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JP2021129367A - スイッチング電源装置 - Google Patents

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JP2021129367A JP2020021845A JP2020021845A JP2021129367A JP 2021129367 A JP2021129367 A JP 2021129367A JP 2020021845 A JP2020021845 A JP 2020021845A JP 2020021845 A JP2020021845 A JP 2020021845A JP 2021129367 A JP2021129367 A JP 2021129367A
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Abstract

【課題】スナバ回路を備えたスイッチング電源装置を提供する。
【解決手段】スイッチング電源装置は、主回路とスナバ回路を備える。主回路は、スイッチング素子を備える。スナバ回路は、抵抗部と容量部と結合部が直列接続された閉回路を備える。スナバ回路は、主回路と絶縁されている。結合部は、主回路が備える第1導電線と磁気的または電気的に結合している。
【選択図】図1

Description

本明細書が開示する技術は、スナバ回路を備えたスイッチング電源装置に関する。
スイッチング電源装置では、スイッチング素子のスイッチング時にLCR共振(リンギング)が発生し、電磁ノイズが放射されてしまう場合がある。非特許文献1の例に示すように、高位電源線と低位電源線との間にスナバ回路を挿入することで、リンギングのエネルギーを消費し、電磁ノイズを抑制する技術が知られている。
Kenichi Yatsugi, Katsuya Nomura, Yoshiyuki Hattori, "Analytical technique for designing an RC snubber circuit for ringing suppression in a phase-leg configuration", IEEE TRANSACTIONS ON POWER ELECTRONICS, 33, 4736 (2018)
非特許文献1の例に示すようなスナバ回路では、高位電源線と低位電源線との接続経路上にスナバコンデンサが配置されている。このスナバコンデンサが絶縁破壊した場合に、高位電源線と低位電源線とがショートしてしまう。
本明細書が開示するスイッチング電源装置の一実施形態は、主回路とスナバ回路を備える。主回路は、スイッチング素子を備える。スナバ回路は、抵抗部と容量部と結合部が直列接続された閉回路を備える。スナバ回路は、主回路と絶縁されている。結合部は、主回路が備える第1導電線と磁気的または電気的に結合している。
主回路が備える第1導電線に、スナバ回路が結合している。そのため、主回路のスイッチング素子から発生するリンギングのエネルギーを、結合したスナバ回路によって消費することができる。また、結合によりエネルギーを消費する形態であるため、高位電源線と低位電源線との接続経路上に容量部を配置する必要がない。容量部の絶縁破壊によるショート発生の事態を回避することが可能となる。
第1導電線は、少なくとも一部に第1平面部を備えていてもよい。結合部は、第2平面部を備えた導電線であってもよい。第2平面部が第1平面部に対して絶縁されているとともに略平行に配置されていてもよい。効果の詳細は実施例で説明する。
主回路の損失率をγとし、スナバ回路の損失率をγとした場合に、結合部と第1導電線との磁気結合定数κは、κ>(γ−γ)/2の関係が成立してもよい。効果の詳細は実施例で説明する。
結合部は、スナバ回路と第1導電線とを接続するコンデンサであってもよい。
主回路は、スイッチング素子が配置された制御部と、平滑コンデンサが配置された平滑部と、を備えていてもよい。第1導電線は、制御部と平滑部との間を接続するバスバー、または、前滑部と外部負荷との間を接続するバスバーであってもよい。
主回路は、スイッチング素子と接続される導電板と、スイッチング素子、および、スイッチング素子と導電板との接続部を覆う樹脂部と、を備えていてもよい。第1導電線は、導電板のうち樹脂部で覆われた領域であってもよい。効果の詳細は実施例で説明する。
電動システム1の概略回路図である。 スイッチング電源2の一部の概略構成図である。 比較例のスイッチング電源102の概略回路図である。 パワーモジュール30の一部の概略断面図である。 スイッチング電源2bの一部の概略構成図である。
(電動システム1の構成)
図1に、車載の電動システム1の概略回路図を示す。電動システム1は、スイッチング電源2、インバータ3、モータ4、コントローラ5を備える。スイッチング電源2は、バッテリ11の電圧を昇圧し、外部負荷であるインバータ3に印加する。インバータ3は、直流を3相交流に変換し、モータ4に印加する。コントローラ5は、スイッチング電源2およびインバータ3の動作を制御する。
(スイッチング電源2の構成)
スイッチング電源2は、バッテリ11、制御部12、スナバ回路13、平滑部14、バスバー21および22を備える。制御部12、平滑部14、バスバー21および22によって、主回路が構成されている。バスバー21および22は、銅板である。制御部12は、バスバー21および22の間に直列接続された、スイッチング素子SW1およびSW2を備える。バッテリ11の正端子は、インダクタL1を介して、スイッチング素子SW1およびSW2の中間接続ノードに接続されている。バッテリ11の負端子は、バスバー22に接続されている。バスバー22は基準電圧部位GNDに接続されている。バスバー22は低位電源線であり、バスバー21は高位電源線である。また制御部12は、寄生インダクタンスLp3を有している。
制御部12の出力端子は、バスバー21および22を介して、平滑部14およびインバータ3に接続されている。バスバー21は、寄生インダクタンスLp1を有している。平滑部14は、バスバー21および22の間に直列接続された、コンデンサC1および等価直列抵抗RESRを備えている。平滑部14は、スイッチング素子SW1およびSW2のオン/オフ時に生じるサージ電圧等を平滑化する。
スナバ回路13は、抵抗部Rsnb、容量部Csnb、寄生インダクタンスLp2、が、導電板23によって直列接続された閉回路である。スナバ回路13は、主回路(制御部12、平滑部14、バスバー21および22)と絶縁されている。またスナバ回路13は、基準電圧部位GNDに接続されている。導電板23は、寄生インダクタンスLp2を有している。寄生インダクタンスLp2は、バスバー21の寄生インダクタンスLp1と磁気結合している。
図2に、電動システム1の一部の概略構成図を示す。電動システム1は、制御部12と平滑部14とインバータ3とがバスバー21によって接続されている構成を備えている。またバスバー21のうち、制御部12と平滑部14との間を接続する領域に近接して、スナバ回路13が配置されている構成を備えている。なお、図2ではバスバー21を1つの部品として簡略記載しているが、実際には複数の部品から構成されていてもよい。バスバー21は、xy平面に平行な第1平面部P1を備えている。第1平面部P1の表面には、絶縁シートISが配置されている。絶縁シートISは、バスバー21に巻き付けられていてもよい。第1平面部P1上には、絶縁シートISを介してスナバ回路13が配置されている。スナバ回路13は、絶縁シートISによって主回路と絶縁されている。
スナバ回路13は、導電板23を環状に加工して形成されている。導電板23には、y方向に伸びるスリットS1およびS2によって切断されている。また、スリットS1およびS2をまたぐように、容量部Csnbおよび抵抗部Rsnbが接続されている。また導電板23は、バスバー21と対向している領域に、xy平面に平行な第2平面部P2を備えている。第2平面部P2は、第1平面部P1に対して略平行に配置されている。これにより、前述したように、寄生インダクタンスLp1およびLp2によって、スナバ回路13と主回路とは磁気結合している。なお、スナバ回路13と主回路との磁気結合定数κを高めるための磁性体は配置されていない。磁気結合定数κは、第1平面部P1と第2平面部P2とが重複する面積や、第1平面部P1と第2平面部P2との距離によって、調整可能である。
(磁気結合定数)
磁気結合定数κについて説明する。スナバ回路13の共振モードをa、主回路(制御部12、平滑部14、バスバー21および22)の共振モードをaとする。この場合、系全体の振る舞いは、下式1で表される。
Figure 2021129367
ここで、κは結合定数、ωは主回路の共振周波数、ωはスナバ回路の共振周波数、γは主回路の損失率、γはスナバ回路の損失率である。損失率γおよびγは、下式2および式3で表される。
Figure 2021129367
Figure 2021129367
上式1は、下式4に書き換えられる。
Figure 2021129367
ここでωは、ω=ωとしたときの共振周波数である。また、β、χ、AおよびAは、下式で表される。
Figure 2021129367
Figure 2021129367
Figure 2021129367
上式4の右辺第1項の2×2行列の固有値が実数となるとき、主回路とスナバ回路13との共振エネルギーが等しくなる。すなわち、スナバ回路13へ伝達されるエネルギーが最大となる。固有値は、下式で表される。ここでωは、ω=ωとしたときの共振周波数である。
Figure 2021129367
従って、スナバ回路13に効率よくエネルギーを伝達する条件は、κ>βである。すなわち、主回路の損失率がγであり、スナバ回路13の損失率がγである場合に、磁気結合定数κに、κ>(γ−γ)/2の関係が成立すればよい。
(効果)
図3に、比較例のスイッチング電源102を示す。比較例のスイッチング電源102は、バスバー21(高位電源線)とバスバー22(低位電源線)との間に、スナバ回路113を接続している。スナバ回路113は、抵抗部R100、容量部C100、寄生インダクタンスL100が直列接続された構成を有する。スナバ回路113によりリンギングのエネルギーを消費し、電磁ノイズを抑制することができる。しかし、バスバー21と22との接続経路上に容量部C100が配置されている。この容量部C100が絶縁破壊した場合に、バスバー21と22とがショートしてしまう。一方、本実施例に係るスイッチング電源2(図1)では、主回路が備えるバスバー21に、スナバ回路13が磁気結合している構造を有する。主回路のスイッチング素子SW1およびSW2から発生するリンギングのエネルギーを、磁気結合したスナバ回路13によって消費することができる。そしてスナバ回路13は、磁気結合によりエネルギーを消費する形態であるため、バスバー21と22との接続経路上に容量部Csnbを配置する必要がない。容量部Csnbの絶縁破壊によるショート発生の事態を回避することが可能となる。
磁性体を用いてスナバ回路を主回路に磁気結合させる場合には、磁気飽和が問題となる。車載の電動システムでは大電流を用いるためである。またスイッチング周波数が比較的低いため、寄生インダクタンスに流れる電流が直流とみなせるためである。本実施例に係るスイッチング電源2(図2)では、スナバ回路13の第2平面部P2と、バスバー21の第1平面部P1とを平行に近接配置している。これにより、磁性体を用いずに、スナバ回路13を主回路に磁気結合させることが可能となる。磁気飽和現象を抑制することができる。
実施例2では、本明細書に係るスナバ回路を、パワーモジュールに内蔵した態様を説明する。図4に、パワーモジュール30の一部の概略断面図を示す。パワーモジュール30は、前述した制御部12に搭載される部品である。パワーモジュール30は、放熱板31、リード線32および36、はんだ層33および35、パワー素子34、スナバ回路13、樹脂層37を備える。なおスナバ回路13の構造については、実施例1で説明済みである。
パワー素子34は、略直方体状に形成されており、前述したスイッチング素子SW1およびSW2やダイオードを複数収容している。パワー素子34の表面には、ソース電極、ドレイン電極、ゲート電極など(図示省略)が設けられている。ゲート電極には、はんだ層33によってリード線32の一端が接続されている。リード線32の他端は、前述したコントローラ5と接続されている。また、ソース電極およびドレイン電極の各々には、はんだ層35によってリード線36の一端が接続されている。リード線36の他端は、前述したバスバー21や22と接続されている。図4では、簡略化のため、ドレイン電極に接続されているリード線36のみを示している。
リード線36は、xy平面に平行な第1平面部P1aを備えている。第1平面部P1aの表面上には、絶縁シートISを介してスナバ回路13が配置されている。スナバ回路13が備える導電板23は、リード線36と対向している領域に、xy平面に平行な第2平面部P2aを備えている。 第2平面部P2aと第1平面部P1aとは、略平行に配置されている。これにより、スナバ回路13とリード線36とが、磁気結合している。
樹脂層37は、充填された液状樹脂(例:エポキシ樹脂)が硬化することによって形成されている。樹脂層37は、パワー素子34、スナバ回路13、リード線32および36の端部を覆うように形成されている。具体的には、リード線36とパワー素子34との接続部の近傍が、樹脂層37に覆われている。そして、樹脂層37で覆われた領域内に、スナバ回路13が配置されている。
(効果)
スナバ回路13を、パワーモジュール30内部のリード線36を介して主回路に結合させることができる。スナバ回路13をパワーモジュール30に内蔵できるため、スイッチング電源2の小型化が可能となる。
図5に、実施例3に係るスイッチング電源2bの一部の概略構成図を示す。実施例3のスイッチング電源2bは、実施例1のスイッチング電源2(図2)に比して、結合コンデンサCを備える点が異なる。両者で共通する部位には同一符号を付すことで、説明を省略する。
バスバー21と、スナバ回路13の導電板23とは、結合コンデンサCを介して電気的に結合している。またスナバ回路13は、基準電圧部位GNDに接続されておらず、フローティング状態とされている。
(効果)
制御部12内のスイッチング素子SW1およびSW2から発生するリンギングのエネルギーを、結合コンデンサCによって電気的に結合しているスナバ回路13によって消費することができる。また、スナバ回路13はフローティング状態であるため、容量部Csnbが絶縁破壊した場合においても、ショートの発生を回避することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
(変形例)
スナバ回路13は、主回路が備えているバスバー21の経路上であれば、何れの位置に配置されていてもよい。すなわちスナバ回路13の配置位置は、バスバー21のうち、制御部12と平滑部14との間を接続する領域(図2)に限られない。例えば、バスバー21のうち、平滑部14とインバータ3との間を接続する領域にスナバ回路13を配置してもよい。
実施例1のスナバ回路13(図1)は、基準電圧部位GNDに接続されていないフローティング状態であってもよい。
本明細書のスイッチング電源2は、車載システムに限らず、様々な用途に適用可能である。
制御部12、平滑部14、バスバー21および22は、主回路の一例である。導電板23および結合コンデンサCは、結合部の一例である。バスバー21は、第1導電線の一例である。リード線36は、導電板の一例である。インバータ3は、外部負荷の一例である。
1:電動システム 2:スイッチング電源 11:バッテリ 12:制御部 13:スナバ回路 14:平滑部 21および22:バスバー 23:導電板 SW1およびSW2:スイッチング素子 Lp1〜Lp3:寄生インダクタンス Rsnb:抵抗部、Csnb:容量部

Claims (6)

  1. スイッチング素子を備えた主回路と、抵抗部と容量部と結合部が直列接続された閉回路を備えるスナバ回路と、を備えるスイッチング電源装置であって、
    前記スナバ回路は、前記主回路と絶縁されており、
    前記結合部は、前記主回路が備える第1導電線と磁気的または電気的に結合している、スイッチング電源装置。
  2. 前記第1導電線は、少なくとも一部に第1平面部を備えており、
    前記結合部は、第2平面部を備えた導電線であり、
    前記第2平面部が前記第1平面部に対して絶縁されているとともに略平行に配置されている、請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  3. 前記主回路の損失率をγとし、前記スナバ回路の損失率をγとした場合に、前記結合部と前記第1導電線との磁気結合定数κは、κ>(γ−γ)/2の関係が成立する、請求項2に記載のスイッチング電源装置。
  4. 前記結合部は、前記スナバ回路と前記第1導電線とを接続するコンデンサである、
    請求項1に記載のスイッチング電源装置。
  5. 前記主回路は、前記スイッチング素子が配置された制御部と、平滑コンデンサが配置された平滑部と、を備えており、
    前記第1導電線は、前記制御部と前記平滑部との間を接続するバスバー、または、前記平滑部と外部負荷との間を接続するバスバーである、請求項1〜4の何れか1項に記載のスイッチング電源装置。
  6. 前記主回路は、
    前記スイッチング素子と接続される導電板と、
    前記スイッチング素子、および、前記スイッチング素子と前記導電板との接続部を覆う樹脂部と、
    を備えており、
    前記第1導電線は、前記導電板のうち前記樹脂部で覆われた領域である、請求項1〜5の何れか1項に記載のスイッチング電源装置。
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