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JP2021176765A - シート材容器の製造方法 - Google Patents

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JP2021176765A
JP2021176765A JP2020082398A JP2020082398A JP2021176765A JP 2021176765 A JP2021176765 A JP 2021176765A JP 2020082398 A JP2020082398 A JP 2020082398A JP 2020082398 A JP2020082398 A JP 2020082398A JP 2021176765 A JP2021176765 A JP 2021176765A
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貴博 大塚
Takahiro Otsuka
大輔 児玉
Daisuke Kodama
真司 渡辺
Shinji Watanabe
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Abstract

【課題】収容領域の容積の安定性とシート材容器の良好な外観とを実現可能なシート材容器の製造方法を提供する。【解決手段】シート材容器の製造方法は、相互に積層された外側フィルム層22と内側フィルム層23とを有する本体構成シート材21を備えて構成されているシート材容器100を製造する方法である。シート材容器100は、内容物18を収容する収容領域17を画定している内袋40と、本体構成シート材21により構成されており内袋40を覆っている容器本体20と、容器本体20と内袋40との間隙91に外気を取り込むための外気導入部を備え、本体構成シート材21は、外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材が封入されている充填部60を有する。当該方法は、容器本体20の内面と内袋40の外面とを相互に密着状態に維持させながら、外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材を注入する工程を備える。【選択図】図12

Description

本発明は、シート材容器の製造方法、及び、シート材容器に関する。
複数のフィルム層が積層され、その層間に空気などの充填材が封入されて充填部が形成されている構造のシート材容器を製造する方法は、例えば、特許文献1に記載されている。
特表2016−525050号公報
本願発明者の検討によれば、特許文献1に記載の製造方法では、収容領域の容積の安定性とシート材容器の良好な外観とを実現する観点で、改善の余地がある。
本発明は、収容領域の容積の安定性とシート材容器の良好な外観とを実現することが可能なシート材容器の製造方法、及び、シート材容器に関する。
本発明は、相互に積層された外側フィルム層と内側フィルム層とを有する本体構成シート材を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器を製造する方法であって、前記シート材容器は、内容物を収容する収容領域を画定している内袋と、前記本体構成シート材により構成されており、前記内袋を覆っている容器本体と、前記容器本体の内面と前記内袋の外面との間隙に外気を取り込むための外気導入部と、を備え、前記本体構成シート材は、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との接合部である本体シール部と、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが部分的に非接合とされた非接合部と、を有するとともに、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に充填材が封入されている充填部を有するものであり、当該方法は、前記容器本体の内面と前記内袋の外面とを相互に密着状態に維持させながら、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に前記充填材を注入する工程を備えるシート材容器の製造方法に関する。
また、本発明は、相互に積層された外側フィルム層と内側フィルム層とを有する本体構成シート材を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器であって、内容物を収容する収容領域を画定している内袋と、前記本体構成シート材により構成されており、前記内袋を覆っている容器本体と、前記容器本体の内面と前記内袋の外面との間隙に外気を取り込むための外気導入部と、を備え、前記本体構成シート材は、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との接合部である本体シール部と、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが部分的に非接合とされた非接合部と、を有するとともに、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に充填材を封入可能な充填部を有するものであり、前記容器本体の内面と前記内袋の外面とが易剥離可能な易剥離領域が形成されているシート材容器に関する。
本発明によれば、収容領域の容積の安定性とシート材容器の良好な外観とを実現することができる。
本発明のシート材容器の製造方法で製造されるシート材容器の好ましい一実施形態を示す斜視図である。 図1に示すシート材容器の背面図である。 図1に示すシート材容器の平面図であり、キャップ部を外した状態を示す。 図1に示すシート材容器の底面図である。 図2のA−A線に沿った断面図である。 図1に示すシート材容器の側面図である。 本体構成シート材の外側フィルム層と内側フィルム層とを示す分解斜視図である。 内袋構成シート材と本体構成シート材とを示す分解斜視図である。 相互に積層された内袋構成シート材と本体構成シート材とを有する容器構成シート材を示す平面図である。 充填材を封入する前のシート材容器を示す平面図である。 第1実施形態に係るシート材容器の製造方法を説明するための図であり、充填材を注入する工程を行う前の状態を示す。 第1実施形態に係るシート材容器の製造方法を説明するための図であり、充填材を注入する工程を行った状態を示す。 図13(a)及び図13(b)は第2実施形態に係るシート材容器の製造方法を説明するための図であり、このうち図13(a)は充填材を注入する工程を行う前の状態を示し、図13(b)は充填材を注入する工程を行った状態を示す。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は適宜に省略する。
〔第1実施形態〕
先ず、図1から図12を用いて第1実施形態を説明する。
本実施形態に係るシート材容器の製造方法は、相互に積層された外側フィルム層22と内側フィルム層23とを有する本体構成シート材21を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器100を製造する方法である。
シート材容器100は、内容物18(図2)を収容する収容領域17を画定している内袋40と、本体構成シート材21により構成されており内袋40を覆っている容器本体20と、容器本体20の内面と内袋40の外面との間隙91に外気を取り込むための外気導入部と、を備えている。本実施形態の場合、外気導入部は、例えば、図2、図7、図8及び図9に示すように、外側フィルム層22に形成されている外気取込孔96と、内側フィルム層23に形成されている外気取込孔97と、を含んで構成されている。
本体構成シート材21は、外側フィルム層22と内側フィルム層23との接合部である本体シール部26と、外側フィルム層22と内側フィルム層23とが部分的に非接合とされた非接合部24と、を有するとともに、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材が封入されている充填部60を有するものである。
当該方法は、容器本体20の内面と内袋40の外面とを相互に密着状態に維持させながら、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材を注入する工程を備える。
本実施形態によれば、容器本体20の内面と内袋40の外面とを相互に密着状態に維持させながら、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材を注入する工程を行う。これにより、内袋40及び容器本体20におけるシワの発生を抑制できることから、シート材容器100の良好な外観を実現できるとともに、複数個のシート材容器100を製造するに際して、収容領域17の容積を安定させることができる(収容領域17の容積について高い再現性を実現できる)。
本発明において、内容物18の種類は、特に限定されない。内容物18としては、例えば、シャンプー、リンス、ボディーソープ、洗剤、漂白剤、柔軟剤、飲料、食品の他に、エンジンオイル、化学薬品などが挙げられる。
また、内容物18は、液体(ペースト状のものを含む)であっても良いし、固体(例えば、粒状のもの(顆粒状のものを含む)、或いは粉状のものなど)であっても良い。
本実施形態の場合、内容物18は、例えば、液体である。
内容物18が液体の場合には、内容物18の粘度は、例えば30℃において好ましくは1mPa・s以上12万mPa・s以下(B型粘度計で測定。例えば東機産業社製ビスコメーターTV−10又はビスコメーターTVB−10等で測定)であり、より好ましくは1mPa・s以上6万mPa・s以下である。
充填部60に封入されている充填材は、流体(気体または液体)、固体(例えば粉粒体、樹脂ペレット等)または半固体(例えば発泡剤等)とすることができ、空気などの圧縮性流体であることが好ましい。
以下、本実施形態により製造されるシート材容器100の構造の一例について、図1から図10を用いて説明する。
本実施形態の場合、シート材容器100は、底部としての底マチ13(図2、図4)を有しており、底マチ13が水平な載置面に載置された状態で自立可能となっている。
本実施形態において、シート材容器100の各構成要素の位置関係(上下関係等)の説明は、特に断りのない場合は、シート材容器100を図1及び図2のように自立させた状態での位置関係を説明したものである。ただし、これらの説明における位置関係は、シート材容器100の使用時や製造時の位置関係とは必ずしも一致しない。
また、シート材容器100の各構成要素の位置関係について、各図に示される位置関係を説明する場合もある。
シート材容器100の正面側(図2における紙面の奥側)を前方、シート材容器100の背面側(図2における紙面の手前側)を後方といい、シート材容器100の正面に向かって左側(図2における右側)を左方、シート材容器100の正面に向かって右側(図2における左側)を右方という。また、シート材容器100の左右方向を横幅方向という場合がある。
本実施形態の場合、容器本体20は、胴部11と、胴部11の上側に配置されている天マチ14と、胴部11の下側に配置されている底マチ13と、を有する袋状に形成されている。ただし、本発明は、この例に限らず、容器本体20は、天マチ14を有していなくてもよく、また、底マチ13を有していなくてもよい。
容器本体20は、収容領域17を包囲している(本実施形態の場合、内袋40を包囲している)。容器本体20はシート材容器100の外殻を構成している。以下では、容器本体20の胴部11、天マチ14及び底マチ13のことを、シート材容器100の胴部11、天マチ14及び底マチ13と称する場合がある。
胴部11の正面形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、例えば、図2に示すように、横幅寸法が略一定の縦長形状となっており、胴部11の上縁は上方に向けて凸の弧状に形成されている。
図5に示すように、胴部11は、収容領域17を間に挟んで互いに対向している第1主面部20a(前側のパネル)及び第2主面部20b(後側のパネル)を有する。第1主面部20aは正面側に位置しており、第2主面部20bは背面側に位置している(図1から図3も参照)。
第1主面部20aは、例えば、左右対称に形成されており、第2主面部20bも、例えば、左右対称に形成されている。また、第1主面部20aと第2主面部20bとは、例えば、充填部60の後述する面間接続部65を除き、前後対称に形成されている。
第1主面部20aは、前方に向けて凸に膨出しており、第2主面部20bは、後方に向けて凸に膨出している。
容器本体20は、本体構成シート材21(図7、図8参照)を折り曲げて当該本体構成シート材21の周縁部どうしを相互に接合(本実施形態の場合、内袋40を構成する内袋構成シート材41を介して相互に接合)することによって構成されている。
天マチ14の平面形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、天マチ14は、図3に示すように、横幅方向における中央部から左方に向かうにつれて前後幅が縮小するとともに、横幅方向における中央部から右方に向かうにつれて前後幅が縮小する形状に形成されている。天マチ14は、例えば、横長の扁桃形状に形成されている。
容器本体20は、天マチ14の周縁に沿って配置されているマチ部周縁シール片45と、胴部11の左右の縁辺部に沿ってそれぞれ上下に延在している側部シール片46と、を備えている。マチ部周縁シール片45及び側部シール片46は、例えば、容器本体20の外方に向けて起立している。
マチ部周縁シール片45は、例えば、後述する面間接続部65が存在する部位を除き、天マチ14を周回状に取り囲んでいる。
マチ部周縁シール片45には、マチ部(天マチ14)と第1主面部20aとの境界に沿って配置されている第1面状部側シール片45aと、マチ部と第2主面部20bとの境界に沿って配置されている第2面状部側シール片45bと、が含まれている。
本実施形態の場合、内袋40は、内袋構成シート材41(図8参照)の周縁部における一部分どうしを相互に接合することにより構成されている(図5参照)。すなわち、内袋構成シート材41を折り曲げて当該内袋構成シート材41の周縁部どうしを相互に接合することによって、袋状の内袋40が構成されている。内袋40は、容器本体20によって覆われている。内袋40は、当該内袋40の内部に収容領域17を有する。
このように、シート材容器100は、収容領域17を画定している内袋40を有し、内袋40は、シート材容器100を構成する1又は複数のシート材のうち最内層のシート材である内袋構成シート材41により構成されている。
内袋40の形状は、特に限定されないが、本実施形態の場合、内袋40は容器本体20と同様の形状に形成されている。
図5に示すように、内袋40は、収容領域17を間に挟んで正面側に位置する第1主面部40aと背面側に位置する第2主面部40bとを有する。
シート材容器100は、例えば、天マチ14を貫通して設けられているスパウト部材15と、スパウト部材15に装着(例えば着脱可能に装着)されているキャップ部70と、を備えている。
より詳細には、スパウト部材15は、例えば、図2及び図3に示すように、内容物18を通過させる円筒状の注出筒部15aと、注出筒部15aの軸方向における一端(下端)において当該軸方向に対して直交する配置で設けられている板状の板状部15bと、を一体に備えて構成されている。注出筒部15aの外周面にはねじ山が形成されており、注出筒部15aは雄ねじ形状となっている。注出筒部15aは、天マチ14を上下に貫通しており、天マチ14から上方に突出している。
板状部15bは、注出筒部15aの下端から周囲に向けてフランジ状に張り出している。板状部15bの平面形状は特に限定されないが、例えば、略正方形状であることが挙げられる(図3)。
板状部15bは、例えば、内袋構成シート材41において、胴部11の天マチ14に沿って配置されている部分の内面又は外面に設けられている。板状部15bは、例えば、天マチ14において内袋構成シート材41の内面(下面)に対して接合されている。このため、板状部15bは、内袋構成シート材41を介して、本体構成シート材21に接合されている。ただし、本発明は、この例に限らず、板状部15bは、本体構成シート材21の内側フィルム層23に対して直接接合されていてもよい。板状部15bと内袋構成シート材41との接合部は、平面視において、注出筒部15aの周囲を周回状に取り囲んでいる。板状部15bと内袋構成シート材41との接合部は、例えば、挿通穴21aの周囲に位置する円環状の本体シール部26(図8参照)と重なる範囲に形成されている。
注出筒部15aの先端の開口15cが、収容領域17から内容物18を吐出する吐出口である。板状部15bには、注出筒部15aの内空と同軸に開口15dが形成されている。収容領域17内の内容物18は、開口15d及び開口15cを通して外部に吐出される。
このように、第2面状部(天マチ14)には、収容領域17から内容物18を吐出する吐出口(開口15c)が設けられている。
更に、第2面状部(天マチ14)には、吐出口(開口15c)と連通する開口(開口15d)を有する板状部15bが設けられており、板状部15bに対して、上記1又は複数のシート材が接合されている。
キャップ部70は、例えば、注出筒部15aに対して着脱可能に螺合している雌ねじ形状の筒状部である装着部71と、装着部71に固定されているポンプ部72と、ポンプ部72から下方に延出しているディップチューブ77と、ポンプ部72に対して昇降可能にポンプ部72に保持されているヘッド部73と、を備えている。
ヘッド部73は、例えば、ポンプ部72から上方に突出している支持筒部74と、当該ヘッド部73の上端部から水平に突出しているノズル部75と、を有し、ノズル部75の先端には内容物18を吐出する吐出口76が形成されている。
キャップ部70内における内容物18の流路(不図示)が、開口15d及び開口15cを上下に貫通して配置されている。
ヘッド部73がポンプ部72に対して押し込まれる(押下される)と、ポンプ部72の働きによって内容物18が吐出口76から吐出されるようになっている。
本実施形態の場合、充填部60は、図1〜図6に示すように、例えば、第1主面部20aの周縁部に沿って周回状に形成されている第1充填部61と、第2主面部20bの周縁部に沿って周回状に形成されている第2充填部62と、底マチ13の周縁部に沿って周回状に形成されている第3充填部63(図4)と、天マチ14において注出筒部15aの周囲に周回状に形成されている第4充填部64(図3)と、を含んでいる。
第1充填部61の下縁は第3充填部63の前縁と繋がっており、第2充填部62の下縁は第3充填部63の後縁と繋がっており、第1充填部61の上端部の横幅方向における中央部は第4充填部64の前端部の横幅方向における中央部と繋がっている。
シート材容器100は、このような構造の充填部60を備えていることによって、容器本体20のほぼ全体に亘って、構造的強度が十分に確保されている。
本実施形態の場合、充填部60の全体が一繋がりに形成されている。
なお、本発明において、シート材容器100は、互いに独立した複数の充填部60を備えていても良い。
ここで、第1充填部61と第4充填部64との接続部、第1充填部61と第3充填部63との接続部、及び、第2充填部62と第3充填部63との接続部は、それぞれ面間接続部65である。
本実施形態の場合、容器本体20は、胴部11と天部(天マチ14)とを有し、胴部11の一方の主面部(第1主面部20a)が第1面状部であり、天部が第2面状部である。
そして、充填部60は、主面部(第1主面部20a)の周縁部に沿って形成されている第1充填部61と、天部(天マチ14)における吐出口の周囲に形成されている第4充填部64と、を有し、第1充填部61と第4充填部64とが、面間接続部65を介して繋がっている。
しかも、本実施形態の場合、容器本体20は、胴部11と底部(底マチ13)とを有し、胴部11の一方の主面部(第1主面部20a)が第1面状部であり、底部(底マチ13)も第2面状部である。
そして、充填部60は、主面部の周縁部(第1主面部20a)に沿って形成されている第1充填部61と、底部(底マチ13)の周縁部に沿って形成されている第3充填部63とを有し、第1充填部61と第3充填部63とが、面間接続部65を介して繋がっている。
更に、本実施形態の場合、胴部11の他方の主面部(第2主面部20b)と底部(底マチ13)も、第1面状部と第2面状部の関係にある。
図7及び図8に示すように、本体構成シート材21は、容器本体20の外面側を構成する外側フィルム層22と、容器本体20の内面側を構成する内側フィルム層23と、を相互に積層及び接合することにより構成されている。すなわち、一例として、本実施形態の場合、本体構成シート材21は、外側フィルム層22と内側フィルム層23との2層のフィルム層により構成されている。ただし、本発明は、この例に限らず、本体構成シート材21は、外側フィルム層22及び内側フィルム層23以外のフィルム層を有していても良い。
本実施形態の場合、外側フィルム層22と内側フィルム層23とは互いに同形状に形成されている。ただし、本発明は、この例に限らず、外側フィルム層22と内側フィルム層23とは互いに異形状であっても良い。異形状の場合は、外側フィルム層22は内側フィルム層23よりも大きい形状であることが好ましい。
外側フィルム層22及び内側フィルム層23には、スパウト部材15の注出筒部15aが挿通される挿通孔が形成されている。
本体構成シート材21には、外側フィルム層22と内側フィルム層23とが部分的に非接合とされた非接合部24(図8)が形成されている。例えば、外側フィルム層22又は内側フィルム層23の一方または両方において、他方に対して対向する面には、部分的に非接合処理が施されている。非接合処理は、非接合剤(いわゆる糊殺し剤)を塗布して糊殺し状態とすることによって、容易に形成することができる。糊殺し剤としては、外側フィルム層22と内側フィルム層23との接合を抑制できるものであれば、いかなるものも使用することができる。糊殺し剤としては、例えば、オフセット印刷、フレキソ印刷、レタープレス印刷(凸版印刷)のそれぞれに使用する印刷用インキ、メジウムインキ、糊殺し専用インキ等を好ましく用いることができる。また、熱硬化型や紫外線硬化型のインキを好ましく用いることができる。非接合処理が施された範囲が非接合部24となる。非接合部24に充填材が封入されることによって、充填部60が形成されるようになっている。
充填部60は、必ずしも非接合部24の全部に形成されていることに限定されず、複数ある非接合部24の一部に形成されていてもよい。
図7では、外側フィルム層22及び内側フィルム層23の各々において、相互に接合されて本体シール部26となる領域には、便宜的に右上がりのハッチングを付している。
図8及び図9では、本体構成シート材21において、非接合部24を画定するために外側フィルム層22と内側フィルム層23とが相互に接合されている領域、すなわち本体シール部26の形成領域には、便宜的に右上がりのハッチングを付している。
更に、図8では、本体構成シート材21の周縁部のシール領域と、それ以外の領域と、の境界線であるシール境界線21cを二点鎖線で示している。本実施形態の場合、本体構成シート材21のシール境界線21cよりも外側の領域においては、製袋の際に、外側フィルム層22と内側フィルム層23とが相互に接合されるとともに、内側フィルム層23と内袋構成シート材41とが相互に接合される。
外側フィルム層22と内側フィルム層23との接合の手法としては、一例として、ヒートシール、超音波シール、接着剤による接合等を用いることができる。
ここで、外気取込孔96と外気取込孔97とは、例えば互いに異なる位置に配置されている。一例として、図2に示すように、外気取込孔96は、容器本体20の第2主面部20bの下部に配置されており、外気取込孔97は、容器本体20の第2主面部20bの上部に配置されている。
外気取込孔96と外気取込孔97とは、外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間の間隙を介して相互に連通している。このため、外気取込孔96、外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間の間隙、及び、外気取込孔97をこの順に介して、容器本体20の内面と内袋40の外面との間隙91に外気を導入させることができるようになっている。
本実施形態の場合、外側フィルム層22及び内側フィルム層23の各々は、複数の樹脂層を含む層構造をなしている。また、内袋構成シート材41も、複数の樹脂層を含む層構造をなしている。
本体構成シート材21は、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリエステル系又はポリアミド系のいずれか1種の樹脂層を含んでいることが好ましい。
本体構成シート材21の外側フィルム層22及び内側フィルム層23を構成する樹脂層の材料は、特に限定されないが、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)などのポリエチレン系材料、または延伸ポリプロピレン(OPP)、未延伸ポリプロピレン(CPP)、アイソタクチックPP、シンジオタクチックPP、アタクチックPP、ランダムPP、ブロックPPなどのポリプロピレン系材料、またはポリエチレンテレフタレート(PET)、非晶性ポリエチレンテレフタレート(非晶性PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)などのポリエステル系材料、または延伸ナイロン(ONy)、未延伸ナイロン(CNy)、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、MXD6などのポリアミド系材料のいずれかであるのがより好ましく、これらのうち上記ポリエチレン系材料であるのが特に好ましい。
外側フィルム層22は、一例として、第1層、第2層、第3層及び第4層の4つの樹脂層をこの順に積層することにより構成された4層構造をなしている。
このうち第1層は、容器本体20の外面を構成する。第1層は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)または延伸ナイロン(ONy)により構成されている。第1層の主な機能としては、容器本体20に光沢感及び印刷適性をもたらすとともに容器本体20の剛性を確保することが挙げられる。
第2層は、例えば、当該第2層における第1層側の面にシリカ及び/又はアルミナが蒸着されたポリエチレンテレフタレートにより構成された透明蒸着PETの層である。第2層の主な機能としては、容器本体20にガスバリア性をもたらすことが挙げられる。
第3層は、例えば、延伸ナイロンにより構成されている。第3層の主な機能としては、容器本体20の耐ピンホール性を確保することが挙げられる。
第4層は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)により構成されている。第4層の主な機能としては、内側フィルム層23とのヒートシール性を確保することが挙げられる。
内側フィルム層23の層構造としては、外側フィルム層22の第1層から第4層と同様の層構造に加えて、例えば直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)により構成されている第5層を備える構造が挙げられる。第5層は、第1層と隣接した層であり、内側フィルム層23における第4層とは反対側の面を構成している。第5層の主な機能としては、外側フィルム層22とのヒートシール性を確保することが挙げられる。
内側フィルム層23の第4層の主な機能としては、内袋構成シート材41とのヒートシール性を確保することが挙げられる。
ただし、外側フィルム層22及び内側フィルム層23の層構造は、上記の例に限らず、また、外側フィルム層22及び内側フィルム層23を構成する各層の材料は、上記の例に限らない。
内袋40を構成する内袋構成シート材41は、一例として、第1層、第2層及び第3層をこの順に積層することにより構成された3層構造をなしている。
このうち第1層は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンにより構成されている。第1層の主な機能としては、本体構成シート材21とのヒートシール性(内側フィルム層23とのヒートシール性)を確保することが挙げられる。
第2層は、例えば、当該第2層における第1層側の面にシリカ及び/又はアルミナが蒸着された延伸ナイロンにより構成された透明蒸着延伸ナイロンの層である。第2層の主な機能としては、ガスバリア性及び耐ピンホール性を確保することが挙げられる。
第3層は、例えば、直鎖状低密度ポリエチレンにより構成されている。第3層の主な機能としては、内袋構成シート材41どうしのヒートシール性を確保することが挙げられる。
なお、内袋構成シート材41の層構造は、ここで説明した構造に限らない。
図8及び図9に示すように本体構成シート材21に内袋構成シート材41が積層され、図9に示すように内側フィルム層23の周縁部と内袋構成シート材41の周縁部とが相互に接合されるとともに、外側フィルム層22の周縁部と内側フィルム層23の周縁部とが相互に接合されている。これにより、本体構成シート材21と内袋構成シート材41とにより容器構成シート材51が構成されている。
ここで、容器構成シート材51の周縁部のシール部を周縁シール部52と称する。周縁シール部52は、内側フィルム層23の周縁部と内袋構成シート材41の周縁部とのシール部(以下、内外シール部43)と、外側フィルム層22の周縁部と内側フィルム層23の周縁部とのシール部(以下、本体周縁シール部28)と、を含む。
図9において、周縁シール部52の形成領域には、左上がりのハッチングを付している。また、図9において、周縁シール部52の形成領域と本体シール部26の形成領域とが重複している領域では、左上がりのハッチングと右上がりのハッチングとが重なっている。
周縁シール部52を形成する手法としては、一例として、ヒートシール、超音波シール、接着剤による接合等を用いることができる。
図9に示すように、本体構成シート材21は、例えば、第1主面部20aを構成する部分である第1シート部31と、第2主面部20bを構成する部分である第2シート部32と、底マチ13を構成する部分である底マチ構成シート部38と、天マチ14を構成する部分である天マチ構成シート部39と、チューブ状の延出部25と、を有する。延出部25は、例えば、第2シート部32から外方に延出している。
天マチ構成シート部39には、スパウト部材15の注出筒部15aが挿通される挿通穴21aが形成されている。
本実施形態の場合、非接合部24は、シート材容器100の充填部60の形状と対応する形状に形成されている。
非接合部24において、第4充填部64となる部分24bは、例えば、図9に示すように、挿通穴21aを囲む周回状に形成されている。より詳細には、例えば、部分24bの外縁(外形線)は、天マチ構成シート部39の外形線よりも一回り小さい形状となっており、部分24bの内縁は、挿通穴21aよりも一回り大きい円形となっている。
本実施形態の場合、内袋構成シート材41は、本体構成シート材21における延出部25を除く部分と同形状に形成されている。
なお、図8では、内袋構成シート材41のシール境界線41aを便宜的に二点鎖線で示している。シール境界線41aは、内袋構成シート材41が本体構成シート材21と接合(シール)される領域と内袋構成シート材41における他の領域との境界線であるとともに、容器構成シート材51を用いてシート材容器100が形成される際に内袋構成シート材41どうしが接合される領域と内袋構成シート材41における他の領域との境界線である。
本実施形態の場合、シール境界線41aの位置とシール境界線21cの位置とは互いに対応している(互いに重なっている)。
内袋構成シート材41において天マチ構成シート部39と重なる部分には、スパウト部材15の注出筒部15aが挿通される挿通穴41bが形成されている。
スパウト部材15の板状部15bは、例えば、内袋構成シート材41において天マチ構成シート部39と重なっている部分の内面に対して接合されている。注出筒部15aは、内袋構成シート材41の挿通穴41b及び天マチ構成シート部39の挿通穴21aを通してこれらシートの外面側に突出している。
容器構成シート材51が、図9に示す折り曲げ線81、折り曲げ線82及び折り曲げ線84においてそれぞれ谷折りされるとともに、折り曲げ線83及び折り曲げ線85においてそれぞれ山折りされた状態で、容器構成シート材51の周縁部どうし(内袋構成シート材41どうし)が接合されることによって、容器構成シート材51が二重構造の袋状に形成される。ここで、谷折りとは、図9における奥側に向けて凸の折り曲げ方であり、山折りとは、図9における手前側に向けて凸の折り曲げ方である。
すなわち、内袋構成シート材41の縁部どうしが接合されて内袋シール部42(図1参照)が形成されることにより、内袋構成シート材41によって内袋40が形成されるとともに、内袋40を覆う袋状の容器本体20が形成される。
内袋構成シート材41どうしの接合の手法としては、一例として、ヒートシール、超音波シール、接着剤による接合等を用いることができる。
本実施形態の場合、本体周縁シール部28、内袋シール部42及び内外シール部43は、互いに対応する位置(互いに重なる位置)に配置されている。本体周縁シール部28、内袋シール部42及び内外シール部43の総称を周縁シール部19とする(周縁シール部19は、本体周縁シール部28、内袋シール部42及び内外シール部43を含む)。
このため、本実施形態の場合、マチ部周縁シール片45並びに側部シール片46の各々は、本体周縁シール部28、内袋シール部42及び内外シール部43を含んで構成されている。
ただし、本発明は、この例に限らず、マチ部周縁シール片45並びに側部シール片46は、本体周縁シール部28のみにより構成されていてもよい。
第1シート部31において、折り曲げ線85よりも天マチ構成シート部39側の部分は、第1重複部31aである。第1重複部31aは、非接合部24に充填材が充填される前の状態では、天マチ構成シート部39における一方の半部と重なって配置されている。
第2シート部32において、折り曲げ線86よりも底マチ構成シート部38から遠い側に位置する部分は、第2重複部32aである。第2重複部32aは、非接合部24に充填材が充填される前の状態では、天マチ構成シート部39における他方の半部と重なって配置されている。
こうして、図10に示すように、容器構成シート材51が二重の袋状に形成され、シート材容器100が得られる。図10に示す状態では、収容領域17が未だ膨らんでいないとともに、充填部60に充填材が充填されていないため、シート材容器100は、扁平な形状となっている。
シート材容器100は、例えば、延出部25に形成されている注入口25a(図10)から非接合部24に充填材が注入され、その後、延出部25の基端側に連接する部位において非接合部24が封止される。これにより、非接合部24(充填部60)に充填材が封入される。
なお、充填部60の内部における圧力は、特に限定されないが、大気圧よりも高圧であることが好ましく、例えば、10kPa以上500kPa以下(ゲージ圧)とすることができる。
充填部60に充填材が封入された後、例えば、延出部25は切除される。
こうして、充填部60に充填材が封入されたシート材容器100(図1〜図6参照)が得られる。ただし、充填材が封入されたシート材容器100の状態でも延出部25が切除されずに残留していてもよい。
シート材容器100の作製後、スパウト部材15の注出筒部15aを通して収容領域17に内容物18を充填した後で、スパウト部材15にキャップ部70が装着されることによって、収容領域17に内容物18が封入されたシート材容器100が得られる。
以下、図11及び図12を用いて、充填部60に充填材を注入する工程について、より詳細に説明する。なお、図11及び図12においては、シート材容器100について、側方(左方)から視た構造を示している。
上述のように、本実施形態に係る製造方法では、容器本体20の内面と内袋40の外面とを相互に密着状態に維持させながら、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材を注入する工程を行う。
ここで、容器本体20の内面は、典型的には、内側フィルム層23の内面(内袋40側の面;本実施形態の場合、後述する内袋構成シート材41側の面)であるが、部分的には、外側フィルム層22の内面(内袋40側の面;本実施形態の場合、後述する内袋構成シート材41側の面)であってもよい。
より詳細には、本実施形態の場合、外気導入部を塞いだ状態で、充填材を注入する工程を行うことで、上記密着状態を維持する。このため、例えば、先ず、外気取込孔96を粘着テープ460により閉塞する(図11参照)。外気取込孔96を粘着テープ460により閉塞するとは、粘着テープ460を容器本体20の外面における外気取込孔96の周囲の周回状の部分に対して粘着させて当該部分に対して気密に密着させることによって、外気取込孔96を介して内袋40の外面と容器本体20の内面との間隙に外気が取り込まれてしまうことを規制することである。
続いて、シート材容器100を図11に示す製造装置にセットする。
この製造装置は、例えば、気体(例えば空気)を供給するガス供給源420と、ガス供給源420から充填部60内に気体を供給するためのガス供給配管425と、スパウト部材15の注出筒部15aを保持する保持部材440と、延出部25を挟持する第1保持ブロック452及び第2保持ブロック453と、を備えている。ガス供給配管425には、例えば、レギュレータ426と、レギュレータ426の下流側に位置するスイッチ弁463と、スイッチ弁463の下流側に位置するスピードコントローラ464(流速制御弁)と、レギュレータ426とガス供給源420との間に位置するバルブ427と、が設けられている。ガス供給配管425の先端部425aは、例えば、第1保持ブロック452内に埋設されている。ガス供給配管425は、例えば、第1保持ブロック452の近傍において分岐している分岐管425bを有しており、分岐管425bには、圧力計465が設けられている。なお、ガス供給配管425における各構成要素の配置の順番は、上記の例に限らず、後述するような動作を実現できれば、その他の順番でもよい。
図11に示すように、保持部材440によってスパウト部材15の注出筒部15aを保持するとともに、第1保持ブロック452と第2保持ブロック453とにより延出部25を挟持することによって、シート材容器100が製造装置にセットされる。
この状態で、ガス供給配管425の先端部425aの先端は、延出部25の注入口25aと対応する位置に配置されている。
本実施形態におけるシート材容器100は、図10に示すように、折り曲げ線81〜86に沿って折り曲げられた状態になっている。
製造装置の稼働時にはバルブ427は常時開状態となっており、スイッチ弁463を開くことによって、気体をガス供給源420からガス供給配管425を介して、延出部25の注入口25aから充填部60内に注入することができる。すなわち、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に、充填材を注入することができる。これにより、図12に示すように、充填部60が膨らむ。
これにより、図11に示すように第1主面部20aを構成する部分である第1シート部31と第2主面部20bを構成する部分である第2シート部32とが近接した状態から、図12に示すように第1シート部31と第2シート部32とが十分に離間した状態となるとともに底マチ13が展開した状態となる。
次に、充填部60を封止する工程、すなわち、例えば延出部25の基端側に連接する部位において非接合部24を封止する工程を行う。
充填部60に充填材を注入し、充填部60を封止した後で、粘着テープ460をシート材容器100から剥がし、外気取込孔96を開放する。
こうして、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材が充填されたシート材容器100が得られる。
ここで、外気取込孔96を粘着テープ460により閉塞した状態で、充填部60に充填材を注入するので、図12に示すようにシート材容器100が展開する際において、外気取込孔96及び外気取込孔97を介して外気が容器本体20の内面と内袋40の外面との間隙91に取り込まれてしまうことを抑制できる。よって、容器本体20の内面と内袋40の外面とを相互に密着状態に維持させながら、充填材を注入することができる。
これにより、容器本体100が展開して膨らむのに追従して内袋40も膨らむことができるので、内袋40及び容器本体20におけるシワの発生を抑制できることから、シート材容器100の良好な外観を実現できる。しかも、収容領域17に十分な量の内容物18を充填することも可能となるとともに、複数個のシート材容器100を製造するに際して、収容領域17の容積を安定させることができる(収容領域17の満量容積について、高い再現性を実現できる)。
なお、充填材の流速を徐々に低下させながら、充填材を注入する工程を行うことが好ましい。このようにすることにより、シート材容器100の充填部60等への負荷を抑制することができる。
ここで、充填材の流速は、連続的に低下させてもよいし、段階的に低下させてもよい。充填材の流速(注入速度)は、レギュレータ426あるいはスピードコントローラ464の設定値を調節することなどにより行うことができる。
本実施形態では、シート材容器100の製造工程が、外気取込孔96を開放する工程を含む例を説明した。ただし、本発明は、この例に限らず、シート材容器100の製造工程は、外気取込孔96を開放する工程を含んでいなくてもよい。この場合、例えば、充填材が充填されたシート材容器100に内容物18を充填後に、粘着テープ460を剥がしても良い。または、シート材容器100の使用者が、シート材容器100の使用開始時に、粘着テープ460をシート材容器100から剥がすことなどによって、外気取込孔96が開放されてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、図13(a)及び図13(b)を用いて、第2実施形態を説明する。
本実施形態に係るシート材容器の製造方法は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係るシート材容器の製造方法と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るシート材容器の製造方法と同様である。
本実施形態の場合、外気導入部を介して間隙91を吸引する工程(図13(a))を行い、間隙91が吸引された状態で、充填材を注入する工程(図13(b))を行うことで、上記密着状態を維持する。
すなわち、外気取込孔96を介して、容器本体20の内面と内袋40の外面との間隙91を吸引し、その状態で、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材を注入する。
これにより、容器本体20の内面と内袋40の外面とを相互に密着状態に維持させながら、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材を注入する工程を行うことができる。
間隙91を吸引する工程(図13(a))は、例えば、吸引ポンプ472により吸引配管471を介して外気取込孔96から気体を吸引することによって、行うことができる。吸引配管471の一端部には、外気取込孔96を閉塞する閉塞部材470が設けられており、吸引配管471の他端側には、吸引ポンプ472が設けられており、吸引配管471の中間部には、例えば、バルブ473が設けられている。
ここで、閉塞部材470によって外気取込孔96を閉塞するとは、閉塞部材470を容器本体20の外面における外気取込孔96の周囲の周回状の部分に対して気密に密着させ、且つ、閉塞部材470、外気取込孔96及び97を介して、吸引配管471と、内袋40の外面と容器本体20の内面との間隙と、を相互に連通した状態に維持させることである。
閉塞部材470によって外気取込孔96を閉塞し、吸引ポンプ472を稼働させた状態でバルブ473を開くか、又は、バルブ473を開いた状態で吸引ポンプ472を稼働させることによって、外気取込孔96を介して内袋40の外面と容器本体20の内面との間隙91を吸引することができる。
充填材を注入する工程(図13(b))を行う際にも、外気取込孔96を介して間隙91を吸引する工程を継続して行うことが好ましい。
ただし、本発明は、この例に限らず、外気導入部を介して間隙91を吸引する工程を行った後、間隙91の吸引は終了するとともに、例えば図12に示すように粘着テープ460などにより外気導入部を閉塞して、充填材を注入する工程を行ってもよい。または、バルブ473を閉じて間隙91の吸引を終了後、閉塞部材470によって外気取込孔96を閉塞した状態のまま、充填材を注入する工程を行ってもよい。
例えば、充填部60に充填材を注入し、充填部60を封止した後で、吸引ポンプ472を停止させ、外気取込孔96から閉塞部材470を取り外し、外気取込孔96を開放する。
〔第3実施形態〕
次に、第3実施形態を説明する。
本実施形態に係るシート材容器の製造方法は、以下に説明する点で、上記の第1実施形態に係るシート材容器の製造方法と相違しており、その他の点では、上記の第1実施形態に係るシート材容器の製造方法と同様である。
本実施形態の場合、容器本体20の内面と内袋40の外面とが易剥離可能な易剥離領域を形成した状態で、充填材を注入する工程を行うことで、上記密着状態を維持する。易剥離領域は、容器本体20の内面と内袋40の外面とを剥離させるために必要な剥離強度が低い領域である。つまり、易剥離領域における容器本体20の内面と内袋40の外面との剥離強度が、周縁シール部52(内外シール部43)における容器本体20の内面と内袋40の外面との剥離強度よりも小さい。
これにより、容器本体20の内面と内袋40の外面とを相互に密着状態に維持させながら、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材を注入する工程を行うことができる。
ここで、易剥離領域は、容器本体20の内面と内袋40の外面とを、容易に剥離可能な状態で相互に接合することで形成される。易剥離領域は、例えば、接着強度の弱い接着剤を用いて接合したり、部分接着とすることで形成することができる。また、低温でヒートシールを行うことにより実現してもよいし、コロナ処理によりシール強度(接合強度)を低下させてヒートシールを行うことにより実現してもよい。または、容器本体20の内面または内袋40の外面に、イージーピール性を有するシート材を用いることにより形成してもよい。
また、易剥離領域は、容器本体20の内面と内袋40の外面とを静電力により密着させることで形成してもよい。容器本体20と内袋40との少なくとも一方に、プラスの電荷又はマイナスの電荷を付与することによって、容器本体20の内面と内袋40の外面とを静電力により密着させることができる。容器本体20と内袋40との少なくとも一方にプラスの電荷又はマイナスの電荷を付与する手法は、特に限定されないが、帯電ガンによって行う手法や、摩擦による帯電によって行う手法、フィルムに含有される帯電防止剤を減らすことによる手法などを用いることができる。
また、易剥離領域は、容器本体20の内面と内袋40の外面とを疑似接着させることで形成してもよい。すなわち、易剥離領域において容器本体20の内面と内袋40の外面とが擬似接着されていてもよい。
疑似接着の一例として、内袋構成シート材41における最も外側(内側フィルム層23側)の層を直鎖状低密度ポリエチレンとし、内側フィルム層23における最も内側(内袋構成シート材41側)の層をポリエチレンテレフタレート(PET)とする構成が挙げられる。そして、本体構成シート材21と内袋構成シート材41とを圧着させることによって、内側フィルム層23における内袋構成シート材41側の面(例えばPETにより構成されている)と、内袋構成シート材41における内側フィルム層23側の面(例えば直鎖状低密度ポリエチレンにより構成されている)と、を擬似接着することができる。
この構成の場合、外側フィルム層22は、内側フィルム層23よりも一回り大きく形成されており、本体構成シート材21において、外側フィルム層22の周縁部は、内側フィルム層23の外周からはみ出している。そして、本体構成シート材21と内袋構成シート材41とを相互にヒートシールして容器構成シート材51を形成する際に、例えば、本体構成シート材21の全面と内袋構成シート材41の全面とをプレス金型によりプレス(全面プレス)し、内側フィルム層23と内袋構成シート材41とを圧着させることによって、易剥離領域を形成するとともに、外側フィルム層22の周縁部と、内袋構成シート材41の周縁部とが相互に接合されて周縁シール部19が形成される。疑似接着の接着力を向上させるために、圧着時にプレス金型を加熱することが好ましい。
容器本体20の内面と内袋40の外面とに易剥離領域が形成されている状態でも、収容領域17内の内容物18の残量が減少することによって、内袋40の外面が容器本体20の内面から離間する方向の力が内袋40に作用すると、容器本体20の内面と内袋40の外面とが相互に剥離するようになっていることが好ましい。
本体シール部26と重なる位置に、易剥離領域が形成されていることが好ましい。このようにすることによって、易剥離領域を、本体シール部26によって覆い隠すことができるので、シート材容器100の良好な外観を実現することができる。
ここで、本体シール部26と重なる位置とは、本体構成シート材21の厚み方向に視たときに、本体シール部26と重なる位置を意味する。
より詳細には、例えば、第1主面部20a(前側のパネル)の中央部に配置されている環状の本体シール部26(第1シート部31(図9)の中央部の環状の本体シール部26)と重なる位置と、第2主面部20b(後側のパネル)の中央部に配置されている環状の本体シール部26(第2シート部32(図9)の中央部の環状の本体シール部26)と重なる位置と、底マチ13の中央部に配置されている環状の本体シール部26(底マチ構成シート部38(図9)の中央部の環状の本体シール部26)と重なる位置において、それぞれ易剥離領域が形成されていることが好ましい。
また、本体シール部26と重なる位置においてのみ、易剥離領域が形成されていることがより好ましい。
ただし、本発明は、この例に限らず、例えば、外気取込孔97の周囲を囲む環状の領域において、易剥離領域が形成されていてもよい。
ここで、本実施形態において、充填材を注入する工程に供される前のシート材容器100は、未だ充填部60に充填材が充填されておらず、且つ、充填部60に充填材を充填可能なものである。
すなわち、本実施形態に係るシート材容器100は、相互に積層された外側フィルム層22と内側フィルム層23とを有する本体構成シート材21を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器100であって、内容物18を収容する収容領域17を画定している内袋40と、本体構成シート材21により構成されており内袋40を覆っている容器本体20と、容器本体20の内面と内袋の外面との間隙に外気を取り込むための外気導入部とを備え、本体構成シート材21は、外側フィルム層22と内側フィルム層23との接合部である本体シール部26と、外側フィルム層22と内側フィルム層23とが部分的に非接合とされた非接合部24と、を有するとともに、非接合部24における外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に充填材を封入可能な充填部60を有するものであり、容器本体20の内面と内袋40の外面とを易剥離可能な易剥離領域が形成されているシート材容器である。
上述のように、充填部60の内部における圧力は、例えば、10kPa以上500kPa以下とすることができる。すなわち、充填材を封入可能な充填部とは、外側フィルム層22と内側フィルム層23との層間に位置し、10kPa以上500kPa以下程度の圧力で充填材が封入されたときに密閉性を保持することが可能な空間をいう。
好ましくは、本体シール部26と重なる位置に、易剥離領域が形成されている。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
上記の各実施形態では、外気導入部は、外気取込孔96及び97を備えて構成されている例を説明したが、外気導入部は、その他の構成であってもよい。例えば、側部シール片46の延在方向における一部分において、内袋構成シート材41と本体構成シート材21とが非接合となっていることにより、内袋構成シート材41と本体構成シート材21との間隙によって外気導入部が構成されていてもよい。
すなわち、容器本体20は、第1面状部(第1主面部20a)と、収容領域17を間に挟んで第1面状部と対向して配置されている第2面状部(第2主面部20b)と、を有する胴部11を含む形状に形成されており、シート材容器100は、1又は複数のシート材の周縁部どうしが相互に接合されている周縁シール部を有し、周縁シール部は、胴部11の一対の側縁の各々に沿って延在している側縁シール部を含み、側縁シール部の延在方向における一部分において、1又は複数のシート材の周縁部どうしが非接合となっており、この非接合部が外気導入部を構成していてもよい。
また、キャップ部70は、例えば、ポンプ部72、支持筒部74、ヘッド部73及びノズル部75を有しておらず、開閉蓋を有するスクリューキャップであってもよい。
また、シート材容器100は、吐出口が下向きの姿勢(倒立姿勢)で自立するようになっていてもよいし、胴部11を載置面に寝かせて配置されるようになっていてもよい。
また、シート材容器100の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等が許容される。
11 胴部
13 底マチ
14 天マチ
15 スパウト部材
17 収容領域
18 内容物
20 容器本体
21 本体構成シート材
22 外側フィルム層
23 内側フィルム層
24 非接合部
26 本体シール部
40 内袋
41 内袋構成シート材
51 容器構成シート材
60 充填部
91 間隙
96、97 外気取込孔(外気導入部を構成する)
100 シート材容器
460 粘着テープ

Claims (9)

  1. 相互に積層された外側フィルム層と内側フィルム層とを有する本体構成シート材を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器を製造する方法であって、
    前記シート材容器は、
    内容物を収容する収容領域を画定している内袋と、
    前記本体構成シート材により構成されており、前記内袋を覆っている容器本体と、
    前記容器本体の内面と前記内袋の外面との間隙に外気を取り込むための外気導入部と、
    を備え、
    前記本体構成シート材は、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との接合部である本体シール部と、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが部分的に非接合とされた非接合部と、を有するとともに、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に充填材が封入されている充填部を有するものであり、
    当該方法は、前記容器本体の内面と前記内袋の外面とを相互に密着状態に維持させながら、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に前記充填材を注入する工程を備えるシート材容器の製造方法。
  2. 前記外気導入部を塞いだ状態で、前記充填材を注入する工程を行うことで、前記密着状態を維持する請求項1に記載のシート材容器の製造方法。
  3. 前記外気導入部を介して前記間隙を吸引する工程を行い、
    前記間隙が吸引された状態で、前記充填材を注入する工程を行うことで、前記密着状態を維持する請求項1又は2に記載のシート材容器の製造方法。
  4. 前記容器本体の内面と前記内袋の外面とが易剥離可能な易剥離領域を形成した状態で、前記充填材を注入する工程を行うことで、前記密着状態を維持する請求項1から3のいずれか一項に記載のシート材容器の製造方法。
  5. 前記本体シール部と重なる位置に、前記易剥離領域が形成されている請求項4に記載のシート材容器の製造方法。
  6. 前記容器本体の内面と前記内袋の外面とを静電力により密着させることで前記易剥離領域を形成する請求項4又は5に記載のシート材容器の製造方法。
  7. 前記易剥離領域において前記容器本体の内面と前記内袋の外面とが擬似接着されている請求項4から6のいずれか一項に記載のシート材容器の製造方法。
  8. 相互に積層された外側フィルム層と内側フィルム層とを有する本体構成シート材を含む1又は複数のシート材を備えて構成されているシート材容器であって、
    内容物を収容する収容領域を画定している内袋と、
    前記本体構成シート材により構成されており、前記内袋を覆っている容器本体と、
    前記容器本体の内面と前記内袋の外面との間隙に外気を取り込むための外気導入部と、
    を備え、
    前記本体構成シート材は、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との接合部である本体シール部と、前記外側フィルム層と前記内側フィルム層とが部分的に非接合とされた非接合部と、を有するとともに、前記非接合部における前記外側フィルム層と前記内側フィルム層との層間に充填材を封入可能な充填部を有するものであり、
    前記容器本体の内面と前記内袋の外面とが易剥離可能な易剥離領域が形成されているシート材容器。
  9. 前記本体シール部と重なる位置に、前記易剥離領域が形成されている請求項8に記載のシート材容器。
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