JP2022132899A - 圧縮機及び溶接ピン - Google Patents
圧縮機及び溶接ピン Download PDFInfo
- Publication number
- JP2022132899A JP2022132899A JP2021031622A JP2021031622A JP2022132899A JP 2022132899 A JP2022132899 A JP 2022132899A JP 2021031622 A JP2021031622 A JP 2021031622A JP 2021031622 A JP2021031622 A JP 2021031622A JP 2022132899 A JP2022132899 A JP 2022132899A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- radius
- press
- welding
- pin
- housing
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)
Abstract
【課題】溶接ピンが、軸受を支える支持部材に圧入され、ケーシングと溶接固定される圧縮機において、溶接時の溶接ピンの塑性変形を抑制し、溶接後の溶接ピンの保持力を大きく維持する。【解決手段】スクロール圧縮機は、駆動軸を回転可能に支持する軸受メタルを支えるハウジング及び下部軸受ハウジング、ハウジング及び下部軸受ハウジングを内部に収容するケーシング、及び溶接ピンを備えている。溶接ピンは、ハウジング及び下部軸受ハウジングに形成されている穴に圧入され、ケーシングと溶接固定されている。圧入前の溶接ピンの本体部62の外周面62aには、溶接ピンの圧入方向視において、溶接ピンの周方向に沿って複数の凸部64が形成され、山部分66と谷部分68とが交互に並ぶ形状となっている。山部分の頂部66aの第1曲率半径ρ1は、谷部分の底部68aの第2曲率半径ρ2より大きい。【選択図】図6
Description
本開示は、圧縮機及び溶接ピンに関する。具体的には、本開示は、軸受を支える支持部材の外面の穴に溶接ピンが圧入され、溶接ピンとケーシングとが溶接固定されている圧縮機に関する。また、本開示は、この圧縮機に用いられる溶接ピンに関する。
従来、特許文献1(特開2017-25762号公報)のように、軸受を支える支持部材の外面に形成された穴に、外周面に複数の凸部を設けた溶接ピンを圧入し、溶接ピンとケーシングとを溶接することで支持部材をケーシングに固定する圧縮機が知られている。
このような圧縮機では、溶接ピンを支持部材に圧入する際に、溶接ピンの外周面の凸部が塑性変形する。また、溶接ピンとケーシングとを溶接する際にも、溶接ピンの熱膨張により溶接ピンの外周面の凸部が支持部材に押し付けられ、溶接ピンの凸部が更に塑性変形する。溶接の際に凸部の塑性変形が進み、凸部の弾性が失われる結果、溶接後の溶接ピンの保持力が低下するおそれがある。なお、溶接ピンの保持力とは、溶接ピンを支持部材に固定する力を意味する。
第1観点の圧縮機は、駆動部と、圧縮機構と、駆動軸と、支持部材と、ケーシングと、溶接ピンと、を備えている。駆動軸は、駆動部の駆動力を圧縮機構に伝達する。支持部材は、駆動軸を回転可能に支持する軸受を支える。支持部材の外面には、穴が形成されている。ケーシングは、駆動軸及び支持部材を内部に収容する。溶接ピンは、平目のローレット目が外周面に形成されている円柱状の本体部を有する。溶接ピンは、支持部材の穴に圧入され、ケーシングと溶接固定されている。圧入前の溶接ピンの本体部の外周面には、溶接ピンの圧入方向視において、溶接ピンの周方向に沿って複数の凸部が形成され、山部分と谷部分とが交互に並ぶ形状となっている。山部分の頂部の曲率半径である第1曲率半径は、谷部分の底部の曲率半径である第2曲率半径よりも大きい。
第1観点の圧縮機では、第1曲率半径が第2曲率半径より大きいことで、第1曲率半径を第2曲率半径以下とする場合に比べ、本体部と支持部材との接触面を大きくとることができる。そのため、第1観点の圧縮機では、溶接時の溶接ピンの塑性変形を抑制し、溶接後の溶接ピンの保持力を大きく維持できる。
第2観点の圧縮機は、第1観点の圧縮機であって、圧入前の溶接ピンにおいて、第1曲率半径は、第2曲率半径の10倍以上である。
第2観点の圧縮機では、本体部と支持部材との接触面を特に大きくとることが可能で、溶接時の溶接ピンの塑性変形を抑制し、溶接後の溶接ピンの保持力を大きく維持できる。
第3観点の圧縮機は、第1観点又は第2観点の圧縮機であって、圧入前の溶接ピンにおいて、第1曲率半径は、本体部の中心から山部分の頂部までの半径に等しい。
第3観点の圧縮機では、本体部と支持部材との接触面を大きくとることが可能で、溶接時の溶接ピンの塑性変形を抑制し、溶接後の溶接ピンの保持力を大きく維持できる。
第4観点の圧縮機は、第1観点から第3観点のいずれかの圧縮機であって、凸部には、第1の凸部と、第1の凸部に隣接して配置される第2の凸部と、を含む。圧入方向視において、圧入前の溶接ピンの本体部の中心周りに、支持部材に形成されている穴の半径と同半径の仮想円を仮想した場合に、第2距離に対する第1距離の比は、0.5以上3.0以下である。第1距離は、仮想円と第1の凸部の縁部との2つの交点である、第2の凸部の近位側の第1交点と第2の凸部の遠位側の第2交点との間の距離である。第2距離は、第1交点と第3交点との間の距離である。第3交点は、第2の凸部の縁部と仮想円との交点の内、第1の凸部の近くに配置される交点である。
第4観点の圧縮機では、第2距離に対する第1距離の比を0.5以上と大きくすることで、本体部と支持部材との接触面を大きくとることが可能で、溶接時の溶接ピンの塑性変形を抑制し、溶接後の溶接ピンの保持力を大きく維持できる。
また、第4観点の圧縮機では、第2距離に対する第1距離の比が3.0以下であるので、熱膨張時の凸部の変形代を確保し、溶接時の溶接ピンの凸部の塑性変形を抑制することができる。
第5観点の圧縮機では、第1観点から第4観点のいずれかの圧縮機であって、第2値に対する第1値の比は、0.3以上1.6以下である。第1値は、圧入前の溶接ピンにおける本体部の中心から山部分の頂点までの距離から支持部材に形成されている穴の半径を差し引いた値である。第2値は、支持部材に形成されている穴の半径から圧入前の溶接ピンにおける本体部の中心から谷部分の最深部までの距離を差し引いた値である。
第5観点の圧縮機では、本体部と支持部材との接触面を比較的大きく確保しつつ、熱膨張時の凸部の変形代を確保して溶接時の溶接ピンの凸部の塑性変形を抑制し、溶接後にも溶接ピンの保持力を大きく維持できる。
第6観点の圧縮機では、第1観点から第5観点のいずれかの圧縮機であって、圧入方向視において、圧入前の溶接ピンの凸部は、山部分の頂部と谷部分の底部との間を延びる直線部を有する。谷部分を形成する隣接する2つの凸部の直線部のなす角度は、60°以上95°未満である。
第6観点の圧縮機では、本体部と支持部材との接触面を比較的大きく確保しつつ、熱膨張時の凸部の変形代を確保して溶接時の溶接ピンの凸部の塑性変形を抑制し、溶接後にも溶接ピンの保持力を大きく維持できる。
第7観点の圧縮機では、第1観点から第6観点のいずれかの圧縮機であって、圧入前の溶接ピンにおける本体部の中心から山部分の頂点までの距離から、圧入前の溶接ピンにおける本体部の中心から谷部分の最深部までの距離を差し引いた値は、0.2mm以上0.4mm以下である。
第8観点の圧縮機では、第1観点から第7観点のいずれかの圧縮機であって、支持部材は、軸受を支持する軸受支持部からケーシングに向かって延びるアームを有し、アームの端部の外面に穴が形成されている。
第9観点の溶接ピンは、圧縮機のケーシングと、圧縮機の駆動部の駆動力を圧縮機の圧縮機構に伝達する駆動軸を回転可能に支持する軸受を支える支持部材と、の固定に用いられる。溶接ピンは、円柱状の本体部を備える。本体部には、平目のローレット目が外周面に形成されている。溶接ピンは、支持部材の外面に形成されている穴に圧入され、ケーシングと溶接固定される。圧入前の溶接ピンの本体部の外周面には、溶接ピンの圧入方向視において、溶接ピンの周方向に沿って複数の凸部が形成され、山部分と谷部分とが交互に並ぶ形状となっている。山部分の頂部の曲率半径である第1曲率半径は、谷部分の底部の曲率半径である第2曲率半径よりも大きい。
圧縮機の実施形態を、図面を参照しながら説明する。
以下では、説明の便宜上、位置や向きを説明するために、「上」、「下」等の表現を用いる場合がある。断りの無い場合、「上」、「下」等の表現の表す位置や向きは、図中の矢印に従う。
また、以下では、「平行」、「直交」、「水平」、「垂直」、「同一」等の表現を用いる場合があるが、これらの表現は、厳密な意味で「平行」、「直交」、「水平」、「垂直」、「同一」である場合に限定されない。「平行」、「直交」、「水平」、「垂直」、「同一」等の表現は、実質的に「平行」、「直交」、「水平」、「垂直」、「同一」である場合を含む意味で用いられる。
(1)全体構成
本開示の圧縮機の一実施形態に係るスクロール圧縮機100の概要を、図1を参照しながら説明する。図1は、スクロール圧縮機100の概略縦断面図である。
本開示の圧縮機の一実施形態に係るスクロール圧縮機100の概要を、図1を参照しながら説明する。図1は、スクロール圧縮機100の概略縦断面図である。
スクロール圧縮機100は、空気調和装置、給湯装置、床暖房装置等の蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用する冷凍装置に用いられる。スクロール圧縮機100は、例えば、冷凍装置の熱源ユニットに搭載され、冷凍装置の冷媒回路の一部を構成する。
本開示のスクロール圧縮機100は、全密閉型圧縮機である。スクロール圧縮機100は、冷凍サイクルにおける低圧(以後、単に低圧と呼ぶ場合がある)の冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮して冷凍サイクルにおける高圧(以後、単に高圧と呼ぶ場合がある)にして吐出する。冷媒は、例えばHFC冷媒のR32である。なお、R32は冷媒の種類の例示に過ぎず、スクロール圧縮機100は、R32以外のHFC冷媒や、HFO冷媒を圧縮する装置であってもよい。また、例えば、スクロール圧縮機100は、二酸化炭素等の自然冷媒を圧縮して吐出する装置であってもよい。
スクロール圧縮機100は、図1に示すように、ケーシング10、圧縮機構20、ハウジング50、モータ70、駆動軸80、下部軸受ハウジング90、及び溶接ピン60を主に有する。
(2)詳細構成
ケーシング10、圧縮機構20、ハウジング50、モータ70、駆動軸80、下部軸受ハウジング90、及び溶接ピン60の詳細について説明する。
ケーシング10、圧縮機構20、ハウジング50、モータ70、駆動軸80、下部軸受ハウジング90、及び溶接ピン60の詳細について説明する。
(2-1)ケーシング
スクロール圧縮機100は、縦長円筒状のケーシング10を有する(図1参照)。
スクロール圧縮機100は、縦長円筒状のケーシング10を有する(図1参照)。
ケーシング10は、円筒部材12と、上蓋14aと、下蓋14bと、を主に有する。円筒部材12は、中心軸Oに沿って延びる上下が開口した円筒状の部材である。上蓋14aは、円筒部材12の上方に設けられ、円筒部材12の上方の開口を塞ぐ。下蓋14bは、円筒部材12の下方に設けられ、円筒部材12の下方の開口を塞ぐ。円筒部材12と、上蓋14a及び下蓋14bとは、気密を保つように溶接により固定される。
ケーシング10は、圧縮機構20、ハウジング50、モータ70、駆動軸80及び下部軸受ハウジング90を含む、スクロール圧縮機100を構成する各種部材を内部に収容する(図1参照)。ケーシング10内の上部には、圧縮機構20が配置されている。圧縮機構20の下方には、ハウジング50が配置されている。ハウジング50の下方には、モータ70が配置されている。モータ70の下方には、下部軸受ハウジング90が配置されている。ケーシング10の底部には、油溜空間16が形成されている。油溜空間16には、スクロール圧縮機100の各種摺動部を潤滑するための冷凍機油が溜められている。
モータ70は、スクロール圧縮機100の第1空間S1に配置される。本実施形態では、第1空間S1は、圧縮機構20により圧縮された高圧の冷媒が流入する空間である。言い換えれば、本実施形態のスクロール圧縮機100は、いわゆる高圧ドーム型のスクロール圧縮機である。第1空間S1は、ケーシング10の円筒部材12と後述するモータ70のステータ72との間に形成された隙間等を介して、ケーシング10の下部の油溜空間16と連通している(図1参照)。
なお、スクロール圧縮機100は、高圧ドーム型のスクロール圧縮機でなくてもよく、冷凍装置の冷媒回路から低圧の冷媒が流入する空間にモータが配置される、いわゆる低圧ドーム型のスクロール圧縮機であってもよい。
ケーシング10には、吸入管18a、吐出管18b及びインジェクション管18cが、ケーシング10の内部と外部とを連通するように取り付けられている(図1参照)。
吸入管18aは、図1のように、ケーシング10の上蓋14aを貫通して設けられる。吸入管18aの一端(ケーシング10の外部の端部)は、冷凍装置の図示しない配管に接続され、吸入管18aの他端(ケーシング10の内部の端部)は、圧縮機構20の固定スクロール30の吸入ポート36aに接続される。吸入管18aは、吸入ポート36aを介して後述する圧縮機構20の外周側の圧縮室Scと連通する。スクロール圧縮機100は、吸入管18aを介して、冷凍装置の冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を吸入する。
吐出管18bは、図1のように、円筒部材12の上下方向における中央部に、円筒部材12を貫通して設けられる。吐出管18bの一端(ケーシング10の外部の端部)は、冷凍装置の図示しない配管に接続され、吐出管18bの他端(ケーシング10の内部の端部)は、第1空間S1のハウジング50とモータ70との間に配置される。スクロール圧縮機100は、圧縮機構20による圧縮後の高圧の冷媒を吐出管18bを介して吐出する。
インジェクション管18cは、図1のように、ケーシング10の上蓋14aを貫通して設けられる。インジェクション管18cの一端(ケーシング10の外部の端部)は、冷凍装置の図示しない配管に接続され、インジェクション管18cの他端(ケーシング10の内部の端部)は、圧縮機構20の固定スクロール30に接続される。インジェクション管18cは、固定スクロール30に形成された図示しない通路を介して、圧縮機構20の圧縮途中の圧縮室Scと連通している。インジェクション管18cが連通する圧縮途中の圧縮室Scには、冷凍装置の冷媒回路から、冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒が、インジェクション管18cを介して供給される。なお、冷凍サイクルにおける中間圧とは、冷凍サイクルにおける低圧と高圧との中間の圧力を意味する。以後、冷凍サイクルにおける中間圧と記載する代わりに、単に中間圧と呼ぶ場合がある。
(2-2)圧縮機構
圧縮機構20は、固定スクロール30と、可動スクロール40と、を主に有する。固定スクロール30と可動スクロール40とは、組み合わされて圧縮室Scを形成する。圧縮機構20は、圧縮室Scで冷媒を圧縮し、圧縮後の冷媒を吐出する。
圧縮機構20は、固定スクロール30と、可動スクロール40と、を主に有する。固定スクロール30と可動スクロール40とは、組み合わされて圧縮室Scを形成する。圧縮機構20は、圧縮室Scで冷媒を圧縮し、圧縮後の冷媒を吐出する。
(2-2-1)固定スクロール
固定スクロール30は、ハウジング50上に載置され、図示しない固定手段(例えばボルト)により固定されている。
固定スクロール30は、ハウジング50上に載置され、図示しない固定手段(例えばボルト)により固定されている。
固定スクロール30は、図1に示すように、固定側鏡板32と、固定側ラップ34と、周縁部36と、を主に有する。
固定側鏡板32は、円板状の部材である。固定側ラップ34は、固定側鏡板32の前面32a(下面)から可動スクロール40側に突出する壁状の部材である。固定スクロール30を下方から見ると、固定側ラップ34は、固定側鏡板32の中心付近から外周側に向かって渦巻状(インボリュート形状)に形成されている。周縁部36は、固定側鏡板32の前面32aから可動スクロール40側に突出する厚肉円筒状の部材である。周縁部36は、固定側ラップ34の周囲を取り囲むように配置される。周縁部36には、吸入ポート36aが形成される。吸入ポート36aには、吸入管18aの下流端が接続される。
固定スクロール30の固定側ラップ34と、後述する可動スクロール40の可動側ラップ44とは、組み合わされて圧縮室Scを形成する。具体的には、固定スクロール30と可動スクロール40とは、固定側鏡板32の前面32aと後述する可動側鏡板42の前面42a(上面)とが対向する状態で組み合わされる。その結果、固定側鏡板32と、固定側ラップ34と、可動側ラップ44と、後述する可動スクロール40の可動側鏡板42と、に囲まれた圧縮室Scが形成される(図1参照)。可動スクロール40が固定スクロール30に対して旋回すると、吸入管18aから吸入ポート36aを介して周縁側の圧縮室Scに流入した低圧の冷媒は、中央側の圧縮室Scへと移動するにつれ圧縮されて圧力が上昇する。
固定側鏡板32の略中心には、圧縮機構20により圧縮された冷媒を吐出する吐出ポート33が、固定側鏡板32を厚さ方向(上下方向)に貫通して形成されている(図1参照)。吐出ポート33は、圧縮機構20の中心側(最内側)の圧縮室Scと連通している。固定側鏡板32の上方には、吐出ポート33を開閉する吐出弁22が取り付けられている。吐出ポート33が連通する最内側の圧縮室Scの圧力が、吐出弁22より上方の吐出空間Saの圧力に比べて所定値以上大きくなった場合、吐出弁22が開き、最内側の圧縮室Scの冷媒が吐出ポート33を通過して固定側鏡板32の上方の吐出空間Saに流入する。吐出空間Saは、固定スクロール30及びハウジング50にわたって形成されている図示しない冷媒通路と連通している。冷媒通路は、吐出空間Saとハウジング50の下方の第1空間S1とを連通する通路である。吐出空間Saに流入する圧縮機構20による圧縮後の冷媒は、冷媒通路を通過して第1空間S1へ流入する。
(2-2-2)可動スクロール
可動スクロール40は、図1に示すように、可動側鏡板42と、可動側ラップ44と、ボス部46と、を主に有する。
可動スクロール40は、図1に示すように、可動側鏡板42と、可動側ラップ44と、ボス部46と、を主に有する。
可動側鏡板42は、円板状の部材である。可動側ラップ44は、可動側鏡板42の前面42a(上面)から固定スクロール30側に突出する壁状の部材である。可動スクロール40を上方から見ると、可動側ラップ44は、可動側鏡板42の中心付近から外周側に向かって渦巻状(インボリュート形状)に形成されている。ボス部46は、可動側鏡板42の背面42b(下面)からモータ70側に突出する円筒状の部材である。
スクロール圧縮機100の運転中には、可動スクロール40は、可動側鏡板42の背面42b側の、後述するクランク室52及び背圧空間54の圧力により固定スクロール30に押し付けられる。可動スクロール40が固定スクロール30に押し付けられることで、固定側ラップ34の歯先と可動側鏡板42との間の隙間や、可動側ラップ44の歯先と固定側鏡板32との間の隙間からの冷媒の漏れが抑制される。
ボス部46は、ハウジング50により形成される後述するクランク室52内に配置される。ボス部46は、円筒状に形成されている。ボス部46は、可動側鏡板42の背面42bから下方に突出するように延びる。円筒状のボス部46の上部は、可動側鏡板42により閉じられている。ボス部46の中空部には、軸受メタル47が配置される。ボス部46の中空部には、後述する駆動軸80の偏心部84が挿入される(図1参照)。駆動軸80は、後述するようにモータ70のロータ74と連結されているため、モータ70が運転されてロータ74が回転すると、可動スクロール40が旋回する。
なお、モータ70により旋回させられる可動スクロール40は、可動スクロール40の背面42b側に配置されているオルダム継手24(図1参照)の働きで、自転することなく、固定スクロール30に対して公転する。
可動スクロール40が固定スクロール30に対して公転させられると、圧縮機構20の圧縮室Sc内のガス冷媒が圧縮される。具体的には、可動スクロール40が公転させられると、吸入管18aから吸入ポート36aを介して周縁側の圧縮室Scにガス冷媒が吸引され、その後、圧縮室Scは圧縮機構20の中心側(固定側鏡板32の中心側)に移動する。圧縮室Scが圧縮機構20の中心側に移動するにつれ、圧縮室Scの容積は減少し、圧縮室Sc内の圧力が上昇する。その結果、中央側の圧縮室Scは、周縁側の圧縮室Scに比べ高い圧力になる。圧縮機構20により圧縮されて高圧となったガス冷媒は、中央側の圧縮室Scから固定側鏡板32に形成された吐出ポート33を通って吐出空間Saに吐出される。吐出空間Saに吐出された冷媒は、固定スクロール30及びハウジング50に形成された図示しない冷媒通路を通過して、ハウジング50の下方の第1空間S1へ流入する。
(2-3)ハウジング
ハウジング50について、図2及び図3を更に参照しながら説明する。
ハウジング50について、図2及び図3を更に参照しながら説明する。
図2は、ハウジング50の概略側面図である。図3は、ケーシング10と溶接ピン60との固定状態を模式的に示した図である。
ハウジング50は、鋳造品である。ハウジング50は、図1のように、第1部120と、上部軸受ハウジング110と、を主に含む。第1部120は、円筒状の部分である。上部軸受ハウジング110も円筒状に形成される。上部軸受ハウジング110は、駆動軸80の軸方向において、第1部120よりモータ70側に配置される。上部軸受ハウジング110は、モータ70より圧縮機構20の近傍に配置される。
ハウジング50は、支持部材の一例である。ハウジング50は、上部軸受ハウジング110に設けられる軸受メタル112を支持する。
ハウジング50の第1部120には、固定スクロール30が固定されている。具体的には、固定スクロール30は、固定スクロール30の周縁部36の下面がハウジング50の上面と対向する状態でハウジング50に載置され、図示しない固定部材(例えばボルト)によりハウジング50に固定されている。ハウジング50は、第1部120に固定されている固定スクロール30を支持する。
また、ハウジング50は、固定スクロール30とハウジング50の第1部120との間に配置される可動スクロール40を支持する。具体的には、ハウジング50は、可動スクロール40を、ハウジング50の上方に配置されているオルダム継手24を介して下方から支持する。
ハウジング50の第1部120は、円筒状の部材である。ハウジング50の第1部120は、ケーシング10の円筒部材12の内周面に固定されている。
具体的には、ハウジング50は、ケーシング10の円筒部材12に圧入されており、第1部120の外面122は、駆動軸80の軸方向において部分的に、全周にわたって円筒部材12の内周面と密接している。
また、ハウジング50は、更に溶接によってケーシング10の円筒部材12に固定されている。溶接によるハウジング50の円筒部材12への固定について具体的に説明する。
ハウジング50の第1部120の外面122(外側面)には、図2に示すように、溶接ピン60が圧入される穴124が形成されている。穴124は、溶接ピン60を、溶接ピン60の圧入方向(溶接ピン60を穴124に圧入する方向)に直交する方向に切断した断面と、概ね同一の形状を有する。ただし、圧入前の(後述する凸部64を含む)溶接ピン60の直径は、穴124の直径よりも大きい。また、後述するように、溶接ピン60の本体部62の外周面62aには凹凸が設けられているのに対し、穴124の内周面には凹凸は設けられていない。本実施形態では、穴124の形状は円形である。穴124は、ケーシング10の円筒部材12の径方向に第1部120を貫通していない。言い換えれば、穴124は、ハウジング50を円筒部材12の径方向に貫通しない凹部である。
寸法を限定するものではないが、本実施形態では穴124の直径は12mm(半径Rは6mm)で、深さAは9mmである。穴124の深さAは、第1部120の外面122から、穴124の底部125までの、穴124の深さを意味する。穴124の底部125とは、穴124の半径が半径Rである部分の、円筒部材12の径方向における内側の壁部を意味する。数を限定するものではないが、ハウジング50の外面122には、合計8カ所に穴124が形成されている。また、位置を限定するものではないが、ハウジング50の外面122には、周方向に90°間隔で4カ所に、駆動軸80の軸方向(ここでは上下方向)に2カ所ずつ穴124が形成されている。
ケーシング10の円筒部材12の、円筒部材12に圧入されるハウジング50の溶接ピン60に対応する位置(ハウジング50の穴124に対応する位置)には、図3に示すような貫通穴12aが形成されている。そして、貫通穴12aの位置において、穴124に圧入されている溶接ピン60と、ケーシング10の円筒部材12と、は溶接固定されている。図3中の符号69で示す部分は、溶接ピン60と円筒部材12との溶接部分を示している。ハウジング50の第1部120の穴124に圧入されている溶接ピン60が円筒部材12と溶接固定される結果、ハウジング50は、溶接によってもケーシング10の円筒部材12に固定される。
なお、ハウジング50とケーシング10とが直接溶接されるのではなく、溶接ピン60とケーシング10とが溶接されるのは、ハウジング50が鋳造品で、一般に、鋳造品の溶接は困難であるためである。
ハウジング50について更に説明する。
ハウジング50の第1部120は、図1に示すように、中央に凹むように配置される第1凹部56と、第1凹部56を囲むように配置される第2凹部58と、を有する。第1凹部56は、可動スクロール40のボス部46が配置されるクランク室52の側面を囲む。第2凹部58は、可動側鏡板42の背面42b側に環状の背圧空間54を形成する。
スクロール圧縮機100の運転時には、クランク室52に、第1空間S1と油溜空間16から冷凍機油が流入する。そのため、スクロール圧縮機100の定常運転時には(スクロール圧縮機100の運転が安定した状態では)、クランク室52の圧力は、冷凍装置の冷凍サイクルにおける高圧になる。その結果、スクロール圧縮機100の定常運転時には、クランク室52に面する可動側鏡板42の背面42bの中央部は、高圧で固定スクロール30に向かって押される。
背圧空間54は、スクロール圧縮機100の運転中に可動スクロール40が旋回すると、可動スクロール40が1回転する間に、所定の期間、可動側鏡板42に形成されている図示しない穴を介して圧縮途中の圧縮室Scと連通する。そのため、スクロール圧縮機100の定常運転時には、背圧空間54の圧力は、冷凍装置の冷凍サイクルにおける中間圧(冷凍装置の冷凍サイクルにおける高圧と低圧との間の圧力)になる。その結果、スクロール圧縮機100の定常運転時には、背圧空間54に面する可動側鏡板42の背面42bの周縁部は、中間圧で固定スクロール30に向かって押される。
以上のように構成される結果、スクロール圧縮機100の定常運転時には、可動スクロール40は、クランク室52の高圧と、背圧空間54の中間圧と、により固定スクロール30に押し付けられる。なお、クランク室52と背圧空間54とは、第1凹部56と第2凹部58との境界に配置されている環状の壁部57により隔てられている(図1参照)。可動側鏡板42の背面42bと対向する壁部57の上端には、クランク室52と背圧空間54との間をシールするように、図示しないシールリングが配置されている。
上部軸受ハウジング110は、円筒状に形成されている。円筒状の上部軸受ハウジング110の内部には、駆動軸80を回転可能に支持する軸受メタル112が設けられる。軸受メタル112は、軸受の一例である。スクロール圧縮機100の運転中、駆動軸80には、駆動軸80を転倒させるようなモーメントが作用する場合がある。駆動軸80にモーメントが作用した際に上部軸受ハウジング110の傾きを許容するように、上部軸受ハウジング110と第1部120との接続部には弾性溝115が形成される。
(2-4)モータ
モータ70は、駆動部の一例である。モータ70は、ケーシング10の円筒部材12の内壁面に固定された環状のステータ72と、ステータ72の内側に配置されたロータ74と、を有する(図1参照)。
モータ70は、駆動部の一例である。モータ70は、ケーシング10の円筒部材12の内壁面に固定された環状のステータ72と、ステータ72の内側に配置されたロータ74と、を有する(図1参照)。
ロータ74は、ステータ72の内側に、ステータ72と僅かな隙間(図示せず)を空けて回転自在に収容される。ロータ74は、駆動軸80を介して、圧縮機構20の可動スクロール40と連結されている。具体的には、ロータ74は、駆動軸80を介して、可動スクロール40のボス部46と連結されている(図1参照)。モータ70は、ロータ74を回転させることで、可動スクロール40を旋回させる。
(2-5)駆動軸
駆動軸80は、モータ70のロータ74と、圧縮機構20の可動スクロール40とを連結する。駆動軸80は、上下方向に延びる。駆動軸80は、モータ70の駆動力を圧縮機構20の可動スクロール40に伝達する。
駆動軸80は、モータ70のロータ74と、圧縮機構20の可動スクロール40とを連結する。駆動軸80は、上下方向に延びる。駆動軸80は、モータ70の駆動力を圧縮機構20の可動スクロール40に伝達する。
駆動軸80は、主軸82と、偏心部84と、を主に有する(図1参照)。
主軸82は、油溜空間16からクランク室52まで上下方向に延びる。主軸82は、上部軸受ハウジング110の軸受メタル112、及び後述する下部軸受ハウジング90に配置された軸受メタル91により、回転自在に支持される。また、主軸82は、ハウジング50の上部軸受ハウジング110と下部軸受ハウジング90との間で、モータ70のロータ74に挿通され、ロータ74に連結される。主軸82の中心軸は、ケーシング10の円筒部材12の中心軸Oと一致する。
偏心部84は、主軸82の上端に配置されている。偏心部84の中心軸は、主軸82の中心軸に対して偏心している。偏心部84は、可動スクロール40のボス部46の内部に挿入され、ボス部46の内部に配置されている軸受メタル47により回転可能に支持されている。
駆動軸80には、油通路86が形成されている。油通路86は、主経路86aと、分岐経路(図示せず)と、を有する。主経路86aは、駆動軸80を軸方向に、駆動軸80の下端から上端まで延びる。分岐経路は、主経路から、駆動軸80の軸方向と交差する方向に延びる。油溜空間16の冷凍機油は、駆動軸80の下端に設けられたポンプ(図示せず)により汲み上げられ、油通路86を通って、駆動軸80と軸受メタル47,112,91との摺動部や、圧縮機構20の摺動部等に供給される。
(2-6)下部軸受ハウジング
下部軸受ハウジング90は、支持部材の一例である。下部軸受ハウジング90は、駆動軸80を回転可能に支持する軸受メタル91(軸受)を支える。
下部軸受ハウジング90は、支持部材の一例である。下部軸受ハウジング90は、駆動軸80を回転可能に支持する軸受メタル91(軸受)を支える。
下部軸受ハウジング90(図1参照)は、モータ70の下方に配置されている。
下部軸受ハウジング90は、軸受支持部92と、複数のアーム94と、を主に有する。下部軸受ハウジング90は、鋳造品である。
軸受支持部92は、円筒状に形成されている。円筒状の軸受支持部92の内部には、駆動軸80を回転可能に支持する軸受メタル91が設けられる。軸受支持部92は、軸受メタル91を支持する。
アーム94は、軸受支持部92からケーシング10に向かって延びる。例えば、アーム94は、軸受支持部92からケーシング10の円筒部材12の径方向に延びる。数を限定するものではないが、下部軸受ハウジング90は、3本のアーム94を有する。構造を限定するのではないが、軸受支持部92には、3本のアーム94が、ケーシング10の円筒部材12の周方向に概ね等間隔離して(約120度ずつ離して)設けられている。各アーム94の端部の外面94a(軸受支持部92から延びるアーム94の端部の、ケーシング10の円筒部材12と対向する面)には、溶接ピン60が圧入される穴96が形成されている。例えば、各アーム94の端部の外面94aには、2つの穴96が、駆動軸80の軸方向(ここでは上下方向)に並べて配置されている。なお、2つの穴96は、駆動軸80の軸方向に並べて配置されずともよく、ケーシング10の円筒部材12の周方向において、位置がずれていてもよい。
なお、本実施形態では、各アーム94に2カ所ずつ溶接ピン60が圧入される穴96が設けられているが、これに限定されるものではない。例えば、各アーム94に設けられる溶接ピン60が圧入される穴96は、1カ所でもよい。また、各アーム94に設けられる溶接ピン60が圧入される穴96は、3カ所以上でもよい。
アーム94に形成される穴96の形状や寸法は、ハウジング50の第1部120に形成される穴124の形状と同様である。ここでは、説明の重複を避けるため、穴96の形状や寸法詳細な説明は省略する。
ケーシング10の円筒部材12の、下部軸受ハウジング90の溶接ピン60に対応する位置(下部軸受ハウジング90の穴96に対応する位置)には、図1に示すように貫通穴12aが形成されている。図3に描画した態様と同様に、溶接ピン60は、ケーシング10の円筒部材12と、貫通穴12aの位置において溶接固定されている。下部軸受ハウジング90の穴96に圧入されている溶接ピン60が円筒部材12と溶接固定される結果、下部軸受ハウジング90は、溶接によってケーシング10の円筒部材12に固定されている。
なお、下部軸受ハウジング90とケーシング10とが直接溶接されるのではなく、下部軸受ハウジング90に圧入された溶接ピン60とケーシング10とが溶接されるのは、下部軸受ハウジング90が鋳造品で、一般に、鋳造品の溶接は困難であるためである。
(2-7)溶接ピン
溶接ピン60について、図4~図6を更に参照しながら説明する。
溶接ピン60について、図4~図6を更に参照しながら説明する。
図4は、ハウジング50の第1部120の穴124又は下部軸受ハウジング90のアーム94の穴96への圧入前の溶接ピン60を、溶接ピン60の圧入方向に直交する方向に沿って見た図である。図5は、ハウジング50の第1部120の穴124又は下部軸受ハウジング90のアーム94の穴96への圧入前の溶接ピン60を、溶接ピン60の圧入方向に沿って見た図である。図6は、ハウジング50の第1部120の穴124又は下部軸受ハウジング90のアーム94の穴96への圧入前の溶接ピン60を、溶接ピン60の圧入方向に沿って見た際の、溶接ピン60の本体部62の外周面62a付近の拡大図である。なお、溶接ピン60の圧入方向(以後、単に圧入方向と呼ぶ場合がある)とは、溶接ピン60が、ハウジング50の第1部120の穴124又は下部軸受ハウジング90のアーム94の穴96に圧入される方向を意味する。
溶接ピン60は、軸受メタル112を支えるハウジング50の第1部120の穴124、又は、軸受メタル91を支える下部軸受ハウジング90のアーム94の穴96に圧入される。溶接ピン60の形状について以下に説明する。なお、特記無き場合、以下の溶接ピン60の形状の説明は、穴124,96への圧入前の溶接ピン60の形状を説明するものである。
溶接ピン60は、図4及び図5から分かるように、略円柱状の部材である。溶接ピン60は、図5に示すように、圧入方向に沿って見た時に略円形状を有する。なお、圧入方向は、円柱状の溶接ピン60の軸方向と一致する。
溶接ピン60は、図4に示すように圧入方向における両端に配置される面取り部61と、圧入方向において2つの面取り部61の間に配置される本体部62と、を含む。限定するものではないが、溶接ピン60の長さLは8mmである。
円柱状の本体部62の外周面62aには、平目のローレットが形成されている。具体的には、本体部62の外周面62aには、圧入方向に沿って延びる溝が、複数形成されている。言い換えれば、圧入前の溶接ピン60の本体部62の外周面62aには、溶接ピン60の圧入方向視において、圧入方向に沿って延びる凸部64が、溶接ピン60の周方向に沿って複数形成されている。このように構成される結果、圧入方向に沿って溶接ピン60を見た時に、本体部62の外周面62aは、図5に示すように、溶接ピン60の周方向に沿って山部分66と谷部分68とが交互に並ぶ形状となっている。
山部分66は、溶接ピン60を圧入方向に沿って見た時に、第1曲率半径ρ1の円弧状に形成されている頂部66aを含む(図5参照)。頂部66aは、溶接ピン60の圧入方向視において、略円柱状の本体部62の中心O1に対し、最も径方向外側に配置される山部分66の頂点66bを含む部分である(図5参照)。特にここでは、頂点66bは、溶接ピン60を圧入方向に沿って見た時の、溶接ピン60の周方向における各山部分66の中央部分である。以下では、本体部62の中心O1から、山部分66の頂点66bまでの距離(中心O1から頂点66bまでの半径)を符号P1で表す。距離P1は、(穴96,124の)半径R+V1(V1>0)で表せる。
谷部分68は、溶接ピン60を圧入方向に沿って見た時に、第2曲率半径ρ2の円弧状に形成されている底部68aを含む(図5参照)。底部68aは、溶接ピン60の圧入方向視において、略円柱状の本体部62の中心O1に対し、最も径方向内側に配置される谷部分68の最も深い位置(最深部68b)を含む部分である(図5参照)。以下では、本体部62の中心O1から、谷部分68の最深部68bまでの距離を符号P2で表す。距離P2は、(穴96,124の)半径R-V2(V2>0)で表せる。
なお、第1曲率半径ρ1は、第2曲率半径ρ2よりも大きい。好ましくは、第1曲率半径ρ1は、第2曲率半径ρ2より10倍以上大きい。より好ましくは、第1曲率半径ρ1は、第2曲率半径ρ2より15倍以上大きい。また、好ましくは、第1曲率半径ρ1は、円柱状の本体部62の中心O1から山部分66の頂部66aまでの半径(距離P1)に等しい(図5参照)。形状を限定するものではないが、例えば、第1曲率半径ρ1は、本体部62の中心O1から山部分66の頂部66aの半径である6mm(半径R)+0.05~0.2mm程度であり、第2曲率半径ρ2は、0.05~0.2mm程度である。
また、溶接ピン60では、溶接ピン60の圧入方向視において、圧入前の本体部62の中心O1周りに、支持部材としてのハウジング50や下部軸受ハウジング90に形成されている穴124,96の半径Rと同半径の仮想円IC(図5の二点鎖線参照)を描画した場合に、以下の数値関係が成立することが好ましい。
なお、ここでは説明の便宜上、本体部62の外周面62aに形成されている凸部64の任意の1つを第1の凸部64aと呼び、第1の凸部64aに隣接する2つの凸部64の一方を第2の凸部64bと呼ぶ(図6参照)。
圧入方向視において、仮想円ICは、第1の凸部64aの縁部65と2カ所で交わる(図6参照)。2つの交点のうち、第2の凸部64bの近位側の交点を第1交点X1と呼び、第2の凸部64bの遠位側の交点を第2交点X2と呼ぶ。仮想円ICは、第2の凸部64bの縁部65とも2カ所で交わる(図6参照)。2つの交点のうち、第1の凸部64aの近くに配置される交点を第3交点X3と呼ぶ。
ここでは、交点X1と交点X2との間の距離(仮想円IC上の交点X1と交点X2との間の円弧の長さ)である第1距離D1と、交点X1と交点X3との間の距離(仮想円IC上の交点X1と交点X3との間の円弧の長さ)である第2距離D2との間には、好ましくは、第2距離D2に対する第1距離D1の比D1/D2が、0.5以上3.0以下であるという条件が成立する。より好ましくは、第2距離D2に対する第1距離D1の比D1/D2は、0.9以上2.65以下である。
さらに、溶接ピン60では、好ましくは、第2値V2に対する第1値V1の比V1/V2は、0.3以上1.6以下であることが好ましい。より好ましくは、第2値V2に対する第1値V1の比V1/V2は、0.4以上1.3以下である。
ここでの第1値V1は、圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から山部分66の頂点66bまでの距離P1から、穴124,96の半径Rを差し引いた値(P1-R)である。第2値V2は、穴124,96の半径Rから、圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から谷部分68の最深部68bまでの距離P2を差し引いた値(R-P2)である。
さらに、圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から山部分66の頂点66bまでの距離P1から、圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から谷部分68の最深部68bまでの距離P2を差し引いた値は、0.2mm以上0.4mm以下であることが好ましい。限定するものではないが、例えば、距離P1から距離P2を差し引いた値は0.3mmである。ただし、距離P1から距離P2を差し引いた値は、この数値範囲を外れるものであってもよい。
さらに、圧入方向視において、圧入前の溶接ピン60の凸部64は、山部分66の頂部66aと谷部分68の底部68aとの間を延びる直線部65aと、直線部65aと頂部66aとを滑らかに繋ぐ曲線部65bと、を有する。谷部分68を形成する隣接する2つの凸部64の直線部65aのなす角度α(図6参照)は、65°以上95°未満であることが好ましい。限定するものではないが、本実施形態では、角度αは、70°である。
なお、このような形状にすることで、以下のような効果が得られる。
まず、従来の溶接ピンにおいて生じる問題について説明する。
ローレット目の形状にはJIS規格(JISB0951)が存在する。従来、溶接ピンに平目のローレット目を設ける場合には、この規格に則ったローレット目が設けられる。
JIS規格におけるローレット目の形状を、図8を参照しながら説明する。例えば、JIS規格(JISB0951)では、モジュールm(図8中の長さt/π)が0.3である場合、図8中の、長さt(ピッチ)は0.942mmで、山部分の頂部の第1曲率半径r1及び谷部分の底部の第2曲率半径r2は共に0.09mmで、hは0.198mmである。要するに、JIS規格におけるローレット目は、山部分の頂部の第1曲率半径r1と、谷部分の底部の第2曲率半径r2は同一である。また、モジュールmが0.2である場合、長さt(ピッチ)は0.628mmで、山部分の頂部の第1曲率半径r1及び谷部分の底部の第2曲率半径r2は共に0.06mmで、hは0.132mmである。また、モジュールmが0.5である場合、長さt(ピッチ)は1.571mmで、山部分の頂部の第1曲率半径r1及び谷部分の底部の第2曲率半径r2は共に0.16mmで、hは0.326mmである。
また、谷部分を形成する隣接する2つの凸部の直線部のなす角度は90°である。
要するに、JIS規格におけるローレット目は、山部分の頂部の第1曲率半径r1と、谷部分の底部の第2曲率半径r2は同一である。また、本開示の溶接ピン60の山部分66の頂部66aの第1曲率半径ρ1(穴96,124の半径R+V1)は、JIS規格におけるローレット目の山部分の頂部の第1曲率半径r1の数十倍である。
平目のローレット目を設けた溶接ピンでは、穴124,96に圧入される際、溶接ピンの山部分が部分的に塑性変形を起こす。さらにケーシング10の円筒部材12との溶接時の入熱により溶接ピンは膨張し、溶接ピンの山部分は圧入先の穴124,96の内面に押し付けられるため、溶接ピンの山部分は溶接時に更に塑性変形する。溶接中に熱膨張した溶接ピンは、溶接後には収縮することから、塑性変形により山部分の弾性が低下した溶接ピンのハウジング50の第1部120や下部軸受ハウジング90のアーム94に対する保持力は、溶接前に比べ低減する。なお、ここで溶接ピンのハウジング50の第1部120や下部軸受ハウジング90のアーム94に対する保持力とは、圧入されている溶接ピンに、溶接ピンの圧入方向とは逆向きの力を作用させた際に、溶接ピンが圧入方向とは逆向きに動かない最大の力の大きさを意味する。
なお、駆動軸80の回転時には、駆動軸80にモーメントが作用し、駆動軸80を軸支する軸受メタル112,91が設けられた上部軸受ハウジング110や下部軸受ハウジング90にもモーメントが作用する。その結果、スクロール圧縮機100の運転中に、ハウジング50の第1部120や下部軸受ハウジング90には、少なくとも部分的に、ケーシング10から引き離される向きに繰り返し力が作用するおそれがある。溶接ピンの保持力が小さ過ぎる場合には、モーメントの影響で溶接ピンが圧入方向とは反対向きにずれ、ハウジング50や下部軸受ハウジング90のケーシング10の円筒部材12に対する固定力が低下する等の不具合が生じる可能性がある。
本願開示者は、JIS規格における平目のローレット目を設けた溶接ピン(以後、JIS溶接ピンと呼ぶ場合がある)を用いる場合には、溶接後の溶接ピンの保持力が小さくなりすぎる場合があることが見出した。本願開示者は、一方で、上記実施形態のような形状の平目のローレット目が設けられた溶接ピン60を用いる場合には、溶接後の溶接ピン60のハウジング50の第1部120や下部軸受ハウジング90のアーム94に対するに保持力の低下が抑制されることを見出した。
実際に、どの程度、保持力の低下が抑制されるかが、ハウジング50の第1部120の穴124に圧入される溶接ピン60の溶接後の保持力と、ハウジング50の第1部120の穴124に圧入されるJIS規格(モジュールm=0.3)に則って平目のローレット目が外面に形成されている溶接ピンの溶接後の保持力と、の間で比較された。
説明の前提として、溶接ピンのハウジング50に対する圧入後の(ケーシング10に対する溶接前の)保持力の平均値をFで表す。なお、本開示の溶接ピン60を用いる場合も、JIS溶接ピンを用いる場合も、溶接ピンのハウジング50に対する圧入後の(ケーシング10に対する溶接前の)保持力の平均値Fは概ね同一である。
溶接ピン60を用いる場合、溶接ピン60の溶接後の保持力は、ばらつきはあるものの平均0.4Fで表せる。これに対し、JIS溶接ピンを用いる場合の、溶接ピンの溶接後の保持力は、ばらつきはあるものの平均0.1F程度まで低下する。要するに、この実験結果によれば、溶接ピン60を用いることで、溶接後の溶接ピン60の保持力を、JIS溶接ピンを用いる場合の4倍程度確保することが可能となっている。
溶接ピン60を用いることで、JIS溶接ピンを用いる場合に比べ、溶接後の溶接ピン60のハウジング50の第1部120や下部軸受ハウジング90のアーム94に対するに保持力の低下を抑制できる理由は、以下のように推定される。
まず、第1曲率半径ρ1が第2曲率半径ρ2より大きいことで、第1曲率半径r1及び第2曲率半径r2の値が等しいJIS溶接ピンを用いる場合に比べ、溶接ピン60の山部分66と圧入先の穴124,96の内周面との接触面を大きくとることができる。その結果、溶接ピン60の各山部分66に作用する面圧が低下するため、溶接ピン60の山部分66の塑性変形が抑制されやすい。
なお、溶接ピン60の山部分66と圧入先の穴124,96の内周面との接触面を大きくとる上では、溶接ピン60の谷部分68をできるだけ小さくすることが考えられる。しかし、この場合には、溶接ピン60の山部分66に作用する面圧は低下するものの、山部分66が圧入先の穴124,96の内周面に接触して変形した時に、山部分66が弾性変形可能な隙間が小さいため、山部分66の塑性変形が進むおそれがある。
そこで、例えば、第2距離D2に対する第1距離D1の比D1/D2を上記の範囲にすることで、溶接ピン60の山部分66が弾性変形可能なスペースを確保して、溶接後の溶接ピン60のハウジング50や下部軸受ハウジング90に対する保持力の低下を更に抑制できる。また、これに加えて又はこれに代えて、例えば、第2値V2に対する第1値V1の比V1/V2を上記の範囲にしたりすることで、溶接ピン60の山部分66が弾性変形可能なスペースを確保して、溶接後の溶接ピン60のハウジング50や下部軸受ハウジング90に対する保持力の低下を更に抑制できる。
(3)スクロール圧縮機の動作
スクロール圧縮機100の動作について説明する。なお、ここでは、定常状態(運転を開始して、運転が安定した状態)のスクロール圧縮機100の動作について説明する。
スクロール圧縮機100の動作について説明する。なお、ここでは、定常状態(運転を開始して、運転が安定した状態)のスクロール圧縮機100の動作について説明する。
モータ70が駆動されると、ロータ74が回転し、ロータ74と連結された駆動軸80も回転する。駆動軸80が回転すると、オルダム継手24の働きにより、可動スクロール40は、自転せずに固定スクロール30に対して公転する。そして、吸入管18aから流入した冷凍装置の冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、吸入ポート36aを介して圧縮機構20の周縁側の圧縮室Scに吸入される。そして、可動スクロール40が公転し、圧縮室Scの容積が減少するのに伴って、圧縮室Scの圧力が上昇する。また、圧縮途中の圧縮室Scには、インジェクション管18cから、適宜、冷凍装置の冷凍サイクルにおける中間圧(低圧と高圧との間の圧力)の冷媒がインジェクションされる。冷媒が、周縁側(外側)の圧縮室Scから、中央側(内側)の圧縮室Scへ移動するに連れて冷媒の圧力は上昇し、最終的に冷凍装置の冷凍サイクルにおける高圧となる。圧縮機構20によって圧縮された冷媒は、固定側鏡板32の中央付近に位置する吐出ポート33から吐出され、固定スクロール30及びハウジング50に形成されている図示しない冷媒経路を通過して第1空間S1に流入する。第1空間S1の冷凍サイクルにおける高圧の冷媒は、吐出管18bから吐出される。
(4)特徴
(4-1)
本実施形態のスクロール圧縮機100は、駆動部の一例としてのモータ70と、圧縮機構20と、駆動軸80と、ハウジング50及び下部軸受ハウジング90と、ケーシング10と、溶接ピン60と、を備えている。ハウジング50及び下部軸受ハウジング90は、支持部材の例である。駆動軸80は、モータ70の駆動力を圧縮機構20に伝達する。ハウジング50は、駆動軸80を回転可能に支持する軸受の一例としての軸受メタル112を支える。下部軸受ハウジング90は、駆動軸80を回転可能に支持する軸受の一例としての軸受メタル91を支える。ハウジング50の第1部120の外面122には、穴124が形成されている。下部軸受ハウジング90のアーム94の外面94aには、穴96が形成されている。ケーシング10は、駆動軸80、ハウジング50及び下部軸受ハウジング90を内部に収容する。溶接ピン60は、平目のローレット目が外周面62aに形成されている円柱状の本体部62を有する。溶接ピン60は、ハウジング50の穴124及び下部軸受ハウジング90の穴96に圧入され、ケーシング10と溶接固定されている。圧入前の溶接ピン60の本体部62の外周面62aには、溶接ピン60の圧入方向視において、溶接ピン60の周方向に沿って複数の凸部64が形成され、山部分66と谷部分68とが交互に並ぶ形状となっている。山部分66の頂部66aの曲率半径である第1曲率半径ρ1は、谷部分68の底部68aの曲率半径である第2曲率半径ρ2よりも大きい。
(4-1)
本実施形態のスクロール圧縮機100は、駆動部の一例としてのモータ70と、圧縮機構20と、駆動軸80と、ハウジング50及び下部軸受ハウジング90と、ケーシング10と、溶接ピン60と、を備えている。ハウジング50及び下部軸受ハウジング90は、支持部材の例である。駆動軸80は、モータ70の駆動力を圧縮機構20に伝達する。ハウジング50は、駆動軸80を回転可能に支持する軸受の一例としての軸受メタル112を支える。下部軸受ハウジング90は、駆動軸80を回転可能に支持する軸受の一例としての軸受メタル91を支える。ハウジング50の第1部120の外面122には、穴124が形成されている。下部軸受ハウジング90のアーム94の外面94aには、穴96が形成されている。ケーシング10は、駆動軸80、ハウジング50及び下部軸受ハウジング90を内部に収容する。溶接ピン60は、平目のローレット目が外周面62aに形成されている円柱状の本体部62を有する。溶接ピン60は、ハウジング50の穴124及び下部軸受ハウジング90の穴96に圧入され、ケーシング10と溶接固定されている。圧入前の溶接ピン60の本体部62の外周面62aには、溶接ピン60の圧入方向視において、溶接ピン60の周方向に沿って複数の凸部64が形成され、山部分66と谷部分68とが交互に並ぶ形状となっている。山部分66の頂部66aの曲率半径である第1曲率半径ρ1は、谷部分68の底部68aの曲率半径である第2曲率半径ρ2よりも大きい。
本実施形態のスクロール圧縮機100では、第1曲率半径ρ1が第2曲率半径ρ2より大きいことで、溶接ピン60の本体部62と支持部材(ハウジング50及び下部軸受ハウジング90)との接触面を大きくとることができる。そのため、溶接時の溶接ピン60の塑性変形を抑制し、溶接後の溶接ピン60の保持力を比較的大きく維持できる。
(4-2)
スクロール圧縮機100では、好ましくは、圧入前の溶接ピン60において、第1曲率半径ρ1は、第2曲率半径ρ2の10倍以上である。
スクロール圧縮機100では、好ましくは、圧入前の溶接ピン60において、第1曲率半径ρ1は、第2曲率半径ρ2の10倍以上である。
このようなスクロール圧縮機100では、溶接ピン60の本体部62と支持部材(ハウジング50及び下部軸受ハウジング90)との接触面を特に大きくとることが可能で、溶接時の溶接ピン60の塑性変形を抑制し、溶接後の溶接ピン60の保持力を大きく維持できる。
(4-3)
スクロール圧縮機100では、好ましくは、圧入前の溶接ピン60において、第1曲率半径ρ1は、溶接ピン60の本体部62の中心O1から山部分66の頂部66aまでの半径(距離P1)に等しい。
スクロール圧縮機100では、好ましくは、圧入前の溶接ピン60において、第1曲率半径ρ1は、溶接ピン60の本体部62の中心O1から山部分66の頂部66aまでの半径(距離P1)に等しい。
このようなスクロール圧縮機100では、溶接ピン60の本体部62と支持部材(ハウジング50及び下部軸受ハウジング90)との接触面を大きくとることが可能で、溶接後の溶接ピン60の保持力を大きく維持できる。
(4-4)
スクロール圧縮機100では、溶接ピン60の凸部64には、第1の凸部64aと、第1の凸部64aに隣接して配置される第2の凸部64bと、を含む。なお、第1の凸部64aは、任意の凸部64である。圧入方向視において、圧入前の溶接ピン60の本体部62の中心O1周りに、ハウジング50に形成されている穴124及び下部軸受ハウジング90に形成されている穴96の半径Rと同半径の仮想円ICを仮想した場合に、第2距離D2に対する第1距離D1の比(D1/D2)は、0.5以上3.0以下であることが好ましい。
スクロール圧縮機100では、溶接ピン60の凸部64には、第1の凸部64aと、第1の凸部64aに隣接して配置される第2の凸部64bと、を含む。なお、第1の凸部64aは、任意の凸部64である。圧入方向視において、圧入前の溶接ピン60の本体部62の中心O1周りに、ハウジング50に形成されている穴124及び下部軸受ハウジング90に形成されている穴96の半径Rと同半径の仮想円ICを仮想した場合に、第2距離D2に対する第1距離D1の比(D1/D2)は、0.5以上3.0以下であることが好ましい。
なお、第1距離D1は、仮想円ICと第1の凸部64aの縁部65との2つの交点である、第2の凸部64bの近位側の第1交点X1と第2の凸部64bの遠位側の第2交点X2との間の距離である。第2距離D2は、第1交点X1と第3交点X3との間の距離である。第3交点X3は、第2の凸部64bの縁部65と仮想円ICとの交点の内、第1の凸部64aの近くに配置される交点である。
スクロール圧縮機100では、第2距離D2に対する第1距離D1の比D1/D2を0.5以上と大きくすることで、溶接ピン60の本体部62と支持部材(ハウジング50及び下部軸受ハウジング90)との接触面を大きくとることが可能で、溶接時の溶接ピン60の塑性変形を抑制し、溶接後の溶接ピン60の保持力を大きく維持できる。
なお、溶接ピン60の本体部62と支持部材(ハウジング50や下部軸受ハウジング90)との接触面を大きくとる上では、第2距離D2に対する第1距離D1の比D1/D2を大きくすることが好ましい。しかし、比D1/D2があまり大きいと、言い換えれば谷部分68の幅があまり小さくなると、熱膨張時の凸部64の変形代(凸部64が変形した際に張り出すことが可能なスペース)が減り、弾性変形が規制され、凸部64の塑性変形が進むおそれがある。これに対し、ここでは、比D1/D2が3.0以下であるので、熱膨張時の凸部64の変形代を確保し、溶接時の溶接ピン60の凸部64の塑性変形を抑制することができる。
(4-5)
スクロール圧縮機100では、第2値V2に対する第1値V1の比V1/V2は、0.3以上1.6以下であることが好ましい。第1値V1は、圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から山部分66の頂点66bまでの距離P1から支持部材(ハウジング50及び下部軸受ハウジング90)に形成されている穴124,96の半径Rを差し引いた値である。第2値V2は、穴124,96の半径Rから圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から谷部分68の最深部68bまでの距離P2を差し引いた値である。
スクロール圧縮機100では、第2値V2に対する第1値V1の比V1/V2は、0.3以上1.6以下であることが好ましい。第1値V1は、圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から山部分66の頂点66bまでの距離P1から支持部材(ハウジング50及び下部軸受ハウジング90)に形成されている穴124,96の半径Rを差し引いた値である。第2値V2は、穴124,96の半径Rから圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から谷部分68の最深部68bまでの距離P2を差し引いた値である。
このようなスクロール圧縮機100では、溶接ピン60の本体部62と支持部材(ハウジング50及び下部軸受ハウジング90)との接触面を比較的大きく確保しつつ、熱膨張時の凸部64の変形代を確保して溶接時の溶接ピン60の凸部64の塑性変形を抑制し、溶接後にも溶接ピン60の保持力を大きく維持できる。
(4-6)
スクロール圧縮機100では、圧入方向視において、圧入前の溶接ピン60の凸部64は、山部分66の頂部66aと谷部分68の底部68aとの間を延びる直線部65aを有する。谷部分68を形成する隣接する2つの凸部64の直線部65aのなす角度αは、60°以上95°未満であることが好ましい。
スクロール圧縮機100では、圧入方向視において、圧入前の溶接ピン60の凸部64は、山部分66の頂部66aと谷部分68の底部68aとの間を延びる直線部65aを有する。谷部分68を形成する隣接する2つの凸部64の直線部65aのなす角度αは、60°以上95°未満であることが好ましい。
このようなスクロール圧縮機100では、溶接ピン60の本体部62と支持部材(ハウジング50及び下部軸受ハウジング90)との接触面を比較的大きく確保しつつ、熱膨張時の凸部64の変形代を確保して溶接時の溶接ピン60の凸部64の塑性変形を抑制し、溶接後にも溶接ピン60の保持力を大きく維持できる。
(4-7)
スクロール圧縮機100では、圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から山部分66の頂点66bまでの距離P1から、圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から谷部分68の最深部68bまでの距離P2を差し引いた値は、0.2mm以上0.4mm以下であることが好ましい。
スクロール圧縮機100では、圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から山部分66の頂点66bまでの距離P1から、圧入前の溶接ピン60における本体部62の中心O1から谷部分68の最深部68bまでの距離P2を差し引いた値は、0.2mm以上0.4mm以下であることが好ましい。
(4-8)
本実施形態のスクロール圧縮機100では、下部軸受ハウジング90は、軸受メタル91を支持する軸受支持部92からケーシング10に向かって延びるアーム94を有し、アーム94の端部の外面94aに穴96が形成されている。
本実施形態のスクロール圧縮機100では、下部軸受ハウジング90は、軸受メタル91を支持する軸受支持部92からケーシング10に向かって延びるアーム94を有し、アーム94の端部の外面94aに穴96が形成されている。
(4-9)
本実施形態の溶接ピン60は、スクロール圧縮機100のケーシング10と、スクロール圧縮機100のモータ70の駆動力をスクロール圧縮機100の圧縮機構20に伝達する駆動軸80を回転可能に支持する軸受メタル112,91を支えるハウジング50及び下部軸受ハウジング90と、の固定に用いられる。溶接ピン60は、円柱状の本体部62を備える。本体部62には、平目のローレット目が外周面62aに形成されている。溶接ピン60は、ハウジング50及び下部軸受ハウジング90の外面に形成されている穴124,96に圧入され、ケーシング10と溶接固定される。圧入前の溶接ピン60の本体部62の外周面62aには、溶接ピン60の圧入方向視において、溶接ピン60の周方向に沿って複数の凸部64が形成され、山部分66と谷部分68とが交互に並ぶ形状となっている。山部分66の頂部66aの曲率半径である第1曲率半径ρ1は、谷部分68の底部68aの曲率半径である第2曲率半径ρ2よりも大きい。
本実施形態の溶接ピン60は、スクロール圧縮機100のケーシング10と、スクロール圧縮機100のモータ70の駆動力をスクロール圧縮機100の圧縮機構20に伝達する駆動軸80を回転可能に支持する軸受メタル112,91を支えるハウジング50及び下部軸受ハウジング90と、の固定に用いられる。溶接ピン60は、円柱状の本体部62を備える。本体部62には、平目のローレット目が外周面62aに形成されている。溶接ピン60は、ハウジング50及び下部軸受ハウジング90の外面に形成されている穴124,96に圧入され、ケーシング10と溶接固定される。圧入前の溶接ピン60の本体部62の外周面62aには、溶接ピン60の圧入方向視において、溶接ピン60の周方向に沿って複数の凸部64が形成され、山部分66と谷部分68とが交互に並ぶ形状となっている。山部分66の頂部66aの曲率半径である第1曲率半径ρ1は、谷部分68の底部68aの曲率半径である第2曲率半径ρ2よりも大きい。
(5)変形例
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
以下に上記実施形態の変形例を示す。なお、以下の変形例は、互いに矛盾しない範囲で適宜組み合わされてもよい。
(5-1)変形例A
上記実施形態では、スクロール圧縮機100を例に圧縮機を説明したが、圧縮機の種類はスクロール圧縮機に限定されるものではない。本開示の、駆動軸を回転可能に支持する軸受を支える支持部材に低剛性領域を設ける構成は、支持部材に溶接ピンを圧入する穴が設けられ、溶接ピンとケーシングとが溶接により固定される圧縮機に広く適用可能である。例えば、本開示の圧縮機は、ロータリ圧縮機であってもよい。
上記実施形態では、スクロール圧縮機100を例に圧縮機を説明したが、圧縮機の種類はスクロール圧縮機に限定されるものではない。本開示の、駆動軸を回転可能に支持する軸受を支える支持部材に低剛性領域を設ける構成は、支持部材に溶接ピンを圧入する穴が設けられ、溶接ピンとケーシングとが溶接により固定される圧縮機に広く適用可能である。例えば、本開示の圧縮機は、ロータリ圧縮機であってもよい。
(5-2)変形例B
上記実施形態で図6を参照して説明した溶接ピン60の形状は例示に過ぎず、他の形状、例えば図7に示すような形状であってもよい。図7は、変形例Bの溶接ピン60を、溶接ピン60の圧入方向に沿って見た際の、溶接ピン60の本体部62の外周面62a付近の拡大図である。なお、変形例Bの溶接ピン60の説明では、上記実施形態の溶接ピン60と同様の構成に同じ符号を使用している。
上記実施形態で図6を参照して説明した溶接ピン60の形状は例示に過ぎず、他の形状、例えば図7に示すような形状であってもよい。図7は、変形例Bの溶接ピン60を、溶接ピン60の圧入方向に沿って見た際の、溶接ピン60の本体部62の外周面62a付近の拡大図である。なお、変形例Bの溶接ピン60の説明では、上記実施形態の溶接ピン60と同様の構成に同じ符号を使用している。
変形例Bの溶接ピン60では、第1曲率半径ρ1(=距離P1)は、第2曲率半径ρ2の約70倍である。変形例Bの溶接ピン60では、V1/V2の値は、0.75である。距離P1から距離P2を差し引いた値は、0.35mmである。変形例Bの溶接ピン60では、圧入方向視において、圧入前の溶接ピン60の凸部64は、山部分66の頂部66aと谷部分68の底部68aとの間を延びる直線部65aを有し、谷部分68を形成する隣接する2つの凸部64の直線部65aのなす角度αは90°である。
(5-3)変形例C
上記実施形態では、ハウジング50の第1部120には、ケーシング10の円筒部材12の周方向において4カ所それぞれに、駆動軸80の軸方向に沿って2カ所に穴124が設けられている。
上記実施形態では、ハウジング50の第1部120には、ケーシング10の円筒部材12の周方向において4カ所それぞれに、駆動軸80の軸方向に沿って2カ所に穴124が設けられている。
ただし、これに限定されるものではなく、ハウジング50の第1部120には、ケーシング10の円筒部材12の周方向において4カ所それぞれに、1カ所だけ穴124が設けられてもよい。
また、ハウジング50の第1部120には、ケーシング10の円筒部材12の周方向において4カ所それぞれに、3個以上の穴124が設けられてもよい。
(5-4)変形例D
上記実施形態では、ハウジング50の第1部120には、ケーシング10の円筒部材12の周方向において4カ所それぞれに、駆動軸80の軸方向に並ぶように2カ所に穴124が設けられている。
上記実施形態では、ハウジング50の第1部120には、ケーシング10の円筒部材12の周方向において4カ所それぞれに、駆動軸80の軸方向に並ぶように2カ所に穴124が設けられている。
ただし、これに限定されるものではなく、ハウジング50の第1部120の下方に配置される穴124と、ハウジング50の第1部120の上方に配置される穴124とは、ケーシング10の円筒部材12の周方向において異なる位置に配置されてもよい。
(5-5)変形例E
上記実施形態では、ハウジング50は、圧入と溶接により固定される。ただし、これに限定されるものではなく、ハウジング50は、溶接によってのみ(第1部120の穴124に圧入される溶接ピン60とケーシング10との溶接によってのみ)ケーシング10に固定されてもよい。
上記実施形態では、ハウジング50は、圧入と溶接により固定される。ただし、これに限定されるものではなく、ハウジング50は、溶接によってのみ(第1部120の穴124に圧入される溶接ピン60とケーシング10との溶接によってのみ)ケーシング10に固定されてもよい。
(5-6)変形例F
上記実施形態では、駆動軸80の軸方向が鉛直方向である縦型のスクロール圧縮機を例に説明しているが、圧縮機は、駆動軸80の軸方向が水平方向である横型の圧縮機であってもよい。
上記実施形態では、駆動軸80の軸方向が鉛直方向である縦型のスクロール圧縮機を例に説明しているが、圧縮機は、駆動軸80の軸方向が水平方向である横型の圧縮機であってもよい。
(5-7)変形例G
上記実施形態では、ハウジング50及び下部軸受ハウジング90は、それぞれ、軸受の一例としての軸受メタル112及び軸受メタル91を支持するが、これに限定されるものではない。ハウジング50及び下部軸受ハウジング90は、軸受メタル112,91に代えて玉軸受のような転がり軸受を支持するものであってもよい。
上記実施形態では、ハウジング50及び下部軸受ハウジング90は、それぞれ、軸受の一例としての軸受メタル112及び軸受メタル91を支持するが、これに限定されるものではない。ハウジング50及び下部軸受ハウジング90は、軸受メタル112,91に代えて玉軸受のような転がり軸受を支持するものであってもよい。
(5-8)変形例H
上記実施形態では、全ての溶接ピン60において、第1曲率半径ρ1が第2曲率半径ρ2より大きい。ただし、これに限定されるものではない。
上記実施形態では、全ての溶接ピン60において、第1曲率半径ρ1が第2曲率半径ρ2より大きい。ただし、これに限定されるものではない。
例えば、スクロール圧縮機100の運転中に特に大きな力が作用する溶接ピンにのみ、第1曲率半径ρ1が第2曲率半径ρ2より大きい溶接ピンが用いられてもよい。
<付記>
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
以上、本開示の実施形態を説明したが、特許請求の範囲に記載された本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
本開示は、軸受を支える支持部材の外面の穴に溶接ピンが圧入され、溶接ピンとケーシングとが溶接固定されている圧縮機、及び、この圧縮機に使用される溶接ピンに広く適用でき有用である。
10 ケーシング
20 圧縮機構
50 ハウジング(支持部材)
60 溶接ピン
62 本体部
62a 外周面
64 凸部
64a 第1の凸部(凸部)
64b 第2の凸部(凸部)
65 縁部
65a 直線部
66 山部分
66a 頂部
66b 頂点
68 谷部分
68a 底部
68b 最深部
70 モータ(駆動部)
80 駆動軸
90 下部軸受ハウジング(支持部材)
91 軸受メタル(軸受)
92 軸受支持部
94a 外面
96 穴
100 スクロール圧縮機(圧縮機)
112 軸受メタル(軸受)
122 外面
124 穴
D1 第1距離
D2 第2距離
IC 仮想円
O1 本体部の中心
P1 本体部の中心から山部分の頂点までの距離,本体部の中心から山部分の頂部までの半径
P2 本体部の中心から谷部分の最深部までの半径
R 穴の半径
V1 第1値
V2 第2値
X1 第1交点
X2 第2交点
X3 第3交点
α 角度
ρ1 第1曲率半径
ρ2 第2曲率半径
20 圧縮機構
50 ハウジング(支持部材)
60 溶接ピン
62 本体部
62a 外周面
64 凸部
64a 第1の凸部(凸部)
64b 第2の凸部(凸部)
65 縁部
65a 直線部
66 山部分
66a 頂部
66b 頂点
68 谷部分
68a 底部
68b 最深部
70 モータ(駆動部)
80 駆動軸
90 下部軸受ハウジング(支持部材)
91 軸受メタル(軸受)
92 軸受支持部
94a 外面
96 穴
100 スクロール圧縮機(圧縮機)
112 軸受メタル(軸受)
122 外面
124 穴
D1 第1距離
D2 第2距離
IC 仮想円
O1 本体部の中心
P1 本体部の中心から山部分の頂点までの距離,本体部の中心から山部分の頂部までの半径
P2 本体部の中心から谷部分の最深部までの半径
R 穴の半径
V1 第1値
V2 第2値
X1 第1交点
X2 第2交点
X3 第3交点
α 角度
ρ1 第1曲率半径
ρ2 第2曲率半径
Claims (9)
- 駆動部(70)と、
圧縮機構(20)と、
前記駆動部の駆動力を前記圧縮機構に伝達する駆動軸(80)と、
前記駆動軸を回転可能に支持する軸受(112,91)を支える、外面(122,94a)に穴(124,96)が形成されている支持部材(50,90)と、
前記駆動軸及び前記支持部材を内部に収容するケーシング(10)と、
平目のローレット目が外周面(62a)に形成されている円柱状の本体部(62)を有し、前記支持部材の前記穴に圧入され、前記ケーシングと溶接固定されている溶接ピン(60)と、
を備え、
圧入前の前記溶接ピンの前記本体部の前記外周面には、前記溶接ピンの圧入方向視において、前記溶接ピンの周方向に沿って複数の凸部(64)が形成され、山部分(66)と谷部分(68)とが交互に並ぶ形状となっており、前記山部分の頂部(66a)の曲率半径である第1曲率半径(ρ1)は、前記谷部分の底部(68a)の曲率半径である第2曲率半径(ρ2)よりも大きい、
圧縮機(100)。 - 圧入前の前記溶接ピンにおいて、前記第1曲率半径は、前記第2曲率半径の10倍以上である、
請求項1に記載の圧縮機。 - 圧入前の前記溶接ピンにおいて、前記第1曲率半径は、前記本体部の中心(O1)から前記山部分の前記頂部までの半径(P1)に等しい、
請求項1又は2に記載の圧縮機。 - 前記凸部には、第1の凸部(64a)と、前記第1の凸部に隣接して配置される第2の凸部(64b)と、を含み、
前記圧入方向視において、圧入前の前記本体部の中心(O1)周りに、前記支持部材に形成されている前記穴の半径(R)と同半径の仮想円(IC)を仮想した場合に、
前記仮想円と前記第1の凸部の縁部(65)との2つの交点である、前記第2の凸部の近位側の第1交点(X1)と前記第2の凸部の遠位側の第2交点(X2)との間の距離を第1距離(D1)とし、
前記第1交点と、前記第2の凸部の縁部(65)と前記仮想円との交点の内、前記第1の凸部の近くに配置される第3交点(X3)との間の距離を第2距離(D2)とすると、
前記第2距離に対する前記第1距離の比(D1/D2)は、0.5以上3.0以下である、
請求項1から3のいずれか1項に記載の圧縮機。 - 圧入前の前記溶接ピンにおける前記本体部の中心から前記山部分の頂点(66b)までの距離(P1)から前記支持部材に形成されている前記穴の半径(R)を差し引いた値を第1値(V1)とし、
前記支持部材に形成されている前記穴の半径から圧入前の前記溶接ピンにおける前記本体部の中心から前記谷部分の最深部(68b)までの距離(P2)を差し引いた値を第2値(V2)とすると、
前記第2値に対する前記第1値の比(V1/V2)は、0.3以上1.6以下である、
請求項1から4のいずれか1項に記載の圧縮機。 - 前記圧入方向視において、圧入前の前記溶接ピンの前記凸部は、前記山部分の前記頂部と前記谷部分の前記底部との間を延びる直線部(65a)を有し、前記谷部分を形成する隣接する2つの前記凸部の前記直線部のなす角度(α)は、60°以上95°未満である、
請求項1から5のいずれか1項に記載の圧縮機。 - 圧入前の前記溶接ピンにおける前記本体部の中心から前記山部分の頂点(66b)までの距離(P1)から、圧入前の前記溶接ピンにおける前記本体部の中心から前記谷部分の最深部(68b)までの距離(P2)を差し引いた値は、0.2mm以上0.4mm以下である、
請求項1から6のいずれか1項に記載の圧縮機。 - 前記支持部材(90)は、前記軸受(91)を支持する軸受支持部(92)から前記ケーシングに向かって延びるアーム(94)を有し、前記アームの端部の外面(94a)に前記穴(96)が形成されている、
請求項1から7のいずれか1項に記載の圧縮機。 - 圧縮機(100)のケーシング(10)と、前記圧縮機の駆動部(70)の駆動力を前記圧縮機の圧縮機構(20)に伝達する駆動軸(80)を回転可能に支持する軸受(112,91)を支える支持部材(50,90)と、の固定に用いられる溶接ピンであって、
平目のローレット目が外周面(62a)に形成されている円柱状の本体部(62)を備え、
前記溶接ピンは、前記支持部材の外面(122,94a)に形成されている穴(124,96)に圧入され、前記ケーシングと溶接固定され、
圧入前の前記溶接ピンの前記本体部の前記外周面には、前記溶接ピンの圧入方向視において、前記溶接ピンの周方向に沿って複数の凸部(64)が形成され、山部分(66)と谷部分(68)とが交互に並ぶ形状となっており、前記山部分の頂部(66a)の曲率半径である第1曲率半径(ρ1)は、前記谷部分の底部(68a)の曲率半径である第2曲率半径(ρ2)よりも大きい、
溶接ピン(60)。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021031622A JP2022132899A (ja) | 2021-03-01 | 2021-03-01 | 圧縮機及び溶接ピン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021031622A JP2022132899A (ja) | 2021-03-01 | 2021-03-01 | 圧縮機及び溶接ピン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022132899A true JP2022132899A (ja) | 2022-09-13 |
Family
ID=83229419
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021031622A Pending JP2022132899A (ja) | 2021-03-01 | 2021-03-01 | 圧縮機及び溶接ピン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022132899A (ja) |
-
2021
- 2021-03-01 JP JP2021031622A patent/JP2022132899A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TW313615B (ja) | ||
WO2007000854A1 (ja) | 流体機械及び冷凍サイクル装置 | |
JP3874013B2 (ja) | 回転式圧縮機 | |
KR101011323B1 (ko) | 유체 기계 | |
EP3567213A1 (en) | Scroll compressor | |
WO2014051102A1 (ja) | スクロール圧縮機 | |
JP2022132899A (ja) | 圧縮機及び溶接ピン | |
JP3924834B2 (ja) | 容積型流体機械 | |
US11022121B2 (en) | Scroll compressor | |
JP6742567B1 (ja) | スクロール圧縮機および冷凍サイクル装置 | |
JP3788380B2 (ja) | 回転式圧縮機 | |
WO2022185956A1 (ja) | 圧縮機及び冷凍サイクル装置 | |
JP5355361B2 (ja) | 密閉型回転圧縮機 | |
JP2008121490A (ja) | 回転式圧縮機 | |
JP7161139B1 (ja) | スクロール圧縮機及び冷凍サイクル装置 | |
JP2014070521A (ja) | スクロール型圧縮機 | |
CN111520324B (zh) | 回转式压缩机 | |
JP5979974B2 (ja) | スクロール圧縮機およびその設計方法 | |
JP2017082841A (ja) | 軸受構造、及びスクロール型圧縮機 | |
JP2017082842A (ja) | 軸受構造、及びスクロール型圧縮機 | |
JP2017082840A (ja) | 軸受構造、及びスクロール型圧縮機 | |
JP2003139078A (ja) | 圧縮機 | |
JP2013047513A (ja) | スクロール型圧縮機 | |
JP2007071215A5 (ja) | ||
JP2017166345A (ja) | スクロール圧縮機 |