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JP2022055544A - 車両用空調装置及び車両用空調方法 - Google Patents

車両用空調装置及び車両用空調方法 Download PDF

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JP2022055544A JP2020163016A JP2020163016A JP2022055544A JP 2022055544 A JP2022055544 A JP 2022055544A JP 2020163016 A JP2020163016 A JP 2020163016A JP 2020163016 A JP2020163016 A JP 2020163016A JP 2022055544 A JP2022055544 A JP 2022055544A
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Abstract

【課題】電力の消費を抑えつつ車室への外気の取り込みを行うことが可能な車両用空調装置及び車両用空調方法を提供する。【解決手段】車両用空調装置400において、室内空調ファン21は、車室910から取り込まれた還気RAが再び車室910に戻る還気気流を形成し、かつ外気FAを第1外気流入口63から取り込み、取り込んだ外気FAを還気気流に合流させることにより車室910に供給する。給気ファン41は、第2外気流入口65から取り込んだ外気FAを室内機室51に供給する。制御装置300は、給気ファン41を停止させた状態で室内空調ファン21によって外気FAを車室910に供給する第1外気取り込みモードと、給気ファン41及び室内空調ファン21によって外気FAを車室910に供給することにより、車室910の気圧を第1外気取り込みモードの場合よりも高める第2外気取り込みモードとの間での切り換えを行う。【選択図】図1

Description

本開示は、車両用空調装置及び車両用空調方法に関する。
特許文献1に開示されているように、車室に外気を取り込む給気ファンを備える車両用空調装置が知られている。給気ファンは、空気調和された空気を車室に送り込む室内空調ファンとは別途に設けられる。
給気ファンは、車両がトンネルを通過する際に、車室に外気を強制的に供給することにより車室の気圧を高める。これにより、車両がトンネルを通過する際における車室の気圧の変動が抑えられる。このため、車室の乗客が耳に違和感を覚えにくい。
特許文献2は、車両がトンネル以外の場所を運行する期間にも、上記給気ファンによって車室に外気を供給し続けることにより、車室を換気する技術を提案している。これにより、車室における二酸化炭素の濃度の上昇が抑えられる。
特開平07-172308号公報 特開2000-6800号公報
室内空調ファンとは別途に、給気ファンを常時に作動し続ける場合、車両用空調装置において多くの電力が消費されることとなる。
本開示の目的は、電力の消費を抑えつつ車室への外気の取り込みを行うことが可能な車両用空調装置及び車両用空調方法を提供することである。
上記目的を達成するために、本開示に係る車両用空調装置は、
各々車両の車室に通じる還気流入口及び給気口、並びに前記車両の外部に通じる第1外気流入口が形成された室内機室と、前記外部に通じる第2外気流入口が形成され、かつ前記室内機室に連通している外気流入室とを有する筐体と、
前記筐体の前記室内機室に配置され、前記還気流入口を通じて前記車室から取り込まれた還気が、前記給気口を通じて再び前記車室に戻る還気気流を前記室内機室に形成し、かつ前記外部の空気である外気を前記第1外気流入口から取り込み、取り込んだ前記外気を前記還気気流に合流させることにより前記車室に供給する室内空調ファンと、
前記筐体の前記室内機室における前記還気気流が通過する位置に配置され、前記還気と熱交換する室内熱交換器と、
前記筐体の前記外気流入室に配置され、前記第2外気流入口から前記外気を取り込み、取り込んだ前記外気を、前記外気流入室から前記室内機室に送り込む給気ファンと、
前記給気ファンを停止させた状態で前記室内空調ファンによって前記外気を前記車室に供給する第1外気取り込みモードと、前記給気ファン及び前記室内空調ファンによって前記外気を前記車室に供給することにより、前記車室の気圧を前記第1外気取り込みモードの場合よりも高める第2外気取り込みモードとの間での切り換えを行う制御装置と、
を備える。
上記構成によれば、制御装置が第1外気取り込みモードと第2外気取り込みモードとの間での切り換えを行うので、第1外気取り込みモードが保持される期間が存在する。そして、第1外気取り込みモードでは、室内空調ファンが外気を車室に供給する役割を兼ね、給気ファンは停止されるので、給気ファンによる電力の消費を回避できる。このように給気ファンが停止される期間が確保される結果、電力の消費を抑えつつ車室への外気の取り込みを行うことが可能となる。
実施形態1に係る車両用空調装置の構成を示す概念図 実施形態1に係る第1外気取り込みモードにおける空気の流れを示す概念図 実施形態1に係る第2外気取り込みモードにおける空気の流れを示す概念図 実施形態1に係る制御装置の機能を示す概念図 実施形態1に係るモード切り換え制御のフローチャート 実施形態1に係る昇圧開始判定のフローチャート 実施形態2に係る昇圧開始判定のフローチャート 実施形態3に係る車両用空調装置の構成を示す概念図 実施形態4に係る第1空調装置の構成を示す概念図 実施形態5に係る第1空調装置の構成を示す概念図
以下、図面を参照し、車両が鉄道車両である場合を例に挙げて、実施形態に係る車両用空調装置について述べる。図中、同一又は対応する部分に同一の符号を付す。
[実施形態1]
図1に示すように、本実施形態に係る車両用空調装置400は、鉄道車両900に設けられる。そこで、まず、鉄道車両900について説明する。鉄道車両900は、人が乗るために画定された車室910を内部に有する。車室910は、具体的には、乗客を収容するための客室である。
また、鉄道車両900は、各々車室910に通じる給気ダクト920及び排気ダクト930を備える。排気ダクト930は、車室910の空気を還気RAとして車室910の外へと案内する。給気ダクト920は、空気調和された還気RAと、鉄道車両900の外部の新鮮な空気(以下、外気という)FAとを、給気SAとして車室910に案内する。
本実施形態では、鉄道車両900は、新幹線に代表される高速車両である。本明細書において“高速車両”とは、時速200km/h以上の速度で走行可能な車両を指す。
鉄道車両900が高速でトンネルに突入した際、車室910に気圧の変動が生じやすい。車室910の気圧の変動は、乗客の耳に不快感を与える。また、鉄道車両900は、一般の在来線よりも気密性の高い車体構造を有する一方で、一般の在来線ほどは頻繁に駅に停車する訳ではないので、車室910の自然な換気が行われにくい。
そこで、本実施形態に係る車両用空調装置400は、車室910を空気調和する空調機能のみならず、車室910が気圧の変動を受けやすい状況が到来する前に、予め車室910を昇圧しておくことで車室910の気圧の変動を抑える昇圧機能と、昇圧機能とは別に車室910を換気する通常換気機能とを有する。
具体的には、車両用空調装置400は、上述した空調機能、昇圧機能、及び通常換気機能の3つを有する第1空調装置100と、上述した空調機能、昇圧機能、及び通常換気機能のうちの空調機能のみを有する第2空調装置200と、第1空調装置100及び第2空調装置200を制御する制御装置300とを備える。
第1空調装置100及び第2空調装置200は、高速車両としての鉄道車両900の低重心化を図るために、鉄道車両900の床下部分に設置される。第1空調装置100と第2空調装置200とは、鉄道車両900の長さ方向に離間して配置されている。
以下、第1空調装置100の構成を説明する。第1空調装置100は、冷凍サイクルを構成する空調機30Aと、外気FAの取り込み及び 還気RAの排出を行う給排気機40と、それら空調機30A及び給排気機40を収容する筐体50Aとを有する。
筐体50Aは、車室910に通じる室内機室51を有する。室内機室51には、各々車室910に通じる還気流入口61及び給気口62が形成されている。還気流入口61には、排気ダクト930が接続され、給気口62には、給気ダクト920が接続されている。また、室内機室51には、鉄道車両900の外部に通じる第1外気流入口63も形成されている。
また、筐体50Aは、室内機室51に連通している外気流入室53を有する。外気流入室53と室内機室51とを仕切る壁部に連通口64が開口している。その連通口64によって、外気流入室53と室内機室51とが連通している。また、外気流入室53には、鉄道車両900の外部に通じる第2外気流入口65が形成されている。
また、筐体50Aは、室内機室51及び外気流入室53のいずれとも連通していない排気室54を有する。排気室54には、車室910に通じる排気用還気流入口66と、鉄道車両900の外部に通じる排気口67とが形成されている。排気用還気流入口66には、排気ダクト930が接続されている。
また、筐体50Aは、室内機室51、外気流入室53、及び排気室54のいずれとも連通していない室外機室52を有する。図示しないが、室外機室52は、鉄道車両900の外部に通じている。
空調機30Aは、冷媒を圧縮する圧縮機11と、圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器としての室外熱交換器12と、凝縮された冷媒を膨張させる膨張器としての電子膨張弁13と、膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器としての室内熱交換器14とを有する。冷媒の流れを逆転させることにより、室内熱交換器14を凝縮器として機能させ、室外熱交換器12を蒸発器として機能させることもできる。
圧縮機11及び室外熱交換器12は、室外機室52に配置されている。電子膨張弁13及び室内熱交換器14は、室内機室51に配置されている。
また、空調機30Aは、室内機室51に配置された室内空調ファン21を有する。室内空調ファン21は、還気RAと室内熱交換器14との熱交換を促進する。室内熱交換器14が還気RAと熱交換することにより、還気RAの空気調和が実現される。
また、空調機30Aは、室外機室52に配置された室外空調ファン22を有する。室外空調ファン22は、室外熱交換器12の廃熱を外部に放出する。
また、空調機30Aは、室内機室51の第1外気流入口63に取り付けられたダンパ23を備える。ダンパ23は、第1外気流入口63を閉塞する閉状態と、第1外気流入口63からの外気FAの取り込みを許容する開状態との少なくとも2段階に切り換えが可能である。
給排気機40は、外気流入室53に配置された給気ファン41と、排気室54に配置された排気ファン42とを有する。給気ファン41は、車室910を昇圧するために外部から外気FAを取り込む。給気ファン41の最大静圧は、室内空調ファン21の最大静圧よりも高い。一方、排気ファン42は、還気RAの一部を排気EAとして、排気口67から外部に排出する。
次に、第2空調装置200の構成を説明する。第2空調装置200は、冷凍サイクルを構成する空調機30Bと、空調機30Bを収容する筐体50Bとを有する。
空調機30Bの構成は、空調機30Aのダンパ23に相当するものを備えないこと以外は、空調機30Aの構成と同じである。また、筐体50Bの構成は、筐体50Aの第1外気流入口63及び連通口64に相当するものが形成されていないこと以外は、筐体50Aの、室内機室51及び室外機室52を構成する部分と同じである。
制御装置300は、車室910を空気調和するために、第1空調装置100及び第2空調装置200の、圧縮機11、電子膨張弁13、室内空調ファン21、及び室外空調ファン22を制御する。これらを制御することにより、車室910を空気調和する能力、具体的には、車室910を冷房又は暖房する能力を調整できる。
また、制御装置300は、還気RAの一部を排気EAとして外部に排出するために排気ファン42を制御し、かつ外気FAを車室910に取り込むために、室内空調ファン21、ダンパ23、及び給気ファン41を制御する。車室910への外気FAの取り込みと、外部への排気EAの排出とを並行して行うことにより、車室910の換気が実現される。
車室910が換気された状態を保つために、給気ファン41を常時に作動させ続けることも可能ではある。しかし、形成する気流の風量が同じ場合であっても、給気ファン41の方が室内空調ファン21よりも出力が大きく、給気ファン41の消費電力は、室内空調ファン21の消費電力よりも大きい。そのため、給気ファン41を常時に作動させ続けると、車両用空調装置400において多くの電力が消費されることとなる。
そこで、制御装置300は、電力の消費を抑えつつ車室910への外気FAの取り込みを実現するために、第1空調装置100の動作モードを、(i)給気ファン41を停止させた状態で室内空調ファン21に外気FAの取り込みを行わせる第1外気取り込みモードと、(ii)給気ファン41に外気FAの取り込みを行わせる第2外気取り込みモードと、の間で切り換える制御を鉄道車両900の運行中に行う。
第1外気取り込みモードにおいて、上述した通常換気機能が実現され、第2外気取り込みモードにおいて、上述した昇圧機能が実現される。また、第1空調装置100は、第1外気取り込みモード及び第2外気取り込みモードのいずれにおいても、上述した空調機能を実現可能である。
図2に、第1外気取り込みモードにおいて、第1空調装置100の筐体50A内に形成される空気の流れを示す。以下、図2を参照し、第1外気取り込みモードにおける作用を具体的に説明する。
制御装置300は、第1外気取り込みモードでは、室内空調ファン21を作動させた状態に保つ。室内空調ファン21は、還気流入口61を通じて車室910から取り込まれた還気RAが給気口62を通じて再び車室910に戻る還気気流RAFを、室内機室51に形成する。
また、制御装置300は、第1外気取り込みモードでは、ダンパ23を、第1外気流入口63からの外気FAの取り込みを許容する開状態に保つ。室内空調ファン21は、ダンパ23が開状態である場合は、外気FAを第1外気流入口63から取り込み、取り込んだ外気FAを還気気流RAFに合流させることにより車室910に供給する。
なお、室内空調ファン21が形成する還気気流RAFによって、室内機室51が外部よりも気圧の低い負圧状態となる。このため、ダンパ23が開状態である場合は、自ずと外気FAが第1外気流入口63から室内機室51に引き込まれて還気気流RAFに合流し、還気気流RAFと一緒に車室910に流れ込む。
また、制御装置300は、第1外気取り込みモードでは、給気ファン41を停止させた状態を保つ。このため、給気ファン41は、第1外気取り込みモードでは、電力を消費せず、外気FAの取り込みに寄与しない。
但し、第2外気流入口65及び連通口64が常時開口しており、かつ既述のように室内機室51が負圧状態となる。このため、外気FAが、第2外気流入口65及び連通口64を通じて、僅かながら室内機室51に引き込まれ、還気気流RAFに合流する。
また、制御装置300は、第1外気取り込みモードでは、排気ファン42を作動させた状態を保つ。このため、車室910から戻された還気RAの一部が排気EAとして外部に排出される。
以上のように、第1外気取り込みモードでは、室内空調ファン21によって外気FAが車室910に送り込まれつつ、排気ファン42によって還気RAの一部が外部に排出される。これにより、車室910の換気が実現される。制御装置300は、室内空調ファン21及び排気ファン42の回転数を制御することにより、車室910の単位時間当たりの換気量を調整することもできる。
また、制御装置300は、第1外気取り込みモードでは、車室910の気温に基づいて必要に応じて圧縮機11を作動させる。また、制御装置300は、圧縮機11を作動させた状態では、図1に示した室外空調ファン22を作動させ、かつ電子膨張弁13の制御も行う。また、制御装置300は、第1外気取り込みモードでは、図1に示した第2空調装置200にも空調機能を発揮させることができる。
但し、第1外気取り込みモードにおいて、第1空調装置100又は第2空調装置200の圧縮機11を停止させる期間が存在してもよい。
室内熱交換器14は、室内機室51における還気気流RAFが通過する位置に配置されている。このため、第1空調装置100の圧縮機11が作動している場合は、室内熱交換器14が還気RAと熱交換する。このため、第1外気取り込みモードでは、車室910の換気のみならず、車室910の空気調和も実現される。
具体的には、室内熱交換器14が配置されている位置は、第1外気流入口63から流入した外気FAが還気気流RAFと合流する位置、及び第2外気流入口65から流入した外気FAが還気気流RAFと合流する位置のいずれよりも、還気気流RAFの流れの方向に関して下流である。
このため、第1空調装置100の圧縮機11が作動している場合は、第1外気流入口63から流入した外気FA及び第2外気流入口65から流入した外気FAも、室内熱交換器14と熱交換する。このようにして、外気FAを温度調整して車室910に供給することができるので、車室910の気温を快適に保ったまま換気を行える。
図3には、第2外気取り込みモードにおいて、第1空調装置100の筐体50A内に形成される空気の流れを示している。以下、図3を参照し、第2外気取り込みモードにおける作用を説明する。
制御装置300は、第2外気取り込みモードでは、給気ファン41を作動させた状態に保つ。給気ファン41は、第2外気流入口65から外気FAを取り込み、取り込んだ外気FAを、連通口64を通じて外気流入室53から室内機室51に送り込み、かつ給気口62を通じて車室910に供給する。
また、制御装置300は、第2外気取り込みモードでは、排気ファン42も作動させる。このため、車室910の換気が実現される。但し、給気ファン41の最大静圧は、室内空調ファン21の最大静圧よりも高い。このため、第2外気取り込みモードでは、車室910の気圧が第1外気取り込みモードの場合よりも高められる。
また、制御装置300は、第2外気取り込みモードでは、給気ファン41及び排気ファン42の回転数を制御することにより、車室910の気圧を調整することもできる。
なお、既述のように、第2外気流入口65から取り込まれた外気FAも室内熱交換器14を通過する。このため、第2外気取り込みモードにおいて第1空調装置100の圧縮機11が作動している場合は、車室910の気温を快適に保ったまま、車室910を昇圧することができる。
但し、給気ファン41が外気FAを室内機室51に送り込んでいるときは、室内機室51の気圧が、外部の気圧以上に高められうる。そこで、制御装置300は、第2外気取り込みモードでは、ダンパ23を、第1外気流入口63を閉塞する閉状態に保つ。これにより、給気ファン41が室内機室51に送り込んだ外気FAが、第1外気流入口63から外部に漏れ出てしまうことを回避できる。
以上のように、第2外気取り込みモードでは、給気ファン41が外気FAを車室910に送り込むので、必ずしも室内空調ファン21は作動していなくてもよい。但し、停止された室内空調ファン21の存在が、車室910への外気FAの送り込みを妨げる要因となる場合には、第2外気取り込みモードでも、室内空調ファン21を作動させた状態を保つことが好ましい。
次に、以上説明した第1外気取り込みモードと第2外気取り込みモードとの切り換えを行う制御装置300の構成を説明する。
図1に示すように、制御装置300は、プロセッサ300aとメモリ300bとを有する。メモリ300bには、制御プログラム300cが記憶されている。制御プログラム300cは、第1空調装置100の動作モードを切り換えるモード切り換え制御の手順を規定したものである。以下、プロセッサ300aが制御プログラム300cを実行することにより実現されるモード切り換え制御について説明する。
図5に示すように、まず、プロセッサ300aは、鉄道車両900が運行を開始する際、第1空調装置100が第1外気取り込みモードに設定された状態で、車両用空調装置400の運転を開始させる(運転開始ステップS10)。なお、このとき第2空調装置200も起動する。
これにより、第1空調装置100の室内空調ファン21及び排気ファン42によって車室910が換気されつつ、第1空調装置100の空調機30Aと、第2空調装置200の空調機30Bとによって、車室910が空気調和される状態となる。
なお、第1外気取り込みモードでは、室内空調ファン21による外気FAの単位時間当たりの供給量が、排気ファン42による還気RAの単位時間当たりの排出量と同じかそれよりもやや大きく保たれる。
次に、第1空調装置100が第1外気取り込みモードに保たれた状態で、プロセッサ300aが、車室910の気圧の変動をもたらす要因が間もなく発生するか否かの昇圧開始判定を行う(昇圧開始判定ステップS20)。
この昇圧開始判定で、車室910の気圧の変動をもたらす要因が間もなく発生すると判定された場合は(昇圧開始判定ステップS20;YES)、乗客の耳に違和感を与えることを未然に防止すべく、車室910の気圧を高めておく必要がある。そこで、プロセッサ300aは、第1空調装置100を第1外気取り込みモードから第2外気取り込みモードに切り換える(車室昇圧ステップS30)。
具体的には、プロセッサ300aは、ダンパ23を閉状態に切り換え、かつ給気ファン41を起動させる。給気ファン41による外気FAの単位時間当たりの供給量は、排気ファン42による還気RAの単位時間当たりの排出よりも大きいので、車室910の気圧が第1外気取り込みモードの場合よりも高められる。このため、鉄道車両900の外部に車室910の気圧の変動をもたらす要因が発生したときに、乗客が耳に違和感を覚えにくい。
次に、第1空調装置100が第2外気取り込みモードに保たれた状態で、プロセッサ300aが、車室910の気圧の変動をもたらす要因がなくなったか否かの昇圧終了判定を行う(昇圧終了判定ステップS40)。この昇圧終了判定で、車室910の気圧の変動をもたらす要因がなくなっていないと判定された場合は(昇圧終了判定ステップS40;NO)、再び昇圧終了判定ステップS40に戻る。
一方、昇圧終了判定で、車室910の気圧の変動をもたらす要因がなくなったと判定された場合は(昇圧終了判定ステップS40;YES)、給気ファン41による無駄な電力の消費を回避することが望まれる。そこで、プロセッサ300aは、第1空調装置100を第2外気取り込みモードから第1外気取り込みモードに切り換える(車室降圧ステップS50)。
具体的には、プロセッサ300aは、給気ファン41を停止させ、かつダンパ23を開状態に切り換える。これにより、室内空調ファン21が外気FAを取り込み、取り込んだ外気FAを還気RAと一緒に車室910に供給し、車室910の気圧が車室昇圧ステップS30の場合よりも下げられる。
次に、プロセッサ300aが、車両用空調装置400の運転を終了させる旨の外部信号を取得したか否かを判定する(運転終了判定ステップS60)。また、昇圧開始判定ステップS20で、車室910の気圧の変動をもたらす要因は間もなく発生しないと判定された場合にも(昇圧開始判定ステップS20;NO)、運転終了判定ステップS60に進む。
車両用空調装置400の運転を継続する場合(運転終了判定ステップS60;NO)、再び昇圧開始判定ステップS20に戻る。一方、車両用空調装置400の運転を終了する場合(運転終了判定ステップS60;YES)、プロセッサ300aは本制御を終える。
以下、上述した昇圧開始判定ステップS20で行われる昇圧開始判定と、昇圧終了判定ステップS40で行われる昇圧終了判定とについて具体的に説明する。
図4に示すように、制御装置300のメモリ300bには、昇圧開始判定及び昇圧終了判定で参照される参照テーブル300gが予め記憶されている。
参照テーブル300gは、鉄道車両900が通過することとなるトンネルごとに、そのトンネルの長さを表すデータが格納された項目300dと、そのトンネルの手前の予め定められた昇圧開始判定地点の位置情報が格納された項目300eと、そのトンネルの通過後の予め定められた昇圧終了地点の位置情報が格納された項目300fとを有する。
ここで“昇圧開始判定地点”とは、昇圧開始判定を行うべき地理的な位置を意味する。また、“昇圧終了地点”とは、第1空調装置100を第2外気取り込みモードから第1外気取り込みモードに戻すべき地理的な位置を意味する。
また、制御装置300のプロセッサ300aは、鉄道車両900の現在の位置を表す位置情報を逐次に外部から取得する位置情報取得部310としての機能を有する。
位置情報取得部310は、鉄道車両900に搭載された車上子から位置情報を取得することができる。車上子は、地上に適宜な間隔で複数設置された地上子と共にトランスポンダを構成している。車上子は、地上子との通信により、地上子から逐次に位置情報を取得し、取得した位置情報を位置情報取得部310に与える。
また、位置情報取得部310は、鉄道車両900に搭載されるGPS(Global Positioning System)受信器から位置情報を取得することもできる。
また、位置情報取得部310は、鉄道車両900に搭載されるタコジェネレータから、鉄道車両900の車軸の累積回転数を表す情報を、位置情報として取得してもよい。車軸の累積回転数は基準位置からのキロ程に換算できるため、鉄道車両900の運行ルートが既知の場合、車軸の累積回転数によって、鉄道車両900の現在の位置を把握できる。
また、制御装置300のプロセッサ300aは、鉄道車両900の現在の進行速度を表す車速情報を逐次に外部から取得する車速情報取得部320としての機能を有する。
車速情報取得部320は、鉄道車両900の運行状況及び制御に関わるデータを一括管理する列車情報管理システムから車速情報を取得することができる。また、車速情報取得部320は、鉄道車両900に搭載された速度センサから車速情報を取得してもよい。
また、制御装置300のプロセッサ300aは、既述の昇圧開始判定及び昇圧終了判定を行う判定部330としての機能を有する。判定部330は、位置情報取得部310によって取得された位置情報と、車速情報取得部320によって取得された車速情報と、上述した参照テーブル300gとを用いて、第1空調装置100の動作モードを切り換える必要があるか否かを判定する。
また、制御装置300のプロセッサ300aは、判定部330の判定結果に応じて、第1空調装置100の動作モードの切り換えを行う制御部340としての機能を有する。図5に示したステップのうち、昇圧開始判定ステップS20及び昇圧終了判定ステップS40以外のステップは、制御部340が実行する。
プロセッサ300aが、図1に示す制御プログラム300cを実行することにより、以上説明した位置情報取得部310、車速情報取得部320、判定部330、及び制御部340の機能が実現される
図6に、昇圧開始判定ステップS20の具体的な内容を示す。以下、昇圧開始判定ステップS20で行われる昇圧開始判定について説明する。
まず、判定部330は、第1空調装置100が第1外気取り込みモードに保たれた状態で、鉄道車両900が昇圧開始判定地点に到達したか否かを判定する(地点判定ステップS21)。
この判定は、図4に示す位置情報取得部310によって取得された、鉄道車両900の現在の位置を表す位置情報が、参照テーブル300gの項目300eに格納されている昇圧開始判定地点を表す位置情報のいずれかと一致するか否かの照合によって実現される。
鉄道車両900が昇圧開始判定地点に到達していない場合は(地点判定ステップS21;NO)、第1空調装置100が第1外気取り込みモードに保たれた状態のままで差し支えないので、図5の運転終了判定ステップS60に進む。
一方、鉄道車両900が昇圧開始判定地点に到達した場合(地点判定ステップS21;YES)、判定部330は、その昇圧開始判定地点の直後に到来するトンネルの長さが、車室910の気圧の変動をもたらすおそれがあるものとして予め定められた基準トンネル長さ以上であるか否かを判定する(トンネル長判定ステップS22)。
ここで“昇圧開始判定地点の直後に到来するトンネルの長さ”とは、図4に示す参照テーブル300gにおいて、地点判定ステップS21で特定した昇圧開始判定地点に対応付けられているトンネル長さを意味する。
直後に到来するトンネルの長さが基準トンネル長さ未満である場合(トンネル長判定ステップS22;NO)、そのトンネルを通過する際には車室910の気圧が変動するおそれがない。従って、第1空調装置100が第1外気取り込みモードに保たれた状態のままで差し支えないので、図5の運転終了判定ステップS60に進む。
一方、直後に到来するトンネルの長さが基準トンネル長さ以上である場合(トンネル長判定ステップS22;YES)、判定部330は、鉄道車両900の昇圧開始判定地点における車速が、車室910の気圧の変動をもたらすおそれがあるものとして予め定められた基準速度以上であるか否かを判定する(車速判定ステップS23)。
なお、鉄道車両900の昇圧開始判定地点における車速は、鉄道車両900がトンネルの手前の昇圧開始判定地点に到達した時点で、図4に示す車速情報取得部320が取得した車速情報によって特定される。
鉄道車両900の昇圧開始判定地点における車速が基準速度未満である場合(車速判定ステップS23;NO)、そのトンネルを通過する際には車室910の気圧が変動するおそれがない。従って、第1空調装置100が第1外気取り込みモードに保たれた状態のままで差し支えないので、図5の運転終了判定ステップS60に進む。
一方、鉄道車両900の昇圧開始判定地点における車速が基準速度以上である場合(車速判定ステップS23;YES)、そのトンネルを通過する際に車室910の気圧が変動するおそれがある。そこで、車室910を昇圧することにより、乗客が耳に違和感を覚えることを未然に防止すべく、図5の車室昇圧ステップS30に進む。
そして、既述のとおり、制御部340が、第1空調装置100を第1外気取り込みモードから第2外気取り込みモードに切り換える。このモードの切り換えが、鉄道車両900がトンネルに突入する前に完了する程度にトンネルから充分手前の位置に、昇圧開始判定地点が設定されている。従って、車室910が充分に昇圧された状態で、鉄道車両900がトンネルに突入するので、乗客が耳に違和感を覚えることを未然に防止できる。
次に、図5の昇圧終了判定ステップS40で行われる昇圧終了判定について、具体的に説明する。
図5の昇圧終了判定ステップS40の昇圧終了判定では、鉄道車両900がトンネル通過後の昇圧終了地点に到達したか否かが判定される。ここで“トンネル通過後の昇圧終了地点”とは、図4に示す参照テーブル300gにおいて、地点判定ステップS21で特定した昇圧開始判定地点に対応付けられている昇圧終了地点を意味する。
具体的には、昇圧終了判定では、図4に示す位置情報取得部310によって取得された、鉄道車両900の現在の位置を表す位置情報が、参照テーブル300gの項目300fに格納されている、トンネル通過後の昇圧終了地点の位置情報と一致するか否かを判定部330が判定する。
鉄道車両900の現在の位置を表す位置情報が、トンネル通過後の昇圧終了地点の位置情報と一致しない場合は、鉄道車両900がトンネル通過後の昇圧終了地点にまだ到達していない(昇圧終了判定ステップS40;NO)。そこで、第1空調装置100が第2外気取り込みモードに設定されている状態を保つべく、再び昇圧終了判定ステップS40に戻る。
一方、鉄道車両900の現在の位置を表す位置情報と、トンネル通過後の昇圧終了地点の位置情報との一致は、鉄道車両900がトンネル通過後の昇圧終了地点に到達したことを意味する(昇圧終了判定ステップS40;YES)。
この場合、鉄道車両900が既にトンネルを通過してしおり、もはや車室910の気圧変動をもたらす要因がなくなったと言える。そこで、給気ファン41による電力の消費を回避するために、第1空調装置100を第1外気取り込みモードに切り換えるべく、車室降圧ステップS50に進む。この結果、昇圧機能を実現する第2外気取り込みモードが終了するので、車室910の気圧が第2外気取り込みモードの場合よりも下げられる。
以上説明したように、本実施形態では、制御装置300がモード切り換え制御を行うので、第1外気取り込みモードが保持される期間が存在する。そして、第1外気取り込みモードでは、室内空調ファン21が外気FAを車室910に供給する役割を兼ね、給気ファン41は停止されるので、給気ファン41による電力の消費を回避できる。また、形成する気流の風量が同じ場合であっても、室内空調ファン21の単位時間当たりの電力の消費量の方が、給気ファン41の単位時間当たりの電力の消費量よりも小さい。従って、給気ファン41が停止される期間が確保される結果、室内空調ファン21が外気FAを車室910に供給する役割を兼ねるとしても、電力の消費を抑えつつ車室910への外気FAの取り込みを行うことが可能となる。
また、本実施形態によれば、車室910を冷房しつつ換気する場合に、空調機30Aの熱負荷を軽減できるメリットも得られる。以下、この点について説明する。給気ファン41には既述の昇圧機能のみならず通常換気機能を担わせることも可能ではある。しかし、給気ファン41によって外気FAが取り込まれる際、外気FAは筐体50A内で急激に圧縮されることで昇温する。このため、給気ファン41に通常換気機能を担わせると、車室910を冷房する空調機30Aに熱負荷がかかる。このことも、電力の消費を増大させる要因となっていた。
これに対し、本実施形態では、通常換気機能は、最大静圧が給気ファン41よりも小さい室内空調ファン21が担う。室内空調ファン21によって外気FAがダンパ23から室内機室51に取り込まれる場合の方が、給気ファン41によって外気FAが取り込まれる場合よりも、取り込まれる過程における外気FAの昇温率が小さい。このため、給気ファン41に通常換気機能を担わせる場合に比べると、車室910を冷房する空調機30Aにかかる負荷を軽減できる。但し、既述のように、空調機30Aは車室910を暖房する機能も有する。
[実施形態2]
上記実施形態1では、車室910の気圧の変動をもたらす要因が、トンネルの通過である場合を述べた。他の高速車両と鉄道車両900とのすれ違いも、車室910の気圧の変動をもたらす要因となり得る。以下、その場合の具体例について述べる。
図7に、本実施形態に係る昇圧開始判定ステップS20の具体的な内容を示す。以下、昇圧開始判定ステップS20で行われる昇圧開始判定について説明する。
まず、判定部330は、第1空調装置100が第1外気取り込みモードに保たれた状態で、間もなく鉄道車両900と他の高速車両との間にすれ違いが発生するか否かのすれ違い発生判定を行う(すれ違い発生判定ステップS24)。
ここで“すれ違い”とは、反対向きの走行によるすれ違いのみならず、追い越し又は追い越されによるすれ違いも含む概念とする。
本実施形態では、判定部330は、複数の高速車両の運行状況を一元管理する図示せぬ地上装置から、鉄道車両900の周囲を走行している高速車両の位置及び運行状況を表す、判定情報を取得する。その判定情報を用いて、判定部330は、すれ違い発生判定を行うことができる。また、間もなく他の高速車両との間にすれ違いが発生することとなる時刻が既知である場合、判定部330は、その時刻が到来したか否かによって、すれ違い発生判定を行うこともできる。
鉄道車両900と他の高速車両との間にすれ違いが発生しない場合は(すれ違い発生判定ステップS24;NO)、第1空調装置100が第1外気取り込みモードに保たれた状態のままで差し支えないので、図5の運転終了判定ステップS60に進む。
一方、間もなく鉄道車両900と他の高速車両との間にすれ違いが発生する場合(すれ違い発生判定ステップS24;YES)、判定部330は、その高速車両と鉄道車両900とのすれ違い速度が、車室910の気圧の変動をもたらすおそれがあるものとして予め定められた基準すれ違い速度以上であるか否かのすれ違い速度判定を行う(すれ違い速度判定ステップS25)。
ここで“すれ違い速度”とは、反対向きの走行によるすれ違いの場合は、相手の車両の速度と鉄道車両900の速度との和を意味し、追い越し又は追い越されによるすれ違いの場合は、相手の車両の速度と鉄道車両900の速度との差の絶対値を意味する。
判定部330は、上述した地上装置から、すれ違う高速車両の速度を表す速度情報を取得することができる。このため、判定部330は、その速度情報と、鉄道車両900の速度の情報とを用いて、すれ違い速度判定を行うことができる。
すれ違い速度が基準すれ違い速度未満である場合(すれ違い速度判定ステップS25;NO)、車室910の気圧が変動するおそれがない。従って、第1空調装置100が第1外気取り込みモードに保たれた状態のままで差し支えないので、図5の運転終了判定ステップS60に進む。
一方、すれ違い速度が基準すれ違い速度以上である場合(すれ違い速度判定ステップS25;YES)、高速車両とのすれ違いの際に車室910の気圧が変動するおそれがある。そこで、車室910を昇圧することにより、乗客が耳に違和感を覚えることを未然に防止すべく、図5の車室昇圧ステップS30に進む。
また、本実施形態では、図5の昇圧終了判定ステップS40では、高速車両とのすれ違いが完了したか否かが判定される。
具体的には、判定部330は、上述した地上装置から取得する判定情報によって、高速車両とのすれ違いが完了したか否かを判定できる。また、判定部330は、すれ違い速度判定ステップS25でYESと判定した時点から、すれ違いの完了までに要する時間として予め定められた所要時間が経過したことをもって、すれ違いの完了を検出してもよい。
判定部330は、高速車両とのすれ違いが完了していない場合は(昇圧終了判定ステップS40;NO)、第1空調装置100が第2外気取り込みモードに設定されている状態を保つべく、再び昇圧終了判定ステップS40に戻る。
一方、判定部330は、高速車両とのすれ違いが完了した場合は(昇圧終了判定ステップS40;YES)、もはや車室910の気圧変動をもたらす要因がなくなったと言えるので、第1空調装置100を第1外気取り込みモードに戻すべく、車室降圧ステップS50に進む。
以上説明した実施形態2によっても、第1空調装置100が第1外気取り込みモードと第2外気取り込みモードとの間で切り換えられるので、実施形態1の場合と同様の効果が得られる。
[実施形態3]
上記実施形態1では、第1空調装置100が空調機能、通常換気機能、及び昇圧機能を有する一方、第2空調装置200は、これらの機能のうち空調機能のみを有する構成を例示した。第2空調装置200が、通常換気機能をさらに有してもよい。以下、その具体例について述べる。
図8に示すように、本実施形態では、外気流入室53と連通していない第2空調装置200における室内機室51に、外部に通じる第1外気流入口63が開口している。そして、その第1外気流入口63には、ダンパ24が取り付けられている。
本実施形態に係る第1外気取り込みモードでは、第1空調装置100の室内空調ファン21が既述の要領で車室910への外気FAの取り込みを行うのみならず、第2空調装置200の室内空調ファン21も、開状態に保たれたダンパ24を通じて車室910への外気FAの取り込みを行う。
このため、第1外気取り込みモードでは、実施形態1の場合よりも多くの外気FAを車室910に取り込むことができる。なお、ダンパ24は、既述の第2外気取り込みモードでは閉状態に保たれる。
[実施形態4]
図1に示した給気ファン41及び排気ファン42は、共通のモータで作動するもの、具体的には二重反転ファンであってもよいが、給気ファン41及び排気ファン42は、互いに別々のモータで作動するものであってもよい。また、図1には、外気流入室53と排気室54とが仕切り壁を介して隣接している構成を例示したが、外気流入室53と排気室54とが離間して配置されていてもよい。以下、その具体例を述べる。
図9に示すように、本実施形態に係る筐体50Aは、外気流入室53と排気室54とが離間して配置された構成を有する。本実施形態でも実施形態1と同様の効果が得られる。
なお、排気室54の排気用還気流入口66に接続される排気ダクト930は、室内機室51の還気流入口61に接続される排気ダクト930とは独立しており、車室910とは隔離された別室940に通じていてもよい。別室940は、化粧室であってもよいし、喫煙室であってもよいし、電話による通話が許容された電話室であってもよい。
[実施形態5]
図1には、室内機室51と外気流入室53とが隣接しており、それらが連通口64によって連通している構成を例示した。室内機室51と外気流入室53とが離間してもよい。以下、その具体例を述べる。
図10に示すように、本実施形態に係る筐体50Aは、室内機室51と外気流入室53とが離間して配置され、それらが連通ダクト55によって連通された構成を有する。本実施形態でも実施形態1と同様の効果が得られる。
以上、実施形態1-5について説明した。以下に述べる変形も可能である。
図4には、トンネルの長さを表すデータが格納された項目300dを有する参照テーブル300gを例示した。予め基準トンネル長さ以上の長さをもつトンネルだけを対象として、そのトンネルの手前の昇圧開始判定地点の位置情報を項目300eに格納し、かつそのトンネルの通過後の昇圧終了地点の位置情報を項目300fに格納しておいてもよい。その場合は、参照テーブル300gから項目300dを省くことができ、かつ図6に示したトンネル長判定ステップS22を省くことができる。
図1には、車両用空調装置400が、第1空調装置100及び第2空調装置200を備える構成を例示した。車両用空調装置400は、第2空調装置200を備えなくてもよい。また、車両用空調装置400は、第2空調装置200と同じ構成をもつ装置をさらにもう1つ又は複数備えてもよい。また、車両用空調装置400は、第1空調装置100と同じ構成をもつ装置をさらにもう1つ又は複数備えてもよい。
図1には、車両用空調装置400が排気ファン42を備える構成を例示した。鉄道車両900が高速車両よりも気密性が低い構造を有する場合、又は鉄道車両900の開閉扉を通じた排気が期待される場合は、排気ファン42を備えなくても、外気FAを車室910に送り込むことにより自然な換気が行われ得る。
図1には、外気流入室53と排気室54とが連通しておらず、互いに独立である構成を例示した。外気流入室53と排気室54とが同じ部屋で構成され、互いに独立していない構成であってもよい。給気ファン41及び排気ファン42は、共通のモータで作動する二重反転ファンであってもよい。
図9には、外気流入室53と排気室54とが離間した構成を示し、図10には、室内機室51と外気流入室53とが離間した構成を示した。室内機室51と外気流入室53、及び外気流入室53と排気室54が、それぞれ離間していてもよい。このように、複数の外殻体の集合によって筐体50Aが構成されていてもよい。また、それら複数の外殻体の少なくとも一部が内部を壁部で仕切った構成を有していてもよい。また、筐体50Aは、1つの外殻体の内部を壁部で仕切ったもので構成されていてもよい。
図1に示した制御プログラム300cをコンピュータにインストールすることで、そのコンピュータに、制御装置300の機能を実現させることもできる。制御プログラム300cは、通信回線を通じて配布してもよいし、記録媒体に格納して配布してもよい。
上記実施形態1では、コンピュータとしての制御装置300が、図5に示した昇圧開始判定及び昇圧終了判定を行う構成を示した。鉄道車両900に搭乗する乗務員が、間もなくトンネルが到来すること、トンネルの通過が完了したこと、間もなく他の車両とのすれ違いが生じること、他の車両とのすれ違いが完了したこと等を、列車運行管理システムからの報知又は目視によって判断してもよい。そして、乗務員の手動操作を契機として、車室昇圧ステップS30及び車室降圧ステップS50が実行されてもよい。
上記実施形態1では、鉄道車両900が高速車両である場合を述べた。鉄道車両900は必ずしも高速車両でなくてもよい。鉄道車両900は一般の在来線であってもよい。また、本明細書において“鉄道車両”とは、新幹線、電車等に限られず、モノレール、リニアモーターカー、その他の、軌道に沿って進行する車両をも含む概念とする。また、本明細書において“車両”の概念には、バスその他の自動車も含まれる。
11…圧縮機、12…室外熱交換器、13…電子膨張弁、14…室内熱交換器、21…室内空調ファン、22…室外空調ファン、23,24…ダンパ、30A,30B…空調機、40…給排気機、41…給気ファン、42…排気ファン、50A,50B…筐体、51…室内機室、52…室外機室、53…外気流入室、54…排気室、55…連通ダクト、61…還気流入口、62…給気口、63…第1外気流入口、64…連通口、65…第2外気流入口、66…排気用還気流入口、67…排気口、100…第1空調装置、200…第2空調装置、300…制御装置、300a…プロセッサ、300b…メモリ、300c…制御プログラム、300d,300e,300f…項目、300g…参照テーブル、310…位置情報取得部、320…車速情報取得部、330…判定部、340…制御部、400…車両用空調装置、900…鉄道車両、910…車室、920…給気ダクト、930…排気ダクト、940…別室、EA…排気、FA…外気、RA…還気、RAF…還気気流、SA…給気。

Claims (8)

  1. 各々車両の車室に通じる還気流入口及び給気口、並びに前記車両の外部に通じる第1外気流入口が形成された室内機室と、前記外部に通じる第2外気流入口が形成され、かつ前記室内機室に連通している外気流入室とを有する筐体と、
    前記筐体の前記室内機室に配置され、前記還気流入口を通じて前記車室から取り込まれた還気が、前記給気口を通じて再び前記車室に戻る還気気流を前記室内機室に形成し、かつ前記外部の空気である外気を前記第1外気流入口から取り込み、取り込んだ前記外気を前記還気気流に合流させることにより前記車室に供給する室内空調ファンと、
    前記筐体の前記室内機室における前記還気気流が通過する位置に配置され、前記還気と熱交換する室内熱交換器と、
    前記筐体の前記外気流入室に配置され、前記第2外気流入口から前記外気を取り込み、取り込んだ前記外気を、前記外気流入室から前記室内機室に送り込む給気ファンと、
    前記給気ファンを停止させた状態で前記室内空調ファンによって前記外気を前記車室に供給する第1外気取り込みモードと、前記給気ファン及び前記室内空調ファンによって前記外気を前記車室に供給することにより、前記車室の気圧を前記第1外気取り込みモードの場合よりも高める第2外気取り込みモードとの間での切り換えを行う制御装置と、
    を備える、車両用空調装置。
  2. 前記室内機室の前記第1外気流入口に取り付けられ、前記第1外気流入口を閉塞した閉状態と、前記第1外気流入口からの前記外気の取り込みを許容した開状態とに切り換えが可能なダンパ、をさらに備え、
    前記給気ファンの最大静圧が、前記室内空調ファンの最大静圧よりも高く、
    前記制御装置が、前記第1外気取り込みモードでは前記ダンパを前記開状態に保ち、前記第2外気取り込みモードでは前記ダンパを前記閉状態に保つ、
    請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記制御装置が、前記第1外気取り込みモードを保った状態で、前記車室の気圧を高める必要があるか否かの昇圧開始判定を行い、前記昇圧開始判定で前記車室の気圧を高める必要があると判定した場合に、前記第1外気取り込みモードから前記第2外気取り込みモードへの切り換えを行う、
    請求項1又は2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記制御装置が、前記車両がトンネルの手前の予め定められた昇圧開始判定地点に到達したときに、前記トンネルの長さと、前記車両の前記昇圧開始判定地点における速度とに基づいて前記昇圧開始判定を行い、前記トンネルの長さが予め定められた基準トンネル長さ以上であり、かつ前記車両の前記昇圧開始判定地点における速度が予め定められた基準速度以上である場合に、前記車室の気圧を高める必要があると判定する、
    請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記昇圧開始判定で前記車室の気圧を高める必要があると判定された場合に、前記車両が前記トンネルに突入する前に前記第2外気取り込みモードへの切り換えが完了する、
    請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記制御装置が、前記昇圧開始判定で前記車室の気圧を高める必要があると判定した場合に、前記車両が前記トンネルを通過した後、前記トンネルから予め定められた距離だけ離れた昇圧終了地点に前記車両が到達するまで、前記第2外気取り込みモードを保つ、
    請求項4又は5に記載の車両用空調装置。
  7. 前記車室の空気を前記外部に排出させる排気ファン、をさらに備え、
    前記排気ファンが、前記第1外気取り込みモード及び前記第2外気取り込みモードの双方において作動する、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用空調装置。
  8. 車両の車室を昇圧する必要があるか否かを判定する昇圧開始判定ステップと、
    前記昇圧開始判定ステップで前記車室を昇圧する必要があると判定された場合に、給気ファンが、車両の外部から外気を取り込み、取り込んだ前記外気を前記車両の車室に送り込むことにより、前記車室が昇圧される車室昇圧ステップと、
    前記車室を昇圧する必要がなくなったか否かを判定する昇圧終了判定ステップと、
    前記昇圧終了判定ステップで前記車室を昇圧する必要がなくなったと判定された場合に、前記給気ファンを停止させ、かつ室内空調ファンが、前記外部から前記外気を取り込み、取り込んだ前記外気を、前記車室から取り込んだ還気と共に前記車室に供給し、前記車室の気圧が前記車室昇圧ステップの場合よりも下げられる車室降圧ステップと、
    を含む、車両用空調方法。
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