JP2022176529A - フェルール、光コネクタ、及びフェルールの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ファイバ穴の変形を抑制することができるフェルールを提供する。【解決手段】フェルールは、端面と、収容部と、を備える。収容部は、端面に開口し且つ端面と交差する第1方向に沿って延在する少なくとも1個の第1ファイバ穴を有する。第1ファイバ穴は、第1端部と、第2端部と、を含む。第1端部は、第1方向に垂直な第2方向における一端に位置する。第2端部は、第2方向における他端に位置する。第1方向及び第2方向の両方に垂直な第3方向における第1端部の第1幅は、第2端部とは反対側に向かうに従って漸減している。第3方向における第2端部の第2幅は、第1端部とは反対側に向かうに従って漸減している。第2方向における第1ファイバ穴の縦幅は、第3方向における第1ファイバ穴の横幅よりも大きい。【選択図】図5
Description
本開示は、フェルール、光コネクタ、及びフェルールの製造方法に関する。
従来、一方向に沿って延在する複数のファイバ穴を有するフェルールが知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1に記載されたフェルールでは、各ファイバ穴に光ファイバが挿入されている。
上述したようなフェルールは、ファイバ穴を形成するためのファイバピンが配置された金型内に樹脂を充填することで形成される場合がある。そのような場合には、金型内における樹脂の圧力分布に起因して、ファイバピンが変形した結果、変形したファイバ穴が形成されるおそれがある。ファイバ穴が変形すると、ファイバ穴に挿入された光ファイバも変形する場合があり、その場合には、光の接続損失が生じるおそれがある。
本開示は、ファイバ穴の変形を抑制することができるフェルール、光コネクタ、及びフェルールの製造方法を提供することを目的とする。
本開示のフェルールは、端面と、端面に開口し且つ端面と交差する第1方向に沿って延在する少なくとも1個の第1ファイバ穴を有する収容部と、を備え、第1ファイバ穴は、第1方向に垂直な第2方向における一端に位置する第1端部と、第2方向における他端に位置する第2端部と、を含み、第1方向及び第2方向の両方に垂直な第3方向における第1端部の第1幅は、第2端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第3方向における第2端部の第2幅は、第1端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第2方向における第1ファイバ穴の縦幅は、第3方向における第1ファイバ穴の横幅よりも大きい。
本開示の光コネクタは、上記のフェルールと、第1ファイバ穴に挿入された光ファイバと、を備える。
本開示のフェルールの製造方法は、金型及びファイバピンを準備する工程と、ファイバピンが金型の内部空間において第1方向に沿って延在するように、ファイバピンを配置する工程と、金型の内部空間に樹脂を充填する工程と、を備え、ファイバピンは、第1方向に垂直な第2方向における一端に位置する第1端部と、第2方向における他端に位置する第2端部と、を含み、第1方向及び第2方向の両方に垂直な第3方向における第1端部の幅は、第2端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第3方向における第2端部の幅は、第1端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第2方向におけるファイバピンの縦幅は、第3方向におけるファイバピンの横幅よりも大きい。
本開示によれば、ファイバ穴の変形を抑制することができる。
[本開示の実施形態の説明]
本開示のフェルールは、端面と、端面に開口し且つ端面と交差する第1方向に沿って延在する少なくとも1個の第1ファイバ穴を有する収容部と、を備え、第1ファイバ穴は、第1方向に垂直な第2方向における一端に位置する第1端部と、第2方向における他端に位置する第2端部と、を含み、第1方向及び第2方向の両方に垂直な第3方向における第1端部の第1幅は、第2端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第3方向における第2端部の第2幅は、第1端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第2方向における第1ファイバ穴の縦幅は、第3方向における第1ファイバ穴の横幅よりも大きい。
本開示のフェルールは、端面と、端面に開口し且つ端面と交差する第1方向に沿って延在する少なくとも1個の第1ファイバ穴を有する収容部と、を備え、第1ファイバ穴は、第1方向に垂直な第2方向における一端に位置する第1端部と、第2方向における他端に位置する第2端部と、を含み、第1方向及び第2方向の両方に垂直な第3方向における第1端部の第1幅は、第2端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第3方向における第2端部の第2幅は、第1端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第2方向における第1ファイバ穴の縦幅は、第3方向における第1ファイバ穴の横幅よりも大きい。
このフェルールでは、第3方向における第1端部の第1幅は、第2端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第3方向における第2端部の第2幅は、第1端部とは反対側に向かうに従って漸減している。しかも、第2方向における第1ファイバ穴の縦幅は、第3方向における第1ファイバ穴の横幅よりも大きい。これらにより、例えば、ファイバ穴を形成するためのファイバピンが配置された金型内に樹脂を充填することでフェルールを形成するに際して、第1ファイバ穴に対応した形状を有するファイバピン、すなわち、第3方向における幅が漸減する両端部を含み、且つ第2方向における縦幅が第3方向における横幅よりも大きいファイバピンを用いて、第1ファイバ穴を形成することができる。そのため、例えば、樹脂の充填による圧力分布が第2方向において生じた場合に、ファイバピンが受ける樹脂からの抵抗を緩和することができる。したがって、圧力分布に起因するファイバピンの変形を抑制することができ、第1ファイバ穴の変形を抑制することができる。
第1方向に垂直な面内における第1ファイバ穴の断面は、楕円形状を呈していてもよい。これにより、断面が楕円形状を呈するファイバピンを用いて、第1ファイバ穴を形成することができる。そのため、変形が抑制された第1ファイバ穴を容易に形成することができる。
第2方向における第1ファイバ穴の縦幅を第3方向における第1ファイバ穴の横幅で除した値は、1よりも大きくかつ2以下であってもよい。これにより、圧力分布の状況又は第1ファイバ穴の断面積等に応じて当該値を設定することで、第1ファイバ穴の変形を確実に抑制することができる。
少なくとも1個の第1ファイバ穴は、第3方向に沿って並んでいる複数の第1ファイバ穴であり、収容部は、第3方向において複数の第1ファイバ穴の両側に位置し且つ第1方向に垂直な面内における断面が円形状を呈する一対の第2ファイバ穴を更に有し、複数の第1ファイバ穴のそれぞれの第1端部の第1幅の変化率は、一対の第2ファイバ穴に向かうに従って漸増しており、複数の第1ファイバ穴のそれぞれの第2端部の第2幅の変化率は、一対の第2ファイバ穴に向かうに従って漸増していてもよい。これにより、圧力分布が比較的生じやすい位置から圧力分布が比較的生じにくい位置に向かって、第1端部の第1幅及び第2端部の第2幅のそれぞれの変化率を漸増させることで、第1ファイバ穴の変形の抑制及び第1ファイバ穴による光ファイバの保持の両立を図ることができる。
複数の第1ファイバ穴及び一対の第2ファイバ穴を含むファイバ穴列が少なくとも2個構成されており、少なくとも2個のファイバ穴列は、第2方向において並んでいてもよい。複数のファイバ穴列が構成されている場合には、ファイバ穴列の間において、樹脂の圧力が大きくなりやすい場合がある。そのような場合には、上記の構成によって第1ファイバ穴の変形を抑制する効果が特に顕著となる。
本開示の光コネクタは、上記のフェルールと、第1ファイバ穴に挿入された光ファイバと、を備える。
この光コネクタによれば、上述したように、第1ファイバ穴の変形を抑制することができる。これにより、第1ファイバ穴に挿入された光ファイバの変形を抑制することができ、光の接続損失を抑制することができる。
本開示のフェルールの製造方法は、金型及びファイバピンを準備する工程と、ファイバピンが金型の内部空間において第1方向に沿って延在するように、ファイバピンを配置する工程と、金型の内部空間に樹脂を充填する工程と、を備え、ファイバピンは、第1方向に垂直な第2方向における一端に位置する第1端部と、第2方向における他端に位置する第2端部と、を含み、第1方向及び第2方向の両方に垂直な第3方向における第1端部の幅は、第2端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第3方向における第2端部の幅は、第1端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第2方向におけるファイバピンの縦幅は、第3方向におけるファイバピンの横幅よりも大きい。
この製造方法では、第3方向における第1端部の第1幅は、第2端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、第3方向における第2端部の幅は、第1端部とは反対側に向かうに従って漸減している。しかも、第2方向におけるファイバピンの縦幅は、第3方向におけるファイバピンの横幅よりも大きい。これらにより、樹脂を充填する工程においては、例えば、樹脂の充填による圧力分布が第2方向において生じた場合に、ファイバピンが受ける樹脂からの抵抗を緩和することができる。したがって、圧力分布に起因するファイバピンの変形を抑制することができ、ファイバピンを用いて形成される第1ファイバ穴の変形を抑制することができる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の一実施形態に係るフェルール、光コネクタ、及びフェルールの製造方法の具体例を、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本開示の一実施形態に係るフェルール、光コネクタ、及びフェルールの製造方法の具体例を、図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
図1及び図2に示されるように、光コネクタ1は、複数の光ファイバを他の光コネクタが有する複数の光ファイバに光学的に接続する。光コネクタ1は、フェルール2と、光ファイバテープ心線3と、を備えている。フェルール2は、直方体状を呈する外形を有している。フェルール2は、先端面21と、後端面22と、側面23と、収容部24と、を備えている。
先端面21は、後述する複数の光ファイバ31の端面と共に研磨されている。後端面22は、先端面21と反対側に位置している。側面23は、先端面21と後端面22との間に位置している。収容部24は、フェルール2の内部に形成された内部空間Sと、複数のファイバ穴25と、を有している。内部空間Sは、後端面22に開口している。各ファイバ穴25は、先端面21と交差するX軸方向(第1方向)に沿って延在している。各ファイバ穴25は、先端面21に開口し且つ内部空間Sと繋がっている。収容部24は、光ファイバテープ心線3の端部を収容可能である。
側面23には、窓部26が形成されている。窓部26は、内部空間Sと繋がっている。窓部26は、光ファイバ31をフェルール2に対して固定するための接着剤27を収容部24に注入可能な大きさを有している。
フェルール2の材料は、例えば、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEI(ポリエーテルイミド)、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PC(ポリカーボネート)、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)、PES(ポリエーテルサルホン)、PA(ポリアミド)、又はCOP(シクロオレフィンポリマー)等である。
先端面21には、一対のガイド孔28が形成されている。一対のガイド孔28は、X軸方向に垂直なY軸方向(第3方向)において、複数のファイバ穴25の両側に位置している。各ガイド孔28は、X軸方向に沿って延在する非貫通孔である。フェルール2と相手方のフェルールとは、各ガイド孔28に挿入されるガイドピンによって位置決めされる。すなわち、ガイドピンの一端は、ガイド孔28に挿入され、ガイドピンの他端は、相手方のフェルールのガイド孔に挿入される。
光ファイバテープ心線3は、光信号を伝達するケーブルである。本実施形態では、光コネクタ1は、2個の光ファイバテープ心線3を備えている。2個の光ファイバテープ心線3は、X軸方向及びY軸方向の両方に垂直なZ軸方向(第2方向)において重なっている。各光ファイバテープ心線3は、複数の光ファイバ31を有している。各光ファイバ31は、X軸方向に沿って延在している。各光ファイバテープ心線3において、各光ファイバ31は、Y軸方向において並んでいる。各光ファイバ31は、例えば、コア及び当該コアを囲むクラッドからなるガラスファイバ等である。各光ファイバ31は、円柱状を呈している。つまり、各光ファイバ31の断面は、円形状を呈している。各光ファイバテープ心線3において、各光ファイバ31は、樹脂により一括で被覆されている。被覆樹脂は、例えば紫外線硬化型樹脂等である。各光ファイバ31の端部は、光ファイバテープ心線3の被覆樹脂から露出している。
各光ファイバテープ心線3は、内部空間Sに配置されている。図3に示されるように、光ファイバ31の端部は、ファイバ穴25に挿入されている。各光ファイバ31の端面は、先端面21に至っている。つまり、各光ファイバ31の端面は、先端面21において外部に露出している。このように、フェルール2は、各光ファイバ31の端部を保持している。本実施形態では、フェルール2は、24個のファイバ穴25を有しており、各光ファイバテープ心線3は、12個の光ファイバ31を有している。
図4に示されるように、収容部24は、複数(本実施形態では2個)のファイバ穴列4を含んでいる。2個のファイバ穴列4は、Z軸方向において並んでいる。各ファイバ穴列4は、複数(本実施形態では10個)の第1ファイバ穴40と、一対の第2ファイバ穴50と、を含んでいる。第1ファイバ穴40及び第2ファイバ穴50は、ファイバ穴25の一例である。各ファイバ穴列4において、複数の第1ファイバ穴40は、Y軸方向に沿って並んでいる。一対の第2ファイバ穴50は、Y軸方向において複数の第1ファイバ穴40の両側に位置している。
図5に示されるように、各第1ファイバ穴40は、Z軸方向における一端に位置する第1端部41と、Z軸方向における他端に位置する第2端部42と、を含んでいる。本実施形態では、第1端部41は、Z軸方向における第1ファイバ穴40の一端側の半分であり、第2端部42は、Z軸方向における第1ファイバ穴40の他端側の半分である。
各第1ファイバ穴40において、Y軸方向における第1端部41の第1幅W1は、第2端部42とは反対側に向かうに従って漸減している。第1端部41の第1幅W1の変化率の絶対値(以下、「変化率の絶対値」を単に「変化率」という)は、第2端部42とは反対側に向かうに従って漸増している。つまり、第1端部41の内壁面は、曲面状を呈している。第1端部41の第1幅W1の変化率は、Y軸方向における第2ファイバ穴50の幅の変化率よりも小さい。
各第1ファイバ穴40において、Y軸方向における第2端部42の第2幅W2は、第1端部41とは反対側に向かうに従って漸減している。第2端部42の第2幅W2の変化率は、第1端部41とは反対側に向かうに従って漸増している。つまり、第2端部42の内壁面は、曲面状を呈している。第2端部42の第2幅W2の変化率は、Y軸方向における第2ファイバ穴50の幅の変化率よりも小さい。
各第1ファイバ穴40において、Z軸方向における第1ファイバ穴40の縦幅W3は、Y軸方向における第1ファイバ穴40の横幅W4よりも大きい。縦幅W3は、Z軸方向における第1ファイバ穴40の最大幅であり、横幅W4は、Y軸方向における第1ファイバ穴40の最大幅である。第1ファイバ穴40の縦幅W3を第1ファイバ穴40の横幅W4で除した値は、1よりも大きくかつ2以下である。各第1ファイバ穴40において、Z軸方向における第1端部41の幅及びZ軸方向における第2端部42の幅のそれぞれは、第1ファイバ穴40の横幅W4よりも大きい。このように、YZ面内(X軸方向に垂直な面内)における各第1ファイバ穴40の断面は、Z軸方向に沿って延びる先細い形状を呈している。
YZ面内における各第1ファイバ穴40の断面は、Z軸方向に沿って延在する線を長軸とする楕円形状を呈している。YZ面内における各第2ファイバ穴50の断面は、円形状を呈している。各ファイバ穴列4において、複数の第1ファイバ穴40のそれぞれの横幅W4は、略同じである。各第1ファイバ穴40の横幅W4は、各第2ファイバ穴50の直径と略同じである。各第2ファイバ穴50の直径は、光ファイバ31の直径と略同じである。各第1ファイバ穴40の横幅W4は、例えば0.125mm程度である。各第1ファイバ穴40の縦幅W3は、例えば0.25mm程度である。第1ファイバ穴40に挿入された光ファイバ31は、Y軸方向における第1ファイバ穴40の内壁面と線接触し、且つZ軸方向における第1ファイバ穴40の内壁面から離れている。
各ファイバ穴列4において、各第1ファイバ穴40の縦幅W3は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸減している。具体的には、各ファイバ穴列4において、Y軸方向における一方側に位置する複数(本実施形態では5個)の第1ファイバ穴40のぞれぞれの縦幅W3は、一方の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸減している。同様に、各ファイバ穴列4において、Y軸方向における他方側に位置する複数(本実施形態では5個)の第1ファイバ穴40のぞれぞれの縦幅W3は、他方の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸減している。
各ファイバ穴列4において、各第1ファイバ穴40の第1端部41の第1幅W1の変化率(例えば、第1端部41のZ軸方向における各位置の第1幅W1の変化率の平均値)は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増している。具体的には、各ファイバ穴列4において、Y軸方向における一方側に位置する複数(本実施形態では5個)の第1ファイバ穴40のぞれぞれの第1端部41の第1幅W1の変化率は、一方の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増している。同様に、各ファイバ穴列4において、Y軸方向における他方側に位置する複数(本実施形態では5個)の第1ファイバ穴40のぞれぞれの第1端部41の第1幅W1の変化率は、他方の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増している。
各ファイバ穴列4において、各第1ファイバ穴40の第2端部42の第2幅W2の変化率(例えば、第2端部42のZ軸方向における各位置の第2幅W2の変化率の平均値)は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増している。具体的には、各ファイバ穴列4において、Y軸方向における一方側に位置する複数(本実施形態では5個)の第1ファイバ穴40のぞれぞれの第2端部42の第2幅W2の変化率は、一方の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増している。同様に、各ファイバ穴列4において、Y軸方向における他方側に位置する複数(本実施形態では5個)の第1ファイバ穴40のぞれぞれの第2端部42の第2幅W2の変化率は、他方の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増している。
このように、YZ面内における各第1ファイバ穴40の断面は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って円形状に近付いていく。複数のファイバ穴25は、Y軸方向に沿って延在する中心線及びZ軸方向に沿って延在する中心線のそれぞれに関して、線対称である。
次に、光コネクタ1の製造方法について説明する。まず、図6に示されるように、金型及び複数のファイバピンを準備する(ステップS1)。
複数のファイバピンは、各第1ファイバ穴40に対応した形状を有する第1ファイバピン、及び、各第2ファイバ穴50に対応した形状を有する第2ファイバピンを含んでいる。具体的には、図7に示されるように、第1ファイバピン60は、第1ファイバ穴40に対応した断面形状を有している。すなわち、第1ファイバピン60は、Z軸方向における一端に位置する第1端部61と、Z軸方向における他端に位置する第2端部62と、を含んでいる。Y軸方向における第1端部61の幅は、第2端部62とは反対側に向かうに従って漸減している。Y軸方向における第2端部62の幅は、第1端部61とは反対側に向かうに従って漸減している。Z軸方向における第1ファイバピン60の縦幅は、Y軸方向における第1ファイバピン60の横幅よりも大きい。第1ファイバピン60の断面は、楕円形状を呈している。第2ファイバピン70は、第2ファイバ穴50に対応した断面形状を有している。第2ファイバピン70の断面は、円形状を呈している。
続いて、各第1ファイバピン60及び各第2ファイバピン70が金型の内部空間においてX軸方向に沿って延在するように、各第1ファイバピン60及び各第2ファイバピン70を配置する(ステップS2)。続いて、金型の内部空間に樹脂を充填する(ステップS3)。続いて、金型の内部空間に充填された樹脂を固化させる(ステップS4)。続いて、固化した樹脂を金型の内部空間から取り出し、固化した樹脂から各第1ファイバピン60及び各第2ファイバピン70を除去する(ステップS5)。これにより、フェルール2が製造される。
続いて、光ファイバ31がファイバ穴25に挿入されるように、フェルール2の収容部24に各光ファイバテープ心線3の端部を配置する(ステップS6)。続いて、フェルール2の窓部26から収容部24に接着剤27を注入し、接着剤27を硬化させる(ステップS7)。これにより、各光ファイバ31をフェルール2に対して固定する。接着剤27は、光ファイバ31とファイバ穴25との間の隙間に入り込んでもよい。
続いて、フェルール2の先端面21を研磨する(ステップS8)。研磨前のフェルール2では、先端面21に対する各光ファイバ31の端面の位置がバラつく場合がある。例えば、先端面21に対して、光ファイバ31が突出し又は入り込んでいる場合がある。先端面21を研磨することによって、光ファイバ31の端面を先端面21と同一平面内に位置させることができる。これにより、光コネクタ1が製造される。
以上説明したように、フェルール2では、各第1ファイバ穴40の第1端部41の第1幅W1は、第2端部42とは反対側に向かうに従って漸減しており、第2端部42の第2幅W2は、第1端部41とは反対側に向かうに従って漸減している。しかも、各第1ファイバ穴40において、第1ファイバ穴40の縦幅W3は、第1ファイバ穴40の横幅W4よりも大きい。これらにより、例えば、ファイバ穴を形成するためのファイバピンが配置された金型内に樹脂を充填することでフェルール2を形成するに際して、第1ファイバ穴40に対応した形状を有する第1ファイバピン60、すなわち、Y軸方向における幅が漸減する両端部61,62を含み、且つZ軸方向における縦幅がY軸方向における横幅よりも大きい第1ファイバピン60を用いて、第1ファイバ穴40を形成することができる。そのため、例えば、樹脂の充填による圧力分布がZ軸方向において生じた場合に、第1ファイバピン60が受ける樹脂からの抵抗を緩和することができる。したがって、圧力分布に起因する第1ファイバピン60の変形を抑制することができ、第1ファイバ穴40の変形を抑制することができる。また、第1ファイバ穴40に挿入された光ファイバ31は、Z軸方向における第1ファイバ穴40の内壁面から離れているため、光ファイバ31を第1ファイバ穴40に容易に挿入することができ、且つ、Z軸方向における第1ファイバ穴40の寸法精度を緩和することができる。同様に、Z軸方向における第1ファイバピン60の寸法精度を緩和することができる。
YZ面内における第1ファイバ穴40の断面は、楕円形状を呈している。これにより、断面が楕円形状を呈する第1ファイバピン60を用いて、第1ファイバ穴40を形成することができる。そのため、変形が抑制された第1ファイバ穴40を容易に形成することができる。
第1ファイバ穴40の縦幅W3を第1ファイバ穴40の横幅W4で除した値は、1よりも大きくかつ2以下である。これにより、圧力分布の状況又は第1ファイバ穴40の断面積等に応じて当該値を設定することで、第1ファイバ穴40の変形を確実に抑制することができる。
各第1ファイバ穴40の第1端部41の第1幅W1の変化率は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増しており、各第1ファイバ穴40の第2端部42の第2幅W2の変化率は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増している。これにより、圧力分布が比較的生じやすい位置(例えば、Y軸方向における収容部24の中央付近)から圧力分布が比較的生じにくい位置(例えば、Y軸方向における収容部24の両端付近)に向かって、第1端部41の第1幅W1及び第2端部42の第2幅W2のそれぞれの変化率を漸増させることで、第1ファイバ穴40の変形の抑制及び第1ファイバ穴40による光ファイバ31の保持の両立を図ることができる。
各ファイバ穴列4は、Z軸方向において並んでいる。複数のファイバ穴列4が構成されている場合には、各ファイバ穴列4に対応する各ファイバピン(密集したファイバピン)によって、樹脂の流動が妨げられるため、ファイバ穴列4の間において、樹脂の圧力が大きくなりやすい場合がある。そのような場合には、上記の構成によって第1ファイバ穴40の変形を抑制する効果が特に顕著となる。
光コネクタ1によれば、上述したように、第1ファイバ穴40の変形を抑制することができる。これにより、第1ファイバ穴40に挿入された光ファイバ31の変形を抑制することができる。また、第1ファイバ穴40の変形が抑制されると、先端面21における第1ファイバ穴40の開口の位置のばらつきが抑制される。これらにより、光の接続損失を抑制することができる。
光コネクタ1の製造方法では、Y軸方向における各第1ファイバピン60の第1端部61幅は、第2端部62とは反対側に向かうに従って漸減しており、Y軸方向における第2端部62の幅は、第1端部61とは反対側に向かうに従って漸減している。しかも、各第1ファイバピン60において、Z軸方向における第1ファイバピン60の縦幅は、Y軸方向における第1ファイバピン60の横幅よりも大きい。これらにより、樹脂を充填する工程においては、例えば、樹脂の充填による圧力分布がZ軸方向において生じた場合に、第1ファイバピン60が受ける樹脂からの抵抗を緩和することができる。したがって、圧力分布に起因する第1ファイバピン60の変形を抑制することができ、第1ファイバピン60を用いて形成される第1ファイバ穴40の変形を抑制することができる。
[変形例]
各ファイバ穴列4において、一対の第2ファイバ穴50がY軸方向において複数の第1ファイバ穴40の両側に位置する例を示したが、一対の第2ファイバ穴50は、図8に示されるように、Y軸方向において複数の第1ファイバ穴40の間に位置していてもよい。この場合、各ファイバ穴列4において、一対の第2ファイバ穴50が、互いに隣接し、複数(例えば5個)の第1ファイバ穴40が、一対の第2ファイバ穴50に対してY軸方向における一方側に位置し、複数(例えば5個)の第1ファイバ穴40が、一対の第2ファイバ穴50に対してY軸方向における他方側に位置していてもよい。また、各ファイバ穴列4において、複数の第1ファイバ穴40のぞれぞれの縦幅W3(図5参照)は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸減していてもよい。また、各ファイバ穴列4において、各第1ファイバ穴40の第1端部41の第1幅W1(図5参照)の変化率(ここでは、第1端部41のZ軸方向における各位置の第1幅W1の変化率の平均値)は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増していてもよい。各ファイバ穴列4において、各第1ファイバ穴40の第2端部42の第2幅W2(図5参照)の変化率(ここでは、第2端部42のZ軸方向における各位置の第2幅W2の変化率の平均値)は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増していてもよい。樹脂の充填による圧力分布は、金型の状況等によって異なる場合がある。すなわち、例えば、Y軸方向における収容部24の両端付近で圧力分布が比較的生じやすく、Y軸方向における収容部24の中央付近で圧力分布が比較的生じにくい場合がある。上述した構成によれば、圧力分布が比較的生じやすい位置から圧力分布が比較的生じにくい位置に向かって、第1端部41の第1幅W1及び第2端部42の第2幅W2のそれぞれの変化率を漸増させることで、第1ファイバ穴40の変形の抑制及び第1ファイバ穴40による光ファイバ31の保持の両立を図ることができる。
各ファイバ穴列4において、一対の第2ファイバ穴50がY軸方向において複数の第1ファイバ穴40の両側に位置する例を示したが、一対の第2ファイバ穴50は、図8に示されるように、Y軸方向において複数の第1ファイバ穴40の間に位置していてもよい。この場合、各ファイバ穴列4において、一対の第2ファイバ穴50が、互いに隣接し、複数(例えば5個)の第1ファイバ穴40が、一対の第2ファイバ穴50に対してY軸方向における一方側に位置し、複数(例えば5個)の第1ファイバ穴40が、一対の第2ファイバ穴50に対してY軸方向における他方側に位置していてもよい。また、各ファイバ穴列4において、複数の第1ファイバ穴40のぞれぞれの縦幅W3(図5参照)は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸減していてもよい。また、各ファイバ穴列4において、各第1ファイバ穴40の第1端部41の第1幅W1(図5参照)の変化率(ここでは、第1端部41のZ軸方向における各位置の第1幅W1の変化率の平均値)は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増していてもよい。各ファイバ穴列4において、各第1ファイバ穴40の第2端部42の第2幅W2(図5参照)の変化率(ここでは、第2端部42のZ軸方向における各位置の第2幅W2の変化率の平均値)は、一対の第2ファイバ穴50に向かうに従って漸増していてもよい。樹脂の充填による圧力分布は、金型の状況等によって異なる場合がある。すなわち、例えば、Y軸方向における収容部24の両端付近で圧力分布が比較的生じやすく、Y軸方向における収容部24の中央付近で圧力分布が比較的生じにくい場合がある。上述した構成によれば、圧力分布が比較的生じやすい位置から圧力分布が比較的生じにくい位置に向かって、第1端部41の第1幅W1及び第2端部42の第2幅W2のそれぞれの変化率を漸増させることで、第1ファイバ穴40の変形の抑制及び第1ファイバ穴40による光ファイバ31の保持の両立を図ることができる。
各第1ファイバ穴40の断面が楕円形状を呈する例を示したが、各第1ファイバ穴40の断面は、図9に示されるように、例えば菱形状等を呈していてもよい。この場合、各第1ファイバ穴40の内接円の直径は、光ファイバ31の直径と略同じである。各第1ファイバ穴40において、第1端部41の第1幅W1の変化率は、第2端部42とは反対側に向かうに従って変化しなくてもよい。つまり、第1端部41の第1幅W1の変化率は、一定であってもよい。第1端部41の内壁面は、平面状を呈していてもよい。同様に、各第1ファイバ穴40において、第2端部42の第2幅W2の変化率は、第1端部41とは反対側に向かうに従って変化しなくてもよい。つまり、第2端部42の第2幅W2の変化率は、一定であってもよい。第2端部42の内壁面は、平面状を呈していてもよい。また、第1ファイバ穴40の断面は、例えば長円形状等を呈していてもよい。
フェルール2が24個のファイバ穴25を有している例を示したが、フェルール2は、例えば、4個、8個又は12個のファイバ穴25を有していてもよい。フェルール2が2個のファイバ穴列4を有している例を示したが、フェルール2は、1個又は3個以上のファイバ穴列4を有していてもよい。ファイバ穴列4が複数の第1ファイバ穴40を含んでいる例を示したが、フェルール2は、少なくとも1個の第1ファイバ穴40を含んでいればよい。
ファイバ穴列4が一対の第2ファイバ穴50を含んでいる例を示したが、ファイバ穴列4は、1個又は3個以上の第2ファイバ穴50を含んでいてもよい。
YZ面内におけるファイバ穴25の断面積は、X軸方向における位置によって異なっていてもよい。ファイバ穴25は、太径部分、細径部分及び中間部分を含んでいてもよい。第1ファイバ穴40は、太径部分、細径部分及び中間部分の全てにおいて、第1端部41及び第2端部42を有していてもよく、太径部分、細径部分及び中間部分の少なくとも一部において、第1端部41及び第2端部42を有していてもよい。
1…光コネクタ
2…フェルール
3…光ファイバテープ心線
4…ファイバ穴列
21…先端面
22…後端面
23…側面
24…収容部
25…ファイバ穴
26…窓部
27…接着剤
28…ガイド孔
31…光ファイバ
40…第1ファイバ穴
41…第1端部
42…第2端部
50…第2ファイバ穴
60…第1ファイバピン
61…第1端部
62…第2端部
70…第2ファイバピン
2…フェルール
3…光ファイバテープ心線
4…ファイバ穴列
21…先端面
22…後端面
23…側面
24…収容部
25…ファイバ穴
26…窓部
27…接着剤
28…ガイド孔
31…光ファイバ
40…第1ファイバ穴
41…第1端部
42…第2端部
50…第2ファイバ穴
60…第1ファイバピン
61…第1端部
62…第2端部
70…第2ファイバピン
Claims (7)
- 端面と、
前記端面に開口し且つ前記端面と交差する第1方向に沿って延在する少なくとも1個の第1ファイバ穴を有する収容部と、を備え、
前記第1ファイバ穴は、前記第1方向に垂直な第2方向における一端に位置する第1端部と、前記第2方向における他端に位置する第2端部と、を含み、
前記第1方向及び前記第2方向の両方に垂直な第3方向における前記第1端部の第1幅は、前記第2端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、
前記第3方向における前記第2端部の第2幅は、前記第1端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、
前記第2方向における前記第1ファイバ穴の縦幅は、前記第3方向における前記第1ファイバ穴の横幅よりも大きい、フェルール。 - 前記第1方向に垂直な面内における前記第1ファイバ穴の断面は、楕円形状を呈している、請求項1に記載のフェルール。
- 前記第2方向における前記第1ファイバ穴の縦幅を前記第3方向における前記第1ファイバ穴の横幅で除した値は、1よりも大きくかつ2以下である、請求項1又は請求項2に記載のフェルール。
- 前記少なくとも1個の第1ファイバ穴は、前記第3方向に沿って並んでいる複数の第1ファイバ穴であり、
前記収容部は、前記第3方向において前記複数の第1ファイバ穴の両側に位置し且つ前記第1方向に垂直な面内における断面が円形状を呈する一対の第2ファイバ穴を更に有し、
前記複数の第1ファイバ穴のそれぞれの前記第1端部の前記第1幅の変化率は、前記一対の第2ファイバ穴に向かうに従って漸増しており、
前記複数の第1ファイバ穴のそれぞれの前記第2端部の前記第2幅の変化率は、前記一対の第2ファイバ穴に向かうに従って漸増している、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のフェルール。 - 前記複数の第1ファイバ穴及び前記一対の第2ファイバ穴を含むファイバ穴列が少なくとも2個構成されており、
前記少なくとも2個のファイバ穴列は、前記第2方向において並んでいる、請求項4に記載のフェルール。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のフェルールと、
前記第1ファイバ穴に挿入された光ファイバと、を備える、光コネクタ。 - 金型及びファイバピンを準備する工程と、
前記ファイバピンが前記金型の内部空間において第1方向に沿って延在するように、前記ファイバピンを配置する工程と、
前記金型の前記内部空間に樹脂を充填する工程と、を備え、
前記ファイバピンは、前記第1方向に垂直な第2方向における一端に位置する第1端部と、前記第2方向における他端に位置する第2端部と、を含み、
前記第1方向及び前記第2方向の両方に垂直な第3方向における前記第1端部の幅は、前記第2端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、
前記第3方向における前記第2端部の幅は、前記第1端部とは反対側に向かうに従って漸減しており、
前記第2方向における前記ファイバピンの縦幅は、前記第3方向における前記ファイバピンの横幅よりも大きい、フェルールの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2021083015A JP2022176529A (ja) | 2021-05-17 | 2021-05-17 | フェルール、光コネクタ、及びフェルールの製造方法 |
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Family Applications (1)
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-
2021
- 2021-05-17 JP JP2021083015A patent/JP2022176529A/ja active Pending
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