JP2021116112A - ポリエステル容器およびポリエステルプリフォーム - Google Patents
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Abstract
Description
また、このポリエステル容器の製造に用いるポリエステルプリフォームを提供することである。
ポリエステル容器内の異なる5箇所をTG−DTAで測定した際に、熱分解開始温度の標準偏差が、2.0℃以上5.0℃以下である、ポリエステル容器である。
ポリエステルプリフォームがポリエステルにより構成された、ポリエステルプリフォーム。
また、このポリエステル容器の製造に用いるポリエステルプリフォームを提供することができる。
本発明のポリエステル容器は、ポリエステルにより構成されている。本発明において、「ポリエステル」とは、ジカルボン酸化合物とジオール化合物との共重合体を意味する。
ジカルボン酸化合物としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸、エイコサンジオン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、メチルマロン酸およびエチルマロン酸、アダマンタンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,8−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、フェニルエンダンジカルボン酸、アントラセンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、9,9’−ビス(4−カルボキシフェニル)フルオレン酸およびこれらのエステル誘導体などが挙げられる。
ジオール化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、シクロヘキサンジエタノール、デカヒドロナフタレンジメタノール、デカヒドロナフタレンジエタノール、ノルボルナンジメタノール、ノルボルナンジエタノール、トリシクロデカンジメタノール、トリシクロデカンエタノール、テトラシクロドデカンジメタノール、テトラシクロドデカンジエタノール、デカリンジメタノール、デカリンジエタノール、5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサン、シクロヘキサンジオール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシルプロパン)、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)シクロヘキシル)プロパン、シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタジオール、4−シクロペンテン−1,3−ジオール、アダマンジオール、パラキシレングリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールS、スチレングリコール、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトールなどが挙げられる。
ポリエステルは、テレフタル酸と、エチレングリコールとの共重合体であるポリエチレンテレフタレート、またはこれに共重合モノマーが添加された改質ポリエチレンテレフタレートであることが好ましい。
ポリマーの熱分解開始温度は、原料のモノマーが同一であっても、分子量や立体構造などにより異なることが知られ、また、ポリマーは分子量や立体構造などによって機械的強度は異なる。即ち、異なる熱分解開始温度を有するポリマーは、原料のモノマーが同一であっても、機械的強度は異なる。ポリエステル容器を押し潰す際には、容器内の比較的機械的強度が低い箇所から変形が始まり、この箇所に応力が集中すると考えられる。そのため、容器内における機械的強度が均一のものよりも、容器内における機械的強度が異なる箇所が点在するものの方が、容易に押し潰すことができると考えられる。
本発明のポリエステル容器は、ポリエステル容器内の異なる5箇所において測定した熱分解開始温度の標準偏差を2.0℃以上とすることにより、ポリエステル容器内において機械的強度の異なる箇所が点在し、その結果、容易に押し潰すことができると考えられる。
また、上記熱分解開始温度の標準偏差を5.0℃以下することにより、ポリエステル容器として必要な強度を保つことができる。
本発明のポリエステル容器において好ましい熱分解開始温度の標準偏差は、2.0℃以上4.5℃以下であり、より好ましくは2.5℃以上4.0℃以下である。
熱分解開始温度の測定は、まず、ポリエステル容器の一部約6〜8mgの試料をアルミニウムパンに秤量する。続いて、175ml/minの空気気流下にて、試料を30℃で10分間保持し、その後、10℃/minの昇温温度で600℃まで昇温する。図1に示すように、30℃〜300℃までのTG曲線の接線と、高温度側で急激に重量減少するTG曲線の変曲点の接線が交差する点の温度を熱分解開始温度とした。なお、装置としては、(株)島津製作所製のDTA−60Aを用いることができる。
ポリエステル容器内の異なる5箇所の試料において、TG−DTAにより熱分解開始温度を測定し、以下の式(I)から標準偏差を算出する。
「リサイクルポリエステル」とは、ケミカルリサイクルポリエステルまたはメカニカルリサイクルポリエステルを指す。
ケミカルリサイクルポリエステルとは、ポリエステル容器をモノマーレベルまで分解して、再度重合することにより得られたポリエステルを指す。
メカニカルリサイクルポリエステルとは、ポリエステル容器を選別・粉砕・洗浄して汚染物質や異物を除去し、フレークを得て、フレークをさらに高温・減圧下などで一定時間処理して樹脂内部の汚染物質を除去することにより得られたポリエステルを指す。
ポリエステル容器は、飲料物の保存用途以外にも、非食品(例えば、農薬や機械油)の保存などにも用いられている。このような非食品の保存などに用いられたポリエステル容器をリサイクルした場合に、洗浄による汚染物質の除去が不十分であると、リサイクルポリエステルを用いたポリエステル容器において、充填された内容物へ汚染物質が溶出する恐れがある。そのため、ポリエステル容器のポリエステルを、バージンリサイクルポリエステルを含むものとすることにより、ポリエステル容器の衛生性を向上することができる。
また、ポリエステル容器のポリエステルは、リサイクルポリエステルと、バージンポリエステルとを含むものであってもよい。
リサイクルポリエステルの含有量を、ポリエステル容器に含まれる樹脂材料の総量100質量部に対し、30質量部以上とすることにより、ポリエステル容器の環境負荷低減性をより向上することができる。
リサイクルポリエステルの含有量を、ポリエステル容器に含まれる樹脂材料の総量100質量部に対し、95質量部以下とすることにより、ポリエステル容器の衛生性をより向上することができる。また、後述するようにポリエステル容器が第2層を備える場合には、ポリエステルプリフォーム作製においてリサイクルポリエステルが第1層側または第3層側へ露出してしまうことを防止することができる。
本発明のポリエステル容器に、加熱された内容物を充填する場合や、内容物の充填後に加熱するポリエステル容器の場合には、アンチモン触媒以外の触媒を用いて重合することが好ましい。これにより、内容物へのアンチモンの溶出を防止することができる。
チタン触媒としては、例えば、テトラ−n−プロピルチタネート、テトラ−i−プロピルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネート、テトラ−n−ブチルチタネートテトラマー、テトラ−t−ブチルチタネート、テトラシクロヘキシルチタネート、テトラフェニルチタネート、テトラベンジルチタネートなどのチタンアルコキシド、チタンアルコキシドの加水分解により得られるチタン酸化物、酢酸チタン、シュウ酸チタン、シュウ酸チタンカリウム、シュウ酸チタンナトリウム、チタン酸カリウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸−水酸化アルミニウム混合物、塩化チタン、塩化チタン−塩化アルミニウム混合物、臭化チタン、フッ化チタン、六フッ化チタン酸カリウム、六フッ化チタン酸コバルト、六フッ化チタン酸マンガン、六フッ化チタン酸アンモニウムおよびチタンアセチルアセトナートなどが挙げられる。
アルミニウム触媒としては、例えば、アルミニウムトリスアセチルアセテート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)およびエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレートなどが挙げられる。
リチウム触媒としては、例えば、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウおよびフェニルリチウムなどが挙げられる。
ゲルマニウム触媒としては、例えば、二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラメトキシド、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラプロポキシド、ゲルマニウムテトラブトキシド、ゲルマニウムテトラペンタキシドおよびゲルマニウムテトラヘキソキシドなどが挙げられる。
アンチモン触媒としては、例えば、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、酢酸アンチモン、トリフェニルアンチモン、アンチモングリコールなどが挙げられる。
なお、DLC膜からなる硬質炭素膜とは、iカーボン膜または水素化アモルファスカーボン膜(a−C:H)とも呼ばれる硬質炭素膜のことで、SP3結合を主体にしたアモルファスな炭素膜のことである。
なお、一実施形態において、「底部」とは、ポリエステル容器を自立させた場合の接地部から内側の部分を意味する。
以下、本発明のポリエステル容器が多層構造を有する実施形態の一例について、図3〜図7を参照して説明する。
第2層23は、例えば、口部11の上端から底部15にかけて設けられていてもよい(図5および図6参照)。
また、第2層23は、ポリエステル容器の一部、例えば、口部11の下端から底部15にかけて設けられていてもよい(図7参照)。なお、第1層22および第3層24が同じ材料から構成されている場合、図7に示すように、第2層23が設けられていない箇所において、これらの層は単層となる。
ポリエステル容器の容量/重量を5mL/g以上とすることにより、ポリエステル容器のブロー成形性を向上することができると共に、ポリエステルの使用量が過剰となってしまうことを防止でき、廃棄されるポリエステルの量を削減することができるため環境負荷低減をより向上することができる。
また、ポリエステル容器の容量/重量を50mL/g以下とすることにより、ポリエステル容器の強度を向上することができる。
断面の厚さを0.05mm以上とすることにより、ポリエステル容器の強度をより向上することができる。
また、断面の厚さを0.54mm以下とすることにより、ポリエステル容器のブロー成形性を向上することができる。また、ポリエステルの使用量が過剰となってしまうことを防止でき、環境負荷を低減することができる。
なお、ポリエステル容器の断面の厚さは、例えば、ポリエステル容器の胴部において、断面の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
一実施形態において、本発明のポリエステル容器が備える第1層は、上記したバージンポリエステルにより構成されている。これにより、ポリエステル容器にリサイクルポリエステルを使用した場合であっても、リサイクルポリエステルが内容物に接触することを防止でき、ポリエステル容器の衛生性を向上することができる。
本発明のポリエステル容器に、加熱された内容物を充填する場合や、内容物の充填後に加熱するポリエステル容器の場合には、第1層のバージンポリエステルは、アンチモン触媒以外の触媒を用いて重合することが好ましい。これにより、内容物へのアンチモンの溶出を防止することができる。
一実施形態において、第1層は、口部の上端の下5〜70mmの位置から、底部15にかけて設けられる。好ましくは、第1層は、口部の上端の下5〜15mmの位置から、底部15にかけて設けられている。
第1層を口部の上端の下5〜70mmの位置から、底部にかけて設けることにより、第1層により内容物充填領域を覆うことができ、ポリエステル容器にリサイクルポリエステルを使用した場合であっても、リサイクルポリエステルが内容物に接触することを防止でき、ポリエステル容器の衛生性をより向上することができる。
また、第1層を口部の上端の下5〜70mmの位置から、底部にかけて設けることにより、自動機でのキャッピングの際に口部の割れが発生してしまうことを効果的に防止することができる。
また、第1層は、口部の上端の下15mmの位置から、底部にかけて設けられていることが好ましい。これにより、第1層により内容物充填領域を覆うことができ、ポリエステル容器にリサイクルポリエステルを使用した場合であっても、リサイクルポリエステルが内容物に接触することを防止でき、ポリエステル容器の衛生性をより向上することができる。
さらに、本発明のポリエステル容器において、第1層は、口部の上端から、底部にかけて設けられていることがさらに好ましい。これにより、自動販売機などの中において横に倒した状態で、加温保管した場合であっても、リサイクルポリエステルが内容物に接触することをより軽減でき、ポリエステル容器の衛生性をより向上することができる。
第1層の厚さを0.01mm以上とすることにより、ポリエステル容器にリサイクルポリエステルを使用した場合であっても、リサイクルポリエステルが内容物に接触することを効果的に防止することができる。
また、第1層の厚さを0.33mm以下とすることにより、ポリエステル容器における第2層の割合を増やすことができ、ポリエステル容器の環境負荷低減性をより向上することができる。
なお、第1層の厚さは、例えば、ポリエステル容器の胴部において、第1層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
一実施形態において、本発明のポリエステル容器が備える第2層は、上記したリサイクルポリエステルにより構成されている。これにより、ポリエステル容器の環境負荷低減性をより向上することができる。
第2層の厚さを0.04mm以上とすることにより、ポリエステル容器の環境負荷低減性をより向上することができる。
また、第2層の厚さを0.49mm以下とすることにより、ポリエステルプリフォーム作製においてリサイクルポリエステルが内容物側へ露出してしまうことを防止することができる。
なお、第2層の厚さは、例えば、ポリエステル容器の胴部において、第2層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
一実施形態において、本発明のポリエステル容器が備える第3層は、上記したバージンポリエステルにより構成されている。このような構成とすることにより、ポリエステル容器の耐熱性および強度を向上することができる。
第3層の厚さを0.01mm以上とすることにより、ポリエステル容器の耐熱性および強度をより向上することができる。
また、第3層の厚さを0.1mm以下とすることにより、第2層のポリエステル容器における割合を増やすことができ、ポリエステル容器の環境負荷低減性をより向上することができる。
なお、第3層の厚さは、例えば、ポリエステル容器の胴部において、第3層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
本発明のポリエステルプリフォームは、ポリエステル容器の製造に用いるものである。
本発明のポリエステルプリフォームは、ポリエステルにより構成されている。
一実施形態において、図8に示すように、口部31は、上記したポリエステル容器10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、一実施形態において、胴部32は、上記したポリエステル容器10の首部12、肩部13および胴部14に対応するものであり、略円筒形状を有している。また、一実施形態において、底部33は、上記したポリエステル容器10の底部15に対応するものであり、略半球形状を有している。
また、一実施形態において、口部31は、図8に示すように、キャップが螺着されるネジ部34と、ネジ部34下にカブラ35と、カブラ35下にサポートリング36を備える。
本発明のポリエステルプリフォームが多層構造を有する実施形態の一例について、図9〜図13を参照して説明する。
第2層38は、例えば、底部33の下端から口部31の上端にかけて設けられていてもよい(図11および図12参照)。
また、第2層38は、ポリエステルプリフォームの一部、例えば、底部33の下端から口部31の下端にかけて設けられていてもよい(図13参照)。なお、第1層37および第3層39が同じ材料から構成されている場合、図13に示すように、第2層38が設けられていない箇所において、これらの層は単層となる。
なお、ポリエステルプリフォームの断面の厚さは、例えば、ポリエステルプリフォームの胴部において、断面の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
一実施形態において、ポリエステルプリフォーム30は、図9および図11に示すように、底部33の下端から口部31の上端までの距離をLとしたときに、第1層37が、下端から0.4L以上0.97L以下の範囲に設けられている。
第1層37が、底部33の下端から0.4L以上の範囲に設けられていることにより、ポリエステルプリフォームをブロー成形し、ポリエステル容器としたときに、第1層により内容物充填領域を覆うことができ、リサイクルポリエステルを使用した場合であっても、リサイクルポリエステルが内容物に接触することを防止でき、ポリエステル容器の衛生性をより向上することができる。
また、第1層37が、底部33の下端から0.97L以下の範囲に設けられていることにより、ポリエステルプリフォームをブロー成形し、ポリエステル容器としたときに、自動機でキャッピングを行う際に、口部の割れが発生してしまうことを効果的に防止することができる。
ポリエステルプリフォームにおける第1層の厚さは、例えば、ポリエステルプリフォームの胴部において、第1層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
ポリエステルプリフォームにおける第2層を構成する材料については、ポリエステル容器における第2層を構成する材料と同様のものを用いることができる。
ポリエステルプリフォームにおける第2層の厚さは、例えば、ポリエステルプリフォームの胴部において、第2層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
ポリエステルプリフォームにおける第3層を構成する材料については、ポリエステル容器における第3層を構成する材料と同様のものを用いることができる。
ポリエステルプリフォームにおける第3層の厚さは、例えば、ポリエステルプリフォームの胴部において、第3層の厚さが最も薄くなる箇所を意味する。
一実施形態において、図2に記載のポリエステル容器は、上記したポリエステルを、射出成形することにより、ポリエステルプリフォームを作製し、これをブロー成形することにより製造することができる。
さらに、図3などに記載のポリエステル容器は、内部金型内にバージンポリエステルを射出成形し、第1層を形成し、内部金型を後退させ、内部金型と第1層との間に隙間を設け、この隙間にリサイクルポリエステルを射出成形し、第2層を形成することにより製造することができる。
第2層をプリフォームの一部に形成する場合には、特開2008−94454号公報において開示されるホットランナーノズルを使用することが好ましい。
さらに、図5などに記載のポリエステル容器は、内部金型内にバージンポリエステルを射出成形し、第1層を形成し、内部金型を後退させ、内部金型と第1層との間に隙間を設け、この隙間にリサイクルポリエステルを射出成形し、第2層を形成し、内部金型を後退させ、内部金型と第1層および第2層との間に隙間を設け、この隙間にバージンポリエステルを射出成形し、第3層を形成することにより製造することができる。
TG−DTAによって、ポリエステル容器およびポリエステルペレットの熱分解開始温度の測定を行った。測定する試料数は5個である。装置としては、(株)島津製作所製のDTA−60Aを用いた。
測定は、まず、ポリエステル容器の高さ方向中間部にて、周方向に異なる5箇所をカットして、一片が約0.4cmの正方形の試料を5個準備した。5個の試料からそれぞれ約7mgをアルミニウムパンに秤量した。続いて、175ml/minの空気気流下にて、試料を30℃で10分間保持し、その後、10℃/minの昇温温度で600℃まで昇温した。図1に示すように、30℃〜300℃までのTG曲線の接線と、高温度側で急激に重量減少するTG曲線の変曲点の接線が交差する点の温度を熱分解開始温度とした。なお、図1で示す試料の熱分解開始温度は、399.52℃であった。
ポリエステル容器内の異なる5箇所の試料において、TG−DTAにより熱分解開始温度を測定し、以下の式(I)から標準偏差を算出した。
射出成形機を用いて、熱分解開始温度が395.5℃であるメカニカルリサイクルポリエステルから、口部と、胴部と、底部とを備えるポリエステルプリフォームを作製した。ポリエステルプリフォームの口部は、口部の上端から雄ネジ部、カブラおよびサポートリングを順に備えている。
ポリエステルプリフォームの胴部における断面の厚さは3.5mm、目付量は22gであった。
実施例1とは異なる、熱分解開始温度が397.7℃であるメカニカルリサイクルポリエステルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルプリフォームを作製した。ポリエステルプリフォームの胴部における断面の厚さは3.5mm、目付量は22gであった。また、本実施例のポリエステルプリフォームを用いて、実施例1と同様にしてポリエステル容器を作製し、熱分解開始温度の測定を行った。ポリエステル容器の胴部における断面の厚さは0.32mmであった。熱分解開始温度は396.3℃であり、熱分解開始温度の標準偏差は3.3℃であった。
熱分解開始温度が395.5℃であるメカニカルリサイクルポリエステルと、熱分解開始温度が401.8℃であるリサイクルがされていないポリエステルを用意した。
これらを、射出成形機を用いて共射出し、リサイクルがされていないポリエステルから構成される第1層と、メカニカルリサイクルポリエステルから構成される第2層とを備える、図10に示す、多層(2種2層)プリフォームを作成した。
メカニカルリサイクルポリエステルの使用量は、多層プリフォームを構成する樹脂材料100質量部に対し、80質量部となるように調整した。
多層プリフォームの胴部における断面の厚さは3.5mm、目付量は22gであった。
熱分解開始温度が395.5℃であるメカニカルリサイクルポリエステルと、熱分解開始温度が401.8℃であるリサイクルがされていないポリエステルを用意した。
これらを、射出成形機を用いて共射出し、リサイクルがされていないポリエステルから構成される第1層と、メカニカルリサイクルポリエステルから構成される第2層と、リサイクルがされていないポリエステルから構成される第3層を備える、図12に示す、多層(2種3層)プリフォームを作成した。
メカニカルリサイクルポリエステルの使用量は、多層プリフォームを構成する樹脂材料100質量部に対し、50質量部となるように調整した。
多層プリフォームの胴部における断面の厚さは3.5mm、目付量は22gであった。
熱分解開始温度が401.8℃であるリサイクルがされていないポリエステルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルプリフォームを作製した。ポリエステルプリフォームの胴部における断面の厚さは3.5mm、目付量は22gであった。また、本比較例のポリエステルプリフォームを用いて、実施例1と同様にしてポリエステル容器を作製し、熱分解開始温度の測定を行った。ポリエステル容器の胴部における断面の厚さは0.32mmであった。熱分解開始温度は395.4℃であり、熱分解開始温度の標準偏差は0.3℃であった。
熱分解開始温度が381.0℃であるメカニカルリサイクルポリエステルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ポリエステルプリフォームを作製した。ポリエステルプリフォームの胴部における断面の厚さは3.5mm、目付量は22gであった。また、本比較例のポリエステルプリフォームを用いて、実施例1と同様にしてポリエステル容器を作製し、熱分解開始温度の測定を行った。ポリエステル容器の胴部における断面の厚さは0.32mmであった。熱分解開始温度は377.4℃であり、熱分解開始温度の標準偏差は1.0℃であった。
上記実施例および比較例において得られた容器の胴部を手で押し潰し、潰しやすさを下記評価基準に基づいて評価した。評価の参加者は5人である。
評価結果を表1にまとめた。
(評価基準)
A:比較例1と比較して、潰しやすい。
B:比較例1と比較して、潰しやすさは同等。
11:口部
12:首部
13:肩部
14:胴部
15:底部
16:ネジ部
17:カブラ
18:サポートリング
19:陥没部
20:接地部
21:パネル部
22:第1層
23:第2層
24:第3層
30:ポリエステルプリフォーム
31:口部
32:胴部
33:底部
34:ネジ部
35:カブラ
36:サポートリング
37:第1層
38:第2層
39:第3層
Claims (8)
- ポリエステルにより構成されたポリエステル容器であって、
前記ポリエステル容器内の異なる5箇所をTG−DTAにより測定した際に、熱分解開始温度の標準偏差が、2.0℃以上5.0℃以下である、ポリエステル容器。 - 前記ポリエステル容器が、内層を構成している第1層と、第2層とを有し、
前記第1層が、バージンポリエステルにより構成され、
前記第2層が、リサイクルポリエステルにより構成されている、請求項1に記載のポリエステル容器。 - 前記ポリエステル容器が、外層を構成している第3層をさらに有し、
前記第3層が、バージンポリエステルにより構成されている、請求項2に記載のポリエステル容器。 - 前記ポリエステル容器が、口部と、首部と、肩部と、胴部と、底部とを備え、
前記第1層が、内容物充填領域に設けられている、請求項2または3に記載のポリエステル容器。 - 前記ポリエステル容器が、口部と、首部と、肩部と、胴部と、底部とを備え、
前記第1層が、前記口部の上端から前記底部にかけて設けられている、請求項2または3に記載のポリエステル容器。 - 前記ポリエステルが、ポリエチレンテレフタレートまたは改質ポリエチレンテレフタレートである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリエステル容器。
- 前記ポリエステル容器の断面の厚さが、0.05mm以上0.54mm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリエステル容器。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリエステル容器を製造するためのポリエステルプリフォームであって、
前記ポリエステルプリフォームがポリエステルにより構成された、ポリエステルプリフォーム。
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