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JP2021159083A - クリルオイル含有組成物 - Google Patents

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JP2021159083A
JP2021159083A JP2021057584A JP2021057584A JP2021159083A JP 2021159083 A JP2021159083 A JP 2021159083A JP 2021057584 A JP2021057584 A JP 2021057584A JP 2021057584 A JP2021057584 A JP 2021057584A JP 2021159083 A JP2021159083 A JP 2021159083A
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Yi Lu
正喜 大川原
Masaki Okawara
未沙希 奈良
Misaki Nara
昌洋 黒野
Masahiro Kurono
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Sansho Pharmaceutical Co Ltd
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Sansho Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

【課題】クリルオイルの特有の臭いを和らげることができ、摂取する際の不快感を低減させることのできる組成物を提供する。【解決手段】クリルオイルと、臭気緩和物質とを含有し、前記臭気緩和物質が、ショウガ抽出物、カラメル、茶エキス、及びボスウェリア・セラータエキスからなる群から選択される少なくとも1種である、組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、クリルオイルの不快臭が低減されたクリルオイル含有組成物に関する。
一般に、健康食品素材を内包するソフトカプセル等のサプリメントは、日々継続して摂取することでより安定的な生理活性機能が得られる。ソフトカプセル等は、内包する素材の臭いや味を和らげる効果により日々継続して摂取しやすくする助けとなるが、強い臭いを有する素材の場合、製剤化のみではその臭いを抑えられない場合もある。
例えば、オキアミから抽出されるクリルオイルは、様々な生理活性を有することから、サプリメントとして販売されている。しかし、クリルオイルは、本来のオキアミの臭いに加え、微量に含まれるトリメチルアミンやアンモニア等により独特の、ヒトによっては不快に感じる臭いを有する。また、クリルオイルは、経時的な酸化等の化学変化により、その特有の臭いがさらに強調されてしまう場合もあった。そのため、クリルオイル独特の臭いの原因の一つである酸化を防止する技術や、クリルオイルの不快臭をマスキングする技術等が検討されている(例えば、特許文献1〜8を参照)。
特開2014−125579号公報 特開2015−062398号公報 特開2015−159801号公報 特表2015−517318号公報 特開2016−074628号公報 特開2016−108244号公報 特開2016−108245号公報 特開2018−104372号公報
様々な生理活性を有するクリルオイルが配合されたサプリメントを、不快な思いをせずに日々継続して摂取できるようにするためには、クリルオイルがもつ独特の臭いを和らげることが不可欠である。この点に関し、従来の技術には改善の余地があり、クリルオイルがもつ独特の臭いを和らげるためのさらなる技術が求められている。ショウガ抽出物や茶エキスは、魚油等に含まれるトリメチルアミンやアンモニアに対する消臭効果は知られているものの、魚油にはなく、クリルオイルのみが持つ独特の臭いに対する不快感をも軽減することは知られていなかった。また、カラメル及びボスウェリア・セラータエキスは、独特なにおいを持っており、様々な用途に使用されている。カラメルは、例えば着色剤などとして使用することができる。ボスウェリア・セラータエキスは、例えば抗炎症剤などとして使用することができる。しかし、カラメル及びボスウェリア・セラータエキスは、通常、臭気緩和の目的では用いられておらず、上記特許文献1〜8にも何ら記載されていない。
そこで本発明は、クリルオイルの特有の臭いを和らげることができ、摂取する際の不快感を低減させることのできる組成物を提供する。
本発明者らはクリルオイルと、特定の臭気緩和物質とを含有する組成物とすることにより、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
[1] クリルオイルと、臭気緩和物質とを含有し、
前記臭気緩和物質が、ショウガ抽出物、カラメル、茶エキス、及びボスウェリア・セラータエキスからなる群から選択される少なくとも1種である、
組成物。
[2] 含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、前記クリルオイルに対して前記臭気緩和物質を0.5質量%以上含む、上記[1]に記載の組成物。
[3] 含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、上記クリルオイルに対して上記ショウガ抽出物を0.5質量%以上含む、上記[1]又は[2]に記載の組成物。
[4] 上記ショウガ抽出物が、ショウガオールを0.01質量%以上含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5] 含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、上記クリルオイルに対して上記カラメルを0.5質量%超含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の組成物。
[6] 含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、上記クリルオイルに対して上記茶エキスを4質量%以上含む、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7] 上記茶エキスが、茶カテキンを含むオイルである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8] 含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、上記クリルオイルに対して上記ボスウェリア・セラータエキスを0.5質量%以上20質量%未満で含む、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[9] 上記[1]〜[8]のいずれかに記載の組成物と、上記組成物を被覆するシェルと、を備えるカプセル。
本発明によれば、クリルオイルの特有の臭いを和らげることができ、摂取する際の不快感を低減させることのできる組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施態様の一例に基づいて説明する。ただし、本発明は以下の記載に限定されない。
また本明細書において、実施態様の好ましい形態を示すが、個々の好ましい形態を2つ以上組み合わせたものもまた、好ましい形態である。数値範囲(例えば、含有量等の範囲)で示した事項について、段階的に記載された数値範囲がある場合、それらの下限値と上限値とを選択的に組み合わせて好ましい形態とすることができる。
なお、本明細書において、「XX〜YY」との数値範囲の記載がある場合、「XX以上YY以下」を意味する。
本実施態様は、クリルオイルと臭気緩和物質とを含む組成物(以下、単に「組成物」ともいう)を提供する。
臭気緩和物質は、ショウガ抽出物、カラメル、茶エキス、及びボスウェリア・セラータエキスからなる群より選ばれる少なくとも1種である。
クリルオイルと、植物由来物質等である臭気緩和物質を混合することにより、クリルオイルの機能を保ちつつ、クリルオイル摂取時の不快感を低減することができる。これは、臭気緩和物質が、クリルオイルの特有の臭いを、化学的作用等で除去又は緩和することによるものと考えられる。
上記見地から、本発明者らは、クリルオイルと特定の臭気緩和物質とを含む処方が、クリルオイルを摂取する際の不快感を低減させるという課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
本実施態様の組成物は、含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、クリルオイルに対して臭気緩和物質を、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上含むことが好ましい。臭気緩和物質の上記含有量が0.5質量%以上であれば、クリルオイルの臭気緩和をより一層高めやすくなる。本実施態様の組成物が、臭気緩和物質を2種以上含有する場合、臭気緩和物質の上記含有量は、臭気緩和物質の合計含有量である。
本実施態様において具体的には、クリルオイルとショウガ抽出物とを含む組成物、クリルオイルとカラメルとを含む組成物、クリルオイルと茶エキスとを含む組成物、クリルオイルとボスウェリア・セラータエキスとを含む組成物が挙げられる。これら具体的な組成物について以下に説明するが、本発明は、以下の具体的な組成物に限定されるものではない。
また、本発明の一態様において、組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述のクリルオイル及び臭気緩和物質以外の添加剤を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
[クリルオイル]
クリルオイルは、オキアミから抽出される油脂素材であり、オメガ3脂肪酸、リン脂質、アスタキサンチンを含有する海洋資源由来原料として、世界中でサプリメントとして普及している。オメガ3脂肪酸であるEPA(エイコサペンタエン酸、)やDHA(ドコサヘキサエン酸)の多くがリン脂質と結合しているため、人体への吸収性が高いといわれている。EPA及びDHAは、関節炎などの炎症抑制作用、中性脂肪を低下させる機能、ダイエット効果、月経前症候群、月経困難症、脳機能向上等に対して有効性が知られている。
本実施態様において、クリルオイルは、市販品を用いることができる。クリルオイルの市販品としては、例えば、Superba 2(登録商標、アーカー・バイオマリン社製)等が挙げられる。
組成物における、クリルオイルの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上であり、80質量%以上とすることもできる。また、組成物における、クリルオイルの含有量は、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98質量%以下である。組成物におけるクリルオイルの含有量が、上記範囲内であればクリルオイルの機能を有効に発揮できることが期待できる。
[ショウガ抽出物]
本実施形態において、組成物は、クリルオイルと、ショウガ抽出物とを含有する。
ショウガは、熱帯アジアを原産とするショウガ科の多年草であり、古くから香辛料として世界中で広く用いられている。公知の方法によって抽出されたショウガ抽出物に含まれる機能性成分に、辛味成分であるショウガオールとジンゲロールがあり、血流改善、血管拡張作用、抗炎症効果が知られている。
本実施形態において、「ショウガ抽出物」とは、ショウガ属に属するショウガ(Zingiber officinale)の根茎等より抽出して得られる抽出物をいう。ショウガの品種などは特に限定されず、おたふくショウガ及び近江ショウガなどの大ショウガ、三州ショウガ及び黄ショウガなどの中ショウガ、金時ショウガ及び谷中ショウガなどの小ショウガなどが挙げられる。
ショウガの抽出法は公知の方法を採用することができ、水蒸気蒸留法、溶媒抽出法、超臨界抽出法、炭酸ガス抽出法などの方法が挙げられる。抽出の際の温度条件や使用する溶媒などについては、適宜選択することができる。また、抽出に用いるショウガは、抽出効率を高めるために、粉砕物、搾り汁、搾り粕とした状態で抽出に用いることができる。
ショウガ抽出物に含まれる成分として、ショウガオール及びジンゲロール等が含まれる。クリルオイルの臭気緩和をより一層高める観点から、ショウガ抽出物にはショウガオールが含まれることが好ましい。生のショウガに含まれる成分は、ほとんどがジンゲロールであり、ショウガオールは極微量しか含まれていない。そのため、ジンゲロールを加熱等によりショウガオールに変換し、ショウガ抽出物中のショウガオールの含有量を調製してもよい。
ショウガ抽出物中のショウガオールの含有量は、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.01〜5質量%、さらに好ましくは0.5〜5質量%である。ショウガ抽出物中のショウガオールの含有量が0.01質量%以上であれば、クリルオイルの臭気緩和をより一層高めやすくなる。
また、ショウガ抽出物として、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、ショウガオールを高含有量で含むSUNショウガ(三生医薬(株)製)等が挙げられる。
〈含有量〉
クリルオイルの臭気緩和をより一層高める観点から、組成物は、含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、クリルオイルに対してショウガ抽出物を、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上含むことが好ましい。また、ショウガ抽出物の含有量の上限は、本発明の効果を損なわない限りにおいて制限されない。なお、組成物をサプリメント等の製品として用いる場合は、クリルオイルの機能をより効果的に発揮させる観点から、含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、クリルオイルに対してショウガ抽出物の含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
[カラメル]
本実施形態において、組成物は、クリルオイルと、カラメルとを含有する。
カラメルは、着色料として用いられる食品添加物であり、茶褐色のペースト状を呈し僅かに特有の臭気を有する。
本実施形態において、カラメルの製造は、公知の方法を採用することができる。カラメルは、例えば、水と糖類を穏やかに加熱して茶褐色のペースト状になるまで煮詰めることにより得ることができる。上記加熱は、カラメルの所望する甘味、苦味、及び粘度等のバランスを調整しながら、製造することができる。
糖類としては、例えば、単糖、二糖類、オリゴ糖、多糖、はちみつ、メープルシュガー、黒糖等が挙げられる。これらは、一種単独で、又は二種以上を併用してもよい。
また、カラメルとして、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、乳化カラメルであるホモカラメルHC-30(池田糖化工業(株)製)等が挙げられる。
〈含有量〉
クリルオイルの臭気緩和をより一層高める観点から、組成物は、含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、クリルオイルに対してカラメルを、好ましくは0.5質量%超、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上含むことが好ましい。また、カラメルの含有量の上限は、本発明の効果を損なわない限りにおいて制限されない。なお、組成物をサプリメント等の製品として用いる場合は、クリルオイルの機能をより効果的に発揮させる観点から、含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、クリルオイルに対してカラメルの含有量は、好ましくは20質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
[茶エキス]
本実施形態において、組成物は、クリルオイルと、茶エキスとを含有する。
本実施形態において、「茶エキス」とは、緑茶葉から成分を抽出したオイルであり、茶カテキンが多く含まれる。カテキンには、抗酸化作用、抗ウイルス作用、LDLコレステロールを下げる作用などが知られている。
また、茶カテキンは、ポリフェノールの一種であり、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレート等が含まれる。
茶エキス中の茶カテキンの含有量は、好ましくは0.01質量%以上であり、より好ましくは0.01〜20質量%、よりさらに好ましくは0.1〜10質量%である。茶エキス中の茶カテキンの含有量が0.01質量%以上であれば、クリルオイルの臭気緩和を高めやすくなる。
また、本実施形態において、茶エキスは茶カテキンを含むオイルであることが好ましい。茶エキスがオイルであることにより、クリルオイルとの混合及び茶エキスの分散性が良好であり、クリルオイルの臭気緩和をより一層高めやすくなるという有利な点を有している。したがって、例えば、ごく少量の茶カテキンを含む茶エキスであっても、オイル状の茶エキスは同じくオイル状のクリルオイルと混合すると分散性が良好であり、その結果クリルオイルの優れた臭気緩和を発揮することができる。
本実施形態において、茶エキスの製造は公知の方法を採用することができる。茶エキスは、例えば、緑茶葉を乾燥し、加熱水処理、水蒸気蒸留、又は、アルコール或いはアルコールと水との混合物に浸漬することにより、茶カテキンに富んだ成分を溶液の状態で抽出することができる。また、緑茶葉は、抽出効率を高めるために、粉末状、又は細断した状態で抽出に用いることができる。
また、茶エキスとして、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、緑茶全成分含有オイルであるココグリーンGRSC(ピュア・グリーン(株)製)等が挙げられる。
〈含有量〉
クリルオイルの臭気緩和をより一層高める観点から、組成物は、含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、クリルオイルに対する茶エキスの含有量は、好ましくは4質量%以上、より好ましくは5質量%以上である。組成物における茶エキスの含有量が上記範囲内であれば、クリルオイルの臭気緩和をより一層高めることができる。また、カラメルの含有量の上限は、本発明の効果を損なわない限りにおいて制限されない。なお、組成物をサプリメント等の製品として用いる場合は、クリルオイルの機能をより効果的に発揮させる観点から、含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、クリルオイルに対して茶エキスの含有量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下である。
[ボスウェリア・セラータエキス]
本実施形態において、組成物は、クリルオイルと、ボスウェリア・セラータエキスとを含有する。
ボスウェリア・セラータエキスは、カンラン科ボスウェリア属の植物から抽出したエキスであり、リラックス効果やシワの予防、関節痛の症状緩和などの効果が知られている。
ボスウェリア・セラータエキスには、ボスウェリン酸といったテルペン類等が含まれている。ボスウェリン酸は、5つの六員環とカルボキシル基を有するトリテルペンである。
本実施形態において、ボスウェリア・セラータエキスには、一種又は二種以上のボスウェリン酸が含まれていてもよい。また、ボスウェリア・セラータエキスには、ボスウェリン酸のなかでも、クリルオイルの臭気緩和をより一層高める観点から、β−ボスウェリン酸が含まれることが好ましい。ボスウェリア・セラータエキス中のβ−ボスウェリン酸の含有量は、好ましくは60〜95質量%である。
また、ボスウェリア・セラータエキスとして、市販品を用いることができる。市販品としては、例えば、含水アルコール抽出物であるボスウェリアパウダーK(日本新薬(株)製)等が挙げられる。
〈含有量〉
クリルオイルの臭気緩和をより一層高める観点から、組成物は、含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、クリルオイルに対するボスウェリア・セラータエキスの含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは3質量%以上である。また、クリルオイルとボスウェリア・セラータエキスとの臭いを調製し、クリルオイルの臭気緩和をより一層高める観点から、ボスウェリア・セラータエキスの含有量は、好ましくは20質量%未満、より好ましくは15質量%以下である。
[組成物の調整]
本実施形態において、組成物は、クリルオイルと臭気緩和物質とを、公知の方法により混合することによって調整することができる。
組成物中のクリルオイルと臭気緩和物質との合計は、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%である。
[用途]
本実施形態において、組成物は、食品、医薬品、医薬部外品、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、栄養補助食品、サプリメント、健康食品、動物用医薬品、動物用医薬部外品、動物用機能性食品、動物用栄養補助食品、動物用サプリメント、又は動物用健康食品などに適用することができる。
本実施形態において、組成物は、単独で用いてもよく、又は必要に応じて、上記のような製品に通常使用されている賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、界面活性剤、溶解補助剤、還元剤、緩衝剤、吸着剤、流動化剤、帯電防止剤、抗酸化剤、甘味剤、矯味剤、清涼化剤、遮光剤、着香剤、香料、芳香剤、コーティング剤、可塑剤などを添加して用いることができる。
本実施形態において、組成物の製品形態は、特に限定されず、例えば、液状(液剤)、シロップ状(シロップ剤)、粉末状(顆粒、細粒)、錠剤(錠剤、タブレット)、カプセル状(カプセル剤)、ソフトカプセル状(ソフトカプセル剤)、固形状、半液体状(ゼリー)、クリーム状、ペースト状などが挙げられる。
〈カプセル〉
本実施態様の好ましい態様の一つは、組成物と、組成物を被覆するシェルとを備えるカプセルである。
上記カプセルの形態は、本発明の効果を損なわない範囲であればよく、例えば、硬カプセルであってもよく、ソフトカプセルであってもよい。これらカプセルは、慣用の方法により製造することができ、その形状、大きさ、皮膜処方に特段の制限はない。
本実施態様において、組成物を被覆するシェルは、目的や用途に応じて適宜決定することができ。シェルの原料としては、例えば、ゼラチン、寒天、カラギーナン、デンプン、アルギン酸、プルランなどが挙げられ、さらに増粘多糖類、HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)等を使用してもよい。
以下、本発明を実施例及び比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[不快感の評価方法]
不快臭の度合いを「不快感」と定義し、クリルオイルの独特の臭いを不快と感じる10人の被験者が、実施例の組成物及び比較例のクリルオイル単体に対する不快感の度合いを、表1に記載の基準に従い評価した。
また、サプリメントを日々継続して摂取するのに耐えられる不快感の度合いの基準を−1.8とした。
Figure 2021159083

なお、実施例及び比較例において、クリルオイルは、『Superba 2』(アーカー・バイオマリン社製)を使用した。
また、実施例において、クリルオイルの全量を100質量%としたとき、臭気緩和物質を追加的に配合する割合を「追加配合率(質量%)」とする。
また、表2〜5において、「%」は「質量%」を意味する。
<比較例>
比較例は、臭気緩和物質を含まず、クリルオイル単体10gをガラス瓶に入れ、密閉状態で40℃の保温槽で1週間保管し、その臭いの不快感の度合いを、上記評価方法に従って評価した。比較例の不快感の度合いは、−1.9であった。
<実施例1>
クリルオイルに、ショウガ抽出物を、追加配合率0.5〜20質量%まで段階的に変化させて、組成物を調整した。これら組成物を、各10gずつガラス瓶に移し、密閉状態で40℃の保温槽で1週間保管したものを「混合物1群」とした。
表2は、上記「混合物1群」についての不快感の評価結果を示す。不快感の度合いは、10名の被験者の平均値を示した。
ショウガ抽出物には、『SUN ショウガ』(三生医薬(株)製)を使用した。『SUN ショウガ』には、規格値としてショウガオールが0.5質量%含有されている。
Figure 2021159083

クリルオイルとショウガ抽出物の「混合物1群」では、クリルオイルに対するショウガ抽出物の追加配合率が0.5質量%以上において、不快感として耐えられる基準−1.8以上となった。ショウガ抽出物20質量%でも、不快感が十分軽減されており、これらの傾向から20質量%以上追加したとしても、不快感を低減させうることが期待できるが、サプリメントとしてクリルオイルを不快感なく摂取することが目的であるため、20質量%以上の追加試験は実施しなかった。
ショウガ抽出に含まれるショウガオール、ジンゲロールは、抗炎症の効果が知られているため、クリルオイルと同時に摂取することで、膝関節等への相加・相乗的な抗炎症作用も期待できる。
<実施例2>
クリルオイルに、カラメルを、追加配合率0.5〜20質量%まで段階的に変化させて、組成物を調整した。これら組成物を、各10gずつガラス瓶に移し、密閉状態で40℃の保温槽で1週間保管したものを「混合物2群」とした。
表3は、上記「混合物2群」についての不快感の評価結果を示す。不快感の度合いは、10名の被験者の平均値を示した。
カラメルには『ホモカラメルHC-30』(池田糖化工業(株)製)を使用した。『ホモカラメルHC-30』には、規格値としてカラメルが25質量%含有されている。上記追加配合率は、『ホモカラメルHC-30』中のカラメル量に基づく値である。
Figure 2021159083

クリルオイルとカラメルの「混合物2群」では、クリルオイルに対するカラメルの追加配合率が1質量%以上において、不快感として耐えられる基準−1.8以上となった。カラメル20質量%でも、不快感が十分軽減されており、これらの傾向から20質量%以上追加したとしても、不快感を低減させうることが期待できるが、サプリメントとしてクリルオイルを不快感なく摂取することが目的であるため、20質量%以上の追加試験は実施しなかった。
カラメルは、ソフトカプセルの皮膜の着色料としても利用されており、クリルオイルへ直接混合せずに、皮膜に配合することでも、クリルオイルの不快感の低減が期待できる。
<実施例3>
クリルオイルに、茶エキスを、追加配合率0.5〜20質量%まで段階的に変化させて、組成物を調整した。これら組成物を、各10gずつガラス瓶に移し、密閉状態で40℃の保温槽で1週間保管したものを「混合物3群」とした。
表4は、上記「混合物3群」についての不快感の評価結果を示す。不快感の度合いは、10名の被験者の平均値を示した。
茶エキスには『ココグリーンGRSC』(ピュア・グリーン(株)製)を使用した。『ココグリーンGRSC』は、規格値としてカテキン類が100g中50mg以上含有されている。
Figure 2021159083

クリルオイルと茶エキスの「混合物3群」では、クリルオイルに対する茶エキスの追加配合率が4質量%以上において、不快感として耐えられる基準−1.8以上となった。追加配合率10質量%、20質量%においては、5質量%に比べてやや不快感の度合いが上昇する傾向となった。茶エキスが増えることによって、クリルオイルと茶エキスの臭いのバランスが崩れたと思われるが、追加配合率10質量%、20質量%においても、不快感として耐えられる基準−1.8以上を維持した。
茶エキスには、抗酸化作用があることからクリルオイルの保存安定性の向上や、ヒトに対しては、LDLコレステロールを下げる作用があることから、クリルオイルと同時摂取することで血管の健康への有効性が期待できる。
<実施例4>
クリルオイルに、ボスウェリア・セラータエキスを、追加配合率0.5〜20質量%まで段階的に変化させて、組成物を調整した。これら組成物を、各10gずつガラス瓶に移し、密閉状態で40℃の保温槽で1週間保管したものを「混合物4群」とした。
表5は、上記「混合物4群」についての不快感の評価結果を示す。不快感の度合いは、10名の被験者の平均値を示した。
ボスウェリア・セラータエキスには『ボスウェリアパウダーK』(日本新薬(株)製)を使用した。『ボスウェリアパウダーK』には、規格値として、ボスウェリン酸(主としてβ−ボスウェリン酸)が80質量%含有されている。
Figure 2021159083

クリルオイルとボスウェリア・セラータエキスの「混合物4群」では、クリルオイルに対するボスウェリア・セラータエキスの追加配合率が0.5質量%以上において、不快感として耐えられる基準−1.8以上となった。一方、追加配合率20質量%においては、不快感が上昇する傾向となった。ボスウェリア・セラータエキスが20質量%に増えることによって、クリルオイルとボスウェリア・セラータエキスの臭いのバランスが崩れ、不快感が増したと思われる。
ボスウェリア・セラータエキスには、関節痛の症状緩和などの効果が知られていることから、クリルオイルと同時に摂取することで、膝関節等への相加・相乗的な抗炎症作用が期待できる。
<考察>
以上の結果、クリルオイル単体よりも、クリルオイルに、ショウガ抽出物、カラメル、茶エキス及びボスウェリア・セラータエキスから選ばれる少なくとも1種を添加することにより、クリルオイルの特有の臭いが和らぎ、摂取する際の不快感を低減させることを確認した。
本実施態様の組成物は、クリルオイルに対して特定の臭気緩和物質を配合することにより、クリルオイルが元来有する不快な臭いを低減させることが分かった。
本実施態様の組成物は、クリルオイルの特有の臭いを和らげることができ、摂取する際の不快感を低減させることのできる組成物である。よって、本実施態様の組成物は、カプセルをはじめとする製品形態として、食品、医薬品、医薬部外品、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、栄養補助食品、サプリメント、健康食品、動物用医薬品、動物用医薬部外品、動物用機能性食品、動物用栄養補助食品、動物用サプリメント、又は動物用健康食品などに適用することができる。

Claims (9)

  1. クリルオイルと、臭気緩和物質とを含有し、
    前記臭気緩和物質が、ショウガ抽出物、カラメル、茶エキス、及びボスウェリア・セラータエキスからなる群から選択される少なくとも1種である、
    組成物。
  2. 含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、前記クリルオイルに対して前記臭気緩和物質を0.5質量%以上含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、前記クリルオイルに対して前記ショウガ抽出物を0.5質量%以上含む、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記ショウガ抽出物が、ショウガオールを0.01質量%以上含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
  5. 含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、前記クリルオイルに対して前記カラメルを0.5質量%超含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物。
  6. 含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、前記クリルオイルに対して前記茶エキスを4質量%以上含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
  7. 前記茶エキスが、茶カテキンを含むオイルである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
  8. 含有されるクリルオイルの全量を100質量%としたとき、前記クリルオイルに対して前記ボスウェリア・セラータエキスを0.5質量%以上20質量%未満で含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物。
  9. 前記請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物と、
    前記組成物を被覆するシェルと、
    を備えるカプセル。
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