以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。電子機器の一例として、スマートフォンを例に説明するが、デジタルカメラ、タブレット、ゲーム機、その他のモバイル端末で本発明を実現してもよい。
<スマートフォン100の外観>
図1(a)、(b)、(c)はスマートフォン100の外観図である。図1(c)のように、スマートフォン100のタッチパネル式の表示画面(28、70a)が配置されている面を第2面と呼び、反対側の面を第1面と呼ぶこととする。図1(a)はスマートフォン100の表示画面と反対側の背面となる第1面の外願図であり、図1(b)はスマートフォン100の表示画面側の第2面の外願図である。
表示部(表示画面)28は画像や各種情報を表示する表示部であり、表示部28上へのタッチ操作を検知可能なタッチパネル70aを有する。上キー61は、音量の増加の指示や撮影指示が可能なボタンである。下キー60は、音量の減少の指示や電源スイッチ72との同時押で表示部28に表示されている画像の記録の指示が可能なボタンである。電源スイッチ72は、電源オン、電源オフを切り替えるための押しボタンである。スマートフォン100の表示部28のない側である第1面には3つのカメラユニットが配置されており、表示部28のある側である第2面には2つのカメラユニットが配置されている。各面に配置されたカメラユニットはそれぞれ焦点の長さが異なるため撮影可能な画角の大きさが異なる。第1面には、カメラユニット203、204、205が配置されており、第2面には、カメラユニット201、202が配置されている。第1面に配置されているカメラユニット203、204、205をアウトカメラ、第2面に配置されているカメラユニット201、202をインカメラと呼ぶ。このように、スマートフォン100には、アウトカメラとインカメラの2つの撮影部があり、ユーザは第1面にある撮影部(アウトカメラ)での撮影と、第2面にある撮影部(インカメラ)での撮影とを切替ることが可能である。通常、ユーザは表示を確認しながらスマートフォン100を操作するため表示部28側にユーザがおり、第2面に配置されたカメラユニット(インカメラ)を用いた撮影に切り替えることで、スマートフォン100を持っている自分を入れて撮影をすることができる。また、撮影時には、撮影されている画像(ライブビュー画像)を第2面に配置された表示部28で確認をしながら撮影を行うことができる。
<スマートフォンの構成>
図2(a)は、本実施形態によるスマートフォン100の構成例を示すブロック図である。
スマートフォン100は、カメラユニット201~205があり、カメラユニット201、202は第2面、カメラユニット203、204、205は第1面に配置されている。レンズ103a~eは各カメラユニットに含まれるレンズを示す。各カメラユニットには複数枚のレンズを含むものもあるが、ここでは簡略して一枚のレンズのみで示している。
カメラユニット201は標準レンズ103aを有する標準カメラであり、カメラユニット202は広角レンズ103bを有する広角カメラであり、カメラユニット202を使用すると、カメラユニット201を使用したときよりも画角の広い画像を撮影可能となる。カメラユニット203は標準レンズ103cを有する標準カメラ、カメラユニット204は広角レンズ103dを有する広角カメラ、カメラユニット205は超広角レンズ103eを有する超広角カメラである。そのため、カメラユニット204はカメラユニット203よりも、カメラユニット205はカメラユニット204よりも画角の広い画像を撮影可能となる。
シャッター101a~eは絞り機能を備えるシャッターである。撮像部22a~eは光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等で構成される撮像素子である。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。
撮像部22は光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS等で構成される撮像素子である。各カメラユニット201~205は、レンズ103a~eを通して撮像部22a~e上に結像された被写体像を光電変換してA/D変換器23に出力する。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号に変換されたデータは、画像処理部24に出力される。あるいは、メモリ32に一時格納するようにしてもよい。
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御、測距制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。また、画像処理部24は、画像データ記録時の処理として、画像の圧縮処理なども行う。
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、撮像部22によって得られA/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器13を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器13においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示することで、電子ビューファインダとして機能し、スルー画像表示(ライブビュー表示)を行える。
電源制御部80は、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。電源スイッチ72は長押し(2秒や3秒といった所定時間以上継続して押下)するとスマートフォン100電源のONとOFFとを切り替えることが可能である。また所定時間未満である短い期間の押下によって、省電モードへの移行、省電モードからの復帰を行い、表示部28の表示を非表示の状態と表示の状態とを切り替えることができる。
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像、ダウンロードした音楽、映像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される。
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号の送受信を行う。通信部54は、携帯電話用通信システム、無線LAN(Local Area Network)を介してインターネットとも接続可能である。通信部54は撮像部22で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信することができる。
姿勢検知部55は重力方向に対するスマートフォン100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、スマートフォン100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像なのかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加したり、画像を回転して記録することが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーやジャイロセンサーなどを用いることができる。
システムタイマー53は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
上下キー60、61、電源スイッチ72、操作部70はシステム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。
システムメモリ52は、例えば、RAMであり、システム制御部50は、動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を読み出して、システムメモリ52に展開する。
不揮発性メモリ56は、システム制御部50によって電気的に消去・記録可能なメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムを含む。
システム制御部50は、少なくとも1つのプロセッサーを内蔵し、スマートフォン100全体を制御する。前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。また、システム制御部50は、画像処理部24、メモリ制御部15、メモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより、上述したライブビュー画像や、記録媒体200に記録されている撮影画像の表示、各種設定画面や設定値などの表示部28への表示の制御をする表示制御も行う。
操作部70には、タッチ操作を検出可能なタッチパネル70aや、マナーモードに切り替えるためのスイッチが含まれる。さらに、上キー61、下キー60、電源スイッチ72も操作部70に含まれる。操作部を介して、ユーザは、スマートフォンの操作、例えば、撮影モードや撮影設定(撮影条件)の変更、撮影指示、カメラ機能の実行の指示等を行うことができる。
次に、図3を参照して、スマートフォン100の各カメラユニットでの撮影画角、焦点距離について説明をする。図3は、各カメラユニットでの撮影画角、焦点距離を示す図である。
第1面には、アウトカメラとして、カメラユニット203~205が配置されている。カメラユニット(超広角カメラ)205の超広角レンズ103eは、焦点距離10mm、撮影画角130度である。カメラユニット(広角カメラ)204の広角レンズ103dは、焦点距離20mm、撮影画角80度である。カメラユニット(標準カメラ)203の標準レンズ103cは、焦点距離30mm、撮影画角60度となっている。第2面には、インカメラとして、カメラユニット201~202が配置されている。カメラユニット(広角カメラ)202の広角レンズ103bは。焦点距離15mm、撮影画角110度であり、カメラユニット(標準カメラ)201の標準レンズ103aは、焦点距離25mm、撮影画角70度である。
アウトカメラでは、超広角カメラ205において撮影画角130度を撮影可能である。ユーザにより画角変更が指示され、指示された撮影画角が130度より小さく80度より大きい場合には、超広角カメラ205で撮影した画像に対して電子ズームを施して撮影画角を狭める。ユーザにより指定された撮影画角が撮影画角80度となると、広角カメラ204での撮影に切り替える。逆に、広角カメラ204を用いて撮影画角が80度以上となる撮影画角で撮影中に、80度以下への撮影画角の変更が指示された場合は、超広角カメラ205での撮影に切り替え、撮影画角に応じた電子ズームを施す。広角カメラ204において、ユーザに指示された撮影画角が80度より小さく60度より大きい場合には、広角カメラ204で撮影した画像に対して電子ズームを施して撮影画角を狭める。ユーザにより指示された撮影画角が60度となると、標準カメラ203での撮影に切り替える。逆に、標準カメラ203での撮影中に、ユーザにより指示された撮影画角が60度以下となるときは、広角カメラ204での撮影に切り替え、撮影画角に応じた電子ズームを施す。撮影画角の指示方法については後述する。
このように、ユーザから撮影画角を変更する指示がされると、電子ズームを用いつつ、他のカメラユニットでの撮影が適した撮影画角への撮影画角の変更指示がされると、撮影を行うカメラユニットを切り替える。
同様に、第2面の場合にも、広角カメラ202においては、撮影画角110度で撮影可能であり、ユーザに指示された撮影画角が110度より小さく70度より大きい場合には、広角カメラ202で撮影した画像に電子ズームを施して撮影画角を狭める。ユーザにより指示された撮影画角が70度となると、標準カメラ201での撮影に切り替える。ユーザに指示された撮影画角が70度より小さい場合には、標準カメラ201で撮影した画像に電子ズームを施して撮影画角を狭める。また、標準カメラ201で撮影中に、ユーザに指示された撮影画角が70度よりも大きくなった場合は、広角カメラ202での撮影に切り替え、撮影画角に応じた電子ズームを施す。
なお、本実施形態では各レンズが単焦点であるものとしたが、レンズ位置が移動可能であり光学ズームができる構成としてもよい。
<カメラ機能の処理フロー>
次に、図4A、図4Bのフローチャートを参照して、スマートフォン100でのカメラ機能実行時の処理について説明する。
まず、S401において、システム制御部50は、ユーザの操作部70への操作が、スマートフォン100におけるカメラ機能の実行指示であるかを判定する。カメラ機能実行の指示がされた場合はS403に進み。カメラ機能実行の指示ではない場合は、S402に進む。
S402において、システム制御部50は、ユーザの操作に対応する処理を実行する。なお、この処理の実行中や実行後にも、システム制御部50は、S401のカメラ機能実行指示があったか否かの判定を行う。
S403において、システム制御部50は、標準レンズ103cを有するアウトカメラである、カメラユニット(標準アウトカメラ)203を起動する。そして、S404において、システム制御部50は、標準アウトカメラ203で撮影したライブビュー画像と各種表示アイテムを含む標準アウトカメラ用の表示画面を表示部28に表示させる。標準カメラ203で撮影したライブビュー画像を含む標準アウトカメラ用の画面の表示は、他のカメラに切り替えるまで継続する。
図5A(a)は、アウトカメラのうちの標準カメラ203(標準アウトカメラ)を動作させているときに表示される標準アウトカメラ用の表示画面の表示例である。図5A(a)の表示例では、ライブビュー画像511とともに、撮影ボタン501、アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502、フラッシュ設定アイコン503、画角切り替えアイコン504、撮影モード設定505などの表示アイテムが表示される。
511は、標準カメラ203で撮影したライブビュー画像である。ユーザは、ライブビュー画像上でのタッチ操作により、表示部28に表示されるライブビュー画像の画角を変更することができる。複数箇所(例えば2点)を同時にタッチして、互いのタッチ位置を近づけるピンチイン操作、互いのタッチ位置を遠ざけるピンチアウト操作により画角を変更できる。図4Aには記載していないが、システム制御部50は、ライブビュー画像上でのピンチイン操作を検出すると、ピンチイン操作に応じてライブビュー画像の画角を広く(大きく)することによりライブビュー画像を縮小する。そして、ピンチアウト操作を検出すると、ライブビュー画像の画角を狭く(小さく)することによりライブビュー画像を拡大する。ピンチイン操作、ピンチアウト操作に応じて、変更可能な範囲でライブビュー画像の画角を変更する。図3で説明したように、システム制御部50は、ピンチイン操作、ピンチアウト操作に応じて、電子ズーム処理、及び、カメラユニットの切り替えによりライブビュー画像の画角の変更を行う。
撮影ボタン501は、撮影した画像の記録を指示するためのボタンであり、ユーザがボタンへ501を操作(タッチ)すると、撮影した画像を記録する記録処理を行う。
アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502は、アウトカメラでの撮影とインカメラでの撮影を切り替えるためのボタンである。アウトカメラでの撮影中(動作中)に、ユーザがボタン502を操作(タッチ)するとインカメラでの撮影に切り替わり、インカメラでの撮影中に、ユーザがボタン502を操作(タッチ)するとアウトカメラでの撮影に切り替わる。
フラッシュ設定アイコン503は、現在のフラッシュ撮影の設定を示すアイコンであり、図5A(a)では、フラッシュ撮影の設定として強制発光の設定がされていることを示している。ユーザがアイコン503を操作(タッチ)することにより、フラッシュ撮影の設定を他の設定(例えば、オート、赤目軽減、OFFなど)に変更することができる。
画角切り替えアイコン504は、標準アイコン504-1、広角アイコン504-2、超広角アイコン504-3を含む。ユーザがこれらのアイコンのうちのいずれかを操作(タッチ)して、標準カメラでの撮影、広角カメラでの撮影、超広角カメラでの撮影を切り替えることができる。なお、図5A(a)においては、標準カメラでの撮影が行われているため、標準アイコン504-1が選択状態(色を変更して表示、選択枠を表示等)で表示されている。画角切り替えアイコン504が操作された場合は、システム制御部50は、対応するカメラユニットでの撮影に切り替え、電子ズームを行わないで画像を出力(ライブビュー画像を表示)する。そのため、画角切り替えアイコン504の操作により、一度の操作で画角を大きく変更することができる。
撮影モード設定505には、カメラ機能において設定可能な複数の撮影モードにそれぞれ対応するボタンが一列で表示される。本実施形態では、写真(静止画)撮影モード、動画撮影モード、パノラマ撮影モード、ポートレート撮影モードが設定可能であるとする。図5A(a)においては、現在設定されている撮影モードが、写真(静止画)撮影モードであることがわかるように、写真(静止画)撮影モードに対応するボタンが選択状態(色を変更して表示、選択枠を表示等)で表示される。このように、ライブビュー画像とともに、撮影設定や撮影指示を行うための表示アイテムが、システム制御部50の表示制御により表示部28に表示される。
本実施形態においては、カメラ機能を実行した場合に、最初は、標準アウトカメラを選択し、写真(静止画)撮影モードで動作させるものとする。そのため、図4Aのフローチャートでは、S401でカメラ機能実行指示があったと判定されたことに応じて、S403、S404の処理を実行して標準アウトカメラでの撮影を開始した。しかし、標準アウトカメラではなく、最初に広角アウトカメラを操作させてもよい。あるいは、前回カメラ機能を使用した際に選択していたカメラユニット、撮影モードを記憶しておき、前回のカメラ機能使用時に選択していたカメラユニットおよび撮影モードで動作させるようにしてもよい。
カメラ機能の実行を開始し、ライブビュー画像および表示アイテムの表示を行うと、システム制御部50は、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
S405において、システム制御部50は、アウトカメラのうちの広角カメラ204(広角アウトカメラ)への切り替えを行うか判断する。広角アウトカメラ204への切り替えを行う場合にはS406に進み、S406、S407の処理を実行して、現在のカメラでの撮影から、広角アウトカメラ204での撮影に切り替える。システム制御部50は、広角アイコン504-2がタッチされた場合、または、ピンチイン操作/ピンチアウト操作により撮影画角が変更され、広角アウトカメラに対応する画角となった場合に広角アウトカメラ204への切り替えを行うと判定する。
S406において、システム制御部50は、広角レンズ103dを有するアウトカメラであるカメラユニット(広角アウトカメラ)204を起動し、広角アウトカメラ204での撮影に切り替える。そして、S407において、システム制御部50は、広角アウトカメラ204で撮影したライブビュー画像と各種表示アイテムを含む広角アウトカメラ用の表示画面を表示部28に表示させる。広角アウトカメラ204で撮影したライブビュー画像を含む広角アウトカメラ用の画面の表示は、他のカメラに切り替えるまで継続する。
S406、S407の処理を実行した後は、S405に戻り、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
図5A(b)は、アウトカメラのうちの広角カメラ204(広角アウトカメラ)を動作させているときに表示される広角アウトカメラ用の表示画面の表示例である。図5Å(b)の表示例では、ライブビュー画像512とともに、撮影ボタン501、アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502、フラッシュ設定アイコン503、画角切り替えアイコン504、撮影モード設定505などの表示アイテムが表示される。
512は、広角アウトカメラ204で撮影したライブビュー画像である。この画面においても、ユーザは、ライブビュー画像上でのピンチイン操作、ピンチアウト操作により、ライブビュー画像の画角を変更することができる。撮影ボタン501、アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502、フラッシュ設定アイコン503、画角切り替えアイコン504、撮影モード設定505は、図5A(a)と同じ表示アイテムであり、同じ位置に表示される。図5A(b)においては、現在設定されている撮影モードが、写真(静止画)撮影モードであるため、写真(静止画)モードが選択状態で表示されている。また、広角アウトカメラで動作中のため、広角アイコン504-2が選択状態で表示されている。
S408において、システム制御部50は、アウトカメラのうちの超広角カメラ205(超広角アウトカメラ)への切り替えを行うか判断する。超広角アウトカメラ205への切り替えを行う場合にはS409に進み、S409、S410の処理を実行して、現在のカメラでの撮影から、超広角アウトカメラ205での撮影に切り替える。システム制御部50は、超広角アイコン504-3がタッチされた場合、または、ピンチイン操作/ピンチアウト操作により撮影画角が変更され、超広角アウトカメラに対応する画角となった場合に超広角アウトカメラ205への切り替えを行うと判定する。
S409において、システム制御部50は、超広角レンズ103eを有するアウトカメラである、カメラユニット(超広角アウトカメラ)205を起動し、超広角アウトカメラ205での撮影に切り替える。そして、S407において、システム制御部50は、超広角アウトカメラ205で撮影したライブビュー画像と各種表示アイテムを含む超広角アウトカメラ用の表示画面を表示部28に表示させる。超広角アウトカメラ205で撮影したライブビュー画像を含む広角アウトカメラ用の画面の表示は、他のカメラに切り替えるまで継続する。
S409、S410の処理を実行した後は、S405に戻り、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
図5A(c)は、アウトカメラのうちの超広角カメラ205(超広角アウトカメラ)を動作させているときに表示される超広角アウトカメラ用の表示画面の表示例である。図5Å(c)の表示例では、ライブビュー画像513とともに、撮影ボタン501、アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502、フラッシュ設定アイコン503、画角切り替えアイコン504、撮影モード設定505などの表示アイテムが表示される。
513は、超広角アウトカメラ205で撮影したライブビュー画像である。この画面においても、ユーザは、ライブビュー画像上でのピンチイン操作、ピンチアウト操作により、ライブビュー画像の画角を変更することができる。撮影ボタン501、アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502、フラッシュ設定アイコン503、画角切り替えアイコン504、撮影モード設定505は、図5A(a)、(b)と同じ表示アイテムであり、同じ位置に表示される。図5A(c)においては、現在設定されている撮影モードが、写真(静止画)撮影モードであるため、写真(静止画)モードが選択状態で表示されている。また、超広角アウトカメラで動作中のため、超広角アイコン504-3が選択状態で表示されている。
S411において、システム制御部50は、アウトカメラのうちの標準カメラ203(標準アウトカメラ)への切り替えを行うか判断する。標準アウトカメラ203への切り替えを行う場合にはS403に進み、S403、S404の処理を実行して、現在のカメラでの撮影から、標準アウトカメラ203での撮影に切り替える。システム制御部50は、標準アイコン504-1がタッチされた場合、または、ピンチイン操作/ピンチアウト操作により撮影画角が変更され、標準アウトカメラに対応する画角となった場合に標準アウトカメラ203への切り替えを行うと判定する。
S403、S404の処理を実行した後は、S405に戻り、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
S412において、システム制御部50は、撮影モード設定505の表示アイコンがユーザにより操作(タッチ)され、撮影モードの切り替えの指示があったかを判定する。撮影モードの切り替え指示があった場合は、S413に進む。撮影モードの切り替えではない場合は、S419に進む。
S413において、システム制御部50は、撮影モードの変更処理を実行する。撮影モードに応じた画像処理の変更などを行う。次に、S414において、システム制御部50は、変更した撮影モードが動画モードであるかを判定する。動画モードに変更された場合は、S418に進み、動画モードへの変更ではない場合は、S415に進む。
S418において、システム制御部50は、表示部28に、倍率変更バーを表示するように制御する。
図5A(d)を参照して倍率変更バーについて説明する。図5A(d)は、動画モードの場合の標準アウトカメラ用の表示画面の表示例である。図5A(a)と同じ符号が付されているものは図5A(a)と同じであるため説明を省略する。動画を撮影(記録)するための動画モードにおいては、倍率変更バー506が表示される。倍率変更バー506は、倍率バー506-1とスライダー506-2を含む。倍率バー506-1は、アウトカメラ(標準アウトカメラ、広角アウトカメラ、超広角アウトカメラ)で撮影可能な画角(倍率)に対応する。ユーザは、スライダー506-2をタッチ操作で移動させることにより、ライブビュー画像のズーム倍率の変更(画角の変更)を行うことができる。また、図5A(d)のように、画角切り替えのための標準アイコン504-1、広角アイコン504-2、超広角アイコン504-3を、倍率バー506-1の対応する倍率の位置に表示させるとよい。このような表示を行うことにより、倍率(画角)と各カメラ(標準アウトカメラ、広角アウトカメラ、超広角アウトカメラ)の対応関係をユーザが簡単に把握することができるようになる。なお、標準アウトカメラ用の表示画面だけでなく、広角アウトカメラ用、超広角アウトカメラ用の表示画面においても、動画モードに切り替えられた場合は、図5A(d)のように、倍率変更バー506を表示する。動画の撮影では、特に、撮影中(記録中)においては、急激に、倍率(画角)が変更してしまうとみにくい映像となってしまうため、滑らかに倍率(画角)を変更する必要がある。ライブビュー画像へのピンチイン/ピンチアウト操作により、滑らかに倍率(画角)を変更することは可能であるが、この場合、操作を行う手がライブビュー画像を隠してしまい、ライブビュー画像を確認しながら、倍率(画角)を調整することが難しくなってしまう。そのため、本実施形態では、動画モードに変更した場合は、倍率変更バーをライブビュー画像が表示されていない位置に表示することにより、動画撮影中もライブビュー画像を確認しながら、倍率を変更することができる。また、ライブビュー画像と重畳する位置に倍率変更バーを表示する場合は、ライブビュー画像の端部の領域に倍率変更バーを表示するとよい。ライブビュー画像の端部の領域に表示するのであれば、ライブビュー画像を確認しながら倍率変更操作を行うことができるようになる。倍率表示バーの表示を行うと、S405に戻り、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。また、本実施形態においては、動画モードへの切り替え時に、倍率変更バーを表示するものとした。しかし、動画モードへの切り替え時ではなく、動画撮影開始(動画記録開始)に応じて、倍率変更バーを表示し、動画撮影終了(動画記録終了)に応じて、倍率変更バーを非表示にするようにし、動画の記録中に倍率変更バーを表示するようにしてもよい。
S414において、動画モードではない撮影モードへの切り替えと判定された場合は、S415において、システム制御部50は、倍率変更バー506を非表示にして、図5A(a)から(c)のような表示に戻す。なお、撮影モード変更前に倍率変更バー506が表示されていない場合は、S415では何も処理を行わなくてよい。次に、S416において、システム制御部50は、変更後の撮影モード、つまり、現在選択されている撮影モードで使用可能なレンズ(カメラユニット)の情報を取得する。そして、S417において、システム制御部50は、S416で取得した使用可能なレンズ(カメラユニット)に、現在使用しているレンズ(カメラユニット)が含まれていない場合は、標準レンズ103c(標準アウトカメラ203)への切り替えが必要と判断する。本実施形態において、写真(静止画)モード、動画モードは、標準、広角、超広角のどのレンズ(カメラユニット)でも撮影が可能である。しかし、パノラマは、標準レンズ(標準カメラ)でしか撮影できず、また、ポートレートは、標準レンズ(標準カメラ)で撮影可能な画角でしか撮影できない。そのため、ポートレート、パノラマに撮影モードが切り替えられた場合は、標準カメラへの切り替えが必要と判定し、システム制御部50は、標準アウトカメラでの動作に切り替えるために、S403に進み、標準アウトカメラ203での撮影に切り替える。標準カメラへの切り替えが必要でない場合は、現在のカメラユニットでの撮影を継続して、S405に戻り、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
なお、本実施形態において、ポートレート撮影モードにおいては、標準アウトカメラ203と広角アウトカメラ204の両方で撮影を行って2つのカメラで撮影した画像を合成し、背景をぼかして被写体にピントが合った合成画像を生成している。そのため、実際には、標準アウトカメラ203だけでなく、広角アウトカメラも起動するが、標準アウトカメラで撮影可能な画角でしか撮影できないため、標準アウトカメラ用の表示画面のように標準アイコンを選択状態で表示する。また、パノラマ撮影モードにおいても、標準レンズを有する標準カメラ以外のカメラでの撮影ができない。そのため、ポートレート撮影モード、パノラマ撮影モードでは、広角アイコン504-2、超広角アイコン504-3を非表示、または、グレーアウト表示にするとよい。
S419において、システム制御部50は、ユーザにより撮影ボタン501が操作され、画像の記録指示が入力されたか否かを判定する。画像の記録指示が入力された場合は、S420へ進み、記録指示の入力でない場合は、S421に進む。S420において、システム制御部50は、画像の記録処理を実行する。この記録処理においては、現在、起動させてライブビュー画像の撮影を行っているカメラユニットで撮影して取得した画像を記録する。写真モードの場合は、撮影ボタン501の操作に応じて静止画を撮影して記録媒体200に記録するように制御する。また、動画モードの場合は、撮影ボタン501がタッチされてから、再度撮影ボタン501がタッチされるまでに撮影した動画を記録媒体200に記録するように制御する。このように、撮影モードに応じた記録処理を実行する。また、記録処理においては、現在、ライブビュー画像として表示部28に表示されている画角で画像が記録されるように制御する。記録処理が終了するとS405に戻り、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
S421において、システム制御部50は、アウトカメラでの撮影中に、アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502がユーザによりタッチ操作されることにより、インカメラへの切り替え指示が入力されたかを判定する。インカメラへの切り替え指示の場合は、S423に進み、インカメラの切り替え指示ではない場合は、S422に進む。
S422において、システム制御部50は、操作部70に対して、カメラ機能ン終了の操作があったかを判定する。カメラ機能終了の指示操作があった場合は、カメラ機能を終了し、本フローチャートの処理を終了する。カメラ機能終了の指示でない場合は、S405に戻り、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
なお、S403~S422の処理は、第1面に配置されたアウトカメラ(標準アウトカメラ203、広角アウトカメラ204、超広角アウトカメラ205のいずれかのカメラ)で画像を撮影する際の処理フローとなる。そして、これから説明するS425~S440の処理は、第2面に配置されたインカメラ(標準インカメラ201、広角インカメラ202のいずれかのカメラ)で画像を撮影する際の処理フローとなる。なお、S423,S424、S442、S443の処理は、アウトカメラでの撮影とインカメラでの撮影とを切り替える際に、どの画角のカメラを起動させるかを判定するための処理となる。
S421においてアウトカメラからインカメラの切り替え指示があった場合、まず、S423において、システム制御部50は、現在起動中のアウトカメラの情報を取得する。具体的には、アウトカメラのうちのどのカメラユニット203~205で撮影していたかなどの情報を取得する。次に、S424において、システム制御部50は、S423で取得した起動中のアウトカメラの情報と、不揮発性メモリ56に記憶されているアウトカメラとインカメラの対応関係の情報に基づいて、起動すべきインカメラが標準インカメラであるか、広角インカメラであるかを判定する。
図6は、本実施形態におけるアウトカメラとインカメラの対応関係を示す図である。この対応関係の情報に基づいて、システム制御部50は、標準アウトカメラ203で起動中にインカメラへの切り替えが指示されたときは、標準インカメラ201を起動すると判定する。広角アウトカメラ204で起動中にインカメラへの切り替えが指示されたときは、広角インカメラ202へ切り替えるとともに、特定の倍率となるように電子ズーム処理を施して広角インカメラ202で撮影可能な画角よりも撮影画角を小さくして起動すると判定する。超広角アウトカメラ205で起動中にインカメラへの切り替えが指示されたときは、広角インカメラ202を起動すると判定する。
このように、本実施形態のスマートフォンにおいては、アウトカメラからインカメラへの切り替えの指示があった場合に、アウトカメラの画角(使用していたアウトカメラユニット/レンズ)に応じて、インカメラへの切り替え後に、標準レンズ103aを有するカメラユニット201で動作させるか、広角レンズ103bを有するカメラユニットで動作させるかを自動的に選択して切り替えている。
例えば、ユーザが、アウトカメラで背景が入るように画角を調整した後に、自分を含めて撮影したいと考えてインカメラへ切り替えるような場合、できるだけ、アウトカメラと近い画角でインカメラが起動されることが望まれる。もしも、アウトカメラの画角に関係なく、初期設定として設定されている画角のインカメラで起動してしまうと、ユーザは、インカメラへの切り替えを指示した後に、さらに、インカメラ内での標準カメラと広角カメラとの切り替え動作を行わなければならず、手間がかかる。そこで、本実施形態では、アウトカメラの画角(標準のレンズの標準カメラ、広角レンズの広角カメラ、超広角レンズの超広角カメラ)に応じて、インカメラ切り替え時に起動させるインカメラ(標準レンズの標準カメラ/広角レンズの広角カメラ)を対応付けている。そのため、インカメラへの切り替え後の、インカメラ内でのカメラユニットの切り替えや画角調整等のユーザ操作の手間を減少させることができる。
S424で標準インカメラを起動すると判定された場合は、S425において、システム制御部50は、標準レンズ103aを有するカメラユニット(標準インカメラ)201を起動し標準インカメラでの撮影に切り替える。そして、S426において、システム制御部50は、標準インカメラ201で撮影したライブビュー画像と各種表示アイテムを含む標準インカメラ用の表示画面を表示部28に表示させる。標準インカメラ201で撮影したライブビュー画像を含む標準インカメラ用の画面の表示は、他のカメラに切り替えるまで継続する。S425、S426処理を実行し、標準インカメラでの撮影に切り替えた後は、S429に進み、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
図5B(a)は、インカメラのうちの標準カメラ201(標準インカメラ)で撮影しているときに表示される標準インカメラ用の表示画面の表示例である。図5B(a)の表示例では、ライブビュー画像514とともに、撮影ボタン501、アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502、画角切り替えアイコン504、撮影モード設定505などの表示アイテムが表示される。
514は、標準インカメラ201で撮影して得られたライブビュー画像である。この画面においても、ユーザは、ライブビュー画像上でのピンチイン操作、ピンチアウト操作により、ライブビュー画像の画角を変更することができる。撮影ボタン501、アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502、画角切り替えアイコン504、撮影モード設定505は、図5A(a)と同じ表示アイテムである。図5B(a)においては、現在設定されている撮影モードが、写真(静止画)撮影モードであるため、写真(静止画)モードが選択状態で表示されている。また、標準インカメラで動作中のため、標準アイコン504-1が選択状態で表示されている。本実施形態では、インカメラは、標準インカメラと広角インカメラの2つであるため、画角切り替えアイコン504のうち、標準アイコン504-1、広角アイコン504-2が表示され、超広角アイコン504-3は表示されない。また、本実施形態においては、インカメラではパノラマ撮影はできないため、撮影モード設定505では、パノラマは表示されず、写真(静止画)、動画、ポートレートが表示され、これらの撮影モードに変更可能である。また、インカメラでは、フラッシュ撮影ができないため、フラッシュ設定アイコン503は表示されない。
S424で標準インカメラではなく広角インカメラを起動すると判定された場合は、S427において、システム制御部50は、広角レンズ103bを有するカメラユニット(広角インカメラ)202を起動し広角インカメラでの撮影に切り替える。そして、S428において、システム制御部50は、広角インカメラ202で撮影したライブビュー画像と各種表示アイテムを含む広角インカメラ用の表示画面を表示部28に表示させる。広角インカメラ202で撮影したライブビュー画像を含む標準インカメラ用の画面の表示は、他のカメラに切り替えるまで継続する。なお、S424において、広角インカメラで電子ズーム処理を施して起動すると判定された場合は、広角インカメラ202を起動して広角インカメラでの撮影に切り替えるとともに、電子ズーム処理を施して、広角インカメラ202で撮影可能な画角よりも撮影画角を小さくし画像を取得してライブビュー画像を表示するように制御する。
S427、S428処理を実行し、標準インカメラでの撮影に切り替えた後は、S429に進み、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
図5B(b)は、インカメラのうちの広角カメラ202(広角インカメラ)で撮影しているときに表示される広角インカメラ用の表示画面の表示例である。図5B(b)の表示例では、ライブビュー画像515とともに、撮影ボタン501、アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502、画角切り替えアイコン504、撮影モード設定505などの表示アイテムが表示される。
515は、広角インカメラ202で撮影して得られたライブビュー画像である。この画面においても、ユーザは、ライブビュー画像上でのピンチイン操作、ピンチアウト操作により、ライブビュー画像の画角を変更することができる。撮影ボタン501、アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502、画角切り替えアイコン504、撮影モード設定505は、図5B(a)と同じ表示アイテムであり同じ位置に表示される。図5B(b)においては、現在設定されている撮影モードが、写真(静止画)撮影モードであるため、写真(静止画)モードが選択状態で表示されている。また、広角インカメラで動作中のため、広角アイコン504-2が選択状態で表示されている。
S429において、システム制御部50は、インカメラのうちの標準カメラ201(標準インカメラ)への切り替えを行うか判断する。システム制御部50は、標準アイコン504-1がタッチされた場合、または、ピンチイン操作/ピンチアウト操作により撮影画角が変更され、標準インカメラに対応する画角となった場合に標準インカメラ201への切り替えを行うと判定する。標準インカメラ201への切り替えを行う場合にはS425に進み、S425、S426の処理を実行して、現在のカメラ(広角インカメラ)での撮影から、標準インカメラ201での撮影に切り替える。標準インカメラへの切り替えではない場合は、次の判定(S430)に進む。
S430において、システム制御部50は、インカメラのうちの広角カメラ202(広角インカメラ)への切り替えを行うか判断する。システム制御部50は、広角アイコン504-2がタッチされた場合、または、ピンチイン操作/ピンチアウト操作により撮影画角が変更され、広角インカメラに対応する画角となった場合に広角インカメラ202への切り替えを行うと判定する。広角インカメラ202への切り替えを行う場合にはS427に進み、S427、S428の処理を実行して、現在のカメラ(標準インカメラ)での撮影から、広角インカメラ202での撮影に切り替える。広角インカメラへの切り替えではない場合は、次の判定(S431)に進む。
S431において、システム制御部50は、撮影モード設定505の表示アイコンがユーザにより操作(タッチ)され、撮影モードの切り替えの指示があったかを判定する。撮影モードの切り替え指示があった場合は、S432に進む。撮影モードの切り替えではない場合は、S438の次の判定に進む。
S432において、システム制御部50は、撮影モードの変更処理を実行する。撮影モードに応じた画像処理の変更などを行う。次に、S433において、システム制御部50は、変更した撮影モードが動画モードであるかを判定する。動画モードに変更された場合は、S437に進み、動画モードへの変更ではない場合は、S434に進む。
動画モードへ変更した場合、S437において、システム制御部50は、表示部28に、図5B(c)のように倍率変更バー506を表示するように制御する。倍率変更バー506は、アウトカメラでの撮影において、動画モードに遷移した時に表示したものと同様であるが、倍率バー506-1は、インカメラ(標準インカメラ、広角インカメラ)で撮影可能な画角(倍率)に対応する。ユーザは、スライダー506-2をタッチ操作で移動させることにより、ライブビュー画像のズームの変更(画角の変更)を行うことができる。また、図5B(c)のように、画角切り替えのための標準アイコン504-1、広角アイコン504-2を、倍率バー506-1の対応する倍率の位置に表示させる。このように、インカメラでの撮影においても、撮影モードが動画を撮影(記録)するための動画モードに変更された場合は、倍率変更バーを表示させ、動画撮影中(動画記録中)も、ライブビュー画像を確認しながら、画角の変更をできるようにする。
動画モードに切り替えられた場合、システム制御部は、S437において倍率変更バー506を表示するとともに、S427に進み、S427、S428の処理を行い、広角インカメラ202での撮影に切り替える。なお、すでに広角インカメラでの撮影を行っている場合は、S427、S428の処理を行わずに、S429に進むとよい。このように、本実施形態では、インカメラにおいては、他の撮影モードから動画モードに切り替えられことに応じて、動画モードへ切り替えるとともに、広角インカメラでの撮影に切り替える。インカメラで静止画を撮影する場合は、ユーザの顔を大きくして自撮り撮影することが多くある。しかし、インカメラで動画撮影を行う場合は、ユーザを含めた複数人が入るように撮影したり、ユーザの体全体が入るように撮影したり、背景を含めて自撮り撮影したりすることが多く、このような場合は広角インカメラでの撮影が望ましい。そのため、本実施形態においては、インカメラでの撮影時に、動画モードに切り替えらえたことに応じて、広角インカメラ202での撮影に切り替えるようにすることで、ユーザの広角カメラへの変更操作の手間をなくすようにしている。なお、アウトカメラで撮影しているときは、前に説明したように、動画モードに切り替えられたとしても、広角カメラ、超広角カメラへの自動切り替えは行わず、動画モードに切り替える前に使用していたカメラユニットでの撮影を継続する。
S433において、動画モードではない撮影モードへの切り替えと判定された場合は、S434において、システム制御部50は、倍率変更バー506を非表示にする。なお、撮影モード変更前に倍率変更バー506が表示されていない場合は、S434の処理を行わなくてよい。次に、S435において、システム制御部50は、変更後の撮影モード、つまり、現在選択されている撮影モードで使用可能なレンズ(カメラユニット)の情報を取得する。そして、S436において、システム制御部50は、S435で取得した使用可能なレンズ(カメラユニット)に、現在使用しているレンズ(カメラユニット)が含まれていない場合は、標準レンズ103a(標準インカメラ201)への切り替えが必要と判断する。本実施形態において、写真(静止画)モード、動画モードは、標準、広角のどちらでもでも撮影が可能であるが、ポートレートは、標準レンズ(標準カメラ)で撮影可能な画角でしか撮影できない。そのため、ポートレートに撮影モードが切り替えられた場合は、標準カメラへの切り替えが必要と判判定し、システム制御部50は、標準インカメラでの動作に切り替えるために、S425に進み、標準インカメラ201での撮影に切り替える。標準カメラへの切り替えが必要でない場合は、現在のカメラユニットでの撮影を継続し、S429に戻り、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
なお、ポートレート撮影モードは、アウトカメラと同様に、インカメラでも、標準インカメラ201と広角インカメラ202の両方で撮影を行って2つのカメラで撮影した画像を合成し、背景をぼかして被写体にピントが合った合成画像を生成するものとする。
S438において、システム制御部50は、ユーザにより撮影ボタン501が操作され、画像の記録指示が入力されたか否かを判定する。画像の記録指示が入力された場合は、S439へ進み、記録指示の入力でない場合は、S440に進む。S439において、システム制御部50は、画像の記録処理を実行する。この記録処理においては、現在、起動させてライブビュー画像の撮影を行っているカメラユニットで撮影して取得した画像を記録する。写真モードの場合は、撮影ボタン501の操作に応じて、静止画を撮影して記録媒体200に記録するように制御する。また、動画モードの場合は、撮影ボタン501がタッチされてから、再度撮影ボタン501がタッチされるまでに撮影した動画を記録媒体200に記録するように制御する。このように、撮影モードに応じた記録処理を実行する。また、記録処理においては、現在、ライブビュー画像として表示部28に表示されている画角で画像が記録されるように制御する。記録処理が終了するとS429に戻り、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
S440において、システム制御部50は、インカメラでの撮影中に、アウトカメラとインカメラの切り替えボタン502がユーザによりタッチ操作されることにより、アウトカメラへの切り替え指示が入力されたかを判定する。アウトカメラへの切り替え指示の場合は、S442に進み、アウトカメラへの切り替え指示ではない場合は、S441に進む。
S440においてアウトカメラへの切り替え指示が入力されたと判定された場合、S442において、システム制御部50は、現在起動中のインカメラの情報を取得する。具体的には、インカメラのうちのどのカメラユニット201~202で撮影していたかなどの情報を取得する。次に、S443において、システム制御部50は、S442で取得した起動中のインカメラの情報と、不揮発性メモリ56に記憶されているアウトカメラとインカメラの対応関係の情報(図6)に基づいて、起動すべきアウトカメラが標準アウトカメラであるか、広角アウトカメラであるか、超広角アウトカメラであるかを判定する。システム制御部50は、標準インカメラ201での撮影中にアウトカメラへの切り替えが指示されたときは、標準アウトカメラ203を起動すると判定して、S403に進み、標準アウトカメラでの撮影に切り替える。広角インカメラ202での撮影中においては、広角インカメラで撮影中の画角に応じて、広角アウトカメラ204を起動するか、超広角アウトカメラ205を起動するかの判断を切り替える。本実施形態では、図6のように、システム制御部50は、電子ズーム処理を施さずに、広角インカメラでの撮影を行っている場合は、超広角アウトカメラへ切り替えると判断してS406に進み広角アウトカメラでの撮影に切り替える。電子ズーム処理を施して広角インカメラでの撮影を行っている場合は、広角アウトカメラへ切り替えると判断してS409に進み、広角アウトカメラでの撮影に切り替える。
このように、本実施形態のスマートフォンにおいては、インカメラからアウトカメラへの切り替えの指示があった場合に、インカメラの画角(使用していたアウトカメラユニット/レンズ)に応じて、アウトカメラへの切り替え後に、標準レンズ103cの標準アウトカメラ203、広角レンズ103dの広角カメラ204、超広角レンズ103eの超広角カメラ205のうちどのカメラユニットで動作させるかを自動的に選択して切り替えている。
S441において、システム制御部50は、操作部70に対して、カメラ機能ン終了の操作があったかを判定する。カメラ機能終了の指示操作があった場合は、カメラ機能を終了し、本フローチャートの処理を終了する。カメラ機能終了の指示でない場合は、S429に戻り、ユーザからの操作部70への操作を監視し、ユーザの操作に応じた処理を実行する。
本実施形態のスマートフォン100では、カメラ機能を実行した際に、以上のような処理が実行される。
上述の実施形態において、スマートフォン100は、アウトカメラでの撮影からインカメラでの撮影に切り替える際に、アウトカメラ撮影で使用していたカメラユニット/レンズに応じて、インカメラ撮影で使用するカメラユニット/レンズを切り替えるようにした。また、インカメラでの撮影からアウトカメラでの撮影に切り替えを行う際に、インカメラ撮影で使用していたカメラユニット/レンズに応じて、アウトカメラ撮影で使用するカメラユニット/レンズを切り替えるようにした。しかし、インカメラでの撮影からアウトカメラでの撮影に切り替えるときには、インカメラ撮影で使用していたカメラユニット/レンズに応じて、アウトカメラで撮影するカメラユニット/レンズに切り替えず、特定のカメラユニットに切り替えるようにしてもよい。アウトカメラからインカメラに切り替えるときには、アウトカメラで背景が入るように画角を調整した後に、ユーザが自分も映るようにインカメラに切り替えて撮影する場合などがあり、このような場合には、画角の近いカメラに切り替えられることが望ましい。しかし、インカメラで背景が入るように画角を調整してからアウトカメラに切り替えて撮影するようなことは想定されないため、インカメラからアウトカメラに切り替える場合は、画角の近いカメラに切り替えずに、特定のカメラユニット(例えば、初期起動すると設定されているカメラユニット等)に切り替えるようにしてもよい。また、本実施形態においては、初期起動すると設定されるアウトカメラのカメラユニットは、標準アウトカメラ203としていたが、アウトカメラの3つのカメラのうち画角の大きさが真ん中である広角アウトカメラ204にしてもよい。
また、アウトカメラとインカメラ間での切り替えを行う際に、特定の撮影設定が行われている場合は、アウトカメラとインカメラの対応関係にかかわらずに、特定のカメラでの撮影に切り替えるようにしてもよい。防振設定や記録解像度によっては、使用可能なカメラが限定される場合がある。そのような場合は、アウトカメラとインカメラの対応関係にかかわらず、使用可能なカメラに切り替えるようにしてもよい。例えば、防振設定がオンのとき、記録解像度が最大のサイズのときには、使用可能なカメラが標準カメラに限定される。このような撮影設定がされているときは、アウトカメラとインカメラ間での切り替えの際に、アウトカメラとインカメラの対応関係では広角カメラが対応付けられていても、標準カメラでの撮影に切り替えるようにする。また、他の特定の撮影設定がされているときには、標準カメラが対応付けられていても、広角カメラでの撮影に切り替えるようにしてもよい。
また、アウトカメラでの撮影時に、ユーザの操作に応じて、標準/広角/超広角のカメラの切り替えまたは画角の切り替えを行っていた場合は、アウトカメラからインカメラへの切り替えの際に、アウトカメラとインカメラの対応関係に基づいて起動するインカメラを切り替えるようにし、アウトカメラでの撮影時に標準/広角/超広角のカメラの切り替えまたは画角の切り替えを行っていない場合は、アウトカメラとインカメラの対応関係を用いずに、特定のインカメラ(例えば標準インカメラ)に切り替えるようにしてもよい。インカメラからアウトカメラへの切り替えも同様である。
また、上述の実施形態では、アウトカメラと2つのカメラユニットから構成し、インカメラを2つのカメラユニットから構成した。しかし、これらの数に限定されない。アウトカメラを4つにしてもよいし、インカメラを3つにしてもよい。また、上述の実施形態では、アウトカメラを、標準レンズを有する標準アウトカメラ、広角レンズを有する広角アウトカメラ、超広角レンズを有する超広角アウトカメラで構成した。しかし、望遠レンズを有する望遠アウトカメラ、標準アウトカメラ、広角アウトカメラなどの他の画角のレンズ/カメラ組み合わせで構成してもよい。また、アウトカメラ、インカメラの構成に応じて、アウトカメラとインカメラ間の切り替え時の対応関係は設定されるべきである。例えば、広角アウトカメラ、標準アウトカメラ、望遠アウトカメラの3つのアウトカメラと、広角インカメラ、標準インカメラの2つのインカメラを有する場合、広角アウトカメラでの撮影中にインカメラに切り替える場合は、広角インカメラに切り替え、標準アウトカメラでの撮影中または望遠アウトカメラでの撮影中にインカメラに切り替える場合には、標準インカメラに切り替えるように対応関係を設定することが考えられる。各アウトカメラ(レンズ)の画角と各インカメラ(レンズ)の画角に応じて、対応関係を設定するとよい。
また、複数のアウトカメラを設けるのではなく、アウトカメラを1つとして、光学ズーム可能な構成としてもよい。例えば、光学ズーム可能な1つのアウトカメラと広角インカメラと標準インカメラの2つのインカメラを備えているスマートフォンの場合、望遠側に光学ズームを行ってアウトカメラで撮影しているときはインカメラへの切り替え指示に応じて標準インカメラでの撮影に切り替え、広角側に光学ズームを行っているときはインカメラへの切り替え指示に応じて広角インカメラでの撮影に切り替えるようにするとよい。このように、アウトカメラからインカメラに切り替える際に、光学ズームでのズーム倍率、つまり、光学ズームで変更された撮影画角に応じて、複数の異なる画角のインカメラのうちどのインカメラに切り替えるかを自動的に変更するようにするとよい。また、光学ズームに応じて、インカメラを切り替えるだけでなく、アウトカメラで撮影していた時の画角に対応する画角となるようにインカメラで撮影した画像に対して電子ズーム処理を行うようにしてもよい。
上述の実施形態においては、アウトカメラからインカメラへの切り替え指示があった場合に、使用していたアウトカメラ(標準/広角/超広角)やアウトカメラで撮影していた際の画角に対応したインカメラ(標準/広角)で動作させることとした。しかし、動画モードが設定されているときにアウトカメラからインカメラに切り替える際は、使用していたアウトカメラやアウトカメラで撮影していたときの画角にかかわらず、広角インカメラでの撮影に切り替えるようにしてもよい。上記で説明したように、インカメラで動画を撮影する際は、自分の顔のみを撮影するのではなく、複数人での撮影や顔だけでなく体も含めて撮影するユーザが多いためである。
なお、システム制御部50が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。また、システム制御部50が実行するとした制御をスマートフォン100の他のブロックで実行するようにしてもよい。
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
(他の実施形態)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。