - 3.66 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.97 (s, 3H), 1.34 - 1.27 (m, 12H).
化合物8の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6R)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-((4-(3-クロロフェニル)-2-オキシド-1,3,2-ジオキサホスフィナン-2-イル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
MS(ESI)m/z[M+Na]+=715.1。
1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 5.66 - 5.40 (m, 7H), 5.13 - 5.10 (m, 1H), 4.98 - 4.84 (m, 2H), 4.78 - 4.71 (m, 0.5H), 4.66 - 4.59 (m, 0.5H), 4.44 - 4.33 (m, 2H), 3.78 - 3.66 (m, 1H), 2.17 (s, 3H), 2.07 (s, 3H), 2.04 (s, 3H), 1.97 (s, 3H), 1.34 - 1.27 (m, 12H).
化合物8の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6R)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-((4-(3-クロロフェニル)-2-オキシド-1,3,2-ジオキサホスフィナン-2-イル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
[183]THF(4mL)中の化合物(2S,3S,4S,5S,6R)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテート(100mg、262.9μmol)の溶液を窒素下にて、t-BuMgCl(1.7M、464.0uL)にて0℃で処理した。混合物を0℃で0.5時間の間撹拌した。次いで、化合物4-(3-クロロフェニル)-2-(4-ニトロフェノキシ)-1,3,2-ジオキサホスフィナン2-オキシド(Ref:J.AM.CHEM.SOC.9巻126、16、2004)(126.4mg、341.8μmol)を添加し、混合物を15℃で窒素下にて16時間の間撹拌した。反応物を飽和NH4Cl(10mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。有機層をNa2SO4上で乾燥させ、真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、EA:PE=1:3から7:3)によって2回精製した。所望の化合物(20.96mg、収率:11.9%)を白色の固体として得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40 - 7.27 (m, 4H), 5.78 - 5.67 (m, 2H), 5.54 - 5.51 (m, 1H), 5.37 - 5.34 (m, 2H), 4.75 - 4.36 (m, 5H), 4.13 - 4.09 (m, 2H), 2.42 - 2.35 (m, 1H), 2.18 (s, 3H), 2.07 - 2.04 (m, 6H), 2.02 - 2.01(m, 3H).
MS(ESI)m/z(M+Na)+=633.0。
化合物10および11の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S)-2-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)-6-(((((S)-1-イソプロポキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートのアルファ異性体およびベータ異性体の調製
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.40 - 7.27 (m, 4H), 5.78 - 5.67 (m, 2H), 5.54 - 5.51 (m, 1H), 5.37 - 5.34 (m, 2H), 4.75 - 4.36 (m, 5H), 4.13 - 4.09 (m, 2H), 2.42 - 2.35 (m, 1H), 2.18 (s, 3H), 2.07 - 2.04 (m, 6H), 2.02 - 2.01(m, 3H).
MS(ESI)m/z(M+Na)+=633.0。
化合物10および11の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S)-2-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)-6-(((((S)-1-イソプロポキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートのアルファ異性体およびベータ異性体の調製
[184]DCM(3mL)中の化合物イソプロピル(クロロ(フェノキシ)ホスホリル)-L-アラニネート(1.2g、Ref.J.Med.Chem.2017、60、3518~3524)の溶液を、DCM(5mL)中の化合物(2S,3S,4S,5S)-2-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)-6-ヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテート(300mg、851.53μmol)およびDMAP(520.15mg、4.26mmol)の溶液に10~20℃で滴下により添加し、次いで、反応物を10~20℃で4時間の間撹拌した。反応物をDCM(20mL)で希釈し、HCl(1M、10mL)、飽和NaHCO3(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄した。得られた有機相を濃縮することで、粗生成物が得られた。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、PE:EA=1:0から1:2)によって精製することで、粗化合物11(アルファ異性体として)(250mg、収率:24.3%、51.5%の純度)が得られ、これをPre-HPLC(YMC Triart C18 150*25mm*5μm、水(10mM NH4HCO3)-ACN、53%から83%)によって精製することで、化合物A(150mg、収率:43.7%)が白色の固体として得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl3) 7.41 - 7.32 (m, 2H), 7.27 - 7.17 (m, 3H), 5.76 (d, J=6.6 Hz, 1H), 5.60 - 5.48 (m, 1H), 5.41 - 5.27 (m, 2H), 5.10 - 4.99 (m, 1H), 4.74 - 4.49 (m, 1H), 4.25 - 3.89 (m, 2H), 3.82 - 3.43 (m, 3H), 3.39 (s, 1H), 3.29 (s, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.10 - 2.05 (m, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.46 - 1.37 (m, 3H), 1.29 - 1.21 (m, 6H).MS(ESI)m/z(M+2Na+)=667.2。そして無色の油としての化合物ベータ(140mg、収率:13.8%)。MS(ESI)m/z(M+Na+)=644.1
化合物(2S,3S,4S,5S)-2-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)-6-(((((S)-1-イソプロポキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートのベータ異性体のキラル分離
1H NMR (400MHz, CDCl3) 7.41 - 7.32 (m, 2H), 7.27 - 7.17 (m, 3H), 5.76 (d, J=6.6 Hz, 1H), 5.60 - 5.48 (m, 1H), 5.41 - 5.27 (m, 2H), 5.10 - 4.99 (m, 1H), 4.74 - 4.49 (m, 1H), 4.25 - 3.89 (m, 2H), 3.82 - 3.43 (m, 3H), 3.39 (s, 1H), 3.29 (s, 2H), 2.18 (s, 3H), 2.10 - 2.05 (m, 3H), 2.01 (s, 3H), 1.46 - 1.37 (m, 3H), 1.29 - 1.21 (m, 6H).MS(ESI)m/z(M+2Na+)=667.2。そして無色の油としての化合物ベータ(140mg、収率:13.8%)。MS(ESI)m/z(M+Na+)=644.1
化合物(2S,3S,4S,5S)-2-((S)-1-フルオロ-2-メトキシエチル)-6-(((((S)-1-イソプロポキシ-1-オキソプロパン-2-イル)アミノ)(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートのベータ異性体のキラル分離
[185]化合物ベータ(140mg)をSFC分離((s,s)WHELK-O1(250mm*50mm,10um))、0.1%NH3H2O EtOH、30%から30%)によって精製することで、化合物9(57.0mg、収率:40.71%、Rt=3.209)および化合物10(40.3mg、収率:28.79%、Rt=3.857)が両方とも白色の固体として得られた。
化合物9:1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.38 - 7.29 (m, 2H), 7.25 - 7.13 (m, 3H), 5.64 - 5.54 (m, 2H), 5.49 (t, J=10.0 Hz, 1H), 5.15 (dd, J=3.0, 10.0 Hz, 1H), 5.07 - 4.96 (m, 1H), 4.69 - 4.62 (m, 0.5H), 4.57 - 4.51 (m, 0.5H), 4.03 - 3.91 (m, 1H), 3.84 - 3.74 (m, 1H), 3.73 - 3.48 (m, 3H), 3.32 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.35 (d, J=7.1 Hz, 3H), 1.23 (dd, J=6.4, 10.4 Hz, 6H).MS(ESI)m/z(M+2Na+)=667.2。
化合物10:1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.38 - 7.29 (m, 2H), 7.22 - 7.12 (m, 3H), 5.50 - 5.39 (m, 3H), 5.11 - 5.00 (m, 2H), 4.71 - 4.64 (m, 0.5H), 4.59 - 4.52 (m, 0.5H), 4.10 - 3.98 (m, 1H), 3.92 - 3.84 (m, 1H), 3.80 - 3.59 (m, 3H), 3.42 (s, 3H), 2.17 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 1.43 (d, J=7.1 Hz, 3H), 1.27 (dd, J=6.4, 9.5 Hz, 6H).MS(ESI)m/z(M+2Na+)=667.2。
化合物12の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-((ヒドロキシ(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
化合物9:1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.38 - 7.29 (m, 2H), 7.25 - 7.13 (m, 3H), 5.64 - 5.54 (m, 2H), 5.49 (t, J=10.0 Hz, 1H), 5.15 (dd, J=3.0, 10.0 Hz, 1H), 5.07 - 4.96 (m, 1H), 4.69 - 4.62 (m, 0.5H), 4.57 - 4.51 (m, 0.5H), 4.03 - 3.91 (m, 1H), 3.84 - 3.74 (m, 1H), 3.73 - 3.48 (m, 3H), 3.32 (s, 3H), 2.20 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 2.02 (s, 3H), 1.35 (d, J=7.1 Hz, 3H), 1.23 (dd, J=6.4, 10.4 Hz, 6H).MS(ESI)m/z(M+2Na+)=667.2。
化合物10:1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.38 - 7.29 (m, 2H), 7.22 - 7.12 (m, 3H), 5.50 - 5.39 (m, 3H), 5.11 - 5.00 (m, 2H), 4.71 - 4.64 (m, 0.5H), 4.59 - 4.52 (m, 0.5H), 4.10 - 3.98 (m, 1H), 3.92 - 3.84 (m, 1H), 3.80 - 3.59 (m, 3H), 3.42 (s, 3H), 2.17 (s, 3H), 2.06 (s, 3H), 1.98 (s, 3H), 1.43 (d, J=7.1 Hz, 3H), 1.27 (dd, J=6.4, 9.5 Hz, 6H).MS(ESI)m/z(M+2Na+)=667.2。
化合物12の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-((ヒドロキシ(フェノキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
[186]DMF(5mL)およびピリジン(1mL)中の化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-(ホスホノオキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテート(230mg、347.08μmol、2Et3N)の溶液に、DCC(214.84mg、1.04mmol)を添加し、続いて、フェノール(39.20mg、416.50μmol)を添加した。反応物を100℃で16時間の間N2雰囲気下にて撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:MeOH=1:0から10:1)によって精製することで、粗生成物(100mg)が得られた。粗生成物(100mg)をPre-HPLC(Welch Xtimate C18 150*25mm*5μm、水(10mM NH4HCO3)-ACN、15%から45%)によって精製することで、所望の化合物(4.65mg、収率:2.35%)が白色の固体として得られた。
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.31 - 7.19 (m, 4H), 7.09 - 7.01 (m, 1H), 5.51 - 5.34 (m, 4H), 5.20 (dd, J=3.3, 9.8 Hz, 1H), 4.77 - 4.72 (m, 0.5H), 4.65 - 4.60 (m, 0.5H), 4.35 - 4.24 (m, 1H), 3.91 - 3.80 (m, 1H), 2.12 (s, 3H), 2.06 - 2.03 (m, 6H), 1.94 (s, 3H).MS(ESI)m/z(M+2Na+)=582.1。
化合物13および14の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-((ヒドロキシ(ピリジン-3-イルオキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 7.31 - 7.19 (m, 4H), 7.09 - 7.01 (m, 1H), 5.51 - 5.34 (m, 4H), 5.20 (dd, J=3.3, 9.8 Hz, 1H), 4.77 - 4.72 (m, 0.5H), 4.65 - 4.60 (m, 0.5H), 4.35 - 4.24 (m, 1H), 3.91 - 3.80 (m, 1H), 2.12 (s, 3H), 2.06 - 2.03 (m, 6H), 1.94 (s, 3H).MS(ESI)m/z(M+2Na+)=582.1。
化合物13および14の合成
ステップ1.化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-((ヒドロキシ(ピリジン-3-イルオキシ)ホスホリル)オキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテートの調製
[187]ピリジン(0.5mL)およびDMF(3mL)中の化合物(2S,3S,4S,5S,6S)-2-((S)-2-アセトキシ-1-フルオロエチル)-6-(ホスホノオキシ)テトラヒドロ-2H-ピラン-3,4,5-トリイルトリアセテート(140mg、211.3μmol、2Et3N)の混合物に、DCC(435.9mg、2.1mmol、427.4μL)およびピリジン-3-オール(100.5mg、1.1mmol)を添加した。混合物を100℃で窒素下にて16時間の間撹拌した。混合物を真空下で濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM:メタノール=1:0から10:1)によって精製し、Prep-HPLC(カラム:Welch Xtimate C18 150*25mm*5μm;移動相:[水(10mM NH4HCO3)-ACN];B%:10%~40%、10分)によってさらに精製することで、2種の異性体が得られた:
化合物13:(5.85mg、10.9μmol、収率:5.2%、100%の純度)を白色の固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.47 (s, 1H), 8.21 (d, J = 4.4Hz, 1H), 7.71 (d, J = 7.2Hz, 1H), 7.38-7.35 (m, 1H), 5.37-5.34 (m, 3H), 5.21-5.19 (m, 1H), 4.60-4.59 (m, 2H), 4.29-4.25 (m, 1H), 3.90-3.88 (m, 1H), 2.14 (s, 3H), 2.10-2.04 (m, 6H), 1.92 (s, 3H).MS(ESI)m/z(M+H)+=538.1。
化合物14:(10.78mg、18.9μmol、収率:9.0%、94.29%の純度)を白色の固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.52 (s, 1H), 8.28(s, 1H), 7.86 (d, J = 8.4Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 5.48-5.45 (m, 2H), 5.36 (t, J = 10.0Hz, 1H), 5.22-5.19 (m, 1H), 4.75-4.67 (m, 1H), 4.29-4.25 (m, 2H), 3.90-3.81 (m, 1H), 2.10 (s, 3H), 2.03 (s, 6H), 1.92 (s, 3H).MS(ESI)m/z(M+H)+=538.2。
化合物HMP1BP(D-グリセロ-D-マンノ-ヘプトース-1b-P、化合物1)の合成
ステップ1.化合物IIの合成:
化合物13:(5.85mg、10.9μmol、収率:5.2%、100%の純度)を白色の固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.47 (s, 1H), 8.21 (d, J = 4.4Hz, 1H), 7.71 (d, J = 7.2Hz, 1H), 7.38-7.35 (m, 1H), 5.37-5.34 (m, 3H), 5.21-5.19 (m, 1H), 4.60-4.59 (m, 2H), 4.29-4.25 (m, 1H), 3.90-3.88 (m, 1H), 2.14 (s, 3H), 2.10-2.04 (m, 6H), 1.92 (s, 3H).MS(ESI)m/z(M+H)+=538.1。
化合物14:(10.78mg、18.9μmol、収率:9.0%、94.29%の純度)を白色の固体として得た。1H NMR (400MHz, CD3OD) δ 8.52 (s, 1H), 8.28(s, 1H), 7.86 (d, J = 8.4Hz, 1H), 7.49 (s, 1H), 5.48-5.45 (m, 2H), 5.36 (t, J = 10.0Hz, 1H), 5.22-5.19 (m, 1H), 4.75-4.67 (m, 1H), 4.29-4.25 (m, 2H), 3.90-3.81 (m, 1H), 2.10 (s, 3H), 2.03 (s, 6H), 1.92 (s, 3H).MS(ESI)m/z(M+H)+=538.2。
化合物HMP1BP(D-グリセロ-D-マンノ-ヘプトース-1b-P、化合物1)の合成
ステップ1.化合物IIの合成:
[188]DMF(270mL)中の化合物I(17.93g、23.65mmol)、TBAI(0.9g、2.365mmol)およびBnBr(7.1mL、59.14mmol)の撹拌混合物に、NaH(60%油分散液、2.4g、59.14mmol)を0℃で添加した。終夜撹拌した後、反応物をH2Oでクエンチした。全混合物をPE/EtOAc(1:9)で抽出した。抽出物をH2Oおよびブラインで洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮することで、油性残渣が得られ、これを、PE-EtOAc(5:1)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製することで、化合物II(6.3407g、32%の収率)が無色の油として得られた1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 1H NMR (CDCl3, 400 MHz) 1.04 (s,9H); 3.75~3.77(m,1H); 3.84~3.96(m,5H); 2.44~2.47(d,1H); 4.05~4.14(m, 3H); 4.56~4.86 (m,8H); 5.10~5.21(m,2H); 5.79~5.84(m,1H); 7.02~7.05(m,2H), 7.16~7.38(m, 24H); 7.60~7.67 (m,4H)
ステップ2.化合物IIIの合成:
ステップ2.化合物IIIの合成:
[189]THF(35mL)中のIr[(cod)(MePh2P)2]PF6(210mg、253mmol)の溶液を、薄黄色の溶液が生成するまで室温で1atmのH2雰囲気下にて撹拌し、次いで、N2を溶液に吹き込むことで、すべての残留の水素ガスを除去した。結果として得られたIr触媒溶液を、THF(35mL)中の化合物II(1.0741g、1.27mmol)の撹拌溶液に室温で添加した。6時間の間この温度で撹拌した後、H2O(22mL)およびI2(650mg、2.56mmol)を撹拌混合物に室温で添加した。1時間の間この温度で撹拌した後、反応物を飽和Na2S2O3でクエンチした。全混合物をEtOAcで抽出した。抽出物を飽和NaHCO3で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮することで、油性残渣が得られ、これを、PE-EtOAc(1:1)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製することで、化合物III(0.68g、66.3%の収率)が無色の油として得られた。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 1.03 (s, 9H), 3.72 (s, 1H); 3.93~4.05 (m, 6H); 4.23~4.45 (m, 1H); 4.55~4.80 (m, 7H); 5.13 (br, 1H); 7.02~7.07 (m, 2H); 7.21~7.37 (m, 24H); 7.62~7.68 (m, 4H).
ステップ3.化合物IVおよびVの合成:
ステップ3.化合物IVおよびVの合成:
[190]CH2Cl2(20mL)中の化合物III(680mg、0.842mmol)、リン酸ジベンジル(702mg、2.53mmol)、n-Bu3P(0.51g、2.53mmol)およびMS 5Å(500mg)の撹拌混合物に、Et3N(0.71mL、5.06mmol)を室温で添加した。30分間この温度で撹拌した後、DIAD(0.51g、2.53mmol)を室温で添加した。終夜撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮することで、油性残渣が得られた。粗生成物をPE-EtOAc(7:3)を用いるシリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによって精製することで、化合物IVおよびVの混合物(0.966g、100%)が得られ、これを次のステップで直接使用した。
ステップ4.化合物VIおよびVIIの合成:
ステップ4.化合物VIおよびVIIの合成:
[191]THF(20mL)中の化合物IVおよびVの混合物(0.966g、0.904mmol)の撹拌溶液に、TBAF(THF中1M、1.4mL、1.4mmol)を室温で添加した。終夜撹拌した後、反応物を飽和NH4Clでクエンチした。全混合物をEtOAcで抽出した。抽出物を飽和NaHCO3で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。濾液を減圧下で濃縮することで、油性残渣が得られ、これを、石油/EtOAc(3:1)を用いるフラッシュクロマトグラフィーによって精製することで、化合物VI(169.7mg、22.6%)および化合物VII(225mg、30%)が無色の油として得られた。化合物VI:1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ (ppm): 3.52~3.54 (m, 1H); 3.67~3.73 (m, 2H), 3.84~3.87 (dd, 1H); 3.97~3.99(m, 1H); 4.04~4.07 (m, 1H); 4.47~4.50 (m, 1H); 4.58~4.60 (m, 1H); 4.71~4.74 (m, 1H); 4.87~4.89 (m, 1H); 4.93~5.03 (m, 9H); 5.70~5.72 (dd, 1H); 7.19~7.33 (m, 30H). 31P NMR (CDCl3, 400 MHz) δ-2.60.化合物VII:1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ3.56~3.59 (dd, 1H); 3.65~3.68 (m, 2H); 3.81~3.84 (m, 2H); 4.02~4.07 (m, 1H); 4.52~4.56 (m, 1H); 4.59~4.61 (m, 1H); 4.68~4.78 (m, 3H); 4.86~4.88 (m, 1H); 4.95~5.11 (m, 7H); 5.24~5.26 (d, 1H); 7.18~7.39 (m, 30H). 31P NMR (CDCl3, 400 MHz) δ -2.50
ステップ5.化合物VIII(D-グリセロ-D-マンノ-ヘプトース-1β-P)の合成:
ステップ5.化合物VIII(D-グリセロ-D-マンノ-ヘプトース-1β-P)の合成:
[192]1,4-ジオキサン/H2O(5mL、4:1)中の化合物VI(105mg、0.126mmol)および20% w/wのPd(OH)2/C(21mg、0.03mmol)の混合物を、室温でH2(1atm)下にて2日間撹拌した。混合物を、0.5mの孔サイズを有するAdvantech PTFEメンブランフィルターを介してH2Oで濾過した。濾液を0℃に冷却し、TEA(53uL、0.378mmol)に添加し、この温度で3時間の間撹拌した。結果として得られた混合物を凍結乾燥させることで、化合物VIII・2Et3Nが白色の固体として(74.3mg、定量)得られた。
[193]本発明は、さらに、以下の非限定的な実施例によって記載および例証されている。
実施例1
化合物2は、H1BADP(化合物1)と比較して肝臓細胞において予想外の生物学的活性を有する。
化合物2は、H1BADP(化合物1)と比較して肝臓細胞において予想外の生物学的活性を有する。
[194]本明細書において「化合物1」(HMP1BP)とも称される参照化合物は、HBPの脱リン酸化によって生成される、H1b-ADP生合成経路における中間体である(図1)。化合物1の誘導体を生成し、それらの活性を初代マウス肝実質細胞(C57/b6)において試験した。1つのこうした誘導体、化合物2は、化合物1と比較して肝臓細胞において予想外の生物学的活性を呈した。肝実質細胞を最初に、新鮮なC57/b6マウス肝臓から単離し、血清不含培地に移し、終夜培養した後に、化合物1または化合物2で4時間の間処置した。肝臓細胞を次いで収集し、mRNAを単離し、C-Cモチーフケモカインリガンド2(CCL2)およびC-Cモチーフケモカインリガンド7(CCL7)の遺伝子発現をqPCRによって分析し、非処置(PBS)対照と比較した倍率変化として表した。遺伝子発現をハウスキーピング遺伝子、グリセルアルデヒド-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ(ギャップDH)の発現に対して正規化した。図2に示されている通り、化合物2はCCL2発現を、200ピコモルから200ナノモルの範囲における用量依存的方式にて有意に誘発した。対照的に、化合物1はCCL2発現を、2マイクロモルである試験最高濃度を除いてPBS対照に相対して有意に誘発することはなかった。この高濃度でさえ、化合物1によって誘発された遺伝子発現は、最低濃度(200ピコモル)の化合物2によって誘発されたものと同様でしかなかった。このアッセイにおいて。
[195]CCL7遺伝子発現は、2ナノモルから200ナノモルの間の化合物2でも用量依存的方式にて誘発されたが、化合物1は、2つの最も高い用量200ナノモルおよび2マイクロモルでCCL7遺伝子発現のずっと小さい誘発のみを示した。
[196]化合物2で観察された遺伝子発現の予想外の増加についての1つの可能性は、ベンゼンなどの疎水基を有するHMP1BPのヒドロキシル基の修飾が、化合物1よりもずっと効果的に化合物2が肝臓細胞に侵入するのを可能にすることである。
実施例2
化合物2は、ALPK1を介してマウス肝臓におけるケモカインおよびサイトカイン発現を誘発する。
化合物2は、ALPK1を介してマウス肝臓におけるケモカインおよびサイトカイン発現を誘発する。
[197]ALPK1ノックアウト(KO)マウスおよび野生型(WT)対照を、PBSまたは化合物2(0.5mg/kg)のいずれかで経口的に処置した。処置の4時間後、肝臓をqPCRによって遺伝子発現分析について解剖した。発現をPBS処置WTマウスに対して正規化した。図3に示されている通り、化合物2処置は、WTマウスにおいてCCL2、CCL3、CCL7およびCXCL1の各発現を誘発したが、ALPK1 KOマウスにおいては誘発せず、これは、化合物2は、これらのケモカインの遺伝子発現を刺激するためにALPK1を必要とすることを示す。
実施例3
化合物2は、マウスへの経口投与に続いて肝臓細胞においてのみケモカインを活性化する。
化合物2は、マウスへの経口投与に続いて肝臓細胞においてのみケモカインを活性化する。
[198]図4は、8週齢のC57雌性マウスに、200mM生理食塩水および1.5%DMSO中に希釈された化合物2を経口胃管栄養法によって投与した場合に、肝臓細胞のみが、qPCRによって測定した場合、強いCCL2およびCCL7遺伝子発現を示したことを示している。この実験において、CCL7は、PBS対照よりも50倍を超えて発現され、CCL2は、対照よりも20倍を超えて発現された。分析された他の器官組織は、サイトカインおよびケモカイン遺伝子発現を示さなかった。
実施例4
他の化合物1誘導体は、マウスへの経口投与に続いて肝臓細胞においてサイトカインおよびケモカインを活性化する。
他の化合物1誘導体は、マウスへの経口投与に続いて肝臓細胞においてサイトカインおよびケモカインを活性化する。
[199]いくつかの追加の化合物1誘導体を、肝実質細胞におけるサイトカインおよびケモカイン遺伝子誘発について試験した。図5は、化合物2~7に曝露された場合のケモカインおよびサイトカイン遺伝子およびそれらの発現プロファイルの拡大セットを示しており、化合物9~11および13~14についてはCCL2およびCCL7だけを示した。マウスを上に記載されている通りに処置した。簡潔には、8週齢のC57雌性マウスに、化合物2~7のいずれか1つまたは生理食塩水/DMSO対照を経口胃管栄養法によって別々に投与し(1mg/kg)、4時間後に肝臓を解剖し、遺伝子発現をqPCRによって分析した。遺伝子発現結果をGADPH発現に対して正規化した。図5Aに示されている通り、全ての場合において、化合物1誘導体は、対照よりもサイトカインおよびケモカイン遺伝子発現を誘発した。この実験において試験された追加の遺伝子は以下である:C-X-Cモチーフケモカインリガンド1をコード化するCXCL1;C-X-Cモチーフケモカインリガンド10をコード化するCXCL10;インターフェロンベータをコード化するIFNb;インターロイキン1ベータをコード化するIL-1b;インターロイキン6をコード化するIL6;および腫瘍壊死因子アルファをコード化するTNFa。CXCL1およびIL1bだけは、化合物1誘導体のいずれでも強い誘発効果を生成しなかった。全ての誘導体は、対照よりも20倍を超えてCCL2およびCCL7を誘発した。化合物2は、CCL2、CCL7、CXCL10、IFNb、IL6およびTNFaを、各々20倍を超えて誘発した。CXCL10も、化合物1誘導体の全てによって高く誘発された。化合物2と同様に、化合物4および5は、IFNbに強い誘発効果を有し、化合物5は、IL6に強い誘発効果を有していた。
[200]化合物9~10(1mg/kg)および化合物11、13~14(0.1mg/kg)を経口胃管栄養法によって上に記載されている通りに投与した場合、化合物9は、CCL2遺伝子発現(図5B)に最も強い効果を呈した。化合物10も、CCL2遺伝子発現の強い誘発を呈した。
実施例5
化合物2は、処置がマウスモデルにおいて血清中のHBV DNA、HBsAgおよびHBeAgを低減することを導いた。
化合物2は、処置がマウスモデルにおいて血清中のHBV DNA、HBsAgおよびHBeAgを低減することを導いた。
[201]1日目に、雄性C57BL/6匹のマウスの静脈内に(i.v)B型肝炎ウイルスAAV8-1.3 HBV(1×1011v/g)(Beijing Five Plus Molecular Medicine Institute)を注射した。注射後56日目に、各マウスを1週当たり2回(1用量当たり1mg/kg)化合物2またはPBSで処置した。処置の7日後(注射後63日目)に、B型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)およびB型肝炎e抗原(HBeAg)についてqPCR(HBVDNA)およびELISAによる分析のために、マウス血清を回収した。図6Aは、化合物2がHBV DNAコピー数を有意に低減したことを示している。B型肝炎表面抗原(図6B)およびB型肝炎e抗原(図6C)も両方ともに、PBS対照と比較して減少された。纏めると、これらの結果は、肝臓細胞における化合物1の誘導体の予想外の特異性および活性を示す。具体的に、化合物1誘導体は、組織特異的な肝臓細胞活性ならびにサイトカインおよびケモカイン遺伝子の強い誘発を示し、その上、感染マウスの血清中のHBV DNAおよび抗原価を低減する。
[202]当業者は、日常的に過ぎない実験法を使用して、本明細書に記載されている通りの本発明の特定の実施形態に対する多くの均等物を認識するまたはそれを確かめることができる。こうした均等物は、以下の請求項によって包含されると意図される。
[203]本明細書において引用されている全ての参照は、それら全体で参照によりおよび全ての目的で、各個々の公報または特許もしくは特許出願が具体的におよび個々に、参照によりそれ全体が全ての目的で組み込まれると示された場合と同じ程度に本明細書に組み込まれる。
[204]本発明は、本明細書に記載されている特定の実施形態による範疇に限定されるべきではない。実際に、本発明の様々な修飾は、本明細書に記載されているものに加えて、前述の説明および添付の図から当業者に明らかになる。こうした修飾は、添付の請求項の範疇内に入ると意図される。
Claims (77)
- 式(I):
(式中:
L1は、O、S、CH2、CHF、CF2、OCH2、SCH2、OCHF、SCHF、OCF2またはSCF2から選択され;
L2は、O、S、CH2、NR、CH2、CH(OH)、CHFおよびCF2からなる群から選択され、ここで、Rは、H、またはハロ、-OH、=O、C1~C4アルコキシ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから選択される0~3個の置換基で置換されているC1~C8アルキルであり;
Z1は、OおよびSから選択され;
W1は、-C(R10R11)-であり、ここで、R10およびR11は、H、D、-OH、ハロゲン、ならびにC1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4アルケニルオキシ、アラルキルオキシならびにC末端C(O)O-およびR12CO2-を介して連結されている1~6員オリゴペプチジルから選択される任意選択により置換されている基から独立して選択され、ここで、R12は、C1~C20アルキル、C1~C20アルケニル、C1~C20アルコキシ、C1~C20アルケニルオキシ、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子、ならびにN末端Nを介して連結されている1~6員オリゴペプチジルを有するヘテロアリールから選択され;ここで、R10およびR11の任意選択の置換基は、D、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される1~3個の置換基であり;
W2は、R13-Q1-W3-であり、ここで、Q1は、-O-または-NH-から選択され;W3は、結合、またはハロゲン、-OH、=O、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルキル、C1~C3ハロアルコキシル、C1~C3アルケニルオキシから独立して選択される1~3個の置換基で任意選択により置換されているC1~C3アルキレン基から選択され;ここで、R13は、C末端カルボニル基またはR14Q2C(O)-を介して連結されている1~6員オリゴペプチジルであり;ここで、Q2は、結合、-O-または-NH-であり;R14は、N末端Nを介して連結されている1~6員オリゴペプチジル、またはC1~C20アルキル、C1~C20アルキレニル、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択される任意選択により置換されている基であり、R14は、R15-Q3-Q4-Q5-であり;ここで、Q3,Q4およびQ5は、結合、アリール、5個から6個の環原子を含有するヘテロアリール、C3~C6シクロアルキル、ならびに4個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルから独立して選択され、Q3、Q4およびQ5のうちの少なくとも1つは、結合でなく;R15は、C1~C18アルキルおよびC1~C18アルコキシから選択される任意選択により置換されている基であり、ここで、R14およびR15の任意選択の置換基は、ハロゲン、-OH、-CO2H、C1~C4アルキルオキシカルボニル、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシC3~C6シクロアルキルおよびC3~C6シクロアルキルオキシから独立して選択される1~3個の置換基であり;
R1およびR2は、-ORaおよび-NRbRcからなる群から独立して選択され;R1およびR2の両方が-ORaである場合、Ra部分は、組み合わさることで、5員または6員の複素環式環を形成することができ、ここで、
5員または6員の複素環式環は、H、D、ハロゲン、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR3部分で置換されており、ここで、アリールまたは5員もしくは6員のヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1~C8アルキルからなる群から選択される0から3個のR3a置換基で置換されている;あるいは
2個のR3置換基が5員または6員の複素環式環の隣接する環頂点上にある場合、それらは、組み合わさることで、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR4部分で置換されている縮合フェニル環を形成することができ;
各Raは、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12ハロアルキル、-C(Ra1)(Ra2)C(O)ORa3、-C(Ra1)(Ra2)OC(O)Ra3、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、および-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され、
ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し、5員または10員のヘテロアリールは、ハロゲン、C1~C8アルキルおよび-NO2からなる群から選択される0個から2個の置換基で置換されており、
各RbおよびRcは、H、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリール、ならびに-C(Rb1)(Rb2)C(=O)ORb3からなる群から独立して選択され;
各Ra1、Ra2、Rb1およびRb2は、H、D、ならびにC1~C4アルキルC1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各Ra3およびRb3は、独立して、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
R5、R6およびR7は、H、-OH、ハロゲンおよびR12CO2-から独立して選択され、R5、R6およびR7のうちの少なくとも2つは、-OHまたはR12CO2であり、ここで、R12は、C1~C8アルキル、C1~C8アルコキシル、C1~C8アルカノイルオキシル、C1~C8アルケニルオキシル、C1~C8アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択され;ここで、R5、R6およびR7の隣接基の任意の2つは、環化することで、5個から9個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキルを形成し、各々は、D、CN、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される0~3個の置換基によって置換されている)。 - (2S,3S,4S,5S,6R)-6-((R)-1,2-ジヒドロキシエチル)-3,4,5-トリヒドロキシテトラヒドロ-2H-ピラン-2-イルリン酸二水素ではない、請求項1に記載の化合物。
- L2が、O、SおよびCH2からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物
- L2がOである、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
- L1が、O、S、CH2、CHFおよびCF2からなる群から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物
- L1がOである、請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物。
- Z1がOである、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
- R1およびR2が各々-ORaであり、Ra部分が、組み合わさることで、5員または6員の複素環式環を形成することができ、ここで、
5員または6員の複素環式環は、H、D、ハロゲン、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR3部分で置換されており、ここで、アリールまたは5員もしくは6員のヘテロアリールは、ハロゲンおよびC1~C8アルキルからなる群から選択される0個から3個のR3a置換基で置換されている;あるいは
2個のR3置換基が5員または6員の複素環式環の隣接する環頂点上にある場合、それらは、組み合わさることで、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択される0から3つのR4部分で置換されている縮合フェニル環を形成することができる、
請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。 - 組み合わされたRa部分が、それらが付着されている酸素原子およびリン原子と一緒に、式ii、
(式中、
R3は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールからなる群から選択され;
各R4は、H、D、ハロゲン、-OH、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12ハロアルキル、C1~C12ハロアルコキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C4アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールから独立して選択され;
添字nは、1から3の整数であり;
波線は、分子の残りへの付着点を示す)。 - R1およびR2が、-ORa、-NRbRcからなる群から選択される、請求項1から10のいずれか一項に記載の化合物。
- R1およびR2が、それらが付着されているホスフェートと組み合わされて、式iv
(式中、
Rb4およびRb5は、任意選択により独立して、HまたはD、C1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシル、C1~C4アルケニルオキシル、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Ra5は、H、D、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C1~C12アルキルアミノ、アラルキルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
Raは、H、D、アリール、または環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3環員から6環員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、ならびに-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し;
波線は、分子の残りへの付着点を示す)。 - R1およびR2が、それらが付着されているホスフェートと組み合わされて、式v
(式中、
Rb6は、H、C1~C12アルキル、C1~C12アルコキシル、C1~C12アルカノイルオキシル、C1~C12アルケニルオキシル、C3~C6シクロアルキル、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する4員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する5員から10員のヘテロアリールであり;
X1は、C3~5アルキレンであり;
Raは、H、D、環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有する3員から6員のヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5員から10員のヘテロアリール、-C1~C4アルキレン-アリール、ならびに-C1~C4アルキレン-5員から10員のヘテロアリールであり、ここで、5員または10員のヘテロアリールは、環員としてO、NおよびSからなる群から選択される1~3個のヘテロ原子を有し;
波線は、分子の残りへの付着点を示す)。 - R5、R6およびR7が、-OH、ハロゲンおよびR12CO2-から独立して選択され、R5、R6およびR7のうちの少なくとも2つは、-OHまたはR12CO2-であり、R12が、C1~C4アルキルから選択される、請求項1から18のいずれか一項に記載の化合物。
- W1が、-C(R10R11)-であり、
R10およびR11が、H、D、-OH、ハロゲン、ならびにC1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4アルケニルオキシ、アラルキルオキシ、およびR12CO2-から選択される任意選択により置換されている基から独立して選択され、
R12が、C1~C20アルキル、C1~C20アルケニル、C1~C20アルコキシ、C1~C20アルケニルオキシ、C1~C20アルキルアミノから選択され、
ここで、R10およびR11の任意選択の置換基は、D、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される1~3個の置換基である、
請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物。 - W1が、-C(R10R11)-であり、
R10およびR11が、H、-OH、ハロゲン、およびC1~C4アルキル、C1~C4アルコキシル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4-ハロアルコキシ、C1~C4アルケニルオキシ、アラルキルオキシおよびR12CO2-から選択される任意選択により置換されている基から独立して選択され、
R12が、C1~C4アルキル、C1~C4アルケニル、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルケニルオキシ、C1~C4アルキルアミノから選択され、
ここで、R10およびR11の任意選択の置換基は、D、ハロゲン、-OH、=O、C1~C4アルキルおよびC1~C4アルコキシから独立して選択される1~3個の置換基である、
請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物。 - W1が、-C(R10R11)-であり、
R10およびR11が、H、-OH、ハロゲンおよびR12CO2-から独立して選択され、
R12が、C1~C4アルキル、C1~C4アルケニル、C1~C4アルコキシ、C1~C4アルケニルオキシ、C1~C4アルキルアミノから選択される、
請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物。 - W1が-C(R10R11)-であり、ここで、R10およびR11は、H、-OH、ハロゲンおよびR12CO2-から独立して選択され、ここで、R12は、C1~C4アルキルから選択される、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物。
- W1が-C(R10R11)-であり、ここで、R10はHであり、R11は、-OHおよびハロゲンから選択される、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物。
- W1が-C(R10R11)-であり、ここで、R10はHであり、R11はフルオロである、請求項1から19のいずれか一項に記載の化合物。
- W2が、R13-Q1-W3-であり、
Q1が、-O-であり、
W3が、C1アルキレン基であり、
R13が、C末端カルボニル基またはR14Q2C(O)-を介して連結されている1~6員オリゴペプチジルであり、
Q2が、結合であり、
R14が、N末端Nを介して連結されている1~6員オリゴペプチジル、またはC1~C20アルキル、C1~C20アルキレニル、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択される任意選択により置換されている基であり、
R14が、R15-Q3-Q4-Q5-であり、ここで、Q3、Q4およびQ5は、結合、アリール、5個から6個の環原子を含有するヘテロアリール、C3~C6シクロアルキル、ならびに4個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルから独立して選択され、Q3、Q4およびQ5のうちの少なくとも1つは、結合でなく;R15は、C1~C18アルキルおよびC1~C18アルコキシから選択される任意選択により置換されている基であり、
ここで、R14およびR15の任意選択の置換基は、ハロゲン、-OH、-CO2H、C1~C4アルキルオキシカルボニル、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシC3~C6シクロアルキルおよびC3~C6シクロアルキルオキシから独立して選択される1~3個の置換基である、
請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物。 - W2がR13-Q1-W3-であり、ここで、Q1は-O-であり;W3はC1アルキレン基であり、R13はR14Q2C(O)-であり、ここで、
Q2は、結合であり、
R14は、C1~C20アルキル、C1~C20アルキレニル、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択される任意選択により置換されている基であり、R14は、R15-Q3-Q4-Q5-であり;ここで、Q3、Q4およびQ5は、結合、アリール、5個から6個の環原子を含有するヘテロアリール、C3~C6シクロアルキル、および4個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルから独立して選択され、Q3、Q4およびQ5のうちの少なくとも1つは、結合でなく;R15は、C1~C18アルキルおよびC1~C18アルコキシから選択される任意選択により置換されている基であり、
ここで、R14およびR15の任意選択の置換基は、ハロゲン、-OH、-CO2H、C1~C4アルキルオキシカルボニル、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシC3~C6シクロアルキルおよびC3~C6シクロアルキルオキシから独立して選択される1~3個の置換基である、
請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物。 - W2がR13-Q1-W3-であり、ここで、Q1は-O-であり;W3はC1アルキレン基であり、R13はR14Q2C(O)-であり;ここで、Q2は結合であり;R14はR15-Q3-Q4-Q5-であり;ここで、Q3、Q4およびQ5は、結合、アリール、5個から6個の環原子を含有するヘテロアリール、C3~C6シクロアルキル、ならびに4個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクリルから独立して選択され、Q3、Q4およびQ5のうちの少なくとも1つは、結合でなく;R15は、C1~C18アルキルおよびC1~C18アルコキシから選択される任意選択により置換されている基であり、ここで、R14およびR15の任意選択の置換基は、ハロゲン、-OH、-CO2H、C1~C4アルキルオキシカルボニル、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシC3~C6シクロアルキルおよびC3~C6シクロアルキルオキシから独立して選択される1~3個の置換基である、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物。
- W2がR13-Q1-W3-であり、ここで、Q1は-O-であり;W3はC1アルキレン基であり、R13はR14Q2C(O)-であり;ここで、Q2は結合であり;R14は、C1~C20アルキル、C1~C20アルキレニル、C1~C20アルキルアミノ、C3~C6シクロアルキル、3個から6個の環員を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロシクロアルキル、アリール、ならびに5個から10個の環原子を含有するとともに環員としてN、OおよびSから選択される1~3個のヘテロ原子を有するヘテロアリールから選択される任意選択により置換されている基である、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物。
- W2がR13-Q1-W3-であり、ここで、Q1は-O-であり;W3はC1アルキレン基であり、R13はR14Q2C(O)-であり;ここで、Q2は結合であり;R14は、C1~C20アルキル、C1~C20アルキレニル、C1~C20アルキルアミノから選択される任意選択により置換されている基である、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物。
- W2がR13-Q1-W3-であり、ここで、Q1は-O-であり;W3はC1アルキレン基であり、R13はR14Q2C(O)-であり;ここで、Q2は結合であり;R14は、C1~C4アルキルから選択される任意選択により置換されている基である、請求項1から25のいずれか一項に記載の化合物。
- 表1から選択される、請求項1に記載の化合物および/またはその立体異性体、安定同位体、プロドラッグもしくは薬学的に許容される塩。
- 請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
- 請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容される塩の有効量を投与するステップを含む、ALPK1を活性化するための方法。
- 請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与するステップを含む、こうした処置を必要とする対象における免疫応答をモジュレートするための方法。
- 請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与するステップを含む、こうした処置を必要とする対象におけるがんを処置するための方法。
- 請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与するステップを含む、対象における標的抗原に対する免疫応答を増強するめの方法。
- 請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与するステップを含む、対象の細胞におけるNFkB、p38およびJNK細胞シグナリング経路の活性化による処置に適している疾患または障害を処置するための方法。
- 請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容される塩の有効量を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象における、細菌、ウイルスまたは寄生生物から選択される感染病原体によって引き起こされる疾患または障害を処置または防止するための方法。
- 免疫応答をモジュレートすることが、自然免疫の活性化および適応免疫の活性化から選択される、請求項35に記載の方法。
- がんが、軟組織肉腫、乳がん、頭頸部がん、黒色腫、子宮頸がん、膀胱がん、血液悪性腫瘍、神経膠芽腫、膵臓がん、前立腺がん、結腸がん、乳がん、腎がん、肺がん、メルケル細胞癌腫、小腸がん、甲状腺がん、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ球性白血病(ALL)、慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML)、胃がん、胃腸ストロマ腫瘍、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、肝臓がん、白血病、リンパ腫、T細胞リンパ腫、脳がん、および多発性骨髄腫から選択される、請求項36に記載の方法。
- 標的抗原が、アデノウイルス、コクサッキーBウイルス、サイトメガロウイルス、東部ウマ脳炎ウイルス、エボラウイルス、エンテロウイルス71、エプスタイン-バーウイルス、ヘモフィルスインフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型(Hib)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)、鉤虫、マールブルグウイルス、ノロウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ロタウイルス、チフス菌、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、A群溶血性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)、水痘、ウエストナイルウイルス、ペスト菌(Yersinia pestis)、およびジカウイルスからなる群から選択される感染病原体の抗原である、請求項37に記載の方法。
- 化合物が、炭疽、カリエス、シャーガス病、デング熱、ジフテリア、エーリキア症、A型もしくはB型肝炎、ヘルペス、季節性インフルエンザ、日本脳炎、ハンセン病、ライム病、マラリア、麻疹、ムンプス、髄膜炎および敗血症を含めた髄膜炎菌性疾患、オンコセルカ症河川盲目症、百日咳(pertussis)(百日咳(whooping cough))、肺炎球菌性疾患、ポリオ、狂犬病、風疹、住血吸虫症、重症急性呼吸症候群(SARS)、帯状疱疹、天然痘、梅毒、破傷風、結核、野兎病、ダニ媒介性脳炎ウイルス、腸チフス、トリパノソーマ症、黄熱病または内蔵リーシュマニア症の処置または防止におけるワクチンのためのワクチンアジュバントとして作用する、請求項37に記載の方法。
- 疾患または障害が、結核、髄膜炎、肺炎、潰瘍、セプシス、鼻炎、喘息、アレルギー、COPD、炎症性腸疾患、関節炎、肥満、放射線誘発性炎症、乾癬、アトピー性皮膚炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルツハイマー病、全身性ループス、エリテマトーデス(SLE)、自己免疫性甲状腺炎(グレーブス病)、多発性硬化症、強直性脊椎炎水疱性疾患、光線性角化症、潰瘍性大腸炎、クローン病、円形脱毛症、およびC型肝炎ウイルス(HCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)またはヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる疾患および障害から選択される、請求項38に記載の方法。
- 感染病原体が細菌である、請求項39に記載の方法。
- 感染病原体がウイルスである、請求項39に記載の方法。
- 感染病原体が寄生生物である、請求項39に記載の方法。
- 細菌が、グラム陰性またはグラム陽性細菌である、請求項45に記載の方法。
- グラム陰性細菌が、Acinetobacter baumanii、Aggregatobacter actinomycetemcomitans、Bartonella bacilliformis、Bartonella. henselae、Bartonella quintana、Bifidobacterium Borrelia、 Bortadella pertussis、Brucella sp、Burkholderia cepacis、Burkholderia psedomallei、Campylobacter jejuni、Cardiobacterium hominis、Campylobacter fetus、Chlamydia pneumonia、Chlymydia trahomatis、Clostridium difficile、シアノバクテリア、Eikennella corrodens、Enterobacter、Enterococcus faccium、大腸菌、大腸菌0157、Franceilla tularensis、Fusobacterium nucleatum、Haemophilus influenza、Haemophilus aphrophilus、Haemophilus ducreyi、Haemophilus parainfluenzae、Helicobacter pylori、Kingella kingae、Klebsiella pneumonia、Legionella bacteria、Legionella pneumophila serogroup 1、Leptospria、Morganella morganii、Neisseria gonorrhoeae、Neisseria meningitidis、Proteus mirabilis、Proteus vulgaris、 Proteus myxofaciens、Providencia rettgeri、Providencia alcalifaciens、Providencia stuartii、Pseudomonas aeruginosa、Pseudomonas paucimobilis、Pseudomonas putida、Pseudomonas fluorescens、Pseudomonas acidovorans、Rickettsiae、Salmonella enterica、Salmonella typhi、Salmonella paratyphi A型、Bチフス、Salmonella. dublin、Salmonella arizonae、Salmonella choleraesuis、Serratia marcescens、Schigella dysenteriae、Schigella flexneri、Schigella boydii、Schigella sonnei、Treponema、Stenotrophomonas maltophilia、Vibrio cholerae、Vibrio mimicus、Vibrio alginolyticus、Vibrio hollisae、Vibrio parahaemolyticus、Vibrio vulnificusおよびYersinia pestitisからなる群から選択される、請求項48に記載の方法。
- グラム陽性細菌が、Actinomycetes、Bacillus anthracis、Bacillus subtilis、Clostridium tetani、Clostridium. perfingens、Clostridium botulinum、Clostridium tetani. Corynebacterium diphtheriae、Enterococcus faecalis、Enterococcus faecium、Erysipelothrix ruhsiopathiae、Listeria monocytogenes、Mycobacterium leprae、Mycobacterium tuberculosis、Mycoplasma、Nocardia、Propionibacerium、Pseudomonas aeruginosa、Pneumococci、Staphylococcus aureus、Staphylococcus epidermidis、メチシリン抵抗Staphylococcus aureus (MRSA)、バンコマイシ抵抗性Staphylococcus aureus (VRSA)、Staphylococcus lugdunensis、Staphylococcus saprophyticus、 Streptococcus pneumonia、Streptococcus pyogenes、およびStreptococcus 突然変異体からなる群から選択される、請求項48に記載の方法。
- ウイルスが、エボラウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、単純ヘルペスウイルス、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ヒト乳頭腫ウイルス(HPV-6、HPV-11)、ヒトSARSコロナウイルス、A型インフルエンザウイルス、B型インフルエンザウイルス、C型インフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、狂犬病ウイルス、ポリオウイルス、SARSコロナウイルス、および黄熱病ウイルスからなる群から選択される、請求項46に記載の方法。
- 寄生生物が、Acanthamoeba spp、American tryppanosomiasis、Balamuthia mandnillanis、Babesia divergenes、Babesia bigemina、Babesia equi、Babesia microfti、Babesia duncani、Balantidium coli、Blastocystis spp Cryptosporidium spp、Cyclospora cayetanensis、dientamoeba fragilis、Diphyllobothrium latum、Leishmania amazonesis、Naegleria fowderi、Plasmodium falciparum、Plasmodium vivax、 Plasmodium ovale curtisi、Plasmodium malariae、Rhinosporidium seeberi、Sarcocystis bovihominis、Sarcocystiss suihominis、Toxoplasma gondii、Trichmonas vaginalis、Trypanosoma brucei、Trypanosoma cruzi、およびTaenia multicepsからなる群から選択される、請求項47に記載の方法。
- 1種または複数の追加の治療剤または免疫モジュレーターおよびその組合せを対象に投与するステップをさらに含む、請求項35から52のいずれか一項に記載の方法。
- 1種または複数の追加の治療剤が、抗微生物剤、例えば抗細菌剤、抗ウイルス剤もしくは抗寄生剤、抗がん剤、または結核、髄膜炎、肺炎、潰瘍、セプシス、鼻炎、喘息、アレルギー、COPD、炎症性腸疾患、関節炎、肥満、放射線誘発性炎症、乾癬、アトピー性皮膚炎、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルツハイマー病、全身性ループス、エリテマトーデス(SLE)、自己免疫性甲状腺炎(グレーブス病)、多発性硬化症および強直性脊椎炎水疱性疾患の処置のための治療剤から選択される、請求項53に記載の方法。
- 1種または複数の追加の免疫モジュレーターが、免疫チェックポイント調節因子の阻害剤またはアンタゴニスト、ワクチン、好ましくは免疫チェックポイント調節因子に対するワクチン、免疫刺激性分子、免疫共刺激性分子のアゴニスト、組換えタンパク質、およびT細胞、好ましくはキメラ抗原受容体T(CAR-T)細胞からなる群から選択される、請求項53に記載の方法。
- 免疫チェックポイント調節因子が、プログラム細胞死1(PD-1)受容体(CD279)、PD-1のリガンド(例えば、PD-L1)、細胞毒性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA4)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー9(代替としてTNFRSF9、4-1BB)および4-1BBリガンド、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー4(代替としてTNFRSF4、OX40)およびOX40リガンド、グルココルチコイド誘発TNFR関連タンパク質(GITR)、腫瘍壊死因子受容体スーパーファミリーメンバー7(代替としてTNFRSF7、分化27のクラスター、CD27)、TNFRSF25およびTNF様リガンド1A(TL1A)、TNF受容体スーパーファミリーメンバー5(代替としてTNFRSF5、CD40)およびCD40リガンド、ヘルペスウイルス侵入メディエーター(HVEM)-腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー14(代替としてTNFSF14、LIGHT)-リンホトキシンアルファ(LTA)、ヘルペスウイルス侵入メディエーター-(HVEM)-BおよびTリンパ球アテニュエーター(BTLA)-CD160(代替としてTNFSF14)、リンパ球活性化性遺伝子3(LAG3)、T細胞免疫グロブリンおよびムチン-ドメイン含有3(TIM3)、シアル酸結合性免疫グロブリン様レクチン(SIGLEC)、誘発性T細胞共刺激分子(ICOS)およびICOSリガンド、B7-H3(B7ファミリー、代替としてCD276)、Vセットドメイン含有T細胞活性化阻害剤1(VTCN1、代替としてB7-H4)、T細胞活性化のV型免疫グロブリンドメイン含有抑制剤(VISTA)、ヒト内因性レトロウイルスH末端反復配列関連性タンパク質2(HHLA2)膜貫通および免疫グロブリンドメイン含有2(TMIGD2)、ブチロフィリン、ナチュラルキラー細胞受容体2B4(代替としてNKR2B4、CD244)およびB細胞膜タンパク質(CD48)、免疫グロブリン(Ig)および免疫受容体チロシンベースの阻害モチーフドメイン(TIGIT)およびポリオウイルス受容体(PVR)ファミリーメンバーとのT細胞免疫受容体、キラー細胞免疫グロブリン様受容体(KIR)、免疫グロブリン様転写物(ILT)および白血球免疫グロブリン様受容体(LIR)、ナチュラルキラー群タンパク質2メンバーD(NKG2D)およびナチュラルキラー群タンパク質2メンバーA(NKG2A)、主要な組織適合性複合体(MHC)クラスIポリペプチド関連配列A(MICA)およびMHCクラスIポリペプチド関連配列B(MICB)、ナチュラルキラー細胞受容体2B4(CD244)、コロニー刺激因子1受容体(CSF1R)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、形質転換成長因子ベータ(TGFβ)、アデノシン-エクト-ヌクレオチダーゼ三リン酸ジホスホヒドロラーゼ1(CD39)-5’-ヌクレオチダーゼ(CD73)、C-X-Cモチーフケモカイン受容体4(CXCR4)およびC-X-Cモチーフケモカインリガンド12(CXCL12)、ホスファチジルセリン、シグナル調節タンパク質アルファ(SIRPA)およびインテグリン関連タンパク質(CD47)、血管内皮成長因子(VEGF)、ならびにニューロピリンから選択される、請求項55に記載の方法。
- 1種または複数の追加の免疫モジュレーターが、ワクチンである、請求項53に記載の方法。
- ワクチンが、腫瘍抗原に対するワクチンである、がんを処置するための方法における、請求項57に記載の方法。
- 腫瘍抗原が、糖タンパク質100(gp100)、ムチン1(MUC1)、および黒色腫関連抗原3(MAGEA3)、から選択される、請求項58に記載の方法。
- 1種または複数の追加の免疫モジュレーターが、T細胞、好ましくはキメラ抗原受容体T細胞である、請求項53に記載の方法。
- 1種または複数の追加の免疫モジュレーターが、好ましくは顆粒球-マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)、インターロイキン7(IL-7)、IL-12、IL-15、IL-18およびIL-21から選択される組換えタンパク質である、請求項53に記載の方法。
- 1種または複数の追加の治療剤または免疫モジュレーターが、PD-1/PD-L1阻害剤である、請求項53に記載の方法。
- PD-1/PD-L1阻害剤が、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよびアベルマブからなる群から選択される、請求項63に記載の方法。
- がんが、進行性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞癌腫、膀胱がん、ホジキンリンパ腫、肝臓がん、胃がん、結腸がん、乳がん、非ホジキンリンパ腫、前立腺がん、頭頸部がん、甲状腺がん、脳がん、急性骨髄球性白血病(AML)、メルケル細胞癌腫、多発性骨髄腫、子宮頸がんおよび肉腫から選択される、請求項36、41、および53から60のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1から32のいずれか一項の化合物、ならびに免疫チェックポイント調節因子の阻害剤またはアンタゴニスト、免疫刺激性分子、および免疫共刺激性分子のアゴニストの1つまたは複数から選択される免疫モジュレーターを含む組成物を対象に投与するステップを含む、こうした処置を必要とする対象におけるがんを処置するための方法。
- 免疫チェックポイント調節因子の阻害剤またはアンタゴニストが、PD-1/PD-L1阻害剤である、請求項66に記載の方法。
- PD-1/PD-L1阻害剤が、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、ピディリズマブ、BMS-936559、アテゾリズマブ、デュルバルマブおよびアベルマブからなる群から選択される、請求項67に記載の方法。
- 免疫モジュレーターが、インターフェロンアルファ(INFa)、インターフェロン遺伝子(「STING」)アゴニストの刺激剤、TLRアゴニスト(例えば、レキシモド)、および抗OX40(CD134)アゴニスト抗体から選択される、請求項66に記載の方法。
- 免疫モジュレーターが、免疫共刺激性分子のアゴニストである、請求項66に記載の方法。
- 免疫共刺激性分子のアゴニストが、抗OX40(CD134)アゴニスト抗体である、請求項70に記載の方法。
- 請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容される塩を対象に投与するステップを含む、こうした処置を必要とする対象における肝臓疾患または障害を処置するための方法。
- 肝臓疾患または障害が、肝臓がん、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、およびC型肝炎ウイルス(HCV)またはB型肝炎ウイルス(HBV)での感染によって引き起こされる疾患または障害から選択される、請求項72に記載の方法。
- 対象が脊椎動物である、請求項35から73のいずれか一項に記載の方法。
- 対象がヒトである、請求項35から73のいずれか一項に記載の方法。
- 請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容される塩を含むワクチン組成物またはワクチンアジュバント組成物。
- 請求項1から32のいずれか一項に記載の化合物または薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物、ワクチン組成物、またはワクチンアジュバント組成物。
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