(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
図1は、第1の実施形態に係るブレーキ装置10の構成を示す模式図である。ブレーキ装置10は、自動車のような車両1に搭載される。なお、ブレーキ装置10は、他の車両に搭載されても良い。ブレーキ装置10は、車両用ブレーキ装置の一例である。本実施形態のブレーキ装置10は、例えば、油圧ブレーキである。なお、ブレーキ装置10におけるエネルギーの伝達媒体は、油に限られず、気体又は他の液体であっても良い。
図1に示すように、ブレーキ装置10は、加圧部11と、液路12,13と、アクチュエータ14と、前輪Wfを制動するホイールシリンダ15,16と、後輪Wrを制動するホイールシリンダ17,18と、ブレーキECU(electronic control unit)19とを有する。本実施形態において、前輪Wfが駆動輪であり、後輪Wrが非駆動輪である。ブレーキ装置10は、さらに、回生制御部及び電源装置を有する。
加圧部11は、液路12を通じて前輪Wfのホイールシリンダ15,16に接続される。加圧部11は、液路13を通じて後輪Wrのホイールシリンダ17,18に接続される。加圧部11は、ホイールシリンダ15~18を加圧可能に構成される。
アクチュエータ14は、加圧部11とホイールシリンダ15~18との間に設けられる。アクチュエータ14は、第1の液圧出力部14aと、第2の液圧出力部14bとを有する。第1の液圧出力部14aは、液路12に設けられ、ホイールシリンダ15,16の圧力を調整する。第2の液圧出力部14bは、液路13に設けられ、ホイールシリンダ17,18の圧力を調整する。
アクチュエータ14は、いわゆるESC(electric stability control)アクチュエータであり、ホイールシリンダ15~18の液圧を個別に調整することができる。アクチュエータ14は、ブレーキECU19の制御に応じて、例えばABS(anti-lock braking system)制御、横滑り防止制御、及びトラクションコントロールのような種々の制御を行う。
加圧部11は、液路12,13の一部と、マスタシリンダユニット21と、電動シリンダ22と、リザーバ23と、連通路24と、ブレーキ液供給路25と、連通制御弁26と、マスタカット弁27と、を有する。マスタシリンダユニット21は、車両用ブレーキ液圧発生装置の一例である。
マスタシリンダユニット21は、マスタシリンダ31と、ペダル32とを有する。マスタシリンダ31は、液路33を介してリザーバ23に接続され、ペダル32の操作量に応じて機械的にアクチュエータ14の第1の液圧出力部14aにブレーキ液を供給する。
マスタシリンダユニット21は、第1の液圧出力部14aを通じてホイールシリンダ15,16を加圧可能に構成されている。マスタシリンダユニット21には、ストロークシミュレータ34及びシミュレータカット弁35が設けられている。ストロークシミュレータ34は、ペダル32の操作に対して反力(負荷)を発生させる。シミュレータカット弁35は、ノーマルクローズ型の電磁弁である。
電動シリンダ22は、リザーバ23に接続されている。電動シリンダ22は、液路12を介してホイールシリンダ15,16の液圧を調整し、液路13を通じてホイールシリンダ17,18の液圧を調整する。電動シリンダ22は、シリンダ22aと、電気モータ22bと、ピストン22cと、出力室22dと、付勢部材22eと、を有する。
電気モータ22bは、回転運動を直線運動に変換する直動機構22fを介してピストン22cに接続されている。電動シリンダ22は、シリンダ22a内に単一の出力室22dが形成されているシングルタイプの電動シリンダである。
ピストン22cは、電気モータ22bの駆動によりシリンダ22a内をシリンダ22aの長手方向(軸線方向)に摺動する。出力室22dは、シリンダ22aとピストン22cにより形成(規定、区画)されており、ピストン22cの移動により容積が変化する。出力室22dは、リザーバ23及びアクチュエータ14に接続されている。出力室22dとリザーバ23とは、ピストン22cが初期位置のときに連通する。
液路12は、マスタシリンダ31と第1の液圧出力部14aとを接続する。液路13は、電動シリンダ22と第2の液圧出力部14bとを接続している。連通路24は、液路12と液路13とを接続している。
連通制御弁26は、連通路24に設けられたノーマルクローズ型の電磁弁である。連通制御弁26は、電動シリンダ22による第1の液圧出力部14aへのブレーキ液の供給を許可又は禁止する。
マスタカット弁27は、液路12のうち、液路12と連通路24との接続部12aと、マスタシリンダユニット21との間に設けられたノーマルオープン型の電磁弁である。マスタカット弁27は、マスタシリンダユニット21から第1の液圧出力部14aへのブレーキ液の供給を許可又は禁止する。ブレーキ液供給路25は、リザーバ23と電動シリンダ22とを接続している。リザーバ23は、ブレーキ液を貯留し、内部の圧力は大気圧に保たれている。
加圧部11は、ストロークセンサ37と、圧力センサ38,39とをさらに有する。ストロークセンサ37は、ペダル32のストロークを検出する。圧力センサ38は、マスタシリンダ31の液圧(マスタ圧)を検出する。圧力センサ39は、電動シリンダ22の出力液圧を検出する。
加圧部11は、ペダル32の操作により発生する液圧と、制御により発生させる液圧とが液圧的に分離されたバイワイヤ構成を形成可能に構成される。ブレーキECU19は、例えば、イグニッションがオンされ、又は電気自動車において車両1が起動されると、加圧部11をバイワイヤモードに切り替える。
バイワイヤモードでは、連通制御弁26が開弁され、マスタカット弁27が閉弁され、シミュレータカット弁35が開弁される。ブレーキECU19は、バイワイヤモードにおいて、目標制動力及び実回生制動力に基づいて、目標液圧制動力を設定する。ブレーキECU19は、目標液圧制動力に基づいて、電動シリンダ22を制御する。
本実施形態において、マスタシリンダユニット21は、車両1の車室1a内に配置される。車室1aは、車両1の運転手及び搭乗者が搭乗する空間であり、例えばシート及びステアリングホイールが配置される。一方、電動シリンダ22、リザーバ23、連通路24、ブレーキ液供給路25、連通制御弁26、マスタカット弁27、ストロークシミュレータ34、及びシミュレータカット弁35は、車両1のエンジンルーム1bに収容される。なお、加圧部11の部品の配置はこの例に限られない。例えば、マスタシリンダ31の一部がエンジンルーム1bに位置しても良い。また、リザーバ23が車室1aに配置されても良い。
図2は、第1の実施形態のマスタシリンダユニット21を示す斜視図である。図3は、第1の実施形態のマスタシリンダユニット21を示す側面図である。なお、図3は、マスタシリンダユニット21の一部を断面図として示す。マスタシリンダユニット21は、上述のマスタシリンダ31及びペダル32と、図3に示す台座41及び固定装置42とを有する。
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸、Y軸及びZ軸が定義される。X軸とY軸とZ軸とは、互いに直交する。X軸は、車両1の左右方向に延びている。Y軸は、車両1の前後方向に延びている。Z軸は、車両1の上下方向に延びている。
さらに、本明細書において、X方向、Y方向及びZ方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向(右方向)と、X軸の矢印の反対方向である-X方向(左方向)とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向(前方向)と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向(後方向)とを含む。Z方向は、Z軸に沿う方向であって、Z軸の矢印が示す+Z方向(上方向)と、Z軸の矢印の反対方向である-Z方向(下方向)とを含む。
台座41は、車両1のフロア面1c上に配置される。言い換えると、フロア面1cは、台座41に向く。フロア面1cは、車両1の車体のフロアパネルに設けられる。フロア面1cは、フロアパネルが形成する複数の面のうち、X-Y平面に沿って広がり、略+Z方向(上方向)に向く略平坦な面である。このフロア面1cの前方には、例えば、該フロア面1cの前端から略上方向に延び一般にダッシュパネル(ダッシュ面)と呼ばれる図示しない車室区画壁面部が連設される。
本実施形態において、台座41は、固定装置42を介してフロア面1cに支持される。すなわち、台座41は、フロア面1cに直接的に接触していなくても良い。なお、台座41は、フロア面1cに直接的に取り付けられても良い。
台座41に、マスタシリンダ31及びペダル32が取り付けられる。このため、マスタシリンダユニット21は、一つのモジュール部品として扱われることができる。台座41は、ベースプレート50と、第1のヒンジ51と、第2のヒンジ52とを有する。
ベースプレート50は、X-Y平面に沿って広がる略四角形の板状に形成される。なお、ベースプレート50は、他の形状に形成されても良い。ベースプレート50は、略+Z方向に向く上面50aと、略-Z方向に向く下面50bとを有する。上面50a及び下面50bは、フロア面1cと略平行に配置される。下面50bは、フロア面1cに向く。
第1のヒンジ51及び第2のヒンジ52は、ベースプレート50の上面50aに設けられる。第2のヒンジ52は、第1のヒンジ51から+Y方向に離間している。例えば、第1のヒンジ51は、-Y方向におけるベースプレート50の端部に設けられる。さらに、第2のヒンジ52は、+Y方向におけるベースプレート50の端部に設けられる。
固定装置42は、レール55と、スライダ56と、ストッパ57とを有する。レール55は、フロア面1cに固定され、略Y方向に延びている。スライダ56は、ベースプレート50の下面50bに固定されている。スライダ56は、フロア面1cに対してY方向に移動可能に、レール55に保持される。これにより、台座41は、固定装置42を介して、フロア面1cに取り付けられる。
ストッパ57は、例えばスライダ56に取り付けられる。ストッパ57は、スライダ56がレール55に対して移動することを制限する。また、ストッパ57は、例えば車両1の運転手の操作に応じて、スライダ56の移動の制限を解除する。ストッパ57は、例えば、爪、バネ、及びレバーのような種々の部品を有する。
固定装置42は、マスタシリンダ31、ペダル32、及び台座41を、解除可能に、フロア面1cに固定することができる。このため、固定装置42は、マスタシリンダ31、ペダル32、及び台座41のY方向における位置を調整することができる。なお、固定装置42は、マスタシリンダ31、ペダル32、及び台座41を、位置調整不可能にフロア面1cに固定しても良い。
マスタシリンダ31は、ハウジング61と、ピストン62と、上接続部63と、下接続部64と、を有する。ハウジング61は、シリンダとも称され得る。上接続部63は、第1の接続部の一例である。下接続部64は、第2の接続部の一例である。
ハウジング61は、有底の略円筒状に形成され、内部に空間70が設けられる。なお、ハウジング61は、他の形状に形成されても良い。空間70は、略円形の断面を有し、ハウジング61の一端に開口する穴(窪み)である。ハウジング61は、第1の端面71と、第2の端面72と、外周面73と、内周面74と、底面75とを有する。
第1の端面71は、ハウジング61の一方の端部に設けられた、略円形の平面である。第2の端面72は、ハウジング61の他方の端部に設けられた、略円形の平面である。空間70は、第1の端面71で開口し、第2の端面72では塞がれている。
外周面73は、略円筒形に形成され、ハウジング61の外部に向く。内周面74及び底面75は、空間70を形成(規定、区画)する。内周面74は、外周面73の反対側に位置する。内周面74は、略円筒形に形成され、空間70の内側に向く。底面75は、空間70の底に設けられた略円形の平面である。言い換えると、底面75は、第1の端面71から離間している。内周面74は、第1の端面71の内縁と底面75の外縁とに接続される。
空間70と、略円形の第1の端面71、第2の端面72、及び底面75と、略円筒形の外周面73及び内周面74とは、軸心Axc上に同心に配置される。軸心Axcは、空間70、第1の端面71、第2の端面72、外周面73、内周面74、及び底面75の共通の中心である。なお、空間70、第1の端面71、第2の端面72、外周面73、内周面74、及び底面75のうち少なくとも一つの中心が軸心Axcからズレていても良い。
第1の端面71、第2の端面72、及び底面75は、軸方向Daに向く。軸方向Daは、軸心Axcに沿う方向である。なお、軸方向Daは、軸心Axcに沿う一方向と、反対方向と、を含む。
ハウジング61に、供給口77と排出口78とが設けられる。供給口77及び排出口78はそれぞれ、外周面73と内周面74とに開口する。このため、供給口77及び排出口78は、ハウジング61の内部の空間70と、ハウジング61の外部と、を連通させる。供給口77は、排出口78よりも、第1の端面71に近い。供給口77及び排出口78は、略X方向に開口する。なお、供給口77及び排出口78は、他の方向に開口しても良い。
ピストン62は、ハウジング61の内部の空間70に少なくとも部分的に収容される。ピストン62は、軸方向Daに延びる略円柱状に形成される。なお、ピストン62は、空間70に収容可能な他の形状に形成されても良い。ピストン62は、内端面81と、外端面82と、外周面83とを有する。
内端面81は、ピストン62の一方の端部に設けられた、略円形の平面である。内端面81は、空間70の内部に位置し、ハウジング61の底面75に向く。外端面82は、ピストン62の他方の端部に設けられた、略円形の平面である。外端面82は、空間70の外部に位置する。外周面83は、軸方向Daに延びる略円筒状に形成される。外周面83は、内端面81の縁と、外端面82の縁とに接続される。
略円形の内端面81及び外端面82と、略円筒形の外周面83とは、軸心Axc上に同心に配置される。すなわち、ハウジング61の内周面74と、ピストン62の外周面83とは、同心に配置される。内端面81及び外端面82は、軸方向Daに向く。
ピストン62の外周面83は、ハウジング61の内周面74に少なくとも部分的に接触し、又は僅かな隙間を介して面している。このため、ピストン62は、ハウジング61に対して相対的に、軸方向Daに往復運動(reciprocate)可能である。
ハウジング61の内部に、油室70aが設けられる。油室70aは、空間70の一部であり、例えば、ハウジング61の内周面74及び底面75と、ピストン62の内端面81と、により形成(規定、区画)される。
供給口77及び排出口78は、油室70aに連通される。なお、ハウジング61に対するピストン62の位置に応じて、供給口77及び排出口78の少なくとも一部がピストン62に塞がれても良い。
油室70aに、作動油が導入されている。例えば、油室70aは、供給口77に接続された液路33の管を通じて、リザーバ23に接続される。さらに、油室70aは、排出口78に接続された液路12の管を通じて、第1の液圧出力部14a、マスタカット弁27、及びシミュレータカット弁35に接続される。
ハウジング61とピストン62との軸方向Daの相対的な移動により、油室70aの容積が変化する。例えば、ピストン62が底面75に近づくことで、油室70aの容積が減少し、油室70a内の作動油の圧力が上昇する。ハウジング61の内周面74と、ピストン62の外周面83と、の間に、例えばシールが設けられる。これにより、ハウジング61とピストン62との間の隙間から作動油が漏れることが抑制される。
上接続部63は、ペダル32に接続される。本実施形態において、上接続部63は、ハウジング61に設けられる。言い換えると、ハウジング61は、上接続部63において、ペダル32に接続される。上接続部63は、例えば、ハウジング61の第2の端面72の略中央から突出している。なお上接続部63は、ハウジング61の他の部分に設けられても良い。
下接続部64は、台座41の第2のヒンジ52に接続される。本実施形態において、下接続部64は、ピストン62に設けられる。言い換えると、ピストン62は、下接続部64において、台座41に接続される。下接続部64は、例えば、ピストン62の外端面82から突出している。なお、下接続部64は、ピストン62の他の部分に設けられても良い。
ペダル32は、可動端部32aと、接続端部32bと、中間接続部32cとを有する。可動端部32aは、第1の部分の一例である。接続端部32bは、第2の部分の一例である。なお、第1の部分及び第2の部分は、ペダル32の端部に限られない。
可動端部32aは、ペダル32の一方の端部に設けられる。接続端部32bは、ペダル32の他方の端部に設けられる。言い換えると、接続端部32bは、可動端部32aの反対側に位置し、可動端部32aから離間している。
接続端部32bは、第1の回転軸Ax1まわりに回転可能に、台座41の第1のヒンジ51に接続される。第1の回転軸Ax1は、ペダル32の回転運動の中心となる仮想的な直線である。
例えば、接続端部32bに、略円形の孔が設けられる。さらに、第1のヒンジ51に、当該穴に嵌る略円柱状の突起が設けられる。第1の回転軸Ax1は、当該孔及び突起の中心である。これにより、接続端部32bは、第1の回転軸Ax1まわりに回転可能に、第1のヒンジ51に取り付けられる。なお、接続端部32bと第1のヒンジ51との取付方法は、この例に限られない。
本実施形態において、第1の回転軸Ax1は、略X方向に延びている。言い換えると、第1の回転軸Ax1は、フロア面1cと略平行に延びている。このため、ペダル32が第1の回転軸Ax1まわりに回転することで、可動端部32aがフロア面1cに対して接近し又は離間する。なお、第1の回転軸Ax1は、フロア面1cに対して傾いていても良い。
ペダル32は、車両1の運転手から踏み込み操作を受ける。ペダル32は、踏み込み操作に応じて、第1の回転軸Ax1まわりに回転する。本実施形態におけるペダル32の回転運動は、一つの第1の回転軸Ax1を有し、円形の軌道を描く。しかし、ペダル32の回転運動は、複数の第1の回転軸Ax1を有して例えば楕円状の軌道を描いても良い。
本実施形態におけるペダル32は、いわゆるオルガン式の操作部材である。第1の回転軸Ax1は、可動端部32aよりも下方に位置する接続端部32bに設けられる。ペダル32は、車両1の運転手から、踏み下ろす操作を受ける。なお、ペダル32は、この例に限られない。
中間接続部32cは、可動端部32aと接続端部32bとの間に位置する。マスタシリンダ31の上接続部63は、第2の回転軸Ax2まわりに回転可能に、中間接続部32cに接続される。第2の回転軸Ax2は、マスタシリンダ31とペダル32との相対的な回転運動の中心となる仮想的な直線である。
本実施形態において、第2の回転軸Ax2は、略X方向に延びている。このため、第2の回転軸Ax2は、第1の回転軸Ax1と略平行に延びるとともに、フロア面1cと略平行に延びている。なお、第2の回転軸Ax2は、他の方向に延びていても良い。
図2に示すように、ペダル32は、例えば、ペダル部材91と、二つの側壁92と、軸93と、を有する。なお、ペダル32は、この例に限られない。例えば、ペダル32は、ペダル部材91をフロア面1cから離間した位置に支持するアームを有しても良い。
ペダル部材91は、略板状に形成される。図3に示すように、ペダル部材91は、受面91aと、背面91bとを有する。受面91a及び背面91bは、第1の回転軸Ax1と略平行な平面又は曲面である。なお、受面91a及び背面91bは、この例に限られない。
受面91aは、車両1の運転手の足を支持し、当該運転手から踏み込み操作のための荷重を受ける。背面91bは、受面91aの反対側に位置する。背面91bは、マスタシリンダ31に向く。
受面91aは、例えば、合成樹脂又は金属によって作られたペダルパッドにより形成される。背面91bは、例えば、ペダルパッドが取り付けられた金属製のフレームにより形成される。なお、受面91a及び背面91bは、この例に限られない。
ペダル部材91に、凹部91cが設けられる。凹部91cは、背面91bから窪んでいる。凹部91cに、例えばハウジング61の一部が収容される。ペダル部材91は、凹部91cが設けられることで、ハウジング61に当接することを抑制できる。
図2に示すように、側壁92は、ペダル部材91の背面91bから突出している。二つの側壁92は、略X方向に互いに離間している。X方向において、二つの側壁92の間に、マスタシリンダ31が位置している。
ペダル32の接続端部32bは、側壁92に設けられる。例えば、二つの側壁92のそれぞれに、複数の略円形の孔が設けられる。当該孔のうち一つに、第1のヒンジ51の突起が嵌めこまれる。これにより、接続端部32bは、第1の回転軸Ax1まわりに回転可能に、第1のヒンジ51に取り付けられる。
軸93は、略X方向に延びる略円柱状に形成される。軸93は、側壁92と、マスタシリンダ31の上接続部63とを接続する。軸93は、側壁92と上接続部63との少なくとも一方に対して、第2の回転軸Ax2まわりに回転可能である。第2の回転軸Ax2は、軸93の中心である。
ペダル32の中間接続部32cは、軸93に設けられる。例えば、軸93は、側壁92に設けられた孔のうち一つに嵌め込まれる。さらに、軸93は、上接続部63に設けられた略円形の孔に嵌め込まれる。これにより、中間接続部32cは、第2の回転軸Ax2まわりに回転可能に、上接続部63に取り付けられる。なお、中間接続部32cと上接続部63との接続方法は、この例に限られない。
図3に示すように、マスタシリンダ31の下接続部64は、第3の回転軸Ax3まわりに回転可能に、台座41の第2のヒンジ52に接続される。第3の回転軸Ax3は、マスタシリンダ31の回転運動の中心となる仮想的な直線である。
本実施形態において、第3の回転軸Ax3は、略X方向に延びている。このため、第3の回転軸Ax3は、第1の回転軸Ax1及び第2の回転軸Ax2と略平行に延びるとともに、フロア面1cと略平行に延びている。なお、第3の回転軸Ax3は、他の方向に延びていても良い。
第1の回転軸Ax1と、第2の回転軸Ax2と、第3の回転軸Ax3とは、互いに離間している。本実施形態において、第1の回転軸Ax1と第2の回転軸Ax2との間の距離は、略一定である。また、第1の回転軸Ax1と第3の回転軸Ax3との間の距離も、略一定である。一方、第2の回転軸Ax2と第3の回転軸Ax3との間の距離は、第1の回転軸Ax1まわりのペダル32の回転に応じて変化する。なお、第1の回転軸Ax1と第2の回転軸Ax2との間の距離と、第1の回転軸Ax1と第3の回転軸Ax3との間の距離とは、変化可能であっても良い。
第2の回転軸Ax2から延びるとともに第3の回転軸Ax3を通る仮想的な半直線(ray,half-line)Lhは、フロア面1c及び台座41と交差する。言い換えると、半直線Lhは、フロア面1c及び台座41を貫通する。半直線Lhは、第2の回転軸Ax2から、当該第2の回転軸Ax2と直交する方向に延びる仮想的な直線である。半直線Lhは、第3の回転軸Ax3を通過し、無限に延びる。すなわち、半直線Lhは、第2の回転軸Ax2と第3の回転軸Ax3との間で延びる線分と、第3の回転軸Ax3から延びる当該線分の延長線と、を含む。
第2の回転軸Ax2及び第3の回転軸Ax3がX方向に略平行に延びるため、X方向に複数の半直線Lhが存在し得る。第2の回転軸Ax2及び第3の回転軸Ax3は、当該複数の半直線Lhのうち少なくとも一つがフロア面1c及び台座41と交差するように配置される。
本実施形態において、一つの半直線Lhは、軸心Axcと部分的に一致する。このため、本実施形態では、軸心Axcも、フロア面1c及び台座41と交差する。なお、半直線Lhと軸心Axcとが一致しなくても良い。
第2の回転軸Ax2及び第3の回転軸Ax3が上述のように配置されることで、ハウジング61の底面75がフロア面1c及び台座41に向く。さらに、ピストン62の外端面82も、フロア面1c及び台座41に向く。
図4は、第1の実施形態の第1の回転軸Ax1、第2の回転軸Ax2、及び第3の回転軸Ax3の位置を模式的に示す側面図である。図4に示すように、X方向に見た場合に、第1の回転軸Ax1と第2の回転軸Ax2との間で延びる仮想的な直線Lsと、半直線Lhと、の間の角度θ1は、0°より大きく且つ90°より小さく設定される。
本実施形態において、直線Lsと半直線Lhとの間の角度θ1は、0°より大きく且つ45°以下に設定される。言い換えると、直線Lsと半直線Lhとは、鋭角に交差する。別の表現によれば、角度θ1は、半直線Lhと、第2の回転軸Ax2と直交し且つ直線Lsと直交する垂線Loと、の間の角度θ2よりも小さい。なお、角度θ1は、この例に限られない。
本実施形態において、第1の回転軸Ax1と第3の回転軸Ax3との間の距離D13は、第1の回転軸Ax1と第2の回転軸Ax2との間の距離D12よりも短い。なお、距離D13は、距離D12と同じか、より長くても良い。
ペダル32に踏み込み操作がされていない初期位置において、Y方向における第1の回転軸Ax1と第3の回転軸Ax3との間の距離DY13は、Y方向における第1の回転軸Ax1と第2の回転軸Ax2との間の距離DY12よりも短い。このため、Y方向において、第3の回転軸Ax3は、第1の回転軸Ax1と第2の回転軸Ax2との間に位置する。なお、距離DY13は、距離DY12と同じか、より長くても良い。
図3に示すように、初期位置において、Y方向における台座41の長さは、Y方向におけるペダル32の長さよりも短い。さらに、図2に示すように、初期位置において、X方向における台座41の長さは、X方向におけるペダル32の長さよりも短い。
図3に示すように、Y方向において、マスタシリンダ31の全体は、ペダル32の可動端部32aと接続端部32bとの間に位置する。さらに、図2に示すように、X方向において、マスタシリンダ31の全体は、ペダル32の二つの側壁92の間に位置する。
マスタシリンダ31の全体は、Z方向においてペダル32に覆われる。Z方向は、フロア面1cと直交する方向である。すなわち、Z方向に見た場合、マスタシリンダ31の全体は、ペダル32に重なる。言い換えると、マスタシリンダ31の全体は、Z方向にペダル32が投影された領域に収まる。なお、マスタシリンダ31はこの例に限られない。
上述のように、ペダル32は、車両1の運転手から踏み込み操作を受ける。具体的には、ペダル32は、運転手の足から略+Y方向に押される。ペダル32が受ける力の方向は、第1の回転軸Ax1まわりに回転する方向(周方向)の成分を含む。このため、ペダル32は、踏み込み操作を受けると、可動端部32aがフロア面1cに近づくように第1の回転軸Ax1まわりに回転する。
可動端部32aがフロア面1cに近づくことで、中間接続部32cは、マスタシリンダ31のハウジング61及び上接続部63を、軸心Axc(半直線Lh)に沿う軸方向Daに押す。ハウジング61に作用する力は、例えば油室70aの作動油を介して、ピストン62及び台座41に作用する。
上述のように、半直線Lhは、フロア面1c及び台座41と交差する。このため、ペダル32からマスタシリンダ31に入力される力と、マスタシリンダ31から台座41に入力される力とは、第2の回転軸Ax2からフロア面1cに向かう方向の力となる。
中間接続部32cがハウジング61を押すことで、ハウジング61の底面75と、ピストン62の内端面81とが、互いに近づく。これにより、油室70aの容積が減少し、油室70a内の液圧が上昇する。
ペダル32が第1の回転軸Ax1まわりに回転する間、マスタシリンダ31は、ペダル32に対して第2の回転軸Ax2まわりに回転するとともに、台座41に対して第3の回転軸Ax3まわりに回転する。すなわち、マスタシリンダ31は、ペダル32の回転に連動して回転する。これにより、マスタシリンダ31は、ペダル32の回転を妨げることを抑制できる。
運転手がペダル32の踏み込み操作を解除すると、油室70a内の液圧が、ハウジング61の底面75とピストン62の内端面81とを押す。これにより、ペダル32は、中間接続部32cが台座41から遠ざかるように第1の回転軸Ax1まわりに回転し、初期位置へ戻る。
図4に示すように、車両1の運転手が踏み込み操作によりペダル32に入力する力Fiは、下記の式(数1)で表され得るペダル比Rで増幅され、力Foとしてマスタシリンダユニット21に入力される。式(数1)において、Dpは、第1の回転軸Ax1と、ペダル32に力Fiが入力される位置Piと、の間の距離である。
R=(Dp/D12)/sinθ1 …(数1)
式(数1)は、ペダル32に踏み込み操作がされていない初期位置におけるペダル比Rを示す。踏み込み操作によりペダル32が第1の回転軸Ax1まわりに回転するに従って、角度θ1は減少し、ペダル比Rは増大する。なお、本実施形態における第1の回転軸Ax1、第2の回転軸Ax2、及び第3の回転軸Ax3の配置によれば、踏み込み操作の間の角度θ1の変動は小さくなる。
ペダル比Rは、式(数1)と異なる式で表されても良い。例えば、ペダル32が第1の回転軸Ax1まわりに回転することで、Z軸と直線Lsとの間の角度θ3が増大する。角度θ1と、当該角度θ1を変数とするペダル比Rとは、角度θ3を変数とする関数により表現され得る。なお、位置Piは説明の便宜上、ペダル32への入力点を直線Ls上に設定したものであり、運転手の踏み込み操作における実際の入力点の位置とは限らない。
本実施形態において、角度θ1は、0°より大きく且つ45°以下に設定される。角度θ1が小さいほど、式(数1)におけるsinθ1は小さくなり、ペダル比Rは大きくなる。これにより、ブレーキ装置10は、より小さな力Fiから、マスタシリンダ31の油室70aにおいて所望の液圧を得ることができる。
以上説明された第1の実施形態に係るブレーキ装置10において、ペダル32は、可動端部32aと、可動端部32aから離間する接続端部32bと、を有する。接続端部32bは、第1の回転軸Ax1まわりに回転可能に台座41に接続される。ペダル32が第1の回転軸Ax1まわりに回転することで、可動端部32aがフロア面1cに対して接近し又は離間する。マスタシリンダ31は、ハウジング61と、ピストン62と、上接続部63と、下接続部64と、を有する。上接続部63は、ハウジング61及びピストン62のうち一方に設けられ、ペダル32に第2の回転軸Ax2まわりに回転可能に接続される。下接続部64は、ハウジング61及びピストン62のうち他方に設けられ、台座41に第3の回転軸Ax3まわりに回転可能に接続される。第2の回転軸Ax2から延びるとともに第3の回転軸Ax3を通る仮想的な半直線Lhは、フロア面1cと交差する。これにより、例えば半直線Lhがフロア面1cと略平行に延びる場合に比べ、フロア面1cに沿う車両1の前後方向(Y方向)における第1の回転軸Ax1と第3の回転軸Ax3との間の距離DY13が短くなる。このため、マスタシリンダユニット21は、車両1の前後方向における台座41の長さを短くすることができる。従って、本実施形態のマスタシリンダユニット21は、車両1の前後方向において小型化することができ、ひいては配置の自由度を向上せることができる。
さらに、本実施形態のマスタシリンダユニット21は、ペダル32に運転手から入力された力Fiを、おおよそ式(数1)で表されるペダル比Rで増幅させて、マスタシリンダ31に入力する。本実施形態において、マスタシリンダ31は、半直線Lhがフロア面1cと交差するように配置される。マスタシリンダ31は、当該配置により、角度θ1を小さくすることができ、ひいてはペダル比Rを大きくすることができる。従って、本実施形態のマスタシリンダユニット21は、車両1の前後方向に小型化しつつ、所望のペダル比Rを得やすくなる。
第1の回転軸Ax1と第2の回転軸Ax2との間で延びる仮想的な直線Lsと、半直線Lhと、の間の角度θ1が0°より大きく且つ45°以下である。これにより、車両1の前後方向における第1の回転軸Ax1と第3の回転軸Ax3との間の距離DY13が好適に短くなる。さらに、角度θ1が鋭角(より詳細には、直角未満の角である「鋭角」のなかでも45°以下という鋭い角)であるため、ペダル比Rが好適に大きくなる。従って、本実施形態のマスタシリンダユニット21は、車両1の前後方向において小型化しつつ、所望のペダル比Rを得やすくなる。また、マスタシリンダ31は、軸心Axcが運転手に向くことを抑制でき、車両1の衝突時における安全性を向上できる。
上接続部63は、ハウジング61に設けられる。下接続部64は、ピストン62に設けられる。言い換えると、ハウジング61がペダル32に接続され、ピストン62が台座41に接続される。これにより、ハウジング61がピストン62の上方に位置する。液路12,33の管は、一般的に、ハウジング61に接続される。油室70aに作動油と空気とが混在する場合、空気は上方へ浮上する。本実施形態では、ハウジング61がピストン62の上方に位置するため、例えば油室70aの作動油を交換する際、浮上した空気が液路12の管を通じて排出されやすくなる。
マスタシリンダ31の全体が、フロア面1cと直交するZ方向においてペダル32に覆われる。これにより、本実施形態のマスタシリンダユニット21は、車両1の前後方向において小型化することができ、ひいては配置の自由度を向上せることができる。さらに、ペダル32がマスタシリンダ31を保護することができる。
第1の回転軸Ax1と第3の回転軸Ax3との間の距離D13は、第1の回転軸Ax1と第2の回転軸Ax2との間の距離D12よりも短い。これにより、本実施形態のマスタシリンダユニット21は、車両1の前後方向において好適に小型化することができ、ひいては配置の自由度を好適に向上させることができる。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、図5及び図6を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
図5は、第2の実施形態に係るマスタシリンダユニット21を示す斜視図である。図6は、第2の実施形態のマスタシリンダユニット21を示す側面図である。なお、図6は、マスタシリンダユニット21の一部を断面図として示す。
図6に示すように、第2の実施形態のマスタシリンダユニット21において、マスタシリンダ31は、ハウジング101と、ピストン102と、上接続部103と、下接続部104と、を有する。ハウジング101は、シリンダとも称され得る。上接続部103は、第1の接続部の一例である。下接続部104は、第2の接続部の一例である。
ハウジング101は、第1の実施形態のハウジング61と略同一形状を有する。すなわち、ハウジング101は、内部に空間70が設けられ、第1の端面71と、第2の端面72と、外周面73と、内周面74と、底面75とを有する。ハウジング101は、第1の実施形態のハウジング61と反対向きに配置される。このため、ハウジング101の第2の端面72が、フロア面1c及び台座41に向く。
ピストン102は、第1の実施形態のピストン62と略同一形状を有する。すなわち、ピストン102は、ハウジング101の内部の空間70に少なくとも部分的に収容され、内端面81と、外端面82と、外周面83とを有する。ピストン102は、第1の実施形態のピストン62と反対向きに配置される。このため、ピストン102の内端面81が、フロア面1c及び台座41に向く。
上接続部103は、ペダル32の中間接続部32cに、第2の回転軸Ax2まわりに回転可能に接続される。本実施形態において、上接続部103は、ピストン102に設けられる。言い換えると、ピストン102は、上接続部103において、ペダル32の中間接続部32cに接続される。上接続部103は、例えば、ピストン102の外端面82から突出している。
下接続部104は、台座41の第2のヒンジ52に、第3の回転軸Ax3まわりに回転可能に接続される。本実施形態において、下接続部104は、ハウジング101に設けられる。言い換えると、ハウジング101は、下接続部104において、台座41に接続される。下接続部104は、例えば、ハウジング101の第2の端面72から突出している。
以上説明された第2の実施形態のブレーキ装置10において、上接続部103はピストン102に設けられ、下接続部104はハウジング101に設けられる。言い換えると、ピストン102がペダル32に接続され、ハウジング101が台座41に接続される。これにより、ハウジング101がピストン102よりも第1の回転軸Ax1及び第3の回転軸Ax3に近くなる。当該配置により、ペダル32が第1の回転軸Ax1まわりに回転するとき、ハウジング101の移動距離は、ピストン102の移動距離より短くなる。液路12,33の管は、一般的に、ハウジング61に接続される。このため、第2の実施形態のブレーキ装置10は、第1の実施形態と比べ、ペダル32が第1の回転軸Ax1まわりに回転するときの液路12,33の管の振れ幅を低減できる。
以上説明された少なくとも一つの実施形態に係る車両用ブレーキ液圧発生装置は、一例として、台座と、ペダルと、マスタシリンダとを備える。前記台座は、車両のフロア面に取り付けられる。前記ペダルは、第1の部分と、前記第1の部分から離間するとともに第1の回転軸まわりに回転可能に前記台座に接続された第2の部分と、を有し、前記第1の回転軸まわりに回転することで前記第1の部分が前記フロア面に対して接近し又は離間する。前記マスタシリンダは、ハウジングと、前記ハウジングに少なくとも部分的に収容されるとともに当該ハウジングに対して往復運動可能なピストンと、前記ハウジング及び前記ピストンのうち一方に設けられるとともに前記ペダルに第2の回転軸まわりに回転可能に接続された第1の接続部と、前記ハウジング及び前記ピストンのうち他方に設けられるとともに前記台座に第3の回転軸まわりに回転可能に接続された第2の接続部と、を有し、前記第2の回転軸から延びるとともに前記第3の回転軸を通る仮想的な半直線が前記フロア面と交差する。よって、一例としては、例えば上記半直線がフロア面と略平行に延びる場合に比べ、フロア面に沿う車両の前後方向における第1の回転軸と第3の回転軸との間の距離が短くなる。従って、車両用ブレーキ液圧発生装置は、車両の前後方向において小型化することができる。
上記車両用ブレーキ液圧発生装置では、一例として、前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との間で延びる仮想的な直線と、前記半直線と、の間の角度が0°より大きく且つ45°以下である。よって、一例としては、車両の前後方向における第1の回転軸と第3の回転軸との間の距離が好適に短くなる。これにより、車両用ブレーキ液圧発生装置は、車両の前後方向において好適に小型化することができる。
上記車両用ブレーキ液圧発生装置では、一例として、前記第1の接続部は、前記ハウジングに設けられ、前記第2の接続部は、前記ピストンに設けられる。よって、一例としては、ハウジングがピストンの上方に位置するため、ハウジングの内部で浮上した空気が、ハウジングに接続された管を通じて排出されやすくなる。
上記車両用ブレーキ液圧発生装置では、一例として、前記マスタシリンダの全体が、前記フロア面と直交する方向において前記ペダルに覆われる。よって、一例としては、車両用ブレーキ液圧発生装置は、車両の前後方向において小型化することができる。
上記車両用ブレーキ液圧発生装置では、一例として、前記第1の回転軸と前記第3の回転軸との間の距離は、前記第1の回転軸と前記第2の回転軸との間の距離よりも短い。よって、一例としては、車両用ブレーキ液圧発生装置は、車両の前後方向において好適に小型化することができる。
以上説明された少なくとも一つの実施形態に係る車両用ブレーキ装置は、一例として、上記車両用ブレーキ液圧発生装置を備える。よって、一例としては、車両用ブレーキ装置は、車両用ブレーキ液圧発生装置を車両の前後方向において小型化することができる。
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。