JP2021508591A - 流体吐出装置 - Google Patents

Abstract

流体吐出装置であって、流体を収容する容器（１０）と、吐出口（２１）を有する吐出ヘッド（２０）と、前記吐出口（２１）を介して前記流体の少なくとも一部を吐出するためのピストン（４５；７０）と、作動中に前記容器（１０）を前記吐出口（２１）に連通させる通過手段（４０）とを備える。作動までは、前記容器（１０）は閉塞要素（２５）により密閉状態で塞がれる。前記通過手段（４０）は、前記吐出ヘッド（２０）に固定される中空スリーブ（４１）を含む。作動中に、前記中空スリーブ（４１）が前記閉塞要素（２５）の周囲を摺動することにより、前記通過手段（４０）が開放される。
【選択図】 図１

Description

本発明は流体吐出装置に関する。

本発明は、より詳細には、流体状の医薬品をユーザに投与するための鼻噴霧器のような流体吐出装置に関するが、香水や化粧品の吐出装置にも適用可能である。

この種の装置では、作動中に栓部材（stopper）またはピストンが針で穿孔されるのが一般的である。この技術では特に、穿孔時に分離される栓部材の粒子により流体が汚染される危険がある。また場合によっては、容器から吐出口へ至る導管が粒子により全面的にまたは部分的に塞がれることがあるので、吐出装置が故障する危険がある。さらに、穿刺針の設置は、特に装置内での穿刺針の向きや保持位置によっては、複雑になることがあるので、吐出装置が故障する危険がある。

特許文献１〜３には、従来の装置が記載されている。

仏国特許出願公開第２７７５９６３号明細書 国際公開第００／７１２６２号 国際公開第２０１６／０９７６０３号

本発明の目的は、上述の欠点がない流体吐出装置を提供することである。

より具体的には、本発明の目的は、流体が汚染される危険を回避または低減した流体吐出装置を提供することである。

本発明の他の目的は、故障の危険を回避または低減した流体吐出装置を提供することである。

本発明のさらに他の目的は、製造および組立が容易で安価な流体吐出装置を提供することである。

よって本発明は、流体吐出装置であって、流体を収容する容器と、吐出口を有する吐出ヘッドと、前記吐出口を介して前記流体の少なくとも一部を吐出するためのピストンと、作動中に前記容器を前記吐出口に連通させる通過手段とを備える流体吐出装置を提供する。作動までは、前記容器は閉塞要素により密閉状態で塞がれる。前記通過手段は、前記吐出ヘッドに固定される中空スリーブを含む。作動中に、前記中空スリーブが前記閉塞要素の周囲を摺動することにより、前記通過手段が開放される。

第１の有利な変形例では、前記中空スリーブの上に、半径方向ガスケットが組み付けられることによりピストンが構成され、作動中に、前記ピストンは前記容器と密閉状態で協働することにより、前記流体を前記吐出口に向けて流動させる。

第２の有利な変形例では、前記中空スリーブは、ピストンを構成するリップと一体形成され、作動中に、前記リップは前記容器と密閉状態で協働することにより、前記流体を前記吐出口に向けて流動させる。

有利には、前記リップは、前記中空スリーブの軸方向近位縁部に形成される。

有利には、前記中空スリーブおよび前記リップは、前記吐出ヘッドの内部において前記吐出口の上流に配置される中空部材と一体形成され、前記中空部材は、吐出路を規定する。

変形例では、前記中空スリーブは、有利には、前記吐出ヘッドの内部において前記吐出口の上流に配置される中空部材に組み付けられ、前記中空部材は、吐出路を規定する。

有利には、前記中空部材は、前記吐出口のすぐ上流において噴霧用の輪郭形状（profile）を規定する。

有利には、前記中空スリーブの内側が、１つ以上の溝やスプラインなどを有する形状であることにより、前記中空スリーブが前記閉塞要素の周囲に位置するときに、前記閉塞要素の周囲に流路が１つ以上形成されて、前記通過手段が開放される。

変形例では、前記中空スリーブの円筒壁の外側が、有利には、１つ以上の溝やスプラインなどを有する形状であることにより、前記中空スリーブが前記閉塞要素の周囲に位置するときに、前記中空スリーブの外側と前記容器の内壁との間で、前記閉塞要素の周囲に流路が１つ以上形成されて、前記通過手段が開放される。

有利には、前記中空スリーブは、液体を前記吐出路に向けて案内するための半径方向流路を有し、前記半径方向流路に対して軸方向近位側に、前記ピストンが配置される。

有利には、前記閉塞要素は、ボールである。

変形例では、前記閉塞要素は、円筒状の栓部材である。

有利には、前記閉塞要素は、エラストマーまたは熱可塑性材料で形成される。

第１の有利な実施形態では、前記容器は、１回の作動により吐出されるべき１回分の分量の流体を収容する。

第２の有利な実施形態では、前記容器は、連続する２回の作動により吐出されるべき２回分の分量の流体を収容する。

以下に示す詳細な説明および添付の図面は、非限定的な例に基づいて本発明の特徴や利点を明確にするものである。
本発明の第１の有利な実施形態に係る流体吐出装置の作動前の待機状態を模式的に示す断面図である。 作動開始時の流体吐出装置を示す、図１に類似する図である。 作動終了時の流体吐出装置を示す、図１および図２に類似する図である。 閉塞要素の第１の変形例を示す、図３に類似する図である。 閉塞要素の第２の変形例を示す、図１に類似する図である。 （ａ）は図１〜図５のノズルの変形例を詳細に示す断面図であり、（ｂ）は（ａ）における詳細部分Ａの拡大図である。 本発明の第２の有利な実施形態に係る流体吐出装置の作動前の待機状態を模式的に示す断面図である。 （ａ）は中空スリーブの有利な変形例を詳細に示す一部を切り欠いた図であり、（ｂ）は中空スリーブの他の有利な変形例を詳細に示す拡大図である。

以下の説明では、用語「近位」および「遠位」は、吐出口に対する相対的位置を表す。用語「軸方向」および「半径方向」は、図３に具体的に示す縦中心軸Ｘに対する相対的方向を表す。用語「上流」および「下流」は、作動中に流体が流れる方向を表す。

図１〜図５は、本発明の第１の有利な実施形態の例を示す。

第１の実施形態では、吐出ヘッド２０の本体の内側に、容器１０が配置される。容器１０は、吐出用の流体、典型的には液体を収容する。吐出ヘッド２０の吐出口２１の向きは、図示の実施形態では軸方向であるが、半径方向のような他の方向でもよい。ユーザが装置を作動させると、１回分の分量の流体が吐出ヘッド２０から吐出口２１を介して吐出される。

有利には、吐出ヘッド２０は、軸方向近位端部に吐出口２１を有する鼻用エンドピース２２と、半径方向フランジ２３を介して鼻用エンドピース２２に接続される側方部分２４とを含む。

有利には、中空部材６０は、吐出ヘッド２０の内部において吐出口２１の上流に配置され、吐出路６１を規定する。また有利には、中空部材６０は、吐出口２１のすぐ上流において、噴霧用の輪郭形状を規定することもできる。

図示の実施形態に係る容器１０は、有底の中空体からなり、その唯一の開口部は閉塞要素２５により塞がれる。容器１０は、装置の１回の作動により吐出されるべき１回分の分量の流体を収容する。

閉塞要素２５は、図１〜図３および図８（ａ）に示すように、ボールから構成することができる。このボールは、金属で形成できるが、有利にはエラストマーまたは熱可塑性材料で形成できる。例えば、環状オレフィン共重合体（ＣＯＣ）やＣＯＣエラストマーで形成できる。

図４に示す変形例では、閉塞要素２５の遠位部分の形状を変形することにより、作動終了時の容器１０内のデッドボリュームが低減される。

図５および図７に示す別の変形例では、閉塞要素２５は、注射器用ピストンに類似する、円筒状の栓部材である。

特筆すべきは、図７に示すような装置の連続する２回の作動により２回分の分量の流体が吐出される２回吐出型の装置にも、本発明を適用できることである。

装置を作動させるために、アクチュエータ３０が設けられる。

図示の変形例では、アクチュエータ３０は、吐出ヘッド２０に対して移動可能なアクチュエータ本体３１を含む。アクチュエータ本体３１は、容器１０を吐出ヘッド２０に対して軸方向に吐出口２１に向けて移動させる。

吐出ヘッド２０は通過手段４０を含む。装置の作動中、通過手段４０は容器１０を吐出口２１に連通させる。

本発明によれば、通過手段４０は、吐出ヘッド２０ひいては吐出口２１に対して固定された中空スリーブ４１を含む。この中空スリーブ４１が作動中に閉塞要素２５と協働することにより、通過手段４０が開放される。図面から分かるとおり、作動中に中空スリーブ４１が閉塞要素２５の周囲で摺動して、閉塞要素２５が中空スリーブ４１に入り込む。

中空スリーブ４１は、ピストンを構成するリップ４５と一体形成できる。作動中にリップ４５が容器１０と密閉状態で協働することにより、流体は吐出口２１に向かって流動する。図１〜図５および図８（ｂ）にこのような変形例を示す。この構成では、リップ４５は中空スリーブ４１の軸方向近位縁部に形成される。有利には、図１〜図５に示すように、中空スリーブ４１およびリップ４５は中空部材６０と一体形成できる。

変形例としては、図６（ａ）、図６（ｂ）、図７および図８（ａ）に示すように、半径方向ガスケット７０が中空スリーブ４１の上に組み付けられてピストンが構成されてもよい。

他の変形例としては、図６（ａ）、図６（ｂ）、図７、図８（ａ）および図８（ｂ）に示すように、中空スリーブ４１およびピストン、言い換えれば、中空スリーブ４１およびリップ４５、または中空スリーブ４１および半径方向ガスケット７０は、中空部材６０に組み付けられてもよい。

図１〜図５および図８（ａ）に示す第１の有利な変形例では、中空スリーブ４１の内側は、１つ以上の溝やスプラインなどを有する形状である。中空スリーブ４１に閉塞要素２５が入り込むと、中空スリーブ４１の内側の溝やスプラインなどを介して、閉塞要素２５の周囲に流路が１つ以上形成される。これにより、容器１０と中空部材６０の吐出路６１が連通し、通過手段４０が開放される。

図６（ａ）、図６（ｂ）、図７および図８（ｂ）に示す第２の有利な変形例では、中空スリーブ４１の円筒壁の外側は、１つ以上の溝やスプラインなどを有する形状である。中空スリーブ４１に閉塞要素２５が入り込むと、中空スリーブ４１の外側の溝やスプラインなどを介して、中空スリーブ４１の外側と容器１０の内壁の間で、閉塞要素２５の周囲に流路が１つ以上形成される。これにより、通過手段４０が開放される。この構成では、液体を吐出路６１に向けて案内する半径方向流路４２が設けられる。半径方向流路４２に対して軸方向近位側に、ピストン４５，７０が配置される。

以下に装置の動作を詳述する。

典型的には、図示の例で、ユーザは、吐出ヘッド２０に設けられた半径方向フランジ２３に指を２本載せて、アクチュエータ本体３１の軸方向遠位側底部３２を親指で押圧する。

この動作により、容器１０が吐出口２１に向かって軸方向に押されるので、中空スリーブ４１が閉塞要素２５の周囲を摺動して、閉塞要素２５は中空スリーブ４１に入り込む。そして容器１０内の流体が吐出口２１に流入し、ユーザにより押入されたアクチュエータ本体３１がピストン４５，７０を容器１０の内部を移動させて、流体が吐出される。

図示はしないが、別の実施形態では、容器は、開口部を１つのみ有する有底の中空体から構成されるのではなく、軸方向の両端に開口部を有する中空円筒体から構成されてもよい。

この構成によれば、当該中空円筒体の近位端は、第１閉塞要素により塞がれ、遠位端は、第２閉塞要素により塞がれる。これら２つの閉塞要素の間に規定される容積に吐出用流体が含まれる。上述のように、ユーザは、装置を作動させると、アクチュエータ本体を軸方向に押圧して吐出口に向けて摺動させる。

これにより、第２閉塞要素が容器の内部を移動する。ここで、吐出用流体は非圧縮性流体であるので、第２閉塞要素が移動すると、第１閉塞要素が固定の中空スリーブに向かって移動する。そうすると第１閉塞要素は中空スリーブに取り囲まれる。容器内の流体は、中空スリーブと第１閉塞要素の間または中空スリーブと容器の間に形成される流路を通って吐出される。第２閉塞要素はこのようにピストンとして作用する。

上述のとおり、第２の実施形態に係る図７に示すような２回吐出型の装置にも、本発明を適用できる。この構成によれば、容器内の流体は、連続する２回の作動により吐出される。国際公開第２０１４／１４７３２９号には、２回吐出型の装置の例が記載されている。

図７に示す実施形態では、アクチュエータ本体３１の周囲に、外方部材５０が組み付けられる。外方部材５０は、円筒スリーブ５１と１つ以上の傾斜タブ５２を含む。傾斜タブ５２は、アクチュエータ本体３１の突起３３，３４と協働して連続作動を実行するよう構成される。

このような構成によれば、ユーザは、好ましくは外方部材５０の軸方向下側縁部５６を押圧して装置を作動させる。有利には、円筒スリーブ５１の軸方向近位端部５５と吐出ヘッド２０の側方部分２４に設けられる肩部２６とが協働することにより、外方部材５０は吐出ヘッド２０内において軸方向に保持される。外方部材５０と吐出ヘッド２０の間には、図８（ａ）に示す戻しばね８０が装着されるので、作動終了のたびに外方部材５０はその開始位置に戻る。

当然ながら、添付の特許請求の範囲において定義するように、本発明の範囲を逸脱しない限り本発明を変形することができる。

Claims (15)

1. 流体吐出装置であって、
   流体を収容する容器（１０）と、
   吐出口（２１）を有する吐出ヘッド（２０）と、
   前記吐出口（２１）を介して前記流体の少なくとも一部を吐出するためのピストン（４５；７０）と、
   作動中に前記容器（１０）を前記吐出口（２１）に連通させる通過手段（４０）と
   を備え、
   作動までは、前記容器（１０）は閉塞要素（２５）により密閉状態で塞がれ、
   前記通過手段（４０）は、
   前記吐出ヘッド（２０）に固定される中空スリーブ（４１）を含み、
   作動中に、前記中空スリーブ（４１）が前記閉塞要素（２５）の周囲を摺動することにより、前記通過手段（４０）が開放される
   ことを特徴とする流体吐出装置。
2. 前記中空スリーブ（４１）の上に、半径方向ガスケット（７０）が組み付けられることによりピストンが構成され、
   作動中に、前記ピストンは前記容器（１０）と密閉状態で協働することにより、前記流体を前記吐出口（２１）に向けて流動させる
   ことを特徴とする請求項１に記載の流体吐出装置。
3. 前記中空スリーブ（４１）は、ピストンを構成するリップ（４５）と一体形成され、
   作動中に、前記リップ（４５）は前記容器（１０）と密閉状態で協働することにより、前記流体を前記吐出口（２１）に向けて流動させる
   ことを特徴とする請求項１に記載の流体吐出装置。
4. 前記リップ（４５）は、前記中空スリーブ（４１）の軸方向近位縁部に形成される
   ことを特徴とする請求項３に記載の流体吐出装置。
5. 前記中空スリーブ（４１）および前記リップ（４５）は、前記吐出ヘッド（２０）の内部において前記吐出口（２１）の上流に配置される中空部材（６０）と一体形成され、
   前記中空部材（６０）は、吐出路（６１）を規定する
   ことを特徴とする請求項３または４に記載の流体吐出装置。
6. 前記中空スリーブ（４１）は、前記吐出ヘッド（２０）の内部において前記吐出口（２１）の上流に配置される中空部材（６０）に組み付けられ、
   前記中空部材（６０）は、吐出路（６１）を規定する
   ことを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の流体吐出装置。
7. 前記中空部材（６０）は、前記吐出口（２１）のすぐ上流において噴霧用の輪郭形状を規定する
   ことを特徴とする請求項５または６に記載の流体吐出装置。
8. 前記中空スリーブ（４１）の内側が、１つ以上の溝やスプラインなどを有する形状であることにより、
   前記中空スリーブ（４１）が前記閉塞要素（２５）の周囲に位置するときに、前記閉塞要素（２５）の周囲に流路が１つ以上形成されて、前記通過手段（４０）が開放される
   ことを特徴とする請求項１から７のいずれか１項に記載の流体吐出装置。
9. 前記中空スリーブ（４１）の円筒壁の外側が、１つ以上の溝やスプラインなどを有する形状であることにより、
   前記中空スリーブ（４１）が前記閉塞要素（２５）の周囲に位置するときに、前記中空スリーブ（４１）の外側と前記容器（１０）の内壁との間で、前記閉塞要素（２５）の周囲に流路が１つ以上形成されて、前記通過手段（４０）が開放される
   ことを特徴とする請求項１から７のいずれか１項に記載の流体吐出装置。
10. 前記中空スリーブ（４１）は、液体を前記吐出路（６１）に向けて案内するための半径方向流路（４２）を有し、
    前記半径方向流路（４２）に対して軸方向近位側に、前記ピストン（４５，７０）が配置される
    ことを特徴とする請求項５から７のいずれか１項に従属する場合の請求項９に記載の流体吐出装置。
11. 前記閉塞要素（２５）は、ボールである
    ことを特徴とする請求項１から１０のいずれか１項に記載の流体吐出装置。
12. 前記閉塞要素（２５）は、円筒状の栓部材である
    ことを特徴とする請求項１から１０のいずれか１項に記載の流体吐出装置。
13. 前記閉塞要素（２５）は、エラストマーまたは熱可塑性材料で形成される
    ことを特徴とする請求項１から１２のいずれか１項に記載の流体吐出装置。
14. 前記容器（１０）は、１回の作動により吐出されるべき１回分の分量の流体を収容する
    ことを特徴とする請求項１から１３のいずれか１項に記載の流体吐出装置。
15. 前記容器（１０）は、連続する２回の作動により吐出されるべき２回分の分量の流体を収容する
    ことを特徴とする請求項１から１３のいずれか１項に記載の流体吐出装置。

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