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JP2022089399A - 加熱装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Takuya Seshimo
祐介 古市
Yusuke Furuichi
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

【課題】少ない温度センサによって、シートの片寄り搬送と、シートが通過しない非通過領域における温度上昇の両方を検知する。【解決手段】互いに接触する複数の回転体20,21と、複数の回転体20,21のうちの少なくとも1つを加熱する加熱源22と、複数の回転体20,21及び加熱源22のうちの少なくとも1つの温度を検知する複数の温度センサ19A~19Cと、を備える加熱装置であって、複数の温度センサ19A~19Cのうちの1つは、最大シートの通過幅領域W2の外側に配置される第1温度センサ19Aであり、複数の温度センサ19A,19B,19Cのうちの他の1つは、最小シートの通過幅領域W1の外側、かつ、最大シートの通過幅領域W2の内側であって、最大シートの通過幅領域W2の幅方向中央Qを基準に第1温度センサ19A側とは反対側に配置される第2温度センサ19Bである。【選択図】図6

Description

本発明は、加熱装置及び画像形成装置に関する。
プリンタ又は複写機などの画像形成装置が備える加熱装置として、例えば、熱によって用紙にトナーを定着する定着装置が知られている。
定着装置においては、用紙を挟んで加熱するローラ及びベルトなどの回転体の温度、あるいは回転体を加熱する加熱源の温度を適正に維持するため、一般的に、回転体又は加熱源の温度を検知する温度センサが設けられている。
また、定着装置においては、用紙によって熱が奪われにくい非通紙領域の温度が過剰に上昇することがあるため、非通紙領域に温度センサが設けられていることがある。例えば、特許文献1(特開平6-250565号公報)に記載の定着装置においては、温度センサによって非通紙領域の温度を検知し、検知された温度が所定の温度を超えた場合は、用紙の搬送間隔をあけて、非通紙領域における温度上昇を緩和する対策がとられている。
また、定着装置においては、上記のような非通紙領域における温度上昇の問題のほか、用紙が通常の搬送位置からずれて搬送されることによって生じる問題がある。詳しくは、給紙カセットへの用紙のセットミスなどにより、用紙が正しい位置から搬送方向と直交する幅方向に片寄った状態で搬送されると、用紙が片寄った側とは反対側において用紙が通過しない非通紙領域が広がる。そして、広くなった非通紙領域においては、より一層、熱が消費されにくくなるため、温度上昇が顕著となる。その結果、非通紙領域と通紙領域におけるローラの熱膨張差が大きくなり、ローラに接触して従動回転するベルトの回転速度差が大きくなって、ベルトに捩れが生じ、ベルトが塑性変形する問題が発生する。
このような片寄せ通紙に起因するベルトの塑性変形を回避するため、特許文献2(特許第5924867号公報)には、温度センサによって検知される温度情報から片寄せ通紙の有無を判定する方法が提案されている。具体的には、図23に示すように、2つの温度センサS1,S2が、用紙Pが通過する通紙幅領域W内において、通紙中心線Qを基準に対称に配置され、各温度センサにS1,S2よって加熱源であるヒータ220の温度を検知する。用紙Pが片寄ることなく送られる場合は(用紙Pが図23中の実線位置において送られる場合は)、用紙Pよって奪われる熱が通紙中心線Qを基準に左右均等になるため、各温度センサS1,S2によって検知される温度はほぼ同じとなる。一方、用紙Pが片寄った状態で送られる場合は(用紙Pが図23中の点線位置において送られる場合は)、用紙Pによって奪われる熱が通紙中心線Qを基準に左右均等にはならないため、各温度センサS1,S2によって検知される温度の差が大きくなる。このように、片寄せ通紙があった場合は、各温度センサによって検知される温度の差が大きくなるため、特許文献1に記載の発明においては、この温度の差を確認することにより、片寄せ通紙があるか否かを判定している。
上記のように、温度センサを用いることにより、非通紙領域における温度上昇の問題と片寄せ通紙の問題を改善することが可能である。しかしながら、従来提案されている構成においては、それぞれの問題に応じて温度センサの配置が異なるため、両方の問題を改善しようとすると、温度センサの個数が増え、高コスト化したり、装置が大型化したりする問題が発生する。
上記課題を解決するため、本発明は、互いに接触する複数の回転体と、通電により発熱する抵抗発熱体と前記抵抗発熱体が設けられた基材とを有し、前記複数の回転体のうちの少なくとも1つを加熱する加熱源と、前記複数の回転体及び前記加熱源のうちの少なくとも1つの温度を検知する複数の温度センサと、を備える加熱装置であって、前記複数の温度センサのうちの1つは、前記回転体同士が接触するニップ部を通過する最大シートの通過幅領域の外側に配置される第1温度センサであり、前記複数の温度センサのうちの他の1つは、前記ニップ部を通過する最小シートの通過幅領域の外側、かつ、前記最大シートの通過幅領域の内側であって、前記最大シートの通過幅領域の幅方向中央を基準に前記第1温度センサ側とは反対側に配置される第2温度センサであることを特徴とする。
本発明によれば、少ない温度センサによって、シートの片寄り搬送と、シートが通過しない非通過領域における温度上昇の両方を検知でき、低コスト化又は小型化を図れる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。 本実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 本実施形態に係るヒータの平面図である。 前記ヒータの分解斜視図である。 前記ヒータにコネクタが接続された状態を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 本実施形態に係る制御装置のブロック図である。 本実施形態に係る片寄せ通紙の判定方法を説明するための図である。 本実施形態に係る片寄せ通紙の判定方法を説明するための図である。 本実施形態に係る制御方法を示すフローチャートである。 第1温度センサ及び第2温度センサの好ましい配置を示す図である。 抵抗発熱体が用紙幅方向に連続して配置されるヒータにおける発熱領域を示す図である。 複数の抵抗発熱体が用紙幅方向に渡って配列されているヒータにおける発熱領域を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 本発明の第3実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 本発明の第4実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 本発明の第5実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 本発明の第6実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 本発明の第7実施形態に係る定着装置の概略構成図である。 本発明を端部基準搬送方式の画像形成装置に適用した例を示す図である。 本発明を適用可能な他の定着装置の概略構成図である。 本発明を適用可能なさらに別の定着装置の概略構成図である。 片寄せ通紙を検知する従来の温度センサの配置を示す図である。
以下、添付の図面に基づき、本発明について説明する。なお、本発明を説明するための各図面において、同一の機能もしくは形状を有する部材及び構成部品などの構成要素については、判別が可能な限り同一符号を付す。このため、一度説明した構成要素については、その説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
図1に示す画像形成装置100は、画像形成部200と、転写部300と、定着部400と、記録媒体供給部500と、記録媒体排出部600と、を備えている。
画像形成部200には、4つのプロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkと、露光装置6と、が設けられている。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、画像形成装置本体に対して着脱可能な作像ユニットである。各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの異なる色のトナー(現像剤)を収容している以外、基本的に同じ構成である。具体的に、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkは、感光体2と、帯電部材3と、現像装置4と、クリーニング部材5と、を備えている。
感光体2は、表面に画像を担持する像担持体である。本実施形態においては、感光体2として、ドラム状の感光体(感光体ドラム)が用いられている。また、感光体2として、ベルト状の感光体(感光体ベルト)を用いることも可能である。帯電部材3は、感光体2の表面を帯電させる部材である。本実施形態においては、帯電部材として、感光体2の表面に接触するローラ状の帯電部材が用いられている。ただし、帯電部材は、接触式のものに限らず、コロナ帯電などの非接触式のものでもよい。現像装置4は、感光体2の表面に現像剤としてのトナーを供給して可視画像(トナー画像)を形成する装置である。クリーニング部材5は、感光体2の表面に残留するトナー及びその他の異物を除去する部材である。クリーニング部材5としては、感光体2の表面に接触するブレード状の部材又はローラ状の部材などが用いられる。
転写部300には、用紙などの記録媒体に画像を転写する転写装置8が設けられている。記録媒体は、普通紙、厚紙、薄紙、コート紙、ラベル紙、又は封筒などの紙製のシートのほか、OHPなどの樹脂製のシートであってもよい。転写装置8は、中間転写ベルト11と、4つの一次転写ローラ12と、二次転写ローラ13と、を有している。中間転写ベルト11は、複数のローラによって張架された無端状のベルト部材である。各一次転写ローラ12は、中間転写ベルト11を介して感光体2に接触している。これにより、中間転写ベルト11と各感光体2との間に、中間転写ベルト11と各感光体2とが接触する一次転写ニップが形成されている。一方、二次転写ローラ13は、中間転写ベルト11を介して中間転写ベルト11を張架する複数のローラの1つに接触している。これにより、中間転写ベルト11との間には、二次転写ニップが形成されている。
定着部400には、用紙に画像を定着させる定着装置9が設けられている。定着装置9の詳しい構成については後述する。
記録媒体供給部500には、記録媒体としての用紙Pを収容する給紙カセット14と、給紙カセット14から用紙Pを送り出す給紙ローラ15と、が設けられている。
記録媒体排出部600には、用紙を画像形成装置外に排出する一対の排紙ローラ17と、排紙ローラ17によって排出された用紙を載置する排紙トレイ18と、が設けられている。
次に、図1を参照しつつ本実施形態に係る画像形成装置100の印刷動作について説明する。
画像形成装置100において印刷動作が開始されると、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkの感光体2及び中間転写ベルト11が回転を開始する。また、給紙ローラ15が、回転を開始し、給紙カセット14から用紙Pを送り出す。送り出された用紙Pは、一対のタイミングローラ16に接触して一旦停止される。
各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkにおいては、まず、帯電部材3が、感光体2の表面を均一な高電位に帯電する。次いで、原稿読取装置によって読み取られた原稿の画像情報、あるいは端末からプリント指示されたプリント画像情報に基づいて、露光装置6が、各感光体2の表面(帯電面)に露光する。これにより、露光された部分の電位が低下して各感光体2の表面に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像に対して現像装置4がトナーを供給し、各感光体2上にトナー画像が形成される。各感光体2上に形成されたトナー画像は、各感光体2の回転に伴って一次転写ニップ(一次転写ローラ12の位置)に達すると、回転する中間転写ベルト11上に順次重なり合うように転写される。かくして、中間転写ベルト11上にフルカラーのトナー画像が形成される。なお、画像形成装置100は、各プロセスユニット1Y,1M,1C,1Bkのいずれか一つを使用して単色画像を形成したり、いずれか2つ又は3つのプロセスユニットを用いて2色又は3色の画像を形成したりすることもできる。また、感光体2から中間転写ベルト11へトナー画像が転写された後は、クリーニング部材5によって各感光体2上の残留トナーなどが除去され、各感光体2は次の静電潜像の形成に備える。
中間転写ベルト11上に転写されたトナー画像は、中間転写ベルト11の回転に伴って二次転写ニップ(二次転写ローラ13の位置)へ搬送され、タイミングローラ16によって搬送されてきた用紙P上に転写される。そして、用紙Pは定着装置9へ搬送され、定着装置9によってトナー画像が用紙Pに定着される。その後、用紙Pは排紙ローラ17によって排紙トレイ18へ排出され、一連の印刷動作が終了する。
続いて、本実施形態に係る定着装置9の構成について説明する。
図2に示すように、本実施形態に係る定着装置9は、定着ベルト20と、加圧ローラ21と、ヒータ22と、ヒータホルダ23と、ステー24と、温度センサ19と、を備えている。
定着ベルト20は、用紙Pの未定着トナー担持面側(画像形成面側)に配置され、未定着トナーを用紙Pに定着させる定着部材として機能する回転体(第1回転体)である。本実施形態に係る定着ベルト20は、その両端の内側に挿入される一対の回転支持部材によって、いわゆるフリーベルト方式で(少なくとも非回転時においては張力が付与されない状態で)支持される。定着ベルト20は、例えば、ポリイミドから成る基材を有する。基材の材料は、ポリイミドに限らず、PEEKなどの耐熱性樹脂、ニッケル、又はSUSなどの金属材料であってもよい。また、耐久性を高めると共に離型性を確保するため、基材の外周面に、PFA又はPTFEなどのフッ素樹脂から成る離型層が設けられてもよい。さらに、基材と離型層との間に、ゴムなどから成る弾性層が設けられてもよい。また、基材の内周面に、ポリイミド又はPTFEなどから成る摺動層が設けられてもよい。
加圧ローラ21は、定着ベルト20とは別の回転体(第2回転体)であって、定着ベルト20の外周面に対向するように配置された対向部材である。加圧ローラ21は、金属製の芯金と、芯金の外周面に設けられたシリコーンゴムなどから成る弾性層と、弾性層の外周面に設けられたフッ素樹脂などから成る離型層と、を有している。
定着ベルト20と加圧ローラ21は、バネなどの付勢部材によって互いに加圧(圧接)されている。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間にニップ部Nが形成されている。また、加圧ローラ21には、画像形成装置本体に設けられた駆動源から駆動力が伝達される。このため、加圧ローラ21が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nにおいて定着ベルト20に伝達され、定着ベルト20が従動回転する。そして、図2に示すように、未定着画像を担持する用紙Pが、回転する定着ベルト20と加圧ローラ21との間(ニップ部N)に進入すると、定着ベルト20と加圧ローラ21によって用紙Pが搬送されながら加熱及び加圧される。これにより、用紙P上の未定着画像が用紙Pに定着される。
ヒータ22は、定着ベルト20を加熱する加熱源である。本実施形態では、ヒータ22が、板状の基材50と、基材50上に設けられた第1絶縁層51と、第1絶縁層51上に設けられた導体層52と、導体層52を被覆する第2絶縁層53と、を有している。また、導体層52には、通電により発熱する抵抗発熱体60が含まれている。
本実施形態においては、ヒータ22による定着ベルト20の加熱効率を高めるため、ヒータ22が定着ベルト20の内周面に直接接触するように配置されている。また、ヒータ22は、定着ベルト20に対して非接触又は低摩擦シートなどを介して間接的に接触してもよい。また、定着ベルト20に対するヒータ22の接触箇所として、定着ベルト20の外周面を選択することも可能である。ただし、その場合、ヒータ22と定着ベルト20との接触によって定着ベルト20の外周面に傷が生じ、これに起因して定着品質が低下する虞がある。そのため、ヒータ22の接触箇所は、定着ベルト20の外周面よりも内周面であることが好ましい。
ヒータホルダ23は、定着ベルト20の内側に配置されて、ヒータ22を保持する加熱源保持部材である。ヒータホルダ23は、ヒータ22の熱によって高温になりやすいため、耐熱性の材料によって形成されることが好ましい。特に、ヒータホルダ23が、LCP又はPEEKなどの低熱伝導性の耐熱性樹脂によって形成される場合は、ヒータホルダ23の耐熱性を確保しつつ、ヒータ22からヒータホルダ23への伝熱が抑制されるので、定着ベルト20を効率良く加熱できる。
ステー24は、定着ベルト20の内側に配置されて、ヒータ22及びヒータホルダ23を支持する支持部材である。ステー24がヒータホルダ23のニップ部N側の面とは反対の面を支持することにより、加圧ローラ21の加圧力によるヒータホルダ23の撓みが抑制される。これにより、定着ベルト20と加圧ローラ21との間に均一な幅のニップ部Nが形成される。ステー24は、その剛性を確保するため、SUS又はSECCなどの鉄系金属材料によって形成されることが好ましい。
温度センサ19は、ヒータ22の温度を検知する温度検知部材である。本実施形態に係る定着装置9は、複数の温度センサ19を備えている。なお、図2においては、複数の温度センサ19のうちの1つの温度センサ19のみが示されている。温度センサ19としては、サーモパイル、サーモスタット、サーミスタ、又はNCセンサなどの公知の温度センサを適用可能である。また、温度センサ19は、ヒータ22に対して接触するように配置される接触型の温度センサでもよいし、ヒータ22に対して間隔をあけて対向するように配置される非接触型の温度センサでもよい。本実施形態においては、温度センサ19がヒータ22のニップN側とは反対側の面に接触するように配置されている。
図3は、本実施形態に係るヒータの平面図、図4は、当該ヒータの分解斜視図である。
図3及び図4に示すように、ヒータ22は、板状の基材50を有している。基材50の上には、第1絶縁層51と、導体層52と、第2絶縁層53と、が積層されている。基材50は、定着ベルト20の長手方向又は加圧ローラ21の回転軸方向である図3中の矢印Z方向へ長手状に伸びるように配置される。
基材50は、例えば、ステンレス(SUS)、鉄、又はアルミニウムなどの金属材料によって形成される。また、基材50の材料は、金属材料に限らず、セラミック、又はガラスなどであってもよい。基材50がセラミックなどの絶縁材料によって形成される場合は、基材50と導体層52との間の第1絶縁層51を省略できる。一方、金属材料は、急速加熱に対する耐久性に優れ、加工もしやすいため、ヒータの低コスト化を図るのに好適である。金属材料の中でも、特にアルミニウム又は銅は、熱伝導性が高く、温度ムラが発生しにくい点で好ましい。また、ステンレスは、アルミニウム又は銅と比べて基材50を安価に製造できる。
導体層52は、抵抗発熱体60のほか、電極部61と、給電線(導電部)62と、を有している。抵抗発熱体60は、基材50の長手方向(矢印Z方向)に伸び、長手方向と交差する方向に2つ並んで配置されている。また、各抵抗発熱体60は、基材50の長手方向の一端側(図3における左端側)に設けられた2つの電極部61に対し、複数の給電線62を介して接続されている。詳しくは、各抵抗発熱体60の一端(図3における左端)が、それぞれ給電線62を介して異なる電極部61に電気的に接続され、さらに、各抵抗発熱体60の他端(図3における右端)同士が、別の給電線62を介して互いに電気的に接続されている。
抵抗発熱体60は、例えば、銀パラジウム(AgPd)及びガラス粉末などを調合したペーストを基材50上にスクリーン印刷し、その後、当該基材50を焼成することによって形成される。抵抗発熱体60の材料としては、前述の材料以外に、銀合金(AgPt)又は酸化ルテニウム(RuO)などの抵抗材料が用いることができる。
電極部61及び給電線62は、抵抗発熱体60よりも小さい抵抗値の導体によって形成される。具体的に、電極部61及給電線62は、銀(Ag)又は銀パラジウム(AgPd)などの材料を基材50上にスクリーン印刷することによって形成される。
また、図3に示すように、各抵抗発熱体60の全体及び各給電線62の少なくとも一部は、第2絶縁層53によって覆われ、絶縁性が確保されている。一方、各電極部61は、給電部材としての後述のコネクタが接続される部分であるため、第2絶縁層53によって覆われておらず露出している。
第1絶縁層51及び第2絶縁層53は、例えば、耐熱性ガラスなどの絶縁性を有する材料によって形成される。具体的に、各絶縁層51,53の材料としては、セラミック又はポリイミドなどが用いられる。また、第1絶縁層51及び第2絶縁層53が設けられる基材50の面とは反対側の面に、第3絶縁層が設けられていてもよい。
本実施形態においては、抵抗発熱体60が、基材50のニップ部N側に配置されているため、抵抗発熱体60の熱が基材50を介さずに定着ベルト20に伝わり、定着ベルト20を効率良く加熱できる。また、抵抗発熱体60が、基材50のニップ部N側とは反対側に配置されてもよい。ただし、その場合は、抵抗発熱体60の熱が基材50を介して定着ベルト20に伝わるため、基材50は窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高い材料により形成されることが好ましい。
図5は、ヒータにコネクタが接続された状態を示す斜視図である。
図5に示すように、コネクタ70は、樹脂製のハウジング71と、複数のコンタクト端子72と、を有している。各コンタクト端子72は、板バネなどの導電性を有する弾性部材である。各コンタクト端子72は、ハウジング71に設けられている。また、各コンタクト端子72には、それぞれ給電用のハーネス73が接続されている。
図5に示すように、コネクタ70は、ヒータ22及びヒータホルダ23を一緒に挟むようにして取り付けられる。これにより、ヒータ22及びヒータホルダ23は、コネクタ70によって保持される。また、各コンタクト端子72の先端(接触部72a)が、対応する電極部61に弾性的に接触(圧接)することにより、各コンタクト端子72と各電極部61とが電気的に接続される。この状態で、画像形成装置本体に設けられた電源から各抵抗発熱体60へ給電可能な状態となる。従って、コネクタ70を介して各抵抗発熱体60へ電力が供給されると、各抵抗発熱体60が発熱する。
ところで、定着装置においては、上述のように、非通紙領域(シートが通過しない非通過領域)における温度上昇の問題のほか、片寄せ通紙(シートの片寄り搬送)があった場合のベルトの塑性変形の問題がある。従来、これらの問題に対して個別に対応する構成が提案されているが、両方の問題を改善する構成については提案されていない。仮に、従来提案されている構成を用いて両方の問題を改善しようとすると、設置すべき温度センサの数が増え、高コスト化したり、装置が大型化したりする問題が発生する。そこで、本実施形態に係る定着装置においては、少ない温度センサを用いて両方の問題を改善できるように下記のような構成を採用している。以下、本実施形態の特徴部分に係る構成について説明する。
図6は、本発明の第1実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
図6に示すように、本実施形態に係る定着装置においては、ヒータ22の温度を検知する3つの温度センサ19A,19B,19Cが設けられている。ここで、図6において、左側の温度センサ19A、右側の温度センサ19B、中央の温度センサ19Cの順に、これらを便宜的に、第1温度センサ19A、第2温度センサ19B、第3温度センサ19Cと称することにする。図の中央に配置される第3温度センサ19Cは、主に定着ベルト20の温度を管理するために用いられる。すなわち、第3温度センサ19Cによって検知されるヒータ22の温度に基づいて、ヒータ22の発熱量が制御されることにより、定着ベルト20の温度が所定の目標温度に維持される。また、第3温度センサ19Cは、各種用紙サイズの通紙領域における温度を検知できるように、最小通紙幅領域(最小シートの通過幅領域)W1の内側に配置されている。なお、ここでいう「最小通紙幅領域」とは、画像形成装置において通紙可能な最小幅サイズの用紙P1が通過する幅領域のことであり、「幅領域」とは、用紙面(シート面)と平行で通紙方向(シート通過方向)とは交差又は直交する方向の領域を意味する。
一方、図の左側に配置される第1温度センサ19Aと、図の右側に配置される第2温度センサ19Bは、非通紙領域における温度上昇の検知、及び片寄せ通紙の有無の検知のために用いられる。具体的に、第1温度センサ19A及び第2温度センサ19Bは、いずれも最小通紙幅領域W1の外側に配置されている。さらに、第1温度センサ19Aは、画像形成装置において通紙可能な最大幅サイズの用紙P2が通過する最大通紙幅領域(最大シートの通過幅領域)W2の外側に配置されている。一方、第2温度センサ19Bは、最小通紙幅領域W1の外側であって、最大通紙幅領域W2の内側に配置されている。
本実施形態においては、各種幅サイズの用紙がそれぞれの幅方向中央を基準に合わせて搬送される、いわゆる中央基準搬送方式が採用されている。このため、最小通紙幅領域W1及び最大通紙幅領域W2のそれぞれの幅方向中央(通紙中心線)は、同じ位置Qに設定されている。そして、第2温度センサ19Bは、各通紙幅領域W1,W2の幅方向中央Qを基準に第1温度センサ19Aとは反対側に配置されている。すなわち、第1温度センサ19Aと第2温度センサ19Bは、各通紙幅領域W1,W2の幅方向中央Qを挟んで互いに反対側に、かつ、非対称に配置されている。
図7は、本実施形態に係る制御装置のブロック図である。
図7に示すように、制御装置30は、片寄せ通紙判定部31と、非通紙領域温度判定部32と、を有している。制御装置30は、例えば、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などを有するマイクロコンピュータである。制御装置30は、定着装置に設けられていてもよいし、画像形成装置本体に設けられていてもよい。
片寄せ通紙判定部31は、第1温度センサ19A及び第2温度センサ19Bの少なくとも一方の検知温度に基づいて、片寄せ通紙の有無を判定する部分である。一方、非通紙領域温度判定部32は、第1温度センサ19A及び第2温度センサ19Bの少なくとも一方の検知温度に基づいて、非通紙領域における過剰な温度上昇の有無を判定する部分である。
まず、本実施形態に係る片寄せ通紙の有無の判定方法について説明する。片寄せ通紙の有無の判定は、次のようにして行う。
例えば、図8に示すように、用紙Pが正しい位置(図の二点鎖線で示す位置)から右側に片寄った状態で搬送されると、図の左側において非通紙領域の幅が大きくなる。この場合、第1温度センサ19Aが配置されている箇所におけるヒータ22の温度が通常よりも高くなる傾向にある。従って、このときの温度上昇を第1温度センサ19Aが検知することによって、その検知温度に基づいて片寄せ通紙判定部31が片寄せ通紙の有無を判定することができる。例えば、第1温度センサ19Aによって検知された温度があらかじめ設定された温度よりも高くなった場合は、片寄せ通紙判定部31が片寄せ通紙有りと判定する。
また、図9に示すように、用紙Pが正しい位置(図の二点鎖線で示す位置)から左側に片寄った状態で搬送された場合は、図の右側において非通紙領域の幅が大きくなる。特に、この場合は、第2温度センサ19Bが配置されている箇所が通紙領域から非通紙領域に変化するため、第2温度センサ19Bが配置されている箇所におけるヒータ22の温度上昇がより顕著となる。従って、この場合は、第2温度センサ19Bが通常よりも高い温度上昇を検知するため、その検知温度に基づいて片寄せ通紙判定部31が片寄せ通紙の有無を判定することができる。例えば、第2温度センサ19Bによって検知された温度があらかじめ設定された温度よりも高くなった場合は、片寄せ通紙判定部31が片寄せ通紙有りと判定する。
また、図9に示すような片寄せ通紙が発生した場合、用紙Pが左側に片寄るため、第1温度センサ19Aが配置されている箇所が非通紙領域から通紙領域に変化する。従って、この場合は、第1温度センサ19Aが配置されている箇所におけるヒータ22の温度上昇が通常よりも緩和される。このため、第1温度センサ19Aによって検知される温度があらかじめ設定された温度よりも低い場合、片寄せ通紙判定部31が片寄せ通紙有りと判定するようにしてもよい。
図8及び図9に示す例おいては、最大幅サイズの用紙を例に片寄せ通紙の判定について説明したが、他のサイズの用紙が通紙された場合も片寄せ通紙の有無を判定することが可能である。すなわち、いずれのサイズの用紙が通紙された場合も、片寄せ通紙が発生すると、左右の非通紙領域の幅が変化するので、第1温度センサ19A及び第2温度センサ19Bの少なくとも一方が通常とは異なる温度を検知した場合に、片寄せ通紙有りと判定できる。
次に、非通紙領域における過剰な温度上昇の有無の判定方法について説明する。
例えば、片寄せ通紙無しの状態で最大幅サイズの用紙が搬送された場合、最大通紙幅領域W2の外側に配置されている第1温度センサ19Aによって(図6参照)、非通紙領域における温度が検知される。そして、第1温度センサ19Aの検知温度があらかじめ設定された温度(上限値)を超える場合は、上記非通紙領域温度判定部32が非通紙領域における過剰な温度上昇が発生していると判定する。同様に、最大幅サイズよりも小さい幅サイズの用紙が搬送される場合も、第1温度センサ19Aによって非通紙領域における温度上昇を検知し、非通紙領域温度判定部32によって非通紙領域における温度上昇の有無を判定できる。なお、第2温度センサ19Bが配置される領域が非通紙領域となる場合は、第2温度センサ19Bによって非通紙領域における温度上昇を検知してもよい。
図10は、本実施形態に係る制御方法を示すフローチャートである。
図10に示すように、作像動作の指示があり、通紙が開始されると、まず、第1温度センサ19及び第2温度センサ19Bが温度を検知する(図10のSTEP1)。そして、第1温度センサ19及び第2温度センサ19Bの少なくとも一方の検知温度に基づいて、上記片寄せ通紙判定部31が片寄せ通紙の有無を判定すると共に、上記非通紙領域温度判定部32が非通紙領域における過剰な温度上昇の有無を判定する(図10のSTEP2、STEP3)。ここで、図10においては、一例として、片寄せ通紙有無の判定の後に、非通紙領域における過剰な温度上昇有無の判定を行う例が示されているが、これらの判定が行われる順番は問わない。片寄せ通紙有無の判定と、非通紙領域における過剰な温度上昇有無の判定とを、同時に行ってもよい。
その結果、片寄せ通紙判定部31によって片寄せ通紙有りと判定された場合、あるいは、非通紙領域温度判定部32によって非通紙領域における過剰な温度上昇有りと判定された場合は、制御装置30が1分間当たりの印刷枚数を示すCPM(Copies Per Minute)を下げる制御を行う(図10のSTEP4)。具体的には、片寄せ通紙判定部31又は非通紙領域温度判定部32の判定結果に基づいて、図7に示す制御装置30が画像形成部200及び搬送機構700を制御し、紙間を広げる、あるいは、用紙搬送速度を遅くして、一分間当たりの印刷枚数を減らす。これにより、ヒータの発熱量が低下するため、片寄せ通紙に起因する温度上昇又は非通紙領域における温度上昇があった場合でも、その温度上昇を緩和することができる。
また、片寄せ通紙有りの判定がなされた場合、CPMを下げる制御に代えて、画像形成装動作を停止する制御を行ってもよい。また、その際、片寄せ通紙があったことを、ユーザに通知するようにしてもよい。
その後、上述の第1温度センサ19及び第2温度センサ19Bによる温度検知工程(図10のSTEP1)、片寄せ通紙判定部31及び非通紙領域温度判定部32による判定工程(図10のSTEP2及びSTEP3)、CPMの制御工程(図10のSTEP4)の各工程は、印刷ジョブが終了するまで繰り返し行われる(図10のStep5)。そして、印刷ジョブが終了すると、上述の制御も終了する。
以上のように、本実施形態に係る定着装置においては、第1温度センサ19Aと第2温度センサ19Bとを用いて、非通紙領域における温度上昇と片寄せ通紙の両方を検知可能である。このように、本実施形態に係る定着装置によれば、少ない温度センサ(2つの温度センサ)によって非通紙領域における温度上昇と片寄せ通紙の両方を検知できるので、低コスト化あるいは装置の小型化を実現できる。
また、本実施形態においては、第1温度センサ19Aが加熱源であるヒータ22に接触するように配置されているため(図2参照)、第1温度センサ19Aは、非通紙領域において最も高温になる箇所(ヒータ22)の温度を検知できる。従って、ヒータ22、及びヒータ22の周囲に配置される各部材(ヒータホルダ23、定着ベルト20など)が受ける熱の影響を正確に検知でき、熱によるこれら部材の損傷を防止できる。例えば、ヒータホルダ23が樹脂製であって、非通紙領域における温度上昇によってヒータホルダ23の温度が耐熱温度を超える虞がある場合は、本実施形態のような構成が好適である。また、この場合、第1温度センサ19Aが、ヒータ22の過剰な温度上昇を検知してヒータ22への通電を停止する安全装置として機能できれば、安全装置を別途設ける必要がなくなり、低コスト化が可能である。
また、図11に示すように、第1温度センサ19A及び第2温度センサ19Bは、図の矢印Z方向で示す用紙幅方向(ヒータ22の長手方向)において、ヒータ22の発熱領域Hに対応する位置に配置されることが好ましい。例えば、ヒータ22の「発熱領域」は、図12に示す例のように、抵抗発熱体60が用紙幅方向(矢印Z方向)に連続して配置される場合、用紙幅方向における抵抗発熱体60の一端E1から他端E2までの領域Hを意味する。また、図13に示す例のように、複数の抵抗発熱体60が用紙幅方向(矢印Z方向)に渡って配列されている場合は、両端の抵抗発熱体60における互いに最も離れた一端E1から他端E2まで領域Hが、「発熱領域」となる。このような発熱領域Hにおいては特に高温になりやすいので、第1温度センサ19A及び第2温度センサ19Bが発熱領域Hに配置されていることにより、非通紙領域における温度上昇の検知精度と片寄せ通紙の検知精度が向上する。
なお、第1温度センサ19A及び第2温度センサ19Bが温度を検知する温度検知対象部材は、ヒータ22である場合に限らない。第1温度センサ19A及び第2温度センサ19Bは、ヒータ22以外に、定着ベルト20又は加圧ローラ21の温度を検知してもよい。すなわち、最小通紙幅領域W1及び最大通紙幅領域W2に対する第1温度センサ19及び第2温度センサ19Bの各配置が上述の配置であれば、温度検知対象部材が定着ベルト20又は加圧ローラ21であっても、上述の方法と同様の方法によって、非通紙領域における温度上昇と片寄せ通紙の両方の検知が可能である。また、第1温度センサ19Aにおいて、その全体が最大通紙幅領域W2の外側に配置されていなくてもよい。すなわち、第1温度センサ19Aにおける温度検知部の少なくとも一部が、最大通紙幅領域W2の外側に配置されていればよい。
続いて、上述の第1実施形態とは異なる本発明の実施形態について説明する。なお、以下の説明においては、主に第1実施形態とは異なる部分について説明し、それ以外の部分については基本的に同様の構成であるので適宜説明を省略する。
図14は、本発明の第2実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
図14に示す第2実施形態においては、第1温度センサ19Aが、ヒータ22ではなく定着ベルト20の温度を検知する位置に配置されている。具体的には、第1温度センサ19Aが、定着ベルト20の内周面に(非接触で)対向するように、又は定着ベルト20の内周面に接触するように配置されている。
本実施形態に係る定着ベルト20は、ヒータ22によって直接加熱されるため、定着装置が備える構成部品の中で、ヒータ22の熱の影響を受けやすい部品である。そのため、本実施形態のように、第1温度センサ19Aがヒータ22によって直接加熱される定着ベルト20の温度を検知する位置に配置されていることにより、定着ベルト20の温度を的確に把握でき、熱による定着ベルト20の損傷をより確実に防止できる。また、本実施形態においては、第1温度センサ19Aが定着ベルト20の内側に配置されているため、反対に第1温度センサ19Aが定着ベルト20の外側に配置されている場合に比べて、装置の小型化も図れる。
図15は、本発明の第3実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
図15に示すように、本実施形態においては、第1温度センサ19Aが、定着ベルト20の外周面に接触するように配置されている。この場合も、上述の第2実施形態と同様に、第1温度センサ19Aが定着ベルト20の温度を検知するため、定着ベルト20の温度を的確に把握でき、熱による定着ベルト20の損傷をより確実に防止できる。
また、本実施形態のように、第1温度センサ19Aが定着ベルト20の外側に配置される場合は、第1温度センサ19Aとして耐熱性の低い温度センサを使用できる。すなわち、定着ベルト20の内側はヒータ22の熱の影響を受けやすく、特に非通紙領域においては高温になる傾向にあるが、定着ベルト20の外側は、内側に比べて熱の影響を受けにくいため温度上昇が緩和される。従って、第1温度センサ19Aの配置を定着ベルト20の外側とすることにより、温度センサが温度上昇しにくくなるため、耐熱性の低い温度センサを使用でき、低コスト化を図れる。なお、第1温度センサ19Aは、定着ベルト20の外周面に接触する場合に限らず、定着ベルト20の外周面に(非接触で)対向するように配置されていてもよい。
図16は、本発明の第4実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
図16に示す実施形態においては、第1温度センサ19Aが、加圧ローラ21の外側に配置されている。この場合、第1温度センサ19Aは、加圧ローラ21の温度を検知する。また、加圧ローラ21は、ヒータ22によって直接加熱されない部材であるため、加圧ローラ21の外側においてはヒータ22の熱の影響が低減される。従って、本実施形態のように、第1温度センサ19Aの配置を加圧ローラ21の外側とすることにより、第1温度センサ19Aとして耐熱性の低い温度センサを使用でき、低コスト化を図れる。第1温度センサ19Aは、加圧ローラ21の外周面に対して接触するように配置されてもよいし、(非接触で)対向するように配置されてもよい。
図17は、本発明の第5実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
図17に示す実施形態においては、第2温度センサ19Bが、加圧ローラ21の外側に配置されているので、第2温度センサ19Bによって加圧ローラ21の温度を検知することが可能である。このため、通紙幅サイズが、第2温度センサ19Bを通紙幅領域内に含むサイズである場合は、第2温度センサ19Bによって検知される加圧ローラ21の温度に基づいてヒータ22の温度制御ができる。また、第2温度センサ19Bは、加圧ローラ21の外周面に対して接触するように配置されてもよいし、(非接触で)対向するように配置されてもよい。
図18は、本発明の第6実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
図18に示す実施形態においては、ヒータ22がその長手方向中央(矢印Z方向における中央)Mよりも一端側に位置決め部26を有している。位置決め部26は、ヒータホルダ23(図2参照)などの部材に対して係合し、ヒータ22がその長手方向にずれないように保持しておくための凸状又は凹状の係合部である。
ヒータ22がこのような位置決め部26を有していることにより、位置決め部26が設けられた一端側では、ヒータ22の長手方向の位置決めが確実に行われる。しかしながら、位置決め部26が設けられていない反対側においては、温度上昇に伴ってヒータ22が熱膨張することにより、ヒータ22の長手方向の位置が変化する。従って、仮に、温度センサがヒータ22の位置ずれが生じやすい端側に配置されていると、ヒータ22が熱膨張した際に、ヒータ22と温度センサとの相対的な位置ずれが生じ、温度センサの検知温度にばらつきが発生する。また、ヒータ22の発熱量は、特にヒータ22の長手方向端側で急激に低下しやすい傾向にあるため、ヒータ22と温度センサとの相対的な位置ずれが生じると、特にヒータ22の長手方向端側に配置される温度センサによる検知温度のばらつきは大きくなる。従って、温度センサは、ヒータ22の位置決め部26側に配置されていることが好ましい。
斯かる観点から、本実施形態においては、第1温度センサ19Aが、ヒータ22の長手方向中央Mよりも位置決め部26側である一端側に配置されている。この場合、ヒータ22が熱膨張しても、第1温度センサ19Aは熱膨張による相対的位置ずれの影響を受けにくいので、第1温度センサ19の温度検知精度が向上する。
図19は、本発明の第7実施形態に係る定着装置の概略構成図である。
図19に示す実施形態においては、図18に示す実施形態と同様に、ヒータ22がその長手方向の位置ずれを防止する位置決め部26を有している。ただし、図19に示す実施形態においては、図18に示す実施形態とは異なり、第1温度センサ19Aではなく、第2温度センサ19Bが、ヒータ22の長手方向中央Mよりも位置決め部26側に配置されている。従って、この場合は、第2温度センサ19Bが、ヒータ22の熱膨張による相対的位置ずれの影響を受けにくくなるので、第2温度センサ19Bの検知精度が向上する。
以上の各実施形態においては、画像形成装置が中央基準搬送方式である場合を例に説明した。ただし、本発明は、中央基準搬送方式の画像形成装置に限らず、図20に示すような、異なる幅の各用紙がそれぞれの幅方向一端を基準に合わせて搬送される、いわゆる端部基準搬送方式の画像形成装置にも適用可能である。
すなわち、図20に示すように、端部基準搬送方式においても、上述の各実施形態と同様に、第1温度センサ19Aが、最大通紙幅領域W2の外側に配置され、第2温度センサ19Bが、最小通紙幅領域W1の外側、かつ、最大通紙幅領域W2の内側であって、第1温度センサ19A側とは反対側に配置されていればよい。この場合も、上述の方法と同様の方法によって、温度センサを多く設けなくても、非通紙領域における温度上昇と片寄せ通紙の両方の検知が可能である。
また、本発明に係る定着装置は、上述の各実施形態のものに限らない。例えば、本発明は、図21に示すような定着装置9、又は図22に示すような定着装置9にも適用可能である。
図21に示す定着装置9は、図2に示す定着装置とは異なり、用紙Pを通過させる定着用のニップ部N1と、ヒータ22によって定着ベルト20を加熱する加熱用のニップ部N2が、それぞれ別の位置に設定されている。具体的には、定着ベルト20の回転方向における互いに180°反対側に、ヒータ22とニップ形成部材90が配置されている。そして、ヒータ22及びニップ形成部材90に対して、回転体としての異なる加圧ローラ91,92が定着ベルト20を介して押し当てられ、定着用のニップ部N1と加熱用のニップ部N2とが形成されている。
図22に示す定着装置9は、ローラ93の両側にそれぞれベルト94,95が配置された例である。この場合も、図21に示す例と同様、定着用のニップ部N1と、加熱用のニップ部N2が、それぞれ別の位置に設定されている。すなわち、図の右側における一方のベルト94がニップ形成部材90によって中央のローラ93に押し当てられ、図の左側における他方のベルト95がヒータ22によって中央のローラ93に押し当てれれることにより、各ニップ部N1,N2が形成されている。
図21又は図22に示すような定着装置9においても、第1温度センサ19A及び第2温度センサ19Bが上述の位置に配置されることにより、温度センサを多く設けなくても、非通紙領域における温度上昇と片寄せ通紙の両方の検知が可能である。また、第1温度センサ19A及び第2温度センサ19Bによって温度が検知される温度検知対象部材は、ヒータ22以外に、互いに接触してニップ部を形成する3つの回転体のうちのいずれかであってもよい。
また、本発明は、画像形成装置が備える加熱装置の一例である定着装置に適用される場合に限らない。本発明は、例えば、インクジェット式の画像形成装置に搭載され、用紙を加熱して用紙上のインク(液体)を乾燥させる乾燥装置(加熱装置)にも適用可能である。
9 定着装置(加熱装置)
19A 第1温度センサ
19B 第2温度センサ
19C 第3温度センサ
20 定着ベルト(第1回転体)
21 加圧ローラ(第2回転体)
22 ヒータ(加熱源)
26 位置決め部
50 基材
60 抵抗発熱体
100 画像形成装置
H 発熱領域
M ヒータの長手方向中央
N、N1、N2 ニップ部
P 用紙(シート)
Q 最大通紙幅領域の幅方向中央
W1 最小通紙幅領域(最小シートの通過幅領域)
W2 最大通紙幅領域(最大シートの通過幅領域)
特開平6-250565号公報 特許第5924867号公報

Claims (11)

  1. 互いに接触する複数の回転体と、
    通電により発熱する抵抗発熱体と前記抵抗発熱体が設けられた基材とを有し、前記複数の回転体のうちの少なくとも1つを加熱する加熱源と、
    前記複数の回転体及び前記加熱源のうちの少なくとも1つの温度を検知する複数の温度センサと、
    を備える加熱装置であって、
    前記複数の温度センサのうちの1つは、前記回転体同士が接触するニップ部を通過する最大シートの通過幅領域の外側に配置される第1温度センサであり、
    前記複数の温度センサのうちの他の1つは、前記ニップ部を通過する最小シートの通過幅領域の外側、かつ、前記最大シートの通過幅領域の内側であって、前記最大シートの通過幅領域の幅方向中央を基準に前記第1温度センサ側とは反対側に配置される第2温度センサであることを特徴とする加熱装置。
  2. 前記第1温度センサは、前記加熱源の温度を検知する位置に配置される請求項1に記載の加熱装置。
  3. 前記第1温度センサは、前記複数の回転体のうち、前記加熱源によって直接加熱される回転体の温度を検知する位置に配置される請求項1に記載の加熱装置。
  4. 前記第1温度センサは、前記回転体の内周面に対向又は接触するように配置される請求項3に記載の加熱装置。
  5. 前記第1温度センサは、前記回転体の外周面に対向又は接触するように配置される請求項3に記載の加熱装置。
  6. 前記第1温度センサは、前記複数の回転体のうち前記加熱源によって直接加熱されない回転体の温度を検知する位置に配置される請求項1に記載の加熱装置。
  7. 前記第2温度センサは、前記複数の回転体のうち前記加熱源によって直接加熱されない回転体の温度を検知する位置に配置される請求項1に記載の加熱装置。
  8. 前記加熱源は、その長手方向の中央よりも一端側に位置決め部を有し、
    前記第1温度センサは、前記加熱源の長手方向中央よりも一端側に配置される請求項1に記載の加熱装置。
  9. 前記加熱源は、その長手方向の中央よりも一端側に位置決め部を有し、
    前記第2温度センサは、前記加熱源の長手方向中央よりも一端側に配置される請求項1に記載の加熱装置。
  10. 前記第1温度センサ及び前記第2温度センサは、前記シートの幅方向における前記加熱源の発熱領域に対応する位置に配置される請求項1から9のいずれか1項に記載の加熱装置。
  11. 請求項1から10のいずれか1項に記載の加熱装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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