JP2021134902A - 動力伝達装置の潤滑構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】潤滑経路を簡素化することによって減速機(動力伝達装置)の構造単純化と小型化を図ることができる動力伝達装置の潤滑構造を提供すること。【解決手段】第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2を軸方向に並設し、入力軸2の回転を第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2によって減速して出力軸5L,5Rへと伝達する減速機Tの潤滑構造として、第1遊星ギヤ機構PG1の第1ピニオンシャフト8に、一端が第2遊星ギヤ機構PG2に向かって開口する軸方向の第1油路10を形成し、第2遊星ギヤ機構PG2の第2ピニオンシャフト12に、一端が第1遊星ギヤ機構PG1に向かって開口する軸方向の第2油路13を形成し、第1油路10に供給される潤滑油を第2油路13へと受け渡し、第1油路10と第2油路13を流れる潤滑油によって第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2をそれぞれ潤滑する構成とする。【選択図】図3
Description
本発明は、入力軸の回転を多段の遊星ギヤ機構によって減速して出力軸へと伝達する動力伝達装置の潤滑構造に関する。
例えば、エンジンや電動モータなどの駆動源の回転を減速して出力軸である車軸へと伝達して走行する車両においては、動力伝達経路に動力伝達装置である減速機が設けられるが、この減速機において高い減速比を得るために、例えば、2つの遊星ギヤ機構を軸方向に並設して構成される減速機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このような減速機においては、各遊星ギヤ機構は、サンギヤと、該サンギヤの周囲に配置されるリングギヤと、サンギヤとリングギヤに噛合して自転しながらサンギヤの周りを公転する複数のピニオンギヤ(遊星ギヤ)と、これらのピニオンギヤを回転可能に支持するキャリアを含んで構成されている。このような遊星ギヤ機構を例えば軸方向に2つ並設して構成される減速機によれば、駆動源によって回転駆動される入力軸の回転が2つの遊星ギヤ機構によって2段階に減速されるために高い減速比が得られるとともに、全体を小型に構成することができる。
ところで、2つの遊星ギヤ機構を軸方向に並設して構成される減速機においては、各遊星ギヤ機構を潤滑油によって潤滑する必要があるが、従来はオイルポンプからの潤滑油供給経路を2系統に分け、各系統に沿って流れる潤滑油によって各遊星ギヤ機構をそれぞれ潤滑する構成が採用されている。
ところが、減速機の潤滑構造として、従来のようにオイルポンプからの潤滑油の供給経路を2系統に分け、各系統に沿って流れる潤滑油によって各遊星ギヤ機構をそれぞれ潤滑する構成を採用すると、潤滑経路が複雑化し、減速機の構成も複雑化して大型化を招くという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、その目的は、潤滑経路を簡素化することによって減速機(動力伝達装置)の構造単純化と小型化を図ることができる動力伝達装置の潤滑構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、第1遊星ギヤ機構(PG1)と第2遊星ギヤ機構(PG2)を入力軸(2)及び出力軸(5L,5R)の軸方向に沿って並設し、前記入力軸(2)の回転を前記第1遊星ギヤ機構(PG1)と前記第2遊星ギヤ機構(PG2)によって減速して前記出力軸(5L,5R)へと伝達する動力伝達装置(T)の潤滑構造であって、前記第1遊星ギヤ機構(PG1)の第1ピニオンシャフト(8)に、一端が前記第2遊星ギヤ機構(PG2)に向かって開口する軸方向の第1油路(10)を形成し、前記第2遊星ギヤ機構(PG2)の第2ピニオンシャフト(12)に、一端が前記第1遊星ギヤ機構(PG1)に向かって開口する軸方向の第2油路(13)を形成し、前記第1油路(10)に供給される潤滑油を該第1油路(10)から前記第2油路(13)へと受け渡し、これらの前記第1油路(10)と前記第2油路(13)を流れる潤滑油によって前記第1遊星ギヤ機構(PG1)と前記第2遊星ギヤ機構(PG2)をそれぞれ潤滑することを特徴とする。
本発明によれば、第1油路に供給される潤滑油を該第1油路から第2油路へと受け渡し、これらの第1油路と第2油路を流れる潤滑油によって第1遊星ギヤ機構と第2遊星ギヤ機構をそれぞれ潤滑するようにしたため、第1遊星ギヤ機構と第2遊星ギヤ機構への潤滑油の供給系統が1系統で済み、潤滑経路を簡素化して動力伝達装置の構造単純化と小型化を図ることができる。
上記潤滑構造において、前記第1油路(10)の開口端を前記第2遊星ギヤ機構(PG2)に向かって突出させることが望ましい。この場合、前記第1油路(10)の開口端に、前記第2遊星ギヤ機構(PG2)に向かって突出するスリーブ(11)を圧入してもよい。
上述のように第1油路の開口端を第2遊星ギヤ機構に向かって突出させることによって、第1油路から第2油路への潤滑油の受け渡しをスムーズに行うことができる。
また、前記潤滑構造において、前記第1油路(10)の開口端を外周側から覆い、該第1油路(10)の開口端から流出する潤滑油を受けてこれを前記第2油路(13)へと導くオイルレシーバ(14)を設けることが望ましい。この場合、前記オイルレシーバ(14)とスリーブ(11)とを軸方向において互いにオーバーラップさせたことがより望ましい。
上記構成によれば、第1油路から流出する潤滑油をオイルレシーバによって効率よく受けてこれを第2油路へと確実に受け渡すことができる。
さらに、前記潤滑構造において、前記第2油路(13)を前記第1油路(10)よりも径方向外方に配置することが望ましい。
上述のように、第2油路を第1油路よりも径方向外方に配置することによって、第1油路から流出して遠心力によって径方向外方へと向かう潤滑油を、第1油路よりも径方向外方に配置された第2油路へと確実に受け渡すことができる。
本発明によれば、第1遊星ギヤ機構と第2遊星ギヤ機構への潤滑油の供給系統が1系統で済むため、潤滑経路を簡素化して動力伝達装置の構造単純化と小型化を図ることができるという効果が得られる。
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[電動ユニットの構成]
図1は減速機(動力伝達装置)の潤滑構造を備える電動ユニットの模式的断面図、図2は減速機の速度線図であり、図1に示す電動ユニットUは、不図示の電気自動車(EV車)に搭載されるものであって、以下のように構成されている。
図1は減速機(動力伝達装置)の潤滑構造を備える電動ユニットの模式的断面図、図2は減速機の速度線図であり、図1に示す電動ユニットUは、不図示の電気自動車(EV車)に搭載されるものであって、以下のように構成されている。
すなわち、図1に示す電動ユニットUは、ケース1内に駆動源である電動モータMと多段減速機T、ディファレンシャル機構(差動機構)Dなどを収容して構成されている。より詳細には、ケース1内は隔壁1Aによってモータ室SMとギヤ室SGとに区画されており、モータ室SMには、駆動源である電動モータMが収容され、ギヤ室SGには減速機(動力伝達装置)Tとディファレンシャル機構Dが収容されている。なお、電動モータMは、回生時に発電機(ジェネレータ)としても機能するものであって、これには不図示のインバータを介してバッテリが電気的に接続されており、このバッテリから供給される電力によって当該電動モータMが回転駆動される。
上記電動モータMの中心には、該電動モータMによって回転駆動される回転可能な中空の入力軸(モータ軸)2が挿通しており、この入力軸2の軸方向両端部は、軸受(ボールベアリング)3によってケース1に回転可能に支持されている。そして、この入力軸2の軸方向一端部(図1の左端部)は、ケース1の隔壁1Aを貫通してギヤ室SGに臨んでいる。
ギヤ室SGに収容された減速機Tは、入力軸2の軸方向(図1の左右方向)に隣接して並設された第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2を備えている。ここで、第1遊星ギヤ機構PG1は、入力軸2のギヤ室SGへと延出する軸方向一端部(図1の左端部)の外周に形成された小径のサンギヤs1と、ケース1の内周に固定された大径のリングギヤr1と、サンギヤs1とリングギヤr1に噛合して自転しながらサンギヤs1の周りを公転する複数(図1には2つのみ図示)のピニオンギヤ(遊星ギヤ)p1と、これらのピニオンギヤp1を回転(自転)可能に支持するキャリアc1を備えている。
また、第2遊星ギヤ機構PG2は、第1遊星ギヤ機構PG1のキャリアc1に形成された小径のサンギヤs2と、ケース1の内周に固定された大径のリングギヤr2と、サンギヤs2とリングギヤr2に噛合して自転しながらサンギヤs2の周りを公転する複数(図1には2つのみ図示)のピニオンギヤ(遊星ギヤ)p2と、これらのピニオンギヤp2を回転(自転)可能に支持するキャリアc2を備えている。
そして、第2遊星ギヤ機構PG2のキャリアc2には、ディファレンシャル機構Dのケース(デフケース)4が取り付けられている。なお、ディファレンシャル機構Dの構成は公知であるため、これについての説明は省略するが、このディファレンシャル機構Dからは左右の出力軸(車軸)5L,5Rが同一軸上を車幅方向(図1の左右方向)に沿って延びており、各車軸5L,5Rの外端部には不図示の車輪(駆動輪)がそれぞれ取り付けられている。ここで、ディファレンシャル機構Dのケース(デフケース)4は、軸受(ボールベアリング)6によってケース1に回転可能に支持されている。
ところで、一方(図1の右方)の出力軸(車軸)5Rは、第2遊星ギヤ機構PG2のキャリアc2の中空部と中空の入力軸(モータ軸)2を貫通してケース1の外方へと延出しており、この出力軸(車軸)5Rと入力軸(モータ軸)2とは同一軸心上を車幅方向(図1の左右方向)に沿って回転可能に配置されている。なお、出力軸(車軸)5Rの軸方向一端部(図1の右端部)は、軸受(ボールベアリング)7によってケース1に回転可能に支持されている。
而して、以上のように構成された電動ユニットUにおいて、電動モータMが起動されて入力軸(モータ軸)2が所定の速度で回転駆動されると、この入力軸2の回転は、第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2によって2段減速されて左右の出力軸(車軸)5L,5Rへと伝達される。
すなわち、図2に示すように、第1遊星ギヤ機構PG1においては、入力軸(モータ軸)2に形成されたサンギヤs1が入力軸2と共に速度V1で回転駆動されると、自転しながらサンギヤs1の周りを公転するピニオンギヤp1を支持するキャリアc1が速度(ピニオンギヤp1の公転速度)V2(<V1)で回転する。この結果、入力軸(モータ軸)2の回転は、第1遊星ギヤ機構PG1によって速度V1から速度V2(<V1)へと減速される。
そして、第2遊星ギヤ機構PG2においては、図2に示すように、第1遊星ギヤ機構PG1のキャリアc1に形成されたサンギヤs2がキャリアc1と同速度V2で回転し、自転しながらサンギヤs2の周りを公転するピニオンギヤp2を支持するキャリアc2が速度(ピニオンギヤp2の公転速度)V3(<V2)で回転する。
以上の結果、入力軸(モータ軸)2の回転は、第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2によって速度V1から速度V3(<V2<V1)へと減速される。すると、ディファレンシャル機構Dのケース(デフケース)4が第2遊星ギヤ機構PG2のキャリアc2と共に速度V3で回転し、この回転は、ディファレンシャル機構Dによって分配されて左右の出力軸(車軸)5L,5Rへと伝達され、左右の出力軸(車軸)5L,5Rがそれぞれ回転駆動される。この結果、左右の出力軸(車軸)5L,5Rの各外端部にそれぞれ取り付けられた左右の不図示の車輪(駆動輪)が回転駆動されるため、電気自動車(EV車)が所定の速度で走行する。
[減速機の潤滑構造]
次に、本発明に係る減速機Tの潤滑構造を図3及び図4に基づいて以下に説明する。
次に、本発明に係る減速機Tの潤滑構造を図3及び図4に基づいて以下に説明する。
図3は本発明に係る潤滑構造を備える減速機要部の半裁断面図、図4は図3のA部拡大詳細図であり、図3に示すように、第1遊星ギヤ機構PG1においては、複数(図3には1つのみ図示)のピニオンギヤp1は、キャリアc1に取り付けられた水平な第1ピニオンシャフト8に対して軸受(ニードルベアリング)9によってそれぞれ回転(自転)可能に支持されている。そして、各第1ピニオンシャフト8(図3には1つのみ図示)の軸中心には、軸方向に延びる第1油路10がそれぞれ形成されており、各第1油路10の軸方向一端(図3の左端)は、第2遊星ギヤ機構PG2に向かって開口している。
ここで、各第1ピニオンシャフト8に形成された第1油路10の開口端(開口端部)には、円筒状のスリーブ11がそれぞれ圧入されており、このスリーブ11は、第1油路10から第2遊星ギヤ機構PG2の第2ピニオンシャフト12の端面に向かって所定量だけ突出している。なお、本実施の形態では、第1油路10の開口端に第1ピニオンシャフト8とは別部材であるスリーブ11を圧入したが、このスリーブ11に代えて第1ピニオンシャフト8の第1油路10の開口端の周縁に円筒状の突起を一体に突設してもよい。ここで、第2遊星ギヤ機構PG2の第2ピニオンシャフト12は、複数のピニオンギヤp2をそれぞれ回転(自転)可能に支持している。
また、第2遊星ギヤ機構PG2の各第2ピニオンシャフト12(図3には1つのみ図示)の軸中心から偏心した位置には、軸方向に延びる第2油路13がそれぞれ形成されており、各第2油路13の軸方向一端(図3の右端)は、第1遊星ギヤ機構PG1に向かってそれぞれ開口している。ここで、図3に示すように、各第2ピニオンシャフト12に形成された第2油路13は、各第1ピニオンシャフト8に形成された第1油路10よりも径方向外方に配置されている。
そして、第2遊星ギヤ機構PG2のキャリアc2の第1遊星ギヤ機構PG1のキャリアc1に対向する端面(図3の右端面)には、第2油路13の開口端から突出するスリーブ11を外周側から覆うリングプレート状のオイルレシーバ14が取り付けられている。このオイルレシーバ14は、第1油路10の開口端に圧入されたスリーブ11から流出する潤滑油を受けてこれを第2油路13へと導く機能を果たすものであって、次のように構成されている。
すなわち、図4に詳細に示すように、このオイルレシーバ14のキャリアc1とキャリアc2との間の軸方向隙間に配置された部分には、キャリアc2の端面からキャリアc1の端面に向かって径方向内方へと略45°の角度で拡がりながら傾斜する傾斜部14aと、この傾斜部14aの内端縁から径方向内方(図4の下方)に向かって垂直に延びるガイド部14bを備えている。そして、キャリアc1とキャリアc2との間の軸方向隙間において、オイルレシーバ14の傾斜部14a及びガイド部14bとスリーブ11とは軸方向において互いにオーバーラップしている。
ところで、図3に示すように、一方(右側)の出力軸(車軸)5Rの軸中心部には油路15が形成されており、この油路15は、補機である不図示のオイルポンプの吐出側に接続されている。そして、出力軸(車軸)5Rには、油路15に連通する円孔状の複数の油孔16(図3には1つのみ図示)が径方向に形成されており、これらの油孔16は、入力軸(モータ軸)2と出力軸(車軸)5Rとの間に形成された円筒状の油路17に開口している。
また、入力軸(モータ軸)2には、複数の円孔状の油孔18(図3には1つのみ図示)が形成されており、キャリアc1と入力軸(モータ軸)2との間に形成された円筒状の油路19と前記油路17とは、油孔18を介して互いに連通している。そして、キャリアc1と第1ピニオンシャフト8には、互いに連通する径方向油路20,21がそれぞれ形成されており、第1ピニオンシャフト8に形成された第1油路10は、径方向油路20,21を介して前記油路19に連通するとともに、第1ピニオンシャフト8に形成された径方向油路22を介して軸受(ニードルベアリング)9に連通している。
また、第2ピニオンシャフト12に形成された第2油路13は、第2ピニオンシャフト12に形成された径方向油路23を介して2連の軸受(ニードルベアリング)24に連通している。なお、第2遊星ギヤ機構PG2の各ピニオンギヤp2は、2連の軸受(ニードルベアリング)24によってキャリアc2にそれぞれ回転(自転)可能に支持されている。
以上のように構成された第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2の潤滑構造において、不図示のオイルポンプから潤滑油が出力軸(車軸)5Rの油路15へと供給されると、図3に矢印にて循環経路を示すように、この潤滑油は、油孔16から油路17及び油孔18を経て油路19へと流れ込む。そして、油路19へと流れ込んだ潤滑油は、キャリアc1と第1ピニオンシャフト8にそれぞれ形成された径方向油路20,21から第1ピニオンシャフト8の第1油路10へと流れ込み、その一部は、径方向油路22から軸受(ニードルベアリング)9へと供給されて該軸受(ニードルベアリング)9を潤滑するとともに、ピニオンギヤp1とリングギヤr1との噛合部に供給されて該噛合部を潤滑する。
また、第1ピニオンシャフト8の第1油路10へと流れ込んだ潤滑油の他の一部は、該第1油路10の開口端に圧入されたスリーブ11からキャリアc1とキャリアc2との軸方向隙間へと流出するが、この流出する潤滑油は、第1ピニオンシャフト8の回転に伴う遠心力によって径方向外方(図3及び図4の上方)へと向かい、オイルレシーバ14のガイド部14bによって案内されて該オイルレシーバ14によって受けられる。すると、オイルレシーバ14によって受けられた潤滑油は、該オイルレシーバ14の略45°傾斜する傾斜部14aに衝突し、その流れ方向が直角に曲げられて軸方向へと変更され、第2ピニオンシャフト12に形成された第2油路13へと導入される。つまり、第1油路10から流出する潤滑油がオイルレシーバ14によって第2油路13へと受け渡される。
上述のように第2油路13へと受け渡された潤滑油は、第2ピニオンシャフト12に形成された径方向油路23から軸受(ニードルベアリング)24へと供給されて該軸受(ニードルベアリング)14を潤滑するとともに、ピニオンギヤp2とリングギヤr2との噛合部に供給されて該噛合部を潤滑する。
以上のように、本実施の形態に係る潤滑構造においては、第1油路10に供給される潤滑油を該第1油路10から第2油路13へと受け渡し、これらの第1油路10と第2油路13を流れる潤滑油によって第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2をそれぞれ潤滑するようにしたため、第1遊星ギヤ機構PG1と第2遊星ギヤ機構PG2への潤滑油の供給系統が1系統で済み、潤滑経路を簡素化して減速機Tの構造単純化と小型化を図ることができる。
また、本実施の形態では、第1油路10の開口端に、第2遊星減速機構PG2に向かって突出するスリーブ11を圧入したため、第1油路10から第2油路13への潤滑油の受け渡しをスムーズに行うことができる。そして、本実施の形態では、スリーブ11の開口端を外周側から覆うオイルレシーバ14を設け、このオイルレシーバ14とスリーブ11とを軸方向においてオーバーラップさせるようにしたため、第1油路10から流出する潤滑油をオイルレシーバ14によって効率よく受けてこれを第2油路13へと確実に受け渡すことができる。
そして、本実施の形態では、第2油路13を前記第1油路10よりも径方向外方に配置したため、第1油路10から流出して遠心力によって径方向外方へと向かう潤滑油を、第1油路10よりも径方向外方に配置された第2油路13へと確実に受け渡すことができる。
なお、以上は本発明を電気自動車(EV車)に搭載される減速機の潤滑構造に対して適用した形態について説明したが、本発明に係る潤滑構造は、エンジンのみを駆動源とする車両や駆動源としてエンジンと電動機を併用するハイブリッド車両(HEV車)に搭載される減速機、或いは車両以外の他の任意の機器に設けられる減速機の潤滑構造に対しても同様に適用可能である。
その他、本発明は、以上説明した実施の形態に適用が限定されるものではなく、特許請求の範囲および明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内で種々の変形が可能である。
1 ケース
2 入力軸(モータ軸)
5L,5R 出力軸(車軸)
8 第1ピニオンシャフト
10 第1油路
11 スリーブ
12 第2ピニオンシャフト
13 第2油路
14 オイルレシーバ
PG1 第1遊星ギヤ機構
PG2 第2遊星ギヤ機構
T 減速機(動力伝達装置)
2 入力軸(モータ軸)
5L,5R 出力軸(車軸)
8 第1ピニオンシャフト
10 第1油路
11 スリーブ
12 第2ピニオンシャフト
13 第2油路
14 オイルレシーバ
PG1 第1遊星ギヤ機構
PG2 第2遊星ギヤ機構
T 減速機(動力伝達装置)
Claims (7)
- 第1遊星ギヤ機構と第2遊星ギヤ機構を入力軸及び出力軸の軸方向に沿って並設し、前記入力軸の回転を前記第1遊星ギヤ機構と前記第2遊星ギヤ機構によって減速して前記出力軸へと伝達する動力伝達装置の潤滑構造であって、
前記第1遊星ギヤ機構の第1ピニオンシャフトに、一端が前記第2遊星ギヤ機構に向かって開口する軸方向の第1油路を形成し、
前記第2遊星ギヤ機構の第2ピニオンシャフトに、一端が前記第1遊星ギヤ機構に向かって開口する軸方向の第2油路を形成し、
前記第1油路に供給される潤滑油を該第1油路から前記第2油路へと受け渡し、これらの前記第1油路と前記第2油路を流れる潤滑油によって前記第1遊星ギヤ機構と前記第2遊星ギヤ機構をそれぞれ潤滑することを特徴とする動力伝達装置の潤滑構造。 - 前記第1油路の開口端を前記第2遊星ギヤ機構に向かって突出させたことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置の潤滑構造。
- 前記第1油路の開口端に、前記第2遊星ギヤ機構に向かって突出するスリーブを圧入したことを特徴とする請求項2に記載の動力伝達装置の潤滑構造。
- 前記第1油路の開口端を外周側から覆い、該第1油路の開口端から流出する潤滑油を受けてこれを前記第2油路へと導くオイルレシーバを設けたことを特徴とする請求項3に記載の動力伝達装置の潤滑構造。
- 前記オイルレシーバと前記スリーブとを軸方向において互いにオーバーラップさせたことを特徴とする請求項4に記載の動力伝達装置の潤滑構造。
- 前記第1油路の開口端を外周側から覆い、該第1油路の開口端から流出する潤滑油を受けてこれを前記第2油路へと導くオイルレシーバを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の動力伝達装置の潤滑構造。
- 前記第2油路を前記第1油路よりも径方向外方に配置したことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の動力伝達装置の潤滑構造。
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