JP2021179544A - 組成物、それを用いて得られる硬化物、光学デバイス、及び、デバイスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】365〜405nmの波長の活性エネルギーに対し高感度であるスルホニウム塩を含むレジスト組成物を提供する。【解決手段】チオキサンテン構造を有する特定のスルホニウム塩と、酸反応性化合物と、を含む組成物。【選択図】なし
Description
本発明のひとつの態様は、組成物に関する。また、本発明の別の態様は、上記組成物を用いて得られる硬化物、光学デバイス及びデバイスの製造方法に関する。
半導体デバイスのうち、例えば、DRAM等に代表される高集積回路素子では、一層の高密度化、高集積化、あるいは高速化の要望が高い。それに伴い、各種電子デバイス製造分野では、ハーフミクロンオーダーの微細加工技術の確立、例えば、微細パターン形成のためのフォトリソグラフィ技術開発に対する要求がますます厳しくなっている。
フォトリソグラフィ技術において、露光光として波長365nmのi線が現在広く用いられている。その理由に、照射光源として、廉価でありながら良好な発光強度を示す中圧・高圧水銀灯が利用できることがある。また、i線領域(355nm〜375nm)に発光波長があるLEDランプが近年普及しつつあることも挙げられる。したがって、酸の作用により脱保護又は架橋し、極性変換して現像液に対する溶解性を変化させて現像することでパターニング形成するフォトレジストに添加する光酸発生剤、及び、酸の作用によるカチオン重合により硬化する樹脂に添加する光酸発生剤のうち、i線領域に対し高い感応性を示す光酸発生剤の必要性は、今後更に高まって行くと考えられる。
また、パッケージング用途等の半導体向けi線リソグラフィは、例えばメッキ工程によるバンプ及びメタルポストの形成等のため厚膜での利用が多い。
既存の光酸発生剤のうち、従来i線の吸収を向上させる目的でフェニルスルファニル基を有するスルホニウム塩に、アルキルケトン、アリールケトン、アントラキノン及びチオキサントンのうち少なくとも1つを付加することに加えて、様々な置換基を付加することで長波長化することが検討されて来た(特許文献1〜3)。
一方、OLED(Organic Light Emmiting Diode)等の有機発光素子は、自発光素子であるためバックライトが不要である上に、低電力消費であり視認性が良好であり、近年特にモバイルディスプレイ用途に用いられている。
OLED等の有機発光素子は、一対の電極とその間に挟持された有機発光層とを有する。OLED等を用いた光学デバイスは、有機発光素子における有機発光層又は電極が水分等の影響を受けやすい。そのため、OLED等を用いた光学デバイスは、有機発光素子を保護するために保護層を有することが提案されている。該保護層は、光硬化性組成物を用いてi線により光硬化させて形成されることが一般的に多く行われている(特許文献4)。
また、電子デバイスにおいて、回路基板を保護するソルダーレジストや半導体を搭載する配線基板の多層用の層間絶縁膜等の保護層を形成するための組成物としても、i線により光硬化させる光硬化性組成物が多く提案されている。
一方、OLED(Organic Light Emmiting Diode)等の有機発光素子は、自発光素子であるためバックライトが不要である上に、低電力消費であり視認性が良好であり、近年特にモバイルディスプレイ用途に用いられている。
OLED等の有機発光素子は、一対の電極とその間に挟持された有機発光層とを有する。OLED等を用いた光学デバイスは、有機発光素子における有機発光層又は電極が水分等の影響を受けやすい。そのため、OLED等を用いた光学デバイスは、有機発光素子を保護するために保護層を有することが提案されている。該保護層は、光硬化性組成物を用いてi線により光硬化させて形成されることが一般的に多く行われている(特許文献4)。
また、電子デバイスにおいて、回路基板を保護するソルダーレジストや半導体を搭載する配線基板の多層用の層間絶縁膜等の保護層を形成するための組成物としても、i線により光硬化させる光硬化性組成物が多く提案されている。
しかしながら、i線は光学デバイスや電子デバイスに対して光ダメージが問題となることがある。そのため、光学デバイスや電子デバイスに光ダメージを与えない光源で光硬化できる組成物が求められている。近年、i線に代わる光源の一つとしてh線(405nm)及びh線領域の波長(375〜415nm)の利用が考えられている。
しかしながら、h線領域に高い感度を有する光酸発生剤及び化学増幅型感光性組成物はあまり知られていない。
本発明のいくつかの態様は、このような事情に鑑み、h線領域に高い感度を有する組成物を提供することを課題とする。また、本発明のいくつかの態様は、上記組成物を用いて得られる硬化物、該硬化物を有する光学デバイス及び上記組成物を用いたデバイスの製造方法を提供することを課題とする。
しかしながら、h線領域に高い感度を有する光酸発生剤及び化学増幅型感光性組成物はあまり知られていない。
本発明のいくつかの態様は、このような事情に鑑み、h線領域に高い感度を有する組成物を提供することを課題とする。また、本発明のいくつかの態様は、上記組成物を用いて得られる硬化物、該硬化物を有する光学デバイス及び上記組成物を用いたデバイスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、チオキサントン骨格を有するスルホニウム塩の3位に特定の置換基を導入したスルホニウム塩がh線領域における感度が高く、かつ420nm以上の光透過性が高いことを見出し、本発明の一つの態様における組成物を完成するに至った。
上記課題を解決するための本発明のひとつの態様は、下記一般式(1)又は一般式(2)で表されるスルホニウム塩と、酸反応性化合物と、を含む組成物であって、
該組成物を用いて塗布膜を形成する工程(a)と、上記塗布膜に365〜405nmの波長の活性エネルギー線を照射する工程(b)と、を有するデバイスの製造方法に用いられる組成物である。
該組成物を用いて塗布膜を形成する工程(a)と、上記塗布膜に365〜405nmの波長の活性エネルギー線を照射する工程(b)と、を有するデバイスの製造方法に用いられる組成物である。
上記式(1)及び(2)中、R1及びR2は独立して各々に、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリール基;からなる群より選択されるいずれかである。
上記R1及びR2中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
また、上記R1及びR2は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよい。
上記R1及びR2中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
また、上記R1及びR2は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよい。
R3は、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルケニル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルコキシ基;置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12のアリールオキシ基;置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリールオキシ基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルスルファニル基;置換基を有していてもよいアリールスルファニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリールスルファニル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルスルホニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12のアリールスルホニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリールスルホニル基;等である。
R4及びR5は独立して各々に、水素原子;ヒドロキシ基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリール基;;置換基を有していてもよい分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルケニルカルボニルオキシ基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜12のアリールカルボニルオキシ基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリールカルボニルオキシ基;からなる群より選択されるいずれかである。
R6は特に制限はないが、ハロゲン原子;ヒドロキシ基;ニトロ基;置換基を有していてもよい直鎖、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜14のアリール基;置換基を有していてもよい炭素原子数4〜14のヘテロアリール基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルコキシ基;置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12のアリールオキシ基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルスルファニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12のアリールスルファニル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルスルホニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜12のアリールスルホニル基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリールスルホニル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルケニルカルボニルオキシ基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜12のアリールカルボニルオキシ基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリールカルボニルオキシ基;からなる群より選択されるいずれかである。
上記R4、R5及びR6中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
nは0〜4の整数である。
nは0〜4の整数である。
上記R1〜R4の少なくとも2つは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよい。
上記R3〜R5の少なくとも2つは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して環構造を形成してもよい。
上記R3〜R5の少なくとも2つは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して環構造を形成してもよい。
上記式(1)中、2つ以上のR6の少なくとも2つは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して環構造を形成してもよい。
X-は1価の対アニオンを示す。
本発明の他の態様は、上記組成物に活性エネルギー線を照射することにより得られる硬化物である。
本発明の他の態様は、上記硬化物と可視光を発生する部材とを含む光学デバイスであって、上記硬化物は前記可視光に対する透過率が90%以上である光学デバイスである。
また、本発明の他の態様は、組成物を用いて塗布膜を形成する工程と、
上記塗布膜に活性エネルギー線を照射する工程と、を含むデバイスの製造方法である。
本発明の他の態様は、上記硬化物と可視光を発生する部材とを含む光学デバイスであって、上記硬化物は前記可視光に対する透過率が90%以上である光学デバイスである。
また、本発明の他の態様は、組成物を用いて塗布膜を形成する工程と、
上記塗布膜に活性エネルギー線を照射する工程と、を含むデバイスの製造方法である。
本発明によれば、h線領域に高い感度を有する組成物を提供できる。また、本発明のひとつの態様における組成物により得られる硬化物は、可視光に対して透過性が高い。それにより、可視光領域に高い透過性を有する光学デバイス及びデバイスの製造方法を提供できる。
以下、本発明について具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
<1>スルホニウム塩
本発明のひとつの態様に係る組成物に含有されるスルホニウム塩は、上記一般式(1)で表される。
<1>スルホニウム塩
本発明のひとつの態様に係る組成物に含有されるスルホニウム塩は、上記一般式(1)で表される。
R1及びR2における直鎖状の炭素原子数1〜12のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基等が挙げられる。
R1及びR2における分岐状の炭素原子数1〜12のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、t−ブチル基等が挙げられる。
R1及びR2における環状の炭素原子数1〜12のアルキル基として具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタン−1−イル基、アダマンタン−2−イル基、ノルボルナン−1−イル基及びノルボルナン−2−イル基等が挙げられる。
R1及びR2における分岐状の炭素原子数1〜12のアルキル基として具体的には、イソプロピル基、t−ブチル基等が挙げられる。
R1及びR2における環状の炭素原子数1〜12のアルキル基として具体的には、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンタン−1−イル基、アダマンタン−2−イル基、ノルボルナン−1−イル基及びノルボルナン−2−イル基等が挙げられる。
R1及びR2がメチレン基を有する場合、少なくとも1つのメチレン基に代えて、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−N(R7)−、−N(Ar1)−、−S−、−SO−及び−SO2−からなる群より選ばれる1種のヘテロ原子含有基を骨格に含んでいてもよい。ただし、−O−O−及び−S−S−等の同じヘテロ原子の連続した繋がりを有しないことが好ましい。
なお、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−及び−NH−等における窒素原子に結合する水素原子は、R7又はAr1で置換されていても良い。R7及びAr1については後述する。
ただし、硫黄原子(S+)はヘテロ原子含有基に直接結合せずに、メチレン基等の2価の炭化水素基を介してヘテロ原子含有基と結合していることが好ましい。
R1及びR2のアルケニル基は、上記アルキル基の少なくとも1つの炭素−炭素一重結合が、炭素−炭素二重結合に置換されたものが挙げられる。
なお、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−及び−NH−等における窒素原子に結合する水素原子は、R7又はAr1で置換されていても良い。R7及びAr1については後述する。
ただし、硫黄原子(S+)はヘテロ原子含有基に直接結合せずに、メチレン基等の2価の炭化水素基を介してヘテロ原子含有基と結合していることが好ましい。
R1及びR2のアルケニル基は、上記アルキル基の少なくとも1つの炭素−炭素一重結合が、炭素−炭素二重結合に置換されたものが挙げられる。
R1及びR2の炭素原子数6〜14のアリール基として具体的には、単環芳香族炭化水素基、及び、該単環芳香族炭化水素が少なくとも2環以上縮合した縮合多環芳香族炭化水素基等を挙げることができる。これらアリール基は、置換基を有していてもよい。
上記単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基が挙げられる。
上記縮合多環芳香族炭化水素基としては、インデン、ナフタレン、アズレン、アントラセン及びフェナントレン等の骨格を有する基が挙げられる。
上記単環芳香族炭化水素基としては、フェニル基が挙げられる。
上記縮合多環芳香族炭化水素基としては、インデン、ナフタレン、アズレン、アントラセン及びフェナントレン等の骨格を有する基が挙げられる。
R1及びR2の炭素原子数4〜12のヘテロアリール基としては、上記アリール基の少なくとも1つの炭素原子に代えて、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子から選択される少なくともいずれかを骨格に含むものが挙げられる。
上記ヘテロアリール基としては、単環芳香族複素環基、及び、該単環芳香族複素環の少なくとも1つが上記芳香族炭化水素基又は脂肪族複素環基等と縮合した縮合多環芳香族複素環基等を挙げることができる。これら芳香族複素環基は、置換基を有していてもよい。
上記単環芳香族複素環基としては、フラン、チオフェン、チアゾール、ピロール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン及びピラジン等の骨格を有する基が挙げられる。
上記単環芳香族複素環基としては、フラン、チオフェン、チアゾール、ピロール、イミダゾール、ピリジン、ピリミジン及びピラジン等の骨格を有する基が挙げられる。
縮合多環芳香族複素環基としては、インドール、プリン、キノリン、イソキノリン、クロメン、フェノキサジン、キサンテン、アクリジン、フェナジン及びカルバゾール等の骨格を有する基が挙げられる。
R1及びR2が有してもよい置換基(以下、「第1置換基」ともいう)としては、ヒドロキシ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシ基、アルコキシ基(−OR7)、アルキルスルファニル基(−CSR7)、アルキルカルボニル基(−COR7)、アルコキシカルボニル基(−COOR7)、アリール基(−Ar1)、アリールオキシ基(−OAr1)、アリールスルファニル基(−CSAr1)、アミノ基、アルキルアミノ基(−NHR7)、ジアルキルアミノ基(−N(R7)2)、アリールアミノ基(−NHAr1)、ジアリールアミノ基(−N(Ar1)2)、N−アルキル−N−アリールアミノ基(−NR7Ar1)ホスフィノ基、シリル基、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基(−Si−(R7)3)、該トリアルキルシリル基のアルキル基の少なくとも1つがAr1で置換されたシリル基、アルキルスルファニル基(−SR7)及びアリールスルファニル基(−SAr1)等を挙げることができるが、これらに制限されない。
これらの中でも、第1置換基としてヒドロキシ基、メルカプト基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びシアノ基等の極性基を有すると、リソグラフィ特性が良好となることから好ましい。
また、第1置換基として(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有していてもよい。
これらの中でも、第1置換基としてヒドロキシ基、メルカプト基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基及びシアノ基等の極性基を有すると、リソグラフィ特性が良好となることから好ましい。
また、第1置換基として(メタ)アクリロイル基等の重合性基を有していてもよい。
上記R1及びR2は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよい。
上記第1置換基中の上記R7は、炭素数1以上のアルキル基であることが好ましい。炭素数1以上のアルキル基としては、上記R1及びR2としてのアルキル基と同じ選択肢から選択できる。また、炭素数1以上のアルキル基としては、上記R1のとしてのアルキル基の水素の1つがトリメチルシリル基、トリエチルシリル基又はジメチルエチルシリル基等のトリアルキルシリル基で置換されたシリル基置換アルキル基;これらの水素原子の少なくとも1つがシアノ基又はフルオロ基等で置換されたアルキル基;等も好ましく挙げられる。
上記第1置換基中のAr1は、アリール基又はヘテロアリール基であることが好ましい。Ar1としては、上記R1及びR2としてのアリール基及びヘテロアリール基と同じ選択肢から選択できる。
なお、本発明の一つの態様におけるスルホニウム塩は、ポリマーの一部に結合したポリマー成分であってもよく、また、ポリマーユニットとして含まれるポリマー成分であってもよい。
本発明において、低分子化合物とは重量平均分子量が2000未満のものであり、ポリマー成分とは重量平均分子量が2000以上のものとする。
なお、本発明の一つの態様におけるスルホニウム塩は、ポリマーの一部に結合したポリマー成分であってもよく、また、ポリマーユニットとして含まれるポリマー成分であってもよい。
本発明において、低分子化合物とは重量平均分子量が2000未満のものであり、ポリマー成分とは重量平均分子量が2000以上のものとする。
R1及びR2としては、h線領域での高い吸収と安定性の向上の点からアリール基が好ましい。
R3におけるアルキル基及びアルケニル基は、それぞれ上記R1及びR2としてのアルキル基及びアルケニル基と同じ選択肢から選択できる。
R3におけるアルコキシ基、アルキルスルファニル基及びアルキルスルホニル基中のアルキル基は、上記R1及びR2としてのアルキル基と同様の選択肢から選択できる。
R3におけるアリールオキシ基、アリールスルファニル基及びアリールスルホニル基中のアルール基は、上記R1及びR2としてのアリール基と同様の選択肢から選択できる。
R3におけるヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールスルファニル基及びヘテロアリールスルホニル基中のヘテロアルール基は、上記R1及びR2としてのヘテロアリール基と同様の選択肢から選択できる。
R3は置換基(以下、「第2置換基」ともいう)を有しても良い。上記第2置換基は上記第1置換基と同様の選択肢から選択できる。
R3におけるアルコキシ基、アルキルスルファニル基及びアルキルスルホニル基中のアルキル基は、上記R1及びR2としてのアルキル基と同様の選択肢から選択できる。
R3におけるアリールオキシ基、アリールスルファニル基及びアリールスルホニル基中のアルール基は、上記R1及びR2としてのアリール基と同様の選択肢から選択できる。
R3におけるヘテロアリールオキシ基、ヘテロアリールスルファニル基及びヘテロアリールスルホニル基中のヘテロアルール基は、上記R1及びR2としてのヘテロアリール基と同様の選択肢から選択できる。
R3は置換基(以下、「第2置換基」ともいう)を有しても良い。上記第2置換基は上記第1置換基と同様の選択肢から選択できる。
R3として好ましくは、吸収のシフトによりh線領域のモル吸光係数を向上させる点からアルキルオキシ基又はアリールオキシ基であることが好ましい。
R4及びR5としてのアルキル基、アルケニル基、アリール基及びヘテロアリール基は、それぞれ上記記R1及びR2としてのアルキル基、アルケニル基、アリール基及びヘテロアリール基と同じ選択肢から選択できる。
R4及びR5としてのアルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基及びヘテロアリールカルボニルオキシ基は、カルボニルオキシ基が上記R1及びR2としてのアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を有するものが挙げられる。
R4及びR5は置換基(以下、「第3置換基」ともいう)を有しても良い。上記第3置換基としては、上記第1置換基と同様のものが挙げられる。
R4及びR5としてのアルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基及びヘテロアリールカルボニルオキシ基は、カルボニルオキシ基が上記R1及びR2としてのアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を有するものが挙げられる。
R4及びR5は置換基(以下、「第3置換基」ともいう)を有しても良い。上記第3置換基としては、上記第1置換基と同様のものが挙げられる。
R4及びR5としては、h線領域のモル吸光係数を高くする点からアルキル、アルケニル又はアラルキル基が好ましい。
R6のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等が挙げられる。
R6のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルホニル基;アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基及びヘテロアリールカルボニルオキシ基は、R3〜R5と同じ選択肢から選択できる。
R6のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルホニル基;アリールスルホニル基、ヘテロアリールスルホニル基、アルキルカルボニルオキシ基、アルケニルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基及びヘテロアリールカルボニルオキシ基は、R3〜R5と同じ選択肢から選択できる。
上記R4、R5及びR6中の少なくとも1つのメチレン基が上記2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよい。
nは0〜4の整数である。
上記R1〜R5の少なくとも2つは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよい。
2つ以上のR6の少なくとも2つは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して環構造を形成してもよい。
nは0〜4の整数である。
上記R1〜R5の少なくとも2つは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよい。
2つ以上のR6の少なくとも2つは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して環構造を形成してもよい。
なお、本発明の一つの態様におけるスルホニウム塩は、ポリマーの一部に結合したポリマー成分であってもよく、また、ポリマーユニットとして含まれるポリマー成分であってもよい。ポリマー成分であるときは、上記第2置換基としてはポリマーの主鎖が挙げられ、R1〜R6の各炭素原子数は、ポリマー全体で重量平均分子量が2000〜200000となるように調整することが好ましい。
本発明のいくつかの態様において、スルホニウムオニウムカチオンとして例えば下記に示すものが挙げられるが、本発明はこれに限定されない。
上記X−は1価の対アニオンである。
上記アニオンとしては特に制限はなく、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、イミドアニオン、メチドアニオン、カーボアニオン、ボレートアニオン、ハロゲンアニオン、リン酸アニオン、アンチモン酸アニオン、ヒ酸アニオン等のアニオンが挙げられる。
より詳しくは、アニオンとして、ZAa−、(Rf)bPF(6-b) −、R10 cBA(4−c) −、R10 cGaA(4−c) −、R11SO3 −、(R11SO2)3C−又は(R11SO2)2N−で表されるアニオンが好ましく挙げられる。Rfの2個、R10及びR11の2個はそれぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。
より詳しくは、アニオンとして、ZAa−、(Rf)bPF(6-b) −、R10 cBA(4−c) −、R10 cGaA(4−c) −、R11SO3 −、(R11SO2)3C−又は(R11SO2)2N−で表されるアニオンが好ましく挙げられる。Rfの2個、R10及びR11の2個はそれぞれ、互いに結合して環を形成してもよい。
Zは、リン原子、ホウ素原子又はアンチモン原子を表す。Aはハロゲン原子(フッ素原子が好ましい。)を表す。
Pはリン原子、Fはフッ素原子、Bはホウ素原子、Gaはガリウム原子を表す。
Sはイオウ原子、Oは酸素原子、Cは炭素原子、Nは窒素原子を表す。
Pはリン原子、Fはフッ素原子、Bはホウ素原子、Gaはガリウム原子を表す。
Sはイオウ原子、Oは酸素原子、Cは炭素原子、Nは窒素原子を表す。
Rfは、水素原子の80モル%以上がフッ素原子で置換されたアルキル基が好ましく、アルキル基としては炭素原子数1〜8のアルキル基が好ましい。フッ素置換によりRfとするアルキル基としては、直鎖アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びオクチル等)、分枝鎖アルキル基(イソプロピル、イソブチル、s−ブチル及びt−ブチル等)及びシクロアルキル基(シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等)等が挙げられる。Rfにおいてこれらのアルキル基の水素原子がフッ素原子に置換されている割合は、もとのアルキル基が有していた水素原子のモル数に基づいて、80モル%以上が好ましく、さらに好ましくは90モル%以上、特に好ましくは100モル%である。
フッ素原子による置換割合がこれら好ましい範囲にあると、スルホニウム塩の光感応性がさらに良好となる。特に好ましいRfとしては、CF3 −、CF3CF2 −、(CF3)2CF−、CF3CF2CF2 −、CF3CF2CF2CF2 −、(CF3)2CFCF2 −、CF3CF2(CF3)CF−及び(CF3)3C−が挙げられる。b個のRfは、相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
フッ素原子による置換割合がこれら好ましい範囲にあると、スルホニウム塩の光感応性がさらに良好となる。特に好ましいRfとしては、CF3 −、CF3CF2 −、(CF3)2CF−、CF3CF2CF2 −、CF3CF2CF2CF2 −、(CF3)2CFCF2 −、CF3CF2(CF3)CF−及び(CF3)3C−が挙げられる。b個のRfは、相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
R10は、水素原子の一部が少なくとも1個のハロゲン原子又は電子求引基で置換されたフェニル基を表す。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子及び臭素原子等が挙げられる。電子求引基としては、トリフルオロメチル基、ニトロ基及びシアノ基等が挙げられる。これらのうち、1個の水素原子がフッ素原子又はトリフルオロメチル基で置換されたフェニル基が好ましい。c個のR10は相互に独立であり、従って、互いに同一でも異なっていてもよい。
R11は炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数1〜20のパーフルオロアルキル基又は炭素原子数6〜20のアリール基を表し、アルキル基及びパーフルオロアルキル基は直鎖、分枝鎖状又は環状のいずれでもよく、アリール基は無置換であっても、置換基を有していてもよい。
aは4〜6の整数を表す。bは1〜5の整数を表し、好ましくは2〜4、特に好ましくは2又は3である。cは、1〜4の整数を表し、好ましくは4である。
ZAa −で表されるアニオンとしては、SbF6 −、PF6 −及びBF4 −で表されるアニオン等が挙げられる。
(Rf)bPF(6−b) −で表されるアニオンとしては、(CF3CF2)2PF4 −、(CF3CF2)3PF3 −、((CF3)2CF)2PF4 −、((CF3)2CF)3PF3 −、(CF3CF2CF2)2PF4 −、(CF3CF2CF2)3PF3 −、((CF3)2CFCF2)2PF4 −、((CF3)2CFCF2)3PF3 −、(CF3CF2CF2CF2)2PF4 −及び(CF3CF2CF2CF2)3PF3 −で表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(CF3CF2)3PF3 −、(CF3CF2CF2)3PF3 −、((CF3)2CF)3PF3 −、((CF3)2CF)2PF4 −、((CF3)2CFCF2)3PF3 −及び((CF3)2CFCF2)
2PF4 −で表されるアニオンが好ましい。
2PF4 −で表されるアニオンが好ましい。
R10 cBA(4−c) −で表されるアニオンとしては、(C6F5)4B−、((CF3)2C6H3)4B−、(CF3C6H4)4B−、(C6F5)2BF2 −、C6F5BF3 −及び(C6H3F2)4B−で表されるアニオン等が挙げられる。これらのうち、(C6F5)4B−及び((CF3)2C6H3)4B−で表されるアニオンが好ましい。
R11SO3 −で表されるアニオンとして、WO2011/093139号公報に記載のものが挙げられる。感放射線性酸発生剤として具体的には下記式(a1)に示すアニオン構造を有するスルホン酸誘導体が好ましいが、これに限定されない。
R11aCOOCH2CH2CFHCF2SO3 − (a1)
上記式(a1)において、R11aは、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の1価の有機基を示す。上記有機基として、好ましくは、炭素原子数1〜20の下記式で表される基が挙げられる。
R11b−(L−R11c)m− (a2)
上記式(a1)において、R11aは、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20の1価の有機基を示す。上記有機基として、好ましくは、炭素原子数1〜20の下記式で表される基が挙げられる。
R11b−(L−R11c)m− (a2)
上記式(a2)において、R11bは、直鎖状、分岐状又は環状の1価の脂肪族炭化水素基;1価の芳香族炭化水素基;並びに、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−N=、−S−、−SO−及び−SO2−からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を骨格に含む1価の脂肪族複素環基又は1価の芳香族複素環基;から選ばれるいずれかの1価の基である。
また、Lは、各々独立に、直接結合;又は−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−及び−CO−O−CH2−CO−O−からなる群より選ばれるいずれかの基である。
R11cは、各々独立に、直鎖状、分岐状又は環状の2価の脂肪族炭化水素基;2価の芳香族炭化水素基;並びに、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−N=、−S−、−SO−及び−SO2−からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を骨格に含む2価の脂肪族複素環基又は2価の芳香族複素環基;より選ばれるいずれかの2価の基である。
また、Lは、各々独立に、直接結合;又は−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−S−及び−CO−O−CH2−CO−O−からなる群より選ばれるいずれかの基である。
R11cは、各々独立に、直鎖状、分岐状又は環状の2価の脂肪族炭化水素基;2価の芳香族炭化水素基;並びに、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−NHCO−、−CONH−、−NH−CO−O−、−O−CO−NH−、−NH−、−N=、−S−、−SO−及び−SO2−からなる群より選ばれる少なくとも1種の基を骨格に含む2価の脂肪族複素環基又は2価の芳香族複素環基;より選ばれるいずれかの2価の基である。
また、上記式(a2)において、mは0又は1〜10の整数である。ただし、mが0のときR11aが前記ヒドロキシ基を有し、mが1以上のときR11b及びR11cのうち少なくともいずれかが上記ヒドロキシ基を有する。mは0〜5が好ましく、0〜3がより好ましい。
なお、R11aが置換基を有している場合、その置換基の炭素原子数も含めて、炭素原子数1〜200であることが好ましく、炭素原子数1〜100であることがより好ましく、炭素原子数1〜30であることがさらに好ましく、炭素原子数3〜30であることが特に好ましい。また、R11aが置換基を有していることが好ましく、すなわち、R11b及びR11cが有する少なくとも1つの水素が該置換基で置換されていることが好ましい。
R11aが有していてもよい上記置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリーロキシ基、ホスフィノ基、アルキルチオ基及びアリールチオ基等を挙げることができるが、これらに制限されない。
R11SO3 −で表されるアニオンとしては、上記式(a1)に示すアニオン以外に、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロフェニルスルホン酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、エタンスルホン酸アニオン、プロパンスルホン酸アニオン及びブタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。これらのうち、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン及びp−トルエンスルホン酸アニオン等が挙げられる。
なお、R11aが置換基を有している場合、その置換基の炭素原子数も含めて、炭素原子数1〜200であることが好ましく、炭素原子数1〜100であることがより好ましく、炭素原子数1〜30であることがさらに好ましく、炭素原子数3〜30であることが特に好ましい。また、R11aが置換基を有していることが好ましく、すなわち、R11b及びR11cが有する少なくとも1つの水素が該置換基で置換されていることが好ましい。
R11aが有していてもよい上記置換基としては、ヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリール基、アリーロキシ基、ホスフィノ基、アルキルチオ基及びアリールチオ基等を挙げることができるが、これらに制限されない。
R11SO3 −で表されるアニオンとしては、上記式(a1)に示すアニオン以外に、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロエタンスルホン酸アニオン、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、ペンタフルオロフェニルスルホン酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、エタンスルホン酸アニオン、プロパンスルホン酸アニオン及びブタンスルホン酸アニオン等が挙げられる。これらのうち、トリフルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、ブタンスルホン酸アニオン、ベンゼンスルホン酸アニオン及びp−トルエンスルホン酸アニオン等が挙げられる。
(R11SO2)3C−で表されるアニオンとしては、(CF3SO2)3C−、(C2F5SO2)3C−、(C3F7SO2)3C−及び(C4F9SO2)3C−で表されるアニオン等が挙げられる。
(R11SO2)2N−で表されるアニオンとしては、(CF3SO2)2N−、(C2F5SO2)2N−、(C3F7SO2)2N−及び(C4F9SO2)2N−で表されるアニオン等が挙げられる。また、2つの(R11SO2)に対応する部分が互いに結合して環構造を形成した環状イミドも(R11SO2)2N−で表されるアニオンとして挙げられる。
一価のアニオンとしては、上記アニオン以外に、過ハロゲン酸イオン(ClO4 −、BrO4 −等)、ハロゲン化スルホン酸イオン(FSO3 −、ClSO3 −等)、硫酸イオン(CH3SO4 −、CF3SO4 −、HSO4 −等)、炭酸イオン(HCO3 −、CH3CO3 −等)、アルミン酸イオン(AlCl4 −、AlF4 −等)、ヘキサフルオロジマス酸イオン(BiF6 −)、カルボン酸イオン(CH3COO−、CF3COO−、C6H5COO−、CH3C6H4COO−、C6F5COO−、CF3C6H4COO−等)、アリールホウ酸イオン(B(C6H5)4 −、CH3CH2CH2CH2B(C6H5)3 −等)、チオシアン酸イオン(SCN−)及び硝酸イオン(NO3 −)等が使用できる。
これらのアニオンのうち、スルホン酸アニオン等が好ましい。
本発明のいくつかの態様において、上記スルホニウム塩は光酸発生剤としての機能を有する。
上述したように、本発明のいくつかの態様におけるスルホニウム塩はポリマー成分であってもよい。その際、分子内にアリール基以外の不飽和結合を有するスルホニウム塩を、ポリマーのユニットを構成するモノマーとして用いることも好ましい態様である。ポリマーのユニットを構成するモノマーとして用いる場合、上記ポリマーは、ホモポリマーでもよいが、他のユニットを有するコポリマーであってもよい。コポリマーであるとき他のユニットとしては、酸反応性化合物として作用するもの、及び、ヒドロキシアリール基含有ユニット等が挙げられる。上記酸反応性化合物として作用するもの、及び、ヒドロキシアリール基含有ユニット等については、後述する。
上述したように、本発明のいくつかの態様におけるスルホニウム塩はポリマー成分であってもよい。その際、分子内にアリール基以外の不飽和結合を有するスルホニウム塩を、ポリマーのユニットを構成するモノマーとして用いることも好ましい態様である。ポリマーのユニットを構成するモノマーとして用いる場合、上記ポリマーは、ホモポリマーでもよいが、他のユニットを有するコポリマーであってもよい。コポリマーであるとき他のユニットとしては、酸反応性化合物として作用するもの、及び、ヒドロキシアリール基含有ユニット等が挙げられる。上記酸反応性化合物として作用するもの、及び、ヒドロキシアリール基含有ユニット等については、後述する。
<2>上記スルホニウム塩の製造方法
本発明のひとつの態様におけるスルホニウム塩の合成方法について説明する。本発明においてはこれに限定されない。
目的とするスルホニウム塩の合成法は、例えばChemistry - A European Journal, 14(21), 6490-6497, 2008に記載されるような下記に示す方法が挙げられる。以下では上記式(1)及び上記式(2)で表されるスルホニウム塩を混合物で得る合成方法を例示するが、本発明はこれに限定されない。
まず、チオサリチル酸(必要により置換基R6を有していてもよい)とR3の置換基を有するブロモベンゼン(必要によりR4及び/又はR5置換基を有していてもよい)にCuとKIとK2CO3とを混合し10時間反応させ、2−フェニルスルファニル安息香酸誘導体(下記式(3))を得る。次いで、塩化チオニル処理にて酸塩化物にした後にルイス酸触媒存在下で環化させチオキサントン誘導体(以下、スルホニウム基を導入する前の下記式(4)で示される化合物を「チオキサントン誘導体」という)を得る。該チオキサントン誘導体にR1及びR2の置換基を有するスルホキシドとメタンスルホン酸と五酸化二リンとを混合し反応させ、チオキサントン骨格を有するスルホニウム塩(下記式(1)及び式(2)の混合物)を得る。
R1〜R6及びnは上記と同様のものが挙げられる。
本発明のひとつの態様におけるスルホニウム塩の合成方法について説明する。本発明においてはこれに限定されない。
目的とするスルホニウム塩の合成法は、例えばChemistry - A European Journal, 14(21), 6490-6497, 2008に記載されるような下記に示す方法が挙げられる。以下では上記式(1)及び上記式(2)で表されるスルホニウム塩を混合物で得る合成方法を例示するが、本発明はこれに限定されない。
まず、チオサリチル酸(必要により置換基R6を有していてもよい)とR3の置換基を有するブロモベンゼン(必要によりR4及び/又はR5置換基を有していてもよい)にCuとKIとK2CO3とを混合し10時間反応させ、2−フェニルスルファニル安息香酸誘導体(下記式(3))を得る。次いで、塩化チオニル処理にて酸塩化物にした後にルイス酸触媒存在下で環化させチオキサントン誘導体(以下、スルホニウム基を導入する前の下記式(4)で示される化合物を「チオキサントン誘導体」という)を得る。該チオキサントン誘導体にR1及びR2の置換基を有するスルホキシドとメタンスルホン酸と五酸化二リンとを混合し反応させ、チオキサントン骨格を有するスルホニウム塩(下記式(1)及び式(2)の混合物)を得る。
R1〜R6及びnは上記と同様のものが挙げられる。
上記反応は、0価の銅の代わりに1又は2価のCuを用いることもでき、環化反応において酸塩化物の代わりに酸無水物又はカルボン酸を用いてルイス酸の代わりにブレンステッド酸を用いることも出来る。
上記スルホニウム塩の合成において、チオキサントン誘導体にスルホニウム基を導入する際、チオキサントン誘導体の反応選択性とジカチオンの生成抑制を考慮してチオキサントン誘導体の3位に特定の置換基R3を有することが好ましい。また、チオキサントン誘導体(上記式(4))の置換基R5が置換基R3と異なる置換基であることがより好ましく、置換基R5が水素原子であることがさらに好ましい。そうすることで、反応選択性が向上しジカチオンが生成されにくく、効率よくモノカチオンが得られる。
上記チオキサントン誘導体にスルホニウム基を導入する際に、得られるスルホニウム塩においてジカチオンが生成しにくくするため、上記チオキサントン誘導体が有するR3としては、アルキルオキシ基及びアリールオキシ基等が好ましい。
上記チオキサントン誘導体にスルホニウム基を導入する際に、得られるスルホニウム塩においてジカチオンが生成しにくくするため、上記チオキサントン誘導体が有するR3としては、アルキルオキシ基及びアリールオキシ基等が好ましい。
なお、チオキサントン誘導体へのスルホニウム基の導入は、2位体又は4位体の混合となることがある。本発明のひとつの態様において、2位体及び4位体をそれぞれ単離して用いてもよいが、混合物として用いることも可能である。混合物として用いるときの2位体と4位体の比率は特に制限はないが、2位体が多い方が酸発生効率の点から好ましい。具体的には2位体:4位体の割合は、7:3〜5:5であることが好ましい。
<3>組成物
本発明のひとつの態様は、上記スルホニウム塩と、酸反応性化合物と、を含む組成物であって、該組成物は、下記工程(a)及び(b)を含むデバイスの製造方法に好適に用いられる。
工程(a):上記組成物を用いて塗布膜を形成する工程。
工程(b):上記塗布膜に365〜405nmの波長の活性エネルギー線を照射する工程。
本発明の一つの態様のデバイスの製造方法は、工程(b)で上記塗布膜に上記活性エネルギー線を照射する際に、パターン状に活性エネルギー線を形成し、その後、上記活性エネルギー線を照射した塗布膜を現像する工程をさらに含み、上記組成物をレジスト組成物として用いてもよい。
また、本発明の一つの態様のデバイスの製造方法において、工程(b)が上記塗布膜のほぼ全面に活性エネルギー線を照射する工程であってもよく、その場合は上記工程(b)において上記塗布膜に上記活性エネルギー線を照射することで硬化物が得られる。得られた硬化物をソルダーレジスト膜、層間絶縁膜、平坦化膜等の保護層として用いてもよい。
本発明のひとつの態様は、上記スルホニウム塩と、酸反応性化合物と、を含む組成物であって、該組成物は、下記工程(a)及び(b)を含むデバイスの製造方法に好適に用いられる。
工程(a):上記組成物を用いて塗布膜を形成する工程。
工程(b):上記塗布膜に365〜405nmの波長の活性エネルギー線を照射する工程。
本発明の一つの態様のデバイスの製造方法は、工程(b)で上記塗布膜に上記活性エネルギー線を照射する際に、パターン状に活性エネルギー線を形成し、その後、上記活性エネルギー線を照射した塗布膜を現像する工程をさらに含み、上記組成物をレジスト組成物として用いてもよい。
また、本発明の一つの態様のデバイスの製造方法において、工程(b)が上記塗布膜のほぼ全面に活性エネルギー線を照射する工程であってもよく、その場合は上記工程(b)において上記塗布膜に上記活性エネルギー線を照射することで硬化物が得られる。得られた硬化物をソルダーレジスト膜、層間絶縁膜、平坦化膜等の保護層として用いてもよい。
(光酸発生剤)
本発明のひとつの態様の組成物において、上記スルホニウム塩を光酸発生剤として用いるときの組成物中の含有量は、該光酸発生剤を除くレジスト組成物成分100質量部に対し0.1〜50質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましく、3〜15質量部であることがさらに好ましい。
上記光酸発生剤の含有量の算出において、有機溶剤はレジスト組成物成分100質量部中に含まないこととする。
上記光酸発生剤がポリマーである場合は、ポリマー主鎖を除いた質量基準とする。また、上記光酸発生剤が、後述のヒドロキシアリール基含有ユニット及び酸反応性化合物からなる群より選択される少なくとも1つと共に同一ポリマーのユニットとして含まれる場合、上記光酸発生剤として作用するユニットは、ポリマー全ユニット中、0.1〜40モル%であることが好ましく、1〜30モル%であることがより好ましく、3〜20モル%であることがさらに好ましい。
本発明のひとつの態様の組成物において、上記スルホニウム塩を光酸発生剤として用いるときの組成物中の含有量は、該光酸発生剤を除くレジスト組成物成分100質量部に対し0.1〜50質量部であることが好ましく、1〜30質量部であることがより好ましく、3〜15質量部であることがさらに好ましい。
上記光酸発生剤の含有量の算出において、有機溶剤はレジスト組成物成分100質量部中に含まないこととする。
上記光酸発生剤がポリマーである場合は、ポリマー主鎖を除いた質量基準とする。また、上記光酸発生剤が、後述のヒドロキシアリール基含有ユニット及び酸反応性化合物からなる群より選択される少なくとも1つと共に同一ポリマーのユニットとして含まれる場合、上記光酸発生剤として作用するユニットは、ポリマー全ユニット中、0.1〜40モル%であることが好ましく、1〜30モル%であることがより好ましく、3〜20モル%であることがさらに好ましい。
(酸反応性化合物)
上記酸反応性化合物は、酸により脱保護する保護基を有する化合物、酸により重合する重合性基を有する化合物、及び、酸により架橋作用を有する架橋剤からなる群より選択される少なくともいずれかであることが好ましい。
上記酸反応性化合物は、酸により脱保護する保護基を有する化合物、酸により重合する重合性基を有する化合物、及び、酸により架橋作用を有する架橋剤からなる群より選択される少なくともいずれかであることが好ましい。
酸により脱保護する保護基を有する化合物とは、酸によって保護基が脱保護することにより極性基を生じ、上記組成物をレジスト組成物として用いる場合、現像液に対する溶解性が変化する化合物である。現像が例えば、アルカリ現像液等を用いる水系現像の場合、上記酸により脱保護する保護基を有する化合物は、アルカリ現像液に対して不溶性であるが、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において上記保護基が上記化合物から脱保護することにより、アルカリ現像液に対して可溶となる化合物である。
本発明においては、アルカリ現像液に限定されず、水系中性現像液又は有機溶剤現像液であってもよい。そのため、有機溶剤現像液を用いる場合は、酸により脱保護する保護基を有する化合物は、露光により上記光酸発生剤から発生する酸によって露光部において上記保護基が上記化合物から脱保護して極性基を生じ、有機溶剤現像液に対して溶解性が低下する化合物である。
上記極性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基及びスルホ基等が挙げられる。これらの中でも構造中に−OHを有する極性基が好ましく、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が好ましい。
上記極性基としては、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アミノ基及びスルホ基等が挙げられる。これらの中でも構造中に−OHを有する極性基が好ましく、ヒドロキシ基又はカルボキシ基が好ましい。
酸で脱保護する保護基の具体例としては、カルボキシ基と第3級アルキルエステル基を形成する基;アルコキシアセタール基;テトラヒドロピラニル基;シロキシ基及びベンジロキシ基等が挙げられる。該保護基を有する化合物として、これら保護基がペンダントしたスチレン骨格、メタクリレート又はアクリレート骨格を有する化合物等が好適に用いられる。
酸により脱保護する保護基を有する化合物は、保護基含有低分子化合物であっても、保護基を有するユニット含有ポリマー成分であってもよい。
酸により重合する重合性基を有する化合物とは、上記組成物をレジスト組成物として用いる場合、酸によって重合することにより現像液に対する溶解性を変化させる化合物である。現像が例えば水系現像の場合、水系現像液に対して可溶である化合物に対して作用し、重合後に該化合物を水系現像液に対して溶解性を低下させるものである。酸により重合する重合性基として具体的には、エポキシ基、ビニルオキシ基及びオキセタニル基等の環状エーテル基;炭素−炭素重合性二重結合;等が挙げられる。酸により重合する重合性基を有する化合物としては、エポキシ化合物;オキセタン化合物;ビニルエーテル化合物;等が挙げられる。
酸により重合する重合性基を有する化合物は、重合性低分子化合物であっても、重合性基を有するユニット含有ポリマー成分であってもよい。酸により重合する重合性基を有する化合物は、重合性基を1つ有するものである。
上記酸反応性化合物が酸により重合する重合性基を有する化合物であるとき、上記組成物を光学デバイス又は電子デバイスにおける保護層用の組成物としても用いることができる。
酸により重合する重合性基を有する化合物は、重合性低分子化合物であっても、重合性基を有するユニット含有ポリマー成分であってもよい。酸により重合する重合性基を有する化合物は、重合性基を1つ有するものである。
上記酸反応性化合物が酸により重合する重合性基を有する化合物であるとき、上記組成物を光学デバイス又は電子デバイスにおける保護層用の組成物としても用いることができる。
酸により架橋作用を有する架橋剤とは、酸によって重合または付加反応をする2つ以上の官能基を持ち、上記組成物をレジスト組成物として用いる場合、酸によって架橋することにより現像液に対する溶解性を変化させる化合物である。現像が例えば水系現像の場合、水系現像液に対して可溶である化合物に対して作用し、重合後又は架橋後に該化合物を水系現像液に対して溶解性を低下させるものである。具体的には、エポキシ基、ビニルオキシ基、1−アルコキシアミノ基及びオキセタニル基等の架橋性基を有する架橋剤が挙げられる。該化合物が架橋作用を有する架橋剤であるとき、架橋する相手の化合物、つまり架橋剤と反応して現像液に対する溶解性が変化する化合物としては、フェノール性水酸基を有する化合物等が挙げられる。
酸により架橋作用を有する化合物は、架橋性低分子化合物であっても、架橋性基を有するユニット含有ポリマー成分であってもよい。
上記酸反応性化合物が酸により架橋作用を有する化合物であるとき、上記組成物を光学デバイス又は電子デバイスにおける保護層用の組成物として用いることもできる。
酸により架橋作用を有する化合物は、架橋性低分子化合物であっても、架橋性基を有するユニット含有ポリマー成分であってもよい。
上記酸反応性化合物が酸により架橋作用を有する化合物であるとき、上記組成物を光学デバイス又は電子デバイスにおける保護層用の組成物として用いることもできる。
上記酸反応性化合物がポリマー成分であるとき、上記脱保護基、上記重合性基又は架橋作用を含有するユニットに加えて、レジスト組成物や保護層用組成物において通常用いられているその他のユニットを該ポリマー成分に含有させてもよい。その他のユニットとしては、例えば、ラクトン骨格、スルトン骨格及びラクタム骨格等からなる群より選択される少なくともいずれかの骨格を有するユニット;エーテル結合、エステル結合及びアセタール結合を有する基、並びに、ヒドロキシ基等からなる群より選択される少なくともいずれかの基を有するユニット;等が挙げられる。さらに、上記光酸発生剤をユニットとして含有しても良い。
上記酸反応性化合物が、上記光酸発生剤及び後述のヒドロキシアリール基含有ユニットからなる群より選択される少なくとも1つと共に同一ポリマーのユニットとして含まれる場合、上記酸反応性化合物として作用するユニットは、ポリマー全ユニット中、3〜40モル%であることが好ましく、5〜35モル%であることがより好ましく、7〜30モル%であることがさらに好ましい。
上記酸反応性化合物が、上記光酸発生剤及び後述のヒドロキシアリール基含有ユニットからなる群より選択される少なくとも1つと共に同一ポリマーのユニットとして含まれる場合、上記酸反応性化合物として作用するユニットは、ポリマー全ユニット中、3〜40モル%であることが好ましく、5〜35モル%であることがより好ましく、7〜30モル%であることがさらに好ましい。
(ヒドロキシアリール基含有化合物)
本発明のひとつの態様においては、上記組成物中のヒドロキシアリール基含有化合物の含有量は、ヒドロキシアリール基部分換算で組成物の主要成分中30質量%以下であることが好ましく、10質量%がより好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。また、「ヒドロキシアリール基部分換算」とは、ヒドロキシアリール基含有化合物がポリマー成分である場合は、ポリマー鎖につながる連結部分を除いた部分を「ヒドロキシアリール基部分」の質量として計算する。一方、ヒドロキシアリール基含有化合物がポリマー成分でない場合は化合物自体を「ヒドロキシアリール基部分」の質量とする。
「組成物の主要成分」とは、溶剤を除いた成分を指す。後述の任意成分等は主要成分とする。
上記組成物をレジスト組成物として用いる場合、ヒドロキシアリール基含有化合物は、上記酸発生剤及び/又は酸反応性化合物がユニットとして含まれるポリマー中のヒドロキシアリール基含有ユニットであるか、また、別のポリマーのユニットとして含まれるものであっても、ポリマーのユニットではなく組成物の成分として含まれていてもよい。
本発明のひとつの態様においては、上記組成物中のヒドロキシアリール基含有化合物の含有量は、ヒドロキシアリール基部分換算で組成物の主要成分中30質量%以下であることが好ましく、10質量%がより好ましく、実質的に含まないことがより好ましい。また、「ヒドロキシアリール基部分換算」とは、ヒドロキシアリール基含有化合物がポリマー成分である場合は、ポリマー鎖につながる連結部分を除いた部分を「ヒドロキシアリール基部分」の質量として計算する。一方、ヒドロキシアリール基含有化合物がポリマー成分でない場合は化合物自体を「ヒドロキシアリール基部分」の質量とする。
「組成物の主要成分」とは、溶剤を除いた成分を指す。後述の任意成分等は主要成分とする。
上記組成物をレジスト組成物として用いる場合、ヒドロキシアリール基含有化合物は、上記酸発生剤及び/又は酸反応性化合物がユニットとして含まれるポリマー中のヒドロキシアリール基含有ユニットであるか、また、別のポリマーのユニットとして含まれるものであっても、ポリマーのユニットではなく組成物の成分として含まれていてもよい。
ヒドロキシアリール基部分が組成物中の主要成分中30質量%を超えて含有される場合、上記組成物のh線領域での感度が低下する傾向がある。ヒドロキシアリール基含有化合物がポリマーのユニットである場合、組成物中の配合量はポリマー主鎖を除いた質量基準とする。
上記ヒドロキシアリール基含有ユニットとしては、ヒドロキシアリール基を有するユニットであり、下記式に示されるユニットが挙げられる。上記ヒドロキシアリール基含有ユニットのベンゼン骨格にはヒドロキシ基以外の置換基を有していてもよい。ベンゼン骨格にヒドロキシ基以外の置換基を有する場合、上記組成物中のヒドロキシアリール基含有化合物の含有量はベンゼン骨格に結合したヒドロキシ基以外の置換基を入れたものとする。
上記ヒドロキシアリール基含有ユニットとしては、ヒドロキシアリール基を有するユニットであり、下記式に示されるユニットが挙げられる。上記ヒドロキシアリール基含有ユニットのベンゼン骨格にはヒドロキシ基以外の置換基を有していてもよい。ベンゼン骨格にヒドロキシ基以外の置換基を有する場合、上記組成物中のヒドロキシアリール基含有化合物の含有量はベンゼン骨格に結合したヒドロキシ基以外の置換基を入れたものとする。
(含フッ素はっ水ポリマー)
本発明のひとつの態様の組成物は、含フッ素はっ水ポリマーを含んでいても良い。
上記含フッ素はっ水ポリマーとしては、特に制限はないが液浸露光プロセスに通常用いられるものが挙げられ、上記ポリマーよりもフッ素原子含有率が大きい方が好ましい。それにより、組成物を用いてレジスト膜を形成する場合に、含フッ素はっ水ポリマーのはっ水性に起因して、レジスト膜表面に上記含フッ素はっ水ポリマーを偏在化させることができる。
本発明のひとつの態様の組成物は、含フッ素はっ水ポリマーを含んでいても良い。
上記含フッ素はっ水ポリマーとしては、特に制限はないが液浸露光プロセスに通常用いられるものが挙げられ、上記ポリマーよりもフッ素原子含有率が大きい方が好ましい。それにより、組成物を用いてレジスト膜を形成する場合に、含フッ素はっ水ポリマーのはっ水性に起因して、レジスト膜表面に上記含フッ素はっ水ポリマーを偏在化させることができる。
フッ素はっ水ポリマーのフッ素含有率としては、フッ素はっ水ポリマー中の炭化水素基における水素原子の25モル%以上がフッ素化されていることが好ましく、50モル%以上フッ素化されていることがより好ましい。
組成物中のフッ素はっ水ポリマーの含有量としては、本発明のひとつの態様の上記ポリマー(該フッ素はっ水ポリマーでないもの)100質量部に対し、0.5〜10質量部であることが、レジスト膜の疎水性が向上する点から好ましい。フッ素はっ水ポリマーは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(その他の成分)
本発明のひとつの態様の組成物をレジスト組成物として用いる場合、上記組成物は上記成分以外に必要により任意成分としてさらに、通常のレジスト組成物で用いられる酸拡散制御剤、クエンチャ、界面活性剤、有機カルボン酸、有機溶剤、溶解抑制剤、安定剤及び色素、増感剤、上記以外のポリマー、更には他の光酸発生剤等を組み合わせて含んでいてもよい。
本発明のひとつの態様の組成物を保護層用組成物として用いる場合、上記組成物は上記成分以外に必要により任意成分として、光学デバイスや電子デバイスの保護層用組成物で通常用いられる成分を含有していてもよい。具体的には、増感剤、シランカップリング剤、熱硬化剤、硬化遅延剤、界面活性剤、レベリング剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤等が挙げられる。更には他の光酸発生剤等を組み合わせて含んでいてもよい。
本発明のひとつの態様の組成物をレジスト組成物として用いる場合、上記組成物は上記成分以外に必要により任意成分としてさらに、通常のレジスト組成物で用いられる酸拡散制御剤、クエンチャ、界面活性剤、有機カルボン酸、有機溶剤、溶解抑制剤、安定剤及び色素、増感剤、上記以外のポリマー、更には他の光酸発生剤等を組み合わせて含んでいてもよい。
本発明のひとつの態様の組成物を保護層用組成物として用いる場合、上記組成物は上記成分以外に必要により任意成分として、光学デバイスや電子デバイスの保護層用組成物で通常用いられる成分を含有していてもよい。具体的には、増感剤、シランカップリング剤、熱硬化剤、硬化遅延剤、界面活性剤、レベリング剤、補強剤、軟化剤、可塑剤、粘度調整剤、紫外線吸収剤及び酸化防止剤等が挙げられる。更には他の光酸発生剤等を組み合わせて含んでいてもよい。
上記酸拡散制御剤は、光酸発生剤から生じる酸のレジスト膜中における拡散現象を制御し、非露光領域における好ましくない化学反応を制御する効果を奏する。そのため、得られるレジスト組成物の貯蔵安定性がさらに向上し、またレジストとしての解像度がさらに向上するとともに、露光から現像処理までの引き置き時間の変動によるレジストパターンの線幅変化を抑えることができ、プロセス安定性に優れたレジスト組成物が得られる。
酸拡散制御剤としては、例えば、同一分子内に窒素原子を1個有する化合物、2個有する化合物、窒素原子を3個有する化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。また、酸拡散制御剤として、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基としては、例えば、露光により分解して酸拡散制御性を失うスルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
具体的には、特許3577743号、特開2001−215689号、特開2001−166476号、特開2008−102383号、特開2010−243773号、特開2011−37835号及び特開2012−173505号に記載の化合物が挙げられる。
酸拡散制御剤の含有量は、レジスト組成物成分100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.03〜5質量%であることがより好ましく、0.05〜3質量%であることがさらに好ましい。
酸拡散制御剤としては、例えば、同一分子内に窒素原子を1個有する化合物、2個有する化合物、窒素原子を3個有する化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。また、酸拡散制御剤として、露光により感光し弱酸を発生する光崩壊性塩基を用いることもできる。光崩壊性塩基としては、例えば、露光により分解して酸拡散制御性を失うスルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
具体的には、特許3577743号、特開2001−215689号、特開2001−166476号、特開2008−102383号、特開2010−243773号、特開2011−37835号及び特開2012−173505号に記載の化合物が挙げられる。
酸拡散制御剤の含有量は、レジスト組成物成分100質量部に対して0.01〜10質量部であることが好ましく、0.03〜5質量%であることがより好ましく、0.05〜3質量%であることがさらに好ましい。
上記界面活性剤は、塗布性を向上させるために用いることが好ましい。界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、オルガノシロキサンポリマー等が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、レジスト組成物成分100質量部に対して0.0001〜2質量部であることが好ましく、0.0005〜1質量%であることがより好ましい。
界面活性剤の含有量は、レジスト組成物成分100質量部に対して0.0001〜2質量部であることが好ましく、0.0005〜1質量%であることがより好ましい。
上記有機カルボン酸としては、脂肪族カルボン酸、脂環式カルボン酸、不飽和脂肪族カルボン酸、オキシカルボン酸、アルコキシカルボン酸、ケトカルボン酸、安息香酸誘導体、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2−ナフトエ酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸等を挙げることができる。電子線露光を真空化で行う際にはレジスト膜表面より揮発して描画チャンバー内を汚染してしまう恐れがあるので、好ましい有機カルボン酸としては、芳香族有機カルボン酸、その中でも例えば安息香酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸が好適である。
有機カルボン酸の含有量は、レジスト組成物成分100質量部に対し、0.01〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部、更により好ましくは0.01〜3質量部である。
有機カルボン酸の含有量は、レジスト組成物成分100質量部に対し、0.01〜10質量部が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量部、更により好ましくは0.01〜3質量部である。
有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3 − メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、β−メトキシイソ酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸プロピル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸イソアミル、乳酸エチル、トルエン、キシレン、酢酸シクロヘキシル、ジアセトンアルコール、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート等が好ましい。これらの有機溶剤は単独又は組み合わせて用いられる。
レジスト組成物成分は、上記容器溶剤に溶解し、固形分濃度として、1〜40質量%で溶解することが好ましい。より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは3〜20質量%である。このような固形分濃度の範囲とすることで、上記の膜厚を達成できる。
レジスト組成物成分は、上記容器溶剤に溶解し、固形分濃度として、1〜40質量%で溶解することが好ましい。より好ましくは1〜30質量%、更に好ましくは3〜20質量%である。このような固形分濃度の範囲とすることで、上記の膜厚を達成できる。
本発明のひとつの態様のレジスト組成物がポリマーを含む場合、ポリマーは、重量平均分子量が2000〜200000であることが好ましく、2000〜50000であることがより好ましく、2000〜15000であることがさらに好ましい。上記ポリマーの好ましい分散度(分子量分布)(Mw/Mn)は、感度の観点から1.0〜1.7であり、より好ましくは1.0〜1.2である。上記ポリマーの重量平均分子量及び分散度は、GPC測定によるポリスチレン換算値として定義される。
本発明のひとつの態様の組成物は、上記組成物の各成分を混合することにより得られ、混合方法は特に限定されない。
<4>硬化物及び該硬化物を含む光学デバイス
本発明のひとつの態様は、上記組成物に活性エネルギー線を照射することにより得られる硬化物である。
上記活性エネルギー線は、上記スルホン酸誘導体が活性化して酸を発生させ得る光であればよく、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、F2エキシマレーザ光、電子線、UV、可視光線、X線、電子線、イオン線、i線、EUV等を意味する。上記硬化物を光学デバイスの有機発光素子における保護層として用いる場合は、光学デバイスへのダメージを低減する観点から、上記活性エネルギー線はi線よりも長波長のUV光が好ましく、375nm以上のUV−LED又はh線であることが特に好ましい。
本発明のひとつの態様は、上記硬化物と、可視光を発生する部材と、を含む光学デバイスである。上記硬化物は、上記可視光に対する透過率が90%以上であることが好ましい。
上記透過率は硬化物の膜厚等にもよるが、上記硬化物における可視光に対する透過率を90%以上とするには、上記組成物中の上記スルホニウム塩の上記組成物中の含有量を固形物換算で10質量%以下とすることが好ましく挙げられる。また、上記組成物に用いられる酸反応性化合物として構造中に脂環式構造、ベンゼン環及びナフタレン環等の少なくともいずれかの骨格を含む化合物を用いることが高い透過率と硬化膜の硬度を得る観点から好ましい。
本発明において、可視光に対する透過率は以下のように測定したときの透過率をいう。
光酸発生剤90mgを含む組成物990mgを有機溶剤で適宜希釈することで得られたサンプルを無アルカリガラス上にスピンコートし、その後110℃で5分間プレベークを行い約10μmの膜を作製する。作製した膜を用いて、紫外可視光測定装置(UV−VIS)によって420nmの透過率を測定することで420nmの光透過率を求める。
なお、OLEDやLEDライトに使われる白色LEDは420nm以上の波長の可視光スペクトルを有する。420nm以上の可視光を吸収する部材はデバイスの輝度の低下やデバイス駆動中に光吸収することで性能が劣化する懸念があるため、上記組成物を用いてこれらのデバイス用の部材を形成する場合、上記部材は420nm以上の透過率が高いことが好ましい。
可視光に対する高い透過率と硬化膜の硬度を得る観点から好ましく用いられる酸反応性化合物(該酸反応性化合物の構造中に脂環式構造、ベンゼン環及びナフタレン環等の少なくともいずれかの骨格を含む)としては、酸により重合する重合性基を有する化合物であり、該重合性基としては前述したように酸によりカチオン重合するエポキシ基、オキセタニル基及びビニルオキシ基等が挙げられる。
エポキシ基又はグリシジル基を有する化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ジシクロヘキシル−3,3 '−ジエポキシド、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型グリシジルエーテル、ビスフェノールF型グリシジルエーテル、ビスフェノールS型グリシジルエーテル及びビスフェノールAD型グリシジルエーテル等が挙げられる
本発明のひとつの態様は、上記組成物に活性エネルギー線を照射することにより得られる硬化物である。
上記活性エネルギー線は、上記スルホン酸誘導体が活性化して酸を発生させ得る光であればよく、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、F2エキシマレーザ光、電子線、UV、可視光線、X線、電子線、イオン線、i線、EUV等を意味する。上記硬化物を光学デバイスの有機発光素子における保護層として用いる場合は、光学デバイスへのダメージを低減する観点から、上記活性エネルギー線はi線よりも長波長のUV光が好ましく、375nm以上のUV−LED又はh線であることが特に好ましい。
本発明のひとつの態様は、上記硬化物と、可視光を発生する部材と、を含む光学デバイスである。上記硬化物は、上記可視光に対する透過率が90%以上であることが好ましい。
上記透過率は硬化物の膜厚等にもよるが、上記硬化物における可視光に対する透過率を90%以上とするには、上記組成物中の上記スルホニウム塩の上記組成物中の含有量を固形物換算で10質量%以下とすることが好ましく挙げられる。また、上記組成物に用いられる酸反応性化合物として構造中に脂環式構造、ベンゼン環及びナフタレン環等の少なくともいずれかの骨格を含む化合物を用いることが高い透過率と硬化膜の硬度を得る観点から好ましい。
本発明において、可視光に対する透過率は以下のように測定したときの透過率をいう。
光酸発生剤90mgを含む組成物990mgを有機溶剤で適宜希釈することで得られたサンプルを無アルカリガラス上にスピンコートし、その後110℃で5分間プレベークを行い約10μmの膜を作製する。作製した膜を用いて、紫外可視光測定装置(UV−VIS)によって420nmの透過率を測定することで420nmの光透過率を求める。
なお、OLEDやLEDライトに使われる白色LEDは420nm以上の波長の可視光スペクトルを有する。420nm以上の可視光を吸収する部材はデバイスの輝度の低下やデバイス駆動中に光吸収することで性能が劣化する懸念があるため、上記組成物を用いてこれらのデバイス用の部材を形成する場合、上記部材は420nm以上の透過率が高いことが好ましい。
可視光に対する高い透過率と硬化膜の硬度を得る観点から好ましく用いられる酸反応性化合物(該酸反応性化合物の構造中に脂環式構造、ベンゼン環及びナフタレン環等の少なくともいずれかの骨格を含む)としては、酸により重合する重合性基を有する化合物であり、該重合性基としては前述したように酸によりカチオン重合するエポキシ基、オキセタニル基及びビニルオキシ基等が挙げられる。
エポキシ基又はグリシジル基を有する化合物としては、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3',4'−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、ジシクロヘキシル−3,3 '−ジエポキシド、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ポリグリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA型グリシジルエーテル、ビスフェノールF型グリシジルエーテル、ビスフェノールS型グリシジルエーテル及びビスフェノールAD型グリシジルエーテル等が挙げられる
オキセタニル基を有する化合物としては、1−メチル−4−(2−メチルオキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4−(2−オキシラニル)−7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、ジ(1−エチル−3−オキセタニル)メチルエーテル、3−エチル−3−(フェノキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、フェノールノボラックオキセタン、3‐エチル−{(3−トリエトキシシリルプロポキシ)メチル}オキセタン、アロンオキセタンOXT−211、アロンオキセタンOXT−212、アロンオキセタンOXT−213、アロンオキセタンOXT−221、アロンオキセタンOXT−121、及び、アロンオキセタンOXT−223等が挙げられる。なお、アロンオキセタンOXTシリーズは東亞合成株式会社製である。
ビニルオキシ基を有する化合物としては、1−アダマンチルビニルエーテル、2−アダマンチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、1−ナフチルビニルエーテル、2−ナフチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−O−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル及びオクタデシルビニルエーテル等が挙げられる。
可視光を発生する部材としては、OLED;QD−OLED(量子ドット含有有機発光素子);及びマイクローLED;等の発光素子が挙げられる。
光学デバイスとしては、上記発光素子を用いたOLED及びQD−OLED(量子ドット含有有機発光素子)等を用いた画像表示装置等が挙げられる。
光学デバイスとしては、上記発光素子を用いたOLED及びQD−OLED(量子ドット含有有機発光素子)等を用いた画像表示装置等が挙げられる。
<5>デバイスの製造方法
本発明のひとつの態様は、上記組成物を用いて塗布膜を形成する工程と、上記塗布膜に活性エネルギー線を照射する工程と、を含むデバイスの製造方法である。
活性エネルギー線を照射した塗布膜を現像する工程をさらに含んでいてもよい。この場合のデバイスの製造方法において、現像によりパターン(以下、「フォトレジストパターン」ともいう)を形成することができる。
本発明のひとつの態様は、上記組成物を用いて塗布膜を形成する工程と、上記塗布膜に活性エネルギー線を照射する工程と、を含むデバイスの製造方法である。
活性エネルギー線を照射した塗布膜を現像する工程をさらに含んでいてもよい。この場合のデバイスの製造方法において、現像によりパターン(以下、「フォトレジストパターン」ともいう)を形成することができる。
フォトレジストパターンを厚膜として、厚膜フォトレジストパターンの非レジスト部に、例えばメッキ等によって金属等の導体を埋め込むことにより、メタルポストやバンプ等の接続端子を形成してもよい。なお、メッキ処理方法はとくに限定されず、公知の各種方法を用いることができる。
本発明のひとつの形態は、上記組成物を用いて、塗布膜を形成する工程と活性エネルギー線を照射する工程と現像によりパターンを形成する工程とを含み、個片化チップを得る前のパターンを有する基板の製造方法であってもよい。
本発明のひとつの形態は、上記組成物を用いて基板上に塗布膜を形成する工程と、
活性エネルギー線を上記塗布膜に照射し、硬化物を得る工程と、を含むデバイスの製造方法であってもよい。上記硬化物は光学デバイスや電子デバイスの保護層であることが好ましい。
本発明のひとつの形態は、上記組成物を用いて基板上に塗布膜を形成する工程と、
活性エネルギー線を上記塗布膜に照射し、硬化物を得る工程と、を含むデバイスの製造方法であってもよい。上記硬化物は光学デバイスや電子デバイスの保護層であることが好ましい。
活性エネルギー線としては、本発明におけるスルホン酸誘導体が活性化して酸を発生させ得る光であればよく、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、F2エキシマレーザ光、電子線、UV、可視光線、X線、電子線、イオン線、i線、EUV等を意味するが、365〜415nmであることが好ましく、h線領域の波長(375〜415nm)がより好ましく、375〜405nmであることが特に好ましい。
上記基板としては、特に限定されず公知のものを用いることができる。例えば、シリコン、窒化シリコン、チタン、タンタル、パラジウム、銅、クロム、アルミニウム等の金属製の基板;ガラス基板;等が挙げられる。特に、本発明のひとつの態様におけるスルホニウム塩が構造中にヒドロキシ基、メルカプト基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基又はシアノ基を有し、該スルホニウム塩を含む組成物をレジスト組成物として用いる場合、本発明のひとつの態様におけるスルホニウム塩を銅等の金属製基板表面に偏在させることが出来るため、良好にレジストパターンを形成することができる。
本発明のひとつの態様において、フォトリソグラフィ工程又は保護層を得る工程に用いる活性エネルギー線としては、h線領域の波長(375〜415nm)が好ましく、375〜405nmであることが特に好ましく挙げられる。
本発明のひとつの態様において、フォトリソグラフィ工程又は保護層を得る工程に用いる活性エネルギー線としては、h線領域の波長(375〜415nm)が好ましく、375〜405nmであることが特に好ましく挙げられる。
光の照射量は、光硬化性組成物中の各成分の種類及び配合割合、並びに塗布膜の膜厚等によって異なるが、1J/cm2以下又は1000μC/cm2以下であることが好ましい。
本発明のひとつの態様において、上記塗布膜の膜厚はレジスト組成物として用いるか保護層用組成物として用いるかに適宜選択できるが、100nm〜20μmであることが好ましい。上記組成物は、スピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の適当な塗布方法により基板上に塗布され、60〜150℃で1〜20分間、好ましくは80〜120℃で1〜10分間プリベークして薄膜を形成する。この塗布膜の膜厚は100〜20μmであり、200〜10μmであることが好ましい。
以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら制限されるものではない。
<スルホニウム塩1の合成>
(合成例1)2−(3−メトキシフェニルスルファニル)安息香酸の合成
チオサリチル酸6.7gと3−ブロモアニソール8.1gと銅0.8gと炭酸カリウム6.0gとN、N−ジメチルホルムアミドとを混合し、140℃で20時間撹拌する。25℃へ冷却後、水添加にて晶析する。結晶をろ別後アセトンに溶解し、再度水添加にて晶析する。結晶をろ別することで、2−(3−メトキシフェニルスルファニル)安息香酸を7.4g得る。
(合成例1)2−(3−メトキシフェニルスルファニル)安息香酸の合成
チオサリチル酸6.7gと3−ブロモアニソール8.1gと銅0.8gと炭酸カリウム6.0gとN、N−ジメチルホルムアミドとを混合し、140℃で20時間撹拌する。25℃へ冷却後、水添加にて晶析する。結晶をろ別後アセトンに溶解し、再度水添加にて晶析する。結晶をろ別することで、2−(3−メトキシフェニルスルファニル)安息香酸を7.4g得る。
(合成例2)2−(3−メトキシフェニルスルファニル)ベンゾイルクロリドの合成
合成例1で得られる2−(3−メトキシフェニルスルファニル)安息香酸5.0gをトルエン25g中に添加した後に塩化チオニル4.3gを滴下し、25℃で6時間反応する。反応後に溶媒留去することで、目的物の2−(3−メトキシフェニルスルファニル)ベンゾイルクロリドを5.1g得る。
合成例1で得られる2−(3−メトキシフェニルスルファニル)安息香酸5.0gをトルエン25g中に添加した後に塩化チオニル4.3gを滴下し、25℃で6時間反応する。反応後に溶媒留去することで、目的物の2−(3−メトキシフェニルスルファニル)ベンゾイルクロリドを5.1g得る。
(合成例3)3−メトキシチオキサンテン−9−オンの合成
塩化メチレン30g中に塩化アルミニウム2.5gを添加して0℃とする。これに合成例2で得られる2−(3−メトキシフェニルスルファニル)ベンゾイルクロリド5.0gを塩化メチレン10gで希釈して滴下する。滴下後、25℃で1時間撹拌する。撹拌後0℃とし、純水20gを加えて反応停止する。次いで、25℃で5質量%炭酸ナトリウム水溶液10gで2回洗浄する。その後、純水20gで2回洗浄して塩化メチレンを留去する。得られた固体をエタノールで再結晶することで、3−メトキシチオキサンテン−9−オンを3.5g得る。
塩化メチレン30g中に塩化アルミニウム2.5gを添加して0℃とする。これに合成例2で得られる2−(3−メトキシフェニルスルファニル)ベンゾイルクロリド5.0gを塩化メチレン10gで希釈して滴下する。滴下後、25℃で1時間撹拌する。撹拌後0℃とし、純水20gを加えて反応停止する。次いで、25℃で5質量%炭酸ナトリウム水溶液10gで2回洗浄する。その後、純水20gで2回洗浄して塩化メチレンを留去する。得られた固体をエタノールで再結晶することで、3−メトキシチオキサンテン−9−オンを3.5g得る。
(合成例4)(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩1)の合成
合成例3で得られる3−メトキシチオキサンテン−9−オン5.0gとジフェニルスルホキシド2.8gと五酸化リン1.0gとをメタンスルホン酸18gに溶解し、40℃で3時間撹拌する。純水25gを加えてさらに10分撹拌した後、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム4.5gと塩化メチレン30gとを加えて1時間撹拌する。これを分液して純水20gで3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで、ビスカチオン不純物を(HPLC Areaで11%)含むオイルを得る。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノールン=90/10(体積比))により精製することで(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩1)を7.2g得る。
なお、得られるスルホニウム塩1は、4位体:2位体=4:6である。
合成例3で得られる3−メトキシチオキサンテン−9−オン5.0gとジフェニルスルホキシド2.8gと五酸化リン1.0gとをメタンスルホン酸18gに溶解し、40℃で3時間撹拌する。純水25gを加えてさらに10分撹拌した後、ノナフルオロブタンスルホン酸カリウム4.5gと塩化メチレン30gとを加えて1時間撹拌する。これを分液して純水20gで3回洗浄後に塩化メチレンを留去することで、ビスカチオン不純物を(HPLC Areaで11%)含むオイルを得る。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノールン=90/10(体積比))により精製することで(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩1)を7.2g得る。
なお、得られるスルホニウム塩1は、4位体:2位体=4:6である。
<スルホニウム塩2の合成>
(合成例5)(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩2)の合成
3−ブロモアニソールに代えて3−ブロモチオアニソールを用いる以外は合成例1〜3と同様にして、3−メチルスルファニルチオキサンテン−9−オンを合成する。
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わりに3−メチルスルファニルチオキサンテン−9−オンを用いる以外は上記合成例4と同様に合成を行う。得られるビスカチオン不純物14質量%を含むオイルをカラムクロマトグラフィーにより精製することで(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩2)を得る。
得られるスルホニウム塩2は、4位体:2位体=4:6である。
(合成例5)(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩2)の合成
3−ブロモアニソールに代えて3−ブロモチオアニソールを用いる以外は合成例1〜3と同様にして、3−メチルスルファニルチオキサンテン−9−オンを合成する。
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わりに3−メチルスルファニルチオキサンテン−9−オンを用いる以外は上記合成例4と同様に合成を行う。得られるビスカチオン不純物14質量%を含むオイルをカラムクロマトグラフィーにより精製することで(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩2)を得る。
得られるスルホニウム塩2は、4位体:2位体=4:6である。
<スルホニウム塩3の合成>
(合成例6)(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩3)の合成
3−ブロモアニソールに代えて2,4−ジメトキシブロモベンゼンを用いる以外は合成例1〜3と同様にして、1,3−ジメトキシチオキサンテン−9−オンを合成する。
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わりに1,3−ジメトキシチオキサンテン−9−オンを用いる以外は合成例4と同様に行う。得られるビスカチオン不純物(HPLC Areaで18%)を含むオイルをカラムクロマトグラフィーにより精製することで、(1ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩3)を得る。
得られるスルホニウム塩3は、4位体:2位体=4:6である。
(合成例6)(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩3)の合成
3−ブロモアニソールに代えて2,4−ジメトキシブロモベンゼンを用いる以外は合成例1〜3と同様にして、1,3−ジメトキシチオキサンテン−9−オンを合成する。
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わりに1,3−ジメトキシチオキサンテン−9−オンを用いる以外は合成例4と同様に行う。得られるビスカチオン不純物(HPLC Areaで18%)を含むオイルをカラムクロマトグラフィーにより精製することで、(1ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩3)を得る。
得られるスルホニウム塩3は、4位体:2位体=4:6である。
<スルホニウム塩4の合成>
(合成例7)(3−メチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩4)の合成
3−ブロモアニソールに代えて4−ブロモトルエンを用いる以外は合成例1〜3と同様にして、3−メチルチオキサンテン−9−オンを合成する。
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わりに3−メチルチオキサンテン−9−オンを用いる以外は合成例4と同様に行う。得られるビスカチオン不純物(HPLC Areaで28%)を含むオイルをカラムクロマトグラフィーにより精製することで、(3−メチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1,3−ジメトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩4)を得る。
得られるスルホニウム塩4は、4位体:2位体=4:6である。
(合成例7)(3−メチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩4)の合成
3−ブロモアニソールに代えて4−ブロモトルエンを用いる以外は合成例1〜3と同様にして、3−メチルチオキサンテン−9−オンを合成する。
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わりに3−メチルチオキサンテン−9−オンを用いる以外は合成例4と同様に行う。得られるビスカチオン不純物(HPLC Areaで28%)を含むオイルをカラムクロマトグラフィーにより精製することで、(3−メチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1,3−ジメトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩4)を得る。
得られるスルホニウム塩4は、4位体:2位体=4:6である。
<スルホニウム塩5の合成>
(合成例8)(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−1−イル)ジトリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジトリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩5)の合成
3−ブロモアニソールに代えて3,4−ジメチルブロモベンゼンを用いる以外は合成例1〜3と同様にして、3,4−ジメチルチオキサンテン−9−オンを合成する。
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わり3−メチルチオキサンテン−9−オンを用いる以外は合成例4と同様に行う。得られるビスカチオン不純物(HPLC Areaで24%)を含むオイルをカラムクロマトグラフィーにより精製することで、(3−メチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジトリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1,3−ジメトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジトリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩5)を得る。
得られるスルホニウム塩5は、4位体:2位体=5:5である。
(合成例8)(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−1−イル)ジトリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3,4−ジメチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジトリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩5)の合成
3−ブロモアニソールに代えて3,4−ジメチルブロモベンゼンを用いる以外は合成例1〜3と同様にして、3,4−ジメチルチオキサンテン−9−オンを合成する。
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わり3−メチルチオキサンテン−9−オンを用いる以外は合成例4と同様に行う。得られるビスカチオン不純物(HPLC Areaで24%)を含むオイルをカラムクロマトグラフィーにより精製することで、(3−メチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジトリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1,3−ジメトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジトリルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩5)を得る。
得られるスルホニウム塩5は、4位体:2位体=5:5である。
<スルホニウム塩6の合成>
(合成例9)(3−メチルスルホニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチルスルホニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩6)の合成
合成例5で得られる(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン―2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩2)3gと35質量%過酸化水素水0.9gとを酢酸15gに溶解して、40℃で3時間撹拌する。純水30gを加えてさらに10分撹拌した後、塩化メチレン30gを加えて10分撹拌する。これを分液して純水20gで3回洗浄後に塩化メチレンを留去しオイルを得る。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノールン=90/10(体積比))により精製することで、(3−メチルスルホニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチルスルホニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩6)を得る。
なお、得られるスルホニウム塩6は、4位体:2位体=4:6である。
(合成例9)(3−メチルスルホニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチルスルホニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩6)の合成
合成例5で得られる(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン―2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチルスルファニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩2)3gと35質量%過酸化水素水0.9gとを酢酸15gに溶解して、40℃で3時間撹拌する。純水30gを加えてさらに10分撹拌した後、塩化メチレン30gを加えて10分撹拌する。これを分液して純水20gで3回洗浄後に塩化メチレンを留去しオイルを得る。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノールン=90/10(体積比))により精製することで、(3−メチルスルホニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(3−メチルスルホニル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩6)を得る。
なお、得られるスルホニウム塩6は、4位体:2位体=4:6である。
<スルホニウム塩7の合成>
(合成例10)(1−アシルオキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1−アシルオキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩7)の合成
合成例6で得られる(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩3)の混合物3gと無水酢酸0.5gとを塩化メチレン15gに溶解してトリエチルアミン0.5gを滴下して2時間撹拌する。
1質量%塩酸水30gを加えてさらに10分撹拌した後、塩化メチレン30gを加えて10分撹拌する。これを分液して純水20gで3回洗浄後に塩化メチレンを留去しオイルを得る。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノールン=90/10(体積比))により精製することで、(1−アシルオキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1−アシルオキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩7)を得る。
なお、得られるスルホニウム塩7は、4位体:2位体=4:6である。
(合成例10)(1−アシルオキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1−アシルオキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩7)の合成
合成例6で得られる(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン‐2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1−ヒドロキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩3)の混合物3gと無水酢酸0.5gとを塩化メチレン15gに溶解してトリエチルアミン0.5gを滴下して2時間撹拌する。
1質量%塩酸水30gを加えてさらに10分撹拌した後、塩化メチレン30gを加えて10分撹拌する。これを分液して純水20gで3回洗浄後に塩化メチレンを留去しオイルを得る。このオイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(塩化メチレン/メタノールン=90/10(体積比))により精製することで、(1−アシルオキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート及び(1−アシルオキシ−3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネートの混合物(スルホニウム塩7)を得る。
なお、得られるスルホニウム塩7は、4位体:2位体=4:6である。
<スルホニウム塩8の合成>
(合成例11)(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム テトラキスペンタフルオロフェニルボレート及び(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム テトラキスペンタフルオロフェニルボレートの混合物(スルホニウム塩8)の合成
ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えてテトラキスペンタフルオロフェニルボロン酸ナトリウムを9.4g用いる以外は合成例4と同様の方法で、(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム テトラキスペンタフルオロフェニルボレート及び(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム テトラキスペンタフルオロフェニルボレートの混合物(スルホニウム塩8)を10.9g得る。
(合成例11)(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム テトラキスペンタフルオロフェニルボレート及び(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム テトラキスペンタフルオロフェニルボレートの混合物(スルホニウム塩8)の合成
ノナフルオロブタンスルホン酸カリウムに代えてテトラキスペンタフルオロフェニルボロン酸ナトリウムを9.4g用いる以外は合成例4と同様の方法で、(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム テトラキスペンタフルオロフェニルボレート及び(3−メトキシ−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム テトラキスペンタフルオロフェニルボレートの混合物(スルホニウム塩8)を10.9g得る。
<比較スルホニウム塩1の合成>
(比較合成例1)
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わりに1,6−ジブトキシナフタレンを用い、ジフェニルスルホキシドの代わりにテトラメチレンスルホキシドを用いる以外は合成例4と同様に行い、カラムクロマトグラフィーにより精製することで、(1,6−ジブトキシナフタレン−4−イル)テトラメチレンスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート(比較スルホニウム塩1)を得る。
(比較合成例1)
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わりに1,6−ジブトキシナフタレンを用い、ジフェニルスルホキシドの代わりにテトラメチレンスルホキシドを用いる以外は合成例4と同様に行い、カラムクロマトグラフィーにより精製することで、(1,6−ジブトキシナフタレン−4−イル)テトラメチレンスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート(比較スルホニウム塩1)を得る。
<比較スルホニウム塩2の合成>
(比較合成例2)(5,7−ジエチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート(比較スルホニウム塩2)の合成
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わりに2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オンを用いる以外は合成例4と同様に行う。得られるビスカチオン不純物(HPLC Areaで54%)を含むオイルをカラムクロマトグラフィーにより精製することで(5,7−ジエチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート(比較スルホニウム塩2)を得る。
(比較合成例2)(5,7−ジエチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート(比較スルホニウム塩2)の合成
3−メトキシチオキサンテン−9−オンに代わりに2,4−ジエチルチオキサンテン−9−オンを用いる以外は合成例4と同様に行う。得られるビスカチオン不純物(HPLC Areaで54%)を含むオイルをカラムクロマトグラフィーにより精製することで(5,7−ジエチル−9−オキソ−9H−チオキサンテン−2−イル)ジフェニルスルホニウム ノナフルオロブタンスルホネート(比較スルホニウム塩2)を得る。
<ポリマーAの合成>
(合成例11)ポリマーAの合成
エチルシクロペンチルメタクリレート7.0gとメタクリル酸2−メトキシエチル5.8gとメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(ライトエステル130MA)3.8gとアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.21gとをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)42gに溶解し、減圧脱気を行う。これをPGMEA15gを還流させたフラスコ中に4時間かけて滴下する。滴下後2時間撹拌した後に25℃まで冷却する。この溶液をヘキサン260g及びPGMEA28gからなる混合溶媒中に滴下することで再沈殿させる。これを濾過してからヘキサン67gで2回分散洗浄し、濾過後に真空乾燥することで目的のポリマーAを白い粉末として12.7g得る。本発明において、ポリマーのユニットのモノマー比は下記に限定されない。
(合成例11)ポリマーAの合成
エチルシクロペンチルメタクリレート7.0gとメタクリル酸2−メトキシエチル5.8gとメトキシポリエチレングリコールメタクリレート(ライトエステル130MA)3.8gとアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.21gとをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)42gに溶解し、減圧脱気を行う。これをPGMEA15gを還流させたフラスコ中に4時間かけて滴下する。滴下後2時間撹拌した後に25℃まで冷却する。この溶液をヘキサン260g及びPGMEA28gからなる混合溶媒中に滴下することで再沈殿させる。これを濾過してからヘキサン67gで2回分散洗浄し、濾過後に真空乾燥することで目的のポリマーAを白い粉末として12.7g得る。本発明において、ポリマーのユニットのモノマー比は下記に限定されない。
<ポリマーBの合成>
(合成例12)ポリマーBの合成
7.0gのアセトキシスチレンと4.1gのt−ブチルメタクリレートと0.022gのブチルメルカプタンと0.50gのジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(AIBN)とを35gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解して脱酸素する。これをあらかじめ窒素気流化で還流温度とした20gのTHF中に4時間かけて滴下する。滴下後、2時間撹拌してから室温に冷却する。これを149gのヘキサンと22gのTHFとの混合溶媒中に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体を52gのヘキサンで洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記式に示すポリマーBを11.6g得る。なお、本発明において、ポリマーのユニットのモノマー比は下記に限定されない。
(合成例12)ポリマーBの合成
7.0gのアセトキシスチレンと4.1gのt−ブチルメタクリレートと0.022gのブチルメルカプタンと0.50gのジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(AIBN)とを35gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解して脱酸素する。これをあらかじめ窒素気流化で還流温度とした20gのTHF中に4時間かけて滴下する。滴下後、2時間撹拌してから室温に冷却する。これを149gのヘキサンと22gのTHFとの混合溶媒中に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体を52gのヘキサンで洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記式に示すポリマーBを11.6g得る。なお、本発明において、ポリマーのユニットのモノマー比は下記に限定されない。
<ポリマーCの合成>
(合成例13)ポリマーCの合成
ポリマーBを6.0gとトリエチルアミン6.0gとメタノール6.0gと純水1.5gとを30gのプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解し還流温度で6時間撹拌する。その後25℃に冷却し、得られた溶液を30gのアセトンと30gの純水の混合液に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体を30gの純水で2回洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記式に示すポリマーCを4.3g得る。なお、本発明において、ポリマーのユニットのモノマー比は下記に限定されない。
(合成例13)ポリマーCの合成
ポリマーBを6.0gとトリエチルアミン6.0gとメタノール6.0gと純水1.5gとを30gのプロピレングリコールモノメチルエーテルに溶解し還流温度で6時間撹拌する。その後25℃に冷却し、得られた溶液を30gのアセトンと30gの純水の混合液に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体を30gの純水で2回洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記式に示すポリマーCを4.3g得る。なお、本発明において、ポリマーのユニットのモノマー比は下記に限定されない。
<ポリマーDの合成>
(合成例14)ポリマーDの合成
3.5gのアセトキシスチレンと4.1gのt−ブチルメタクリレートと2.3gのスチレンと0.022gのブチルメルカプタンと0.50gのジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(AIBN)とを35gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解して脱酸素する。これをあらかじめ窒素気流化で還流温度とした20gのTHF中に4時間かけて滴下する。滴下後、2時間撹拌してから室温に冷却する。これを149gのヘキサンと22gのTHFとの混合溶媒中に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体を52gのヘキサンで洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記式に示すポリマーBを10.1g得る。なお、本発明において、ポリマーのユニットのモノマー比は下記に限定されない。
(合成例14)ポリマーDの合成
3.5gのアセトキシスチレンと4.1gのt−ブチルメタクリレートと2.3gのスチレンと0.022gのブチルメルカプタンと0.50gのジメチル−2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(AIBN)とを35gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解して脱酸素する。これをあらかじめ窒素気流化で還流温度とした20gのTHF中に4時間かけて滴下する。滴下後、2時間撹拌してから室温に冷却する。これを149gのヘキサンと22gのTHFとの混合溶媒中に滴下することでポリマーを沈殿させる。これを減圧ろ過で分離して得られた固体を52gのヘキサンで洗浄した後、真空乾燥することで白色固体として下記式に示すポリマーBを10.1g得る。なお、本発明において、ポリマーのユニットのモノマー比は下記に限定されない。
<ポリマーEの合成>
(合成例15)ポリマーEの合成
アセトキシスチレンに代えて4−ヒドロキシスチレンを2.6g用いる以外は合成例14の方法に倣ってポリマーEを4.5g得る。なお、本発明において、ポリマーのユニットのモノマー比は下記に限定されない。
(合成例15)ポリマーEの合成
アセトキシスチレンに代えて4−ヒドロキシスチレンを2.6g用いる以外は合成例14の方法に倣ってポリマーEを4.5g得る。なお、本発明において、ポリマーのユニットのモノマー比は下記に限定されない。
<ポリマーFの合成>
メタクリル酸3.0gとグリシジルメタクリレート8.7gと2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.4gと(4−ヒドロキシ)−フェニルメタクリレートとスチレン1.8gとジメチル-2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.8gとをプロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解して脱酸素する。これをあらかじめ85℃に加熱した7.5gのPGMEAに4時間かけて滴下する。滴下後に2時間撹拌してその後に冷却する。冷却後に220gのヘキサンに滴下することで再沈殿する。これをろ過し、真空乾燥することで目的のポリマーFを10.4g得る。
メタクリル酸3.0gとグリシジルメタクリレート8.7gと2−ヒドロキシエチルメタクリレート3.4gと(4−ヒドロキシ)−フェニルメタクリレートとスチレン1.8gとジメチル-2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.8gとをプロピレングリコール−1−モノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解して脱酸素する。これをあらかじめ85℃に加熱した7.5gのPGMEAに4時間かけて滴下する。滴下後に2時間撹拌してその後に冷却する。冷却後に220gのヘキサンに滴下することで再沈殿する。これをろ過し、真空乾燥することで目的のポリマーFを10.4g得る。
<感度評価>
下記のようにしてサンプル1〜9を調製した。シクロヘキサノン2000mgに、上記ポリマーA、C及びEから選択されるいずれかのポリマー300mgと、光酸発生剤(PAG)として上記スルホニウム塩1と比較スルホニウム塩1、2及び市場より入手可能な酸発生剤(製品名:CPI−410B、サンアプロ(株)製)(比較スルホニウム塩3)のいずれかを6.0mgと、の割合で添加してサンプルを調製する。
調製したサンプルをあらかじめヘキサメチルジシラザン(HMDS処理を行ったSiウェハー上に各評価サンプル1〜9を塗布してスピンコートを行い110℃で加熱することで膜厚500nmのレジスト膜を得る。
下記のようにしてサンプル1〜9を調製した。シクロヘキサノン2000mgに、上記ポリマーA、C及びEから選択されるいずれかのポリマー300mgと、光酸発生剤(PAG)として上記スルホニウム塩1と比較スルホニウム塩1、2及び市場より入手可能な酸発生剤(製品名:CPI−410B、サンアプロ(株)製)(比較スルホニウム塩3)のいずれかを6.0mgと、の割合で添加してサンプルを調製する。
調製したサンプルをあらかじめヘキサメチルジシラザン(HMDS処理を行ったSiウェハー上に各評価サンプル1〜9を塗布してスピンコートを行い110℃で加熱することで膜厚500nmのレジスト膜を得る。
次に、評価サンプルを線幅のハーフピッチが50μmの1:1のライン及びスペースパターンマスクを介して365nm及び395nmの輝線を持つUV−LEDによって露光量を変えて露光した。次いで、ホットプレート上110℃で30秒間加熱する。
加熱後、現像液(製品名:NMD−3、水酸化テトラメチルアンモニウム2.38質量%水溶液、東京応化工業(株)製)を用いて30秒間現像して現像を行い、純水でリンスすることでパターンを得る。これを顕微鏡で観察してレジストが完全に剥離されている露光量をEサイズ(最小露光量)とする。最小露光量を感度として評価した結果を表に示す。なお、表1は365nmでの感度を示し、表2は395nmでの感度を示す。
加熱後、現像液(製品名:NMD−3、水酸化テトラメチルアンモニウム2.38質量%水溶液、東京応化工業(株)製)を用いて30秒間現像して現像を行い、純水でリンスすることでパターンを得る。これを顕微鏡で観察してレジストが完全に剥離されている露光量をEサイズ(最小露光量)とする。最小露光量を感度として評価した結果を表に示す。なお、表1は365nmでの感度を示し、表2は395nmでの感度を示す。
<365nm感度評価>
スルホニウム塩1は、ポリマーA(サンプル1)及びポリマーE(サンプル3)を用いた場合、比較スルホニウム塩1(サンプル4、6、8)と同等の感度を示す。一方、ポリマーC(サンプル2)においては3倍程度の露光量が必要になる。比較スルホニウム塩3においては、ポリマーA(サンプル5)と比較してポリマーC(サンプル7)及びE(サンプル9)を用いる場合、著しく感度が低下する。ポリマーC及びEはヒドロキシアリール基含有ユニットを含んでおり、スルホニウム塩1及び比較スルホニウム塩3は含有量に依存して感度が低下する傾向が見られる。
スルホニウム塩1において、ポリマーEを用いたサンプル3のようにヒドロキシアリール基含有量が組成物中25質量%以下の場合、大きな感度低下は見られないが、ポリマーCを用いたサンプル2のようにヒドロキシアリール基含有量が組成物中45質量%程度含まれる場合、比較スルホニウム3ほどではないが感度低下が見られる。なお、ヒドロキシアリール基含有量は、組成物の主要成分中のフェノキシ基部分の質量換算とする。
スルホニウム塩1において、ポリマーEを用いたサンプル3のようにヒドロキシアリール基含有量が組成物中25質量%以下の場合、大きな感度低下は見られないが、ポリマーCを用いたサンプル2のようにヒドロキシアリール基含有量が組成物中45質量%程度含まれる場合、比較スルホニウム3ほどではないが感度低下が見られる。なお、ヒドロキシアリール基含有量は、組成物の主要成分中のフェノキシ基部分の質量換算とする。
<395nm感度評価>
露光波長を395nmとした場合、スルホニウム塩1(サンプル1〜3)は、いずれのポリマーを用いた場合でも比較スルホニウム塩1(サンプル4、7、8)よりも高感度である。比較スルホニウム塩1は図1に示すように395nmの吸収がほとんど無いため1000mJ/cm2露光しても感光しにくい。
したがって、365nmよりも長波長の露光が必要な場合、本発明に係るスルホニウムを用いることで高感度にパターンを得ることが出来る。スルホニウム塩1に構造が類似している比較スルホニウム塩2(サンプル5)は395nmの露光でスルホニウム塩1と同等の感度を示す。
したがって、365nmよりも長波長の露光が必要な場合、本発明に係るスルホニウムを用いることで高感度にパターンを得ることが出来る。スルホニウム塩1に構造が類似している比較スルホニウム塩2(サンプル5)は395nmの露光でスルホニウム塩1と同等の感度を示す。
<吸光度測定>
上記スルホニウム1及び上記比較スルホニウム塩1〜3をそれぞれ7.26mg採取し、10mlのメスフラスコを用いてクロロホルムで10mlになるように希釈する。各スルホニウム塩含有溶液をホールピペットで1.0ml採取し、10mlのメスフラスコを用いてさらにクロロホルムで10mlになるように希釈する。得られた溶液を紫外可視光分光光度計(U−3300、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて同一質量濃度における吸収スペクトルを測定することで、395nmにおけるスルホ二ウム塩1に対する相対吸光度が得られる。スペクトルを図1に、各サンプルの相対吸光度を表3に示す。
上記スルホニウム1及び上記比較スルホニウム塩1〜3をそれぞれ7.26mg採取し、10mlのメスフラスコを用いてクロロホルムで10mlになるように希釈する。各スルホニウム塩含有溶液をホールピペットで1.0ml採取し、10mlのメスフラスコを用いてさらにクロロホルムで10mlになるように希釈する。得られた溶液を紫外可視光分光光度計(U−3300、(株)日立ハイテクノロジーズ製)を用いて同一質量濃度における吸収スペクトルを測定することで、395nmにおけるスルホ二ウム塩1に対する相対吸光度が得られる。スペクトルを図1に、各サンプルの相対吸光度を表3に示す。
スルホニウム塩1は、395nmの吸収が小さいにもかかわらず、表2のように395nmの露光評価で高感度であるのは、395nm露光における酸発生の量子効率が高いからと考えられる。比較スルホ二ウム塩1は395nmに対して吸収がほとんどないため、395nmの露光では非常に低感度である。比較スルホニウム塩2はスルホニウム塩1の4.7倍の吸収であるが、感度はスルホニウム塩1と同等である。比較スルホニウム塩3は、スルホニウム塩1の8.7倍の吸収を持つにもかかわらず低感度である。
したがって、スルホニウム塩1は効率よく酸を発生させることが出来ると推測され、酸発生剤の残存が懸念される用途や透過率が求められるデバイス製造用途において有効である。
したがって、スルホニウム塩1は効率よく酸を発生させることが出来ると推測され、酸発生剤の残存が懸念される用途や透過率が求められるデバイス製造用途において有効である。
<レジスト組成物の透過率評価>
光酸発生剤の量を90mg、ポリマーの量を900mgとする以外は実施例1と同様の方法でサンプル1'〜8'を調製した。
得られたサンプルを無アルカリガラス上にスピンコートし、その後110℃で5分間プレベーク(PB)を行い約10μmの膜を作製する。作成後、紫外可視光測定装置(UV−VIS)によって420nmの透過率を測定することで可視光透過率を求める。10μm厚の膜での420nm透過率が95%以上の場合に420nm以上の可視光領域に対し透明性が良好とする。結果を表4に示す。
光酸発生剤の量を90mg、ポリマーの量を900mgとする以外は実施例1と同様の方法でサンプル1'〜8'を調製した。
得られたサンプルを無アルカリガラス上にスピンコートし、その後110℃で5分間プレベーク(PB)を行い約10μmの膜を作製する。作成後、紫外可視光測定装置(UV−VIS)によって420nmの透過率を測定することで可視光透過率を求める。10μm厚の膜での420nm透過率が95%以上の場合に420nm以上の可視光領域に対し透明性が良好とする。結果を表4に示す。
スルホニウム塩1と比較スルホニウム塩1は、ポリマーA(サンプル1'、3')及びポリマーE(サンプル2'、6')において、420nm以上の可視光領域で高い透過率をもつため、10μmの膜厚で95%以上の透過率となっている。
比較スルホニウム塩2においてはポリマーA(サンプル4')及びE(サンプル7')のいずれの場合でも透過率は90%未満となる。
比較スルホニウム塩3はポリマーA(サンプル5')を用いた場合はおおむね良好な透明性を示すが、ポリマーE(サンプル8')の場合、透過率は80%未満に低下する。比較スルホニウム塩3は市場より入手可能なCPI−410シリーズであるが、図1に示すように420nm以上の光を吸収するため、OLEDのようなデバイスの場合、発光素子の輝線を吸収するためデバイスを駆動することでスルホニウム塩酸発生剤が分解して安定性を損ねる恐れがある。
比較スルホニウム塩2においてはポリマーA(サンプル4')及びE(サンプル7')のいずれの場合でも透過率は90%未満となる。
比較スルホニウム塩3はポリマーA(サンプル5')を用いた場合はおおむね良好な透明性を示すが、ポリマーE(サンプル8')の場合、透過率は80%未満に低下する。比較スルホニウム塩3は市場より入手可能なCPI−410シリーズであるが、図1に示すように420nm以上の光を吸収するため、OLEDのようなデバイスの場合、発光素子の輝線を吸収するためデバイスを駆動することでスルホニウム塩酸発生剤が分解して安定性を損ねる恐れがある。
420nmの光に透過率が高いと、例えば有機ELやLED等の発光スペクトルに対して透明である。表4からわかるように、本願に係るスルホニウム塩を含む組成物はポリマーによらず420nmの光に対し透過率が高い。このことから、本願に係るスルホニウム塩を素子の封止層や保護膜用の組成物として用いる場合に、ポリマーの選択範囲が広くなるため有用であることが推察される。
<光硬化物の透過率評価>
上記で得られたポリマーFを770mgと、重合開始剤として上記スルホニウム塩8又は比較スルホニウム塩3を15mgと、をそれぞれ秤量して、800mgのシクロヘキサノンで希釈し室温(25℃)で撹拌混合して、サンプル9'〜10'を調製する。
得られたサンプルを無アルカリガラス上にスピンコートし、その後130℃で5分間プレベーク(PB)を行い約10μmの膜を作製する。これを、395nmの輝線を持つUV−LEDで200mJ/cm2露光することにより硬化させる。硬化後、紫外可視光測定装置(UV−VIS)によって420nmの透過率を測定することで可視光透過率を求める。10μm厚の膜での420nm透過率が95%以上の場合に透明性が良好とする。その結果を表5に示す。
上記で得られたポリマーFを770mgと、重合開始剤として上記スルホニウム塩8又は比較スルホニウム塩3を15mgと、をそれぞれ秤量して、800mgのシクロヘキサノンで希釈し室温(25℃)で撹拌混合して、サンプル9'〜10'を調製する。
得られたサンプルを無アルカリガラス上にスピンコートし、その後130℃で5分間プレベーク(PB)を行い約10μmの膜を作製する。これを、395nmの輝線を持つUV−LEDで200mJ/cm2露光することにより硬化させる。硬化後、紫外可視光測定装置(UV−VIS)によって420nmの透過率を測定することで可視光透過率を求める。10μm厚の膜での420nm透過率が95%以上の場合に透明性が良好とする。その結果を表5に示す。
スルホ二ウム塩8は光硬化後の420nmの透過率が同等であるのに対して、比較スルホ二ウム塩3は光硬化後透過率が67%と大幅に低下する。本発明に係るスルホニウム塩を含む組成物は、光硬化後でも420nmの透過率が低下しにくい。そのため光硬化により形成した樹脂がデバイス中に残存した場合でも、素子の発光に対して透明であり分解しにくく、デバイス性能を変化させにくい傾向となり有用である。
光硬化後の420nmの光に透過率が高いと、例えば有機ELやLED等の発光スペクトルに対して透明である。そのため、デバイス駆動の際に透明性を維持でき、素子の封止層や保護膜として用いる場合に有用である。
光硬化後の420nmの光に透過率が高いと、例えば有機ELやLED等の発光スペクトルに対して透明である。そのため、デバイス駆動の際に透明性を維持でき、素子の封止層や保護膜として用いる場合に有用である。
本発明のいくつかの態様により、365〜405nmの波長の活性エネルギーに対し高感度であるスルホニウム塩を含むレジスト組成物を提供することができる。
Claims (7)
- 下記一般式(1)及び/又は一般式(2)で表されるスルホニウム塩と、酸反応性化合物と、を含む組成物であって、
前記R1及びR2中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、
前記R1及びR2は、単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよく、
R3は、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルケニル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルコキシ基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアリールオキシ基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルスルファニル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアリールスルファニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリールスルファニル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルスルホニル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアリールスルホニル基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリールスルホニル基;からなる群より選択されるいずれかであり、
R4及びR5は独立して各々に、水素原子;ヒドロキシ基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜14のアリール基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリール基;置換基を有していてもよい分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルケニルカルボニルオキシ基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜12のアリールカルボニルオキシ基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリールカルボニルオキシ基;からなる群より選択されるいずれかであり、
R6はハロゲン原子;ヒドロキシ基;ニトロ基;置換基を有していてもよい直鎖、置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルケニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜14のアリール基;置換基を有していてもよい炭素原子数4〜14のヘテロアリール基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルコキシ基;置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12のアリールオキシ基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルスルファニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数1〜12のアリールスルファニル基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルスルホニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜12のアリールスルホニル基;置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリール基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基;置換基を有していてもよい直鎖、分岐又は環状の炭素原子数1〜12のアルケニルカルボニルオキシ基;置換基を有していてもよい炭素原子数6〜12のアリールカルボニルオキシ基;及び、置換基を有していてもよい炭素原子数4〜12のヘテロアリールカルボニルオキシ基;からなる群より選択されるいずれかであり、
前記R4、R5及びR6中の少なくとも1つのメチレン基が2価のヘテロ原子含有基で置換されていてもよく、
nは0〜4の整数であり、
前記R1〜R4の少なくとも2つは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して、これらが結合する硫黄原子と共に環構造を形成してもよく、
R3〜R5の少なくとも2つは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して環構造を形成してもよく、
2つ以上のR6の少なくとも2つは単結合で直接に、又は、酸素原子、硫黄原子及びメチレン基からなる群より選択されるいずれかを介して環構造を形成してもよく、
X-は1価の対アニオンを示す。)
前記組成物を用いて塗布膜を形成する工程(a)と、前記塗布膜に365〜405nmの波長の活性エネルギーを照射する工程(b)と、を有するデバイスの製造方法に用いられる組成物。 - ヒドロキシアリール基含有化合物の含有量が、ヒドロキシアリール基部分換算で組成物の主要成分中30質量%以下である請求項1に記載の組成物。
- 酸反応性化合物が、酸により脱保護する保護基を有する化合物、酸により重合する重合性基を有する化合物、及び、酸により架橋作用を有する架橋剤からなる群より選択される少なくともいずれかである請求項1又は2に記載の組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物に活性エネルギー線を照射することにより得られる硬化物。
- 請求項4に記載の硬化物と可視光を発生する部材とを含む光学デバイスであって、
前記硬化物は、前記可視光に対する透過率が90%以上である光学デバイス。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を用いて塗布膜を形成する工程と、
前記塗布膜に活性エネルギー線を照射する工程と、を含むデバイスの製造方法であって、
前記活性エネルギー線の波長が365〜405nmであるデバイスの製造方法。 - 前記活性エネルギー線を照射したレジスト膜を現像する工程をさらに含む、請求項6に記載のデバイスの製造方法。
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WO2024141537A1 (en) * | 2022-12-28 | 2024-07-04 | Arkema France | Sulfonium salt photoinitiators and methods of led curing a composition with said sulfonium salt photoinitiators |
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2020
- 2020-05-14 JP JP2020085169A patent/JP2021179544A/ja active Pending
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