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JP2022069221A - 粘着剤組成物及び粘着シート - Google Patents

粘着剤組成物及び粘着シート Download PDF

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JP2022069221A JP2020178288A JP2020178288A JP2022069221A JP 2022069221 A JP2022069221 A JP 2022069221A JP 2020178288 A JP2020178288 A JP 2020178288A JP 2020178288 A JP2020178288 A JP 2020178288A JP 2022069221 A JP2022069221 A JP 2022069221A
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Abstract

【課題】本発明は、高温環境下においても気泡の発生が抑制され、かつ被着体に対して優れた密着性を発揮する粘着シートを提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を有し、かつ重量平均分子量が10000より大きい(メタ)アクリル重合体Aと、重量平均分子量が10000以下である(メタ)アクリル重合体Bと、一分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ有する多官能アクリレートと、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物と、を有する粘着剤組成物に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、粘着剤組成物及び粘着シートに関する。
従来、液晶ディスプレイ(LCD)などの表示装置や、タッチパネルなどの表示装置と組み合わせて用いられる入力装置が広く用いられている。これらの表示装置や入力装置においては、光学部材を貼り合せる用途に透明な粘着シートが使用されており、表示装置と入力装置の貼合にも透明な粘着シートが使用されている。
例えば、特許文献1~5には、光学部材貼合用の粘着シートが開示されている。ここでは、各種モノマーを重合させることでアクリル系共重合体を得ており、このようなアクリル系共重合体を配合してなる粘着剤組成物からアクリル系粘着シートが形成されている。
また、特許文献6には、アクリル系ポリマーを含む光学用粘着シートが開示されている。ここでは、アクリル系ポリマーが、直鎖状又は分岐鎖状であり且つ炭素数が3~20のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び/又は(メタ)アルコキシアルキルエステル、及び極性基含有モノマーをモノマー成分より形成され、さらに所定構造を有する重合可能な官能基を有するアミド化合物の含有量が5~20重量%であるモノマー成分より形成されている。特許文献7には、アクリル系ポリマーと、架橋剤と、を含む粘着剤組成物を架橋してなる粘着剤層が開示されており、アクリル系ポリマーが、アルキル基の炭素数がC1~C14のアルキルアクリレートモノマーと、脂環族含有モノマーと、分岐構造アルキル基含有モノマーと、窒素含有ビニルモノマーと、からなるモノマー群から選択された少なくとも1種以上のモノマーと、水酸基含有共重合性ビニルモノマーとを共重合して得られた共重合体であることが記載されている。
特開2012-233060号公報 国際公開第2010/147047号 特開2016-186618号公報 特開2018-001615号公報 国際公開第2015/080120号 特許第5936538号公報 特開2016-204406号公報
粘着シートを、例えばアウトガスを発生させやすい樹脂板等に貼合する場合においては、粘着シートと樹脂板の界面や、粘着シート中に気泡が発生する場合がある。また、近年は、粘着シートを貼合した光学部材が高温や高湿環境といった過酷環境下で使用される場合もあり、このような環境下においても粘着シートは被着体に対して優れた密着性を発揮することが求められている。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、高温環境下においても気泡の発生が抑制され、かつ被着体に対して優れた密着性を発揮する粘着シートを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、粘着剤組成物に異種のアクリル重合体を配合し、さらに、一分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ有する多官能アクリレートと、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物とを添加することにより、気泡の発生が抑制され、かつ被着体に対して優れた密着性を発揮する粘着シートが得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を有し、かつ重量平均分子量が10000より大きい(メタ)アクリル重合体Aと、
重量平均分子量が10000以下である(メタ)アクリル重合体Bと、
一分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ有する多官能アクリレートと、
(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物と、を有する粘着剤組成物。
[2] 化合物が反応する活性水素を有する官能基は、イソシアネート基又はエポキシ基である、[1]に記載の粘着剤組成物。
[3] (メタ)アクリル重合体Aは、環構造を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位をさらに有する、[1]又は[2]に記載の粘着剤組成物。
[4] (メタ)アクリル重合体Bのガラス転移温度が20~120℃である、[1]~[3]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[5] (メタ)アクリル重合体Bは、脂環を有するモノマーに由来する単位を含む、[1]~[4]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[6] (メタ)アクリル重合体Bは、脂環を有するモノマーに由来する単位を含み、脂環を構成する炭素数は6以上である、[1]~[5]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[7] (メタ)アクリル重合体Bは、官能基を実質的に有さない、[1]~[6]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[8] 多官能アクリレートにおいて、2つの(メタ)アクリロイル基は両末端に位置する、[1]~[7]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[9] 光重合開始剤をさらに含み、光重合開始剤が、アセトフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤及びオキシムエステル系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも1種である、[1]~[8]のいずれかに記載の粘着剤組成物。
[10] [1]~[9]のいずれかに記載の粘着剤組成物を硬化させてなる粘着シート。
[11] 周波数1Hz、かつ測定温度20~120℃における貯蔵弾性率(G’)の平均値をPとし、周波数1Hz、かつ測定温度20~120℃における貯蔵弾性率(G’)の最小値もしくは最大値をQとした場合、(Q-P)/P×100の絶対値が50%以下である、[10]に記載の粘着シート。
本発明によれば、気泡の発生が抑制され、かつ被着体に対して優れた密着性を発揮する粘着シートを得ることができる。
図1は、剥離シートを有する粘着シートの断面を表す概略図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「~」を用いて表される数値範囲は「~」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において、“(メタ)アクリル”はアクリルおよびメタクリルの双方、または、いずれかを表す。また、本明細書において、“単量体”と“モノマー”は同義であり、“重合体”と“ポリマー”は同義である。
<粘着剤組成物>
本発明は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を有し、かつ重量平均分子量が10000より大きい(メタ)アクリル重合体Aと、重量平均分子量が10000以下である(メタ)アクリル重合体Bと、一分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ有する多官能アクリレートと、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物と、を有する粘着剤組成物に関する。
上記構成により、本発明の粘着剤組成物から形成される粘着シートは優れた耐発泡性を発揮する。また、本発明の粘着剤組成物から形成される粘着シートにおいては、高温環境下においても優れた耐発泡性が発揮される。本明細書において、粘着シートの耐発泡性を評価する際には、まず、粘着シートを厚み1mmのポリカーボネート板とガラス板の間に貼合した後、オートクレーブにて温度30℃、圧力0.5MPaの環境下で30分間処理し、大気圧、室温環境下にて1日静置する。次いで、被着体を含むサンプルを、温度85℃、相対湿度85%に調整された恒温恒湿機内部に設置する。その後、6時間後に粘着シートの様子を観察し、その際に目視確認できる気泡の数が20個未満である場合に、耐発泡性が良好であると判定できる。なお、目視確認できる気泡の数は10個未満であることがより好ましい。
また、本発明の粘着剤組成物から形成される粘着シートは、被着体に対して優れた密着性を発揮する。また、本発明の粘着剤組成物から形成される粘着シートにおいては、高温環境下においても優れた密着性が発揮される。本明細書において、粘着シートの密着性を評価する際には、まず、粘着シートを厚み1mmのポリカーボネート板とガラス板の間に貼合した後、オートクレーブにて温度30℃、圧力0.5MPaの環境下で30分間処理し、大気圧、室温環境下にて1日静置する。次いで、被着体を含むサンプルを、温度85℃、相対湿度85%に調整された恒温恒湿機内部に設置する。その後、6時間後に粘着シートの様子を観察し、その際に粘着シートの被着体からの剥離面積が10%未満である場合に、密着性が良好であると判定できる。
さらに、本発明の粘着剤組成物から形成される粘着シートは、常温から高温までの幅広い温度域において貯蔵弾性率(G’)の変化率が小さく抑えられている。通常、アクリル系の粘着シートを85℃といった高温で加熱した場合、加熱に伴い粘着シートの貯蔵弾性率(G’)が低下する傾向が見られる。しかしながら、本発明においては、(メタ)アクリル重合体Aと(メタ)アクリル重合体Bに加えて、さらに一分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ有する多官能アクリレートと、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物を配合することにより、加熱に伴い貯蔵弾性率(G’)が低下することを抑制することができる。さらに本発明においては、加熱に伴い貯蔵弾性率(G’)を上昇させることができる。このように、本発明においては、従来の粘着シートにおいては達成できなかった新規物性を有する粘着シートが得られており、これにより、高温環境下における耐発泡効果がより顕著に発揮される。
本明細書において、貯蔵弾性率(G’)の変化率は、20℃から120℃まで温度域における平均貯蔵弾性率に対する最大貯蔵弾性率もしくは最小貯蔵弾性率の差分と平均貯蔵弾性率の比率から算出することで評価できる。具体的に、貯蔵弾性率(G’)の変化率は以下の式により算出される値で評価でき、(Q-P)/P×100の絶対値が小さい程、20℃から120℃における貯蔵弾性率(G’)の変化率が小さいと判定できる。
貯蔵弾性率(G’)の変化率(%)=|(Q-P)/P×100|
なお、上記式におけるQは20℃から120℃まで2℃毎に測定した貯蔵弾性率G’の最大値(G’max)もしくは最小値(G’min)である。また、上記式におけるPは20℃から120℃まで2℃毎に測定した貯蔵弾性率G’の平均値である。
ここで、粘着シートの20℃から120℃における貯蔵弾性率(G’)は、以下のよにして測定される。まず、厚みが1000μmになるよう積層した粘着シートをオートクレーブにて30℃、0.5MPa、10分間加圧し測定サンプルを作製する。その後、プローブ径8mm、温度範囲20~120℃、昇温速度5℃/min、ひずみ量0.1%、周波数1Hzにて、測定サンプルの貯蔵弾性率G’を測定する。測定装置としては、アントンパール社製MRC301を用いることができる。
上記方法で算出される貯蔵弾性率(G’)の変化率(%)は50%以下であることが好ましく、45%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましく、35%以下であることが特に好ましい。なお、貯蔵弾性率(G’)の変化率(%)の下限値は0%であってもよい。
<(メタ)アクリル重合体A>
粘着剤組成物は、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を有し、かつ重量平均分子量が10000より大きい(メタ)アクリル重合体Aを含有する。
水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロシキブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。中でも、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び4-ヒドロシキブチル(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種は好ましく用いられる。
(メタ)アクリル重合体Aにおける、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル重合体Aの全質量に対して20質量%以上であることが好ましく、25質量%以上であることがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル重合体Aにおける、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル重合体Aの全質量に対して、50質量%以下であることが好ましい。水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位の含有量を上記範囲内とすることにより、被着体への密着性を付与することができ、さらに粘着シートの耐発泡性をより効果的に高めることができる。
(メタ)アクリル重合体Aは、環構造を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位をさらに有することが好ましい。環構造を有する(メタ)アクリルモノマーは、脂環もしくは芳香族環を有する(メタ)アクリルモノマーであることが好ましい。脂環としては、例えば、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等が挙げられる。なお、脂環はスピロ構造を有するものであってもよい。芳香族環としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ピリジン、フラン、ベンゾフラン、ピロール、チオフェン、イミダゾール、オキサゾールが挙げられる。中でも、環構造は、脂環であることが好ましく、シクロヘキサン、ジシクロペンタジエン及びベンゼンから選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。なお、上述した環構造はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルケニル基、アシル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、脂環基、シアノ基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基等から選択される置換可能な置換基を挙げることができる。但し、環構造を有する(メタ)アクリルモノマーは環構成原子として窒素原子を有さないものであることが好ましい。
環構造を有する(メタ)アクリルモノマーとしては、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、3フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、O-フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。(メタ)アクリル重合体Aにおける、環構造を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル重合体Aの全質量に対して1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましく、5質量%以上であることがさらに好ましく、9質量%以上であることが特に好ましい。また、(メタ)アクリル重合体Aにおける、環構造を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位の含有量は、30質量%以下であることが好ましい。環構造を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位の含有量を上記範囲内とすることにより、(メタ)アクリル重合体Aと(メタ)アクリル重合体Bの相溶性を高めることができ、これにより、粘着シートの耐発泡性をより効果的に高めることができる。
(メタ)アクリル重合体Aは、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位と、環構造を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位の他に、アルキル(メタ)アクリレートに由来する単位を含有していてもよい。アルキル(メタ)アクリレートの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。アルキル(メタ)アクリレートに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル重合体Aの全質量に対して、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることがより好ましい。また、アルキル(メタ)アクリレートに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル重合体Aの全質量に対して、80質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましい。アルキル(メタ)アクリレートに由来する単位の含有量を上記範囲内とすることにより、粘着シートの耐発泡性をより効果的に高めることができる。
(メタ)アクリル重合体Aは、水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位と、環構造を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位の他に、架橋性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を有していてもよい。架橋性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーが有する架橋性官能基としては、カルボキシ基、アミド基、アミノ基、チオール基、イソシアネート基、エポキシ基、シラノール基を挙げることができる。(メタ)アクリル重合体Aにおける架橋性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位の含有量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。(メタ)アクリル重合体Aにおける架橋性官能基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位の含有量を上記範囲にすることにより、粘着シートと被着体の密着性をより効果的に高めることができる。
(メタ)アクリル重合体Aは、必要に応じて、他の単量体単位を有してもよい。他の単量体は、上述したモノマー成分と共重合可能なものであればよく、例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチルビニルエーテル等が挙げられる。(メタ)アクリル重合体Aにおける他の単量体単位の含有量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
(メタ)アクリル重合体Aの重量平均分子量は、10000より大きいものであればよく、10万以上であることが好ましく、20万以上であることがより好ましい。また、(メタ)アクリル重合体Aの重量平均分子量は、200万以下であることが好ましく、150万以下であることがより好ましく、100万以下であることがさらに好ましい。なお、(メタ)アクリル重合体Aの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、分子量が既知である標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を用いて換算して求めた値である。(メタ)アクリル重合体Aとしては、市販のものを用いてもよく、公知の方法により合成したものを用いてもよい。
粘着剤組成物には、(メタ)アクリル重合体Aを含むアクリルシロップAが含まれていてもよい。ここで、アクリルシロップAには、少なくとも(メタ)アクリル重合体Aと、(メタ)アクリル重合体Aを構成するモノマーが含まれる。このため、粘着剤組成物には、(メタ)アクリル重合体Aに加えて、(メタ)アクリル重合体Aを構成するモノマーが含まれていてもよい。なお、アクリルシロップAが(メタ)アクリル重合体Aを構成するモノマーを含有する場合、これらのモノマーは粘着シートを製造する工程において重合し、(メタ)アクリル重合体Aを形成する。
<(メタ)アクリル重合体B>
粘着シートは、重量平均分子量が10000以下である(メタ)アクリル重合体Bを含有する。(メタ)アクリル重合体Bは、(メタ)アクリル重合体Aと比較して、低分子量成分であり、アクリル系粘着付与剤としての機能を有するものである。(メタ)アクリル重合体Bは、官能基を実質的に有さないものであることが好ましく、この場合、(メタ)アクリル重合体Bは、上述した(メタ)アクリル重合体Aと架橋構造を形成しない。
本発明の粘着シートは、(メタ)アクリル重合体Aに加えて、(メタ)アクリル重合体Bを含有することにより、粘着シートは優れた耐発泡性を発揮する。さらに、(メタ)アクリル重合体Aと(メタ)アクリル重合体Bを上述の分子量とした上で併用することで、各重合体の相溶性が向上し粘着シートは、被着体に対して優れた密着性を示す。このように、本発明においては、異種の(メタ)アクリル重合体を含有させることで、粘着シートの耐発泡性と密着性を高いレベルで両立することができる。
(メタ)アクリル重合体Bの重量平均分子量は、3000以上であることが好ましく、3200以上であることがより好ましく、3500以上であることがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル重合体Bの重量平均分子量は、10000以下であればよく、9000以下であることがより好ましく、8000以下であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル重合体Bの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、分子量が既知である標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を用いて換算して求めた値である。(メタ)アクリル重合体Bとしては、市販のものを用いてもよく、公知の方法により合成したものを用いてもよい。
(メタ)アクリル重合体Bのガラス転移温度は、20℃以上であることが好ましく、30℃以上であることがより好ましく、40℃以上であることがさらに好ましい。また、(メタ)アクリル重合体Bのガラス転移温度は、120℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましく、90℃以下であることがさらに好ましい。(メタ)アクリル重合体Bのガラス転移温度を上記範囲内とすることにより、被着体に対する粘着シートの密着性を高めることができ、さらに、粘着シートの耐発泡性をより効果的に高めることができる。
(メタ)アクリル重合体Bは、環構造を有するモノマーに由来する単位を含むことが好ましく、脂環を有するモノマーに由来する単位を含むことがより好ましい。また、(メタ)アクリル重合体Bが脂環を有するモノマーに由来する単位を含む場合、脂環を構成する炭素数は6以上であることが好ましい。炭素数が6以上の脂環としては、例えば、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロノナン、シクロデカン、シクロウンデカン、シクロドデカン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン等が挙げられる。なお、脂環はスピロ構造を有するものであってもよい。また、上述した脂環はさらに置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、アルキル基、アルケニル基、アシル基、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、脂環基、シアノ基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基、アミノ基、(メタ)アクリロイル基等から選択される置換可能な置換基を挙げることができる。
脂環を有するモノマーとしては、例えば、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等を好ましく用いることができる。
(メタ)アクリル重合体Bが、環構造を有するモノマーに由来する単位を含む場合、環構造を有するモノマーに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル重合体Bの全質量に対して、5質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。また、環構造を有するモノマーに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル重合体Bの全質量に対して、60質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることが好ましい。環構造を有するモノマーに由来する単位の含有量を上記範囲内とすることにより、アクリル重合体Aとアクリル重合体Bとの相溶性を高め、さらに粘着シートと被着体の密着性を高めることができる。
(メタ)アクリル重合体Bは、さらにアルキル(メタ)アクリレートに由来する単位を含有していてもよい。アルキル(メタ)アクリレートの例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル重合体Bは、メチル(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル重合体Bの全質量に対して、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。また、アルキル(メタ)アクリレートに由来する単位の含有量は、(メタ)アクリル重合体Bの全質量に対して、95質量%以下であることが好ましく、90質量%以下であることが好ましい。アルキル(メタ)アクリレートに由来する単位の含有量を上記範囲内とすることにより、アクリル重合体Aとアクリル重合体Bとの相溶性を高め、粘着シートと被着体の密着性を高めることができる。
(メタ)アクリル重合体Bは、必要に応じて、他の単量体単位を有してもよい。他の単量体は、上述したモノマー成分と共重合可能なものであればよく、例えば(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニル、エチルビニルエーテル等が挙げられる。(メタ)アクリル重合体Bにおける他の単量体単位の含有量は10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
粘着剤組成物中における(メタ)アクリル重合体Bの含有量は、(メタ)アクリル重合体A100質量部に対して1質量部以上であればよく、1.5質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましい。また、粘着剤組成物中における(メタ)アクリル重合体Bの含有量は、(メタ)アクリル重合体A100質量部に対して20質量部以下であることが好ましい。また、粘着シート中における(メタ)アクリル重合体Bの含有量も上記範囲内であることが好ましい。(メタ)アクリル重合体Bの含有量を上記範囲内とすることにより、被着体に対する粘着シートの密着性を高めることができ、さらに、粘着シートの耐発泡性をより効果的に高めることができる。
<多官能アクリレート>
本発明の粘着シートは、一分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ有する多官能アクリレートを含有する。多官能アクリレートにおいて、2つの(メタ)アクリロイル基は一分子中の両末端に位置することが好ましい。
多官能アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレンジアクリレート、アルキルジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ジオキサンジアクリレート、トリシクロデカノールジアクリレート、フルオレンジアクリレート等を挙げることができる。
多官能アクリレートは、1分子内にアルキレングリコール基を有する多官能アクリレートであってもよい。この場合、1分子中におけるアルキレングリコール基の数は1~20であることが好ましく、1~10であることがより好ましい。このような多官能アクリレートとしては、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンプロピレンオキサイド変性トリアクリレート等が挙げられる。
多官能アクリレートとして、市販品を使用できる。市販品の例としては、新中村化学製の二官能モノマーA-400(ポリエチレングリコール#400ジアクリレート)、二官能モノマーA-200(ポリエチレングリコール#200ジアクリレート)、東亞合成社製のM-211B(ビスフェノールA EO 変性ジアクリレート)、共栄社化学製のライトアクリレート1.6HX-A(1.6-ヘキサンジオールジアクリレート)、ライトアクリレートDCP-A(ジメチロール-トリシクロデカンジアクリレート)等が挙げられる。
多官能アクリレートは、粘着シート中においては、上述した(メタ)アクリル重合体と架橋構造を構成している。なお、粘着剤組成物中における多官能アクリレートの含有量は(メタ)アクリル重合体A100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.10質量部以上であることがさらに好ましく、0.15質量部以上であることが一層好ましく、0.20質量部以上であることが特に好ましい。また、粘着剤組成物中における多官能アクリレートの含有量は(メタ)アクリル重合体A100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。多官能アクリレートの含有量を上記範囲内とすることにより、粘着シートの硬度を高めることができ、粘着シートの耐久性や加工性を高めることができる。
<(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物>
本発明の粘着シートは、(メタ)アクリロイル基を有する化合物であって、活性水素を有する官能基と反応する化合物を含有する。該化合物は、(メタ)アクリロイル基に加えて、活性水素を有する官能基と反応する基を有する。
本明細書において、上記化合物が反応し得る活性水素を有する官能基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基、チオール基等が挙げられる。すなわち、本発明の粘着シートに含まれる(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基又はチオール基と反応する基を有している。具体的には、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基又はチオール基と反応して、架橋構造を形成する。
上述したとおり、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基又はチオール基と反応する基を有している。このような基としては、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボジイミド基、シラノール基等を挙げることができる。また、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基又はチオール基と反応する金属キレート構造を有するものであってもよい。すなわち、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物は金属イオンとキレートを形成する官能基を有するものであってもよい。
(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸2-イソシアナトエチル、2-(2-メタクリロイルオキシエチルオキシ)エチルイソシアナート、(メタ)アクリル酸グリシジル等が挙げられる。市販品としては、例えば、昭和電工製(MOI:メタクリル酸2イソシアナトエチル)や東京化成工業製(GMA:メタクリル酸グリシジル)等を用いることができる。
粘着剤組成物中における、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物の含有量は(メタ)アクリル重合体A100質量部に対して、0.01質量部以上であることが好ましく、0.05質量部以上であることがより好ましく、0.10質量部以上であることがさらに好ましく、0.15質量部以上であることが特に好ましい。また、粘着剤組成物中における、(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物の含有量は(メタ)アクリル重合体A100質量部に対して、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましい。該化合物の含有量を上記範囲内とすることにより、粘着シートの硬度を高めることができ、粘着シートの耐久性や加工性を高めることができる。
<光重合開始剤>
粘着剤組成物は、光重合開始剤を含有するものであることが好ましい。光重合開始剤は、活性エネルギー線の照射により多官能アクリレートの重合を開始させるものである。ここで、「活性エネルギー線」とは電磁波または荷電粒子線の中でエネルギー量子を有するものを意味し、紫外線、電子線、可視光線、X線、イオン線等が挙げられる。中でも、汎用性の点から、紫外線または電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。
光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、2,2-ジメトキシー2-フェニルアセトフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシル-フェニルケトン、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-ヘニルプロパノン、1-[4-(2-ヒドロキシエトキシル)-フェニル]-2-ヒドロキシ-メチルプロパノン、2-ヒドロキシ-1-(4-(4-(2-ヒドロキシ-2-メチルプロピオニル)ベンジル)フェニル)-2-メチル-1-プロパノン等のアセトフェノン系光重合開始剤、2,4,6-トリメチルベンゾイル-ジフェニルフォスフィンオキサイドや、2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、ベンゾイルギ酸メチルや4メチルベンゾフェノン等の分子内水素引き抜き型光重合開始剤の他、オキシムエステル系光重合開始剤やカチオン系光重合開始剤などの油溶性重合開始剤を挙げることができる。中でも、光重合開始剤は、アセトフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤及びオキシムエステル系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
このようなアセトフェノン系光重合開始剤の市販品としては、EsacureOne(オリゴ(2-ヒドロキシ-2-メチルー1-[4-(1-メチルビニル)フェニルプロパノン]、IGM RESINS B.V.製光開始剤)、Omnirad651(2,2-ジメトキシー2-フェニルアセトフェノン、IGM RESINS B.V.社製)、Omnirad184(1-ヒドロキシシクロヘキシルーフェニルケトン、IGM RESINS B.V.社製)、Omnirad1173(2-ヒドロキシー2-メチルー1-フェニルプロパノン、IGM RESINS B.V.社製)IGM RESINS B.V.IGM RESINS B.V.等が挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としてはOmnirad 819(ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド IGM RESINS B.V.社製)やOmnirad TPO(2,4,6-トリメチルベンゾイルージフェニルフォスフィンオキサイド IGM RESINS B.V.社製)等が挙げられる。また、オキシムエステル系光重合開始剤の市販品としては、Irgacure OXE01(1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-,2-(o-ベンゾイルオキシム) BASF社製)Irgacure OXE02(エタノン,1-[9-エチルー6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾールー3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム) BASF社製)等が挙げられる。
粘着剤組成物中の光重合開始剤の含有量は、(メタ)アクリル重合体A100質量部に対して、0.01~10質量部であることが好ましく、0.1~5質量部であることがより好ましい。光重合開始剤の含有量を上記範囲内とすることにより、粘着シートの硬度を高めることができ、粘着シートの耐久性や加工性を高めることができる。
<他の成分>
粘着剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、粘着剤用の添加剤として公知の成分を挙げることができる。例えば可塑剤、酸化防止剤、金属腐食防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系化合物等の光安定剤、シランカップリング剤、架橋剤(上述した(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物を除く)等の中から必要に応じて選択できる。また、着色を目的に染料や顔料を添加してもよい。
可塑剤としては、例えば無官能基アクリル重合体を用いてもよい。無官能基アクリル重合体としては、アクリレート基以外の官能基を有しないアクリル単量体単位のみからなる重合体や、アクリレート基以外の官能基を有しないアクリル単量体単位と官能基を有しない非アクリル単量体単位とからなる重合体を挙げることができる。無官能基アクリル重合体は架橋しないため、粘着性に影響を与えずに段差追従性を高めることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
金属腐食防止剤としては、粘着剤の相溶性や効果の高さから、ベンゾトリアゾール系樹脂を好ましい例として挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物、トリアジン系化合物などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプト基を含有するメルカプト系シランカップリング剤や、エポキシ基を有するエポキシ系シランカップリング剤、ビニル基を有するビニル系シランカップリング剤等が挙げられる。ビニル系シランカップリング剤としては3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、8-メタクリロキシオクチルトリメトキシシランなどが例示できる。
また、粘着剤組成物は、架橋剤(上述した(メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物を除く)を含有していてもよい。架橋剤としては、例えばイソシアネート化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、アジリジン化合物、金属キレート化合物、ブチル化メラミン化合物などの公知の架橋剤が挙げられる。
さらに、粘着剤組成物には、溶剤が含まれていてもよい。この場合、溶剤は、粘着剤組成物の塗工適性の向上のために用いられる。溶剤としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類;ジクロロメタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ジクロロプロパン等のハロゲン化炭化水素類;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酪酸エチル等のエステル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセタート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート等のポリオール及びその誘導体が挙げられる。
<粘着シート>
本発明は、上述した粘着剤組成物を硬化させてなる粘着シートに関するものでもある。本発明の粘着シートは、上述した粘着剤組成物を光硬化してなるものであることが好ましい。すなわち、本発明の粘着シートを形成する際には、粘着剤組成物に活性エネルギー線を照射して、硬化反応を行うことが好ましい。活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、可視光線、X線、イオン線等が挙げられる。中でも、汎用性の点から、紫外線または電子線が好ましく、紫外線が特に好ましい。
本実施形態における粘着シートにおいては、周波数1Hz、かつ測定温度20~120℃における貯蔵弾性率(G’)の平均値をPとし、周波数1Hz、かつ測定温度20~120℃における貯蔵弾性率(G’)の最小値もしくは最大値をQとした場合、(Q-P)/P×100の絶対値が50%以下であることが好ましく、45%以下であることがより好ましく、40%以下であることがさらに好ましく、35%以下であることが特に好ましい。なお、(Q-P)/P×100の絶対値の下限値は0%であってもよい。本明細書においては、(Q-P)/P×100を温度20~120℃における貯蔵弾性率(G’)の変化率(%)とも呼ぶ。
20℃から120℃まで2℃毎に測定した貯蔵弾性率G’の平均値は1.0×10~1.0×10Paであることが好ましい。
本発明の粘着シートは、粘着剤層のみから構成される粘着シートであることが好ましく、両面粘着シートであることが好ましい。両面粘着シートとしては、粘着剤層からなる単層の粘着シート、粘着剤層を複数積層した多層の粘着シート、粘着剤層と粘着剤層の間に他の粘着剤層を積層した多層の粘着シートが挙げられる。なお、本発明の粘着シートは、粘着剤層と粘着剤層の間に支持体を積層した多層の粘着シートであってもよい。両面粘着シートが支持体を有する場合、支持体として透明な支持体を用いたものが好ましい。支持体としては、透明基材と同様に光学分野に用いられる一般的なフィルムを用いることができる。このような両面粘着シートは、粘着シート全体としての透明性にも優れることから、光学部材同士の接着に好適に用いることができる。
本発明は、粘着シートの両表面に剥離シートを備える剥離シート付き粘着シートに関するものであってもよい。本発明の粘着シートの両表面に剥離シートが備えられている場合、図1に示されるように剥離シート付き粘着シート10は、粘着剤層11の両表面に剥離シート12a及び12bを有することが好ましい。
剥離シートとしては、剥離シート用基材とこの剥離シート用基材の片面に設けられた剥離剤層とを有する剥離性積層シート、あるいは、低極性基材としてポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。
剥離性積層シートにおける剥離シート用基材には、紙類、高分子フィルムが使用される。剥離剤層を構成する剥離剤としては、例えば、汎用の付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が用いられる。特に、反応性が高い付加型シリコーン系剥離剤が好ましく用いられる。
シリコーン系剥離剤としては、具体的には、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24-4527、SD-7220等や、信越化学工業(株)製のKS-3600、KS-774、X62-2600などが挙げられる。また、シリコーン系剥離剤中にSiO単位と(CHSiO1/2単位あるいはCH=CH(CH)SiO1/2単位を有する有機珪素化合物であるシリコーンレジンを含有することが好ましい。シリコーンレジンの具体例としては、東レ・ダウコーニングシリコーン社製のBY24-843、SD-7292、SHR-1404等や、信越化学工業(株)製のKS-3800、X92-183等が挙げられる。
剥離性積層シートとして、市販品を用いてもよい。例えば、帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである重セパレータフィルムA71や、帝人デュポンフィルム(株)製の離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムである軽セパレータフィルムA38STを挙げることができる。
剥離シート付き粘着シートは、粘着シートの両表面に剥離力が互いに異なる1対の剥離シートを有することが好ましい。すなわち、剥離シートは、剥離しやすくするために、剥離シート12aと剥離シート12bとの剥離性を異なるものとすることが好ましい。一方からの剥離性と他方からの剥離性とが異なると、剥離性が高い方の剥離シートだけを先に剥離することが容易となる。その場合、貼合方法や貼合順序に応じて剥離シート12aと剥離シート12bの剥離性を調整すればよい。
粘着シートの厚みは、用途に応じて適宜設定でき、特に限定されないが、5~1000μmであることが好ましく、8~500μmであることがより好ましく、10~300μmであることが特に好ましい。粘着シートの厚みを上記範囲内とすることにより、粘着性能を維持しつつ粘着剤のはみ出しやべたつきを抑制することができるため加工性を高めることができる。さらに、粘着剤層の厚さを上記範囲内とすることにより、両面粘着シートの製造が容易となる。
<粘着シートの製造方法>
本発明の粘着シートの製造方法は、剥離シート上に粘着剤組成物を塗工して塗膜を形成する工程と、この塗膜に活性エネルギー線を照射する工程を含むことが好ましい。なお、粘着剤組成物に溶剤が含まれる場合は加熱工程を含むことも好ましい。加熱工程では溶剤を除去すると同時に、塗膜の加熱により、粘着剤層を形成してもよい。その場合の乾燥温度は100℃以下でかつ、加熱時間は5分以下であることが望ましい。
粘着剤組成物の塗工は、公知の塗工装置を用いて実施できる。塗工装置としては、例えば、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ロッドブレードコーター、リップコーター、ダイコーター、カーテンコーター等が挙げられる。
塗膜に活性エネルギー線を照射する工程では、積算光量が100~10000mJ/cmとなるように活性エネルギー線を照射することが好ましく、500~5000mJ/cmとなるように活性エネルギー線を照射することがより好ましい。塗膜に活性エネルギー線を照射する工程では、活性エネルギー線を2段階で照射してもよい。例えば、1段階目に比べて2段階目の照射強度を高めることもできる。このような2段階照射を行うことにより、得られる粘着シートに含まれるポリマーの分子量を調整しやすくなったり、セパレーター等の熱収縮等を抑制することができる。
<粘着シートの用途>
本発明の粘着シートは、光学部材貼合用であることが好ましい。光学部材としては、タッチパネルや画像表示装置等の光学製品における各構成部材を挙げることができる。タッチパネルの構成部材としては、例えば透明樹脂フィルムにITO膜が設けられたITOフィルム、ガラス板の表面にITO膜が設けられたITOガラス、透明樹脂フィルムに導電性ポリマーをコーティングした透明導電性フィルム、ハードコートフィルム、耐指紋性フィルムなどが挙げられる。画像表示装置の構成部材としては、例えば液晶表示装置に用いられる反射防止フィルム、配向フィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルムなどが挙げられる。また、本発明の粘着シートは、液晶モジュールとタッチパネルモジュールなどのモジュール同士の貼合に用いられてもよい。
これらの部材に用いられる材料としては、ガラス、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンナフタレート、シクロオレフィンポリマー、トリアセチルセルロース、ポリイミド、セルロースアシレートなどが挙げられる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
((メタ)アクリル重合体Aの合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却管、温度計を備えた2Lフラスコにアクリル酸ブチル600g、アクリル酸4ヒドロキシブチル300g、メタクリル酸シクロヘキシル100g、n-ドデシルメルカプタン0.4gを投入し、窒素流量300ml/minで60分間窒素置換した後、窒素流量を100ml/minまで下げ、ウォーターバスにて65℃まで昇温し加熱した。次いで、AIBN0.15gを投入し、発熱を制御しながら30分間反応させ、その後冷却した。その後、上述したアクリルモノマーを60:30:10の比率でフラスコに投入し、加熱残分が30%となるよう調整した。このようにして、(メタ)アクリル重合体Aを含むシロップAを得た。なお、GPC測定の結果、(メタ)アクリル重合体Aの重量平均分子量は40万であった。
((メタ)アクリル重合体Bの合成)
攪拌機、窒素導入管、冷却管、温度計を備えた2Lフラスコにメタクリル酸メチル300g、メタクリル酸ジシクロペンタニル200g、n-ドデシルメルカプタン35g、酢酸エチル300g、メチルエチルケトン200gを投入し、窒素流量300ml/minで60分間窒素置換した後、窒素流量を100ml/minまで下げ、ウォーターバスにて70℃まで昇温し加熱した。次いで、AIBN0.4gを投入し、発熱を制御しながら3時間反応後、さらにAIBNを0.6g追加して4時間反応させた。このようにして、(メタ)アクリル重合体Bを含む樹脂溶液Bを得た。樹脂溶液BをGPC測定した結果、(メタ)アクリル重合体Bの重量平均分子量は4,800であった。
(粘着シートの作製)
樹脂溶液Bを金属バットに流し込み、乾燥機温度120℃にて2時間乾燥し、溶媒を除去したものを、シロップA100gに対し5g溶解させた。その後、DKSH製光開始剤(EsacureOne)0.5g、新中村化学製多官能アクリレート(A-200)0.3g、昭和電工社製カレンズMOI(メタクリル酸2イソシアナトエチル)0.15gを添加し攪拌脱泡したものを粘着剤組成物(塗工液)として準備した。塗工液をシリコーン離型剤が塗布された50μmポリエステルフィルム上に、粘着剤層の厚みが100μmになるよう塗工し、さらにその上に、シリコーン離型剤が塗布された50μmポリエステルフィルムを重ねた。その後、ケミカルランプにて7mW/cmの光強度で2分間照射した後、高圧水銀ランプにて積算光量が1500mJ/cmとなるよう照射し、60℃で2日間養生することで実施例1の粘着シートを得た。
(実施例2)
実施例1の((メタ)アクリル重合体Aの合成)におけるモノマーの組成を表1となるよう変更し、実施例1の((メタ)アクリル重合体Bの合成)において、n-ドデシルメルカプタンの添加量を25gに変更した。さらに、実施例1の(粘着シートの作製)において、樹脂溶液Bを金属バットに流し込み、乾燥機温度120℃にて2時間乾燥し、溶媒を除去したものを、シロップA100gに対し3g溶解させた後、DKSH製光開始剤(EsacureOne)0.5g、東亞合成社製M-211B(2官能アクリレート)0.4g、東京化成工業製メタクリル酸グリシジル0.2gを添加し攪拌脱泡したものを粘着剤組成物(塗工液)として準備した。該粘着剤組成物(塗工液)を用いて、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例3)
実施例1の((メタ)アクリル重合体Aの合成)におけるモノマーの組成を表1となるよう変更し、実施例1の((メタ)アクリル重合体Bの合成)において、n-ドデシルメルカプタンの添加量を42gに変更した。さらに、実施例1の(粘着シートの作製)において、樹脂溶液Bを金属バットに流し込み、乾燥機温度120℃にて2時間乾燥し、溶媒を除去したものを、シロップA100gに対し10g溶解させた後、DKSH製光開始剤(EsacureOne)0.5g、新中村化学製多官能アクリレート(A-200)0.1g、昭和電工社製カレンズMOI(メタクリル酸2イソシアナトエチル)0.2gを添加し攪拌脱泡したものを粘着剤組成物(塗工液)として準備した。該粘着剤組成物(塗工液)を用いて、実施例1と同様にして粘着シートを得た。
(実施例4)
実施例1の((メタ)アクリル重合体Aの合成)におけるモノマーの組成を表1となるよう変更し、(メタ)アクリル重合体Aの合成においてn-ドデシルメルカプタンの添加量を0.2gに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(塗工液)と粘着シートを得た。
(比較例1)
実施例1の(粘着シートの作製)において、多官能アクリレート(A-200)の添加量を0.4gとし、MOI(メタクリル酸2イソシアナトエチル)を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(塗工液)と粘着シートを得た。
(比較例2)
実施例1の(粘着シートの作製)において、多官能アクリレート(A-200)を添加せず、MOI(メタクリル酸2イソシアナトエチル)の添加量を0.4gに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(塗工液)と粘着シートを得た。
(比較例3)
実施例1の(粘着シートの作製)において、多官能アクリレート(A-200)に代えて東亞合成社製4官能アクリレートM-408を0.4g添加した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(塗工液)と粘着シートを得た。
(比較例4)
実施例1の((メタ)アクリル重合体Aの合成)におけるモノマーの組成を表1となるよう変更し、実施例1の(粘着シートの作製)において、多官能アクリレート(A-200)の添加量を0.2gに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(塗工液)と粘着シートを得た。
(比較例5)
実施例1の((メタ)アクリル重合体Aの合成)におけるモノマーの組成を表1となるよう変更し、実施例1の((メタ)アクリル重合体Bの合成)におけるモノマーの組成を表1となるよう変更し、かつ、n-ドデシルメルカプタンの添加量を25gに変更した。さらに、実施例1の(粘着シートの作製)において、MOI(メタクリル酸2イソシアナトエチル)の添加量を0.12gに変更した以外は、実施例1と同様にして粘着剤組成物(塗工液)と粘着シートを得た。
(測定)
(貯蔵弾性率の測定)
粘着シートをセパレーター(ポリエステルフィルム)から剥離し、厚みが1000μmになるよう積層した。その後、積層した粘着シートをオートクレーブにて30℃、0.5MPa、10分間加圧し測定サンプルを得た。アントンパール社製MCR301を用い、プローブ径8mm、温度範囲20~120℃、昇温速度5℃/min、ひずみ量0.1%、周波数1Hzにて測定サンプルの貯蔵弾性率G’を測定した。
得られたG’は20℃から120℃まで2℃毎にその値(温度Tn時のG’n)を読み取り、下記の式にて平均貯蔵弾性率Pを算出した。
平均貯蔵弾性率 P=(G’1+G’2+・・・・G‘n)/n(Pa)
なお、上記式において、n(Pa)は、貯蔵弾性率G’を測定した個数である。
また、貯蔵弾性率が最小値もしくは最大値Qを読み取り、そのQ値とP値(平均貯蔵弾性率P)の差がもっとも大きい場合において、(Q-P)/P×100(%)の絶対値(貯蔵弾性率の変化率)を算出した。
貯蔵弾性率の最大値もしくは最小値Q=G’max(min)
貯蔵弾性率の変化率(%)=|(Q-P)/P×100|=|(G’max(min)-P)/P×100|
((メタ)アクリル重合体Bのガラス転移温度の測定)
(メタ)アクリル重合体Bのガラス転移温度の測定にはセイコーインスツル製DSC6200を用いた。リファレンスはアルミナ10mgとし、直径5mmのサンプル用アルミパンに樹脂溶液Bの溶剤除去品を10mg程度入れ、窒素流量50ml/minの環境下にて昇温速度10℃/minで0℃~150℃まで昇温させた。その際に、比熱が変化する変曲点を(メタ)アクリル重合体Bのガラス転移温度として読み取った。
(評価)
(密着性・耐発泡性評価)
実施例及び比較例で得られた粘着シートの片面のセパレーター(ポリエステルフィルム)を剥離し、ガラス板(マツナミS91125 幅52mm、長さ76mm、厚み1mm)と同サイズになるようカットし、貼合した。もう片面のセパレーター(ポリエステルフィルム)を剥離し、ポリカーボネート(三菱社製MR58、幅55mm、長さ80mm、厚み1mm)と貼りあわせ、オートクレーブにて温度30℃、圧力0.5MPaの環境下で30分間処理した後、大気圧、室温環境下にて1日静置した。被着体と粘着シートからなる積層体を、温度85℃、相対湿度85%に調整された恒温恒湿機内部に設置し、6時間後に観察し、剥離および気泡が発生しているか目視観察した。
<剥離確認(密着性評価)>
○:粘着シートの被着体からの剥離面積が10%未満
△:粘着シートの被着体からの剥離面積が10%以上30%未満
×:粘着シートの被着体からの剥離面積が30%以上
<発泡性確認(耐発泡性評価)>
○:目視で確認できる粘着シート中の気泡の数が10個未満
△:目視で確認できる粘着シート中の気泡の数が10個以上20個未満
×:目視で確認できる粘着シート中の気泡の数が20個以上
Figure 2022069221000002
BA:アクリル酸ブチル
4HBA:アクリル酸4ヒドロキシブチル
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
MMA:メタクリル酸メチル
DCPMA:メタクリル酸ジシクロペンタニル
A-200:ポリエチレングリコール#400ジアクリレート(新中村化学)
M-211B:ビスフェノールA EO 変性ジアクリレート(東亞合成)
M-408:ジメチロールプロパンテトラアクリレート(東亞合成)
MOI:メタクリル酸2イソシアナトエチル(昭和電工)
GMA:メタクリル酸グリシジル(東京化成工業製)
実施例で得られた粘着シートは被着体に対して優れた密着性と耐発泡性を示した。
10 剥離シート付き粘着シート
11 粘着剤層
12a 剥離シート
12b 剥離シート

Claims (11)

  1. 水酸基を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位を有し、かつ重量平均分子量が10000より大きい(メタ)アクリル重合体Aと、
    重量平均分子量が10000以下である(メタ)アクリル重合体Bと、
    一分子中に(メタ)アクリロイル基を2つ有する多官能アクリレートと、
    (メタ)アクリロイル基を有し、かつ活性水素を有する官能基と反応する化合物と、を有する粘着剤組成物。
  2. 前記化合物が反応する活性水素を有する官能基は、イソシアネート基又はエポキシ基である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. 前記(メタ)アクリル重合体Aは、環構造を有する(メタ)アクリルモノマーに由来する単位をさらに有する、請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. 前記(メタ)アクリル重合体Bのガラス転移温度が20~120℃である、請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  5. 前記(メタ)アクリル重合体Bは、脂環を有するモノマーに由来する単位を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  6. 前記(メタ)アクリル重合体Bは、脂環を有するモノマーに由来する単位を含み、前記脂環を構成する炭素数は6以上である、請求項1~5のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  7. 前記(メタ)アクリル重合体Bは、官能基を実質的に有さない、請求項1~6のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  8. 前記多官能アクリレートにおいて、2つの(メタ)アクリロイル基は両末端に位置する、請求項1~7のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  9. 光重合開始剤をさらに含み、前記光重合開始剤が、アセトフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤及びオキシムエステル系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1~8のいずれか1項に記載の粘着剤組成物。
  10. 請求項1~9のいずれか1項に記載の粘着剤組成物を硬化させてなる粘着シート。
  11. 周波数1Hz、かつ測定温度20~120℃における貯蔵弾性率(G’)の平均値をPとし、周波数1Hz、かつ測定温度20~120℃における貯蔵弾性率(G’)の最小値もしくは最大値をQとした場合、(Q-P)/P×100の絶対値が50%以下である、請求項10に記載の粘着シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024190806A1 (ja) * 2023-03-14 2024-09-19 王子ホールディングス株式会社 光学部材用粘着シート、剥離シート付粘着シート及び積層体

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