以下に図面を参照して、本発明にかかる情報処理装置、測位支援方法、およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態は、開示の技術を限定するものではない。
まず、本発明の実施の形態に係る説明で使用する一般的な技術について説明する。また、本実施の形態では、無線通信方法としては、特に限定しないが、ビーコンを用いる例を挙げて説明する。特に、ビーコンとしては、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)ビーコンなどが挙げられるが、特に限定しない。また、本実施の形態では、電波強度の値としては、例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator)値を用いる。
例えば、ビーコンを用いた移動体の測位は、例えば、衛星信号が使用できない屋内などで行われる。移動体の測位とは、移動体の位置を推定することである。移動体は、例えば、様々な場所に留まる。本実施の形態では、測位によって移動体の滞留時の位置の精度を向上させる。屋内としては、例えば、様々な業種に関わる各種店舗や各種施設が挙げられる。様々な業種とは、例えば、飲食業・流通業・小売業・アミューズメント・医療・介護などが挙げられる。また、屋内としては、例えば、製造業などに関わる工場、物流業などに関わる倉庫などが挙げられる。また、衛星信号の使用の有無や屋内と屋外に関係なく測位のためにビーコンを利用可能な場所であれば、ビーコンを利用してもよい。
また、測位の対象となる移動体としては、人間などの動物、装置などが挙げられる。人物としては、例えば、工場の作業員、倉庫の作業員など屋内で作業する人等が挙げられる。装置としては、例えば、台車、重量物運搬装置、無人搬送車(Automated Guided Vehicle(AGV))などが挙げられる。また、移動体としては、台車などのように人間が押して移動可能な物体であってもよい。
ビーコンを利用した測位では、例えば、ビーコン機器と受信機とを用いる。受信機は、Rasberry Piのようなシングルボードコンピュータやスマートフォンなど、Bluetoothの電波を受信可能な各種装置である。また、ビーコン機器と受信機とを用いて測位を行う場合において、ビーコン機器と受信機とのうち、いずれの機器(第2装置)が固定配置され、いずれの機器(第1装置)が移動体に取り付けられてもよい。第1の例としては、複数のビーコン機器が固定配置され、受信機が移動体に取り付けられる。第2の例としては、複数の受信機が固定配置され、ビーコンが移動体に取り付けられる。第3の例としては、複数のビーコン機器が固定配置され、移動体にもビーコン機器が取り付けられる。第1の例から第3の例のそれぞれにおける測位について説明する。
第1の例の場合、屋内にビーコン機器がグリッド状に固定配置される。移動体に取り付けられた受信機が複数のビーコン機器の電波を受信する。そして、電波強度が最も大きいビーコン機器の位置が、移動体の現在位置として検出される。
また、第2の例の場合、屋内に複数の受信機がグリッド状に固定配置される。固定配置された受信機は、移動体に取り付けられたビーコン機器からの電波を受信する。固定受信機群で受信した電波の電波強度のうち、最も大きい値で受信した受信機の位置が、移動体の現在位置として検出される。
また、第3の例の場合、ビーコン機器がグリッド状に固定配置される。固定配置されたビーコン機器は、移動体に取り付けられたビーコン機器からの電波を受信する。固定配置されたビーコン機器群で受信した電波強度のうち、最も大きな値で受信した固定のビーコン機器の位置が、移動体の現在位置として検出される。
また、第1の例から第3の例において、固定配置される機器は、グリッド状に固定配置されなくてもよい。例えば、移動体や測位結果の用途等に応じて測位の精度が高くなるように受信機やビーコン機器が分散的に配置されてもよい。本実施の形態は、第1の例から第3の例のいずれを用いてもよい。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1にかかる情報処理装置の一構成例を示すブロック図である。図1を参照すると、情報処理装置10は、重み付け部101と、特定部102と、を有する。
第1装置は、移動体が有する機器である。移動体は、第1装置を保持していてもよいし、第1装置が取り付けられていてもよい。このため、以降第1装置を移動体機器と呼ぶ。また、複数の第2装置は、予め固定配置される。このため、以下第2装置を固定機器と呼ぶ。例えば、複数の固定機器は、屋内に分散的に固定配置される。移動体機器と、複数の固定機器と、の間では、無線通信を行うことができる。上述したように、無線通信としてビーコンを用いる例を挙げて説明する。ここで、第1の例から第3の例を用いて上述したように、移動体機器と、複数の固定機器とは、いずれが受信機で、いずれがビーコン機器であってもよいし、両方がビーコン機器であってもよい。本実施の形態1では、一例として、移動体機器がビーコンの電波を送信し、複数の固定機器がその電波を受信することとする。情報処理装置10は、移動体機器と、複数の固定機器と、の間の無線通信によって得られる通信データを収集する装置である。
通信データは、例えば、移動体機器と、複数の固定機器のうちのいずれかの固定機器と、の間の無線通信の電波強度に関する強度データと、固定機器を示す識別データと、を含む。ここでは、ビーコン機器を用いるため、この通信データをビーコンデータと称する。また、ビーコンデータは、電波強度の受信時刻に関する時刻データを含んでいてもよい。電波強度の受信時刻とは、移動体機器と、固定機器と、の間の通信に関する時刻である。受信時刻に限らず、受信日時、受信日付であってもよいが、ここでは受信時刻を用いて説明する。ここでの通信に関する時刻は、情報処理装置10がビーコンデータを取得した時刻であってもよい。また、移動体機器または固定機器が、時刻を示す時刻データをビーコンデータに付与できるような機能を有していてもよい。例えば、移動体機器から電波をブロードキャストする場合に、移動体機器は、自装置を示す識別データと、ブロードキャスト時の時刻を示す時刻データと、を含むビーコンデータを送信してもよい。または、固定機器が時刻を管理する機能を有する場合、固定機器は、移動体機器からのビーコンデータに対して、受信時の時刻を示す時刻データと、自装置を示す識別データと、を付与してもよい。
重み付け部101は、ビーコンデータに基づいて、当該ビーコンデータに含まれる識別データが示す固定機器における移動体機器の滞留の度合いについての重み付けを行う。滞留の度合いは、重みの値などによって表される。例えば、重みの値が大きいほど、滞留の度合いが高いとする。一方、重みの値が小さいほど、滞留の度合いが低いとする。
重み付け部101は、情報処理装置10がいずれかの固定機器についてのビーコンデータを取得するたびに、重み付けを行ってもよい。また、重み付け部101は、各タイミングにおいて、ビーコンデータに基づいて、そのビーコンデータに含まれる識別データが示す固定機器についての滞留の度合いがより高くなるように重みの値を算出する。各タイミングとは、時刻、日時、日付などのタイミングである。重み付け部101は、例えば、同一時刻のビーコンデータのうち、受信強度が最も強いビーコンデータに基づいて、重み付けを行う。ここで、各固定機器から電波信号が発信されている場合、発信時の電波信号の強度は略同一であることを前提とする。より具体的に、重み付け部101は、そのビーコンデータに含まれる識別データが示す固定機器についての重みの値に所定の値を加算する。これにより、重みの値が大きくなり、重みの度合いが加算前よりも高くなる。このような重みの値は、重み付け結果の一例である。
また、特定部102は、重み付け結果に基づいて、一連のビーコンデータ(一連の通信データ)のうち、無線通信の環境の影響により電波強度の誤差が大きいビーコンデータを特定する。本実施の形態の場合、一連のビーコンデータ(一連の通信データ)とは、移動体機器と、複数の固定機器と、の間の無線通信による時系列のビーコンデータ(通信データ)である。誤差が大きいビーコンデータを誤検出のビーコンデータと呼ぶ。重み付け結果に基づいて、誤検出のビーコンデータを特定する方法については、重み付けの方法などに応じて様々挙げられる。
特定部102は、例えば、重み付け結果に基づいて、一連のビーコンデータのうち、滞留の度合いが低い固定機器についてのビーコンデータを誤検出のビーコンデータとして特定してもよい。例えば、特定部102は、滞留の度合いに関する重み値と、閾値と、の比較に基づいて誤検出のビーコンデータを特定してもよい。具体的に、特定部102は、重み値が閾値以下であれば、誤検出のビーコンデータであるとしてもよい。
具体的に、特定部102は、一連のビーコンデータに基づいて、一連のビーコンデータに識別データが含まれる固定機器における移動体機器の滞留時間を表す第1滞留時間を特定する。そして、特定部102は、特定した第1滞留時間と重み付け結果に基づいて、誤検出のビーコンデータを特定する。
また、例えば、以下のような一連のビーコンデータを処理の対象とする。例えば、処理の対象となる一連のビーコンデータは、時系列で早い順に、ある固定機器についてのビーコンデータを複数有する。ある固定機器を終始点機器と呼ぶ。一連のビーコンデータのうち、これらのビーコンデータの後に時系列で続くビーコンデータが、終始点機器と異なる固定機器についてのビーコンデータである。この異なる固定機器を経由点機器と呼ぶ。経由点機器は複数であってもよいし、1台であってもよい。そして、一連のビーコンデータのうち、時系列で最後のビーコンデータは、再度終始点機器についてのビーコンデータである。すなわち、この一連のビーコンデータは、移動体機器が最初に終始点機器の近傍に居ることを示す。そして、この一連のビーコンデータは、移動体機器が一旦経由点機器の近傍に移動した後に、再度終始点機器の近傍に戻ったことを示す場合と、移動体機器はずっと終始点機器の近傍に居たことを示す場合とがある。移動体機器がずっと終始点機器の近傍に居る場合、一連のビーコンデータのうち、経由点機器についてのビーコンデータは誤検出のビーコンである可能性が高い。ここでは、一連のビーコンデータでは、移動体機器が途中経由点機器の近傍に行ったのか、通信環境の影響によりビーコンデータが誤検出されてしまったのかが明確でない。
そこで、このような一連のビーコンデータを処理の対象とすることにより、経由点機器についてのビーコンデータが誤検出のビーコンデータの候補となる。このため、特定部102は、経由点機器について、第1滞留時間を算出する。一方、終始点機器についてのビーコンデータは誤検出のビーコンデータの候補ではない。このため、特定部102は、終始点機器について第1滞留時間を算出しないようにしてもよい。特定部102は、経由点機器ごとに、一連のビーコンデータにおいて、時系列で最も早く移動体機器からの電波を受信した時刻(起点時刻)と、時系列で最も遅く移動体機器からの電波を受信した時刻(終点時刻)と、の差分に基づいて、第1滞留時間を算出する。時刻に限らず、日付や日時であってもよい。特定部102は、終点時刻から起点時刻を減算した時間を第1滞留時間とする。
また、特定部102は、第2滞留時間と第1滞留時間とを用いて、一連のビーコンデータから誤検出のビーコンデータを特定する。第2滞留時間は、重み付け結果に基づく固定機器における移動体機器の滞留時間である。具体的に、特定部102は、例えば、固定機器ごとの標準滞留時間と重み付け結果とを用いて、第2滞留時間を算出する。標準滞留時間は、予め利用者や管理者によって指定される。また、標準滞留時間は、例えば、固定機器が配置される屋内の特徴や移動体の移動の特徴に基づいて指定される。例えば、午前中の時間帯には、作業員が一般的にある作業場にいる可能性が高い場合を挙げて説明する。例えば、その作業場に配置された固定機器についての標準滞留時間は、他の固定機器についての標準滞留時間よりも長い。
例えば、標準滞留時間を第2滞留時間の最大値として、滞留の度合いが高いほど、第2滞留時間が最大値に近い値となる。または、重み付け部101は、第2滞留時間の最大値が標準滞留時間となるように重み付けを行ってもよい。そして、特定部102は、重みの値と標準滞留時間との積に基づいて、第2滞留時間を算出してもよい。
そして、特定部102は、経由点機器ごとの第1滞留時間と第2滞留時間との比較に基づいて、一連のビーコンデータから誤検出のビーコンデータを特定する。具体的に、特定部102は、例えば、すべての経由点機器について第1滞留時間が第2滞留時間未満であるか否かを判定する。そして、例えば、すべての経由点機器について第1滞留時間が第2滞留時間未満である場合に、特定部102は、すべての経由点機器についてのビーコンデータを誤検出のビーコンデータとして特定する。すなわち、誤検出のビーコンデータが特定される場合、一連のビーコンデータによれば、移動体機器は、終始点機器の近傍にずっと居る。一方、いずれかの経由点機器について第1滞留時間が第2滞留時間未満でない場合に、特定部102は、誤検出のビーコンデータを特定しない。すなわち、誤検出のビーコンデータが特定されない場合、一連のビーコンデータによれば、移動体機器は、終始点機器の近傍に居る。その後、一連のビーコンデータによれば、移動体機器は、経由点機器の近傍を経由した後に、終始点機器の近傍に戻る。
また、特定された誤検出のビーコンデータについて情報処理装置10の利用者などがどのように利用するかについては特に限定しない。また、特定部102は、特定された誤検出のビーコンデータに対して、誤差が大きいことを示すデータを付与してもよい。また、情報処理装置10は、誤検出のビーコンデータを出力装置などに出力されるようにしてもよい。
図2は、実施の形態1にかかる情報処理装置10による重み付け処理の一動作例を示すフローチャートである。ここで、図2における情報処理装置10による各ステップの処理結果は、メモリなどの情報処理装置10がアクセス可能な記憶部に記憶される。図2に示すように、まず、情報処理装置10は、ビーコンデータを取得する(ステップS101)。ステップS101において、情報処理装置10は、固定機器からビーコンデータを受信してもよい。また、情報処理装置10は、ゲートウェイなどからビーコンデータを受信してもよい。ここでのビーコンデータに時刻データが含まれていない場合、情報処理装置10は、ビーコンデータを受信した受信時刻を示す時刻データをビーコンデータに付与する。
つぎに、情報処理装置10は、受信強度が最大のビーコンデータを特定する(ステップS102)。例えば、各時刻において、1または複数の固定機器からビーコンデータが発信される。このため、ステップS102において、情報処理装置10は、各時刻において複数のビーコンデータがある場合、電波強度が強い方のビーコンデータを特定する。
つぎに、情報処理装置10は、ステップS102において特定されたビーコンデータに基づいて、重み付けを行う(ステップS103)。情報処理装置10は、例えば、特定されたビーコンデータに含まれる識別データが示す固定機器についての重みの値に所定の値を加算する。これにより、重みの値が大きくなり、重みの度合いが加算前よりも高くなる。
そして、情報処理装置10は、重み付け結果と特定されたビーコンデータを格納する(ステップS104)。情報処理装置10は、ステップS104のつぎに、フローの動作を終了する。
図3は、実施の形態1にかかる情報処理装置10の特定処理の一動作例を示すフローチャートである。ここで、図3における情報処理装置10による各ステップの処理結果は、メモリなどの情報処理装置10がアクセス可能な記憶部に記憶される。図3に示すように、まず、情報処理装置10は、図2のステップS104において格納された各ビーコンデータから、一連のビーコンデータを抽出する(ステップS111)。
つぎに、情報処理装置10は、重み付け結果に基づいて、誤検出のビーコンデータを特定する(ステップS112)。そして、情報処理装置10は、特定結果を出力する(ステップS113)。情報処理装置10は、ステップS113のつぎに、フローの動作を終了する。
つぎに、本実施の形態1の効果について説明する。上述した本実施の形態における情報処理装置10は、固定機器における移動体機器の滞留の度合いについての重み付け結果に基づいて、通信環境の影響により電波強度の誤差が大きいビーコンデータを特定する。これにより、通信環境の影響により電波強度の誤差が大きいビーコンデータを利用者に通知することができる。したがって、利用者は、誤検出のビーコンデータを考慮して、測位を行うことができる。また、利用者は、誤検出のビーコンデータを用いて、通信環境に影響を及ぼす障害物等やその影響度合いなどを解析してもよい。
情報処理装置10は、例えば、一連のビーコンデータに識別データが含まれる固定機器における移動体機器の滞留の第1滞留時間と重み付け結果に基づいて、通信環境による電波強度の誤差が大きいビーコンデータを特定する。これにより、情報処理装置10は、一連のビーコンデータから実際に各固定機器に移動体機器がどの程度滞留したかを特定することができる。したがって、情報処理装置10は、誤検出のビーコンデータの特定精度の向上を図ることができる。
また、固定機器に移動体が留まる標準的な時間(標準滞留時間)が予め用意される。そして、情報処理装置10は、実際の移動体の移動に基づく重み付け結果と標準滞留時間とに基づく第2滞留時間と、第1滞留時間と、を用いて、誤検出のビーコンデータを特定する。設定された一律の標準的な滞留時間と実際の移動に基づく重み付け結果から、標準的な滞留時間が補正される。そして、情報処理装置10は、一連のビーコンデータにおける第1滞留時間と、補正後の標準滞留時間(第2滞留時間)との比較により、より精度よく誤検出のビーコンデータを特定することができる。
また、移動体がいずれの固定機器の近傍に留まるかは、移動体や移動体の作業や時間帯などによっても異なる。そこで、固定機器ごとに標準滞留時間が用意され、情報処理装置10は、固定機器ごとに標準滞留時間と、重み付けによって得られた重み付け結果に基づく第2滞留時間を求める。そして、一連のビーコンデータにおける第1滞留時間と第2滞留時間との比較に基づいて、誤検出のビーコンデータを特定する。これにより、一連のビーコンデータにおける第1滞留時間が、第2滞留時間より長い場合、実際に移動体が固定機器の近くに滞留していた可能性が高い。一方、第1滞留時間が、第2滞留時間未満である場合、移動体が固定機器の近くに滞留していた可能性が低い。これにより、移動体の移動の特徴が考慮され、より精度よく誤検出のビーコンデータを特定することができる。
また、一連のビーコンデータは、時系列で早い順に終始点機器についてのビーコンデータを連続して複数有する。そして、一連のビーコンデータは、終始点機器と異なる経由点機器についてのビーコンデータを有する。また、一連のビーコンデータのうちの、時系列で最も遅いビーコンデータは、終始点機器を示す識別データを含む。これにより、ある固定機器(終始点機器)への移動体機器の滞留が着目される。そして、ある固定機器(終始点機器)から他の固定機器(経由点機器)へ移動体機器が実際に移動したか否かが特定される。そして、実際に移動していないと推測される場合、移動体機器と経由点機器との通信の電波強度は、通信環境の影響により大きな誤差が発生したと特定される。これにより、より精度よく誤検出のビーコンデータを特定することができる。
すなわち、一連のビーコンデータに基づく第1滞留時間が、重み付け結果を考慮した標準滞留時間である第2滞留時間以上であれば、移動体機器が実際に経由点機器の近くに実際に移動した可能性が高い。一方、一連のビーコンデータに基づく第1滞留時間が、重み付け結果を考慮した標準滞留時間である第2滞留時間未満であれば、移動体機器は、実際には経由点機器の近くに移動していない可能性が高い。すなわち、第1滞留時間が第2滞留時間未満であれば、通信環境の影響により受信強度に大きな誤差が生じた可能性が高い。また、標準滞留時間は、あくまで利用者や管理者による予想値である。そこで、情報処理装置10は、重み付け結果に基づいて標準滞留時間を補正する。これにより、情報処理装置10は、移動体機器が経由点機器に実際にいる可能性が高い標準滞留時間(第2滞留時間)を求めることができる。したがって、情報処理装置10は、より精度よく誤検出のビーコンデータを特定することができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について図面を参照して詳細に説明する。以下、本実施の形態2の説明が不明確にならない範囲で、前述の説明と重複する内容については説明を省略する。
図4は、本実施の形態2にかかる測位支援システムの一構成例を示す説明図である。図4において、測位支援システム2は、情報処理装置20と、複数の固定機器22と、移動体機器23と、ゲートウェイ21と、可視化端末装置24と、を有する。本実施の形態2にかかる測位支援システム2では、上述した第3の例を用いて説明するが、特に限定しない。このため、複数の固定機器22と移動体機器23とは、理解の容易化のために、図4において異なる絵を使用しているが、いずれもビーコン機器である。
移動体機器23は、第1装置である。移動体機器23は、例えば、移動体に対して1台設けられる。そして、移動体機器23は、移動体に取り付けられる。これにより、移動体機器23は、移動体とともに移動する。移動体機器23は、移動体の識別データである移動体機器ID(IDentify)データを含むビーコンデータを周囲に発信する。ビーコンデータ例については、図5を用いて後述する。図4の例では、移動体が一人であるため、移動体機器23を一台しか示していないが、移動体が複数ある場合、移動体機器23-1から移動体機器23-mなどのように移動体ごとに移動体機器23を有する。なお、mは2以上の正の整数である。
複数の固定機器22-1~22-nは、第2装置である。複数の固定機器22-1~22-nは、所定の領域25内に分散的に固定配置される。nは、2以上の正の整数である。所定の領域25は、例えば、上述したような屋内である。屋内が、例えば製造工場である場合、複数の固定機器22-1~22-nは、製造ライン、事務所、休憩場所、各装置(例えば、製造装置など)などに固定配置される。所定の領域25が工場である場合における複数の固定機器22の配置例については、図7を用いて後述する。
また、各固定機器22は、移動体機器23から発信されたビーコンデータを受信する。固定機器22は、受信したビーコンデータに対して、固定機器IDデータ、強度データを、付与する。固定機器IDデータとは、固定機器22を示す識別データである。強度データは、移動体機器23からビーコンデータを受信したときの電波強度の値を示すデータである。そして、固定機器22は、移動体機器IDデータと、固定機器IDデータと、強度データと、を含むビーコンデータをゲートウェイ21または情報処理装置20に送信する。固定機器22からゲートウェイ21または情報処理装置20に送信されるビーコンデータ例については、図5を用いて後述する。複数の固定機器22-1~22-nは、ゲートウェイ21または情報処理装置20に直接ビーコンデータを送信せずに、マルチホップ通信等を利用してもよい。
また、ゲートウェイ21は、複数の固定機器22から送信されたビーコンデータを受信する。そして、ゲートウェイ21は、ビーコンデータを、情報処理装置20が受信可能なデータ構造に変換する。ここでのデータ構造とはプロトコルを意味する。そして、ゲートウェイ21は、変換後のビーコンデータを情報処理装置20へ送信する。なお、固定機器22が送信するビーコンデータが情報処理装置20によって受信可能なデータ構造になっている場合に、測位支援システム2では、ゲートウェイ21を設けずにサーバが直接受信する構成であってもよい。
また、情報処理装置20は、各固定機器22またはゲートウェイ21からビーコンデータを受信して集約する。図4において、情報処理装置20は、サーバである。ただし、情報処理装置20は、サーバでなくてもよい。情報処理装置20は、受信したビーコンデータに時刻データを付与してもよい。時刻データは、例えば、ビーコンデータを情報処理装置20が受信した受信時刻を示す。移動体機器IDデータと、強度データと、固定機器IDデータと、時刻データと、を有する。
情報処理装置20は、例えば、移動体機器23が複数ある場合、移動体機器23ごとにビーコンデータを集約する。また、情報処理装置20は、ビーコンデータの集約結果に基づいて、可視化端末装置24において出力可能なデータを生成する。そして、情報処理装置20は、生成結果を可視化端末装置24や可視化端末装置24がアクセス可能なストレージサーバ等に送信する。もしくは、情報処理装置20は、生成結果を自装置の記憶部に記憶させておき、可視化端末装置24が、情報処理装置20の記憶部に記憶された生成結果を取得するようにしてもよい。情報処理装置20の詳細な機能については、図6を用いて後述する。
可視化端末装置24は、生成結果を出力装置に出力する。出力装置としては、ディスプレイなどが挙げられる。例えば、可視化端末装置24は、例えば、生成結果に基づく画面をディスプレイに表示する。可視化端末装置24は、生成結果をWebブラウザ等によって表示してもよい。または、測位結果等を表示可能な専用アプリケーションが予めインストールされている場合、可視化端末装置24は、その専用アプリケーションによって生成結果を出力してもよい。また、情報処理装置20と、可視化端末装置24とが、同一の装置であってもよい。
図5は、各種ビーコンデータ例を示す説明図である。ビーコンデータ231は、移動体機器23から発信される。
ビーコンデータ232は、固定機器22から送信される。ビーコンデータ232は、移動体機器IDデータと、固定機器IDデータと、強度データと、を有する。固定機器IDデータは、固定機器22の識別データである。強度データは、固定機器22が移動体機器23からビーコンデータを受信した際の電波強度を示す。
ビーコンデータ233は、情報処理装置20が用いる。ビーコンデータ233は、移動体機器IDデータと、固定機器IDデータと、強度データと、時刻データと、を有する。時刻データは、移動体機器IDデータが示す移動体機器23と、固定機器IDデータが示す固定機器IDとの間の無線通信の時刻に関する時刻データである。具体的に、時刻データは、情報処理装置20がビーコンデータ232を固定機器22またはゲートウェイ21から受信したときの受信時刻を示すデータである。また、ビーコンデータ233に含まれるデータは、時刻データに限らず、受信日時を示すデータや受信日付を示すデータであってもよい。
また、固定機器22が、リアルタイムクロック等の時刻や日付を特定可能な機能を有していてもよい。このような場合、固定機器22は、移動体機器23と固定機器22との間の無線通信の時刻を示す時刻データとして、固定機器22がビーコンデータ231を移動体機器23から受信した時の時刻を示す時刻データをビーコンデータ231に付与してもよい。または、ゲートウェイ21が、ビーコンデータ232に、受信時刻を示す時刻データを付与する。そして、ゲートウェイ21は、付与後のビーコンデータ233を情報処理装置20に送信してもよい。
また、ビーコンデータ231、ビーコンデータ232、ビーコンデータ233は、測位の用途に応じて、他のデータを有していてもよい。
図6は、実施の形態2にかかる情報処理装置20の一構成例を示すブロック図である。図6において、情報処理装置20は、記憶部211と、各機能部と、を有する。情報処理装置20は、各機能部として、取得部203と、設定部204と、集約部205と、重み付け部201と、特定部202と、補正部206と、出力制御部207と、を有する。まず、記憶部211は、情報処理装置20の各機能の処理結果を記憶する。また、記憶部211は、各部の処理に用いるデータを記憶する。図6における記憶部211の記憶内容は、一例であり、特に限定されない。
また、情報処理装置20は、各種データにアクセス可能であればよく、図6に示す記憶部211の記憶内容の一部のデータが記憶部211に記憶され、一部のデータ以外のデータは情報処理装置20がアクセス可能な他の装置の記憶部等に記憶されていてもよい。ただし、図24に示すハードウェア構成例で詳細に説明するが、情報処理装置20は、各機能部を実現するための各種命令を含むプログラムを記憶部211にロードして実行する。また、説明の容易化のため、1つの記憶部211を示すが、記憶部211はこれに限らない。例えば、記憶部211は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、半導体メモリ、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)などの様々な組み合わせであってもよい。
具体的に、記憶部211は、滞留特性DB(Database)221と、BLEビーコンデータDB222と、最新受信時刻DB223と、を記憶する。また、記憶部211は、滞留係数、非滞留係数、非受信判定時間、非受信判定間隔などを示す各種データを記憶する。
滞留特性DB221は、固定機器22における移動体機器23の滞留の度合いについての重み付け結果や重み付けに用いる各種数値を記憶する。滞留特性DB221は、固定機器22ごとに各種数値が設定されてよい。理解と説明の容易化のために、滞留特性DB221の詳細な説明の前に、固定機器22の設置例について説明する。
図7は、工場内における固定機器22の設置例を示す説明図である。屋内が、製品の工場の場合を例に示す。工場内には、部品棚、修理ライン、各種製品ライン、各種梱包資材置き場、一時保管品置き場、出荷品置き場、ゴミ捨て場、出荷品置き場、事務室、喫煙所などがある。図7において、工場内には、固定機器22-1から固定機器22-8が設置される。各固定機器22の設置個所は、測位の対象となる移動体の滞留特性や移動特性に基づいて決められる。
例えば、対象の移動体となる作業員は、製造ラインや部品棚などで作業を行う間、製造ラインや部品棚の前で滞留する。夜間や休日などの勤務時間外には、作業員は作業場にいない。また、作業員は、休憩場所などで休憩する。また、例えば、台車やAGVは、荷降ろしのために製造ラインや部品棚などの前で停まる。また、製造ラインの変化や部品の置き場所の移動などにより、作業員や台車などの滞留場所が日々変化する。
このように、対象となる移動体、一日の勤務時間帯、勤務時間外などによって、移動体は、作業場で一定時間停止したり、滞留場所や時間が変化したり、作業場を長い時間を離れたりするなどの性質がある。このため、対象の移動体に基づく位置に応じて固定機器22が設置される。
つぎに、滞留特性DB221について説明する。図8は、滞留特性DB221の一例を示す説明図である。滞留特性DB221は、固定機器IDごとに、滞留の度合いについての各種情報や重み付け結果などを有する。滞留特性DB221は、固定機器ID、標準滞留時間、重みA、重みB、重みCのフィールドを有する。例えば、各フィールドに情報が設定されることにより、1つのレコード2000(例えば、2000-1)が滞留特性DB221に記憶される。
固定機器IDは、固定機器22を示す識別子である。ここでは、例えば、レコード2000-1のように固定機器IDが「1」の場合、固定機器22-1を示すこととする。標準滞留時間は、滞留の特性に関する情報である。具体的に、標準滞留時間は、固定機器IDが示す固定機器22の近傍に移動体が滞留する標準的な時間である。標準滞留時間については、例えば、一意に決められた値であってもよいし、情報処理装置20の管理者や情報処理装置20の利用者などによって設定されてもよい。例えば、標準滞留時間は、運用開始時に初期値が設定されていてもよい。そして、測位支援システム2の運用開始後に、工場の製造ラインの変化などの工場の環境変化や作業員の働き方の変化などに応じて測位支援システム2の利用者により標準滞留時間の値が変更されてもよい。例えば、レコード2000-1では、標準滞留時間は300秒である。
重みAと、重みBと、重みCとは、重み付けに用いられる。ここでは、重みAの値は、固定値である。重みBと、重みCとは、固定機器IDが示す固定機器22の近傍における移動体の滞留の度合いを示す。具体的に、例えば、重みAと重みBと重みCとは、値が大きいほど、滞留の度合いが高く、値が小さいほど、滞留の度合いが低い。滞留の度合いが高ければ、固定機器22における移動体の滞留の時間が長い。一方、滞留の度合いが低ければ、固定機器22における移動体の滞留の時間が短い。
重みBの値は、測位支援システム2の運用開始後に情報処理装置20の重み付けにより変化する値である。重みCの値は、重みAの値と重みBの値とに基づく値である。重みCの値は、重みBの値と同様に重み付けにより変化する値である。また、重みCの値は、利用者に指定された標準滞留時間の補正に用いられる。後述するが、利用者に指定された標準滞留時間と重みCの値との積によって、滞留の度合いに基づく標準滞留時間が得られる。
具体的に、重みAには、例えば、「51」が設定される。また、重みAの最大値が設定され、例えば、最大値は、「51」である。重みBには、例えば、初期値として「0」が設定される。また、重みBには、例えば、最大値と最小値が定められる。重みBの最大値は、重みAの値よりも小さな値とする。重みAの値が「51」の場合、重みBの最大値は、例えば、「49」などが設定される。重みBの最小値は、例えば、初期値とする。重みCの値は、以下の(式1)によって決まる。
重みCの値=(重みAの値+重みBの値)÷(重みAの最大値+重みBの最大値)
・・・(式1)
また、滞留特性DB221は、図8の例に限定されない。上述したように、移動体が人物であるか装置であるか、どの作業を行う作業員であるかなどによっても滞留の特性は異なる。このため、滞留特性DB221は、例えば、移動体機器23ごとに、各レコードが設定されてもよい。または、滞留特性DB221は、移動体ごとに用意されてもよい。滞留特性DB221の標準滞留時間は、時間帯別、曜日別、平日・休日別などのように用意されてもよい。
図9は、BLEビーコンデータDB222の一例を示す説明図である。BLEビーコンデータDB222は、例えば、移動体機器IDごとに、各タイミングにおけるビーコンデータが記憶される。図9におけるBLEビーコンデータDB222では、時系列順にビーコンデータが記憶されてもよい。図9におけるBLEビーコンデータDB222において、一連のビーコンデータは、移動体機器IDごとの時系列のビーコンデータである。すなわち、図9におけるBLEビーコンデータDB222において行方向の複数のビーコンデータが、一連のビーコンデータである。
図10は、最新受信時刻DB223の一例を示す説明図である。最新受信時刻DB223は、例えば、移動体機器23ごと、または移動体機器23と固定機器22との組み合わせごとに、最新受信時刻を管理するためのデータベースである。最新受信時刻DB223には、移動体機器IDと、固定機器IDと、最新受信時刻と、のフィールドを有する。各フィールドに情報が設定されることにより1つのレコードが最新受信時刻DB223に記憶される。
移動体機器IDは、移動体機器23を示す識別子である。ここでは、説明の容易化のため、例えば、移動体機器IDが「1」の場合、移動体機器23-1を示す。固定機器IDは、固定機器22を示す識別子である。例えば、最新受信時刻は、移動体機器23ごと、または移動体機器23と固定機器22との組み合わせごとに、情報処理装置20が最も新しく受信したビーコンデータ233の受信時刻が設定される。詳細については、後述するが、例えば、集約部205によって集約されたビーコンデータ233の受信時刻が設定される。また、最新受信時刻のフィールドには、最新受信時刻に限らず、最新受信日時または最新受信日付などが設定されてもよい。「 / / 」は、西暦による日付を示す。「 : : 」は、時刻を示す。「20xx/xx/xx xx:xx:xx」は、例えば、「20xx年xx月xx日 xx時xx分xx秒」を示す。
以上で、各種のデータベースの記憶例の説明を終了する。つぎに、図6の説明に戻って、情報処理装置20の各種機能部に関する説明をする。上述したように、情報処理装置20は、取得部203と、設定部204と、集約部205と、重み付け部201と、特定部202と、補正部206と、出力制御部207と、を有する。まず、測位支援システム2の運用開始前などの初期設定処理と運用中の各種処理とに分けて説明する。
<初期設定>
取得部203は、各種データを取得する。取得部203は、例えば、通信ネットワークに接続可能な通信インターフェースの受信部を介して各種データを取得してもよい。また、取得部203は、各種入力を受け付け可能な入力装置を介して各種データを取得してもよい。また、取得部203は、受信部や入力装置そのものであってもよい。
取得部203は、例えば、測位支援システム2の運用開始前に、固定機器22ごとの標準滞留時間、滞留係数、非滞留係数、非受信判定時間、非受信判定間隔などを取得する。例えば、可視化端末装置24は、準滞留時間、滞留係数、非滞留係数、非受信判定時間、非受信判定間隔等を入力可能な画面を表示する。そして、例えば、利用者は、可視化端末装置24の入力装置等を利用して、これらのデータを入力する。可視化端末装置24は、これらのデータの入力を受け付ける。そして、可視化端末装置24は、これらのデータを情報処理装置20へ送信する。取得部203は、入力を受け付けた可視化端末装置24から送信された各標準滞留時間、滞留係数、非滞留係数、非受信判定時間、非受信判定間隔などを受信する。
滞留係数は、滞留の度合いが高くなる重み付けに用いられる。滞留係数として設定可能な値は、0以上であり、重みBの最大値以下の数値である。滞留係数の値は、「0.1」や「1.1」などの小数値を含む値であってもよい。非受信判定時間は、移動体機器23と固定機器22との間の通信が行われていない時間の閾値として用いられる。非滞留係数は、移動体機器23と固定機器22との間の通信が非受信判定時間行われていない場合に滞留の度合いが低くなる重み付けに用いられる。非滞留係数の値は、例えば、0以上であり、重みBの最大値以下の数値である。非滞留係数の値は、「0.1」や「1.1」などの小数値を含む値であってもよい。非受信判定間隔は、滞留の度合いを低くする重み付け処理の処理間隔として用いられる。
例えば、本実施の形態2としては、初期設定値として、以下を用いる。
・滞留係数:1
・非受信判定時間:3600[秒]
・非滞留係数:1
・非受信判定間隔:1[秒]
設定部204は、取得部203によって取得された標準滞留時間を滞留特性DB221に設定する。また、設定部204は、取得部203によって取得された滞留係数、非滞留係数、非受信判定時間、非受信判定間隔を記憶部211に格納する。
また、設定部204は、重みAの初期値(固定値)や重みBの初期値を設定する。重みAの初期値(固定値)や重みBの初期値については、予め定められた値が設定されてもよい。または、重みBの初期値や重みBの初期値は、各種データと同様に利用者から指定されてもよい。また、設定部204は、設定後の重みAの値と、重みBの値と、(式1)と、に基づいて、重みCの値を設定する。
図11は、初期設定後の滞留特性DB221を示す説明図である。図11において、固定機器22-Xについては、標準滞留時間が60秒に設定される。固定機器22-Yについては、標準滞留時間が5秒に設定される。固定機器22-Zについては、標準滞留時間が10秒に設定される。また、重みAの値は、いずれも初期値(固定値)として、「51」が設定される。重みBの値は、いずれも初期値として、「0」が設定される。また、重みCの値は、重みAの値と重みBの値と(式1)とに基づき設定される。このため、重みCの値は、0.51が設定される。なお、測位支援システム2の運用開始前についてのシーケンス図については図20に示す。以上で、測位支援システム2の運用開始前についての説明を終了する。
<測位支援システム2の運用中>
つぎに、測位支援システム2の運用中に関する各種処理について説明する。取得部203は、ビーコンデータ232を取得する。具体的に、取得部203は、通信ネットワークに接続可能な通信インターフェース等を介してゲートウェイ21または固定機器22からビーコンデータ232を受信する。また、取得部203は、受信したビーコンデータ232に、時刻データを付与することによりビーコンデータ233を生成する。ここでの時刻データとしては、情報処理装置20がビーコンデータ232を受信した受信日時を示す日時データや受信時刻を示す時刻データが挙げられる。
集約部205は、取得部203によって取得されたビーコンデータ233を集約する。具体的に、集約部205は、例えば、移動体機器IDごとに、ビーコンデータ233を管理可能なようにビーコンデータ233を集約する。
集約部205は、複数の固定機器22のうち、移動体が最も近傍に居たと推定される固定機器22についてのビーコンデータ233を残すようにビーコンデータ233を集約する。具体的に、集約部205は、例えば、同一の受信時刻を示す時刻データを有する複数のビーコンデータ233のうち、強度データが示す電波強度が最も大きいビーコンデータ233を特定する。そして、集約部205は、特定されたビーコンデータ233をBLEビーコンデータDB222に登録する。より具体的に、例えば、集約部205は、BLEビーコンデータDB222において、「最新ビーコンデータ」を「直前ビーコンデータ」として格納する。そして、集約部205は、新たに特定されたビーコンデータ233を「最新ビーコンデータ」として格納する。このように、集約部205は、BLEビーコンデータDB222において時系列にビーコンデータを格納する。
一方、集約部205は、複数のビーコンデータ233のうち、電波強度が最も大きいビーコンデータ233以外のビーコンデータ233を破棄する。破棄するとは、単に記憶部211等に記憶しないことである。なお、集約部205は、電波強度が最も大きいビーコンデータ233以外のビーコンデータ233を情報収集のために記憶部211等に別途記憶してもよい。
また、集約部205は、電波強度の値が極端に大きいビーコンデータ233などを予め除外してもよい。これにより、移動体機器23と各固定機器22との間の通信で生じる電波強度よりも大きい場合など、電波強度の値が異常値であるビーコンデータ233が予め排除される。
集約部205は、最も電波強度が大きいビーコンデータ233に基づいて、最新受信時刻DB223を更新する。具体的に、集約部205は、例えば、最も電波強度が大きいビーコンデータ233に含まれる各データのうち、移動体機器IDデータと、固定機器IDデータと、受信日時を示す日時データまたは受信時刻を示す時刻データと、を最新受信時刻DB223に保存する。
以上で、集約部205によるビーコンデータ233の集約に関する説明を終了する。つぎに、重み付け部201による重み付けについて説明する。重み付け部201は、実施の形態1で説明した重み付け部101の機能を有する。重み付け部201による重み付けは、滞留の特性に基づいて行われる。ここでは、滞留の度合いがより高くなるように重み付けが行われる場合と、滞留の度合いがより低くなるように重み付けが行われる場合とがある。本実施の形態2では、滞留の度合いが高くなるとは重みBの値が増加することである。また、滞留の度合いがより低くなるとは、重みBの値が減少することである。まず、滞留の度合いが高くなる場合について説明する。
重み付け部201は、ビーコンデータ233に基づいて、固定機器22における移動体機器23の滞留の特性に関する重み付けを行う。この固定機器22は、当該ビーコンデータ233に含まれる固定機器IDデータが示す。滞留の特性に関する重み付けとは、例えば、滞留の度合いについての重み付けである。ここで、重み付け部201は、例えば、滞留の度合いがより高くなるように重み付けを行う。重み付け部201は、例えば、最新のビーコンデータ233に含まれる固定機器IDデータが示す固定機器22についての重みBの値について、滞留係数の値を加算することにより滞留の度合いを高くする。より具体的に、重み付け部201は、以下(式2)に基づいて、重みBの値を更新する。
更新後の重みBの値=Min((更新前の重みBの値+滞留係数の値),49)
・・・(式2)
ここで、Min(a,b)はa,bのうち最小の値を返す関数である。また、49とは、重みBの最大値である。上述したように、重みBの最大値は、重みAの値以上にしない。図11に示すように重みAの値が「51」に設定されたため、重みBの最大値は、「49」に設定される。また、重みBの値を重みBの最大値を超えないようにすることで、重みCと標準滞留時間との積の結果が標準滞留時間よりも大きくなることを抑制することができる。
また、重み付け部201は、同一の移動体機器IDにおいて、「直前ビーコンデータ」と「最新ビーコンデータ」が同一の固定機器IDデータを含む場合に、重み付けを行うようにしてもよい。一方、重み付け部201は、同一の移動体機器IDにおいて、直前ビーコンデータと最新ビーコンデータが同一の固定機器IDデータを含まない場合に、重み付けを行わないようにしてもよい。これにより、連続して同一の移動体機器23から受け付けた場合に、重みBの値が更新される。
重み付け部201は、BLEビーコンデータDB222に格納された各ビーコンデータ233を用いて、移動体機器23が固定機器22の近傍に滞留した滞留時間を算出する。そして、重み付け部201は、滞留時間に基づいて、重み付けを行ってもよい。具体的に、重み付け部201は、例えば、滞留時間が長いほど、固定機器22についての滞留の度合いが高くなるように重み付けを行う。重み付け部201は、例えば、滞留時間に応じて重みBの値をより大きく設定する。例えば、重み付け部201は、滞留時間に応じた滞留係数を重みBの値に加算してもよい。つぎに、滞留の度合いを上げる重み付けが行われる例を図12から図17を用いて説明する。
図12は、重み付けに用いる時系列データの一例を示す説明図である。図12では、集約部205による集約後のビーコンデータ233を示す。すなわち、図12には、各時刻において移動体機器23-1との間の通信の電波強度が最も高い通信機器を示す。ここでは、説明の容易化のため、図12において、ビーコンデータ233に含まれる時刻データが示す受信時刻と、ビーコンデータ233に含まれる固定機器IDデータが示す固定機器IDとを示す。時刻データは、情報処理装置20における受信時刻を示す。
図12によれば、受信時刻「0:00:0」では、移動体機器23-1と固定機器22-Xと間の通信の電波強度が最も高い。受信時刻「0:00:1」では、移動体機器23-1と固定機器22-Xと間の通信の電波強度が最も高い。受信時刻「0:00:2」では、移動体機器23-1と固定機器22-Yと間の通信の電波強度が最も強い。受信時刻「0:00:3」では、移動体機器23-1と固定機器22-Zと間の通信の電波強度が最も高い。受信時刻「0:00:4」では、移動体機器23-1と固定機器22-Xと間の通信の電波強度が最も強い。
ここでは、理解の容易化のために、時系列で受信時刻を示すが、重み付け部201は、ビーコンデータ233が受信される都度、集約部205による集約後に、重み付けを行う。つぎに、図13から図17には、各受信時刻における重み付けの例を示す。
図13は、受信時刻「0:00:0」におけるビーコンデータ233に対する重み付け例を示す説明図である。重み付け部201は、最新受信時刻DB223内の最新の受信時刻「0:00:0」について、滞留特性DB221内の固定機器22-Xに関する重みBの値に滞留係数の値「1」を加算する。このため、図13の滞留特性DB221において、固定機器22-Xに関する重みBの値には、「1」が設定される。また、重み付け部201は、固定機器22-Xについての新たな重みBの値と(式1)とに基づいて、重みCの値を設定する。図13の滞留特性DB221において、固定機器22-Xに関する重みCの値には、「0.52」が設定される。
図14は、受信時刻「0:00:1」におけるビーコンデータ233に対する重み付け例を示す説明図である。重み付け部201は、最新受信時刻DB223内の最新の受信時刻「0:00:1」について、滞留特性DB221内の固定機器22-Xに関する重みBの値に滞留係数の値「1」を加算する。このため、図14の滞留特性DB221において、固定機器22-Xに関する重みBの値には、「2」が設定される。また、重み付け部201は、固定機器22-Xについての新たな重みBの値と(式1)とに基づいて、重みCの値を設定する。図14の滞留特性DB221において、固定機器22-Xに関する重みCの値には、「0.53」が設定される。
図15は、受信時刻「0:00:2」におけるビーコンデータ233に対する重み付け例を示す説明図である。重み付け部201は、最新受信時刻DB223内の最新の受信時刻「0:00:2」について、滞留特性DB221内の固定機器22-Yに関する重みBの値に滞留係数の値「1」を加算する。このため、図15の滞留特性DB221において、固定機器22-Yに関する重みBの値には、「1」が設定される。また、重み付け部201は、固定機器22-Yについての新たな重みBの値と(式1)とに基づいて、重みCの値を設定する。図15の滞留特性DB221において、固定機器22-Yに関する重みCの値には、「0.53」が設定される。
図16は、受信時刻「0:00:3」におけるビーコンデータ233に対する重み付け例を示す説明図である。重み付け部201は、最新受信時刻DB223内の最新の受信時刻「0:00:3」について、滞留特性DB221内の固定機器22-Zに関する重みBの値に滞留係数の値「1」を加算する。このため、図16の滞留特性DB221において、固定機器22-Zに関する重みBの値には、「1」が設定される。また、重み付け部201は、固定機器22-Zについての新たな重みBの値と(式1)とに基づいて、重みCの値を設定する。図16の滞留特性DB221において、固定機器22-Zに関する重みCの値には、「0.52」が設定される。
図17は、受信時刻「0:00:4」におけるビーコンデータ233に対する重み付け例を示す説明図である。重み付け部201は、最新受信時刻DB223内の最新の受信時刻「0:00:4」について、滞留特性DB221内の固定機器22-Xに関する重みBの値に滞留係数の値「1」を加算する。このため、図17の滞留特性DB221において、固定機器22-Xに関する重みBの値には、「3」が設定される。また、重み付け部201は、固定機器22-Xについて、新たな重みBの値と(式1)とに基づいて、重みCの値を設定する。図17の滞留特性DB221において、固定機器22-Xに関する重みCの値には、「0.54」が設定される。
以上で、滞留の度合いを上げる例についての説明を終了する。つぎに、滞留の度合いを下げる例について説明する。例えば、非受信時間が長い場合、移動体機器23は、各固定機器22が電波を受信できないような位置にいる可能性が高い。そこで、重み付け部201は、非受信時間が長い場合に、固定機器22に対する滞留の度合いをより低くする。
重み付け部201は、ビーコンデータ233に基づいて、移動体機器23と複数の固定機器22との間の通信が所定時間(非受信判定時間)行われていないことが検出された場合、複数の固定機器22の各々についての重みがより低くなるように重み付けを行う。具体的に、重み付け部201は、例えば、非受信判定間隔ごとに、非受信時間が非受信判定時間よりも長いか否かを判定する。重み付け部201は、非受信時間が非受信判定時間よりも長い場合、各固定機器22における移動体機器23の滞留の度合いがより低くなるように重みBの値を設定する。ここで、非受信時間とは、例えば、いずれの固定機器22からもビーコンデータ233を受信していない時間である。具体的に、重み付け部201は、例えば、最新受信時刻と現在時刻とに基づいて非受信時間を算出する。そして、重み付け部201は、非受信時間が非受信判定時間よりも長い場合、固定機器22に関する重みBの値から非滞留係数の値を減算する。より具体的に、重み付け部201は、以下の(式3)によって重みBの値を更新する。
重みBの値=Max((更新前の重みBの値-非滞留係数の値), 0))
・・・(式3)
ここで、Min(a,b)はa,bのうち最大の値を返す関数である。0は、重みBの初期値であり、最小値である。このため、「(更新前の重みBの値-非滞留係数の値)」と0のうち大きい方の値が重みBの値となる。そして、重み付け部201は、更新後の重みBの値と(式1)とに基づいて、重みCの値を設定する。また、(式3)によれば、重みBの値は、測位支援システム2の運用開始前の初期値「0」よりも小さい値とならないようにする。
また、重み付け部201は、非受信時間が非受信判定時間経過した場合、非受信時間が長いほど、より滞留の度合いが低くなるように重みBの値を設定してもよい。重み付け部201は、例えば、非受信時間1秒ごとに、各固定機器22に関する重みBの値から非滞留係数の値を減算する。例えば、非受信時間が、「5秒」である場合、重み付け部201は、重みBの値から「5秒」×非滞留係数の値「1」を減算する。そして、重み付け部201は、減算後の重みBの値と(式1)とに基づいて、重みCの値を設定する。ここでは、1秒単位で減算する例を挙げたが、種々変更可能である。
図13を例に挙げると、受信時刻「0:00:00」,「0:00:01」,「0:00:02」,「0:00:03」,「0:00:04」のいずれのタイミングにおいても現在時刻から最新受信時刻を減算した結果(非受信時間)が非受信判定時間を上回らない。このため、図13の例において、重み付け部201は、重みBの値を減算する処理を行わない。
また、受信時刻が、「0:00:00」,「0:00:01」,「0:00:02」,「0:00:03」,「1:01:00」である場合を例に挙げる。すなわち、この例では、情報処理装置20は、時刻「0:00:03」から「1:01:00」において対象の移動体機器23についていずれの固定機器22からもビーコンデータ233を受信していない。現在時刻が「0:00:04」である場合、最新受信時刻は時刻「0:00:03」である。重み付け部201は、現在時刻「0:00:04」から最新受信時刻「0:00:03」を減算した減算結果を非受信時間とする。現在時刻「0:00:04」において、非受信時間は「1秒」である。そして、重み付け部201は、非受信時間が非受信判定時間「3600秒」よりも長いか否かを判定する。ここでは、重み付け部201は、非受信時間「1秒」が非受信判定時間「3600秒」より短いと判定する。重み付け部201は、短い場合には、重み付けが低くなるような処理を行わない。
つぎに、現在時刻が「1:00:01」である場合、最新受信時刻は時刻「0:00:03」である。重み付け部201は、現在時刻「1:00:04」から最新受信時刻「0:00:03」を減算する。そして、重み付け部201は、減算結果として非受信時間「3601秒」を得る。非受信時間「3601[秒]」が非受信判定時間「3600秒」より長い。このため、重み付け部201は、すべての固定機器22についての重みBの値を、(式3)に基づいて更新する。そして、重み付け部201は、減算後の重みBの値と(式1)に基づいて、重みCの値を設定する。
以上で重み付け部201による重み付けの説明を終了する。つぎに、図6に示す特定部202について説明する。特定部202は、実施の形態1で説明した特定部102の機能を有する。特定部202は、例えば、重み付け結果に基づいて、一連のビーコンデータのうち、無線通信の環境の影響による電波強度の誤差が大きいビーコンデータ233を特定する。一連のビーコンデータは、BLEビーコンデータDB222において、同一の移動体機器23についての時系列のビーコンデータである。すなわち、図9におけるBLEビーコンデータDB222において行方向()の複数のビーコンデータが、一連のビーコンデータである。
ここでの一連のビーコンデータは、誤検出要判定データパターンに合致する時系列のビーコンデータである。誤検出要判定データパターンとは、以下の条件1から条件3を含むパターンである。条件1は、時系列で早い順に、ある固定機器22を示す固定機器IDデータを有するビーコンデータ233を複数含むことである。実施の形態1と同様に、ある固定機器22を終始点機器と呼ぶ。そして、条件2は、例えば、終始点機器と異なる固定機器22を示す固定機器IDデータを続くビーコンデータ233が含むことである。この異なる固定機器22を経由点機器と呼ぶ。条件2において、経由点機器についてのビーコンデータ233は、時系列で複数連続していてもよい。条件3は、時系列で最も遅いビーコンデータ233が、終始点機器を示す固定機器IDデータを含むことである。特定部202は、例えば、BLEビーコンデータDB222から、誤検出要判定データパターンに合致する一連のビーコンデータを時系列データとして抽出する。
終始点機器が固定機器22-Xの場合を例に挙げると、抽出された時系列データは、固定機器22-Xを示す固定機器IDデータを含むビーコンデータ233を時系列の早い順に複数有する。そして、抽出された時系列データは、固定機器22-X以外の経由点機器を示す固定機器IDデータを含むビーコンデータ233を有する。ここでの経由点機器からのビーコンデータ233は複数であってもよいし、一つであってもよい。また、抽出された時系列データは、経由点機器からのビーコンデータ233のつぎに、受信機-Xを示す固定機器IDデータを含むビーコンデータを有する。そして、このビーコンデータ233が、一連のビーコンデータのうち時系列で最も遅いビーコンデータ233である。
図18は、時系列データおよび滞留特性DB221の例1を示す説明図である。図18における滞留特性DB221では、固定機器22-Xの重みBの値が「49」で最も大きい。固定機器22-Xの重みCの値が「1」である。また、固定機器22-Yの重みBの値が「9」である。固定機器22-Yの重みCの値が「0.6」である。固定機器22-Zの重みBの値が「0」である。固定機器22-Zの重みCの値が「0.51」である。
図18における時系列データ241-1については、説明の容易化のために、強度データについての図示を省略する。時系列データ241-1は、時系列の早い順に固定機器22-Xについてのビーコンデータ233を連続して複数有する。そして、時系列データ241-1は、これらのビーコンデータ233のつぎに固定機器22-Yについてのビーコンデータ233と固定機器22-Zについてのビーコンデータ233を有する。時系列データ241-1は、経由点機器についてのビーコンデータ233のつぎに、時系列で最も遅いビーコンデータ233として固定機器22-Xについてのビーコンデータ233を有する。
また、特定部202による処理を開始するタイミングについては特に限定しない。例えば、特定部202は、受信時刻ごとや1秒ごとに、BLEビーコンデータDB222から、誤検出要判定パターンに合致する一連のビーコンデータを抽出する処理を行ってもよい。
受信時刻「0:00:00」,「0:00:01」,「0:00:02」,「0:00:03」の各タイミングにおいては、BLEビーコンデータDB222に記憶された一連のビーコンデータが、誤検出要判定データパターンに合致しない。特定部202は、受信時刻「0:00:04」において、BLEビーコンデータDB222に記憶された一連のビーコンデータが誤検出要判定データパターンに合致する。このため、特定部202は、受信時刻「0:00:00」から受信時刻「0:00:04」までの一連のビーコンデータを時系列データ241-1として抽出する。
つぎに、特定部202は、時系列データ241に含まれる固定機器IDデータの各々について、当該固定機器IDデータが示す固定機器22における第1滞留時間を算出する。また、特定部202は、時系列データ241のうち、経由点機器についての第1滞留時間を算出するようにしてもよい。図18の例において、経由点機器は、固定機器22-Yと固定機器22-Zである。このため、特定部202は、固定機器22-Xについては滞留時間を算出しなくてもよい。そして、特定部202は、時系列データ241-1に基づいて、固定機器22-Yについての第1滞留時間と、固定機器22-Zについての第1滞留時間と、を算出する。
具体的に、特定部202は、経由点機器ごとに、終点時刻から起点時刻を減算した時間を第1滞留時間として算出する。起点時刻とは、時系列データ241-1の中で、経由点機器について時系列で最も早く表れたビーコンデータ233が示す受信時刻である。終点時刻とは、時系列データ241-1の中で、経由点機器について時系列で最も遅く表れたビーコンデータ233が示す受信時刻である。経由点機器ごとに、時系列データ241-1に経由点機器についてのビーコンデータ233が1つしか含まれない場合、起点時刻と終点時刻とは同じとなる。
例えば、時系列データ241-1から得られる固定機器22-Yについての第1滞留時間は、終点時刻「0:00:02」から起点時刻「0:00:02」を減算した時間「0.00秒」である。
例えば、時系列データ241-1から得られる固定機器22-Zについての第1滞留時間は、終点時刻「0:00:03」から起点時刻「0:00:03」を減算した時間「0.00秒」である。
つぎに、特定部202は、標準滞留時間と重み付け結果に基づいて、経由点機器についての第2滞留時間を算出する。より詳細に説明すると、特定部202は、例えば、経由点機器ごとに、標準滞留時間と重みCの値との積算を用いて、第2滞留時間を算出する。なお、重みCと標準滞留時間との積の結果である第2滞留時間が標準滞留時間よりも長くならないように重みBの値が重み付け部201によって設定される。
固定機器22-Yについての標準滞留時間は「5秒」であり、重みCの値は、「0.60」である。このため、固定機器22-Yについての第2滞留時間は、「5×0.60」により「3.00秒」である。
固定機器22-Zについての標準滞留時間は「10秒」であり、重みCの値は、「0.51」である。このため、固定機器22-Zについての第2滞留時間は、「10×0.0.5」により「5.10秒」である。
特定部202は、第1滞留時間と第2滞留時間との比較に基づいて、時系列データ241-1から誤検出のビーコンデータ233を特定する。例えば、すべての経由点機器について、第1滞留時間が第2滞留時間未満である場合に、特定部202は、経由点機器についてのビーコンデータ233を誤検出のビーコンデータ233として特定する。
図18において、固定機器22-Yについて、第1滞留時間「0.00秒」が第2滞留時間「3.00秒」未満である。固定機器22-Zについて、1滞留時間「0.00秒」が第2滞留時間「5.10秒」未満である。このため、特定部202は、時系列データ241-1のうち、固定機器22-Yと固定機器-Zについてのビーコンデータ233を、誤検出のビーコンデータ233として特定する。そして、特定部202は、特定結果を記憶部211に記憶させてもよい。
また、補正部206は、BLEビーコンデータDB222のうち、特定されたビーコンデータ233を補正する。具体的に、補正部206は、例えば、BLEビーコンデータDB222のうち特定されたビーコンデータ233に含まれる固定機器IDデータを、終始点機器を示す固定機器IDデータに置き換える。図18には、説明の容易化のために、時系列データ241-1の固定機器IDの「Y」と「Z」が「X」に補正された例を示すが、実際には、BLEビーコンデータDB222のビーコンデータ233が補正される。これにより、電波強度の誤差が大きいと推定されるビーコンデータ233が、通信環境の影響がない場合におけるビーコンデータ233に置き換わる。したがって、情報処理装置20は、通信環境の影響を受けなかった場合における一連のビーコンデータを提供することができる。情報処理装置20は、測位の精度の向上を図ることができる。
また、図示しないが、補正方法についても種々変更可能である。補正部206は、例えば、BLEビーコンデータDB222から、特定されたビーコンデータ233を削除してもよい。これにより、誤検出のビーコンデータ233を除外したBLEビーコンデータDB222を提供することができる。また、補正部206は、例えば、特定されたビーコンデータの受信強度がより弱くなるように受信強度の値を補正してもよい。
図19は、時系列データ241および滞留特性DB221の例2を示す説明図である。図19における滞留特性DB221の記憶内容は、図18における滞留特性DB221の記憶内容と同じである。図19における時系列データ241-2は、時系列の早い順に固定機器22-Xについてのビーコンデータ233を連続して有する。そして、時系列データ241-2は、これらのビーコンデータ233のつぎに固定機器22-Yについてのビーコンデータ233を複数有する。時系列データ241-2は、固定機器22-Yについてのビーコンデータ233のつぎに、時系列で最も遅いビーコンデータ233として固定機器22-Xについてのビーコンデータ233を有する。
特定部202は、時系列データ241-2のうち、経由点機器である固定機器22-Yについて、第1滞留時間と、第2滞留時間と、を算出する。固定機器22-Yについての第1滞留時間は、終点時刻「0:00:05」から起点時刻「0:00:02」を減算した時間「3.00秒」である。固定機器22-Yについての第2滞留時間は、「5×0.60」により「3.00秒」である。特定部202は、第1滞留時間が第2滞留時間未満でないため、時系列データ241-2から誤検出のビーコンデータ233を特定しない。
つぎに、出力制御部207は、特定結果に基づいて、出力装置等に出力させるデータを生成する。ここでの特定結果は、いずれのビーコンデータ233が特定されたかを示す情報であってもよい。また、特定結果は、いずれのビーコンデータ233も特定されなかったことを示す情報であってもよい。
また、補正部206がビーコンデータ233を補正した場合、出力制御部207は、補正結果に基づいて、出力装置等に出力させるデータを生成する。この出力装置は、情報処理装置20が有する出力装置であってもよい。また、この出力装置は、通信ネットワークを介して接続された他の装置が有する出力装置であってもよい。出力装置等に出力させるとは、例えば、ディスプレイ等に表示させることなどが挙げられる。図4に示す測位支援システム2の例において、出力制御部207は、例えば、可視化端末装置24が有するディスプレイに表示させるデータを生成する。そして、出力制御部207は、例えば、生成したデータを可視化端末装置24に送信してもよい。
また、情報処理装置20は、誤検出のビーコンデータ233に対して補正を行うか否かを利用者等に選択させてもよい。出力制御部207が特定部202による特定結果を可視化端末装置24等の出力装置に出力させた後に、取得部203が、通信ネットワークや入力装置等を介して補正の有無を受け付けてもよい。例えば、補正有の指示を受け付けた場合に、補正部206は、誤検出のビーコンデータを補正する。一方、補正無しの指示を受け付けた場合、補正部206は、誤検出のビーコンデータを補正しない。
図20は、実施の形態2にかかる測位支援システム2の運用前の一動作例を示すシーケンス図である。まず、可視化端末装置24は、各種データを入力可能な入力画面を表示する(ステップS201)。ここで、各種データとは、滞留係数、非滞留係数、非受信判定時間、非受信判定間隔、各標準滞留時間などが挙げられる。標準滞留時間については固定機器22ごとに受け付け可能としてもよい。つぎに、可視化端末装置24は、入力画面への各種データの入力を受け付ける(ステップS202)。可視化端末装置24は、受け付けた各種データを送信する(ステップS203)。
情報処理装置20は、可視化端末装置24から、各種データを受信する(ステップS204)。つぎに、情報処理装置20は、設定部204によって、各種データを設定する(ステップS205)。ステップS205において、情報処理装置20は、例えば、各標準滞留時間を滞留特性DB221に設定する。ステップS205において、情報処理装置20は、重みAや重みBの初期値を滞留特性DB221に設定する。また、ステップS205において、情報処理装置20は、例えば、滞留係数、非滞留係数、非受信判定時間、非受信判定間隔を記憶部211に格納する。ステップS205のつぎに、情報処理装置20は、フローの動作を終了する
図21は、実施の形態2にかかる情報処理装置20による重み付けの動作例(加算例)を示すフローチャートである。まず、情報処理装置20は、固定機器22またはゲートウェイ21から、ビーコンデータ232を受信する(ステップS211)。つぎに、情報処理装置20は、ビーコンデータ232に受信時刻を示す時刻データを付与する(ステップS212)。ステップS212において、情報処理装置20は、ビーコンデータ232の各データと、受信時刻を示す時刻データと、を含むビーコンデータ233を生成する。
情報処理装置20は、移動体機器IDごとに電波強度が最も強いビーコンデータ233を特定する(ステップS213)。ステップS213において、情報処理装置20は、移動体機器IDごとに、受信時刻が同一である複数のビーコンデータ233から、電波強度の値が最も大きいビーコンデータ233を特定する。例えば、移動体の測位においては、特定されたビーコンデータ233が有する固定機器IDデータが示す固定機器の近くに移動体が居たと推定される。情報処理装置20は、特定されたビーコンデータ233に基づいて、最新受信時刻DB223を更新する(ステップS214)。情報処理装置20は、特定されたビーコンデータ233をBLEビーコンデータDB222に保存する(ステップS215)。そして、情報処理装置20は、特定されたビーコンデータ233に基づいて、滞留特性DB221の重みBと重みCを更新する(ステップS216)。ステップS216において、情報処理装置20は、特定されたビーコンデータ233に含まれる固定機器IDデータについての重みBの値を、(式2)を用いて更新する。すなわち、情報処理装置20は、重みBの値に対して、重みの最大値を超えない範囲で滞留係数を加算する。そして、ステップS216において、情報処理装置20は、この固定機器IDデータについての重みCの値を、(式1)を用いて更新する。情報処理装置20は、ステップS216の後に、フローの動作を終了する。
図22は、実施の形態2にかかる情報処理装置20による重み付けの動作例(減算例)を示すフローチャートである。情報処理装置20は、非受信判定間隔が経過したか否かを判断する(ステップS221)。すなわち、ステップS221により、非受信判定間隔ごとに滞留の度合いを低くする重み付けが行われる。
非受信判定間隔経過していないと判断された場合(ステップS221:No)、情報処理装置20は、ステップS221に戻る。一方、非受信判定間隔経過したと判断された場合(ステップS221:Yes)、情報処理装置20は、ステップS222の処理を行う。情報処理装置20は、対象の移動体機器23についての最新受信時刻を、最新受信時刻DB223またはBLEビーコンデータDB222の最新ビーコンデータから取得する(ステップS222)。情報処理装置20は、非受信時間を算出する(ステップS223)。ステップS223において、情報処理装置20は、現在時刻から最新受信時刻を減算した減算結果を非受信時間として得る。つぎに、情報処理装置20は、非受信時間が非受信判定時間未満か否かを判断する(ステップS224)。ステップS224によって、情報処理装置20は、複数の固定機器22と移動体機器23との間で非受信判定時間以上無線通信が行われていないことを検出することができる。
非受信時間が非受信判定時間未満でない場合(ステップS224:No)、情報処理装置20は、対象の移動体機器23に関するすべての固定機器22について、滞留特性DB221の重みBと重みCを更新する(ステップS225)。ステップS225において、情報処理装置20は、(式3)を用いて、更新後の重みBの値を得る。すなわち、情報処理装置20は、重みBの値から、重みBの初期値を下回らない範囲で非滞留係数を減算する。そして、情報処理装置20は、(式1)を用いて、重みCの値を得る。情報処理装置20は、ステップS225のつぎに、フローの動作を終了する。
一方、非受信時間が非受信判定時間未満である場合(ステップS224:Yes)、情報処理装置20は、フローの動作を終了する。また、フローの動作を終了後に、情報処理装置20は、ステップS221の処理を開始することにより、図22に示す重み付けの処理を繰り返すことができる。情報処理装置20は、移動体機器23ごとに図22に示す処理を行ってもよい(並列処理)。また、情報処理装置20は、移動体機器23を順に対象の移動体機器23として選択してもよい。そして、情報処理装置20は、選択された対象の移動体機器23についての図22に示すフローを実行してもよい(逐次処理)。また、図22に示すフローと、図21に示すフローとは、例えば、非同期に行われる。
図23は、実施の形態2にかかる情報処理装置20による補正の動作例を示すフローチャートである。情報処理装置20は、滞留特性DB221から、誤検出判定データパターンに合致する時系列データ241を抽出する(ステップS231)。情報処理装置20は、抽出された時系列データ241に基づいて、経由点機器ごとに第1滞留時間を算出する(ステップS232)。上述したように、第1滞留時間は、時系列データ241に基づく経由点機器における移動体機器23の滞留時間である。
情報処理装置20は、滞留特性DB221に基づいて、経由点機器ごとに第2滞留時間を算出する(ステップS233)。情報処理装置20は、滞留特性DB221に含まれる標準滞留時間と重みCの値との積算によって第2滞留時間を得る。つぎに、情報処理装置20は、すべての経由点機器について、第1滞留時間が、第2滞留時間未満である否かを判断する(ステップS234)。すべての経由点機器について第1滞留時間が第2滞留時間未満である場合(ステップS234:Yes)、情報処理装置20は、経由点機器に関するビーコンデータを誤検出のビーコンデータとして特定する(ステップS235)。そして、情報処理装置20は、誤検出のビーコンデータを補正する(ステップS236)。ステップS235において、情報処理装置20は、BLEビーコンデータDB222のうち、時系列データ241に対応する経由点機器に関するビーコンデータに含まれる経由点機器を示す固定機器IDデータを、終始点機器を示す固定機器IDデータに置き換える。
そして、情報処理装置20は、ステップS236のつぎに、フローの動作を終了する。また、いずれかの経由点機器について第1滞留時間が第2滞留時間未満でない場合(ステップS234:No)、情報処理装置20は、フローの動作を終了する。
つぎに、本実施の形態2の効果について説明する。上述した本実施の形態2における情報処理装置20は、固定機器22における移動体機器23の滞留の度合いに関する重み付け結果に基づいて、通信環境の影響により電波強度の誤差が大きいビーコンデータを特定する。これにより、情報処理装置20は、例えば、通信環境の影響により電波強度の誤差が大きいビーコンデータを測位の利用者に通知することができる。したがって、利用者は、誤検出のビーコンデータを考慮して、測位を行うことができる。このため、情報処理装置20は、測位の精度の向上を図ることができる。また、利用者は、誤検出のビーコンデータを用いて、通信環境に影響を及ぼす障害物等やその影響度合いなどを解析してもよい。
また、例えば、移動体が、本来の業務と異なる作業をするなど、複数の固定機器22が設置されたエリアからエリア外に移動する場合がある。すなわち、移動体機器23と複数の固定機器22とが長い時間通信できないこととなる。例えば、移動体機器23と複数の固定機器22との間で所定時間通信が行われていない場合、移動体機器23が、屋外に出てしまうなど複数の固定機器22から離れた可能性が高い。そこで、情報処理装置20は、複数の固定機器22と移動体機器23との間で非受信判定時間以上無線通信が行われていないことが検出された場合、各固定機器22における移動体機器23の滞留の度合いがより低くなるように重み付けを更新する。これにより、移動体がいずれの固定機器22の近傍にもいない場合も考慮した重み付けが行われる。そして、誤検出のビーコンデータの特性精度を向上させることができる。ひいては、測位の精度の向上をより図ることができる。
情報処理装置20は、例えば、一連のビーコンデータに固定機器IDデータが含まれる固定機器22における移動体機器23の第1滞留時間と重み付け結果に基づいて、誤検出のビーコンデータを特定する。これにより、情報処理装置20は、一連のビーコンデータにおいて各固定機器22に対して移動体機器23がどの程度滞留していたかに基づいて、誤検出のビーコンデータが特定される。したがって、情報処理装置20は、より精度よく誤検出のビーコンデータを特定することができる。
また、一連のビーコンデータは、時系列で早い順に終始点機器についてのビーコンデータを複数有する。そして、一連のビーコンデータは、これらのビーコンデータにつづいて経由点機器についてのビーコンデータを有する。また、一連のビーコンデータのうち、時系列で最も遅いビーコンデータが、終始点機器を示す固定機器IDデータを含む。これにより、ある固定機器22(終始点機器)への移動体機器23の滞留が着目される。そして、一連のビーコンデータにおいて、移動体機器23が、ある固定機器22(終始点機器)から他の固定機器22(経由点機器)に実際に移動したか、それとも電波強度の誤差なのかが特定される。これにより、誤検出のビーコンデータがより精度よく特定される。
また、移動体には、特有の滞留の特性がある。例えば、移動体がいずれの固定機器22の近傍に留まるかは、移動体や移動体の作業や時間帯などによっても異なる。そこで、固定機器22ごとに固定機器22における移動体機器23の標準滞留時間が用意される。ただし、標準滞留時間は、あくまで利用者や管理者による予想値である。情報処理装置20は、固定機器22ごとに標準滞留時間と、重み付けによって得られた重み付け結果とに基づく第2滞留時間を求める。これにより、情報処理装置20は、移動体が経由点機器に実際にいる可能性が高い標準滞留時間(第2滞留時間)を求めることができる。また、一連のビーコンデータに基づく第1滞留時間が、重み付け結果を考慮した標準滞留時間である第2滞留時間以上であれば、移動体が実際に経由点機器の近くに実際に移動した可能性が高い。一方、一連のビーコンデータに基づく第1滞留時間が、重み付け結果を考慮した標準滞留時間である第2滞留時間未満であれば、移動体は、実際には経由点機器の近くに移動しておらず、通信環境の影響により電波の受信強度に大きな誤差が生じてしまった可能性が高い。そこで、情報処理装置20は、第2滞留時間と、第1滞留時間と、の比較に基づいて、誤検出のビーコンデータを特定する。例えば、経由点機器についての第1滞留時間が第2滞留時間未満である場合に、情報処理装置20は、経由点機器を示す固定機器IDデータを含むビーコンデータを誤検出のビーコンデータとして特定する。これにより、情報処理装置20は、移動体特有の滞留の特性を生かして、誤検出のビーコンデータをより精度よく特定することができる。
また、情報処理装置20は、一連のビーコンデータのうち、特定された誤検出のビーコンデータを補正する。補正の方法としては誤検出のビーコンデータの削除や誤検出のビーコンデータに含まれる固定機器IDの置き換えなどが挙げられる。これにより、情報処理装置20の利用者や実際に測位を行う利用者は、電波強度の誤差について考慮することなく、移動体の測位を行うことができる。このように、情報処理装置20は、移動体特有の滞留特性を利用してビーコンデータを補正することにより、移動体の測位の精度の向上を図ることができる。また、本実施の形態2は、上記の説明に限定されない。例えば、重み付けを行わずに、情報処理装置20は、一連のビーコンデータに基づいて、上述した第1滞留時間と、標準滞留時間と、の比較によって誤検出のビーコンデータを特定してもよい。そして、情報処理装置20は、誤検出のビーコンデータを上述したように補正してもよい。すなわち、情報処理装置20は、重み付け部201を有さない構成であってもよい。実施の形態1も実施の形態2と同様な構成としてもよい。
つぎに、実施の形態1にかかる情報処理装置10と実施の形態2にかかる情報処理装置20とがコンピュータで実現された場合について説明する。図24は、情報処理装置をコンピュータで実現した場合のハードウェア構成例を示す説明図である。図24に示すように、情報処理装置30は、例えば、情報処理装置10,20である。情報処理装置30は、CPU(Central Processing Unit)301と、ROM302と、RAM303と、記憶装置304と、通信インターフェース305と、を有する。各構成部は、バス306を介してそれぞれ接続される。
CPU301は、情報処理装置30の全体を制御する。例えば、CPU301は、OS(Operating System)を動作させて情報処理装置30の全体を制御してもよい。CPU301は、複数のコアを有していてもよい。
情報処理装置30は、記憶部として、ROM302、RAM303および記憶装置304などを有する。記憶装置304は、例えば、フラッシュメモリなどの半導体メモリ、HDD、SSDなどが挙げられる。例えば、記憶装置304はOSのプログラム、アプリケーションプログラム、本実施の形態1または2にかかるプログラムなどの各種プログラムを記憶する。または、ROM302は、アプリケーションプログラムを記憶する。また、ROM302は、本実施の形態1または2にかかるプログラムを記憶してもよい。そして、RAM303は、CPU301のワークエリアとして使用される。
また、CPU301は、記憶装置304やROM302などに記憶されたプログラムをロードする。そして、CPU301は、プログラムにコーディングされている各処理を実行する。また、CPU301は、通信ネットワーク310を介して各種プログラムをダウンロードしてもよい。また、CPU301は、情報処理装置30の一部または全部として機能する。そして、CPU301は、プログラムに基づいて図示したフローチャートにおける処理または命令を実行してもよい。
通信インターフェース305は、無線や有線の通信回線を通じてLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)などの通信ネットワーク310に接続される。これにより、情報処理装置30は、通信ネットワーク310を介して外部の装置や外部のコンピュータに接続される。通信インターフェース305は、通信ネットワーク310と情報処理装置30の内部とのインターフェースを司る。そして、通信インターフェース305は、外部の装置や外部のコンピュータからのデータの入出力を制御する。
ただし、図24に示すハードウェア構成は一例であり、これら以外の構成要素が追加されてもよいし、一部の構成要素を含まなくてもよい。例えば、情報処理装置30は、ドライブ装置などを有してもよい。そして、CPU301は、ドライブ装置などに装着された記録媒体からRAM303にプログラムやデータを読み出してもよい。記録媒体としては、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリなどが挙げられる。また、例えば、情報処理装置30は、キーボードやマウスなどの入力装置やディスプレイなどの出力装置を有していてもよい。
以上のように、本実施の形態1または2にかかる情報処理装置10,20は、図24に示されるコンピュータ・ハードウェアによって実現される。また、情報処理装置10,20は、物理的に結合した一つの装置により実現される。または、情報処理装置10,20は、物理的に分離された二つ以上の装置を有線または無線で接続されることにより実現されてもよい。
また、情報処理装置10,20の実現方法には、様々な変形例がある。例えば、各装置は、構成要素ごとにそれぞれ異なるコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。また、各装置が備える複数の構成要素が、一つのコンピュータとプログラムとの任意の組み合わせにより実現されてもよい。
また、情報処理装置10,20の各構成要素の一部または全部は、特定用途向けの回路で実現されてもよい。また、情報処理装置の一部または全部は、FPGA(Field Programmable Gate Array)のようなプロセッサなどを含む汎用の回路によって実現されてもよい。また、情報処理装置の一部または全部は、特定用途向けの回路や汎用の回路などの組み合わせによって実現されてもよい。また、これらの回路は、単一の集積回路であってもよい。または、これらの回路は、複数の集積回路に分割されてもよい。そして、複数の集積回路は、バスなどを介して接続されることにより構成されてもよい。
また、各装置の各構成要素の一部または全部が複数のコンピュータや回路などにより実現される場合、複数のコンピュータや回路などは、集中配置されてもよいし、分散配置されてもよい。
各実施の形態で説明した測位支援方法は、情報処理装置10,20が実行することにより実現される。また、測位支援方法は、予め用意されたプログラムを情報処理装置10,20などのコンピュータが実行することにより実現される。各実施の形態で説明したプログラムは、HDD、SSD、フレキシブルディスク、光ディスク、フレキシブルディスク、磁気光ディスク、USBメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録される。そして、本プログラムは、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。また、プログラムは、通信ネットワーク310を介して配布されてもよい。
以上説明した、各実施の形態における情報処理装置10,20の各構成要素は、図24に示すコンピュータの情報処理装置30のように、その機能をハードウェア的に実現されてもよい。または、各構成要素は、プログラム制御に基づくコンピュータ装置、ファームウェアで実現されてもよい。
また、ビーコン機器のハードウェア構成については、例えば、アンテナ等を介してビーコン信号を送受信可能なビーコン送受信部を有する。実施の形態2において、移動体機器23であるビーコン機器は、所定の周期でビーコン信号を送信する。また、実施の形態2において、固定機器であるビーコン機器は、例えば、所定の周期でスキャンを行う。スキャンとはビーコン信号の受信である。ビーコン信号は、上述したビーコンデータである。そして、ビーコン機器は、例えば、受信したビーコンデータをスキャンの周期と同一の周期で送信する。上述したように、ビーコン機器は、ゲートウェイやサーバに直接ビーコンデータを送信する。このため、ビーコン機器は、ビーコン送受信部とは別に、通信ネットワークに接続可能な通信インターフェース等を有してもよい。また、各ビーコン機器は、マルチホップ通信のように他のビーコンデータを中継してもよい。そして、各ビーコン機器は、ビーコンデータの中継によりゲートウェイやサーバにビーコンデータを送信してもよい。
また、可視化端末装置24のハードウェア構成については、例えば、出力装置や入力装置を有する。また、可視化端末装置24は、その他、図24に示した情報処理装置30と同様なハードウェア構成を有していてもよい。また、ゲートウェイ21については、パケットを変換可能な機能を有するハードウェアや通信ネットワークに接続可能な通信インターフェース等を有していればよく、特に限定しない。
以上、各実施の形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が把握し得る様々な変更を適用した実施の形態を含み得る。本発明は、本明細書に記載された事項を必要に応じて適宜に組み合わせ、または置換した実施の形態を含み得る。例えば、特定の実施の形態を用いて説明された事項は、矛盾を生じない範囲において、他の実施の形態に対しても適用され得る。例えば、複数の動作をフローチャートの形式で順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の動作を実行する順番を限定するものではない。このため、各実施の形態を実施するときには、その複数の動作の順番を内容的に支障しない範囲で変更することができる。
また、本実施の形態1,2で説明した情報処理装置10,20は、例えば、製造業や物流業に代表される、屋内を一定の経路で移動する移動体の動線分析、作業工程管理に用いられてもよい。また、情報処理装置10,20は、飲食業などにおけるウェイターの動線分析および動線の効率化、作業場の滞留時間の短縮等の作業効率化などに用いられてもよい。また、情報処理装置10,20は、例えば、流通業、小売業などにおける店員の動線分析、動線の効率化、作業時間の把握などの作業効率化に用いられてもよい。