JP2022119291A - 乳性飲料 - Google Patents
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Abstract
Description
乳性飲料において色調等の劣化を抑制する方法としては、例えば特許文献1に記載の発明が提案されている。また、出願人も特許文献2に記載の発明を提案している。
本発明は、乳性飲料において白色度を高めることができる新規な技術を提供することを目的とする。
[1]
飲料中の無脂乳固形分量が1.0質量%以上である乳性飲料であって、
大豆多糖類およびフィチン酸を含む乳性飲料。
[2]
前記大豆多糖類の含有量が0.05~1.0質量%である、[1]に記載の乳性飲料。
[3]
前記フィチン酸の含有量が0.05~0.5質量%である、[1]または[2]に記載の乳性飲料。
[4]
ペクチンを非含有である、[1]から[3]のいずれか一つに記載の乳性飲料。
[5]
濃縮飲料である、[1]から[4]のいずれか一つに記載の乳性飲料。
[6]
透明な容器に充填されている容器詰め飲料である、[1]から[5]のいずれか一つに記載の乳性飲料。
[7]
糖度が25以上である、[1]から[6]のいずれか一つに記載の乳性飲料。
[8]
乳性飲料の白色度を高める方法であって、
飲料中の無脂乳固形分量を1.0質量%以上とするとともに、大豆多糖類およびフィチン酸を含有させることを含む方法。
[9]
前記大豆多糖類の含有量を0.05~1.0質量%として飲料中に含有させる、[8]に記載の方法。
[10]
前記フィチン酸の含有量を0.05~0.5質量%として飲料中に含有させる、[8]または[9]に記載の方法。
[11]
前記乳性飲料がペクチンを非含有である、[8]から[10]のいずれか一つに記載の方法。
[12]
前記乳性飲料が濃縮飲料である、[8]から[11]のいずれか一つに記載の方法。
[13]
前記乳性飲料が透明な容器に充填されている容器詰め飲料である、[8]から[12]のいずれか一つに記載の方法。
[14]
前記乳性飲料の糖度を25以上とする、[8]から[13]のいずれか一つに記載の方法。
本実施形態は、白色の外観(容器詰め飲料である場合にはその内容物の外観)を有する乳性飲料に関する。本実施形態の乳性飲料は、無脂乳固形分量が1.0質量%以上であり、大豆多糖類およびフィチン酸を含む。
本実施形態において、原材料として用いる乳は、動物又は植物由来のいずれの乳であってもよい。例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、豆乳等の植物乳を用いることができ、牛乳が一般的である。これらの乳は、単独又は二種類以上の混合物として用いることができる。また、これらの乳を、乳酸菌やビフィズス菌等の微生物を用いて発酵させた発酵乳として用いることもできる。
乳の形態は特に限定されず、例えば、全脂乳、脱脂乳、乳清、乳蛋白濃縮物が挙げられ、また、粉乳や濃縮乳から還元した乳も使用できる。
飲料における無脂乳固形分量の調整は、例えば、原材料として使用される乳の形態や量を調整するなどして行うことができる。また、飲料中の無脂乳固形分量は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができるほか、ケルダール法などにより測定することができる。
大豆多糖類とは、大豆に由来する水溶性の多糖類をいう。
大豆多糖類は、特に限定されないが、例えば、乳蛋白質の安定化剤として知られたものが使用でき、大豆製品の製造工程において副生するオカラ(繊維状の絞りかす)から抽出精製された多糖類であって、含有されるガラクツロン酸のカルボキシル基に由来して酸性下マイナスに帯電しているものなどが使用できる。市販品としては、例えば、商品名「SM-1200」(三栄源エフ・エフ・アイ社製)などが挙げられる。
大豆多糖類は、ペクチンと比較してより少ない量で本実施形態の乳性飲料中の乳蛋白質の安定性を改善でき、好ましい。
なお、フィチン酸が本実施形態の飲料中にどのようにして含有されるようになるかは特に限定されず、単独で飲料中に添加されてもよいほか、他の物質(例えば、果汁や酸味料など)との混合物として飲料中に添加されてもよい。
本実施形態の乳性飲料において、大豆多糖類の含有量は特に限定されず、当業者が適宜設定できるが、飲料中の乳蛋白質の安定性を改善できるため、0.05~1.0質量%であることが好ましく、さらにより好ましくは0.1~0.5質量%である。
本実施形態の乳性飲料において、フィチン酸の含有量も特に限定されず、当業者が適宜設定できるが、より白色度を高めることができるため、0.05~0.5質量%であることが好ましい。
また、本実施形態の乳性飲料において、大豆多糖類とフィチン酸の含有量の比率についても特に限定されず、当業者が適宜設定できるが、乳蛋白質安定性の観点から、フィチン酸1質量部に対し大豆多糖類0.5~5質量部が好ましく、フィチン酸の含有量が0.15質量%以下であり且つフィチン酸1質量部に対し大豆多糖類1~5質量部との関係を満たすことがより好ましい。
W(白色度)=100-sqr〔(100-L)2+(a2+b2)〕
加熱後白色度-加熱前白色度>0
また、飲料中の大豆多糖類、フィチン酸の含有量は、例えば製造に用いられる原材料に基づき算出することができる。
本明細書において糖度(Brix)とは、20℃における糖用屈折計の示度であり、例えば、デジタル屈折計Rx-5000α(アタゴ社製)を使用して20℃で測定した飲料における可溶性固形分量を意味する。糖度の調整は、例えば原材料として使用される乳の形態や量の調整、後述する糖度調整剤の配合などにより行うことができる。
なお、糖度の上限値については特に限定されないが、製造時における粘度との関係から、60以下が好ましい。
本実施形態の飲料において含有される他の成分としては、例えば、水の他、pH調整のための酸味料、果汁や、糖度調整剤、乳タンパク質安定化剤、高甘味度甘味料、香料、色素などが挙げられる。
なお、本実施形態の飲料においては、飲料の粘度が上がってしまうことにより、製造時のライン送液が悪く、食感(テクスチャー)への影響が大きいとの観点、また、飲料の糖度が高い場合にはゲル化してしまうという観点から、ペクチンを含有しないことが好ましい。
果汁としては、例えば、オレンジ、レモン、グレープフルーツ等の柑橘系の果汁や、ブドウ、モモ、リンゴ、バナナなどの果汁が挙げられる。
なお、本実施形態の乳性飲料において、pHは特に限定されず当業者が適宜設定できるが、例えばpHを7未満とすることができ、より好ましくは4未満とすることができる(このとき、酸性乳性飲料とも称される)。
pHの調整は、例えば、酸味料を使用する方法が挙げられるほか、発酵乳を使用する方法、果汁を使用する方法、またはこれらの方法を併用する方法により行うこともできるが、所望のpHとすることができれば特に限定されない。
容器としては、例えば、ガラス製、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック製、紙製、アルミ製、スチール製の密封容器が挙げられる。このうち、透明な容器(内容物を透けて見ることができ、内容物の外観を開封することなく確認できる容器)に充填されている飲料は内溶液を視認しやすいため、本実施形態の構成が適用されることが好ましい。
具体的には、乳と、大豆多糖類およびフィチン酸と、必要によって加えられる液体原料などのその他の成分とを、無脂乳固形分量:1.0質量%以上となるように混合する工程を含む方法により本実施形態の飲料を製造することができる。
液体原料は水のほか、上述の他の成分の溶液や分散液であってもよい。乳、大豆多糖類およびフィチン酸は液体原料に同時に配合されてもよく、また、それぞれが別々に液体原料に配合されてもよく、さらにその順番も特に限定されない。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されないが、温度5~25℃で圧力10~50Mpaの条件が好ましく挙げられる。また、均質化処理は、殺菌処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理は、65℃で10分間相当以上の条件(例えば、80~120℃で1~300秒間)で飲料を加熱するなどして行うことができる。また、殺菌処理の方法は当該方法に限定されるものではなく、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。また、殺菌処理は、均質化処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うか、または容器充填前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
以下の試験においては、実施例、比較例について発酵乳をベースにBx45となるよう糖度を調整した。フィチン酸、大豆多糖類の量を増減させて、殺菌前後と加速試験(55℃7日)後の白色度および粒子径を測定した。また、殺菌後の粘度も測定した。
以下に示す手順に従い、実施例および比較例の飲料を調製した。
実施例1~8:発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、大豆多糖類(三栄源エフ・エフ・アイ株式会社、SM-1200、以下同じ。)、フィチン酸、50%乳酸、100質量%とする量の水の順で投入した。
比較例1:発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、50%乳酸、100質量%とする量の水の順で投入した。
比較例2:発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、フィチン酸、50%乳酸、100質量%とする量の水の順で投入した。
比較例3:発酵乳をよく撹拌し、そこに砂糖、大豆多糖類、50%乳酸、100質量%とする量の水の順で投入した。
各混合物について、ホモゲナイザーを用いて15Mpaの圧力で均質化した後、85℃で2~3秒間加熱し、瓶に充填した後に30秒間倒置し、水冷し、実施例および比較例の容器詰め乳性飲料を得た。
各飲料の乳酸酸度(%)は1.24に調整し、また、pHは3.20に調整した。
実施例および比較例の各飲料について、分光測色色差計(CM-5 コニカミノルタ株式会社)を用いて、L値(明度)、a値およびb値(色相・彩度)を測定し(条件:シャーレ、反射光、30mm)、次式により白色度を算出した。白色度の測定は、上述の飲料の85℃での2~3秒間の加熱の前後と加速試験後に行った。加速試験は、瓶に詰めた状態で55℃のインキュベータに7日間静置することにより行い、その後、5℃に冷却した。
W(白色度)=100-sqr〔(100-L)2+(a2+b2)〕
乳蛋白質粒子径を測定することにより、飲料中の乳蛋白質の安定性を判断でき、より値が小さいほうが飲料中の乳蛋白質がより安定に存在しているといえる。
実施例、比較例の各飲料の上記殺菌前後で乳蛋白粒子の粒径(直径)及び粒度分布を粒度分布測定装置(型式LA-960、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。粒径としてはメジアン径を採用した。
殺菌した実施例、比較例の飲料を5℃に調温し、粘度をビスメトロン粘度計(型式VDA、芝浦セムテック(株))を用いて測定した。
Claims (14)
- 飲料中の無脂乳固形分量が1.0質量%以上である乳性飲料であって、
大豆多糖類およびフィチン酸を含む乳性飲料。 - 前記大豆多糖類の含有量が0.05~1.0質量%である、請求項1に記載の乳性飲料。
- 前記フィチン酸の含有量が0.05~0.5質量%である、請求項1または2に記載の乳性飲料。
- ペクチンを非含有である、請求項1から3のいずれか一つに記載の乳性飲料。
- 濃縮飲料である、請求項1から4のいずれか一つに記載の乳性飲料。
- 透明な容器に充填されている容器詰め飲料である、請求項1から5のいずれか一つに記載の乳性飲料。
- 糖度が25以上である、請求項1から6のいずれか一つに記載の乳性飲料。
- 乳性飲料の白色度を高める方法であって、
飲料中の無脂乳固形分量を1.0質量%以上とするとともに、大豆多糖類およびフィチン酸を含有させることを含む方法。 - 前記大豆多糖類の含有量を0.05~1.0質量%として飲料中に含有させる、請求項8に記載の方法。
- 前記フィチン酸の含有量を0.05~0.5質量%として飲料中に含有させる、請求項8または9に記載の方法。
- 前記乳性飲料がペクチンを非含有である、請求項8から10のいずれか一つに記載の方法。
- 前記乳性飲料が濃縮飲料である、請求項8から11のいずれか一つに記載の方法。
- 前記乳性飲料が透明な容器に充填されている容器詰め飲料である、請求項8から12のいずれか一つに記載の方法。
- 前記乳性飲料の糖度を25以上とする、請求項8から13のいずれか一つに記載の方法。
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