JP2022120829A - 導電性フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】加熱することができない高分子材料などでも基体として用いることができ、且つ、透明性および導電性に優れた、新たな導電性フィルムを提供する。【解決手段】無機材料、ガラス材料又は高分子材料からなる基体表面上に、線状部からなる網目状導電パターンを有する導電層を備えた導電性フィルムであって、前記網目状導電パターンを構成する線状部は、下地層とめっき層とを備えており、該めっき層は、導電率10~200mS/mm2の金属又はその合金を主材としてなる層であり、前記下地層は、前記めっき層の主材である金属よりもイオン化傾向の大きな金属又はその合金を主材としてなる層であり、前記導電層の前記線状部の線幅が0.5~20.0μmであり、ホーンアンテナ法(自由空間法)で測定される、バンドka(26.5~45GHz)の電磁波を3mm厚のアルミ板に照射した際の反射率を100%とした場合における反射率が90~100%である導電性フィルム。【選択図】図1
Description
本発明は、透明電極や電磁波シールド材などに用いることができる導電性フィルムに関する。
透明導電性フィルムは、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、タッチパネル、電子ペーパーなどの各種電子デバイスの透明電極や、電磁波シールド材、透明面状発熱体などに用いられている。
中でも、透明な電磁波シールドフィルムは、透過型液晶表示装置のバックライトから発生する雑音電波や静電誘導等のノイズを防止するため、光拡散部材などに積層して使用されている。また、透明ヒーター、透明アンテナ、情報漏洩防止フィルムなどとして、建物の窓や自動車の窓などに貼って使用したり、様々な画面のタッチパネルとして使用したり、様々な用途への利用が想定される。
中でも、透明な電磁波シールドフィルムは、透過型液晶表示装置のバックライトから発生する雑音電波や静電誘導等のノイズを防止するため、光拡散部材などに積層して使用されている。また、透明ヒーター、透明アンテナ、情報漏洩防止フィルムなどとして、建物の窓や自動車の窓などに貼って使用したり、様々な画面のタッチパネルとして使用したり、様々な用途への利用が想定される。
透明導電性フィルムとしては、従来、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の透明フィルムの表面に、インジウム-スズの複合酸化物(ITO)からなるITO膜を備えたものがよく知られていた。
しかし、ITO膜は、インジウムが高価であること、透明性を維持したままで導電性を向上させることが困難であること、曲げに弱いこと等、解決すべき課題が多かったため、ITOに代わる導電材料を用いた導電膜の開発が進んでいる。
しかし、ITO膜は、インジウムが高価であること、透明性を維持したままで導電性を向上させることが困難であること、曲げに弱いこと等、解決すべき課題が多かったため、ITOに代わる導電材料を用いた導電膜の開発が進んでいる。
また近年、透明なガラスやプラスチック基体面に金属薄膜からなるメッシュを形成した透明導電性フィルムが開示されている。このような構成の透明導電性フィルムは、微細加工が可能で高開口率(高透過率)メッシュを作成することができ、且つ金属薄膜にてメッシュを形成しているので、導電性が上記のITO膜等と比して非常に高く、強力な電磁波放出を遮蔽することができる利点を有している。
この種の透明導電性フィルムに関しては、例えば特許文献1において、透明基材上に無電解めっき触媒ペーストをメッシュパターンでスクリーン印刷し、その上に金属層を無電解めっきしてなる構成の透明導電性フィルムが開示されている。
特許文献2には、導電性インキ組成物をメッシュパターンで透明基材に直接凹版印刷し、その透明基材上のメッシュパターンに金属層を電気めっきしてなる電磁波シールド材が開示されている。
特許文献3には、導電性インキ組成物をメッシュパターンで転写体に凹版オフセット印刷し、転写体上のメッシュパターンを透明基材上に転写し、透明基材上のメッシュパターンに金属層を電気めっきしてなる透光性電磁波シールド部材が開示されている。
特許文献4には、透明基板、プライマー層、触媒層及び金属層を順に有する電磁波シールド材が記載されている。
また、透明導電膜の製造方法に関して、特許文献5には、透明基板の表面上に高分子微粒子を配列し、加熱または圧力により高分子微粒子を変形させ、高分子微粒子と透明基板との間にできる空隙からなる鋳型を形成し、該鋳型内の透明基板上に無電解めっき処理により金属層を形成させることを特徴とする、透明基板の表面に網目状に形成された導電層からなる導電パターンを有する透明導電膜の製造方法が開示されている。
さらにまた、特許文献6には、透明性、導電性に優れた導電膜を、大面積化が可能な簡便な方法で製造するための製造方法として、基板の表面上に、基板と接触させる面とその裏面とを貫通する、網目構造の開口部を有する鋳型を配置し、該鋳型を配置した基板の表面に、導電性粒子の分散液を展開して乾燥させることで、基板と鋳型との接点近傍に、導電性粒子による網目状構造を形成させた後、鋳型を基板から外すことにより、基板の表面上に導電性粒子による網目状構造形成させる工程を含む、導電膜の製造方法が開示されている。
上記特許文献6が開示する方法によれば、微細なパターンを作製することができ、フィルム全体の透明性を高めることができる。
しかし、特許文献6が開示する方法では、高い導電性を得るためには、基体の表面上に、導電性粒子による網目状構造を形成させた後、導電性粒子が溶融する温度に加熱する必要があるため、合成樹脂やゴムなどの高分子材料を基体とした導電膜を直接作製することができないだけでなく、高い導電性を得ることが難しいという課題を抱えていた。
しかし、特許文献6が開示する方法では、高い導電性を得るためには、基体の表面上に、導電性粒子による網目状構造を形成させた後、導電性粒子が溶融する温度に加熱する必要があるため、合成樹脂やゴムなどの高分子材料を基体とした導電膜を直接作製することができないだけでなく、高い導電性を得ることが難しいという課題を抱えていた。
そこで本発明は、加熱することができない高分子材料などでも基体として用いることができ、且つ、透明性および導電性に優れた、新たな導電性フィルムおよびその製造方法を提供せんとするものである。
かかる課題解決のため、無機材料、ガラス材料又は高分子材料からなる基体表面上に、線状部からなる網目状導電パターンを有する導電層を備えた導電性フィルムであって、
前記網目状導電パターンを構成する線状部は、下地層とめっき層とを備えており、該めっき層は、導電率10~200mS/mm2の金属又はその合金を主材としてなる層であり、前記下地層は、前記めっき層の主材である金属よりもイオン化傾向の大きな金属又はその合金を主材としてなる層であり、
前記導電層の前記線状部の線幅が0.5~20.0μmであり、
ホーンアンテナ法(自由空間法)で測定される、バンドka(26.5~45GHz)の電磁波を3mm厚のアルミ板に照射した際の反射率を100%とした場合の反射率が90~100%である導電性フィルムを提案する。
前記網目状導電パターンを構成する線状部は、下地層とめっき層とを備えており、該めっき層は、導電率10~200mS/mm2の金属又はその合金を主材としてなる層であり、前記下地層は、前記めっき層の主材である金属よりもイオン化傾向の大きな金属又はその合金を主材としてなる層であり、
前記導電層の前記線状部の線幅が0.5~20.0μmであり、
ホーンアンテナ法(自由空間法)で測定される、バンドka(26.5~45GHz)の電磁波を3mm厚のアルミ板に照射した際の反射率を100%とした場合の反射率が90~100%である導電性フィルムを提案する。
本発明はまた、無機材料、ガラス材料又は高分子材料からなる基体表面上に、下地金属粒子を含有してなる分散液を展開させると共に、網目状の金属ワイヤからなる網目状金属体を前記基体表面上に配置し、次に、前記下地金属粒子を含有してなる分散液を乾燥させることで、下地金属粒子を、前記基体と前記網目状金属体との接点近傍に凝縮させ、前記網目状金属体を前記基体から外すことで、金属粒子からなる網目状パターからなる下地層を前記基体表面に形成し、次に、前記網目状パターン(下地層)上に、めっきを施すことによりめっき層を形成するようにして、基体表面上に、線状部からなる網目状導電パターンを有する導電層を形成することを特徴とする、導電性フィルムの製造方法を提案する。
本発明が提案する導電性フィルムおよびその製造方法によれば、加熱することができない高分子材料などでも基体として用いることができ、該基体表面上に網目状導電パターンを有する導電層を直接形成することができる上、透明性および導電性に優れた導電性フィルムを提供することができる。
次に、本発明の実施形態の一例としての導電性フィルム(「本導電性フィルム」と称する)について説明する。
<本導電性フィルム>
本導電性フィルムは、基体表面上に、線状部からなる網目状導電パターンを有する導電層を備えた導電性フィルムである。
本導電性フィルムは、全光線透過率が30%以上であるのが好ましく、より好ましくは50%以上、更に好ましくは65%以上、特に好ましくは70%以上である。なお、本導電性フィルムの「全光線透過率が30%以上」である場合には、色彩を問わず、全光線透過率が30%未満の部分を一部に含んでいても、全体として全光線透過率が30%以上を達成するものも包含される。
本導電性フィルムは、基体表面上に、線状部からなる網目状導電パターンを有する導電層を備えた導電性フィルムである。
本導電性フィルムは、全光線透過率が30%以上であるのが好ましく、より好ましくは50%以上、更に好ましくは65%以上、特に好ましくは70%以上である。なお、本導電性フィルムの「全光線透過率が30%以上」である場合には、色彩を問わず、全光線透過率が30%未満の部分を一部に含んでいても、全体として全光線透過率が30%以上を達成するものも包含される。
(基体)
本導電性フィルムの基体としては、例えば無機材料、ガラス材料又は高分子材料など、任意の透明な部材を用いることが可能である。後述する本製造方法によれば、焼成する必要がないため、高分子材料などの加熱に弱い材料からなる基材であっても用いることができる。
本導電性フィルムの基体としては、例えば無機材料、ガラス材料又は高分子材料など、任意の透明な部材を用いることが可能である。後述する本製造方法によれば、焼成する必要がないため、高分子材料などの加熱に弱い材料からなる基材であっても用いることができる。
ガラス材料としては、例えば石英、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス等を挙げることができる。
また、無機材料としては、例えばステンレス、アルミ等の金属、シリコンなどを挙げることができる。
高分子材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリカーボネート;ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;ポリオレフィン;ポリイミド;ポリアミド;ポリアミドイミド;ポリスチレンなどの透明樹脂を挙げることができる。中でも、透明性、柔軟性、耐屈曲性、耐薬品性、安価の観点から、ポリエステル樹脂が好ましく、中でもポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
また、無機材料としては、例えばステンレス、アルミ等の金属、シリコンなどを挙げることができる。
高分子材料としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂;ポリカーボネート;ポリエーテルスルホン;ポリスルホン;ポリオレフィン;ポリイミド;ポリアミド;ポリアミドイミド;ポリスチレンなどの透明樹脂を挙げることができる。中でも、透明性、柔軟性、耐屈曲性、耐薬品性、安価の観点から、ポリエステル樹脂が好ましく、中でもポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
基体が高分子材料である場合、その弾性率は2000~6000MPaであるのが好ましく、中でも3500MPa以上或いは5500MPa以下であるのがさらに好ましい。また、その熱収縮率は0~1.5%であるのが好ましく、中でも0.5%以下であるのがさらに好ましい。また、その融点は250℃以上であるのが好ましく、中でも255℃以上であるのがさらに好ましい。また、そのガラス転移温度75℃以上であるのが好ましく、中でも80℃以上であるのがさらに好ましい。
基体の形状としては、例えば、平板状、フィルム状、立体状、曲面形状、凹凸形状など任意な形状を挙げることができる。取り扱いの容易さを考慮すると、平板状が好ましい。また、基体の色彩は透明性が担保できれば限定はなく、赤色、青色、黄色等の有彩色のほか、白色、灰色、黒色等の無彩色であってもよい。
基体の厚さは、透明性、柔軟性、取扱性、の観点から、10~500μmであるのが好ましく、中でも25μm以上或いは300μm以下、その中でも50μm以上或いは250μm以下であるのがさらに好ましい。
(導電層)
導電層を構成する「網目状導電パターンを構成する線状部」は、断面にみて、下地層とめっき層とを備えたものであるのが好ましい。
導電層を構成する「網目状導電パターンを構成する線状部」は、断面にみて、下地層とめっき層とを備えたものであるのが好ましい。
前記めっき層は、導電率10~200mS/mm2、中でも12mS/mm2以上或いは150mS/mm2以下、その中でも40mS/mm2以上或いは100mS/mm2以下、その中でも50mS/mm2以上或いは70mS/mm2以下の金属又はその合金を主材とする層であるのが好ましい。
なお、本発明において「主材」とは、各層を構成する材料のうち最も質量割合の高い材料を意味する。
めっき層の主材としては、例えばAu、Ag、Cu、Ni、Pt、Pd、Fe及びCrのうちの一種の金属又は合金、または、これらのうちの2種以上の金属又は合金の組み合わせを挙げることができる。中でも、高導電率、低コストの観点から、Cu又はその合金であるのが好ましい。
下地層は、当該めっき層の主材である金属よりもイオン化傾向の大きな金属又はその合金を主材とする。
なお、当該「主材」とは、下地層を構成する材料のうち最も質量割合の高い材料を意味する。
なお、当該「主材」とは、下地層を構成する材料のうち最も質量割合の高い材料を意味する。
下地層の主材としては、めっき層の主材又は後述する触媒層の主材との密着性の観点から、例えばAu、Ag、Cu、Ni、Pt、Pd、Fe及びCrのうちの一種の金属又は合金、または、これらのうちの2種以上の金属又は合金の組み合わせを挙げることができる。中でも、ナノ粒子およびナノワイヤ(以下、これらを包含する意味として「ナノ粒子」と記述する。)の分散媒への分散性が良いこと、低価格であることの観点から、Ag又はその合金であるのが好ましい。
その中でも、めっき層乃至触媒層を形成する際の密着性を高める観点から、Ag又はその合金のナノ粒子すなわち平均粒径(ナノワイヤの場合は平均直径)が1~200nmであるAgナノ粒子が好ましい。このようなAgナノ粒子を用いて、後述する本製造方法のようにして下地層を形成すると、下地層の線幅をより小さくすることができる。
なお、Agナノ粒子については、後述する製造方法において詳細に説明する。
なお、Agナノ粒子については、後述する製造方法において詳細に説明する。
下地層は、平面視した際、線状部として形成されていてもよいが、複数の島状部が独立して存在してなる構成を備えているものが好ましい。すなわち、下地層であるから、下地層自体は導電性が低くても構わないから、平面方向に不連続であってもよい。
また、下地層は、めっき層を形成する際に、平面方向のめっき形成を抑えながら、できるだけ高さ方向にめっき形成することで、高い透明性と低い表面抵抗率を両立する観点から、縦断面視した際、線幅両側よりも中央部の方がより上方に膨らんだ形状、言い換えれば、線幅両側よりも中央部の方がより高く膨らんだ形状を呈するのが好ましい。例えば、図1に示すように、円弧状(図1の(A))、台形状(図1の(B))、上面中央が凹んだ台形状(図1の(C))、線幅両側から中央部に向って上向きに湾曲して突出してなる形状、言い換えれば富士山形状(図1の(D))、2個以上の山が連なった形状(図1の(E))などを例示することができる。但し、これらの形状に限定するものではない。
下地層とめっき層の間に、めっき層の密着性すなわちめっき性を高めるため触媒層を備えてもよい。
前記触媒層の主材は、めっき層の主材である金属よりもイオン化傾向が大きく、下地層の主材である金属よりもイオン化傾向が小さい金属又はその合金であればよい。
前記触媒層の主材は、めっき層の主材である金属よりもイオン化傾向が大きく、下地層の主材である金属よりもイオン化傾向が小さい金属又はその合金であればよい。
前記触媒層の主材は、めっき層の密着性を高める観点から、例えばPd、Sn及びPtのうちの一種の金属又は合金、又は、これらのうちの2種以上の金属又は合金の組み合わせを挙げることができる。中でも、入手が容易であること、安価であることの観点から、触媒層の主材はPd又はその合金であることが好ましい。
前記めっき層は、無電解めっき層であり、その層厚さは、表面抵抗率を低くする観点から、0.5μm以上であるのが好ましく、中でも1.0μm以上、その中でも1.2μm以上、その中でも2.0μm以上であるのがさらに好ましい。他方、導電パターンの線幅を狭くして高い透明性を維持する観点から、10.0μm以下であるのが好ましく、中でも7.0μm以下、その中でも5.0μm以下であるのがさらに好ましい。
下地層の含有割合(体積%)に対する、めっき層の含有割合(体積%)の比率(めっき層/下地層)は、表面抵抗率を低くする観点から、1.2以上であるのが好ましく、中でも1.5以上、その中でも2.0以上であるのがさらに好ましい。他方、高い透明性を維持する観点から、10.0以下であるのが好ましく、9.5以下がより好ましく、9.0以下がさらに好ましく、その中でも8.0以下、特に7.0以下が好ましい。
優れた電磁波のシールド効果と透光性とを両立するには、網目状導電パターンの線幅、パターンの間隙(ピッチ)、及び下地層の含有割合(体積%)に対する、めっき層の含有割合(体積%)の比率(めっき層/下地層)を最適化するのが好ましい。
かかる観点から、導電層を構成する網目状導電パターンは、線状部からなる格子状を呈するのが好ましく、当該線状部の線幅は0.5~20.0μmであるのが好ましく、下限は1.0μm以上がより好ましく、3.0μm以上がより好ましく、5.0μm以上がさらに好ましい。他方、当該線状部の線幅の上限は、15.0μm以下であることが好ましく、13.0μm以下であることがより好ましく、12.0μm以下であることがさらに好ましく、11.0μm以下であるのが特に好ましい。
かかる観点から、導電層を構成する網目状導電パターンは、線状部からなる格子状を呈するのが好ましく、当該線状部の線幅は0.5~20.0μmであるのが好ましく、下限は1.0μm以上がより好ましく、3.0μm以上がより好ましく、5.0μm以上がさらに好ましい。他方、当該線状部の線幅の上限は、15.0μm以下であることが好ましく、13.0μm以下であることがより好ましく、12.0μm以下であることがさらに好ましく、11.0μm以下であるのが特に好ましい。
また、網目状導電パターンを構成する線状部の中心から隣の線状部の中心までの間隔(ピッチ)は、30.0μm以上であるのが好ましく、40.0μm以上であることがより好ましく、60.0μm以上であることがさらに好ましい。他方、ピッチの上限は350.0μm以下であるのが好ましく、中でも300.0μm以下であることがより好ましく、250.0μm以下であることがさらに好ましく、220.0μm以下であるのが特に好ましい。
優れた電磁波のシールド効果と透光性の両立には、下地層の含有割合(体積%)に対する、めっき層の含有割合(体積%)の比率(めっき層/下地層)と、網目状導電パターンを構成する線状部の中心から隣の線状部の中心までの間隔(ピッチ)との関係を考慮することが好ましい。前記めっき層の含有割合(体積%)の比率と前記ピッチとは以下の式[1]を満たすことが望ましい。
y≧0.237e0.0243x [1]
上式[1]において、xは網目状導電パターンを構成する線状部の中心から隣の線状部の中心までの間隔(ピッチ)、yはめっき層の含有割合(体積%)の比率(めっき層/下地層)をそれぞれ表す。
y≧0.237e0.0243x [1]
上式[1]において、xは網目状導電パターンを構成する線状部の中心から隣の線状部の中心までの間隔(ピッチ)、yはめっき層の含有割合(体積%)の比率(めっき層/下地層)をそれぞれ表す。
本発明者は、優れた電磁波のシールド効果と透光性を両立するためには、下地層の含有割合(体積%)に対する、めっき層の含有割合(体積%)の比率(めっき層/下地層)と、網目状導電パターンを構成する線状部の中心から隣の線状部の中心までの間隔(ピッチ)との間に、相関関係があると考え、試行錯誤の上、両者が上記式[1]の関係を満たす場合には、優れた電磁波シールド性能と透光性が両立できることを見出した。
ピッチxが30.0μm以上350.0μm以下の間において、上記式[1]で算出されるめっき層/下地層の体積%の比率がy以上となる導電性フィルムあれば、電磁波シールド性能が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは100%であり、かつ全光線透過率が30%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは65%以上となるため、電磁波シールド効果と透光性とを両立することができる。
ピッチxが30.0μm以上350.0μm以下の間において、上記式[1]で算出されるめっき層/下地層の体積%の比率がy以上となる導電性フィルムあれば、電磁波シールド性能が90%以上、好ましくは95%以上、さらに好ましくは100%であり、かつ全光線透過率が30%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは65%以上となるため、電磁波シールド効果と透光性とを両立することができる。
(本導電性フィルムの物性)
本導電性フィルムは、全光線透過率が30%以上であるのが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、その中でも65%以上、更には70%以上であることが特に好ましい。上限値は、材料特性の限界値の観点から、99%である。また、本導電性フィルムのヘイズ値は20%以下であり、17%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、13%以下が更に好ましい。
本導電性フィルムの全光線透過率はJIS K 7361に準じて測定することができ、また、ヘイズ値はJIS K 7136に準じて測定することができる。
本導電性フィルムは、全光線透過率が30%以上であるのが好ましく、50%以上であることがより好ましく、60%以上であることがさらに好ましく、その中でも65%以上、更には70%以上であることが特に好ましい。上限値は、材料特性の限界値の観点から、99%である。また、本導電性フィルムのヘイズ値は20%以下であり、17%以下が好ましく、15%以下がより好ましく、13%以下が更に好ましい。
本導電性フィルムの全光線透過率はJIS K 7361に準じて測定することができ、また、ヘイズ値はJIS K 7136に準じて測定することができる。
本導電性フィルムは、JIS R 1679:2007に従って、ホーンアンテナ法(自由空間法)で測定される、バンドKa(26.5~45GHz)の電磁波を厚さ3mmのアルミ板に照射した際の反射率を100%とした場合、反射率反射率が90%以上であることが好ましく、中でも95%以上、その中でも99%以上であることがさらに好ましい。上限値は、導電性フィルムにおいて均一な電磁波シールド特性を発現するなどの観点から、100%である。なお、JIS R 1679:2007にて電磁波の反射率を測定するため、サンプルで反射されない電磁波は透過するように測定を実施する。
本導電性フィルムは、表面抵抗率が2.5Ω/□以下であることが好ましく、中でも1.0Ω/□以下、その中でも0.5Ω/□以下、その中でも0.3Ω/□以下であることがさらに好ましい。下限値は、導電性フィルムにおいて均一な特性を発現する観点から、0.05Ω/□以上であるのが好ましく、0.1Ω/□以上であるのがさらに好ましい。
また、基体が無機材料とガラス材料の場合は、表面抵抗率が2.5Ω/□以下であることがさらに好ましく、中でも2.2Ω/□以下、その中でも2.0Ω/□以下であることが特に好ましい。下限値は、0.05Ω/□以上であることがさらに好ましく、0.1Ω/□以上であることが特に好ましい。
また、基体が高分子材料の場合は、表面抵抗率が1.3Ω/□以下であることがさらに好ましく、中でも1.0Ω/□以下、その中でも0.8Ω/□以下であることが特に好ましい。下限値は、0.05Ω/□以上であることがさらに好ましく、0.1Ω/□以上であることが特に好ましい。
また、基体が無機材料とガラス材料の場合は、表面抵抗率が2.5Ω/□以下であることがさらに好ましく、中でも2.2Ω/□以下、その中でも2.0Ω/□以下であることが特に好ましい。下限値は、0.05Ω/□以上であることがさらに好ましく、0.1Ω/□以上であることが特に好ましい。
また、基体が高分子材料の場合は、表面抵抗率が1.3Ω/□以下であることがさらに好ましく、中でも1.0Ω/□以下、その中でも0.8Ω/□以下であることが特に好ましい。下限値は、0.05Ω/□以上であることがさらに好ましく、0.1Ω/□以上であることが特に好ましい。
<本製造方法>
次に、本発明の実施形態の一例としての導電性フィルムの製造方法(「本製造方法」と称する)について説明する。
本製造方法によれば、前記の本導電性フィルムを製造することができる。但し、本導電性フィルムの製造方法が、本製造方法に限定されるものではない。
次に、本発明の実施形態の一例としての導電性フィルムの製造方法(「本製造方法」と称する)について説明する。
本製造方法によれば、前記の本導電性フィルムを製造することができる。但し、本導電性フィルムの製造方法が、本製造方法に限定されるものではない。
本製造方法は、無機材料、ガラス材料又は高分子材料からなる基体表面上に、下地金属粒子を含有してなる分散液を展開させると共に、網目状の金属ワイヤからなる網目状金属体を前記基体表面上に配置し、次に、前記下地金属粒子を含有してなる分散液を乾燥させることで、下地金属粒子を、前記基体と前記網目状金属体との接点近傍に凝縮させ、前記網目状金属体を前記基体から外すことで、金属粒子からなる網目状パターからなる下地層を前記基体表面に形成し、次に、前記網目状パターン(下地層)上に、めっきを施すことによりめっき層を形成するようにして、基体表面上に、線状部からなる網目状導電パターンを有する導電層を形成することを特徴とする、導電性フィルムの製造方法である。
この際、基体表面上に、下地金属粒子を含有してなる分散液を塗布して展開させた後、その上に、網目状の金属ワイヤからなる網目状金属体を配置するようにしてもよいし、また、基体表面上に、網目状の金属ワイヤからなる網目状金属体を配置し、下地金属粒子を含有してなる下地金属粒子分散液を、前記網目状金属体の上面から塗布して展開させるようにしてもよい。以下の説明では、前者の方法を採用した場合について説明する。
(基体)
本製造方法で用いる基体については上述したとおりである。
本製造方法で用いる基体については上述したとおりである。
基体の表面と、下地金属粒子分散液との接触角を小さくして、基体前面において均一にするために、基体を予め表面処理しておくことが好ましい。
表面処理の方法としては、例えば、UV照射処理、エキシマ照射処理、やプラズマ照射処理、コロナ放電処理、電子線処理等;アセトン、アルコール等の有機溶剤による洗浄処理を挙げることができる。
このように、基体を予め表面処理することにより、前記網目状金属体を配置した基体に、分散液を部分的に滴下した場合でも、表面張力によって、分散液を速やかに一面に展開することができる。
表面処理の方法としては、例えば、UV照射処理、エキシマ照射処理、やプラズマ照射処理、コロナ放電処理、電子線処理等;アセトン、アルコール等の有機溶剤による洗浄処理を挙げることができる。
このように、基体を予め表面処理することにより、前記網目状金属体を配置した基体に、分散液を部分的に滴下した場合でも、表面張力によって、分散液を速やかに一面に展開することができる。
(網目状を呈する網目状金属体)
網目状の金属ワイヤからなる網目状金属体としては、例えば、ステンレス製、アルミ製等の金網、ポリエステル、ナイロン等の樹脂網を挙げることができる。特に、ステンレス製、アルミ製の細線で平織り又は綾織りされた金網は、網目辺の交点が盛り上がっており、これを基体表面上に配置すると、網目の各辺が基体に密着しない点で好ましい。
また、当該網目状金属体に対しても、上述した基体の予備的表面処理と同様の方法で、予め表面処理を施しておくことが好ましい。
網目状の金属ワイヤからなる網目状金属体としては、例えば、ステンレス製、アルミ製等の金網、ポリエステル、ナイロン等の樹脂網を挙げることができる。特に、ステンレス製、アルミ製の細線で平織り又は綾織りされた金網は、網目辺の交点が盛り上がっており、これを基体表面上に配置すると、網目の各辺が基体に密着しない点で好ましい。
また、当該網目状金属体に対しても、上述した基体の予備的表面処理と同様の方法で、予め表面処理を施しておくことが好ましい。
網目状金属体を構成するワイヤの断面は、丸型、角型等、いずれの形のものでも用いることができる。
隣のワイヤの中心までの間隔(メッシュピッチ)は、網目状導電パターンと略同じであるから、製造目的とする網目状導電パターンによって決定するのが好ましい。
隣のワイヤの中心までの間隔(メッシュピッチ)は、網目状導電パターンと略同じであるから、製造目的とする網目状導電パターンによって決定するのが好ましい。
網目状金属体を構成するワイヤの直径は、5~60μmが好ましく、中でも10μm以上或いは30μm以下がより好ましい。
ワイヤの直径が5~60μmであれば、形成される網目状構造の線幅も細いため、得られる導電膜の透明性が高くなる。
ワイヤの直径が5~60μmであれば、形成される網目状構造の線幅も細いため、得られる導電膜の透明性が高くなる。
網目状金属体が、欠陥のない規則正しい網目構造であれば、この網目状を呈する網目状金属体を用いて作製される導電膜のパターンは規則正しい網目構造となる。
規則正しい網目構造とは、それぞれの網目が同一の形状である網目構造を意味する。
例えば、正方形の網目、長方形の網目、正六角形、正三角形の網目がそれぞれの辺を共有して連続している場合、これらは規則正しい網目構造である。規則正しい網目構造が連続していることにより、導電性が均一になる。即ち、どの場所においても同じ導電性を発現する。
規則正しい網目構造とは、それぞれの網目が同一の形状である網目構造を意味する。
例えば、正方形の網目、長方形の網目、正六角形、正三角形の網目がそれぞれの辺を共有して連続している場合、これらは規則正しい網目構造である。規則正しい網目構造が連続していることにより、導電性が均一になる。即ち、どの場所においても同じ導電性を発現する。
(下地金属粒子分散液の調製)
下地金属粒子分散液は、下地金属粒子と、分散媒と、水溶性ポリマーと、必要に応じて添加剤とを含有する。
下地金属粒子分散液は、下地金属粒子と、分散媒と、水溶性ポリマーと、必要に応じて添加剤とを含有する。
下地金属粒子としては、例えばAu、Ag、Cu、Ni、Pt、Pd、Fe、Cr、Zn、Sn等の金属、これらの酸化物、及びこれらの合金を挙げることができる。金属微粒子は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、Cu及びPdに対する触媒性能が高い点から、Agが好ましい。
これらの中でも、Cu及びPdに対する触媒性能が高い点から、Agが好ましい。
中でも、ナノ粒子の分散媒への分散性が良いこと、安価であることの観点から、平均粒径(ナノワイヤの場合は平均直径)1~200nmのAgナノ粒子が好ましい。
Agナノ粒子の体積平均粒子径は、小さいほど、網目状を呈する網目状金属体のパターン形状に対する追随性が高くなり、下地層の線幅を小さくできることから、この観点から、200nm以下であるのが好ましく、中でも110nm以下、その中でも50nm以下であるのがさらに好ましい。他方、パターン形状に対する追随性を得るための観点から、1nm以上であるのが好ましく、中でも3nm以上、その中でも5nm以上であるのがさらに好ましい。
なお、当該平均粒径は、動的光散乱光度計によって測定される平均粒径である。
Agナノ粒子の体積平均粒子径は、小さいほど、網目状を呈する網目状金属体のパターン形状に対する追随性が高くなり、下地層の線幅を小さくできることから、この観点から、200nm以下であるのが好ましく、中でも110nm以下、その中でも50nm以下であるのがさらに好ましい。他方、パターン形状に対する追随性を得るための観点から、1nm以上であるのが好ましく、中でも3nm以上、その中でも5nm以上であるのがさらに好ましい。
なお、当該平均粒径は、動的光散乱光度計によって測定される平均粒径である。
分散媒としては、例えば、水;アルコール等の有機溶剤を挙げることができる。これらの中では、蒸発速度が適度であること、VOC(Volatile Organic Compounds)がないことから、水が好ましい。分散媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
分散剤として、例えば水溶性ポリマーを分散媒に添加してもよい。水溶性ポリマーは、ナノ粒子が分散媒中で凝集することを防止する役割を果たし、例えば、PDP(ポリビニルピロリドン)、PEG(ポリエチレングリコール)、PEI(ポリエチレンイミン)などを挙げることができる。
添加剤としては、各種界面活性剤を挙げることができる。適当な界面活性剤を選択して添加することにより、線幅を制御することができ、また、下地層の断面形状を制御することもできる。
かかる観点から、酸価5~100の界面活性剤を用いるのが好ましく、中でも10以上或いは90以下、その中でも20以上或いは80以下の酸価の界面活性剤を用いるのが好ましい。
また、下地金属粒子の分散安定化のため、分散助剤を使用することもできる。
かかる観点から、酸価5~100の界面活性剤を用いるのが好ましく、中でも10以上或いは90以下、その中でも20以上或いは80以下の酸価の界面活性剤を用いるのが好ましい。
また、下地金属粒子の分散安定化のため、分散助剤を使用することもできる。
下地金属粒子分散液の固形分は、0.01~80質量%が好ましく、0.01~10質量%がより好ましく、0.01~5質量%が更に好ましく、0.01~3質量%が特に好ましい。分散液の固形分が低いほど、網目状構造の線幅が細くなるため、色味が薄く、透明性の高い導電膜を得ることできる。
(下地金属粒子分散液の展開)
下地金属粒子分散液を展開する量は、基体へ均一に網目状構造の下地層を形成する観点から、0.010L/m2以上であるのが好ましく、中でも0.015L/m2以上、その中でも0.02L/m2以上であるのがさらに好ましい。他方、基体に網目状構造の下地層を形成するために必要な量以上の金属粒子分散液の量を展開した場合、余分な金属粒子分散液は網目状金属体に付着する。網目状金属体に付着する下地金属粒子分散液を少なくし、無駄にならないようにするため、観点から、0.05L/m2以下であるのが好ましく、中でも0.045L/m2以下、その中でも0.04L/m2以下であるのがさらに好ましい。
下地金属粒子分散液を展開する量は、基体へ均一に網目状構造の下地層を形成する観点から、0.010L/m2以上であるのが好ましく、中でも0.015L/m2以上、その中でも0.02L/m2以上であるのがさらに好ましい。他方、基体に網目状構造の下地層を形成するために必要な量以上の金属粒子分散液の量を展開した場合、余分な金属粒子分散液は網目状金属体に付着する。網目状金属体に付着する下地金属粒子分散液を少なくし、無駄にならないようにするため、観点から、0.05L/m2以下であるのが好ましく、中でも0.045L/m2以下、その中でも0.04L/m2以下であるのがさらに好ましい。
下地金属粒子分散液を展開する方法としては、例えば、滴下法、スピンコート法、ドクターブレード法、ディップコート法、スプレー法、剪断塗布法を挙げることができる。
(網目状金属体の配置)
前記網目状金属体を基体表面上に配置する際、両者の位置がずれないようにするのが好ましく、そのために、公知の接着剤又は接着テープ等を用いることができる。
基体と網目状金属体は、密着している必要はない。網目状金属体と基体の接触する面との間隔が50μm以下であれば、網目状金属体のパターン形状をほぼ完全に再現した網目状構造物を得ることができる。
前記網目状金属体を基体表面上に配置する際、両者の位置がずれないようにするのが好ましく、そのために、公知の接着剤又は接着テープ等を用いることができる。
基体と網目状金属体は、密着している必要はない。網目状金属体と基体の接触する面との間隔が50μm以下であれば、網目状金属体のパターン形状をほぼ完全に再現した網目状構造物を得ることができる。
(乾燥及び自己集積)
基体に対して、下地金属粒子分散液を塗布し、その上に網目状金属体を配置し、基体上の下地金属粒子分散液と網目状金属体とが接触した状態で保持し、その状態で乾燥させることで、下地金属粒子を、基体と前記網目状金属体との接点近傍に凝縮させ、自己組織的に網目状構造を形成することができる。
分散媒を乾燥する過程で、下地金属粒子が、自己組織的に、網目状金属体と基体が密着又は近接した部分へと集積していき、その結果、網目状金属体と同形状のパターンを形成していく。網目状構造物の線幅が、前記網目状金属体を構成する線幅よりも格段に細くなる。
この現象は、分散液を乾燥させる過程で、分散液の表面張力によって前記網目状金属体が押し上げられ、乾燥の進行に伴い、前記網目状金属体を構成する細線の下方で、基体の表面上に下地金属粒子が凝縮するためと推測される。
基体に対して、下地金属粒子分散液を塗布し、その上に網目状金属体を配置し、基体上の下地金属粒子分散液と網目状金属体とが接触した状態で保持し、その状態で乾燥させることで、下地金属粒子を、基体と前記網目状金属体との接点近傍に凝縮させ、自己組織的に網目状構造を形成することができる。
分散媒を乾燥する過程で、下地金属粒子が、自己組織的に、網目状金属体と基体が密着又は近接した部分へと集積していき、その結果、網目状金属体と同形状のパターンを形成していく。網目状構造物の線幅が、前記網目状金属体を構成する線幅よりも格段に細くなる。
この現象は、分散液を乾燥させる過程で、分散液の表面張力によって前記網目状金属体が押し上げられ、乾燥の進行に伴い、前記網目状金属体を構成する細線の下方で、基体の表面上に下地金属粒子が凝縮するためと推測される。
本製造方法では、網目状導電パターンの線幅をなるべく細くかつ高さを高くすることで高い透明性を維持し、かつ表面抵抗率を低くして電磁波シールド遮断特性を向上する観点から、線幅両側よりも中央部の方がより上方に膨らんだ形状を呈するのが好ましい。
このような断面形状にするには、網目状金属体を構成する細線の下方で、基体の表面上に下地金属粒子が凝縮する工程を、高温・低湿度条件下で乾燥するのが好ましい。但し、かかる方法に限定するものではない。
このような断面形状にするには、網目状金属体を構成する細線の下方で、基体の表面上に下地金属粒子が凝縮する工程を、高温・低湿度条件下で乾燥するのが好ましい。但し、かかる方法に限定するものではない。
分散媒を乾燥させる方法としては、例えば、静置する方法、熱風をあてる方法、大気圧以下に減圧する方法を挙げることができる。
乾燥条件は、乾燥時間が10秒以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上となるように決めることが望ましい。
乾燥温度は0~200℃が好ましく、中でも3℃以上或いは170℃以下、その中でも3℃以上或いは140℃以下であるのが更に好ましい。
乾燥条件は、乾燥時間が10秒以上、好ましくは30秒以上、より好ましくは1分以上となるように決めることが望ましい。
乾燥温度は0~200℃が好ましく、中でも3℃以上或いは170℃以下、その中でも3℃以上或いは140℃以下であるのが更に好ましい。
その他の条件が同じであれば、乾燥温度が低くなるほど乾燥速度は遅くなり、網目状金属体のパターン形状に対する追随性が高く、密度の高い線を形成させることができる。
このように、金属粒子が自己組織的に形成してなる網目状構造は、導電層を構成する網目状導電パターンの下地層をなす。すなわち、導電層を構成する網目状導電パターンの表面層をなすめっき層を形成する際の下地としての役割をなす。
(触媒層の形成)
必要に応じてさらに、当該下地層上、すなわち下地層とめっき層の間に触媒層を形成してもよい。
例えば、不導体上に無電解銅めっきする際、通常は、Pdや、Sn等とのPd合金を下地層として形成し、これに銅を無電解めっきする方法が知られている。また、これらPdやPd合金の代替としてAgナノ粒子を用いることができることが報告されている。
但し、不導体上に無電解銅めっきする際、Agナノ粒子から下地層を形成し、その上にPdやPd合金から触媒層を形成し、その上に無電解めっきするのが、基体全体へ均一な厚さのめっき層を得ることの点で特に有効である。
このように、下地層上、すなわち下地層とめっき層の間に触媒層を形成するのがよい場合がある。
必要に応じてさらに、当該下地層上、すなわち下地層とめっき層の間に触媒層を形成してもよい。
例えば、不導体上に無電解銅めっきする際、通常は、Pdや、Sn等とのPd合金を下地層として形成し、これに銅を無電解めっきする方法が知られている。また、これらPdやPd合金の代替としてAgナノ粒子を用いることができることが報告されている。
但し、不導体上に無電解銅めっきする際、Agナノ粒子から下地層を形成し、その上にPdやPd合金から触媒層を形成し、その上に無電解めっきするのが、基体全体へ均一な厚さのめっき層を得ることの点で特に有効である。
このように、下地層上、すなわち下地層とめっき層の間に触媒層を形成するのがよい場合がある。
触媒層の形成方法としては、触媒金属を含有する溶液に、下地金属粒子からなる網目状構造が形成された基体ごと浸漬する方法を挙げることができる。ただし、この方法に限定するものではない。
触媒金属として、Pd、Sn、Ptなど、或いは、これらのうちの2種以上の合金を挙げることができる。
無電解銅めっきする際の触媒金属としては、Pdや、Sn等とのPd合金が特に好ましい。
無電解銅めっきする際の触媒金属としては、Pdや、Sn等とのPd合金が特に好ましい。
触媒金属を含有する溶液の溶媒としては、純水、エタノール、メタノール、イソプロピルアルコールなどを挙げることができる。
(めっき層の形成)
めっき層は、下地金属粒子による網目状構造を電極として、電解めっきを行なうこともできるが、薄膜で均一な厚さのめっき層を容易に得ることができる観点から、無電解めっきを行うのが好ましい。
無電解めっきは、電気めっきとは異なり、通電による電子ではなく、めっき液に含まれる還元剤の酸化によって放出される電子により、液に含浸することで被めっき物に金属を析出させる方法である。
無電解めっきの方法は、従来知られた公知の方法を任意に採用すればよい。
めっき層は、下地金属粒子による網目状構造を電極として、電解めっきを行なうこともできるが、薄膜で均一な厚さのめっき層を容易に得ることができる観点から、無電解めっきを行うのが好ましい。
無電解めっきは、電気めっきとは異なり、通電による電子ではなく、めっき液に含まれる還元剤の酸化によって放出される電子により、液に含浸することで被めっき物に金属を析出させる方法である。
無電解めっきの方法は、従来知られた公知の方法を任意に採用すればよい。
<使用形態>
本導電性フィルムは、それ単独で用いることが可能である。又、次のような積層フィルムとして用いることも可能である。
例えば、本導電性フィルムの導電層側に、粘着層及び離型層をこの順に積層してなる構成を備えた積層フィルムを挙げることができる。
また、本導電性フィルムの導電層側に、粘着層及び離型層をこの順に積層してなる構成を備え、本導電性フィルムの基体側に、保護層を積層してなる構成を備えた積層フィルムを挙げることができる。
本導電性フィルムは、それ単独で用いることが可能である。又、次のような積層フィルムとして用いることも可能である。
例えば、本導電性フィルムの導電層側に、粘着層及び離型層をこの順に積層してなる構成を備えた積層フィルムを挙げることができる。
また、本導電性フィルムの導電層側に、粘着層及び離型層をこの順に積層してなる構成を備え、本導電性フィルムの基体側に、保護層を積層してなる構成を備えた積層フィルムを挙げることができる。
<本導電性フィルムの用途>
本導電性フィルムは、透明性および導電性に優れているから、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、タッチパネル、電子ペーパーなどの透明電極などに用いることができる。
また、本導電性フィルムは、電磁波遮蔽性にも優れているから、透過型液晶表示装置のバックライトから発生する雑音電波や静電誘導等のノイズを防止するため、光拡散部材などに積層して使用したり、また、透明ヒーター、透明アンテナ、情報漏洩防止フィルムなどとして、建物の窓や自動車の窓などに貼って使用したり、様々な画面のタッチパネルとして使用したりすることができる。
但し、本導電性フィルムの用途が、これらの用途に限定されるものではない。
本導電性フィルムは、透明性および導電性に優れているから、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロクロミックディスプレイ、太陽電池、タッチパネル、電子ペーパーなどの透明電極などに用いることができる。
また、本導電性フィルムは、電磁波遮蔽性にも優れているから、透過型液晶表示装置のバックライトから発生する雑音電波や静電誘導等のノイズを防止するため、光拡散部材などに積層して使用したり、また、透明ヒーター、透明アンテナ、情報漏洩防止フィルムなどとして、建物の窓や自動車の窓などに貼って使用したり、様々な画面のタッチパネルとして使用したりすることができる。
但し、本導電性フィルムの用途が、これらの用途に限定されるものではない。
<語句の説明>
本明細書において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
本明細書において「X~Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意も包含する。
また、「X以上」(Xは任意の数字)或いは「Y以下」(Yは任意の数字)と表現した場合、「Xより大きいことが好ましい」或いは「Y未満であることが好ましい」旨の意図も包含する。
本発明は、以下の実施例により更に説明される。実施例はいかなる方法でも本発明を限定することを意図するものではない。
<線幅・メッシュピッチの測定>
光学顕微鏡(オリンパス(株)製、システム顕微鏡BX51123MDS(商品名))を用いて、導電層を構成する網目状導電パターンを観察し、網目状導電パターンの線幅及び隣の線状部の中心との間隔(メッシュピッチ)をそれぞれ任意の5箇所で測定し、その平均値を、線幅・メッシュピッチとして表に示した。
なお、下地層を構成する網目状パターンの線幅・メッシュピッチも同様に測定した。
光学顕微鏡(オリンパス(株)製、システム顕微鏡BX51123MDS(商品名))を用いて、導電層を構成する網目状導電パターンを観察し、網目状導電パターンの線幅及び隣の線状部の中心との間隔(メッシュピッチ)をそれぞれ任意の5箇所で測定し、その平均値を、線幅・メッシュピッチとして表に示した。
なお、下地層を構成する網目状パターンの線幅・メッシュピッチも同様に測定した。
<下地層及びめっき層の含有割合(体積%)の測定>
レーザ顕微鏡OLS3000(オリンパス製)を用いて、任意の3箇所にて、下地層を形成後に、下地層の断面形状を測定し、さらにめっき層形成後に導電層(下地層の上部にめっき層が積層した層)の断面形状を計測し、それぞれの断面積算出し、両者の比率((導電層の断面積-下地層の断面積)/下地層の断面積)を算出して、表1に示した。
レーザ顕微鏡OLS3000(オリンパス製)を用いて、任意の3箇所にて、下地層を形成後に、下地層の断面形状を測定し、さらにめっき層形成後に導電層(下地層の上部にめっき層が積層した層)の断面形状を計測し、それぞれの断面積算出し、両者の比率((導電層の断面積-下地層の断面積)/下地層の断面積)を算出して、表1に示した。
<全光線透過率及びヘイズの測定>
ヘーズメーター((株)村上色彩技術研究所製、HM-150N(商品名))を用い、実施例・比較例で得た導電性フィルム(サンプル)の任意の3箇所にて全光線透過率(%)及びヘイズ(%)を測定し、その平均値を全光線透過率(%)及びヘイズ(%)として表に示した。
ヘーズメーター((株)村上色彩技術研究所製、HM-150N(商品名))を用い、実施例・比較例で得た導電性フィルム(サンプル)の任意の3箇所にて全光線透過率(%)及びヘイズ(%)を測定し、その平均値を全光線透過率(%)及びヘイズ(%)として表に示した。
<表面抵抗率の測定>
抵抗率計(日東精工アナリテック(株)製、ロレスタGP(商品名))に直列四探針プローブを装着し、実施例・比較例で得た導電性フィルム(サンプル)の任意の3箇所にて表面抵抗率を測定し、その平均値を表面抵抗率として表1に示した。
抵抗率計(日東精工アナリテック(株)製、ロレスタGP(商品名))に直列四探針プローブを装着し、実施例・比較例で得た導電性フィルム(サンプル)の任意の3箇所にて表面抵抗率を測定し、その平均値を表面抵抗率として表1に示した。
<電磁波シールド性能>
JIS R 1679:2007に準拠したホーンアンテナ法(自由空間法)により、次のようにして導電性フィルム(サンプル)の反射率を測定した。
大気中で室温を維持した空間において、PNAマイクロ波ネットワークアナライザN5227A(キーサイト・テクノロジー)を用いて、導電性フィルム(サンプル)を、送信アンテナと受信アンテナの中央に置いて、バンドKa(26.5~45.0 GHz)の電磁波を試料へ垂直に照射し、反射波および透過波を測定した。なお、厚みt=3mmのアルミニウム板(A1070)の反射率を100%として校正を実施した後、測定を実施した。
なお、JIS R 1679:2007にて電磁波の反射率を測定するため、サンプルで反射されない電磁波は透過するように測定を実施した。
JIS R 1679:2007に準拠したホーンアンテナ法(自由空間法)により、次のようにして導電性フィルム(サンプル)の反射率を測定した。
大気中で室温を維持した空間において、PNAマイクロ波ネットワークアナライザN5227A(キーサイト・テクノロジー)を用いて、導電性フィルム(サンプル)を、送信アンテナと受信アンテナの中央に置いて、バンドKa(26.5~45.0 GHz)の電磁波を試料へ垂直に照射し、反射波および透過波を測定した。なお、厚みt=3mmのアルミニウム板(A1070)の反射率を100%として校正を実施した後、測定を実施した。
なお、JIS R 1679:2007にて電磁波の反射率を測定するため、サンプルで反射されない電磁波は透過するように測定を実施した。
(下地金属粒子分散液)
濃度5mg/mLのナノ粒子(平均粒径5nm)水分散液99質量部に、添加剤としてPDP(ポリビニルピロリドン)40kDaを0.01質量部、添加剤として、酸価70の界面活性剤を1質量部添加し、溶解させて均一に攪拌し、下地金属粒子分散液を得た。
濃度5mg/mLのナノ粒子(平均粒径5nm)水分散液99質量部に、添加剤としてPDP(ポリビニルピロリドン)40kDaを0.01質量部、添加剤として、酸価70の界面活性剤を1質量部添加し、溶解させて均一に攪拌し、下地金属粒子分散液を得た。
(脱脂液)
精製水97質量部に奥野製薬工業(株)製OICクリーナーを3質量部添加し、均一に攪拌し、脱脂液を得た。
精製水97質量部に奥野製薬工業(株)製OICクリーナーを3質量部添加し、均一に攪拌し、脱脂液を得た。
(プリディップ用触媒金属粒子分散液)
精製水80質量部に、奥野製薬工業(株)製OICアクセラBを20質量部添加し、均一に攪拌し、プリディップ用触媒金属粒子分散液を得た。
精製水80質量部に、奥野製薬工業(株)製OICアクセラBを20質量部添加し、均一に攪拌し、プリディップ用触媒金属粒子分散液を得た。
(触媒金属粒子分散液)
精製水77質量部に、奥野製薬工業(株)製OICアクセラAを3質量部、OICアクセラBを20質量部添加し、均一に攪拌し、触媒金属粒子分散液を得た。
精製水77質量部に、奥野製薬工業(株)製OICアクセラAを3質量部、OICアクセラBを20質量部添加し、均一に攪拌し、触媒金属粒子分散液を得た。
(めっき金属分散液)
精製水78.6質量部に奥野製薬工業(株)製、銅めっき液OPCカッパーHFS-Mを15質量部、OPCカッパーHFS-Aを6質量部、OPCカッパーHFS-C0.4質量部を溶解して均一に攪拌し、めっき金属分散液を得た
精製水78.6質量部に奥野製薬工業(株)製、銅めっき液OPCカッパーHFS-Mを15質量部、OPCカッパーHFS-Aを6質量部、OPCカッパーHFS-C0.4質量部を溶解して均一に攪拌し、めっき金属分散液を得た
<実施例1>
基体としてのポリエステルフィルム(寸法:50mm×50mm×厚み0.25mm、全光線透過率88.3%、表面抵抗率1010Ω/□以上、弾性率5000MPa、熱収縮率0.5%、融点260℃、ガラス転移温度75℃、三菱ケミカル(株)製)の表面に、下地金属粒子分散液を60μL塗布して展開し、その上に、ステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.03mm、メッシュピッチ101.6μm)を配置し、温度25℃、湿度50%RH雰囲気下の室内で3時間静置して乾燥させた。網目状金属体をガラス基体の表面から外すと、ガラス基体上に、前記網目状金属体と合致した形状の網目状の下地層が形成された。
この下地層は、光学顕微鏡で平面視したところ、複数の島状部が独立して存在してなる構成であった。また、レーザ顕微鏡(オリンパスOLS3000)で縦断面視したところ、線幅方向両側よりも中央部の方がより上方に膨らんだ形状を呈していた。
基体としてのポリエステルフィルム(寸法:50mm×50mm×厚み0.25mm、全光線透過率88.3%、表面抵抗率1010Ω/□以上、弾性率5000MPa、熱収縮率0.5%、融点260℃、ガラス転移温度75℃、三菱ケミカル(株)製)の表面に、下地金属粒子分散液を60μL塗布して展開し、その上に、ステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.03mm、メッシュピッチ101.6μm)を配置し、温度25℃、湿度50%RH雰囲気下の室内で3時間静置して乾燥させた。網目状金属体をガラス基体の表面から外すと、ガラス基体上に、前記網目状金属体と合致した形状の網目状の下地層が形成された。
この下地層は、光学顕微鏡で平面視したところ、複数の島状部が独立して存在してなる構成であった。また、レーザ顕微鏡(オリンパスOLS3000)で縦断面視したところ、線幅方向両側よりも中央部の方がより上方に膨らんだ形状を呈していた。
次に、前述のように下地層が形成された基体を、140℃で2時間乾燥した後、脱脂液に3分間浸漬した後、水洗し、プリディップ用触媒金属粒子分散液中に30秒間浸漬した後、触媒金属粒子分散液中に浸漬させ、10分間、25℃で触媒付与を行った後、さらに、めっき金属分散液中に浸漬させ、20分間、40℃で無電解銅メッキ(導電率58.5(mS/mm2))を行い、導電性フィルム(サンプル)を得た。
めっき液の攪拌はエアー攪拌(バブリング)で行った。メッキ処理後に水洗い、乾燥を行った。
めっき液の攪拌はエアー攪拌(バブリング)で行った。メッキ処理後に水洗い、乾燥を行った。
<実施例2>
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.03mm、メッシュピッチ84.7μm)に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.03mm、メッシュピッチ84.7μm)に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
<実施例3>
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.023mm、メッシュピッチ63.5μm)に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.023mm、メッシュピッチ63.5μm)に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
<実施例4>
基体としての無アルカリガラス(コーニング製 EAGLE-XG(寸法:50mm×50mm×厚み0.4mm、全光線透過率92.9%、表面抵抗率1010Ω/□以上))の表面に、下地金属粒子分散液60μLを塗布して展開し、その上に、ステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.03mm、メッシュピッチ101.6μm)を配置し、温度25℃、湿度50%RH雰囲気下の室内で3時間静置して乾燥させた。
下地層が形成された基体を、300℃で1時間乾燥した後、脱脂液に3分間浸漬した後、水洗し、プリディップ用触媒金属粒子分散液中に30秒間浸漬した後、触媒金属粒子分散液中に浸漬させ、3分間、25℃で触媒付与を行った後、さらに、めっき金属分散液中に浸漬させ、3分間、40℃で無電解銅メッキ(導電率58.5(mS/mm2))を行い、導電性フィルム(サンプル)を得た。
基体としての無アルカリガラス(コーニング製 EAGLE-XG(寸法:50mm×50mm×厚み0.4mm、全光線透過率92.9%、表面抵抗率1010Ω/□以上))の表面に、下地金属粒子分散液60μLを塗布して展開し、その上に、ステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.03mm、メッシュピッチ101.6μm)を配置し、温度25℃、湿度50%RH雰囲気下の室内で3時間静置して乾燥させた。
下地層が形成された基体を、300℃で1時間乾燥した後、脱脂液に3分間浸漬した後、水洗し、プリディップ用触媒金属粒子分散液中に30秒間浸漬した後、触媒金属粒子分散液中に浸漬させ、3分間、25℃で触媒付与を行った後、さらに、めっき金属分散液中に浸漬させ、3分間、40℃で無電解銅メッキ(導電率58.5(mS/mm2))を行い、導電性フィルム(サンプル)を得た。
<実施例5>
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.065mm、メッシュピッチ169.3μm)に変え、さらに実施例1の下地金属粒子分散液に含まれる添加剤の添加量を3.0質量部に変えた以外、実施例1と同様の導電性フィルム(サンプル)を得た。
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.065mm、メッシュピッチ169.3μm)に変え、さらに実施例1の下地金属粒子分散液に含まれる添加剤の添加量を3.0質量部に変えた以外、実施例1と同様の導電性フィルム(サンプル)を得た。
<実施例6>
実施例1の下地金属粒子分散液に含まれる添加剤の添加量を1.5質量部に変えた以外、実施例1と同様の導電性フィルム(サンプル)を得た。
実施例1の下地金属粒子分散液に含まれる添加剤の添加量を1.5質量部に変えた以外、実施例1と同様の導電性フィルム(サンプル)を得た。
<実施例7>
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.08mm、メッシュピッチ211.7μm)に変え、さらにめっき金属分散液中の浸漬時間を30分間に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.08mm、メッシュピッチ211.7μm)に変え、さらにめっき金属分散液中の浸漬時間を30分間に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
<比較例1>
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.08mm、メッシュピッチ211.7μm)に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.08mm、メッシュピッチ211.7μm)に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
<比較例2>
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.065mm、メッシュピッチ169.3μm)に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
実施例1のステンレス製ワイヤからなる正方形網目状を呈する網目状金属体を、網目状金属体(平織りの金網、ワイヤ断面円形状、ワイヤ直径0.065mm、メッシュピッチ169.3μm)に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
<比較例3>
実施例1のめっき金属分散液中の浸漬時間を10分間に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
実施例1のめっき金属分散液中の浸漬時間を10分間に変えた以外、実施例1と同様に導電性フィルム(サンプル)を得た。
(考察)
実施例1と同様に、実施例2ないし7で作製した下地層は、光学顕微鏡で平面視したところ、複数の島状部が独立して存在してなる構成であった。また、レーザ顕微鏡(オリンパスOLS3000)で縦断面視したところ、線幅方向両側よりも中央部の方がより上方に膨らんだ形状を呈していた。
実施例1と同様に、実施例2ないし7で作製した下地層は、光学顕微鏡で平面視したところ、複数の島状部が独立して存在してなる構成であった。また、レーザ顕微鏡(オリンパスOLS3000)で縦断面視したところ、線幅方向両側よりも中央部の方がより上方に膨らんだ形状を呈していた。
実施例1から7はいずれも、導電層の線状部の線幅が0.5~20.0μmの範囲内であり、電磁波を照射したときの反射率が90%以上であり、透明性および導電性に優れていることが確認された。
これに対し、比較例1から3はいずれも、電磁波を照射したときの反射率が90%未満であり、導電性に劣るものであった。
比較例1および2は、それぞれ導電層の線状部のピッチが大きいことと、下地層の面積の総和が大きくて、体積比(めっき層/下地層)が小さいこと、また比較例3は導電層の線状部のピッチは比較的小さいが、めっき層の厚さが薄く、体積比(めき層/下地層)が小さいことが原因で、表面抵抗率が大きく、電磁波を照射したときの反射率が90%未満であったものと推定できる。
これに対し、比較例1から3はいずれも、電磁波を照射したときの反射率が90%未満であり、導電性に劣るものであった。
比較例1および2は、それぞれ導電層の線状部のピッチが大きいことと、下地層の面積の総和が大きくて、体積比(めっき層/下地層)が小さいこと、また比較例3は導電層の線状部のピッチは比較的小さいが、めっき層の厚さが薄く、体積比(めき層/下地層)が小さいことが原因で、表面抵抗率が大きく、電磁波を照射したときの反射率が90%未満であったものと推定できる。
網目状導電パターンを構成する線状部の中心から隣の線状部の中心までの間隔(ピッチ)をx軸とし、下地層の含有割合(体積%)に対する、めっき層の含有割合(体積%)の比率(めっき層/下地層)をy軸とする座標中に、実施例1~7及び比較例1~3の結果をプロットして図2を作製した。この結果、優れた電磁波のシールド効果と透光性を両立している実施例1~7は全て、y=0.237e0.0243x の左側の領域に位置しており、以下の式[1]を満たしていることが分かった。
y≧0.237e0.0243x [1]
y≧0.237e0.0243x [1]
これより、優れた電磁波のシールド効果と透光性を両立するためには、下地層の含有割合(体積%)に対するめっき層の含有割合(体積%)の比率(めっき層/下地層)と、網目状導電パターンを構成する線状部の中心から隣の線状部の中心までの間隔(ピッチ)との関係が、上記式[1]を満たす場合には、優れた電磁波シールド性能と透光性が両立できることを見出した。
Claims (17)
- 無機材料、ガラス材料又は高分子材料からなる基体表面上に、線状部からなる網目状導電パターンを有する導電層を備えた導電性フィルムであって、
前記網目状導電パターンを構成する線状部は、下地層とめっき層とを備えており、該めっき層は、導電率10~200mS/mm2の金属又はその合金を主材としてなる層であり、前記下地層は、前記めっき層の主材である金属よりもイオン化傾向の大きな金属又はその合金を主材としてなる層であり、
前記導電層の前記線状部の線幅が0.5~20.0μmであり、
ホーンアンテナ法(自由空間法)で測定される、バンドka(26.5~45GHz)の電磁波を3mm厚のアルミ板に照射した際の反射率を100%とした場合の反射率が90~100%である導電性フィルム。 - 表面抵抗率が0.05~2.5Ω/□である、請求項1に記載の導電性フィルム。
- 前記めっき層の主材は、Cu又はその合金である、請求項1又は2に記載の導電性フィルム。
- 前記下地層の主材は、Ag又はその合金である、請求項1~3の何れかに記載の導電性フィルム。
- 前記線状部は、前記下地層と前記めっき層との間に触媒層を備えた、請求項1~4の何れかに記載の導電性フィルム。
- 前記触媒層の主材は、Pd又はその合金である、請求項5に記載の導電性フィルム。
- 前記導電層を構成する網目状導電パターンは、平面視した際、線状部からなる格子状を呈し、当該線状部の線幅が0.5~20.0μmであり、隣の線状部の中心との間隔(「ピッチ」と称する)が30.0~350.0μmである、請求項1~6の何れかに記載の導電性フィルム。
- 前記めっき層は、無電解めっき層であり、その層厚さは0.5~10.0μmである、請求項1~7の何れかに記載の導電性フィルム。
- 下地層の含有割合(体積%)に対する、めっき層の含有割合(体積%)の比率(めっき層/下地層)は1.2~10.0である、請求項1~8の何れかに記載の導電性フィルム。
- 前記めっき層の含有割合(体積%)の比率と前記ピッチとが以下の式[1]を満たす、請求項9に記載の導電性フィルム。
y≧0.237e0.0243x [1]
(式[1]において、xは網目状導電パターンを構成する線状部の中心から隣の線状部の中心までの間隔(ピッチ)、yはめっき層の含有割合(体積%)の比率(めっき層/下地層)をそれぞれ表す。) - 前記式[1]のxが30.0μm以上、350μm以下である、請求項10に記載の導電性フィルム。
- 前記下地層は、平面視した際、複数の島状部からなる構成を備えたものである、請求項1~11の何れかに記載の導電性フィルム。
- 前記下地層は、縦断面視した際、線幅両側よりも中央部の方がより上方に膨らんだ形状を呈する、請求項1~12の何れかに記載の導電性フィルム。
- 全光線透過率が65%以上である、請求項1~13の何れかに記載の導電性フィルム。
- 請求項1~14の何れかに記載の導電性フィルムの導電層側に、粘着層及び離型層がこの順に積層してなる構成を備えた積層フィルム。
- 請求項1~14の何れかに記載の導電性フィルムの基体側に、保護層が積層してなる構成を備えた請求項15に記載の積層フィルム。
- 無機材料、ガラス材料又は高分子材料からなる基体表面上に、下地金属粒子を含有してなる分散液を展開させると共に、網目状の金属ワイヤからなる網目状金属体を前記基体表面上に配置し、次に、前記下地金属粒子を含有してなる分散液を乾燥させることで、下地金属粒子を、前記基体と前記網目状金属体との接点近傍に凝縮させ、前記網目状金属体を前記基体から外すことで、金属粒子からなる網目状パターンからなる下地層を前記基体表面に形成し、次に、前記網目状パターン(下地層)上に、めっきを施すことによりめっき層を形成するようにして、基体表面上に、線状部からなる網目状導電パターンを有する導電層を形成することを特徴とする、導電性フィルムの製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
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JP2021017196 | 2021-02-05 | ||
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JP2022016140A Pending JP2022120829A (ja) | 2021-02-05 | 2022-02-04 | 導電性フィルム |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US12105923B2 (en) | 2022-11-29 | 2024-10-01 | Fujifilm Corporation | Touch sensor |
-
2022
- 2022-02-04 JP JP2022016140A patent/JP2022120829A/ja active Pending
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