JP2022025480A - 情報処理システム、情報処理方法、及びプログラム - Google Patents

Abstract

【課題】画像がレイアウトされる場合に、画素数を変更する処理を該画像における適切な画像領域に行うことが可能な技術を提供する。【解決手段】ページにレイアウトされる画像を表す画像データを取得し、前記画像のうち画素数を変更する所定の処理の対象領域を、前記画像の前記ページにおけるレイアウトに関するレイアウト情報に基づいて設定する。この設定に基づいて、前記画像のうちの前記対象領域に前記所定の処理を行う。【選択図】図3

Description

本開示の技術は、画像データの解像度を変更する情報処理システム、情報処理方法、及びプログラムに関する。

デジタルカメラ等の撮像装置により取得した画像データを用いてフォトアルバム等の印刷物を作成する技術が知られている。この種の技術では、近年、作成する印刷物に高精細が求められる傾向にある。高精細な印刷物を作成するためには、画素数の多い画像データを用いて印刷することが必要となる。画素数の多い画像データを生成する方法として、元画像データの画素数を増大させるアップサンプリングと称する画像処理が知られている。また、印刷に限らず、複数の画像がレイアウトされて表示される場合などに、画素数の多い画像データにより表示が行われるのが望ましい場合がある。

特許文献１には、画像の解像度を上げるアップコンバートを行う装置が開示されている。特許文献１にはさらに、上記の装置において、画像に対して実行する画像処理を該画像の表示位置に応じて切り替える方法が開示されている。

特開２０１９－４７２９５号公報

例えば、複数の画像がレイアウトされて、これら複数の画像の表示や印刷等の出力が行われる場合がある。このとき、例えば画像のレイアウトによって、該画像が出力されるときにユーザの目に触れやすい画像領域と、そうではない画像領域が存在することが起こり得る。即ち、画像において、画素数を増やす処理の必要性が高い部分、低い部分が存在することがある。

そこで、本開示は、画像がレイアウトされる場合に、画素数を変更する処理を該画像における適切な画像領域に行うことが可能な技術の提供を目的とする。

本開示の技術は、情報処理システムに含まれるコンピュータを、ページにレイアウトされる画像を表す画像データを取得する取得手段と、前記画像のうち画素数を変更する所定の処理の対象領域を、前記画像の前記ページにおけるレイアウトに関するレイアウト情報に基づいて設定する設定手段と、として機能させ、前記設定手段による設定に基づいて、前記画像のうちの前記対象領域に前記所定の処理が行われることを特徴とするプログラムである。

本開示の技術によれば、画像がレイアウトされる場合に、画素数を変更する処理を該画像における適切な画像領域に行うことが可能になる。

情報処理システムの構成図である。 画像の選択・配置を行うためのＵＩ画面を示す図である。 アルバムを表側から見た斜視図である。 アルバムを裏側から見た斜視図である。 アルバムを開いた状態を示す斜視図である。 第１実施形態のアルバムの作成処理の概略を示すフローチャートである。 図６のＳ３の処理をより詳細に示すフローチャートである。 解像度変換処理の対象領域を包含する矩形領域を示す図である。 第２実施形態のアルバム作成処理の概略を示すフローチャートである。 第３実施形態のアルバムの作成処理の概略を示すフローチャートである。

以下、本開示の技術に係る情報処理システム及び情報処理方法の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態では、印刷装置によってアルバムを作成するための画像データの処理を行う情報処理システム及び情報処理方法を例に採り説明する。なお、以降の記載における「解像度」との用語は、画像が表示や印刷された場合の単位長さ当たりの画素数のみならず、画像データに含まれる画素の数を意味する場合もある。例えば、「解像度変換処理」は、画像データに含まれる画素数を変更する処理として記載する。

［第１実施形態］
（情報処理システム）
図１は、本実施形態における情報処理システム１００の概略構成図である。本実施形態における情報処理システム１００は、印刷処理を行う印刷装置としてのプリンタ１０１及び１０５と、情報処理装置１０４と、情報処理装置１０４にネットワーク１０３を介して通信可能に接続された外部サーバ１０２とを含む。

情報処理装置１０４は、ＲＯＭ１０９、ＲＡＭ１１０、ＣＰＵ１１１、及び後述の外部装置及びネットワーク１０３と接続するための入出力インターフェース（不図示）を備える。ＣＰＵ１１１は、中央演算処理装置である。ＣＰＵ１１１は、外部装置である記憶装置１０８、ＲＯＭ１０９またはＲＡＭ１１０等の記憶部に記憶されているオペレーションシステムプログラム（以下、ＯＳと略す）を実行することにより、情報処理装置１０４全体を統括的に制御する。また、ＣＰＵ１１１は、ＲＯＭ１０９やＲＡＭ１１０等に記憶されているプログラムを読み出し、種々の処理を実行する。例えば、ＲＯＭ１０９、ＲＡＭ１１０または外部装置から入力されたデータを用いた演算処理、データの加工、及び出力等を行い、各ハードウェアを制御する。ＲＯＭ１０９は読み出し専用メモリであり、ＣＰＵ１１１によって実行される各種プログラムが格納されている。ＲＡＭ１１０は、データの読み出し及び書き込みが可能なランダムアクセスメモリであり、ＣＰＵ１１１が処理を実行する際のワークメモリとしても使用される。なお、ＲＡＭ１１０が不揮発性のＲＡＭによって構成される場合には、ＲＡＭ１１０に各種プログラムを格納することも可能である。

情報処理装置１０４に接続される外部装置としては、印刷装置としてのプリンタ１０５、表示部としてのモニタ１０６、入力装置１０７、及び記憶装置１０８等がある。プリンタ１０５としては、インクジェット方式や電子写真方式をはじめ、種々の記録方式を用いたプリンタを適用可能である。

情報処理装置１０４のＲＯＭ１０９には、アルバム作成用のアプリケーションプログラム（以下、アルバム作成用アプリと称す）５０が格納されている。尚、アルバム作成アプリは、ＲＡＭ１１０などをはじめ、書換可能な記憶領域に格納されてもよい。ＣＰＵ１１１は、入力装置１０７から入力されたアルバム作成指示に応じて、ＲＯＭ１０９からアルバム作成用アプリ５０をＲＡＭ１１０に展開し、展開したアルバム作成用アプリ５０に従ってアルバム作成処理を実施する。この際、ＣＰＵ１１１は、アルバム作成用アプリ５０に従い、情報処理装置１０４に格納されている元画像データを取得する処理を行う。さらに、取得した画像データを、ユーザの選択・指示に従ってテンプレートに配置することにより、アルバムデータを生成する。

また情報処理装置１０４は、生成したアルバムデータを印刷データとしてプリンタ１０５に出力すること、及びネットワーク１０３を介して外部サーバ１０２にアップロードすること等が可能である。なお本実施形態では、アルバムには、フォトアルバムやフォトブックが含まれる。

外部サーバ１０２は、プリンタ１０１に接続するための入出力インターフェース（不図示）を有するコンピュータによって構成される。外部サーバ１０２は、この入出力インターフェースを介してプリンタ１０１との間でデータの送受信を行う。外部サーバ１０２は、例えば、アルバムの受注・管理等を行う管理サーバであり、情報処理装置１０４からユーザの指示によって送信される注文データに応じて、受注処理、プリンタ１０１を用いた印刷処理、及び製本のためのデータ処理等を行う。

ネットワーク１０３は、情報処理装置１０４、外部サーバ１０２の送信部及び受信部、並びにその他の装置と接続されている。ネットワーク１０３は、ここに接続されている装置と装置との間の情報の伝達を行うための通信網である。

情報処理装置１０４で作成されたアルバムデータは、ネットワーク１０３を介して外部サーバ１０２にアップロードすることが可能である。外部サーバ１０２では、アップロードされたアルバムデータが印刷可能なデータ構造であれば、外部サーバ１０２に接続されたプリンタ１０１に出力する。例えば、外部サーバ１０２がアルバムの受注・管理を行うサーバである場合、ユーザにより情報処理装置１０４で作成したアルバムデータが外部サーバ１０２にアップロードされる。そして、外部サーバ１０２は、ユーザが使用している情報処理装置１０４から必要なアルバム購入手続きが取得されると、印刷指示と共にアルバムデータを印刷装置としてのプリンタ１０１に送信する。プリンタ１０１は、受信した印刷指示及びアルバムデータに従って所定の印刷媒体に対して印刷を行う。その後、印刷された印刷物はアルバム作成業者等によって製本され、ユーザの手元に届けられる。

一方、情報処理装置１０４には、当該情報処理装置１０４から直接アルバムデータを受信して印刷を行う印刷装置として、プリンタ１０５が接続されている。ユーザが所有するアルバムデータを情報処理装置１０４からプリンタ１０５に送信することにより、プリンタ１０５は、所定の印刷媒体に対して印刷を行う。この場合、プリンタ１０５によって印刷された印刷物をユーザが製本し、アルバムに仕上げてもよい。

なお、上述の外部サーバ１０２に接続されたプリンタ１０１と情報処理装置１０４に接続されたプリンタ１０５は、いずれも、印刷媒体に対して画像を印刷する印刷機構１２１と、印刷機構１２１を制御する印刷制御部１２２とを有している。印刷制御部１２２は、不図示のＣＰＵ、ＲＯＭ及びＲＡＭなどのマイクロコンピュータ形態を有する。ＲＯＭには、印刷機構を制御するための印刷制御プログラムやアルバム作成時に使用されるアプリケーション（以下、アプリと称す）、及びその他の固定データ等が格納されている。印刷制御部１２２に設けられたＲＡＭは、入力された画像データを展開する領域、及びＣＰＵによる演算処理に使用する作業用の領域等を有する。印刷制御部１２２に設けられたＣＰＵは、ＲＯＭに格納された印刷制御プログラムをＲＡＭに展開し、制御プログラムに基づいて所定の演算や印刷機構の各駆動部の制御を行う。さらに、ＣＰＵは、ＲＯＭに格納されたアプリケーションをＲＡＭに展開し、アプリケーションに基づいて後述のアルバム作成用の処理の一部または全部を実行することが可能である。

モニタ１０６は、情報処理装置１０４から出力された画像情報を表示する表示装置である。また、入力装置１０７には、ユーザが情報処理装置１０４に入力を行うためのキーボードやポインティングデバイス等が含まれる。また、入力装置１０７には、モニタと一体化され、モニタに直接触れ入力する構成を有するものもある。

記憶装置１０８は、画像データや、画像を配置するための画像配置枠（スロット）を有するテンプレート等を保存する外部記憶装置である。ここでは、記憶装置１０８としてＨＤＤ（Hard Disc）やＳＳＤ（Solid State Drive）等が用いられる。

なお、図１のブロック図では、モニタ１０６、入力装置１０７及び記憶装置１０８等が、情報処理装置１０４に接続される外部装置として記載されている。しかし、情報処理装置が、モニタ１０６、入力装置１０７及び記憶装置１０８を一体化した状態で備える構成を採ることも可能である。この場合、情報処理装置のＲＡＭ１１０に記憶装置１０８として用いる領域を設けることも可能である。

（アルバムデータ生成処理及び印刷処理）
次に、本実施形態における情報処理システムによるアルバムデータ生成処理及び印刷処理について、図１ないし図８を参照しつつ説明する。

アルバムの作成に際し、ユーザは、情報処理装置１０４のＲＯＭ１０９に格納されているアルバム作成用アプリ５０を用いてアルバム１０に掲載する画像の選択・配置を指示する。この指示に従い、ＣＰＵ１１１は、各画像データに対して後述の解像度変換処理等を含む画像処理を実行し、アルバムデータを生成する。生成したアルバムデータは、情報処理装置１０４からネットワーク１０３を通じて外部サーバ１０２にアップロードされる。

図２に、アルバム作成用アプリ５０による画像の選択・配置を行うためのＵＩ画面５１の一例を示す。このＵＩ画面５１は、情報処理装置１０４に接続されるモニタ１０６に表示される。ＵＩ画面５１には、画像の配置を行うレイアウト領域（テンプレート）２０が表示される。テンプレート２０には、画像を配置するためのスロット２１が設けられている。なお、図２に示すテンプレート２０はあくまで一例であり、これに限定されない。アルバム作成用アプリ５０には、種々のサイズ及び配置のスロットを有するテンプレートが用意されており、ユーザは所望のテンプレートを選択することが可能である。また、ＵＩ画面５１には、画像選択画面３０が表示される。画像選択画面３０には、アルバムの作成に使用する複数枚の選択画像３１～３８が表示される。選択画像３１～３８のそれぞれの画像データは、情報処理装置１０４のＲＡＭ１０９あるいは記憶装置１０８に格納されている元画像データである。この元画像データは、後述の解像度変換処理が行われていない元画像を表す画像データである。

ユーザは、選択画像３１～３８の中から画像を選択し、テンプレート２０に設けられた所望のスロット２１へと移動させことにより、スロット２１のサイズ及び位置に合致した状態で画像が配置される。このようにしてスロット２１に画像を配置することによってアルバムデータが生成される。このアルバムデータを、所望のページ数分作成し、それらのアルバムデータを外部サーバ１０２に送り、プリンタ１０１で印刷する。そして、印刷された所望ページ数分の印刷媒体（印刷物）を製本することによって図３ないし図５に示すようなアルバムが完成する。

図３ないし図５は、作成されたアルバムを例示する概略構成図であり、図３はアルバム１０を表側から見た斜視図、図４はアルバム１０を裏側から見た斜視図、図５はアルバム１０を開いた状態を示す斜視図である。また、図３ないし図５において、１１は表表紙に配置された画像を、１２は裏表紙に配置された画像を、１３はアルバムの見開きページに配置された画像をそれぞれ示している。

ここで、本実施形態の情報処理システムにより、上記のようなアルバム１０を作成する際に実行される処理を、図６及び図７のフローチャートに従って説明する。図６及び図７のフローチャートで示される一連の処理は、コンピュータを構成するＣＰＵ１１１がＲＯＭ１０３に記憶されているアルバム作成用アプリをＲＡＭ１０２に展開し実行することによって行われる。なお、本実施形態で参照する図６、図７のフローチャート及び第２、第３実施形態で参照する図９、図１０のフローチャートにおいて、各工程番号に付したＳは、ステップを意味する。

図６は、本実施形態によって実施されるアルバム１０の作成処理の概略を示すフローチャートである。ユーザが入力装置１０７からアルバムの作成を指示すると、ＣＰＵ１１１は、アルバム作成用アプリ５０に従い、以下に説明するアルバムデータの生成処理を行う。

Ｓ１において、ＣＰＵ１１１は、図２に示すテンプレート２０及び画像選択画面３０をモニタ１０６に表示する。ここで、ユーザは、画像選択画面３０に表示された複数の画像の中から所望の画像を選択し、選択した画像を、テンプレート２０の中に設けられたスロット２１に配置する。これにより、アルバムデータが生成される。ユーザは、スロット２１に画像が配置されたページを、モニタ１０６に表示されたプレビュー画面によって確認することができる。また、ユーザは、必要に応じて、プレビュー画面に表示されたページの画像の画像データを編集することも可能である。この編集には、例えばテンプレート２０における画像の配置の入れ替えや、アルバム内に既に配置されている画像をアルバムに配置されていない別の画像に置き換える処理等が含まれる。

また、画像の選択・配置が行われた後、ユーザによりアルバムの注文が行われると、選択された画像とそれに対応するスロットとが確定する。ここで、アルバムの注文が指示されると、ＣＰＵ１１１は、アルバム作成用アプリ５０に従い、アルバムの注文のための注文処理を実行する。この際、ＣＰＵ１１１は、アルバム印刷の決済処理や配送先の入力等を行うＷｅｂサイトにアクセスするための処理を、注文処理として実行する。より具体的には、ＣＰＵ１１１は、アルバムの注文処理を行うＷｅｂサイトのＵＲＬをＷｅｂブラウザに渡し、そのＷｅｂブラウザによって当該Ｗｅｂサイトにアクセスする。そして、Ｗｅｂサイトにおいてアルバムの配送先等の情報や決済のための情報等の各種情報が入力され、ユーザにより注文ボタンが押下されると、注文が確定する。

上記の注文処理により注文が確定すると、Ｓ２の処理に進む。Ｓ２においてＣＰＵ１１１は、注文が確定したアルバムデータに含まれる各画像の画像データの解像度などの特性を解析する処理を行う。そして、予め決められた画像の解像度等の基準に則り、各画像データが解像度変換処理の対象となる画像データであるか否かを判定する。なお、画像データの特性には、解像度、画素情報、及び色情報等、元画像データに定められている画像情報が含まれる。また、解像度変換処理には、画像データによって表される画像の画素を増加させて解像度を高めるアップサンプリングと、画像データによって表される画像の画素を減少させて解像度を低下させるダウンサンプリングとがある。この後、スロット２１に配置された画像データが解像度変換処理の対象となる画像（以下、対象画像と称す）であると判定した場合、ＣＰＵ１１１はＳ３の処理に移行する。また、スロット２１に配置された画像データが対象画像データではないと判定した場合、ＣＰＵ１１１はＳ５の処理に移行する。

Ｓ３において、ＣＰＵ１１１は、スロット２１に配置された対象画像の画像データの特性を解析する処理を行う。さらに、各対象画像データの画像効果、トリミング情報、及び各対象画像データのレイアウト位置や他のスロットとの重なり等のレイアウト情報の解析も行う。そして、各対象画像の画像情報の解析結果とレイアウト情報の解析結果と、解像度変換処理の種類（アップサンプリングかダウンサンプリングか）とに基づいて、解像度変換処理の対象領域（変換対象領域）を設定する処理を行う。

次にＳ４において、ＣＰＵ１１１は、アルバム作成アプリ５０に従い、各画像データの対象領域に対して解像度変換処理を行う。この解像度変換処理には、前述のように各画像データの画素数を増加するアップサンプリングと、画像データの画素数を減少するダウンサンプリングとがある。アップサンプリングには種々の方法を用いることが可能である。例えば、アップサンプリングを行う前の画像データを用いて補間演算を行う方法がある。この方法により、縦方向の画素数と横方向の画素数のそれぞれが２倍の画素数になるようにアップサンプリングを行う場合には、次のような処理を行う。まず、アップサンプリングを行う前の画像データにおいて隣接する２つの画素の平均の画素値（輝度値等）を求める補間演算を行う。そして、求めた画素値を有する画素を、隣接する２つの画素の間の画素として設定する。さらに、アップサンプリングを行う前の対象画像データにおいて、縦方向と横方向とに２画素ずつ並んだ４画素（２×２の画素）の中心に位置する画素として、前記４画素の平均の画素値（輝度値等）を有する画素を設定する。

また、ダウンサンプリングの方法においても種々の方法を用いることができる。例えば、ダウンサンプリングを行う前の対象画像データにおいて、所定間隔毎に画素の削除、つまり画素の間引きを行うことで、画素数を減らす方法を用いることができる。

以上の解像度変換処理を実行した後、ＣＰＵ１１１は、Ｓ５の処理に進む。Ｓ５においてＣＰＵ１１１は、アルバム作成用アプリ５０に従い、画像印刷装置であるプリンタに対してアルバムデータを送信する。本実施形態では、印刷装置として外部サーバ１０２に接続されたプリンタ１０１を用いる。そのため、ＣＰＵ１１１は、作成したアルバムデータを、ネットワーク１０３及び外部サーバ１０２を介してプリンタ１０１へと送信する。プリンタ１０１は、受信したアルバムデータを用いて、所定の印刷媒体（例えば、紙媒体）に対して画像の印刷を行う。この後、画像が印刷された印刷媒体（印刷物）は製本され、成果物としてのアルバムが完成する。

なお、画像データの解像度を上げる（画素数を増やす）アップサンプリングの方法は上記の例に限定されない。アップサンプリングの他の方法としては、ディープラーニングを用いたフィルタを用いることにより、エッジの復元を行う方法もある。また、本実施形態では、ユーザが注文指令を出した後に、対象画像データの解析処理を行う例を示した。これに対し、ユーザによってスロット２１への画像データの配置が行われた段階で、注文指令が出される前に解析を行うようにしてもよい。

ここで、Ｓ３（図６）の画像解析処理、及びＳ４（図７）の解像度変換処理の対象領域を設定するための設定処理を、図７のフローチャートに基づいてより詳細に説明する。本例では、各対象画像データに対して解像度変換処理を施すべき対象領域を設定するための特定の条件として、後述の８つの条件を定めている。そして、図６のＳ１及びＳ２の処理によりアルバムに配置された全ての画像のそれぞれに対し、図７に示す設定処理が繰り返し実行される。なお、図７のＳ３０～Ｓ４４が図６のＳ３に対応し、Ｓ４５が図６のＳ４に対応する。

Ｓ３０においてＣＰＵ１１１は、アルバムに配置される複数の画像に対応する複数の対象画像データの中から１つの対象画像データを選択し、当該対象画像データに対して実行すべき解像度変換処理がダウンサンプリングであるかを判定する。ここで、実行すべき解像度変換処理がダウンサンプリングであった場合（判定結果がＹＥＳの場合）にはＳ４５に移行し、画像データの全域を解像度変換処理の対象領域とし、画像データ全域に対してダウンサンプリングを実行する。これにより、画像データのファイルサイズを減少させることが可能になり、アルバムデータの転送時間を低減することができる。但し、低減される転送時間よりダウンサンプリングの処理時間の方が長くなる場合や消費電力の低減を重視する場合には、解像度変換処理の対象領域から画像全域を除外する設定を行い、Ｓ４５においてダウンサンプリングが行われないようにしてもよい。

Ｓ３０における判定結果がＮＯであった場合、ＣＰＵ１１１はＳ３１に移行する。Ｓ３０においてＣＰＵ１１１は、選択されている判定対象の画像データによって表される画像の中に、他のスロットに配置された画像やスタンプなどのオブジェクトに隠れている画像領域があるかを判定する。判定結果がＹＥＳであれば、ＣＰＵ１１１はＳ３２に進み、他の画像に隠れている画像領域を解像度変換対象領域から除外する。よって、この除外した画像領域には、Ｓ４５において解像度変換処理（アップサンプリング）が行われない。

Ｓ３１、Ｓ３２の処理について具体的に説明する。ＣＰＵ１１１は、図６のＳ１において図２に示すように複数の画像がレイアウトされ、さらに注文確定のユーザ指示が受け付けられた場合に、その複数の画像のレイアウトに関するレイアウト情報を取得する。Ｓ３０では、そのレイアウト情報が参照される。レイアウト情報には、アルバムにレイアウトされた画像のレイアウトページを示す情報、該画像のレイアウトページにおけるレイアウト位置とレイアウトサイズを示す情報が含まれる。さらにレイアウト情報には、該画像と他の画像が重なっているか否かを示す情報、該画像と他の画像が重なっている場合に、該画像において他の画像と重なる部分を示す情報が含まれる。さらにレイアウト情報には、該画像と他の画像が重なっている場合に、どちらが上か（すなわち、重なっている部分について、どちらの画像が表示、印刷の対象となるか）を示す情報が含まれる。

Ｓ３１でＣＰＵ１１１は、レイアウト情報のうち、判定対象の画像データの画像に他の画像が重なっているか否かを示す情報と、該画像が上か（すなわち、重なっている部分が表示、印刷の対象となるか）を示す情報を参照することで判定を行う。そして、該画像が下（すなわち、重なっている部分が表示、印刷の対象外）と判定されると、Ｓ３２に処理が進む。そして、Ｓ３２でＣＰＵ１１１は、レイアウト情報のうち、判定対象の画像データの画像のうちの、他の画像が重なっているか部分を示す情報で該部分を特定して、該部分をアップサンプリングの対象から除外する設定を行う。

このように本実施形態では、他のオブジェクト（画像データ）に隠れた画像領域に対して解像度変換処理（アップサンプリング）が行われないようにしている。これは、他のオブジェクトに隠れた画像領域は印刷されない領域であり、当該領域に解像度変換処理（アップサンプリング）を行ったとしても解像度変換処理が画像に有効に作用することはなく、解像度処理を行う意味がないためである。他のオブジェクトに隠れた領域を解像度変換処理の対象領域から除外することにより、印刷物の画像に影響を与えることなく、解像度変換処理に要する時間を短縮することが可能なり、消費電力を低減することも可能になる。

Ｓ３１における判定結果がＮＯであった場合、あるいはＳ３２の処理を行った後、ＣＰＵ１１１の処理はＳ３３に移行する。Ｓ３３においてＣＰＵ１１１は、選択された判定対象の画像の中に、単一色でベタ塗りの領域があるかを判定する。単一色でベタ塗りの領域がある場合（Ｓ３３の判定結果がＹＥＳの場合）にはＳ３４に移行し、当該領域を解像度変換対象領域から除外する。よって、この除外された領域には、Ｓ４５において解像度変換処理（アップサンプリング）が行われない。これは、単一色でベタ塗りの領域に対して解像度変換処理を行ったとしても同じ色の画素が増大するのみであり、ユーザは印刷物の高解像度化を認識し難い。つまり、解像度変換処理が画像品質の向上には寄与しない。このため、単一色でベタ塗りの領域を解像度変換処理の対象領域から除外することにより、画質に影響を与えることなく、解像度変換処理に要する時間を短縮することが可能になり、電力消費を低減することも可能になる。なお、ベタ塗りの領域が完全に同一色で形成されない場合にも、視覚的に同色といえる程度の色で形成される領域であれば、Ｓ３３の判定においてＹＥＳの判定結果を出すようにしてもよい。

Ｓ３３における判定結果がＮＯであった場合、あるいはＳ３４の処理を行った後、ＣＰＵ１１１の処理はＳ３５に移行する。Ｓ３５においてＣＰＵ１１１は、選択された判定対象の画像の中に、トリミングによって除去される領域があるかを判定する。トリミングによって除去される領域がある場合（Ｓ３５の判定結果がＹＥＳの場合）はＳ３４に移行し、当該領域を解像度変換対象領域から除外する。例えばユーザによりトリミングが設定されていた場合には、Ｓ３５においてＣＰＵ１１１は、そのトリミング設定を参照し、Ｓ３５、Ｓ３６の処理を行う。さらに、例えば画像の形状と該画像が配置されるスロットの形状が異なることにより自動的にトリミングが実行される場合がある。この場合、Ｓ３５においてＣＰＵ１１１は、レイアウト情報に含まれている、画像のサイズおよび形状、スロットのサイズおよび形状に基づいて、Ｓ３５、Ｓ３６の処理を行う。よって、この除外した領域には、Ｓ４５において解像度変換処理が行われない。トリミングによって除かれる画像領域に対して解像度変換処理（アップサンプリングまたはダウンサンプリング）を行ったとしても、当該画像領域は印刷されないため、解像度変換処理が有効に作用せず、解像度変換処理を行う意味がない。そのため、当該領域を解像度変換処理の対象領域から除外することで、画質に影響を与えることなく、解像度変換処理に要する時間を短縮することが可能になり、電力消費を低減することも可能になる。

Ｓ３５における判定結果がＮＯであった場合、あるいはＳ３６の処理を行った後、ＣＰＵ１１１の処理はＳ３６に移行する。Ｓ３６においてＣＰＵ１１１は、選択された判定対象の画像の中に、アルバム１０の「のど」（アルバム１０を見開いたときの中側部分）の周辺に配置される画像領域があるかを判定する。さらに、ＣＰＵ１１１は、アルバムが無線綴じ・平綴じなどの、「のど」の周辺が開き難い製本方法で作製されているかを合わせて判定する。画像データの中に「のど」の周辺部分に配置された画像領域があり、かつ「のど」の周辺部分が開き難い製本方法で作製されていると判定された場合（Ｓ３７の判定結果がＹＥＳの場合）、ＣＰＵ１１１の処理はＳ３８に移行する。Ｓ３８においてＣＰＵ１１１は、「のど」の周辺部分に配置されている画像領域を解像度変換処理の対象領域から除外する。よって、この除外した画像領域には、Ｓ４５において解像度変換処理（アップサンプリングまたはダウンサンプリング）が行われない。なお、ＣＰＵ１１１は、レイアウト情報に含まれている、画像のページにおける配置位置を示す情報に基づいて、Ｓ３７、Ｓ３８の処理を行う。

一般に、無線綴じ・平綴じで作製されるアルバムでは、「のど」の周辺が開き難いため、その周辺に配置された画像には、ユーザから全く見えないか、あるいは殆ど見えない領域が含まれることがある。このような、ユーザから殆ど見えないような画像領域に対して解像度変換処理（アップサンプリングまたはダウンサンプリング）を行っても、成果物としてのアルバムの品質向上には殆ど寄与しない。つまり解像度変換処理が有効に作用しない。そのため、「のど」の周辺部分に位置する画像領域を解像度変換処理の対象領域から除外することで、画質に影響を与えることなく、解像度変換処理に要する時間を短縮することが可能になり、電力消費を低減することも可能になる。なお、「のど」の周辺部分の画像領域に限らず、ユーザが見難いことから、高解像度化を認識し難い画像領域が存在する場合には、Ｓ３７の判定処理においてＹＥＳの判定結果を出すようにしてもよい。また、Ｓ３７の判定処理を行うために、予めアルバム商材（印刷媒体）や製本方法ごとに、判定用の画像領域を定めてもよい。

Ｓ３７における判定結果がＮＯであった場合、あるいはＳ３８の処理を行った後、ＣＰＵ１１１の処理はＳ３９に移行する。Ｓ３９においてＣＰＵ１１１は、選択された判定対象の画像の中に、ボケ処理やフィルタ処理等が施された画像領域があるかを判定する。一般に、ボケ処理やフィルタ処理等が施されている画像領域は、高解像度化を認識し難い領域である。このため、ボケ処理やフィルタ処理が施されている画像領域がある場合（Ｓ３７の判定結果がＹＥＳの場合）には、ＣＰＵ１１１の処理はＳ４０に進み、当該画像領域を解像度変換処理（アップサンプリング）の対象領域から除外する。よって、この除外した画像領域にはＳ４５において解像度変換処理が行われない。

アルバム１０において画像データをレイアウトする際、アルバムの見開きページの全面に背景画像を配置する場合がある。背景画像は、それより前面に配置される画像を際立たせるため、ボケ処理を施すことがある。この場合、ボケ処理を施した背景画像は、高解像度化を認識し難い画像となる。このため、背景画像に対してアップサンプリングを行ったとしても、ユーザは高解像度化されていることに気付き難い。つまり、アップサンプリングによる有効性は低い。そのため、前述のように、背景画像等のボケ処理を施した画像領域を解像度変換処理（アップサンプリング）の対象領域から除外する。これにより、画質に影響を与えることなく、解像度変換処理に要する時間を短縮することが可能になり、電力消費を低減することも可能になる。

Ｓ３９における判定結果がＮＯであった場合、あるいはＳ４０の処理を行った後、ＣＰＵ１１１の処理はＳ４１に移行する。Ｓ４１においてＣＰＵ１１１は、選択された画像の中に、印刷時や製本時に裁断される画像領域があるかを判定する。裁断される画像領域がある場合（Ｓ４１の判定結果がＹＥＳの場合）には、ＣＰＵ１１１の処理はＳ４２に進み、裁断される画像領域を、解像度変換処理の対象領域から除外する。よって、除外された画像領域には、Ｓ４１において解像度変換処理が行われない。

アルバム作成用アプリによっては、アルバム１０の端からはみ出して画像データを配置できるものがある。アルバム１０の端からはみ出した部分は製本時に裁断される。裁断される画像領域に対して、解像度変換処理（アップサンプリングまたはダウンサンプリング）を行っても意味がないため、当該画像領域を解像度変換処理の対象領域から除外する。これにより、画質に影響を与えることなく、高解像度化処理の処理時間を短縮することが可能になり、電力消費を低減することも可能になる。なお、ＣＰＵ１１１は、レイアウト情報に含まれている、画像のページにおける配置位置、配置サイズを示す情報に基づいて、Ｓ４１、Ｓ４２の処理を行う。

Ｓ４１における判定結果がＮＯであった場合、あるいはＳ４２の処理を行った後、ＣＰＵ１１１の処理はＳ４３に移行する。Ｓ４３においてＣＰＵ１１１は、選択された判定対象の画像の中に、高解像度で印刷できないアルバム商材（印刷媒体）に印刷する画像領域があるかを判定する。該当する画像領域が存在する場合にはＳ４４に移行し、該当する画像領域を解像度変換処理の対象領域から除外する。よって、除外された領域には、Ｓ４４において解像度変換処理が行われない。アルバム商材の中には、和紙などの高解像度での印刷が行えない材質で構成された部分を含むアルバム商材がある。このような高解像度で印刷できない部分に印刷される画像領域に対して解像度変換処理を行っても、高解像度処理による効果をユーザに認識させることはできない。そのため、高解像度で印刷できない部分に印刷する画像領域を解像度変換処理の対象領域から除外することで、画質に影響を与えることなく、解像度変換処理の処理時間を短縮することが可能になり、電力消費を低減することも可能になる。なお、以上の判定処理（Ｓ３０、Ｓ３１、Ｓ３３、Ｓ３５、Ｓ３７、Ｓ３９、Ｓ４１、Ｓ４３）における全ての判定条件に該当しなかった画像については、その画像の全域が解像度変換処理（アップサンプリングまたはダウンサンプリング）の対象領域となる。なお、ＣＰＵ１１１は、紙種類に関する設定と、レイアウト情報に含まれている、画像のページにおける配置位置を示す情報に基づいて、Ｓ４３、Ｓ４４の処理を行う。なお、紙種類に関する設定は、不図示の設定画面におけるユーザ指示に応じて行われる。

解像度変換処理の対象領域を管理する方法としては、種々の方法を用いることができる。第１の管理方法としては、解像度変換処理を行う画素の位置を記録することで管理する方法がある。第２の管理方法としては、解像度変換処理の対象領域を包含する矩形領域を管理する方法がある。

図８は、解像度変換処理の対象領域を包含する矩形領域を示す図である。図中、８００～８０４は、アルバム１０の同一ページ内に配置した複数の画像をそれぞれ示している。図示の例では、各々の画像は、他の画像と一部が重なり合う配置となっている。例えば、画像８００は、別の画像８０１～８０４が重ねられることによって一部が隠れた状態となっている。この画像８００において解像度変換処理の対象領域は、別の画像８０１～８０４によって隠された領域となり、この領域を含んだ矩形領域８１０（図中、太線で表した矩形領域）が第２の管理方法によって管理する領域となる。

矩形領域８１０を管理する方法としては、矩形領域の４つの頂点の画素の位置で管理する方法や、左上の頂点の画素の位置と水平方向の辺の長さ（画素数）と垂直方向の辺の長さ（画素数）とを用いて管理する方法などがある。このような第２の管理方法は、矩形領域内に解像度変換処理を不要とする領域が含まれる可能性もあるが、矩形でないと解像度変換処理を行えないという制約がある場合に有効である。

ここで、再度、図６及び図７のフローチャートを参照する。ＣＰＵ１１１は、図６におけるＳ３の処理、すなわち、図７に例示したような解像度変換処理の対象領域の設定処理を行うと、Ｓ４（図６）に移行し、設定した対象領域に対して解像度変換処理を行う。解像度変換処理の対象領域にのみ解像度変換処理を行う方法としては、種々の方法がある。

前述のように第１の管理方法を用いる場合には、まず、対象となる画像データを２つ用意し、一方の画像データの全体に対して、ディープラーニングなどを使用しない簡易な方法で画素を増加させる。次に、他方の画像データの対象領域に対して、前述のディープラーニングを用いたアップサンプリングを行う。最後に、画素を増加した一方の画像データの解像度変換処理の対象領域における画素に対し、アップサンプリングした他方の画像データの画素を上書きして画像データを作成する。

また、前述の第２の管理方法を用いる場合には、まず、画像データの全体の画素に対してディープラーニングなどを使用しない簡易な方法で画素を増加させる。次に画素を増加した画像データの対象領域における画素に対し、前述のディープラーニングを用いたフィルタを使用してエッジの復元を行い、画像データを作成する。この後、全ての画像の対象領域に対する解像度変換処理が終了するとＳ５に移行し、解像度処理された画像の画像データを組み込んだアルバムデータを印刷装置１０１または１０５へと送信する。

以上のように本実施形態では、元画像の中で、所定の条件を満たす変換対象領域に対応する画像データにのみ解像度変換処理を行い、変換対象領域以外の画像領域に対応する画像データには解像度変換処理を行わずに元画像の画像データをそのまま使用する。これにより、高解像度を有する高品位なアルバムの作成、解像度変換処理に要する時間の短縮、解像度変換処理における消費電力の低減、及びアルバムデータの転送時間の短縮などを達成することが可能になる。なお、図７に示した８つの判定処理の順序は、図示の例に限定されるものではなく、その他任意の順序に変更してもよい。また、不要な判定処理を省略することも可能である。

また、上記実施形態では、Ｓ１の処理によってアルバムの注文が確定した後、確定した各画像に対して対象領域の設定処理（Ｓ３）及び解像度変換処理（Ｓ４）を実行している。すなわち、印刷対象となることが確定した画像データに対してのみ、Ｓ３及びＳ４の処理を実行している。このため、上記実施形態では、解像度変換処理を施した画像データが、その後、別の画像データに置き換えられて印刷対象から除外されないような方式を採っている。この方式によれば、実行されたＳ３及びＳ４の処理が無駄になることを抑制することができる。

一方、画像の置き換えが可能な状態において、解像度変換処理の対象領域を設定する処理、及び解像度変換処理を実行するような方式を採ることも可能である。例えば、図１のＳ１において、画像の選択、配置を実行し、その後、各画像データについて対象領域の設定処理（Ｓ３）及び解像度変換処理（Ｓ４）を実行し、さらに、解像度変換処理が施された画像データを含むアルバムをプレビュー表示する。ここで、画像の置き換えが行われると、ＣＰＵ１１１が、置き換えられた画像についてＳ３及びＳ４の処理を実行する。

この方式では、解像度変換処理の結果を反映した画像を含むアルバムがプレビュー表示されるため、ユーザがアルバムの仕上がりをより正確に把握することができる。また、画像の置き換えが行われた場合、置き換え後の画像についてもプレビュー表示によって解像度変換処理が反映された状態を確認することができ、アルバムの全ての画像に対して仕上がりを正確に把握することができる。

［第２実施形態］
次に、本開示の第２実施形態を図９のフローチャートを参照しつつ説明する。なお、本実施形態における情報処理システムは、図１に示す構成を備える。また、画像の選択・設定には、図２に示すＵＩ画面５１が用いられる。

本実施形態において、図９のフローチャートに示すＳ５１～Ｓ５５の処理は、コンピュータを構成するＣＰＵ１１１が、ＲＯＭ１０３に記憶されているアルバム作成用アプリをＲＡＭ１０２に展開し実行することによって行われる。また、Ｓ５６～５８の処理は、印刷装置（プリンタ１０１またはプリンタ１０５）に設けられたＣＰＵがＲＯＭに記憶されているアプリケーション（以下、アプリと称す）をＲＡＭに展開し実行することによって行われる。

前述の第１実施形態では、アルバム作成用アプリ５０に従い、情報処理装置１０４のＣＰＵ１１１が解像度変換処理（Ｓ１０４）を実行する。これに対し、本実施形態では、解像度変換処理を情報処理装置１０４では実行せず、プリンタ１０５に設けられたアプリケーションに従って、印刷装置に設けられたＣＰＵが解像度変換処理を実行する。なお、本実施形態においても、画像の選択・配置には、図２に示すＵＩ画面５１が用いられる。

以下、図９に示すフローチャートを参照しつつ、本実施形態において実行する処理を説明する。Ｓ５１では、情報処理装置１０４のＣＰＵ１１１が、アルバム作成用アプリ５０に従ってテンプレート２０及び画像選択画面３０を表示させる。ユーザは、画像選択画面３０に表示された元画像としての選択画像３１～３８の中から所望の画像を選択し、選択した画像を、テンプレート２０に設けられたスロット２１に配置する。これにより、アルバムデータが生成される。画像の選択・配置が行われた後、ユーザによりアルバムの注文が行われると、画像とそれに対応するスロット２１とが確定する。なお、Ｓ５１の処理の詳細は、図６のＳ１と同様である。

次にＳ５２では、ＣＰＵ１１１が、注文が確定したアルバムデータに含まれる各画像の画像データを解析し、予め決められた画像の解像度等の基準に則り、各画像データが解像度変換処理の対象となる画像データ（対象画像データ）であるか否かを判定する。ＣＰＵ１１１は、選択した画像を解像度変換処理の対象画像データであると判定した場合にはＳ５３に移行し、対象画像データではないと判定した場合にはＳ５５に移行する。なお、Ｓ５２の処理の詳細は、図６のＳ２と同様である。

Ｓ５３においてＣＰＵ１１１は、対象画像データの画素情報や色情報等の画像情報を解析する。さらに、各画像データの画像効果と、トリミング情報等の画像情報、及びレイアウト情報等の解析を行う。そして、各対象画像の画像情報の解析結果と、レイアウト情報の解析結果と、解像度変換処理の種類（アップサンプリングかダウンサンプリングか）とに基づいて、対象画像データにおける解像度変換処理の対象領域を設定する。なお、Ｓ５３の処理の詳細は、図６のＳ３および図７のＳ３０～Ｓ４４と同様である。

次に、Ｓ５４においてＣＰＵ１１１は、アルバムデータに含まれる対象画像データに対し、Ｓ４３で判定した対象領域と解像度変換処理の種類（アップサンプリングかダウンサンプリングか）を解像度変換情報として付与する。この後、ＣＰＵ１１１は、各画像データに対して解像度変換処理を行っていないアルバムデータを印刷装置、例えば図１に示すプリンタ１０１へと送信する（Ｓ５５）。

アルバムデータを受信したプリンタ１０１では、印刷制御部１２２のＣＰＵがＲＯＭに格納されたアプリに従い、アルバムデータに含まれる画像データ群それぞれの画像データに対して解像度変換情報の有無を確認する（Ｓ５６）。そして、Ｓ５７では、印刷制御部１２２のＣＰＵが、解像度変換情報に基づきアルバムデータに含まれる画像データの対象画像領域に対して解像度変換処理を行う。なお、Ｓ５６における処理（およびＳ５６でＹｅｓと判定された場合にはＳ５７における処理）は、アルバムに配置される全ての画像に対して実行される。すなわち、Ｓ５５で送信されたアルバムデータに含まれる対象画像データのそれぞれに対して、繰り返し実行される。

次いで、印刷制御部１２２のＣＰＵは、解像度変換処理を行った画像データを含むアルバムデータを用いて印刷機構１２１を制御し、印刷媒体への印刷を行う（Ｓ５８）。この後、画像が印刷された印刷媒体（印刷物）は製本され、成果物としてのアルバム１０が完成する。なお、本実施形態においても、Ｓ５３において行う画像解析処理及び対象画像領域の設定処理の詳細は、図３に示したものと同様であるため、ここでは説明を省略する。

以上のように本実施形態においては、所定の条件を満たす画像領域（変換対象領域）にのみ解像度変換（アップサンプリングまたはダウンサンプリング）を行い、その他の画像領域の画像データには解像度変換を行わず、元の解像度のまま画像データを使用する。これにより、解像度変換処理に要する時間やアルバムデータの転送時間の短縮、及び消費電力の低減を図ることが可能になり、高品位なアルバムの作成とアルバム作成処理の効率化とを両立させることが可能になる。

また、本実施形態では、情報処理装置１０４のアルバム作成用アプリ５０による処理と、プリンタ１０１が備えるアプリによる処理とを協働させることによって、アルバムデータを生成する構成としている。このため、本実施形態によれば情報処理装置１０４とプリンタ１０５のそれぞれにかかる情報処理の負担を軽減することが可能になる。

なお、本実施形態では、アルバムの注文が確定した後に、画像データに対する判定処理（Ｓ５２）と変換情報の付与処理（Ｓ５３）とを実行する例を示した。しかし、これらの処理を行うタイミングは上記の例に限定されない。画像の置き換えが可能な状態において上記のような判定処理及び付与処理を実行するようにしてもよい。

［第３実施形態］
次に、本開示の第３実施形態について、図１０のフローチャート、図１に示す情報処理システムの構成、及び図２に示すアルバム作成用アプリ５０のＵＩ画面５１を参照しつつ説明する。図１０のフローチャートに示すＳ６１～Ｓ６５の処理は、ＣＰＵ１１１がＲＯＭ１０３に記憶されているアルバム作成用アプリをＲＡＭ１０２に展開し実行することによって行われる。また、Ｓ６１～６８の処理は、外部サーバ１０２に設けられたＣＰＵがＲＯＭに記憶されているアプリケーション（以下、アプリと称す）をＲＡＭに展開し実行することによって行われる。さらに、Ｓ６９の処理は、印刷装置（プリンタ１０１またはプリンタ１０５）に設けられた印刷制御部１２２によって実行される。すなわち、本実施形態では、第２実施形態において印刷装置が実行していた解像度変換処理（Ｓ５７）を、画像処理機能を有する外部サーバ（管理サーバ）１０２によって実行する。なお、本実施形態においても、第１実施形態と同様に、図２に示すＵＩ画面５１が用いられる。

以下、図１０に示すフローチャートに沿って本実施形態において実行する処理を説明する。なお、図１０に示すＳ６１～Ｓ６４では、第２実施形態におけるＳ５１～Ｓ５４（図９）と同様の処理を行う。すなわち、Ｓ６１では、情報処理装置１０４のＣＰＵ１１１がテンプレート２０及び画像選択画面３０を表示させ、ユーザが選択した画像及びその画像に対応するスロット２１の確定を行う。また、Ｓ６２においてＣＰＵ１１１は、アルバムデータに含まれる各画像データが、解像度変換処理の対象となる対象画像データであるか否かを判定する。また、Ｓ６３においてＣＰＵ１１１は、対象画像データにおける解像度変換処理の対象領域を設定する。さらに、Ｓ６４においてＣＰＵ１１１は、アルバムデータに含まれる対象画像データに対し、解像度変換対象領域と解像度変換処理の種類を解像度変換情報として付与する。

この後、本実施形態では、Ｓ６５でＣＰＵ１１１が、各画像データに対して解像度変換処理を行っていないアルバムデータを、外部サーバ１０２へと送信する。アルバムデータを受信した外部サーバ１０２のＣＰＵは、外部サーバ１０２に実装されたアプリに従いＳ６６～Ｓ６８の処理を行う。Ｓ６６において外部サーバ１０２のＣＰＵは、アルバムデータに含まれる画像データ群それぞれの各画像データに対して解像度変換情報の有無を確認する。次に、Ｓ６７において外部サーバのＣＰＵは、解像度変換情報に基づきアルバムデータに含まれる対象画像データに対して解像度変換処理を行う。なお、Ｓ６６、Ｓ６７の処理の詳細は、図９のＳ５６、Ｓ５７と同様である。その後、外部サーバ１０２のＣＰＵは、Ｓ６８において、解像度変換処理が行われた画像データを含むアルバムデータを印刷装置（例えばプリンタ１０１）へと送信する。

Ｓ６９では、アルバムデータを受信したプリンタ１０１が、解像度変換処理（アップサンプリング）が施された画像を含むアルバムデータを用いて印刷を行う。画像が印刷された印刷媒体（印刷物）は製本され、成果物としてのアルバムが完成する。なお、本実施形態のＳ６３において行う画像解析処理及び対象画像領域の判定処理の詳細については、図３に示したものと同様であるため、説明を省略する。

以上説明した通り、本実施形態においては、所定の条件を満たす画像領域（対象画像領域）にのみ解像度変換を行い、その他の画像領域の画像データには解像度変換を行わず、元の解像度のまま原画像データを使用する。このため、解像度変換処理に要する時間やアルバムデータの転送時間の短縮、及び消費電力の低減を図ることが可能になり、高品位なアルバムの作成とアルバム作成処理の効率化とを両立させることが可能になる。

また、本実施形態においては、情報処理装置１０４のアルバム作成用アプリ５０による処理と、外部サーバ１０２のアプリによる処理との協働によって、アルバムデータを生成する構成としている。このため、アルバムデータの作成に際して情報処理装置１０４と外部サーバ１０２のそれぞれにかかる情報処理の負担を軽減することが可能になる。さらに、印刷装置は、作成されたアルバムデータに基づいて印刷動作のみを行うこととなる。このため、印刷装置における情報処理の負担も軽減され、印刷装置のスループットを向上させることが可能になる。

なお、本実施形態においても、第１実施形態と同様に、Ｓ３０１においてアルバムの注文が確定した後、アルバム内の各画像についてＳ３０３、Ｓ３０４の処理が実行される。ただし、実施形態１と同様に、例えば画像の置き換えが可能な状態において、Ｓ３０３、Ｓ３０４の処理が実行されてもよい。

なお、本実施形態においても、アルバムの注文が確定した後に、画像データに対する判定処理（Ｓ６２）と変換情報の付与処理（Ｓ６３）を行うようにしたが、画像の置き換えが可能な状態において判定処理及び付与処理を実行するようにしてもよい。

（その他の実施形態）
なお、上記実施形態では、元画像データに対して解像度変換処理を施した画像データを含むアルバムデータを生成する情報処理システムを例に採り説明したが、本開示に係る情報処理システムはこれに限定されない。本開示に係る情報処理システムは、元画像データの解像度を変換してアルバムデータ以外の画像データを生成する技術にも適用可能である。

また、上記実施形態では、情報処理装置１０４と、外部サーバ１０２と、印刷装置（プリンタ１０１、１０５）とにより情報処理システムを構成する例を示したが、情報処理システムの構成はこれに限定されない。本開示の情報処理システムは、情報処理装置１０４、外部サーバ１０２と、印刷装置（プリンタ１０１またはプリンタ１０５）のいずれか一つによって構成することも可能である。すなわち、情報処理装置１０４、外部サーバ１０２、印刷装置（プリンタ１０１、１０５）のそれぞれに設けられた処理構成（コンピュータ等の処理システム）が単独で、本開示の情報処理システムを構成することも可能である。

さらに、上記の実施形態では、画像の中でアップサンプリング対象の部分が特定された場合、当該部分以外については、解像度変換（画素数の増減）は行わない例を中心に説明した。しかしこれに限らず、アップサンプリング対象の部分以外について図６のＳ４（図７のＳ４５）、図９のＳ５７、図１０のＳ６７において、アップリング対象の部分よりは画素の増加が少ないアップサンプリングを実行してもよい。あるいは、アップサンプリング対象の部分以外について、ダウンサンプリングを実行してもよい。

また本開示の技術は、上記実施形態の１以上の機能を実現するプログラムをネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける１以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、１以上の機能を実現する回路（例えば、ＡＳＩＣ）によっても実現可能である。

５０ アルバム作成用のアプリケーションプログラム
１００ 情報処理システム
１０２ 外部サーバ（管理サーバ）
１０４ 情報処理装置
１１１ ＣＰＵ

Claims (21)

1. 情報処理システムに含まれるコンピュータを、
   ページにレイアウトされる画像を表す画像データを取得する取得手段と、
   前記画像のうち画素数を変更する所定の処理の対象領域を、前記画像の前記ページにおけるレイアウトに関するレイアウト情報に基づいて設定する設定手段と、
   として機能させ、
   前記設定手段による設定に基づいて、前記画像のうちの前記対象領域に前記所定の処理が行われることを特徴とするプログラム。
2. 前記画像のうちの前記対象領域以外の画像領域には前記所定の処理が行われないことを特徴とする請求項１に記載のプログラム。
3. 前記所定の処理として、前記画像の画素数を増やすアップサンプリングが前記画像のうちの前記対象領域に行われることを特徴とする請求項１または２に記載のプログラム。
4. 前記所定の処理として、前記画像の画素数を減らすダウンサンプリングが前記画像のうちの前記対象領域に行われることを特徴とする請求項１または２に記載のプログラム。
5. 前記設定手段はさらに前記画像の特性を解析し、当該解析の結果に基づいて、前記対象領域を設定することを特徴とする請求項１ないし４のいずれか１項に記載のプログラム。
6. 前記設定手段は、前記画像に単一色でベタ塗りされる画像領域が含まれるか解析することを特徴とする請求項５に記載のプログラム。
7. 前記設定手段は、前記画像に、ボケ処理またはフィルタ処理を施した画像領域が含まれるか解析することを特徴とする請求項５または６に記載のプログラム。
8. 前記設定手段は、前記画像にトリミングされる画像領域が含まれるか解析することを特徴とする請求項５ないし７のいずれか１項に記載のプログラム。
9. 前記ページにおいて前記画像に他の画像が重なる場合に、前記設定手段は、前記レイアウト情報に基づいて当該画像のうちの当該他の画像が重なる画像領域を特定し、当該特定された画像領域に基づいて、前記対象領域を設定することを特徴とする請求項１から８のいずれか１項に記載のプログラム。
10. 前記設定手段は、前記特定された画像領域を前記対象領域に含ませ、前記所定の処理として、前記対象領域の画素数を増やすアップサンプリングが行われることを特徴とする請求項９に記載のプログラム。
11. 前記設定手段は、前記レイアウト情報に基づいて、前記画像のうち、印刷物の綴じ部の周辺部分に位置する画像領域を特定し、当該特定された画像領域に基づいて前記対象領域を設定することを特徴とする請求項１ないし１０のいずれか１項に記載のプログラム。
12. 前記設定手段は、前記レイアウト情報に基づいて、前記画像のうち印刷時において裁断される画像領域を特定し、当該特定された画像領域に基づいて前記対象領域を設定することを特徴とする請求項１ないし１１のいずれか１項に記載のプログラム。
13. 前記設定手段は、前記画像のうち印刷時において高解像度で印刷できない印刷媒体に印刷される画像領域を特定し、当該特定された画像領域に基づいて前記対象領域を設定することを特徴とする請求項１ないし１２のいずれか１項に記載のプログラム。
14. 前記設定手段による設定に基づいて、前記画像のうちの前記対象領域に前記所定の処理を行う画像処理手段として前記コンピュータを機能させることを特徴とする請求項１ないし１３のいずれか１項に記載のプログラム。
15. 前記画像をアルバムに含まれるページにレイアウトさせるレイアウト手段として前記コンピュータをさらに機能させ、
    前記レイアウト情報は、前記アルバムの前記ページにおける前記画像のレイアウトに関するレイアウト情報であることを特徴とする請求項１ないし１４のいずれか１項に記載のプログラム。
16. 前記情報処理システムは、画像データによって表される画像を印刷する印刷装置と、前記コンピュータと、前記コンピュータと前記印刷装置とに通信可能に接続された外部サーバと、を含み、
    前記プログラムは、前記コンピュータを、前記設定手段により設定された前記対象領域を示す情報を前記外部サーバに送信する送信手段としてさらに機能させ、
    前記外部サーバにより前記所定の処理が前記対象領域に行われることを特徴とする請求項１ないし１４のいずれか１項に記載のプログラム。
17. ページにレイアウトされる画像を表す画像データを取得する取得手段と
    前記画像のうち画素数を変更する所定の処理の対象領域を、前記画像の前記ページにおけるレイアウトに関するレイアウト情報に基づいて設定する設定手段と、
    前記設定手段による設定に基づいて、前記画像のうちの前記対象領域に前記所定の処理を行う画像処理手段と、
    を備えることを特徴とする情報処理システム。
18. 画像データによって表される画像を印刷する印刷装置と、情報処理装置と、前記情報処理装置と前記印刷装置とに通信可能に接続された外部サーバの少なくとも１つを含み、
    前記印刷装置と前記情報処理装置と前記外部サーバの少なくとも１つが、前記各手段として機能することを特徴とする請求項１７に記載の情報処理システム。
19. 前記情報処理装置は、前記取得手段、及び前記設定手段として機能し、
    前記印刷装置は、画像処理手段として機能することを特徴とする請求項１８に記載の情報処理システム。
20. 前記情報処理装置は、前記取得手段、及び前記設定手段として機能し、
    前記外部サーバは、前記画像処理手段として機能することを特徴とする請求項１８に記載の情報処理システム。
21. ページにレイアウトされる画像を表す画像データを取得する取得工程と
    前記画像のうち画素数を変更する所定の処理の対象領域を、前記画像の前記ページにおけるレイアウトに関するレイアウト情報に基づいて設定する設定工程と、
    前記設定工程による設定に基づいて、前記画像のうちの前記対象領域に前記所定の処理を行う画像処理工程と、
    を備えることを特徴とする情報処理方法。

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