[0005] 本発明の第1の態様によれば、導電性オブジェクトと、オブジェクトを支持するように構成されたオブジェクトテーブルであって、テーブル本体と、テーブル本体の面の少なくとも一部の上に設けられた導電性コーティングと、を備えたオブジェクトテーブルと、を備え、導電性オブジェクトが、導電性オブジェクトの少なくとも一部が導電性コーティングに面するように配置され、テーブル本体が、導電性コーティングのエッジ部分に、又はその近くにフィーチャを備え、上記フィーチャが、導電性オブジェクト及び導電性コーティングの両方に電圧が印加されたときに、エッジ部分の付近において電界強度を低下させるように配置される、粒子ビーム装置が提供される。
[0006] 粒子ビーム装置は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)装置の一部を形成し得る。このようなSEM装置は、オブジェクト(例えば、シリコンウェーハ、レチクル)を検査するのに役立ち得る。上に導電性コーティングが設けられるテーブル本体の面の一部は、シリコンウェーハを支持するために使用され得る。導電性オブジェクトは、SEMを使用して検査されるときに、シリコンウェーハ上に入射する電子ビームにおける電子を減速させるために設けられ得る。これは、シリコンウェーハに対する損傷を防止するのに役立ち得る。導電性オブジェクトは、SEMの検出器に向けて、二次電子及び後方散乱電子を加速させるために設けられ得る。
[0007] 粒子ビーム装置が、SEMの一部として使用される場合、導電性コーティングは、導電性オブジェクトの電位(これは、例えば、-10kvのオーダー、例えば、-10、-20、-30、-40、-50、-60、-70、-80、-90、又は-100kVのものでもよい)に類似した電位に保持されてもよい。これは、上に導電性コーティングが設けられるテーブル本体の面上に支持されたときのシリコンウェーハの付近において、電界強度を低下させるのに役立ち得る。次に、これは、SEMによって行われる測定に対する、このような電界の効果を低減させ得る。導電性オブジェクトは、概ね平面でもよい。シリコンウェーハの付近における電界強度の上記低下を達成するために、導電性コーティング(及び上に導電性コーティングが設けられるテーブル本体の面の部分)も概ね平面でもよく、導電性オブジェクトと実質的に平行であるように配置されてもよい。
[0008] 一般に、粒子ビーム装置を取り囲むコンポーネントは、粒子ビーム装置の導電性オブジェクト及び導電性コーティングの電位とは異なる電位でもよい。例えば、内部に粒子ビーム装置が配置される真空チャンバは、電気接地に接続されてもよい。したがって、電界が、これらの外部コンポーネントと、粒子ビーム装置の導電性オブジェクト及び導電性コーティングとの間に存在し得る。粒子ビーム装置と、粒子ビーム装置を取り囲むコンポーネントとの間の分離は、粒子ビーム装置の導電性オブジェクトと、導電性コーティングとの間の分離よりもはるかに大きい場合がある。導電性オブジェクトと、導電性コーティングとの間の十分に小さなギャップの場合、電界は、等電位線が、導電性オブジェクト及び導電性コーティングの複合システムを概ね取り囲む状態で、導電性オブジェクト及び導電性コーティングが単一の導体である場合に類似し得る。導電性オブジェクトと、導電性コーティングとの間の有限ギャップの場合、電界は、導電性オブジェクトと、導電性コーティングとの間のギャップ内に部分的に延在することが理解されるだろう。
[0009] 電界のエンハンスメントは、エッジ効果により導電性コーティングのエッジにおいて生じ得る。この電界エンハンスメントは、電子の冷電界放出(cold field emission)を誘発する場合があり、これは、アーク放電をもたらす場合がある。これは、問題があり、本発明の第1の態様は、上記電界エンハンスメントを減少させる。電界エンハンスメントは、導電性コーティングのエッジ部分に近接したフィーチャを設けることによって、減少する。具体的には、導電性コーティングのエッジ部分の付近における電界が、そのフィーチャが存在しない場合に生じる電界と比べて減少する。
[0010] フィーチャは、テーブル本体の面上にプロファイル形状を含んでもよい。上記プロファイル形状は、導電性コーティングの主面から外れて位置するコンポーネントを有してもよく、導電性コーティングのエッジ部分は、上記プロファイル形状上に配置されてもよい。
[0011] 導電性コーティングのエッジ付近における電界エンハンスメントは、導電性コーティング、導電性オブジェクト、並びに導電性コーティング及び導電性オブジェクトの電位とは異なる電位に保持された任意の外部コンポーネントによって定義されるシステムのジオメトリによって生じ得る。
[0012] 一般に、等電位線は、導体の形状に沿う傾向がある(電界線は、等電位線に垂直である)。導体のいかなる鋭いエッジも、そのような鋭いエッジの付近において、電界の強いエンハンスメントをもたらす。上記で説明したように、導電性オブジェクト及び導電性コーティングが、互いにごく近接し、且つ同じ電位に保持される場合、等ポテンシャル線は、導電性オブジェクト及び導電性コーティングによって定義される複合システムの一般形状に沿う傾向がある。しかしながら、導電性コーティング上のいかなる鋭いエッジも、依然として、電界エンハンスメントを引き起こす。本来、比較的薄い導電性コーティングは、比較的鋭いエッジを有することが理解されるだろう。
[0013] 導電性オブジェクト及び導電性コーティングによって定義されるシステムのジオメトリは、上に導電性コーティングが設けられるテーブル本体の面上にプロファイル形状を導入することによって修正することができる。導電性コーティングがコーティングであるため、それは、プロファイル形状を含む、上に導電性コーティングが設けられるテーブル本体の面のトポロジに沿う。プロファイル形状は、導電性コーティングのエッジがプロファイル形状内に含まれるように位置してもよい。プロファイル形状は、プロファイル形状の付近において電界エッジ効果(及び、それによって電界エンハンスメント)が減少するように、導電性コーティングのエッジのジオメトリを定義し得る。
[0014] 導電性オブジェクトと導電性コーティングの主面との間の距離よりも大きな距離が、導電性オブジェクトと、導電性コーティングの主面から外れて位置するプロファイル形状のコンポーネントとの間に存在し得る。
[0015] プロファイル形状は、溝を含んでもよい。
[0016] 溝は、円の弧である断面を有してもよい。
[0017] 溝は、丸みを帯びたエッジを備えた、概ね矩形である断面を有してもよい。
[0018] プロファイル形状は、曲面又は曲線エッジを含んでもよい。
[0019] プロファイル形状は、溝を含んでもよい。溝は、1つ又は複数の曲線エッジを含んでもよい。溝の断面は、円の一部、丸みを帯びた矩形の一部、又は別の形状と表現され得る。導電性コーティングは、溝の表面に沿ってもよい。導電性コーティングは、溝内に配置される末端部分を含んでもよい。
[0020] 溝の表面に沿うことによって、導電性コーティングの末端部分は、溝が設けられていない場合と比べて、電界強度が低下する場所にそれがあるように位置してもよい。さらに、(導電性コーティングの曲線末端部分をもたらす)溝の曲線エッジは、溝が設けられていない場合と比べて、電界線の集中が低下するように、溝の付近における電界を修正することができる。これらの効果は、導電性コーティングのエッジ部分の付近における電界エンハンスメントを減少させることができる。
[0021] フィーチャは、テーブル本体の面上に溝を備えてもよく、導電性コーティングのエッジ部分は、上記溝に、又はその付近に配置されてもよく、導体は、溝内に設けられてもよい。
[0022] 溝を設けることによって、導体のより大きな厚さが、導電性コーティングのエッジ部分に隣接して設けられ得る。有利には、導体は、導電性コーティングのエッジ部分において、導電性材料のより大きな曲率半径を提供することができ、それによって、電界強度が低下する。導体は、例えば、概ね円柱形状でもよい。
[0023] フィーチャは、テーブル本体の面上に設けられた二次溝を備えてもよい。
[0024] 二次溝が設けられてもよい。二次溝は、テーブル本体の上面上に位置してもよい。二次溝は、上記の溝に類似して、テーブル本体の概ね平坦な上面からのずれと表現され得る。導電性コーティングは、二次溝に入らなくてもよい。二次溝は、空でもよい。一般に、テーブル本体を取り囲む真空又は低圧ガスと、テーブル本体を形成する材料との間に、誘電率の差がある。したがって、二次溝を設けることは、導電性コーティングと導電性オブジェクトとの間の電界の一部を成形し得る。これは、導電性コーティングのエッジ部分の付近において、等電位線の空間的集中を低下させ得る。これは、電界エンハンスメントを減少させ得る。
[0025] フィーチャは、テーブル本体と導電性コーティングのエッジ部分の交差部を覆う絶縁材料を含んでもよい。
[0026] 絶縁材料は、導電性コーティングの全体を実質的に覆ってもよい。
[0027] 電気トリプルジャンクションは、導体と、絶縁体と、媒質とが接する点によって定義することができる。絶縁材料は、導電性コーティングが絶縁材料によって全体的に覆われるように、導電性コーティングに対するコーティングとして設けられてもよい。このような絶縁材料の配置は、システムから全ての電気トリプルジャンクションを除去することができる。これは、導電性コーティングのエッジにおいて、電界エンハンスメントを減少させることができる。有利には、絶縁材料は、粒子ビーム装置のハンドリング及びクリーニング中の損傷から導電性コーティングを保護する役割も果たすことができる。さらに、導電性コーティングのこの保護は、(例えば、スクラッチから)鋭いフィーチャが導電性コーティング上に形成されること(これは、電界増幅のさらなる原因を成し得る)を防止することができる。
[0028] 絶縁材料は、導電性コーティングの一部のみを覆ってもよい。
[0029] 絶縁材料は、テーブル本体と導電性コーティングのエッジ部分の1つ又は複数の交差部と接触してもよい。
[0030] (電子の冷電界放出のより高い可能性をもたらす)電界エンハンスメントは、電気トリプルジャンクションにおいて顕著になり得る。テーブル本体は、絶縁体から形成されてもよい。したがって、電気トリプルジャンクションは、導電性コーティングと、テーブル本体と、周囲媒質(例えば、真空)とが接する、導電性コーティングのエッジ部分において形成され得る。
[0031] テーブル本体と、導電性コーティングのエッジ部分と、環境との間の交差部における電気トリプルジャンクションは、電界強度が、変位前の電気トリプルジャンクションのエッジ部分の領域における電界強度よりも低い領域へと、絶縁材料によって変位され得る。
[0032] 変位前の電気トリプルジャンクションのエッジ部分の領域における電界強度とは、絶縁材料が存在しない場合の電気トリプルジャンクションのエッジ部分の領域における電界強度を意味することが意図され得ることが理解されるだろう。
[0033] 絶縁材料は、導電性コーティングが、導電性コーティングの1つ又は複数のエッジにおいてのみ、絶縁材料によって覆われるように、導電性コーティングに対するコーティングとして設けられてもよい。絶縁材料のこのような配置は、導電性コーティングの1つ又は複数のエッジから、導電性コーティングの中央部分により近い場所へと、1つ又は複数の電気トリプルジャンクションを効果的に変位させることができる。これは、導電性コーティングのエッジにおいて、電界エンハンスメントを減少させることができる。
[0034] 1つ又は複数の電気トリプルジャンクションが変位することができた導電性コーティング上の位置は、低又はゼロ電界が存在する領域に対応し得る。これは、導電性コーティング及び導電性オブジェクトが同じ電位に保持されることによる場合がある。したがって、電気トリプルジャンクションを上記場所に変位させることは、低又はゼロ電界エンハンスメントがこれらの場所で生じ得るため有利である。
[0035] テーブル本体と、導電性コーティングのエッジ部分との間の全ての交差部が、絶縁材料によって覆われる場合があるかもしれない。
[0036] 絶縁材料は、使用時に、有限(非ゼロ)の電流が絶縁材料を通って流れることができるような導電率を有してもよい。
[0037] 電荷は、絶縁材料上に蓄積し得る。この電荷蓄積は、導電性コーティングが非ゼロ電位に保持され得る、粒子ビーム装置の使用中に生じ得る。非ゼロ導電率を有する物質から絶縁材料を形成することによって、電荷蓄積は、徐々に除去され得る。
[0038] 絶縁材料は、テーブル本体の比誘電率よりも大きい比誘電率を有してもよい。
[0039] 粒子ビーム装置は、電子ビーム装置、走査型電子顕微鏡、電子ビームダイレクトライタ、電子ビーム投影リソグラフィ装置、電子ビーム検査装置、電子ビーム欠陥検証装置、又は電子ビームメトロロジ装置でもよい。
[0040] 本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様による粒子ビーム装置において使用されるオブジェクトテーブルが提供される。
[0041] 本発明の第3の態様によれば、オブジェクトを支持するように構成されたオブジェクトテーブルであって、テーブル本体と、テーブル本体の面上に設けられた第1の導電性部材と、テーブル本体の面上又はテーブル本体内に設けられた第2の導電性部材と、テーブル本体の電気抵抗よりも低い電気抵抗を有する補助部材と、を備え、補助部材が第1の導電性部材と第2の導電性部材との間に延在するように、補助部材が、テーブル本体の面上に配置され、補助部材と、第1の導電性部材及び第2の導電性部材のそれぞれとの間に、電気的接続が形成される、オブジェクトテーブルが提供される。
[0042] オブジェクトテーブルは、例えば、SEMシステムの一部を形成し得る粒子ビーム装置の一部を形成してもよい。SEMシステムの一部としてオブジェクトテーブルで使用する場合、補助部材は、多層ミラー又はミラーコーティングでもよい。補助部材は、上にそれが配置されるテーブル本体の面の一部のみを占有してもよい。
[0043] 第1の導電性部材は、導電性コーティングを含んでもよい。第1の導電性部材は、テーブル本体の上面上に設けられてもよい。第2の導電性部材は、導電性ベースを含んでもよい。第2の導電性部材は、テーブル本体の下面上に設けられてもよい。代替的に、第2の導電性部材は、テーブル本体内に配置された導電性部材でもよい。代替的に、第2の導電性部材は、上にテーブル本体が配置される導電性面でもよい。
[0044] 使用時に、第1の導電性部材と、第2の導電性部材との間に電位差(例えば、10kVのオーダーの電位差)が存在し得る。補助部材は、補助部材が第1の導電性部材と第2の導電性部材との間に延在するように、テーブル本体の面上に配置されるため、本発明者らは、補助部材と、第1の導電性部材及び第2の導電性部材のそれぞれとの間に形成される電気的接続がなければ、テーブル本体と比べて、より低い補助部材の抵抗が、第1の導電性部材と、第2の導電性部材との間の電位における空間的に集中した低下をもたらし得ることに気付いた。この電位の空間的に集中した低下は、第1の導電性部材と、第2の導電性部材との間に配置されるが、それら自体は補助部材によって覆われていない、テーブルの面の部分の付近における電界エンハンスメントをもたらし得る。
[0045] 補助部材と、第1の導電性部材及び第2の導電性部材のそれぞれとの間の電気的接続を形成することによって、第1の導電性部材と第2の導電性部材との間の電位差全体が、補助部材にわたり印加される。その結果、電位のより均一な勾配が、上に補助部材が配置されるテーブル本体の面にわたり存在し、それによって、ゼロ又は低電界エンハンスメントが生じ得る。
[0046] 補助部材と導電性部材との間の電気的接触は、概ね導電性部材及び/又は補助部材のエッジ全体にわたり行われてもよい。代替的に、補助部材と導電性部材との間の電気的接触は、導電性部材及び/又は補助部材のエッジの1つ又は複数の部分においてのみ行われてもよい。有利には、導電性部材及び/又は補助部材のエッジ全体にわたり、補助部材と導電性部材との間の電気的接続を形成することは、導電性部材と補助部材との間の良好な電気的接続をもたらすことができる。さらに、このような配置は、空間的に集中していない、上に補助部材が配置されるテーブル本体の面にわたる電位の低下をもたらし、それによって、ゼロ又は低電界エンハンスメントをもたらし得る。
[0047] 補助部材と、2つの導電性部材のそれぞれとの間の電気的接続は、導電性部材の1つ又は複数と、補助部材との間の直接的接触によって形成されてもよい。
[0048] 補助部材と、2つの導電性部材のそれぞれとの間の電気的接続は、分離した導電性部分を設けることによって形成されてもよい。
[0049] オブジェクトテーブルは、電子ビーム装置、走査型電子顕微鏡、電子ビームダイレクトライタ、電子ビーム投影リソグラフィ装置、電子ビーム検査装置、電子ビーム欠陥検証装置、又は電子ビームメトロロジ装置での使用に適し得る。
[0050] 第1の導電性部材は、テーブル本体上のコーティングとして設けられてもよい。
[0051] 第2の導電性部材は、テーブル本体上のコーティングとして設けられてもよい。
[0052] 補助部材は、テーブル本体の面上に設けられたミラーでもよく、又はテーブル本体上にミラーコーティングとして設けられてもよい。
[0053] これより、添付の図面を参照して、本発明の実施形態を例として説明する。
[0054] ここで、本発明のいくつかの例示の実施形態を示す、添付の図面を参照しながら、本発明の種々の例示の実施形態をより完全に説明する。図面では、分かり易くするために、層及び領域の厚さが誇張されている場合がある。
[0055] 本明細書では、本発明の詳細な例示の実施形態が開示される。しかしながら、本明細書に開示する特定の構造的且つ機能的詳細は、単に本発明の例示の実施形態を説明する目的で示すにすぎない。本発明は、しかしながら、多くの代替形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
[0056] よって、本発明の例示の実施形態は、種々の修正及び代替形態を受け入れる余地があるが、これらの実施形態は、図面中に例として示され、本明細書で詳細に説明されるであろう。しかしながら、本発明の例示の実施形態を開示の特定の形態に限定する意図はなく、それどころか、本発明の例示の実施形態が、本明細書の範囲内に含まれる全ての修正、同等物、及び代替案を網羅するものであることを理解されたい。類似の番号は、図の説明全体を通して類似の要素を指す。
[0057] 本明細書で使用される場合、「ウェーハ」という用語は、概して、半導体又は非半導体材料で形成された基板を指す。そのような半導体又は非半導体材料の例としては、限定されるものではないが、単結晶シリコン、ヒ化ガリウム、及びリン化インジウムが挙げられる。そのような基板は、一般的に、半導体製造設備内で見られ、及び/又は処理される。
[0058] 「基板」という用語は、(上記のような)ウェーハ、又はガラス基板でもよく、「パターニングデバイス」という用語は、「レチクル」(これは、「マスク」と呼ばれることもある)でもよい。
[0059] 本発明では、「軸方向」とは、「レンズなどの装置、コラム、又はデバイスの光軸方向」を意味し、「半径方向」とは、「光軸に垂直な方向」を意味する。通常、光軸は、カソードから始まり、試料で終わる。全図面において、光軸は、常にz軸を指す。
[0060] 交差点という用語は、電子ビームの焦点が合わせられる点を指す。
[0061] 仮想光源という用語は、カソードから放出された電子ビームを「仮想」光源まで後方に辿ることができることを意味する。
[0062] 本発明による検査ツールは、荷電粒子源、特にSEM、電子ビーム検査ツール、又はEBDWに適用できる電子ビーム源に関する。電子ビーム源は、当技術分野では、e銃(電子銃)と称されることもある。
[0063] 図面に関して、図が一定の縮尺で描かれていないことに留意されたい。特に、図のいくつかの要素の縮尺は、要素の特徴を強調するために大きく誇張されている場合がある。また、図が同じ縮尺で描かれていないことにも留意されたい。同様に構成され得る、2つ以上の図に示す要素は、同じ参照符号を使用して示される。
[0064] 図面では、分かり易くするために、各コンポーネントの及び全てのコンポーネント間の相対的寸法が誇張されている場合がある。以下の図面の説明では、同じ又は類似の参照番号は、同じ若しくは類似のコンポーネント又はエンティティを指し、且つ個々の実施形態に関する相違のみを説明する。
[0065] よって、本発明の例示の実施形態は、種々の修正及び代替形態を受け入れる余地があるが、これらの実施形態は、図面中に例として示され、本明細書で詳細に説明されるであろう。しかしながら、本発明の例示の実施形態を開示の特定の形態に限定する意図はなく、それどころか、本発明の例示の実施形態が、本明細書の範囲内に含まれる全ての修正、同等物、及び代替案を網羅するものであることを理解されたい。
[0066] 図1A及び図1Bは、本発明の実施形態による電子ビーム(eビーム)検査(EBI)システム100の上面図(1A)及び断面図(1B)を概略的に描く。図示の実施形態は、筐体110と、検査すべきオブジェクトを受け入れて検査されたオブジェクトを出力するためのインターフェースとしての役割を果たす1対のロードポート120とを備える。図示の実施形態は、ロードポートに/ロードポートからオブジェクトを搬送及び/又は移送するように構成された、EFEM、機器フロントエンドモジュール130と称される、オブジェクト移送システムをさらに備える。図示の実施形態では、EFEM130は、EBIシステム100のロードポートとロードロック150との間でオブジェクトを移送するように構成されたハンドラロボット140を備える。ロードロック150は、筐体110の外側及びEFEM130内で生じる大気条件と、EBIシステム100の真空チャンバ160内で生じる真空条件との間のインターフェースである。図示の実施形態では、真空チャンバ160は、検査すべきオブジェクト、例えば半導体基板又はウェーハ上に電子ビームを投影するように構成された電子光学システム170を備える。EBIシステム100は、電子光学システム170によって生成された電子ビームに対してオブジェクト190を変位させるように構成される位置決めデバイス180をさらに備える。実施形態では、位置決めデバイス180は、少なくとも部分的に真空チャンバ160内に配置される。
[0067] 実施形態では、位置決めデバイス180は、オブジェクトを略水平(x-y)面に位置決めするためのXYステージ、及びオブジェクトを垂直(z)方向に位置決めするためのZステージなどの、縦続形配置の複数のポジショナを備えてもよい。
[0068] 実施形態では、位置決めデバイスは、比較的長い距離にわたってオブジェクトの粗動位置決めを行うように構成された、粗動ポジショナと、比較的短い距離にわたってオブジェクトの微動位置決めを行うように構成された、微動ポジショナとの組み合わせを備えてもよい。
[0069] 実施形態では、位置決めデバイス180は、EBIシステム100によって行われる検査プロセス中にオブジェクトを保持するためのオブジェクトテーブルをさらに備える。そのような実施形態では、オブジェクト190は、静電クランプ又は真空クランプなどのクランプを用いてオブジェクトテーブル上にクランプされてもよい。そのようなクランプは、オブジェクトテーブルに一体化されてもよい。
[0070] 本発明においては、位置決めデバイス180は、オブジェクトテーブルを位置決めするための第一ポジショナと、第一ポジショナ及びオブジェクトテーブルを位置決めするための第二のポジショナとを備える。
[0071] 実施形態では、真空チャンバ160は、外的電磁影響から保護するための電磁シールドを備える。このような電磁シールドは、EMI(電磁干渉)シールドと呼ばれることもある。
[0072] 実施形態では、電磁シールドは、外的影響から検査ツール100の検出器を保護するように構成される。
[0073] 図2Aは、本発明による電子ビーム検査ツール又はシステムに適用できる電子光学システム200の実施形態を概略的に描く。電子光学システム200は、電子銃210と称される、電子ビーム源と、結像システム240とを備える。
[0074] 電子銃210は、電子源212と、サプレッサ214と、アノード216と、1組の開口218と、コンデンサレンズ220とを備える。電子源212は、ショットキーエミッタとすることができる。より具体的には、電子源212は、セラミック基板と、2つの電極と、タングステンフィラメントと、タングステンピンとを含むことができる。2つの電極は、セラミック基板に平行に固定されてもよく、且つ2つの電極の他の側は、タングステンフィラメントの2つの端部にそれぞれ接続されてもよい。タングステンは、タングステンピンの配置のための先端部を形成するように僅かに湾曲されてもよい。タングステンピンの表面がZrO2で被覆されることができ、ZrO2が、溶融されるように1500℃に加熱されてもよく、タングステンピンを覆うが、タングステンピンの先端を露出させる。溶融したZrO2は、タングステンの仕事関数を低下させることができ、且つ放出電子のエネルギー障壁を低下させることができ、したがって、電子ビーム202が効率的に放出される。次いで、サプレッサ214を負の電気に帯電させることによって、電子ビーム202が抑制される。よって、大きな広がり角を有する電子ビームが抑制されて一次電子ビーム202とされ、ひいては、電子ビーム202の輝度が高められる。アノード216の正電荷によって、電子ビーム202を抽出することができ、次いで、電子ビーム202のクーロン強制力が、開口218の外側の不要な電子ビームを排除するために異なる開口サイズを有する可変開口218を使用することによって制御されてもよい。電子ビーム202を集束させるために、コンデンサレンズ220が電子ビーム202に適用され、コンデンサレンズ220はまた拡大ももたらす。図2に示すコンデンサレンズ220は、例えば、電子ビーム202を集束させることができる静電レンズであってもよい。その一方で、コンデンサレンズ220は、磁気レンズとすることもできる。
[0075] 図2Bに示す結像システム240は、ブランカ248と、1組の開口242と、検出器244と、4組の偏向器250、252、254、及び256と、1対のコイル262と、ヨーク260と、フィルタ246と、電極270とを備える。電極270は、電子ビーム202を遅延させ且つ偏向させるために使用され、さらに、上部ポールピースとサンプル300との組み合わせによる静電レンズ機能を有する。コイル262及びヨーク260は、磁気対物レンズに構成される。
[0076] 上で説明した、電子ビーム202は、電子ピンを加熱してアノード216に電界を印加することによって生成される。電子ビーム202を安定化させるには、電子ピンが十分に長い時間、加熱されることが望ましい場合がある。ユーザ側にとって、手間がかかり不都合である得る。よって、電子ビーム202をオフにするのではなく、サンプルから離れる方向に電子ビーム202を一時的に偏向させるために、集束された電子ビーム202にブランカ248が適用される。
[0077] 偏向器250、256は、電子ビーム202を広視野にわたってスキャンするために適用され、且つ偏向器252、254は、電子ビーム202を小視野にわたってスキャンするために使用される。全ての偏向器250、252、254、256は、電子ビーム202のスキャン方向を制御することができる。偏向器250、252、254、256は、静電偏向器又は磁気偏向器とすることができる。ヨーク260の開口部は、サンプル300に面しており、磁界をサンプル300にさらす。電極270は、ヨーク260の開口部の下に配置され、それゆえ、サンプル300が損傷を受けない。電子ビーム202の色収差を補正するために、位相板270、サンプル300、及び上部ポールピースは、電子ビーム202の色収差を排除するレンズを形成する。
[0078] 電子ビーム202がサンプル300に衝突したときに、サンプル300の表面から二次電子が発せられる。次に、フィルタ246によって2次電子が検出器244へ誘導される。
[0079] 図3は、EBIシステム300の可能な制御アーキテクチャを概略的に描く。図1に示すように、EBIシステム100は、ロードポート120と、オブジェクト移送システム130と、ロード/ロック150と、電子光学システム170と、位置決めデバイス180とを備える。位置決めデバイス180は、zステージ302及びxyステージ305を含む。図示のように、EBIシステムのこれらの種々のコンポーネントは、オブジェクト移送システム130に接続されたオブジェクト移送システムコントローラ310、ロード/ロックコントローラ315、ステージコントローラ330、(検出器244の制御のための)検出器コントローラ320、及び電子光学コントローラ325などのそれぞれのコントローラを備えていてもよい。これらのコントローラは、通信バス345を介して、例えば、システムコントローラコンピュータ335及びイメージ処理コンピュータ340に通信可能に接続されてもよい。図示の実施形態では、システムコントローラコンピュータ335及びイメージ処理コンピュータ340は、ワークステーション350に接続されてもよい。
[0080] ロードポート120は、オブジェクト移送システム130にオブジェクト190(例えば、ウェーハ)をロードし、オブジェクト移送システムコントローラ310は、オブジェクト190をロード/ロック150に移送するようにオブジェクト移送システム130を制御する。ロード/ロックコントローラ315は、検査すべきオブジェクト190をクランプ355(例えば、eチャックとも称される、静電クランプ)に固定することができるように、チャンバ160へのロード/ロック150を制御する。位置決めデバイス(例えば、zステージ302及びxyステージ305)は、ステージコントローラ330の制御下でオブジェクト190が移動することを可能にする。実施形態では、zステージ302の高さは、ピエゾアクチュエータなどのピエゾコンポーネントを使用して調整されてもよい。電子光学コントローラ325は、電子光学システム170の全ての状態を制御してもよく、検出器コントローラ320は、電子光学システム(検出器244)から電気信号を受信してイメージ信号に変換してもよい。システムコントローラコンピュータ335は、コマンドを対応するコントローラに送信するように動作可能である。イメージ信号を受信した後に、イメージ処理コンピュータ340は、欠陥を特定するためにイメージ信号を処理してもよい。
[0081] 以下に詳細に説明する本発明の実施形態は、図1に示される位置決めデバイス180に関する。具体的には、本発明の実施形態は、上記のオブジェクトテーブルに関する。
[0082] 図4は、導電性オブジェクト402と、テーブル本体404と、導電性コーティング406と、導電性ベース408と、補助部材410とを含む、粒子ビーム装置400の貫通断面部分を示す。粒子ビーム装置400は、一般に、図1に示されるEBIシステム100の形式のものでもよい。導電性オブジェクト402は、図2A及び2Bにも示される。
[0083] テーブル本体404は、概ね立方体状である。テーブル本体の寸法の2つは、実質的にサイズが等しい。テーブル本体の第3の寸法は、他の2つの寸法よりも小さい。テーブル本体404の形状は、概ね平面と表現され得る。そのため、テーブル本体404の2つの対向面は、概ね正方形状であり、上面416及び下面418を構成する。テーブル本体404は、電気絶縁体から形成される。テーブル本体404の上面416は、凹部412を含む。凹部412は、概ね円形である。導電性コーティング406及び導電性ベース408は、導電体である。導電性コーティング406及び導電性ベース408は、テーブル本体404の上面416の一部及び下面418の一部の上にそれぞれ設けられる。補助部材410は、導電性コーティング406と導電性ベース408との間で、テーブル本体404の一面上に配置される。テーブル本体404、導電性コーティング406、導電性ベース408、及び補助部材410は、オブジェクトテーブル422を構成する。オブジェクトテーブル422は、図1に示される位置決めデバイス180の一部を形成するオブジェクトテーブルに対応し得る。
[0084] 上記の粒子ビーム装置400のバリエーションとして、導電性ベース408が設けられなくてもよい。より正確に言えば、テーブル本体404の下面418は、導電性面上に直接的又は間接的に置かれてもよい。テーブル本体404の下面418の一部の上に導電性ベース408を設けることにより、表面電荷が、コンポーネントから導電性ベース408へと移動することが可能となり得る。有利には、これは、テーブル本体404の下面418上への電荷の蓄積を防止することができる電荷排出を可能にし得る。
[0085] 導電性オブジェクト402は、丸みを帯びたエッジを有する。導電性オブジェクト402の形状は、概ね平面と表現され得る。導電性オブジェクト402及びテーブル本体404は、真空チャンバ(図示せず)内に配置され、テーブル本体404は、導電性オブジェクト402に近接している。このような真空チャンバは、図1に示される真空チャンバ160に対応し得る。テーブル本体404は、テーブル本体404の上面416が導電性オブジェクト402に面するように配置される。テーブル本体404の上面416は、導電性オブジェクト402と実質的に平行である。導電性オブジェクト402は、真空チャンバの壁に固定されてもよい。導電性オブジェクト402は、真空チャンバに対する導電性オブジェクト402の位置が固定されるように配置されてもよい。テーブル本体404は、電子光学システム200に対して移動可能である。簡単にするために、真空チャンバ及びその他の周辺コンポーネントが図4から省かれていることが理解されるだろう。
[0086] 使用時に、基板414は、凹部412内の導電性コーティング406上に配置されたチャック430によって保持されてもよく、電子ビームは、基板414に入射してもよい。チャック430は、電極の配置を含んでもよい。チャック430における電極の配置は、静電気引力によって、基板414を適所にクランプするように動作可能であってもよい。チャック430は、静電クランプと称されることがある。追加的又は代替的に、チャック430は、真空クランプを含んでもよい。電子ビームは、図1~3を参照して上記で説明したタイプの走査型電子顕微鏡装置を使用して、生成及び制御されてもよい。電子ビームは、テーブル本体404が配置される導電性オブジェクト402の反対側で生成されてもよい。導電性オブジェクト402は、電子ビームが基板414に入射することを可能にする開口を備えてもよい。これは、電子ビームを使用して基板414を結像するのに役立つ。
[0087] 導電性オブジェクト402は、負の電位に保持されてもよい。上記電位は、-1kV、-10kV、又はそれより低い電位のオーダーのものでもよい。これは、電子ビームの電子を基板414に入射する前に減速させることができる。これは、入ってくる電子ビームによる基板414への損傷を防止するのに役立ち得る。さらに、この負の電位に導電性オブジェクト402を保持することは、導電性オブジェクト402がSEM装置の一部として使用される場合に、検出器に向けて二次電子及び後方散乱電子を加速させるために使用することができる。
[0088] 導電性コーティング406は、導電性オブジェクト402の電位と実質的に同等の電位に保持されてもよい。これは、導電性コーティング406と導電性オブジェクト402との間で(すなわち、導電性コーティング406が上に設けられるテーブル本体404の面上に支持されたときの基板414の付近で)電界強度を低下させるのに役立ち得る。基板414の付近で電界強度を低下させることは、走査型電子顕微鏡装置の一部として電子ビームによって行われる測定に対する、このような電界の影響を低下させることができる。
[0089] 基板414が上に配置されるテーブル本体404は、導電性オブジェクト402及び電子ビームに対して変位されてもよい。これによって、基板414の異なる複数の部分が電子ビームによって検査されることが可能になり得る。補助部材410は、多層ミラーなどのミラーでもよい。多層ミラーは、例えば干渉計を用いて、テーブル本体404の現在の位置を測定するのに役立ち得る。
[0090] 実施形態では、補助部材410は、ミラーコーティングでもよい。
[0091] 導電性コーティング406及び/又はミラーコーティングの材料は、コーティングの放射率が好ましい値を有するように選択されてもよい。例えば、テーブル本体404の現在の位置は、テーブル本体404のミラーコーティングで、干渉計を使用して測定されてもよい。テーブル本体404の温度変動は、テーブル本体404の熱変形により、テーブル本体404の現在の位置の測定誤差をもたらし得る。導電性コーティング406及び/又はミラーコーティングに関して低放射率の材料を選ぶことにより、導電性コーティング及び/又はミラーコーティングの反射率が増加する。低放射率の導電性コーティング406及び/又はミラーコーティングは、周囲から、それらのコーティングに入射する放射線を反射し、放射線の吸収によるテーブル本体404の温度上昇を低減する。低放射率を有する材料の例は、クロム、チタン、窒化チタンなどである。
[0092] 導電性コーティング406の代わりに、導電板が、テーブル本体404の上面416上に設けられてもよい。使用時に、この導電板は、導電性オブジェクト402の電位と実質的に同等の電位に維持される。これは、上述したように、凹部412内に配置された基板414の付近で、電界強度を低下させるのに役立ち得る。しかしながら、導電板は、テーブル本体404の上面416の周辺部分のみを覆う場合があり、凹部412の内部に延在しない場合がある。有利には、導電性コーティング406は、図4に示されるように、凹部412内に(基板414が配置される場所の下に)延在する。その結果、導電性コーティング406を使用することによって、導電板を使用した場合と比較して、凹部412内に配置された基板414の付近の電界強度をより良く低下させることができる。導電性コーティング406は、導電板よりも重量が少ない。この重量の減少は、テーブル本体404が移動コンポーネントであるため、有益である。さらに、導電性コーティング406は、コーティングである(且つ、導電板のように、別個のコンポーネントではない)ため、オブジェクトテーブル422の動的特性が向上する。これは、入射電子ビームに対して基板414を位置決めする際の誤差の減少につながり得る。
[0093] 導電性ベース408は、導電性コーティング406及び導電性オブジェクト402の電位とは異なる電位で保持されてもよい。真空チャンバなどの周辺コンポーネントは、導電性コーティング406及び導電性オブジェクト402の電位とは異なる電位で保持されてもよい。導電性ベース408は、0Vで保持されてもよい。真空チャンバなどの周辺コンポーネントは、0Vで保持されてもよい。したがって、電界は、粒子ビーム装置400の部分(導電性コーティング406及び導電性オブジェクト402)と、真空チャンバ及び/又は導電性ベース408などの周辺コンポーネントとの間に存在し得る。
[0094] 上記のような粒子ビーム装置400の特性は、テーブル本体404の1つ又は複数のセクションの付近において、上記電界の局所的エンハンスメントをもたらし得る。局所的電界エンハンスメントによって、粒子ビーム装置400内の電子の冷電界放出の可能性が増加し得る。これは、粒子ビーム装置400内のアーク放電をもたらす場合があり、これは、問題がある。本発明の実施形態は、一般に、図4に示される粒子ビーム装置400の部分の形態の配置であって、この電界エンハンスメントを減少させるように配置された配置を含む。
[0095] 本発明の幾つかの実施形態は、導電性コーティング406のエッジ部分420に近接するフィーチャをテーブル本体404に設けることによって、上記電界エンハンスメントを減少させ、上記フィーチャは、電圧が、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406の両方に印加される際に、エッジ部分420の付近において電界強度を低下させるように配置される。このような実施形態の例は、図5~図14に示される。上記実施形態では、電界エンハンスメントは、導電性コーティング406のエッジ部分420に近接したフィーチャを設けることによって減少する。具体的には、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近の電界は、そのフィーチャが存在しない場合に生じる電界と比べて低下する。
[0096] 具体的には、本発明の幾つかの実施形態は、導電性コーティング406のエッジ部分420に近接するフィーチャをテーブル本体404に設けることによって、上記電界エンハンスメントを減少させ、このフィーチャは、上に導電性コーティング406が設けられるテーブル本体404の上面416上にプロファイル形状を含み、上記プロファイル形状は、導電性コーティング406の主面から外れて位置するコンポーネントを有し、導電性コーティング406のエッジ部分420は、上記プロファイル形状上に位置する。導電性コーティング406の主面は、図1及び図2を参照して上で説明したx-y面(すなわち、z方向に垂直な面)であることが理解されるだろう。主面は、基板414が上に保持されてもよいテーブル本体404の上面416と実質的に平行な面でもよいことが理解されるだろう。
[0097] これより、図5、図6、及び図7を参照して、本発明の第1の実施形態による粒子ビーム装置500を説明する。
[0098] 図5に示される粒子ビーム装置500は、図4に示される粒子ビーム装置400と共通の幾つかのフィーチャを共有する。粒子ビーム装置500と粒子ビーム装置400との間の違いのみを説明する。図4に示される粒子ビーム装置400のフィーチャ(又はその他の図面のフィーチャ)と概ね対応する、及び概ね同じでもよい、図5に示される粒子ビーム装置500の何れのフィーチャも、それらと共通の参照番号を共有する。
[0099] 図5は、本発明の実施形態による、粒子ビーム装置500の貫通断面部分を示す。図4の粒子ビーム装置400のコンポーネントに加えて、粒子ビーム装置500は、溝502を含む。図6は、テーブル本体404の上面416を示すが、分かり易くするために、導電性オブジェクト402は図示されていない、粒子ビーム装置500の同じ部分の平面図を示す。図5に示される断面の平面は、図6では、602とラベルが付けられている。
[00100] 溝502は、テーブル本体404の上面416上に位置する。溝502は、テーブル本体404の概ね平坦な上面416からのずれと表現され得る。溝502は、プロファイル形状と表現され得る。溝502は、テーブル本体404の上面416の外側エッジと、凹部412との間に位置する。溝502は、導電性コーティング406(図6を参照)を取り囲む連続チャネルを形成する。溝502は、断面が概ね円形である(図5を参照)。
[00101] 図4に示される粒子ビーム装置400と比べて、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406によって定義されるシステムのジオメトリは、本発明の第1の実施形態による粒子ビーム装置500において、上に導電性コーティング406が設けられるテーブル本体404の上面416上に溝502を導入することによって修正される。導電性コーティング406はコーティングであるため、それは、溝502を含むテーブル本体404の上面416のトポロジに沿う。溝502は、導電性コーティング406のエッジ部分420が溝502内に含まれるように位置する。溝502は、溝502の付近において電界エッジ効果(及び、それによって電界エンハンスメント)が減少するように、導電性コーティング406のエッジ部分420のジオメトリを定義する。導電性コーティング406のエッジ部分420が等電位線と実質的に平行となるように配置された場合に、電界エッジ効果は低下し得る。
[00102] 等電位線は、この線に沿った各点が同じ電位を有する空間領域を示す。互いに隣接する等電位線は、一定の大きさの電位の差を示す。上記一定の大きさは、等ポテンシャルプロッティング解像度と表現され得る。電界強度は、等電位線の空間的近接によって表され、互いに近くプロットされた線は、比較的高い電界強度を表し、逆も同様である。等電位線は、単に「等ポテンシャル線」と呼ばれることもある。
[00103] 図5及び図6に示される粒子ビーム装置500のコンポーネントと、周辺コンポーネントとの間の分離は、導電性コーティング406と、導電性オブジェクト402との間の分離よりも大幅に大きい場合がある。導電性オブジェクト402と、導電性コーティング406との間の十分に小さなギャップの場合、粒子ビーム装置500の付近における電界は、図7に示されるように、等電位線が、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406の複合システムを概ね取り囲む状態で、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406が単一の導体である場合に存在する電界に類似する。導電性オブジェクト402と、導電性コーティング406との間の有限ギャップの場合、電界は、同じく図7に示されるように、導電性オブジェクト402と、導電性コーティング406との間のギャップ内に部分的に延在する。
[00104] 導電性コーティング406のエッジ部分420の付近における電界エンハンスメントは、導電性コーティング406、導電性オブジェクト402、並びに、導電性コーティング406及び導電性オブジェクト402の電位とは異なる電位に保持された粒子ビーム装置500の周辺コンポーネントによって定義されるシステムのジオメトリによって生じ得る。導電性コーティング406のいかなる鋭いエッジも、そのような鋭いエッジの付近において、電界の強いエンハンスメントをもたらす。上記で説明したように、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406が、互いにごく近接し、且つ同じ電位に保持される場合、等ポテンシャル線は、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406によって定義される複合システムの一般形状に沿う傾向がある。しかしながら、導電性コーティング406上のいかなる鋭いエッジも、依然として、電界エンハンスメントを引き起こし得る。本来、比較的薄い導電性コーティング406は、比較的鋭いエッジを有することが理解されるだろう。
[00105] 図7は、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406が負の電位(-1kV、-10kV、又はそれより低い電位など)に保持され、周辺コンポーネント、すなわち、導電性ベース408及び真空チャンバ(図示せず)が、比較的正の電位(0Vなど)に保持されるときの、図5に示される粒子ビーム装置500の部分の部分700における等電位線のプロットを示す。導電性コーティング406に近接している場合、等ポテンシャル線は、溝502内に配置される導電性コーティング406の部分を含む、導電性コーティング406のコンターに概ね沿う。図7に示される等ポテンシャルプロッティング解像度では、導電性コーティング406の内側の中央部分と、導電性オブジェクト402との間には、等ポテンシャル線が存在しない。これは、導電性コーティング406の内側の中央部分と、導電性オブジェクト402との間の電界強度が、他の領域よりも、この領域において、はるかに小さいことを示す。導電性コーティング406によって覆われていないテーブル本体404の部分と、導電性オブジェクト402との間の等ポテンシャル線は、一般に、導電性オブジェクト402のコンターに沿うように曲線を描く。導電性コーティング406のエッジ部分420の付近702では、等ポテンシャル線は、導電性コーティング406のエッジ部分420を部分的に包み込む。等ポテンシャル線は、この付近702において、空間的に集中する。本発明の第1の実施形態による粒子ビーム装置500を使用した、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近702における最高電界強度は、5.5×106Vm-1である。
[00106] 理論上は、エッジにおける電界強度は、(表面電荷が存在しない場合、及び極めて薄いコーティング又は完璧に鋭いエッジの場合)無限大に近づき得る。しかしながら、シミュレーション目的で、粒子ビーム装置の異なる複数の実施形態に関して電界強度の推定を可能にする関連計算パラメータが選ばれ得ることが理解されるだろう。したがって、電界強度の数値は、単なる一例に過ぎないかもしれないが、それらは、粒子ビーム装置の異なる複数の実施形態において、電界強度減少効果を比較する有効な方法を提供する。
[00107] 図8は、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406が負の電位(-1kV、-10kV、又はそれより低い電位など)に保持され、周辺コンポーネント、すなわち、導電性ベース408及び真空チャンバ(図示せず)が、比較的正(0Vなど)に保持されるときの、図4に示される粒子ビーム装置400の部分の部分800における等電位線のプロットを示す。導電性コーティング406のエッジ部分420の付近802では、等ポテンシャル線は、導電性コーティング406のエッジ部分420をかなり包み込む。等ポテンシャル線は、この付近802において、非常に空間的に集中する。粒子ビーム装置400を使用した、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近802における最高電界強度は、4.3×107Vm-1である。
[00108] 有利には、図7及び図8から分かるように、導電性コーティング406が沿い、且つ内部に導電性コーティング406のエッジ部分420が配置される溝502を設けることによって、溝502が設けられない場合(図8を参照)に存在する電界強度と比べて、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近において、電界強度が低下する(図7を参照)。
[00109] 図5に示される本発明の第1の実施形態による粒子ビーム装置500を使用して、エッジ部分420は、図4に示される粒子ビーム装置400と比べて、電界強度が低下する場所にある。さらに、本発明の第1の実施形態による粒子ビーム装置500を使用して、溝502の曲線エッジ(導電性コーティング406の曲線エッジ部分420をもたらす)は、溝502が設けられない場合と比べて(すなわち、粒子ビーム装置400と比べて)等電位線がさらに間隔を空け、それによって、電界強度の低下を示すように、溝502の付近における電界を修正する。溝502が設けられない場合と比べて、これらの効果は、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近において、電界エンハンスメントを減少させる。
[00110] 本発明の代替的実施形態では、溝502の断面は、概ね矩形でもよい。溝502の概ね矩形の断面は、丸みを帯びたエッジを有してもよい。有利には、製造上の観点から、概ね矩形の溝502は、(例えば、機械加工によって)テーブル本体404において形成することが比較的簡単となり得る。本発明の代替的実施形態では、溝502の断面は、概ね円形でもなく、概ね矩形でもない形状でもよい。より正確に言えば、溝502の断面は、異なる形状でもよい。溝502の形状にかかわらず、導電性コーティング406のエッジ部分420は、溝502内に配置されてもよい。本発明の代替的実施形態では、テーブル本体404の上面416上に設けられるプロファイル形状は、溝502ではないプロファイル形状でもよいことが理解されるだろう。より正確に言えば、プロファイル形状は、テーブル本体404の概ね平坦な上面416からのどのようなずれでもよい。プロファイル形状は、プロファイル形状の表面が、テーブル本体404の上面416の下方にあるようなものでもよい。プロファイル形状は、プロファイル形状の表面が、テーブル本体404の上面416の上方にあるようなものでもよい。テーブル本体404の上面416との間のギャップは、小さくてもよい。したがって、テーブル本体404の上面416の下方に表面を有するプロファイル形状は、使用時に、基板414と導電性オブジェクト402との間に小さなギャップを維持するのに有利となり得る。このプロファイル形状は、曲面又は曲線エッジを含んでもよい。このような実施形態の全てにおいて、導電性コーティング406のエッジ部分420は、プロファイル形状上に配置されてもよい。
[00111] 本発明の幾つかの実施形態は、導電性コーティング406のエッジ部分420に近接するフィーチャをテーブル本体404に設けることによって、電界エンハンスメントを減少させ、このフィーチャは、テーブル本体404の表面上に溝を含み、導電性コーティング406のエッジ部分420は、上記溝に隣接して配置され、導体が溝内に設けられる。このような実施形態の例を図9及び図10に示す。
[00112] これより、図9及び図10を参照して、本発明の第2の実施形態による粒子ビーム装置900を説明する。
[00113] 図9に示される粒子ビーム装置900は、図4に示される粒子ビーム装置400と共通の幾つかのフィーチャを共有する。粒子ビーム装置900と粒子ビーム装置400との間の違いのみを説明する。図4に示される粒子ビーム装置400のフィーチャ(又はその他の図面のフィーチャ)と概ね対応する、及び概ね同じでもよい、図9に示される粒子ビーム装置900の何れのフィーチャも、それらと共通の参照番号を共有する。
[00114] 図9は、本発明の実施形態による、粒子ビーム装置900の貫通断面部分を示す。図4の粒子ビーム装置400のコンポーネントに加えて、粒子ビーム装置900は、溝902及び導体904を備える。
[00115] 溝902は、テーブル本体404の上面416上に位置する。溝902は、テーブル本体404の概ね平坦な上面416からのずれと表現され得る。溝902は、テーブル本体404の上面416の外側エッジと、凹部412との間に位置する。溝902は、断面が概ね矩形である。溝902は、図5に示される粒子ビーム装置500の溝502と類似した配置で、導電性コーティング406を取り囲む連続チャネルを形成する。しかしながら、図5に示される粒子ビーム装置500とは異なり、導電性コーティング406のエッジ部分420は、溝902内に含まれない。より正確に言えば、導電性コーティング406のエッジ部分420は、溝902に隣接して配置される。本実施形態のバリエーションでは、導電性コーティング406は、導電性コーティング406の一部が溝902内に配置されるように延在してもよい。しかしながら、下記のように、導体904を設けることは、導電性コーティング406が溝902内に設けられた場合に、導体904の付近において、電界にほとんど影響を及ぼさない場合がある。
[00116] 本発明の代替的実施形態では、溝902の断面は、任意の異なる形状を有してもよく、例えば、溝902の断面は、概ね円形でもよい。有利には、製造上の観点から、概ね矩形の溝902は、(例えば、機械加工によって)テーブル本体404において形成することが比較的簡単となり得る。本発明の代替的実施形態では、溝902の断面は、概ね円形でもなく、概ね矩形でもない形状でもよい。
[00117] 導体904は、導電体である。導体904は、円柱部材を含む。導体904を構成する円筒形部材の半径、及び導体904の全体的な大きさは、導体904が溝902内に全体的にフィットし得るようなものである。導体904は、溝902内に配置される。導体904は、導電性コーティング406のエッジ部分420において、導電性材料のより大きな曲率半径を提供する。
[00118] 使用時には、導体904は、導電性コーティング406及び導電性オブジェクト402が保持される電位と実質的に等しい電位に保持される。
[00119] 導電性オブジェクト402、導電性コーティング406、及び導体904が、互いにごく近接し、且つ同じ電位に保持されるため、等電位線は、導電性オブジェクト402、導電性コーティング406、及び導体904によって定義される複合システムの一般形状に沿う傾向がある。本実施形態のバリエーションでは、導電性コーティング406は、導体904に接触してもよい。等電位線は、導電性コーティング406が導体904と接触しないときと概ね同じでもよい。
[00120] 図10は、導電性オブジェクト402、導電性コーティング406、及び導体904が負の電位(-1kV、-10kV、又はそれより低い電位など)に保持され、周辺コンポーネント、すなわち、導電性ベース408及び真空チャンバ(図示せず)が、比較的正の電位(0Vなど)に保持されるときの、図9に示される粒子ビーム装置900の部分の部分1000における等電位線のプロットを示す。導電性コーティング406のエッジ部分420の付近1002では、等ポテンシャル線は、導体904を部分的に包み込み、及び(現在の等ポテンシャルプロッティング解像度で)例えば図8に示される配置と比較して、導電性コーティング406のエッジ部分420において、集中の度合いが低い。等ポテンシャル線は、この付近1002において、空間的に集中する。本発明の第2の実施形態による粒子ビーム装置900を使用した、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近1002における最高電界強度は、4.6×106Vm-1である。
[00121] 有利には、図8及び図10から分かるように、導体904を溝902内に設けることによって(ここでは、導体904が、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406と同じ電位に保持される)、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近1002における電界強度は、溝902又は導体904が設けられない配置と比べて低下する。本発明の第2の実施形態による粒子ビーム装置900を使用して、導体904の曲線エッジは、導体904が溝902内に設けられない場合と比べて(すなわち、図4に示される粒子ビーム装置400と比べて)等電位線がさらに間隔を空け、それによって、低下電界強度を示すように、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近における電界を修正する。
[00122] 溝902を設けることによって、導体904のより大きな厚さが、導電性コーティング406のエッジ部分420に隣接して設けられ得る。導体904のより大きな厚さは、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近において、電界強度低下特性の向上を有し得る。
[00123] 円柱部材を含む導体904の代わりに、導体904は、ワイヤを含んでもよい。ワイヤは、コイル状ワイヤと表現され得るように成形されてもよい。ワイヤは、上記円柱部材の縦軸に対応する軸に巻き付けられてもよい。ワイヤの隣接するセクション間のギャップは、狭くてもよい。コイル状ワイヤによって定義される全体的外形は、上記円柱部材によって定義される円柱形状に対応し得る。コイル状ワイヤから形成される導体904は、円柱部材から形成される(図9に示される)導体904と比較して、より少ない質量を有してもよく、及び/又はより可撓性があってもよい。有利には、これは、導体904のより簡単なアセンブリを可能にすることができ、及び/又はより広い範囲のフィッティング公差を可能にすることができる。コイル状ワイヤから導体904を形成することは、(図9に示されるように)導体904が円柱部材から形成される場合に達成される電界強度の低下と同等の電界強度の低下をもたらし得る。
[00124] 導体904は、導電性材料の単一のピースから、又は導電性材料の複数のピースから形成されてもよいことが理解されるだろう。導電性材料の複数のピースから導体904を形成することは、製造がより簡単な場合がある。それから導体が形成される、導電性材料の個々のピースは、鋭いエッジを含まなくてもよい。それから導体が形成される、導電性材料の個々のピースは、上記の個々のピースが互いにごく近接して位置するように配置されてもよい。
[00125] 本発明の幾つかの実施形態は、導電性コーティング406のエッジ部分420に近接するフィーチャをテーブル本体404に設けることによって、電界エンハンスメントを減少させ、このフィーチャは、テーブル本体404と導電性コーティング406のエッジ部分420の交差部を覆い、且つ上記交差部と接触している絶縁材料を含む。このような実施形態の例を図11~図14に示す。
[00126] これより、図11及び図12を参照して、本発明の第3の実施形態による粒子ビーム装置1100を説明する。
[00127] 図11に示される粒子ビーム装置1100は、図4に示される粒子ビーム装置400と共通の幾つかのフィーチャを共有する。粒子ビーム装置1100と粒子ビーム装置400との間の違いのみを説明する。図4に示される粒子ビーム装置400のフィーチャ(又はその他の任意の図面のフィーチャ)と概ね対応する、及び概ね同じでもよい、図11に示される粒子ビーム装置1100の何れのフィーチャも、それらと共通の参照番号を共有する。
[00128] 図11は、本発明の実施形態による、粒子ビーム装置1100を貫通する断面の部分を示す。図4の粒子ビーム装置400のコンポーネントに加えて、粒子ビーム装置1100は、絶縁材料1102を含む。
[00129] 絶縁材料1102は、電気絶縁体である。図11に示される絶縁材料1102は、導電性オブジェクト402と、テーブル本体404の上面416との間に配置される媒質の比誘電率よりも高い比誘電率を有する。このような配置は、有利な場合がある。本実施形態のバリエーションでは、絶縁材料1102は、導電性オブジェクト402と、テーブル本体404の上面416との間に配置される媒質の比誘電率よりも高い比誘電率を持たなくてもよい。粒子ビーム装置1100が、基板414を検査するための走査型電子顕微鏡システムの一部として使用される場合、導電性オブジェクト402と、テーブル本体404の上面416との間に配置される媒質は、概ね真空、又は低圧ガスである。
[00130] 絶縁材料1102は、テーブル本体404及び導電性コーティング406の一部と接触するように配置される。絶縁材料1102は、絶縁材料1102がテーブル本体404と導電性コーティング406のエッジ部分420の交差部と接触するように、導電性コーティング406のエッジ部分420と接触する。本実施形態では、絶縁材料1102は、テーブル本体404の上面416の周辺部分から、導電性コーティング406のエッジ部分420を越えて、テーブル本体404の上面416の中央部分に向けて延在する。したがって、絶縁材料1102の形状は、概ね円形の中心開口を有する、概ね矩形のコーティングと表現され得る。絶縁材料1102は、導電性コーティング406のエッジ部分420を実質的に覆う。よって、導電性コーティング406のエッジ部分420は、テーブル本体404及び絶縁材料1102とのみ接触し得る。
[00131] 電気トリプルジャンクションは、導体と、絶縁体と、第3の媒質とが接する点によって定義することができる。第3の媒質は、真空、低圧ガス、又は周囲空気でもよい。電界エンハンスメントは、電気トリプルジャンクションにおいて顕著になる。テーブル本体404は、絶縁体から形成され、導電性コーティング406は、導体から形成される。図4に示される粒子ビーム装置400では、電気トリプルジャンクション426は、導電性コーティング406と、テーブル本体404と、真空又は低圧ガスとが接する、導電性コーティング406のエッジ部分420において形成される。
[00132] 絶縁材料1102は、電気トリプルジャンクション426を封じ込めると表現され得る。有利には、これは、電気トリプルジャンクション426からの電子の冷電界放出を妨げ得る。
[00133] 絶縁材料1102の誘電特性は、(例えば、図4に示される粒子ビーム装置400の電気トリプルジャンクション426における電界強度と比べて)図11及び図12に示される粒子ビーム装置1100に関する導電性コーティング406のエッジ部分420の付近における電界強度を低下させる。絶縁材料1102を設けることによって、図4に示される粒子ビーム装置400において形成される電気トリプルジャンクション426が変位され、それによって変位電気トリプルジャンクション1104が形成される。これらの効果は共に、導電性コーティング406のエッジにおける電界エンハンスメントを減少させる。以下で、これらの効果をさらに説明する。
[00134] 本発明の第3の実施形態による粒子ビーム装置1100の一部として絶縁材料1102を設けることによって、このような絶縁材料1102がない場合(図4を参照)における導電性コーティング406のエッジ部分420において形成される電気トリプルジャンクション426が覆われ、別の場所に変位電気トリプルジャンクション1104が形成される。絶縁材料1102は、導電性コーティング406のエッジ部分420に形成される電気トリプルジャンクション426を、より好ましい場所により近い場所へと効果的に変位させる。例えば、このより好ましい場所とは、電界強度が、電気トリプルジャンクション426における電界強度よりも弱い場所でもよい。このより好ましい場所は、図11及び図12に示されるように、電気トリプルジャンクション426よりも導電性コーティング406の中央部分(すなわち、凹部412により近い)にさらに向かってもよい。
[00135] 図12は、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406が負の電位(-1kV、-10kV、又はそれより低い電位など)に保持され、周辺コンポーネント、すなわち、導電性ベース408及び真空チャンバ(図示せず)が、比較的正の電位(0Vなど)に保持されるときの、図11に示される粒子ビーム装置1100の部分の部分1200における等電位線のプロットを示す。導電性コーティング406のエッジ部分420の付近1202では、等ポテンシャル線は、導電性コーティング406のエッジ部分420を部分的に包み込む。本発明の第3の実施形態による粒子ビーム装置1100を使用した、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近1202における最高電界強度は、2.1×107Vm-1である。しかしながら、この比較的高い電界強度は、導電性コーティング406のエッジ部分420が絶縁材料1102によって封じ込められているため、電子の冷電界放出を促進しない。
[00136] 変位電気トリプルジャンクション1104に近接している場合、等ポテンシャル線は、(現在の等ポテンシャルプロッティング解像度では)存在しない。したがって、変位電気トリプルジャンクション1104の場所は、電界強度が(図4に示される)電気トリプルジャンクション426における電界強度よりも弱い領域に対応する。変位電気トリプルジャンクション1104の場所は、低又はゼロ電界が存在する領域に対応し得る。この領域では、導電性コーティング406及び導電性オブジェクト402が同じ電位に保持されることにより、低又はゼロ電界が存在し得る。したがって、電気トリプルジャンクションを上記領域に変位させることは、低又はゼロ電界エンハンスメントがこれらの場所で生じ得るため有利である。
[00137] 絶縁材料1102の誘電特性は、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近1202において絶縁材料1102が設けられていない場合と比べて(すなわち、図4に示される粒子ビーム装置400と比べて)、電界強度の低下をもたらす。電気トリプルジャンクション(すなわち、導電性コーティング406、テーブル本体404、絶縁材料1102ジャンクション)は、依然として存在するが、絶縁材料1102を形成する材料は、テーブル本体404と類似した、又はより大きい誘電率を有するように選択されてもよい。これは、導電性コーティング406のエッジ部分420における電界エンハンスメントを減少させる。したがって、絶縁材料1102を含むことは、電界強度が低下し、それによって、電子の冷電界放出の可能性の低下、ひいてはアーク放電の可能性の低下をもたらすため有利である。
[00138] 高電圧装置において形成される電気トリプルジャンクションに対処する代替の既知の方法は、電気トリプルジャンクションにおいて顕著な電子の冷電界放出を利用する。このような既知の方法は、電気トリプルジャンクションを取り囲むが、電気トリプルジャンクションから間隔を空けた絶縁材料からの形成を効果的に提供する。この形成は、(一般的に、テーブル本体404の拡張として、及び/又はテーブル本体404への追加として形成される)電気トリプルジャンクションを取り囲む電子キャッチとして機能する。電子キャッチは、電気トリプルジャンクションに近接し、且つ電気トリプルジャンクションから間隔を空けて配置され、それによって、隠し電気トリプルジャンクションが生じる。隠し電気トリプルジャンクションから放出された電子は、(絶縁)電子キャッチ上に集まる。電子キャッチ上に集められた電子は、電気トリプルジャンクションの付近における電界を変える。これらの電界変更は、電子のさらなる冷電界放出の可能性を低下させる。
[00139] しかしながら、高電圧装置において形成される電気トリプルジャンクションに対処する、このような既知の方法は、製造が難しい。
[00140] 本発明者らは、図4に示される粒子ビーム装置400の構成において、電気トリプルジャンクションに対処する課題に対する新規の解決策が実施され得ることに気付いた。本発明の第3の実施形態による粒子ビーム装置1100は、電気トリプルジャンクションを除去せず、より正確に言えば、電気トリプルジャンクションは、低又はゼロ電界が存在する場所に変位される。そのため、電界強度の増幅(電気トリプルジャンクションの既知の課題)は、粒子ビーム装置1100を使用した場合、問題を生じさせない。
[00141] これより、図13を参照して、本発明の第4の実施形態による粒子ビーム装置1300を説明する。
[00142] 図13に示される粒子ビーム装置1300は、図11に示される粒子ビーム装置1100と共通の幾つかのフィーチャを共有する。粒子ビーム装置1300と粒子ビーム装置1100との間の違いのみを説明する。図11に示される粒子ビーム装置1100のフィーチャ(又はその他の図面のフィーチャ)と概ね対応する、及び概ね同じでもよい、図13に示される粒子ビーム装置1300の何れのフィーチャも、それらと共通の参照番号を共有する。
[00143] 図13は、本発明の実施形態による、粒子ビーム装置1300の貫通断面部分を示す。粒子ビーム装置1300は、絶縁材料1302を含む。(粒子ビーム装置1300の)絶縁材料1302を形成する材料は、(粒子ビーム装置1100の)絶縁材料1102を形成する材料と同じ電気特性を有する。
[00144] 絶縁材料1302は、テーブル本体404及び導電性コーティング406と接触するように配置される。絶縁材料1302は、導電性コーティング406のエッジ部分420と接触する。絶縁材料1302は、テーブル本体404の上面416上に設けられる。絶縁材料1302は、凹部412内へと導電性コーティング406のコンターに沿う。したがって、絶縁材料1302の形状は、概ね矩形のコーティングと表現され得る。絶縁材料1302は、エッジ部分420を含む導電性コーティング406を完全に覆う。よって、導電性コーティング406は、テーブル本体404及び絶縁材料1302とのみ接触する。
[00145] 使用時に、基板414は、凹部412内の絶縁材料1302上に配置される。
[00146] 電界エンハンスメントは、電気トリプルジャンクションにおいて顕著である。図4に示される粒子ビーム装置400では、電気トリプルジャンクション426は、導電性コーティング406と、テーブル本体404と、(テーブル本体404の上面416と導電性オブジェクト402との間に配置された)真空又は低圧ガスとが接する、導電性コーティング406のエッジ部分420において形成される。図13に示される粒子ビーム装置1300による絶縁材料1302の配置は、このような電気トリプルジャンクションの全て(すなわち、導電性コーティング406、テーブル本体404、真空ジャンクション)をシステムから除去する。電気トリプルジャンクション(すなわち、導電性コーティング406、テーブル本体404、絶縁材料1302ジャンクション)は、依然として存在するが、絶縁材料1302を形成する材料は、テーブル本体404と類似した、又はより大きい誘電率を有するように選択されてもよい。これは、導電性コーティング406のエッジ部分420における電界エンハンスメントを減少させ、それによって、電子の冷電界放出、ひいてはアーク放電の可能性の低下がもたらされる。
[00147] 有利には、絶縁材料1302は、粒子ビーム装置1300のハンドリング及びクリーニング中の損傷から導電性コーティング406を保護する役割を果たす。さらに、導電性コーティング406のこの保護は、(例えば、スクラッチから)鋭いフィーチャが導電性コーティング406上に形成されること(これは、電界増幅のさらなる原因を成し得る)を防止することができる。
[00148] 粒子ビーム装置1100、1300の絶縁材料1102、1302は、非ゼロ導電率を有してもよい。電荷は、絶縁材料1102、1302上に蓄積し得る。この電荷蓄積は、導電性コーティング406が非ゼロ電位に保持される、粒子ビーム装置1100、1300の使用中に生じ得る。非ゼロ(但し、比較的小さい)導電率を有する物質から絶縁材料1102、1302を形成することによって、電荷蓄積は、電気トリプルジャンクションにおいて、大きな電界エンハンスメントを生じさせることなく、徐々に除去され得る。絶縁材料1102、1302は、絶縁材料1102、1302の電力損失を許容可能なレベルに制限しながら、電荷蓄積が徐々に除去されることを可能にするのに適した表面抵抗を有し得る。例えば、絶縁材料1102、1302は、約1013m-2のオーダーの表面抵抗を有してもよい。深さが0.1mであり、及び1mの外周を有するテーブル本体404上で10kVのオーダーの電位に保持された導電性コーティング406に関して、このような表面抵抗は、電力損失を約1mW未満に限定し得る。
[00149] 電気トリプルジャンクションにおいて、大きな電界エンハンスメントを防止するため、又は少なくとも減少させるために、粒子ビーム装置1100、1300の絶縁材料1102、1302は、テーブル本体404を形成する材料の電気特性に類似した、又はより大きな電気特性を有する材料から形成されてもよいことが理解されるだろう。
[00150] これまで記載した本発明の実施形態のフィーチャが、互いに組み合わせて使用され得ることがさらに理解されるだろう。例えば、図5に示される本発明の第1の実施形態による粒子ビーム装置500のフィーチャは、図11に示される本発明の第3の実施形態による粒子ビーム装置1100のフィーチャと組み合わせられることによって、図14に示される、本発明による粒子ビーム装置1400の第5の実施形態を形成してもよい。
[00151] 図14は、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406が負の電位(-1kV、-10kV、又はそれより低い電位など)に保持され、周辺コンポーネント、すなわち、導電性ベース408及び真空チャンバ(図示せず)が、比較的正の電位(0Vなど)に保持されるときの、粒子ビーム装置1400の第5の実施形態の一部における等電位線のプロットを示す。上記第5の実施形態では、導電性コーティング406のエッジ部分420は、(図5に示される粒子ビーム装置500において最初に導入されたように)テーブル本体404の上面416上の溝502内に設けられる。さらに、絶縁材料1102は、(図11に示される粒子ビーム装置1100において最初に導入されたように)導電性コーティング406のエッジ部分420に隣接して設けられる。絶縁材料1102のエッジは、導電性コーティング406のエッジ部分420と接触している。
[00152] 溝502内に導電性コーティング406のエッジ部分420を設けることは、図7及び図8を参照して先述した機構によって、このフィーチャが設けられていない場合と比べて、電界エンハンスメントを減少させる。効果的に、導電性コーティング406が溝502内に延在する(及び溝502のコンターに沿う)ため、導電性コーティング406の末端部分420は、等電位線が沿う、より大きな曲率半径を提供する。導電性コーティング406のエッジ部分420に隣接して絶縁材料1102を設けることは、図12を参照して先述した機構によって、このフィーチャが設けられていない場合と比べて、電界エンハンスメントを減少させる。図14に示される本発明の第5の実施形態による粒子ビーム装置1400を使用した、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近1402における最高電界強度は、2.7×106Vm-1である。粒子ビーム装置1400に示されるように、導電性コーティング406のエッジ部分420に近接した電界強度を別個に低下させるフィーチャを組み合わせることは、上記フィーチャを別個に使用して達成される電界強度の低下よりも大きな電界強度の低下をもたらす。
[00153] 本発明の実施形態は、導電性コーティング406の末端部分420が配置される溝502を含んでもよい(図5及び図14に示される粒子ビーム装置500、1400など)。上記の通り、溝502の断面は、概ね円形、概ね矩形、又は概ね円形でもなく、概ね矩形でもない形状でもよい。溝502の断面の形状が曲線を含むことが有利な場合がある。溝502の断面の形状が鋭いエッジを含まないことが有利な場合がある。概ね円形の断面を有する溝502の場合、このような断面は、円の弧によって特徴付けられてもよい。溝502は、本発明の異なる複数の実施形態において、円の異なる複数の弧によって特徴付けられる断面を有してもよい。例えば、図5に示される粒子ビーム装置500は、溝502を含み、この断面は、円の半分未満の円弧によって特徴付けられる。図14に示される粒子ビーム装置1400は、溝502を含み、この断面は、半分を超える円に対応する円弧によって特徴付けられる。
[00154] 溝502の断面にかかわらず、絶縁材料1102を設けること、又は絶縁材料1102を設けないことが可能であることが理解されるだろう。例えば、粒子ビーム装置の実施形態は、図14に示される溝502及び導電性コーティング406を含むが、図14に示される絶縁材料を含んでいなくてもよい。同様に、粒子ビーム装置の実施形態は、図5に示される溝502及び導電性コーティング406を含んでもよく、且つ絶縁材料1102も含んでもよい。
[00155] 2つ以上の溝が設けられてもよいことがさらに理解されるだろう。例えば、本発明による粒子ビーム装置の実施形態は、上に導電性コーティング406が設けられる溝502(図5~図7を参照)を含んでもよく、且つ二次溝も含んでもよい。二次溝は、テーブル本体404の上面416上に位置してもよい。二次溝は、テーブル本体404の概ね平坦な上面416からのずれと表現され得る。二次溝は、プロファイル形状と表現され得る。二次溝は、テーブル本体404の上面416の外側エッジと、溝502との間に位置してもよい。二次溝は、溝502を取り囲むと表現され得る。溝502及び導電性コーティング406は、図5~図7に示されるのと実質的に同じやり方で成形及び配置されてもよい。導電性コーティング406は、二次溝に入らなくてもよい。二次溝は、空でもよい。二次溝の断面は、溝502の断面と類似してもよく、又は溝502の断面とは異なってもよい。一般に、テーブル本体404を取り囲む真空又は低圧ガスと、テーブル本体404を形成する材料との間に、誘電率の差がある。したがって、二次溝を設けることは、導電性コーティング406と導電性オブジェクト402との間の電界の一部を成形し得る。これは、導電性コーティング406のエッジ部分420の付近において、等電位線の空間的集中を低下させ得る。これは、電界エンハンスメントを減少させ得る。シミュレーション(例えば、コンピュータシミュレーション)を使用して、二次溝の形状、サイズ、及び/又は位置を最適化してもよい。
[00156] 本発明の幾つかの実施形態は、テーブル本体404上に設けられたコンポーネント間の電気的接続を形成することによって、テーブル本体404の1つ又は複数のセクションの付近において、電界エンハンスメントを減少させる。具体的には、本発明の幾つかの実施形態は、導電性コーティング406と補助部材410との間、及び補助部材410と導電性ベース408との間に電気的接続を形成することによって、上記電界エンハンスメントを減少させる。これらの電気的接続は、導電性コーティング406と導電性ベース408との間に電圧が印加されたときに、テーブル本体404の付近において電界強度を低下させる。上記実施形態では、テーブル本体404の付近における電界は、上記電気的接続が存在しない場合に生じる電界と比べて減少する。図15A、図15B、及び図15Cにおいて、このような実施形態の例を示す。
[00157] これより、それぞれ、図15A、図15B、及び図15Cを参照して、本発明の第6、第7、及び第8の実施形態によるオブジェクトテーブルを説明する。
[00158] 図15に示されるオブジェクトテーブル1500A、1500B、1500Cは、他の図面に示されるオブジェクトテーブル422と共通の幾つかのフィーチャを共有する。オブジェクトテーブル1500A、1500B、1500Cは、粒子ビーム装置の一部を形成し得る。オブジェクトテーブル1500A、1500B、1500Cは、図1に示される位置決めデバイス180の一部を形成するオブジェクトテーブルに対応し得る。オブジェクトテーブル1500A、1500B、1500Cは、粒子ビーム装置400、500、900、1100、1300、1400のオブジェクトテーブル422及び導電性オブジェクト402に対する類似の配置で、導電性オブジェクトに近接して配置されてもよい。オブジェクトテーブル1500A、1500B、1500Cと、先述の図のオブジェクトテーブル422との間の違いのみを以下に説明する。その他の任意の図面に示されるオブジェクトテーブル422のフィーチャと概ね対応する、及び概ね同じでもよい、図15に示されるオブジェクトテーブル1500A、1500B、1500Cの何れのフィーチャも、それらと共通の参照番号を共有する。
[00159] 図15Aは、オブジェクトテーブル1500Aの部分424(図4を参照)の断面を示す。導電性コーティング406及び導電性ベース408は、導電性部材1502と表現される場合がある。
[00160] 補助部材410は、テーブル本体404の上面416と、テーブル本体404の下面418との間で、テーブル本体404の一面上に配置される。したがって、補助部材410は、導電性部材1502間のテーブル本体404の一面上に設けられると表現され得る。導電性部材1502間のテーブル本体404のこの面は、側面1504と表現される場合がある。補助部材410は、テーブル本体404の側面1504のほとんどを覆うように延在する。
[00161] 図15Aに示されるオブジェクトテーブル1500Aでは、導電性コーティング406は、テーブル本体404の上面416のエッジを越えて延在する。導電性コーティング406のエッジは、導電性コーティング406の上記エッジが、補助部材410と接触するように成形される。同様に、導電性ベース408は、テーブル本体404の下面418のエッジを越えて延在する。導電性ベース408のエッジは、導電性ベース408の上記エッジが補助部材410と接触するように成形される。
[00162] テーブル本体404の側面1504は、導電性コーティング406、導電性ベース408、及び補助部材410の組み合わせによって覆われると表現され得る。補助部材410と接触する導電性コーティング406のエッジは、補助部材410と部分的に重なる。補助部材410と接触する導電性ベース408のエッジは、補助部材410と部分的に重なる。これらの重なりは、導電性コーティング406、補助部材410、及び導電性ベース408間の良好な電気的接触を生じさせることができる。
[00163] 上記の通り、使用時に、導電性コーティング406は、一般に、大きな負の電位(-10kVなど)に保持され、導電性ベース408は、一般に、接地又は中性電位(0Vなど)に保持される。したがって、使用時の導電性部材1502間に、電位差が存在する。補助部材410と、2つの導電性部材1502のそれぞれとの間の電気的接続を形成することによって、2つの導電性部材1502間の全電位差が、補助部材410にわたって印加される。その結果、電位の勾配が、テーブル本体404の側面1504にわたり提供される。
[00164] 本発明者らは、補助部材410と、2つの導電性部材1502のそれぞれとの間に形成される電気的接続がなければ(図4に示される粒子ビーム装置400の場合など)、テーブル本体404と比べて、より低い補助部材410の抵抗が、2つの導電性部材1502間の電位における空間的に集中した低下をもたらすことに気付いた。この電位の空間的に集中した低下は、テーブル本体404の付近における、特に領域428(図4を参照)における電界エンハンスメントをもたらす。具体的には、図4に示される粒子ビーム装置400において、電位の空間的に集中した低下は、補助部材410によって覆われていないテーブル本体404の側面1504の部分428に近接した電界エンハンスメントをもたらす。
[00165] 有利には、図15Aに示される本発明の第6の実施形態によるオブジェクトテーブル1500Aは、導電性コーティング406と補助部材410との間、及び補助部材410と導電性ベース408との間にも、電気的接続を提供する。したがって、テーブル本体404の側面1504に沿った電位の低下は、空間的に限定された領域において集中していない。したがって、例えば図4に示される粒子ビーム装置400に存在する、テーブル本体404の側面1504における電界エンハンスメントは、防止される。使用時に、小さいが、ゼロではない電流が、導電性コーティング406と導電性ベース408との間に流れてもよい。上記電流は、導電性コーティング406と導電性ベース408との間の電圧差、及び補助部材410の電気抵抗率に依存し得る。
[00166] 図15B及び図15Cは、本発明の第7及び第8の実施形態を定義する、図15Aに示されたオブジェクトテーブル1500Aaの異形態を示す。図15B及び図15Cに示されるオブジェクトテーブル1500B、1500Cは、図15Aに示されるオブジェクトテーブル1500Aに類似の配置で、導電性コーティング406と補助部材410との間、及び補助部材410と導電性ベース408との間に電気的接続を形成する。図15B及び図15Cは、どのように上記電気的接続の形成が達成されるかに関する異形態を示す。テーブル本体404に近接する電界エンハンスメントは、図15Aのオブジェクトテーブル1500Aを参照して上で説明した機構と同じ機構によって防止される。
[00167] これより、図15Bを参照して、本発明の第7の実施形態によるオブジェクトテーブル1500Bを説明する。電気的接続は、導電性コーティング406と補助部材410との間に存在する。電気的接続は、補助部材410と導電性ベース408との間に存在する。これらの電気的接続は、図4に示される粒子ビーム装置400のオブジェクトテーブル422と比べて、導電性コーティング406、導電性ベース408、及び補助部材410の1つ又は複数の寸法を延長することによって形成される。
[00168] 図15Bに示されるオブジェクトテーブル1500Bでは、導電性コーティング406は、テーブル本体404の側面1504と隣接するように延在する。導電性ベース408は、テーブル本体404の側面1504と隣接するように延在する。補助部材410は、導電性コーティング406及び導電性ベース408と接触するように延在する。
[00169] 補助部材410が接触する導電性コーティング406のエッジとの補助部材410の重なりが存在する。補助部材410が接触する導電性ベース408のエッジとの補助部材410の重なりが存在する。これらの重なりは、導電性コーティング406、補助部材410、及び導電性ベース408間の良好な電気的接触を生じさせることができる。
[00170] オブジェクトテーブル1500A、1500Bは、補助部材410と、2つの導電性部材1502のそれぞれとの間の電気的接続が、導電性部材1502と補助部材410との間の直接的接触によって形成される、本発明による実施形態として説明され得る。代替的に、本発明の他の実施形態では、補助部材410と、2つの導電性部材1502のそれぞれとの間の電気的接続は、分離した導電性部材1506A、1506Bを設けることによって形成される。
[00171] これより、図15Cを参照して、本発明の第8の実施形態によるオブジェクトテーブル1500Cを説明する。電気的接続は、導電性コーティング406と補助部材410との間に存在する。電気的接続は、補助部材410と導電性ベース408との間に存在する。これらの電気的接続は、図4に示される粒子ビーム装置400と比べて、補助部材410と、導電性部材1502のそれぞれとの間に、導電性部材1506A、1506Bを設けることによって形成される。
[00172] 導電性部材1506Aは、導電性部材1506Aが導電性コーティング406及び補助部材410と接触するように、導電性コーティング406と補助部材410との間に設けられる。導電性部材1506Bは、導電性部材1506Bが導電性ベース408及び補助部材410と接触するように、導電性ベース408と補助部材410との間に設けられる。導電性部材1506A、1506Bは、導電体である材料から形成される。導電性部材1506A、1506Bは、オブジェクトテーブル1500Cの全体的なサイズを増加させないように成形されてもよい。
[00173] オブジェクトテーブル1500A、1500B、1500Cの何れにおいても、可能な限り多くのテーブル本体404の側面1504を覆うように補助部材410を延在させることが望ましい場合がある。これによって、導電性部材1502間で電位が低下し得る、より大きな物理的距離が提供される。有利には、これは、テーブル本体404の側面1504の付近における、より低い電界強度を生じさせることができる。
[00174] オブジェクトテーブル1500A、1500B、1500Cの何れにおいても、導電性コーティング406と補助部材410との間、及び補助部材410と導電性ベース408との間の電気的接触は、概ね導電性コーティング406及び補助部材410の各エッジの全体にわたり、及び/又は補助部材410及び導電性ベース408の各エッジの全体にわたり行われてもよい。代替的に、導電性コーティング406と補助部材410との間、及び補助部材410と導電性ベース208との間の電気的接触は、対応するエッジの1つ又は複数の部分においてのみ行われてもよい。
[00175] 補助部材410の抵抗は、下限を有してもよい。これは、補助部材410を通る電流の流れを制限し得る。これは、補助部材410及び/又はテーブル本体404の加熱を防止するのに役立ち得る。
[00176] オブジェクトテーブル1500A、1500B、1500Cの何れにおいても、補助部材410と導電性部材1502との間の電気的接触は、概ね導電性部材1502及び/又は補助部材410のエッジ全体にわたり行われてもよい。代替的に、補助部材410と導電性部材1502との間の電気的接触は、導電性部材1502及び/又は補助部材410のエッジの1つ又は複数の部分においてのみ行われてもよい。有利には、導電性部材1502及び/又は補助部材410のエッジ全体にわたり、補助部材410と導電性部材1502との間の電気的接続を形成することは、導電性部材1502と補助部材410との間の良好な電気的接続をもたらすことができる。さらに、このような配置は、空間的に限定された領域において集中していない、上に補助部材410が配置されるテーブル本体404の面にわたる電位の低下をもたらし得る。これは、電界エンハンスメントの減少をもたらし得る。
[00177] さらなる実施形態については、以下の条項で説明され得る。
1.粒子ビーム装置であって、
導電性オブジェクトと、
オブジェクトを支持するように構成されたオブジェクトテーブルであって、
テーブル本体と、
テーブル本体の面の少なくとも一部の上に設けられた導電性コーティングと、を備えたオブジェクトテーブルと、
を備え、
導電性オブジェクトが、導電性オブジェクトの少なくとも一部が導電性コーティングに面するように配置され、テーブル本体が、導電性コーティングのエッジ部分に、又はその近くにフィーチャを備え、上記フィーチャが、導電性オブジェクト及び導電性コーティングの両方に電圧が印加されたときに、エッジ部分の付近において電界強度を低下させるように配置される、粒子ビーム装置。
2.フィーチャが、テーブル本体の面上にプロファイル形状を含み、上記プロファイル形状が、導電性コーティングの主面から外れて位置するコンポーネントを有し、導電性コーティングのエッジ部分が、上記プロファイル形状上に配置される、条項1に記載の粒子ビーム装置。
3.導電性オブジェクトと導電性コーティングの主面との間の距離よりも大きな距離が、導電性オブジェクトと、導電性コーティングの主面から外れて位置するプロファイル形状のコンポーネントとの間に存在する、条項2に記載の粒子ビーム装置。
4.プロファイル形状が、溝を含む、条項3に記載の粒子ビーム装置。
5.溝が、円の弧である断面を有する、条項4に記載の粒子ビーム装置。
6.溝が、丸みを帯びたエッジを備えた、概ね矩形である断面を有する、条項4に記載の粒子ビーム装置。
7.プロファイル形状が、曲面又は曲線エッジを含む、条項2~6の何れか一項に記載の粒子ビーム装置。
8.フィーチャが、テーブル本体の面上に溝を備え、導電性コーティングのエッジ部分が、上記溝に、又はその付近に配置され、導体が、溝内に設けられる、条項1に記載の粒子ビーム装置。
9.フィーチャが、テーブル本体の面上に設けられた二次溝を備える、条項4~8の何れか一項に記載の粒子ビーム装置。
10.フィーチャが、テーブル本体と導電性コーティングのエッジ部分の交差部を覆う絶縁材料を含む、先行する条項の何れか一項に記載の粒子ビーム装置。
11.絶縁材料が、導電性コーティングの全体を実質的に覆う、条項10に記載の粒子ビーム装置。
12.絶縁材料が、導電性コーティングの一部のみを覆う、条項10に記載の粒子ビーム装置。
13.絶縁材料が、テーブル本体と導電性コーティングのエッジ部分の1つ又は複数の交差部と接触する、条項10~12の何れか一項に記載の粒子ビーム装置。
14.テーブル本体と、導電性コーティングのエッジ部分と、環境との間の交差部における電気トリプルジャンクションが、電界強度が、変位前の電気トリプルジャンクションのエッジ部分の領域における電界強度よりも低い領域へと、絶縁材料によって変位される、条項12に従属する場合の、条項13に記載の粒子ビーム装置。
15.テーブル本体と導電性コーティングのエッジ部分の全ての交差部が、絶縁材料によって覆われる、条項10~14の何れか一項に記載の粒子ビーム装置。
16.絶縁材料が、使用時に、有限の電流が絶縁材料を通って流れることができるような導電率を有する、条項10~15の何れか一項に記載の粒子ビーム装置。
17.絶縁材料が、テーブル本体の比誘電率よりも大きい比誘電率を有する、条項10~16の何れか一項に記載の粒子ビーム装置。
18.粒子ビーム装置が、電子ビーム装置、走査型電子顕微鏡、電子ビームダイレクトライタ、電子ビーム投影リソグラフィ装置、電子ビーム検査装置、電子ビーム欠陥検証装置、又は電子ビームメトロロジ装置である、先行する条項の何れか一項に記載の粒子ビーム装置。
19.先行する条項の何れか一項に記載の粒子ビーム装置において使用されるオブジェクトテーブル。
20.オブジェクトを支持するように構成されたオブジェクトテーブルであって、
テーブル本体と、
テーブル本体の面上に設けられた第1の導電性部材と、
テーブル本体の面上又はテーブル本体内に設けられた第2の導電性部材と、
テーブル本体の電気抵抗よりも低い電気抵抗を有する補助部材と、を備え、
補助部材が第1の導電性部材と第2の導電性部材との間に延在するように、補助部材が、テーブル本体の面上に配置され、補助部材と、第1の導電性部材及び第2の導電性部材のそれぞれとの間に、電気的接続が形成される、オブジェクトテーブル。
21.補助部材と、2つの導電性部材のそれぞれとの間の電気的接続が、導電性部材の1つ又は複数と、補助部材との間の直接的接触によって形成される、条項20に記載のオブジェクトテーブル。
22.補助部材と、2つの導電性部材のそれぞれとの間の電気的接続が、分離した導電性部分を設けることによって形成される、条項20に記載のオブジェクトテーブル。
23.オブジェクトテーブルが、電子ビーム装置、走査型電子顕微鏡、電子ビームダイレクトライタ、電子ビーム投影リソグラフィ装置、電子ビーム検査装置、電子ビーム欠陥検証装置、又は電子ビームメトロロジ装置での使用に適した、条項20~22の何れか一項に記載のオブジェクトテーブル。
24.第1の導電性部材が、テーブル本体上のコーティングとして設けられる、条項20~23の何れか一項に記載のオブジェクトテーブル。
25.第2の導電性部材が、テーブル本体上のコーティングとして設けられる、条項20~24の何れか一項に記載のオブジェクトテーブル。
26.補助部材が、テーブル本体の面上に設けられたミラーである、条項20~25の何れか一項に記載のオブジェクトテーブル。
27.補助部材が、テーブル本体上にミラーコーティングとして設けられる、条項20~25の何れか一項に記載のオブジェクトテーブル。
28.テーブル本体と絶縁材料のエッジ部分の交差部が、電界強度が、テーブル本体と導電性コーティングのエッジ部分の交差部の領域における電界強度よりも低い領域に配置される、条項10に記載の粒子ビーム装置。
[00178] 本開示に記載した粒子ビーム装置及びオブジェクトテーブルの機能的挙動を説明する際に、具体的な電圧を示した。これらの電圧は、単なる例として示されたものであり、限定を意図したものではないことが理解されるだろう。例えば、導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406は、-1kV、-10kV、又はそれより低い電位に保持されると記載され、導電性ベース408及び真空チャンバは、0Vに保持されると記載された。導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406は、-80kVなどの、任意の大きな負の電位に保持されてもよい。代替的に、導電性ベース408及び真空チャンバは、-40kVなどの導電性オブジェクト402及び導電性コーティング406が保持される電圧に対して正の電圧に保持されてもよい。
[00179] 本開示に記載した粒子ビーム装置及びオブジェクトテーブルの配置を説明する際に、具体的な形状を示した。これらの形状は、単なる例として示されたものであり、限定を意図したものではないことが理解されるだろう。例えば、テーブル本体404及び導電性オブジェクト402は、概ね立方体状と記載された。代替的に、テーブル本体404は、概ね台形でもよく、1つ若しくは複数の中空セクションを含んでもよく、及び/又は曲線エッジを含んでもよい。実際には、テーブル本体404の上面416は、一般に、平坦であることが選択される。代替的に、導電性オブジェクト402は、一緒に導電性オブジェクト402を構成する複数の部材を含んでもよい。上記複数の部材は、重要な形状を有してもよい。上記複数の部材は、重なり合ってもよく、又はそれらの間に一般に小さなギャップを有するように配置されてもよい。上記複数の部材は、(基板414よりも上の)異なる高さに位置してもよい。
[00180] 構成要素の相対的な配置について記載する場合、特定の方向が示されている。これらの方向は、純粋に例として与えられており、限定することを意図するものではないことが理解されるであろう。例えば、位置決めデバイス180のxyステージは、実質的に水平な平面にオブジェクトを位置決めするように動作可能であると記載してきた。位置決めデバイス180のxyステージは、代替として、オブジェクトを垂直面又は傾斜面に位置決めするように動作可能であり得る。構成要素の向きは、この構成要素の意図される機能的効果を維持しながらも、本明細書に記載される向きとは異なる場合がある。
[00181] 本明細書では、ICの製造におけるリソグラフィ装置の使用について具体的に言及する場合があるが、本明細書に記載のリソグラフィ装置は他の用途を有し得ることを理解されたい。可能な他の用途としては、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造が挙げられる。
[00182] 本明細書では、本発明の実施形態が、リソグラフィ装置との関連で具体的に参照され得るが、本発明の実施形態は他の装置で使用してもよい。本発明の実施形態は、マスク検査装置、計測装置、又はウェーハ(又は他の基板)又はマスク(又は他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置、の一部を形成し得る。これらの装置は、一般にリソグラフィツールと呼ばれる場合がある。そのようなリソグラフィツールは、真空条件又は周囲(非真空)条件を使用し得る。
[00183] 本発明の具体的な実施形態を上記に記載したが、本発明は、記載した以外の方法で実施することもできることが理解されるだろう。上記の記載は、限定ではなく、例示であることが意図されたものである。したがって、以下に記載される請求項の範囲から逸脱することなく、記載された本発明に修正が加えられ得ることが当業者には明白であるだろう。