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JP2022088151A - 遊星減速機 - Google Patents

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JP2022088151A
JP2022088151A JP2020200439A JP2020200439A JP2022088151A JP 2022088151 A JP2022088151 A JP 2022088151A JP 2020200439 A JP2020200439 A JP 2020200439A JP 2020200439 A JP2020200439 A JP 2020200439A JP 2022088151 A JP2022088151 A JP 2022088151A
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planetary gear
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JP2020200439A
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English (en)
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明男 吉元
Akio Yoshimoto
学 宮山
Manabu Miyayama
一男 石塚
Kazuo Ishizuka
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Riken Corp
Original Assignee
Riken Corp
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H1/00Toothed gearings for conveying rotary motion
    • F16H1/28Toothed gearings for conveying rotary motion with gears having orbital motion
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16HGEARING
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Abstract

【課題】本発明は、キャリアプレート内で回転する遊星歯車の側面のスラスト接触面での摩擦力を低減することにより効率を高めることのできる、遊星減速機を提供することを目的とする。【解決手段】太陽歯車と、内歯歯車と、前記太陽歯車及び前記内歯歯車に噛合する、遊星歯車と、前記遊星歯車を保持するキャリアプレートと、を備えた、遊星減速機であって、当接面の内周側に、環状の突起部が設けられている。【選択図】図2

Description

本発明は、遊星減速機に関する。
遊星減速機は、入力軸の回転を、遊星歯車減速機構を介して出力軸へ減速して伝達するものである。具体的には、遊星減速機は、駆動源から回転伝達される入力軸と、出力軸との間に、内歯歯車内で公転運動する遊星歯車を設けて遊星歯車を保持するキャリアプレートを出力側に、遊星歯車の中心に位置する太陽歯車を入力側に設けてなる遊星歯車減速機構を有する(例えば、特許文献1~3)。
特開2008-261398号公報 特開2017-201194号公報 特開2019-065899号公報
近年、遊星減速機においては軽量化、コンパクト化が求められ、それらを追求するあまり、遊星減速機全体の剛性が低下し、遊星歯車の支軸や歯面の歪み等により遊星歯車にスラスト力が発生して軸線方向の片側へと押し付けられる現象が発生する場合があった。スラスト当接面ではスラスト力は比較的小さいものの潤滑不足による摩擦力の増大が生じ、また、遊星歯車側面のほぼ全体で当接することから潤滑剤の剪断抵抗が増大し、遊星減速機の効率が低下する原因となっていた。
そこで、本発明は、キャリアプレート内で回転する遊星歯車の側面のスラスト接触面での摩擦力を低減することにより、遊星減速機の効率を高めることのできる、遊星減速機を提供することを目的とする。
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)太陽歯車と、内歯歯車と、前記太陽歯車及び前記内歯歯車に噛合する、遊星歯車と、前記遊星歯車を保持するキャリアプレートと、を備えた遊星減速機であって、
前記遊星歯車の少なくとも一方の側面の、前記キャリアプレートとの当接面の内周側に、環状の突起部を設けたことを特徴とする、遊星減速機。
(2)前記突起部の前記キャリアプレートとの当接面に、前記突起部の前記当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通する1つ以上の溝が形成されている、上記(1)に記載の遊星減速機。
(3)太陽歯車と、内歯歯車と、前記太陽歯車及び前記内歯歯車に噛合する、遊星歯車と、前記遊星歯車を保持するキャリアプレートと、を備えた遊星減速機であって、
前記遊星歯車の両側に位置する前記キャリアプレートのうち少なくとも一方の前記キャリアプレートの側面の、前記遊星歯車との当接面の内周側に、環状の突起部を設けたことを特徴とする、遊星減速機。
(4)前記突起部の前記遊星歯車との当接面に、前記突起部の前記当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通する1つ以上の溝が形成されている、上記(3)に記載の遊星減速機。
(5)前記環状の突起部は、
前記側面の前記内周側に1つのみ設けられ、又は、
前記側面の前記内周側に、複数の前記遊星歯車に対応する複数の前記環状の突起部が前記環状の突起部と同じ高さを有する円環部により連結されることによって一体に設けられている、上記(3)又は(4)に記載の遊星減速機。
(6)太陽歯車と、内歯歯車と、前記太陽歯車及び前記内歯歯車に噛合する、遊星歯車と、前記遊星歯車を保持するキャリアプレートと、を備えた遊星減速機であって、
前記遊星歯車と、前記遊星歯車の両側に位置する前記キャリアプレートのうち少なくとも一方の前記キャリアプレートとの間に板状部材が配置され、
前記板状部材は、前記遊星歯車との当接面の内周側に、環状の突起部が設けられていることを特徴とする、遊星減速機。
(7)前記突起部の前記遊星歯車との当接面に、前記突起部の前記当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通する1つ以上の溝が形成されている、上記(6)に記載の遊星減速機。
(8)前記板状部材は、
前記側面の前記内周側に1つのみ設けられ、又は、
前記側面の前記内周側に、複数の前記遊星歯車に対応する複数の前記環状の突起部が前記環状の突起部と同じ高さを有する円環部により連結されることによって一体に設けられている、上記(6)又は(7)に記載の遊星減速機。
(9)前記遊星減速機は、保持器を有する針状コロ軸受けを有し、
前記遊星歯車の支軸内で、且つ、前記保持器の側面に、前記環状の突起部を配置した、上記(1)に記載の遊星減速機。
(10)前記環状の突起部の、前記キャリアプレートとの当接面及び前記保持器の側面との当接面に、前記突起部の前記当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通する1つ以上の溝が形成されている、上記(9)に記載の遊星減速機。
本発明によれば、キャリアプレート内で回転する遊星歯車の側面のスラスト接触面での摩擦力を低減することにより、遊星減速機の効率を高めることのできる、遊星減速機を提供することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる遊星減速機の断面図である。 図1のC部の拡大図である。 突起部の当接面に溝を配置した一例を示す平面図及びA-A断面図である。 突起部の当接面の溝を配置した他の例を示す平面図及びB-B断面図である。 溝の形状及び配置の一例を示す平面図である。 溝の形状及び配置の他の例を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態にかかる遊星減速機の要部を示す断面図である。 図5のC-C断面図である 本発明の第3の実施形態にかかる遊星減速機の要部を示す斜視図である。 本発明の第4の実施形態にかかる遊星減速機の要部を示す斜視図である。 図8の環状突起部材のみを示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる遊星減速機の断面図である。図1に示すように、この遊星減速機1は、この例で二段の減速機ユニットで構成されている。入力軸6側の前段の減速機ユニットは、太陽歯車2と、内歯歯車3と、太陽歯車2及び内歯歯車3に噛合する、遊星歯車4と、遊星歯車4を保持するキャリアプレート5と、を備えている。また、出力軸7側の後段の減速機ユニットは、内歯歯車3と、内歯歯車3に噛合する遊星歯車4と、遊星歯車4を保持するキャリアプレート5と、を備えている。なお、本発明の遊星減速機は、二段の構成に限定されるものではなく、一段又は三段以上であっても良い。
前段の減速機ユニットでは、例えばモータにより入力軸6が回転して太陽歯車2に回転が入力されると、太陽歯車2の回転は、太陽歯車2と噛合している遊星歯車4に伝達される。遊星歯車4は、遊星支持軸8と一体のキャリアプレート5によって保持されているため、減速機保持ケース24に固定される内歯歯車3の歯面に沿って自転運動しながら公転運動を行い、この公転運動がキャリアプレート5の遊星支持軸8(図2参照)から減速して後段の太陽歯車2へ出力される。
後段の減速機ユニットでは、前段で減速された太陽歯車2からの入力により遊星歯車4に伝達される。遊星歯車4は、遊星支持軸8と一体のキャリアプレート5によって保持されているため、減速機保持ケース24に固定される内歯歯車3の歯面に沿って自転運動しながら公転運動を行い、この公転運動が出力軸7から、さらに減速して出力される。
前段及び後段の減速機ユニットにおいて、減速比は、太陽歯車2と、内歯歯車3、ならびに遊星歯車4の歯数を選定することにより適宜調整することができる。
ここで、上記のような構成の遊星減速機では、遊星減速機の遊星歯車4が動力伝達時にキャリア軸8や各歯面の変形等で姿勢が保てず、軸線方向のスラスト力が発生し軸線方向(図1における図示の左右)のいずれかに移動する可能性がある。この移動により、遊星歯車4の側面は、この移動を規制するキャリアプレート5に当接して摺動することとなる。なお、一般的に遊星歯車が平歯車の場合、スラスト力は小さいものとされているが、実際には、動力伝達時に姿勢が保てないことで歯車が傾き、片当たりし易い。また、スラスト軸受け構造の場合、遊星歯車4の外周側から摺動している当接面及び遊星支持軸8側へ潤滑剤(例えばグリス)を供給することは、キャリアプレート5の側面での遠心力を活用するだけでは難しく、スラスト力が小さいにも関わらず潤滑不足となる場合があり、遊星歯車4の側面での摩擦抵抗が大きいことが問題となる。また、この側面の摩擦力に関しては、遊星歯車4の側面のほぼ全面で摺動する場合には、潤滑剤の流体摩擦抵抗(例えばグリスの剪断抵抗)も大きくなるという問題もあり、これらのことが遊星減速機の効率を低下させる原因となっていたことが判明した。
図2は、図1のC部の拡大図である。上記のような問題に対し、図2に示すように、第1の実施形態の遊星減速機1では、スラスト当接面9、10に関する遊星歯車4の形状に関し、遊星歯車4(図示例では、前段及び後段の両方の減速機ユニットの遊星歯車4)の少なくとも一方(図示例では両方)の側面の、キャリアプレート5との当接面の内周側(突起部がないと仮定した場合に遊星歯車4の側面が、キャリアプレート5と当接し得る面である当接面を内周側と外周側とに2等分した際の内周側)に、環状(環状の軸方向は遊星支持軸8の軸線方向である)の突起部4aが設けられている。これにより、遊星歯車4は、突起部4aのみがキャリアプレート5と当接し、その他の部分はキャリアプレート5と当接しないように構成されている。
この構成によれば、遊星減速機1の動力伝達時、図示左右のキャリアプレート5a、5b間に挟まれ適度なクリアランスで回転運動を行う遊星歯車4が、スラスト力を受け相対的にキャリアプレート5の側面に接触し摺動する部位において、遊星歯車4の側面(当接面)のうち摺動速度の遅い内周側に設けられた環状の突起部4aと、受け側であるキャリアプレート5とを必要最小限の面積で局所的に当接させることができる。このように、遊星歯車4がスラスト力を受けて軸線方向(図示左右のいずれか)に移動する場合の、この移動の規制手段であるキャリアプレート5との接触構造において、遊星歯車4の少なくとも一方(本例では両方)の側面の内周側に、環状の突起部4aを設け、キャリアプレート5側に局所的に当接させる構造とすることにより、遊星歯車4とキャリアプレート5との必要最小限の摺動面積を確保できるようにして、上述の流体摩擦、剪断抵抗を低減することができ、遊星減速機の効率を高めることができる。なお、通常、遊星歯車4の側面については、キャリアプレート5a、5b側とで、ほぼ全面で回転摺動するため、その全面を研磨し、仕上げる工程が一般的であるが、本実施形態のように、当接面を局所突起で構成したことにより、仕上げでの加工面積が少なくて済み、加工時間の短縮と共に加工精度の向上等の効果も得られる。
ここで、遊星減速機が複数段の減速機ユニットから構成されている場合、各段の減速機ユニットにおいて、遊星歯車の少なくとも一方の側面の、キャリアプレートとの当接面の内周側に、環状の突起部が設けられていることが好ましい。各段の減速機ユニットにおいて上記の効果を得ることができるからである。また、遊星歯車の両方の側面の、キャリアプレートとの当接面の内周側に、環状の突起部が設けられていることが好ましい。両方の側面で上記の効果を得ることができるからである。また、上記当接面の内周側においてのみ、環状の突起部とキャリアプレートとが当接し得ることが好ましい。遊星歯車とキャリアプレートとの摺動面積を小さくすることができ、また、内周側の摺動速度が相対的に遅いため、潤滑油の粘性抵抗を少なくでき、効率をより向上させ得るからである。環状の突起部とキャリアプレートとの当接面の面積は、スラスト力に応じて適宜調整することができる。突起部は、突起部の剛性を確保する観点からは、突起の高さよりも突起の幅が大きいことが好ましい。
突起部4aは、金属製であることが好ましい。図3Aは、当接面の一例を示す平面図及びA-A断面図である。図3Bは、当接面の他の例を示す平面図及びB-B断面図である。図3Aに示す例では、金属製(図示の斜線部分が金属部分)の遊星歯車4に突起部4aを設けている。また、図3Bに示す例では、樹脂製(図示の網掛け部分が樹脂部部分)の遊星歯車4を加工して金属製の部材(図示の斜線部分)を嵌め込み、又は樹脂部材と一体成型された当該金属製の部材を加工して突起部4aを形成している。
図2に示すように、この遊星減速機1は、2つの潤滑剤溜め部11、12を有している。潤滑剤溜め部11、12は、潤滑剤(例えばグリス)を溜めておくためのポケット構造のものである。図2に示す例では、一方の潤滑剤溜め部11はキャリアプレート5の内周側に位置し、他方の潤滑剤溜め部12は入力軸6側に位置している。潤滑剤溜め部11、12に溜められた潤滑剤は、キャリアプレート5の回転による遠心力により、遊星歯車4と左右のキャリアプレート5との当接面へと流れ込むが、キャリアプレート5の遠心作用のみでは潤滑剤がうまく当接面へと流れ込まず、潤滑剤を十分に供給することができない場合もあった。
これに対し、第1の実施形態では、遊星歯車4の突起部4aのキャリアプレート5との当接面に、該当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通する1つ以上の溝4bが形成されている。これにより、潤滑剤溜め部11、12が、溝4bと連通することができるため、潤滑剤溜め部11、12に溜められた潤滑剤が、キャリアプレート5の回転に伴う遠心作用により、溝4bへ流れて、遊星歯車4と左右のキャリアプレート5との当接面へとスムーズに流れ込むことができる。従って、当該当接面での潤滑不足を解消して摩擦抵抗を低減し、遊星減速機の効率をさらに高めることができる。特に、各部の変形等による遊星歯車4の片当たりが生じる場合や、潤滑剤の粘度の高い条件の場合でも潤滑剤の膜(油膜)を確実に形成することができる。また、上記の溝4bは、突起部4aの当接面の半径方向に延在しているため、膜(油膜)の楔効果により膜圧力(油膜圧力)が発生し、少ない溝面積でも遊星歯車4とキャリアプレート5とを互いに直接接触させることなく回転摺動させることができる。
図4Aは、溝の形状及び配置の一例を示す平面図である。図4Bは、溝の形状及び配置の他の例を示す平面図である。図4A、図4Bに示す例では、複数の溝4bが遊星歯車4の突起部4aのキャリアプレート5との当接面に、該当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通するように設けられている。図4Aに示す例では、溝の断面形状を略V字としており、図4Bに示す例では、溝の断面形状を略矩形としているが、これらの形状に限らず、U字状、半円状等、様々な断面形状とすることができる。また、溝4bの溝面積(の総和)を調整することで、潤滑剤の流入量やキャリアプレート5との当接面積を調整することができる。図4A、図4Bに示す例では、円周方向に30°の等間隔で12個の溝4bが配置されているが、溝の本数は1つ以上あれば良く、また、配置も特には限定されないが、構成上は各遊星歯車数に応じて、各1個の溝を設けることが、バランスが良く好ましい。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態にかかる遊星減速機の要部を示す断面図である。図6は、図5のC-C断面図である。第2の実施形態にかかる遊星減速機の基本構成は、第1の実施形態にかかる遊星減速機と同様であるが、第2の実施形態にかかる遊星減速機は、遊星歯車4の両側に位置するキャリアプレート5a、5bのうち少なくとも一方(図示例では両方)のキャリアプレート5a、5bの側面の、遊星歯車4との当接面の内周側(突起部がないと仮定した場合にキャリアプレート5の側面が、遊星歯車4と当接し得る面である当接面を内周側と外周側とに2等分した際の内周側)に、環状(環状の軸方向は遊星支持軸8の軸線方向である)の突起部5c(図6に示す例では1つの側面に3個)を設けている点において、第1の実施形態にかかる遊星減速機とは異なっている(遊星歯車には突起部を設けていない)。これにより、キャリアプレート5は、突起部5cのみが遊星歯車4の側面と当接し、その他の部分は遊星歯車4の側面と当接しないように構成されている。
この構成によっても、摺動速度の遅い内周側に設けられた環状の突起部5cと、遊星歯車4の側面とを必要最小限の面積で局所的に当接させることができるため、流体摩擦、剪断抵抗を低減することができ、遊星減速機の効率を高めることができる。また、必要最小限の当接面である効果として、突起部の当接面のみを最終研磨で仕上げる構造となるため、熱処理での変形等を簡単に修正することができ、加工精度の確保と加工時間を短縮できる効果も得られる。
第2の実施形態においても、遊星減速機が複数段の減速機ユニットから構成されている場合、各段の減速機ユニットにおいて、遊星歯車の両側に位置するキャリアプレートのうち少なくとも一方のキャリアプレートの側面の、遊星歯車との当接面の内周側に、環状の突起部を設けることが好ましい。各段の減速機ユニットにおいて上記の効果を得ることができるからである。また、遊星歯車の両側に位置するキャリアプレートのうち両方のキャリアプレートの側面の、遊星歯車との当接面の内周側に、環状の突起部を設けることが好ましい。両方の当接面で上記の効果を得ることができるからである。また、上記当接面の内周側においてのみ、環状の突起部と遊星歯車の側面とが当接し得ることが好ましい。遊星歯車とキャリアプレートとの摺動面積を小さくすることができ、また、内周側の摺動速度が相対的に遅いため、効率をより向上させ得るからである。環状の突起部と遊星歯車の側面との当接面の面積は、要求される特性等に応じて適宜調整することができる。突起部は、突起部の剛性を確保する観点からは、突起の高さよりも突起の幅が大きいことが好ましい。
また、第2の実施形態において、突起部の遊星歯車との当接面に、突起部の当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通する1つ以上の溝5dが形成されていることが好ましい。潤滑剤溜め部が、溝と連通することができるため、潤滑剤溜め部に溜められた潤滑剤が、キャリアプレートの回転に伴う遠心作用により、溝に流入し、遊星歯車と左右のキャリアプレートとの当接面へとスムーズに導入することができ、当該当接面での摩擦抵抗を低減して、遊星減速機の効率をさらに高めることができるからである。特に、各部の変形等による遊星歯車の片当たりが生じる場合や、潤滑剤の粘度の高い条件の場合でも潤滑剤の膜(油膜)を確実に形成することができる。また、上記の溝は、突起部の当接面の半径方向に延在しているため、膜(油膜)の楔効果により膜圧力(油膜圧力)が発生し、少ない溝面積でも遊星歯車とキャリアプレートとを互いに直接接触させることなく回転摺動させることができる。
溝の断面形状は、V字状、矩形状、U字状、半円状等、様々な形状とすることができる。また、溝の溝面積(の総和)を調整することで、潤滑剤の流入量や遊星歯車との当接面積を調整することができる。溝の本数は1つ以上あれば良く、また、配置も特には限定されないが、構成上は各遊星歯車数に応じて、各1個の溝を設けることが、バランスが良く好ましい。
ここで、環状の突起部5cは、上記キャリアプレートの側面の上記内周側に1つのみ設けられることができる。あるいは、図6に示すように、環状の突起部5cは、上記キャリアプレートの側面の上記内周側に、複数の遊星歯車4に対応する複数の環状の突起部5cが環状の突起部5cと同じ高さを有する円環部5eにより連結されることによって一体に設けられていることも好ましい。この円環部5eによりキャリアプレート5の内周側に配置されている潤滑剤溜め部12から潤滑剤が放射状に拡散してしまうのを抑制することができ、当接部と遊星支持軸8に連通する溝5dへ効果的な潤滑剤の供給を行うことができる。
(第3の実施形態)
図7は、本発明の第3の実施形態にかかる遊星減速機の要部を示す斜視図である。図7に示すように、第2の実施形態のように、キャリアプレート側に環状の突起部を設けることに代えて、薄い板状部材(シムプレート)を用いることもできる。すなわち、第3の実施形態は、遊星歯車4と、遊星歯車4の両側に位置するキャリアプレート5のうち少なくとも一方(本例では両方)のキャリアプレート5との間に板状部材13が配置され、板状部材13は、遊星歯車4との当接面の内周側に、環状の突起部13aが設けられている点で、第2の実施形態と異なっている。
図7に示すように、1枚の板状部材13上に、遊星歯車4の個数に応じた複数個(図示例では3個)の環状の突起部13aが一体で形成されている。板状部材13は、複数個の遊星支持軸8で位置決めされ、遊星歯車4の側面とキャリアプレート5との間で挟み込まれて位置する。
この構成によっても、摺動速度の遅い内周側に設けられた環状の突起部13aと、遊星歯車4の側面とを必要最小限の面積で局所的に当接させることができるため、流体摩擦(剪断抵抗)を低減することができ、遊星減速機の効率を高めることができる。また、板状部材13の1枚で遊星歯車4の個数に応じた環状の突起部13aの形成が可能であり、構造が簡素で生産性が高い。
さらに、図7に示すように、突起部13aの遊星歯車4との当接面に、突起部13aの当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通する1つ以上の溝13bが形成されていることが好ましい。潤滑剤溜め部が、溝と連通することができるため、潤滑剤溜め部に溜められた潤滑剤が、キャリアプレートの回転に伴う遠心作用により、溝を流れて、遊星歯車と左右のキャリアプレートとの当接面へとスムーズに流れ込むことができるからである。従って、当該当接面での摩擦抵抗を低減して、遊星減速機の効率をさらに高めることができる。特に、各部の変形等による遊星歯車の片当たりが生じる場合や、潤滑剤の粘度の高い条件の場合でも潤滑剤の膜(油膜)を確実に形成することができる。また、上記の溝は、突起部の当接面の半径方向に延在しているため、膜(油膜)の楔効果により膜圧力(油膜圧力)が発生し、少ない溝面積でも遊星歯車とキャリアプレートとを互いに直接接触させることなく回転摺動させることができる。
溝の断面形状は、V字状、矩形状、U字状、半円状等、様々な形状とすることができる。また、溝の溝面積(の総和)を調整することで、潤滑剤の流入量や遊星歯車との当接面積を調整することができる。溝の本数は、各遊星歯車の個数に応じて、内周側の潤滑溜め部側に連通する溝を確保する他に、潤滑溜め部につながらない配置でも、複数個の溝を設置してもよく、また、配置も特には限定されないが、構成上は各遊星歯車数に応じて、各1個の溝を設けることが、バランスが良く好ましい。
ここで、環状の突起部13aは、上記キャリアプレートの側面の上記内周側に1つのみ設けられることができる。あるいは、図7に示すように、環状の突起部13aは、上記キャリアプレートの側面の上記内周側に、複数の遊星歯車4に対応する複数の環状の突起部13aが環状の突起部13aと同じ高さを有する円環部13cにより連結されることによって一体に設けられていることも好ましい。この円環部によりキャリアプレート5の内周側に配置されている潤滑剤溜め部から潤滑剤が放射状に拡散してしまうのを抑制することができ、当接部と遊星支持軸8に連通する溝へ効果的な潤滑剤の供給を行うことができる。この複数個の突起部13a及び円環部13cを一体に形成することで構成を簡単化することができる。
板状部材13は、環状の突起部13aのスラスト当接面において、耐摩耗性や低摩擦で有効な高硬度材又は樹脂材等を基材とすることが好ましい。さらに耐摩耗性や高効率を求める場合には、当該当接面へ硬質皮膜を付与する、あるいは、表面処理により動摩擦係数を低減することや微細な凹凸を形成することも好ましい。この場合、板状部材13単品に対して、これらの処理を行うことができるため、容易に所望の表面性状とすることができる。例えば、DLCや、イオンプレーティング、各種硬質メッキ、化成処理、二硫化モリブデン等の表面処理や焼き付け処理等を行うことができ、また基材として低摩擦で有効な樹脂材やPTFE、PEEK等を選定することもできる。また、基材表面や各表面処理を施行した表面に、ナノレーザー加工や、マイクロピーニング等により、微細溝や微細凹凸面を附加するなど、単品の高機能部品として容易に処理することができる。
(第4の実施形態)
図8は、本発明の第4の実施形態にかかる遊星減速機の要部を示す斜視図である。図8に示すように、この遊星減速機は、遊星歯車4の支持構成として、遊星支持軸8と遊星歯車4の軸孔内周部との間に保持器を備えたコロ軸受け30を配置させた事例において、コロの格納された前記保持器の両側面に、遊星歯車4の幅端から、やや突設する環状の突起部を備えた保持部材を設置させたもので、その幅端とキャリアプレート5の側面とを、より内周側で局所的に少ない面積で当接させることができる構成とした。図9は、前記環状突起部材29単品の拡大斜視図を示し、本環状突起部材29において、コロが格納された保持器側の側面、及びキャリアプレート5側と当接する側面に、半径方向に内周側から外周側へ連通する溝を各々少なくとも1個以上設置したことを特徴とし、キャリアプート5の内周側に構成された潤滑溜め部から溝29dへつながる通路が確保され、キャリアプレート5の内周側側面の遠心作用によるグリスを確実に、前記環状突起部材29のスラスト摺動面29a及びその背面の保持器側面29b、ならびにコロ軸受け部30に導入することができるため、上述の他の実施形態と同様の理由により、同様の効果が得られる。
1:遊星減速機
2:太陽歯車
3:内歯歯車
4:遊星歯車
5:キャリアプレート
6:入力軸
7:出力軸
8:遊星支持軸
9:スラスト当接面
10:スラスト当接面
11:潤滑剤溜め部
12:潤滑剤溜め部
13:板状部材
14:固定具
23:出力軸保持ケース
24:減速機保持ケース
25:サークリップ
26a、26b:出力軸保持ベアリング
27:太陽歯車位置決め部材
28a、28b:入力軸保持ベアリング
29:環状突起部材

Claims (10)

  1. 太陽歯車と、
    内歯歯車と、
    前記太陽歯車及び前記内歯歯車に噛合する、遊星歯車と、
    前記遊星歯車を保持するキャリアプレートと、を備えた遊星減速機であって、
    前記遊星歯車の少なくとも一方の側面の、前記キャリアプレートとの当接面の内周側に、環状の突起部を設けたことを特徴とする、遊星減速機。
  2. 前記突起部の前記キャリアプレートとの当接面に、前記突起部の前記当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通する1つ以上の溝が形成されている、請求項1に記載の遊星減速機。
  3. 太陽歯車と、
    内歯歯車と、
    前記太陽歯車及び前記内歯歯車に噛合する、遊星歯車と、
    前記遊星歯車を保持するキャリアプレートと、を備えた遊星減速機であって、
    前記遊星歯車の両側に位置する前記キャリアプレートのうち少なくとも一方の前記キャリアプレートの側面の、前記遊星歯車との当接面の内周側に、環状の突起部を設けたことを特徴とする、遊星減速機。
  4. 前記突起部の前記遊星歯車との当接面に、前記突起部の前記当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通する1つ以上の溝が形成されている、請求項3に記載の遊星減速機。
  5. 前記環状の突起部は、
    前記側面の前記内周側に1つのみ設けられ、又は、
    前記側面の前記内周側に、複数の前記遊星歯車に対応する複数の前記環状の突起部が前記環状の突起部と同じ高さを有する円環部により連結されることによって一体に設けられている、請求項3又は4に記載の遊星減速機。
  6. 太陽歯車と、
    内歯歯車と、
    前記太陽歯車及び前記内歯歯車に噛合する、遊星歯車と、
    前記遊星歯車を保持するキャリアプレートと、を備えた遊星減速機であって、
    前記遊星歯車と、前記遊星歯車の両側に位置する前記キャリアプレートのうち少なくとも一方の前記キャリアプレートとの間に板状部材が配置され、
    前記板状部材は、前記遊星歯車との当接面の内周側に、環状の突起部が設けられていることを特徴とする、遊星減速機。
  7. 前記突起部の前記遊星歯車との当接面に、前記突起部の前記当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通する1つ以上の溝が形成されている、請求項6に記載の遊星減速機。
  8. 前記板状部材は、
    前記側面の前記内周側に1つのみ設けられ、又は、
    前記側面の前記内周側に、複数の前記遊星歯車に対応する複数の前記環状の突起部が前記環状の突起部と同じ高さを有する円環部により連結されることによって一体に設けられている、請求項6又は7に記載の遊星減速機。
  9. 前記遊星減速機は、保持器を有する針状コロ軸受けを有し、
    前記遊星歯車の支軸内で、且つ、前記保持器の側面に、前記環状の突起部を配置した、請求項1に記載の遊星減速機。
  10. 前記環状の突起部の、前記キャリアプレートとの当接面及び前記保持器の側面との当接面に、前記突起部の前記当接面の半径方向の内周側から外周側へ連通する1つ以上の溝が形成されている、請求項9に記載の遊星減速機。
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