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JP2021122182A - 作業車両 - Google Patents

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JP2021122182A
JP2021122182A JP2020015359A JP2020015359A JP2021122182A JP 2021122182 A JP2021122182 A JP 2021122182A JP 2020015359 A JP2020015359 A JP 2020015359A JP 2020015359 A JP2020015359 A JP 2020015359A JP 2021122182 A JP2021122182 A JP 2021122182A
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automatic
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JP2020015359A
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大介 今泉
Daisuke Imaizumi
大介 今泉
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Iseki and Co Ltd
Iseki Agricultural Machinery Mfg Co Ltd
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Abstract

【課題】簡素な制御で自動旋回を行うこと。【解決手段】実施形態に係る作業車両は、走行車体に取り付けられた走行車輪と、前記走行車輪の操舵量を調整するステアリング装置(35)と、前記ステアリング装置(35)を駆動するモータと、測位手段から測位情報を受け取り、受け取った測位情報に基づいて機体の現在の位置情報を取得する位置取得装置と、前記モータを制御する制御装置と、を備え、機体の旋回中において、あらかじめ設定された所定の低い速度を維持するスイッチ(TS)を前記ステアリング装置に備え、走行車体の車速を調節する変速操作部(36)を設け、前記スイッチ(TS)の操作により、前記所定の低い速度を維持しているときは、前記変速操作部(36)による、高速側への操作を受け付けないことを特徴とする。【選択図】図13

Description

本発明は、作業車両に関する。
従来、圃場を走行しながら作業を行う作業車両には、作業開始位置と作業終了位置との位置情報を取得し、取得した位置情報から基準線を作成し、作成した基準線に沿って自動走行するものがある(たとえば、特許文献1参照)。
特開2016−21890号公報
上記したような作業車両において、取得した位置情報に基づいて自動旋回させることが考えられる。しかしながら、自動旋回させる場合、車速の制御や旋回行程の全てにわたり位置情報を用いる必要があり、制御が複雑になる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡素な制御で自動旋回を行うことができる作業車両を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の作業車両(1)は、走行車体(2)に取り付けられた走行車輪(10,11)と、前記走行車輪(10)の操舵量を調整するステアリング装置(35)と、前記ステアリング装置(35)を駆動するモータ(95)と、測位手段から測位情報を受け取り、受け取った測位情報に基づいて機体の現在の位置情報を取得する位置取得装置(150)と、前記モータ(95)を制御する制御装置(100)と、を備え、機体の旋回中において、
あらかじめ設定された所定の低い速度を維持するスイッチ(TS)を前記ステアリング装置に備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の作業車両(1)は、請求項1に記載の作業車両(1)において、走行車体の車速を調節する変速操作部(36)を設け、前記スイッチ(TS)の操作により、前記所定の低い速度を維持しているときは、前記変速操作部(36)による、高速側への操作を受け付けないことを特徴とする。
請求項3に記載の作業車両(1)は、請求項1または2に記載の作業車両(1)において、前記スイッチ(TS)の操作により、前記所定の低い速度を維持しているときは、前記変速操作部(36)により、前記所定の低い速度よりも更に低い速度側へ操作を行うと、前記変速操作部(36)の高速側への操作を受け付けることを特徴とする。
請求項4に記載の作業車両(1)は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の作業車両(1)において、前記制御する制御装置(100)により、機体の旋回中において、前記位置情報に関わらず前記操舵量が所定の値になるよう前記モータ(95)を制御して実行する第1旋回動作モードと、前記位置情報に基づいて、旋回走行経路(L2)上における所望の方位に機体が到達するよう前記モータ(95)を制御して実行する第2旋回動作モードと、を有することを特徴とする。
請求項5に記載の作業車両は(1)は、請求項4に記載の作業車両(1)において、前記制御装置(100)は、機体の旋回開始時には前記第2旋回動作モードを実行し、前記第2旋回動作モードが終了すると前記第1旋回動作モードを実行し、前記第1旋回動作モードが終了すると前記第2旋回動作モードを実行することを特徴とする。
請求項6に記載の作業車両(1)は、請求項4または5に記載の作業車両(1)において、前記走行車輪(11)の回転数を検出する検出装置(90)をさらに備え、前記検出装置(90)は、前記第1旋回動作モードの開始に伴い前記回転数の検出を開始し、前記制御装置(100)は、前記回転数が所定の値になると前記第2旋回動作モードに移行することを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、自動旋回中に、増減速を作業者はステアリング装置を握ったまま操作行うことが出来るようになり、減速して旋回したい場合にステアリング装置から手を離して変速操作部を操作する必要無く操作出来るため、操作性が良くなる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、あらかじめ設定された所定の低い速度を維持しているときに、例えば、変速操作部が高速側に位置している状態や、高速側へ変速操作すると、低い速度から急加速が行われ大変危険であるが、変速操作を受け付けないことで、安全性が向上する。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1または2に記載の発明の効果に加えて、あらかじめ設定された所定の低い速度を維持しているときに、所定の低い速度よりも低い速度の変速操作を行うと、高速側への操作を受け付けることで、急加速することを防止することができるため安全性が向上する。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3の何れか1項に記載の発明の効果に加えて、機体の旋回中において位置情報に基づいた動作モードではない第1旋回動作モードを実行するため、自動旋回に係る制御の全てに位置情報を用いる必要がなくなり、すなわち、自動旋回中に位置情報を用いる制御が一部でよくなり、
簡素な制御で自動旋回を行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、体の旋回開始時に実行する第2旋回動作モードの終了後である旋回途中の機体の直進時に第1旋回動作モードを実行するため、第1旋回動作モードにおける、たとえば、走行車輪のスリップによる走行誤差を減らすことができ、旋回行程の全体として、自動旋回を正確に行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項4または5に記載の発明の効果に加えて、第1旋回動作モードの開始に伴い走行車輪の回転数の検出(カウント)を開始し、走行車輪の回転数が所定の値になると第2旋回動作モードに移行するため、上記同様、自動旋回中に位置情報を用いる制御が一部でよくなり、簡素な制御で自動旋回を行うことができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明の効果に加えて、所望の旋回終了位置に向けた第2旋回動作モード(機体の旋回中において第2旋回動作モードを2回以上行う場合は、最後の第2旋回動作モード)が終了するとそのまま自動直進モードに移行して自動直進を開始するため、作業を継続的に行うことができ、作業性を向上させることができる。
図1は、作業車両の一例を示す側面図である。 図2は、作業車両の一例を示す平面図である。 図3は、制御装置を中心とした制御系を示すブロック図である。 図4は、作業車両の圃場における自律走行の説明図である。 図5は、第1実施形態に係る自動旋回制御の説明図である。 図6は、第1実施形態に係る自動旋回制御の処理手順を示すフローチャートである。 図7は、自動旋回制御を開始する制御の処理手順を示すフローチャートである。 図8は、第1旋回動作モードから第2旋回動作モードに移行する制御の処理手順を示すフローチャートである。 図9は、第2実施形態に係る自動旋回制御の説明図である。 図10は、第2実施形態に係る自動旋回制御の処理手順を示すフローチャートである。 図11は、第3実施形態に係る自動旋回制御の説明図である。 図12は、第3実施形態に係る自動旋回制御の処理手順を示すフローチャートである。 図13は、ステアリング装置に備えたスイッチを示した図である。
以下、添付図面を参照して本願の開示する作業車両の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<作業車両の概要>
まず、図1および図2を参照して実施形態に係る作業車両(1)の概要について説明する。
図1は、作業車両(1)を示す側面(左側面)図である。図2は、作業車両(1)を示す平面図である。
なお、以下の説明では、前後方向とは、作業車両(1)の直進時における進行方向であり、進行方向の前方側を「前」、後方側を「後」と規定する。作業車両(1)の進行方向とは、直進時において、操縦席(41)からハンドル(35)に向かう方向である(図1および図2参照)。
左右方向とは、前後方向に対して水平に直交する方向であり、「前」側へ向けて左右を規定する。すなわち、操縦者(作業者ともいう)が操縦席(41)に着席して前方を向いた状態で、左手側が「左」、右手側が「右」である。
上下方向とは、鉛直方向である。前後方向、左右方向および上下方向は互いに直交する。各方向は説明の便宜上定義したものであり、これらの方向によって本発明が限定されるものではない。
また、以下の説明では、作業車両1を指して「機体」という場合がある。実施形態では、作業車両を、作業装置として苗植付部(4)を備え、圃場に苗を受け付ける乗用型の苗移植機(1)として説明する。図1および図2に示すように、苗移植機(1)は、走行車体(2)の後側に昇降リンク機構(3)を介して、圃場に苗を植え付ける昇降可能な苗植付部(4)(作業装置)を備える。
走行車体(2)の後部上側には施肥装置(5)の本体部分が配置される。なお、作業車両が苗移植機(1)ではない場合、種子を供給する播種装置などを作業装置として備える場合がある。
走行車体(2)は、走行車輪であり駆動輪である、左右の前輪(10)および後輪(11)を備える四輪駆動車両である。走行車体(2)の車体骨格を構成するメインフレーム(15)の前側には、苗植付部(4)などに駆動力を伝達するミッションケース(13)と、エンジン(30)から供給される駆動力、すなわち、エンジン(30)で発生した回転をミッションケース(13)に出力する油圧式の無段変速装置(14)(主変速機構)とが設けられる。
無段変速装置(14)は、いわゆるHST(Hydro Static Transmission)と呼ばれる静油圧式の無段変速機である。以下では、無段変速装置がHST(14)である場合を説明する。
ミッションケース(13)内には、高速モードでの路上走行時や、低速モードでの苗の植え付け時などにおける走行車体(2)の走行モードを切り替える副変速機構(16)が設けられる。
ミッションケース(13)の左右側方には、前輪ファイナルケース(10a)が設けられ、左右の前輪ファイナルケース(10a)の操向方向を変更可能な前輪支持部からそれぞれ外向きに突出する左右の前車軸(10b)に前輪(10)が取り付けられる。
また、メインフレーム(15)の後部側には、機体横方向に設けられた後部フレーム(22)(図2参照)の左右両側に後輪ギアケース(11a)が取付けられ、後輪ギアケース(11a)からそれぞれ外向きに突出する左右の後車軸(11b)に後輪(11)(走行車輪)がそれぞれ取り付けられる。
また、後部フレーム(22)の上部には、昇降リンク機構(3)を支持する左右のリンク支持フレーム(23)が上方に向けて突設される。左右のリンク支持フレーム(23)の下部側で、かつ、左右の間には、左右一対のロワリンクアーム(24)が設けられる。左右のロワリンクアーム(24)の左右の間に、油圧により作動する昇降シリンダ(25)(昇降装置)が設けられる。
昇降シリンダ(25)の上方には、アッパリンクアーム(26)が設けられ、平行リンク機構である昇降リンク機構(3)が構成される。なお、それぞれ一端が走行車体(2)側に連結された、左右のロワリンクアーム(24)と、昇降シリンダ(25)と、アッパリンクアーム(26)の他端側とは、苗植付部(4)の前部に装着される。
また、メインフレーム(15)上には、エンジン(30)が搭載される。エンジン(30)の回転動力が、ベルト伝動装置(21)およびHST(14)を介してミッションケース(13)に伝達される。ミッションケース(13)に伝達された回転動力は、ミッションケース(13)内の副変速機構(16)により変速された後、走行動力と外部取り出し動力に分けられる。
また、エンジン(30)の回転動力は、図示しない油圧ポンプに伝達される。油圧ポンプで発生した油圧は、HST(14)や、ハンドル(35)のパワーステアリング機構(88)(図3参照)や、昇降シリンダ(25)などに供給される。
ミッションケース(13)に伝達された回転動力から取り出される外部取り出し動力は、走行車体(2)の後部に設けられた植付クラッチケース(27)に伝達され、植付クラッチケース(27)から植付伝動軸(67)によって苗植付部(4)に伝達される。
一方、ミッションケース(13)の後部には、左右のドライブシャフト(42)が設けられる。エンジン(30)からの回転動力は、ミッションケース(13)およびドライブシャフト(42)を介して左右の後輪ギアケース(11a)に伝動される。
なお、左右のドライブシャフト(42)よりも伝動方向上手側には、左右のドライブシャフト(42)に対する動力伝達を入切するサイドクラッチ(44)(図3参照)が配置される。図1に示すように、操縦席(41)の前側下部であり、かつ、左右一側には、左右のサイドクラッチ(44)を入切操作するサイドクラッチペダル(43a)が設けられる。
左右のサイドクラッチペダル(43a)のうち、旋回内側のサイドクラッチペダル(43a)を踏み込んでサイドクラッチ(44)を切状態にしてからハンドル(35)を操作して旋回走行すると、旋回内側の後輪(11)の駆動回転を完全に遮断することができる。
これにより、ハンドル(35)単独の操作による旋回走行よりも旋回半径を小さくすることができ、圃場条件に適した作業条の作業開始位置を適切に選択可能となって作業精度が向上する。
このように、旋回時に旋回内側の後輪(11)への伝動を停止させ、旋回半径を小さくすることができ、旋回前の作業位置と旋回後の作業位置が離れることを防止できるので、旋回後の作業開始位置の調整をやり直す操作が不要になり、作業効率や作業精度が向上する。
なお、実施形態では、後述する自動旋回制御において、ハンドル(35)の操作により走行車体(2)を旋回操作させると、旋回内側に位置するサイドクラッチ(44)が切状態になり、旋回内側の後輪(11)への伝動を停止させるように構成されている。
走行車体(2)の前側上部には、各部の操作を行う操縦パネル(38)を上部に配置されたボンネット(39)が設けられる。操縦パネル(38)には、後述する自動旋回制御を行うか否かを切り替える自動旋回スイッチ(48)や、モニタ(86)(図3参照)などが設けられる。
また、ボンネット(39)には、機体を操舵するハンドル(35)、HST(14)や苗植付部(4)を操作する変速操作レバー(36)、副変速機構(16)を操作する副変速操作レバー(37)などが設けられる。
また、ボンネット(39)の前側には、開閉可能なフロントカバー(40)が設けられる。フロントカバー(40)の内部には、燃料タンクやバッテリ、ハンドル(35)の操舵に左右の前輪(10)および左右の前輪ファイナルケース(10a)の下部側を回動させる連動機構が設けられる。
ボンネット(39)よりも機体後側で、かつ、エンジン(30)の上方位置には、エンジン(30)の上部および側部を覆うエンジンカバー(30a)が設けられ、エンジンカバー(30a)の上部には操縦者が着席する操縦席(41)が設けられる。
操縦席(41)の後側であって、メインフレーム(15)の後端側には、施肥装置(5)が設けられる。施肥装置(5)の駆動力は、左右の後輪ギアケース(11a)の左右一側から施肥装置(5)に臨むように設けられる、施肥伝動機構によって伝達される。
ところで、エンジンカバー(30a)およびボンネット(39)の下部における左右両側は、略水平なフロアステップ(33)が形成される。フロアステップ(33)は、図2に示すように、一部格子状であり、たとえば、フロアステップ(33)を歩く操縦者の靴などについた泥が落ちても、落ちた泥などが圃場に落下する。
また、図1に示すように、苗移植機(1)は、位置取得装置(150)を備える。位置取得装置(150)は、GPS(Global Positioning System)やGNSS(Global Navigation Satellite System)などの測位手段から測位情報を受け取り、受け取った測位情報に基づいて機体の現在の位置情報を作成し、取得する。位置取得装置(150)は、たとえば、取付ステー(59)に取り付けられ、走行車体(2)の上方に配置される。
位置取得装置(150)による位置情報に基づいて作成される、直進制御用プログラムと、旋回制御用プログラムとは、互いに別の場所に格納される。直進制御用プログラムは、たとえば、位置取得装置(150)内の直進制御用ECU(Electronic Control Unit)(100a)に格納され、旋回制御用プログラムは、たとえば、ボンネット(39)に収容された旋回制御用ECU(100b)に格納される。なお、直進制御用ECU(100a)および旋回制御用ECU(100b)は、後述する制御装置(100)(図3参照)に含まれる。
<作業車両の制御系>
次に、図3を参照して苗移植機(1)の制御系Cについて説明する。図3は、苗移植機(1)における、制御装置(100)を中心とした制御系Cを示すブロック図である。苗移植機(1)は、電子制御によって各部を制御することが可能なものであり、各部を制御する制御装置(以下、コントローラという)(100)を備える。
コントローラ(100)は、CPU(Central Processing Unit)などを有する処理部や、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの記憶部、さらには入出力部が設けられ、これらは、互いに接続されて互いに信号の受け渡しが可能である。記憶部には、苗移植機(1)を制御するコンピュータプログラムなどが格納される。コントローラ(100)は、記憶部に格納されたコンピュータプログラムなどを読み出すことで、各機能を発揮させる。
コントローラ(100)には、たとえば、アクチュエータ類として、スロットルモータ(80)、油圧制御弁(81,82)、植付クラッチ作動ソレノイド(83)、サイドクラッチ作動ソレノイド(84)、HSTモータ(85)、線引きマーカ昇降モータ(87)、ステアリングモータ(95)などが接続される。
スロットルモータ(80)は、エンジン(30)の吸気量を調節するスロットルを作動させることにより、エンジン(30)の出力軸の回転数を増減させる。油圧制御弁(81)は、昇降シリンダ(25)の伸縮動作を制御する。油圧制御弁(82)は、パワーステアリング機構(88)を制御する。植付クラッチ作動ソレノイド(83)は、植付クラッチ(27a)を作動させる。
サイドクラッチ作動ソレノイド(84)は、後輪(11)への動力伝達状態を切り替えるサイドクラッチ(44)を作動させる。なお、サイドクラッチ(44)は、左右の後輪(11)にそれぞれ設けられ、サイドクラッチ作動ソレノイド(84)は、各サイドクラッチ(44)に対応して2つ設けられる。
HSTモータ(85)は、HST(14)のトラニオンの回動角度を変更することで、HST(14)の斜板の傾斜角を変更する。ステアリングモータ(95)は、自動旋回制御が行われる場合に、走行車輪である前輪(10)(図1参照)の操舵量(舵角)を調整するステアリング装置であるハンドル(35)を駆動するモータである。ステアリングモータ(95)は、ハンドル(35)を回動させる。線引きマーカ昇降モータ(87)は、線引きマーカ(65)を昇降させる。
また、コントローラ(100)には、検出装置である、回転数センサ(90)、操舵量センサ(91)、傾斜センサ(92)などが接続される。回転数センサ(90)は、走行車輪である左右の後輪(11)に対応して2つ設けられ、左右の後輪(11)の回転数をそれぞれ検出する。なお、回転数センサ(90)は、左右の前輪(10)の回転数を検出してもよい。
操舵量センサ(91)は、ステアリング装置であるハンドル(35)の操作量、すなわち、前輪(10)の操舵量(舵角)を検出する。なお、操舵量は、ハンドル(35)の操作量がゼロの場合を基準として、すなわち、走行車体(2)の直進走行時を基準として、左右方向それぞれで検出される。傾斜センサ(92)は、走行車体(2)の傾きである傾斜角を検出する。
また、コントローラ(100)には、操作信号として、変速操作レバー(36)、副変速操作レバー(37)、植付部自動昇降スイッチ(47)、自動旋回スイッチ(48)、線引きマーカ自動昇降スイッチ(49)などから信号が入力される。
植付部自動昇降スイッチ(47)は、ハンドル(35)の操作量、すなわち、前輪(10)の操舵量に連動して苗植付部(4)を自動的に昇降させるか否かを切り替えるスイッチである。植付部自動昇降スイッチ(47)が「ON」の場合には、操舵量に連動して苗植付部(4)を自動的に昇降させる制御が実行される。一方、植付部自動昇降スイッチ(47)が「OFF」の場合には、操舵量に連動して苗植付部(4)を自動的に昇降させる制御は、実行されない。
線引きマーカ自動昇降スイッチ(49)は、ハンドル(35)の操作量、すなわち、前輪(10)の操舵量に連動して線引きマーカ(65)を自動的に昇降させるか否かを切り替えるスイッチである。線引きマーカ自動昇降スイッチ(49)が「ON」の場合には、操舵量に連動して線引きマーカ(65)を自動的に昇降させる制御が実行される。一方、線引きマーカ自動昇降スイッチ(49)が「OFF」の場合には、操舵量に連動して線引きマーカ(65)を自動的に昇降させる制御は、実行されない。
自動旋回スイッチ(48)は、ランプ付きの跳ね返りスイッチであり、自動旋回を開始または中止するかを切り替えるスイッチである。自動旋回スイッチ(48)は、操縦者により「ON」にされて自動旋回が行われている間は点灯し、自動旋回が終了すると、「OFF」になり、消灯する。また、自動旋回スイッチ(48)は、自動旋回中に操縦者により「OFF」にされ、自動旋回が中止されると、消灯する。これにより、自動旋回を行っているか否かを、操縦者が認識可能となる。
また、コントローラ(100)には、位置取得装置(150)から機体の現在の位置情報が入力される。コントローラ(100)は、位置情報に基づいて、機体が自動で走行しながら作業を行う自律走行モードを実行する。コントローラ(100)を中心として、自動旋回スイッチ(48)、回転数センサ(90)、操舵量センサ(91)、ステアリングモータ(95)、ハンドル(35)および位置取得装置(150)は、後述する自動旋回モードの制御系(C)を構成している。
<自律走行モード>
ここで、図4を参照して、苗移植機(1)による、圃場における自動旋回を含む自動走行(自律走行)について説明する。図4は、作業車両(苗移植機(1))の圃場における自律走行の説明図である。コントローラ(100)(図3参照)は、前輪(10)(図1参照)の操舵量をフィードバックしながらステアリングモータ(95)(図3参照)を制御してハンドル(35)(図3参照)を操作する自律走行モードを有する。自律走行モードは、自動直進モードと、自動旋回モードとを含む。
図4に示すように、自律走行モードにおいては、苗移植機(1)は、圃場(F)において、予定走行経路に沿って直進および旋回を繰り返しながら苗の植え付け作業を自動で行う。なお、コントローラ(100)は、上記したように、走行車体(2)の上方に配置された位置取得装置(150)によって苗移植機(1)の現在の位置情報を取得する。
苗移植機(1)は、圃場(F)における所定の作業エリア内を往復しながら、苗の植付を行う。この場合、直進走行については、コントローラ(100)が自動直進モードを実行することにより、設定された直進走行経路(L1)に沿って自動走行を行う。また、旋回走行については、コントローラ(100)が自動旋回モードを実行することにより、設定された旋回走行経路(L2)に沿って自動旋回を行う。
直進走行経路(L1)は、走行基準となる基準線(L0)に対して平行である。基準線(L0)は、苗の植え付け方向にあわせて、圃場(F)において設定される。コントローラ(100)は、直進走行の開始位置および終了位置をそれぞれ基準始点(A点)および基準終点(B点)として取得し、A点およびB点を結ぶ線分を基準線(L0)として登録する。
また、コントローラ(100)は、自動旋回モードとして、第1旋回動作モードと、第2旋回動作モードとを有する。コントローラ(100)は、第1旋回動作モードおよび第2旋回動作モードを組み合わせることで、自動旋回モードとして実行する。なお、コントローラ(100)は、自動旋回スイッチ(48)が操縦者により「ON」されると、自動旋回モードを実行する。
第1旋回動作モードでは、コントローラ(100)は、苗移植機(1)の旋回中において、ハンドル(35)の操舵量が所定の値になるようステアリングモータ(95)を制御する。この場合、コントローラ(100)は、位置取得装置(150)が取得した位置情報に関わらず処理を実行する。
第2旋回動作モードでは、コントローラ(100)は、苗移植機1の旋回中において、位置取得装置(150)が取得した位置情報に基づいて、旋回走行経路(L2)上のいずれか所望の位置に苗移植機(1)が到達するようステアリングモータ(95)を制御する。
このように、コントローラ(100)が、第1旋回動作モードおよび第2旋回動作モードを有し、機体の旋回中において位置情報に基づいた動作モードではない第1旋回動作モードを実行するため、自動旋回に係る制御の全てに位置情報を用いる必要がない。このため、自動旋回中に位置情報を用いる制御が一部でよくなり、簡素な制御で自動旋回を行うことができる。
なお、コントローラ(100)は、自動旋回モードでは、苗移植機(1)の旋回中において旋回走行経路(L2)からずれて旋回(大回りまたは小回り)している場合には、位置取得装置(150)が取得した位置情報に基づいて補正する。
<第1実施形態に係る自動旋回モード>
次に、図5〜図8を参照して第1実施形態に係る自動旋回モードについて説明する。図5は、第1実施形態に係る自動旋回制御(自動旋回モード)の説明図である。図6は、第1実施形態に係る自動旋回制御(自動旋回モード)の処理手順を示すフローチャートである。
また、図7は、自動旋回制御(自動旋回モード)を開始する制御の処理手順を示すフローチャートである。図8は、第1旋回動作モードから第2旋回動作モードに移行する制御の処理手順を示すフローチャートである。
図5に示すように、第1実施形態に係る自動旋回モードでは、自動直進モードで進行してきた苗移植機1は、予め設定された所望の旋回開始位置(苗移植機1などの農業機械の場合は、1条における作業終了位置でもある)P1に近づいた位置で操縦者により自動旋回スイッチ(48)(図3参照)が押されると、自動旋回を開始する。
自動旋回を開始すると、苗移植機(1)は、第1旋回動作モードによる進行を開始する。第1旋回動作モードでは、苗移植機(1)は、旋回走行経路(L2)に沿って進行し、旋回走行経路(L2)上の終了位置(モード終了位置)P3で第1旋回動作モードによる進行を終了する。苗移植機(1)は、第1旋回動作モードによる進行を終了すると、第2旋回動作モードによる進行を開始する。
第2旋回動作モードでは、苗移植機1は、予め設定された所望の旋回終了位置(苗移植機(1)などの農業機械の場合は、次の条における作業開始位置でもある)P2において次の条の直進走行経路(L1)に沿うように徐々に位置を補正しながら進行(直進)し、第2旋回動作モードによる進行を終了すると、自動直進モードで次の条における進行を開始する。
図6に示すように、第1実施形態では、コントローラ(100)は、自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作されたか否かを判定する(ステップS101)。コントローラ(100)は、自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作された場合(ステップS101:Yes)、苗移植機(1)が旋回開始位置(P1)に到達したか否かを判定する(ステップS102)。コントローラ(100)は、旋回開始位置(P1)に到達したと判定すると(ステップS102:Yes)、第1旋回動作モードの実行を開始する(ステップS103)。
コントローラ(100)は、(ステップ101)の処理において自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作されない場合(ステップS101:No)、「ON」操作されるまでかかる処理を繰り返す。また、コントローラ(100)は、(ステップ102)の処理において苗移植機(1)が旋回開始位置(P1)に到達していない場合(ステップS102:No)、旋回開始位置(P1)に到達するまでかかる処理を繰り返す。
次いで、コントローラ(100)は、苗移植機(1)が第1旋回動作モードの終了位置(モード終了位置)(P3)に到達したか否かを判定する(ステップS104)。コントローラ(100)は、モード終了位置(P3)に到達した場合(ステップS104:Yes)、第1旋回動作モードの実行を終了し(ステップS105)、第2旋回動作モードの実行を開始する(ステップS106)。
コントローラ(100)は、(ステップ104)の処理において苗移植機(1)がモード終了位置(P3)に到達しない場合(ステップS104:No)、モード終了位置(P3)に到達するまでかかる処理を繰り返す。
次いで、コントローラ(100)は、苗移植機(1)が第2旋回動作モードの終了位置でもある旋回終了位置(P2)に到達したか否かを判定する(ステップS107)。コントローラ100は、旋回終了位置(P2)に到達した場合(ステップS107:Yes)、第2旋回動作モードの実行を終了し(ステップS108)、旋回動作モードを終了する。
ここで、コントローラ(100)は、第1旋回動作モードにおいて、たとえば、機体の向きが直進走行時を0度として左右いずれか旋回する側に、たとえば70度になるようステアリングモータ(95)(図3参照)を制御する。コントローラ(100)は、機体の向きが70度になると、直進走行に戻し始めるよう、すなわち、機体の向きが90度になるようステアリングモータ(95)を制御する。
コントローラ(100)は、第1旋回動作モードから第2旋回動作モードに移行する場合、機体の向きが次の条の直進走行経路(L1)に対して、たとえば0〜20度範囲内に入るようステアリングモータ(95)を制御する。コントローラ(100)は、第2旋回動作モードの開始時に機体の向きを0〜20度範囲内に入れておくことで、第2旋回動作モードにおいて位置取得装置(150)(図3参照)が取得する位置情報に基づいて直進走行経路(L1)に沿うよう機体の向きを補正して旋回動作を完了する。
コントローラ(100)は、(ステップS107)の処理において苗移植機1が旋回終了位置P2に到達しない場合(ステップS107:No)、旋回終了位置(P2)に到達するまでかかる処理を繰り返す。コントローラ(100)は、旋回動作モードを終了すると、自動直進モードの実行を開始する。
また、図7に示すように、コントローラ(100)は、図6に示す(ステップS101)の処理において、自動直進モードによる進行中、位置取得装置(150)が取得した位置情報に基づいて、苗移植機(1)の現在位置から旋回開始位置(P1)までの距離が所定の距離D以下であるか否かを判定する(ステップS1011)。コントローラ(100)は、測位情報に基づいて走行距離を算出し、苗移植機(1)の現在位置から旋回開始位置(P1)までの距離が所定の距離D以下であるか否かを判定する。なお、コントローラ(100)は、走行車輪の回転数に基づいて走行距離を算出してもよい。
コントローラ(100)は、今回の直進走行時における植付工程よりも1つ前の植付工程である前工程における走行距離に基づいて上記判定を行う。
今回の植付工程における旋回開始位置(P1)は、今回の植付工程において、前工程における走行距離分、進んだ付近であると予測することができる。例えば、今回の植付工程において実際に旋回が開始される位置は、前工程における走行距離に対して、±5m程度の範囲内であると予測することができる。
そのため、コントローラ(100)は、前工程における走行距離に基づいて旋回開始位置(P1)を予測する。具体的には、コントローラ(100)は、今回の植付工程において直進した距離が、前工程における走行距離となる位置を旋回開始位置(P1)と予測し、苗移植機(1)の現在位置から旋回開始位置(P1)までの距離が所定の距離D以下である場合に、旋回位置付近、すなわち畦際であると判定する。
なお、旋回開始位置(P1)は、測位情報に基づいた座標によって認識されてもよい。
コントローラ(100)は、旋回開始位置(P1)までの距離が所定の距離D以下である場合(ステップS1011:Yes)、自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作されると、第1旋回動作モードを実行する(ステップS1012)。
コントローラ(100)は、(ステップS1011)の処理において旋回開始位置(P1)までの距離が所定の距離Dを超える場合(ステップS1011:No)、自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作されても、第1旋回動作モードを実行しないで(ステップS1013)、自動直進モードを継続する。
また、第1旋回動作モードの終了位置(P3)は、回転数センサ(90)(図3参照)により検出(カウント)された後輪(11)(図1参照)の回転数に基づいて設定される。図8に示すように、コントローラ(100)は、図6に示す(ステップS103)の処理において、第1旋回動作モードの実行を開始すると、これに伴い、後輪(11)の回転数のカウントを開始し(ステップS1031)、後輪(11)の回転数が所定の値(カウント値)になったか否かを判定する(ステップS1032)。
コントローラ(100)は、後輪(11)の回転数が所定のカウント値になった場合(ステップS1032:Yes)、終了位置(P3)に到達したと判断して第1旋回動作モードの実行を終了するとともに第2旋回動作モードを実行する(ステップS1033)。コントローラ(100)は、(ステップS1032)の処理において後輪(11)の回転数が所定のカウント値でない場合(ステップS1032:No)、所定のカウント値になるまでかかる処理を繰り返す。
以上説明した第1実施形態によれば、苗移植機1の旋回開始時には第1旋回動作モードを実行し、旋回終了時には第2旋回動作モードを実行することで、より簡素な制御で自動旋回を行うことができる。
また、第1旋回動作モードの開始に伴い後輪(11)の回転数のカウントを開始し、後輪(11)の回転数が所定のカウント値になると第2旋回動作モードに移行するため、自動旋回中に位置情報を用いる制御が一部でよくなり、簡素な制御で自動旋回を行うことができる。
また、苗移植機(1)の現在位置から旋回開始位置(P1)まで距離が短い場合には自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作されると第1旋回動作モードを実行する。一方、苗移植機(1)の現在位置から旋回開始位置(P1)まで距離が長い場合には自動旋回スイッチ(48)が操作されても第1旋回動作モードを実行しない。このように、たとえば、圃場の中央付近などの旋回開始位置(P1)以外で自動旋回スイッチ(48)が操作(すなわち、誤操作)されても第1旋回動作モードを実行しないことで、誤操作を防止することができる。
また、旋回終了位置(P2)に向けた第2旋回動作モードが終了するとそのまま自動直進モードに移行して自動直進を開始するため、作業を継続的に行うことができ、作業性を向上させることができる。
なお、第1実施形態では、第1旋回動作モードを実行してから第2旋回動作モードを実行するが、変形例として、たとえば、第2旋回動作モードを実行してから第1旋回動作モードを実行して旋回終了位置(P2)に到達させてもよい。
<第2実施形態に係る自動旋回モード>
次に、図9および図10を参照して第2実施形態に係る自動旋回モードについて説明する。図9は、第2実施形態に係る自動旋回制御(自動旋回モード)の説明図である。図10は、第2実施形態に係る自動旋回制御(自動旋回モード)の処理手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、第2実施形態に係る自動旋回モードでは、上記した第1実施形態と同様、自動直進モードで進行してきた苗移植機(1)は、予め設定された所望の旋回開始位置(P1)に近づいた位置で操縦者により自動旋回スイッチ(48)(図3参照)が押されると、自動旋回を開始する。
自動旋回を開始すると、苗移植機(1)は、第2旋回動作モード(1回目)による進行を開始し、旋回走行経路(L2)に沿って進行する。苗移植機(1)は、旋回走行経路(L2)上の終了位置(モード終了位置)(P4)で1回目の第2旋回動作モードによる進行を終了する。
苗移植機(1)は、1回目の第2旋回動作モードによる進行を終了すると、第1旋回動作モードによる進行を開始する。苗移植機(1)は、旋回走行経路(L2)上のモード終了位置(P5)で第1旋回動作モードによる進行を終了する。苗移植機(1)は、第1旋回動作モードによる進行を終了すると、再度第2旋回動作モード(2回目)による進行を開始する。
2回目の第2旋回動作モードでは、苗移植機(1)は、予め設定された所望の旋回終了位置(P2)において次の条の直進走行経路(L1)に沿うように徐々に位置を補正しながら進行(直進)し、2回目の第2旋回動作モードによる進行を終了すると、自動直進モードで次の条における進行を開始する。
図10に示すように、第2実施形態では、コントローラ(100)は、自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作されたか否かを判定する(ステップS201)。コントローラ(100)は、自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作された場合(ステップS201:Yes)、苗移植機(1)が旋回開始位置(P1)に到達したか否かを判定する(ステップS202)。コントローラ(100)は、旋回開始位置(P1)に到達したと判定すると(ステップS202:Yes)、第2旋回動作モード(1回目)の実行を開始する(ステップS203)。
コントローラ(100)は、(ステップ201)の処理において自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作されない場合(ステップS201:No)、「ON」操作されるまでかかる処理を繰り返す。また、コントローラ(100)は、(ステップ202)の処理において苗移植機(1)が旋回開始位置(P1)に到達していない場合(ステップS202:No)、旋回開始位置(P1)に到達するまでかかる処理を繰り返す。
次いで、コントローラ(100)は、苗移植機(1)が1回目の第2旋回動作モードの終了位置(モード終了位置)(P4)に到達したか否かを判定する(ステップS204)。コントローラ(100)は、モード終了位置(P4)に到達した場合(ステップS204:Yes)、1回目の第2旋回動作モードの実行を終了し(ステップS205)、第1旋回動作モードの実行を開始する(ステップS206)。
コントローラ(100)は、(ステップ204)の処理において苗移植機(1)がモード終了位置(P4)に到達しない場合(ステップS204:No)、モード終了位置(P4)に到達するまでかかる処理を繰り返す。
次いで、コントローラ(100)は、苗移植機(1)が第1旋回動作モードの終了位置(モード終了位置)(P5)に到達したか否かを判定する(ステップS207)。コントローラ(100)は、モード終了位置(P5)に到達した場合(ステップS207:Yes)、第1旋回動作モードの実行を終了し(ステップS208)、第2旋回動作モード(2回目)の実行を開始する(ステップS209)。
コントローラ(100)は、(ステップ207)の処理において苗移植機(1)がモード終了位置(P5)に到達しない場合(ステップS207:No)、モード終了位置(P5)に到達するまでかかる処理を繰り返す。
次いで、コントローラ(100)は、苗移植機(1)が2回目の第2旋回動作モードの終了位置でもある旋回終了位置(P2)に到達したか否かを判定する(ステップS210)。コントローラ(100)は、旋回終了位置(P2)に到達した場合(ステップS210:Yes)、2回目の第2旋回動作モードの実行を終了し(ステップS211)、旋回動作モードを終了する。
コントローラ(100)は、(ステップS210)の処理において苗移植機(1)が旋回終了位置(P2)に到達しない場合(ステップS210:No)、旋回終了位置(P2)に到達するまでかかる処理を繰り返す。コントローラ(100)は、旋回動作モードを終了すると、自動直進モードの実行を開始する。
ここで、コントローラ(100)は、第1旋回動作モードから2回目の第2旋回動作モードに移行する場合、機体の向きが次の条の直進走行経路(L1)に対して、たとえば0〜20度範囲内に入るようステアリングモータ(95)を制御する。コントローラ(100)は、2回目の第2旋回動作モードの開始時に機体の向きを0〜20度範囲内に入れておくことで、2回目の第2旋回動作モードにおいて位置取得装置(150)(図3参照)が取得する位置情報に基づいて直進走行経路(L1)に沿うよう機体の向きを補正して旋回動作を完了する。
また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様、コントローラ(100)は、図10に示す(ステップS201)の処理において、自動直進モードによる進行中、位置取得装置(150)(図3参照)が取得した位置情報に基づいて、苗移植機(1)の現在位置が旋回開始位置(P1)までの距離が所定の距離(D)以下であるか否かを判定する。
コントローラ(100)は、旋回開始位置(P1)までの距離が所定の距離(D)以下である場合、自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作されると、1回目の第2旋回動作モードを実行する。
コントローラ(100)は、旋回開始位置(P1)までの距離が所定の距離(D)を超える場合、自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作されても、第1旋回動作モードを実行しないで、自動直進モードを継続する。
また、第2実施形態においても、第1実施形態と同様、第1旋回動作モードの終了位置(P5)は、回転数センサ(90)(図3参照)によりカウントされた後輪(11)(図1参照)の回転数に基づいて設定される。コントローラ(100)は、図10に示す(ステップS206)の処理において、第1旋回動作モードの実行を開始すると、これに伴い、後輪(11)の回転数のカウントを開始し、後輪(11)の回転数が所定のカウント値になったか否かを判定する。
コントローラ(100)は、後輪(11)の回転数が所定のカウント値になった場合、モード終了位置(P5)に到達したと判断して第1旋回動作モードの実行を終了するとともに2回目の第2旋回動作モードを実行する。コントローラ(100)は、後輪(11)の回転数が所定のカウント値でない場合、所定のカウント値になるまでかかる処理を繰り返す。
以上説明した第2実施形態によれば、苗移植機1の旋回開始時には第1旋回動作モードを実行し、旋回終了時には第2旋回動作モードを実行することで、より簡素な制御で自動旋回を行うことができる。
また、1回目の第2旋回動作モードの終了後である旋回途中の機体直進時に第1旋回動作モードを実行するため、第1旋回動作モードにおける後輪(11)のスリップによる走行誤差を減らすことができ、旋回行程の全体として、自動旋回を正確に行うことができる。
また、第1旋回動作モードの開始に伴い後輪(11)の回転数のカウントを開始し、後輪(11)の回転数が所定のカウント値になると2回目の第2旋回動作モードに移行するため、自動旋回中に位置情報を用いる制御が一部でよくなり、簡素な制御で自動旋回を行うことができる。
また、苗移植機(1)の現在位置から旋回開始位置(P1)まで距離が短い場合には自動旋回スイッチ(48)が「ON」操作されると第1旋回動作モードを実行する。一方、苗移植機(1)の現在位置から旋回開始位置(P1)まで距離が長い場合には自動旋回スイッチ(48)が操作されても第1旋回動作モードを実行しない。このように、たとえば、圃場の中央付近などの旋回開始位置(P1)以外で自動旋回スイッチ(48)が操作(すなわち、誤操作)されても第1旋回動作モードを実行しないことで、誤操作を防止することができる。
また、旋回終了位置(P2)に向けた2回目の第2旋回動作モードが終了するとそのまま自動直進モードに移行して自動直進を開始するため、作業を継続的に行うことができ、作業性を向上させることができる。
なお、第2実施形態では、第2旋回動作モードを実行してから第1旋回動作モードを実行し、再度第2旋回動作モードを実行するが、変形例として、たとえば、第1旋回動作モードを実行してから第2旋回動作モードを実行し、再度第1旋回動作モードを実行して旋回終了位置(P2)に到達させてもよい。
また、第1旋回動作モードおよび第2旋回動作モードをそれぞれ2回以上実行する自動旋回モードとしてもよい。
<第3実施形態に係る自動旋回モード>
次に、図11および図12を参照して第3実施形態に係る自動旋回モードについて説明する。図11は、第3実施形態に係る自動旋回制御(自動旋回モード)の説明図である。図12は、第3実施形態に係る自動旋回制御(自動旋回モード)の処理手順を示すフローチャートである。
図11に示すように、第3実施形態は、苗移植機(1)が、畦まで前進し、所定の距離後進してから旋回する、いわゆるドン付きバック旋回の場合における自動旋回モードである。
第3実施形態に係る自動旋回モードでは、自動直進モードで畦際まで進行した苗移植機(1)は、操縦者により変速操作レバー(HSTレバーという)(36)(図3参照)が後進側に操作されると、次の条における作業ライン(旋回走行経路(L2)および次の条の直進走行経路(L1))を取得し、後進動作を含む自動旋回を開始する。
自動旋回を開始すると、苗移植機(1)は、所定の距離後進した後、第2旋回動作モード(1回目)による進行を開始し、旋回走行経路(L2)に沿って進行する。苗移植機(1)は、旋回走行経路(L2)上の終了位置(モード終了位置)(P6)で1回目の第2旋回動作モードによる進行を終了する。
苗移植機(1)は、1回目の第2旋回動作モードによる進行を終了すると、第1旋回動作モードによる進行を開始する。苗移植機(1)は、旋回走行経路(L2)上のモード終了位置(P7)で第1旋回動作モードによる進行を終了する。苗移植機(1)は、第1旋回動作モードによる進行を終了すると、再度第2旋回動作モード(2回目)による進行を開始する。
2回目の第2旋回動作モードでは、苗移植機(1)は、予め設定された所望の旋回終了位置(P2)において次の条の直進走行経路(L1)に沿うように徐々に位置を補正しながら進行(直進)し、2回目の第2旋回動作モードによる進行を終了すると、自動直進モードで次の条における進行を開始する。
図12に示すように、第3実施形態では、コントローラ(100)は、HSTレバー(36)が「後進」側に操作されたか否かを判定する(ステップS301)。コントローラ(100)は、HSTレバー(36)が「後進」側に操作された場合(ステップS301:Yes)、苗移植機(1)の後進を開始する(ステップS302)。
コントローラ(100)は、苗移植機(1)が旋回開始位置(P1)に到達したか否かを判定する(ステップS303)。コントローラ(100)は、旋回開始位置(P1)に到達したと判定すると(ステップS303:Yes)、苗移植機(1)の後進を終了し(ステップS304)、第2旋回動作モード(1回目)の実行を開始する(ステップS305)。
コントローラ(100)は、(ステップ301)の処理においてHSTレバー(36)が「後進」側に操作されない場合(ステップS301:No)、「後進」側に操作されるまでかかる処理を繰り返す。また、コントローラ(100)は、(ステップ303)の処理において苗移植機(1)が旋回開始位置(P1)に到達していない場合(ステップS303:No)、旋回開始位置(P1)に到達するまでかかる処理を繰り返す。
次いで、コントローラ(100)は、苗移植機(1)が1回目の第2旋回動作モードの終了位置(モード終了位置)(P6)に到達したか否かを判定する(ステップS306)。コントローラ(100)は、モード終了位置(P6)に到達した場合(ステップS306:Yes)、1回目の第2旋回動作モードの実行を終了し(ステップS307)、第1旋回動作モードの実行を開始する(ステップS308)。
コントローラ(100)は、(ステップ306)の処理において苗移植機(1)がモード終了位置(P5)に到達しない場合(ステップS306:No)、モード終了位置(P6)に到達するまでかかる処理を繰り返す。
次いで、コントローラ(100)は、苗移植機(1)が第1旋回動作モードの終了位置(モード終了位置)(P7)に到達したか否かを判定する(ステップS309)。コントローラ(100)は、モード終了位置(P7)に到達した場合(ステップS309:Yes)、第1旋回動作モードの実行を終了し(ステップS310)、第2旋回動作モード(2回目)の実行を開始する(ステップS311)。
コントローラ(100)は、(ステップ309)の処理において苗移植機(1)がモード終了位置(P7)に到達しない場合(ステップS309:No)、モード終了位置(P7)に到達するまでかかる処理を繰り返す。
次いで、コントローラ(100)は、苗移植機(1)が2回目の第2旋回動作モードの終了位置でもある旋回終了位置(P2)に到達したか否かを判定する(ステップS312)。コントローラ(100)は、旋回終了位置(P2)に到達した場合(ステップS312:Yes)、2回目の第2旋回動作モードの実行を終了し(ステップS313)、旋回動作モードを終了する。
コントローラ(100)は、(ステップS312)の処理において苗移植機(1)が旋回終了位置(P2)に到達しない場合(ステップS312:No)、旋回終了位置(P2)に到達するまでかかる処理を繰り返す。コントローラ(100)は、旋回動作モードを終了すると、自動直進モードの実行を開始する。
ここで、コントローラ(100)は、第1旋回動作モードから2回目の第2旋回動作モードに移行する場合、機体の向きが次の条の直進走行経路(L1)に対して、たとえば0〜20度範囲内に入るようステアリングモータ(95)を制御する。コントローラ(100)は、2回目の第2旋回動作モードの開始時に機体の向きを0〜20度範囲内に入れておくことで、2回目の第2旋回動作モードにおいて位置取得装置(150)(図3参照)が取得する位置情報に基づいて直進走行経路(L1)に沿うよう機体の向きを補正して旋回動作を完了する。
また、第3実施形態においても、第1および第2実施形態と同様、第1旋回動作モードの終了位置(P7)は、回転数センサ(90)(図3参照)によりカウントされた後輪(11)(図1参照)の回転数に基づいて設定される。コントローラ(100)は、図12に示す(ステップS308)の処理において、第1旋回動作モードの実行を開始すると、これに伴い、後輪(11)の回転数のカウントを開始し、後輪(11)の回転数が所定のカウント値になったか否かを判定する。
コントローラ(100)は、後輪(11)の回転数が所定のカウント値になった場合、モード終了位置(P7)に到達したと判断して第1旋回動作モードの実行を終了するとともに2回目の第2旋回動作モードを実行する。コントローラ(100)は、後輪(11)の回転数が所定のカウント値でない場合、所定のカウント値になるまでかかる処理を繰り返す。
なお、コントローラ(100)は、旋回動作初期の後進走行においても、走行車輪である後輪(11)の回転数に基づいて旋回開始位置(P1)に到達したか否かを判定する。
以上説明した第3実施形態によれば、第1および第2実施形態と同様、苗移植機(1)の旋回開始時には第1旋回動作モードを実行し、旋回終了時には第2旋回動作モードを実行することで、より簡素な制御で自動旋回を行うことができる。
また、1回目の第2旋回動作モードの終了後である旋回途中の機体直進時に第1旋回動作モードを実行するため、第1旋回動作モードにおける後輪(11)のスリップによる走行誤差を減らすことができ、旋回行程の全体として、自動旋回を正確に行うことができる。
また、第1旋回動作モードの開始に伴い後輪(11)の回転数のカウントを開始し、後輪(11)の回転数が所定のカウント値になると2回目の第2旋回動作モードに移行するため、自動旋回中に位置情報を用いる制御が一部でよくなり、簡素な制御で自動旋回を行うことができる。
また、旋回終了位置(P2)に向けた2回目の第2旋回動作モードが終了するとそのまま自動直進モードに移行して自動直進を開始するため、作業を継続的に行うことができ、作業性を向上させることができる。
なお、第3実施形態においても、変形例として、たとえば、第1旋回動作モードを実行してから第2旋回動作モードを実行し、再度第1旋回動作モードを実行して旋回終了位置(P2)に到達させてもよい。
また、第1旋回動作モードおよび第2旋回動作モードをそれぞれ2回以上実行する自動旋回モードとしてもよい。
なお、第1〜第3実施形態において、コントローラ(100)は、自動旋回モードでは、苗移植機1の走行速度に上限値を設定して車速を制限することが好ましい。これにより、旋回動作が安定して安全性を確保することができる。また、コントローラ(100)は、位置取得装置(150)からの位置情報に基づいて旋回終了と判断すると、車速の制限を解除して変速操作レバー(HSTレバー)(36)の位置に応じた車速とする。
また、第1〜第3実施形態において、コントローラ(100)は、後輪(11)の回転数を変更可能に設定する。また、コントローラ(100)は、自動直進モードまたは自動旋回モードの実行中に操縦者によりアシストレバーが「上げ」操作された場合には、それぞれのモードを解除する。
また、第1〜第3実施形態において、コントローラ(100)は、自動旋回モードの実行中において操縦者によりZターンを「OFF」にするよう操作された場合には、自動旋回モードを解除する。また、コントローラ(100)は、自動旋回モードの実行中において操縦者により線引きマーカ自動昇降スイッチ(49)(図3参照)が「OFF」操作された場合には、自動旋回モードを解除する。
また、第1〜第3実施形態において、コントローラ(100)は、自動旋回モードの実行中において操縦者によりHSTレバー(変速操作レバー)(36)(図3参照)が「後進」側に操作された場合には、自動旋回モードを解除する。また、コントローラ(100)は、自動旋回モードの実行中において操縦者によりハンドル(35)(図3参照)が操作された場合には、自動旋回モードを解除する。
また、第1〜第3実施形態において、コントローラ(100)は、自動旋回モードの実行中において苗移植機(1)が停止したりエンジン(30)(図1参照)が停止した場合には、自動旋回モードを一時中断(保留)する。また、コントローラ(100)は、自動旋回モードの実行中において苗移植機(1)が停止したりエンジン(30)が停止した場合に自動旋回モードを中止するよう制御してもよい。
また、第1〜第3実施形態において、コントローラ(100)は、畦際警報解除スイッチが押されると、畦際警報作動時に畦際停止を解除する。また、コントローラ(100)は、自動旋回が可能か否かをモニタ(86)(図3参照)に表示させてもよい。なお、コントローラ(100)は、自動旋回が不可能な場合には、たとえば、モニタ(86)にアラートを表示させてもよい。
また、第3実施形態において、コントローラ(100)は、苗移植機(1)が後進中に停車しても、自動旋回モードを中止しない。これにより、たとえば、苗つなぎなどのアクシデントにより後進時に停車しても、自動旋回を継続することができる。
また、第1〜第3実施形態において、自動旋回モード(第3実施形態においては、自動旋回モードのうち後進動作を除いた動作)を、第1旋回動作モードのみで完了するよう構成してもよいし、第2旋回動作モードのみで完了するよう構成してもよい。
また、第1〜第3実施形態において、自動旋回の開始は、苗植付部(4)を昇降させる昇降動作の「上げ動作」が行われるタイミングであってもよい。すなわち、自動旋回スイッチ(48)は、操縦者の操作によって苗植付部(4)を上昇させるスイッチであってもよく、苗植付部(4)の上昇を検知、または苗植付部(4)を上昇させる制御の開始を検知する検知部であってもよい。
また、自動旋回の開始は、苗植付装置(55)への動力伝達が「切り」になるタイミングや、施肥装置(5)の繰出装置(71)が停止するタイミングや、整地ロータ(63)への動力伝達が「切り」になるタイミングであってもよい。
このように、自動旋回を開始するタイミングは、苗植付部(4)などの圃場作業装置の駆動が「切り」になるタイミングであればよい。
また、作業車両(1)は、トラクターであってもよい。この場合、圃場作業装置は、ロータリなどである。トラクターの旋回においても、上記旋回制御を適用することができる。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
次に図13について説明する。ステアリング装置35内右手前(左手前でも可)にスイッチTSを取り付ける。
実植え作業走行中にこのスイッチTSを押すと、走行している速度より2/3の速度に減速し、もう一度押すと元の速度に戻るように構成する。推奨する使い方は、実植え作業時に旋回動作と合わせて使用し、直進時はオペレータの好みの作業速度で走行し、あぜ際にて旋回する手前でこのスイッチTSを押し減速して旋回し、旋回後直進し始めてからもう一度このスイッチTSを押して元の速度で走行し始める。
また、増減速させる割合は、マイコンチェッカー等でオペレータの好みに合わせて変更出来るものとする。スイッチTSの配置は、オペレータがステアリング装置35を握ったまま指で操作出来る配置にする。このスイッチの名称は何でも良いが、ここでは「TURN」スイッチTSとしておく。
これにより、旋回時の増減速をオペレータはステアリング装置35を握ったまま指でのスイッチTS操作1つで行うことが出来るようになり、減速して旋回したい場合にステアリング装置35から手を離して変速操作部36を操作する必要無く操作出来るため、操作性が良くなる。
植付作業時であっても、高速での植付作業時の旋回時の減速は結局はステアリング装置35から手を離し変速操作部36を握っての操作になっておりわずらわしかったが、このような構成にすることで常にステアリング装置35を握ったまま旋回動作と増減速をしながらの作業を続けることが出来、楽に安全に操作出来るようになる。
実植え作業直進時であっても少し周りを確認したい場合などにこのスイッチTSを使って減速させて振り向いたりすると安心して作業が出来たりするなど、このスイッチTSでの増減速は旋回時に限らず様々な場面で利用出来るとも考えられる。
ステアリング装置35内右手前(左手前でも可)に設けたスイッチTSにより一定の割合での増減速をさせる構成において、電動HST構成との組み合わせで、このスイッチTSを押した際に、変速操作部36のポジションとHSTトラニオンアームのポジションがずれることになる。このずれた状態で変速操作部36を操作した場合、HSTトラニオンアームは変速操作部36を減速しているHSTトラニオンアームのポジションまで一度減速操作をしない限り増速はしないように構成する。
また、このずれた状態で変速操作部36を操作し、変速操作部36とHSTトラニオンアームのポジションが再び合ったところでスイッチTS操作での減速はリセットされるものとし、そこでスイッチTSを押しても増速しないものとする。
加えて、このずれた状態で変速操作部36を操作した際に、減速したHSTトラニオンアームのポジションまで動かさずにそれ以外のポジションで止めて再びスイッチTSを押して増速させた場合は、この時の変速操作部36のポジションまで増速するように構成する。加えて、このずれた状態でキースイッチによりエンジンを止めた際もリセットされるものとする。
これにより、このホ゛タンを押して変速操作部36のポジションとHSTトラニオンアームのポジションがずれた後に、変速操作部36を減速操作したにもかかわらずそのポジションに合わせるように突然HSTトラニオンアームが増速してしまうなど、変速操作部36の操作方向と逆方向の動きを機械がすることは無くなり、安全性が確保された構成にすることが出来る。
また、このスイッチTSの周辺に植付及び植付部下降スイッチSS、植付部上昇スイッチASを合わせて設けても良い。これらの配置も、オペレータがステアリングを握ったまま指で操作出来る配置に構成する。
旋回時の自動昇降機能や全手動操作でも同様にステアリング装置35から手を離すことなく一定の割合での増減速をさせながらの連続しての実植え作業が出来、よりオペレータの使い勝手に合わせた構成にすることが出来、作業適応性が向上する。
1 苗移植機(作業車両)
2 走行車体
10 前輪(走行車輪)
35 ハンドル(ステアリング装置)
36 変速操作レバー(変速操作部)
90 回転数センサ(検出装置)
95 ステアリングモータ(モータ)
100 コントローラ(制御装置)
150 位置取得装置
L1 直進走行経路
L2 旋回走行経路
P2 旋回終了位置
TS スイッチ

Claims (6)

  1. 走行車体(2)に取り付けられた走行車輪(10,11)と、前記走行車輪(10)の操舵量を調整するステアリング装置(35)と、前記ステアリング装置(35)を駆動するモータ(95)と、測位手段から測位情報を受け取り、受け取った測位情報に基づいて機体の現在の位置情報を取得する位置取得装置(150)と、前記モータ(95)を制御する制御装置(100)と、を備え、機体の旋回中において、
    あらかじめ設定された所定の低い速度を維持するスイッチ(TS)を前記ステアリング装置に備えたことを特徴とする作業車両。
  2. 走行車体の車速を調節する変速操作部(36)を設け、前記スイッチ(TS)の操作により、前記所定の低い速度を維持しているときは、前記変速操作部(36)による、高速側への操作を受け付けないことを特徴とする請求項1に記載の作業車両。
  3. 前記スイッチ(TS)の操作により、前記所定の低い速度を維持しているときは、前記変速操作部(36)により、前記所定の低い速度よりも更に低い速度側へ操作を行うと、前記変速操作部(36)の高速側への操作を受け付けることを特徴とする請求項1または2に記載の作業車両。
  4. 前記制御する制御装置(100)により、機体の旋回中において、前記位置情報に関わらず前記操舵量が所定の値になるよう前記モータ(95)を制御して実行する第1旋回動作モードと、前記位置情報に基づいて、旋回走行経路(L2)上における所望の方位に機体が到達するよう前記モータ(95)を制御して実行する第2旋回動作モードと、を有することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の作業車両。
  5. 前記制御装置(100)は、機体の旋回開始時には前記第2旋回動作モードを実行し、前記第2旋回動作モードが終了すると前記第1旋回動作モードを実行し、前記第1旋回動作モードが終了すると前記第2旋回動作モードを実行することを特徴とする請求項4に記載の作業車両。
  6. 前記走行車輪(11)の回転数を検出する検出装置(90)をさらに備え、前記検出装置(90)は、前記第1旋回動作モードの開始に伴い前記回転数の検出を開始し、前記制御装置(100)は、前記回転数が所定の値になると前記第2旋回動作モードに移行することを特徴とする請求項4または5に記載の作業車両。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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