JP2022128695A - リッツ線ケーブル編組用のケーブル繰り出し装置と、リッツ線ケーブルの編組方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、リッツ線に流れる高周波電流による電磁誘導の影響、例えば発熱やノイズ発生を低減するため、電源からの電流の往復用に2つのリッツ線を束ねて用いることも行なわれている。2つのリッツ線の間の距離が小さければ、互いに逆方向に流れる電流によって外部に誘導される磁場が打ち消されるからである。
また、様々な用途に適用するために、様々な太さのリッツ線ケーブルを用意することも、コストがかかってしまうという問題の要因になっていた。
図6は、3本のリッツ線ケーブル1a,1b,1c、2a,2b,2cからなる2つのケーブル束1,2を束ねて巻くように撚り合わせたものを示しているが、単にケーブル束1,2を合わせて撚ったのでは、各リッツ線ケーブル1a,1b,1c、2a,2b,2cの剛性によって撚りが戻ってバラバラになってしまう。撚りが戻らないようにするためには、各リッツ線ケーブル1a,1b,1c、2a,2b,2cに撚り癖がつくまで、撚った状態を治具などで保持しなければならない。
また、リッツ線ケーブルを繰り出しながら編組ができるので、回転盤に対向する作業員が、一人でケーブル束を引きながら編むことができる。従来のように、繰り出された長いケーブル束の全体を支持して移動させるための複数の人手や、繰り出された長いリッツ線ケーブルを載置しておくためのスペースも不要である。
以下に、図1~図4、図7を用いてこの発明の実施形態を説明する。図1は、この実施形態のケーブル繰り出し装置の正面図、図2は実施形態の平面図の一部、図3は側面図の一部、図4は貫通孔の拡大図、図7は姿勢を保って編まれたリッツ線ケーブルの外観図である。
この実施形態のケーブル繰り出し装置は、図7に示すようにリッツ線ケーブルを捻じらずに編むための繰り出し装置である。
なお、上記回転軸4の他端側には、回転盤3と同様の形状を有する回転盤5が回転盤3と平行に取り付けられている(図2,3参照)。そして、回転盤3において回転盤5と対向する側の面が一方の側面3aであり、反対側の面が他方の側面3bである。
また、ボビンA,B,Cから繰り出されるリッツ線ケーブル1a,1b,1c、2a,2b,2cは、上記回転盤3に形成された貫通孔6,7から、引き出される。図2,図3に示した矢印xの方向がケーブルの繰り出し方向である。
ボビンホルダ8は、フレーム9と、このフレーム9を回転盤3,5に対して回転自在に支持するための一対の支持筒10,11とを備えている。
フレーム9は金属製で、回転盤3,5に平行に配置される一対の側板12,13と,上記側板12,13と直交し当該側板12,13と一体とされて配置された一対の側板14,15とで長方形の枠形状に形成されている。
さらに、側板14には、上記保持凹部14aよりケーブルの繰り出し方向下流側において、当該側板14から下方に突出した支持片14cが設けられている。
上記のように、保持凹部14a,15a、14b,15bで保持される支持軸18,19が上記回転軸線L1より下方に位置するように構成されているので、ボビンA,B,Cを保持したボビンホルダ8の重心は当然回転軸線L1より下方に位置することになる。
さらに、上記第1ガイドローラ20と側板12との間には、当該側板12の近くに、第2ガイドローラ21が、側板14と側板15との間にかけ渡されて設けられている。また、第2ガイドローラ21の上方であって、上記側板12の近くに、第3ガイドローラ22が、側板14と側板15との間にかけ渡されて設けられている。これら第2ガイドローラ21と第3ガイドローラ22とは、回転軸線L1を挟んだ上下で、当該回転軸線L1に対してほぼ対称となる位置に設けられている。
上記ガイド筒23は、内径を3本のリッツ線ケーブル1a,1b,1cからなるケーブル束1の外接円の直径と同等にして、図4に示すように支持筒10から引き出されたケーブル束1の姿勢を保つ機能を発揮する。
ガイド筒23が、貫通孔6のリッツ線ケーブル1a,1b,1cが引き出される出口近傍に設けられ、ケーブル束の姿勢を整えるためのガイドである。
符号27は、支持軸18においてボビンB,Cの両側にはめる筒状のスペーサで、支持軸19上のボビンB,Cの位置を当該ボビンB,Cが側板14,15に接触しないように保持するための部材である。
ただし、貫通孔7側のボビンホルダ8´では、繰り出し方向下流側に2個のボビンB,Cを保持させ、上流側にボビンAを保持させる。
上記繰り出し装置を用いて、図7に示すようにリッツ線ケーブルを編み上げる手順を説明する。
まず、ボビンホルダ8にボビンA,B,Cをセットする。
ボビンA及びスペーサ26,26をセットした支持軸18を保持凹部14a,15aに保持させ、ボビンB,C及びスペーサ27,27をセットした支持軸19を保持凹部14b,15bに保持させる。
このとき、繰り出し方向上流側のボビンAのリッツ線ケーブル1aはフレーム9の下方から、下流側のボビンB,Cのリッツ線ケーブル1b,1cはフレーム9の上方から、引き出しやすいように、ケーブルの巻き方向を選択する。
ここで、各ボビンホルダ8,8´は、支持筒10,11によって回転盤3,5に対して回転自在に支持されているものの、上記したように各ボビンホルダ8,8´の重心は、回転軸線L1から偏心している。そのため、ボビンホルダ8,8´は、円周cに沿って回転し、多少揺動したとしても自身は回転軸線L1に対して回転することなく自重によって図3の姿勢を維持する。したがって、各ボビンホルダ8,8´から繰り出されたケーブル束1,2は、回転盤3,5が回転しても捻じれることがなく、図4,図5に示したような正三角形及び逆正三角形を維持する。
このように、上記ケーブル繰り出し装置を用いて、リッツ線ケーブルを簡単に編むことができる。
さらに、ガイドの開口形状を、ケーブル束を構成するリッツ線ケーブルの本数や配置に合わせて変更するようにしてもよい。例えば、上記のように、3本のリッツ線ケーブルで構成されたケーブル束の姿勢を整えるためのガイドには正三角形の開口を形成したり、4本のリッツ線ケーブルの束を整えるガイドに正方形の開口を形成したりすれば、ケーブル束の姿勢をより整えやすくなる。
1a,1b,1c,2a,2b,2c リッツ線ケーブル
3 回転盤
3a 一方の側面
3b 他方の側面
6,7 貫通孔
8,8´ ボビンホルダ
20,21,22 第1~第3ガイドローラ
23 ガイド筒
A,B,C ボビン
L (ボビンホルダの)回転軸線
Claims (5)
- 回転可能に設けられた回転盤と、
上記回転盤において当該回転盤の回転円の円周に沿って互いに180°ずれた位置に形成され、複数のリッツ線ケーブルを1本のケーブル束として上記回転盤の一方の側面側から他方の側面側へ引き出すための一対の貫通孔と、
上記回転盤の一方の側面側に、上記各貫通孔に対応して配置されるとともに、上記回転盤に対して回転自在に取り付けられ、上記複数のリッツ線ケーブルがそれぞれ巻かれた複数のボビンを装着可能にした一対のボビンホルダと
を備え、
上記ボビンが装着された状態の上記ボビンホルダの重心を当該ボビンホルダの回転軸線から偏心させ、上記重心が上記回転軸線より下方に位置することによって当該ボビンホルダの姿勢が保たれ、上記リッツ線ケーブルの姿勢が保たれる構成にした
リッツ線ケーブル編組用のケーブル繰り出し装置。 - 上記貫通孔が、上記回転盤を貫通し、当該回転盤に対して回転自在にされた筒部材で構成された請求項1に記載のリッツ線ケーブル編組用のケーブル繰り出し装置。
- 上記貫通孔内、上記貫通孔の上記リッツ線ケーブルが挿入される入口側近傍、または上記リッツ線ケーブルが引き出される上記貫通孔の出口側近傍のうち少なくともいずれか1か所に、当該貫通孔に対応する上記ボビンホルダに装着された複数の上記ボビンから引き出された複数のリッツ線ケーブルからなるケーブル束の姿勢を整えるためのガイドを備えた請求項1または2に記載のリッツ線ケーブル編組用のケーブル繰り出し装置。
- 上記貫通孔の上記リッツ線ケーブルが挿入される入口と上記ボビンホルダとの間に、当該ボビンホルダに装着された各ボビンから引き出されたリッツ線ケーブルをそれぞれ分離しつつ、各リッツ線ケーブル及び上記ケーブル束の姿勢を整えるガイドを備えた
請求項1~3のいずれか1項に記載のリッツ線ケーブル編組用のケーブル繰り出し装置。 - 上記請求項1~4に記載のリッツ線ケーブル編組用のケーブル繰り出し装置の上記回転盤を回転させながら上記一対の貫通孔からそれぞれケーブル束を引き出すとともに、
上記引き出された一対の上記ケーブル束を、各ケーブル束の姿勢を保ったまま、上記回転盤の回転軸線の近傍であって上記回転盤から所定の間隔を保った位置で別々に保持し、
上記回転盤の回転に応じて回転する一対の上記ケーブル束に一定の張力を作用させながら、一対の上記ケーブル束を互いに交差させてケーブル束を編んでいく
リッツ線ケーブルの編組方法。
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