図面を参照して本開示の一実施形態を説明する。
以下の説明において、特にことわりがない限り、鉛直方向は重力が作用する方向であり、水平方向は鉛直方向と直角を成す方向である。また「上流」及び「下流」の用語は、袋束の移動方向を基準とする。また「上方」及び「下方」の用語は、高さ方向を基準としている。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る箱詰め装置10の一例を示す上方図である。図2は、図1に示す箱詰め装置10の斜視図である。図3は、図1に示す箱詰め装置10の正面図である。図4は、図1に示す箱詰め装置10の側方図である。図3及び図4では、袋束供給装置11の図示が省略されている。図5は、収容体13の一例を示す斜視図である。図6及び図7は、図5に示す収容体13の一部(特に1つの収容スペースS)の正面図である。図8は、回転装置15の一例を示す斜視図である。図8では、箱体Cが透視状態で示されており、箱体Cの内側が描かれている。
箱詰め装置10は、複数の袋束Bを各収容体13に収容する移送収容装置12、複数の袋束Bを収容している状態の収容体13を搬送する収容搬送装置(第1収容搬送装置14a及び第2収容搬送装置14b)、複数の袋束Bを収容している状態の収容体13を箱体Cとともに回転させる回転装置(第1回転装置15a及び第2回転装置15b)、及び箱体Cを受け止める箱受け部18を備える。
移送収容装置12は、複数の袋束Bを供給エリアP1から移送して、受け渡し位置(第1受け渡し位置P2-1及び第2受け渡し位置P2-2)に配置されている収容体13に収容する。
袋束供給装置11は、袋束Bを次々に供給エリアP1に配置する。袋束供給装置11の具体的な構成及び用途は限定されない。袋束供給装置11は、袋束Bを作り出す製袋装置であってもよいし、上流から送られてくる袋束Bを中継搬送する搬送装置であってもよい。
本実施形態の袋束Bに含まれる個々の袋は、内側に何も入れられていない空袋であり、相互に向かい合う端部のうちの一方が口部を構成し、他方が底部を構成し、底部の方が口部よりも厚い。そして各袋束Bに含まれるすべての袋はお互いに共通の姿勢で共通の向きを有し、それぞれの袋の口部同士が重ねられ、それぞれの袋の底部同士が重ねられた状態で各袋束Bが構成されている。したがって各袋束Bでは、底部側端部が口部側端部よりも大きな厚みを有する。袋及び袋束Bの構成は上述の例には限定されない。各袋は、口部の方が底部よりも厚くてもよいし、口部及び底部がお互いに同じ厚みでもよいし、内側に固体、液体及び/又は気体が入れられていてもよいし、スパウト等の器具が取り付けられていてもよい。
収容体13には、移送収容装置12によって複数の袋束Bが収容される。図5に示す収容体13は、第1側方ガイド31、第2側方ガイド32、第3側方ガイド33、底部ガイド34及び背部ガイド35を有し、2つの収容スペースSを含む。一方の収容スペースSは、第1側方ガイド31、第2側方ガイド32、底部ガイド34及び背部ガイド35によって区画される。他方の収容スペースSは、第2側方ガイド32、第3側方ガイド33、底部ガイド34及び背部ガイド35によって区画される。各収容スペースSは、積み重ねられた2以上の袋束Bを収容可能である。
第1側方ガイド31及び第3側方ガイド33は、移動可能に設けられた可動側方ガイドである。第2側方ガイド32は、底部ガイド34及び背部ガイド35に対して固定的に設けられた基準側方ガイドである。第1側方ガイド31及び第3側方ガイド33は、第2側方ガイド32から第1の距離離れたレギュラー位置P11(図7参照)と、第2側方ガイド32から第1の距離よりも大きな第2の距離離れたスペース拡大位置P12(図6参照)と、に位置づけ可能に設けられている。
本実施形態の第1側方ガイド31及び第3側方ガイド33の各々には、ガイド位置調整バネ41(図6及び図7参照)が取り付けられている。第1側方ガイド31と支持部42との間に圧縮状態で配置されるガイド位置調整バネ41は、第2側方ガイド32に向かって働く弾性力を第1側方ガイド31に作用させる。同様に、第3側方ガイド33と支持部42との間に圧縮状態で配置されるガイド位置調整バネ41は、第2側方ガイド32に向かって働く弾性力を第3側方ガイド33に作用させる。第1側方ガイド31、第2側方ガイド32、第3側方ガイド33、底部ガイド34、背部ガイド35、ガイド位置調整バネ41及び支持部42は、一体的に設けられている。例えば、第1側方ガイド31、第3側方ガイド33及び支持部42が、背部ガイド35により移動可能に支持されていてもよいし、第2側方ガイド32及び底部ガイド34が背部ガイド35により固定的に支持されていてもよい。
移送収容装置12は、保持移送部27(図1~図4参照)及びガイド位置決め部28(図6及び図7参照)を有する。
保持移送部27は、袋束Bを保持しつつ供給エリアP1から移送し、第1受け渡し位置P2-1及び第2受け渡し位置P2-2に配置されている収容体13の収容スペースSに当該袋束Bを収容する。本実施形態の保持移送部27は、各収容スペースSにおいて複数の袋束Bを積み重ねた状態で収容し、特に、袋束Bの口部側端部及び底部側端部の向きが交互に切り替わるように複数の袋束Bが積み重ねられる。
ガイド位置決め部28は、少なくとも、保持移送部27が袋束Bを供給エリアP1から収容体13の収容スペースSに移送する間、受け渡し位置に配置されている当該収容体13の第1側方ガイド31及び/又は第3側方ガイド33をスペース拡大位置P12(図6参照)に位置づける。本実施形態では、ガイド位置決め部28から第1側方ガイド31及び第3側方ガイド33に力が加えられていない状態で、第1側方ガイド31及び第3側方ガイド33は、ガイド位置調整バネ41から弾性力を受けてレギュラー位置P11に配置される(図7参照)。第1側方ガイド31がレギュラー位置P11に配置される場合、対応の収容スペースSに収容されている複数の袋束Bは、第1側方ガイド31及び/又は第2側方ガイド32に接触しつつ位置が規制されてもよいし、第1側方ガイド31及び/又は第2側方ガイド32に接触することなく位置が規制されてもよい。同様に、第3側方ガイド33がレギュラー位置P11に配置される場合、対応の収容スペースSに収容されている複数の袋束Bは、第3側方ガイド33及び/又は第2側方ガイド32に接触しつつ位置が規制されてもよいし、第3側方ガイド33及び/又は第2側方ガイド32に接触することなく位置が規制されてもよい。
保持移送部27は、図1~図4に示す例では、架台20の天板20aに対して固定的に取り付けられた多関節ロボットにより構成されているが、他の構成を有していてもよい。ガイド位置決め部28は、図6及び図7に示す例では、可動側方ガイド(第1側方ガイド31及び第3側方ガイド33)を把持及び解放可能な開閉部材により構成され、可動側方ガイドとともにレギュラー位置P11及びスペース拡大位置P12に配置可能なように架台20に対して移動可能に取り付けられている。ガイド位置決め部28は、他の構成を有していてもよい。
本実施形態では、受け渡し位置から回転位置に収容体13を搬送する収容搬送装置が複数設けられている。すなわち、第1受け渡し位置P2-1から第1回転位置P3-1に収容体13を搬送する第1収容搬送装置14aと、第2受け渡し位置P2-2から第2回転位置P3-2に収容体13を搬送する第2収容搬送装置14bと、が設けられている。
本実施形態の第1収容搬送装置14a及び第2収容搬送装置14bは、基本的に同じ構成を有し、対称的な向きで配置されている。図1~図4に示す第1収容搬送装置14a及び第2収容搬送装置14bの各々は、水平方向に並んで配置された複数のローラーと、当該複数のローラーの下方に据え付けられたスライド面部と、を具備するローラーコンベアとして設けられている。2以上のローラー(第1収容搬送装置14a及び第2収容搬送装置14bの各々に含まれるローラーの全部又は一部)が同じ方向に軸回転することによって、各収容体13は、ローラーから搬送力を受けつつスライド面部上をスライドし、受け渡し位置から回転位置に向かって移動する。
図1~図4に示す第1収容搬送装置14a及び第2収容搬送装置14bの各々において、複数のローラーによってもたらされる搬送面(すなわち各収容体13(特に背部ガイド35)が通る軌道面)は、水平方向及び鉛直方向の各々に対して傾斜する方向に延びる。したがって各収容体13は、複数のローラーに凭れつつ、スライド面部上に載せられる。各収容体13が受け渡し位置から回転位置に移動する間、各収容体13の背部ガイド35は、水平方向及び鉛直方向の各々に対して傾斜する方向に延び、各収容体13に収容されている複数の袋束Bによってもたれかかられる。
本実施形態では、回転位置に位置づけられている収容体13を保持する回転装置が複数設けられている。すなわち、第1回転位置P3-1に位置づけられている収容体13を保持する第1回転装置15aと、第2回転位置P3-2に位置づけられている収容体13を保持する第2回転装置15bと、が設けられている。第1回転装置15a及び第2回転装置15bが収容体13を保持する具体的な方法は限定されない。例えば、第1回転装置15a及び第2回転装置15bは、収容体13を保持する支持部材(図示省略)を具備していてもよい。また第1回転装置15a及び第2回転装置15bが電磁石又は磁石を含み、各収容体13が強磁性体や磁石を含み、第1回転装置15a及び第2回転装置15bは磁力を利用して収容体13を保持してもよい。
本実施形態の第1回転装置15a及び第2回転装置15bは、基本的に同じ構成を有し、対称的な向きで配置されている。第1回転装置15a及び第2回転装置15bは「回転装置15」として総称され、具体的な構成例が図8に示されている。
図8に示す回転装置15は、一体的に設けられている旋回底板15c、旋回背板15d及び旋回軸15eを有する。旋回軸15eは、収容搬送装置(第1収容搬送装置14a及び第2収容搬送装置14b)による各収容体13の搬送方向と同じ方向に延在し、旋回底板15c及び旋回背板15dは旋回軸15eを中心に揺動する。収容搬送装置から回転装置15に渡された収容体13は、旋回底板15c及び旋回背板15dに載せられ、旋回底板15cによって底部ガイド34側から支持され、旋回背板15dによって背部ガイド35が支持される。図8に示す収容体13は背部ガイド35が底部ガイド34よりも下方に突出しているので、収容体13が旋回底板15cに載せられた際に、底部ガイド34は旋回底板15cと接触せず、背部ガイド35の下方端面が旋回底板15cと接触する。
そして、回転位置に位置づけられている収容体13が箱体Cの底部Cbにより覆われている状態で、当該収容体13を回転装置15により回転させることによって、収容体13に収容されていた複数の袋束Bを、箱体Cの底部Cbの上方に位置づけつつ箱体Cに収容する。
箱体Cは、お互いに向かい合う位置に設けられた開口部Ca及び底部Cbを有する。収容体13が開口部Caを介して箱体Cの内側に進入することで、箱体Cが収容体13に被せられ、収容体13は箱体Cの底部Cbにより覆われる。
箱体Cは、回転位置に位置づけられている収容体13の少なくとも一部が箱体Cの内側に位置している状態で、回転装置15によって収容体13とともに回転させられ、その結果、箱受け部18に載せられる。本実施形態の箱受け部18は、第1回転装置15a及び第2回転装置15bの双方に対して共通に割り当てられている。すなわち、第1回転装置15aにより収容体13とともに回転させられた箱体C及び第2回転装置15bにより収容体13とともに回転させられた箱体Cが、共通の箱受け部18に載せられる。
本実施形態では、第1回転装置15aが箱体Cを箱受け部18に載せる動作と、第2回転装置15bが箱体Cを箱受け部18に載せる動作とが交互に行われ、箱受け部18には1つの箱体Cのみが同時的に載せられる。ただし、第1回転装置15a及び第2回転装置15bが箱体Cを箱受け部18に載せる動作のタイミングは限定されない。例えば箱受け部18が十分な大きさを持つ場合には、第1回転装置15a及び第2回転装置15bが同時的に箱体Cを箱受け部18に載せる動作を行ってもよい。
そして、箱体Cが箱受け部18に載せられた状態で、回転装置15及び箱受け部18のうちの少なくともいずれか一方が移動されて回転装置15及び箱受け部18が互いから離されることにより、収容体13の全体が箱体Cの外側に位置づけられ且つ複数の袋束Bが箱体Cに収容される。本実施形態では、箱受け部18が箱受け移動部(図13参照)によって移動可能(特に上下方向へ昇降可能)に設けられている。箱体Cが箱受け部18に載せられた状態で、回転装置15が収容体13を保持しつつ箱受け移動部が箱受け部18を降下させることによって、収容体13の全体が箱体Cの外側に位置づけられ且つ複数の袋束BがCに収容される。
各収容体13は、収容していた複数の袋束Bが箱体Cに移された後、リターン搬送装置によって回収位置から準備位置に搬送される。本実施形態ではリターン搬送装置が複数設けられている。すなわち、空の収容体13を第1回収位置P4-1から第1準備位置P5-1に搬送する第1リターン搬送装置16aと、空の収容体13を第2回収位置P4-2から第2準備位置P5-2に搬送する第2リターン搬送装置16bと、が設けられている。第1回収位置P4-1は第1受け渡し位置P2-1よりも第1回転位置P3-1に近く、第1準備位置P5-1は第1回転位置P3-1よりも第1受け渡し位置P2-1に近い。また第2回収位置P4-2は第2受け渡し位置P2-2よりも第2回転位置P3-2に近く、第2準備位置P5-2は第2回転位置P3-2よりも第2受け渡し位置P2-2に近い。
図1~図4に示す例では、第1リターン搬送装置16aが第1収容搬送装置14aに対して上方で隣り合うように設けられ、第2リターン搬送装置16bが第2リターン搬送装置16bに対して上方で隣り合うように設けられている。特に、第1準備位置P5-1が第1受け渡し位置P2-1に対して上方で隣り合うように位置し、第2準備位置P5-2が第2受け渡し位置P2-2に対して上方で隣り合うように位置する。そのため、空の収容体13を第1準備位置P5-1から第1受け渡し位置P2-1に素早く供給することが可能である。同様に、空の収容体13を第2準備位置P5-2から第2受け渡し位置P2-2に素早く供給することが可能である。なお、受け渡し位置(第1受け渡し位置P2-1及び第2受け渡し位置P2-2)への収容体13の供給は、図示しない収容体装置により機械的に行われてもよいし、作業者Wにより手動的に行われてもよい。
図1~図4に示す例において、第1回転位置P3-1及び第2回転位置P3-2のそれぞれの上方位置(特に第1回収位置P4-1及び第2回収位置P4-2のそれぞれに隣り合う位置)には、収容体13を載置可能な載置体(図示省略)が設けられている。図示しない回収装置又は作業者Wは、空の収容体13を第1回転位置P3-1及び第2回転位置P3-2から回収して載置体に載せておくことが可能である。そして図示しない回収装置又は作業者Wは、載置体に置かれている収容体13を、第1回収位置P4-1及び第2回収位置P4-2に運んで第1リターン搬送装置16a及び第2リターン搬送装置16bに渡すことができる。
次に、上述の箱詰め装置10を使った収容箱製造方法について説明する。
図9は、箱体Cが被せられ且つ回転装置15に載せられている収容体13の一例を示す斜視図である。図10は、箱体Cが被せられ且つ回転装置15に載せられている収容体13の一例を示す側方図である。図11は、箱受け部18に載せられた直後の箱体C、収容体13、及び回転装置15の一例を示す側方図である。図12は、収容体13及び箱体Cがお互いから離された状態の一例を示す側方図である。図9~図12では、箱体Cが透視状態で示されており、箱体Cの内側が描かれている。
図10~図12に例示されている回転装置15は、他の図には示されていない旋回レバー15fを有する。旋回レバー15fは旋回軸15eに対して直接的又は間接的に取り付けられており、旋回レバー15fを揺動することで、旋回軸15eを中心に回転装置15全体が回転させられる。旋回レバー15fは、回転装置15を回転させる手段の一例として図10~図12に示されているに過ぎない。したがって回転装置15は、旋回レバー15fを具備していなくてもよく、他の回転手段を介して機械的に又は手動的に回転させられてもよい。
図1に示す袋束供給装置11は供給エリアP1に袋束Bを継続的に配置し続ける。供給エリアP1には1つの袋束Bのみが同時的に配置されてもよいし、2以上の袋束Bが同時的に配置されてもよい。供給エリアP1に2以上の袋束Bが配置される場合、当該2以上の袋束Bは積み重ねられてもよいし、同一平面上に置かれてもよい。
保持移送部27は、複数の袋束Bを、供給エリアP1から移送して受け渡し位置(第1受け渡し位置P2-1及び第2受け渡し位置P2-2)に配置されている収容体13に収容する。保持移送部27は、袋束Bをピックアップ可能な吸盤やグリッパーなどの保持部を具備し、供給エリアP1から袋束Bを1つずつピックアップし、当該袋束Bを収容対象の収容体13において解放する。
本実施形態の保持移送部27は、第1受け渡し位置P2-1に配置されている収容体13に対する袋束Bの収容と、第2受け渡し位置P2-2に配置されている収容体13に対する袋束Bの収容と、を交互に行う。すなわち保持移送部27は、第1受け渡し位置P2-1及び第2受け渡し位置P2-2のうちの一方に配置されている収容体13に対する複数の袋束Bの収容が完了した後に、他方に配置されている収容体13に対する複数の袋束Bの収容を開始する。
保持移送部27が第1受け渡し位置P2-1に配置されている収容体13に対する袋束Bの収容作業を行っている間、ガイド位置決め部28は、第1側方ガイド31及び/又は第3側方ガイド33をスペース拡大位置P12に位置づける。これにより、保持移送部27は、拡大された収容スペースSに対して袋束Bの収容作業を行うことができ、袋束Bを収容スペースSに対してスムーズ且つ適切に収容することができる。所望数の袋束Bが収容スペースSに収容された後、ガイド位置決め部28は第1側方ガイド31及び/又は第3側方ガイド33の保持を解放し、第1側方ガイド31及び/又は第3側方ガイド33をレギュラー位置P11に位置づける。これにより収容スペースSのサイズ及び形状が、収容スペースSに収容されている複数の袋束Bに適した状態に置かれ、収容スペースSにおける複数の袋束Bの崩れを防ぐことができる。
保持移送部27が第1受け渡し位置P2-1に配置されている収容体13に対する袋束Bの収容作業を行っている間に、第2受け渡し位置P2-2に対して空の収容体13がセッティングされる。同様に、保持移送部27が第2受け渡し位置P2-2に配置されている収容体13に対する袋束Bの収容作業を行っている間に、第1受け渡し位置P2-1に対して空の収容体13がセッティングされる。そして保持移送部27は、第1受け渡し位置P2-1及び第2受け渡し位置P2-2のうちの一方に位置づけられている収容体13に対する袋束Bの収容作業が完了したらすぐに、他方に位置づけられている収容体13に対する袋束Bの収容作業を開始する。このように保持移送部27は、中断することなく継続的に、各収容体13に対する袋束Bの収容作業を行うことができる。
所望数の袋束Bの収容が完了した収容体13は、収容搬送装置(第1収容搬送装置14a及び第2収容搬送装置14b)によって、受け渡し位置から回転位置に搬送される。収容体13に対する所望数の袋束Bの収容の完了は、任意の方法によって検知可能である。例えば、制御装置(図13参照)が「供給エリアP1から受け渡し位置(第1受け渡し位置P2-1/第2受け渡し位置P2-2)への保持移送部27の移動回数」をカウントしたり、センサ(図13参照)が「収容体13の収容スペースSに積み重ねられた袋束Bの最上位置」を検知したりすることで、収容体13に対する所望数の袋束Bの収容の完了に関する情報を得ることができる。
所望数の袋束Bが収容されている収容体13には、図示しない装置によって又は人手によって箱体Cが被せられる。箱体Cは、受け渡し位置(第1受け渡し位置P2-1及び第2受け渡し位置P2-2)、受け渡し位置と回転位置との間、又は回転位置(第1回転位置P3-1及び第2回転位置P3-2)において、機械的に又は手動的に収容体13に被せられる。すなわち、図示しない箱体装置によって機械的に箱体Cが収容体13に被せられてもよいし、作業者Wによって手動的に箱体Cが収容体13に被せられてもよい。
そして、箱体Cが被せられた状態の収容体13が回転装置15に載せられて回転装置15により保持されている状態(図10参照)で、図示しない揺動装置又は作業者Wによって旋回レバー15fが揺動される(図11参照)。すなわち回転位置に位置づけられている収容体13が箱体Cの底部Cbにより覆われている状態で、当該収容体13を回転装置15により保持しつつ箱体Cとともに回転させることで、前記収容体13に収容されていた複数の袋束Bが、底部Cbの上方に位置づけられつつ箱体Cに収容される。
その後、収容体13及び箱体Cがお互いから離れるように、回転装置15及び箱受け部18が相対的に移動させられる。本実施形態では、回転装置15が停止しつつ箱受け部18が降下することで、収容体13が停止しつつ箱体Cが降下し、収容体13及び箱体Cがお互いから離れる。これにより、収容体13の全体が箱体Cの外側に位置づけられ、且つ、複数の袋束Bが箱体Cの内側に整頓された状態で収容される(図12参照)。
上述の一連処理を経て複数の袋束Bが収容された箱体Cは、図示しない収容箱移動装置又は作業者Wによって、箱搬送装置25に載せられる。箱体Cを箱受け部18から箱搬送装置25に移動させるための具体的な方法及び装置構成は限定されない。例えば、箱受け部18を互いに分離可能な複数のピース部材(図示省略)により構成してもよい。この場合、複数のピース部材が、箱体Cを載せることができる程度にお互いに近づけられている状態で、箱体Cが箱受け部18に載せられる。一方、箱体Cを箱受け部18から箱搬送装置25に受け渡す際には、収容箱移動装置により複数のピース部材を移動させてお互いから離すことで、箱体Cを箱受け部18から箱搬送装置25に落下させてもよい。
そして箱体Cは、箱搬送装置25(図1~図4参照)によって、更に後段へと搬送される。
図13は、第1実施形態に係る箱詰め装置10の制御構成の一例を示すブロック図である。
箱詰め装置10が備える制御装置50には、センサ51、袋束供給装置11、移送収容装置12(保持移送部27及びガイド位置決め部28)、収容搬送装置14、回転装置15、箱受け移動部55、リターン搬送装置16及び箱搬送装置25が接続されている。収容搬送装置14は上述の第1収容搬送装置14a及び第2収容搬送装置14bを表し、リターン搬送装置16は上述の第1リターン搬送装置16a及び第2リターン搬送装置16bを表す。センサ51は1又は複数の任意のセンサを表す。
制御装置50は、図13に示されていない装置が接続されていてもよく、それらの装置を制御してもよい。
制御装置50は、センサ51から送られてくる検知結果、接続されている装置の制御情報、及び接続されている装置から送られてくる各種情報に基づいて、接続されている装置を制御することができる。
例えば、センサ51は、供給エリアP1における袋束Bを検知可能なセンサを含んでもよい。この場合、制御装置50は、当該センサの検知結果(例えば供給エリアP1における袋束Bの有無を示す情報や袋束Bの位置を示す情報)に基づいて、移送収容装置12(保持移送部27及びガイド位置決め部28)を制御してもよい。
またセンサ51は、受け渡し位置(第1受け渡し位置P2-1及び第2受け渡し位置P2-2)に配置されている収容体13に収容される袋束Bの数量を検知するセンサを含んでもよい。この場合、制御装置50は、当該センサの検知結果(すなわち収容体13における袋束Bの収容数量を示す情報)に基づいて、収容搬送装置14(第1収容搬送装置14a及び第2収容搬送装置14b)を制御してもよい。
またセンサ51は、複数の袋束Bが収容されている収容体13が回転位置(第1回転位置P3-1及び第2回転位置P3-2)に配置されているか否かを検知するセンサを含んでもよい。この場合、制御装置50は、当該センサの検知結果(すなわち回転位置における収容体13の有無を示す情報)に基づいて、回転装置15(第1回転装置15a及び第2回転装置15b)を制御してもよい。
またセンサ51は、箱受け部18上に複数の袋束Bが収容されている箱体Cが配置されているか否かを検知するセンサを含んでもよい。この場合、制御装置50は、当該センサの検知結果(すなわち箱受け部18上における箱体Cの有無を示す情報)に基づいて箱受け移動部55を制御し、箱受け部18から箱搬送装置25に箱体Cを移送してもよい。
またセンサ51は、箱受け部18から箱搬送装置25に箱体Cが移送されたことを検知するセンサを含んでもよい。この場合、制御装置50は、当該センサの検知結果(すなわち箱搬送装置25に対する箱体Cの供給の有無を示す情報)に基づいて箱搬送装置25を制御し、箱体Cを箱搬送装置25の後段に搬送してもよい。
またセンサ51は、準備位置(第1準備位置P5-1及び第2準備位置P5-2)における空の収容体13の有無を検知するセンサを含んでもよい。この場合、制御装置50は、当該センサの検知結果(すなわち準備位置における収容体13の有無を示す情報)に基づいてリターン搬送装置16(第1リターン搬送装置16a及び第2リターン搬送装置16b)を制御し、空の収容体13を準備位置に新たに配置してもよい。
以上説明したように本実施形態の箱詰め装置10及び収容箱製造方法によれば、収容体13が箱体Cの底部Cbにより覆われている状態で、回転装置15により回転させられる。これにより、複数の袋束Bを、姿勢の崩れを抑えつつ、収容体13から箱体Cに渡すことができる。したがって、複数の袋束Bを箱体Cに所望姿勢で安定的に収容することができる。
また各収容体13に対する複数の袋束Bの収容作業は、受け渡し位置(第1受け渡し位置P2-1及び第2受け渡し位置P2-2)で行われ、箱体Cに対する複数の袋束Bの収容作業は、回転位置(第1回転位置P3-1及び第2回転位置P3-2)で行われる。このように収容体13に複数の袋束Bを収容する作業を行う場所と、箱体Cに複数の袋束Bを収容する作業を行う場所とを分離することで、一方の作業で生じた遅延等の影響が他方の作業に及びにくくなる。このように本実施形態によれば、箱詰め装置10の動作及び収容箱製造方法の流れを、全体的に安定化させることができる。
また複数の袋束Bを、収容体13における位置関係及び姿勢と同様の位置関係及び姿勢で、箱体Cに収容することができる。そのため、大きなすき間が生じないように収容体13に複数の袋束Bを収容することで、袋束B間のすき間が小さい状態で、また箱体Cと袋束Bとの間のすき間が小さい状態で、複数の袋束Bを箱体Cに詰めることが可能である。箱体Cの内側に複数の袋束Bをすき間無く詰めることにより、搬送時等において箱体Cに振動等の外力が加えられても、箱体C内における袋束Bの姿勢は崩れにくい。また箱体Cの大型化を抑制でき、多数の袋束Bを限られたサイズの箱体Cにコンパクトに収容することができる。
また各収容スペースSを区画する2つの側方ガイドのうちの少なくとも一方を可動に設けることによって、収容スペースSを、袋束Bの収容作業に適した大きさに、及び、袋束Bの収容保持に適した大きさに、適応的に調整することができる。
また収容体13を箱体Cの内側から外側に位置づける際に、箱受け部18を直線的に降下させることで、収容体13をスムーズに箱体Cの内側から脱出させることができる。これにより、箱体Cに収容されている袋束Bの姿勢の崩れを抑えることができる。
また複数の収容搬送装置(第1収容搬送装置14a及び第2収容搬送装置14b)を設けることによって、複数の袋束Bが詰められた箱体Cの生産数を増大させることができる。一般に、収容体13から箱体Cに複数の袋束Bを入れる処理(本実施形態では収容体13を回転させる処理)に比べ、各収容体13に複数の袋束Bを収容する処理の方が時間を要する傾向がある。複数の収容搬送装置を設けることによって、1つの収容搬送装置で処理が行われている間に、他の収容搬送装置でも同時的に処理を行うことができるため、処理間における必要時間の不均衡の影響を装置全体として低減することができる。
また箱受け部18を複数の回転装置(第1回転装置15a及び第2回転装置15b)に対して共通に割り当てることにより、装置の省スペース化を促進することができる。
また収容体13が受け渡し位置(第1受け渡し位置P2-1及び第2受け渡し位置P2-2)から回転位置(第1回転位置P3-1及び第2回転位置P3-2)に移動する間、当該収容体13の背部ガイド35が傾斜させられ、収容体13に収容されている複数の袋束Bは背部ガイド35にもたれかかる。これにより、複数の袋束Bを背部ガイド35に沿った位置に精度良く配置しつつ、複数の袋束Bを安定的に搬送することができる。
また収容搬送装置(第1収容搬送装置14a及び第2収容搬送装置14b)とは別にリターン搬送装置(第1リターン搬送装置16a及び第2リターン搬送装置16b)を設けることによって、各収容体13を回収位置(第1回収位置P4-1及び第2回収位置P4-2)から準備位置(第1準備位置P5-1及び第2準備位置P5-2)に簡単に送ることができる。またリターン搬送装置の設置によって作業者Wの介入を低減することができるので、利便性及び安全性を向上させることができる。更に、収容搬送装置における処理に影響を与えることなく、リターン搬送装置によって空の収容体13を回収位置から準備位置に送ることができる。
[変形例]
上述の実施形態では収容スペースSを区画する側方ガイドのうちの一方(第1側方ガイド31及び第3側方ガイド33)のみが移動可能に設けられているが、両方(第1側方ガイド31、第2側方ガイド32及び第3側方ガイド33)が移動可能に設けられてもよい。
箱体Cの内側から外側に収容体13を移動させる際に、上述の実施形態では箱受け部18が下方に移動させられるが、収容体13を上方に移動させてもよい。例えば、箱体Cが箱受け部18に載せられている状態で、収容体13を保持している回転装置15を昇降装置(図示省略)によって上方に移動させることで、収容体13の全体が箱体Cの外側に位置づけられ且つ複数の袋束Bが箱体Cに収容されてもよい。そのような昇降装置は限定されず、例えば旋回軸15eを中心に回転装置15を回転させる装置であってもよいし、回転装置15を直線的に昇降させる装置であってもよい。
箱体Cを箱受け部18から箱搬送装置25に移す装置及び方法は限定されない。例えば、箱受け部18は1又は複数の昇降部材(図示省略)を含み、箱搬送装置25は、昇降部材が昇降自在に貫通可能な1又は複数のスペースを有してもよい。この場合、箱搬送装置25の搬送面よりも高く位置づけられている1又は複数の昇降部材の載置面上に、回転装置15により回転させられた箱体C(底部Cb)が載せられてもよい。そして1又は複数の昇降部材は箱体Cが載せられた状態で降下し、当該昇降部材の載置面が箱搬送装置25の搬送面よりも高い位置から低い位置に移動する過程で、箱体Cは、当該昇降部材の載置面から、箱搬送装置25の搬送部(搬送面)に渡されてもよい。箱体Cは、その後、箱搬送装置25の搬送部によって後段に送られてもよい。
[第2実施形態]
本実施形態において、上述の第1実施形態と同一又は対応の要素には同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図14は、第2実施形態に係る箱詰め装置10の一例を示す側方図である。
図14に示す箱詰め装置10の収容搬送装置14は、支持テーブル60により固定的に支持された回転テーブル駆動部61と、回転テーブル駆動部61に回転軸62を介して取り付けられる回転テーブル63と、を備える。
回転テーブル駆動部61の具体的な構成は限定されないが、典型的にはモーターにより回転テーブル駆動部61は構成される。回転軸62は、回転テーブル駆動部61によって間欠的に回転させられる。回転テーブル63は、回転軸62とともに回転軸線Axを中心に間欠的に回転する。
回転テーブル63上には、複数の搬送回転ユニット65(図14に示す例では第1搬送回転ユニット65a及び第2搬送回転ユニット65b)が固定的に設けられている。各搬送回転ユニット65は、回転テーブル63の間欠回転に応じて、円軌道(無端状搬送軌道)上を移動する。
回転テーブル63が間欠的に停止する際、一の搬送回転ユニット65が受け渡し位置P2に位置づけられつつ、他の搬送回転ユニット65が回転位置P3に位置づけられる。図14に示すように2つの搬送回転ユニット65が設けられる場合には、一方の搬送回転ユニット65が受け渡し位置P2に位置づけられつつ、他方の搬送回転ユニット65が回転位置P3に位置づけられる。この場合、各搬送回転ユニット65は、受け渡し位置P2及び回転位置P3に、交互に繰り返し位置づけられる。
各搬送回転ユニット65は、回転テーブル63に固定される支持ベース66と、支持ベース66に第1旋回軸69を介して取り付けられる第1揺動レバー67と、支持ベース66に第2旋回軸70を介して取り付けられる第2揺動レバー68とを有する。
第1揺動レバー67の一方側の端部は第1旋回軸69に固定され、第1揺動レバー67は、第1旋回軸69の回転に応じて第1旋回軸69を中心に揺動する。第1揺動レバー67の他方側の端部は、第1支持軸71を介してカセット支持部73に回転自在に取り付けられる。
第2揺動レバー68の一方側の端部は第2旋回軸70に固定され、第2揺動レバー68は、第2旋回軸70の回転に応じて第2旋回軸70を中心に揺動する。第2揺動レバー68の他方側の端部は、第2支持軸72を介してカセット支持部73に回転自在に取り付けられる。
第1旋回軸69を中心とした第1揺動レバー67の揺動状態及び第2旋回軸70を中心とした第2揺動レバー68の揺動状態に応じて、カセット支持部73の位置及び姿勢が変わる。
カセット支持部73には、収容体13及び回転装置15が取り付けられている。回転装置15は、収容体13を回転させて上下反転させる装置である。本実施形態の回転装置15は、対応の搬送回転ユニット65が回転位置P3に位置づけられている間に、収容体13の開口が上方に向けられ且つ箱体が当該開口を上方から覆うように収容体13に被せられている状態から、当該開口が下方に向けられ且つ箱体が当該開口を下方から覆う状態に、収容体13を回転させる。その結果、複数の袋束は、収容体13により支持されている状態から、箱体により支持されている状態に移行する。
回転位置P3に位置づけられた搬送回転ユニット65の収容体13の下方には、昇降リフター90が設けられている。昇降リフター90は、上方に露出される載置面を有し、当該載置面は昇降可能に設けられている。昇降リフター90の載置面は、収容体13が回転装置15により上下反転させられ後、内側に複数の袋束を収容する箱体(特に底部)を受け止めて下方から支持する。
図15及び図16は、図14に示す各搬送回転ユニット65の挙動例を示す側方図であり、図14に示されている箱詰め装置10の一部要素(例えば収容体13及び回転装置15)の図示が省略されている。
カセット支持部73(ひいては収容体13及び回転装置15)の高さ方向位置及び水平方向位置は、第1揺動レバー67及び第2揺動レバー68の揺動状態に応じて変わりうる。
受け渡し位置P2に位置づけられている搬送回転ユニット65において、第1揺動レバー67及び第2揺動レバー68は、それぞれ第1旋回軸69及び第2旋回軸70の駆動下で、起立状態に置かれる。これによりカセット支持部73は、第1高さ位置において急峻傾斜姿勢をとる。
図15及び図16において図示が省略されている移送収容装置12(図1参照)は、受け渡し位置P2においてカセット支持部73とともに第1高さ位置において急峻傾斜姿勢をとる収容体13に、複数の袋束を収容する。
そして、各搬送回転ユニット65が受け渡し位置P2から回転位置P3に移動する間、対応のカセット支持部73及び収容体13は第1高さ位置において急峻傾斜姿勢を維持する。
そして、回転位置P3に位置づけられている搬送回転ユニット65において、第1揺動レバー67及び第2揺動レバー68は、それぞれ第1旋回軸69及び第2旋回軸70の駆動下で、なだらか状態に置かれる(図16参照)。これによりカセット支持部73及び収容体13は、第1高さ位置よりも低い第2高さ位置においてなだらか姿勢をとる。
なだらか姿勢をとる収容体13の収容底面が水平方向に対して成す角度は、受け渡し位置P2において急峻傾斜姿勢をとる収容体13の収容底面が水平方向に対して成す角度よりも小さい。なだらか姿勢をとる収容体13の収容底面は、水平方向と平行に延びてもよい。
そして回転位置P3において、なだらか姿勢の収容体13に箱体が被せられている状態で回転装置15により収容体13が回転されて当該収容体13及び箱体が上下反転され、収容体13から箱体に複数の袋束が移される。その後、収容体13が回転装置15により回転されて上下反転され、第2高さ位置においてなだらか姿勢に戻される。その後、対応の搬送回転ユニット65が回転位置P3に位置づけられている間に、第1揺動レバー67及び第2揺動レバー68が第1旋回軸69及び第2旋回軸70の駆動下で再び起立状態に置かれ、収容体13は再び第1高さ位置において急峻傾斜姿勢をとる。
そして、各搬送回転ユニット65が回転位置P3から受け渡し位置P2に移動する間、対応のカセット支持部73は第1高さ位置において急峻傾斜姿勢を維持する。
次に、回転装置15の一例を説明する。
図17は、回転装置15の一例を示す拡大側方図である。図18は、カセット支持部73及び第1回転体81の配置例を示す側方図である。図19は、カセット支持部73及び第1回転体81の配置例を示す平面図である。図20は、カセット支持部73及び第1回転体81の配置例を示す正面図である。
本例の回転装置15は、回転駆動部74、端支持部76、ラックギア部77、駆動ギア部78、第1旋回軸部79、第1回転体81及び2つの棒支持部83を含む。
図17に示す回転駆動部74は、連結支持部75を介してカセット支持部73により支持されており、第1伸縮ロッド74a及び第2伸縮ロッド74bの伸縮量を変えるように駆動する。第1伸縮ロッド74a及び第2伸縮ロッド74bは、回転駆動部74の本体部からお互いに逆向きに突出する。第1伸縮ロッド74aの突出量及び第2伸縮ロッド74bの突出量の合計は一定である。
第1伸縮ロッド74a及び第2伸縮ロッド74bは、それぞれ端支持部76を介してラックギア部77の両端部に取り付けられている。第1伸縮ロッド74a及び第2伸縮ロッド74bの伸縮量に応じて、カセット支持部73に対するラックギア部77の位置が変わる。
ラックギア部77のギアは、駆動ギア部78のギアに噛み合って係合する。駆動ギア部78は、第1旋回軸部79を介してカセット支持部73により支持される。第1伸縮ロッド74a及び第2伸縮ロッド74bの伸縮量が変わって、カセット支持部73に対するラックギア部77の位置が変わることで、駆動ギア部78はギア係合を介してラックギア部77から力を受けて回転する。
なお連結支持部75を介してカセット支持部73に固定されている回転駆動部74の本体部は、第1伸縮ロッド74a及び第2伸縮ロッド74bの伸縮によっては移動しない。すなわち第1伸縮ロッド74a及び第2伸縮ロッド74bが伸縮することによって、端支持部76及びラックギア部77は移動するが、回転駆動部74、連結支持部75及びカセット支持部73は移動しない。
駆動ギア部78は、第1旋回軸部79の外周に対して固定的に取り付けられており、第1旋回軸部79を中心に、第1旋回軸部79と同調して同軸回転する。駆動ギア部78の回転角度と、第1旋回軸部79の回転角度は一致する。
第1旋回軸部79の一方の端部は、カセット支持部73により回転自在に支持されており、第1旋回軸部79の他方の端部は、第1回転体81により固定的に支持されている。したがって駆動ギア部78の回転に応じて第1旋回軸部79が回転する場合、カセット支持部73は第1旋回軸部79から回転力を受けることなくその姿勢を維持するが、第1回転体81は第1旋回軸部79と同調して同軸回転する。すなわち、第1回転体81は第1旋回軸部79を中心に回転し、第1回転体81の回転角度は第1旋回軸部79の回転角度に一致する。
第1回転体81には、2つの棒支持部83が固定されている。各棒支持部83は、第1旋回軸部79の中心軸線の延びる方向と同じ方向に延在する。各棒支持部83の一方の端部は第1回転体81により固定的に支持されており、各棒支持部83の他方の端部は第2回転体82により固定的に支持されている。
第2回転体82は、第2旋回軸部80を介してカセット支持部73により支持されている。第2旋回軸部80の一方の端部は、カセット支持部73により回転自在に支持されており、第2旋回軸部80の他方の端部は、第2回転体82により固定的に支持されている。したがって各棒支持部83を介して伝えられる動力によって第2回転体82が回転させられる場合、第2回転体82は第2旋回軸部80と同調して同軸回転し、第2旋回軸部80とともに第2旋回軸部80を中心に回転する。なお、第2回転体82及び第2旋回軸部80が回転しても、カセット支持部73は回転することなく、第2旋回軸部80を介して第2回転体82を支持する。
第2旋回軸部80の中心軸線は第1旋回軸部79の中心軸線と一致している。第1回転体81が第1旋回軸部79を中心に回転すると、2つの棒支持部83を介して第2回転体82に回転力が伝わり、第2回転体82も第2旋回軸部80を中心に回転する。したがって、同一軸線を中心に、駆動ギア部78、第1旋回軸部79、第1回転体81、各棒支持部83、第2回転体82及び第2旋回軸部80が回転する。
各棒支持部83は、両端部間(すなわち第1回転体81と第2回転体82との間)において、第1中間支持部91、第2中間支持部92及び第3中間支持部93によって回転自在に支持されている。第1中間支持部91は第1台座84に固定され、第2中間支持部92は第2台座85に固定され、第3中間支持部93は第3台座86に固定される。
第1台座84、第2台座85及び第3台座86は、収容体13の収容底面を形成する。当該収容底面は、収容体13に収容される複数の袋束Bが載せられて下方から支持する。第1台座84、第2台座85及び第3台座86は、第1旋回軸部79の中心軸線を中心とした2つの棒支持部83の回転方向への移動に応じて、お互いに同じ傾斜角度を持つように傾斜動を行う。
第1中間支持部91、第2中間支持部92及び第3中間支持部93の各々は、図示しない制限部材によって、各棒支持部83に沿った移動が制限されている。制限部材は、任意の形態を有することができる。例えば、第1中間支持部91、第2中間支持部92及び第3中間支持部93の各々を挟むように、各棒支持部83に対して固定的に取り付けられた複数の突起体を、制限部材として設けてもよい。第1中間支持部91、第2中間支持部92及び第3中間支持部93の各々に対する制限部材の設置位置は変更可能であってもよい。制限部材の設置位置を調整することによって、袋束Bのサイズに応じた適切な位置に第1中間支持部91、第2中間支持部92及び第3中間支持部93(ひいては第1台座84、第2台座85及び第3台座86)の各々が配置されてもよい。
第1台座84、第2台座85及び第3台座86の各々の一方の端部側には、第1台座84、第2台座85及び第3台座86(特に袋束Bが載せられる面)の各々から突出する端部ガイド88が取り付けられている。また第1台座84及び第2台座85の各々には、第1台座84及び第2台座85(特に袋束Bが載せられる面)の各々から突出する側方ガイド87が取り付けられている。各側方ガイド87は、第1旋回軸部79の中心軸線と直角を成す第1台座84及び第2台座85の各々の長手延在方向(図19の左右方向)
に延びる。
第1台座84及び第2台座85の各々の他方の端部側の表面(特に袋束Bが載せられる面)には、移動制限ガイド97が固定されている。各移動制限ガイド97は、第1台座84及び第2台座85の各々の長手延在方向に延びる。各移動制限ガイド97には、移動制限スライダー96がスライド可能に係合しており、移動制限スライダー96には移動制限部95が取り付けられている。各移動制限部95は、移動制限スライダー96とともに、第1台座84及び第2台座85の各々の長手延在方向に移動し、端部ガイド88に対して相対的に近い移動制限位置と、端部ガイド88から相対的に遠い退避位置とに配置可能である。
本実施形態の収容体13は、第1台座84、第2台座85、第3台座86、側方ガイド87、端部ガイド88及び移動制限部95を含む。収容体13に供給される袋束Bは、第1台座84、第2台座85、第3台座86、側方ガイド87、端部ガイド88及び移動制限部95により囲まれる空間に収容される。
図21は、第2実施形態に係る箱詰め装置10の制御構成の一例を示すブロック図である。
袋束供給装置11、移送収容装置12、回転テーブル駆動部61、第1旋回軸駆動部101、第2旋回軸駆動部102、回転駆動部74、スライダー駆動部103及びリフター駆動部104は、制御装置50に接続されており、制御装置50の制御下で駆動する。
第1旋回軸駆動部101は、第1旋回軸69を駆動して、第1揺動レバー67を揺動させる。第2旋回軸駆動部102は、第2旋回軸70を駆動して、第2揺動レバー68を揺動させる。
スライダー駆動部103は、各移動制限スライダー96を駆動して、各移動制限部95を移動させる。リフター駆動部104は、昇降リフター90を駆動して、昇降リフター90の載置面を昇降させる。
なお制御装置50は、箱詰め装置10に含まれる構成要素のうち図21に示されていない要素を制御してもよい。
次に、本実施形態の箱詰め装置10によって行われる袋束Bの箱詰め方法の一例について説明する。以下に説明する袋束Bの箱詰め方法の各工程は、箱詰め装置10の各構成要素が制御装置50の制御下で適宜駆動することで、実行される。
図22は、受け渡し位置P2に位置づけられている収容体13の状態の一例を示す側方図であり、移動制限部95が退避位置に位置づけられている。図23は、図22に示す収容体13の平面図である。図24は、図22に示す収容体13の正面図である。
図25は、受け渡し位置P2に位置づけられている収容体13の状態の一例を示す側方図であり、移動制限部95が移動制限位置に位置づけられている。図26は、回転位置P3に位置づけられている収容体13の状態の一例を示す側方図であり、収容体13に箱体Cが被せられている。
受け渡し位置P2に位置づけられている搬送回転ユニット65の収容体13(具体的には第1台座84、第2台座85及び第3台座86の上)に、移送収容装置12(図1参照)によって、供給エリアから移送された複数の袋束Bが収容される(図22~図24参照)。
移送収容装置12は、対象の搬送回転ユニット65が受け渡し位置P2に位置づけられている間に、所望数の袋束Bを第1台座84、第2台座85及び第3台座86上に並べて載せる。図22~図24に示す例では、各々が起立姿勢をとる複数の袋束Bが、第1台座84、第2台座85及び第3台座86上に並べられ、これらの台座の長手延在方向(図23の左右方向)に関して複数の袋束Bが相互に重ねられる。移送収容装置12が収容体13への袋束Bの収容作業を行っている間、スライダー駆動部103は、各移動制限部95を退避位置に位置づける。
そして所望数の袋束Bの全てが収容体13に収容された後、各移動制限部95が、退避位置から移動して移動制限位置に位置づけられる(図25参照)。このようにして移動制限位置に位置づけられた各移動制限部95とともに、各端部ガイド88及び各側方ガイド87は、第1台座84、第2台座85及び第3台座86上の複数の袋束Bの移動及び姿勢のくずれを抑える。
本例では、移動制限位置に位置づけられた各移動制限部95、各端部ガイド88及び各側方ガイド87は、第1台座84、第2台座85及び第3台座86上の複数の袋束Bを積極的に挟むことなく、受動的にこれらの袋束Bの移動及び姿勢の崩れを制限する。第1台座84、第2台座85及び第3台座86上の複数の袋束Bは、移動制限位置に位置づけられた各移動制限部95、各端部ガイド88及び各側方ガイド87に対して離間していてもよいし、接触してもよい。
そして、受け渡し位置P2に位置づけられた搬送回転ユニット65の収容体13に所望数の袋束Bが収容された後、且つ、回転位置P3に位置づけられた搬送回転ユニット65の収容体13から全ての袋束Bが箱体Cに移された後、回転テーブル駆動部61が回転テーブル63を間欠的に180度回転させる。これにより、所望数の袋束Bが収容されている収容体13を具備する搬送回転ユニット65は、受け渡し位置P2から回転位置P3に移動し、空になった収容体13を具備する搬送回転ユニット65は、回転位置P3から受け渡し位置P2に移動する。
所望数の袋束Bが収容されている収容体13は、回転位置P3において、カセット支持部73とともに急峻傾斜姿勢からなだらか姿勢に変更され、なだらか姿勢の状態で箱体Cが被せられる(図26参照)。この箱体Cは、人手又はロボット等の機械により、収容体13に被せられる。
そして、回転位置P3に位置づけられている収容体13が箱体Cの底部Cbにより覆われている状態で、当該収容体13を回転装置15により回転させて収容体13及び箱体Cを上下反転させる。これにより収容体13に収容されていた複数の袋束Bを、箱体Cの底部Cbの上方に位置づけつつ箱体Cに収容する。
このように複数の袋束Bは、収容体13が回転位置P3において回転装置15により回転させられる前は収容体13の収容底面によって下方から支持され、収容体13が回転位置P3において回転装置15により回転させられた後は箱体C(特に底部Cb)によって下方から支持される。
なお回転装置15は、収容体13に対する箱体Cの相対位置がずれるのを防ぐように箱体Cを保持しつつ、収容体13及び箱体Cを回転させてもよい。回転装置15が箱体Cを保持する方法は限定されない。例えば、収容体13に被せられた状態の箱体Cの底部Cbの1又は複数箇所(例えば4箇所の隅部)を外側から支える箱支持部(図示省略)を、回転装置15は具備してもよい。回転装置15は、収容体13及び箱体Cを回転させる前から収容体13及び箱体Cを回転させた後にわたって箱体Cを保持し続け、その後、箱体Cの保持を解放する。
複数の袋束Bが収容体13から箱体Cに移された後に又は複数の袋束Bが収容体13から箱体Cに移されるのと同時的に、当該箱体Cは昇降リフター90の載置面(図14参照)に載せられる。その後、昇降リフター90の載置面が下降することによって、当該載置面上の箱体Cは、収容している複数の袋束Bとともに収容体13から離れる。その後、複数の袋束Bを収容する箱体Cは、人手又はロボット等の機械により昇降リフター90から降ろされて、後段に運ばれる。一方、収容体13は、回転位置P3において回転装置15により再び回転させられて上下反転され、なだらか姿勢から急峻傾斜姿勢に変更される。
一方、回転位置P3から受け渡し位置P2に移動した搬送回転ユニット65の収容体13には、上述の一連の処理工程が繰り返されることによって、新たな複数の袋束Bが収容される。
そして、受け渡し位置P2に位置づけられた搬送回転ユニット65の収容体13に所望数の袋束Bが収容された後、且つ、回転位置P3に位置づけられた搬送回転ユニット65の収容体13から全ての袋束Bが箱体Cに移送された後、回転テーブル駆動部61が回転テーブル63を間欠的に180度回転させる。
以上説明したように本実施形態の箱詰め装置10では、収容搬送部として機能する回転テーブル駆動部61、回転軸62及び回転テーブル63は、回転装置15を、収容体13とともに受け渡し位置P2から回転位置P3に搬送する。
これにより、各収容体13に対して固有の回転装置15を割り当てて、収容体13及び回転装置15をユニット化することができる。そのため、収容体13を受け渡し位置P2から搬送して回転位置P3に位置づける際に、収容体13を回転装置15に受け渡す処理が不要になり、迅速且つ確実に、収容体13を回転位置P3において回転させることができる。
また回転テーブル63(収容搬送部)は、受け渡し位置P2及び回転位置P3を通る無端状搬送軌道に沿って、収容体13及び回転装置15を搬送する。
これにより、受け渡し位置P2から回転位置P3への収容体13の移動と、回転位置P3から受け渡し位置P2への収容体13の移動とを、同時的に行うことができる。したがって、受け渡し位置P2から回転位置P3への収容体13の移動のための装置と、回転位置P3から受け渡し位置P2への収容体13の移動のための装置とを別個に設ける必要がなく、装置構成及び制御フローを簡素化することができる。
特に上述の例に係る収容搬送部は、回転軸線Axを中心に回転する回転テーブル63を有し、収容体13及び回転装置15は、回転テーブル63に取り付けられ、回転テーブル63の回転に応じて受け渡し位置P2と回転位置P3との間で移動する。
このように非常に簡素な装置構成で、収容体13及び回転装置15を円軌道に沿って受け渡し位置P2と回転位置P3との間でスムーズに移動させることができる。
また収容体13は、受け渡し位置P2において急峻傾斜姿勢をとる一方で、回転位置P3においてなだらか姿勢をとる。なだらか姿勢をとる収容体13の収容底面(本例では第1台座84、第2台座85及び第3台座86の各々の面)が水平方向に対して成す角度は、受け渡し位置P2において急峻傾斜姿勢をとる収容体13の収容底面が水平方向に対して成す角度よりも小さい。
これにより、受け渡し位置P2では、急峻傾斜姿勢をとる収容体13に対して複数の袋束Bをスムーズに供給することができ、回転位置P3では、重力を利用して、収容体13に収容されている複数の袋束Bの整頓を促すことができる。
例えば、受け渡し位置P2において収容体13に複数の袋束Bを供給する際や受け渡し位置P2から回転位置P3に収容体13を移動させる際に、収容体13において1以上の袋束Bが他の袋束Bから少し飛び出た状態をとることがある。この場合に、収容体13(特に収容底面)の傾斜が大きい状態では、袋束Bが収容底面に向かう方向が重力方向から比較的大きくずれるため、袋束Bの飛び出し状態を解消するために重力をあまり有効に利用できないことがある。一方、収容体13をなだらか姿勢に調整して、収容底面の延在方向を水平方向に近づけることにより(好ましくは収容底面の延在方向を水平方向にすることにより)、収容体13に収容されている各袋束Bが収容底面に向かう方向が重力方向に近づく。この場合、袋束Bの飛び出し状態を解消するために重力を有効に利用することができ、人手によってそのような袋束Bの飛び出し状態を解消する場合にも、袋束Bを適正位置に移動させることが容易になる。
本開示は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また上述の実施形態及び変形例の構成が、全体的に又は部分的に組み合わせられてもよい。