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JP2022151372A - コイル挿入装置 - Google Patents

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JP2022151372A
JP2022151372A JP2021054410A JP2021054410A JP2022151372A JP 2022151372 A JP2022151372 A JP 2022151372A JP 2021054410 A JP2021054410 A JP 2021054410A JP 2021054410 A JP2021054410 A JP 2021054410A JP 2022151372 A JP2022151372 A JP 2022151372A
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coil
blade
insertion device
holding member
stator core
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JP2021054410A
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宏司 丹下
Koji Tange
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Nidec Corp
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Nidec Corp
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Publication date
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Abstract

【課題】ブレードの撓みを抑制するコイル挿入装置を提供する。【解決手段】コイル挿入装置100は、ステータコア20の軸方向に貫通する複数のスロット21に、コイル線が環状に巻き付けられたコイルを、軸方向一側から他側に向けて挿入するコイル挿入装置100であって、ステータコア20の径方向内側に配置され、軸方向に移動し、コイルを移動させるコイル移動機構と、ステータコア20の径方向内側かつコイル移動機構の径方向外側に、ステータコア20の周方向に配置され、軸方向に延び、コイルを保持する複数のブレード110と、ステータコア20の径方向内側かつコイル移動機構の軸方向一側に配置され、コイル移動機構に連結され、少なくとも1つのブレード110と少なくとも径方向に接触する保持部材160と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、コイル挿入装置に関する。
従来、ステータコアのスロットにコイルを挿入してステータを製造する方法が知られている。例えば、特開2000-125521号公報(特許文献1)には、ステータコアのスロットにループ状のコイルを挿入するコイル挿入装置が開示されている。特許文献1には、コイルを保持するブレードは、ストリッパに固定される第1の可動ブレードと、ストリッパの後方にてブレードホルダに固定される第2の可動ブレードとから構成されることが開示されている(段落[0008])。
特開2000-125521号公報
本発明者は、上記特許文献1のコイル挿入装置では、第1の可動ブレード及び第2の可動ブレードに撓みが発生するという問題を見出した。
本発明は、ブレードの撓みを抑制するコイル挿入装置を提供することを目的とする。
本発明の第1の観点からのコイル挿入装置は、ステータコアの軸方向に貫通する複数のスロットに、コイル線が環状に巻き付けられたコイルを、軸方向一側から他側に向けて挿入するコイル挿入装置であって、ステータコアの径方向内側に配置され、軸方向に移動し、コイルを移動させるコイル移動機構と、ステータコアの径方向内側かつコイル移動機構の径方向外側に、ステータコアの周方向に配置され、軸方向に延び、コイルを保持する複数のブレードと、ステータコアの径方向内側かつコイル移動機構の軸方向一側に配置され、コイル移動機構に連結され、少なくとも1つのブレードと少なくとも径方向に接触する保持部材と、を備える。
本発明は、ブレードの撓みを抑制するコイル挿入装置を提供することができる。
図1は、ステータの軸方向に垂直な断面の模式図である。 図2は、実施形態のコイル挿入装置の軸方向に垂直な断面の模式図である。 図3は、実施形態のコイル挿入方法の模式図であり、図2に対応する。 図4は、実施形態のコイル挿入方法の模式図であり、図2に対応する。 図5は、実施形態のコイル挿入方法のフローチャートである。 図6は、従来技術のコイル挿入装置と、実施形態のコイル挿入装置とを比較した模式図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
また、以下の説明において、ステータ1の中心軸が延びる方向、すなわちスロット21の貫通方向を「軸方向」とする。軸方向に沿った一側を下(後)側、他側を上(前)側とする。上下(前後)方向は、位置関係を特定するために用いるためであって、実際の方向を限定するものではない。すなわち、下方向は重力方向を必ずしも意味するものではない。軸方向は、特に限定されず、鉛直方向、水平方向、これらの方向に交差する方向などを含む。
また、ステータ1の中心軸に直交する方向を「径方向」とする。さらに、ステータ1の中心軸を中心とする円弧に沿う方向を「周方向」とする。
また以下の説明で用いる図面は、特徴部分を強調する目的で、便宜上特徴となる部分を拡大して示す場合がある。よって、各構成要素の寸法及び比率は実際のものと必ずしも同じではない。また、同様の目的で、特徴とならない部分を省略して図示する場合がある。
(ステータ)
図1に示すように、ステータ1は、モータの構成部品であって、図示しないロータと相互作用して回転トルクを発生させる。本実施形態のステータ1は、いくつかのスロット21を跨いでコイル10を巻きつける分布巻きとされる。ステータ1は、コイル10と、ステータコア20と、ウエッジ30と、絶縁紙40と、を備える。
<ステータコア>
ステータコア20は、中空の円柱形状に形成される。ステータコア20は、薄い珪素鋼鈑を重ねて形成される。ステータコア20には、複数のティース23が放射状に形成される。ティース23同士の間には、スロット21が形成される。ティース23は、スロット21を介して径方向に延びる。スロット21には、径方向開口部であるスロットオープン22が形成される。本実施形態のステータコア20は、一体型のステータコアである。
<コイル>
コイル10は、コイル線が環状に巻きけられてなる。本実施形態のコイル線は、丸線であるが、特に限定されず、平角線などでもよい。
コイル10は、二つのコイル辺部と、コイル渡り部と、を有する。二つのコイル辺部は、スロット21内に収容される。具体的には、一方のコイル辺部が収納されるスロット21と、他方のコイル辺部が収納されるスロット21とは、異なる。一方のコイル辺部が収納されるスロット21と、他方のコイル辺部が収納されるスロット21とは、図1に示すように別のスロットを介して周方向に配置されてもよく、隣り合っていてもよい(図示せず)。
<ウエッジ>
ウエッジ30は、スロット21内に配置されたコイル10と、スロットオープン22との間に配置される。ウエッジ30は、スロットオープン22を塞ぐ。ウエッジ30は、ステータコア20とコイル10とを絶縁する。ウエッジ30の軸方向長さは、スロット21の軸方向長さよりも大きい。
本実施形態のウエッジ30は、軸方向視においてU字形状である。詳細には、周方向に延びる周方向部と、周方向部の両端部から径方向外側に向けて延びる2つの径方向部と、を含む。周方向部及び径方向部は、1つの部材で構成されてもよく、互いに異なる部材が接続されてもよい。
<絶縁紙>
図1に示すように、絶縁紙40は、スロット21に挿入されるコイル10を被覆する。絶縁紙40は、スロット21において径方向内側を除く空間を区画するティースに沿って配置される。本実施形態の絶縁紙40は、U字形状である。図1では、絶縁紙40の開口とウエッジ30の開口とは、互いに反対の方向である。
なお、絶縁紙40は、ステータコア20の軸方向一側の端面から突出して折り返されたカフス部(図示せず)を有してもよく、絶縁紙40は、ステータコア20の軸方向他側の端面から突出して折り返されたカフス部(図示せず)を有してもよい。
(コイル挿入装置)
図1~図4を参照して、コイル挿入装置100について説明する。図2は、コイル挿入装置100を示す。図3及び図4は、スロット21にコイル10を挿入する工程を示し、図3及び図4の順に実施される。
図1~図4に示すように、コイル挿入装置100は、ステータコア20の軸方向に貫通する複数のスロット21に、コイル線が環状に巻き付けられたコイル10を、軸方向一側から他側(図2では、下側から上側)に向けて挿入する。詳細には、コイル挿入装置100は、ステータコア20の複数のスロット21を跨ぐようにそれぞれのスロットオープン22からコイル10を挿入する。
コイル挿入装置100は、図2~図4に示すように、複数のブレード110と、コイル移動機構としてのストリッパ120と、ブレード台座130と、ウエッジガイド140と、ウエッジプッシャ150と、保持部材160と、連結機構170と、を備える。
<ブレード>
図3に示すように、ブレード110は、コイル10を保持する。ブレード110は、ステータコア20の径方向内側かつストリッパ120の径方向外側に、ステータコア20の周方向に配置され、軸方向に延びる。ブレード110により、コイル10をスロット21に容易に挿入できる。
ブレード110は、軸方向に移動する。本実施形態のブレード110は、軸方向に移動する可動ブレードである。
ブレード110は、ステータコア20の周方向に並んで配置される。ここでは、ブレード110は、複数のティース23を介して配置される。詳細には、複数のブレード110は、ティース23に対応して、同一円周上に配設される。
2つのブレード110で、1つのコイル辺部を保持する。ブレード110は、後述するストリッパ120に引っ掛けられたコイル10を軸方向及び径方向に沿ってスロット21まで導く。
ブレード110は、スロットオープン22に配置される形状を有する。ブレード110は、軸方向に延びる棒状の部材である。
本実施形態のブレード110の径方向外側端縁は、ステータコア20の径方向内側端縁よりも径方向内側に位置するが、ステータコア20の径方向内側端縁よりも径方向外側に位置してもよい。
<ストリッパ>
ストリッパ120は、コイル10を移動させるコイル移動機構である。ストリッパ120は、ステータコア20の径方向内側に配置され、軸方向に移動する。ストリッパ120は、コイル10を軸方向一側から他側に向けて挿入する。ストリッパ120は、コイル10に接触する。ストリッパ120により、コイル10がステータコア20の径方向内側を軸方向に移動しつつ、コイル10の一部がスロットオープン22からスロット21内部に挿入される。具体的には、ストリッパ120は、コイル10の径方向の内側を引っ掛けて、ブレード110に沿ってコイル10を引き上げる。ストリッパ120は、ブレード110とともに軸方向他側に移動してもよく、ブレード110とともに軸方向他側に移動しなくてもよい。後者の場合、ブレード110がストリッパ120よりも先に軸方向他側に移動する。
ストリッパ120には、環状のコイル10の径方向の内側が引っ掛けられる。ストリッパ120においてコイルが引っ掛けられる部分の径は、コイル10を保持するブレード110間の距離である。
本実施形態のストリッパ120の径方向外側端縁は、ステータコア20の径方向内側端縁よりも径方向内側に位置するが、ステータコア20の径方向内側端縁よりも径方向外側に位置してもよい。
ストリッパ120は、スロットオープン22に配置される形状を有する。本実施形態では、ストリッパ120の軸方向他側の端部は、半球状である。ストリッパ120の軸方向他側の端面は、曲面である。
<ブレード台座>
ブレード台座130は、ステータコア20の径方向内側かつストリッパ120の軸方向一側に配置される。ブレード台座130は、ブレード110を保持する。ここでは、ブレード台座130は、複数のブレード110の一端部を保持する。
ブレード台座130は、円柱形状を有する。ブレード台座130の径は、コイル10を保持するブレード110間の距離である。
ブレード台座130と複数のブレード110とは、1つの部材で構成されてもよく、別の部材で構成されてもよい。
<ウエッジガイド>
ウエッジガイド140は、ウエッジ30を収容する。ウエッジガイド140は、ウエッジ30をスロット21に案内する。
ウエッジガイド140は、ステータコア20の軸方向一側に配置され、隣り合うスロット21間に配置される。ウエッジガイド140は、軸方向に延びる。本実施形態では、複数のウエッジガイド140が配置される。
<ウエッジプッシャ>
ウエッジプッシャ150は、ウエッジ30を軸方向一側から他側に移動させる。具体的には、ウエッジプッシャ150は、ウエッジ30に固定される。詳細には、ウエッジプッシャ150の軸方向他側は、ウエッジ30の軸方向一側に取り付けられる。
ウエッジプッシャ150は、軸方向に移動する。これにより、ウエッジ30を軸方向に移動する。詳細には、ウエッジプッシャ150は、ストリッパ120の軸方向の移動により、軸方向に移動する。このため、ウエッジプッシャ150によるウエッジ30の挿入方向は、コイル10の挿入方向と同じである。
<保持部材>
保持部材160は、ステータコア20の径方向内側かつストリッパ120の軸方向一側に配置される。保持部材160は、ストリッパ120に連結される。保持部材160は、ストリッパ120に、直接連結されてもよく、他の部材を介して連結されてもよい。ここでは、保持部材160は、連結機構170を介してストリッパ120に連結される。
保持部材160は、少なくとも1つのブレード110と、少なくとも径方向に接触する。保持部材160により、ブレード110を径方向に保持できる。このため、ストリッパ120によりコイル10をスロット21に挿入する際に、ストリッパ120に連結された保持部材160がブレード110を径方向から支持できる。したがって、ブレード110の撓みを抑制できる。
本実施形態の保持部材160は、複数のブレード110と径方向に接触する。ここでは、保持部材160は、挿入するコイル10を保持する全てのブレード110と径方向に接触する。
また保持部材160は、ブレード110と径方向において面接触する。これにより、保持部材160によってブレード110を径方向に保持する効果を高めることができる。このため、ブレード110の撓みをより抑制できる。ブレード110の撓みを抑制する観点からは、接触面積が大きいことが好ましく、コストを抑える観点からは、接触面積を所定値以下にすることが好ましい。
また、保持部材160は、ストリッパ120の移動に伴って移動する。詳細には、ストリッパ120が軸方向他側に移動すると、保持部材160も軸方向他側に移動する。ストリッパ120の移動量と保持部材160の移動量は同じであってもよく、異なってもよい。
具体的には、保持部材160は、ブレード台座130の軸方向他側に配置される。これにより、ブレード台座130とストリッパ120との間のブレード110が保持部材160に保持される。このため、ブレード110の撓みをより抑制できる。
保持部材160は、ストリッパ120とブレード台座130との間に配置される。図2では、保持部材160は、ストリッパ120とブレード台座130との中間部分に配置される。これにより、ブレード110は、軸方向一側でブレード台座130に保持され、軸方向他側でストリッパ120に保持され、軸方向中間部分で保持部材160に保持される。
また、保持部材160は、ウエッジガイド140と少なくとも径方向に接触する。保持部材160によりウエッジガイド140が保持されるので、ウエッジガイド140の撓みを抑制できる。このため、ウエッジ30の座屈を抑制できる。
保持部材160は、例えば、径方向外側面に、ブレード110と面接触する凹部が複数設けられる。凹部は、軸方向視において、ブレード110に沿った円弧状である。
本実施形態の保持部材160は、複数のウエッジガイド140と径方向に接触する。保持部材160は、ウエッジガイド140と径方向において点接触であってもよく、面接触してもよい。
ウエッジガイド140の軸方向他側端面141及びウエッジプッシャ150の軸方向他側端面151と、保持部材160とは、軸方向において重なる。ウエッジガイド140が保持部材160に保持されることによって、ウエッジガイド140の撓みが抑制されるので、ウエッジプッシャ150が曲がることを抑制できる。このため、ウエッジプッシャ150に支持されるウエッジ30に座屈が生じることを抑制できる。
本実施形態では、ウエッジ30のスロット21への挿入完了時に、保持部材160によりウエッジガイド140を保持する。
保持部材160を構成する材料の曲げ剛性は、ブレード110を構成する材料の曲げ剛性よりも小さい。これにより、保持部材160で保持されるブレード110の損傷を抑制できる。曲げ剛性は、JIS Z 2248に基づいて測定される値である。本実施形態では、ブレード110は、鉄で構成され、保持部材160は、鉄よりも柔らかい銅合金や樹脂で構成される。
図2の保持部材160は、軸方向視において円形状である。保持部材160の内部に、複数の孔161が形成される。孔161は、軸方向に貫通する。孔161は、後述の棒状部材171を収容する。
<連結機構>
連結機構170は、ストリッパ120と保持部材160とを連結する。連結機構170により、ストリッパ120の移動に伴って、保持部材160が移動する。このため、保持部材160を容易に移動できる。
連結機構170は、ストリッパ120と保持部材160との軸方向の距離を変える。すなわち、連結機構170により、ストリッパ120と保持部材160との軸方向距離が可変である。これにより、コイル10をブレード110に保持する際に、ストリッパ120と保持部材160との軸方向距離を短縮できる。その結果、ブレード110の長さを短縮できる。
具体的には、図3に示すように、コイル10をブレード110に設置する際には、連結機構170により、ストリッパ120と保持部材160との距離を短くすることができる。図4に示すように、コイル10をスロット21に挿入する際には、連結機構170により、ストリッパ120と保持部材160との距離を長くできる。
本実施形態の連結機構170は、複数の棒状部材171と、複数の板状部材172と、を含む。棒状部材171は、軸方向に延びる。板状部材172は、棒状部材171により互いに連結される。これにより、連結機構170を容易に実現できる。棒状部材171と板状部材172とで、ストリッパ120と保持部材160との軸方向の距離を変える伸縮機構を構成する。
棒状部材171は、軸方向に延びる。複数の棒状部材171は、軸方向位置が異なる。また、図2では、2つの棒状部材171は、軸方向位置が同じである。なお、棒状部材171の数は、限定されない。
棒状部材171は、例えば、ボルトとナットとを有する。ボルトは、軸方向に延びるシャフトと、シャフトの端部に設けられた頭部とを含む。ナットは、シャフトにおいて、頭部と軸方向反対側の端部に取り付けられる。
板状部材172は、径方向に延びる。複数の板状部材172は、軸方向位置が異なる。図2では、軸方向位置が異なる3つの板状部材172が配置される。なお、板状部材172の数は、限定されない。
図2に示すように、板状部材172は、棒状部材171を収容する孔172aが形成される。ここでは、孔172a及び保持部材160の孔161に、棒状部材171を収容することができる。これにより、ストリッパ120と保持部材160との軸方向の距離を変える構成を容易に実現できる。
なお、孔161及び孔172aの径方向の幅は、棒状部材171が移動できる程度の大きさである。ここでは、孔161及び孔172aの径方向の幅は、棒状部材171としてのネジのネジ部の径よりもやや大きい。
板状部材172は、ブレード110と少なくとも径方向に接触する。これにより、保持部材160とストリッパ120との間のブレード110が、板状部材172により保持される。このため、ブレード110の撓みをより抑制できる。
板状部材172は、例えば、径方向外側面に、ブレード110と面接触する凹部が複数設けられる。凹部は、軸方向視において、ブレード110に沿った円弧状である。
保持部材160が少なくとも径方向に接触するブレード110の本数は、板状部材172が少なくとも径方向に接触するブレード110の本数よりも多い。ここでは、保持部材160の径方向外側面に設けられ、かつブレード110と接触する凹部の数は、板状部材172の径方向外側面に設けられ、かつブレード110と接触する凹部の数よりも多い。
保持部材160の軸方向の厚みは、板状部材172の軸方向の厚みよりも大きい。これにより、保持部材160によってブレード110を保持する領域が大きくなるので、ブレード110の撓みをより抑制できる。
連結機構170は、連結部材173をさらに備える。図2では、連結部材173の一端部は、ストリッパ120に固定され、連結部材173の他端部は、板状部材172に固定される。これにより、連結部材173は、ストリッパ120と板状部材172とを連結する。
連結部材173は、例えば、紐、チェーン、ワイヤ、固定金具などを用いることができる。
(コイル挿入方法)
続いて、図1~図5を参照して、本実施形態のコイル挿入方法を説明する。本実施形態のコイル挿入方法は、上述したコイル挿入装置100を用いたコイル10の挿入方法である。なお、図2~図4では、絶縁紙40の図示を省略している。
まず、図5に示すように、コイル挿入装置100をステータコア20に設置する(ステップS1)。このステップS1では、図3に示すように、ステータコア20の軸方向一側にコイル10及びコイル挿入装置100を配置する。
詳細には、複数のブレード110間に保持されるようにコイル10を配置する。また、複数のブレード110の径方向の中央であって軸方向一側に、ストリッパ120を配置する。さらに、ウエッジガイド140及びウエッジプッシャ150に支持されるようにウエッジ30を配置する。
このステップS1では、ストリッパ120に連結された保持部材160は、少なくとも1つのブレード110と、少なくとも径方向に接触して、ブレード110を保持する。また、連結機構170の板状部材172は、図3に示すように、互いに近づいた状態で配置される。
次に、図5に示すように、ストリッパ120を軸方向一側から他側に向けて移動する(ステップS2)。このステップS2では、ストリッパ120は、ブレード110とともに軸方向他側に移動する。また、ストリッパ120の移動に伴って、ウエッジガイド140及びウエッジプッシャ150を軸方向一側から他側に向けて移動する。
このステップS2では、図4に示すように、保持部材160は、ストリッパ120の移動に伴って、軸方向一側から他側へ移動する。ここでは、保持部材160は、ブレード110を径方向に支持しながら軸方向へ移動する。また、連結機構170の板状部材172は、ストリッパ120の移動に伴って、互いに離れるように移動する。
ブレード110及びストリッパ120を移動することによって、図4及び図5に示すように、ステータコア20のスロット21にコイル10を挿入することができる(ステップS3)。またウエッジプッシャ150を移動することによって、スロット21にウエッジ30を挿入することができる。
次に、コイル挿入装置100をステータコア20から取り外す(ステップS4)。具体的には、ストリッパ120を軸方向一側に向かって移動する。
以上の工程(ステップS1~S4)を実施することにより、ステータコア20の軸方向に貫通する複数のスロット21に、コイル10及びウエッジ30を挿入することができる。その結果、図1に示すステータ1を製造できる。
なお、図4~図7において絶縁紙40を図示していないが、スロット21に挿入されるコイル10を絶縁紙40で被覆する工程をさらに備える。この工程では、スロット21に予め絶縁紙40を配置して、コイル10をスロット21に挿入してもよい。また、絶縁紙40を被覆したコイル10をスロット21に挿入してもよい。
(作用効果)
図6を参照して、本実施形態のコイル挿入装置100の作用効果について説明する。図6において、左側は、従来のコイル挿入装置200を模式的に示し、右側は、本実施形態のコイル挿入装置100を模式的に示す。従来のコイル挿入装置200は、本実施形態の保持部材160及び連結機構170を備えていない。
本発明者は、ウエッジ30が座屈するという問題は、以下の現象に起因することを見出した。具体的には、図6に示すように、高占積率のW相のコイル10Wを挿入する際に、先に挿入されたU相及びV相のコイル10U、10Vのコイルエンドによって、ウエッジガイド140が内径側に押される。これにより、ブレード110が内径側に押されるので、ブレード110が撓んでしまう。詳細には、ブレード110の一側はブレード台座130で保持され、ブレード110の他側はストリッパ120で押さえられるので、ブレード110の軸方向における中間部分が撓む。ウエッジガイド140が撓むので、ウエッジプッシャ150も撓んでしまう。ウエッジプッシャ150の軸方向他側の端部が撓むと、ウエッジプッシャ150が支持するウエッジ30がステータコア20のアンブレラで曲がる。したがって、ウエッジ30が座屈するという問題が生じる。
この問題に対して、本実施形態のコイル挿入装置100は、ストリッパ120と連結され、ブレード110と径方向に接触する保持部材160を備える。保持部材160により、ブレード110を径方向に保持できる。このため、ストリッパ120によりコイル10をスロット21に挿入する際に、ストリッパ120に連結された保持部材160がブレード110の中間部分を径方向から支持できる。したがって、高占積率のW相のコイル10Wを挿入する際に、先に挿入されたU相及びV相のコイル10U、10Vのコイルエンドによって、ウエッジガイド140が内径側に押されても、ブレード110の撓みを抑制できる。これにより、ウエッジプッシャ150の軸方向他側の端部が撓むことを抑制できるので、ウエッジプッシャ150が支持するウエッジ30が座屈することを抑制できる。
このように、本実施形態では、保持部材160によってブレード110の撓みを抑制した状態で、ウエッジ30をスロット21に挿入する。このため、占積率が高いコイル10を挿入する場合であっても、ウエッジ30の座屈を抑制できる。したがって、本実施形態のコイル挿入装置100は、コイル10の占積率が高いステータ1の製造に好適に用いられる。
(変形例1)
上述した実施形態では、保持部材160は、円筒状の形状を有するが、これに限定されない。保持部材160は、ブレード110の少なくとも1つと、径方向に接触する構造であれば、任意の構造を採用し得る。
(変形例2)
上述した実施形態では、連結機構170は、棒状部材171及び板状部材172を含むが、これに限定されない。連結機構170は、伸縮部材などであってもよい。
(変形例3)
上述した実施形態では、図1に示すように、コイルを挿入する2つのスロット21は、スロット21を4つ挟んだ一のスロット21と他のスロット21とされるが、これに限定されない。
(変形例4)
上述した実施形態では、2つのスロット21に1つのコイル10を挿入する方法を例に挙げて説明した。4以上のスロット21に、複数のコイル10を同時に挿入してもよい。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 :ステータ
10 :コイル
20 :ステータコア
21 :スロット
22 :スロットオープン
23 :ティース
30 :ウエッジ
100 :コイル挿入装置
110 :ブレード
120 :ストリッパ
130 :ブレード台座
140 :ウエッジガイド
150 :ウエッジプッシャ
160 :保持部材
170 :連結機構
171 :棒状部材
172 :板状部材

Claims (12)

  1. ステータコアの軸方向に貫通する複数のスロットに、コイル線が環状に巻き付けられたコイルを、軸方向一側から他側に向けて挿入するコイル挿入装置であって、
    前記ステータコアの径方向内側に配置され、軸方向に移動し、前記コイルを移動させるコイル移動機構と、
    前記ステータコアの径方向内側かつ前記コイル移動機構の径方向外側に、前記ステータコアの周方向に配置され、軸方向に延び、前記コイルを保持する複数のブレードと、
    前記ステータコアの径方向内側かつ前記コイル移動機構の軸方向一側に配置され、前記コイル移動機構に連結され、少なくとも1つの前記ブレードと少なくとも径方向に接触する保持部材と、
    を備える、コイル挿入装置。
  2. 前記ステータコアの径方向内側かつ前記コイル移動機構の軸方向一側に配置され、前記ブレードを保持するブレード台座をさらに備え、
    前記保持部材は、前記ブレード台座の軸方向他側に配置される、請求項1に記載のコイル挿入装置。
  3. 前記ステータコアの軸方向一側に配置され、ウエッジが収容されるウエッジガイドをさらに備え、
    前記保持部材は、前記ウエッジガイドと少なくとも径方向に接触する、請求項1または2に記載のコイル挿入装置。
  4. 前記ウエッジを軸方向一側から他側に移動させるウエッジプッシャをさらに備え、
    前記ウエッジガイドの軸方向他側端面及び前記ウエッジプッシャの軸方向他側端面と、前記保持部材とは、軸方向において重なる、請求項3に記載のコイル挿入装置。
  5. 前記コイル移動機構と前記保持部材とを連結する連結機構をさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のコイル挿入装置。
  6. 前記連結機構は、前記コイル移動機構と前記保持部材との軸方向の距離を変える、請求項5に記載のコイル挿入装置。
  7. 前記連結機構は、
    軸方向に延びる複数の棒状部材と、
    前記棒状部材により互いに連結される複数の板状部材と、
    を含む、請求項5または6に記載のコイル挿入装置。
  8. 前記保持部材及び前記板状部材は、前記棒状部材を収容する孔が形成される、請求項7に記載のコイル挿入装置。
  9. 前記板状部材は、前記ブレードと少なくとも径方向に接触する、請求項7または8に記載のコイル挿入装置。
  10. 前記保持部材の軸方向の厚みは、前記板状部材の軸方向の厚みよりも大きい、請求項7~9のいずれか1項に記載のコイル挿入装置。
  11. 前記保持部材は、前記ブレードと径方向において面接触する、請求項1~10のいずれか1項に記載のコイル挿入装置。
  12. 前記保持部材を構成する材料の曲げ剛性は、前記ブレードを構成する材料の曲げ剛性よりも小さい、請求項1~11のいずれか1項に記載のコイル挿入装置。
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