JP2021189260A - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】屈折率が大きい複数の画素電極が配列されていることに起因する回折、および屈折率差の大きい界面での反射の双方を適正に抑制することができる電気光学装置、および電子機器を提供すること。【解決手段】電気光学装置1の第1基板10において、画素電極9aは各々、ITO含んでおり、各々のスペース幅Wが100nm以上、かつ、300nm以下である。第1基板10には、画素電極9aを覆う誘電体膜17が形成されており、誘電体膜17の画素電極9aと反対側の平面に第1配向膜16が積層されている。誘電体膜17の屈折率nは、画素電極9aの屈折率と第1配向膜16の屈折率との間である。誘電体膜17の画素電極9aと重なる部分の膜厚をdとし、誘電体膜17の屈折率をnとし、画素電極9aへの入射光の波長λを550nmとしたとき、膜厚dは、画素電極9aのスペース幅Wの1/2以上、かつ、λ/2n以下である。【選択図】図6
Description
本発明は、複数の画素電極を備えた電気光学装置、および電子機器に関するものである。
投射型表示装置のライトバルブ等として用いられる透過型の電気光学装置では、表示領域に複数の画素電極が所定のスペースを介して配置されている。画素電極の表面には配向膜が積層されており、画素電極間のスペースには配向膜が形成される。画素電極はITO等からなり、配向膜は酸化シリコン等からなる。
特許文献1には、画素電極間のスペースを窒化シリコンによって埋めることにより、配向膜を形成する下地を連続した平面とする技術が提案されている。かかる態様によれば、配向膜を平面に形成することができるので、乱れのない配向規制力を有する配向膜を形成することができる。
特許文献2には、画素電極と配向膜との間に酸化アルミニウム等の絶縁膜を略一定の膜厚で設けた技術が提案されている。かかる態様によれば、画素電極と配向膜との間に存在する界面の屈折率差を酸化アルミニウムによって小さくすることができるので、界面での反射を抑制することができる。
画素電極を覆う配向膜によって画素電極間のスペースが埋められた構造では、画素電極が存在する部分と、画素電極間のスペースに相当する部分との間の屈折率差が大きいため、位相差が大きく、回折が発生しやすい。かかる回折は、コントラストを低下させる原因となるため、好ましくない。また、特許文献1に記載の構成のように、画素電極間のスペースに相当する部分を窒化シリコンで埋めた構造では、回折は緩和されるが、画素電極が配向膜と屈折率差が大きい界面を構成するため、界面での反射率が大きい。特許文献2に記載の構成のように、画素電極と配向膜との間に酸化アルミニウム等の高屈折率の絶縁膜を薄い膜厚で設けた構成では、画素電極間のスペースに相当する部分を高屈折率の絶縁膜によって十分に埋めることができないため、回折の発生を十分に抑制することができない。それ故、従来技術では、屈折率が大きい複数の画素電極が配列されていることに起因する回折、および屈折率差の大きい界面での反射の双方を適正に抑制することができないという課題がある。
上記課題を解決するために、本発明に係る電気光学装置の一態様は、酸化インジウムスズを含み、各々のスペース幅が100nm以上、かつ、300nm以下の複数の画素電極と、前記複数の画素電極を覆うとともに隣り合う前記画素電極間のスペースを埋める誘電体膜と、を備え、前記誘電体膜の屈折率をnとし、前記画素電極に入射する光の波長λを550nmとしたとき、前記誘電体膜の前記画素電極と重なる部分の膜厚は、前記スペース幅の1/2以上、かつ、λ/2n以下であることを特徴とする。
本発明に係る電気光学装置は、各種電子機器に用いることができる。電子機器が投射型表示装置である場合、電子機器には、前記電気光学装置に入射する照明光を出射する光源部と、前記電気光学装置から出射された変調光を投射する投射光学系と、が設けられる。
図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の説明で参照する図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならしめてある。また、以下の説明において、第1基板10に形成される層を説明する際、上層側あるいは表面側とは基板本体19が位置する側とは反対側(第2基板20が位置する側)を意味し、下層側とは基板本体19が位置する側を意味する。
[実施の形態1]
1.電気光学装置の構成
図1は、本発明を適用した電気光学装置1に用いた液晶パネル100の一態様を示す平面図であり、電気光学装置1を第2基板20側からみた様子を示してある。図2は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置1の断面を模式的に示す説明図である。図3は、図2に示す断面の一部を拡大して示す説明図である。
1.電気光学装置の構成
図1は、本発明を適用した電気光学装置1に用いた液晶パネル100の一態様を示す平面図であり、電気光学装置1を第2基板20側からみた様子を示してある。図2は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置1の断面を模式的に示す説明図である。図3は、図2に示す断面の一部を拡大して示す説明図である。
図1、図2および図3に示すように、電気光学装置1は、第1基板10と第2基板20とが所定の隙間を介してシール材107によって貼り合わされた液晶パネル100を有しており、液晶パネル100において、第1基板10と第2基板20とは対向している。シール材107は第2基板20の外縁に沿うように枠状に設けられており、第1基板10と第2基板20との間でシール材107によって囲まれた領域に電気光学層50としての液晶層が配置されている。シール材107は、光硬化性を備えた接着剤、あるいは光硬化性および熱硬化性を備えた接着剤であり、両基板間の距離を所定値とするためのグラスファイバー、あるいはガラスビーズ等のギャップ材が配合されている。第1基板10および第2基板20はいずれも四角形であり、電気光学装置1の略中央には、表示領域10aが四角形の領域として設けられている。かかる形状に対応して、シール材107も略四角形に設けられている。
第1基板10は、基板本体19として、石英基板やガラス基板等の透光性基板を有している。基板本体19の第2基板20側の一方面19s側において、表示領域10aの外側には、第1基板10の一辺に沿ってデータ線駆動回路101および複数の端子102が形成され、この一辺に隣接する他の辺に沿って走査線駆動回路104が形成されている。端子102には、フレキシブル配線基板105が接続されており、第1基板10には、フレキシブル配線基板105を介して各種電位や各種信号が入力される。基板本体19の一方面19sにおいて、表示領域10aには、ITO(Indium Tin Oxide:酸化インジウムスズ)膜等からなる透光性の複数の画素電極9a、および複数の画素電極9aの各々に電気的に接続するトランジスター(図2には図示せず)がマトリクス状に形成されている。第1基板10では、画素電極9aに対して電気光学層50の側に第1配向膜16が形成されている。従って、基板本体19から第1配向膜16までが第1基板10に相当する。なお、第1基板10の基板本体19の第2基板20とは反対側の他方面19tには、防塵用の透光性基板が接着剤等によって接合されることがある。
図3に示すように、表示領域10aにおいて、第1基板10には、基板本体19と画素電極9aとの間に格子状の遮光部材18が設けられており、平面視において、遮光部材18は、隣り合う画素電極9aの間に沿って延在している。本形態において、遮光部材18は、図4および図5を参照して後述する遮光膜8a、走査線3a、容量線5aおよびデータ線6aからなる。
図2および図3に示すように、第1基板10にはレンズ部材が構成されている。本形態において、第1基板10には、レンズ部材として、後述する第1レンズ部材51、および第2レンズ部材52が設けられている。
再び図1、図2および図3において、第2基板20は、基板本体29として、石英基板やガラス基板等の透光性基板を有している。基板本体29において第1基板10と対向する一方面29s側には、ITO膜等からなる透光性の対向電極21が形成されており、対向電極21に対して電気光学層50の側には第2配向膜26が形成されている。対向電極21は、基板本体29の略全面に形成されており、第2配向膜26によって覆われている。従って、基板本体29から第2配向膜26までが第2基板20に相当する。なお、第2基板20の基板本体29の第1基板10とは反対側の他方面29tには、防塵用の透光性基板が接着剤等によって接合されることがある。
基板本体29と対向電極21との間には、樹脂、金属または金属化合物からなる遮光膜27aが形成され、遮光膜27aと対向電極21との間には、酸化シリコン等からなる透光膜22が形成されている。遮光膜27aは、表示領域10aの外側で表示領域10aの外周縁に沿って延在する額縁状の見切りとして設けられている。遮光膜27aは、表示領域10aの外側に設けられた駆動回路等の回路を構成するトランジスターを遮光する。また、遮光膜27aは、電気光学装置1の製造工程や検査工程において位置決めを行うためのアライメントマークとして設けられる。本形態では、第2基板20には、表示領域10aに遮光膜27aは設けられていない。
第1基板10には、遮光膜27aと平面視で重なる領域に、画素電極9aと同時形成されたダミー画素電極9bが形成されている。第1基板10には、シール材107より外側において第2基板20の角部分と重なる領域に、第1基板10と第2基板20との間で電気的導通をとるための基板間導通用電極109が形成されている。基板間導通用電極109には、導電粒子を含んだ基板間導通材109aが配置されており、第2基板20の対向電極21は、基板間導通材109aおよび基板間導通用電極109を介して、第1基板10側に電気的に接続されている。このため、対向電極21は、第1基板10の側から共通電位が印加される。
本形態の電気光学装置1において、画素電極9aおよび対向電極21がITO膜等の透光性導電膜により形成されており、電気光学装置1は、透過型電気光学装置として構成されている。従って、第1基板10および第2基板20のうちの一方の基板から電気光学層50に入射した光が他方の基板を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。本形態においては、矢印Lで示すように、第1基板10の側から電気光学層50に入射した光が第2基板20を透過して出射される間に変調されて画像を表示する。従って、第2基板20は光の入射側に設けられ、第1基板10は、第2基板20に対して光の出射側で対向している。
2.電気光学層50等の構成
第1配向膜16および第2配向膜26は、SiOx(x≦2)、TiO2、MgO、Al2O3等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜である。従って、第1配向膜16および第2配向膜26は、カラムと称せられる柱状体が第2基板20および第1基板10に対して斜めに形成された柱状構造体からなる。それ故、第1配向膜16および第2配向膜26は、電気光学層50に用いた負の誘電率異方性を備えた液晶分子50aを第1基板10および第2基板20に対して斜め傾斜配向させ、液晶分子50aにプレチルトを付している。
第1配向膜16および第2配向膜26は、SiOx(x≦2)、TiO2、MgO、Al2O3等の斜方蒸着膜からなる無機配向膜である。従って、第1配向膜16および第2配向膜26は、カラムと称せられる柱状体が第2基板20および第1基板10に対して斜めに形成された柱状構造体からなる。それ故、第1配向膜16および第2配向膜26は、電気光学層50に用いた負の誘電率異方性を備えた液晶分子50aを第1基板10および第2基板20に対して斜め傾斜配向させ、液晶分子50aにプレチルトを付している。
ここで、画素電極9aと対向電極21との間に電圧を印加しない状態で、第1基板10および第2基板20に対して垂直な方向と液晶分子50aの長軸方向(配向方向)とがなす角度がプレチルト角である。本実施の形態において、プレチルト角は、例えば5°である。
このようにして、電気光学装置1は、VA(Vertical Alignment)モードの電気光学装置として構成されている。かかる電気光学装置1では、画素電極9aと対向電極21との間に電圧が印加されると、液晶分子50aは、プレチルトの方向において、第1基板10および第2基板20に対する傾き角が小さくなる方向に変位する。かかる変位の方向がいわゆる明視方向である。本形態においては、図1に示すように、フレキシブル配線基板が接続されている側を時計の6時の方向としたとき、液晶分子50aの配向方向P(明視方向)は、平面視において、時計の4時30分の方向から10時30分に向かう方向である。
3.画素の具体的構成例
図4は、図1に示す液晶パネル100において隣り合う複数の画素の平面図である。図5は、図4に示す液晶パネル100のF−F′断面図である。なお、図4では、各膜を以下の線で表してある。また、図4では、互いの端部が平面視で重なり合う膜については、膜の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。また、図5では、コンタクトホールの位置をずらして示してある。
遮光膜8a=細くて長い破線
半導体膜31a=細くて短い点線
走査線3a=太い実線
ドレイン電極4a=細い実線
データ線6aおよび中継電極6b=細い一点鎖線
容量線5a=太い一点鎖線
中継電極7b=細い二点鎖線
画素電極9a=太い破線
図4は、図1に示す液晶パネル100において隣り合う複数の画素の平面図である。図5は、図4に示す液晶パネル100のF−F′断面図である。なお、図4では、各膜を以下の線で表してある。また、図4では、互いの端部が平面視で重なり合う膜については、膜の形状等が分かりやすいように、端部の位置をずらしてある。また、図5では、コンタクトホールの位置をずらして示してある。
遮光膜8a=細くて長い破線
半導体膜31a=細くて短い点線
走査線3a=太い実線
ドレイン電極4a=細い実線
データ線6aおよび中継電極6b=細い一点鎖線
容量線5a=太い一点鎖線
中継電極7b=細い二点鎖線
画素電極9a=太い破線
図4に示すように、第1基板10において第2基板20と対向する面には、複数の画素の各々に画素電極9aが形成されており、隣り合う画素電極9aにより挟まれた画素間領域に沿ってデータ線6aおよび走査線3aが形成されている。画素間領域は縦横に延在しており、走査線3aは画素間領域のうち、第1方向Xに延在する第1画素間領域に沿って直線的に延在し、データ線6aは、第2方向Yに延在する第2画素間領域に沿って直線的に延在している。データ線6aと走査線3aとの交差領域15に対応してトランジスター30が形成されており、本形態において、トランジスター30は、データ線6aと走査線3aとの交差領域15およびその付近を利用して形成されている。第1基板10には容量線5aが形成されており、かかる容量線5aには共通電位が印加されている。容量線5aは、走査線3aおよびデータ線6aに重なるように延在して格子状に形成されている。トランジスター30の下層側には遮光膜8aが形成されており、かかる遮光膜8aは、走査線3aおよびデータ線6aと重なるように格子状に延在している。
従って、遮光膜8a、走査線3a、容量線5aおよびデータ線6aによって格子状の遮光部材18が構成され、遮光部材18に囲まれた領域が、光が透過する透過領域180である。遮光部材18では、その一部としての走査線3a、容量線5aおよびデータ線6aがトランジスター30に第2基板20の側から重なる。従って、第2基板20の側から第1基板10に入射した光のうち、トランジスター30に入射しようとする光を、走査線3a,容量線5a、およびデータ線6aによって遮ることができる。従って、トランジスター30で光電流に起因する誤動作が発生することを防止することができる。また、第1基板10から出射された光が再び、第1基板10に戻り光として入射しても、かかる戻りがトランジスター30に入射しようとすることを遮光膜8aによって抑制することができる。従って、トランジスター30で光電流に起因する誤動作が発生することを防止することができる。
図5に示すように、表示領域10aには、第1基板10の基板本体19の一方面19s側に、後述する第1レンズ部材51のレンズ面510が形成されており、レンズ面510に対して画素電極9aの側に、酸窒化シリコン等からなる透光性の絶縁膜41が形成されている。
絶縁膜41の上層には、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる遮光膜8aが形成されている。遮光膜8aは、基板本体19とトランジスター30との間において、走査線3aおよびデータ線6aに沿うように延在しており、画素電極9aと平面視で重なる領域に開口部が形成されている。遮光膜8aは、アルミニウム、タングステンシリサイド(WSi)、タングステン、窒化チタン等の遮光膜を含んでいる。遮光膜8aを走査線として構成する場合もあり、この場合、後述するゲート電極3bと遮光膜8aを導通させた構成とする。
遮光膜8aの上層側には、酸化シリコン等からなる透光性の絶縁膜42が形成され、絶縁膜42の上層側に、半導体膜31aを備えたトランジスター30が形成されている。トランジスター30は、例えば、データ線6aの延在方向に長辺方向を向けた半導体膜31aと、半導体膜31aの長さ方向と直交する方向に延在して半導体膜31aの長さ方向の中央部分に重なるゲート電極3bとを備えている。本形態において、ゲート電極3bは走査線3aの一部からなる。トランジスター30は、半導体膜31aとゲート電極3bとの間に透光性のゲート絶縁膜32を有している。半導体膜31aは、ゲート電極3bに対してゲート絶縁膜32を介して対向するチャネル領域31gを備えているとともに、チャネル領域31gの両側にソース領域31bおよびドレイン領域31cを備えている。本形態において、トランジスター30は、LDD構造を有している。従って、ソース領域31bおよびドレイン領域31cは各々、チャネル領域31gの両側に低濃度領域を備え、低濃度領域に対してチャネル領域31gとは反対側で隣接する領域に高濃度領域を備えている。
半導体膜31aは、ポリシリコン膜等によって構成されている。ゲート絶縁膜32は、半導体膜31aを熱酸化した酸化シリコンからなる第1ゲート絶縁膜32aと、減圧CVD法等により形成された酸化シリコンからなる第2ゲート絶縁膜32bとの2層構造からなる。ゲート電極3bおよび走査線3aは、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜を含む。本形態において、走査線3aは、アルミニウム、タングステンシリサイド、タングステン、窒化チタン等を含む遮光膜からなる。
ゲート電極3bの上層側には酸化シリコン等からなる透光性の絶縁膜43が形成され、絶縁膜43の上層にはドレイン電極4aが形成されている。ドレイン電極4aは、導電性のポリシリコン膜、金属シリサイド膜、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜を含む。ドレイン電極4aは、半導体膜31aのドレイン領域31cと一部が重なるように形成されており、絶縁膜43およびゲート絶縁膜32を貫通するコンタクトホール43aを介してドレイン領域31cに導通している。
ドレイン電極4aの上層側には、酸化シリコン等からなる透光性の容量絶縁膜48が形成されており、容量絶縁膜48の上層側には容量線5aが形成されている。容量絶縁膜48としては、酸化シリコンや窒化シリコン等のシリコン化合物を用いることができる。容量線5aは、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜からなる。本形態において、容量線5aは、アルミニウム、タングステンシリサイド、タングステン、窒化チタン等の遮光膜を含む。容量線5aは、容量絶縁膜48を介してドレイン電極4aと重なっており、保持容量5cを構成している。
容量線5aの上層側には、酸化シリコン等からなる透光性の絶縁膜44が形成されており、かかる絶縁膜44の上層側には、データ線6aと中継電極6bとが同一の導電膜により形成されている。データ線6aおよび中継電極6bは、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜を含む。本形態において、データ線6aおよび中継電極6bは、アルミニウム、タングステンシリサイド、タングステン、窒化チタン等の遮光膜を含む。データ線6aは、絶縁膜44、43およびゲート絶縁膜32を貫通するコンタクトホール44aを介してソース領域31bに導通している。中継電極6bは、絶縁膜44を貫通するコンタクトホール44bを介してドレイン電極4aに導通している。
データ線6aおよび中継電極6bの上層側には酸化シリコン等からなる透光性の絶縁膜45が形成されており、かかる絶縁膜45の上層側に中継電極7bが形成されている。中継電極7bは、金属膜あるいは金属化合物膜等の導電膜を含む。中継電極7bは、絶縁膜45を貫通するコンタクトホール45aを介して中継電極6bに導通している。
中継電極7bの上層側には、酸化シリコンや酸窒化シリコンからなる透光性の絶縁膜46、47が順に形成されており、絶縁膜47の表面は平坦化されている。絶縁膜47の上層側にはITOからなる画素電極9aが形成されている。絶縁膜47には、中継電極7bまで到達したコンタクトホール47aが形成されており、画素電極9aは、コンタクトホール47aを介して中継電極7bに電気的に接続している。その結果、画素電極9aは、中継電極7b、中継電極6bおよびドレイン電極4aを介してトランジスター30のドレイン領域31cに電気的に接続している。画素電極9aの表面側には、後述する誘電体膜17および第1配向膜16が形成されている。なお、コンタクトホール47aの内部では、画素電極9aがコンタクトホール47aの底部で中継電極7bと電気的に接続しているが、コンタクトホール47aの内部をタングステン等の金属膜をプラグとして充填し、画素電極9aがコンタクトホール47aの内部のプラグを介して中継電極7bと電気的に接続している構成を採用してもよい。
4.第1基板10のレンズ部材の構成
図3に示すように、第1基板10では、基板本体19と画素電極9aとの間に、画素電極9aに平面視で重なるレンズ部材が設けられている。本形態では、基板本体19と遮光部材18との間に第1レンズ部材51が設けられ、遮光部材18と画素電極9aとの間に第2レンズ部材52が設けられている。第1レンズ部材51、および第2レンズ部材52は各々、画素電極9aに平面視で重なる。
図3に示すように、第1基板10では、基板本体19と画素電極9aとの間に、画素電極9aに平面視で重なるレンズ部材が設けられている。本形態では、基板本体19と遮光部材18との間に第1レンズ部材51が設けられ、遮光部材18と画素電極9aとの間に第2レンズ部材52が設けられている。第1レンズ部材51、および第2レンズ部材52は各々、画素電極9aに平面視で重なる。
より具体的には、図3および図5に示すように、基板本体29の一方面29sには、複数の画素電極9aの各々と平面視で重なる凹曲面からなるレンズ面510が複数形成されている。また、基板本体29の一方面29sには透光性の絶縁膜41が積層され、絶縁膜41は、基板本体29と反対側の面が平坦面になっている。基板本体29と絶縁膜41とは屈折率が相違しており、レンズ面510によって、第1レンズ部材51のレンズ面が構成されている。本形態において、絶縁膜41の屈折率は、基板本体29の屈折率より大である。例えば、基板本体29は石英基板(酸化シリコン、SiO2)からなり、屈折率が1.48であるのに対して、絶縁膜41は、酸窒化シリコン(SiON)からなり、屈折率が1.58〜1.68である。それ故、第1レンズ部材51は、光を収束させる正のパワーを有している。
絶縁膜46の基板本体19と反対側の面には、複数の画素電極9aの各々と平面視で重なる凸曲面からなるレンズ面520が複数形成されている。また、絶縁膜46の基板本体29とは反対側の面には絶縁膜47が積層されており、絶縁膜47の基板本体19と反対側の面は平坦面になっている。絶縁膜46と絶縁膜46とは屈折率が相違しており、レンズ面520によって、第2レンズ部材52のレンズ面が構成されている。本形態において、絶縁膜46の屈折率は、絶縁膜47の屈折率より大である。例えば、絶縁膜47は、酸化シリコンであるのに対して、絶縁膜46は、酸窒化シリコンである。それ故、第2レンズ部材52は、光を収束させる正のパワーを有している。
このように、本形態の電気光学装置1の第1基板10において、格子状の遮光部材18と画素電極9aとの間には第2レンズ部材52が設けられている。このため、第2基板20の側から第1基板10に入射した光のうち、遮光部材18に向かおうとする光を遮光部材18で囲まれた透光領域180に導くことができる。このため、電気光学装置1からの出射光量を増やすことができるので、明るい画像を表示することができる。
また、格子状の遮光部材18と基板本体19との間には第1レンズ部材51が設けられている。このため、電気光学装置1から出射される光線の傾きを第1レンズ部材51によって適正化することができる、従って、電気光学装置1を後述する投射型表示装置のライトバルブとして用いた際、投射光学系によるケラレを抑制することができる。このため、明るくて品位の高い画像を表示することができる。
また、第2基板20には正のパワーを有するレンズ部材が設けられていない。このため、レンズ部材から出射された収束光が電気光学層50に入射しない。従って、電気光学層50では、第2基板20に設けられたレンズ部材から出射された収束光の照射を原因とする劣化が発生しない。
5.画素電極9a近傍の構成
図6は、図3に示す画素電極9a近傍の説明図である。図6において、複数の画素電極9aのうち、隣り合う画素電極9a間のスペース9sの幅Wについては、第1方向Xおよび第2方向Yのいずれの方向においても、短絡を防止する等の観点から100nm以上とし、画像の高精細化という観点から300nm以下としてある。また、画素電極9aの全体がITOからなる。
図6は、図3に示す画素電極9a近傍の説明図である。図6において、複数の画素電極9aのうち、隣り合う画素電極9a間のスペース9sの幅Wについては、第1方向Xおよび第2方向Yのいずれの方向においても、短絡を防止する等の観点から100nm以上とし、画像の高精細化という観点から300nm以下としてある。また、画素電極9aの全体がITOからなる。
第1基板10には、複数の画素電極9aを覆うとともに隣り合う画素電極9a間のスペース9sを埋める誘電体膜17が形成されており、誘電体膜17の画素電極9aと反対側の面に第1配向膜16が積層されている。誘電体膜17の画素電極9aと反対側の面は、連続した平面になっている。このため、第1配向膜16は、誘電体膜17の画素電極9aと反対側の平面に積層されている。かかる構造は、誘電体膜17を成膜した後、化学機械研磨等によって誘電体膜17の表面を平坦化することによって実現することができる。また、誘電体膜17の成膜は、ALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積法)のように、膜厚を制御しやすい成膜法や、HDP−CVD(高密度プラズマCVD法)のように、凹部への埋め込みに適正した成膜法によって行われることが好ましい。
誘電体膜17の屈折率nは、画素電極9aの屈折率と第1配向膜16の屈折率との間である。より具体的には、入射光が550nmである場合、画素電極9aが含むITOの屈折率は約1.85であり、第1配向膜16が含む酸化シリコンの屈折率は約1.46であることから、誘電体膜17の屈折率nは1.46から1.85までの間にある。例えば、誘電体膜17は、屈折率が1.58〜1.68の酸窒化シリコン(SiON),屈折率が約1.65の窒化シリコン(SiNx)、および屈折率が約1.80の酸化アルミニウム(Al2O3)のうちの少なくとも1つを含んでいる。ここで、誘電体膜17の屈折率nは、第1配向膜16の屈折率より画素電極9aの屈折率に近い方が好ましい。例えば、誘電体膜17の屈折率は1.70以上、かつ、1.85未満であることが好ましい。
また、誘電体膜17の画素電極9aと重なる部分の膜厚をdとし、誘電体膜17の屈折率をnとし、画素電極9aへの入射光の波長λを550nmとしたとき、膜厚dは、画素電極9aのスペース9sの幅Wの1/2以上、かつ、λ/2n以下である。
例えば、表1には、画素電極9a間のスペース9sの幅Wを50nm、100nm、200nm、300nmに変化させた場合におけるW/2、λ/2nに相当する値を示してある。表1から分かるように、スペース幅Wを50nmとし、屈折率nを1.9とした場合、誘電体膜17の膜厚dを25nm以上、かつ、144.7nm以下とする。スペース幅Wを100nmとし、屈折率nを1.8とした場合、誘電体膜17の膜厚dを50nm以上、かつ、152.8nm以下とする。スペース幅Wを200nmとし、屈折率nを1.7とした場合、誘電体膜17の膜厚dを100nm以上、かつ、161.8nm以下とする。スペース幅Wを300nmとし、屈折率nを1.8とした場合、誘電体膜17の膜厚dを150nm以上、かつ、171.9nm以下とする。
このように、本形態の電気光学装置1では、画素電極9a間のスペース9sが、画素電極9aを覆う誘電体膜17によって埋められている。このため、第1基板10に対して垂直に入射する光に着目した場合、画素電極9a間のスペース9sを通る光路長と画素電極9aを通る光路長との差は、画素電極9aを覆う第1配向膜16が画素電極9a間のスペース9sを埋めた構造と比較して小さい。
また、誘電体膜17の画素電極9aを覆う部分の膜厚dは、画素電極9aのスペース幅Wの1/2以上であり、画素電極9a間のスペース9sを通る光路長と画素電極9aを通る光路長との差を圧縮するのに十分な膜厚である。従って、画素電極9aが設けられた層を光が通過する際、回折が発生しにくいので、回折を原因とするコントラストの低下を抑制することができる。
また、画素電極9aと第1配向膜16との間に誘電体膜17が介在するため、画素電極9aは、第1配向膜16と屈折率差が大きい界面を構成しない。また、画素電極9aへの入射光の波長λを550nmとしたとき、誘電体膜17の画素電極9aを覆う部分の膜厚dは、λ/2n以下である。従って、画素電極9aを通る光では反射が小さい。誘電体膜17の画素電極9aを覆う部分の膜厚dは、λ/2n以下であるため、誘電体膜17での光の吸収や、電気光学層50に印加される電圧の低下を抑制することができる。
それ故、屈折率が大きい複数の画素電極9aが配列されていることに起因する回折、および屈折率差の大きい界面での反射の双方を適正に抑制することができる。
6.光学補償部材70の構成
本形態の電気光学装置1には光学補償部材70が設けられている。従って、コントラストや視野角特性等を向上することができる。本形態において、光学補償部材70は、第1レンズ部材51および第2レンズ部材52より光の入射側に設けられている。より具体的には、光学補償部材70は、第2基板20より光の入射側に設けられている。従って、表示領域10aでは、電気光学層50と光学補償部材70との間に、回折作用を有する格子状の遮光部材18やレンズ部材が存在しない。それ故、光学補償部材70に入射する光線と電気光学層50を通る光線との間に、遮光部材18やレンズでの回折に起因する角度のずれが発生しにくいので、光学補償の効果が大きい。
本形態の電気光学装置1には光学補償部材70が設けられている。従って、コントラストや視野角特性等を向上することができる。本形態において、光学補償部材70は、第1レンズ部材51および第2レンズ部材52より光の入射側に設けられている。より具体的には、光学補償部材70は、第2基板20より光の入射側に設けられている。従って、表示領域10aでは、電気光学層50と光学補償部材70との間に、回折作用を有する格子状の遮光部材18やレンズ部材が存在しない。それ故、光学補償部材70に入射する光線と電気光学層50を通る光線との間に、遮光部材18やレンズでの回折に起因する角度のずれが発生しにくいので、光学補償の効果が大きい。
ここで、光学補償部材70は、少なくとも、負の一軸性屈折率異方性を有する光学補償部材、正の一軸性屈折率異方性を有する光学補償部材、および第2基板20の基板本体29の一方の面に対して一軸性または二軸性の屈折率楕円体が傾斜した光学補償部材のいずれかを含む。例えば、光学補償部材70は、Aプレート、Cプレート、およびOプレートのいずれかを含む。光学補償部材70は、屈折率楕円体(屈折率の3次元分布)に関して、以下のように定義される。
第1基板10または第2基板20の基板面内の座標軸をxy軸とし、法線方向をz軸とする。x軸方向の主屈折率をNxとし、y軸方向の主屈折率をNyとし、z軸方向の主屈折率をNzとする。
Aプレート(正のAプレート)は、以下の条件式
Nx>Ny=Nz
を満たす。
Aプレート(正のAプレート)は、以下の条件式
Nx>Ny=Nz
を満たす。
Cプレート(負のCプレート)は、以下の条件式
Nx=Ny>Nz
を満たす。かかるCプレートは、光軸が第1基板10および第2基板20に対する法線を向いており、基板面内において光学的に等方性であるが、基板面に対し垂直な面内においては光学異方性を有する。従って、電気光学層50に斜め方向から入射する光の位相差を光学補償部材70により補償することができるので、コントラストや視野角特性を向上することができる。
Nx=Ny>Nz
を満たす。かかるCプレートは、光軸が第1基板10および第2基板20に対する法線を向いており、基板面内において光学的に等方性であるが、基板面に対し垂直な面内においては光学異方性を有する。従って、電気光学層50に斜め方向から入射する光の位相差を光学補償部材70により補償することができるので、コントラストや視野角特性を向上することができる。
Cプレートを無機膜で構成する場合、Cプレートは、例えば、高屈折率層と低屈折率層とを交互に積層した無機膜からなる。高屈折率層は、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、チタン酸化膜、シリコン窒化膜、酸窒化シリコン等からなる。例えば、高屈折率層は、屈折率が2.3のニオブ酸化膜で形成され、低屈折率層は、屈折率が1.5の酸化シリコンで形成される。
Oプレートは、屈折率楕円体自体が基板に対して傾いているものであり、例えば、Nx>Ny>Nzに対してY軸を回転軸として、基板法線からある角度で傾いている。従って、Oプレートは、光軸が第1基板10および第2基板20に対する法線方向からずれて斜め方向を向いており、基板面内、および基板面に対し垂直な面内において光学異方性を有する。Oプレートは、2つ配置される場合があり、その場合、2つのOプレートは、基板法線方向からみたとき、異なる方位に光学軸を向けており、2つのOプレートの光学軸に挟まれた角度範囲内に液晶分子50aの配向方向Pが位置する。Oプレートを無機膜で構成する場合は、Oプレートは、例えば、タンタル酸化膜等の無機膜を斜方蒸着することにより形成される。
光学補償部材70の屈折率特性や厚さ等は、全体的な位相差が好適に補償されるように設定される。
[実施の形態1の具体例1]
図7は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置1の具体例1を示す説明図である。なお、本形態、および以下に説明する実施の形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図7は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置1の具体例1を示す説明図である。なお、本形態、および以下に説明する実施の形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
図7に示すように、本形態では、電気光学装置1を後述する投射型表示装置のライトバルブ等として使用する場合、第2基板20の基板本体29の第1基板10とは反対側の他方面29tには、防塵用の第1透光性基板61が接着剤等によって接合される。また、第1基板10の基板本体19の第2基板20とは反対側の他方面19tには、防塵用の第2透光性基板62が接着剤等によって接合されている。従って、第1基板10および第2基板20に直接、塵等の異物が付着することがないので、異物が画像に映り込むことを抑制することができる。
かかる構成の電気光学装置1において、光学補償部材70は、第2基板20に接合された第1透光性基板61の第2基板20とは反対側の面に設けられている。従って、表示領域10aにおいて、電気光学層50と光学補償部材70との間には、回折作用を有する格子状の遮光部材18やレンズ部材が存在しない。それ故、光学補償の効果が大きい。
ここで、光学補償部材70は、例えば、第1透光性基板61に成膜された無機膜71からなる。光学補償部材70として、サファイアやアルミナ等の基板のように、負の一軸性の屈折率楕円体が傾いた部材を用いてもよい。この場合、光学補償部材70を第1透光性基板61に接着した態様、および光学補償部材70を第1透光性基板61に接着せずに対向させた態様であってもよい。また、光学補償部材70は、第1透光性基板61に対して第2基板20とは反対側に、第2基板20に対して斜めに配置されたCプレートであってもよい。
[実施の形態1の具体例2]
図8は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置1の具体例2を示す説明図である。図8に示すように、本形態の電気光学装置1には、実施の形態1、2と同様、光学補償部材70は、第2基板20より光の出射側に設けられている。本形態において、光学補償部材70は、第2基板20と第1透光性基板61との間に設けられている。光学補償部材70は、例えば、第1透光性基板61の第2基板20側の面に形成された無機膜71であり、第1透光性基板61は、無機膜71と第2基板20とが接着されている。また、光学補償部材70は、第2基板20の第1透光性基板61側の面に形成された無機膜71であってもよく、この場合、第1透光性基板61と無機膜71とが接着される。いずれの場合でも、表示領域10aにおいて、電気光学層50と光学補償部材70との間には、回折作用を有する格子状の遮光部材18やレンズが存在しない。それ故、光学補償の効果が大きい。
図8は、本発明の実施の形態1に係る電気光学装置1の具体例2を示す説明図である。図8に示すように、本形態の電気光学装置1には、実施の形態1、2と同様、光学補償部材70は、第2基板20より光の出射側に設けられている。本形態において、光学補償部材70は、第2基板20と第1透光性基板61との間に設けられている。光学補償部材70は、例えば、第1透光性基板61の第2基板20側の面に形成された無機膜71であり、第1透光性基板61は、無機膜71と第2基板20とが接着されている。また、光学補償部材70は、第2基板20の第1透光性基板61側の面に形成された無機膜71であってもよく、この場合、第1透光性基板61と無機膜71とが接着される。いずれの場合でも、表示領域10aにおいて、電気光学層50と光学補償部材70との間には、回折作用を有する格子状の遮光部材18やレンズが存在しない。それ故、光学補償の効果が大きい。
[実施の形態2]
図9は、本発明の実施の形態2に係る電気光学装置1の説明図である。図9に示すように、本形態において、光学補償部材70は、対向電極21と、第2基板20の基板本体29との間に設けられた無機膜71である。より具体的には、光学補償部材70は、第2基板20の基板本体29と透光膜22との間に設けられている。従って、表示領域10aにおいて、電気光学層50と光学補償部材70との間には、回折作用を有する格子状の遮光部材18やレンズが存在しない。それ故、光学補償の効果が大きい。なお、光学補償部材70は、透光膜22と対向電極21との間に設けてもよい。また、透光膜22によって、光学補償部材70を構成してもよい。
図9は、本発明の実施の形態2に係る電気光学装置1の説明図である。図9に示すように、本形態において、光学補償部材70は、対向電極21と、第2基板20の基板本体29との間に設けられた無機膜71である。より具体的には、光学補償部材70は、第2基板20の基板本体29と透光膜22との間に設けられている。従って、表示領域10aにおいて、電気光学層50と光学補償部材70との間には、回折作用を有する格子状の遮光部材18やレンズが存在しない。それ故、光学補償の効果が大きい。なお、光学補償部材70は、透光膜22と対向電極21との間に設けてもよい。また、透光膜22によって、光学補償部材70を構成してもよい。
[実施の形態3]
図10は、本発明の実施の形態3に係る電気光学装置1の説明図である。図10に示すように、本形態において、光学補償部材70は、第2レンズ部材52と画素電極9aとの間に設けられた無機膜71である。従って、表示領域10aにおいて、電気光学層50と光学補償部材70との間には、回折作用を有する格子状の遮光部材18やレンズが存在しない。また、本形態では、画素電極9aが設けた層を光が通過する際の回折が抑制されている。それ故、第2レンズ部材52と画素電極9aとの間に光学補償部材70を設けた場合でも、光学補償の効果が大きい。
図10は、本発明の実施の形態3に係る電気光学装置1の説明図である。図10に示すように、本形態において、光学補償部材70は、第2レンズ部材52と画素電極9aとの間に設けられた無機膜71である。従って、表示領域10aにおいて、電気光学層50と光学補償部材70との間には、回折作用を有する格子状の遮光部材18やレンズが存在しない。また、本形態では、画素電極9aが設けた層を光が通過する際の回折が抑制されている。それ故、第2レンズ部材52と画素電極9aとの間に光学補償部材70を設けた場合でも、光学補償の効果が大きい。
[実施の形態4]
光学補償部材70を構成するにあたって、例えば、基板本体29の一方面29s等の下地には、複数の画素電極9aの各々に対応するように傾斜面が形成されており、傾斜面には、光学補償部材70を構成する無機膜71が略一定の厚さで形成されている構成であってもよい。かかる構成の場合、光学補償部材70は、図1に示す配向方向Pに傾斜する傾斜面に沿って設けられる。また、光学補償部材70を覆うように透光膜22が形成され、透光膜22の光学補償部材70とは反対側の面は平面とされる。
光学補償部材70を構成するにあたって、例えば、基板本体29の一方面29s等の下地には、複数の画素電極9aの各々に対応するように傾斜面が形成されており、傾斜面には、光学補償部材70を構成する無機膜71が略一定の厚さで形成されている構成であってもよい。かかる構成の場合、光学補償部材70は、図1に示す配向方向Pに傾斜する傾斜面に沿って設けられる。また、光学補償部材70を覆うように透光膜22が形成され、透光膜22の光学補償部材70とは反対側の面は平面とされる。
光学補償部材70を構成する無機膜71は、酸化シリコン等の低屈折率層と、タンタル酸化膜、ニオブ酸化膜、チタン酸化膜、シリコン窒化膜、酸窒化シリコン等の高屈折率層とを交互に積層した多層膜からなる。
かかる構造は、下地(基板本体29)にグレイスケールマスク等によりエッチングマスクを形成した後、エッチングを行い、傾斜面を形成する。その際、さらに、エッチング等を利用して、傾斜面の形状を整えることもある。次に、光学補償部材70をCVD法やPVD法によって形成した後、透光膜22を形成する。次に、透光膜22の表面を平坦化する。
なお、本形態では、傾斜面が形成される下地が基板本体29であったが、酸化シリコン等の透光膜であってもよい。また、本形態では、傾斜面を備えた光学補償部材70を第2基板20に形成したが、実施の形態3に示すように、第1基板10に対して、傾斜面を備えた光学補償部材70を設けてもよい。
[他の実施の形態]
上記実施の形態では、第2基板20の側から光が入射する場合を説明したが、第1基板10の側から光が入射する場合に本発明を適用してもよい。上記実施の形態では、第2レンズ部材52に対して光の出射側の1箇所に光学補償部材70を設けたが、例えば、1つの電気光学装置1に、図9に示す光学補償部材70と、図10に示す光学補償部材70とを設ける等、1つの電気光学装置1の複数個所に光学補償部材70を設けてもよい。上記実施の形態では、防塵用の第1透光性基板61および第2透光性基板62が設けられている場合を例示したが、第1透光性基板61および第2透光性基板62の一方あるいは双方が設けられていない電気光学装置1に本発明を適用してもよい。上記実施の形態では、VAモードの電気光学装置に本発明を適用したが、TNモード、IPSモード、FFSモード、OCBモードの電気光学装置に本発明を適用してもよい。
上記実施の形態では、第2基板20の側から光が入射する場合を説明したが、第1基板10の側から光が入射する場合に本発明を適用してもよい。上記実施の形態では、第2レンズ部材52に対して光の出射側の1箇所に光学補償部材70を設けたが、例えば、1つの電気光学装置1に、図9に示す光学補償部材70と、図10に示す光学補償部材70とを設ける等、1つの電気光学装置1の複数個所に光学補償部材70を設けてもよい。上記実施の形態では、防塵用の第1透光性基板61および第2透光性基板62が設けられている場合を例示したが、第1透光性基板61および第2透光性基板62の一方あるいは双方が設けられていない電気光学装置1に本発明を適用してもよい。上記実施の形態では、VAモードの電気光学装置に本発明を適用したが、TNモード、IPSモード、FFSモード、OCBモードの電気光学装置に本発明を適用してもよい。
[電子機器への搭載例]
図11は、本発明を適用した電気光学装置1を用いた投射型表示装置の概略構成図である。なお、以下の説明では、互いに異なる波長域の光が供給される複数のライトバルブ(赤色用ライトバルブ1(R)、緑色用ライトバルブ1(G)、および青色用ライトバルブ1(B))が用いられているが、いずれのライトバルブにも、本発明を適用した電気光学装置1が用いられる。その際、電気光学装置1に対し、第1偏光板141および第2偏光板142がクロスニコルに配置される。
図11は、本発明を適用した電気光学装置1を用いた投射型表示装置の概略構成図である。なお、以下の説明では、互いに異なる波長域の光が供給される複数のライトバルブ(赤色用ライトバルブ1(R)、緑色用ライトバルブ1(G)、および青色用ライトバルブ1(B))が用いられているが、いずれのライトバルブにも、本発明を適用した電気光学装置1が用いられる。その際、電気光学装置1に対し、第1偏光板141および第2偏光板142がクロスニコルに配置される。
図11に示す投射型表示装置210は、前方に設けられたスクリーン211に映像を投射する前方投影型のプロジェクターである。投射型表示装置210は、光源部212と、ダイクロイックミラー213、214と、3つのライトバルブ(赤色用ライトバルブ1(R)、緑色用ライトバルブ1(G)、および青色用ライトバルブ1(B))と、投射光学系218と、クロスダイクロイックプリズム219(色合成光学系)と、リレー系230とを備えている。
光源部212は、例えば、赤色光、緑色光および青色光を含む光源光を供給する超高圧水銀ランプで構成されている。ダイクロイックミラー213は、光源部212からの赤色光LRを透過させるとともに緑色光LGおよび青色光LBを反射する構成となっている。また、ダイクロイックミラー214は、ダイクロイックミラー213で反射された緑色光LGおよび青色光LBのうち青色光LBを透過させるとともに緑色光LGを反射する構成となっている。このように、ダイクロイックミラー213、214は、光源部212から出射された光を赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとに分離する色分離光学系を構成する。ダイクロイックミラー213と光源部212との間には、インテグレーター221および偏光変換素子222が光源部212から順に配置されている。インテグレーター221は、光源部212から照射された光の照度分布を均一化する。偏光変換素子222は、光源部212からの光を例えばs偏光のような特定の振動方向を有する直線偏光に変換する。
赤色用ライトバルブ1(R)は、ダイクロイックミラー213を透過して反射ミラー223で反射した赤色光LR(照明光)を画像信号に応じて変調し、変調した赤色光LR(変調光)をクロスダイクロイックプリズム219に向けて出射する。
緑色用ライトバルブ1(G)は、ダイクロイックミラー213で反射した後にダイクロイックミラー214で反射した緑色光LG(照明光)を、画像信号に応じて緑色光LGを変調し、変調した緑色光LG(変調光)をクロスダイクロイックプリズム219に向けて出射する。
緑色用ライトバルブ1(G)は、ダイクロイックミラー213で反射した後にダイクロイックミラー214で反射した緑色光LG(照明光)を、画像信号に応じて緑色光LGを変調し、変調した緑色光LG(変調光)をクロスダイクロイックプリズム219に向けて出射する。
青色用ライトバルブ1(B)は、ダイクロイックミラー213で反射し、ダイクロイックミラー214を透過した後でリレー系230を経た青色光LB(照明光)を画像信号に応じて変調し、変調した青色光LB(変調光)をクロスダイクロイックプリズム219に向けて出射する。
リレー系230は、リレーマイクロレンズ224a、224bと反射ミラー225a、225bとを備えている。リレーマイクロレンズ224a、224bは、青色光LBの光路が長いことによる光損失を防止するために設けられている。リレーマイクロレンズ224aは、ダイクロイックミラー214と反射ミラー225aとの間に配置されている。
リレーマイクロレンズ224bは、反射ミラー225a、225bの間に配置されている。反射ミラー225aは、ダイクロイックミラー214を透過してリレーマイクロレンズ224aから出射した青色光LBをリレーマイクロレンズ224bに向けて反射するように配置されている。反射ミラー225bは、リレーマイクロレンズ224bから出射した青色光LBを青色用ライトバルブ1(B)に向けて反射するように配置されている。
クロスダイクロイックプリズム219は、2つのダイクロイック膜219a、219bをX字型に直交配置した色合成光学系である。ダイクロイック膜219aは青色光LBを反射して緑色光LGを透過する。ダイクロイック膜219bは赤色光LRを反射して緑色光LGを透過する。
従って、クロスダイクロイックプリズム219は、赤色用ライトバルブ1(R)、緑色用ライトバルブ1(G)、および青色用ライトバルブ1(B)の各々で変調された赤色光LRと緑色光LGと青色光LBとを合成し、投射光学系218に向けて出射するように構成されている。投射光学系218は、投影マイクロレンズ(図示略)を有しており、クロスダイクロイックプリズム219で合成された光をスクリーン211に投射するように構成されている。
[他の電子機器]
本発明を適用した電気光学装置1は、投射型表示装置において、光源部として、各色の光を出射するLED光源、レーザー光源等を用い、かかる光源から出射された色光を各々、別の電気光学装置に供給するように構成してもよい。
本発明を適用した電気光学装置1は、投射型表示装置において、光源部として、各色の光を出射するLED光源、レーザー光源等を用い、かかる光源から出射された色光を各々、別の電気光学装置に供給するように構成してもよい。
また、電気光学装置1は、投射画像を観察する側から投射する前方投射型プロジェクターに限らず、投射画像を観察する側とは反対の側から投射する後方投射型プロジェクターに用いてもよい。
また、電気光学装置1を適用可能な電子機器は、投射型表示装置210に限定されない。電気光学装置1は、例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として用いてもよい。
1…電気光学装置、3a…走査線、3b…ゲート電極、5a…容量線、6a…データ線、8a,27a…遮光膜、9a…画素電極、9s…スペース、10…第1基板、10a…表示領域、16…第1配向膜、17…誘電体膜、18…遮光部材、19,29…基板本体、20…第2基板、21…対向電極、22…透光膜、26…第2配向膜、30…トランジスター、31a…半導体膜、50…電気光学層、51…第1レンズ部材、52…第2レンズ部材、61…第1透光性基板、62…第2透光性基板、70…光学補償部材、71…無機膜、100…液晶パネル、210…投射型表示装置、212…光源部、218…投射光学系
Claims (9)
- 酸化インジウムスズを含み、各々のスペース幅が100nm以上、かつ、300nm以下の複数の画素電極と、
前記複数の画素電極を覆うとともに隣り合う前記画素電極間のスペースを埋める誘電体膜と、
を備え、
前記誘電体膜の屈折率をnとし、前記画素電極に入射する光の波長λを550nmとしたとき、前記誘電体膜の前記画素電極と重なる部分の膜厚は、前記スペース幅の1/2以上、かつ、λ/2n以下であることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1に記載の電気光学装置において、
前記誘電体膜の前記画素電極と反対側の面が連続した平面になっていることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1または2に記載の電気光学装置において、
前記誘電体膜の前記画素電極と反対側の面に配向膜が積層されており、
前記誘電体膜は、前記配向膜の屈折率と前記画素電極の屈折率との間の屈折率を有することを特徴とする電気光学装置。 - 請求項3に記載の電気光学装置において、
前記配向膜は、酸化シリコンを含み、
前記誘電体膜は、酸窒化シリコン、窒化シリコン、および酸化アルミニウムのうち少なくとも1つを含むことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項3または4に記載の電気光学装置において、
前記誘電体膜の屈折率nは、前記配向膜の屈折率より前記画素電極の屈折率に近いことを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1から5の何れか一項に記載の電気光学装置において、
基板本体と前記画素電極との間にレンズ部材を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項6に記載の電気光学装置において、
前記基板本体と前記画素電極との間に格子状の遮光部材を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項6または7に記載の電気光学装置において、
前記レンズ部材よりも光入射側に配置された光学補償部材を備えることを特徴とする電気光学装置。 - 請求項1から8までの何れか一項に記載の電気光学装置を備えていることを特徴とする電子機器。
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