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JP2022103204A - 自発光型表示体 - Google Patents

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Abstract

【課題】遮光層を含んで構成される自発光型表示体の層構成を、従来の自発光型表示体よりも簡略化することを目的とする。【解決手段】複数の発光素子10が、配線基板20に実装されてなる、発光モジュール30と、オレフィン系樹脂をベース樹脂とし、黒色顔料を含む樹脂シートである黒色封止材シート1と、透明光学層2と、を備え、黒色封止材シート1は、発光素子10の天面と側面、及び、配線基板20の表面を被覆して、発光モジュール30に積層されていて、透明光学層2は、黒色封止材シート1に積層されている、自発光型表示体100とする。【選択図】図2

Description

本発明は、自発光型表示体に関する。詳しくは、マイクロLEDテレビに代表される自発光型表示体であって、独自の設計思想により、従来の自発光型表示体よりも層構成が簡略化されている自発光型表示体に関する。
各種の液晶式の表示装置に代わる次世代型の表示装置として、マイクロLEDテレビに代表される自発光型表示体の開発が進んでいる(特許文献1参照)。
この自発光型表示体においては、LED素子等の発光素子が配線基板に実装されて構成されているLEDモジュールの発光面側の表面に、発光素子を保護するための透明な封止材シートが積層されている(特許文献2参照)。
そして、多くの自発光型表示体において、可視光を吸収する材料を含む黒色の樹脂フィルム等からなる遮光層が、上記の透明な封止材シート上に更に積層されている(特許文献3参照)。この遮光層は、自発光型表示体において光源となる発光素子が実装されている基板等に反射した光が、表示される映像品位に悪影響を及ぼすことを回避するために配置されるものである。
特開2018-14481号公報 特開2014-148584号公報 特開2015-197543号公報
本発明は、上記のように遮光層を含んで構成される自発光型表示体の層構成を、従来の自発光型表示体よりも簡略化することを目的とする。
本発明者らは、独自の設計思想により、従来の自発光型表示体においても、光源となる発光素子が実装されている基板上に配置されていた透明な封止材を、黒色の封止材とすることにより、遮光層を含んで構成される自発光型表示体の層構成を、従来よりも簡略化することができることに想到し、本発明を完成するに至った。具体的に本発明は以下のものを提供する。
(1) 複数の発光素子が配線基板に実装されてなる発光モジュールと、オレフィン系樹脂をベース樹脂とし、可視光線透過率が5%以上70%以下の黒色封止材シートと、透明光学層と、を備え、前記黒色封止材シートは、前記発光素子及び、前記配線基板の表面を被覆して、前記発光モジュールに積層されていて、前記透明光学層は、前記黒色封止材シートに積層されている、自発光型表示体。
(1)の発明によれば、遮光層を含んで構成される自発光型表示体の層構成を、従来の自発光型表示体よりも簡略化することができる。これにより、マイクロLEDテレビに代表される自発光型表示体の生産性を向上させることができる。
(2) 前記黒色封止材シートに含まれている黒色顔料がカーボンブラックであって、前記黒色封止材シートの樹脂成分中の該カーボンブラックの含有量が、0.0001質量%以上0.08質量%以下である(1)に記載の自発光型表示体。
(2)の発明においては、黒色封止材シートの樹脂成分中のカーボンブラックの含有量が、0.0001質量%以上であることにより、安定して十分に斑の少ない着色が可能であり、一方で同含有量が、0.08質量%以下であることにより、LEDの光を適切な透過率で透過させることが可能である。
(3) 前記黒色封止材シートには、一種又は複数種の金属石鹸からなる分散剤が含有されていて、前記黒色封止材シートの樹脂成分中の前記分散剤の含有量が、0.00001質量%以上0.002質量%以下である(1)又は(2)に記載の自発光型表示体。
(3)の発明は、可視光線透過率が5%以上の透過性のある黒色のシートを製膜する場合には、特に顔料の分散性を高める事が必須となるが、上記範囲内で、分散剤を添加することにより、製膜中のスクリューの滑りを防ぎながら、顔料の分散性を十分に高めることができる。
(4) 前記配線基板の支持基板がガラスエポキシ系の硬質基板であって、該支持基板のLED素子実装面側の表面の色が、白及び黒以外の有色である(1)から(3)のいずれかに記載の自発光型表示体。
(4)の発明は、支持基板として、茶系色を代表とする有色のガラスエポキシ系の基板を用いるマイクロLED表示装置等の自発光型表示体において、内部に配置される支持基板が例えば茶色系等の有色面である場合に特に問題となりやすい、基板からの反射光による表示品位の低下を有効に低減させることができる。
(5) 前記発光素子が、LED素子である、(1)から(4)のいずれかに記載の自発光型表示体。
(5)の発明は、次世代型モニターの主流として期待されるマイクロLEDテレビを代表とする各種の自発光型のLED表示装置への本発明の適用である。これにより、従来品よりも生産性に優れる、自発光型のLED表示装置を得ることができる。
(6) 前記LED素子が、LED発光チップと該LED発光チップを被覆する樹脂カバーとを有し、該LED素子の幅及び奥行きが、いずれも300μm以下であり、高さが、200μm以下であって、各々の該LED素子の配置間隔が、0.03mm以上100mm以下である、(5)に記載の自発光型表示体。
(6)の発明は、多数のLEDチップを基板に直接実装したチップオンボード方式でLED素子を密に実装した高精細度のドットマトリクス表示装置等に、(5)の自発光型表示体を適用したものである。これにより、生産性に優れる高精細度のLED表示装置を得ることができる。
(7) 前記LED素子の幅及び奥行きが、いずれも50μm以下であり、高さが、10μm以下であって、各々の該LED素子の配置間隔が、0.05mm以上5mm以下である、(6)に記載の自発光型表示体。
(7)の発明は、近年開発が進みつつあり、次世代映像表示装置として期待される「マイクロLEDテレビ」に(5)の自発光型表示体を適用したものである。これにより、生産性に優れる、超高精細度のLED表示装置を得ることができる。
本発明によれば、遮光層を含んで構成される自発光型表示体の層構成を、従来の自発光型表示体よりも簡略化することができ、マイクロLEDテレビ等の各種の自発光型表示体の生産性の向上に寄与することができる。
本発明の自発光型表示体用の画像表示面の平面図及びその部分拡大平面図である。 図1のA-A部分の断面を表した図であり、本発明の自発光型表示体の層構成を模式的に示す図である。 図1の自発光型表示体を構成する本発明に係る黒色封止材シートの層構成を模式的に示す図である。 図1の自発光型表示体用のLEDモジュールを構成するLED素子の斜視図である 従来の自発光型表示体の層構成を模式的に示す図である。
<自発光型表示体>
先ず、本明細書における「自発光型表示体」とは、上記において例示したマイクロLEDテレビに代表される表示装置であり、文字・画像・動画等の視覚情報の表示装置である。この表示装置は、微少且つ多数の発光素子を配線基板上にマトリクス状に実装し、各発光素子をこれに接続された発光制御手段により選択的に発光させることにより、上記の視覚情報を、各発光素子の点滅により直接的に表示画面上に表示することができる表示装置である。
そして、本発明の「自発光型表示体」は、特には、発光素子としてLED素子を用いるLED表示装置として好ましく実施することができる。又、この場合のLED素子は、「微少サイズのLED素子」であることがより好ましい。本明細書においては、「微少サイズのLED素子」とは、具体的に、LED発光チップと、それを被覆する樹脂カバーとを含んだ発光素子全体のサイズについて、幅(W)及び奥行き(D)が、いずれも300μm以下であり、高さ(H)が、200μm以下であるLED素子のことを言うものとする(図4参照)。
又、この「微少サイズのLED素子」のサイズについては、幅及び奥行きが、いずれも50μm以下であり、高さが、10μm以下であることが、より好ましい。尚、このサイズ範囲は、近年開発が進み、次世代型テレビの主流となることが期待されるマイクロLEDテレビに実装されるLED素子の標準的なサイズ範囲である。以下、本明細書においては、幅及び奥行きが、いずれも50μm以下であり、高さが、10μm以下の微少サイズのLED素子が、数μm~数十μm程度のピッチで、数1000×数1000程度以上の個数でマトリクス状に配置されている自発光型表示体を「マイクロLED表示装置」と称する。
そして、以下においては、「自発光型表示体」が「マイクロLED表示装置」である場合の実施形態を、本発明の様々な実施形態のうちの特に好ましい具体的な一例として取上げながら、本発明の詳細な説明を行う。但し、本発明の技術的範囲は「マイクロLED表示装置」のみへの適用に限定されるものではない。上述の定義による「自発光型表示体」全般にも適用可能な技術である。
[マイクロLED表示装置]
図1は、本発明の自発光型表示体の一実施形態であるマイクロLED表示装置100の正面図、及び、その部分拡大図(100A)である。又、図2は、図1のA-A部分の断面を表した断面図であり、図1に示したマイクロLED表示装置100(100B)の層構成の説明に供する図面である。このマイクロLED表示装置100(100B)は、「発光素子」として多数の微少サイズの「LED素子10」が、配線基板20に実装されてなる自発光型表示体用の「発光モジュール」である「LEDモジュール30」を備える自発光型表示装置である。各々のLED素子10は、別途接合されるICチップ基板等の発光制御手段(図示せず)により、それぞれ個別にその発光が制御される。
マイクロLED表示装置100(100B)においては、図2に示す通り、LEDモジュール30のLED素子10の実装面に、LED素子10を被覆する態様で、可視光線透過率が5%以上70%以下の樹脂シートである黒色封止材シート1が積層されている。又、この黒色封止材シート1は、LED素子(発光素子)10の天面と全ての側面、及び、配線基板20の表面に密着して、LEDモジュール(発光モジュール)30に積層されていることが好ましい。黒色封止材シート1が、優れたモールディング性により、LED素子10の側面にも密着していることにより、特にLED素子が側面からも発光するタイプのものである場合に、側面から発光された光がガラスエポキシ系の基板上に照射され基板の色が反射してディスプレイ表面から漏れる事により、色バランスが崩れ色再現性の悪いディスプレイとなる事を防ぐことができる。又、特許文献3に開示されている発光モジュールでは、LED素子の直上において遮光層には貫通穴が形成されていたが、マイクロLEDテレビ等の自発光型表示体においては、液晶テレビよりも高輝度の発光が可能であり、色再現性を高めるためにも、開口部を有さない遮光層を適用する事が可能である。尚、黒色封止材シート1の組成や層構成等の詳細については後述する。
そして、マイクロLED表示装置100(100B)においては、同じく図2に示す通り、各種の光学フィルム等からなる透明光学層2が、更に黒色封止材シート1の外表面側(マイクロLED表示装置100における表示面側)に積層されている。
ここで、特許文献3等にも開示されている通り、従来のマイクロLED表示装置100Cにおいては、図5に示す通り、LEDモジュール(発光モジュール)30の表面には、透明な封止材1Cが積層されており、その表面に接着剤層3Aを介して、遮光層4が別途に配置されていた。そして、上記同様の透明光学層2が、更に、遮光層4の表面に接着剤層3Bを介して積層されている構成とされていた。
これに対して、本発明のマイクロLED表示装置100(100B)(図2参照)においては、図5に示す従来のマイクロLED表示装置100Cにおける封止材1CのLED素子保護機能と、遮光層4との光学的機能と、を、黒色封止材シート1のみに担わせる構成とし、これにより、従来品の各機能を保持したまま、表示装置全体の層構成を簡略化している。
尚、本発明においては、複数の自発光型表示体用のLEDモジュール30を、同一平面上においてマトリクス状に接合し、接合されたLEDモジュールに、上記と同様に、黒色封止材シート1を積層することによって、大型の自発光型表示体用のLEDモジュール、更には、大型のマイクロLED表示装置を構成することができる。この場合に、黒色封止材シート1の熱プレス加工後における優れた膜厚の均一性が、接合される個々のLEDモジュール間の接合部における表示面の均一性を保持し、そのような大型のマイクロLED表示装置の映像品位の向上にも寄与することができる。
(マイクロLED表示装置の製造方法)
マイクロLED表示装置100(100B)は、配線基板20にLED素子10が実装されてなる自発光型表示体用のLEDモジュール30、黒色封止材シート1、透明光学層2を積層してなる積層体とし、この積層体を熱プレス加工により一体化することにより製造することができる。尚、必要に応じて一部の積層部材は上記の熱プレス加工前に予め接着剤によって接合しておくことが好ましい。例えば、透明光学層2については、接着剤層3を介して黒色封止材シート1に接着しておく手順でマイクロLED表示装置100を製造することが好ましい。
(自発光型表示体用のLEDモジュール)
本発明の自発光型表示体用の発光モジュールであるLEDモジュール30は、図2に示す通り、支持基板21に配線部22が形成されてなる配線基板20にLED素子10が実装されて構成される。
配線基板20は、図2に示す通り、支持基板21の表面に、LED素子10と導通可能な形態で、例えば、銅等の金属やその他の導電性部材によって形成される配線部22が形成されてなる回路基板である。支持基板21は電子回路の基板として従来公知のガラスエポキシ系の硬質の基板を用いることができる。
ここで、ガラスエポキシ系の硬質基板は、通常、その表面の色味が茶色系の色味である。そして、従来、マイクロLED表示装置において、内部に配置される支持基板の当該茶色系の色味を有する表面に反射した光が表示面側の外部に透過してくることに起因して表示品位の低下が引き起こされる場合があった。このような不具合を防ぐために、従来構成のマイクロLED表示装置100C(図5参照)においては、同図に示すような遮光層4が、可視光線を概ね全て透過する透明な封止材シート1D上に別途に積層されていた。これに対して、本発明のマイクロLED表示装置100(100B)(図2参照)においては、従来構成における遮光層4の機能を兼ね備える封止材として、可視光線の透過率が5%以上70%以下である黒色封止材シート1が配置されている。よって、支持基板21として、茶系色を代表し白及び黒以外の有色の表面を有するガラスエポキシ系の硬質基板を用いるマイクロLED表示装置において、本発明は、特に有利な効果を発現する。
LEDモジュール30においては、図2に示すように、LED素子10が、ハンダ層23を介して、配線部22の上に導電可能な態様で実装されている。
LEDモジュール30のサイズについては、特段の限定はないが、対角線の長さが50インチ~200インチ程度のものが、一般的には、コストパフォーマンスの観点から好ましいものとされている。又、上述の通り、複数の自発光型表示体用のLEDモジュール30を、同一平面上においてマトリクス状に接合して、大型のマイクロLED表示装置等の自発光型表示体の発光面を構成することができる。例えば、対角線の長さが6インチのLEDモジュール30を、縦横に100×100個接合し、対角線の長さが、600インチの大画面を備えるマイクロLEDテレビを構成することもできる。
(LED素子)
配線基板20に実装されて自発光型表示体用のLEDモジュール30を構成するLED素子10は、P型半導体とN型半導体が接合されたPN接合部での発光を利用した発光素子である。P型電極、N型電極を素子上面、下面に設けた構造と、素子片面にP型、N型電極の双方が設けられた構造が提案されている。いずれの構造のLED素子10も、本発明のLED表示装置100(100B)に用いることができるが、特開2006-339551号公報に「チップ状電子部品」として開示されているLED素子のような微少サイズのLED素子を特に好ましく用いることができる。同文献に開示されているLED素子は、幅×奥行き×高さのサイズが、概ね25μm×15μm×2.5μmであるとされている。
LED素子10は、LED発光チップ11と、それを被覆する樹脂カバー12とを含んでなるものであることが好ましい。又、この樹脂カバー12としては、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂等の有機絶縁材料が用いられ、これらのなかでも、エポキシ樹脂が特に好ましく用いられる。エポキシ樹脂によって形成される樹脂カバー12は、単にLED発光チップ11を物理的衝撃から保護するのみならず、LED発光チップ11を構成する半導体と空気との屈折率の差に起因する半導体内への光の全反射を抑制してLED素子10の発光効率を高める役割も果たすからである。黒色封止材シート1は、エポキシ樹脂との密着性についても優れるオレフィン系樹脂により形成されている点において、マイクロLED表示装置100(100B)に搭載する封止材として好ましい。
本発明の自発光型表示体においては、LED発光チップとそれを被覆する樹脂カバーとを含んでなるLED素子であって、幅と奥行きが、いずれも300μm以下であり、高さが200μm以下のサイズのLED素子を好ましく用いることができる。この場合、このLED素子の配置間隔は、0.03mm以上100mm以下であることが好ましい。
又、本発明の自発光型表示体においては、LED発光チップと、それを被覆する樹脂カバーと、を含んでなるLED素子であって、幅と奥行きが、いずれも50μm以下であり、高さが10μm以下のサイズの極めて微少なサイズのLED素子を、より好ましく用いることができる。この場合、このLED素子の配置間隔は、0.03mm以上100mm以下であることが好ましい。このようなLED素子の実装態様は、具体的にはマイクロLEDテレビにおけるLED素子の標準的な実装態様でもある。
(黒色封止材シート)
本発明に係るマイクロLED表示装置100(100B)において、LEDモジュール30に積層される黒色封止材シート1は、ポリエチレン等のオレフィン系樹脂をベース樹脂とする封止材組成物を成膜して、「黒色」の色味を有するシート状の部材としたものである。
ここで、本明細書における「黒色」とは、JISZ8701-1999に準拠して測定した、C光源、視野角2degによるCIE系色座標が、-1.0≦a≦2.5且つ-1.0≦b≦15.0の範囲であり、L値については、0≦L≦50の範囲にある色味のことを言うものとする。
尚、黒色封止材シート1は、単層フィルムであってもよいが、図3に示すようにコア層1Aと、コア層1Aの両面に配置されるスキン層1B、1Cによって構成される多層フィルムであることが好ましい。本明細書における多層フィルムとは、少なくともいずれかの最外層、好ましくは両最外層に成形されるスキン層と、スキン層以外の層であるコア層とを有する構造からなるフィルム又はシートのことを言う。黒色封止材シート1をスキン層-コア層-スキン層からなる3層構成とする場合、コア層1Aのみに黒色顔料を添加し、両最表面に露出するスキン層1B、1Cには、これを添加せず、透明層のままとすることがより好ましい。これにより、製膜装置のゴムロール、エンボスロール、冷却ロール、ガイドロール等が黒色顔料により汚染されることを回避することができる。
黒色封止材シート1の厚さは、50μm以上1000μm以下であれば良く、50μm以上500μm以下であることが好ましく、50μm以上300μm以下であることがより好ましい。又、被覆する対象のLED素子が、高さが10μm以下である極めて微少なサイズのLED素子である場合、封止材シートの厚さは、25μm以上100μm以下であることが好ましい。封止材シートの厚さが、50μm以上であると、LED素子を外部からの衝撃から十分に保護することができる。一方、封止材シートの厚さが、1000μm以下であると、十分なモールディング性を発揮できる。具体的には、LED素子を被覆した状態での熱プレス加工時に、封止材シートを構成する樹脂が、LEDモジュールの表面の凹凸に十分に回り込んで隙間のない良好なラミネートを行うことができる。
黒色封止材シート1に適切な色味を付与するために用いる黒色の着色剤は、顔料系材料である事が好ましい。例えば、黒色顔料として汎用的に用いられているカーボンブラックを好ましい顔料の一例として挙げることができる。ディスプレイ用途で着色する場合は、複数の色素を組合せて黒色を発現させる事が多いが、その場合、粘着貼合を行う際に圧力が不均一になった場合は色ムラが発生しやすくなる。又、ディスプレイの耐久試験として、85℃85%、又は、60℃90%環境下での耐久試験が必要となるが、色素系の場合は色素劣化(退色劣化)が生じやすく顔料系を用いる事が好ましい。但し、色調領域を広げるために、特定波長の透過率を下げる事が必要である場合は、色素を適用する事も可能である。
黒色封止材シート1に用いる黒色顔料としてカーボンブラックを用いる場合、黒色封止材シートの樹脂成分中のカーボンブラックの含有量は、0.0001質量%以上0.08質量%以下とすることが好ましい。カーボンブラックの含有量が、0.0001質量%未満である場合に必要な黒味を発現させるためには、封止材シートの厚さを、本来の封止機能の維持に必要以上の厚さとすることが必要となってしまう。又、同含有量が、0.08質量%を超える場合には、LEDの光を適度に透過させることができず、好ましい画像を得る事が困難となる。カーボンブラックの含有量を上記範囲内とすることにより、安定して十分に斑の少ない着色が可能となる。
又、黒色封止材シート1には、分散剤を添加することがより好ましい。分散剤としては、各種の金属石鹸を用いることができる。又、分散剤としては、金属石鹸以外に、低分量のポリエチレンワックス等を使用することも可能である。好ましい分散剤の具体例としては、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウムステアリン酸亜鉛、ラウリン酸カルシウム、ラウリン酸バリウム、ラウリン酸亜鉛、リシノール酸カルシウム、リシノール酸バリウム、リシノール酸亜鉛、オクチル酸亜鉛等を挙げることができる。中でも、樹脂の融点の観点からステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛等が好ましく、特に、通常のポリエチレン系樹脂に含まれる事が多いステアリン酸カルシウムを分散剤に適用すると相溶性が悪化する事もなく、好ましく用いることができる。
ここで、隠蔽性のあるシートを製膜する場合、通常は、製膜時のダイライン等のスジを配慮する必要性は低いが、黒色封止材シート1のように可視光線透過率が5%以上の透過性のあるシートを製膜する場合は顔料の分散性を上げる事が必須となる。添加量が少ないと分散の効果が薄れ、添加量が多いと、製膜中の滑りの原因となるため、封止材組成物の樹脂成分中の上記の分散剤の含有量は、0.00002質量%以上0.002質量%以下である事が好ましい。分散剤の含有量が、0.00002質量%未満であると、顔料の分散性の低下に起因して着色濃度のバラツキが生じ、例えば、表面に縞模様が生じる等、自発光表示体用途としては不適切な状態となる危険性が高まり、又、同含有量が0.002質量%を超える場合には、製膜時のスクリューの滑りに起因して、一定の膜厚を保持することが困難となる危険性が高まる。これに対して、上記範囲内で、分散剤を添加することにより、製膜中のスクリューの滑りを防ぎながら、顔料の分散性を十分に高めることができる。
又、黒色封止材シート1においては、顔料の良好な分散を促進するために、酸化防止剤との組合せも重要であり、フェノール系、リン系の酸化防止剤を、封止材組成物の樹脂成分中に、200~800ppm程度の割合で添加する事が好ましい。
そして、本発明の自発光型表示体においては、黒色封止材シート1の「温度120℃で測定した、せん断速度2.43×10sec-1での溶融粘度(η*1)」は、1.0×10poise以上1.0×10poise以下であることが好ましく、同溶融粘度が、5.0×10poise以上1.0×10poise以下であることがより好ましい。尚、本明細書における上記の溶融粘度は、JIS K7199に準拠する方法により測定した溶融粘度のことを言うものとする。
上記の「溶融粘度」を1.0×10poise以上とすることにより、封止材シートの熱プレス加工時の過剰流動に起因する樹脂のはみ出しや、LED素子への横からの応力に起因する発光不良の発生を十分に抑制することができ、尚且つ、上記熱プレス加工後における封止材シートの膜厚の均一性も良好に保持することができる。マイクロLED表示装置100等の自発光型表示体においては、LED素子の発光面側に積層される封止材シートに特段の膜厚の均一性が求められる。これは、黒色封止材シート1の中央部の膜厚と端部の膜厚とが僅かでも異なると、封止材シートがレンズ状の状態となり、マイクロLED表示装置の表示品位に対して意図しない好ましくない影響を与えてしまうからである。
一方で、上記の「溶融粘度」を1.0×10poise以下とすることにより、封止材シートの熱プレス加工時のモールディング性を良好に保持することができる。
ここで、従来、封止材シートの流動性の指針として広く採用されているMFRの値は、JIS K6922に準拠して測定する場合は190℃での測定となるが、この温度は、実際に自発光型表示体用の封止材シートが、熱プレス加工時に溶融する際の温度とは乖離している。後に実施例において示す通り、MFRの値は適切な値の範囲であっても、上記の「溶融粘度」が所定の値を超えている場合、必要なモールディング性が確保できない場合がある。熱プレス加工の際の樹脂の流動性を制御するための指標として、MFRに代えて、上記のように、温度120℃での剪断弾性率、即ち、温度120℃で測定した、せん断速度2.43×10sec-1での溶融粘度(η*1)を、ベース樹脂の物性最適化の指標とすることで、より、封止材シートの使用実態に即した、より実効性の高い精密な樹脂選択に係る指標を得ることができる。
又、本発明の自発光型表示体においては、黒色封止材シート1のビカット軟化点を、60℃を超えて100℃以下とすることが好ましく、70℃以上90℃以下とすることがより好ましい。黒色封止材シート1のビカット軟化点を60℃超えとすることにより、封止材シートを用いた自発光型表示体の製造過程におけるブロッキングの発生をより確実に抑制して、自発光型表示体の生産性の向上に寄与することができる。一方で、この温度範囲を100℃以下とすることにより、自発光型表示体用の封止材シートに要求される程度のモールディング性を十分に維持することができる。
又、封止材シートのビカット軟化点について、より詳しくは、封止材シートの融点に応じて、更に厳密に最適化することが好ましい。具体的に、封止材シートの融点が、50℃~70℃未満の比較的低い範囲にある場合には、熱プレス加工時の過剰流動を抑制するために、ビカット軟化点を60~70℃未満の範囲とすることが好ましい。又、同融点が、70℃以上の比較的高い範囲にある場合は、熱プレス加工時のモールディング性を良好に保持するため、ビカット軟化点を70℃~100℃の範囲とすることが好ましい。尚、本明細書における封止材シートの「ビカット軟化点」は、樹脂成分とその他の添加剤を含んでなる封止材組成物を、押出し溶融成形等の成形法によりシート化した封止材シートのシート化完了後の段階におけるビカット軟化点を、ASTM D1525に基づいて測定した値のことを言うものとする。
又、別の観点から、本発明の自発光型表示体においては、黒色封止材シート1のデュロメータA硬度が、60以上95未満であることが好ましい。封止材シートのデュロメータA硬度が60未満であると、オレフィン系樹脂の結晶化速度が遅くなり、押出機より押し出されたシートがベタつくために、冷却ロールでの剥離が困難になり、封止材シートを得ることが困難になる。又、封止材シートにベタツキが発生するためブロッキングし、シートの繰り出しが困難になる。一方で、デュロメータA硬度が95を超えると、モールディング性が低下し、LED素子の凹凸への追従性が不十分となる。
尚、本発明の自発光型表示体においては、黒色封止材シート1を構成する樹脂シートの190℃におけるメルトマスフローレート(MFR)は、0.1g/10min以上12.0g/10min未満であることが好ましく、0.1g/10min以上5.0g/10min未満であることがより好ましい。
尚、本明細書における封止材シートの「MFR」は、樹脂成分とその他の添加剤を含んでなる封止材組成物を、押出し溶融成形等の成形法によりシート化した封止材シートのシート化完了後の段階におけるMFRを、JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kg荷重の条件で測定した値のことを言うものとする。尚、封止材シートが多層フィルムである場合のMFRについては、全ての層が一体積層された多層状態のまま、上記処理による測定を行い、得た測定値を当該多層の封止材シートのMFR値とするものとする。
黒色封止材シート1を形成する封止材組成物のベース樹脂は、オレフィン系の熱可塑性樹脂を広く選択することができる。中でも、低密度ポリエチレン系樹脂(LDPE)、直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(LLDPE)、又はメタロセン系直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)等のポリエチレン系樹脂を好ましく用いることができる。尚、本明細書において「ベース樹脂」とは、当該ベース樹脂を含有してなる樹脂組成物において、当該樹脂組成物の樹脂成分中で含有量比の最も大きい樹脂のことを言うものとする。
黒色封止材シート1を形成する封止材組成物のベース樹脂として用いるオレフィン系樹脂としては、密度は、0.870g/cm以上0.910g/cm以下のポリエチレン系樹脂を好ましく用いることができる。封止材組成物のベース樹脂の密度を0.910g/cm以下とすることにより、封止材シートの配線基板等への密着性を好ましい範囲に保持することができる。又、同密度を、0.890g/cm以上とすることで、架橋処理を経ることなく、封止材シートに必要十分な耐熱性を備えさせることができる。
封止材組成物には、α-オレフィンとエチレン性不飽和シラン化合物とをコモノマーとして共重合してなるシラン共重合体(以下、「シラン変性ポリエチレン系樹脂」とも言う)を、必要に応じて、各封止材組成物に一定量含有させることがより好ましい。シラン変性ポリエチレン系樹脂は、主鎖となる直鎖低密度ポリエチレン系樹脂(LLDPE)等に、エチレン性不飽和シラン化合物を側鎖としてグラフト重合してなるものである。このようなグラフト共重合体は、接着力に寄与するシラノール基の自由度が高くなるため、マイクロLED表示装置100等の自発光型表示体における他の部材への黒色封止材シート1の接着性を向上することができる。このシラン変性ポリエチレン系樹脂の封止材組成物中の含有量は、例えば、スキン層-コア層-スキン層の構成からなる多層の封止材シートにおける場合であれば、コア層用の封止材組成物においては2質量%以上20質量%以下、スキン層用の封止材組成物においては、5質量%以上40質量%以下であることが好ましい。特にスキン層用の封止材組成物には、10%以上のシラン変性ポリエチレンが含有されていることがより好ましい。尚、上記のシラン変性ポリエチレン系樹脂におけるシラン変性量は、1.0質量%以上3.0質量%以下程度であることが好ましい。上記の封止材組成物中における好ましいシラン変性ポリエチレン系樹脂の含有量範囲は、上記シラン変性量がこの範囲内であることを前提としており、この変性量の変動に応じて適宜微調整することが望ましい。
シラン変性ポリエチレン系樹脂を、自発光型表示体用の封止材組成物の成分として用いることにより、強度、耐久性等に優れ、且つ、耐候性、耐熱性、耐水性、耐光性、耐風圧性、耐降雹性、その他の諸特性に優れ、更に、自発光型表示体を製造する加熱圧着等の製造条件に影響を受けることなく極めて優れた熱融着性を有し、安定的に、低コストで、種々の用途に適する自発光型表示体を製造しうる。
尚、黒色封止材シート1は、製膜後の架橋処理を不要とする熱可塑系の封止材であることが好ましい。このような「架橋処理が不要な」封止材シートとして、ポリエチレン系の封止材組成物を弱架橋させてなる「弱架橋系の封止材」を用いることもできる。「弱架橋」とは、その詳細が、国際公開第2011/152314号に開示されている封止材の製造方法にかかる架橋処理技術であり、ゲル分率を0%に保持したままごく弱い架橋を進行させながら封止材組成物の成膜を行う技術である。本明細書においては、この弱架橋処理を経て成膜されている弱架橋済の封止材のことを「弱架橋系の封止材」というものとする。尚、弱架橋系の封止材は、成膜時に弱架橋処理を終えており、成膜後には架橋剤が実質的に残存していないものである。よって、自発光型表示体の製造過程における別途の架橋処理は不要である。
この弱架橋系の封止材は、密度0.870g/cm以上0.890g/cm以下のポリエチレン系樹脂をベース樹脂とし、ごく微量の架橋剤を含む受光面側封止材用の封止材組成物を、従来公知の方法で成膜加工する過程で、成膜中に上記の弱架橋処理を施すことにより得ることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<自発光型表示体用の封止材シートの製造>
下記の封止材組成物を、第1層(スキン層):φ30mm押出し機、第2層(コア層):φ30mm押出し機、第3層(スキン層):φ30mm押出し機として、層比1:3:1の構成にて、スキン層-コア層-スキン層の3層の溶融樹脂を、300mm幅のTダイを有するフィルム成形機を用いて、押出し温度210℃、引き取り速度1.1m/min、膜厚150μmでシート化し、各実施例及び比較例の封止材シートを製造した。尚、Tダイ直下の冷却ロール、及び、ゴムロールについて、冷却ロールは表面粗さRz1.5μmのクロムメッキ仕上げの冷却ロールを使用し、ゴムロールは硬度70度のシリコーンゴムロールを使用した。
第1層(スキン層)用の封止材組成物として、下記の「ベース樹脂1」を100質量部に対して、下記の「添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)」を5質量部、「添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)」を20質量部の割合で混合した。
第2層(コア層)用の封止材組成物として、下記の「ベース樹脂1」を100質量部に対して、下記の「添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)」を5質量部、「添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)」を1質量部、「添加剤樹脂3(黒色マスターバッチ)」を0.1質量部の割合で混合した。
第3層(スキン層)用の封止材組成物として、下記の「ベース樹脂1」を100質量部に対して、下記の「添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)」を5質量部、「添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン樹脂)」を20質量部の割合で混合した。
ベース樹脂1
:密度0.901g/cm、融点93℃、190℃でのMFRが2.0g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂(M-LLDPE)。
添加樹脂1(耐候剤マスターバッチ)
:密度0.919g/cm、190℃でのMFRが3.5g/10分の低密度ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、KEMISTAB62(HALS):0.6質量部。KEMISORB12(UV吸収剤):3.5質量部。KEMISORB79(UV吸収剤):0.6質量部。
添加樹脂2(シラン変性ポリエチレン系樹脂)
:密度0.900g/cm、MFRが2.0g/10分であるメタロセン系直鎖状低密度ポリエチレン系樹脂100質量部に対して、ビニルトリメトキシシラン2質量部と、ラジカル発生剤(反応触媒)としてのジクミルパーオキサイド0.15質量部とを混合し、200℃で溶融、混練して得たシラン変性ポリエチレン系樹脂。この添加樹脂2の密度は、0.901g/cm、MFRは、1.0g/10分である。
添加樹脂3:(黒色マスターバッチ)
密度0.91g/cm3、MFRが5.0g/10分であるカーボンブラック40質量部と、金属石鹸(ステアリン酸カルシウム)を2質量部、密度0.910g/cm3の直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)60質量部を有する黒色マスターバッチ。
<評価例1:膜厚均一性>
30×30cmにカットした実施例の封止材シートの表裏に50μmの未処理のETFEを離型フィルムとして積層し、その後更に、30×30cm厚み3mmのガラスを表裏に積層した構成の積層体とし、この積層体を、太陽電池モジュール製造用の真空ラミネータを用い温度150℃、真空引き時間5分、プレス保持時間10分、上部チャンバー圧力70KPaの条件にて、真空ラミネート処理を行った。冷却後ガラス及びETFEを剥がし、「封止材試料」を得た。この「封止材試料」の厚みについて、センター部分、及び、コーナーから中央に向かって2cmの箇所、以上2点の膜厚をデジタル膜厚計にて測定した。試験は3回行った。本願発明者の知見によれば、マイクロLEDにおいて、黒色の封止材シートに遮光層としての機能を良好に発揮させるためには、上記2箇所の膜厚差が、最大でも10%以内であることが必須である。上記試験結果として、中央部とコーナーから2cmの箇所の膜厚差は、最大でも10μm(7%)以内であった。
<評価例2:可視光透過率の均一性>
上記<評価例1>で膜厚均一性の測定を行った「封止材試料」について、センター部分、及び、コーナーから中央に向かって2cmの箇所、以上2点における波長380nm~780nmの可視光線の透過率を、日本分光製V-670により測定した分光透過率の平均を算出した。試験は3回行った。本願発明者の知見によれば、マイクロLEDにおいて、黒色の封止材シートに遮光層としての機能を良好に発揮させるためには、上記2箇所の可視光線の透過率の差が、最大でも2%以内であることが必須である。その結果、中央部とコーナーから2cmの箇所の可視光線の透過率の差は、最大でも1.2%以内であった。
評価例1及び評価例2の結果は、黒色封止材シートを積層してなる図2に示す層構成からなる本発明の自発光表示体100(100B)が、図5に示す従来構成の自発光表示体100Cと同等の光学特性を備えることの証左となるものである。
以上より、本発明の自発光表示体は、遮光層を含んで構成される従来の自発光型表示体の画像表示品位を維持したまま、その層構成が簡略化されたものであり、これにより生産性の向上に寄与することができるものであることが明白である。
1 黒色封止材シート
2 透明光学層
3、3A、3B 接着剤層
4 遮光層
10 LED素子(発光素子)
11 LED発光チップ
12 樹脂カバー
20 配線基板
21 支持基板
22 配線部
23 ハンダ層
30 LEDモジュール(発光モジュール)
100、100A、100B、100C マイクロLED表示装置(自発光型表示体)

Claims (10)

  1. 複数の発光素子が配線基板に実装されてなる発光モジュールと、
    オレフィン系樹脂をベース樹脂とし、JISZ8701-1999に準拠して測定した、C光源、視野角2degによるCIE系色座標が、-1.0≦a≦2.5且つ-1.0≦b≦15.0の範囲であり、L値については、0≦L≦50の範囲にある色味を有する黒色封止材シートと、
    透明光学層と、を備え、
    前記黒色封止材シートは、前記発光素子、及び、前記配線基板の表面を被覆して前記発光モジュールに積層されていて、
    前記透明光学層は、前記黒色封止材シートに積層されている、自発光型表示体。
  2. 前記黒色封止材シートには、カーボンブラックが含有されていて、前記黒色封止材シートの樹脂成分中の該カーボンブラックの含有量が、0.0001質量%以上0.08質量%以下である、請求項1に記載の自発光型表示体。
  3. 前記黒色封止材シートには、一種又は複数種の金属石鹸からなる分散剤が含有されていて、前記黒色封止材シートの樹脂成分中の前記分散剤の含有量が、0.00002質量%以上0.002質量%以下である、請求項1又は2に記載の自発光型表示体。
  4. 前記黒色封止材シートは、JIS K7199に準拠する方法により、温度120℃で測定した、せん断速度2.43×10sec-1での溶融粘度(η*1)が、1.0×10poise以上1.0×10poise以下である、請求項1から3のいずれかに記載の自発光型表示体。
  5. 前記黒色封止材シートは、ビカット軟化点が、60℃を超えて100℃以下である、請求項1から4のいずれかに記載の自発光型表示体。
  6. 前記黒色封止材シートは、スキン層-コア層-スキン層からなる3層構成の多層フィルムであって、前記コア層のみに黒色顔料が含有されていて、いずれの前記スキン層にも黒色顔料が含有されていない、請求項1から5のいずれかに記載の自発光型表示体。
  7. 前記配線基板の支持基板がガラスエポキシ系の硬質基板であって、該支持基板のLED素子実装面側の表面の色が、白及び黒以外の有色である請求項1から6のいずれかに記載の自発光型表示体。
  8. 前記発光素子が、LED素子である、請求項1から7のいずれかに記載の自発光型表示体。
  9. 前記LED素子が、LED発光チップと該LED発光チップを被覆する樹脂カバーとを有し、
    該LED素子の幅及び奥行きが、いずれも300μm以下であり、高さが、200μm以下であって、
    各々の該LED素子の配置間隔が、0.03mm以上100mm以下である、請求項8に記載の自発光型表示体。
  10. 前記LED素子の幅及び奥行きが、いずれも50μm以下であり、高さが、10μm以下であって、
    各々の該LED素子の配置間隔が、0.05mm以上5mm以下である、請求項9に記載の自発光型表示体。
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