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JP2022527863A - マイクロ波熱分解システムのための内部冷却されるインピーダンスチューナ - Google Patents

マイクロ波熱分解システムのための内部冷却されるインピーダンスチューナ Download PDF

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JP2022527863A
JP2022527863A JP2021560441A JP2021560441A JP2022527863A JP 2022527863 A JP2022527863 A JP 2022527863A JP 2021560441 A JP2021560441 A JP 2021560441A JP 2021560441 A JP2021560441 A JP 2021560441A JP 2022527863 A JP2022527863 A JP 2022527863A
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Abstract

動作中に循環する冷却流体を受容するための中空ダクトを有するスタブを備える内部冷却されるマイクロ波スタブチューアアセンブリが開示される。熱分解反応炉のためのマイクロ波スタブチューナアセンブリは、導波路キャビティ内へ突出する少なくとも1つの細長い中空本体プランジャを備えるものとして記載される。上記プランジャの中空本体部分の各々は、循環する冷却流体を受容するための少なくとも1つの内部冷却ダクトを有し、循環する冷却流体がプランジャに入り、各上記内部冷却ダクトを流れ、プランジャから出るように、上記循環する冷却流体によって冷却されるように適合される。各プランジャは、導波路キャビティ内におけるプランジャの位置を調節するための位置調節手段を有する。

Description

技術分野
本発明は、熱分解の分野に関し、より詳細には、マイクロ波熱分解システムのためのカプラに関する。
背景技術
バイオマスおよびプラスチックなどの生成物の熱分解は、通常は、反応炉内で、嫌気性の条件下、すなわち酸素がない雰囲気において、熱を加えることによって行われる。通常は、3つの主反応生成物、すなわち油、ガス、およびカーボンブラックが存在する。ほとんどの場合、熱分解プロセスは、油の収率を最大にするように調整され、なぜならば、通常は油が化学物質または燃料の供給源として最も価値があるからである。
熱分解のための従来からの熱源は、通常は、火炎および高温燃焼ガスをもたらすための燃料ガスの燃焼、または抵抗電気加熱素子を含む。このような従来からの熱分解システムにおいては、反応炉の外面が加熱され、熱を熱分解されるべき生成物へと側壁または底部を含む反応炉の壁を介する熱伝導によって伝達することができる。
しかしながら、従来からの熱分解システムの少なくとも一部は、以下の欠点のうちの少なくともいくつかを抱える。
従来からの熱分解システムの少なくとも一部においては、熱分解されるべき生成物の加熱速度が比較的低く、結果として油の収率が低くなるという理由で、油の収率が低い。これは、生成物の加熱速度が、容器の壁の温度によって決定され、すなわち容器の壁温度が高いほど、生成物の加熱速度が高くなるという事実に起因する。容器の壁の最大加熱速度、したがって生成物の最終温度は、通常は、容器の熱慣性、熱源の出力、熱損失、容器の壁の合金の選択、表面積、および熱伝達係数によって決定される。これらの制約のすべてが、原料の加熱速度を制限する。しかしながら、高温に耐えることができる合金(Inconel(商標)またはチタンなど)を選択すると、システムの資本コストが高くなる。
さらに、生成物の最終温度が低い(すなわち、反応温度が低い)と、反応速度が低くなり、反応の動態にも悪影響がある。また、反応炉の壁は、熱分解されるべき生成物よりも高い温度に加熱されるため、生成物は、反応炉の壁から出るときに温度の上昇を被り、これが生成物の劣化を引き起こす可能性がある。
従来からの熱分解システムの上述の欠点の少なくともいくつかを克服するために、マイクロ波熱分解システムが開発されている。このようなマイクロ波熱分解システムは、反応炉に入れられた熱分解されるべき生成物を加熱するためにマイクロ波を使用する。
マイクロ波は、電磁波であり、磁場に垂直な移動電界である。加熱の用途に使用されるマイクロ波は、典型的には、2.45GHz(15kW未満の低電力)および915MHz(100kWもの高電力)の周波数を有し、これらの周波数は国際規制によって固定および決定されている。
従来からの熱分解システムに対するマイクロ波熱分解システムの主要な利点の一部として、加熱速度が高く、したがって生成物の収率が高くなること、反応部位の温度が高く、したがって反応速度の向上および動態の改善につながること、温度調節が迅速で環境温度が低く、したがって熱分解反応の生成物の劣化を回避できることが挙げられる。
しかしながら、マイクロ波熱分解システムには、いくつかの問題が存在する。これらの問題のうちの1つは、マイクロ波電力を反応炉へとデリバリするための手段に関する。電力のデリバリにおける1つの課題は、高強度の電界の存在および化学反応炉内の汚染物質の存在にある。
通常は、マイクロ波熱分解システムは、マイクロ波発生器が発生させたマイクロ波を熱分解が生じる反応炉まで伝播させるためのマイクロ波導波路を含む。通常の導波路は、マイクロ波の波長/周波数に関連して寸法が設定される矩形の管であり、マイクロ波反応炉は、一般に、導波路の内部寸法よりも大きい内部寸法を有する。したがって、マイクロ波の電力密度は、一般に、マイクロ波反応炉よりも導波路(体積がより小さい)の内部においてより大きい。
反応炉および導波路の内部の所与の位置において、時間につれて振動する電位および磁位が存在すると考えられる。電位が媒体の絶縁破壊電圧を超えて上昇すると、電気アークが形成される。電気アークは、ガスの温度を上昇させ、プラズマを生じさせる。プラズマは導電性であり、振動する電界が電気アークを維持し、電気アークは、最も高い電力密度の方向、すなわちマイクロ波発生器の方向に移動する。マイクロ波発生器に向かって進むにつれて、アークは、アークに触れる金属の表面および境界を損傷させ、すなわちアークは金属上に鋭いエッジを生じさせる。マイクロ波の注入を停止することで、アークを消滅させることができる。マイクロ波の注入が再開されると、以前のアークによって生じた鋭いエッジの存在が、電界強度の高い地点を生じさせ、これが媒体の絶縁破壊電圧を超えるリスクを高め、別のアークの発生を促進する。したがって、アークの発生は、次に、アーク放電の蓋然性を高めることにつながる。導波路の内部の電力密度が、通常はマイクロ波反応炉と比較して高いため、導波路の内部におけるアーク放電のリスクは、反応炉と比べて高い。したがって、導波路環境を充分に管理しなければならない(清浄度、高い絶縁破壊電圧、汚染がないこと、滑らかな表面、鋭いエッジがないこと、など)。
熱分解は、通常は、カーボンブラック粒子を生じさせる副反応を伴う。これらの粒子は、導電性の微細な固体粒子である。ガス中に浮遊している場合、カーボンブラック粒子の存在は、ガスの絶縁破壊電圧を低下させ、アーク放電を促進する。反応によって生じた他のガスおよび/または液体の存在も、媒体の絶縁破壊電圧を低下させる可能性がある。
金属表面への汚染物質の付着も、ホットスポットおよびアーク放電をもたらす可能性がある。例えば、付着したカーボンブラック粒子において、振動する電界が電流を生じさせる。カーボンブラック粒子の電気抵抗はゼロではないため、抵抗損失によってカーボンブラック粒子が発熱する。したがって、ホットスポットが金属表面上に生じる可能性があり、これが、表面の損傷、表面の溶融、鋭いエッジ、および/またはアーク放電につながる可能性がある。
従来からのマイクロ波熱分解システムは、矩形の断面形状を有するマイクロ波導波路を使用する。そのような矩形のマイクロ波導波路において、最高の電界強度は、導波路の長辺の中央に位置する。これは、矩形の導波路の支配的なモードであるTE10伝送モードに対応する。この場合、汚染物質の付着は、金属上のホットスポット、金属の損傷、鋭いエッジの生成物、および/またはアーク放電につながる可能性がある。
さらに、マイクロ波システムにおけるインピーダンス整合が、通常は、マイクロ波発生器から反応炉へと伝送される電力を最大にし、反射される電力を最小にするために必要とされる。インピーダンス整合は、通常は、アイリスまたはスタブチューナを使用して実行される。アイリスは、有孔板であり、そのインピーダンスは、孔のサイズおよび形状の関数である。サイズおよび形状の両方が固定されているため、アイリスのインピーダンスは固定されており、反応炉へのマイクロ波注入の最中にリアルタイムで変更することはできない。したがって、アイリスは、静的なインピーダンス整合システムである。
スタブチューナは、調節可能であるように構成されるインピーダンス整合システムである。典型的なスタブチューナは、円柱形のスタブまたはプランジャが長辺に沿ってかつ導波路壁内へ直角に挿入された導波路部分で構成される。ほとんどの従来からのスタブチューナは、導波路壁に取り付けられたケーシングに共通して配置される、3つの離間された離れたスタブを有する。導波路内への挿入深さを変化させて、チューナの特性インピーダンスを変化させることができる。大部分のスタブチューナは、インピーダンス整合を調節して反射パワーを最小にするように、マイクロ波注入の最中にリアルタイムで各々の個別のスタブの挿入深さを変更することを可能にする。したがって、スタブチューナは、動的なインピーダンス整合システムである。
既存のスタブチューナは、システムのインピーダンスを整合するために設計され、インピーダンス不整合は比較的低い(電圧定在波比(voltage standing wave ratio)(VSWR<10:1))。VSWRはマイクロ波システムのインピーダンス不整合を特徴付けるために用いられる:
Figure 2022527863000002
Γは反射係数である。
典型的なスタブチューナは、スミスチャートにおける完全整合スペクトルの約半分をカバー可能である。一般的な目標は、スミスチャート示度数が中間にあり、マイクロ波の低い反射の示すようにスタブチューナを用いることである。
典型的には、スタブチューナは、インピーダンス整合を調整するように、導波路内において水平および/または垂直位置に手動で移動されることができる。マイクロ波チューナは、しばしば、垂直移動のためにマイクロメータキャリッジ駆動を用いる。一般に、スタブはねじ駆動によって移動される。
自動スタブチューナは、コンピュータインターフェースによって制御されたアクチュエータを介してスタブの移動を動作する。
しかしながら、スタブが導波路内におけるマイクロ波場に挿入されると、スタブは電界および磁界に曝され、したがってスタブ表面に電流が誘導される。スタブの材料は電気抵抗がゼロではない(スタブは、通常はアルミニウムまたは銅で作られる)ため、抵抗熱損失がスタブにおいて生じる。或る程度の抵抗損失が導波路の壁においても生じるが、これらはスタブにおける損失と比べて無視することができる。
スタブにおけるこれらの抵抗損失により、スタブは発熱し、それらの動作温度が上昇する。スタブの温度が上昇するにつれて、スタブは熱膨張し、その長さおよび直径が増加する。熱膨張のために、スタブは、スタブケーシングの内部で圧迫され、ねじ駆動はもはやチューナにおける出入りが不可能になり得る。結果として、システムは、チューナのインピーダンスを変更する能力を失う。さらに、スタブを無理に動かし、あるいは押し出そうとすることで、スタブおよびスタブケーシング、ねじ駆動および/またはアクチュエータに機械的損傷が生じる可能性がある。
また、より高いレベルの不整合が観察されたとき、事象は悪化し、従前のシステムはさらに発熱し始め、さらにはスタブチューナアセンブリの本体内部で再発アーク放電を形成する。ほとんどの既存のチューナは、スタブ温度を制御するための冷却機構を有していないか、チューナケーシングにおける液体(水、グリコール)冷却循環を特徴とするかのいずれかである。両方の場合において、主な熱源であるスタブの温度は制御されず、これが既存のチューナの使用を低インピーダンス不整合用途(VSWR<10:1)に制限する。高電力(たとえば、915MHzおよび2450MHzで100kW)でマイクロ波生成器と反応炉共鳴キャビティとの間における高いインピーダンス不整合(VSWR≧10など)を相殺することを可能とするスタブチューナアセンブリが必要とされる。
したがって、先行技術のシステムの上記の欠点の少なくとも一部を克服する改善されたマイクロ波熱分解システムおよびスタブチューナアセンブリについて、ニーズが存在する。
概要
広い局面によれば、動作中に循環する冷却流体を受容するための中空ダクトを有するスタブを備える、内部冷却されるマイクロ波スタブチューナアセンブリが提供される。熱分解反応炉のためのマイクロ波スタブチューナアセンブリは、導波路キャビティ内へ突出する少なくとも1つの細長い中空本体プランジャを備えるものとして記載される。上記プランジャの中空本体部分の各々は、循環する冷却流体を受容するための少なくとも1つの内部冷却ダクトを有し、循環する冷却流体がプランジャに入り、各上記内部冷却ダクトを流れ、プランジャから出るように、上記循環する冷却流体によって冷却されるように適合される。各プランジャは、導波路キャビティ内におけるプランジャの配置を調節するための位置調節手段を有する。
本発明のさらなる特徴および利点が、以下の詳細な説明を添付の図面と併せて検討することで、明らかになるであろう。
実施形態によるマイクロ波熱分解反応炉、カプラ、およびスタブチューナを含むマイクロ波熱分解システムの断面図である。 図1のスタブチューナアセンブリの断面図2であって、上記断面は導波路の長手方向軸に直交する図である。 スタブチューナアセンブリの外面に沿った図1のスタブチューナアセンブリの断面側面図である。 スタブの長手方向軸に沿った図1のスタブチューナアセンブリの断面側面図である。 図4の分離図である。 図1のスタブチューナアセンブリの斜視切断側面図である。
詳細な説明
図1が、たとえば915MHzのマイクロ波源で動くマイクロ波熱分解システム10の一実施形態を示している。システム10は、反応炉または容器12と、カプラ14と、スタブチューナ16アセンブリとを備える。スタブチューナアセンブリ16は、直接またはマイクロ波導波路を介して、マイクロ波の供給源またはマイクロ波発生器(図示せず)に接続できることを理解されたい。反応炉12は、マイクロ波エネルギーの作用下で内部において化学反応および/または物理的反応を実行するように構成される。
反応炉12、カプラ14ならびにスタブチューナアセンブリ16の形状、寸法、入口および出口は、単に例であって変化し得ることを理解されたい。たとえば、カプラ14およびスタブチューナアセンブリ16は反応炉12の長手方向軸に実質的に直交して接続されるように構成されるものとして示されているが、他の実施形態が可能であり得ることを理解されたい。反応炉12、カプラ14およびスタブチューナアセンブリ16の相対比率は、図解の目的のためのものであって単に例である。
別の実施形態(図示せず)においては、カプラ14は存在しない。言い換えれば、反応炉内に規定されるキャビティとスタブチューナアセンブリ16の矩形導波路との間における物理的連結は存在しない。しかしながら、カプラがないことは、マイクロ波熱分解システム10を、反応炉12内部に収容される必要がある多相環境(固体、気体および/または液体)を伴う化学反応を実行するのに不適切にし得る。物理的障壁がないことにより、固体、気体および/または液体はマイクロ波と相互作用してホットスポット、アーク放電(ホットプラズマ)およびスタブチューナアセンブリ16の故障を生じさせ得る。スタブチューナは高いマイクロ波電力密度および高い電界を受けるため、アーク放電およびホットスポット生成に向かう傾向が高い。したがって、アーク放電およびスタブチューナアセンブリ16の故障を最小にするためには、適切なカプラ14の導入が好ましい。
使用の前に、ナットおよびボルトなどの適当な手段によって反応炉12にカプラ14が取り付けられる。実施形態において、カプラ14はスタブチューナ16に対して広げられた直径を有し、矩形管状導波路形状からほぼ円筒形の形状への移行を提供する。
反応炉12には、材料がマイクロ波熱分解を経験するための適当な入口および出口が備えられる。材料レベル充填ライン66の例が示されている。いくつかの実施形態において、反応炉12は気密であり、真空または圧力下で作動するように適合される。反応炉壁18は、反応炉壁18の冷却または加熱を可能にするために、二重壁にされてもよく、またはそうでなければ被覆(jacketed)されてもよい。
図示された実施形態において、スタブチューナアセンブリ16は、インピーダンス整合およびマイクロ波生成器(図示せず)によって放射されたマイクロ波をカプラ14まで導くことのために用いられる。カプラ14は、スタブチューナアセンブリ16から来るマイクロ波を反応炉12内へ伝播するために用いられる。反応炉12は、マイクロ波加熱によって加熱される熱分解されるべき生成物をその中に受容するように構成される。
ここで、スタブチューナアセンブリ16が図1~図6を参照することによってさらに詳細に説明される。
図示されるように、スタブチューナアセンブリ16は、マイクロ波導波路内に囲まれるとともに3つのプランジャ(スタブ)ハウジング22が取り付けられる、導波路キャビティ20を備える。ロックナット24は各プランジャ26をハウジング22内のある位置に固定することを可能にし、プランジャねじ山部分46とハウジングねじ部分48との間における良好な電気接触を保証することによってマイクロ波の漏出を防止する。二次ロックナット32が第1ロックナット34をロックする。従前の設計は約1/8”のプランジャねじ山部分を有し得るが、図示された実施形態はおおよそ>1.0”の部分を有する。
有利には、プランジャ26間における軸方向距離はマイクロ波場の波長λの関数であり、典型的にはλ/3である。
典型的には、プランジャ26が導波路キャビティ20の中に伸び得る深さは、典型的にはλ/4以下である。
実施形態において、デュアルフローロータリユニオン35を用いて各プランジャ26内部に冷却流体が循環され、デュアルフローロータリユニオン35は、調整のためにプランジャ26の回転を可能にしながら冷却流体がプランジャ26内部に循環することを可能にする。プランジャ26の回転は、完全にずれた位置から導波路キャビティ20の中央において適切に載置する位置まで動く軸方向位置におけるプランジャ26の移動を可能にする。
プランジャケーシング36はマイクロ波の閉込めを可能にし、プランジャ26とプランジャケーシング36との間における間隙はマイクロ波の完全なまたはほぼ完全な電気チョーキング(electrical choking)を可能にする。プランジャ26は約(λ/6)(λは波長である)で釣合いのとれた冷却管直径を有する中空シャフト40であって、プランジャ冷却管38内部における冷却流体の循環を可能にする。
実施形態において、プランジャ26は、より多くの冷却を達成するように、1つより多い冷却管によって提供されてもよい。
プランジャ26は、鋼、銅、アルミニウム、それらの任意の合金もしくは組み合わせの材料を含む金属などの鋳造材料または機械材料から構成される。一実施形態において、プランジャ26は、銀などの低電気損失材料でコーティングされてもよい。
プランジャ冷却管38は冷却流体入口42に接続され、冷却流体を強制的にプランジャ26の先端に入れ、ロータリユニオン35および流体出口44を通ってプランジャの頂部において出す。当業者は、冷却流体の流れ方向は逆であってもよく、各プランジャ26は有利には冷却流体の流れに直列に接続され得ることを理解するであろう。
実施形態において、冷却流体は、たとえば都市用水の使用によって、開回路において循環される。別の実施形態において、冷却流体は閉回路において循環され、冷却交換機(図示せず)に接続される。
実施形態において、プランジャ26の縁とプランジャケーシング36との間におけるアーク放電を防止するために、プランジャケーシング36内部における最小プランジャ長さは、初めは導波路の内側高さの約四分の一に設定され、適切なインピーダンス整合のために所望の通りに調節される。
このように、負荷と源との間でインピーダンス不整合が観察されたとき、本発明のスタブチューナシステムはインピーダンスの複合部分を相殺するために用いられる。この目標のために、プランジャ26は導波路キャビティ20の内外に挿入および調節されて、システム全体のインピーダンスに影響を与え、マイクロ波反応炉12において伝送されるパワーを最大化するためにインピーダンスの複合成分が0(スミスチャートにおいて水平)付近になることを保証する。
このように、負荷と源との間でインピーダンス不整合が観察されたとき、スタブチューナアセンブリ、プランジャ26は導波路内へより深く移動および調節され得る。いくつかの実施形態においては、システムのインダクタンスをさらに増加させるために、上記に記載されたような追加のプランジャ26が追加される必要もあり得る。
プランジャ26における誘導電流から生じる消散的な(抵抗の)エネルギー損失は熱を生成し、必要とされる熱消散の量はプランジャの深さに比例するため、高いレベルの不整合が記録されたとき、より多くの量の熱が生成され、より多くの冷却が結果として必要とされることが観察された。
プランジャ26を一定温度に維持するために、中空シャフト40を通って冷却管38を流れる冷却流体の量、流量および性質が選択される。
一実施形態において、冷却流体は、循環ポンプ(図示せず)によって常に循環されるとともに、流量および/または温度センサ(図示せず)によって監視されて、このデータをコントローラ(図示せず)に伝える。冷却流体の流量および/または温度はコントローラによってリアルタイムで適当に制御および調節される。
実施形態において、コントローラは、冷却管38に入るのに先立って流体の温度を所望の温度に調節するために冷却装置(図示せず)を有する流体源に動作可能に繋がる。さらなる実施形態において、コントローラは、流体源を可変スピードの循環ポンプ(図示せず)に動作可能に繋げる。このように、冷却流体の所望の温度および流量が選択され、好ましい実施形態においては、スタブチューナ16が動作中にプランジャ26を冷却するようにリアルタイムで調節され得る。
一実施形態において、各プランジャ26には冷却流体を循環させる複数の冷却管38が設けられ得る。同じまたは他の実施形態において、冷却管38の長さおよび直径は、導波路キャビティ20内にあるプランジャ26の先端に向かってより多くの冷却を生成するように構成され得る。いくつかの実施形態において、冷却管38は、単一の入口および単一の出口が存在し得るようにともに流体接続され得る。
一実施形態において、スタブチューナアセンブリは、プランジャ26を出るときに冷却流体の測定を介してプランジャ26の温度を検知するための少なくとも1つの温度センサをさらに備える。同じ実施形態または別の実施形態において、反応炉12は、温度制御流体の流れを検知するための少なくとも1つの流量センサを備える。温度センサおよび/または流量センサを、温度制御流体の温度および/または流量をそれぞれ測定するための任意の適切な位置に設置できることを、理解すべきである。
プランジャを内外に動かすことを可能にするために、デュアル流体ロータリユニオン35は各プランジャ26の先端に設置され、これはプランジャが循環する冷却流体によって冷却されながら自由にねじ込まれるまたは緩められることを可能にする。
また、高いレベルのインピーダンス不整合が観察されたとき、プランジャ26は、通常、導波路キャビティ20内へかつケーシング36から出てねじ込まれることによって内側により深く動かされる。
プランジャの端部と導波路キャビティの下端との間におけるアーク放電をさらに防止するために、本発明は、少なくとも、ハウジング22とプランジャ26との間における距離の少なくとも約5倍の部分を維持するように、従来の配置よりも長い直線部分を有するプランジャハウジング22を用いている。これは、マイクロ波電界が完全にまたはほぼ完全にチョークされる(choked)ことを確かにし、電界が導波路キャビティ20に存在することを防止するように機能する。この延長された重複部分がなければ、プランジャは導波路キャビティ内へマイクロ波を漏出し、望ましくないアーク放電を生成し得る。
上述の本発明の実施形態は、あくまでも例示を意図しているにすぎない。したがって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の技術的範囲によってのみ限定されるように意図されている。
図示されるように、スタブチューナアセンブリ16は、マイクロ波導波路内に囲まれるとともに3つのプランジャ(スタブ)ハウジング22が取り付けられる、導波路キャビティ20を備える。ロックナット34は各プランジャ26をハウジング22内のある位置に固定することを可能にし、プランジャねじ山部分46とハウジングねじ部分48との間における良好な電気接触を保証することによってマイクロ波の漏出を防止する。二次ロックナット32が第1ロックナット34をロックする。従前の設計は約1/8”のプランジャねじ山部分を有し得るが、図示された実施形態はおおよそ>1.0”の部分を有する。

Claims (12)

  1. 熱分解反応炉のためのマイクロ波スタブチューナアセンブリであって、
    導波路キャビティ内へ突出する少なくとも1つの細長い中空本体プランジャを備え、
    前記プランジャの各前記中空本体は、循環する冷却流体を受容するための少なくとも1つの内部冷却ダクトを有し、前記循環する冷却流体が前記プランジャに入り、各前記内部冷却ダクトを流れ、前記プランジャから出るように、前記循環する冷却流体によって冷却されるように適合され、
    各前記プランジャは、前記導波路キャビティ内における前記プランジャの位置を調節するための位置調節手段を有する、マイクロ波スタブチューナアセンブリ。
  2. 前記循環する冷却流体は閉回路にある、請求項1に記載のマイクロ波スタブチューナアセンブリ。
  3. 前記循環する冷却流体は開回路にある、請求項1に記載のマイクロ波スタブチューナアセンブリ。
  4. 前記スタブチューナアセンブリは、前記循環する冷却流体の温度を監視および制御するための手段をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のマイクロ波スタブチューナアセンブリ。
  5. 前記アセンブリは、前記循環する冷却流体の流量を監視および制御するための手段をさらに備える、請求項1~4のいずれか一項に記載のマイクロ波スタブチューナアセンブリ。
  6. 前記導波路キャビティ内における前記プランジャの位置を調節するための前記プランジャ調節手段は、マイクロ波インピーダンス整合のために自動的に調節される、請求項1~5のいずれか一項に記載のマイクロ波スタブチューナアセンブリ。
  7. 細長い中空本体プランジャの数は3以上である、請求項1~6のいずれか一項に記載のマイクロ波スタブチューナアセンブリ。
  8. 細長い中空本体プランジャの数は3である、請求項7に記載のマイクロ波スタブチューナアセンブリ。
  9. 前記細長い中空本体プランジャ内における前記冷却ダクトの直径は約(λ/6)であり、λは波長である、請求項1~8のいずれか一項に記載のマイクロ波スタブチューナアセンブリ。
  10. 各プランジャ間における軸方向距離は約(λ/3)であり、λは波長である、請求項7~9のいずれか一項に記載のマイクロ波スタブチューナアセンブリ。
  11. 各前記プランジャには1つよりも多い冷却ダクトが設けられる、請求項1~10のいずれか一項に記載のマイクロ波スタブチューナアセンブリ。
  12. 前記冷却ダクトはすべて単一の冷却流体回路に接続される、請求項1~11のいずれか一項に記載のマイクロ波スタブチューナアセンブリ。
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