JP2021132127A - 半導体レーザ励起固体レーザ - Google Patents
半導体レーザ励起固体レーザ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2021132127A JP2021132127A JP2020026889A JP2020026889A JP2021132127A JP 2021132127 A JP2021132127 A JP 2021132127A JP 2020026889 A JP2020026889 A JP 2020026889A JP 2020026889 A JP2020026889 A JP 2020026889A JP 2021132127 A JP2021132127 A JP 2021132127A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- wavelength
- laser
- light
- excitation
- excitation light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Lasers (AREA)
- Semiconductor Lasers (AREA)
- Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)
Abstract
【課題】半導体レーザ励起固体レーザを小型かつ光軸調整容易にする。【解決手段】半導体レーザ励起固体レーザ1は共振器部10と励起部20とを有する。励起部20は、レーザ光を、互いに略平行に伝搬する第1励起光31及び第2励起光32に分岐させ、所定の離間距離を有する第1集光点31f及び第2集光点32fにて集光させる。共振器部10に設けられる固体レーザ結晶11は、第1波長及び第2波長において誘導放出遷移を示し、かつ複屈折性を有するものであり、光学面の法線に対して45°傾斜した光学軸(11c)と、第2波長を有する光が異常光線として伝搬したときのウォークオフによるビームシフト量が所定の離間距離に等しくなる結晶長11Lとを有する。固体レーザ結晶11の光学面11aには、第1波長でレーザ動作するための第1多層膜ミラー14と、第2波長でレーザ動作するための第2多層膜ミラー15とが設けられる。【選択図】図1
Description
本発明は、固体レーザ結晶の誘導放出遷移によって得られる波長を有するレーザ光を、非線形光学結晶を使用して別の波長に変換して出力する半導体レーザ励起固体レーザに関し、特に、波長が異なる連続波動作の2つの基本波を共振器内で和周波混合することにより可視光領域の波長を有するレーザ光を発生させる内部共振器型の和周波混合レーザに関する。
可視光領域の波長を有し、小出力、例えば100mW以下の連続波動作で発生するレーザ光は、計測や分析の分野で使用されることが多い。630nm以上の可視光領域の波長を有するレーザ光を発生させるためには、AlGaInP/GaAs系の半導体レーザが使用されてきた。現在では375nm〜515nmの波長領域のレーザ光を発生させるためにGaInN/GaN系の半導体レーザが使われている。しかしながら、これらの間の波長を有するレーザ光を発生させるためには、半導体レーザとは別の発生方式に頼らざるを得なかった。
固体レーザ結晶の多くは赤外線波長域に誘導放出遷移を示す特性を持つものが多い。固体レーザ結晶を利用して発生させた赤外線の、レーザ共振器内部での非線形光学効果を利用した第二高調波発生によって可視光領域の連続波を発生させることができる。1064nmや1123nmの波長における誘導放出遷移を利用して532nmや561nmなどの波長を有するレーザ光を発生させる半導体レーザ励起固体レーザが現在広く利用されている。しかしながら1.2μm近傍の波長に誘導放出遷移を示す固体レーザは少なくとも広く普及しているものはなく、その第二高調波発生によって0.59nm近傍の波長を有するレーザ光を発生させる固体レーザはなかった。
特許文献1には、内部共振器型和周波混合を行うことで波長589nmのレーザ光を発生させるレーザシステムが開示されている。このレーザシステムは、2つのNd:YAG結晶を使用し、それぞれに1064nm及び1318nmの波長でレーザ動作をさせ、和周波混合により589nmの波長を有するレーザ光を発生させる。このレーザシステムは2つのレーザ共振器を備え、両レーザ共振器の一部が共通の光路を形成している。この共通の光路部分に非線形結晶が配置され、両レーザ共振器の分岐した光路部分のそれぞれにNd:YAG結晶が配置される。このレーザシステムではフラッシュランプ又はパルス動作を行う半導体レーザによって固体レーザが励起され、出力として取り出される589nmの波長を有するレーザ光はパルス光である。
連続波動作を行い、かつ内部共振器型和周波混合を行うレーザ装置として特許文献2が公知である。このレーザ装置も特許文献1と同じく2つのレーザ共振器を備え、2つの共振器の光路の共通部分に非線形結晶が配置され、両レーザ共振器の光路の非共通部分に各1個のレーザ結晶が配置されている。それぞれのレーザ結晶の一端面には、レーザ共振器を構成するための反射膜が設けられている。両レーザ共振器の光路の共通部分から非共通部分への分岐部には、両レーザ共振器の互いに異なる波長を有する2つの基本波(赤外線)の一方に対して高反射で他方に対して低反射であるダイクロイックミラーが、両基本波に対する入射角が45°となるように配置されている。
しかしながら、特許文献1に記載のレーザシステムでは、2つのレーザ共振器の光路を共通部分から非共通部分へ分岐させるために複数のプリズムが使用されている。また、共振器を構成する複数の反射鏡が、角度の微動調整を行うことを前提にした構造で配置されている。そのため装置が大型になる。
特許文献2には、0.59μmの波長を有するレーザ光の発生の例は示されていないものの、Nd:YAG結晶やNd:YVO4結晶の1μm帯及び1.3μm帯の波長における誘導放出遷移を利用して発生させたレーザ光の和周波混合を行うことにより、0.59μmの波長を有する連続波レーザ光が発生するであろうことが想像される。
しかしながら、特許文献2に記載のレーザ装置は、ダイクロイックミラーを用いて2つの共振器の光路を共通部分から非共通部分へ分岐させているため、ダイクロイックミラーによるエネルギーの損失が大きい。具体的には、それぞれの共振器の内部でレーザ光が往復する際にこの分岐部分だけで1%を超えるエネルギーの損失が発生する。したがって、連続波動作の場合は大きな効率が見込めなかった。また、2つのレーザ結晶やダイクロイックミラーが小さく、微動調整のための機構を設けることが困難であるため、光軸調整、特に2つの共振器の光路の共通部分において発振する2つのレーザ光の光軸を一致させる光軸調整が難しいという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、内部共振器型の和周波混合を行ってレーザ光を発生させる連続波動作の半導体レーザ励起固体レーザを、小型かつ光軸調整が容易なものにすることである。
このような課題を解決するために、本発明のある実施形態は、半導体レーザ励起固体レーザ(1)であって、所定の励起波長(例えば、808nm)を有する前記レーザ光によって励起される固体レーザ結晶(11)を内部に備えた共振器部(10)と、前記励起波長を有する連続波の前記レーザ光を出力する励起用半導体レーザ(21)を備え、前記共振器部に前記レーザ光を供給して前記固体レーザ結晶を励起する励起部(20、50)とを有する。
前記励起部は、前記レーザ光を、互いに略平行に伝搬する第1励起光(31)及び第2励起光(32)に分岐させ、かつ前記第1励起光及び前記第2励起光を所定の離間距離(D、例えば、1.0mm)を有する第1集光点(31f)及び第2集光点(32f)にて集光するように出力する。
前記固体レーザ結晶は、少なくとも第1波長(例えば、1064nm)及び前記第1波長と異なる第2波長(例えば、1342nm)における誘導放出遷移を示し、かつ複屈折性を有するものであり、前記レーザ光の光路に直交する互いに対向する入射側の第1光学面(11a)及び出射側の第2光学面(11b)と、前記第1光学面の法線に対して前記第1励起光と前記第2励起光との離間方向へ45°傾斜した光学軸(11c)と、前記第2波長を有する光が異常光線として前記第1光学面から前記第2光学面へ伝搬したときのウォークオフによるビームシフト量が所定の前記離間距離に等しくなる結晶長(11L)とを有する。前記固体レーザ結晶は、前記誘導放出遷移を利用して発生させた前記第1波長を有する光を正常光線である第1成分(41)と前記異常光線である第2成分(42)とに分離し、前記誘導放出遷移を利用して発生させた前記第2波長を有する光を前記異常光線である第3成分(43)と前記正常光線である第4成分(44)とに分離する。
前記共振器部(10)は、前記固体レーザ結晶の前記第1光学面(11a)における前記第1励起光の入射領域に設けられ、前記第1波長について高反射かつ前記励起波長について低反射の特性を有する第1多層膜ミラー(14)と、前記固体レーザ結晶の前記第1光学面における前記第2励起光の入射領域に設けられ、前記第2波長について高反射かつ前記励起波長について低反射の特性を有する第2多層膜ミラー(15)と、前記固体レーザ結晶の出射側に前記固体レーザ結晶から離間して配置され、前記固体レーザ結晶を向く凹面(13a)及び、前記凹面に設けられ、前記第1波長及び前記第2波長について高反射かつ前記第1波長及び前記第2波長の和周波混合光(33)が有する第3波長(例えば、594nm)について低反射の特性を有する第3多層膜ミラー(16)を有する出力ミラー(13)と、前記固体レーザ結晶と前記出力ミラーとの間に配置され、互いに直交する方向に偏光する前記第1成分及び前記第3成分を入力として、和周波混合によって前記第3波長を有する前記レーザ光(33)を発生させる非線形光学結晶(12)とを更に備える。
上記構成により、前記半導体レーザ励起固体レーザは、前記第1多層膜ミラーと前記出力ミラーとの間において、前記第1励起光による励起により前記固体レーザ結晶にとって正常光線となる偏光及び前記第1波長でレーザ動作し、前記第2多層膜ミラーと前記出力ミラーとの間において、前記第2励起光による励起により前記固体レーザ結晶にとって異常光線となる偏光及び前記第2波長でレーザ動作し、前記非線形光学結晶による和周波混合によって前記第3波長を有する前記連続波の前記レーザ光を出力する。
また、前記第1波長を有する前記第1励起光及び前記第2波長を有する前記第2励起光のそれぞれの前記レーザ共振器部における光路は、概ね前記固体レーザ結晶と前記出力ミラーの相対的な位置関係で決まり、前記レーザ共振器部の共通部分ではこれらの光路は一致する。このように前記レーザ共振器部内の光路が予め決定されるため、前記励起部を構成する部品の位置を調整して、前記第1集光点及び前記第2集光点の位置を調整するだけで容易に光軸調整を行うことができ、前記第1波長のレーザ動作及び前記第2波長のレーザ動作を最適に行わせることできる。
好ましくは、前記励起部(20)は、前記励起用半導体レーザから出力された前記レーザ光の速軸方向の広がりを小さくするシリンドリカルレンズ(22)と、直方体をなし、前記シリンドリカルレンズの出射側に1つの稜線(23a)を前記シリンドリカルレンズに向けて配置され、前記シリンドリカルレンズを通過した遅軸方向に広がる励起光を前記稜線によって中央で分割して分岐させ、前記稜線を形成する2つの光学入射面に対向する2つの光学出射面から前記第1励起光及び前記第2励起光として出射するガラスブロック(23)と、前記ガラスブロックから出射された前記第1励起光及び前記第2励起光を前記第1集光点及び前記第2集光点に集光する、1つ又は複数のレンズから構成されるレンズ群(24)とを更に備える。
前記レンズ群は、前記第1集光点及び前記第2集光点が対応する前記第1多層膜ミラー又は前記第2多層膜ミラーから前記固体レーザ結晶の内部に進入した位置となるように配置される。
上記構成により、前記第1励起光及び前記第2励起光は、所定の前記離間距離を有する前記第1集光点及び前記第2集光点にて集光するように前記励起部から出力される。
好ましくは、前記励起部(50)は、前記励起用半導体レーザから出力された前記レーザ光の速軸方向の広がりを小さくするシリンドリカルレンズ(22)と、前記シリンドリカルレンズを透過した前記レーザ光を前記第1集光点及び前記第2集光点に集光するための1つ又は複数のレンズから構成されるレンズ群(24)と、互いに貼り合わされる2つの直角プリズム(52)及び、前記直角プリズムの間に設けられた部分反射膜(53)を有し、一面から励起光が概ね45°の入射角をもってp偏光として入射するよう配置され、入射した前記励起光を前記部分反射膜によって概ね1対1に分岐させ、前記部分反射膜で反射した前記励起光の成分を前記第1励起光として、前記部分反射膜を透過した前記励起光の成分を前記第2励起光として出射させるビームスプリッタ(51)とを更に備える。
前記ビームスプリッタは、前記第1集光点及び前記第2集光点が対応する前記第1多層膜ミラー又は前記第2多層膜ミラーから前記固体レーザ結晶の内部に進入した位置となるように配置される。
上記構成により、前記第1励起光及び前記第2励起光は、所定の前記離間距離を有する前記第1集光点及び前記第2集光点にて集光するように前記励起部から出力される。
本発明によれば、半導体レーザ励起固体レーザを、小型かつ光軸調整が容易なものにすることができる。
≪第1実施形態≫
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る半導体レーザ励起固体レーザ1について説明する。
図1及び図2を参照して、第1実施形態に係る半導体レーザ励起固体レーザ1について説明する。
第1実施形態に係る半導体レーザ励起固体レーザ1は、レーザ共振器部10と、レーザ共振器部10に励起光(第1励起光31及び第2励起光32)を供給する励起部20とを有している。以下、レーザ共振器部10と励起部20とを別々に説明する。
まず、レーザ共振器部10について説明する。図1はレーザ共振器部10の構成を示す図である。レーザ共振器部10は、励起部20から供給される励起光の入射側から順に光路に沿って並べられたNd:YVO4結晶11、KTP結晶12及び出力ミラー13を備えている。レーザ共振器部10は、第1励起光31及び第2励起光32をエネルギー源としてNd:YVO4結晶11に入射させ、第1波長及び第2波長でレーザ発振し、KTP結晶12内で和周波混合を行うことにより第3波長を有する和周波混合光33を出力する。第1励起光31及び第2励起光32は、それぞれ808nmの中心波長及び紙面に平行な偏光方向を有し、1.0mmの間隔(離間距離D)をもって互いに平行又は略平行にNd:YVO4結晶11に入射する。
Nd:YVO4結晶11は、ネオジム添加バナジン酸イットリウム(Nd:YVO4)からなる固体レーザ結晶であり、そのネオジムイオンの添加濃度は1原子パーセントである。Nd:YVO4は1064nm(第1波長)や1342nm(第2波長)などの複数の波長で発振が可能なレーザ結晶である。またNd:YVO4は複屈折性を有する結晶であり、大きな複屈折を持つ。Nd:YVO4結晶11の光軸方向の長さ(結晶長11L)は10mmである。Nd:YVO4結晶11のカット角はθ=45°であり、結晶の光学軸であるc軸方向11cは互いに平行な入射側の第1光学面11a及び出射側の第2光学面11bの法線から45°だけ傾いている。またNd:YVO4結晶11はc軸方向11cが図1の紙面に平行になるように、すなわちc軸方向11cが第1励起光31と第2励起光32との離間方向へ傾斜する向きに配置されている。
Nd:YVO4結晶11の吸収係数は、2nmのスペクトル幅及び808nmの中心波長を有する励起光に対して、励起光の偏光方向とc軸方向11cとが互いに平行なとき、すなわちπ偏光の励起光に対して約30cm−1である。また励起光の偏光方向とc軸方向11cとが互いに直交しているとき、すなわちσ偏光の励起光に対して、Nd:YVO4結晶11の吸収係数は約10cm−1である。第1励起光31の偏光方向及び第2励起光32の偏光方向は紙面に平行であり、これらの偏光方向はNd:YVO4結晶11のc軸に対して約45°の角度をなす。このような励起ではπ偏光及びσ偏光の両方で光が励起される。このような励起であっても吸収係数は少なくとも10cm−1であり、吸収係数の逆数で表される吸収長は1mm以下といえる。励起光がNd:YVO4結晶11の中をこの長さだけ伝搬すると励起光の大部分が吸収される。
励起によって生じる誘導放出光はNd:YVO4結晶11の中をc軸方向11cに対して45°の角度をなして伝搬するとき、その偏光方向によってはウォークオフと呼ばれる効果を受ける。図1の紙面に垂直な偏光を持つ光は波面の垂線方向に伝搬する。このような光は正常光線と呼ばれる。これに対して、図1の紙面に平行な偏光を持つ光は波面の垂線方向からずれた方向に伝搬する。このような光は異常光線と呼ばれる。波面垂線方向すなわち波数ベクトル方向と、光の伝搬方向すなわちポインティングベクトルの方向とがなす角度がウォークオフ角である。
1064nmの波長を有する異常光線に対してウォークオフ角は約5.74°であり、10mmの伝搬によってビームは1.01mmだけシフトする。1342nmの波長を有する異常光線に対してウォークオフ角は約5.69°であり、10mmの伝搬によってビームは1.00mmだけシフトする。
Nd:YVO4結晶11の1端面には、領域を分けて近接した位置に、第1多層膜ミラー14及び第2多層膜ミラー15が誘電体多層膜コーティングによって設けられている。これらの多層膜ミラーは工程を分けて設けられるために、一方の製作工程においては他方の領域にマスキングを行うことになる。製造誤差を考慮すると、境界の幅0.3mm程度の直線状の領域は使用できないことがある。
第1多層膜ミラー14は第1光学面11aにおける第1励起光31の入射領域に設けられる。第1多層膜ミラー14は波長ごとに異なる特性を持ち、その特性は、波長808nmについて(波長808nmの光に対して)95%以上の透過率、波長1064nmについて99.8%以上の反射率、波長1342nmについて50%以下の反射率となっている。この特性により波長1342nmのレーザ発振を抑制し、第1波長とする波長1064nmだけを選択してレーザ動作させることが可能となる。第1励起光31は第1多層膜ミラー14を通過してNd:YVO4結晶11を励起する。
第2多層膜ミラー15は第1光学面11aにおける第2励起光32の入射領域に設けられる。第2多層膜ミラー15も波長ごとに異なる特性を持ち、その特性は、波長808nmについて95%以上の透過率、波長1064nmについて50%以下の反射率、波長1342nmについて99.8%以上の反射率となっている。この特性により波長1064nmのレーザ発振を抑制し、第2波長とする波長1342nmだけを選択してレーザ動作させることが可能となる。第2励起光32は第2多層膜ミラー15を通過してNd:YVO4結晶11の別の箇所を励起する。
Nd:YVO4結晶11の第1多層膜ミラー14が設けられた部分に第1励起光31が略垂直に入射し、Nd:YVO4結晶11の第2多層膜ミラー15が設けられた部分に第2励起光32が略垂直に入射する。第1励起光31の偏光方向及び第2励起光32の偏光方向は紙面に平行である。またこれらの集光スポットの直径は約200μm、2つの集光スポットの離間距離Dは1mmである。またそれぞれの集光点は対応する第1多層膜ミラー14又は第2多層膜ミラー15からNd:YVO4結晶11の内部に約0.5mmだけ侵入した位置となるように調整される。
出力ミラー13は、石英ガラス基板の片側を凹面加工したものであり、凹面13aの曲率半径は−100mmである。出力ミラー13の凹面13aには第3多層膜ミラー16が設けられている。第3多層膜ミラー16は波長ごとに異なる特性を持ち、その特性は、波長594nmについて95%以上の透過率、波長1064nmについて99.8%以上の反射率、波長1342nmについて99.8%以上の反射率となっている。出力ミラー13は第1多層膜ミラー14及び第2多層膜ミラー15から25mmの位置に配置される。また、出力ミラー13はその凹面13aの曲率中心が、第1励起光31の集光点を通る第1多層膜ミラー14の面の垂線上に位置するようにその向きが調整される。
第1励起光31による励起によって第1多層膜ミラー14の近傍で発生する誘導放出光のうち、紙面に垂直な第1偏光方向41pを有する第1成分41はNd:YVO4結晶11に対して正常光線である。そのため、第1成分41は第1多層膜ミラー14の法線方向に伝搬し、第3多層膜ミラー16まで到達し、反射して元の光路を逆にたどりながら元の位置に到達するため、共振可能である。
これに対し、第1励起光31による励起によって第1多層膜ミラー14の近傍で発生する誘導放出光のうち、紙面に平行な第2偏光方向42pを持つ第2成分42は、Nd:YVO4結晶11に対して異常光線である。そのため、第2成分42は第1多層膜ミラー14の法線方向からそれて伝搬し、第3多層膜ミラー16まで到達しても、斜めに反射することで元の位置に到達しないため、共振することはない。
レーザ共振器部10は、第1多層膜ミラー14と第3多層膜ミラー16との間にこのような偏光選択特性を持ち、また前述した第1多層膜ミラー14による発振波長の選択特性を持つ。Nd:YVO4結晶11には、1064nm近傍の複数の波長で誘導放出遷移を示す特性があるが、1064nmの波長での誘導放出遷移が最も強い。したがって、レーザ共振器部10は、第1多層膜ミラー14と第3多層膜ミラー16との間では、Nd:YVO4結晶11内で正常光線となる偏光及び、第1波長となる1064nmの波長でレーザ動作をする。
第2励起光32による励起によって第2多層膜ミラー15の近傍で発生する誘導放出光のうち、紙面に平行な第2偏光方向43pを持つ第3成分43はNd:YVO4結晶11に対して異常光線である。そのため、第3成分43は第2多層膜ミラー15の法線方向からそれて伝搬し、約1mmだけシフトした位置からNd:YVO4結晶11を抜け出す。出力ミラー13はその曲率中心が第1励起光31に合わせて配置されているため、Nd:YVO4結晶11を抜け出た紙面に平行な第2偏光方向43pを持つ第3成分43は、第3多層膜ミラー16まで到達し反射して、元の光路を逆にたどりながら伝搬して元の位置に到達するため、共振可能である。
これに対し、第2励起光32による励起によって第2多層膜ミラー15の近傍で発生する誘導放出光のうち、紙面に垂直な第1偏光方向44pを持つ第4成分44は、Nd:YVO4結晶11に対して正常光線である。そのため、第4成分44は第1多層膜ミラー14の法線方向に伝搬し、第3多層膜ミラー16まで到達するが、斜めに反射して元の位置に到達しないため、共振することはない。
レーザ共振器部10は、第2多層膜ミラー15と第3多層膜ミラー16との間にこのような偏光選択特性を持ち、また前述した第2多層膜ミラー15による発振波長の選択特性を持つ。Nd:YVO4結晶11には、波長1342nm近傍の複数の波長で誘導放出遷移を示す特性があるが、波長1342nmの誘導放出遷移が最も強い。したがって、レーザ共振器部10は、第2多層膜ミラー15と第3多層膜ミラー16との間では、Nd:YVO4結晶11内で異常光線となる偏光及び、第2波長となる1342nmの波長でレーザ動作をする。
和周波混合を行うための非線形光学結晶であるKTP結晶12(チタン酸リン酸バリウム、KTiOPO4)は、Nd:YVO4結晶11と出力ミラー13との間に配置される。
KTP結晶12の切り出し角はφ=0°、θ=80°である。KTP結晶12のレーザ光が伝搬する方向の長さは5mmである。KTP結晶12のY軸方向12yは紙面に垂直である。KTP結晶12の位相整合角はθ=78.9°であるため、KTP結晶12を実際に動作させるときは、1°〜2°だけ回転調整することで、和周波混合のための2つの基本波の伝搬方向を位相整合角に一致させる。この配置では、電界方向(偏光方向)が紙面に垂直な波長1064nmのレーザ光(第1成分41)及び、電界方向が紙面に平行な波長1342nmのレーザ光(第3成分43)からなる2つの基本波が入力となる。これらの基本波が、紙面に垂直な第1偏光方向33p及び第3波長となる594nmの波長を有するレーザ光である和周波混合光33に変換される。
ここまで説明してきた各部品の配置では、KTP結晶12内を伝搬する波長1342nmのレーザ光はKTP結晶12にとっては異常光線であるためウォークオフの効果を受ける。しかしながらウォークオフ角が約1.1°で、またKTP結晶12の長さが5mmであるためビームシフト量は約10μmと非常に小さい。図1ではKTP結晶12によるウォークオフによるビームシフトは強調して描かれているが、実際にはNd:YVO4結晶11によるビームシフトと比べて十分小さいため、光学調整を行うときには無視できる。
第1実施形態の励起部20について図2を参照しながら説明する。励起部20は、1つの励起用半導体レーザ21の出力光30を第1励起光31と第2励起光32とに概ね1対1に分岐させて、レーザ共振器部10に供給する。第1励起光31及び第2励起光32のそれぞれは、レーザ共振器部10において第1波長のレーザ励起と第2波長のレーザ励起とに使用される。励起部20は、励起用半導体レーザ21に加え、出力光30の光路上に順に並べられたシリンドリカルレンズ22、ガラスブロック23及びレンズ群24を備えている。
励起用半導体レーザ21は、励起波長としての808nmの波長、4Wの最大出力、そして100μmの活性領域の幅をもって動作する。また、励起用半導体レーザ21はその出力光30の偏光方向が接合面に平行となるTEモードで発振するものである。図2では、符号30pで示す出力光30の偏光方向が紙面に平行となるように描かれている。出力光30の広がり角の大きい速軸と呼ばれる方向は図2の紙面に垂直であり、広がり角の小さい遅軸と呼ばれる方向は図2の紙面に平行である。
励起用半導体レーザ21の出力光30の速軸方向の広がり角を小さくするために、出力光30の光路上にシリンドリカルレンズ22が配置される。シリンドリカルレンズ22は、速軸方向のビームの広がりを完全にコリメート状態にするのではなく、ビームに小さめの広がり角を持たせ、Nd:YVO4結晶11に照射したところで速軸方向のビーム径が約200μmになるように、励起用半導体レーザ21との間隔を調整される。
ガラスブロック23は石英ガラスを材料とした直方体形状のブロックである。このガラスブロック23の断面は正方形であり、その一辺の長さが1.5mmである。この断面の4辺を含む面は光学研磨された面である。ガラスブロック23は1つの稜線23aがシリンドリカルレンズ22の方に向かい、シリンドリカルレンズ22を通過してきた遅軸方向に広がる励起光を稜線23aによって中央で分割するように配置されている。ガラスブロック23のシリンドリカルレンズ22に近い光学入射面となる2面の一方からガラスブロック23に入射した励起光は対向する面(光学出射面)を透過する。この一方の励起光はガラスブロック23を透過することによって約0.5mmのビームシフトを生じる。ガラスブロック23のシリンドリカルレンズ22に近い2面のもう一方からガラスブロック23に入射したもう一方の励起光も同様の経路をたどり、対向する面を透過したときには先とは反対方向へ約0.5mmのビームシフトを生じる。このようにして分岐してガラスブロック23を通過した2つの励起光は、発光点が1.0mmだけ離れた2つの光源から出てきた光と略等価とみなせる。なお、励起光の大部分は45°から50°の範囲の入射角をもってp偏光としてガラスブロック23に入射するため、ガラスブロック23の1面当たりの反射率は0.7%未満となる。そのため、励起光が入射又は透過する面に反射防止膜が設けられなくてもよい。
ガラスブロック23で分岐しガラスブロック23を通過した2つの励起光はレンズ群24によって集光される。図2ではレンズ群24を1つのレンズとして描いてあるが、レンズ群24は焦点距離が10mmの2つのレンズを近接配置したものである。このレンズ群24によって集光される2つの励起光のうち、一方が第1励起光31、もう一方が第2励起光32となる。励起用半導体レーザ21からレンズ群24の第1レンズまでの距離を約10mmとすることで、第1励起光31及び第2励起光32はレンズ群24の第2レンズから約10mmの位置に遅軸方向の焦点を結ぶ。以下、この第1励起光31の焦点を第1集光点31fと呼び、第2励起光32の焦点を第2集光点32fと呼ぶ。これらの第1集光点31f及び第2集光点32fがNd:YVO4結晶11の入射面から約0.5mmだけ内部に侵入するように、レーザ共振器部10と励起部20との相対位置や、励起部20内のレンズ群24の位置が調整される。
上記のように2つの励起光は発光点が1.0mmだけ離れた2つの光源から出てきた光と略等価とみなせ、レンズ群24で集光することで得られる、第1励起光31の第1集光点31fと第2励起光32の第2集光点32fとの間隔である離間距離Dは約1mmである。これらの集光点における遅軸方向のビーム径は活性層の幅と等しい約100μmであるが、集光点の前後ではビーム径は広がっており、Nd:YVO4結晶11を約1mmだけ伝搬する間のビーム径は約200μmとみなせる。
第1励起光31及び第2励起光32のビーム断面はその縦横比が1に近いのが理想である。第1集光点31f及び第2集光点32fにおける速軸方向のビーム径を調整するために、シリンドリカルレンズ22の励起用半導体レーザ21との間隔が調整される。この調整により、速軸方向のビーム径も約200μmになる。実際には、この値を直接モニターすることは困難なため、最終的に得られる和周波混合光33のビームプロファイルがガウシアンビームプロファイルを維持しつつレーザパワーが最大になるように上記間隔を調整すればよい。
以上、説明してきたように、第1波長を有する第1励起光31及び第2波長を有する第2励起光32のそれぞれのレーザ共振器部10における光路は、概ねNd:YVO4結晶11と出力ミラー13の相対的な位置関係で決まり、レーザ共振器部10の共通部分ではこれらの光路は一致する。このようにレーザ共振器部10内の光路が予め決定されるため、励起部20を構成する部品の位置を調整して、第1集光点31f及び第2集光点32fの位置を調整するだけで、第1波長のレーザ動作及び第2波長のレーザ動作を最適に行わせることが容易である。
このように構成された内部共振器型の和周波混合を行う半導体レーザ励起固体レーザ1では、励起用半導体レーザ21の出力パワーが2W〜3Wのときに、第3波長である594nmの波長及び数10mWの出力パワーを有する連続波出力が得られる。
≪第2実施形態≫
第2実施形態は、レーザ共振器部10が第1実施形態のものと全く同じであり、励起部50だけが第1実施形態の励起部20と異なる。そのため、重複する説明や省略し、励起部50についてのみ図3を参照しながら説明する。
第2実施形態は、レーザ共振器部10が第1実施形態のものと全く同じであり、励起部50だけが第1実施形態の励起部20と異なる。そのため、重複する説明や省略し、励起部50についてのみ図3を参照しながら説明する。
励起部20は、励起用半導体レーザ21に加え、出力光30の光路上に順に並べられたシリンドリカルレンズ22、レンズ群24及びビームスプリッタ51を備えている。励起用半導体レーザ21及びシリンドリカルレンズ22は第1実施形態の励起部20に使用されたものと全く同じであり、その配置や調整方法も同じである。レンズ群24も第1実施形態の励起部20に使用されたものと全く同じであり、図3では1つのレンズとして描かれているが、2つの球面レンズを組み合わせて使用される。励起用半導体レーザ21からレンズ群24の第1レンズまでの距離は約10mmである。シリンドリカルレンズ22を通過し、速軸方向の広がり角が小さくなった励起光はレンズ群24により集光される。
レンズ群24を通過してきた励起光は収束しながらビームスプリッタ51の1つの面に約45°の入射角をもってp偏光として入射する。ビームスプリッタ51は石英ガラスを材料とする2個の直角プリズム52を貼り合わせた構造であり、その断面は正方形であり、その一辺の長さが5mmである。そしてビームスプリッタ51は、貼り合わせた部分に形成される稜線51aの1つがレンズ群24に向かうように配置される。直角プリズム52を貼り合わせた境界面には、予め誘電体多層膜の部分反射膜53が設けられている。励起光の部分反射膜53への入射角は約80°であり、このときp偏光に対して約50%の反射率を持つように部分反射膜53は設計されている。部分反射膜53を反射した励起光は入射したときと同じ直角プリズム52のもう1つの面から透過する。これが第2励起光32になる。部分反射膜53を透過した励起光は侵入した直角プリズム52の一面から透過する。これが第1励起光31となる。
第1励起光31及び第2励起光32はビームスプリッタ51を通過後に集光する。これらの集光点が第1励起光31の第1集光点31fと第2励起光32の第2集光点32fである。両集光点の離間距離DがNd:YVO4結晶11のウォークオフによるビームシフト量に等しくなるように、ビームスプリッタ51の位置が調整される。第1励起光31はビームスプリッタ51の平行な2面を透過して得られるため、ビームスプリッタ51の位置が励起光を横切る方向、すなわち図3の紙面の上下方向に調整されても第1集光点31fの位置は変わらない。これに対して第2励起光32は、ビームスプリッタ51の位置が紙面の上下方向に調整されると、部分反射膜53によって反射する位置が変わり、第2集光点32fの位置も紙面の上下方向に移動する。そのため、第2集光点32fの第1集光点31fとの離間距離Dが調整される。
なお、図3に示した第2実施形態の励起部50では、ビームスプリッタ51の位置を調整したときに第1集光点31fの位置は変わらず、第2集光点32fが変化する。他の例では、励起光がもう一方の面に最初に入射するようにビームスプリッタ51が配置され、ビームスプリッタ51の位置を上下に調整したときに、第2集光点32fの位置は変化せず、第1集光点31fの位置だけが調整されてもよい。
このように構成された内部共振器型の和周波混合を行う半導体レーザ励起固体レーザ1では、励起用半導体レーザ21の出力パワーが2W〜3Wのときに、第3波長である594nmの波長及び数10mWの出力パワーを有する連続波出力が得られる。第2実施形態では、ビームスプリッタ51の位置調整により2つの励起光のうち、集光点の位置が変わらない方の励起光により励起される第1波長あるいは第2波長のどちらかのレーザ発振を先に調整することができる。つまり、一方の励起光によるレーザ発振の調整後、もう一方の励起光の集光点位置を調整することで、もう一方の波長の励起光によるレーザ発振の調整がなされる。そのため、第1実施形態に比べてレーザ発振の調整が容易になる。
第1実施形態及び第2実施形態では、レーザ結晶としてNd:YVO4が使用されているが、複屈折性が大きく、少なくとも2つの離れた波長において誘導放出遷移を示すものであれば他のレーザ結晶が使用されてもよい。例えば、Nd:YVO4結晶11の代わりにNd:GdVO4をレーザ結晶として利用した場合でも、励起用半導体レーザ21の波長が808nmのまま、第1波長が1063nmであり、第2波長が1342nmであるレーザ動作をさせることができる。これにより、593nmの第3波長を有する和周波混合光33が出力レーザ光として得られる。なお、Nd:YAlO3(Nd:YALO、Nd:YAP)やNd:LiYF4(Nd:YLF)では複屈折性が小さいため、本発明を利用した和周波混合レーザを実用的なレーザ結晶の寸法で実現するのは困難である。
第1実施形態及び第2実施形態では、非線形光学結晶としてKTP結晶12を使用しているが、互いに直交する偏光を持つ第1波長を有するレーザ光と第2波長を有するレーザ光から第2種位相整合の和周波混合が可能なものであればよい。第1波長と第2波長が第1実施形態や第2実施形態と同じであるならば、LiB3O5(LBO)やβ−BaB2O4(BBO)が使用できる。LiNbO3やLiTaO3などの結晶に周期的分極反転構造を持たせた波長変換素子でも、互いに直交する偏光を持つ第1波長を有するレーザ光と第2波長を有するレーザ光とを入力として和周波混合の疑似位相整合が可能となるような設計を行えば、本発明の和周波混合レーザの非線形光学結晶として使用できる可能性がある。
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
連続波動作の励起光を共振器内で和周波混合することにより0.59μmの波長を有するレーザ光を発生させる内部共振器型の和周波混合レーザを、小型かつ光軸調整が容易なものにすることができる。
1 半導体レーザ励起固体レーザ
10 レーザ共振器部
11 Nd:YVO4結晶
11a 第1光学面
11b 第2光学面
11c c軸方向(光学軸)
11L 結晶長
12 KTP結晶(非線形光学結晶)
14 第1多層膜ミラー
15 第2多層膜ミラー
12 KTP結晶
13 出力ミラー
13a 凹面
16 第3多層膜ミラー
20 励起部
21 励起用半導体レーザ
22 シリンドリカルレンズ
23 ガラスブロック
23a 稜線
24 レンズ群
31 第1励起光
31f 第1集光点
32 第2励起光
32f 第2集光点
33 和周波混合光
41 第1励起光の第1成分
43 第2励起光の第3成分
51 ビームスプリッタ
52 直角プリズム
53 部分反射膜
50 励起部
D 離間距離
10 レーザ共振器部
11 Nd:YVO4結晶
11a 第1光学面
11b 第2光学面
11c c軸方向(光学軸)
11L 結晶長
12 KTP結晶(非線形光学結晶)
14 第1多層膜ミラー
15 第2多層膜ミラー
12 KTP結晶
13 出力ミラー
13a 凹面
16 第3多層膜ミラー
20 励起部
21 励起用半導体レーザ
22 シリンドリカルレンズ
23 ガラスブロック
23a 稜線
24 レンズ群
31 第1励起光
31f 第1集光点
32 第2励起光
32f 第2集光点
33 和周波混合光
41 第1励起光の第1成分
43 第2励起光の第3成分
51 ビームスプリッタ
52 直角プリズム
53 部分反射膜
50 励起部
D 離間距離
Claims (3)
- 半導体レーザ励起固体レーザであって、
所定の励起波長を有するレーザ光によって励起される固体レーザ結晶を内部に備えた共振器部と、
前記励起波長を有する連続波の前記レーザ光を出力する励起用半導体レーザを備え、前記共振器部に前記レーザ光を供給して前記固体レーザ結晶を励起する励起部とを有し、
前記励起部は、前記レーザ光を、互いに略平行に伝搬する第1励起光及び第2励起光に分岐させ、かつ前記第1励起光及び前記第2励起光を所定の離間距離を有する第1集光点及び第2集光点にて集光するように出力し、
前記固体レーザ結晶は、少なくとも第1波長及び前記第1波長と異なる第2波長において誘導放出遷移を示し、かつ複屈折性を有するものであり、前記レーザ光の光路に直交する互いに対向する入射側の第1光学面及び出射側の第2光学面と、前記第1光学面の法線に対して前記第1励起光と前記第2励起光との離間方向へ45°傾斜した光学軸と、前記第2波長を有する光が異常光線として前記第1光学面から前記第2光学面へ伝搬したときのウォークオフによるビームシフト量が所定の前記離間距離に等しくなる結晶長とを有し、前記誘導放出遷移を利用して発生させた前記第1波長を有する光を正常光線である第1成分と前記異常光線である第2成分とに分離し、前記誘導放出遷移を利用して発生させた前記第2波長を有する光を前記異常光線である第3成分と前記正常光線である第4成分とに分離し、
前記共振器部は、
前記固体レーザ結晶の前記第1光学面における前記第1励起光の入射領域に設けられ、前記第1波長について高反射かつ前記励起波長について低反射の特性を有する第1多層膜ミラーと、
前記固体レーザ結晶の前記第1光学面における前記第2励起光の入射領域に設けられ、前記第2波長について高反射かつ前記励起波長について低反射の特性を有する第2多層膜ミラーと、
前記固体レーザ結晶の出射側に前記固体レーザ結晶から離間して配置され、前記固体レーザ結晶を向く凹面及び、前記凹面に設けられ、前記第1波長及び前記第2波長について高反射かつ前記第1波長及び前記第2波長の和周波混合光が有する第3波長について低反射の特性を有する第3多層膜ミラーを有する出力ミラーと、
前記固体レーザ結晶と前記出力ミラーとの間に配置され、互いに直交する方向に偏光する前記第1成分及び前記第3成分を入力として、和周波混合によって前記第3波長を有する前記レーザ光を発生させる非線形光学結晶とを更に備えることを特徴とする半導体レーザ励起固体レーザ。 - 前記励起部は、
前記励起用半導体レーザから出力された前記レーザ光の速軸方向の広がりを小さくするシリンドリカルレンズと、
直方体をなし、前記シリンドリカルレンズの出射側に1つの稜線を前記シリンドリカルレンズに向けて配置され、前記シリンドリカルレンズを通過した遅軸方向に広がる励起光を前記稜線によって中央で分割して分岐させ、前記稜線を形成する2つの光学入射面に対向する2つの光学出射面から前記第1励起光及び前記第2励起光として出射するガラスブロックと、
前記ガラスブロックから出射された前記第1励起光及び前記第2励起光を前記第1集光点及び前記第2集光点に集光する、1つ又は複数のレンズから構成されるレンズ群とを更に備え、
前記レンズ群は、前記第1集光点及び前記第2集光点が対応する前記第1多層膜ミラー又は前記第2多層膜ミラーから前記固体レーザ結晶の内部に進入した位置となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ励起固体レーザ。 - 前記励起部は、
前記励起用半導体レーザから出力された前記レーザ光の速軸方向の広がりを小さくするシリンドリカルレンズと、
前記シリンドリカルレンズを透過した前記レーザ光を前記第1集光点及び前記第2集光点に集光するための1つ又は複数のレンズから構成されるレンズ群と、
互いに貼り合わされる2つの直角プリズム及び、前記直角プリズムの間に設けられた部分反射膜を有し、一面から励起光が概ね45°の入射角をもってp偏光として入射するよう配置され、入射した前記励起光を前記部分反射膜によって概ね1対1に分岐させ、前記部分反射膜で反射した前記励起光の成分を前記第1励起光として、前記部分反射膜を透過した前記励起光の成分を前記第2励起光として出射させるビームスプリッタとを更に備え、
前記ビームスプリッタは、前記第1集光点及び前記第2集光点が対応する前記第1多層膜ミラー又は前記第2多層膜ミラーから前記固体レーザ結晶の内部に進入した位置となるように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ励起固体レーザ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020026889A JP2021132127A (ja) | 2020-02-20 | 2020-02-20 | 半導体レーザ励起固体レーザ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020026889A JP2021132127A (ja) | 2020-02-20 | 2020-02-20 | 半導体レーザ励起固体レーザ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021132127A true JP2021132127A (ja) | 2021-09-09 |
Family
ID=77551223
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020026889A Pending JP2021132127A (ja) | 2020-02-20 | 2020-02-20 | 半導体レーザ励起固体レーザ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2021132127A (ja) |
-
2020
- 2020-02-20 JP JP2020026889A patent/JP2021132127A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6453844B2 (ja) | 円形出力ビーム用の高効率単一パス高調波発生器 | |
KR102344775B1 (ko) | 제3 고조파 생성을 위한 고효율 레이저 시스템 | |
JP4231829B2 (ja) | 内部共振器型和周波混合レーザ | |
JP2007036195A (ja) | 多重光路の固体スラブレーザロッドまたは非線形光学結晶を用いたレーザ装置 | |
US20060114947A1 (en) | Solid-state laser generator | |
US6658029B2 (en) | Laser beam-generating apparatus | |
US6628692B2 (en) | Solid-state laser device and solid-state laser amplifier provided therewith | |
JPH06130328A (ja) | 偏光制御素子および固体レーザー装置 | |
CN115513759B (zh) | 激光器 | |
EP1717916A2 (en) | Laser oscillation device | |
KR20090004685A (ko) | 레이저 광 제2 고조파 발생 장치 | |
US7912102B2 (en) | Intracavity wavelength conversion solid-state laser generator | |
CN112086848B (zh) | 均匀发散角圆光斑输出的高功率腔内泵浦太赫兹波参量振荡器 | |
US20140003455A1 (en) | Diode-pumped solid state laser | |
JPH1055005A (ja) | レーザ光発生装置 | |
JP2021132127A (ja) | 半導体レーザ励起固体レーザ | |
KR101596478B1 (ko) | 다중 펄스 폭 출력이 가능한 레이저 장치 | |
JP2001024264A (ja) | 波長変換レーザ装置 | |
JPH04137775A (ja) | 半導体レーザ励起固体レーザ | |
CN119134015B (zh) | 一种可见近红外激光光源 | |
CN109742646A (zh) | 一种抑制腔内泵浦连续波光参量振荡器弛豫振荡的装置 | |
JPH0595144A (ja) | 半導体レーザ励起固体レーザ | |
JP4518843B2 (ja) | 固体レーザ装置 | |
JPH0927648A (ja) | 和周波レーザ装置 | |
JPH1195271A (ja) | 光パラメトリック発振装置 |