本発明は一般に無線通信の分野に関する。より詳細には、本発明はOFDMA(直交周波数分割多元接続:orthogonal frequency division multiple access)シグナリング及び非OFDMAシグナリングの共存に関する。
OFDMAシグナリング及び非OFDMAシグナリングの共存が有益な場合がある数多くのシナリオがある。本明細書において例示として使用されることになる、そのようなタイプのシナリオは、無線通信においてモノのインターネット(IoT:Internet of Things)の概念が顕著になりつつあるシナリオである。
モノのインターネットは、接続される通信デバイスの数を著しく増大させると予想される。これらのデバイスのうちの多くは、通常、免許不要帯域、例えば、2.4GHz ISM(工業、科学及び医療)帯域において動作することができる。IoTサービスにおいて顕著になると予想される例示的な通信規格が、ブルートゥース無線技術(これ以降、ブルートゥース)、特にブルートゥースローエナジー(BLE:Bluetooth Low Energy)、そして802.11ax等のIEEE802.11の将来のバージョンである。また、より安価に実現できるようにし、そして、より高いエネルギー効率で通信できるようにするために、IEEE802.11の将来のバージョンは、本明細書においてNB−WiFiと呼ばれる、より効率的な狭帯域伝送をサポートできると予想することもできる。また、そのようなNB−WiFiバージョンは、少なくとも部分的に802.11ax上に構築されるものと予想することができる。
IoTは通常、低いデータ速度(一度に伝送するデータ量が少ない、及び/又はスケア伝送(scares transmission))を必要とすると考えられている。しかしながら、IoTデバイスの数は極めて多くなる場合があるので、集約されたIoTデータ速度はそれでも実質的になる場合がある。
IoT通信のために通常必要とされるカバレッジエリアは、セルラー通信システムによって提供されるカバレッジエリアより実質的に狭いと予想されるが、例えば、従来のブルートゥース又は802.11b/g/n/acによって得ることができるカバレッジは、十分でない場合がある。カバレッジはデータ速度を下げることによって広げられる場合があるが、それは、通信チャネルを占有している間に、或るデータ量を伝送するのに、より長い時間を要することを意味する。IoTに関して予想されるような、大量のデバイスがチャネルを共有する場合には、これが輻輳につながる恐れがある。
また、要免許帯域において従来サポートされてきた通信サービスのために免許不要帯域を使用する傾向もある。例えば、第三世代パートナシッププロジェクト(3GPP)は、5GHz免許不要帯域において運用するための、そのLong−Term Evolution(LTE)規格の先進バージョンを有する。
IoTアプリケーション及び非IoTアプリケーションの両方に関して良好な性能を得るために、通信の協調が有益な場合がある。チャネルを時間分割することによる協調は、IoTにおける個々のリンクに関するデータ速度が非常に遅くなり、結果としてスペクトル効率が低下する場合があるので、好ましくない場合がある。
非IoT通信は通常、OFDMAシグナリングを使用することができる。EP1798924A1は、第1の(OFDM)通信システムに関して、或る周波数範囲内のキャリア周波数を一時的に使用不能にして、第2の通信システムのための周波数範囲を提供する解決策を開示する。問題は、第1の通信システム及び第2の通信システムが互いに干渉する場合があることである。
それゆえ、OFDMAシグナリング及び非OFDMAシグナリングが共存するシナリオにおいて、リンクアダプテーション手法が必要とされている。
本明細書において使用されるときに、「備える、含む(comprises/comprising)」という用語は、言及される特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を明記するために用いられるが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、構成要素又はそのグループの存在又は追加を排除するものではないことが強調されるべきである。
いくつかの実施形態の目的は、上記の、又は他の不都合な点のうちの少なくともいくつかを解決するか、又は軽減することである。
第1の態様によれば、ネットワークノードのリンクアダプテーション方法によって、これが達成される。ネットワークノードは、直交周波数分割多元接続(OFDMA)シグナリングを使用する1つ以上のOFDMA無線通信デバイスと、非OFDMAシグナリングを使用する非OFDMA無線通信デバイスとを同時に連携させながら運用するように構成される。非OFDMAシグナリングは、OFDMAシグナリングの最大帯域幅より狭い帯域幅を有する。
その方法は、周波数ギャップを生成するために、OFDMAシグナリングから1つ以上のサブキャリアを除外することと、中心周波数が周波数ギャップの範囲内にあるように非OFDMAシグナリングの中心周波数を決定することとを含む。また、その方法は、第1の信号対干渉値に基づいて、OFDMAシグナリングのために使用されることになる変調符号化方式を選択することを含み、非OFDMAシグナリングはOFDMAシグナリングに対する干渉として作用する。
ネットワークノードは、例えば、OFDMAシグナリングを用いてIEEE802.11又は別の規格に従って動作し、非OFDMAシグナリングを用いてブルートゥース又は別の規格に従って動作するように構成されるアクセスポイント(AP)とすることができる。OFDMA無線通信デバイスはそれぞれ、例えば、OFDMAシグナリングを用いてIEEE802.11又は別の規格に従って動作するように構成されるユーザ機器(UE)又は基地局(STA)とすることができる。非OFDMA無線通信デバイスは、例えば、非OFDMAシグナリングを用いてブルートゥース(例えば、BLE)又は別の規格に従って動作するように構成されるユーザ機器(UE)又は基地局(STA)とすることができる。
OFDMAシグナリングは、例えば、非OFDMAシグナリングがサポートするように構成される各無線通信デバイスに関連するデータ速度より(実質的に)高い、各無線通信デバイスに関連するデータ速度をサポートするように構成することができる。
非OFDMAシグナリングは、例えば、OFDMAシグナリングの最大帯域幅より実質的に狭い帯域幅、例えば、OFDMAシグナリングの最大帯域幅の10分の1未満、又は10分の1に概ね等しい帯域幅を有することができる。
生成された周波数ギャップは、例えば、非OFDMAシグナリングの帯域幅に概ね等しい場合がある。
除外されることになるサブキャリアは、例えば、隣接するサブキャリアとすることができる。例えば、除外されることになるサブキャリアは、OFDMAシグナリングの(例えば、最小の)リソースユニット(RU)のサブキャリアとすることができる。
中心周波数は、例えば、生成された周波数ギャップ内の(概ね)中心に位置するように決定することができる。非OFDMAシグナリングの中心周波数を生成された周波数ギャップの範囲内に入るように決定することは、例えば、OFDMAシグナリング及び非OFDMAシグナリングの一方又は両方を、必要に応じて周波数シフトすることによって達成することができる。
OFDMAシグナリングのために使用されることになる変調符号化方式の選択は、例えば、(複数の潜在的な変調符号化方式に関して)第1の信号対干渉値を潜在的な変調符号化方式に関連付けられる信号対干渉しきい値と比較することと、第1の信号対干渉値が関連する信号対干渉しきい値より大きい、潜在的な変調符号化方式のうちの1つを選択することとを含むことができる。例えば、選択された変調符号化方式は、第1の信号対干渉値が関連する信号対干渉しきい値より大きい潜在的な変調符号化方式の中の、最大容量を提供する(及び/又は最もロバストでない)変調符号化方式とすることができる。
いくつかの実施形態において、OFDMAシグナリングのために使用されることになる変調符号化方式を選択することは、OFDMAシグナリングのための基準変調符号化方式を選択することと、周波数ギャップに隣接するサブキャリアの変調符号化方式を、基準変調符号化方式よりロバストである変調符号化方式に調整することとを含むことができる。「隣接する」は、直に隣接することのみを示す場合があるか、又は直に隣接することを含む集合(例えば、リソースブロック)を示す場合がある。
符号化速度、変調のビット/シンボル、パケットサイズ又はその組み合わせに関して、変調符号化方式のロバスト性を規定することができる。例えば、或る変調符号化方式が、別の変調符号化方式より低い符号化速度及び/又は低いビット/シンボルを有する場合には、その変調符号化方式の方がロバストであると見なすことができる。ロバスト性の高い変調符号化方式の典型的な特徴として、より小さい信号対干渉比(SIR)の場合に既に、ロバスト性の低い変調符号化方式と同じ誤り率を達成すると予想できる場合がある。
いくつかの実施形態において、その方法は、第2の信号対干渉値に基づいて、非OFDMAシグナリングのために使用されることになる変調符号化方式を選択することを更に含むことができ、OFDMAシグナリングは非OFDMAシグナリングに対する干渉として作用する。非OFDMAシグナリングのために使用されることになる変調符号化方式の選択は、例えば、OFDMAシグナリングのために使用されることになる変調符号化方式の選択の場合に上記で説明されたと同様の検討を含むことができる。いくつかの実施形態において、非OFDMAシグナリングのために使用されることになる潜在的な変調符号化方式は、ブルートゥース通信の異なるモードとすることができる。
OFDMAシグナリング及び非OFDMAシグナリングに関して、それぞれ第1の伝送電力レベル及び第2の伝送電力レベルが存在するいくつかの実施形態では、その方法は、第1の信号対干渉値に基づいて、第1の伝送電力レベル及び第2の伝送電力レベルのうちの少なくとも一方を選択し、それにより、第1の(及び第2の)信号対干渉値を適合させることを更に含むことができる。
第1の伝送電力レベル及び第2の伝送電力レベルのうちの少なくとも一方の選択は、例えば、第1の信号対干渉値がOFDMAシグナリングに関連付けられる最小信号対干渉値より大きいように(第1の信号干渉条件)、第1の伝送電力レベル及び第2の伝送電力レベルのうちの少なくとも一方を選択することを含むことができる。
それに加えて、又はその代わりに、第1の伝送電力レベル及び第2の伝送電力レベルのうちの少なくとも一方の選択は、例えば、第2の信号対干渉値が非OFDMAシグナリングに関連付けられる最小信号対干渉値より大きいように、第1の伝送電力レベル及び第2の伝送電力レベルのうちの少なくとも一方を選択することを含むことができる。
いくつかの実施形態によれば、その方法は、第2の信号対干渉値に基づいて、1つ以上の除外されるサブキャリアの数を選択することによって、第1の(及び第2の)信号対干渉値を適合させることを更に含むことができる。
1つ以上の除外されるサブキャリアの数の選択は、例えば、最悪時の第1の信号対干渉値がOFDMAシグナリングに関連付けられる最小信号対干渉値より大きいように(第2の信号対干渉条件)、その数を選択することを含むことができる。
OFDMAシグナリング及び非OFDMAシグナリングは、いくつかの実施形態によれば、ダウンリンク(DL)信号を含むことができ、その方法は、ダウンリンク信号を同時に伝送することを更に含むことができる。
OFDMAシグナリングから1つ以上のサブキャリアを除外することは、逆高速フーリエ変換器(IFFT)の対応する出力を0に設定することを含むことができる。
OFDMAシグナリング及び非OFDMAシグナリングは、いくつかの実施形態によれば、アップリンク(UL)信号を含むことができる。その際、その方法は、除外されるサブキャリアと、OFDMAシグナリングのために使用されることになる選択された変調符号化方式とをそれぞれ示すメッセージを(OFDMA無線通信デバイスに)送信することと、中心周波数を示すメッセージを(非OFDMA無線通信デバイスに)送信することとを更に含むことができる。
メッセージ(上記のメッセージと同じであるか、又は異なる)は、非OFDMAシグナリングのために使用されることになる選択された変調符号化方式、第1及び/又は第2の伝送電力レベル等のうちの1つ以上等の他の伝送パラメータを指示することもできる。
アップリンク伝送のために使用されることになるサブキャリアを指示するOFDMA無線通信デバイスへのメッセージは、除外されるサブキャリアを示すメッセージの一例であることを意図しており、使用されることになるサブキャリアは、除外されるサブキャリアを含まないか、又は除外されるサブキャリアと重ならない。
その方法は、いくつかの実施形態において、OFDMA無線通信デバイスから、及び非OFDMA無線通信デバイスからアップリンク信号を同時に受信することと、OFDMA復調信号から1つ以上のサブキャリアを除外することによってOFDMAシグナリングを抽出することと、フィルタリングによって非OFDMAシグナリングを抽出することとを更に含むことができる。OFDMA復調信号から1つ以上のサブキャリアを除外することは、通常、非OFDMAシグナリングに対応するサブキャリアを除外することを含むことができる。
OFDMA復調信号から1つ以上のサブキャリアを除外することは、IFFTの対応する出力を0に設定することを含むことができるか、又はIFFTの対応する出力を無視することを含むことができる。IFFTのいくつかの出力を無視することは、OFDMA復調において、それらの出力を使用しないことを含むことができる。
第2の態様は、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを有する、コンピュータ可読媒体を備えるコンピュータプログラム製品であり、コンピュータプログラムはデータ処理ユニットにロード可能であり、コンピュータプログラムがデータ処理ユニットによって実行されるときに、第1の態様による方法を実行させるように構成される。
第3の態様は、ネットワークノードのためのリンクアダプテーション装置である。ネットワークノードは、直交周波数分割多元接続(OFDMA)シグナリングを使用する1つ以上のOFDMA無線通信デバイスと、非OFDMAシグナリングを使用する非OFDMA無線通信デバイスとを同時に連携させながら運用するように構成される。非OFDMAシグナリングは、OFDMAシグナリングの最大帯域幅より狭い帯域幅を有する。
その装置は、周波数ギャップを生成するためにOFDMAシグナリングから1つ以上のサブキャリアを除外させ(例えば、周波数ギャップ生成器による)、中心周波数が周波数ギャップの範囲内にあるように、非OFDMAシグナリングの中心周波数を決定させ(例えば、中心周波数決定器による)、第1の信号対干渉値に基づいて、OFDMAシグナリングのために使用されることになる変調符号化方式を選択させる(例えば、変調符号化方式選択器による)ように構成されるコントローラを備え、非OFDMAシグナリングはOFDMAシグナリングに対する干渉として作用する。
いくつかの実施形態において、コントローラは、第2の信号対干渉値に基づいて、非OFDMAシグナリングのために使用されることになる変調符号化方式を選択させる(例えば、同じ、又は異なる変調符号化方式選択器による)ように更に構成することができ、OFDMAシグナリングは非OFDMAシグナリングに対する干渉として作用する。
OFDMAシグナリング及び非OFDMAシグナリングに関して、それぞれ第1の伝送電力レベル及び第2の伝送電力レベルが存在するいくつかの実施形態では、コントローラは、第1の信号対干渉条件に基づいて、第1の伝送電力レベル及び第2の伝送電力レベルのうちの少なくとも一方を選択させ(例えば、電力レベル選択器による)、それにより、第1の信号対干渉値を適合させるように更に構成することができる。
いくつかの実施形態によれば、コントローラは、第2の信号対干渉条件に基づいて、1つ以上の除外されるサブキャリアの数を選択させる(例えば、帯域幅選択器と組み合わせた周波数ギャップ生成器による)ことによって、第1の信号対干渉値を適合させるように更に構成することができる。
いくつかの実施形態において、OFDMAシグナリング及び非OFDMAシグナリングはダウンリンク信号を含み、コントローラは、ダウンリンク信号を同時に伝送させる(例えば、トランスミッター/トランシーバーによる)ように更に構成することができる。
いくつかの実施形態において、OFDMAシグナリング及び非OFDMAシグナリングはアップリンク信号を含み、コントローラは、除外されるサブキャリアと、選択された変調符号化方式とをそれぞれ示すメッセージを(例えば、トランスミッター/トランシーバーによって、OFDMA無線通信デバイスに)送信させ、中心周波数を示すメッセージを(例えば、トランスミッター/トランシーバーによって、非OFDMA無線通信デバイスに)送信させるように更に構成することができる。
コントローラは、いくつかの実施形態によれば、OFDMA無線通信デバイスから、及び非OFDMA無線通信デバイスからアップリンク信号を同時に受信させ(例えば、レシーバー/トランシーバーによる)、OFDMA復調信号から1つ以上のサブキャリアを除外することによってOFDMAシグナリングを抽出させ、フィルタリングによって非OFDMAシグナリングを抽出させるように更に構成することができる。OFDMA復調信号から1つ以上のサブキャリアを除外することは、通常、非OFDMAシグナリングに対応するサブキャリアを除外することを含むことができる。
第4の態様は、第3の態様による装置を備えるネットワークノードである。
いくつかの実施形態において、上記の態様のいずれかは、他の態様のいずれかに関して上記で説明されたような種々の特徴のうちのいずれかと同一であるか、又は種々の特徴のうちのいずれかに対応する特徴を更に有することができる。
いくつかの実施形態の利点は、OFDMAシグナリング及び非OFDMAシグナリングの共存が可能になることである。
いくつかの実施形態の別の利点は、時分割が回避されることである。
更なる目的、特徴及び利点は、添付の図面が参照される、実施形態の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
いくつかの実施形態が適用可能な場合がある例示的なシナリオを示す概略図である。
いくつかの実施形態による、例示的な方法ステップを示すフローチャートである。
いくつかの実施形態に関連する場合があるOFDMAシグナリングの概略図である。
いくつかの実施形態による、例示的な構成を示す概略的なブロック図である。
いくつかの実施形態による、例示的なトランスミッター及びレシーバー装置を示す概略的なブロック図である。
いくつかの実施形態による、コンピュータ可読媒体を示す概略図である。
本明細書において説明される実施形態によれば、非IoTシステムにOFDMAを使用させ、IoTシステムに1つ以上のサブキャリアを割り当て、非IoTシステムのために残りのサブキャリアを使用することによって、IoTシステム(通常、低いデータ速度を有する)及び非IoTシステム(通常、高いデータ速度を有する)が同時に動作できるようにする。この手法に伴う利点は、IoTシステムに割り振られるサブキャリアの量をかなり自由に変更できることである。
OFDMを使用することは概念的に簡単であり、1GHz未満において使用されるように開発された規格である、例えば、IEEE802.11ahにおいて既に使用されている手法である。しかしながら、多くのIoTデバイスでは、電力消費量、コスト等のパラメータ、及び実現するのが簡単であることが特に重要であるので、IoT通信にとってOFDMは恐らく良い選択肢でない。それゆえ、IoT通信により適した選択肢は、例えば、BLEにおいて使用されるようなガウス周波数シフトキーイング(GFSK:Gaussian Frequency Shift Keying)であるかもしれない。
複数の実施形態が、2つの異なる物理層(PHY)を結合する手法を提供し、一方のPHYは、高いデータ速度の通信(OFDMAを使用する)を意図しており、他方のPHYは、低いデータ速度の通信(非OFDMAを使用する、例えば、IoT通信)を意図している。2つのPHYの信号は、互いに完全には直交しない場合がある。それゆえ、両方のタイプの信号に関して適切な動作を確実にするために、例えば、変調符号化方式、伝送電力レベル等の伝送パラメータを選択するときに、好ましくは、2つのPHY間の干渉が考慮に入れられるべきである。
以下において、OFDMAのために使用されるリンク(又は複数のリンク)及び非OFDMAのために使用されるリンクのうちの少なくとも一方が、高い周波数効率において、OFDMA及び非OFDMAの同時運用に対応するように構成される実施形態が説明される。(協調)リンクアダプテーション(LA)は、関連するリンクのうちの1つ以上に関する、変調符号化方式、伝送電力レベル及び周波数割り振りのうちの1つ以上を適応させることを含むことができる。
図1は、いくつかの実施形態が適用可能な場合がある例示的なシナリオを示す。例示的なシナリオにおいて、ネットワークノード(NWN)100が、OFDMAを使用する1つ以上のOFDMA無線通信デバイス120及び非OFDMAを使用する非OFDMA無線通信デバイス110を同時に連携させながら運用するように構成される。非OFDMA信号は通常、OFDMA信号の最大帯域幅より狭い帯域幅を有する。OFDMA信号は、例えば、IEEE802.11規格(例えば、IEEE802.11ax)に準拠することができ、非OFDMA信号は、例えば、ブルートゥース規格(例えば、ブルートゥースローエナジー−BLE)に準拠することができる。
図2は、いくつかの実施形態による、例示的な方法200を示す。例示的な方法200は、例えば、図1のネットワークノード100において実行される場合がある。
例示的な方法200の種々のステップは任意選択とすることができる(破線枠によって示される)ことに留意されたい。更に、例示的な方法200の種々のステップが或る特定の順序において実行されるように説明される場合であっても、これは限定するものと見なされるべきでないことに留意されたい。逆に、複数のステップを別の順序において実行することもでき、それでも依然として本発明の範囲内に入る。例えば、ステップ250はステップ240の前に、更にはステップ230の前に実行することもでき、ステップ240はステップ230の前に実行することもでき、ステップ210〜250(又はそのうちの選択したもの)を繰り返し実行することもできる等である。
その方法はステップ210において開始し、関連するリンクのための伝送電力レベルが選択される。いくつかの実施形態において、全てのリンクが可変の伝送電力レベルを有することができ、一方、他の実施形態では、いくつかのリンクが、本明細書において提示される状況において変更されない伝送電力レベルを有することができる(ただし、別の状況では、可変にすることができる)。
伝送電力レベルは、信号対干渉条件に基づいて選択される。例えば、その選択は、結果として生じる信号対干渉値(非OFDMA信号がOFDMA信号に対する干渉として作用する)が、OFDMAシグナリングに関連付けられる最小許容信号対干渉値より大きくなるように行うことができる。それに加えて、又はその代わりに、その選択は、結果として生じる信号対干渉値(OFDMA信号が非OFDMA信号に対する干渉として作用する)が、非OFDMA信号に関連付けられる最小許容信号対干渉値より大きくなるように行うことができる。
ステップ220において、OFDMA信号の複数のサブキャリアが選択され、それらのサブキャリアが、ステップ230においてOFDMA信号から除外され、それにより、OFDMA信号内に周波数ギャップが生成される。周波数ギャップは、非OFDMA信号に対応するものであり、ステップ240において、非OFDMA信号の中心周波数が周波数ギャップの範囲内にある(通常、概ねその中心に位置する)ように、非OFDMA信号の中心周波数が決定される。
通常、除外すべきサブキャリアの数は、非OFDMA信号の帯域幅に基づく。例えば、除外されることになるサブキャリアは、非OFDMA信号をその中に収容できる場合には、OFDMA信号の(例えば、最小)リソースユニット(RU)のサブキャリアとすることができ、非OFDMA信号の帯域幅が要求する場合には、2つ以上のRU(又はより大きいRU)のサブキャリアを除外することができる。
除外すべきサブキャリアの数の選択は、OFDMA信号及び非OFDMA信号の信号対干渉値の適合を意味することができる。それゆえ、その数は、ステップ210の伝送電力レベル選択に関して説明されたのと同様にして、1つ以上の信号対干渉条件に基づいて選択することができる。
いくつかの実施形態において、非OFDMA信号の帯域幅は可変とすることができる。例えば、広い帯域幅を使用するほど、高い伝送電力レベルを回避できる場合があり、及び/又は特定の変調符号化方式を使用できる場合がある。その際、ステップ220の選択は、好ましくは、それに応じて可変にすべきである。
ステップ250において、OFDMA信号のために使用されることになる変調符号化方式が選択される。その選択は信号対干渉値に基づき、非OFDMA信号はOFDMA信号に対する干渉として作用する。
OFDMAシグナリングのために使用されることになる変調符号化方式の選択は、例えば、(複数の潜在的な変調符号化方式に関して)信号対干渉値を潜在的な変調符号化方式に関連付けられる信号対干渉しきい値と比較することと、信号対干渉値が関連する信号対干渉しきい値より大きい、潜在的な変調符号化方式のうちの1つを選択することとを含むことができる。
通常、OFDMA信号のために使用されることになる選択された変調符号化方式は、OFDMA信号のための基準変調符号化方式と、周波数ギャップに隣接する(又は近い)1つ以上のサブキャリアのための調整された変調符号化方式とを含み、調整された変調符号化方式は、基準変調符号化方式よりロバストである。
また、ステップ250における選択は、非OFDMA信号のために使用されることになる変調符号化方式を選択することを含むことができる。この選択は信号対干渉値に基づき、OFDMA信号のために使用されることになる変調符号化方式の選択に関して上記で説明されたのと同様に、OFDMA信号は非OFDMA信号に対する干渉として作用する。
OFDMA及び非OFDMAの共存は、アップリンク通信及び/又はダウンリンク通信に関連する場合がある。
ダウンリンク通信の場合、その方法は、ステップ260において例示されるように、ダウンリンクOFDMA信号及び非OFDMA信号を同時に伝送することを更に含むことができる。
アップリンク通信の場合、その方法は、ステップ270において例示されるように、伝送パラメータに関する指示を無線通信デバイス(WCD)に送信することを更に含むことができる。そのような伝送パラメータは、ステップ210、220、240及び250のうちの1つ以上のステップのパラメータの関連する選択を含むことができる。通常、少なくとも除外されるサブキャリア(場合によっては、除外されるサブキャリアと重ならないアップリンクの割り振りの形をとる)及び選択された符号化及び変調方式をOFDMA無線通信デバイスに指示することができ、少なくとも中心周波数を非OFDMA無線通信デバイスに指示することができる。
アップリンク通信の場合、その方法は、OFDMA無線通信デバイスから、及び非OFDMA無線通信デバイス(図2には示されない)からアップリンク信号を同時に受信することを更に含むことができる。
ダウンリンクに関して協調LAが実行されるとき、OFDMA信号及び非OFDMA信号はネットワークノードから伝送され、そのネットワークノードは、リンクアダプテーションのためにパラメータ(変調符号化方式、伝送電力レベル、除外すべきサブキャリアの数等)を協調して選択するのと同じノードである。したがって、ネットワークノードは、その場で(例えば、パケットごとに)パラメータを調整する方法を決定することができ、協調LAは、ダウンリンク信号のレシーバーに対して完全にトランスペアレントにすることができる。
アップリンクに関して協調リンクLAが実行されるとき、パラメータの選択は、(少なくとも部分的に)ネットワークノードから無線通信デバイスへの情報(例えば、命令)に、及び/又はその逆への情報(例えば、測定報告)に基づくことができる。したがって、協調LAは、アップリンク信号のトランスミッターに対して完全にはトランスペアレントではない。しかしながら、ネットワークノードからの命令は、リンクアダプテーション命令の理由を無線通信デバイスに伝達する必要はない。更に、通信が失敗するチャネル状況が許容されるように、アップリンクシナリオにおいてパラメータを選択するのが有利な場合がある。
図3は、OFDMAシグナリングのための周波数スペクトルの、異なるサイズのリソースユニット(RU)への典型的な分割を概略的に示す。図3に示される特定の例は、例えば、IEEE802.11ax(例えば、IEEE802.11無線LAN「Specification Framework for TGax」規格書(IEEE 802.11−15/0132r8、2015年9月、図11)を参照)における20MHzの割り振りに関連することができる。この例によれば、周波数スペクトルは、単一のRU301のために、2つのRU311、318のために、4つのRU321、323、326、328のために、又は8つのRU331、332、333、334、335、336、337、338のために使用することができる。パイロットトーンが矢印351〜358及び361〜368として表される。図2に関連して説明された方法に関して、例えば、RU335が、OFDMAシグナリングから除外され、非OFDMAシグナリングのために使用することができる。
図4は、例えば、図2に関連して説明された方法を実行するように構成することができる例示的な装置400を概略的に示す。
装置400は、OFDMAを使用する1つ以上のOFDMA無線通信デバイス及び非OFDMAを使用する非OFDMA無線通信デバイスを同時に連携させながら運用するように構成されるネットワークノード内に備えられる場合がある。非OFDMA信号は、OFDMA信号の最大帯域幅より狭い帯域幅を有する。
装置400はコントローラ(CNTR)420を備え、場合によっては、トランスミッター及び/又はレシーバー(図4においてトランシーバー(TX/RX)410として示される)を備えることができる。更に、コントローラ420は、変調符号化方式選択器(MCS)421、電力レベル選択器(PLS)422、帯域幅選択器(BW)423、周波数ギャップ生成器(FGC)424及び中心周波数決定器(CFD)425のうちの1つ以上を備えることができるか、又は別の方法でそれらに関連付けることができる。
コントローラ420は、図2に関連して説明されたようなステップを実行させるように構成することができる。したがって、コントローラは、周波数ギャップを生成するためにOFDMAシグナリングから1つ以上のサブキャリアを除外させ(ステップ230と対照されたい)、中心周波数が周波数ギャップの範囲内にあるように非OFDMAシグナリングの中心周波数を決定させる(ステップ240と対照されたい)ように構成される。除外は、周波数ギャップ生成器424によって行うことができ、決定は、中心周波数決定器425によって行うことができる。
また、コントローラは、第1の信号対干渉値に基づいて、OFDMA信号のために使用されることになる変調符号化方式を選択させる(ステップ250と対照されたい)ように構成され、非OFDMA信号はOFDMA信号に対する干渉として作用する。いくつかの実施形態において、コントローラは、第2の信号対干渉値に基づいて、非OFDMA信号のために使用されることになる変調符号化方式を選択させる(ステップ250と対照されたい)ように更に構成することができ、OFDMA信号は非OFDMA信号に対する干渉として作用する。1つ又は複数の変調符号化方式の1つ又は複数の選択は、1つ以上の変調符号化方式選択器421によって行うことができる。
また、コントローラは、第1の信号対干渉条件に基づいて、OFDMA信号及び非OFDMA信号のうちの少なくとも一方のための伝送電力レベルを選択させる(ステップ210と対照されたい)ように構成することができる。1つ又は複数の伝送電力レベルの選択は、電力レベル選択器422によって行うことができる。
いくつかの実施形態によれば、コントローラは、第2の信号対干渉条件に基づいて、1つ以上の除外されるサブキャリアの数を選択させる(ステップ220と対照されたい)ように更に構成することができる。その数の選択は、帯域幅選択器423と組み合わせた周波数ギャップ生成器によって行うことができる。
OFDMA信号及び非OFDMA信号がダウンリンク信号を含むとき、コントローラは、ダウンリンク信号をトランシーバー410によって同時に伝送させる(ステップ260と対照されたい)ように更に構成することができる。
OFDMA信号及び非OFDMA信号がアップリンク信号を含むとき、コントローラは、除外されるサブキャリアと、選択された変調符号化方式とをそれぞれ示すメッセージをトランシーバー410によってOFDMA無線通信デバイスに送信させ、中心周波数を示すメッセージをトランシーバー410によって非OFDMA無線通信デバイスに送信させる(ステップ270と対照されたい)ように更に構成することができる。コントローラは、OFDMA無線通信デバイスから、及び非OFDMA無線通信デバイスからアップリンク信号をトランシーバー410によって同時に受信させ、OFDMA復調信号から1つ以上のサブキャリアを除外することによってOFDMA信号を抽出させ、フィルタリングによって非OFDMA信号を抽出させるように更に構成することができる。OFDMA復調信号から1つ以上のサブキャリアを除外することは、通常、非OFDMAシグナリングに対応するサブキャリアを除外することを含むことができる。
図5は、いくつかの実施形態による、例示的なトランスミッター及びレシーバー装置を概略的に示す。図5の装置は、例えば、図4のトランシーバー410内に備えることができ、図4のコントローラ420によって(少なくとも部分的に)制御することができる。
例示的なトランスミッターにおいて、逆高速フーリエ変換器(IFFT)510の対応する入力を0に設定することによって、OFDMA信号から1つ以上のサブキャリアが除外される。例えば、502によって指示される入力は0に設定することができ、一方、501、503によって指示される入力は、OFDMAシグナリングに関して通常通りに処理される(非OFDMAシグナリングに関する図3におけるRU335の周波数の使用と対照されたい)。IFFT510のいくつかの入力を0に設定することは、図4の周波数ギャップ生成器424によって行うことができる。
非OFDMA信号のための入力504は、変調器(MOD)520において変調され、その中心周波数がOFDMA信号からサブキャリアを除外することによって生成される周波数ギャップの範囲内にあるように、周波数シフタ(FS)525によって周波数シフトされる。周波数シフタ525は、図4の中心周波数決定器425によって制御することができる。
IFFT510の出力は、当該技術分野において一般に知られているように、サイクリックプレフィックス(CP)515をあらかじめ付加され、結合器530によって非OFDMA信号と結合され、同時にダウンリンク伝送するための信号500になる。結合器530は、結合される前に信号が相応に重み付けされるように、図4の電力レベル選択器422によって制御することができる。
例示的なレシーバーにおいて、OFDMA無線通信デバイスから、及び非OFDMA無線通信デバイスからのアップリンク信号550が同時に受信される。
OFDMA信号の抽出は、サイクリックプレフィックス除去(CPR)565後に、OFDMA復調信号から1つ以上のサブキャリアを除外することによって達成され、除外は、IFFT560の対応する出力を0に設定することによって、又はIFFTの対応する出力を無視することによって達成される。例えば、522によって指示される出力(トランスミッターの入力502に対応する)を0に設定するか、又は無視することができ、一方、551、553によって指示される出力は、OFDMAシグナリングに関して通常通りに処理される。IFFT560のいくつかの出力を0に設定すること(又はいくつかの出力を無視すること)は、図4の周波数ギャップ生成器424によって行うことができる。
非OFDMA信号554の抽出は、フィルタ(FILT)574によって関連する周波数間隔をフィルタリングし、復調器(DEM)570において、フィルタリング後の信号を復調することによって達成される。復調は、周波数シフタ525によって適用される周波数シフトの逆の処理を適用することを含むことができる。フィルタ574は、図4の帯域幅選択器423によって制御することができる。
図4の変調符号化方式選択器421は、変調器520及び復調器570のうちの1つ以上を制御することができる。その代わりに、又はそれに加えて、図4の変調符号化方式選択器421は、IFFT510への入力前のOFDMA信号、及びIFFT560からの出力後のOFDMA信号の処理を制御することができる。
説明された実施形態及びそれらの均等物は、ソフトウェア、又はハードウェア、又はその組み合わせにおいて実現することができる。それらの実施形態及び均等物は、デジタル信号プロセッサ(DSP)、中央処理ユニット(CPU)、コプロセッサユニット、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)若しくは他のプログラマブルハードウェア等の、通信デバイスに関連付けられるか、又は通信デバイスと一体に構成される汎用回路によって、又は、例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)等の専用回路によって実行することができる。全てのそのような形態が、本開示の範囲内にあることを意図している。
実施形態のいずれかによる、装置/回路/ロジックを備えるか、又は方法を実行する電子装置(ネットワークノード等)内で、それらの実施形態が生じる場合がある。電子装置は、例えば、アクセスポイントとすることができる。
いくつかの実施形態において、コンピュータプログラム製品が、例えば、USBスティック、プラグインカード、埋込デバイス、又は図6に示されるCD−ROM600等のリードオンリーメモリ(ROM)等の、コンピュータ可読媒体を備える。コンピュータ可読媒体は、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを記憶している場合がある。コンピュータプログラムはデータ処理ユニット(PROC)620にロード可能な場合があり、データ処理ユニットは、例えば、ネットワークノード610内に備えられる場合がある。データ処理ユニットにロードされるとき、コンピュータプログラムは、データ処理ユニットに関連付けられるか、又はデータ処理ユニットと一体に構成されるメモリ(MEM)630に記憶することができる。いくつかの実施形態によれば、コンピュータプログラムは、データ処理ユニットにロードされ、実行されるときに、例えば、図2に示される方法による方法ステップを実行させることができる。
本明細書において、種々の実施形態が参照されてきた。しかしながら、当業者であれば、特許請求の範囲内に依然として入ることになる、説明された実施形態に対する数多くの変形形態を認識するであろう。例えば、本明細書において説明される方法実施形態は、或る特定の順序において実行される方法ステップを通して、例示的な方法を説明する。しかしながら、これらのイベントシーケンスは、特許請求の範囲から逸脱することなく、別の順序において行うことができる。更に、いくつかの方法ステップが順次に実行されるように説明された場合であっても、それらの方法ステップは並列に実行することができる。
同様に、実施形態の説明において、機能ブロックを特定のユニットに分割することは決して限定するものではない。逆に、これらの分割は例に過ぎない。1つのユニットとして本明細書において説明される機能ブロックが、2つ以上のユニットに分割される場合がある。同様に、本明細書において2つ以上のユニットとして実現されるように説明された機能ブロックが、特許請求の範囲から逸脱することなく、単一のユニットとして実現される場合がある。
それゆえ、説明された実施形態の細部は単に例示することを目的とするものであり、決して限定するものではないことは理解されたい。代わりに、特許請求の範囲内に入る全ての変形形態が、本発明に含まれることを意図している。