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JP2021529895A - ポリエステルステープルファイバーを含む紡績糸及びポリエステルステープルファイバーを含む布帛 - Google Patents

ポリエステルステープルファイバーを含む紡績糸及びポリエステルステープルファイバーを含む布帛 Download PDF

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JP2021529895A JP2020573031A JP2020573031A JP2021529895A JP 2021529895 A JP2021529895 A JP 2021529895A JP 2020573031 A JP2020573031 A JP 2020573031A JP 2020573031 A JP2020573031 A JP 2020573031A JP 2021529895 A JP2021529895 A JP 2021529895A
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Abstract

第一ポリマーと第二ポリマーを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含む紡績糸であって、第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、且つ第二ポリマーが、ポリ(エチレンテレフタレート)又はCo−PETを含み、Co−PETが、イソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーであり;第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、ポリ(トリメチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比が、約80:20〜約10:90の範囲であり;或いは第一ポリマーが、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比が、約90:10〜約10:90の範囲である紡績糸が、本明細書に開示される。紡績糸は、綿又はウールなどの第二ステープルファイバーをさらに含んでもよい。紡績糸は、有利な特性を有する布帛を調製するのに有用である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月28日に出願された「Fabrics and Spun Yarns Comprising Polyester Staple Fiber」という表題の米国仮特許出願第62/691066号及び2018年10月19日に出願された「Fabrics and Spun Yarns Comprising Polyester Staple Fiber」という表題の米国仮特許出願第62/747999号に基づく優先権及びその利益を主張する。これら両方の開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、第一ポリマー及び第二ポリマーを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含む紡績糸、並びに紡績糸を含む布帛に関する。第一ポリマーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、及び第二ポリマーは、ポリ(エチレンテレフタレート)又はCo−PETを含み、Co−PETは、イソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーである。
ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)は、大気圧での分散易染性、相対的に低い曲げ弾性率、並びに相対的に高い弾性回復性及び復元性などの所望の特性を提供する市販の繊維である。PTTステープルファイバーの製造プロセスは、公知であるが、PTTのステープルへの一貫した加工は、練条、捲縮、及び切断の前の保管中に、部分的に配向されたトウの収縮によって妨げられることが多い。収縮は、保管時間及び保管温度により影響を受け、制御できない収縮は、練条プロセス中にデニールの不均一性及び延伸破断をもたらす。結果として、PTTステープル又はPTTステープルと天然繊維とのブレンドの商品化は、限定されている。
特定の織物の最終用途においては、ステープルファイバーは、連続フィラメントよりも好ましい。例えば、アパレル布帛用のステープル紡績糸は、織物ステープル加工器具の使用を可能にするために、連続よりむしろ不連続なファイバーを必要とする。ステープルファイバーは、さらに、合成繊維をウール、綿、及びセルロースなどの天然繊維とのブレンドを可能にする。布帛に好適なステープルファイバーの製造は、特に練条が別々のステップで実行される従来のスプリットスピン/延伸プロセスにおいて、特定の問題を引き起こすことがあり、未延伸ファイバーの特性、例えば乾熱収縮が、保管中の未延伸ファイバーがエイジングするにつれて変化することがある。
良好な均一性及び糸強力のPTT系のステープル、並びにこのようなステープルを生産するのに経済的なプロセスに対する継続的な必要性が存在する。PTT系のステープルファイバーを含み、且つ良好な糸強力及び破断点伸びを有する紡績糸に対する継続的な必要性が存在し、そしてそれは、このような紡績糸を含む布帛に対する所望の特性を付与できる。
溶融紡糸ステープルファイバー、溶融紡糸ステープルファイバーを含む紡績糸、紡績糸を含む布帛が、本明細書において開示される。一実施形態においては、紡績糸が開示され、その紡績糸は、ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)を含む第一ポリマーと、ポリ(エチレンテレフタレート)又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含み、Co−PETはイソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーであり、及び第一ポリマーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、そしてポリ(トリメチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90の範囲であり;或いは第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90の範囲である。紡績糸の別の実施形態においては、ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約70:30〜30:70の範囲である。さらなる実施形態においては、紡績糸は、ASTM D2259に従って求めた少なくとも約6%のボイルオフ収縮を有する。
紡績糸の一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)及びポリ(エチレンテレフタレート)を含む。紡績糸の別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)及びCo−PETを含む。紡績糸の一実施形態においては、第一ポリマーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、そして第二ポリマーは、Co−PETを含み、及びco−PETは、全コポリマー組成物を基準として、約0.5モルパーセント〜約10モルパーセントのイソフタル酸モノマーを含有する。紡績糸の追加の一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)及びポリ(エチレンテレフタレート)を含む。紡績糸のさらに別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)及びCo−PETを含む。紡績糸の一実施形態においては、第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、そして第二ポリマーは、Co−PETを含み、及びCo−PETは、全コポリマー組成物を基準として、約0.5モルパーセント〜約10モルパーセントのイソフタル酸モノマーを含有する。紡績糸のさらなる一実施形態においては、第二ポリマーは、Co−PETを含み、及びCo−PETは、全コポリマー組成物を基準として、約0.5モルパーセント〜約10モルパーセントのイソフタル酸モノマーを含有する。
一実施形態においては、紡績糸は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で第二ステープルファイバーをさらに含む。追加の一実施形態においては、第二ステープルファイバーは、ポリ乳酸、アクリル、ナイロン、オレフィン、アセテート、レーヨン、又はポリエステルを含む。さらなる一実施形態においては、第二ステープルファイバーは、綿、リネン、ウール、アンゴラ、モヘア、アルパカ、又はカシミアから選択される少なくとも1種の天然繊維を含む。別の実施形態においては、第二ステープルファイバーは、ポリ乳酸、アクリル、ナイロン、オレフィン、アセテート、レーヨン、ポリエステル、綿、リネン、ウール、アンゴラ、モヘア、アルパカ、カシミア、又はそれらの混合物を含む。さらに別の実施形態においては、第二ステープルファイバーは、綿又はウールを含む。
一実施形態においては、第二ステープルファイバーは、綿を含む。一実施形態においては、紡績糸は、綿を含む第二ステープルファイバーをさらに含み、そして綿は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で存在する。別の実施形態においては、綿をさらに含む紡績糸は、約4Ne〜約80Neの綿番手を有する。
別の実施形態においては、第二ステープルファイバーは、ウールを含む。一実施形態においては、紡績糸は、ウールを含む第二ステープルファイバーをさらに含み、そしてウールは、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で存在する。別の実施形態においては、ウールをさらに含む紡績糸は、7Nm〜120Nmの範囲である梳毛番手を有する。
別の実施形態においては、布帛が開示され、その布帛は、本明細書に開示する紡績糸を含む。一実施形態においては、布帛は、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、綿、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも柔らかい手触り及び良好なドレープ性を有する。一実施形態においては、布帛は、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも、i)ASTM D4966標準試験法に従って求めた良好な耐摩擦性;ii)ASTM D4970標準試験法に従って求めた、ピリング性の高い評価値;又はiii)ASTM D1777標準試験法に従って求めた大きい嵩高のうち少なくとも1つを有する。別の実施形態においては、布帛は、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ組織の布帛よりも良好な可染性を有する。さらに別の実施形態においては、布帛は、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも良好な耐摩擦性を有する。さらなる一実施形態においては、布帛は、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも毛玉の発生が少ない(ピリング性の評価値が高い)。追加の一実施形態においては、布帛は、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも大きい嵩高を有する。
一実施形態においては、布帛は、たて糸及びよこ糸を有する織布である。一実施形態においては、布帛は、たて糸及びよこ糸を有する織布であり、そしてたて糸、よこ糸、又はたて糸とよこ糸の両方は、本明細書に開示する紡績糸をそれぞれ含む。追加の一実施形態においては、たて糸は、本明細書に開示する紡績糸を含む。別の実施形態においては、よこ糸は、本明細書に開示する紡績糸を含む。なおさらなる実施形態においては、たて糸とよこ糸は、本明細書に開示する紡績糸をそれぞれ含む。別の実施形態においては、布帛は、編成布である。一実施形態においては、編成布は、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の編成布よりも高い回復性を有する。本明細書に開示する布帛を含む物品、例えば、衣料品もまた、本明細書に開示される。
さらに別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーが、開示され、そのファイバーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)を含む第一ポリマー及びポリ(エチレンテレフタレート)又はCo−PETを含む第二ポリマーを含み、Co−PETは、イソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーであり、ステープルファイバーは、約70:30〜約30:70の範囲の第一ポリマーの第二ポリマーに対する重量比を有し、及び乾熱収縮法により求めた6%未満の乾熱収縮を有する。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)及びポリ(エチレンテレフタレート)を含む。別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)及びCo−PETを含む。追加の一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)及びポリ(エチレンテレフタレート)を含む。さらに別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)及びCo−PETを含む。さらなる一実施形態においては、第二ポリマーは、Co−PETを含み、及びCo−PETは、全コポリマー組成物を基準として、約0.5モルパーセント〜約10モルパーセントのイソフタル酸モノマーを含有する。溶融紡糸ステープルファイバーのさらに別の実施形態においては、第一ポリマーの第二ポリマーに対する重量比は、約70:30〜50:50の範囲である。
本明細書で引用される全ての特許、特許出願及び刊行物は、その全体が参照により本明細書に援用される。
本明細書で使用される場合、「実施形態」又は「開示」という用語は、限定されることを意味するものではなく、特許請求の範囲で定義されるか又は本明細書に記載される実施形態のいずれかに一般的に適用される。これらの用語は、本明細書では互換的に使用される。
本開示では、多数の用語及び略語が用いられる。特に具体的に明記しない限り、下記の定義が適用される。
要素又は構成要素に先行する冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、要素又は構成要素の事例(すなわち出現)の数に関して非限定的であることを意図する。「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、1つ又は少なくとも1つを含むと解釈されるべきであり、要素又は構成要素の単数形はまた、その数が明らかに単数であることを意味しない限り複数形を含む。
用語「含む(comprising)」は、特許請求の範囲で言及されるような規定の特徴、整数、工程、又は構成要素の存在を意味するが、それは、1つ以上の他の特徴、整数、工程、構成要素、又はそれらの群の存在又は追加を排除するものではない。用語「含む」は、用語「から本質的に成る」及び「から成る」によって包含される実施形態を含むことを意図する。同様に、用語「から本質的に成る」は、用語「から成る」によって包含される実施形態を含むことを意図する。
存在する場合、全ての範囲は、包括的であり、且つ、結合可能である。例えば、「1〜5」の範囲が列挙されている場合、列挙されている範囲は、「1〜4」、「1〜3」、「1〜2」、「1〜2及び4〜5」、「1〜3及び5」等の範囲を含むと解釈されるべきである。
本明細書において数値と結び付けて使用する用語「約」は、その用語がその状況において他に特に定義されていない限り、数値の+/−0.5の範囲を指す。例えば、語句「約6のpH値」は、pH値が特に具体的に定義されていない限り、5.5〜6.5のpH値を言う。
本明細書の全体にわたって示されるあらゆる数値上限は、そのようなより小さい数値限度が本明細書に明確に記載されたかのように、あらゆるより小さい数値限度を含むことを意図する。本明細書の全体にわたって示されるあらゆる数値下限は、そのようなより大きい数値限度が本明細書に明確に記載されているかのように、あらゆるより大きい数値限度を含むであろう。本明細書の全体にわたって示されるあらゆる数値範囲は、そのようなより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように、そのようなより広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を含むであろう。
本開示の特徴及び利点は、以下の詳細な説明を読むことにより当業者によって、さらに容易に理解されるであろう。明確にするために、別個の実施形態との関連で上に及び下に記載されている、本開示の特定の特徴は、単一要素において組み合わせてまた提供されてもよいことが十分理解されるべきである。反対に、簡潔にするために、単一実施形態との関連で記載されている本開示の様々な特徴は、別個に又は任意の副次的組み合わせでまた提供されてもよい。
本出願に明記された様々な範囲での数値の使用は、特に明確に示さない限り、規定範囲内の最小値及び最大値が両方とも語「約」によって先行されているかのように近似値として記述されている。この形式では、規定範囲の上下のわずかな変動を用いてこの範囲内の値と実質的に同じ結果を達成することができる。同様に、これらの範囲の開示は、最小値と最大値との間の各値及びあらゆる値を含む連続範囲であることが意図されている。
本明細書で使用される場合:
「ポリ(トリメチレンテレフタレート)」又はPTTとは、1,3−プロパンジオール及びテレフタル酸(又は等価体)に由来する繰り返し単位を含むポリマーを意味する。本明細書で使用される場合、用語「ポリ(トリメチレンテレフタレート)ホモポリマー」は、実質的に1,3−プロパンジオールとテレフタル酸(又は等価体)のみのポリマーを意味する。本明細書で使用される場合、用語「ポリ(トリメチレンテレフタレート)」は、PTTコポリマーも含み、それにより、1,3−プロパンジオール及びテレフタル酸(又は等価体)に由来する繰り返し単位を含み、そしてさらに追加のモノマーに由来する少なくとも1種の追加の単位を含有するポリマーを意味する。PTTコポリマーの例としては、互いが2種のエステル形成基を有する3種以上の反応物を用いて生成されるコポリエステルが挙げられる。例えば、コポリ(トリメチレンテレフタレート)は、コポリエステルを生成するのに使用されるコモノマーが、4〜12個の炭素原子を有する鎖状、環式、及び分岐の脂肪族ジカルボン酸(例えばブタン二酸、ペンタン二酸、ヘキサン二酸、ドデカン二酸、及び1,4−シクロ−ヘキサンジカルボン酸);テレフタル酸以外の8〜12個の炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸(例えばイソフタル酸及び2,6−ナフタレンジカルボン酸);2〜8個の炭素原子鎖状、環式、及び分岐の脂肪族ジオール(1,3−プロパンジオール以外の、例えば、エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、及び1,4−シクロヘキサンジオール);並びに4〜10個の炭素原子を有する脂肪族及び芳香族エーテルグリコール(例えば、ヒドロキノンビス(2−ヒドロキシエチル)エーテル、又はジエチレンエーテルグリコールをはじめとする約460未満の分子量を有するポリ(エチレンエーテル)グリコール)から成る群から選択される場合に、使用できる。コモノマーは、通常、約0.5モル%〜約15モル%の範囲の濃度でコポリエステル中に存在し、最大約30モル%までの量で存在できる。
本明細書で使用される場合、用語「ポリ(ブチレンテレフタレート)」又はPBTは、1,4−ブタンジオール及びテレフタル酸だけに実質的に由来するポリマーを意味し、且つポリ(ブチレンテレフタレート)ホモポリマーとも称される。本明細書で使用される場合、用語「ポリ(ブチレンテレフタレート)コポリマー」は、1,4−ブタンジオール及びテレフタル酸に由来する繰り返し単位を含み、そしてまた追加のモノマーに由来する少なくとも1種の追加の単位も含有するポリマー、例えば本明細書に開示されるPTTコポリマーでのコモノマーを指す。
本明細書で使用される場合、用語「ポリ(エチレンテレフタレート)」又はPETは、エチレングリコール及びテレフタル酸(又はジメチルテレフタレートなどの等価体)のみに実質的に由来するポリマーを意味し、及びポリ(エチレンテレフタレート)ホモポリマーとも称される。本明細書で使用される場合、用語「ポリ(エチレンテレフタレート)コポリマー」は、エチレングリコール及びテレフタル酸(又は等価体)に由来する繰り返し単位を含み、そしてさらに追加のモノマーに由来する少なくとも1つの追加の単位も含有するポリマーを指す。
本明細書で使用される場合、用語「Co−PET」は、追加のモノマーがイソフタル酸(又はエステル等価体)であるポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーを指す。そのように、Co−PETは、エチレンテレフタレート及びイソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーである。
「ステープル」は、天然繊維か、又はフィラメントからの切断長かのどちらかを指す。用語ステープル(ファイバー)は、織物産業において使用され、天然繊維又は切断人工繊維をフィラメントと区別している。人工繊維は、特定の長さに、例えば8インチもの長さに又は僅か1.5インチ以下に切断され、それらは、綿、紡毛、又は梳毛糸紡績方式で加工でき、或いはフロック加工できる。
用語「溶融紡糸ステープルファイバー」は、繊維形成物質を溶融し、紡糸口金を介してそれを押出した後、冷却してそれを直接固体化し;このような溶融紡糸ファイバーを保管し、同様に取得した溶融紡糸ファイバーの他のバッチと組み合わせて、ひとまとめにして延伸し、捲縮し、安定化のために熱処理し、切断してステープルファイバーを得ることにより取得したステープルファイバーを指す。
用語「紡績糸」は、複数のステップにおいてカットステープルファイバーを整列させることにより製造される糸条を指し、そのステップにおいて、カットステープルファイバーのトウが、連続的にドラフトされて、ますます低いデニールの連続的ストランドになり、ステープルファイバーは、撚り合わせて一緒に束ねられる。
「未延伸糸」は、延伸されていないファイバーに通例適用される用語であり、本明細書においては、編地又は織地に使用されるこれらの糸条などの、延伸されて糸製品に加工されたファイバーを含むことを意図しない。融解紡糸した後、延伸機に適切な総デニールを生み出すまで、未延伸糸は、蓄積される。蓄積は、ステップ間の休止時間又は保管時間を含めて24時間以上までかけることができる。例えば、延伸ラインで実利的な練条に対して十分な未延伸糸を作製するのに、一般的に6時間以上かかる。生産スケジューリング及び他の実用的考察のために、ファイバーは、数日間保管されてもよい。このような保管時間にさらされたファイバーは、「エイジング」又は「エイジングした未延伸糸」と呼ぶ。
「延伸比」又は「延伸(draw down)」は、融解紡糸の後に、延伸よりフィラメントが伸びる量である。本明細書で使用される場合、「延伸比」は、機械延伸比であり、それは、引張ロールの送りロール(ファイバーを動かすロール)に対する表面速度の比率である。引張の結果として、伸びが生じることもある。
「カーディング」は、ステープルファイバー束がほぐされて、個別化されて、配列され、スライバーと呼ばれる連続的な撚りのないストランドに形成されるプロセスである。カーディング機は、その表面が沢山の突出した金属歯又はピンで覆われている一連のロールから成る。
「トウ」は、ステープルに切断される前又はスライバーに形成される前、明確な撚りがなく、緩いロープ状の形態で集められた連続的な人造ファイバーフィラメントの大きなストランドを意味する。
「スライバー」は、緩く集められた撚りの無いステープルファイバーの連続ストランドである。スライバーは、カード機又は練条機により送出される。スライバーの生産は、延伸できる形態にステープルファイバーを変換して、最後に撚り合わせて紡績糸にする織物作業過程における最初のステップである。
用語「布帛」は、糸条、ファイバー、又はフィラメントを交錯して生み出される平面の織物構造を意味する。
用語「織布」は、交錯した、たて糸とよこ(filling)(よこ(weft))糸から構成される布帛を意味する。製織プロセスにおいては、縦方向又は縦の線に沿った、たて糸が、フレーム又は織機に張力をかけた状態で静止に保持され、一方、交差するよこ糸(同様によこ糸とも呼ぶことができる)は、たて糸に通されてたて糸の上そして下にと挿入される。
用語「編成布」は、糸条の1つ又は複数の末端を編成することにより作製される布帛を意味する。
用語「生地組織」は、様式、幅、織又は編の種類、たて糸及びよこ糸における1インチ当たりの糸条の数、及び製品の重量を含む布帛構造の詳細を意味する。
用語「デシテックス」(dtex)は、ファイバー又は糸条の線密度測定の単位であり、10,000メートル当たりのグラムでの質量と定義される。
用語「スライバー線密度」は、1メートル長のスライバーのグラムでの重量を意味する。
用語「スライバー線密度」(カーディングステップの後)は、ヤードポンド法番手Neで表される1パウンド重の840ヤードカット長のスライバーの数、又はg/メートルで表される1000メートル長でのグラムでのスライバーの重量を意味する。
用語「最終スライバー線密度」(練条ステップの後)は、ヤードポンド法番手Neで表される1パウンド重の840ヤードカット長のスライバーの数、又はg/メートルで表される1メートルでのグラムでのスライバーの重量を意味する。
用語「斑%」は、ウスター(Uster)糸斑試験機−3(UT3)により測定し、百分率で表した、400メートル長の紡績糸又は50メートル長の粗糸又は50メートル長のスライバーの重量の標準平均偏差を意味する。UT−3及び400m長の糸条又は25m若しくは50m長のスライバー又は粗糸を用いて工業用に確立した方法により測定される。
紡績糸に関して用語「欠陥」は、ウスター(Uster)糸斑試験機を用いて求めた、1000メートル長の糸条における厚い領域の数、薄い領域の数、及びネップの数の数値合計を意味する。本明細書で使用される場合、用語「厚い領域」は、8mmカット長の糸条の平均質量の+150%以上の質量を有する紡績糸上の場所を意味する。本明細書で使用される場合、用語「薄い領域」は、8mmカット長の糸条の平均質量の50%以下の質量を有する紡績糸上の場所を意味する。本明細書で使用される場合、用語「ネップ」は、1mmカット長の糸条の平均質量の200%以上の質量を有する紡績糸上の場所を意味する。
用語「毛羽指数」は、400m長の糸条で測定し、UT3試験機を用いて光学的に測定し、標準化単位として表した、糸条の1cm長当たりの突出するファイバーの全長の平均を指す。
本発明は、ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)を含む第一ポリマー及びポリ(エチレンテレフタレート)又はCo−PETを含む第二ポリマーを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含む紡績糸に関し、Co−PETは、イソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーであり;並びに第一ポリマーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、及びポリ(トリメチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90の範囲であり;又は第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、及びポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90の範囲である。溶融紡糸ステープルファイバーには、第一ポリマーと第二ポリマー間の明確な界面がない。紡績糸は、ASTM D2259に従って求めた少なくとも約6%のボイルオフ収縮を有する。任意選択的に、紡績糸は、第二ステープルファイバー、例えば綿又はウールを含むことができる。所望の特徴を有する布帛は、上述の紡績糸から作製できる。
本明細書に開示の溶融紡糸ステープルファイバーは、PTT溶融紡糸ステープルファイバーと比較して向上した糸強力、捲縮、及び安定性を有し、並びに溶融紡糸ステープルファイバーの特性が、ステープルを紡績糸に変換中にPETで通常使用される条件下での加工を有利にも可能にすることが判明されている。さらに、本明細書に開示の溶融紡糸ステープルファイバーを含み、第二ステープルファイバーをさらに含むか又は本質的に溶融紡糸ステープルファイバーのみから成る紡績糸は、綿のような審美性、良好な強度、及び他の所望な属性を有する織布、編成布、及び不織布の製造を可能にする。
一実施形態においては、紡績糸の溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含む第一ポリマーを含む。溶融紡糸ステープルファイバーに使用するのに好適なポリ(トリメチレンテレフタレート)は、当技術分野で公知であり、例えば、1,3−プロパンジオールとテレフタル酸又はテレフタル酸等価体との重縮合により調製できる。任意選択的に、1,3−プロパンジオールは、再生可能な供給源(「生物由来」の1,3−プロパンジオール)から生化学的に取得してもよい。ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DEから商標名Sorona(登録商標)で市販されている。任意選択的に、PTT又はそのモノマーは、脱工業化又はポストコンシューマー材料(つまり、ファイバー又はプラスチック廃棄物)を再生利用して得ることができた。
「テレフタル酸の等価体」は、当業者が一般的に理解しているように、高分子グリコール及びジオールとの反応において、実質的にテレフタル酸のように働く化合物を意味する。テレフタル酸等価体としては、例えば、エステル(ジメチルテレフタレートなど)、及びハロゲン化物(例えば、酸塩化物)及び無水物などのエステル形成性誘導体酸が挙げられる。テレフタル酸及びテレフタル酸エステル、例えばテレフタル酸のジメチルエステルが好適である。ポリ(トリメチレンテレフタレート)の調製方法は、例えば、米国特許第6277947号明細書、米国特許第6326456号明細書、米国特許第6657044号明細書、米国特許第6353062号明細書、米国特許第6538076号明細書、及び米国特許第7531617号明細書に開示されている。
反応物として又は反応物の成分として、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を調製するのに使用される1,3−プロパンジオールが、ガスクロマトグラフィー分析により求めた、約99重量%超、例えば約99.9重量%超の純度を有するのが好ましい。精製1,3−プロパンジオールは、米国特許第7038092号明細書、米国特許第7098368号明細書、米国特許第7084311号明細書、及び米国特許第7919658号明細書に開示されている。
溶融紡糸ファイバーに使用するのに好適なポリ(トリメチレンテレフタレート)は、ポリ(トリメチレンテレフタレート)ホモポリマー(1,3−プロパンジオールとテレフタル酸及び/又は等価体に実質的に由来する)及びコポリマーであり得る。一実施形態においては、ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、1,3−プロパンジオールとテレフタル酸(及び/又はジメチルテレフタレートなどのそれらの等価体)に由来する繰り返し単位を約70モル%以上含有する。ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、少なくとも約85モル%、又は少なくとも約90モル%、又は少なくとも約95モル%、又は少なくとも約99モル%、又は約100モル%の1,3−プロパンジオールとテレフタル酸(又は等価体)に由来する繰り返し単位を含有できる。
ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、少量の他のコモノマーを含有でき、及びこのようなコモノマーは、通例それらが特性に重大な悪影響を与えないように、選択される。このような他のコモノマーは、5−スルホイソフタル酸ナトリウムを例えば約0.2〜5モル%の範囲の濃度で含む。粘度を制御するために、極少量の三官能性コモノマー、例えばトリメリット酸を取り込むことができる。
ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、他のジオール又は二塩基酸から調製される繰り返し単位を最大30モル%まで含有できる。他の二塩基酸としては、例えば、イソフタル酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸、及びこれらのジカルボン酸のジメチルエステル、ジエチルエステル、又はジプロピルエステルなどのそれらの誘導体が挙げられる。他のジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−、1,3−及び1,4−シクロヘキサンジメタノール、並びにジオール又はポリオールとアルキレンオキシドとの反応生成物により調製される長鎖のジオール及びポリオールが挙げられる。
ポリ(トリメチレンテレフタレート)はまた、官能性モノマー、例えば、カチオン可染性を付与するのに有用なスルホネート化合物を最大約5モル%まで含むことができる。好ましいスルホネート化合物の特定な例としては、5−リチウムスルホイソフタレート、5−ナトリウムスルホイソフタレート、5−カリウムスルホイソフタレート、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、テトラメチルホスホニウム3,5−ジカルボキシベンゼンスルホネート、テトラブチルホスホニウム3,5−ジカルボキシベンゼンスルホネート、トリブチル−メチルホスホニウム3,5−ジカルボキシベンゼンスルホネート、テトラブチルホスホニウム2,6−ジカルボキシナフタレン−4−スルホネート、テトラメチルホスホニウム2,6−ジカルボキシナプタレン−4−スルホネート、アンモニウム3,5−ジカルボキシベンゼンスルホネート、及びそれらのエステル誘導体、例えばメチル又はジメチルエステルが挙げられる。
ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、通常約0.5デシリットル/グラム(dl/g)以上で且つ通常約2dl/g以下である固有粘度を有する。一実施形態においては、ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、約0.7dl/g以上、例えば0.8dl/g以上、又は例えば0.9dl/g以上である固有粘度を有し、且つ固有粘度は、通常約1.5dl/g以下、例えば1.4dl/g以下であり、及び現在入手可能な市販製品は、1.2dl/g以下の固有粘度を有する。
別の実施形態においては、紡績糸の溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含む第一ポリマーを含む。溶融紡糸ステープルファイバーに使用するのに好適なポリ(ブチレンテレフタレート)はまた、当技術分野で公知であり、例えば、1,4−ブタンジオールとテレフタル酸との重縮合により調製できる。ポリ(ブチレンテレフタレート)は、E.I.du Pont de Nemours and Company,Wilmington,DEから商標名Crastin(登録商標)で市販されている。
溶融紡糸ファイバーに使用するのに好適なポリ(ブチレンテレフタレート)は、ホモポリマー(1,4−ブタンジオールとテレフタル酸及び/又は等価体に実質的に由来する)及びコポリマーであり得る。一実施形態においては、ポリ(ブチレンテレフタレート)は、1,4−ブタンジオール及びテレフタル酸に由来する繰り返し単位を約80モル%以上含有する。他の実施形態においては、ポリ(ブチレンテレフタレート)は、少なくとも約85モル%、又は少なくとも約90モル%、又は少なくとも約95モル%、又は少なくとも約99モル%、又は約100モル%の、1,4−ブタンジオール及びテレフタル酸(若しくは等価体)に由来する繰り返し単位を含有できる。ポリ(トリメチレンテレフタレート)は、少量の他のコモノマー又は官能性モノマーを含有できる。任意選択的に、PBT又はそのモノマーは、脱工業化又はポストコンシューマー材料(つまり、ファイバー又はプラスチック廃棄物)を再生利用して得ることができた。
ポリエチレンテレフタレート(PET)は、エチレングリコールとテレフタル酸(又はジメチルテレフタレート若しくは他のテレフタレートエステル)の縮合重合により調製され得るポリエステルである。ポリ(エチレンテレフタレート)を生成するプロセスは、公知であり、例えば米国特許第3398124号明細書及び米国特許第3487049号明細書に開示されている。本明細書に開示される溶融紡糸ステープルファイバーを調製するのに好適なポリ(エチレンテレフタレート)もまた、市販されている。一実施形態においては、ポリ(エチレンテレフタレート)は、ホモポリマーであり、エチレングリコールとテレフタル酸及び/又は等価体に実質的に由来する。任意選択的に、PET又はそのモノマーは、脱工業化又はポストコンシューマー材料(つまり、ファイバー又はプラスチック廃棄物)を再生利用して得ることができた。
多くの用途においては、第三モノマーを加えることにより、ポリ(エチレンテレフタレート)の特性を修正することが望ましいことがある。例えば、ポリエチレンテレフタレートのコポリマーは、シクロヘキサンジメタノールと組み合わせて、或いはシクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールと組み合わせて、ジメチルテレフタレート又はテレフタル酸のモノマーから調製できる。他の場合においては、結晶化度を壊し又本明細書で「Co−PET」と呼ばれるコポリマーの融点を下げる、テレフタル酸モノマー部分に代わって、イソフタル酸が、使用できる。
本明細書で使用される場合、「Co−PET」は、本技術分野で公知であるように、エチレングリコール、テレフタル酸(又はジメチルテレフタレート若しくは他のテレフタレートエステル)及びイソフタル酸(又はイソフタル酸ジメチル若しくは他のテレフタレートエステル)の縮合重合により、調製され得るポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーを指す。Co−PETはまた、再生利用のポリ(エチレンテレフタレート)のボトルが、細断され、溶融され、精製され、そして再ペレット化されて、ファイバーグレードのポストコンシューマーリサイクルしたCo−PETを製造するプロセスにおいて、生成できる。イソフタル酸モノマーは、全コポリマー組成物を基準として、通常約0.5モル%〜約15モル%の範囲の濃度でCo−PET中に存在し、最大約30モル%までの量で存在できる。例えば、Co−PETは、約0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30モル%のイソフタル酸モノマーを含有できる。一実施形態においては、本明細書に開示される溶融紡糸ステープルファイバーに有用なCo−PETは、全コポリマー組成物を基準として約1モル%〜約5モル%、又は最大約10モル%まで、又は最大約15モル%までのイソフタル酸モノマーを含有する。別の実施形態においては、有用なCo−PETは、約0.5モル%〜約3モル%のイソフタル酸モノマーを含有する。Co−PET中のイソフタル酸モノマーの量は、Co−PETに所望の特性を提供するように選択できる。Co−PETの融点が低いほど、融解紡糸中のCo−PETとポリ(トリメチレンテレフタレート)の相溶性を改善できると考えられている。Co−PETは、市販されている。
いくつかの実施形態においては、イソフタル酸以外の追加のモノマーを含有するポリエチレンテレフタレートコポリマーを使用することがある。例えば、エチレングリコール、テレフタル酸(又は等価体)、及びジカルボン酸、例えばコハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、グルタル酸、1,10−デカンジカルボン酸、フタル酸、ドデカン二酸、スルホン化イソフタル酸、シュウ酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、それらの混合物などを含むポリエチレンテレフタレートコポリマーは、溶融紡糸ステープルファイバーを調製するのに有用であり得る。別な方法として、エチレングリコール、テレフタル酸(又は等価体)、並びにジオール、例えばジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ブチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、及びそれらの混合物などを含むポリエチレンテレフタレートコポリマーは、溶融紡糸ステープルファイバーを調製するに有用であり得る。
一実施形態においては、Co−PETは、エチレンテレフタレート及びイソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーである。別の実施形態においては、Co−PETは、ポリ(エチレンテレフタレート)及びイソフタル酸モノマーから本質的に成るポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーである。さらなる一実施形態においては、Co−PETは、ポリ(エチレンテレフタレート)及びイソフタル酸モノマーから成るポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーである。
溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)を含む第一ポリマー及びポリ(エチレンテレフタレート)又はCo−PETを含む第二ポリマーを含み、第一ポリマーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、ポリ(トリメチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90の範囲であり、;或いは第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90の範囲である。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)及びポリ(エチレンテレフタレート)(PET)を含み、並びに溶融紡糸ステープルファイバーは、約80重量パーセントのPTT及び約20重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約75重量パーセントのPTT及び約25重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約70重量パーセントのPTT及び約30重量パーセントのPETを含む。別の実施形態においては、ステープルファイバーは、約65重量パーセントのPTT及び約35重量パーセントのPETを含む。さらに別の実施形態においては、ステープルファイバーは、約60重量パーセントのPTT及び約40重量パーセントのPETを含む。追加の一実施形態においては、ステープルファイバーは、約55重量パーセントのPTT及び約45重量パーセントのPETを含む。さらなる一実施形態においては、ステープルファイバーは、約50重量パーセントのPTT及び約50重量パーセントのPETを含む。別の実施形態においては、ステープルファイバーは、約45重量パーセントのPTT及び約55重量パーセントのPETを含む。別個の実施形態においては、ステープルファイバーは、約40重量パーセントのPTT及び約60重量パーセントのPETを含む。別の実施形態においては、ステープルファイバーは、約35重量パーセントのPTT及び約65重量パーセントのPETを含む。さらに別の実施形態においては、ステープルファイバーは、約30重量パーセントのPTT及び約70重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約25重量パーセントのPTT及び約75重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約20重量パーセントのPTT及び約80重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約15重量パーセントのPTT及び約85重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約10重量パーセントのPTT及び約90重量パーセントのPETを含む。
一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(トリメチレンテレフタレート(PTT)と、イソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマー(Co−PET)とを含み、PTTのCo−PETに対する重量比は、約80:20〜約10:90の範囲である。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約80重量パーセントのPTT及び約20重量パーセントのCo−PETを含む。追加の一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約75重量パーセントのPTT及び約25重量パーセントのCo−PETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約70重量パーセントのPTT及び約30重量パーセントのCo−PETを含む。別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約65重量パーセントのPTT及び約35重量パーセントのCo−PETを含む。さらに別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約60重量パーセントのPTT及び約40重量パーセントのCo−PETを含む。追加の一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約55重量パーセントのPTT及び約45重量パーセントのCo−PETを含む。さらなる一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約50重量パーセントのPTT及び約50重量パーセントのCo−PETを含む。別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約45重量パーセントのPTT及び約55重量パーセントのCo−PETを含む。別個の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約40重量パーセントのPTT及び約60重量パーセントのCo−PETを含む。別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約35重量パーセントのPTT及び約65重量パーセントのCo−PETを含む。さらに別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約30重量パーセントのPTT及び約70重量パーセントのCo−PETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約25重量パーセントのPTT及び約75重量パーセントのCo−PETを含む。別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約20重量パーセントのPTT及び約80重量パーセントのCo−PETを含む。さらに別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約15重量パーセントのPTT及び約85重量パーセントのCo−PETを含む。追加の一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約10重量パーセントのPTT及び約90重量パーセントのCo−PETを含む。
一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)及びポリ(エチレンテレフタレート)(PET)を含み、並びに溶融紡糸ステープルファイバーは、約90重量パーセントのPBT及び約10重量パーセントのPETを含む。別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約85重量パーセントのPBT及び約15重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約80重量パーセントのPBT及び約20重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約75重量パーセントのPBT及び約25重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約70重量パーセントのPBT及び約30重量パーセントのPETを含む。別の実施形態においては、ステープルファイバーは、約65重量パーセントのPBT及び約35重量パーセントのPETを含む。さらに別の実施形態においては、ステープルファイバーは、約60重量パーセントのPBT及び約40重量パーセントのPETを含む。追加の一実施形態においては、ステープルファイバーは、約55重量パーセントのPBT及び約45重量パーセントのPETを含む。さらなる一実施形態においては、ステープルファイバーは、約50重量パーセントのPBT及び約50重量パーセントのPETを含む。別の実施形態においては、ステープルファイバーは、約45重量パーセントのPBT及び約55重量パーセントのPETを含む。別個の実施形態においては、ステープルファイバーは、約40重量パーセントのPBT及び約60重量パーセントのPETを含む。別の実施形態においては、ステープルファイバーは、約35重量パーセントのPBT及び約65重量パーセントのPETを含む。さらに別の実施形態においては、ステープルファイバーは、約30重量パーセントのPBT及び約70重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約25重量パーセントのPBT及び約75重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約20重量パーセントのPBT及び約80重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約15重量パーセントのPBT及び約85重量パーセントのPETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約10重量パーセントのPBT及び約90重量パーセントのPETを含む。
一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、ポリ(ブチレンテレフタレート(PBT)と、イソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマー(Co−PET)とを含み、PBTのCo−PETに対する重量比は、約90:10〜約10:90の範囲である。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約85重量パーセントのPBT及び約15重量パーセントのCo−PETを含む。別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約80重量パーセントのPBT及び約20重量パーセントのCo−PETを含む。追加の一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約75重量パーセントのPBT及び約25重量パーセントのCo−PETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約70重量パーセントのPBT及び約30重量パーセントのCo−PETを含む。別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約65重量パーセントのPBT及び約35重量パーセントのCo−PETを含む。さらに別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約60重量パーセントのPBT及び約40重量パーセントのCo−PETを含む。追加の一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約55重量パーセントのPBT及び約45重量パーセントのCo−PETを含む。さらなる一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約50重量パーセントのPBT及び約50重量パーセントのCo−PETを含む。別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約45重量パーセントのPBT及び約55重量パーセントのCo−PETを含む。別個の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約40重量パーセントのPBT及び約60重量パーセントのCo−PETを含む。別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約35重量パーセントのPBT及び約65重量パーセントのCo−PETを含む。さらに別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約30重量パーセントのPBT及び約70重量パーセントのCo−PETを含む。一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約25重量パーセントのPBT及び約75重量パーセントのCo−PETを含む。別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約20重量パーセントのPBT及び約80重量パーセントのCo−PETを含む。さらに別の実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約15重量パーセントのPBT及び約85重量パーセントのCo−PETを含む。追加の一実施形態においては、溶融紡糸ステープルファイバーは、約10重量パーセントのPBT及び約90重量パーセントのCo−PETを含む。
溶融紡糸ステープルファイバーは、二段階プロセスにおいて形成できる。第一段階においては、ポリマーは、合わせられ、溶融され、押出されて、ポリマーを含むフィラメントを形成し、そのフィラメントを冷却して、トウとして回収する。第二段階においては、少なくとも一段の延伸、捲縮、アニーリング、及び切断してステープルファイバーを調製することにより、トウを加工することができる。ポリエステルステープルファイバーを調製するプロセスは、例えば米国特許第5,308,564号明細書に開示されているように、公知である。
第一ポリマー(PTT又はPBT)及び第二ポリマー(PET又はCo−PET)は、任意の既知の技術により、合わせることができる。ポリマーは、様々な方法で合わせることができ、例えば(a)ポリマーを加熱して、同時に混合する、(b)加熱の前に別々の装置で予備混合する、又は(c)加熱後、混合する。混合、加熱、及び形成は、その目的を対象にして設計された従来の器具、例えば押出機などにより実施できる。その温度は、それぞれのポリマーの融点よりも高いが、最も低い分解温度よりも低いのが望ましい。好適な温度は、約140℃〜約240℃の範囲、例えば少なくとも約200℃で且つ最大約230℃までであることが可能である。一実施形態においては、溶融温度は、280℃未満である。
一実施形態においては、ポリマーは、例えば複合スクリュー中で所望の比率に配合されて、その後紡糸押出機に供給されるペレットを形成できる。別の実施形態においては、ペレットはそれぞれのポリマーから別々に作製でき、その後、ペレットは、紡糸押出機への最大2台の供給機を用いて、ごま塩状の混合物として一緒にブレンドされる。別な方法として、ペレットをそれぞれのポリマーから別々に作製し、そのペレットを紡糸押出機に供給する前に一緒に予備混合することができる。さらに別の実施形態においては、それぞれのポリマーを溶融して溶融ポリマーの流れを形成した後に、その溶融ポリマーの流れを合わせて、溶融混合物からペレットを形成できる。用語「ペレット」は、本明細書において一般的に使用され、「チップ」又は「フレーク」と時々呼ばれる製品を含むように形状に関係なく、使用される。
望むならば、添加剤は、ポリ(トリメチレンテレフタレート)に、ポリ(ブチレンテレフタレート)に、ポリ(エチレンテレフタレート)に、Co−PETに、又はポリマーの混合物に添加できる。有用な添加剤としては、例えば、艶消剤、造核剤、熱安定剤、粘度向上剤、螢光発光剤、酸化防止剤、抗菌剤、可塑剤、帯電防止剤、潤滑剤、加工助剤、難燃剤、染料、TiO、又は顔料を挙げることができる。
合わせた第一ポリマー及び第二ポリマー(つまり、PTT及びPET混合物、PTT及びCo−PET混合物、PBT及びPET混合物、又はPBT及びCo−PET混合物)は、約250℃〜約275℃、例えば少なくとも約255℃且つ最大約270℃までの温度で紡糸口金を介して押出される。紡糸フィラメントは、スレッドライン当たり少なくとも約34フィラメント、例えば約175フィラメント〜約6800フィラメント、又は6900フィラメント以上を含む束で押出される。未延伸フィラメントは、通常、約3〜約8以上の範囲のフィラメント当たりのデニールを有する。紡糸口金オリフィスは、通常、円形の繊維断面に対しては円形であるが、様々な形状のオリフィスが、例えば三葉又は三角断面に対して、必要に応じて使用できる。紡糸フィラメントは、約3〜約8dpfの範囲であるデニールを有し、束(トウ)で回収される。通常、トウは、実施例において本明細書に開示される乾熱収縮法(Dry Heat Shrinkage Method)によって求められた6%未満の乾熱収縮を有する。
ステープルファイバーを調製するプロセスの第二段階においては、トウは、未延伸の溶融紡績糸を含有する一連の缶又はクリールから供給される。仕上剤を塗布して加工下流を促進してもよい。その後、加熱希釈した仕上げの水浴にトウを浸漬させながら、延伸する。一般的に、送りロールを室温で保ち、その間に延伸ロールを加熱してよい。延伸トウは、水蒸気が飽和しているチャンバーを通ることで、安定化され、任意選択的にさらに延伸でき、室温のロールモジュール上を通過する前に、複数の加熱された延伸ロールモジュール上でアニーリングされる。延伸ゾーンの様々な簡略化は、捲縮の準備において糸条を最適に延伸及び安定化するために、加熱した延伸モジュール又は室温の延伸モジュールを増減することで可能である。捲縮モジュールは、通常、捲縮の準備において糸のヤング率を低くする蒸気室を使用し、通常、捲縮機は、空気圧の作用を受ける、機械押込みタイプ(mechanical stuffer box type)のフラッパーゲート付きの捲縮機である。一連の被動ロールによって糸条トウをクリンパーボックスに引き込み;フラッパーの背圧によりクリンパーボックスからの流れが制御されるので、糸条は縮み、捲縮を形成する。捲縮トウは、ステープルに切断される前に、焼還器区間を通過する。
溶融紡糸ステープルファイバーのフィラメント当たりの最終デニールは、綿方式の加工には1〜2及びウール方式の加工には2〜3の範囲であってよい。
本明細書に開示される溶融紡糸ステープルファイバーは、加工上の利点を提供する。例えば、ステープルファイバーは、紡績糸の作製において、開繊、カーディング、及び練条ステップを通して良好な生産性で加工できる。本明細書に開示される溶融紡糸ステープルファイバーは、PETステープル紡糸に典型的な条件を用いて、スフ紡績プロセスで実施してよい。
延伸ファイバーは、任意の所望の長さのステープルファイバーに切断できる。ステープルファイバーが短すぎるならば、カーディングするのは困難であり得る。ステープルファイバーが長すぎるならば、綿又は紡毛方式の器具で紡糸するのは困難であり得る。綿方式での使用には、ステープルファイバーは、通常、約32mm〜約51mmの範囲の長さ、例えば約38〜40mmの範囲の長さを有する。梳毛糸方式での使用には、ステープルファイバーは、通常、約70mm〜約100mmの範囲、例えば約80mm〜約90mmの範囲の平均カット長を有する複数のカット長を有する。ステープルファイバーは、捲縮されて、1インチ当たり約10〜約18の、例えば約11〜約15の完全な正弦弧(full sinus arc)の捲縮を有することができる。綿方式では溶融紡糸ステープルファイバーは、以下の本明細書の実施例に開示する方法を用いて求めた、1〜2のフィラメント当たりデニール、4g/デニール超の糸強力、20〜60%の破断伸びを通常有する。梳毛糸方式では、溶融紡糸ステープルファイバーは、2〜4のフィラメント当たりデニール、4g/デニール超の糸強力、30〜90%の破断伸びを通常有する。
本明細書に開示される溶融紡糸ステープルファイバーは、紡績糸を作製するのに使用できる。一実施形態においては、紡績糸は、溶融紡糸ステープルファイバーから本質的に成り、そしていかなる他の種類のステープルファイバーも含有しない。別の実施形態においては、紡績糸は、本明細書に開示する溶融紡糸ステープルファイバーを含む。さらなる一実施形態においては、紡績糸は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量パーセント〜約95重量パーセントの量で第二ステープルファイバーをさらに含む。一実施形態においては、第二ステープルファイバーは、少なくとも1種の天然繊維を含むことができる。さらなる一実施形態においては、第二ステープルファイバーは、綿、リネン、ウール、アンゴラ、モヘア、アルパカ、又はカシミアから選択される少なくとも1種の天然繊維を含む。別の実施形態においては、第二ステープルは、少なくとも1種の合成繊維を含むことができる。さらなる一実施形態においては、第二ステープルファイバーは、ポリ乳酸、アクリル、ナイロン、オレフィン、アセテート、レーヨン、又はポリエステルを含む。さらに別の実施形態においては、第二ステープルファイバーは、少なくとも1種の再生セルロース繊維を含むことができる。本明細書で使用される場合、用語「再生セルロース繊維」は、再生セルロースから作製される織物繊維を意味し、またレーヨンとも呼ばれ、リヨセル、ビスコース、Modal(登録商標)、及びTencel(登録商標)繊維を含む。本明細書で使用される場合、「リヨセル」は、乾式ジェット湿式紡糸を用いて、漂白した木材パルプを溶解させて作製するセルロース繊維から成るレーヨンの形態を意味する。本明細書で使用される場合、「ビスコース」は、セルロースから作製され、そしてビスコースプロセスにより得られる再生人造繊維を意味する。本明細書で使用される場合、「Modal(登録商標)」は、ブナの木からの木材パルプから作製される繊維を意味する。本明細書で使用される場合、「Tencel(登録商標)」は、ユーカリの木から作製される繊維を意味する。
一実施形態においては、紡績糸は、PTT又はPBTを含む第一ポリマーと、PET又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含み、第一ポリマーの第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90、又は約70:30〜約30:70、又は約60:40〜約40:60、又は約70:30〜約50:50の範囲であり、及び紡績糸は、綿を含む第二ステープルファイバーをさらに含む。さらなる一実施形態においては、第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90、例えば約90:10〜約80:20の範囲であり、及び紡績糸は、綿を含む第二ステープルファイバーをさらに含む。綿は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で紡績糸中に存在でき、そして溶融紡糸ステープルファイバーは、約95重量%〜約5重量%の量で紡績糸中に存在できる。例えば、紡績糸は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%の綿及び約95重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約10重量%の綿及び約90重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約15重量%の綿及び約85重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約20重量%の綿及び約80重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約25重量%の綿及び約75重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約30重量%の綿及び約70重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約35重量%の綿及び約65重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約40重量%の綿及び約60重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約45重量%の綿及び約55重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約50重量%の綿及び約50重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約55重量%の綿及び約45重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約60重量%の綿及び約40重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約65重量%の綿及び約35重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約70重量%の綿及び約30重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約75重量%の綿及び約25重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約80重量%の綿及び約20重量%の溶融紡糸ステープルファイバーを含有できる。別の実施形態においては、紡績糸は、溶融紡糸ステープルファイバーを95重量%超、及び綿を含む第二ステープルファイバーを5重量%未満含むことができる。綿及び溶融紡糸ステープルファイバーの相対量は、糸条から作製される紡績糸及び布帛に所望する性質を提供するように選択される。紡績糸は、約4〜約70、例えば、約4〜約60、又は約4〜約50、又は約10〜約60、又は約20〜約60の綿番手(Ne)を有することができる。綿を含む紡績糸は、少なくとも10cN/texの破断強力を有することができる。いくつかの実施形態においては、綿を含む紡績糸は、少なくとも10cN/texの破断強力を有することができる。綿を含む紡績糸は、少なくとも4%の破断点伸びを有することができる。糸強力及び破断点伸びを求める方法は、本明細書の以下の実施例に提供されている。
別の実施形態においては、紡績糸は、PTT又はPBTを含む第一ポリマーと、PET又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含み、第一ポリマーの第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90、又は約70:30〜約30:70、又は約60:40〜約40:60、又は約70:30〜約50:50の範囲であり、及び紡績糸は、ウールを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。さらなる一実施形態においては、第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90、例えば約90:10〜約80:20の範囲であり、及び紡績糸は、ウールを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。用語「ウール」は、羊又は子羊のフリースからの繊維を指す。ウールは、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で存在績糸中に存在でき、そして溶融紡糸ステープルファイバーは、約95重量%〜約5重量%の量で存在できる。例えば、紡績糸は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%のウール及び約95重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約10重量%のウール及び約90重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約15重量%のウール及び約85重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約20重量%のウール及び約80重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約25重量%のウール及び約75重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約30重量%のウール及び約70重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約35重量%のウール及び約65重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約40重量%のウール及び約60重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約45重量%のウール及び約55重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約50重量%のウール及び約50重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約55重量%のウール及び約45重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約60重量%のウール及び約40重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約65重量%のウール及び約35重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約70重量%のウール及び約30重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約75重量%のウール及び約25重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約80重量%のウール及び約20重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約85重量%のウール及び約15重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約90重量%のウール及び約10重量%の溶融テープルファイバー、又は約95重量%のウール及び約5重量%の溶融紡糸ステープルファイバーを含有できる。ウール及び溶融紡糸ステープルファイバーの相対量は、糸条から作製される紡績糸及び布帛に所望する性質を提供するように選択される。紡績糸は、約7〜約120、例えば約7〜約110、又は約7〜約100、又は約10〜約120、又は約10〜約100、又は約10〜約75の梳毛番手(Nm)を有することができる。
別の実施形態においては、紡績糸は、PTT又はPBTを含む第一ポリマーと、PET又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含み、第一ポリマーの第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90、又は約70:30〜約30:70、又は約60:40〜約40:60、又は約70:30〜約50:50の範囲であり、及び紡績糸は、レーヨンを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。さらなる一実施形態においては、第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90、例えば約90:10〜約80:20の範囲であり、及び紡績糸は、レーヨンを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。本明細書で使用される場合、「レーヨン」は、再生セルロースから作製される織物繊維を意味し、リヨセル、ビスコース、Modal(登録商標)、及びTencel(登録商標)繊維を含む。紡績糸において、レーヨンは、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で存在でき、そして溶融紡糸ステープルファイバーは、約95重量%〜約5重量%の量で存在できる。例えば、紡績糸は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%のレーヨン及び約95重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約10重量%のレーヨン及び約90重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約15重量%のレーヨン及び約85重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約20重量%のレーヨン及び約80重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約25重量%のレーヨン及び約75重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約30重量%のレーヨン及び約70重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約35重量%のレーヨン及び約65重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約40重量%のレーヨン及び約60重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約45重量%のレーヨン及び約55重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約50重量%のレーヨン及び約50重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約55重量%のレーヨン及び約45重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約60重量%のレーヨン及び約40重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約65重量%のレーヨン及び約35重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約70重量%のレーヨン及び約30重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約75重量%のレーヨン及び約25重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約80重量%のレーヨン及び約20重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約85重量%のレーヨン及び約15重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約90重量%のレーヨン及び約10重量%の溶融ステープルファイバー、又は約95重量%のレーヨン及び約5重量%の溶融紡糸ステープルファイバーを含有できる。レーヨン及び溶融紡糸ステープルファイバーの相対量は、糸条から作製される紡績糸及び布帛に所望する性質を提供するように選択される。紡績糸は、約4〜約80、例えば約10〜約60、又は約12〜約40の綿番手(Ne)を有することができる。
別の実施形態においては、紡績糸は、PTT又はPBTを含む第一ポリマーと、PET又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含み、第一ポリマーの第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90、又は約70:30〜約30:70、又は約60:40〜約40:60、又は約70:30〜約50:50の範囲であり、及び紡績糸は、アクリルを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。さらなる一実施形態においては、第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90、例えば約90:10〜約80:20の範囲であり、及び紡績糸は、アクリルを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。本明細書で使用される場合、「アクリル繊維」は、約100,000の平均分子量、約1900のモノマー単位を有するポリアクリロニトリルから作製される合成繊維を意味する。アクリル繊維は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で存在でき、そして溶融紡糸ステープルファイバーは、約95重量%〜約5重量%の量で存在できる。例えば、紡績糸は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%のアクリル繊維及び約95重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約10重量%のアクリル繊維及び約90重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約15重量%のアクリル繊維及び約85重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約20重量%のアクリル繊維及び約80重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約25重量%のアクリル繊維及び約75重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約30重量%のアクリル繊維及び約70重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約35重量%のアクリル繊維及び約65重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約40重量%のアクリル繊維及び約60重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約45重量%のアクリル繊維及び約55重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約50重量%のアクリル繊維及び約50重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約55重量%のアクリル繊維及び約45重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約60重量%のアクリル繊維及び約40重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約65重量%のアクリル繊維及び約35重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約70重量%のアクリル繊維及び約30重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約75重量%のアクリル繊維及び約25重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約80重量%のアクリル繊維及び約20重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約85重量%のアクリル繊維及び約15重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約90重量%のアクリル繊維及び約10重量%の溶融ステープルファイバー、又は約95重量%のアクリル繊維及び約5重量%の溶融紡糸ステープルファイバーを含有できる。アクリル繊維及び溶融紡糸ステープルファイバーの相対量は、糸条から作製される紡績糸及び布帛に所望する性質を提供するように選択される。紡績糸は、約4〜約80、例えば約10〜約60、又は約12〜約40の綿番手(Ne)を有することができる。
別の実施形態においては、紡績糸は、PTT又はPBTを含む第一ポリマーと、PET又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含み、第一ポリマーの第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90、又は約70:30〜約30:70、又は約60:40〜約40:60、又は約70:30〜約50:50の範囲であり、及び紡績糸はポリ乳酸(PLA)を含む第二ステープルファイバーをさらに含む。さらなる一実施形態においては、第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90、例えば約90:10〜約80:20の範囲であり、及び紡績糸は、PLAを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。本明細書で使用される場合、「ポリ乳酸繊維」は、繊維形成物質が、少なくとも85重量%の天然糖に由来する乳酸エステル単位で構成される人造繊維を意味する。PLAは、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で存在でき、そして溶融紡糸ステープルファイバーは、約95重量%〜約5重量%の量で存在できる。例えば、紡績糸は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%のPLA及び約95重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約10重量%のPLA及び約90重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約15重量%のPLA及び約85重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約20重量%のPLA及び約80重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約25重量%のPLA及び約75重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約30重量%のPLA及び約70重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約35重量%のPLA及び約65重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約40重量%のPLA及び約60重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約45重量%のPLA及び約55重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約50重量%のPLA及び約50重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約55重量%のPLA及び約45重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約60重量%のPLA及び約40重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約65重量%のPLA及び約35重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約70重量%のPLA及び約30重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約75重量%のPLA及び約25重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約80重量%のPLA及び約20重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約85重量%のPLA及び約15重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約90重量%のPLA及び約10重量%の溶融ステープルファイバー、又は約95重量%のPLA及び約5重量%の溶融紡糸ステープルファイバーを含有できる。PLA及び溶融紡糸ステープルファイバーの相対量は、糸条から作製される紡績糸及び布帛に所望する性質を提供するように選択される。
別の実施形態においては、紡績糸は、PTT又はPBTを含む第一ポリマーと、PET又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含み、第一ポリマーの第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90、又は約70:30〜約30:70、又は約60:40〜約40:60、又は約70:30〜約50:50の範囲であり、及び紡績糸は、ナイロンを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。さらなる一実施形態においては、第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90、例えば約90:10〜約80:20の範囲であり、及び紡績糸は、ナイロンを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。本明細書で使用される場合、「ナイロン繊維」は、繊維形成物質が、2つの脂肪族基に85%未満のアミド結合が直接結合している長鎖の合成ポリアミドである人造繊維を意味する。ナイロンは、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で存在でき、そして溶融紡糸ステープルファイバーは、約95重量%〜約5重量%の量で存在できる。例えば、紡績糸は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%のナイロン及び約95重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約10重量%のナイロン及び約90重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約15重量%のナイロン及び約85重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約20重量%のナイロン及び約80重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約25重量%のナイロン及び約75重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約30重量%のナイロン及び約70重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約35重量%のナイロン及び約65重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約40重量%のナイロン及び約60重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約45重量%のナイロン及び約55重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約50重量%のナイロン及び約50重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約55重量%のナイロン及び約45重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約60重量%のナイロン及び約40重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約65重量%のナイロン及び約35重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約70重量%のナイロン及び約30重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約75重量%のナイロン及び約25重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約80重量%のナイロン及び約20重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約85重量%のナイロン及び約15重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約90重量%のナイロン及び約10重量%の溶融ステープルファイバー、又は約95重量%のナイロン及び約5重量%の溶融紡糸ステープルファイバーを含有できる。ナイロン及び溶融紡糸ステープルファイバーの相対量は、糸条から作製される紡績糸及び布帛に所望する性質を提供するように選択される。
別の実施形態においては、紡績糸は、PTT又はPBTを含む第一ポリマーと、PET又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含み、第一ポリマーの第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90、又は約70:30〜約30:70、又は約60:40〜約40:60、又は約70:30〜約50:50の範囲であり、及び紡績糸は、オレフィンを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。さらなる一実施形態においては、第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90、例えば約90:10〜約80:20の範囲であり、及び紡績糸は、オレフィンを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。本明細書で使用される場合、「オレフィン繊維」は、繊維形成物質が、少なくとも85重量%のエチレン、プロピレン、又はゴム繊維に該当する非晶性(非晶質)ポリオレフィンを除く他のオレフィン単位で構成される任意の長鎖の合成ポリマーである人造繊維を意味する。オレフィン繊維は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で存在でき、そして溶融紡糸ステープルファイバーは、約95重量%〜約5重量%の量で存在できる。例えば、紡績糸は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%のオレフィン繊維及び約95重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約10重量%のオレフィン繊維及び約90重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約15重量%のオレフィン繊維及び約85重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約20重量%のオレフィン繊維及び約80重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約25重量%のオレフィン繊維及び約75重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約30重量%のオレフィン繊維及び約70重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約35重量%のオレフィン繊維及び約65重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約40重量%のオレフィン繊維及び約60重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約45重量%のオレフィン繊維及び約55重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約50重量%のオレフィン繊維及び約50重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約55重量%のオレフィン繊維及び約45重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約60重量%のオレフィン繊維及び約40重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約65重量%のオレフィン繊維及び約35重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約70重量%のオレフィン繊維及び約30重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約75重量%のオレフィン繊維及び約25重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約80重量%のオレフィン繊維及び約20重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約85重量%のオレフィン繊維及び約15重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約90重量%のオレフィン繊維及び約10重量%の溶融ステープルファイバー、又は約95重量%のオレフィン繊維及び約5重量%の溶融紡糸ステープルファイバーを含有できる。オレフィン繊維及び溶融紡糸ステープルファイバーの相対量は、糸条から作製される紡績糸及び布帛に所望する性質を提供するように選択される。
別の実施形態においては、紡績糸は、PTT又はPBTを含む第一ポリマーと、PET又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含み、第一ポリマーの第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90、又は約70:30〜約30:70、又は約60:40〜約40:60、又は約70:30〜約50:50の範囲であり、及び紡績糸は、アセテートを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。さらなる一実施形態においては、第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90、例えば約90:10〜約80:20の範囲であり、及び紡績糸は、アセテートを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。本明細書で使用される場合、「アセテート繊維」は、繊維形成物質がセルロースアセテートであり、ジアセテート及びトリアセテートを含む人造繊維を意味する。ジアセテートは、74%超で且つ92%未満のヒドロキシル基がアセチル化(エステル化度が2.22を超え且つ2.76未満)されているセルロースアセテート繊維と定義されている。トリアセテートは、92%超のヒドロキシル基がアセチル化(エステル化度が2.76を超え且つ3.00未満)されているセルロースアセテート繊維と定義されている。アセテート繊維は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で存在でき、そして溶融紡糸ステープルファイバーは、約95重量%〜約5重量%の量で存在できる。例えば、紡績糸は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%のアセテート繊維及び約95重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約10重量%のアセテート繊維及び約90重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約15重量%のアセテート繊維及び約85重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約20重量%のアセテート繊維及び約80重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約25重量%のアセテート繊維及び約75重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約30重量%のアセテート繊維及び約70重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約35重量%のアセテート繊維及び約65重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約40重量%のアセテート繊維及び約60重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約45重量%のアセテート繊維及び約55重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約50重量%のアセテート繊維及び約50重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約55重量%のアセテート繊維及び約45重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約60重量%のアセテート繊維及び約40重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約65重量%のアセテート繊維及び約35重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約70重量%のアセテート繊維及び約30重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約75重量%のアセテート繊維及び約25重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約80重量%のアセテート繊維及び約20重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約85重量%のアセテート繊維及び約15重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約90重量%のアセテート繊維及び約10重量%の溶融ステープルファイバー、又は約95重量%のアセテート繊維及び約5重量%の溶融紡糸ステープルファイバーを含有できる。アセテート繊維及び溶融紡糸ステープルファイバーの相対量は、糸条から作製される紡績糸及び布帛に所望する性質を提供するように選択される。
別の実施形態においては、紡績糸は、PTT又はPBTを含む第一ポリマーと、PET又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含み、第一ポリマーの第二ポリマーに対する重量比は、約80:20〜約10:90、又は約70:30〜約30:70、又は約60:40〜約40:60、又は約70:30〜約50:50の範囲であり、及び紡績糸は、ポリエステル、例えばポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(トリメチレンテレフタレート)、又はポリ(ブチレンテレフタレート)を含む第二ステープルファイバーをさらに含む。さらなる一実施形態においては、第一ポリマーは、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比は、約90:10〜約10:90、例えば約90:10〜約80:20の範囲であり、及び紡績糸は、ポリエステルを含む第二ステープルファイバーをさらに含む。ポリエステルは、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%〜約95重量%の量で存在でき、そして溶融紡糸ステープルファイバーは、約95重量%〜約5重量%の量で存在できる。例えば、紡績糸は、紡績糸の総重量を基準として、約5重量%のポリエステル繊維及び約95重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約10重量%のポリエステル繊維及び約90重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約15重量%のポリエステル繊維及び約85重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約20重量%のポリエステル繊維及び約80重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約25重量%のポリエステル繊維及び約75重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約30重量%のポリエステル繊維及び約70重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約35重量%のポリエステル繊維及び約65重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約40重量%のポリエステル繊維及び約60重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約45重量%のポリエステル繊維及び約55重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約50重量%のポリエステル繊維及び約50重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約55重量%のポリエステル繊維及び約45重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約60重量%のポリエステル繊維及び約40重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約65重量%のポリエステル繊維及び約35重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約70重量%のポリエステル繊維及び約30重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約75重量%のポリエステル繊維及び約25重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約80重量%のポリエステル繊維及び約20重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約85重量%のポリエステル繊維及び約15重量%の溶融紡糸ステープルファイバー、又は約90重量%のポリエステル繊維及び約10重量%の溶融ステープルファイバー、又は約95重量%のポリエステル繊維及び約5重量%の溶融紡糸ステープルファイバーを含有できる。ポリエステル繊維及び溶融紡糸ポリエステルステープルファイバーの相対量は、糸条から作製される紡績糸及び布帛に所望する性質を提供するように選択される。紡績糸は、約4〜約80、例えば約10〜約60、又は約12〜約40の綿番手(Ne)を有することができる。
溶融紡糸ステープルファイバーは、第二繊維とブレンドしてその後綿又は紡毛方式で加工するのに望ましい長さに切断される。例えば、溶融紡糸ステープルファイバーと、綿、リネン、ポリ乳酸、アクリル、ナイロン、オレフィン、アセテート、ポリエステル、又はレーヨン繊維とを含む紡績糸は、通常、綿方式で加工できる。溶融紡糸ステープルファイバーと、ウール、アンゴラ、モヘア、又はカシミアファイバーとを含む紡績糸は、通常、紡毛方式で加工できる。
紡績糸を形成するために、溶融紡糸ステープルファイバーと、任意選択的に少なくとも1種の第二ステープルファイバーは、例えば、繊維ベールが、開繊され、混合されて、そして積層されるプロセスである、積層混合(stack mixing)により、最初にブレンドされる。繊維束は、例えば一連の粗開繊機その後精開繊機を用いて、ブロールームにおいて、より小さいサイズの繊維タフトまで開繊できる。次に、より小さい繊維束が、カーディングされて、スライバーと呼ばれる連続繊維ストランドが形成され、ストランドにおいて殆ど全ての繊維が、スライバー軸に沿って配向される。カーディング機からのスライバーは、質量/長さのばらつきが非常に大きいことがあるので、通常、多数のカーディングスライバー(つまり6)は、合わせられ、例えば練条機又は当技術分野で公知の他の方法で、同時に同じ量が(つまり6回)ドラフトされて、得られたスライバー中の繊維をさらに配向する。フィニッシャ練条機から送達されるスライバーは、質量/長さのばらつきが最小であるが、最終紡績糸で所望される線密度と比較して高い線密度を有するので、スライバーの線密度は、練条プロセスにおいて減らされる。通常、練条プロセスは、2ステップで行われ、そのステップにおいて、部分的なドラフト加工及び加撚が行われ、粗糸を調製する。粗糸は、リング、オープンエンド、エアジェット、及び渦(vortex)精紡などの公知のプロセスを用いて、最終精紡機で粗糸をドラフトすることにより、さらに紡績糸に変換される。紡績糸は、リング精紡においてコップと呼ばれる小さなパッケージに巻き付けることができる;いくつかのコップを一緒にしてコーンと呼ばれる大きな最終パッケージに巻き付けることができる。
織布及び編成布は、本明細書に開示する紡績糸から作製できる。ストレッチ織物の例としては、丸編み、平編み、及びたて編み、並びに平織、綾織、及び朱子織が挙げられる。衣料品などの物品は、本明細書に開示する紡績糸を含む布帛から作製できる。不織布は、本明細書に開示するステープルファイバーから作製でき、及びワイプ、オムツ、ナフキン、及びパーソナルケア用品などの物品に有用であり得る。不織布はまた、塗工布用の基材としても使用でき、及び服装品及び家財道具などの様々な他の用途にも使用できる。
本明細書に開示される紡績糸は、織布又は編成布などの布帛を作製するのに有用である。一実施形態においては、本明細書に開示する紡績糸を含む布帛は、たて糸とよこ糸を有する織布である。一実施形態においては、たて糸は、本明細書に開示する紡績糸を含む。別の実施形態においては、よこ糸は、本明細書に開示する紡績糸を含む。追加の一実施形態においては、たて糸とよこ糸は、本明細書に開示する紡績糸をそれぞれ含む。織布は、例えば、たて糸に、よこ糸に、又はたて糸とよこ糸の双方に追加の糸条又は連続フィラメントをさらに含むことができる。別の実施形態においては、本明細書に開示する紡績糸は、たて糸に使用され、そして天然繊維を含む紡績糸は、よこ糸に使用される。別の実施形態においては、本明細書に開示する紡績糸は、たて糸に使用され、そして合成繊維を含む紡績糸は、よこ糸に使用される。さらに別の実施形態においては、天然繊維を含む紡績糸は、たて糸に使用され、そして本明細書に開示する紡績糸は、よこ糸に使用される。さらなる一実施形態においては、合成繊維を含む紡績糸は、たて糸に使用され、そして本明細書に開示する紡績糸は、よこ糸に使用される。さらに別の実施形態においては、本明細書に開示する紡績糸は、たて糸に且つよこ糸にも使用される。編成布は、本明細書に開示する紡績糸だけを使用して、又は天然繊維又は合成繊維を含む紡績糸と共に使用して作製できる。本明細書に開示される紡績糸を含む織布は、例えば約80g/m〜約600g/mの範囲の布帛重量を有することができる。
本明細書に開示される紡績糸を含む布帛は、PET、綿、レーヨン、PTT、又はそれらの組み合わせの紡績糸からなり、且つ本明細書に開示する溶融紡糸ステープルファイバーを欠く同じ構造の布帛を超える利点を提供できる。例えば、本明細書に開示される溶融紡糸ステープルファイバーを含む紡績糸を含む布帛は、PET、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせの布帛よりも、大きな布帛厚によって示唆されるような大きな嵩高を有するだけでなく、柔らかい手触り(つまり、柔らかな感触)を有することができる。本明細書に開示される紡績糸を含む布帛は、PET、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ構造の布帛よりも、良好な可染性を有することができる。同様な構造のPET布帛と比較すると、本明細書に開示される布帛は、低い温度で深濃に染めることができる。本明細書に開示される布帛は、低温で染色した際に、PET布帛よりも良好な染料含浸(dye pickup)を有することができ、それにより、エネルギー節減によるコスト削減をもたらす。例えば、本明細書に開示される紡績糸を含有する布帛は、同時に染色した場合にPET布帛よりも濃く染色できる(つまり、D65光源下で測定した場合のL値が低い)、また、130℃で染色したPET布帛と比較すると100℃で染色した場合でさえもPET布帛よりも濃く染色できる。より多く染料を含浸する特性、より低い温度で含浸する特性、及びより濃く染色する特性は、布帛の「可染性がより良好である」と呼ぶことができる。本明細書に開示される織布はまた、例えばドレープ性の高い領域及び例えば方法BS5058により求めたドレープ係数値により実証される、向上したドレープ性も有することができる。柔らかい手触り及び向上したドレープ性の組み合わせが、布帛に殊に望ましい。さらに、本明細書に開示される布帛は、PET、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ構造の布帛よりも、例えばASTM D4970方法により求めた、毛玉の発生が少ない(より高いピリング性評価値)、及び良好な耐摩擦性を実証した。本明細書に開示される布帛はまた、PET、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ構造の布帛よりも、たて糸及び/又はよこ糸方向に良好な引裂強度を有することができる。本明細書に開示される紡績糸を含む編成布は、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又は組み合わせから成る同じ構造の編成布よりも、高い回復性を有することができる。
本明細書で開示される実施形態の非限定的な例としては、下記が挙げられる:
1.ポリ(トリメチレンテレフタレート)(PTT)又はポリ(ブチレンテレフタレート)(PBT)を含む第一ポリマーと、ポリ(エチレンテレフタレート)(PET)又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含む紡績糸であって、Co−PETが、イソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーであり;及び第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、そしてポリ(トリメチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比が、約80:20〜約10:90の範囲であり;或いは第一ポリマーが、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、ポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比が、約90:10〜約10:90の範囲である紡績糸。
2.第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、且つ第二ポリマーが、ポリ(エチレンテレフタレート)を含む実施形態1に記載の紡績糸。
3.第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、且つ第二ポリマーが、Co−PETを含む実施形態1又は2に記載の紡績糸。
4.第一ポリマーが、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、且つ第二ポリマーが、ポリ(エチレンテレフタレート)を含む実施形態1に記載の紡績糸。
5.第一ポリマーが、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、且つ第二ポリマーが、Co−PETを含む実施形態1又は4に記載の紡績糸。
6.第二ポリマーが、Co−PETを含み、及びCo−PETが、全てのコポリマー組成物を基準として約0.5モルパーセント〜約10モルパーセントのイソフタル酸モノマーを含有する実施形態1、3又は5に記載の紡績糸。
7.重量比が、約70:30〜約30:70の範囲である実施形態1、2、3、4、5、又は6に記載の紡績糸。
8.重量比が、約60:40〜約40:60の範囲である実施形態1、2、3、4、5、又は6に記載の紡績糸。
9.重量比が、約70:30〜約50:50の範囲である実施形態1、2、3、4、5,又は6に記載の紡績糸。
10.ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比が、約70:30〜約30:70の範囲である実施形態1、2、3、4、5、6、又は7に記載の紡績糸の紡績糸。
11.紡績糸が、ASTM D2259に従って求めた、少なくとも約6%のボイルオフ収縮を有する実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10に記載の紡績糸。
12.紡績糸の総重量を基準として約5重量%〜約95重量%の第二ステープルファイバーをさらに含む実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、又は11に記載の紡績糸。
13.第二ステープルファイバーが、ポリ乳酸、アクリル、ナイロン、オレフィン、アセテート、レーヨン、ポリエステル、綿、リネン、ウール、アンゴラ、モヘア、アルパカ、カシミア、又はそれらの混合物を含む実施形態12に記載の紡績糸。
14.第二ステープルファイバーが、綿又はウールを含む実施形態12に記載の紡績糸。
15.第二ステープルファイバーが、綿を含む実施形態12、13、又は14に記載の紡績糸。
16.紡績糸が、約4Ne〜約80Neの綿番手を有する実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15に記載の紡績糸。
17.第二ステープルファイバーが、ウールを含む実施形態12、13、又は14に記載の紡績糸。
18.紡績糸が、7Nm〜120Nmの範囲の梳毛番手を有する実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は17に記載の紡績糸。
19.実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18に記載の紡績糸を含む布帛。
20.布帛が、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、綿、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも柔らかい手触り及び良好なドレープ性を有する実施形態19に記載の布帛。
21.布帛が、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも良好な可染性を有する実施形態19又は20に記載の布帛。
22.布帛が、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも良好な、ASTM D4966標準試験法に従って求めた耐摩擦性を有する実施形態19、20、又は21に記載の布帛。
23.布帛が、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも、ASTM D4970標準試験法に従って求めた少ない毛玉(高いピリング性評価値)を有する実施形態19、20、21、又は22に記載の布帛。
24.布帛が、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも大きい、ASTM D1777標準試験法に従って求めた嵩高性を有する実施形態19、20、21、22、又は23に記載の布帛。
25.布帛が、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも
i)ASTM D4966標準試験法に従って求めた良好な耐摩擦性;
ii)ASTM D4970標準試験法に従って求めた高いピリング性評価値;又は
iii)ASTM D1777標準試験法に従って求めた大きい嵩高;
のうちの少なくとも1つ有する実施形態19、20、又は21に記載の布帛。
26.布帛が、たて糸及びよこ糸を有する織布である実施形態19、20、21、22、23、24、又は25に記載の布帛。
27.たて糸が、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18に記載の紡績糸を含む実施形態26に記載の布帛。
28.よこ糸が、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18に記載の紡績糸を含む実施形態26、又は27に記載の布帛。
29.たて糸及びよこ糸それぞれが、実施形態1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、又は18に記載の紡績糸を含む実施形態26、27、又は28に記載の布帛。
30.布帛が、編成布である実施形態19、20、21、22、23、24、又は25に記載の布帛。
31.編成布が、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の編成布よりも、Method BS4294に従って求めた高い回復性を有する実施形態30に記載の布帛。
32.実施形態19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、又は31に記載の布帛を含む物品。
33.物品が、衣料品である実施形態32に記載の物品。
34.ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)を含む第一ポリマーと、ポリ(エチレンテレフタレート)又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーであって、Co−PETが、イソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーであり、ステープルファイバーが:
a)約80:20〜約10:90の範囲であるポリ(トリメチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比;又は
約90:10〜約10:90の範囲であるポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比;及び
b)乾熱収縮法により求める6%未満の乾熱収縮
を有する溶融紡糸ステープルファイバー。
35.ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比が、約70:30〜約30:70の範囲である実施形態34に記載の溶融紡糸ステープルファイバー。
36.ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)の第二ポリマーに対する重量比が、約70:30〜約50:50の範囲である実施形態34に記載の溶融紡糸ステープルファイバー。
37.第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、且つ第二ポリマーが、ポリ(エチレンテレフタレート)を含む実施形態34、35、又は36に記載の溶融紡糸ステープルファイバー。
38.第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、且つ第二ポリマーが、Co−PETを含む実施形態34、35、又は36に記載の溶融紡糸ステープルファイバー。
39.第一ポリマーが、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、且つ第二ポリマーが、ポリ(エチレンテレフタレート)を含む実施形態34、35、又は36に記載の溶融紡糸ステープルファイバー。
40.第一ポリマーが、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、且つ第二ポリマーが、Co−PETを含む実施形態34、35、又は36に記載の溶融紡糸ステープルファイバー。
41.第二ポリマーが、Co−PETを含み、及びCo−PETが、全てのコポリマー組成物を基準として、約0.5モルパーセント〜約10モルパーセントのイソフタル酸モノマーを含有する実施形態34、35、36、38、又は40に記載の溶融紡糸ステープルファイバー。
本明細書で使用される場合、「Comp.Ex.」は比較例を意味し、「Ex.」は、実施例を意味し、「rpm」は、回転/分を意味し、「wt%」は、重量パーセントを意味し、「dL/g」は、デシリットル/グラムであり、「g」は、グラムであり、「mg」は、ミリグラムであり、「℃」は、摂氏度を意味し、「min」は、分であり、「h」は、時間であり、「s」は秒であり、「lb」は、ポンドであり、「kg」は、キログラムであり、「mm」は、ミリメートルであり、「m」は、メートルであり、「gpl」は、グラム/リットルであり、「m/分」は、メートル/分であり、「mol」は、モルであり、「kg」は、キログラムであり、「ppm」は、部/100万であり、「Hz」は、ヘルツであり、「cN」は、センチニュートンであり、「rpm」は、回転/分であり、「wt」は重量であり、「dpf」は、デニール/フィラメントであり、「g/d」は、グラム/デニールであり、「Ne」は、綿番手(英国)を意味し、及び1パウンド(0.45kg)の重さの1かせの材料のかせ数(850ヤード又は770メートル)として定義される線密度の尺度であり、「Nm」は、メートル番手を意味し、及び1キログラムの糸条における1000メートル単位の数を指し、「dtex」は、デシテックスを意味し、「AATCC」は、米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile Chemists and Colorists)を意味し、「ASTM」は、米国試験材料協会(American Society for Testing and Materials)を意味し、及び「BS」は、英国規格協会(British Standards Institution)を意味する。
材料
特に記載しない限り、全ての材料は、受け取ったまま使用した。
0.3%のTiOを含有し且つ0.96dL/gの固有粘度を有するポリトリメチレンテレフタレート(PTT)をE.I.du Pont de Nemours and Company(Wilmington、DE)からmerge K2266として取得した。
1.7モル%のイソフタル酸(IPA)モノマー、48.4モル%のテレフタル酸(TPA)モノマー、及び49.9モル%のエチレングリコール(EG)モノマーを含有するCo−PETをNan Ya Plastics Corporation,America,P.O.Box 939,Lake City,S.C 29560,USAから取得した。Co−PET組成をNMR分析により測定し、全てのコポリマー組成物を基準にして示す。Co−PETは、0.80dL/gの固有粘度を有した。
1.1モル%のIPAモノマー、49.1モル%のTPAモノマー、及び49.9モル%のEGモノマーを含有するファイバーグレードのポストコンシューマーリサイクルのCo−PETをWilliam Barnet & Son,LLC,P.O.Box 171898,Spartanburg,S.C.29301,USAから取得した。Co−PET組成をNMR分析により測定し、全てのコポリマー組成物を基準にして示す。Co−PETは、0.76dL/gの固有粘度を有した。
方法
「Co−PET」組成を以下の手順を用いて、NMR分析により測定した。Co−PETペレットを低温粉砕して粉末状の形態にした後、約18mgをNMR管に量りとり、5:1のCDCl:TFA−D(5:1に希釈したクロロホルム/重水素化トリフルオロ酢酸)の溶液を総量0.6mLまで添加した。サンプルをボルテックスしてCo−PETを溶解させた。溶解の30分以内にプロトンNMRスペクトルを得た。
30℃で、5mmのCPQCI(間接的)クライオプローブを備える500MHzのBruker Avance III HD NMRにより、プロトンNMRスペクトルを獲得した。獲得のために以下のパラメーターを用いた:30秒の待ち時間(recycle delay)、4秒の獲得時間、8.0秒の90度パルス、10000Hzのスペクトル窓、79998ポイント、合計64スキャン/収集して平均化した過渡信号(transients)。スペクトルを7.24ppmでのクロロホルム−d残留プロトンシグナルを基準にし、ポンドの0.10Hzで処理し、512kまでゼロ記入した。
イソフタル酸、テレフタル酸、及びテレフタル酸基間のエチレングリコールにそれぞれ対応する約8.7ppm、8.1ppm、及び4.8ppmでのシグナルに対する積分値からCo−PETの組成を計算した。使用したイソフタル酸シグナルは、1モルのプロトンを表すので、その積分値は、既に相対的であった。テレフタル酸の積分値は、4モルのテレフタル酸プロトンを表し、2モルのイソフタル酸プロトンを含む;2×イソフタル酸の相対積分値を減じた値を4で除してテレフタル酸の相対積分値を求めた。エチレングリコールに関連する積分値は、4モルのエチレングリコールプロトンに相当し、及び測定した積分値を4で除して、その相対積分値を求めた。3つの相対積分値を合計して、それぞれを合計値で除して100%を掛け、それぞれ対応する相対積分値として相対モル%値を算出した。
本明細書において乾熱収縮方法と呼ばれる以下の手順を用いて、未延伸溶融紡糸ファイバーの乾熱収縮を求めた。直径50cm、10ループかせを調製し、20g重下でその長さを測定した。このような2つのループをゼロ張力下で40℃まで20時間さらして、収縮させた。20g重下でループの長さを再測定する前に、ループを65%の相対湿度で21℃まで冷却した。百分率での乾熱収縮を以下のように算出した:
Figure 2021529895
溶融紡糸ステープルファイバーに関して、Automatic Single−Fiber Test System FAVIMAT+を使用して、以下の方法用い、繊維特性を求めた。織物繊維の線密度に関してASTM D1577標準試験法従って、デニールを求めた。ASTM D3822単一の織物繊維の引張特性(Tensile Properties of Single Textile Fibers)に従って、糸強力及び破断点伸びを求めた。
ステープルファイバーの捲縮性は、捲縮収縮率(crimp contraction)、捲縮安定性、及び捲縮回復性を特徴とする。捲縮収縮率は、捲縮した繊維の非捲縮の繊維に対する長さの差である。0.001cN/dtexの低荷重下での捲縮の長さL0、0.1cN/dtexの重荷重下での非捲縮の長さL1の測定により、[(L1−L0)/L1]100で示すように捲縮収縮率を算出できる。
捲縮安定性は、特定の荷重下での捲縮安定性の尺度である。捲縮安定性は、荷重を取り除いた際のステープルの長さの回復率を求めることにより、測定できる。0.1cN/dtexの高荷重を10秒間(L1と定める)印加した60秒後のステープルファイバーの長さをL2(0.001cN/dtex下で測定)として、捲縮安定性は、[(L1−L2/(L1−L0)]100として算出できる。
捲縮回復率は、非捲縮の繊維の長さL1と、捲縮除去力を解放した後の繊維の長さL2の差であり、非捲縮の繊維の百分率として表す:[(L1−L2)/L1]100。
溶融紡糸ファイバー実施例
比較例A
溶融紡糸PTTファイバー
0.3%のTiOを含有し、且つ0.96dL/gの固有粘度を有するポリトリメチレンテレフタレート(PTT)を真空オーブン内で窒素雰囲気下120℃で16時間乾燥させ、二軸押出の精紡機を用いて、円形断面の34−フィラメント糸束に溶融押出した。押出機の溶融領域の温度を180〜255℃に維持した。ポリマー処理量は、2.9のフィラメント当たり紡糸デニールを付与するワインダ速度1250m/mで、14.06g/分であった。
糸条束の乾熱収縮を47%であると求めた。
実施例1
PTT及びCo−PETを含有する未延伸溶融紡糸ファイバー
0.3%のTiOを含有し0.96dL/gの固有粘度を有するポリトリメチレンテレフタレートを、0.80dL/gの固有粘度を有するポリエチレンテレフタレートコ−エチレンイソフタレート(Co−PET)(Nan Ya Plastics製)と、二軸押出機中で50/50の重量比で溶融ブレンドして、配合ペレットを形成した。押出機の処理量は、150lb/h(68.04kg/h、0.0189kg/s)であり、押出機の出口の溶融温度は、手持ち型熱電対により測定した285℃未満だった。
PTT:Co−PET配合ペレットを真空オーブン内で窒素雰囲気下120℃で16時間乾燥させ、二軸押出の精紡機を用いて、円形断面の34−フィラメント糸束に溶融押出した。押出機の溶融領域の温度を180〜255℃に維持した。ポリマー処理量は、14.06g/分か、又は21.52g/分のどちらかであった。それぞれの処理量に対して、ワインダ速度は、750m/mか、又は1250m/mのどちらかであり、3.3〜7.7の範囲であるフィラメント当たりの紡糸デニールを付与する。糸条束(トウ)の乾熱収縮率を測定し、1.2%〜3.1%の範囲であった。未延伸ファイバーにおけるこの量の乾熱収縮率は、非常に低く、保管中の材料の安定性を示唆する。結果を以下の表に示す。
Figure 2021529895
実施例2
PTT及びCo−PETを含有する未延伸溶融紡糸ファイバー
0.3%のTiOを含有し0.96dL/gの固有粘度を有するポリトリメチレンテレフタレートを、1.1モル%のIPAモノマー、49.1モル%のTPAモノマー、及び49.9モル%のEGモノマーを含有するファイバーグレードのポストコンシューマーリサイクルしたCo−PETと、二軸押出機中で50/50の重量比で溶融ブレンドして、配合ペレットを形成した。Co−PETは、0.76dL/gの固有粘度を有した。押出機の処理量は、150lb/h(0.0189kg/s)であり、押出機の出口の溶融温度は、手持ち型熱電対により測定した285℃未満だった。
PTT:Co−PET配合ペレットを真空オーブン内で窒素雰囲気下120℃で16時間乾燥させ、二軸押出の精紡機を用いて、円形断面の34−フィラメント糸束に溶融押出した。押出機の溶融領域の温度を180〜255℃に維持した。ポリマー処理量は、14.06g/分か、又は21.52g/分のどちらかであった。それぞれの処理量に対して、ワインダ速度は、750m/mか、又は1250m/mのどちらかであり、3.3〜7.7のフィラメント当たりの紡糸デニールを付与する。糸条束(トウ)の乾熱収縮率を測定し、1.2%〜2.5%の範囲であった。未延伸ファイバーにおけるこの量の乾熱収縮率は、非常に低く、保管中の材料の安定性を示唆する。結果を以下の表に示す。
Figure 2021529895
実施例3
PTT及びCo−PETを含有する溶融紡糸ステープルファイバー
0.3%のTiOを含有し0.96dL/gの固有粘度を有するポリトリメチレンテレフタレートを、Co−PET(Nan Ya Plastics製)と、二軸押出機中で50/50の重量比で溶融ブレンドして、配合ペレットを形成した。押出機の処理量は、150lb/h(0.0189kg/s)であり、押出機の出口の溶融温度は、手持ち型熱電対により測定した285℃未満だった。材料を145℃で20時間、配合した。
放射急冷を有する単一押出精紡機を用いて、6800本の円形断面のフィラメントを紡糸した。押出機の溶融領域の温度を252〜274℃に維持した。ポリマー処理量は、0.379g/分/孔であり、及び送りロール速度は、1100m/mであった。紡糸dpfは、3.0であった。紡糸ファイバーを缶に回収した。22缶、合計448,800デニールを延伸−捲縮−切断/ベールモジュールに供給した。多段階延伸、捲縮機、焼還器、及びカッターを利用する典型的な綿番手ステープルプロセスを使用して、ステープル溶融紡糸ファイバーを生成した。トウを仕上げ浴(0.5%濃度、Schill+SeilacherからSeilacherとして市販されている)に22℃で浸した。36m/mで動作する22℃の送りロールと110.88m/mで動作する75℃の加熱延伸ロールとの間の、80℃における0.5%濃度の仕上げ浴においてトウを最初に延伸して、最初の段階の延伸比3.08を得た。110.88m/mで動作する165℃の下流側の加熱ロールによって、延伸トウを100℃で蒸気室を介して引っ張った。99.8m/mで動作する165℃に加熱した別の一連のロール上にトウを通過させた。仕上げ剤(6%濃度)を噴霧して、99.8m/mで動作する25℃の冷却ドラムロール上にトウを通過させた。トウは、50mm捲縮機に入る前に、100℃の蒸気室に入った。捲縮機速度は、100m/mであった。捲縮機のローラーの温度及び圧力は、それぞれ65℃及び0.8バールであった。捲縮トウをプレートベルト乾燥器内で100℃で8分間アニーリングし、最後に捲縮トウを切断して以下の特性を有するステープル溶融紡糸ファイバーを生成した:
デニール/フィラメント(dpf)=1.2、変動係数(CV)=8.79%
糸強力=4.89g/d、CV=8.79%
伸び=45.97%、CV=19.59%
ステープル長=37〜38mm
捲縮数(完全な正弦弧)=12/インチ
捲縮安定性=67.09%、CV=22.1%
糸仕上げ剤=0.26%
実施例4
PTT及びCo−PETを含有する溶融紡糸ファイバー
0.3%のTiOを含有し0.96dL/gの固有粘度を有するポリトリメチレンテレフタレートを、Co−PET(Nan Ya Plastics製)と、二軸押出機中で50/50の重量比で溶融ブレンドして、配合ペレットを形成した。押出機の処理量は、150lb/h(0.0189kg/s)であり、押出機の出口の溶融温度は、手持ち型熱電対により測定した285℃未満だった。材料を145℃で20時間、配合した。
放射急冷を有する単一押出精紡機を用いて、6800本の円形断面のフィラメントを紡糸した。押出機の溶融領域の温度を252〜274℃に維持した。ポリマー処理量は、0.493g/分/孔であり、及び送りロール速度は、600m/mであった。紡糸dpfは、7.2であった。紡糸ファイバーは、缶に回収した。10缶、合計489,600デニール、延伸−捲縮−切断/ベールモジュールを供給した。多段階延伸、捲縮機、焼還器、及びカッターを利用する典型的なウール番手のステープルプロセスを使用して、溶融紡糸ステープルファイバーを生成した。トウを仕上げ浴(0.5%濃度、Schill+SeilacherからSeilacherとして市販されている)に22℃で浸した。30m/mで動作する22℃の送りロールと109.3m/mで動作する75℃の加熱延伸ロールの間の、80℃における0.5%濃度の仕上げ浴においてトウを最初に延伸して、最初の段階の延伸比3.64を得た。103.9m/mで動作する165℃の下流側の加熱ロールによって、トウを引っ張った。仕上げ剤(6%濃度)を噴霧して、101.9m/mで動作する25℃の冷却ドラムロール上にトウを通過させた。トウは、50mm捲縮機に入る前に、100℃の蒸気室に入った。捲縮機速度は、110.6m/mであった。捲縮機のローラーの温度及び圧力は、それぞれ65℃及び1.3バールであった。捲縮トウをプレートベルト乾燥器内で100℃で8分間アニーリングし、最後に捲縮トウを切断して、以下の特性を有するステープルを生成した:
dpf=2.5、CV=6.98%
糸強力=3.83g/d、CV=8.74%
伸び=69.72%、CV=25.26%
ステープル長=82〜125mm平均84mmを有する複数のカット長
捲縮数(完全な正弦弧)=14/インチ
捲縮安定性=91.19%、CV=8.31%
糸仕上げ剤=0.21%
市販の紡績糸
表3に市販の紡績糸と、それらの紡績糸に使用する略語を以下の表に列記する。これらの糸条のいくつかは、比較例の布帛を調製するのに使用した。
Figure 2021529895
綿方式で作製する紡績糸の例
実施例3からの溶融紡糸ステープルファイバーを用いて、実施例5〜10の紡績糸を調製した。以下の方法を用いて、紡績糸、及び紡績糸の調製中に得るスライバーなどの中間材料を評価した:
CRE型引張試験器具(Uster Tensorapid−3など)を用いて、ジョー速度(jaw speed)5m/分及び試験片の長さ50cmで糸強力を5m/分で測定した。
CRE型引張試験器具(Uster Tensorapid−3など)を用いて、ジョー速度5m/分及び試験片の長さ50cmで破断伸び%を測定した。
実施例5
100%溶融紡糸ファイバーを含有する20sNe紡績糸
以下の手順に従って、綿紡績方式を用いて紡績糸を作製した。
実施例3からの溶融紡糸ステープルファイバーをベールから引き出し、手混合した。ステープルファイバーの平均の長さは、40mmであり、デニールは、1.2Dであった。スタック混合プロセスにおいて、ファイバーを混合し、積層した後、65%の相対湿度及び25℃で24時間コンディショニングした。材料を垂直に引き抜くことによって繊維の塊をスタックから引き出し、通常合成繊維を紡糸するのに使うブロールームラインに送った。このプロセスにおいては、繊維タフトのサイズは、破断されて約150mg〜約30mgになる。以下のパラメーターを使用した:
・送りローラー及びビーターブレード設定値=1.7mm
・ラップ線密度 約400g/メートル
・くず回収の設定値を「0」に設定した
・粗開繊ビーター速度=400rpm
・精開繊ビーター速度=450rpm
次に、30mgの繊維束を単一繊維にカーディングして、繊維がスライバーの長さに沿って配向される連続繊維ストランド(スライバー)内に配列した。下のパラメーターを使用した:
・機種、モデル:カードフレーム、L R C 1/3
・M/c生産速度=70メートル/分
・フィードプレート及びリッカ(ゲージ)=32ミル(1000分の1インチ)
・フラットゲージ=14、14、14、12、12ミル
・トランペットサイズ=4.0mm以上
・スライバー線密度=4.5g/メートル
・リッカ(速度)=650rpm
・シリンダ速度=350rpm
・フラット速度=6インチ/分
・最終スライバー線密度=5.0g/メートル
練条機においては、6カーディングスライバーを一緒にダブリングし、同時に、得られるスライバー中の繊維をさらに配向させるために同じ量(6回)ドラフトした。第一ステップをブレーカ練条と呼び、及び第二ステップをフィニッシャ練条と呼ぶ。以下のパラメーターを使用した:
・機種及びモデル:練条機、L R RSB 851
・ボトムローラーゲージ(フロント/バック)=44/48mm
・トランペットの直径=3.8mm
・スライバー線密度=4.5g/メートル
・トップコットの硬さ=83°度
・ブレークドラフト=ブレーカでは1.4、フィニッシャ練条では機1.4
・ウェブ張力のドラフト=1
・クリール張力のドラフト=1.02
・デリバリ速度=練条機Iでは250MPM、練条機IIでは350MPM
・ダブリング=I及びIIの両方の練条機に対して6回
・最終スライバーの線密度=5.00g/メートル
・斑%=最終スライバーにおいて1.88
次に、粗紡機で、フィニッシャ練条機から送られたスライバーから粗糸を調製した。粗糸に強度を与えるために粗紡機において部分的に撚りをさらに与える。以下のパラメーターを使用した:
・機種及びモデル:粗紡機、LF4200
・スペーササイズ=5.5mm
・スピンドル速度=1000rpm
・撚り係数=0.70
・粗糸かせ=0.75sNe
・ローラーゲージ=48/55/62mm
・クレードル=36mm
粗糸は、3.16%のウスター値(Uster value)(斑)及び3.26のウスター(Uster)%(斑%)を有することが判明した。
粗糸を、リング精紡機上でさらにドラフトして、20sNeの糸番手を有する紡績糸を生成した。以下のパラメーターを使用した:
・機種及びモデル=リング精紡機、LR G5/1
・ローラーゲージ=42.5/65mm
・サドルゲージ=51/66mm
・コットの硬さ(フロント/バックF/B)=68/83°
・ブレークドラフト=1.22
・撚り係数/インチ当たりの撚り=3.6/16.09
・トラベラーサイズ:1/0 M1HO
・スピンドル速度:15500rpm
それぞれ約50gの重量のコップと呼ばれる小さなパッケージ上にリング精紡機で紡績糸を巻き付けた。多くのコップを一緒にして糸条のいかなる欠陥も取り除き、最終的には以下のパラメーターを用いるワインディング機上でコーンに巻き付けた:
・速度=1000m/分
・糸の張力=糸破壊荷重の5〜6%
・パッケージの硬さ−最小
・コーン重量=1.0kg以上
最終紡績糸を引張特性及び斑%に関してウスター引張試験装置(Uster tensorapid−3)及びウスター(Uster)斑試験機−3で評価した。結果を表4に示す。
最終機で巻き付けられた糸条は、活力があり、精紡プロセスで付与した撚りの結果としてもつれる可能性があった。もつれが布帛製造中に糸切れを起こす可能性があるので、オートクレーブ中でコーンを最大温度70℃で50分コンディショニングして、糸条を構造安定にした。
実施例6
100%溶融紡糸ファイバーを含有する40sNe紡績糸
実施例3からの溶融紡糸ステープルファイバーを用い、以下の違いを除いて実施例5の手法に従って、紡績糸を調製した:
最終スライバーの線密度は、4.75g/メートルであり、及び斑%は、1.75であった。
粗糸かせが1.2sNeであることを除いて、実施例5におけるように粗糸を調製した。
粗糸をドラフトするステップにおいては、撚り係数/インチ当たりの撚りは、3.6/22.6であり、トラベラーサイズは、4/0M1HOであり、及びスピンドル速度は、16500rpmであった。
紡績糸を1500メートル/分でコーンに巻き付けた。
紡績糸の特性を表4に示す。
実施例7
40/60溶融紡糸ファイバー/綿(重量/重量)を含有する20sNe紡績糸
実施例3からの溶融紡糸ステープルファイバー、及び綿(Shankar6、北部インド、例えばPunjab及びHaryanaで取得した様々なインド綿)を用いて、紡績糸を調製した。綿ステープルは、31mmの平均長さ、及び気流法を用いて測定した4.1マイクログラム/インチの繊度(繊維線密度)を有した。以下の違いを除いて実施例5の手順に従って、紡績糸を作製した。
手混合するステップにおいては、梳毛機の後に100%綿糸条精紡プロセスから採取し、25〜30mgサイズの小さいタフトに断片化した2層の綿スライバーを1層の溶融紡糸ステープルファイバーにかぶせた。
カーディングステップからの最終スライバーの線密度は、4.7g/メートルであった。
撚り係数が0.85であり、及び粗糸かせが0.7sNeであったことを除いて、実施例5におけるように粗糸を調製した。
16.99の撚り/インチを除いて、さらに実施例5におけるように粗糸をドラフトした。
紡績糸の特性を表4に示す。
実施例8
40/60溶融紡糸ファイバー/綿(重量/重量)を含有する40sNe紡績糸
実施例3からの溶融紡糸ステープルファイバー、及び綿(Shankar6、北部インドからの市販の様々なインド綿)を用いて、紡績糸を調製した。綿ステープルは、31mmの平均長さ及び4.1マイクログラム/インチの線密度を有した。以下の違いを除いて実施例5の手順に従って、紡績糸を作製した。
手混合するステップにおいては、梳毛機の後に100%綿糸条精紡プロセスから採取し、25〜30mgサイズの小さいタフトに断片化した2層の綿スライバーを1層の溶融紡糸ステープルファイバーの上にかぶせた。
カーディングステップからの最終スライバーの線密度は、4.7g/メートルであった。
練条後、最終のスライバー線密度は、4.75g/メートルであった。
撚り係数が0.85であり、及び粗糸かせが1.2sNeであったことを除いて、実施例5におけるように粗糸を調製した。
24.02の撚り/インチ、4/0M1HOのトラベラーサイズ、及びスピンドル速度16500rpmを有することを除いて、さらに実施例5におけるように粗糸をドラフトした。
紡績糸を1500メートル/分でコーンに巻き付けた。
紡績糸の特性を表4に示す。
実施例9
40/60の溶融紡糸ファイバー/Tencelを含有する20sNe紡績糸
実施例3からの溶融紡糸ステープルファイバー及び市販のTencel(登録商標)ステープルファイバー(Lenzing)を用いて、紡績糸を調製した。Tencel(登録商標)ステープルファイバーは、40mmの平均長さ及び1.2Dのデニールを有した。以下の違いを除いて実施例5の手順に従って、紡績糸を作製した。
手混合するステップにおいては、Tencel(登録商標)ファイバー(25〜30mgサイズの小さいタフトに断片化)の2層を溶融紡糸ステープルの1層にかぶせた。
カーディングステップからの最終スライバーの線密度は、4.7g/メートルであった。
撚り係数が0.85であることを除いて、実施例5におけるように粗糸を調製した。
16.99の撚り/インチを有することを除いて、さらに実施例5におけるように粗糸をドラフトした。
紡績糸の特性を表4に示す。
実施例10
40/60の溶融紡糸ファイバー/Tencelを含有する40sNe紡績糸
実施例3からの溶融紡糸ステープルファイバー及び市販のTencel(登録商標)ステープルファイバー(Lenzing)を用いて、紡績糸を調製した。Tencel(登録商標)ステープルは、40mmの平均長さ及び1.2Dのデニールを有した。以下の違いを除いて実施例5の手順に従って、紡績糸を作製した。
手混合するステップにおいては、Tencel(登録商標)ファイバー(25〜30mgサイズの小さいタフトに断片化)の2層を溶融紡糸ステープルの1層にかぶせた。
カーディングステップからの最終スライバーの線密度は、4.7g/メートルであった。
練条後、最終のスライバー線密度は、4.75g/メートルであった。
撚り係数が0.85であり、及び粗糸かせが1.2sNeであったこと除いて、実施例5におけるように粗糸を調製した。24.02の撚り/インチ、4/0M1HOのトラベラーサイズ、及びスピンドル速度16500rpmを有することを除いて、さらに実施例5におけるように粗糸をドラフトした。
紡績糸を1500メートル/分でコーンに巻き付けた。紡績糸の特性を表4に示す。
Figure 2021529895
表4の結果は、100%溶融紡糸ステープルファイバーのみを含む紡績糸、又は綿若しくはTencel(登録商標)と組み合わせて溶融紡糸ステープルファイバーを含む紡績糸が、製織若しくは製編プロセスに十分な糸強力及び破断伸びを有することを示す。
実施例3の溶融紡糸ステープルファイバーのみを含む紡績糸(実施例5及び6)、ポリ(エチレンテレフタレート)ステープル、又はポリ(トリメチレンテレフタレート)ステープルにASTM D2259に従った沸水収縮試験方法を施した。添付に指示の自重を有する糸かせの長さは、沸水(100℃、オートクレーブ中で30分、MLR 1:40、「MLR」は、材料の液体に対する比率を意味する)中に浸漬する前及び浸漬した後に測定し、かせ長さの差を沸騰前のかせの長さで除した値を収縮率(%)として、表5に報告する。PET紡績糸及びPTT紡績糸は、市販のものから入手した。
Figure 2021529895
最も高い沸水収縮%は、溶融紡糸ステープルファイバーのみを含有する実施例6の紡績糸で観察され、最も低い沸水収縮は、PETを含む紡績糸で観察され、及び中間の収縮%の値は、PTTを含む紡績糸で観察された。これは、溶融紡糸ステープルファイバー系布帛に仕上げた後に、布帛に大きな嵩高を付与し、それは望ましい。
織布の例
布帛を以下の方法を用いて評価した:
布帛の重量(生機及び完成品)−ASTM D3776布の単位面積当たりの質量(重量)に対する標準試験法(Standard Test Methods for Mass Per Unit Area(Weight)of Fabric)
寸法安定性(3回の洗濯後にたて糸方向とよこ糸方向の両方に対して)−AATCC135家庭での洗濯後の布帛の寸法変化(Dimensional Changes of Fabrics After Home laundering)
ウィッキング−AATCC197織物の垂直ウィッキング(Vertical Wicking of Textiles)
引き裂き強度(たて糸方向とよこ糸方向の両方に対して)−ASTM D1424落下振子(Elmendorf−Type)装置による布の引き裂き強度の標準試験法(Standard Test Method for Tearing Strength of Fabrics by Falling Pendulum(Elmendorf−Type)Apparatus)
厚さ−ASTM D1777織物材料の厚さに関する標準試験法(Standard Test Method for Thickness of Textile Materials)
ピリング性等級(1000回)−ASTM D4970織物の耐ピリング性及びその他の関連表面変化の標準試験法(Standard Test Method for Pilling Resistance and Other Related Surface Changes of Textile Fabrics):マーティンデールテスター(Martindale Tester)
摩耗(5000回)−ASTM D4966繊維織物の耐磨耗性に関する標準試験法(マーチンデール摩耗試験法)(Standard Test Method for Abrasion Resistance of Textile Fabrics(Martindale Abrasion Tester Method))
ドレープ性−BS5058布帛のドレープ性の評価方法(Method for the Assessment of Drape of Fabrics)
摩擦堅ろう度−AATCC8摩擦に対する染色堅牢度(Colorfastness to Crocking)
洗濯堅ろう度−AATCC61−2A(49℃、45分、1.5gpl)
破裂強度(丸編み)−ASTM D3786織布の破裂強度の標準試験法(Standard Test Method for Bursting Strength of Textile Fabrics)
伸長及び回復(丸編み)−BS4294(5kg)布帛の伸長及び回復特性に対する試験方法(Methods of Test for the Stretch and Recovery Properties of Fabrics)
収縮%(布帛における、生機の完成品に対する)を以下のように求めた。布帛長(たて糸方向)に30cmの線及び布帛幅(よこ糸方向)に30cmの線を示すように油性マーカーで、生機の布帛に印をつけた。次に、布帛を染色して仕上げ、油性マーカーの線の長さを再測量した。長さ(たて糸)方向と幅(よこ糸)方向のそれぞれに対して、染色及び仕上げ前後の線の長さの差を30で除して、100をかけて収縮率(パーセント)を算出した。本明細書においては、この方法を収縮率の方法と呼ぶ。
柔らかさの評価(手触りの主観値とも呼ぶ)−当業者12人による布帛の感触を評価して手触りの主観評価を行い、South India Textile Research Association(SITRA)、Coimbatore,Indiaにおいて試験した。これは、織物産業において布帛の柔らかさを評価するのに広く使われる方法である。布帛をAとBでコード化し、独立して布帛の柔らかさの感じ方に基づいた布帛の等級を検証した。それぞれ専門家が、柔らかい方の布帛に「1」と等級をつけ、柔らかさの劣る布帛を「2」と等級をつけた。100%のPET布帛と実施例11及び14の布帛に対してこれを行った。12の読取りを平均して、最終の等級付けを行った。等級の平均が低い方の布帛に最終等級1(より柔らかい)を付与し、等級の平均が高い方の布帛に2を付与した。
実施例5〜10の紡績糸を用いて、表6に示す織布を作製した。本明細書に開示される紡績糸をたて糸及びよこ糸(よこ糸fill)として用い、綾織(3/1)の厚地(bottom weight)布帛及び平織(1/1)のワイシャツ生地(shirting fabrics)を作製した;市販の紡績糸をたて糸及びよこ糸に用いて比較の布帛を作製した。それぞれの織布には、たて糸とよこ糸の両方に同じ糸条を用いた。布帛の評価結果を表7及び8に表す。特に明記しない限り、結果は、完成品の布帛に関して報告する。
実施例11
実施例5からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用い、厚地の綾織布地を調製した。Elvanol−T25PVAサイジング剤を使用するCCI一本糊付け機を用いてたて糸巻返の前に、たて糸をサイジングした。整経機を350m/分で用いて、2150本の経糸、18インチの幅、及び経糸の長さ3.5メートルを有する最終ビームを調製した。以下の筬通し(denting)計画:
練条:4シャフト
練条タイプ(ストレート練条(1、2、3、及び4)
筬通し:2本の経糸/筬羽
リード数:75筬羽/2インチ
3/1LHT綾織布地を織機速度40ピック/分でCCIサンプル織機上で織った。ピック値を63ピック/インチに設定した。2m長及び49.5cm幅の生機布帛を得た。
生機布帛をRBEラボジガー(lab Jigger)機で以下のように糊抜きした。水(2L)、NaOH(2gpl)、及び湿潤剤で満たしたジガーに布帛サンプルを搭載した;Levocol CESR(湿潤剤)を添加(5gpl)し、浴温度を90℃まで上昇させた。布帛を浴中で60分間流した後、浴から水を抜き、再び淡水で満たし、浴の温度を85℃まで上昇させた。布帛を温水で15分間洗浄し、浴から水を抜いた。再び浴を水で満たし、布帛を15分間水中に流した(冷水洗浄)。浴から水を抜き、水で満たし、酢酸(1gpl)を加えて中和した;この浴中に布帛を15分間流した。その後、浴から水を抜き、淡水を再び満たし、布帛を冷水浴中で15分間流した。次に、布帛をジガーから取り出し、大気条件において乾燥させた後、RBEステンター中で160℃で45秒ヒートセットした。
次に、以下の時間及び温度プロファイルを用いて、分散染料の混合物で布帛を染色した。70℃まで加熱して、10分間保った後に、温度を1.5℃/分で130℃まで上昇させて、30分間保った後、温度を1.5℃/分で70℃まで下げて、水切りした。染色後、布帛にHydros及びNaOH(それぞれ2gpl)で90℃、20分還元洗浄を施した。その後、布帛を冷水で10分洗浄し、酢酸(2gpl)と15分接触させた後、冷水で10分洗浄した。染色布帛に仕上げ剤(柔軟剤)を含浸させた後、RBEラボステンター中で、160℃で45秒ヒートセットした。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。比較例Bの布帛との比較において、実施例11の布帛は、柔らかい手触り(つまり良好な柔らかさ)を有することが判明した。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
比較例B
筬通し計画が4本の経糸/筬羽を使用したこと及びリード数が50筬羽/2インチであったことを除いて実施例11の手順に従って、市販の20sNe100%PETステープル紡績糸(「P1」)をたて糸及びよこ糸として用いて比較の厚地の3/1 LHT綾織布地を作製した。実施例11と同じように、生機布帛を染色し、仕上げをして、ヒートセットした。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
実施例12
以下の例外を除いて実施例11の手順に従って、実施例7からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて厚地の綾織布地を調製した。生機布帛をジガー機で糊抜き及び漂白し、ステンター内でヒートセットし、次に分散染料の混合物で染色した後、さらに綿染色条件下において反応性染料で染色した。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
比較例C
市販の20sNe40/60PET/綿ステープル紡績糸(「PC1」)をたて糸及びよこ糸として用いたことを除いて、実施例12と同じように比較の厚地3/1 LHT綾織布地を作製した。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
実施例13
漂白ステップの終わりに過酸化物キラーを全く使用しなかったことを除いて、実施例12の手順に従って、実施例9からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて厚地の綾織布地を調製した。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
比較例D
市販の20sNe40/60PET/Tencel(登録商標)ステープル紡績糸(「PT1」)をたて糸及びよこ糸として用いたことを除いて、実施例12の手順に従って、比較の厚地3/1 LHT綾織布地を作製した。反応性染料を用いる第二染色ステップをTencel(登録商標)染色条件下で行ったことを除いて、実施例12と同じように、生機布帛を染色し、仕上げて、ヒートセットした。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
実施例14
実施例6からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用い、平織のワイシャツ生地を調製した。手順は、以下の違いを除いて、実施例11に記載した通りであった:整経をした後、ビームは、1680本の経糸を含有し、及びリード数は、84筬羽/2インチであった。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。比較例Eの布帛との比較において、実施例14の布帛は、良好な(柔らかい)手触りを有することが判明した。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
比較例E
市販の40sNe100%PETステープル紡績糸(「P2」)をたて糸及びよこ糸として用いたことを除いて、実施例11の手順に従って、比較の平織のワイシャツ生地を作製した。整経をした後、ビームは、1680本の経糸を含有し、及びリード数は、84筬羽/2インチであった。2m長及び47.7cmの生機布帛を得た。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
実施例15
実施例8からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用い、平織のワイシャツ生地を調製した。漂白ステップの終わりに過酸化物キラーを全く使用しなかったことを除いて、手順は、実施例12に記載した通りだった。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
比較例F
市販の40sNe40/60のPET/綿ステープル紡績糸(「PC2」)をたて糸及びよこ糸に用いたこと、並びに以下の手順におけるさらなる違い:整経後に、ビームが1748本の経糸を含有し、並びにリード数が、92筬羽/2インチであったことを除いて、実施例11の手順に従って、比較の平織のワイシャツ生地を作製した。2m長及び48.7cm幅の生機布帛を得て、実施例12に記載されるように染色した。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
実施例16
実施例10からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用い、平織のワイシャツ生地を調製した。整経後、ビームが1748本の経糸を含有し、リード数が92筬羽/2インチであり、並びにピック値を62ピック/インチに設定したことを除いて、手順は、実施例Wfab−1に記載した通りだった。2m長及び48.7cm幅の生機布帛を得て、実施例12に記載されるように染色した。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
比較例G
市販の40sNe40/60のPET/Tencel(登録商標)ステープル紡績糸(「PT2」)をたて糸及びよこ糸として使用すること、並びに手順における以下のさらなる違いを有することを除いて、実施例11の手順に従って、比較のワイシャツ生地を作製した:整経後、ビームは、1748本の経糸を含有し、リード数は、92筬羽/2インチであり、並びにピック値を62ピック/インチに設定した。2m長及び48.7cm幅の生機布帛を得て、実施例12記載の通りに染色した。
生地組織を表6に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表7及び8に示す。
Figure 2021529895
Figure 2021529895
Figure 2021529895
前出の表の結果は、本明細書に開示される紡績糸を含有する布帛が、比較例の布帛を超える多数の利点を提供することを実証する。本明細書に開示される紡績糸を含有する織布は、同様な構造の比較例の布帛と比較すると、実施例の布帛の厚みがより大きいことにより示唆されるように、より大きな嵩高を有することができる。実施例の織布はまた、比較例の布帛と比べて、毛玉の発生が少ない(高いピリング性評価値)、良好な耐摩擦性(重量%の損失が小さい)、及び良好なドレープ性(ドレープ性係数値が高い)ことを実証する。さらに、実施例の布帛はまた、より濃く染色できる(D65光源でのL値が低い)。向上した手触り(柔らかな感触)と良好なドレープ性の組み合わせは、布帛に特に望まれる。
丸編布地の例
実施例5〜10の紡績糸を編糸として用いて、表9に示す丸編布地を作製した;市販の紡績糸を用いて、比較の布帛を作製した。20sNe番手を用いる全ての丸編布地に対して、編機ゲージは、20”であった。40sNe番手を用いる全ての丸編布地に対して、編機ゲージは、24”であった。布帛の評価結果を表9及び10に表す。特に明記しない限り、結果は、完成品の布帛に関して報告する。
実施例17
実施例5からの紡績糸を用いて、Mesdanラボ編機で丸編布地を調製した。生機布帛をRBEステンターで160℃で45秒間ヒートセットした後、以下の手順を用いてHTHP Beaker染色機で精練した。NaOH(2gpl)及び湿潤剤Levocol CESR(5gpl)を添加して、布帛を90℃で60分間精練した。85℃で15分間、次に冷水で15分間、その後酢酸(1gpl)を含有する中和溶液で15分間、布帛を洗浄した後、別の冷水で15分間洗浄した。
次に、以下の時間及び温度プロファイルを用いて、分散染料の混合物で、同一機械中で精練布帛を染色した:70℃まで加熱して、10分間保った後に、温度を1.5℃/分で130℃まで上昇させて、30分間保った後、温度を1.5℃/分で70℃まで下げて、水切りした。染色後、布帛にHydros及びNaOH(それぞれ2gpl)で90℃、20分還元洗浄を施した。その後、布帛を冷水で10分洗浄し、酢酸(2gpl)で15分間中和した後、冷水で10分間洗浄した。染色布帛に仕上げ剤(柔軟剤)を含浸させた後、ラボステンター中で、160℃で45秒間ヒートセットした。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。比較例Hの布帛と比較すると、実施例17の布帛は、柔らかい手触り(つまり良好な柔らかさ)を有することが判明した。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
比較例H
市販の20sNeの100%PETステープル紡績糸(「P1」)を用いたことを除いて、以下の実施例17の手順を用いて、比較の編成布を作製した。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
実施例18
分散染料で染色後、同一の機械において、塩(60gpl)を加えた反応性染料混合物で、以下の時間及び温度プロファイルを用いて布帛を染色したことを除いて、実施例17の手順に従って、実施例7からの紡績糸を用いて、Mesdanラボ編機で丸編布地を調製した:60℃まで加熱して30分間保った後、ソーダ灰(15gpl)を添加して、水切りをする前に30分間保った。次に、布帛を冷水で10分間洗浄し、酢酸(1gpl)で15分間洗浄した後、温度を90℃まで上昇させて15分間保ちながら、Albatex AD(2gpl)で高温での石鹸処理を施した。次に、布帛を温水(85℃)で15分間洗浄した後、冷水で10分間洗浄した。温度を50℃まで上昇させて20分間保ちながら、Levocol HCF(0.5gpl)で染料を定着させた。染色布帛に仕上げ剤を含浸させた後、160℃で45秒間ラボステンター中でヒートセットした。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
比較例I
市販の20sNeの40/60PET/綿ステープル紡績糸(「PC1」)を使用したことを除いて、以下の実施例18の手順を用いて、比較の編成布を作製した。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
実施例19
実施例9からの紡績糸を用いて、実施例18の手順に従って、Mesdanラボ編機で丸編布地を調製した。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
比較例J
市販の20sNeの40/60PET/Tencel(登録商標)ステープル紡績糸(「PT1」)を使用したことを除いて、以下の実施例18の手順を用いて、比較の編成布を作製した。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
実施例20
異なる分散染料混合物を用いたことを除いて、実施例1の手順に従って、実施例6からの紡績糸を用い、Mesdanラボ編機で丸編布地を調製した。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。比較例Kの布帛と比較すると、実施例20の布帛は、良好な手触り(つまり良好な柔らかさ)を有することが判明した。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
比較例K
市販の40sNeの100%PETステープル紡績糸(「P2」)及び異なる分散染料混合物を用いたことを除いて、以下の実施例17の手順を用いて、比較の編成布を作製した。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
実施例21
異なる分散染料混合物を用いたことを除いて、実施例18の手順に従って、実施例8からの紡績糸を用い、Mesdanラボ編機で丸編布地を調製した。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
比較例L
市販の40sNeの40/60PET/綿ステープル紡績糸(「PC2」)、異なる分散染料混合物、及び異なる反応性染料混合物を用いたことを除いて、以下の実施例18の手順を用いて、比較の編成布を作製した。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
実施例22
異なる分散染料混合物及び異なる反応性染料混合物を用いたことを除いて、実施例18の手順に従って、実施例10からの紡績糸を用い、Mesdanラボ編機で丸編布地を調製した。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
比較例M
市販の40sNeの40/60PET/Tencel(登録商標)ステープル紡績糸(「PT2」)、異なる分散染料混合物、及び異なる反応性染料混合物を用いたことを除いて、以下の実施例18の手順を用いて、比較の編成布を作製した。
生地組織を表9に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表9及び10に示す。
Figure 2021529895
Figure 2021529895
表9及び10の結果は、実施例の丸編布地が、比較例の布帛を超える利点を提供することを実証する。例えば、本明細書に開示される溶融紡糸ステープルファイバーを含む紡績糸を含有する丸編布地は、比較例の布帛と比較すると、布帛の大きな厚みにより示されるように、大きな嵩高を有する。実施例の丸編布地はまた、毛玉の発生が少ない(高いピリング性評価値)、及び良好な耐摩擦性(重量%の損失が小さい)も実証する。さらに、実施例の布帛は、短い回復時間と長い回復時間の両方で、比較例の布帛よりも良好な伸長回復を有する。
実施例23
70/30ウール/溶融紡糸ステープルファイバーを含有する2/64sNm紡績糸
以下の手順に従って、梳毛糸紡績方式を用いて、紡績糸を作製した。
実施例4からの溶融紡糸ステープルファイバーを用いて、実施例23の紡績糸を調製した。2.5デニール及び平均長84mmの溶融紡糸ステープルファイバーを取り出し、紡績工場で標準的に使用されているカーディングの通常のプロセスによる綿カーディング紡績方式において、スライバーに変換した。このスライバーをウールトップ(20.5ミクロン、68mmの平均の長さのAustralian Merino)とブレンドして、70/30(重量/重量)のウール/溶融紡糸ステープルファイバーの配合割合で、梳毛糸紡績方式で紡糸した。紡績糸に対する公称番手は、2/64sNmであった。
実施例24
実施例23からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用い、厚地の綾織布地を調製した。Elvanol−T25PVAサイジング剤及び柔軟剤を使用するCCI一本糊付け機を用いて、たて糸巻返の前に、たて糸をサイジングした。整経機を350m/分で用いて、1770本の経糸、18インチの幅、及び経糸の長さ3.5メートルを有する最終ビームを調製した。以下の筬通し(denting)計画:
練条:3シャフト
練条タイプ(ストレート練条(1、2、及び3))
筬通し:3本の経糸/筬羽
リード数:60筬羽/2インチ
2/1のRHT綾織布地を織機速度40ピック/分でCCIサンプル織機上で織った。ピック値を63ピック/インチに設定した。2m長及び50cm幅の生機布帛を得た。
Albatex ADをLevocol CESRと共に使用したことを除いて、実施例11の手順と同様な手順を用いて、生機布帛をジガー機で糊抜きした。次に、布帛に、温水洗浄(85℃で15分)、冷水洗浄(15分)、酢酸での中和ステップ(15分)、及び別の冷水洗浄(15分)を施した。布帛を大気条件において平干した後、170℃で45秒ヒートセットした。
次に、以下の時間及び温度プロファイルを用いて、分散染料の混合物で布帛を染色した。70℃まで加熱して、10分間保った後に、温度を1.5℃/分で130℃まで上昇させて、30分間保った後、温度を1.5℃/分で70℃まで下げて、水切りした。布帛にHydros及びNaOH(それぞれ1gpl)で90℃、20分還元洗浄を施した。その後、布帛を冷水で10分洗浄し、酢酸(2gpl)と15分接触させた後、冷水で10分洗浄した。
次に、以下の時間及び温度プロファイルを用いて、酸染料混合物で布帛を染色した:70℃まで加熱して、10分間保った後に、温度を1.5℃/分で98℃まで上昇させて、45分間保った後、温度を1.5℃/分で70℃まで下げて、水切りした。布帛を冷水中で洗浄(10分)し、酢酸で処理(1gpl、15分)し、Albatex ADで高温での石鹸処理を施し(90℃、15分)、温水で洗浄し(85℃、15分)、冷水で洗浄(10分)した後、Levocol HCF(0.5gpl)に50℃で20分間接触させて染料を定着させた。
布帛をオートクレーブ中で蒸絨加工(130℃、3分)した後、ラボステンター中で160℃で45秒間ヒートセットする前に、仕上げ剤を含浸させた後、オートクレーブ中で再び蒸絨加工(130℃、3分)した。
生機布帛及び完成品の布帛を評価した。結果は、以下の通りである:
生機の生地組織:9654(経糸/インチピック/インチ)
完成品の生地組織:11463(経糸/インチピック/インチ)
生機布帛の重量:198g/m
完成品の布帛の重量:249g/m
寸法安定性(%):
長さ−2.8%;
幅−1.7%
ウィッキング試験:100%
引裂強度:たて糸1984g、よこ糸896g
伸長%:42.7
1分での回復率、%:83.1
30分での回復率、%:90.9
60分での回復率、%:93.51
実施例25
PTT及びCo−PETを含有する未延伸溶融紡糸ファイバー
0.3%のTiOを含有し0.96dL/gの固有粘度を有するポリトリメチレンテレフタレート(PTT)のペレット、及び0.80dL/gの固有粘度を有するポリエチレンテレフタレートコ−エチレンイソフタレート(Co−PET)(Nan Ya Plastics製)のペレットを別々に120℃で窒素雰囲気下、真空オーブン中で16時間乾燥させた。乾燥したPTTペレットと乾燥したCo−PETペレットを表11に示す比率で小さなドラム中において、ドラムを手動でふりまぜる及びころがしたりすることにより、一緒にブレンドした。このようにして生み出されたごま塩状のブレンドのそれぞれを、二軸押出精紡機により、円形断面の34本のフィラメント糸条束に溶融押出した。押出機の溶融領域の温度を180〜265℃に維持した。ポリマー処理量、ワインダ速度、紡糸デニール/フィラメント、及び糸条束(トウ)の乾熱収縮を表11に示す。
Figure 2021529895
実施例26
Co−PET及びPBTを含有する未延伸溶融紡糸ファイバー
0.80dL/gの固有粘度を有するポリエチレンテレフタレートコ−エチレンイソフタレート(Co−PET)のペレット(Nan Ya Plastics製)及び1.15dL/gの固有粘度を有するCRASTIN(登録商標)6130C NC010ポリブチレンテレフタレート(PBT)のペレットを別々に120℃、窒素雰囲気下、真空オーブン中で、16時間乾燥させた。乾燥したPTTペレット及びPBTペレットを表12に示す比率で小さなドラム中において、ドラムを手動でふりまぜる及びころがしたりすることにより、一緒にブレンドした。このようにして生み出されたごま塩状の(salt−and−pepper)ブレンドのそれぞれを、二軸押出精紡機により、円形断面の34本のフィラメント糸条束に溶融押出した。押出機の溶融領域の温度を180〜265℃に維持した。ポリマー処理量、ワインダ速度、紡糸デニール/フィラメント、及び糸条束(トウ)の乾熱収縮を表12に示す。
Figure 2021529895
実施例27
20重量%のPTT及び80重量%のCo−PETのごま塩状ブレンドを含有する溶融紡糸ステープルファイバー
単軸押出機を用い、ポリトリメチレンテレフタレート及びコ−PET(Nan Ya Plastics製)を7590−孔の紡糸口金に20:80の重量比で共供給した。ポリトリメチレンテレフタレートは、0.3%のTiOを含有し、0.96dL/gの固有粘度を有した。放射急冷を用いる100kg/hの押出機の処理量で、円形断面のフィラメントを紡糸した。押出機の溶融領域の温度を252〜263℃に維持した。ポリマー処理量は、0.220g/分/孔であり、及び送りロール速度は、650m/mであった。紡糸dpfは、公称3.4であった。紡糸ファイバーを缶に回収した。
16(16)缶、合計412,896デニールを延伸−捲縮−切断/ベールモジュールに供給した。多段階延伸、捲縮機、焼還器、及びカッターを利用する典型的な綿番手ステープルプロセスを使用して、ステープル溶融紡糸ファイバーを生成した。トウを仕上げ浴(0.5%濃度、CHTからDuron3176として市販されている)に22℃で浸した。30m/mで動作する18℃の送りロールと84m/mで動作する80℃の加熱延伸ロールとの間の、75℃における0.5%濃度の仕上げ浴においてトウを最初に延伸して、最初の段階の延伸比2.8を得た。88.20m/mで動作する165℃の下流側の加熱ロールによって、延伸トウを100℃の蒸気室を介して引っ張った。88.20m/mで動作する165℃に加熱した別の一連のロール上にトウを通過させた。仕上げ剤(2%濃度、Duron14+Duron1105PE、30/70活性物質、両方ともcomp.CHTより)を噴霧して、86.44m/mで動作する25℃の冷却ドラムロール上にトウを通過させた。トウは、40mm捲縮機に入る前に、100℃の蒸気室に入った。捲縮機速度は、90.76m/mであった。捲縮機のローラーの温度及び圧力は、それぞれ65℃及び0.8バールであった。捲縮トウをプレートベルト乾燥器内で100℃で4分間アニーリングし、最後に捲縮トウを切断して、以下の特性(本明細書において既に開示している方法を用いて求めた)を有するステープル溶融紡糸ファイバーを生成した:
デニール/フィラメント(dpf)=1.28、変動係数(CV)=15.47%
糸強力=5.24g/d、CV=13.05%
伸び=53.37%、CV=39.14%
ステープル長=38mm
捲縮数(完全な正弦弧)=12.9/インチ
捲縮安定性=64.08%、CV=17.67%
糸仕上げ剤=0.26%
実施例28
50重量%PTT及び50重量%Co−PETのごま塩状ブレンドを含有する溶融紡糸ステープルファイバー
単軸押出機を用い、ポリトリメチレンテレフタレート及びコ−PET(Nan Ya Plastics製)を7590−孔の紡糸口金を介して50:50の重量比で共供給した。ポリトリメチレンテレフタレートは、0.3%のTiOを含有し、0.96dL/gの固有粘度を有した。放射急冷を用いる122.2kg/hの押出機の処理量で、円形断面のフィラメントを紡糸した。押出機の溶融領域の温度を252〜263℃に維持した。ポリマー処理量は、0.268g/分/孔であり、及び送りロール速度は、792m/mであった。紡糸dpfは、公称3.4であった。紡糸ファイバーを缶に回収した。
16(16)缶、合計412,896デニールを延伸−捲縮−切断/ベールモジュールに供給した。多段階延伸、捲縮機、焼還器、及びカッターを利用する典型的な綿番手ステープルプロセスを使用して、ステープル溶融紡糸ファイバーを生成した。トウを仕上げ浴(0.5%濃度、CHTからDuron3176として市販されている)に22℃で浸した。30m/mで動作する18℃の送りロールと87m/mで動作する80℃の加熱延伸ロールとの間の、75℃における0.5%濃度の仕上げ浴においてトウを最初に延伸して、最初の段階の延伸比2.9を得た。92.22m/mで動作する165℃の下流側の加熱ロールによって、延伸トウを100℃の蒸気室を介して引っ張った。90.38m/mで動作する165℃に加熱した別の一連のロール上にトウを通過させた。仕上げ剤(2%濃度、Duron14+Duron1105PE、30/70活性物質、両方ともcomp.CHTより)を噴霧して、90.38m/mで動作する25℃の冷却ドラムロール上にトウを通過させた。トウは、40mm捲縮機に入る前に、100℃の蒸気室に入った。捲縮機速度は、94.89m/mであった。捲縮機のローラーの温度及び圧力は、それぞれ65℃及び0.8バールであった。捲縮トウをプレートベルト乾燥器内で100℃で4分間アニーリングし、最後に捲縮トウを切断して、以下の特性(本明細書において既に開示している方法を用いて求めた)を有するステープル溶融紡糸ファイバーを生成した:
デニール/フィラメント(dpf)=1.31、変動係数(CV)=10.13%
糸強力=4.66g/d、CV=9.72%
伸び=53.86%、CV=25.47%
ステープル長=38mm
捲縮数(完全な正弦弧)=13.1/インチ
捲縮安定性=79.51%、CV=9.45%
糸仕上げ剤=0.20%
実施例29
50重量%PTT及び50重量%Co−PETのごま塩状ブレンドを含有する溶融紡糸ステープルファイバー
単軸押出機を用い、ポリトリメチレンテレフタレート及びコ−PET(Nan Ya Plastics製)を7590−孔の紡糸口金を介して50:50の重量比で共供給した。ポリトリメチレンテレフタレートは、0.3%のTiOを含有し、0.96dL/gの固有粘度を有した。放射急冷を用いる122.2kg/hの押出機の処理量で、円形断面のフィラメントを紡糸した。押出機の溶融領域の温度を252〜263℃に維持した。ポリマー処理量は、0.268g/分/孔であり、及び送りロール速度は、400m/mであった。紡糸dpfは、公称6.4であった。紡糸ファイバーを缶に回収した。
8(8)缶、合計388,608デニールを延伸−捲縮−切断/ベールモジュールに供給した。多段階延伸、捲縮機、焼還器、及びカッターを利用する典型的な梳毛番手ステープルプロセスを使用して、ステープル溶融紡糸ファイバーを生成した。トウを仕上げ浴(0.5%濃度、CHTからDuron3176として市販されている)に22℃で浸した。30m/mで動作する18℃の送りロールと114m/mで動作する80℃の加熱延伸ロールとの間の、75℃における0.5%濃度の仕上げ浴においてトウを最初に延伸して、最初の段階の延伸比3.8を得た。108.3m/mで動作する165℃の下流側の加熱ロールによって、延伸トウを100℃の蒸気室を介して引っ張った。106.1m/mで動作する165℃に加熱した別の一連のロール上にトウを通過させた。仕上げ剤(2%濃度、Duron14+Duron1105PE、30/70活性物質、両方ともcomp.CHTより)を噴霧して、107.2m/mで動作する25℃の冷却ドラムロール上にトウを通過させた。トウは、40mm捲縮機に入る前に、100℃の蒸気室に入った。捲縮機速度は、112.56m/mであった。捲縮機のローラーの温度及び圧力は、それぞれ65℃及び0.8バールであった。捲縮トウをプレートベルト乾燥器内で100℃で4分間アニーリングし、最後に捲縮トウを切断して、以下の特性(本明細書において既に開示している方法を用いて求めた)を有する複数のカット長のステープル溶融紡糸ファイバーを生成した:
デニール/フィラメント(dpf)=2.08、変動係数(CV)=7.47%
糸強力=4.31g/d、CV=15.67%
伸び=67.77%、CV=24.33%
ステープル長=複数のカット長、59.5/79.3/119mm
捲縮数(完全な正弦弧)=12/インチ
捲縮安定性=72.11%、CV=12.8%
糸仕上げ剤=0.09%
実施例30
20重量%PBT及び80重量%Co−PETのごま塩状ブレンドを含有する溶融紡糸ステープルファイバー
単軸押出機を用い、1.15dL/gの固有粘度を有するCRASTIN(登録商標)6130C NC010ポリブチレンテレフタレート(PBT)及びコ−PET(Nan Ya Plastics製)を7590−孔の紡糸口金を介して20:80の重量比で共供給した。放射急冷を用いる100kg/hの押出機の処理量で、円形断面のフィラメントを紡糸した。押出機の溶融領域の温度を252〜263℃に維持した。ポリマー処理量は、0.220g/分/孔であり、及び送りロール速度は、650m/mであった。紡糸dpfは、公称3.18であった。紡糸ファイバーを缶に回収した。
16(16)缶、合計386,179デニールを延伸−捲縮−切断/ベールモジュールに供給した。多段階延伸、捲縮機、焼還器、及びカッターを利用する典型的な綿番手ステープルプロセスを使用して、ステープル溶融紡糸ファイバーを生成した。トウを仕上げ浴(0.5%濃度、CHTからDuron3176として市販されている)に22℃で浸した。30m/mで動作する18℃の送りロールと88.2m/mで動作する80℃の加熱延伸ロールとの間の、75℃における0.5%濃度の仕上げ浴においてトウを最初に延伸して、最初の段階の延伸比2.94を得た。92.61m/mで動作する165℃の下流側の加熱ロールによって、延伸トウを100℃の蒸気室を介して引っ張った。92.61m/mで動作する165℃に加熱した別の一連のロール上にトウを通過させた。仕上げ剤(2%濃度、Duron14+Duron1105PE、30/70活性物質、両方ともcomp.CHTより)を噴霧して、90.76m/mで動作する25℃の冷却ドラムロール上にトウを通過させた。トウは、40mm捲縮機に入る前に、100℃の蒸気室に入った。捲縮機速度は、95.30m/mであった。捲縮機のローラーの温度及び圧力は、それぞれ65℃及び0.8バールであった。捲縮トウをプレートベルト乾燥器内で100℃で4分間アニーリングし、最後に捲縮トウを切断して、以下の特性(本明細書において既に開示している方法を用いて求めた)を有するステープル溶融紡糸ファイバーを生成した:
デニール/フィラメント(dpf)=1.24、変動係数(CV)=13.51%
糸強力=5.36g/d、CV=11.77%
伸び=47.07%、CV=39.30%
ステープル長=40mm
捲縮数(完全な正弦弧)=10.4/インチ
捲縮安定性=56.2%、CV=13.9%
糸仕上げ剤=0.31%
実施例31
50重量%PBT及び50重量%Co−PETのごま塩状ブレンドを含有する溶融紡糸ステープルファイバー
単軸押出機を用い、1.15dL/gの固有粘度を有するCRASTIN(登録商標)6130C NC010ポリブチレンテレフタレート(PBT)及びコ−PET(Nan Ya Plastics製)を7590−孔の紡糸口金を介して50:50の重量比で共供給した。放射急冷を用いる122.2kg/hの押出機の処理量で、円形断面のフィラメントを紡糸した。押出機の溶融領域の温度を252〜263℃に維持した。ポリマー処理量は、0.268g/分/孔であり、及び送りロール速度は、792m/mであった。紡糸dpfは、公称3.42であった。紡糸ファイバーを缶に回収した。
16(16)缶、合計415,324デニールを延伸−捲縮−切断/ベールモジュールに供給した。多段階延伸、捲縮機、焼還器、及びカッターを利用する典型的な綿番手ステープルプロセスを使用して、ステープル溶融紡糸ファイバーを生成した。トウを仕上げ浴(0.5%濃度、CHTからDuron3176として市販されている)に22℃で浸した。30m/mで動作する18℃の送りロールと87.90m/mで動作する80℃の加熱延伸ロールとの間の、75℃における0.5%濃度の仕上げ浴においてトウを最初に延伸して、最初の段階の延伸比2.93を得た。94.93m/mで動作する165℃の下流側の加熱ロールによって、延伸トウを100℃の蒸気室を介して引っ張った。94.93m/mで動作する165℃に加熱した別の一連のロール上にトウを通過させた。仕上げ剤(2%濃度、Duron14+Duron1105PE、30/70活性物質、両方ともcomp.CHTより)を噴霧して、93.03m/mで動作する25℃の冷却ドラムロール上にトウを通過させた。トウは、40mm捲縮機に入る前に、100℃の蒸気室に入った。捲縮機速度は、97.69m/mであった。捲縮機のローラーの温度及び圧力は、それぞれ65℃及び0.8バールであった。捲縮トウをプレートベルト乾燥器内で100℃で4分間アニーリングし、最後に捲縮トウを切断して、以下の特性(本明細書において既に開示している方法を用いて求めた)を有するステープル溶融紡糸ファイバーを生成した:
デニール/フィラメント(dpf)=1.17、変動係数(CV)=13.6%
糸強力=5.48g/d、CV=12.38%
伸び=39.74%、CV=27.57%
ステープル長=40mm
捲縮数(完全な正弦弧)=11.8/インチ
捲縮安定性=60.23%、CV=8.30%
糸仕上げ剤=0.24%
実施例32
100%溶融紡糸ファイバーを含有する40sNe紡績糸
実施例28からの溶融紡糸ステープルファイバーを用い、以下の違いを除いて実施例5の手法に従って、紡績糸を調製した:
最終スライバーの線密度は、4.75g/メートルであり、及び斑%は、1.75であった。
粗糸かせは、1.2sNeであった。
粗糸をドラフトするステップにおいては、撚り係数/インチ当たりの撚りは、3.6/22.6であり、トラベラーサイズは、4/0M1HOであり、及びスピンドル速度は、16500rpmであった。
紡績糸を1500メートル/分でコーンに巻き付けた。紡績糸の特性を表13に示す。本明細書に既に開示される方法を用いて、本実施例及び以下の実施例の紡績糸の特性を求めた。
実施例33
100%溶融紡糸ファイバーを含有する40sNe紡績糸
実施例27からの溶融紡糸ステープルファイバーを用いて、実施例32の手順に従って、紡績糸を調製した。紡績糸の特性を表13に示す。
実施例34
100%溶融紡糸ファイバーを含有する40sNe紡績糸
実施例31からの溶融紡糸ステープルファイバーを用いて、実施例32の手順に従って、紡績糸を調製した。紡績糸の特性を表13に示す。
実施例35
100%溶融紡糸ファイバーを含有する40sNe紡績糸
実施例30からの溶融紡糸ステープルファイバーを用いて、実施例32の手順に従って、紡績糸を調製した。紡績糸の特性を表13に示す。
実施例36
40/60(重量/重量)の溶融紡糸ファイバー/綿を含有する40sNe紡績糸
実施例28からの溶融紡糸ステープルファイバー、及び綿(Shankar6、北部インドからの市販の様々なインド綿)を用いて、紡績糸を調製した。綿ステープルは、31mmの平均長さ及び4.1マイクログラム/インチ(1.6マイクログラム/cm)の線密度を有した。実施例32の手順に従って、紡績糸を作製した。紡績糸の特性を表13に示す。
実施例37
40/60(重量/重量)の溶融紡糸ファイバー/綿を含有する40sNe紡績糸
実施例27からの溶融紡糸ステープルファイバー、及び綿(Shankar6、北部インドからの市販の様々なインド綿)を用いて、紡績糸を調製した。綿ステープルは、31mmの平均長さ及び4.1マイクログラム/インチ(1.6マイクログラム/cm)の線密度を有した。実施例8の手順に従って、紡績糸を作製した。紡績糸の特性を表13に示す。
実施例38
40/60(重量/重量)の溶融紡糸ファイバー/綿を含有する40sNe紡績糸
実施例31からの溶融紡糸ステープルファイバー、及び綿(Shankar6、北部インドからの市販の様々なインド綿)を用いて、紡績糸を調製した。綿ステープルは、31mmの平均長さ及び4.1マイクログラム/インチ(1.6マイクログラム/cm)の線密度を有した。実施例8の手順に従って、紡績糸を作製した。紡績糸の特性を表13に示す。
実施例39
40/60(重量/重量)の溶融紡糸ファイバー/綿を含有する40sNe紡績糸
実施例30からの溶融紡糸ステープルファイバー、及び綿(Shankar6、北部インドからの市販の様々なインド綿)を用いて、紡績糸を調製した。綿ステープルは、31mmの平均長さ及び4.1マイクログラム/インチ(1.6マイクログラム/cm)の線密度を有した。実施例8の手順に従って、紡績糸を作製した。紡績糸の特性を表13に示す。
実施例40
40/60の溶融紡糸ファイバー/Tencelを含有する40sNe紡績糸
実施例28からの溶融紡糸ステープルファイバー及び市販のTencel(登録商標)ステープルファイバー(Lenzing)を用いて、紡績糸を調製した。Tencel(登録商標)ステープルは、40mmの平均長さ及び1.2Dのデニールを有した。実施例10の手順に従って、紡績糸を作製した。紡績糸の特性を表13に示す。
実施例41
40/60の溶融紡糸ファイバー/Tencelを含有する40sNe紡績糸
実施例27からの溶融紡糸ステープルファイバー及び市販のTencel(登録商標)ステープルファイバー(Lenzing)を用いて、紡績糸を調製した。Tencel(登録商標)ステープルは、40mmの平均長さ及び1.2Dのデニールを有した。実施例10の手順に従って、紡績糸を作製した。紡績糸の特性を表13に示す。
実施例42
40/60の溶融紡糸ファイバー/Tencelを含有する40sNe紡績糸
実施例31からの溶融紡糸ステープルファイバー及び市販のTencel(登録商標)ステープルファイバー(Lenzing)を用いて、紡績糸を調製した。Tencel(登録商標)ステープルは、40mmの平均長さ及び1.2Dのデニールを有した。実施例10の手順に従って、紡績糸を作製した。紡績糸の特性を表13に示す。
実施例43
40/60の溶融紡糸ファイバー/Tencelを含有する40sNe紡績糸
実施例30からの溶融紡糸ステープルファイバー及び市販のTencel(登録商標)ステープルファイバー(Lenzing)を用いて、紡績糸を調製した。Tencel(登録商標)ステープルは、40mmの平均長さ及び1.2Dのデニールを有した。実施例10の手順に従って、紡績糸を作製した。紡績糸の特性を表13に示す。
実施例44
45/55のウール/溶融紡糸ステープルファイバーを含有する2/68sNm紡績糸
以下の手順に従って、梳毛糸紡績方式を用いて、紡績糸を作製した。
実施例29からの溶融紡糸ステープルファイバーを用いて、実施例44の紡績糸を調製した。2.5デニール及び平均長84mmの溶融紡糸ステープルファイバーを取り出し、紡績工場で標準的に使用されているカーディングの通常のプロセスによる綿カーディング紡績方式において、スライバーに変換した。このスライバーをウールトップ(20.5ミクロン、68mmの平均の長さのAustralian Merino)とブレンドして、45/55(重量/重量)のウール/溶融紡糸ステープルファイバーの配合割合で、梳毛糸紡績方式で紡糸した。紡績糸に対する公称番は、2/68sNmであった。
表13において、報告した沸水収縮値は、方法ASTM D2259に従って、1kg重を用いて、取得した。
Figure 2021529895
表13における結果は、表4及び5の結果と比較すると、PET/PTTを50:50でごま塩状のブレンドした溶融紡糸ステープルを組み込む紡績糸の糸強力は、PET/PTTを50:50で配合した溶融紡糸ステープルを組み込んだ紡績糸の糸強力と同じくらいであることを示す。沸水収縮パーセントは、PET/PTTを50:50で配合した溶融紡糸ステープルを組み込んだ紡績糸の沸水収縮パーセントと比較すると、PET/PTTを50:50でごま塩状のブレンドした溶融紡糸ステープルを組み込む紡績糸の方が高い。全ての他の特性は、同様であることが判明している。
織布の例
実施例32〜44の紡績糸を用いて、表14に示す織布を作製した。本明細書に開示される紡績糸をたて糸及びよこ糸(よこ糸(fill))として用いて、平織(1/1)ワイシャツ生地を作製した。それぞれの織布には、たて糸とよこ糸の両方に同じ糸条を用いた。布帛の評価結果を表15及び16に表す。特に明記しない限り、結果は、完成品の布帛に関して報告する。本明細書に既に開示される方法を用いて、本実施例及び以下の実施例の布帛の特性を求めた。
実施例45
実施例32からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて、平織(1/1)ワイシャツ生地を調製した。Elvanol−T25PVAサイジング剤を使用するCCI一本糊付け機を用いてたて糸巻返の前に、たて糸をサイジングした。整経機を350m/分で用いて、1680本の経糸、18インチの幅、及び経糸の長さ3.5メートルを有する最終ビームを調製した。以下の筬通し(denting)計画:
練条:4シャフト
練条タイプ(ストレート練条(1、2、3、及び4)
筬通し:2本の経糸/筬羽
リード数:84筬羽/2インチ
1/1の平織布帛を織機速度40ピック/分でCCIサンプル織機上で織った。ピック値を49ピック/インチに設定した。
生機布帛をRBEラボジガー(lab Jigger)機で以下のように糊抜きした。水(2L)、NaOH(2gpl)、及び湿潤剤で満たしたジガーに布帛サンプルを搭載した;Levocol CESR(湿潤剤)を添加(5gpl)し、浴温度を90℃まで上昇させた。布帛を浴中で60分間流した後、浴から水を抜き、再び淡水で満たし、浴の温度を85℃まで上昇させた。布帛を温水で15分間洗浄し、浴から水を抜いた。再び浴を水で満たし、布帛を15分間水中に流した(冷水洗浄)。浴から水を抜き、水で満たし、酢酸(1gpl)を加えて中和した;この浴中に布帛を15分間流した。その後、浴から水を抜き、淡水を再び満たし、布帛を冷水浴中で15分間流した。次に、布帛をジガーから取り出し、大気条件において乾燥させた後、RBEステンター中で160℃で45秒ヒートセットした。
次に、以下の時間及び温度プロファイルを用いて、分散染料混合物で布帛を染色した。70℃まで加熱して、10分間保った後に、温度を1.5℃/分で130℃まで上昇させて、30分間保った後、温度を1.5℃/分で70℃まで下げて、水切りした。染色後、布帛にHydros及びNaOH(それぞれ2gpl)で90℃、20分還元洗浄を施した。その後、布帛を冷水で10分洗浄し、酢酸(2gpl)と15分接触させた後、冷水で10分洗浄した。染色布帛に仕上げ剤(柔軟剤)を含浸させた後、RBEラボステンター中で、160℃で45秒ヒートセットした。
生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例46
実施例33からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて、実施例45に示される手順により、平織のワイシャツ生地を調製した。生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例47
実施例34からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて、実施例45に示される手順により、平織のワイシャツ生地を調製した。生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例48
実施例35からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて、実施例45に示される手順により、平織のワイシャツ生地を調製した。生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例49
以下の例外を除いて実施例45の手順に従って、実施例36からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて平織のワイシャツ生地を調製した。ピック値を織機上で58ピック/インチに設定した。生機布帛をジガー機で糊抜き及び漂白し、ステンター内でヒートセットし、次に分散染料の混合物で染色した後、さらに綿染色条件下で反応性染料で染色した。生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例50
以下の例外を除いて実施例49の手順に従って、実施例37からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて平織のワイシャツ生地を調製した。生機布帛をジガー機で糊抜き及び漂白し、ステンター内でヒートセットし、次に分散染料の混合物で染色した後、さらに綿染色条件下で反応性染料で染色した。生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例51
以下の例外を除いて実施例49の手順に従って、実施例38からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて平織のワイシャツ生地を調製した。生機布帛をジガー機で糊抜き及び漂白し、ステンター内でヒートセットし、次に分散染料の混合物で染色した後、さらに綿染色条件下で反応性染料で染色した。生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例52
以下の例外を除いて実施例49の手順に従って、実施例39からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて平織のワイシャツ生地を調製した。生機布帛をジガー機で糊抜き及び漂白し、ステンター内でヒートセットし、次に分散染料の混合物で染色した後、さらに綿染色条件下で反応性染料で染色した。
生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例53
漂白ステップの終わりに過酸化物キラーを全く使用しなかったことを除いて、実施例49の手順に従って、実施例40からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて平織のワイシャツ生地を調製した。ピック値を織機上で65ピック/インチに設定した。
生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例54
実施例53の手順に従って、実施例41からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて、平織のワイシャツ生地を調製した。生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例55
実施例53の手順に従って、実施例42からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて、平織のワイシャツ生地を調製した。生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例56
実施例53の手順に従って、実施例42からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて、平織のワイシャツ生地を調製した。
生地組織を表14に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。布帛の他の特色を表15及び16に示す。
実施例57
実施例34からの紡績糸をたて糸及びよこ糸として用いて、2/1綾織組織のスーツ生地を調製した。Elvanol−T25PVAサイジング剤及び柔軟剤を使用するCCI一本糊付け機を用いて、たて糸巻返の前に、たて糸をサイジングした。整経機を350m/分で用いて、1518本の経糸、18インチの幅、及び経糸の長さ3.5メートルを有する最終ビームを調製した。以下の筬通し(denting)計画:
練条:3シャフト
練条タイプ(ストレート練条(1、2、及び3)
筬通し:3本の経糸/筬羽
リード数:51.5筬羽/2インチ
2/1のRHT綾織布地を織機速度40ピック/分でCCIサンプル織機上で織った。ピック値を53ピック/インチに設定した。2m長及び48.3cm幅の生機布帛を得た。
Albatex ADをLevocol CESRと共に使用したことを除いて、実施例49の手順と同様な手順を用いて、生機布帛をジガー機で糊抜きした。次に、布帛に、温水洗浄(85℃で15分)、冷水洗浄(15分)、酢酸での中和ステップ(15分)、及び別の冷水洗浄(15分)を施した。布帛を大気条件において平干した後、170℃で45秒ヒートセットした。
次に、以下の時間及び温度プロファイルを用いて、分散染料混合物で布帛を染色した。70℃まで加熱して、10分間保った後に、温度を1.5℃/分で130℃まで上昇させて、30分間保った後、温度を1.5℃/分で70℃まで下げて、水切りした。布帛にHydros及びNaOH(それぞれ1gpl)で90℃、20分還元洗浄を施した。その後、布帛を冷水で10分洗浄し、酢酸(2gpl)と15分接触させた後、冷水で10分洗浄した。
次に、以下の時間及び温度プロファイルを用いて、酸染料混合物で布帛を染色した:70℃まで加熱して、10分間保った後に、温度を1.5℃/分で98℃まで上昇させて、45分間保った後、温度を1.5℃/分で70℃まで下げて、水切りした。布帛を冷水中で洗浄(10分)し、酢酸で処理(1gpl、15分)し、Albatex ADで高温での石鹸処理を施し(90℃、15分)、温水で洗浄し(85℃、15分)、冷水で洗浄(10分)した後、Levocol HCF(0.5gpl)に50℃で20分間接触させて染料を定着させた。
布帛をオートクレーブ中で蒸絨加工(130℃、3分)した後、ラボステンター中で160℃で45秒間ヒートセットする前に、仕上げ剤、Levofin HYP−5gpl Levocol PNLI−10gplを含浸させた後、オートクレーブ中で再び蒸絨加工(130℃、3分)した。
生機布帛及び完成品の布帛を評価した。生地組織及び試験結果を表14、15、及び16に示す。ウィッキング試験の結果は、100%であった。
Figure 2021529895
Figure 2021529895
Figure 2021529895
結果を表14、15、及び16に示し、そしてまた前出の表6、7、及び8は、本明細書に開示される紡績糸を用いて、所望の特性を有する織布を作製できることを実証する。
丸編布地の例
実施例32〜44の紡績糸を編糸として用いて、表17に示す丸編布地を作製した。40sNe番手を用いる全ての丸編布地に対して、編機ゲージは、24”であった。布帛の評価結果を表18に表す。特に明記しない限り、結果は、完成品の布帛に関して報告する。
実施例58、59、60、及び61
実施例32、33、34、及び35からの紡績糸をそれぞれ用いて、Mesdanラボ編機で丸編布地を調製した。生機布帛をRBEステンターで160℃で45秒間ヒートセットした後、以下の手順を用いてHTHP Beaker染色機で精練した。NaOH(2gpl)及び湿潤剤Levocol CESR(5gpl)を添加して、布帛を90℃で60分間精練した。85℃で15分間、次に冷水で15分間、その後酢酸(1gpl)を含有する中和溶液で15分間、布帛を洗浄した後、別の冷水で15分間洗浄した。
次に、以下の時間及び温度プロファイルを用いて、分散染料の混合物で、同一機械中で精練布帛を染色した:70℃まで加熱して、10分間保った後に、温度を1.5℃/分で130℃まで上昇させて、30分間保った後、温度を1.5℃/分で70℃まで下げて、水切りした。染色後、布帛にHydros及びNaOH(それぞれ2gpl)で90℃、20分還元洗浄を施した。その後、布帛を冷水で10分洗浄し、酢酸(2gpl)で15分間中和した後、冷水で10分間洗浄した。染色布帛に仕上げ剤(柔軟剤)を含浸させた後、ラボステンター中で、160℃で45秒間ヒートセットした。布帛組織及び試験結果を表17及び18に表す。ウィッキング試験の結果は、全ての布帛に対して100%であった。
実施例62、63、64、及び65
分散染料で染色後、同一の機械において、塩(60gpl)を加えた反応性染料混合物で、以下の時間及び温度プロファイルを用いて布帛を染色したことを除いて、実施例58の手順に従って、実施例36、37、38、及び39からの紡績糸をそれぞれ用いて、Mesdanラボ編機で丸編布地を調製した:60℃まで加熱して30分間保った後、ソーダ灰(15gpl)を添加して、水切りをする前に30分間保った。次に、布帛を冷水で10分間洗浄し、酢酸(1gpl)で15分間洗浄した後、温度を90℃まで上昇させて15分間保ちながら、Albatex AD(2gpl)で高温での石鹸処理を施した。次に、布帛を温水(85℃)で15分間洗浄した後、冷水で10分間洗浄した。温度を50℃まで上昇させて20分間保ちながら、Levocol HCF(0.5gpl)で染料を定着させた。染色布帛に仕上げ剤を含浸させた後、160℃で45秒間ラボステンター中でヒートセットした。布帛組織及び試験結果を表17及び18に表す。ウィッキング試験の結果は、全ての布帛に対して100%であった。
実施例66、67、68、及び69
異なる分散染料混合物及び異なる反応性染料混合物を用いたこと、且つ漂白ステップの終わりに過酸化物キラーを全く使用しなかったことを除いて、実施例18の手順に従って、実施例40、41、42、及び43からの紡績糸を用い、Mesdanラボ編機で丸編布地を調製した。布帛組織及び試験結果を表17及び18に表す。ウィッキング試験の結果は、全ての布帛に対して100%であった。
実施例70
実施例44からの紡績糸を用いて、実施例14の手順に従って、Mesdanラボ編機で丸編布地を調製した。布帛を染色し、実施例57に従って仕上げた。布帛組織及び試験結果を表17及び18に表す。ウィッキング試験の結果は、全ての布帛に対して100%であった。
Figure 2021529895
Figure 2021529895
表17及び18、並びに前出の表9及び10からの結果は、本明細書に開示される紡績糸を用いて、所望の特性を有する丸編布地を作製できることを実証する。

Claims (20)

  1. 紡績糸であって:
    ポリ(トリメチレンテレフタレート)又はポリ(ブチレンテレフタレート)を含む第一ポリマーと、ポリ(エチレンテレフタレート)又はCo−PETを含む第二ポリマーとを含む溶融紡糸ステープルファイバーを含み、Co−PETが、イソフタル酸モノマーを含むポリ(エチレンテレフタレート)コポリマーであり;及び
    前記第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、且つ前記ポリ(トリメチレンテレフタレート)の前記第二ポリマーに対する重量比が、約80:20〜約10:90の範囲であり;
    前記第一ポリマーが、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、且つ前記ポリ(ブチレンテレフタレート)の前記第二ポリマーに対する重量比が、約90:10〜約10:90の範囲である紡績糸。
  2. 前記第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、且つ前記第二ポリマーが、ポリ(エチレンテレフタレート)を含む、請求項1に記載の紡績糸。
  3. 前記第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、且つ前記第二ポリマーが、Co−PETを含み、及び前記Co−PETが、全コポリマー組成物を基準として、約0.5モルパーセント〜約10モルパーセントのイソフタル酸モノマーを含有する、請求項1に記載の紡績糸。
  4. 前記第一ポリマーが、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、且つ前記第二ポリマーが、ポリ(エチレンテレフタレート)を含む、請求項1に記載の紡績糸。
  5. 前記第一ポリマーが、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、且つ前記第二ポリマーが、Co−PETを含み、及び前記Co−PETが、全コポリマー組成物を基準として、約0.5モルパーセント〜約10モルパーセントのイソフタル酸モノマーを含有する、請求項1に記載の紡績糸。
  6. 前記紡績糸が、ASTM D2259に従って求めた少なくとも約6%のボイルオフ収縮を有する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の紡績糸。
  7. 前記ポリ(トリメチレンテレフタレート)又は前記ポリ(ブチレンテレフタレート)の前記第二ポリマーに対する重量比が、70:30〜30:70の範囲である、請求項1に記載の紡績糸。
  8. 前記紡績糸の総重量を基準として約5重量%〜約95重量%の量で第二ステープルファイバーをさらに含む、請求項1に記載の紡績糸。
  9. 前記第二ステープルファイバーが、ポリ乳酸、アクリル、ナイロン、オレフィン、アセテート、レーヨン、ポリエステル、綿、リネン、ウール、アンゴラ、モヘア、アルパカ、カシミア、又はそれらの混合物を含む、請求項9に記載の紡績糸。
  10. 前記第二ステープルファイバーが、綿又はウールを含む、請求項10に記載の紡績糸。
  11. 請求項1に記載の紡績糸を含む布帛。
  12. 前記第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、且つ前記第二ポリマーが、ポリ(エチレンテレフタレート)を含む、請求項12に記載の布帛。
  13. 前記第一ポリマーが、ポリ(トリメチレンテレフタレート)を含み、且つ前記第二ポリマーが、Co−PETを含む、請求項12に記載の布帛。
  14. 前記第一ポリマーが、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、且つ前記第二ポリマーが、ポリ(エチレンテレフタレート)を含む、請求項12に記載の布帛。
  15. 前記第一ポリマーが、ポリ(ブチレンテレフタレート)を含み、且つ前記第二ポリマーが、Co−PETを含む、請求項12に記載の布帛。
  16. 前記布帛が:ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の布帛よりも
    i)ASTM D4966標準試験法に従って求めた良好な耐摩擦性;
    ii)ASTM D4970標準試験法に従って求めた高いピリング性評価値;又は
    iii)ASTM D1777標準試験法に従って求めた大きい嵩高;
    のうちの少なくとも1つを有する、請求項12に記載の布帛。
  17. 前記布帛が、たて糸及びよこ糸を有する織布であり、前記たて糸、前記よこ糸、又は前記たて糸と前記よこ糸の両方が、それぞれ、請求項1に記載の紡績糸を含む、請求項12に記載の布帛。
  18. 前記布帛が、編成布である、請求項12に記載の布帛。
  19. 前記布帛が、ポリエチレンテレフタレート、綿、レーヨン、又はそれらの組み合わせから成る同じ生地組織の編成布よりも、方法BS4294に従って求めた高い回復性を有する、請求項19に記載の布帛。
  20. 請求項12に記載の布帛を含む物品。
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