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JP2021193083A - キサンチンオキシダーゼ阻害剤含有腸溶性製剤 - Google Patents

キサンチンオキシダーゼ阻害剤含有腸溶性製剤 Download PDF

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JP2021193083A JP2021101922A JP2021101922A JP2021193083A JP 2021193083 A JP2021193083 A JP 2021193083A JP 2021101922 A JP2021101922 A JP 2021101922A JP 2021101922 A JP2021101922 A JP 2021101922A JP 2021193083 A JP2021193083 A JP 2021193083A
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Masuji Hirano
隆 太田
Takashi Ota
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Nippon Chemiphar Co Ltd
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Nippon Chemiphar Co Ltd
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Abstract

【課題】高いキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する化合物を含有する腸溶性製剤を提供する。【解決手段】一般式(I)で表される化合物又はその塩を含有する腸溶性製剤。前記化合物又はその塩が非晶質を含み、ハードカプセル剤である腸溶性製剤。(R1は置換/無置換のフェニル基を表し、置換基は、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、フェニル基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を表し、R2はシアノ基又はニトロ基を表し、R3は水素原子又は水酸基を表し、Xは酸素原子又は−S(O)n−を表し、nは0〜2の整数を表し、Yは酸素原子又は硫黄原子を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は、高いキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する化合物又はその医薬的に許容され得る塩を含有する腸溶性製剤に関する。 本願は、2019年6月4日に、日本に出願された特願2019−104533号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
高尿酸血症は痛風又は腎不全等を来たし、また冠動脈疾患の危険因子と考えられている。高血圧症をはじめとする生活習慣病の発症進展とも密接な関わりが指摘されている。したがって、高尿酸血症の治療は単に痛風の治療ばかりでなく、高齢化に伴う種々の生活習慣病の予防につながる。 現在、高尿酸血症の治療には、主にアロプリノールやフェブキソスタット等のキサンチンオキシダーゼ阻害剤が用いられている。 アロプリノールやフェブキソスタット等の公知のキサンチンオキシダーゼ阻害剤は、固形製剤、より具体的には胃溶性の錠剤、として開発されている(例えば、非特許文献1、非特許文献2)。固形製剤は大量生産に適する、又は患者の立場から携帯に便利である等のメリットを有し、医薬品において最も多く適用されている剤形となっている。これらの薬剤は胃において錠剤が速やかに崩壊し、薬物が吸収されることにより十分な薬効を発揮する。 また、同様のメカニズムを有する化合物として、国際公開第2005/121153号パンフレット(特許文献1)記載の化合物が報告されている。 特許文献1には、実施例51の薬理実験2において発明化合物と前記アロプリノールやフェブキソスタットとの血漿中尿酸値抑制率についての比較実験が開示されている。この実験では、胃溶性の製剤が意図され、メチルセルロースを用いた薬物懸濁投与が行われている。その結果、発明化合物は優れた尿酸値低下作用を示している。
本発明者らは、特許文献1に開示された高いキサンチンオキシダーゼ阻害活性を有する化合物について検討を行ったところ、本化合物を生体に経口投与したときの生体内における吸収性には、なお改善の余地があることを見出した。
国際公開第2005/121153号
フェブキソスタット 米国添付文書2009年2月13日 ザイロリック 米国添付文書レビュー2002年7月26日
本発明は、特許文献1に開示された化合物又はその医薬的に許容され得る塩の生体内における吸収性を改善すること、及びそれらを有効成分として含有する医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、特許文献1に開示された化合物又はその医薬的に許容され得る塩の吸収性の改善について種々検討を行った結果、腸溶性製剤とすることにより生体内における吸収性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の側面を有する。[1]一般式(I)
Figure 2021193083
(式中、Rは無置換のフェニル基、又は置換基により置換されたフェニル基を表し、前記置換基は、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、フェニル基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を表し、Rはシアノ基又はニトロ基を表し、Rは水素原子又は水酸基を表し、Xは酸素原子又は−S(O)−を表し、nは0〜2の整数を表し、Yは酸素原子又は硫黄原子を表す)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を含有する腸溶性製剤;[2]Rが、無置換のフェニル基、又はハロゲン原子により置換されたフェニル基である[1]記載の腸溶性製剤;[3]Xが酸素原子である[1]又は[2]記載の腸溶性製剤;[4]Yが硫黄原子である[1]〜[3]のいずれか一項記載の腸溶性製剤;[5][1]〜[4]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬的に許容され得る塩が、その非晶質を含み、前記非晶質の含有量は、[1]〜[4]のいずれか1つに記載の化合物又はその医薬的に許容され得る塩の総重量に対して、80重量%以上である[1]〜[4]のいずれか1つに記載の腸溶性製剤;又は[6]腸溶性製剤がハードカプセル剤である[1]〜[5]のいずれか1つに記載の腸溶性製剤。
本発明のキサンチンオキシダーゼ阻害剤を含有する腸溶性製剤は、生体内において高い吸収性を示すことから、高尿酸血症等の治療剤として有用である。
化合物14の非晶質の湿式レーザー回折法による粒子径分布を示す図である。 実施例1のカプセル剤と比較例1のカプセル剤をイヌへ投与したときの血漿中薬物濃度−時間曲線を示す図である。 化合物14の結晶質の粉末X線回折パターンを示す図である。 化合物14の非晶質の粉末X線回折パターンを示す図であり、(a)は保存前、(b)は遮光・気密及び室温条件で1週間保存後、(c)は遮光・気密及び室温条件で2週間保存後、及び(d)は遮光・気密及び室温条件で4週間保存後の粉末X線回折パターンを、それぞれ示す図である。
以下、本発明について更に詳細に説明する。本発明の腸溶性製剤は、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を有効成分として含有する。 一般式(I)で表される化合物において、Rは無置換のフェニル基、又は置換基により置換されたフェニル基を表す。 Rで示されるフェニル基における置換基の「炭素数1〜8のアルキル基」としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基等が挙げられる。
で示されるフェニル基における置換基の「ハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基」としては、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、1,1−ジフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基等が挙げられ、好ましくはフルオロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
で示されるフェニル基における置換基の「炭素数1〜8のアルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられ、好ましくはメトキシ基等が挙げられる。
で示されるフェニル基における置換基の「炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基」としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
で示されるフェニル基における置換基の「ハロゲン原子」としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、好ましくはフッ素原子、塩素原子等が挙げられる。
としては、無置換のフェニル基が好ましい。
一般式(I)で表される化合物において、Rはシアノ基又はニトロ基を表すが、シアノ基が好ましい。
一般式(I)で表される化合物において、Rは水素原子又はヒドロキシ基を表すが、水素原子が好ましい。
一般式(I)で表される化合物において、Xは酸素原子又は−S(O)−を表すが、酸素原子が好ましい。
一般式(I)で表される化合物において、Yは酸素原子又は硫黄原子を表すが、硫黄原子が好ましい。
一般式(I)で表される化合物の医薬的に許容され得る塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、又はリチウム塩等のアルカリ金属塩が挙げられ、カリウム塩が好ましい。
本発明の1つの実施態様である腸溶性製剤が含有する一般式(I)の化合物は、例えば特許文献1又は国際出願PCT/JP2019/17439号明細書に記載の合成法により得ることができる。
本発明の腸溶性製剤が含有する一般式(I)の化合物において、好ましい化合物としては、表1の化合物が挙げられる。表中、Meはメチル基を表す。
Figure 2021193083
化合物1〜化合物15は、医薬的に許容され得る塩を形成していてもよく、中でも、化合物3〜化合物5、化合物8〜化合物10、化合物13〜化合物14、又はこれらの化合物の医薬的に許容され得る塩が好ましい。
本発明の腸溶性製剤において、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩は、その一部又は全部が非晶質として存在することが好ましい。ここで、非晶質とは、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の原子間又は分子間に短距離秩序を有するが、結晶のように長距離秩序を有しない状態の物質を意味する。本発明において、非晶質は、X線回折において、ハローピークを示すことにより特定することができる。 本発明において、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の総重量に対して、50重量%以上が非晶質として存在することが好ましく、80%重量以上が非晶質として存在することがより好ましく、90重量%以上が非晶質として存在することがより好ましく、95重量%以上が非晶質として存在することが更に好ましく、100重量%が非晶質であってもよい。また一般式(I)で表される化合物の医薬的に許容され得る塩は結晶であってもよく、この場合総重量に対して、50重量%未満の非晶質が存在してもよく、40%重量以下が非晶質であってもよく、30重量%以下が非晶質であってもよく、20重量%以下が非晶質であってもよく、10重量%が非晶質であってもよく、全く存在しなくてもよい。上記非晶質の存在率は、X線回折法によって求めることができる。上記非晶質の存在率において、残余は結晶質である。すなわち、それぞれの存在率の記載において、非晶質と結晶質の存在率の合計は100重量%である。
一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の非晶質の製造方法は、例えば一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を噴霧乾燥法(スプレードライ法ともいう)に付すことより得ることができる。より具体的には、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び所望により医薬的に許容され得る添加剤を後述の溶媒に加え溶液又は懸濁液とし、前記溶液又は懸濁液を回転円盤による遠心噴霧又は圧力ノズルによる加圧噴霧により微細な霧状にし、これを乾燥媒体中(例えば加熱した空気又は窒素ガス)に噴出させることにより、非晶質の粉状の乾燥物として得ることができる。噴霧乾燥法において、乾燥媒体の温度は、例えば、50〜120℃、好ましくは50〜100℃である。前記乾燥媒体は、一定方向に流動させていてもよく、例えば、0.1〜0.6m/minの風量として流動させることができる。 噴霧乾燥法で用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール等の炭素数が1〜6のアルコールを含むアルコール類、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル類、アセトニトリル、及び水等が挙げられ、これらの溶媒を1種単独又は2種以上の混合溶媒として用いることができる。中でも、エ
タノール、テトラヒドロフラン及びこれらの溶媒と水との混合溶媒が好ましい。 一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の非晶質の製造方法の別法としては、凍結乾燥法が挙げられる。より具体的には、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を溶媒に溶解させた後、溶液を凍結乾燥することで、製造することもできる。 凍結乾燥法で用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブチルアルコール等の炭素数が1〜6のアルコールを含むアルコール類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトニトリル等のニトリル類;及び水等が挙げられ、これらの溶媒を1種単独又は2種以上の混合溶媒として用いることができる。 一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の非晶質の粒子径は特に制限されないが、発明の効果の点や製剤化の観点から、例えば、体積平均粒子径(D50)として、20μm以下、好ましくは1〜15μm、より好ましくは1〜10μm、さらに好ましくは1.5〜5μm、最も好ましくは2〜5μmが挙げられる。 なお、前記体積平均粒子径(D50)の測定は、通常、例えば測定試料を水、又はエタノール等の溶媒に分散させ、レーザー回折法により粒子径分布を測定することにより行うことができる。前記測定試料は超音波を照射等することにより溶媒に分散させてもよい。前記粒子径分布は、粒子径分布測定装置(例えば、島津(Shimadzu)レーザー回折式粒子径分布測定装置SALD‐2200等)により測定することができる。得られた粒子径分布の結果から体積平均粒子径(D50)を求めることができる。また、データ収集及び分析のために市販のソフトウェア(例えば、Shimadzu WingSALD−2200 version 1.02等)を用いることができる。
本発明に係る「腸溶性製剤」とは、有効成分の胃内での分解を防ぐか、又は有効成分を胃内で放出せず、主として小腸内で放出するよう設計された製剤である。腸溶性製剤それ自体は日本薬局方に記載されている。腸溶性製剤としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤及びカプセル剤等の剤形が知られている。これらの剤形の製法としては、(i)有効成分、若しくは有効成分及び医薬的に許容され得る添加剤を腸溶性高分子でコーティングした腸溶性顆粒を製造し、これを含有する、錠剤、顆粒剤、細粒剤、若しくはカプセル剤とする方法、(ii)有効成分及び医薬的に許容され得る添加剤を含有する、錠剤、顆粒剤、細粒剤、若しくはカプセル剤を製造し、これらの製剤を腸溶性高分子でコーティングする方法、又は(iii)腸溶性の基剤からなるハードカプセルに有効成分、若しくは有効成分及び医薬的に許容され得る添加剤を収容する方法、等が挙げられる。 すなわち、本発明の腸溶性製剤としては、(i)有効成分、若しくは有効成分及び医薬的に許容され得る添加剤を腸溶性高分子でコーティングした腸溶性顆粒を含有する、錠剤、顆粒剤、細粒剤、若しくはカプセル剤、(ii)腸溶性高分子でコーティングされた、有効成分及び医薬的に許容され得る添加剤を含有する、錠剤、顆粒剤、細粒剤、若しくはカプセル剤、又は(iii)腸溶性の基剤からなるハードカプセルに有効成分、若しくは有効成分及び医薬的に許容され得る添加剤が収容されたハードカプセル剤、等が挙げられる。 前記腸溶性の基剤は、それ自体公知の腸溶性高分子から構成される基剤を意味し、当該腸溶性高分子としては、後述のコーティング用の腸溶性高分子として例示した腸溶性高分子が挙げられる。
本発明で用いられるコーティング用の腸溶性高分子としては、メタクリル酸コポリマーL、メタクリル酸コポリマーS(例えば、Eudragit(登録商標)L100、Eudragit(登録商標)S100、Evonik社製)、メタクリル酸コポリマーLD(例えば、Eudragit(登録商標)L100−55、Eudragit(登録商標)L30D−55、Evonik社製)、アクリル酸メチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸コポリマー(例えば、Eudragit(登録商標)FS30D、Evonik社製)等の腸溶性のメタクリル酸コポリマー、ヒプロメロース(ヒドロキシプロピルメチルセルロースともいう)、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートともいう)(信越化学社製、HPMCASと略す場合がある)、ヒプロメロースフタル酸エステル(ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートともいう)(信越化学社製、HPMCPと略す場合がある)、カルボキシメチルエチルセルロース(フロイント産業株式会社製、CMECと略す場合がある)及びセラセフェート(セルロースアセテートフタレートともいう)等の腸溶性のセルロース系ポリマー及びポリビニルアルコールアセテートフタレート(カラコン社製)等の腸溶性のビニルアルコール系ポリマーが挙げられるが、腸溶性のセルロース系ポリマー等が好ましい。中でも、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートが好ましい。 前記腸溶性顆粒は公知の方法に従って製造することができる。例えば、転動流動層造粒及び流動造粒等の流動造粒法、遠心転動造粒法等の転動造粒法、又は撹拌造粒法等により顆粒を製造した後、腸溶性コーティング液で被覆し乾燥することで製造することができる。 前記腸溶性コーティング液は、前記腸溶性高分子を溶媒に添加し、必要に応じて溶媒を濃縮する方法等によって調製することができる。腸溶性コーティング液の調製に使用される溶媒としては、水、若しくはメタノール及びエタノール等のアルコール系溶媒、又はこれらの混合液等が挙げられる。必要に応じ、結合剤、可塑剤、被覆基剤、界面活性剤及び賦形剤等の医薬的に許容され得る添加剤を適宜配合することができる。溶媒の量は特には制限されないが、溶解物の全重量(すなわち、前記腸溶性高分子及び医薬的に許容され得る添加剤の全重量)に対し3〜10倍量用いることができる。
前記腸溶性高分子でコーティングされた、有効成分及び医薬的に許容され得る添加剤を含有する、錠剤、顆粒剤、細粒剤、又はカプセル剤は、有効成分及び医薬的に許容され得る添加剤を含有する、錠剤、顆粒剤、細粒剤、又はカプセル剤を公知の方法に従って製造し、得られたこれらの製剤を前記腸溶性コーティング液で被覆し乾燥することで製造することができる。
腸溶性の基剤からなるハードカプセルとしては市販のものを用いることができ、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネートを含む腸溶性の基剤からなるハードカプセルを用いることができ、より具体的には、Vcaps(登録商標)Enteric(カプスゲル社製)等を用いることができる。
本発明の腸溶性製剤には、必要に応じて医薬的に許容され得る添加剤を配合することができ、例えば結合剤、崩壊剤、賦形剤、滑沢剤等を適宜組み合わせて必要量配合することにより、本発明の医薬組成物を製造することができる。
前記結合剤としては、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、寒天、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、部分けん化ポリビニルアルコール、プルラン、部分α化デンプン、デキストリン、キタンサンガム、及びアラビアゴム末等が挙げられる。これらは単独であってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。中でも、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、又はポリビニルピロリドン等が好ましい。
前記崩壊剤としては、例えば、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロース(カルメロースともいう)、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、クロスポビドン、ヒドロキシプロピルスターチ、デンプン、部分α化デンプン、及びデンプングリコール酸ナトリウム等が挙げられる。これらは単独であってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。中でも、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、又はクロスポビドン等が好ましく、クロスポビドン等がより好ましい。用いられる崩壊剤の配合量は、例えば、有効成分を含む粒子の全重量に対して、5〜30重量%が好ましく、5〜15重量%がより好ましい。また、錠剤に配合する場合には、有効成分を含む打錠用顆粒の全重量に対して、1〜10重量%が好ましく、2〜6重量%がより好ましい。
前記賦形剤は、医薬製剤の練合工程、造粒工程又は造粒後末工程のいずれにも配合することができる。前記賦形剤としては、結晶セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(ヒプロメロースともいう)等のセルロース類、トウモロコシデンプン、バレイショデンプン、コムギデンプン、コメデンプン、部分α化デンプン、及びヒドロキシプロピルスターチ等のデンプン類、ブドウ糖、乳糖、白糖、精製白糖、粉糖、トレハロース、デキストラン、及びデキストリン等の糖類、D−マンニトール、キシリトール、ソルビトール、及びエリスリトール等の糖アルコール類、グリセリン脂肪酸エステル、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、無水リン酸カルシウム、沈降炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、リン酸水素カルシウム水和物、及び炭酸水素ナトリウム等の無機塩等が挙げられ、結晶セルロース等が好ましい。
前記滑沢剤としては、ステアリン酸、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、軽質無水ケイ酸、硬化油、グリセリン脂肪酸エステル、及びタルク等が挙げられる。これらは単独であってもよいし、2種以上の混合物であってもよい。中でも、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、又はショ糖脂肪酸エステル等が好ましい。
また、前記腸溶性製剤において、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を腸溶性高分子と混合して用いることにより、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の過飽和溶液からの再結晶化が抑制され得る。一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩と腸溶性高分子とが混合されているときは、それらが均一に混合されていることが好ましい。一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩と前記腸溶性高分子との重量比は、1:0.5〜1:10、好ましくは1:1〜1:5、より好ましくは1:2〜1:5、さらに好ましくは1:1〜1:4を例示できる。 前記腸溶性高分子としては、前記コーティング用の腸溶性高分子が挙げられ、セルロース系ポリマー等が好ましく、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、又はヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート等がより好ましい。 なお、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩と腸溶性高分子の混合の際、前記医薬的に許容され得る添加剤を適宜配合することができる。
本発明の腸溶性製剤は、ヒト又はその他の哺乳動物に経口的又は非経口的、より好ましくは経口的に投与することができ、高尿酸血症、又は痛風の治療薬として有用である。本明細書において、「治療」には、治療に加えて、予防又は予防的使用の概念を含んでいてもよい。 本発明の1つの側面は、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩が腸溶性高分子でコーティングされた腸溶性顆粒を含有する医薬組成物である。 本発明の別の側面は、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩が腸溶性高分子でコーティングされた腸溶性顆粒を
含有する、錠剤、顆粒剤、細粒剤、又はカプセル剤である。 本発明の別の側面は、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩が腸溶性高分子でコーティングされた腸溶性顆粒を含有し、かつ前記腸溶性顆粒中の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩が、更に腸溶性高分子と混合されている医薬組成物である。 本発明の別の側面は、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩が腸溶性高分子でコーティングされた腸溶性顆粒を含有し、かつ前記腸溶性顆粒中の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩が、更に腸溶性高分子と混合されている、錠剤、顆粒剤、細粒剤、又はカプセル剤である。 本発明の別の側面は、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤が腸溶性高分子でコーティングされた腸溶性顆粒を含有する医薬組成物である。 本発明の別の側面は、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤が腸溶性高分子でコーティングされた腸溶性顆粒を含有する、錠剤、顆粒剤、細粒剤、又はカプセル剤である。 本発明の別の側面は、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤が腸溶性高分子でコーティングされた腸溶性顆粒を含有し、かつ前記腸溶性顆粒中の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤が更に腸溶性高分子と混合されている医薬組成物である。 本発明の別の側面は、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤が腸溶性高分子でコーティングされた腸溶性顆粒を含有し、かつ前記腸溶性顆粒中の一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤が更に腸溶性高分子と混合されている、錠剤、顆粒剤、細粒剤、又はカプセル剤である。 本発明の別の側面は、腸溶性高分子でコーティングされた、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤を含有する医薬組成物である。 本発明の別の側面は、腸溶性高分子でコーティングされた、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤を含有する、錠剤、顆粒剤、細粒剤、又はカプセル剤である。 本発明の別の側面は、腸溶性高分子でコーティングされた、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤を含有し、かつ前記一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤が更に腸溶性高分子と混合されている医薬組成物である。 本発明の別の側面は、腸溶性高分子でコーティングされた、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤を含有し、かつ前記一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤が更に腸溶性高分子と混合されている、錠剤、顆粒剤、細粒剤、又はカプセル剤である。 本発明の別の側面は、腸溶性の基剤からなるハードカプセルに、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩が収容されたハードカプセル剤である。 本発明の別の側面は、腸溶性の基剤からなるハードカプセルに、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤が収容されたハードカプセル剤である。 本発明の別の側面は、腸溶性の基剤からなるハードカプセルに、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩が収容され、かつ前記一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩が更に腸溶性高分子と混合されているハードカプセル剤である。 本発明の別の側面は、腸溶性の基剤からなるハードカプセルに、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤が収容され、かつ前記一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩及び医薬的に許容され得る添加剤が更に腸溶性高分子と混合されているハードカプセル剤である。 本発明のまた別の側面は、本発明の腸溶性製剤の治療的有効量を、高尿酸血症、又は痛風の治療が必要な対象に投与することを含む高尿酸血症、又は痛風の治療方法である。本発明の腸溶性製剤の投与量は、本発明の腸溶性製剤における、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の含有量に応じて調整することができる。また、投与方法、投与対象の年齢、体重、性別、症状、薬剤への感受性等に応じて適宜決定されるが、症状の改善の状況に応じて投与量を調節してよい。 本発明の腸溶性製剤の投与量は、例えば、成人においては、一般式(I)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩の含有量に換算して、通常、経口投与では1日1mg〜2000mgとなるように投与することができるが、年齢、症状等により増減することができる。また、投与回数としては、例えば、1日当たり、1〜3回、好ましくは1〜2回が挙げられる。
以下に実施例、比較例及び試験例により本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1及び比較例1、腸溶性カプセルの製造> 化合物14(2−(3−シアノ−4−フェノキシフェニル)−7−ヒドロキシチアゾロ[5,4−d]ピリミジン)9gを、テトラヒドロフラン(THFと略す場合がある)、エタノール、及び水の混合溶媒(重量比:THF/エタノール/水=1600.5/254.5/81)1936gに溶解した後(少し温めて溶解)、ペリスタポンプ経由で約5mL/minの速度でスプレードライヤーに汲み上げ、2流体ノズル(直径508μm)から入口温度80℃、出口温度約60℃、乾燥空気風量0.30m/min、及びノズル噴霧空気圧力1.0kgf/cm2の条件で噴霧乾燥及び造粒した。得られた乾燥物を室温で一晩放置し、化合物14の100%非晶質を得た。 得られた化合物14の非晶質の体積平均粒子径(D50)は、試料約2mgを0.2%Aerosol OT水溶液に添加し、30秒間超音波を照射して分散し、この分散液を用いて、島津(Shimadzu)レーザー回折式粒子径分布測定装置SALD―2200により測定した。Shimadzu WingSALD−2200 version 1.02ソフトウェアをデータ収集及び分析のために用いた。化合物14の非晶質の粒子径分布の結果を図1に示す。前記粒子径分布から求められる化合物14の非晶質の体積平均粒子径(D50)は2.949μmであった。 得られた化合物14の非晶質を表2に示すカプセルに各40mg充填し、化合物14の非晶質のカプセル剤を得た。
Figure 2021193083
<試験例1、化合物14の非晶質のイヌにおける吸収性> 投与日前日夕方から絶食したビーグル犬(1〜5才、北山ラベス(株))に、実施例1のカプセル剤及び比較例1のカプセル剤を、1週間の投与間隔を設けたクロスオーバー法で、1回に1カプセルずつ(化合物14として40mg/body)単回経口投与した。採取時点は、投与前、投与後0.5、1、3、5、8及び24時間とし、梼側皮静脈から採血した。得られた血液を10000×g、4℃で5分間遠心分離し、血漿を得た。この血漿中の化合物14の濃度をHPLC((株)大阪ソーダ)により測定した。なお、一般的にイヌは胃内pHが高いことから、胃酸分泌刺激剤のペンタガストリンをカプセル剤投与の30分前及び直前に各々,0.01mg/kgの用量で筋肉注射した。その後、胃内溶液のpHを測定し、胃内pHが低いことを確認しカプセル試料を投与した。 得られた測定値より血漿中薬物濃度−時間曲線を作成した。結果を図2に示した。なお、図中の薬物濃度は4例の平均値±標準偏差を示す。 実施例1の腸溶性のカプセル剤を用いると、比較例1の腸溶性を有しない通常の胃溶性のカプセル剤を使用したときに比べ、高い薬物濃度を示したことから、化合物14の非晶質は腸溶性にすることにより吸収性が向上することが示された。
<試験例2、化合物14の非晶質状態の評価(粉末X線回折)> 非晶質が経日保管後においても非晶質の特性を保持していることは非常に重要であるため、実施例1の化合物14の非晶質を遮光・気密で室温保存し、X線回折装置(D2 Phaser、Bruker)を用いて、化合物14の非晶質状態の変化を評価した。結果を図4(a)〜(d)に示した。比較として図3に化合物14の結晶の粉末X線回折を示す。 実施例1のカプセル剤を遮光・気密で室温保存した場合、検討した4週間までの保存において、化合物14の経日的な粉末X線回折パターンの変化はみられなかった。
本発明の腸溶性製剤は、生体内における有効成分の高い吸収性と、保存安定性を示すことから、高尿酸血症等の治療薬として有用である。

Claims (6)

  1. 一般式(I)
    Figure 2021193083
    (式中、Rは無置換のフェニル基、又は置換基により置換されたフェニル基を表し、前記置換基は、炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子で置換された炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、フェニル基及びフェノキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1つの基を表し、Rはシアノ基又はニトロ基を表し、Rは水素原子又は水酸基を表し、Xは酸素原子又は−S(O)−を表し、nは0〜2の整数を表し、Yは酸素原子又は硫黄原子を表す)で表される化合物又はその医薬的に許容され得る塩を含有する腸溶性製剤。
  2. が、無置換のフェニル基、又はハロゲン原子により置換されたフェニル基である請求項1記載の腸溶性製剤。
  3. Xが酸素原子である請求項1又は2記載の腸溶性製剤。
  4. Yが硫黄原子である請求項1〜3のいずれか一項記載の腸溶性製剤。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物又はその医薬的に許容され得る塩が、その非晶質を含み、前記非晶質の含有量は、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物又はその医薬的に許容され得る塩の総重量に対して、80重量%以上である請求項1〜4のいずれか一項記載の腸溶性製剤。
  6. 腸溶性製剤がハードカプセル剤である請求項1〜5のいずれか一項記載の腸溶性製剤。
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