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JP2022082496A - 新規生理用ナプキンおよびそれを用いた下着 - Google Patents

新規生理用ナプキンおよびそれを用いた下着 Download PDF

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Abstract

【課題】表面層に経血がある程度吸収されても、汚れが目立たず、結果として、使用者への不快な心理状態を優位に低減できるなど、長期間の使用に耐えられるとともに、長期間にわたって、下着(ショーツなど)と組み合わせて使用できる生理用ナプキンおよびそれを有する生理用下着を提供する。【解決手段】本発明に係る生理用ナプキンは、肌当接面を形成する表面層1、吸収層、および防水層が順次積層されてなり、前記表面層1は、低明度色で着色され、各層は、所定の繊維から構成されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、新規生理用ナプキンおよびそれを用いた下着に関する。より具体的には、表面層に経血がある程度吸収されても、汚れが目立たず、結果として、使用者への不快な心理状態を優位に低減できるなど、長期間の使用に耐えられるとともに、長期間に亘って、下着(ショーツなど)と組み合わせて使用できる新規生理用ナプキンおよびそれを用いた下着に関する。
女性が、月経前乃至は月経時に使用する生理用ナプキンは、一般的には、経血を吸収するための表面層(肌側層)と、当該経血吸収層の裏面に、裏面層(基材層)とを含み、必要に応じて、これらの層の間に、吸水性ポリマーが充填された吸水層などを備えている。
月経時における経血量は、個人差あるいは、同一人でも女性ホルモンのバランスなどに大きく影響されるが、20ml~140mlに及ぶ(平均50~60ml)。
そのため、生理用ナプキンには、経血を十分に吸収できる特性のみならず、使用中においても、身体の動きによって、生理用ナプキンが下着からのズレを低減し(女性器への密着性(追従性))を維持する特性も要求される。
たとえば、特許文献1には、本体部の肌側表面に隆起部が設けられ、この隆起部が身体の形状に倣うように変形して密着しやすく、追従性を向上させた生理用ナプキンが開示されている(要約書、特許請求の範囲など)。
特開2006-326092号公報
従来の生理用ナプキンは、少なくとも表面層(肌側層)の色彩は、白を基調としたものであった。そのため、経血を吸収すると、すぐに経血による汚れが目立ち、依然として十分に経血を吸収できるにもかかわらず、頻繁に交換する必要があった。また、一旦、経血を吸収した生理用ナプキンは、吸収した部分が乾燥しにくく、接触面における不快感が長期間継続するという問題もあった。
本発明者は、従来の生理用ナプキンの構造を鋭意検討した結果、表面層(肌側層)の色彩を、経血が目立たない色である黒色、灰色などの低明度色にすることや特定の繊維からなる各層を構成することで、表面層に経血がある程度吸収されても、汚れが目立たず、使用者への不快な心理状態を優位に低減できること、結果として、長期間の使用に耐えられるとともに、長期間にわたって、下着(ショーツなど)と組み合わせて使用できることを見出した。
すなわち、本発明は、表面層に経血がある程度吸収されても、汚れが目立たず、結果として、使用者への不快な心理状態を優位に低減できるなど、長期間の使用に耐えられるとともに、長期間にわたって、下着(ショーツなど)と組み合わせて使用できる生理用ナプキンおよびそれを有する生理用下着を提供することを目的とする。
本発明に係る生理用ナプキンは、肌当接面を形成する表面層(1)、吸収層(2)、防水層(3)及び非肌当接面側に配置された裏地層(4)が順次積層されてなる生理用ナプキンであって、前記表面層(1)は、速乾性繊維から構成され、かつ、低明度色で着色され、前記吸収層(2)は、吸水性繊維から構成され、前記防水層(3)は、少なくとも吸収層(2)側の面で、防水処理がなされており前記裏地層(4)は、防水性繊維から構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る生理用下着は、上記生理用ナプキンを有することを特徴とする。
本発明に係る生理用ナプキンは、表面層に経血がある程度吸収されても、汚れが目立たず、結果として、使用者への不快な心理状態を優位に低減することができるという効果を発揮する。特に、生理用ナプキンを頻繁に交換できない使用者にしてみれば、長期間にわたって、経血による汚れを気にせず、不快な心理状態を優位に低減できるなど、長期間の使用に耐えられるとともに、長期間にわたって、下着(ショーツなど)と組み合わせて使用できる。
図1(A)および(B)は、本発明に係る生理用ナプキンを説明するための図である。
図2は、図1(A)のXY断面図である。
以下、本発明に係る生理用ナプキンおよびそれを有する下着について、適宜図面を参照しながら説明する。なお、本発明に係る生理用ナプキンとは、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(略称:薬機法)など各法令で規定された「生理用ナプキン」(「生理用品」)のみならず、経血が下着に漏出することを防ぐ、あるいは当該漏出を防止・低減することを目的とした布製品(当て布など)を含む概念である。なお、本明細書において「経血」とは、月経(生理)期間中において、子宮内膜で排出される血液(狭義の「経血」)単独のみならず、当該血液とともに排出される排泄物(尿、おりものなど)を含む概念である。また、本発明に係る生理用ナプキンは、月経(生理)期間中あるいはその直前直後のみならず、月経(生理)期間以外における経血(不正出血)および排泄物の漏出を防止・低減することを目的とした使用も可能である。
本発明に係る生理用ナプキンの一態様を、図1~2の付番10に示す。図1に示されるように、生理用ナプキン10は、表面層1、吸収層2および防水層3を有し、これらが順次積層されてなる。
なお、図1~2では、表面層1、吸収層2、防水層3及び裏地層4からなる4層構造の生理用ナプキンを例示しているが、本発明にかかる生理用ナプキンは、この構成に限定されるものではない。すなわち、本発明に係る生理用ナプキンにおいては、使用目的などを考慮して、上述の各層の間、あるいは最上層(肌に直接当接する層)、最下層(下着に直接当接する層)に単独又は複数の層を有していてもよい。
また、図2は、図1(A)のXY断面図である。かかる図に示されるように、本発明に係る生理用ナプキンは、肌当接面側(肌側)から非肌当接面側(下着側)にかけて、表面層1、吸収層2、防水層3及び裏地層4が順次積層されている。
また、表面層1は、肌当接面を形成し、使用時には女性器に接する層である。また、表面層は、速乾性繊維から構成され、低明度色で着色されていることを特徴とする。
このような構成を採用することにより、表面層が黒色などの低明度色で着色されているために、経血がある程度吸収されても、汚れが目立たない。そのため、視覚上の不快感を低減できる。また、速乾性があるため、感触上の不快感も低減できることになる。そして、使用者への不快な心理状態を優位に低減することができ、長期間に亘って、使用ができるという効果を発揮できる。
表面層を構成する速乾性繊維とは、経血が付着しても早期に乾燥できる機能を有するものであれば特に限定されず、たとえば、綿などの吸水性繊維を除く繊維(親水性が低い繊維(疎水性繊維))が挙げられる。より具体的には、ポリエステル繊維やナイロン繊維が挙げられる。また、これらの繊維は単独でも複数種類使用してもよい。
あるいは、吸水性繊維(親水性繊維)であっても、疎水化処理剤による表面処理で疎水性を付与した繊維も、速乾性繊維として、使用可能である。
また、表面層1は、これらの繊維からなる織布でもよいし、不織布であってもよい。さらには、表面の速乾性を高めるため、疎水化処理剤による表面処理を適宜実施してもよい。
表面層1は低明度色に着色されているが、ここで、「低明度色」とは、好ましくは、マンセル表色系における明度が9以下(好ましくは7以下、より好ましくは5以下)である色彩であり、より好ましくは、マンセル表色系における明度が9以下(好ましくは7以下、より好ましくは5以下)である無彩色である。より具体的には、黒色や灰色であるが、経血を目立たなくする特性を考慮すると、黒色が最も好ましい。
なお、表面層1は、肌面に接して十分に経血に接触できる範囲にあればよい。そのため、図1(A)に示されるように、他の層(防水層3など)と合同の大きさ乃至は若干小さい範囲で形成されていてもよいし、図1(B)に示されるように、必要な範囲で形成されていてもよい。なお、図示はしないが、表面層1においては、防水繊維(疎水性繊維)からなる周縁部(端部、縁部)が設けられていてもよい。
図2に示されるように、吸収層2は、吸水性繊維から構成され、経血を吸収し、生理用ナプキンから経血の漏出を防止する機能を有する。
吸収層2を構成する吸水性繊維は、経血を十分に吸収できるもの(親水性が高い繊維)である限り特に限定されず、公知のものが適宜使用できる。具体的には、天然繊維(木綿など)、再生繊維(キュプラ、レーヨンなど再生セルロースなど)、その他のセルロース系繊維、ポリアミド系、ポリビニルアルコール系等の1種又は2種以上の繊維が例示される。
あるいは、疎水性繊維(ナイロン繊維、ポリエステル繊維等)であっても、親水化処理剤による表面処理で親水性を付与した繊維も、吸水性繊維として、使用可能である。
さらには、これらの繊維を膨潤処理したり、あるいは多孔性にしたりすることで、毛細管現象の向上により親水性(吸水性)を改善することも可能である。
図2に示されるように、防水層3は、吸水性繊維から構成された吸収層2から漏れ出した経血や体液が裏地層4、さらには下着などへの漏出(滲出)を防ぐ機能を有する。
防水層3を構成する繊維は、特に限定されず、疎水性繊維でも親水性繊維でも使用可能である。
これらの繊維からなる布地において、少なくとも1面に(好ましくは上下2面に)、防水性樹脂(例:ポリ塩化ビニル樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂)が、ラミネート加工など、防水処理がなされていることが好ましい。
ここで、ラミネート加工は、接着剤を用いて布地に貼着する態様、防水性樹脂を布地に融着する態様、あるいは、フィルム状の防水性樹脂を、布地に載置して、加熱して接着する態様のいづれかであってもよい。
なお、防水層3を構成する繊維は、防水性を向上させるという観点からは、疎水性繊維(ナイロン繊維、ポリエステル繊維等)であることが好ましい。
図2に示されるように、裏地層4が設けられていてもよい。当該裏地層4は、肌非当接面側(すなわち肌に当接しない面側、下着側)に設けられている(積層されている)。なお、裏地層4は任意の構成要素であり、本発明に係る生理用ナプキンの機能を十分に発揮しうる場合、特に裏地層4を設けなくてもよい。
裏地層4を構成する繊維は、特に限定されず、親水性繊維および/または防水性繊維から構成されていてもよい。たとえば、防水層3の防水性を補完するという観点からは、裏地層4は防水性繊維で構成されていることが好ましい。防水性繊維としては、経血の吸収性が低い、本技術分野で使用される繊維であれば特に限定されず、公知の繊維を適宜使用することができる。具体的な防水性繊維としては、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどの繊維)やオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなどの繊維)が例示される。
裏地層4は、これらの繊維からなる織布でも不織布であってもよく、必要に応じて、表面の疎水性(防水性)を高めるため、疎水化処理剤による表面処理を適宜実施してもよい。
本発明に係る生理用ナプキンにおいて、各層は、公知の方法で積層されている。たとえば、各層が接着剤(たとえばホットメルト系接着剤)を介して積層されていてもよいし、縫製されていてもよい。
また、上述のように、使用目的などを考慮して、上述の各層の間、あるいは最上層(肌に直接当接する層)、最下層(下着に直接当接する層)に単独又は複数の層を有していてもよい。たとえば、図示はしないが、経血を十分に吸収できるという観点からは、表面層1と裏地層2との間に、公知の高吸水性樹脂粒子などの経血吸収体からなる層を有していることが好ましい。
ここで、高吸水性樹脂粒子は、表面層を構成する吸水性繊維と同様に、経血を十分に吸収できる粒子である限り特に限定されず、公知のものを適宜使用できる。高吸水性樹脂粒子は、略粒子状(球状)の形状を有しており、典型的には、5~1,000μmの平均粒子径を有するものである。
なお、上記高吸水性樹脂粒子では、通常、経血と親和性の高い官能基を高分子鎖に有する。当該官能基としては、中和カルボキシル基、カルボキシル基、(部分)中和スルホン基、スルホン酸基、ヒドロキシル基が例示される。この中でも、部分中和カルボキシル基が好ましい。このような部分中和カルボキシル基を与えるモノマーとしては、アクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸が好ましい。
また、吸収性を向上させるという観点からは、高吸水性樹脂粒子は、重合物架橋体であることが好ましい。このような架橋としては、共有結合架橋、イオン結合等の化学架橋ないしは高分子鎖の絡み合いによる物理架橋などが挙げられる。
なお、本発明に係る生理用ナプキンは、使用時に経血が漏れるリスクを低減するために、表面層などをエンボス加工などで凹凸を形成することが望ましい。また、本発明に係る生理用ナプキンは、図1の付番3に示すウィング上フラップ(羽)など、必要に応じてその他の部材を備えていることが好ましい。
また、本発明に係る生理用下着は、公知の下着(下半身用)と上記生理用ナプキンとから構成される。図1の付番5に示されるように、使用時のズレを低減するため、生理用下着には、ウィング上フラップ(羽)を備えている生理用ナプキンを使用することが好適である。
本発明に係る生理用ナプキンによれば、表面層に経血がある程度吸収されても、汚れが目立たず、結果として、使用者への不快な心理状態を優位に低減できるなど、長期間の使用に耐えられるとともに、長期間にわたって、下着(ショーツなど)と組み合わせて使用できる生理用ナプキンおよびそれを有する生理用下着を提供することが可能となる。
10:本発明に係る生理用ナプキン
1:表面層(1)
2:吸収層(2)
3:防水層(3)
4:裏地層(4)
5:ウィング上フラップ(羽)


Claims (2)

  1. 肌当接面を形成する表面層(1)、吸収層(2)および防水層(3)が順次積層されてなる生理用ナプキンであって、
    前記表面層(1)は、速乾性繊維から構成され、かつ、低明度色で着色され、
    前記吸収層(2)は、吸水性繊維から構成され、
    前記防水層(3)は、少なくとも吸収層(2)側の面で、防水処理がなされていることを特徴とする生理用ナプキン。
  2. 請求項1に記載の生理用ナプキンを有する生理用下着。

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