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JP2021134670A - 過給機付きエンジン - Google Patents

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JP2021134670A JP2020029229A JP2020029229A JP2021134670A JP 2021134670 A JP2021134670 A JP 2021134670A JP 2020029229 A JP2020029229 A JP 2020029229A JP 2020029229 A JP2020029229 A JP 2020029229A JP 2021134670 A JP2021134670 A JP 2021134670A
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Abstract

【課題】過給機付きエンジンの暖機を促進する。【解決手段】過給機付きエンジン2は、燃料噴射弁(インジェクタ21)と、排気浄化装置6と、排気浄化装置の下流に設けられた、排気ターボ過給機4のタービン42と、排気通路における排気浄化装置とタービンとの間の部位と吸気通路とを互いに接続するEGR通路(第1EGR通路71)と、水冷式のEGRクーラ75と、を有するEGRシステム7と、エンジンとラジエータとの間で冷却水が循環する循環回路8と、制御対象に制御信号を出力する制御ユニット(ECU100)と、を備える。EGRクーラは、循環回路に接続されかつ、冷却水と排気との間で熱交換させる。制御ユニットは、エンジンの冷間時に、エンジンの暖機制御として、排気行程中の燃料噴射を燃料噴射弁に実行させると共に、EGRシステムにEGRガスの還流を実行させる。【選択図】図1

Description

ここに開示する技術は、過給機付きエンジンに関する。
特許文献1には、過給機付きエンジンが記載されている。このエンジンの排気通路には、排気ターボ過給機のタービンが設けられている。また、排気通路における、タービンよりも上流には、酸化触媒とDPFとが配設されている。エンジンの吸気通路には、排気ターボ過給機のコンプレッサが設けられている。
特開2013−189900号公報
特許文献1に記載された過給機付きエンジンは、酸化触媒が、タービンよりもエンジンに近い位置に設けられている。このため、酸化触媒の温度を高くできる。例えばエンジンの始動時に、酸化触媒を早期に活性化できる。
しかしながら、特許文献1に記載された過給機付きエンジンは、エンジンを速やかに暖機するための構成を有していない。
ここに開示する技術は、過給機付きエンジンの暖機を促進する。
ここに開示する技術は、過給機付きエンジンに関する。この過給機付きエンジンは、
エンジンへ燃料を供給する燃料噴射弁と、
前記エンジンの排気通路に設けられかつ、前記エンジンから排出された排気を浄化する排気浄化装置と、
前記排気通路において、前記排気浄化装置よりも下流に設けられた、排気ターボ過給機のタービンと、
前記排気通路における前記排気浄化装置と前記タービンとの間の部位と、前記エンジンの吸気通路とを互いに接続するEGR通路と、前記EGR通路に設けられかつ、前記EGR通路を流れるEGRガスを冷却する水冷式のEGRクーラと、を有しかつ、排気の一部をEGRガスとして、前記吸気通路に還流するEGRシステムと、
前記エンジンと、冷却水を放熱させるラジエータとの間で冷却水が循環する循環回路と、
制御対象に制御信号を出力する制御ユニットと、を備え、
前記EGRクーラは、前記循環回路に接続されかつ、冷却水と排気との間で熱交換させ、
前記制御ユニットは、前記エンジンの温度が所定温度よりも低い冷間時に、前記エンジンの暖機制御として、排気行程中の燃料噴射を前記燃料噴射弁に実行させると共に、前記EGRシステムにEGRガスの還流を実行させる。
この構成によると、排気浄化装置は、排気通路において排気ターボ過給機のタービンよりも上流に設けられている。排気浄化装置はエンジンに近いため、例えばエンジンを始動させた後に、排気浄化装置の温度は速やかに上昇する。排気浄化装置は早期に活性化する。排気浄化装置の早期の活性化は、エンジンの排出ガス性能の向上に有利である。
エンジンには、EGRシステムが設けられている。EGRシステムは、EGR通路に設けられたEGRクーラを有している。EGRシステムは、冷却したEGRガスを、吸気通路に供給できる。
EGRクーラは、エンジンの冷却水の循環回路に接続されている。EGRクーラは、エンジンの冷却水と排気との間で熱交換させる。エンジンの暖機中は冷却水の温度が低い。エンジンの暖機中にEGRシステムがEGRガスの還流を行うと、排気の熱をエンジンの冷却水に与えることができ、エンジンの冷却水の温度上昇が促進される。
制御ユニットは、前記エンジンの温度が所定温度よりも低い冷間時に、エンジンの暖機制御を実行する。暖機制御時に、制御ユニットは、排気行程中の燃料噴射を燃料噴射弁に実行させる。排気行程中に噴射された燃料は、未燃焼、又は、ほぼ未燃焼のままで排気浄化装置に供給される。排気浄化装置において燃料が反応し、反応熱が発生する。その反応熱によって排気の温度が上昇する。
制御ユニットは、暖機制御時に、EGRシステムにEGR通路を通じたEGRガスの還流を実行させる。排気浄化装置から排出された高温の排気が、EGRガスとして、EGR通路を通じて吸気通路へ還流される。前述したようにEGRクーラにおいて、高温のEGRガスから冷却水へ熱が供給される。冷却水の温度が速やかに上昇するから、冷却水がエンジンの中を循環することによりエンジンの暖機が促進されて、暖機制御が速やかに完了する。この構成は、エンジンが冷間状態である時間が短いため、エンジンの燃費性能を向上させる。
前記制御ユニットは、前記排気浄化装置が活性温度に到達した後、前記暖機制御を実行する、としてもよい。
排気浄化装置が活性温度に到達した後に、燃料噴射弁が、排気行程中の燃料噴射を実行する。活性化した排気浄化装置において燃料が反応して、反応熱を発生させることができる。
前記制御ユニットは、前記暖機制御の間は、前記循環回路において、前記ラジエータをバイパスして前記エンジンと前記EGRクーラとの間で冷却水を循環させる、としてもよい。
こうすることで、暖機制御中は、ラジエータにおいて冷却水の放熱が行われないから、排気の熱によって昇温した冷却水により、エンジンの暖機を促進できる。エンジンの暖機制御が速やかに完了できる。
前記過給機付きエンジンは、
前記エンジンの吸気通路に設けられかつ、前記エンジンに供給する吸気を過給する、前記排気ターボ過給機のコンプレッサと、
前記吸気通路における前記コンプレッサよりも下流に設けられかつ、前記エンジンの運転状態が所定の領域内にある場合に駆動する電動過給機と、を備え、
前記EGR通路は、前記吸気通路における前記コンプレッサと前記電動過給機との間の部位と、前記排気通路における前記排気浄化装置と前記タービンとの間の部位とを互いに接続する、としてもよい。
電動過給機が駆動している場合、電動過給機の下流の圧力は高いが、電動過給機の上流の圧力は相対的に低い。EGR通路は、電動過給機の上流に接続されている。EGRシステムは、電動過給機が駆動している場合に、吸気通路における電動過給機の上流にEGRガスを供給できる。
前記排気浄化装置は、排気中の有害物質を反応させる触媒装置と、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタ装置と、を含んでいる、としてもよい。
触媒装置は、燃料を反応させて反応熱を発生させることができる。また、EGRシステムは、フィルタ装置を通過した排気であって、粒子状物質を含まないクリーンな排気を、EGRガスとして吸気通路に供給できる。
以上説明したように、前記の過給機付きエンジンは、暖機が促進される。
図1は、エンジンシステムの構成を例示する概略図である。 図2は、エンジンの制御構成を例示するブロック図である。 図3は、エンジンの運転領域を例示するマップである。 図4は、電動式過給機のコンプレッサの特性を例示する図である。 図5は、エンジンのp−v線図の例である。 図6は、ECUによるエンジン制御を例示するフローチャートである。 図7は、エンジンの始動時における各パラメータの変化を例示するタイムチャートである。
以下、過給機付きエンジンの実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、実施形態に係るエンジンシステム1を示す。このエンジンシステム1は、車両に搭載される。エンジンシステム1のエンジン2は、軽油を主成分とした燃料が供給されるディーゼルエンジンである。エンジン2は、図示は省略するが、複数の気筒を有している。各気筒は、エンジン2の燃焼室を形成する。燃焼室内に供給された燃料は、圧縮自着火により燃焼する。
(エンジンシステムの構成)
エンジン2には、燃料噴射弁、つまりインジェクタ21が取り付けられている。インジェクタ21は、エンジン2に燃料を供給する。より詳細に、インジェクタ21は、気筒毎に設けられ、気筒内に燃料を直接噴射する。インジェクタ21は、後述するECU100からの制御信号を受ける。インジェクタ21は、エンジン2の運転状態に応じて設定された噴射タイミングでかつ、エンジン2の運転状態に応じた量の燃料を、燃焼室内に噴射する。
エンジン2には、吸気通路31が接続されている。吸気通路31は、各気筒に吸気を供給する。吸気は、空気、又は、空気及びEGRガスを含む。エンジン2にはまた、排気通路32が接続されている。排気通路32は、各気筒からの排気を排出する。
吸気通路31には、上流側から下流側へ向かって順に、排気ターボ過給機4のコンプレッサ41と、電動過給機5と、インタークーラ43とが配設されている。コンプレッサ41は、吸気を昇圧する。電動過給機5も、吸気を昇圧する。インタークーラ43は、昇圧された吸気を冷却する。インタークーラ43は、例えば水冷式の熱交換器である。インタークーラ43は、図示は省略するが、例えばエンジン2の冷却水の循環回路8に接続されている。
電動過給機5は、吸気通路31内に設けられたコンプレッサホイール51と、このコンプレッサホイール51を駆動する電動モータ52とを有している。電動モータ52が運転すると、コンプレッサホイール51が回転し、コンプレッサホイール51は、吸気通路31を流れる吸気を昇圧する。電動過給機5は、排気エネルギを利用しない過給機である。電動モータ52は、車両に搭載されたバッテリ55からの電力供給を受ける。バッテリ55には、例えばオルタネータ(図示省略)によって発電された電力が蓄積される。
ここで電動過給機5の容量は、排気ターボ過給機4のコンプレッサ41の容量よりも小に設定されている。電動過給機5は、後述するように、エンジン2が低回転領域の高負荷状態で運転している場合に駆動し、それ以外の場合には駆動しない。大容量の排気ターボ過給機4のコンプレッサ41と、小容量の電動過給機5とを直列に設け、排気ターボ過給機4のコンプレッサ41のみの駆動、電動過給機5のみの駆動、及び、排気ターボ過給機4のコンプレッサ41と電動過給機5の両方の駆動を切り替えることにより、このエンジン2は、広い運転領域に亘って、吸気を過給できる。
吸気通路31には、コンプレッサホイール51をバイパスするバイパス通路53が設けられている。バイパス通路53の上流端は、吸気通路31におけるコンプレッサ41とコンプレッサホイール51との間に接続されている。バイパス通路53の下流端は、吸気通路31におけるコンプレッサホイール51とインタークーラ43との間に接続されている。バイパス通路53には、バイパス弁54が設けられている。バイパス弁54は、バイパス通路53を流れる吸気量を調整する。電動過給機5が駆動している間、バイパス弁54は閉弁する。電動過給機5が駆動していない間、バイパス弁54は開弁する。
排気通路32には、上流側から下流側へ向かって順に、排気浄化装置6と、排気ターボ過給機4のタービン42とが配設されている。
排気浄化装置6は、触媒装置としての酸化触媒(Diesel Oxidation Catalyst: DOC)と、フィルタ装置としてのDPF(Diesel Particulate Filter)とを含んでいる。詳細な図示は省略するが、排気浄化装置6において、DOCは、DPFの上流に配置されている。
DOCは、排気中のCO及びHCが酸化されてCO及びHOを生成する反応を促す。また、DPF62は、エンジン2の排気中に含まれるスート等の粒子状物質を捕集する。
このエンジンシステム1は、排気中のNOxを浄化する触媒を備えていない。但し、ここに開示する技術は、NOxを浄化する触媒を備えたエンジンに適用することを排除しない。
排気ターボ過給機4のタービン42は、排気のエネルギによって回転する。図示を省略する連結シャフトは、タービン42とコンプレッサ41とを互いに連結する。排気通路32においてタービン42が回転すると、吸気通路31においてコンプレッサ41が回転し、吸気を昇圧する。
排気ターボ過給機4は、詳細な図示は省略するが、可変容量式のターボ過給機である。タービンケース内には、可動ベーンが配設されている。可動ベーンの開度を調整することによって、排気ターボ過給機4における通路面積が変わる。
エンジンシステム1はまた、EGR(Exhaust Gas Recirculation)システム7を備えている。EGRシステム7は、排気の一部を、EGRガスとして吸気通路31に還流する。EGRシステム7は、第1EGR通路71と、第2EGR通路72とを有している。
第1EGR通路71は、吸気通路31におけるコンプレッサ41と電動過給機5との間の部位と、排気通路32における排気浄化装置6とタービン42との間の部位とを互いに接続している。第1EGR通路71には、第1EGR弁73が設けられている。第1EGR弁73は、例えば電磁式の開度調整弁である。第1EGR弁73は、第1EGR通路71を通って吸気通路31に還流されるEGRガスの流量を調整する。
第1EGR通路71にはまた、EGRクーラ75が設けられている。EGRクーラ75は、図1の構成例においては、EGRガスの流れる方向を基準にして、第1EGR弁73の上流に設けられている。EGRクーラ75は、第1EGR通路71を流れるEGRガスを冷却する。EGRクーラ75は、例えば水冷式の熱交換器である。EGRクーラ75は、冷却水の循環回路8に接続されている。EGRクーラ75は、EGRガスと冷却水との間で熱交換させる。尚、循環回路8の構成は後述する。
第2EGR通路72は、第1EGR通路71の途中から分岐している。より詳細に、第2EGR通路72は、第1EGR通路71におけるEGRクーラ75の上流部から、分岐している。第2EGR通路72はまた、吸気通路31における電動過給機5の下流に接続されている。より詳細に、第2EGR通路72は、吸気通路31におけるインタークーラ43とエンジン2との間の部位に接続されている。
第2EGR通路72には、第2EGR弁74が設けられている。第2EGR弁74は、例えば電磁式の開度調整弁である。第2EGR弁74は、第2EGR通路72を通って吸気通路31に還流されるEGRガスの流量を調整する。
エンジンシステム1は、冷却水の循環回路8を有している。図1における破線は、循環回路8を構成する冷却水の流路を示している。循環回路8は、ラジエータ81と、ウォーターポンプ82と、エレキサーモスタット弁85とを含んでいる。
循環回路8は、メイン流路83を有している。メイン流路83は、エンジン2からラジエータ81、エレキサーモスタット弁85、及び、ウォーターポンプ82を通って、エンジン2に戻る通路である。ウォーターポンプ82は、循環回路8において、冷却水を循環させる。ウォーターポンプ82は、例えばエンジン2によって駆動される。ラジエータ81は、エンジン2において受熱した冷却水を放熱させる。エレキサーモスタット弁85は、メイン流路83を開閉する。エレキサーモスタット弁85は、後述するECU100からの制御信号に基づいて、開弁及び閉弁を電磁的に切り替える。
循環回路8はまた、サブ流路84を有している。サブ流路84は、ラジエータ81及びエレキサーモスタット弁85をバイパスするように設けられている。EGRクーラ75は、サブ流路84に設けられている。サブ流路84を流れる冷却水は、エンジン2からEGRクーラ75及びウォーターポンプ82を通って、エンジン2に戻る。サブ流路84を流れる冷却水は、ラジエータ81を通らない。
図2は、エンジンシステム1の制御構成を例示するブロック図である。エンジンシステム1は、エンジン・コントロール・ユニット(以下、ECUという)100を備えている。ECU100は、CPU101、メモリ102、カウンタタイマ群103、インターフェース104及びこれらのユニットを接続するバス105を有するマイクロプロセッサで構成されている。ECU100は、エンジン2を制御する。ECU100は、制御ユニットの一例である。
ECU100は、水温センサSW1、過給圧センサSW2、排気温度センサSW3、クランク角センサSW4、アクセル開度センサSW5、車速センサSW6、DPF差圧センサSW7、及び、触媒温度センサSW8からの信号を受ける。
水温センサSW1は、循環回路8に設けられかつ、エンジン2の冷却水の温度に対応する信号を出力する。過給圧センサSW2は、吸気通路31に設けられかつ、過給圧に対応する信号を出力する。排気温度センサSW3は、排気通路32に設けられかつ、排気温度に対応する信号を出力する。クランク角センサSW4は、エンジン2に取り付けられかつ、エンジン2のクランクシャフトの回転角に対応する信号を出力する。アクセル開度センサSW5は、アクセルペダル(図示省略)に連結されかつ、運転者によるアクセルペダルの操作量に対応する信号を出力する。車速センサSW6は、例えば図示省略の車軸に設けられかつ、車両の車速に対応する信号を出力する。DPF差圧センサSW7は、排気浄化装置6に取り付けられかつ、DPFの入口圧と出口圧との圧力差に対応する信号を出力する。触媒温度センサSW8は、排気浄化装置6に取り付けられかつ、DOCの温度に対応する信号を出力する。
ECU100は、クランク角センサSW4の信号に基づいてエンジン回転数を算出し、アクセル開度センサSW5の信号に基づいてエンジン負荷を算出する。また、ECU100は、水温センサSW1の信号に基づいて、エンジン2の冷間状態及び温間状態を判断する。ECU100は、アクセル開度センサSW5の信号に基づいて、車両の運転者の加速要求の有無、及び、その加速要求の度合いを判定する。
ECU100はまた、DPF差圧センサSW7の信号に基づいて、DPFの再生の要否を判定する。DPFの再生は、DPFに堆積した粒子状物質を燃焼させることである。ECU100は、DPFの再生が必要と判断すれば、DPFの再生制御を行う。
ECU100は、入力された信号に基づいてエンジン2の運転状態を判断し、判断した運転状態に対応するよう、インジェクタ21、電動モータ52、バイパス弁54、ベーンアクチュエータ44、第1EGR弁73、第2EGR弁74、エレキサーモスタット弁85へ制御信号を出力する。尚、ベーンアクチュエータ44は、排気ターボ過給機4の可動ベーンを動かすアクチュエータである。
エンジン2の燃焼室内には、エンジン2の運転状態に応じた量の空気及びEGRガスが導入されると共に、燃料が供給される。燃焼室内に供給された燃料は、適切なタイミングで圧縮自己着火により燃焼する。
ここで、このエンジン2は、熱効率が向上するよう、空気が過剰な状態で燃料を燃焼させる。また、EGRガスを燃焼室に導入することにより、燃焼室内の空気量の調整も行われる。このエンジンシステム1を搭載した車両は、燃費性能が高い。
その一方で、エンジン2の熱効率が高いため、燃焼室から排出される排気の温度は低い。排気の温度が低いと、DOCの活性化には不利になる。従来のエンジンは、排気ターボ過給機のタービンの下流に排気浄化装置を設けることが一般的である。この従来構成はタービンの熱容量が大きいため、排気の温度が低いと、排気浄化装置の温度が、より一層上がりにくいという問題がある。
これに対し、このエンジンシステム1は、排気浄化装置6を、排気ターボ過給機4のタービン42の上流に設けている。エンジン2と排気浄化装置6との間にタービンが存在しないため、排気浄化装置6は、排気によって温度が上がりやすくかつ、エンジン2の運転中は、高温に保たれる。このエンジンシステム1は、排気の温度が低くても、エンジン2の運転中にDOCの活性状態が維持できるから、排出ガス性能が向上する。
(ECUによる電動過給機の制御)
次に、ECU100によるエンジン2の制御について説明をする。図3は、エンジン2の運転領域を例示している。運転領域は、エンジン回転数と、トルク(つまり、エンジン負荷)とによって規定される。
図3は、電動過給機5の運転に関するマップ301である。ECU100は、エンジン2の全運転領域のうち、第2領域において、電動過給機5を駆動し、第2領域以外の第1領域において、電動過給機5を駆動しない。
第2領域は、低回転領域における高負荷領域に相当する。ここで、低回転領域は、エンジン2の全運転領域を、回転数方向に低回転領域と高回転領域とに二等分した場合の、低回転領域に相当する。または、低回転領域は、エンジン2の全運転領域を、回転数方向に低回転領域と中回転領域と高回転領域とに三等分した場合の、低回転領域に相当する。高負荷領域は、エンジン2の全運転領域を、負荷方向に低負荷領域と高負荷領域とに二等分した場合の、高負荷領域に相当する。または、高負荷領域は、エンジン2の全運転領域を、負荷方向に低負荷領域と中負荷領域と高負荷領域とに三等分した場合の、高負荷領域に相当する。
第2領域において電動過給機5が駆動している場合、ECU100は、バイパス弁54を閉弁する。吸気は、電動過給機5のコンプレッサホイール51を通過してエンジン2へ流れる。電動過給機5の運転中、コンプレッサホイール51は、吸気を過給する。
第1領域において電動過給機5が停止している場合、ECU100は、バイパス弁54を開弁する。吸気は、電動過給機5のコンプレッサホイール51を通過せずに、エンジン2へ流れる。電動過給機5の停止中に、エンジン2のポンプ損失の増大が抑制される。
前述したように、電動過給機5のコンプレッサホイール51は、排気ターボ過給機4のコンプレッサ41よりも容量が小さい。電動過給機5は、エンジン2の低回転領域において、効率が高い。電動過給機5は、第2領域において、吸気を効率的に過給できる。
排気ターボ過給機4のコンプレッサ41は、容量が大きいため、エンジン2の運転状態が第2領域にある場合は、実質的に吸気を過給しない。コンプレッサ41は、エンジン2の回転数が高い場合に吸気を過給する。コンプレッサ41は、エンジン2の運転状態が第1領域にある場合に駆動し、吸気を過給する。尚、第1領域と第2領域との境界付近においては、コンプレッサ41が吸気を昇圧しかつ、電動過給機5が吸気をさらに昇圧する場合がある。
次に、電動過給機5を駆動させる車両の運転シーンについて説明する。図3の実線の矢印及び破線の矢印は、運転者がアクセルペダルを踏み込んで車両の加速を要求した場合の、エンジン2の運転状態の変化を例示している。ECU100は、アクセル開度センサSW5の信号に基づいて、図3に白丸で示す運転状態から、エンジン2の負荷を高める。これにより、エンジン2の運転状態は第1領域から第2領域へと移行する。ECU10は、電動過給機5を運転する。その後、ECU100は、エンジン2の回転数を高める。エンジン2の運転状態が第2領域から第1領域へと移行すると、ECU100は、電動過給機5の運転を終了する。
前述したように、このエンジンシステム1は、排気浄化装置6を、排気ターボ過給機4のタービン42よりも上流に設けている。運転者が車両の加速を要求した場合に、タービン42よりも上流の容積が大きいため、排気ターボ過給機4は過給レスポンスが低い。
しかしながら、エンジンシステム1は、電動過給機5を備えており、車両の加速が要求された場合に、ECU100は、電動過給機5を駆動できる。その結果、エンジン2の過給レスポンスが向上する。
従って、このエンジンシステム1は、排気浄化装置6をタービン42よりも上流に配置することによる排気の浄化性能の向上と、電動過給機5が加速要求時に駆動をすることによる過給レスポンスの向上と、の両方が実現する。
電動過給機5は、エンジン2の運転状態が低回転領域内にある場合でかつ、車両が加速過渡にある時、及び、エンジン2が低回転領域内において高負荷運転をしている時、の両方において駆動する。
これにより、電動過給機5は、前述したように、車両の加速過渡時における過給レスポンスを向上することができる。電動過給機5はまた、エンジン2が低回転高負荷運転をしているときに、吸気を十分に過給できるから、空気及びEGRガスが燃焼室内に十分に導入される。これは、エンジン2のトルク向上、及び、排出ガス性能の向上に有利である。
尚、電動過給機5は、エンジン2の運転状態が低回転領域内にある場合でかつ、車両が加速過渡にある時、又は、エンジン2が低回転領域内において高負荷運転をしている時、のいずれか一方において駆動してもよい。
(ECUによるEGRシステムの制御)
ECU100は、エンジン2の全運転領域において、EGRガスを吸気通路31に還流させる。つまり、ECU100は、第1EGR弁73、及び/又は、第2EGR弁74を開弁する。エンジン2が全負荷(つまり、フルスロットル)で運転している場合に、EGRガスを吸気通路31に還流することにより、燃焼室内の酸素濃度が低下して、燃焼温度が下がる。燃焼温度が下がると、NOxの生成を抑制できる。電動過給機5は、エンジン2が低回転かつ全負荷で運転している場合、つまり、エンジン2が第2領域で運転している場合に、大量の空気と大量のEGRガスとを、燃焼室内に導入することを可能にする。電動過給機5は、エンジン2の排出ガス性能を向上させる。
電動過給機5が駆動している場合、吸気通路31において、電動過給機5の上流は圧力が低く、電動過給機5の下流は圧力が高い。電動過給機5は、前述したようにエンジン2の低回転領域において駆動するため、電動過給機5が駆動している場合、エンジン2の排気側の圧力は比較的低い。そのため、第2EGR通路72を通じてEGRガスを吸気通路31に還流させようとしても、吸気通路31側の圧力が排気通路32側の圧力よりも高くなるから、EGRガスを吸気通路31に還流させることができない。
これに対し、エンジンシステム1は、第1EGR通路71を有している。第1EGR通路71は、吸気通路31において、コンプレッサ41と電動過給機5との間の部位に接続されている。このため、電動過給機5が駆動している場合でも、EGRシステム7は、第1EGR通路71を介して、吸気通路31にEGRガスを還流させることができる。ECU100は、図3に示すように、エンジン2の運転状態が第2領域にある場合、換言すると、電動過給機5を運転している場合に、第1EGR弁73を開弁し、第2EGR弁74を閉弁する。エンジン2の運転状態に応じた量のEGRガスが、吸気通路31へ還流する。
ここで、図4は、電動過給機5のコンプレッサホイール51の特性を示す性能曲線401を例示している。図4の横軸は、コンプレッサホイール51を通過するガスの流量であり、縦軸は、コンプレッサホイール51の上流圧力と下流圧力との圧力比である。性能曲線401は、コンプレッサホイール51の効率の等高線を示している。
前述したように、第1EGR通路71を介してEGRガスを吸気通路31に還流させると、電動過給機5のコンプレッサホイール51に流入するガスの量は、空気とEGRガスとを足し合わせた量になる。ここで、図4の黒丸は、電動過給機5の上流にEGRガスを還流しない場合のコンプレッサホイール51の動作点を例示している。この場合、コンプレッサホイール51には、空気のみが流入する。電動過給機5は、エンジン2の低回転領域で運転するため、コンプレッサホイール51を通過する吸気の流量は少ない。この場合、コンプレッサホイール51の効率は低い。これに対し、図4の白丸は、電動過給機5の上流にEGRガスを還流した場合のコンプレッサホイール51の動作点を例示している。コンプレッサホイール51には、空気及びEGRガスが流入する。つまり、コンプレッサホイール51の通過流量には、EGRガスがプラスされる。コンプレッサホイール51を通過する流量が多くなるため、コンプレッサホイール51の効率は高まる。
従って、電動過給機5を駆動する第2領域において、第1EGR通路71を通じて電動過給機5の上流に、EGRガスを還流させることによって、電動過給機5の効率を高めることができる。
また、第1EGR通路71には、EGRクーラ75が介設している。EGRクーラ75は、EGRガスを冷却する。エンジン2の負荷が高い場合に、EGRシステム7は、冷却したEGRガスを吸気通路31に還流できる。EGRガスが導入される燃焼室内の温度が、過剰に高くなることが抑制される。エンジン2において異常燃焼の発生が抑制される。
電動過給機5が駆動していない場合、つまり、エンジン2の運転状態が第1領域内にある場合、ECU100は、第2EGR弁74を開弁する。エンジン2の回転数が高くなれば排気の流量が増大するため、エンジン2の排気側の圧力が吸気側の圧力よりも高くなる。第2EGR通路72を通じて、EGRガスが吸気通路31に還流する。
ここで、第2EGR通路72は、EGRクーラ75をバイパスしている。また、第2EGR通路72は、吸気通路31において、インタークーラ43とエンジン2との間の部位に接続されているため、EGRガスはインタークーラ43によって冷却されない。さらに、第2EGR通路72を通じてEGRガスを還流する場合は、第1EGR通路71を通じてEGRガスを還流する場合と比べて、短い通路長でEGRガスを還流できる。加えて、EGRシステム7は、EGRガスを、タービン42よりも上流から抽出している。これらの要因により、EGRシステム7は、第2EGR通路72を通じて、比較的温度の高いEGRガスを、エンジン2に導入できる。
エンジン2の負荷が低い場合は、燃焼室内の温度が低くなりがちで、燃料の着火性が低下しやすい。エンジン2が第1領域において低負荷又は軽負荷で運転している場合に、EGRシステム7が、第2EGR通路72を介して、温度の高いEGRガスを吸気通路31に還流することにより、燃焼室内の温度を高めて、燃料の着火性を向上できる。このことは、エンジン2の燃焼安定性を高める。
また、図3にハッチングを付して示すように、第1領域においてエンジン2が高回転かつ全負荷で運転している場合に、EGRシステム7が、第2EGR通路72を介してEGRガスを吸気通路31に還流すると、エンジン2のポンプ損失が低減する。図5は、エンジン2のp−v線図501を例示している。EGRシステム7は、排気通路32を流れる排気の一部をEGRガスとして抽出するため、エンジン2の排気圧が低下する。また、EGRシステム7は、EGRガスを吸気通路31に導入するため、エンジン2の吸気圧が上昇する。エンジン2の排気圧が低下しかつ吸気圧が上昇することで、排気圧と吸気圧との差圧が小さくなるため、エンジン2のポンプ損失が低減する。
また、エンジン2が高回転全負荷領域内において運転している場合、コンプレッサ41を通過する空気の流量は多い。コンプレッサ41を通過する空気の流量が多い状態で、仮にEGRガスを吸気通路31におけるコンプレッサ41の上流に導入しようとしても、コンプレッサ41の通過が増えすぎてコンプレッサ41の効率低下を招く。これに対し、前記のエンジンシステム1は、第2EGR通路72を通じて、吸気通路31におけるコンプレッサ41の下流にEGRガスを導入する。これにより、エンジンシステム1は、コンプレッサ41の効率が低下しないという利点も得られる。
従来のエンジンシステムは、高圧EGR通路と低圧EGR通路との二つの経路を有していた。これに対し、このエンジンシステム1のEGR通路は、第1EGR通路71と、第1EGR通路71から分岐した第2EGR通路72とによって構成されている。EGRシステム7は、一つの経路によって構成されている。この構成は、エンジンシステム1の構成が簡略化するという利点がある。
また、第1EGR通路71は、排気通路32における排気浄化装置6の下流に接続されている。EGRシステム7は、排気浄化装置6が浄化したクリーンな排気を、EGRガスとして吸気通路31に還流できる。吸気系の構成部材が、例えば粒子状物質に汚染されることが抑制される。
(ECUによるエンジン始動時の制御)
次に、エンジン2を始動する場合の、ECU100によるエンジンシステム1の制御を説明する。図6は、ECU100が実行するエンジンシステム1の制御手順を示すフローチャートである。このエンジンシステム1は、触媒温度が活性温度に達した後、排気浄化装置6において燃料を反応させ、その際の反応熱を利用して、エンジン2の暖機を促進する。
図6のフローチャートは、運転者がエンジン2を始動させるとスタートする。ECU100は先ず、ステップS61において、各種センサの信号を読み込む。続くステップS62において、ECU100は冷間始動モードでエンジン2を運転する。この制御は、いわゆるAWS(Accelerated Warm-up System)を用いた制御である。ECU100は、排気損失が増えるようにエンジン2を制御することにより、DOCの温度を早期に上昇させてDOCを活性化させる。
尚、このときに、ECU100は、第1EGR弁73を閉弁する。冷却したEGRガスを還流しないことで、排気温度を高く維持できる。第2EGR弁74は開弁してもよいし、閉弁してもよい。
また、ステップS62において、循環回路8のエレキサーモスタット弁85は、閉弁している。冷却水はラジエータ81を流れない。冷却水が放熱しないため、エンジン2の暖機に有利になる。
ステップS63においてECU100は、触媒温度が、活性温度Taを超えるか否かを判断する。ECU100は、触媒温度センサSW8の信号に基づいて触媒温度を判断できる。ECU100のメモリ102は、活性温度Taを記憶している。
触媒温度が活性温度Taを超えていない場合、プロセスはステップS62に戻り、触媒の昇温を継続する。触媒温度が活性温度Taを超えた場合は、プロセスはステップS64に進み、ECU100は、触媒の活性化制御を終了する。
ステップS64において、ECU100は、第1EGR弁73を開弁する。これにより、EGRクーラ75を通過したEGRガスが、吸気通路31に還流する。
ステップS65においてECU100は、冷却水温度が、温間温度Tcを下回っているか否かを判断する。温間温度Tcは、エンジン2が冷間状態から温間状態へと移行したと判断する閾値である。メモリ102は、温間温度Tcを記憶している。
ステップS65の判定がYESの場合、プロセスはステップS66に進む。ステップS66においてECU100は、インジェクタ21に、エンジン2への主噴射の後に、排気行程中の燃料噴射を実行させる。尚、インジェクタ21は、圧縮上死点付近において主噴射を行う。排気行程中の燃料噴射は、主噴射の後に行う噴射であるため、以下においては、ポスト噴射と呼ぶ場合がある。
排気行程中に噴射された燃料は、未燃焼、又は、ほぼ未燃焼のままで排気浄化装置6に供給される。DOCが活性化しているため、燃料がDOCにおいて反応し、反応熱が発生する。その反応熱によって、排気浄化装置6から排出される排気の温度が高くなる。
ステップS64において第1EGR弁が開弁しているため、排気浄化装置6から排出された排気の一部は、第1EGR通路71を介して吸気通路31へ還流する。ここで、第1EGR通路71には、EGRクーラ75が介設している。排気の熱は、EGRクーラ75において、冷却水へ伝達し、冷却水の温度が上がる。冷却水は、循環回路8のサブ流路84において、エンジン2とEGRクーラ75との間で循環しているから、昇温した冷却水によってエンジン2の暖機が促進される。
ここで、エレキサーモスタット弁85が閉弁しているため、昇温した冷却水がラジエータ81において放熱しない。エンジン2の暖機の促進に有利になる。
ステップS66の後、プロセスはステップS63に戻る。冷却水の温度が温間温度Tcを超えるまで、言い換えると、エンジン2の暖機が完了するまで、プロセスは、ステップS63〜S66を繰り返す。
ステップS65において、冷却水の温度が温間温度Tcを超えると、プロセスはステップS67に進む。ステップS67においてECU100は、排気行程のポスト噴射を停止し、続くステップS68において、エレキサーモスタット弁85を開弁する。循環回路8において、冷却水は、メイン流路83及びサブ流路84のそれぞれを流れる。エンジン2の暖機完了後は、ラジエータ81において、冷却水が放熱する。
そうして、ステップS69においてECU100は、エンジン2の制御を、通常運転モードを移行し、始動制御が完了する。
図7は、エンジンの始動時における各パラメータの変化を例示するタイムチャートである。図7の横軸は時間であり、図7の左から右の方向に時間は進行する。時刻0は、運転者がエンジン2の始動させた時刻である。エンジン2の始動時に、第1EGR弁73は閉弁している(グラフ706参照)。また、エレキサーモスタット弁85も閉弁している(グラフ705参照)。
前述したように、ECU100は、エンジン2の始動後に、触媒の温度上昇を促進する制御を行う。グラフ703に例示するように、DOCの温度は速やかに上昇する。図7の例では、時刻t1において、DOCの温度が活性温度Taに到達している。
DOCの温度が活性温度Taに到達すれば、ECU100は、エンジン2の温度上昇を促進する制御を行う。前述したように、ECU10は、インジェクタ21にポスト噴射を実行させる(グラフ704参照)。これにより、DOCの温度はさらに上昇する。時刻t1以降のDOCの温度上昇率は、時刻t1前のDOCの温度上昇率よりも高い。また、EGRガスの温度も高くなる(グラフ701参照)。
ECU100はまた、第1EGR弁73を開弁する(グラフ706参照)。これにより、高温のEGRガスと冷却水とがEGRクーラ75において熱交換をするから、冷却水の温度上昇が促進される(グラフ702参照)。時刻t1以降の冷却水の温度上昇率は、時刻t1前の冷却水の温度上昇率よりも高い。
図7の例では、時刻t2において、冷却水の温度が温間温度Tcに到達している。つまり、時刻t2でエンジン2の暖機が完了している。ECU100は、通常運転モードへ移行する。ECU100は、ポスト噴射を終了する。これにより、DOCの温度が下がり、EGRガスの温度も下がる(グラフ701、703参照)。尚、DOCは、活性温度以上を維持する。ECU100はまた、エレキサーモスタット弁85を開弁する(グラフ705参照)。冷却水は温間温度Tcを維持する(グラフ702参照)。
このエンジンシステム1は、エンジン2の始動の際に、触媒を活性化した後、エンジン2を速やかに暖機できる。エンジンシステム1は、排出ガス性能と共に、燃費性能が向上する。
本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、請求の範囲の主旨を逸脱しない範囲で代用が可能である。
例えばここに開示する技術は、ディーゼルエンジンに適用することに限定されず、ガソリンや、ナフサを含む燃料を用いるエンジンに、適用することも可能である。
上述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本発明の範囲を限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
1 エンジンシステム
100 ECU(制御ユニット)
2 エンジン
21 インジェクタ(燃料噴射弁)
31 吸気通路
4 排気ターボ過給機
41 コンプレッサ
42 タービン
5 電動過給機
53 バイパス通路
6 排気浄化装置
7 EGRシステム
71 第1EGR通路
72 第2EGR通路
75 EGRクーラ
8 循環回路
81 ラジエータ

Claims (5)

  1. エンジンへ燃料を供給する燃料噴射弁と、
    前記エンジンの排気通路に設けられかつ、前記エンジンから排出された排気を浄化する排気浄化装置と、
    前記排気通路において、前記排気浄化装置よりも下流に設けられた、排気ターボ過給機のタービンと、
    前記排気通路における前記排気浄化装置と前記タービンとの間の部位と、前記エンジンの吸気通路とを互いに接続するEGR通路と、前記EGR通路に設けられかつ、前記EGR通路を流れるEGRガスを冷却する水冷式のEGRクーラと、を有しかつ、排気の一部をEGRガスとして、前記吸気通路に還流するEGRシステムと、
    前記エンジンと、冷却水を放熱させるラジエータとの間で冷却水が循環する循環回路と、
    制御対象に制御信号を出力する制御ユニットと、を備え、
    前記EGRクーラは、前記循環回路に接続されかつ、冷却水と排気との間で熱交換させ、
    前記制御ユニットは、前記エンジンの温度が所定温度よりも低い冷間時に、前記エンジンの暖機制御として、排気行程中の燃料噴射を前記燃料噴射弁に実行させると共に、前記EGRシステムにEGRガスの還流を実行させる
    過給機付きエンジン。
  2. 請求項1に記載の過給機付きエンジンにおいて、
    前記制御ユニットは、前記排気浄化装置が活性温度に到達した後、前記暖機制御を実行する
    過給機付きエンジン。
  3. 請求項1又は2に記載の過給機付きエンジンにおいて、
    前記制御ユニットは、前記暖機制御の間は、前記循環回路において、前記ラジエータをバイパスして前記エンジンと前記EGRクーラとの間で冷却水を循環させる
    過給機付きエンジン。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の過給機付きエンジンにおいて、
    前記エンジンの吸気通路に設けられかつ、前記エンジンに供給する吸気を過給する、前記排気ターボ過給機のコンプレッサと、
    前記吸気通路における前記コンプレッサよりも下流に設けられかつ、前記エンジンの運転状態が所定の領域内にある場合に駆動する電動過給機と、を備え、
    前記EGR通路は、前記吸気通路における前記コンプレッサと前記電動過給機との間の部位と、前記排気通路における前記排気浄化装置と前記タービンとの間の部位とを互いに接続する
    過給機付きエンジン。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の過給機付きエンジンにおいて、
    前記排気浄化装置は、排気中の有害物質を反応させる触媒装置と、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタ装置と、を含んでいる
    過給機付きエンジン。
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