JP2021151982A - 化粧料組成物 - Google Patents

Abstract

【課題】コク感を高めながら、塗布対象への付着感及び塗布性を高めることができる化粧料組成物を提供する。【解決手段】本発明の化粧料組成物は、下記式（１）で表される化合物（成分Ａ）と、下記式（２）で表される化合物（成分Ｂ）と、ポリグリセリンに２〜６個の脂肪酸がエステル結合しており、かつグリセリンの平均付加モル数が４〜１２であるポリグリセリン脂肪酸エステル（成分Ｃ）と、炭素数１２〜２４の脂肪族アルコール（成分Ｄ）と、水（成分Ｅ）とを含む。Ｒ１−Ｎ＋（ＣＨ３）３Ｘ−（１）（前記式（１）中、Ｒ１は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数１２〜２２の脂肪族炭化水素基を表し、Ｘ−は、Ｃｌ−又はＢｒ−を表す。）Ｒ２−Ｃ（＝Ｏ）−ＮＨ−Ｃ３Ｈ６−Ｎ＋（ＣＨ３）３Ｚ−（２）（前記式（２）中、Ｒ２は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数１１〜２１の脂肪族炭化水素基を表し、Ｚ−は、Ｃｌ−又はＢｒ−を表す。）【選択図】なし

Description

本発明は、化粧料組成物に関する。

ヘアトリートメント、ボディクリーム及びフェイスクリーム等の化粧料組成物が用いられている。例えば、下記の特許文献１〜３に示されているように、毛髪に塗布して用いられる毛髪化粧料組成物として、カチオン界面活性剤及び／又は高級アルコールを含む組成物が知られている。

特開２００４−５０９８６０号公報 特開２０１０−０１３４０５号公報 特開２００７−００１９５３号公報

特許文献１〜３に記載のような化粧料組成物はカチオンゲルを形成しており、これにより、塗布対象への該組成物の付着性を高めることができる。例えば、トリートメント（毛髪化粧料組成物）では、毛髪への付着性が高くなり、トリートメント効果が効果的に発揮される。また、トリートメント効果が感じられるなどの効果実感を高めるためには、組成物を毛髪などの塗布対象に塗布する際に、付着感（組成物が塗布対象に十分に付着していると感じられる使用感）やコク感（濃度の高い組成物を塗布していると感じられる使用感）が高いことが望ましい。

しかしながら、従来の化粧料組成物では、コク感を十分に高めることは困難である。

コク感を高めるためには、カチオン界面活性剤及び／又は高級アルコールの配合量を増やすことが効果的であるものの、従来の化粧料組成物では、これらの成分の配合量がある程度以上多くなると該組成物が固くなり過ぎて固形の感触が生じやすい。従来の化粧料組成物では、該組成物が固くなった場合に、毛髪などの塗布対象への付着感が低下して、トリートメント効果が感じられるなどの効果実感が低下する。さらに、この場合には、塗布性も低下する。

本発明の目的は、コク感を高めながら、塗布対象への付着感及び塗布性を高めることができる化粧料組成物を提供することである。

本発明は、下記成分（Ａ）と、下記成分（Ｂ）と、下記成分（Ｃ）と、下記成分（Ｄ）と、下記成分（Ｅ）とを含む、化粧料組成物を提供する。

成分（Ａ）：下記式（１）で表される化合物
Ｒ^１−Ｎ^＋（ＣＨ_３）_３Ｘ⁻ （１）
（前記式（１）中、Ｒ^１は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数１２〜２２の脂肪族炭化水素基を表し、Ｘ⁻は、Ｃｌ⁻又はＢｒ⁻を表す。）

成分（Ｂ）：下記式（２）で表される化合物
Ｒ^２−Ｃ（＝Ｏ）−ＮＨ−Ｃ_３Ｈ_６−Ｎ^＋（ＣＨ_３）_３Ｚ⁻ （２）
（前記式（２）中、Ｒ^２は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数１１〜２１の脂肪族炭化水素基を表し、Ｚ⁻は、Ｃｌ⁻又はＢｒ⁻を表す。）

成分（Ｃ）：ポリグリセリンに２〜６個の脂肪酸がエステル結合しており、かつグリセリンの平均付加モル数が４〜１２であるポリグリセリン脂肪酸エステル

成分（Ｄ）：炭素数１２〜２４の脂肪族アルコール

成分（Ｅ）：水

本発明の化粧料組成物は、下記成分（Ｆ）を含むことが好ましい。

成分（Ｆ）：シリコーン油、エステル油、植物油、及び炭化水素油からなる群より選ばれる油性成分

本発明の化粧料組成物では、前記成分（Ｆ）が、前記シリコーン油を含むことが好ましい。

本発明の化粧料組成物では、前記シリコーン油が、下記成分（Ｆ１）を含むことが好ましい。

成分（Ｆ１）：２５℃における粘度が１万ｍＰａ・ｓ以上であるシリコーン油、及び２５℃における粘度が１万ｍＰａ・ｓ未満であるアミノ変性シリコーンからなる群より選ばれるシリコーン油

本発明の化粧料組成物では、前記成分（Ｆ）が、前記エステル油を含み、前記エステル油が、下記成分（Ｆ２）を含むことが好ましい。

成分（Ｆ２）：ダイマー酸エステル

本発明の化粧料組成物は、下記成分（Ｇ）を含むことが好ましい。

成分（Ｇ）：炭素数１０以上のアルキル基を有するカチオン化セルロース

本発明の化粧料組成物は、下記成分（Ｈ）を含むことが好ましい。

成分（Ｈ）：ポリプロピレングリコールアルキルエーテル

本発明の化粧料組成物では、前記成分（Ａ）の含有量が、０．５質量％以上、５．０質量％以下であることが好ましい。

本発明の化粧料組成物では、前記成分（Ｄ）の含有量が、３．０質量％以上、２０．０質量％以下であることが好ましい。

本発明の化粧料組成物は、毛髪化粧料組成物であることが好ましい。

本発明の化粧料組成物は、塗布対象に塗布された後、洗い流して用いられることが好ましい。

本発明の化粧料組成物は、特定の成分（Ａ）と、特定の成分（Ｂ）と、特定の成分（Ｃ）と、特定の成分（Ｄ）と、特定の成分（Ｅ）とを含むので、コク感を高めながら、塗布対象への付着感及び塗布性を高めることができる。

以下、本発明を詳細に説明する。

本発明の化粧料組成物は、下記式（１）で表される化合物と、下記式（２）で表される化合物と、ポリグリセリンに２〜６個の脂肪酸がエステル結合しており、かつグリセリンの平均付加モル数が４〜１２であるポリグリセリン脂肪酸エステルと、炭素数１２〜２４の脂肪族アルコールと、水とを含む。

Ｒ^１−Ｎ^＋（ＣＨ_３）_３Ｘ⁻ （１）
（上記式（１）中、Ｒ^１は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数１２〜２２の脂肪族炭化水素基を表し、Ｘ⁻は、Ｃｌ⁻又はＢｒ⁻を表す。）

Ｒ^２−Ｃ（＝Ｏ）−ＮＨ−Ｃ_３Ｈ_６−Ｎ^＋（ＣＨ_３）_３Ｚ⁻ （２）
（上記式（２）中、Ｒ^２は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数１１〜２１の脂肪族炭化水素基を表し、Ｚ⁻は、Ｃｌ⁻又はＢｒ⁻を表す。）

本明細書においては、上記「上記式（１）で表される化合物」を「成分（Ａ）」と記載することがある。

本明細書においては、上記「上記式（２）で表される化合物」を「成分（Ｂ）」と記載することがある。

本明細書においては、上記「ポリグリセリンに２〜６個の脂肪酸がエステル結合しており、かつグリセリンの平均付加モル数が４〜１２であるポリグリセリン脂肪酸エステル」を「成分（Ｃ）」と記載することがある。

本明細書においては、上記「炭素数１２〜２４の脂肪族アルコール」を「成分（Ｄ）」と記載することがある。

本明細書においては、上記「水」を「成分（Ｅ）」と記載することがある。

本発明の化粧料組成物では、上記の構成が備えられているので、コク感を高めながら、塗布対象への付着感及び塗布性を高めることができる。本発明の化粧料組成物が塗布時のコク感及び付着感を高めることができる理由は、成分（Ａ）、成分（Ｄ）及び成分（Ｅ）により、カチオンゲル（αゲルと称されることもある）が形成されることによるものと考えられる。また、本発明の化粧料組成物では、成分（Ａ）、成分（Ｄ）及び成分（Ｅ）に加えて、成分（Ｂ）及び成分（Ｃ）が配合されているので、成分（Ａ）や成分（Ｄ）の配合量を多くして化粧料組成物が固くなったとしても、付着感及び塗布性の低下を抑制できる。また、成分（Ｂ）及び成分（Ｃ）を配合することにより、化粧料組成物の粘弾性が変化し、静置時にはある程度の固さを有するものの、塗布時には該化粧料組成物が伸びやすくなる。そのため、毛髪などの塗布対象への塗布性及び塗布時の塗布対象への付着感を高めることができる。本発明の化粧料組成物では、コク感を高めながら、付着感及び塗布性を高めることができるので、使用感及び効果実感を高めることができる。

本発明の化粧料組成物は、シリコーン油、エステル油、植物油、及び炭化水素油からな
る群より選ばれる油性成分を含んでいてもよい。

本明細書においては、上記「シリコーン油、エステル油、植物油、及び炭化水素油からなる群より選ばれる油性成分」を「成分（Ｆ）」と称する場合がある。

本発明の化粧料組成物は、炭素数１０以上のアルキル基を有するカチオン化セルロースを含んでいてもよい。

本明細書においては、上記「炭素数１０以上のアルキル基を有するカチオン化セルロース」を「成分（Ｇ）」と称する場合がある。

本発明の化粧料組成物は、ポリプロピレングリコールアルキルエーテルを含んでいてもよい。

本明細書においては、上記「ポリプロピレングリコールアルキルエーテル」を「成分（Ｈ）」と称する場合がある。

上記のように、本発明の化粧料組成物は、成分（Ａ）と成分（Ｂ）と成分（Ｃ）と成分（Ｄ）と成分（Ｅ）とを少なくとも含む。本発明の化粧料組成物は、成分（Ｆ）を含んでいてもよく、成分（Ｇ）を含んでいてもよく、成分（Ｈ）を含んでいてもよい。また、本発明の化粧料組成物は、成分（Ａ）〜（Ｈ）以外の他の成分を含んでいてもよい。

上記の成分、例えば、成分（Ａ）、成分（Ｂ）、成分（Ｃ）、成分（Ｄ）、成分（Ｅ）、成分（Ｆ）、成分（Ｇ）、成分（Ｈ）や他の成分は、それぞれ、１種のみが用いられてもよく、２種以上が用いられてもよい。

以下、本発明の化粧料組成物に用いられる各成分の詳細を説明する。

（成分（Ａ））
成分（Ａ）は、下記式（１）で表される化合物である。成分（Ａ）は、モノアルキル４級アンモニウムカチオン界面活性剤である。成分（Ａ）は、カチオンゲルを形成するための成分である。成分（Ａ）と成分（Ｄ）と成分（Ｅ）とにより、ゲルネットワークが形成される。また、本発明の化粧料組成物が成分（Ｆ）を含む場合には、ゲルネットワークにより成分（Ｆ）の液滴が安定的に存在でき、乳化安定性を高めることができる。成分（Ａ）は、１種のみが用いられてもよく、２種以上が併用されてもよい。

Ｒ^１−Ｎ^＋（ＣＨ_３）_３Ｘ⁻ （１）

上記式（１）中、Ｒ^１は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数１２〜２２の脂肪族炭化水素基を表す。上記脂肪族炭化水素基の炭素数は、１６〜２２であることが好ましい。上記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、及びアルキニル基が挙げられる。塗布性をより一層高める観点からは、上記Ｒ^１は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。

上記式（１）中、Ｘ⁻は、第四級アンモニウムカチオンのカウンターアニオンであり、Ｃｌ⁻又はＢｒ⁻を表す。

成分（Ａ）としては、例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム（ステアルトリモニウムクロリド、ＩＮＣＩ名：Ｓｔｅａｒｔｒｉｍｏｎｉｕｍ Ｃｈｌｏｒｉｄｅ）、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム（ステアルトリモニウムブロミド）、塩化アルキ
ルトリメチルアンモニウム（ベヘントリモニウムクロリド、ＩＮＣＩ名：Ｂｅｈｅｎｔｒｉｍｏｎｉｕｍ Ｃｈｌｏｒｉｄｅ）、塩化セチルトリメチルアンモニウム（セトリモニウムクロリド）、及び臭化セチルトリメチルアンモニウム（セトリモニウムブロミド）等が挙げられる。

成分（Ａ）を含む市販品としては、商品名「ＶＡＲＩＳＯＦＴ ３００」、商品名「ＶＡＲＩＳＯＦＴ ８５ Ｐｅｌｌｅｔｓ」（以上、エボニックジャパン社製）、商品名「ＡＲＱＵＡＤ １８−５０」（ＡｋｚｏＮｏｂｅｌ社製）、商品名「ＣＴＡＣ ３０ＫＣ」（ＫＣＩ社製）、商品名「ＮＩＫＫＯＬ ＣＡ−２２５０Ｅ」（日光ケミカルズ社製）、商品名「ＧＥＮＡＭＩＮ ＫＤＭＰ」（クラリアント社製）、商品名「コータミン８６Ｗ」（花王社製）などが挙げられる。

本発明の化粧料組成物１００質量％中、成分（Ａ）の含有量は、好ましくは０．５質量％以上、より好ましくは１．０質量％以上、さらに好ましくは２．０質量％以上、好ましくは５．０質量％以下、より好ましくは４．５質量％以下、さらに好ましくは４．０質量％以下である。成分（Ａ）の含有量が上記下限以上であると、塗布時のコク感及び付着感をより一層高めることができる。成分（Ａ）の含有量が上記上限以下であると、化粧料組成物が固くなり過ぎず、塗布性及び付着感がより一層高めることができる。上記成分（Ａ）の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分（Ａ）の含有量の合計である。

（成分（Ｂ））
成分（Ｂ）は、下記式（２）で表される化合物である。成分（Ｂ）により、化粧料組成物の粘弾性挙動が変化し、塗布時の伸びやすさが向上する。特に、成分（Ｂ）により、成分（Ａ）や成分（Ｄ）の配合量を多くして化粧料組成物が固くなったとしても、付着感及び塗布性の低下を抑制できる。また、成分（Ｂ）により、油性成分（例えば、成分（Ｆ））の乳化力を高めることができるので、本発明の化粧料組成物が乳化化粧料組成物である場合に、乳化安定性を高めることができる。成分（Ｂ）は、１種のみが用いられてもよく、２種以上が併用されてもよい。

Ｒ^２−Ｃ（＝Ｏ）−ＮＨ−Ｃ_３Ｈ_６−Ｎ^＋（ＣＨ_３）_３Ｚ⁻ （２）

上記式（２）中、Ｒ^２は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数１１〜２１の脂肪族炭化水素基を表す。上記脂肪族炭化水素基の炭素数は、１３〜２１であることが好ましい。上記脂肪族炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基及びアルキニル基が挙げられる。塗布性をより一層高める観点からは、上記Ｒ^２は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基であることがより好ましい。

上記式（２）中、Ｚ⁻は、第四級アンモニウムカチオンのカウンターアニオンであり、Ｃｌ⁻又はＢｒ⁻を表す。

成分（Ｂ）としては、例えば、パルミタミドプロピルトリモニウムクロリド（ＩＮＣＩ名：Ｐａｌｍｉｔａｍｉｄｏｐｒｏｐｙｌｔｒｉｍｏｎｉｕｍ Ｃｈｌｏｒｉｄｅ）等が挙げられる。

成分（Ｂ）を含む市販品としては、商品名「ＶＡＲＩＳＯＦＴ ＰＡＴＣ」（エボニックジャパン社製）等が挙げられる。

本発明の化粧料組成物１００質量％中、成分（Ｂ）の含有量は、好ましくは０．０５質量％以上、より好ましくは０．１質量％以上、さらに好ましくは０．３質量％以上、好ましくは３．０質量％以下、より好ましくは２．５質量％以下、さらに好ましくは２．０質
量％以下である。成分（Ｂ）の含有量が上記下限以上であると、塗布時の伸びやすさがより一層向上する。また、成分（Ａ）や成分（Ｄ）の配合量を多くして化粧料組成物が固くなったとしても、付着感及び塗布性の低下を効果的に抑制できる。さらに、本発明の化粧料組成物が乳化化粧料組成物である場合に、乳化安定性をより一層高めることができる。成分（Ｂ）の含有量が上記上限以下であると、コク感をより一層高めることができる。上記成分（Ｂ）の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分（Ｂ）の含有量の合計である。

（成分（Ｃ））
成分（Ｃ）は、ポリグリセリンに２〜６個の脂肪酸がエステル結合しており、かつグリセリンの平均付加モル数が４〜１２であるポリグリセリン脂肪酸エステルである。成分（Ｃ）により、化粧料組成物の粘弾性挙動が変化し、塗布時の伸びやすさが向上する。成分（Ｃ）により、成分（Ａ）や成分（Ｄ）の配合量を多くして化粧料組成物が固くなったとしても、付着感及び塗布性の低下を抑制できる。また、成分（Ｃ）により、カチオンゲルの安定性を高めることができるので、本発明の化粧料組成物の安定性（経時安定性）を高めることができる。成分（Ｃ）は、１種のみが用いられてもよく、２種以上が併用されてもよい。

成分（Ａ）及び成分（Ｄ）は、化粧料組成物中において、ミセルやエマルション粒子などの構造体を形成する。成分（Ｂ）及び成分（Ｃ）による効果は、成分（Ｂ）及び成分（Ｃ）が上記構造体中に取り込まれることにより、上記構造体中の分子鎖のパッキング状態を緩めることによるものと推定されるが、これに限定されるものではない。

成分（Ｃ）としては、ポリグリセリンジ脂肪酸エステル、ポリグリセリントリ脂肪酸エステル、ポリグリセリンテトラ脂肪酸エステル、ポリグリセリンペンタ脂肪酸エステル、及びポリグリセリンヘキサ脂肪酸エステル等が挙げられる。

成分（Ｃ）は、ポリグリセリンジ脂肪酸エステル、及びポリグリセリントリ脂肪酸エステルからなる群より選ばれるポリグリセリン脂肪酸エステル（少なくとも１のポリグリセリン脂肪酸エステル）であることが好ましい。

成分（Ｃ）のポリグリセリン部分のグリセリンの平均付加モル数は、５〜１０が好ましい。

成分（Ｃ）における上記脂肪酸としては、炭素数１０〜２２の直鎖状又は分岐鎖状の飽和又は不飽和の脂肪酸が挙げられる。上記炭素数は１２〜１８が好ましい。上記脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、及びオレイン酸等が挙げられる。上記脂肪酸は、ステアリン酸であることが好ましい。

成分（Ｃ）としては、より具体的には、ジステアリン酸ポリグリセリル−１０、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−１０、ジオレイン酸ポリグリセリル−５、ジオレイン酸ポリグリセリル−１０、ジミリスチン酸ポリグリセリル−１０、トリラウリン酸ポリグリセリル−１０、トリミリスチン酸ポリグリセリル−５、トリオレイン酸ポリグリセリル−５、ペンタステアリン酸ポリグリセリル−１０、ペンタオレイン酸ポリグリセリル−１０、及びヘキサステアリン酸ポリグリセリル−５等が挙げられる。

付感着及び塗布性をより一層高める観点から、成分（Ｃ）は、ジステアリン酸ポリグリセリル−１０、ジイソステアリン酸ポリグリセリル−１０、ペンタステアリン酸ポリグリセリル−１０、トリオレイン酸ポリグリセリル−５、トリラウリン酸ポリグリセリル−１０、及びジオレイン酸ポリグリセリル−１０からなる群より選ばれるポリグリセリン脂肪
酸エステル（少なくとも１のポリグリセリン脂肪酸エステル）であることが好ましく、ジステアリン酸ポリグリセリル−１０であることがより好ましい。

本発明の化粧料組成物１００質量％中、成分（Ｃ）の含有量は、好ましくは０．０５質量％以上、より好ましくは０．１質量％以上、さらに好ましくは０．３質量％以上、好ましくは３．０質量％以下、より好ましくは２．５質量％以下、さらに好ましくは２．０質量％以下である。成分（Ｃ）の含有量が上記下限以上であると、塗布時の伸びやすさがより一層向上する。また、成分（Ａ）や成分（Ｄ）の配合量を多くして化粧料組成物が固くなったとしても、付着感及び塗布性の低下を効果的に抑制できる。さらに、本発明の化粧料組成物の安定性を高めることができる。成分（Ｃ）の含有量が上記上限以下であると、コク感をより一層高めることができる。上記成分（Ｃ）の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分（Ｃ）の含有量の合計である。

（成分（Ｄ））
成分（Ｄ）は、炭素数１２〜２４の脂肪族アルコールである。成分（Ｄ）は、所謂、高級アルコールである。成分（Ｄ）は、カチオンゲルを形成するための成分である。成分（Ａ）と成分（Ｄ）と成分（Ｅ）とにより、ゲルネットワークが形成される。また、本発明の化粧料組成物が成分（Ｆ）を含む場合には、乳化安定性を高めることができる。成分（Ｄ）は、１種のみが用いられてもよく、２種以上が併用されてもよい。

成分（Ｄ）としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、２−オクチルドデカノール、オレイルアルコール、デシルテトラデカノール、及びベヘニルアルコール等が挙げられる。

コク感をより一層高める観点からは、成分（Ｄ）は、ステアリルアルコール、セチルアルコール、及びベヘニルアルコールからなる群より選ばれる脂肪族アルコール（少なくとも１の脂肪族アルコール）であることが好ましく、ステアリルアルコールであることがより好ましい。

本発明の化粧料組成物１００質量％中、成分（Ｄ）の含有量は、好ましくは３．０質量％以上、より好ましくは５．０質量％以上、さらに好ましくは６．５質量％以上、好ましくは２０．０質量％以下、より好ましくは１５．０質量％以下、さらに好ましくは１３．０質量％以下である。成分（Ｄ）の含有量が上記下限以上であると、塗布時のコク感及び付着感をより一層高めることができる。成分（Ｄ）の含有量が上記上限以下であると、化粧料組成物が固くなり過ぎず、塗布性及び付着感をより一層高めることができる。上記成分（Ｄ）の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分（Ｄ）の含有量の合計である。

本発明の化粧料組成物では、成分（Ａ）の含有量が２．０質量％以上であり、かつ成分（Ｄ）の含有量が６．５質量％以上である場合に、コク感を特に高めることができる。さらに、この場合に、成分（Ｂ）及び成分（Ｃ）を併用することによる付着感及び塗布性をより一層高める効果が特に発揮されやすくなる。

（成分（Ｅ））
成分（Ｅ）は、水である。成分（Ｅ）は精製水であることが好ましい。

本発明の化粧料組成物中の成分（Ｅ）の含有量は、他の成分の含有量によって適宜調整することができる。本発明の化粧料組成物１００質量％中、成分（Ｅ）の含有量は、好ましくは４０．０質量％以上、より好ましくは４５．０質量％以上、好ましくは８５．０質
量％以下、より好ましくは８０．０質量％以下である。

（成分（Ｆ））
成分（Ｆ）は、シリコーン油、エステル油、植物油、及び炭化水素油からなる群より選ばれる油性成分（少なくとも１の油性成分）である。本発明の化粧料組成物は、成分（Ｆ）を含むことが好ましい。成分（Ｆ）を配合することにより、乳化化粧料組成物とすることができる。したがって、本発明の化粧料組成物は、乳化化粧料組成物であることが好ましい。また、成分（Ｆ）により、乳化化粧料組成物を毛髪に塗布したときに、乾燥後の毛髪に柔軟感（やわらかな感触）、さらさら感及びまとまり感を良好に付与することができる。成分（Ｆ）は、１種のみが用いられてもよく、２種以上が併用されてもよい。

上記シリコーン油としては、メチルポリシロキサン（ジメチコン）、及び高重合メチルポリシロキサン等のジメチルシリコーン油；メチルフェニルポリシロキサン等のメチルフェニルシリコーン油；メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン油；アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、及びアミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等のアミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーンなどの変性シリコーン；メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチコノール等が挙げられる。

上記シリコーン油は、２５℃における粘度が１万ｍＰａ・ｓ以上であるシリコーン油、及び２５℃における粘度が１万ｍＰａ・ｓ未満であるアミノ変性シリコーンからなる群より選ばれるシリコーン油（少なくとも１のシリコーン油）を含むことが好ましい。

本明細書においては、上記「２５℃における粘度が１万ｍＰａ・ｓ以上であるシリコーン油、及び２５℃における粘度が１万ｍＰａ・ｓ未満であるアミノ変性シリコーンからなる群より選ばれるシリコーン油」を「成分（Ｆ１）」と記載することがある。

本明細書においては、上記「２５℃における粘度が１万ｍＰａ・ｓ以上であるシリコーン油」を「成分（Ｆ１１）」と記載することがある。成分（Ｆ１１）は、高重合シリコーンである。

本明細書においては、上記「２５℃における粘度が１万ｍＰａ・ｓ未満であるアミノ変性シリコーン」を「成分（Ｆ１２）」と記載することがある。

したがって、上記シリコーン油は、成分（Ｆ１）を含むことが好ましい。上記シリコーン油は、成分（Ｆ１１）及び成分（Ｆ１２）からなる群より選ばれるシリコーン油を含むことが好ましい。なお、成分（Ｆ１１）には、２５℃における粘度が１万ｍＰａ・ｓ以上であるアミノ変性シリコーンが含まれる。

本発明の化粧料組成物が成分（Ｆ１１）を含む場合には、乾燥後の毛髪にさらさら感を良好に付与することができる。本発明の化粧料組成物が成分（Ｆ１２）を含む場合には、塗布時及び乾燥後の毛髪の柔軟感を高めることができる。

成分（Ｆ１１）の２５℃における粘度は、１万ｍＰａ・ｓ以上であり、好ましくは６万ｍＰａ・ｓ以上、より好ましくは８万ｍＰａ・ｓ以上、好ましくは３０００万ｍＰａ・ｓ以下、より好ましくは１５０万ｍＰａ・ｓ以下、さらに好ましくは１００万ｍＰａ・ｓ以
下である。上記粘度が上記下限以上及び上記上限以下であると、乾燥後の毛髪にさらさら感をより一層良好に付与することができる。

上記エステル油としては、オクタン酸セチル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、パルミチン酸２−エチルヘキシル、ミリスチン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸プロピレングリコール、２−エチルヘキサン酸セチル、トリ２−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル、イソノナン酸イソノニル、アジピン酸ジイソプロピル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、リンゴ酸ジイソステアリル、トリエチルヘキサン酸エリスリチル、ヒドロキシステアリン酸２−エチルヘキシル、ヘキサ（ヒドロキシステアリン酸／ステアリン酸／ロジン酸）ジペンタエリスリチル、テトラ（ヒドロキシステアリン酸／イソステアリン酸）ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、（エチルヘキサン酸／ステアリン酸／アジピン酸）グリセリル、トリ（カプリル酸／カプリン酸／ミリスチン酸／ステアリン酸）グリセリル、ヘキサ（ベヘン酸／安息香酸／エチルヘキサン酸）ジペンタエリスリチル、及び安息香酸アルキル（Ｃ１２−１５）等が挙げられる。

また、上記エステル油としては、ダイマージリノール酸ジ（イソステアリル／フィトステリル）、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸（フィトステリル／イソステアリル／セチル／ステアリル／ベヘニル）、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、及びダイマージリノール酸ジグリセリンイソステアレート等のダイマー酸エステルも挙げられる。

上記エステル油は、ダイマー酸エステルを含むことが好ましい。

本明細書においては、上記「ダイマー酸エステル」を「成分（Ｆ２）」と記載することがある。

したがって、上記エステル油は、成分（Ｆ２）を含むことが好ましい。本発明の化粧料組成物が成分（Ｆ２）を含む場合には、毛髪にまとまり感を良好に付与することができる。

上記植物油としては、例えば、マカデミアナッツ油、ユーカリ油、ヤシ油、アボカド油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ククイナッツ油、シア脂（シアバター）、カカオバター、アーモンド油、ヒマワリ油、ローズヒップ油、オリーブスクワラン、カメリアオイル、キウイフルーツシード油、ツバキ油、杏仁油、ゴマ油、大豆油、ホホバ油、ヒマシ油、ヘーゼルナッツ油、メドウフォーム油、ハッカ油、アルガンオイル、カロットオイル、ラベンダー油、シュガースクワラン、及びクランベアビシニカ種子油等が挙げられる。

上記炭化水素油としては、α−オレフィンオリゴマー、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、流動イソパラフィン、及び流動パラフィン等が挙げられる。

成分（Ｆ）は、上記シリコーン油を含むことが好ましく、上記エステル油を含むことが好ましく、上記シリコーン油と上記エステル油とを含むことがより好ましい。成分（Ｆ）は、成分（Ｆ１）を含むことが好ましく、成分（Ｆ２）を含むことが好ましく、成分（Ｆ１）と成分（Ｆ２）とを含むことがより好ましい。

本発明の化粧料組成物が上記シリコーン油を含む場合に、本発明の化粧料組成物１００質量％中、上記シリコーン油の含有量は、好ましくは１．０質量％以上、より好ましくは３．０質量％以上、好ましくは３０．０質量％以下、より好ましくは２０．０質量％以下である。上記シリコーン油の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全てのシリコーン油の含有量の合計である。

本発明の化粧料組成物が成分（Ｆ１）を含む場合に、本発明の化粧料組成物１００質量％中、成分（Ｆ１）の含有量は、好ましくは０．１質量％以上、より好ましくは０．５質量％以上、好ましくは１０．０質量％以下、より好ましくは５．０質量％以下である。成分（Ｆ１）の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分（Ｆ１）の含有量の合計である。

本発明の化粧料組成物が上記エステル油を含む場合に、本発明の化粧料組成物１００質量％中、上記エステル油の含有量は、好ましくは０．５質量％以上、より好ましくは１．０質量％以上、好ましくは２０．０質量％以下、より好ましくは１０．０質量％以下である。上記エステル油の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全てのエステル油の含有量の合計である。

本発明の化粧料組成物が成分（Ｆ２）を含む場合に、本発明の化粧料組成物１００質量％中、成分（Ｆ２）の含有量は、好ましくは０．１質量％以上、より好ましくは０．２質量％以上、好ましくは１０．０質量％以下、より好ましくは５．０質量％以下である。成分（Ｆ２）の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分（Ｆ２）の含有量の合計である。

本発明の化粧料組成物が上記植物油を含む場合に、本発明の化粧料組成物１００質量％中、上記植物油の含有量は、好ましくは０．０５質量％以上、より好ましくは０．２質量％以上、好ましくは１０．０質量％以下、より好ましくは５．０質量％以下である。上記植物油の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての植物油の含有量の合計である。

本発明の化粧料組成物が上記炭化水素油を含む場合に、本発明の化粧料組成物１００質量％中、上記炭化水素油の含有量は、好ましくは０．５質量％以上、より好ましくは１．０質量％以上、好ましくは１０．０質量％以下、より好ましくは７．０質量％以下である。上記炭化水素油の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての炭化水素油の含有量の合計である。

本発明の化粧料組成物１００質量％中、成分（Ｆ）の含有量は、好ましくは１．０質量％以上、より好ましくは５．０質量％以上、好ましくは３５．０質量％以下、より好ましくは２０．０質量％以下である。成分（Ｆ）の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、化粧料組成物を毛髪に塗布したときに、乾燥後の毛髪にさらさら感及びまとまり感をより一層良好に付与することができる。上記成分（Ｆ）の含有量は、本発明の化粧料組成物中の全ての成分（Ｆ）の含有量の合計である。

（成分（Ｇ））
成分（Ｇ）は、炭素数１０以上のアルキル基を有するカチオン化セルロースである。成分（Ｇ）により、塗布時及び乾燥後の毛髪のまとまり感を良好にすることができ、また、洗い流し時及び乾燥後の毛髪の柔軟感を高めることができる。さらに、成分（Ｇ）と成分（Ｆ）とを併用することにより、成分（Ｆ）の配合効果をより高めることができる。成分（Ｇ）は、１種のみが用いられてもよく、２種以上が併用されてもよい。

成分（Ｇ）としては、ポリクオタニウム−６７等が挙げられる。

成分（Ｇ）のアルキル基の炭素数は、好ましくは２４以下、より好ましくは２２以下である。

成分（Ｇ）は、ポリクオタニウム−６７であることが好ましい。この場合には、塗布時及び乾燥後の毛髪のまとまり感をより一層良好にすることができ、また、洗い流し時の指通り性を良好にし、乾燥後の毛髪の柔軟感をより一層高めることができる。上記ポリクオタニウム−６７は、ヒドロキシエチルセルロースにトリメチルアンモニウム置換エポキシド及びラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドを付加反応させて得られる４級アンモニウム塩の重合体であり、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース誘導体である。

本発明の化粧料組成物１００質量％中、成分（Ｇ）の含有量は、好ましくは０．０５質量％以上、より好ましくは０．１質量％以上、好ましくは１．０質量％以下、より好ましくは０．７質量％以下である。成分（Ｇ）の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、塗布時及び乾燥後の毛髪のまとまり感をより一層良好にすることができ、また、洗い流し時の指通り性を良好にし、乾燥後の毛髪の柔軟感をより一層高めることができる。

（成分（Ｈ））
成分（Ｈ）は、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル（ポリオキシプロピレンアルキルエーテル）である。特に、成分（Ｈ）が成分（Ｆ）と併用されることにより、成分（Ｆ）が発揮する上記の効果がより一層効果的に発揮される。成分（Ｈ）は、１種のみが用いられてもよく、２種以上が併用されてもよい。

成分（Ｈ）としては、ＰＰＧ−３カプリリルエーテル、及びＰＰＧ−５カプリリルエーテル等が挙げられる。

成分（Ｈ）は、ＰＰＧ−３カプリリルエーテルであることが好ましい。この場合には、成分（Ｆ）が発揮する上記の効果がより一層効果的に発揮される。

本発明の化粧料組成物１００質量％中、成分（Ｈ）の含有量は、好ましくは０．０５質量％以上、より好ましくは０．１質量％以上、好ましくは５．０質量％以下、より好ましくは３．０質量％以下である。成分（Ｈ）の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、成分（Ｆ）が発揮する上記の効果がより一層効果的に発揮される。

（他の成分）
本発明の化粧料組成物は、上述した成分（Ａ）〜（Ｈ）以外の他の成分を含んでいてもよい。上記他の成分としては、エタノール等の低級アルコール；多価アルコール；成分（Ｆ）以外の油性成分；アニオン性界面活性剤、成分（Ａ）及び（Ｂ）の双方とは異なるカチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤の界面活性剤；保湿剤；殺菌剤；パール化剤；グリチルリチン酸及びその塩等の抗炎症剤；メントール等の清涼剤；リン酸及びその塩類、クエン酸及びその塩類、乳酸及びその塩類、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン等のｐＨ調整剤；香料；紫外線吸収剤；酸化防止剤；金属イオン封鎖剤（キレート剤）；ピリビニルピロリドン等の皮膜形成性高分子化合物；カオリン、シリカ、タルク等の粉体；色素；顔料；ビタミン類；アミノ酸類；収斂剤；美白剤；動植物抽出物；酸；アルカリ等が挙げられる。

（化粧料組成物の他の詳細）
本発明の化粧料組成物は、乳化化粧料組成物であることが好ましい。成分（Ｆ）等の油性成分を配合することにより、化粧料組成物を乳化化粧料組成物とすることができる。上記乳化化粧料組成物は、水中油（Ｏ／Ｗ）型の乳化化粧料組成物であることが好ましい。

本発明の化粧料組成物は、毛髪化粧料組成物であってもよく、皮膚化粧料組成物であってもよい。上記毛髪化粧料組成物としては、ヘアトリートメント及び整髪剤等が挙げられる。上記皮膚化粧料組成物としては、ボディクリーム及びフェイスクリーム等が挙げられる。

毛髪に塗布することによって本発明の効果がより一層効果的に発揮されることから、本発明の化粧料組成物は、毛髪化粧料組成物であることが好ましく、乳化毛髪化粧料組成物であることがより好ましい。

本発明の化粧料組成物は、塗布対象に塗布された後、洗い流して用いられることが好ましい。本発明の化粧料組成物は、毛髪に塗布された後、洗い流して用いられる毛髪化粧料組成物であることがより好ましい。本発明の化粧料組成物は、ヘアトリートメントであることが好ましい。

本発明の化粧料組成物の製造方法として、公知の化粧料組成物の製造方法を採用することができる。本発明の化粧料組成物の製造方法としては、各成分をパドルミキサー等で撹拌して均一化する方法等が挙げられる。

以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。

実施例及び比較例で用いた主な成分は下記のとおりである。

（成分（Ａ））
ベヘントリモニウムクロリド：商品名「ＧＥＮＡＭＩＮ ＫＤＭＰ」、クラリアント社製、ベヘニン酸塩化ジメチルトリメチルアンモニウム
ステアルトリモニウムクロリド：商品名「コータミン８６Ｗ」、花王社製、ステアリン酸塩化ジメチルトリメチルアンモニウム

（成分（Ｂ））
パルミタミドプロピルトリモニウムクロリド：商品名「ＶＡＲＩＳＯＦＴ ＰＡＴＣ」、エボニックジャパン社製

（成分（Ｃ））
ジステアリン酸ポリグリセリル−１０（１）：商品名「サンソフトＱ１８２Ｓ−Ｃ」、太陽化学社製、ＨＬＢ値：１１
ジステアリン酸ポリグリセリル−１０（２）：商品名「サンソフトＱ１８２Ｙ−Ｃ」、太陽化学社製、ＨＬＢ値：１１．１
トリオレイン酸ポリグリセリル−５：商品名「サンソフトＡ−１７３Ｅ−Ｃ」、太陽化学社製、ＨＬＢ値：７．１
ジオレイン酸ポリグリセリル−１０：商品名「サンソフトＱ１７２Ｙ−Ｃ」、太陽化学社製、ＨＬＢ値：１２．３
トリラウリン酸ポリグリセリル−１０：商品名「サンソフトＱ１２３Ｙ−Ｃ」、太陽化学社製、ＨＬＢ値：８．３
ペンタステアリン酸ポリグリセリル−１０：商品名「サンソフトＱ１８５−Ｓ−Ｃ」、太陽化学社製、ＨＬＢ値：７

（成分（Ｆ））
高重合ジメチルポリシロキサン（１０万ｍＰａ・ｓ）：商品名「ＤＯＷＳＩＬ ＢＹ１１−０２６」、ダウ・東レ社製、２５℃における粘度：約１０万ｍＰａ・ｓ
高重合ジメチルポリシロキサン（１００万ｍＰａ・ｓ）：商品名「ＴＳＦ４５１−１００ＭＡ」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、２５℃における粘度：約１００万ｍＰａ・ｓ
高重合ジメチルポリシロキサン（１８００万ｍＰａ・ｓ）：商品名「ＸＦ４９-８１１」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、２５℃における粘度：約１８００万ｍＰａ・ｓ
アミノ変性シリコーン：商品名「ＢＥＬＳＩＬ ＡＤＭ １６５０」、旭化成ワッカー社製
ジメチルポリシロキサン：商品名「ＤＯＷ ＣＯＲＮＩＮＧ ＴＯＲＡＹ ＳＨ ２００ Ｃ ＦＬＵＩＤ ２０ ＣＳ」、ダウ・東レ社製、２５℃における粘度：２０ｍＰａ・ｓ

（成分（Ｇ））
ポリクオタニウム−６７：商品名「ＳｏｆｔＣＡＴ Ｐｏｌｙｍｅｒ ＳＬ−３０」、ダウ・ケミカル社製

（その他）
ポリクオタニウム−１０：商品名「カチナール ＨＣ−２００」、東邦化学工業社製

（実施例１〜２６及び比較例１〜７）
下記の表１〜５に示す配合成分を配合（配合単位は質量％）し、化粧料組成物（毛髪化粧料組成物）を調製した。表中の配合量（毛髪化粧料組成物１００質量％中の配合量）は、純分量（単位：質量％）で示した。

（評価）
得られた毛髪化粧料組成物について、以下の評価を行った。評価結果は表中に示した。評価は５名の専門評価員が行った。

（試験例１：塗布時の毛髪への塗布性、付着感、コク感）
毛束（人毛、長さ３０ｃｍ、重さ１０ｇ）を約４０℃のぬるま湯に浸漬した。浸漬後の毛束を軽く絞って水分をある程度除去した後、得られた毛髪化粧料組成物２ｇを手に取り、毛束全体に均一に塗布した。その際の、塗布性、付着感、コク感を下記の基準で評価した。

＜毛髪への塗布性の評価基準＞
○（良好）：毛髪化粧料組成物ののびが良く、毛髪上に均一に塗布できる。
×（不良）：毛髪化粧料組成物ののびが悪く、毛髪上に均一に塗布しにくい。

＜塗布時の毛髪への付着感の評価基準＞
○（良好）：塗布に従って、毛髪化粧料組成物が毛髪に付着して、手の中から無くなっていく感触がある。
×（不良）：塗布する際に、毛髪化粧料組成物が手の中でのびるものの、毛髪に十分付着せず、手の中に残り続ける感触がある。

＜塗布時のコク感の評価基準＞
○（良好）：塗布時にある程度の抵抗感が感じられ、濃度の高い組成物を塗布している実感がある。
×（不良）：塗布時に抵抗感がほとんど感じられず、濃度の高い組成物を塗布している
実感がない。

（試験例２：塗布時の毛髪の柔軟感）
試験例１で毛束に毛髪化粧料組成物を塗布した直後に、毛束中央部を長手方向に折るように軽く握り、その際の、毛束の柔軟感を下記の基準で評価した。塗布時の毛髪の柔軟感は、毛束を約４０℃のぬるま湯に浸漬した後、毛束を軽く絞って水分をある程度除去した、毛髪化粧料組成物を塗布していない毛束（「未塗布の毛束」と称する）と比較して評価した。

＜塗布時の毛髪の柔軟感の評価基準＞
○（良好）：未塗布の毛束と比べて、非常に柔らかくなっている。
△（やや良好）：未塗布の毛束と比べて、明らかに柔らかくなっている。
×（不良）：未塗布の毛束と比べて、柔らかさが同等程度又は少し柔らかい程度である。

（試験例３：乾燥後の毛髪のまとまり感）
試験例２で評価した後の毛束を、流水（約４０℃のぬるま湯）で約１分間すすいだ後、ドライヤーで乾燥し、乾燥直後の毛束を目視観察し、下記の基準で評価した。

＜乾燥後の毛髪のまとまり感の評価基準＞
○（良好）：毛束の毛先が広がっておらず、かつ、毛束全体としても広がっていない。
△（やや良好）：毛束の毛先は広がっているものの、毛束全体としては広がっていない。
×（不良）：毛束が全体的に明らかに広がっている。

（試験例４：乾燥後の毛髪のさらさら感）
試験例３で評価した後の毛束の上部から下部方向に指を通して感触を確認して、下記の基準で評価した。

＜乾燥後の毛髪のさらさら感の評価基準＞
○（良好）：指が引っ掛かるような感触がなく、指どおりが良好である。
×（不良）：指が引っ掛かるような感触があり、指どおりが不良である。

（試験例５：乾燥後の毛髪の柔軟感）
試験例４で評価した後の毛束の毛束中央部を長手方向に折るように軽く握り、その際の、毛束の柔軟感を下記の基準で評価した。乾燥後の毛髪の柔軟感は、試験例２で作製した未塗布の毛束をドライヤーで乾燥した毛束（「未塗布の乾燥毛束」と称する）と比較して評価した。

＜乾燥後の毛髪の柔軟感の評価基準＞
○（良好）：未塗布の乾燥毛束と比べて、非常に柔らかくなっている。
△（やや良好）：未塗布の乾燥毛束と比べて、明らかに柔らかくなっている。
×（不良）：未塗布の乾燥毛束と比べて、柔らかさが同等程度又は少し柔らかい程度である。

組成及び結果を下記の表１〜５に示す。

また、実施例１〜２６で得られた化粧料組成物約５ｇを手に取り、腕全体に均一に塗布したところ、化粧料組成物の肌への付着感が良好であり、また、化粧料組成物の伸びが良く、塗布性が良好であった。

以下に、本発明の化粧料組成物の処方例を示す。

（処方例１）ヘアマスク（ヘアトリートメント）
ベヘントリモニウムクロリド ３．０質量％
パルミタミドプロピルトリモニウムクロリド １．０質量％
ジステアリン酸ポリグリセリル−１０ ０．５質量％
ステアリルアルコール ８．０質量％
高重合ジメチルポリシロキサン（１０万ｍＰａ・ｓ） １．５質量％
アミノ変性シリコーン １．０質量％
ジメチルポリシロキサン（２０ｍＰａ・ｓ） ３．０質量％
アルガンオイル １．０質量％
イソノナン酸イソノニル ２．０質量％
ポリクオタニウム−１０ ０．３質量％
グリセリン ３．０質量％
プロピレングリコール １．０質量％
加水分解コンキオリン液 ０．５質量％
クエン酸（ｐＨ調整剤） 適量
精製水 残量
合計 １００質量％

（処方例２）ヘアマスク（ヘアトリートメント）
ベヘントリモニウムクロリド ２．５質量％
パルミタミドプロピルトリモニウムクロリド ０．５質量％
ジステアリン酸ポリグリセリル−１０ ０．５質量％
ステアリルアルコール １０．０質量％
高重合ジメチルポリシロキサン（１０万ｍＰａ・ｓ） １．５質量％
アミノ変性シリコーン １．０質量％
ジメチルポリシロキサン（２０ｍＰａ・ｓ） ３．０質量％
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル １．０質量％
ＰＰＧ−３カプリリルエーテル １．０質量％
イソノナン酸イソノニル ２．０質量％
ポリクオタニウム−６７ ０．３質量％
グリセリン ２．０質量％
プロピレングリコール ０．５質量％
メドウフォーム−δ−ラクトン ０．３質量％
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール １．０質量％
クエン酸（ｐＨ調整剤） 適量
精製水 残量
合計 １００質量％

（処方例３）ヘアコンディショナー（ヘアトリートメント）
ベヘントリモニウムクロリド １．５質量％
パルミタミドプロピルトリモニウムクロリド ０．３質量％
ジステアリン酸ポリグリセリル−１０ ０．５質量％
ステアリルアルコール ５．０質量％
高重合ジメチルポリシロキサン（１０万ｍＰａ・ｓ） １．０質量％
ジメチルポリシロキサン（２０ｍＰａ・ｓ） ２．０質量％
クランベアビシニカ種子油 １．０質量％
トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル １．０質量％
ＰＰＧ−３カプリリルエーテル １．０質量％
イソノナン酸イソノニル ２．０質量％
ポリクオタニウム−６７ ０．３質量％
グリセリン ２．０質量％
プロピレングリコール ０．５質量％
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール １．０質量％
クエン酸（ｐＨ調整剤） 適量
精製水 残量
合計 １００質量％

（処方例４）ボディケアマスク（洗い流すタイプのボディ用トリートメント）
ベヘントリモニウムクロリド １．５質量％
パルミタミドプロピルトリモニウムクロリド ０．３質量％
ジステアリン酸ポリグリセリル−１０ １．０質量％
ステアリルアルコール １０．０質量％
シア脂 ３．０質量％
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル １．０質量％
トリ（カプリル酸／カプリン酸）グリセリル ５．０質量％
ＰＰＧ−３カプリリルエーテル １．０質量％
イソノナン酸イソノニル ２．０質量％
ポリクオタニウム−６７ ０．３質量％
グリセリン ２．０質量％
プロピレングリコール ０．５質量％
クエン酸（ｐＨ調整剤） 適量
精製水 残量
合計 １００質量％

Claims (11)

1. 下記成分Ａと、下記成分Ｂと、下記成分Ｃと、下記成分Ｄと、下記成分Ｅとを含む、化粧料組成物。
   成分Ａ：下記式（１）で表される化合物
   Ｒ^１−Ｎ^＋（ＣＨ_３）_３Ｘ⁻ （１）
   （前記式（１）中、Ｒ^１は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数１２〜２２の脂肪族炭化水素基を表し、Ｘ⁻は、Ｃｌ⁻又はＢｒ⁻を表す。）
   成分Ｂ：下記式（２）で表される化合物
   Ｒ^２−Ｃ（＝Ｏ）−ＮＨ−Ｃ_３Ｈ_６−Ｎ^＋（ＣＨ_３）_３Ｚ⁻ （２）
   （前記式（２）中、Ｒ^２は、直鎖状又は分岐鎖状の炭素数１１〜２１の脂肪族炭化水素基を表し、Ｚ⁻は、Ｃｌ⁻又はＢｒ⁻を表す。）
   成分Ｃ：ポリグリセリンに２〜６個の脂肪酸がエステル結合しており、かつグリセリンの平均付加モル数が４〜１２であるポリグリセリン脂肪酸エステル
   成分Ｄ：炭素数１２〜２４の脂肪族アルコール
   成分Ｅ：水
2. 下記成分Ｆを含む、請求項１に記載の化粧料組成物。
   成分Ｆ：シリコーン油、エステル油、植物油、及び炭化水素油からなる群より選ばれる油性成分
3. 前記成分Ｆが、前記シリコーン油を含む、請求項２に記載の化粧料組成物。
4. 前記シリコーン油が、下記成分Ｆ１を含む、請求項３に記載の化粧料組成物。
   成分Ｆ１：２５℃における粘度が１万ｍＰａ・ｓ以上であるシリコーン油、及び２５℃における粘度が１万ｍＰａ・ｓ未満であるアミノ変性シリコーンからなる群より選ばれるシリコーン油
5. 前記成分Ｆが、前記エステル油を含み、
   前記エステル油が、下記成分Ｆ２を含む、請求項２〜４のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
   成分Ｆ２：ダイマー酸エステル
6. 下記成分Ｇを含む、請求項１〜５のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
   成分Ｇ：炭素数１０以上のアルキル基を有するカチオン化セルロース
7. 下記成分Ｈを含む、請求項１〜６のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
   成分Ｈ：ポリプロピレングリコールアルキルエーテル
8. 前記成分Ａの含有量が、０．５質量％以上、５．０質量％以下である、請求項１〜７のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
9. 前記成分Ｄの含有量が、３．０質量％以上、２０．０質量％以下である、請求項１〜８のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
10. 毛髪化粧料組成物である、請求項１〜９のいずれか１項に記載の化粧料組成物。
11. 塗布対象に塗布された後、洗い流して用いられる、請求項１〜１０のいずれか１項に記載の化粧料組成物。