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JP2021025141A - 紡績機 - Google Patents

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JP2021025141A
JP2021025141A JP2019142089A JP2019142089A JP2021025141A JP 2021025141 A JP2021025141 A JP 2021025141A JP 2019142089 A JP2019142089 A JP 2019142089A JP 2019142089 A JP2019142089 A JP 2019142089A JP 2021025141 A JP2021025141 A JP 2021025141A
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宏幸 八木
Hiroyuki Yagi
宏幸 八木
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Murata Machinery Ltd
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Murata Machinery Ltd
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Abstract

【課題】巻取装置が紡績装置よりも上方に配置されている紡績機において、適切な経路で芯糸を案内することが可能な構成を提供する。【解決手段】紡績機1は、紡績ユニット2と、芯糸供給装置13と、玉揚台車3と、を備える。芯糸供給装置13は、芯糸26を紡績ユニット2に供給する。玉揚台車3は、紡績ユニット2の上部又は上方を走行し、紡績ユニット2に対して作業を行う。紡績ユニット2は、ドラフト装置12と、空気紡績装置14と、巻取装置18と、を備える。空気紡績装置14は、芯糸供給装置13から供給された芯糸26と繊維束22から紡績糸23を生成する。巻取装置18は、空気紡績装置14よりも上方に配置されている。芯糸供給装置13は、フロントローラ対35のうち高い位置に配置されるフロントトップローラ35aの回転中心と同じ高さ又は低い位置で芯糸26が繊維束22に合流するように当該芯糸26を案内する。【選択図】図2

Description

本発明は、主として、芯糸供給装置を備える紡績機に関する。
特許文献1は、芯糸として用いられる連続糸を供給し、この連続糸の周囲に繊維を巻き付けて糸を作成する装置を開示する。連続糸はボビンSに巻き付けられている。連続糸は、ボビンSから引き出されて、変向ローラで向きを変えられて、繊維が通過する繊維ガイド通路に案内される。
特開2002−227052号公報
しかし、特許文献1には、芯糸(連続糸)を案内する経路について詳細に開示されていない。
本発明の主要な目的は、巻取装置が紡績装置よりも上方に配置されている紡績機において、適切な経路で芯糸を案内することが可能な構成を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の観点によれば、以下の構成の紡績機が提供される。即ち、この紡績機は、紡績ユニットと、芯糸供給装置と、走行作業機と、を備える。前記芯糸供給装置は、芯糸を案内するとともに当該芯糸を前記紡績ユニットに供給する。前記走行作業機は、前記紡績ユニットの上部又は上方を走行し、前記紡績ユニットに対して作業を行う。前記紡績ユニットは、ドラフト装置と、紡績装置と、巻取装置と、を備える。前記ドラフト装置は、フロントローラ対を含んで構成されており、スライバをドラフトして繊維束とする。前記紡績装置は、前記芯糸供給装置から供給された芯糸と前記繊維束から紡績糸を生成する。前記巻取装置は、前記紡績装置よりも上方に配置されており、前記紡績糸を巻き取ってパッケージを形成する。前記芯糸供給装置は、前記フロントローラ対のうち高い位置に配置されるフロントトップローラの回転中心と同じ高さ又は低い位置で前記芯糸が前記繊維束に合流するように当該芯糸を案内する。
このように、巻取装置が紡績装置よりも上方に配置されており、かつ、走行作業機が紡績ユニットの上部又は上方を走行するレイアウトでは、芯糸供給装置を配置するスペースが限られる。しかし、芯糸供給装置を上記のように配置することで、芯糸がフロントトップローラに巻き付きにくくなる。そのため、繊維束と芯糸が適切に配置された紡績糸を生成することができる。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記フロントローラ対の軸方向で見たときにおいて、前記ドラフト装置によって搬送される前記繊維束の走行経路と、前記芯糸供給装置によって搬送される前記芯糸の走行経路と、がなす角度が20°以上80°以下である。
これにより、芯糸がフロントトップローラに一層巻き付きにくくなり、かつ、繊維束と芯糸がより適切に配置され易い紡績糸を生成することができる。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記芯糸供給装置は、芯糸パッケージ保持部と、解舒支点部と、支持部と、を備える。前記芯糸パッケージ保持部は、芯糸パッケージを保持する。前記解舒支点部は、前記芯糸パッケージから解舒された前記芯糸の解舒支点となる。前記支持部は、前記紡績ユニットから水平方向に離れた位置において、床に支持されるか天井に吊り下げられており、前記芯糸パッケージ保持部と前記解舒支点部とを支持する。
これにより、芯糸供給装置の支持部等が紡績ユニットから離れて配置されることで、紡績ユニットの周囲にスペースを形成することができる。そのため、例えば、オペレータの作業スペースを広く確保したり、大型の芯糸パッケージを配置したりすることができる。また、芯糸供給装置を有しない紡績機に対して、芯糸供給装置を容易に追加することができる。
前記の紡績機においては、前記芯糸パッケージ保持部から前記紡績ユニットまでの芯糸の走行経路の少なくとも一部において、当該芯糸の径方向の外側の少なくとも一部を覆う保護部材を備えることが好ましい。
これにより、芯糸を保護することができる。その結果、走行作業機及び/又はオペレータが芯糸に干渉することを回避することができる。
前記の紡績機においては、前記保護部材は、前記走行作業機の下端よりも下方に配置されていることが好ましい。
これにより、走行作業機が走行しても保護部材に接触しないので、走行作業機をスムーズに移動させることができる。
前記の紡績機においては、前記保護部材は、前記芯糸パッケージ保持部に近い側が高く、前記紡績ユニットに近い側が低くなるように傾斜して配置されていることが好ましい。
これにより、芯糸供給装置の周囲においてスペースを確保することができる。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記芯糸供給装置は、芯糸パッケージ保持部と、解舒支点部と、支持部と、を備える。前記芯糸パッケージ保持部は、芯糸パッケージの解舒側が上方を向くように、かつ、当該芯糸パッケージの解舒側の端部が前記フロントトップローラの回転中心よりも低い位置となるように当該芯糸パッケージを保持する。前記解舒支点部は、前記芯糸パッケージから解舒された前記芯糸の解舒支点となる。前記支持部は、前記芯糸パッケージ保持部及び前記解舒支点部を支持する。
これにより、芯糸を繊維束に合流させる経路に沿った向きとなる状態で芯糸パッケージ保持部により芯糸パッケージを保持できる。
前記の紡績機においては、前記支持部は、前記紡績ユニットに取り付けられていることが好ましい。
これにより、支持部を含めた芯糸供給装置のサイズを小さくすることができる。
前記の紡績機においては、前記芯糸パッケージ保持部は、前記芯糸パッケージの下端に接触する接触面を備えており、床から前記接触面までの高さが55cm以上85cm以下であることが好ましい。
これにより、無理のない姿勢でオペレータに芯糸パッケージの交換作業及び確認作業等を行わせることができる。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記走行作業機は、前記巻取装置が形成した前記パッケージを玉揚げする玉揚装置、前記紡績ユニットの前記紡績糸を捕捉する糸捕捉装置、及び前記紡績ユニットの前記紡績糸同士を糸継ぎする糸継装置の少なくとも何れかを可動部材として備える。前記芯糸供給装置は、前記走行作業機の前記可動部材及び当該可動部材の動作軌跡と干渉しない位置に配置されている。
これにより、走行作業機が作業を行っても芯糸供給装置に接触しないので、走行作業機にスムーズに作業を行わせることができる。
前記の紡績機においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記紡績ユニットは並べて複数配置されている。前記芯糸供給装置は、前記芯糸を前記紡績ユニットに供給する供給部を備える。並べて配置される2つの前記紡績ユニットは、開閉可能な1つのドラフトクレードルを備える。前記供給部は、前記ドラフトクレードルの開閉軌跡と干渉しない位置に移動可能である。
これにより、ドラフトクレードルと芯糸供給装置の干渉を防止できる。
本発明の一実施形態に係る紡績機の全体的な構成を示す正面図。 並べて配置された複数の紡績機の側面図。 紡績ユニットの側面図。 ドラフト装置の周囲の側面図。 ドラフト装置の周囲の正面図。 第1変形例のドラフト装置の周囲の側面図。 第2変形例の紡績機の正面図。
次に、本発明の一実施形態に係る紡績機1について、図面を参照して説明する。図1に示す紡績機1は、並設された複数の紡績ユニット2と、玉揚台車(走行作業機)3と、原動機ボックス4と、機台制御装置5と、を備えている。
紡績ユニット2は、スライバ貯留部11に貯留されているスライバ21から紡績糸23を生成する。紡績ユニット2は、紡績糸23を巻き取ってパッケージ24を形成する。玉揚台車3は、紡績ユニット2の並列方向に沿って走行可能である。玉揚台車3は、紡績ユニット2が形成したパッケージ24を紡績ユニット2から取り外し、新たなパッケージ24を形成するための準備(後述する巻取管24aの供給等)を行う。原動機ボックス4には、各紡績ユニット2に共通の駆動源が配置されている。機台制御装置5は、紡績機1が備える各構成を集中的に管理する装置である。機台制御装置5は、入力部5aと表示部5bとを備える。オペレータが入力部5aを用いて適宜の操作を行うことにより、特定の紡績ユニット2又は全ての紡績ユニット2の設定を行ったり、特定の紡績ユニット2又は全ての紡績ユニット2の設定及び状態等を表示部5bに表示したりすることができる。
また、例えば後述のバックローラ対31が設けられる側を装置正面側と称した場合、図2に示すように、2つの紡績機1は、装置背面側を向かい合わせるようにして、近接して配置されている。これを1組の紡績機1と称した場合、2組の紡績機は、間にオペレータ通路6が形成されるように間隔を空けて配置されている。つまり、紡績機1は、装置正面側をオペレータ通路6側に向けるようにして配置されている。オペレータは、オペレータ通路6に沿って移動し、紡績ユニット2の状態又は表示部5bの表示等を確認する。
図2及び図3に示すように、各紡績ユニット2は、スライバ貯留部11と、ドラフト装置12と、芯糸供給装置13と、空気紡績装置14と、糸監視装置15と、糸貯留装置16と、糸継装置17と、巻取装置18と、を備える。なお、本明細書において「上流」及び「下流」とは、紡績時でのスライバ21、繊維束22、紡績糸23、又は芯糸26の走行方向における上流及び下流を意味する。
ドラフト装置12は、紡績ユニット2の高さ方向の中央よりも下方に配置されており、図略の取付部材を介して紡績ユニット2のフレーム10に取り付けられている。図3に示すように、ドラフト装置12は、上流側から順に、バックローラ対31、サードローラ対32、エプロンベルト33を装架したミドルローラ対34、及びフロントローラ対35の4つのローラ対を備えている。ドラフト装置12は、下流側に近づくに連れて上側及び装置背面側に近づくように傾斜して配置されている。ドラフト装置12は、スライバ貯留部11から供給されるスライバ21を、所定の太さになるまでドラフトする。また、本実施形態では、ドラフト装置12を通過中の繊維及びドラフト装置12を通過した繊維を含めて繊維束22と称する。ドラフト装置12を通過した繊維束22は、空気紡績装置14に供給される。
また、以下では、フロントローラ対35のうち、上側に配置されるローラをフロントトップローラ35aと称し、下側に配置されるローラをフロントボトムローラ35bと称する。また、複数のローラ対のうち、上側に配置されるローラをまとめてトップローラと称し、下側に配置されるローラをまとめてボトムローラと称する。図4及び図5に示すように、トップローラは、ドラフトクレードル37に回転可能に取り付けられている。図1に示すように、並んで配置される2つの紡績ユニット2のトップローラは、1つのドラフトクレードル37に取り付けられている。また、図4に示すように、ドラフトクレードル37は、フロントローラ対35の回転中心と平行な直線を回転中心として、開閉可能(回転可能)に構成されている。これにより、ドラフト装置12のメンテナンス(例えばオペレータによる保守作業)を行うことができる。また、ボトムローラは、ドラフトベース38に回転可能に取り付けられている。
ドラフト装置12が備える全てのローラ対の回転中心は、紡績ユニット2の並列方向と同方向(平行)である。従って、「フロントローラ対35の軸方向で見た図」が側面図に相当する。
芯糸供給装置13は、支柱41と、支持部42と、芯糸パッケージ保持部43と、解舒支点部44と、保護部材45と、供給部46と、角度調整部47と、を備える。
支柱41は、繊維工場の床に取り付けられている。支柱41は、例えば金属製の棒である。支柱41は、床から上方に延びており、芯糸供給装置13の各部を高い位置で支持している。本実施形態では、装置正面側が対向するように配置された紡績機1同士で、1つの支柱41を共有している。言い換えれば、支柱41は、2つの芯糸供給装置13の各部をまとめて支持している。また、支柱41は、床に取り付けられる構成に限られず、別の構造物に取り付けられる構成であったり、天井又は天井に吊り下げられた支持部材(金属製の棒等)から吊り下げられる構成であったりしてもよい。支柱41は、芯糸供給装置13が備える部材であるが、繊維工場に予め設けられた構造物で代用することもできる。つまり、芯糸供給装置13から支柱41を省略することもできる。
支持部42は、支柱41に取り付けられている。支持部42は、支柱41又は別の構造物を介して床に支持されている。支持部42は、支柱41との取付位置から紡績ユニット2側に近づくように延びている。支持部42は、芯糸パッケージ保持部43、解舒支点部44、及び保護部材45を支持している。支持部42は例えば金属製の棒である。
芯糸パッケージ保持部43は、芯糸26が巻かれた芯糸パッケージ25を保持する。芯糸26の原料は、スライバ21の原料と同じであってもよいし、異なっていてもよい。芯糸パッケージ保持部43は、芯糸パッケージ25の解舒しない側の端部を保持し、芯糸パッケージ25の軸方向が上下方向よりも水平方向に近くなるように(言い換えれば、軸方向と水平方向となす角が45°未満となるように)芯糸パッケージ25を保持する。また、図2に示すように、芯糸パッケージ保持部43は、支持部42の上方又は下方に配置されている。詳細には、紡績ユニット2の並列方向で隣り合う2つの芯糸パッケージ保持部43は、一方が支持部42の上方に配置され、他方が支持部42の下方に配置される。これにより、芯糸パッケージ25同士の干渉を防止したり、芯糸パッケージ25の交換作業の作業性を向上させたりすることができる。芯糸パッケージ25同士の干渉が防止されているため、径の大きい芯糸パッケージ25を芯糸パッケージ保持部43に保持させることもできる。
解舒支点部44は、芯糸パッケージ25から解舒された芯糸26の解舒支点となる部材である。解舒支点とは、芯糸パッケージ25の解舒位置(芯糸26が芯糸パッケージ25から剥がれる位置)に関係なく、芯糸26が常に通る位置である。解舒支点部44は、例えば、板状部材に形成された丸孔又は筒状の部材であり、解舒支点部44の内側に芯糸26を通すことで、解舒支点部44が解舒支点となる。解舒支点部44は、例えば芯糸パッケージ25の軸の延長線上に配置されている。
保護部材45は、解舒支点部44の下流側に配置されている。保護部材45は、筒状(スレッドパイプ)であり内側に芯糸26が通っている。保護部材45は、軸方向に長い形状の部材であり、長手方向と、芯糸26の走行方向と、が一致するように配置されている。芯糸26が保護部材45に覆われることで、芯糸26を外部との接触から保護できる。本実施形態では、保護部材45は芯糸26の径方向の周囲を360°覆っているが、芯糸26を十分に保護できるのであれば、例えば芯糸26の一部のみ(例えば下側の180°)を覆っていてもよい。
本実施形態では、図3に示すように、解舒支点部44が供給部46よりも高い位置に配置されているため、保護部材45は、下流側に近づくに連れて、紡績ユニット2及び下方に近づくように傾斜している。言い換えれば、保護部材45は、芯糸パッケージ保持部43に近い側が高く、紡績ユニット2に近い側が低くなるように傾斜して配置されている。保護部材45を傾斜させることにより、芯糸26の走行経路の高さを徐々に低くすることができる。従って、芯糸26をあまり屈曲させなくてよいため、芯糸26を無理なく供給部46に向けて案内できる。また、保護部材45の長手方向の向きは、本実施形態とは異なっていてもよい。解舒支点部44と供給部46が近くに配置されている場合又は芯糸26が別の部材又はオペレータと干渉する可能性がない又は低い場合は、保護部材45を省略することもできる。
また、支持部42、芯糸パッケージ保持部43、解舒支点部44、及び保護部材45は、オペレータ通路6を通過するオペレータの邪魔になりにくいように、比較的高い位置に配置されている。具体的には、これらの部材は、ドラフト装置12の下端よりも高い位置に配置されている。また、これらの部材は、オペレータ通路6を通過するオペレータの邪魔になりにくいようにオペレータ通路6から例えば150cm以上の高さに配置されていることが好ましく、オペレータ通路6を通過するオペレータの頭上に配置するためにオペレータ通路6から例えば200cm以上の高さに配置されていることが更に好ましい。ただし、これらの部材の位置を高くし過ぎると、オペレータが芯糸パッケージ25を交換する作業が手間になったり、保護部材45が玉揚台車3と干渉したりする。従って、これらの部材は、玉揚台車3(詳細には走行中の状態の玉揚台車3)の下端よりも低い位置に配置されていることが好ましい。例えば、図2の構成に比べて、長さが長い支柱41を採用し、芯糸パッケージ保持部43、解舒支点部44、及び保護部材45がより高い位置(例えば、これらの部材が糸継装置17と同じ高さ又は糸継装置17よりも高い位置)に配置されるようにしてもよい。
なお、玉揚台車3が備える玉揚装置(可動部材)は、上述したように、巻取装置18からパッケージ24を取り外したり、巻取装置18に新たな巻取管24aを供給したりする。これらの作業は、何れも巻取装置18に対して行われるものである一方で、芯糸供給装置13は、巻取装置18の下端よりも低い位置に配置される。従って、玉揚台車3の玉揚装置及びその動作軌跡は、芯糸供給装置13とは干渉しない。
供給部46は、保護部材45の下流側に配置されている。図4に示すように、供給部46は、中継部材48を介してドラフトベース38に支持されている。また、供給部46は、正面視でドラフト装置12の各ローラ対及びドラフトクレードル37と重ならない位置に配置されている。この構成により、ドラフトクレードル37の開閉軌跡と供給部46が干渉しない。供給部46は、芯糸26をドラフト装置12を介して空気紡績装置14に供給する。具体的には、供給部46は、芯糸26を案内する案内部と、圧縮空気を噴射する等して芯糸26を送出する送出部と、を備える。
供給部46は、図示は省略するが、芯糸26にテンションを付与するテンション付与装置、芯糸26の有無を検出する検出装置、及び芯糸26を送出部により送出する前に芯糸26を一時的に弛ませておく弛み付与部の少なくとも何れかも備えていてもよい。
角度調整部47は、下流側に近づくに連れて内径が小さくなるテーパ形状を有している。供給部46が供給した芯糸26は、筒状の角度調整部47を通過することで、走行方向が所定の角度に調整された後に、繊維束22の走行経路、詳細には、エプロンベルト33よりも下流であってフロントローラ対35よりも上流の位置に合流する。
以下、繊維束22の走行経路に合流する芯糸26の走行経路について詳細に説明する。繊維束22の走行経路とは、紡績機1を稼動させた場合に繊維束22が実際に走行する経路を指す。ただし、繊維束22の走行経路は、ドラフト装置12の各ローラのニップ点(トップローラとボトムローラの接触位置又は最近接位置)を繋いだ直線に殆ど一致する。そのため、紡績機1を稼動させずに繊維束22の走行経路を算出することもできる。また、芯糸26の走行経路は、紡績機1を稼動させた場合に芯糸26が実際に走行する経路を指す。ただし、角度調整部47がフロントローラ対35の近傍に配置されているため、芯糸26の走行経路は、角度調整部47の軸線(及びその延長線)に殆ど一致する。そのため、紡績機1を稼動させずに芯糸26の走行経路を算出することもできる。
また、図4には、フロントトップローラ35aの回転中心の高さを示す直線L1が記載されている。図4から明らかなように、芯糸26と繊維束22の合流箇所(走行経路の交差箇所)は、直線L1よりも下方にある。更に言えば、合流箇所の近傍(例えば角度調整部47の上流端)においても、芯糸26は、直線L1よりも下方に位置している。従って、芯糸26が直線L1の上方から合流する経路と比較して、芯糸26がフロントトップローラ35aに巻き付きにくい。
また、図4に示すように、繊維束22と芯糸26の合流箇所において、繊維束22の走行経路と芯糸26の走行経路とがなす角を角度a1とする。更に詳細には、合流箇所から上流側に延びる2つの走行経路がなす角のうち、小さい方の角度(180°未満)が角度a1である。上記の巻き付きをより確実に防止するために、角度a1は、例えば20°以上80°以下であることが好ましく、40°以上60°以下であることが更に好ましい。なお、芯糸26の走行方向は、上下方向よりも水平方向に近い(言い換えれば、芯糸26の走行方向と水平方向となす角が45°未満である)。
図5に示すように、正面視において、繊維束22と芯糸26の合流箇所から、フロントローラ対35の回転中心に平行となるように引いた直線を直線L2とする。また、直線L2と芯糸26の走行経路がなす角を角度a2と称する。更に詳細には、合流箇所から上流側に延びる芯糸26の走行経路と、合流箇所から供給部46が配置される側に延ばした直線L2と、がなす角のうち、小さい方の角度(180°未満)が角度a2である。ドラフト装置12と芯糸供給装置13を干渉しにくいレイアウトにしつつ、芯糸26を適切に供給するために、角度a2は、例えば20°以上80°以下であることが好ましく、40°以上60°以下であることが更に好ましい。
空気紡績装置14は、芯糸供給装置13から供給された芯糸26を芯側とし、ドラフト装置12から供給された繊維束22の繊維を鞘側として紡績を行って紡績糸23を生成する。具体的には、空気紡績装置14は、繊維束22に旋回空気流を作用させて、繊維束22の繊維を芯糸26の周囲に巻き付かせつつ撚りを加えることで、紡績糸23を生成する。
糸監視装置15は、空気紡績装置14が生成した紡績糸23の太さを、図略の光学式センサによって監視する。糸監視装置15は、紡績糸23の糸欠陥(紡績糸23の太さなどに異常がある箇所)を検出した場合に、糸欠陥検出信号を図略のユニットコントローラへ送信する。糸監視装置15は光学式のセンサに限らず、例えば静電容量式のセンサで紡績糸23の太さを監視する構成であっても良い。また、糸監視装置15は、紡績糸23に含まれる異物を糸欠陥として検出してもよい。紡績糸23が基準を満たさないことが糸監視装置15によって検出された場合、紡績ユニット2は、図略のカッタを動作させるか、空気紡績装置14を停止させる等して、紡績糸23を切断する。なお、糸監視装置15は、糸貯留装置16の上流側に代えて又は加えて、糸貯留装置16の下流側に配置されていてもよい。
糸貯留装置16は、モータにより回転可能なローラである。糸貯留装置16には、一定量の紡績糸23を巻き付けて一時的に貯留することができる。糸貯留装置16に紡績糸23を巻き付けた状態で糸貯留装置16を所定の回転速度で回転させることにより、空気紡績装置14から紡績糸23を所定の速度で引き出して下流側に搬送することができる。また、糸貯留装置16に紡績糸23を一時的に貯留することができるので、糸貯留装置16は、一種のバッファとして機能する。これにより、空気紡績装置14における紡績速度と、巻取速度(パッケージ24へ巻き取られる紡績糸23の速度)と、が何らかの理由により一致しない不具合(例えば紡績糸23の弛みなど)を解消することができる。
糸継装置17は、空気紡績装置14とパッケージ24との間の紡績糸23が分断状態となったときに、空気紡績装置14からの紡績糸23(第1糸)と、パッケージ24からの紡績糸23(第2糸)と、を糸継ぎする。本実施形態において、糸継装置17は、圧縮空気により発生させた旋回空気流によって糸端同士を撚り合わせるスプライサ装置である。糸継装置17はスプライサ装置に限らず、例えば機械式のノッタ等を採用することができる。
紡績ユニット2は、糸継装置17まで紡績糸23を案内する案内装置を備えている。案内装置は、糸継装置17まで第1糸を案内する第1案内装置61と、糸継装置17まで第2糸を案内する第2案内装置62と、から構成される。
第1案内装置61は、根元部分を回動中心として上下方向に回動することができる。第1案内装置61は、中空状に構成されるとともに、図略のブロアに接続されており、吸引空気流を発生させることができる。糸継ぎを行う場合、第1案内装置61は、下方に回動することで、第1糸の糸端を捕捉する。第1案内装置61は、第1糸を捕捉した後、上方に回動することで、第1糸を糸継装置17へ案内する。
第2案内装置62は、根元部分を回動中心として上下方向に回動することができる。第2案内装置62も、中空状に構成されるとともに、図略のブロアに接続されており、吸引空気流を発生させることができる。糸継ぎを行う場合、第2案内装置62は、上方に回動することで、第2糸の糸端を捕捉する。第2案内装置62は、第2糸を捕捉した後、下方に回動することで、第2糸を糸継装置17へ案内する。
第1糸と第2糸が糸継装置17に案内されている状態で糸継装置17を駆動することで、第1糸と第2糸を糸継ぎし、空気紡績装置14とパッケージ24との間で紡績糸23を連続状態とする。これにより、パッケージ24への紡績糸23の巻取りを再開することができる。
巻取装置18は、ドラフト装置12の上端よりも高い位置であって、かつ、空気紡績装置14の上端よりも高い位置に配置されている。巻取装置18は、クレードルアーム51と、巻取ドラム52と、を備える。
クレードルアーム51は、紡績糸23を巻き付けるための巻取管24aを回転可能に支持することができる。クレードルアーム51は、その根元部分を回動中心として回動可能である。これにより、巻取管24aに紡績糸23を巻き付けてパッケージ24の径が大きくなっても、適切に紡績糸23の巻取りを継続することができる。
巻取ドラム52は、図略の巻取ドラム駆動モータの駆動力が伝達されることにより、巻取管24a又はパッケージ24の外周面に接触した状態で回転する。巻取ドラム52の外周面には図1に示す綾振溝が形成されており、この綾振溝によって紡績糸23を所定の幅でトラバースすることができる。これにより、巻取装置18は、紡績糸23をトラバースさせながら巻取管24aに巻き付けて、パッケージ24を形成することができる。なお、巻取ドラム52の綾振溝でトラバースする構成に代えて、巻取ドラム52とは別に設けられた綾振装置で紡績糸23をトラバースさせてもよい。
以上により、巻取装置18が空気紡績装置14よりも上方に配置されており、かつ、玉揚台車3が紡績ユニット2の上部(紡績ユニット2の中央よりも高い部分)又は紡績ユニット2の上方を走行するレイアウトにおいても、適切な位置に芯糸供給装置13を配置して、パッケージ24を形成できる。
次に、図6を参照して、上記実施形態の第1変形例を説明する。図6は、第1変形例のドラフト装置12の周囲の側面図である。なお、第1変形例及び後述の第2変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
上記実施形態では、芯糸パッケージ25が紡績ユニット2から水平方向に離れた位置に配置されている。これに対し、第1変形例では、芯糸パッケージ25が紡績ユニット2の近傍に配置されている。具体的には、第1変形例の支持部42は、ドラフト装置12のドラフトベース38に取り付けられている。支持部42は、ドラフト装置12の下端(バックローラ対31の下端)よりも下方に芯糸パッケージ保持部43が位置するように、下方に延びる部分を含んで構成されている。これにより、芯糸パッケージ25の解舒側の端部がフロントトップローラ35aの回転中心の高さ(直線L1)よりも低くなるように、当該芯糸パッケージ25を保持できる。芯糸パッケージ保持部43を低い位置に配置することにより、芯糸パッケージ25の解舒側が上方(略上方を含む)を向くように、芯糸パッケージ25を配置できる。従って、紡績機1の水平方向のサイズを小さくすることができる。
また、本変形例の芯糸パッケージ保持部43は、オペレータが芯糸パッケージ25を交換し易くなるような高さに配置されている。具体的には、図6に示すように、芯糸パッケージ保持部43のうち、芯糸パッケージ25の下面が接触する面を接触面43aと称する。また、接触面43aから床面までの高さを高さHと称する。高さHは、55cm以上85cm以下であることが好ましい。
上記実施形態と同様に、解舒支点部44は支持部42に支持されており、芯糸パッケージ25の軸方向の延長線上に配置されている。供給部46の構成、位置、支持構造については、上記実施形態と同じである。また、支持部42、芯糸パッケージ保持部43、及び解舒支点部44は、上記実施形態の供給部46と同様に、正面視でドラフト装置12の各ローラ対及びドラフトクレードル37と重ならない位置に配置されている。この構成により、ドラフトクレードル37の開閉軌跡と芯糸供給装置13の各部が干渉しない。
第1変形例では、支持部42がドラフト装置12に取り付けられて支持されているが、紡績ユニット2の別の部分(例えばフレーム10)に取り付けられて支持されていてもよい。
次に、図7を参照して、上記実施形態の第2変形例を説明する。図7は、第2変形例の紡績機1の正面図である。
上述したように、上記実施形態では、供給部46は、正面視でドラフト装置12の各ローラ対及びドラフトクレードル37と重ならない位置に配置されている。言い換えれば、ドラフトクレードル37から離れる方向に供給部46が配置されている。
一方、本変形例では、全ての供給部46は、紡績ユニット2に対して並列方向の同じ側(図7の左側)に位置している。そのため、一部の供給部46(1組のうち右側の供給部46)は、正面視でドラフト装置12の各ローラ対及びドラフトクレードル37の少なくとも何れかと重なる位置に配置されている。これにより、繊維束22の走行経路に対する供給部46の位置を、全ての紡績ユニット2で共通にできる。
しかし、本変形例の構成では、ドラフトクレードル37が一部の供給部46と干渉するため、ドラフトクレードル37を開閉させることができない。そのため、本変形例では、供給部46を紡績ユニット2の並列方向に沿って移動させるためのレール49が設けられている。これにより、供給部46は、ドラフトクレードル37の開閉軌跡に干渉する紡績位置から、ドラフトクレードル37の開閉軌跡に干渉しない退避位置に移動することができる。そのため、オペレータは、供給部46をレール49に沿って退避位置に移動させた後に、ドラフトクレードル37を開放させることで、ドラフト装置12の各ローラ対等のメンテナンスを行うことができる。
上述した実施形態、第1変形例、及び第2変形例が有する特徴は、適宜組み合わせることができる。例えば、芯糸パッケージ保持部43等を高い位置に配置するという上記実施形態の特徴と、供給部46を移動可能とする第2変形例の特徴と、を組み合わせてもよい。また、支持部42を紡績ユニット2に支持させるという第1変形例の特徴と、供給部46を移動可能とする第2変形例の特徴と、を組み合わせてもよい。
以上に説明したように、上記実施形態の紡績機1は、紡績ユニット2と、芯糸供給装置13と、玉揚台車3と、を備える。芯糸供給装置13は、芯糸26を案内するとともに当該芯糸26を紡績ユニット2に供給する。玉揚台車3は、紡績ユニット2の上部又は上方を走行し、紡績ユニット2に対して作業を行う。紡績ユニット2は、ドラフト装置12と、空気紡績装置14と、巻取装置18と、を備える。ドラフト装置12は、フロントローラ対35を含んで構成されており、スライバ21をドラフトして繊維束22とする。空気紡績装置14は、芯糸供給装置13から供給された芯糸26と繊維束22から紡績糸23を生成する。巻取装置18は、空気紡績装置14よりも上方に配置されており、紡績糸23を巻き取ってパッケージ24を形成する。芯糸供給装置13は、フロントローラ対35のうち高い位置に配置されるフロントトップローラ35aの回転中心と同じ高さ又は低い位置で芯糸26が繊維束22に合流するように当該芯糸26を案内する。
このように、巻取装置18が空気紡績装置14よりも上方に配置されており、かつ、玉揚台車3が紡績ユニット2の上部又は上方を走行するレイアウトでは、芯糸供給装置13を配置するスペースが限られる。しかし、芯糸供給装置13を上記のように配置することで、芯糸26がフロントトップローラ35aに巻き付きにくくなる。そのため、繊維束22と芯糸26が適切に配置された紡績糸23を生成することができる。
上記実施形態の紡績機1において、フロントローラ対35の軸方向で見たときにおいて、ドラフト装置12によって搬送される繊維束22の走行経路と、芯糸供給装置13によって搬送される芯糸26の走行経路と、がなす角度a1が20°以上80°以下である。
これにより、芯糸26がフロントトップローラ35aに一層巻き付きにくくなり、かつ、繊維束22と芯糸26がより適切に配置され易い紡績糸23を生成することができる。
上記実施形態の紡績機1において、芯糸供給装置13は、芯糸パッケージ保持部43と、解舒支点部44と、支持部42と、を備える。芯糸パッケージ保持部43は、芯糸パッケージ25を保持する。解舒支点部44は、芯糸パッケージ25から解舒された芯糸26の解舒支点となる。支持部42は、紡績ユニット2から水平方向に離れた位置において、床に支持されるか天井に吊り下げられており、芯糸パッケージ保持部43と解舒支点部44とを支持する。
これにより、芯糸供給装置13の支持部42等が紡績ユニット2から離れて配置されることで、紡績ユニット2の周囲にスペースを形成することができる。そのため、例えば、オペレータの作業スペース(例えばオペレータ通路6)を広く確保したり、大型の芯糸パッケージ25を配置したりすることができる。また、芯糸供給装置13を有しない紡績機1に対して、芯糸供給装置13を容易に追加することができる。
上記実施形態の紡績機1において、芯糸パッケージ25(芯糸パッケージ保持部43)から紡績ユニット2までの芯糸26の走行経路の少なくとも一部において、当該芯糸26の径方向の外側の少なくとも一部を覆う保護部材45を備える。
これにより、芯糸26を保護することができる。その結果、玉揚台車3及び/又はオペレータが芯糸26に干渉することを回避することができる。
上記実施形態の紡績機1において、保護部材45は、玉揚台車3の下端よりも下方に配置されている。
これにより、玉揚台車3が走行しても保護部材45に接触しないので、玉揚台車3をスムーズに移動させることができる。
上記実施形態の紡績機1において、保護部材45は、芯糸パッケージ保持部43に近い側が高く、紡績ユニット2に近い側が低くなるように傾斜して配置されている。
これにより、芯糸供給装置13の周囲においてスペースを確保することができる。
第1変形例の紡績機1において、芯糸供給装置13は、芯糸パッケージ保持部43と、解舒支点部44と、支持部42と、を備える。芯糸パッケージ保持部43は、芯糸パッケージ25の解舒側が上方を向くように、かつ、芯糸パッケージ25の解舒側の端部がフロントトップローラ35aの回転中心よりも低い位置となるように当該芯糸パッケージ25を保持する。解舒支点部44は、芯糸パッケージ25から解舒された芯糸26の解舒支点となる。支持部42は、芯糸パッケージ保持部43及び解舒支点部44を支持する。
これにより、芯糸26を繊維束22に合流させる経路に沿った向きとなる状態で芯糸パッケージ保持部43により芯糸パッケージ25を保持できる。
第1変形例の紡績機1において、支持部42は、紡績ユニット2に取り付けられている。
これにより、支持部42を含めた芯糸供給装置13のサイズを小さくすることができる。
第1変形例の紡績機1において、芯糸パッケージ保持部43は、芯糸パッケージ25の下端に接触する接触面43aを備えており、床から接触面43aまでの高さが55cm以上85cm以下である。
これにより、無理のない姿勢でオペレータに芯糸パッケージ25の交換作業及び確認作業等を行わせることができる。
上記実施形態の紡績機1において、玉揚台車3は、巻取部が形成したパッケージを玉揚げする玉揚装置を備える。芯糸供給装置13は、玉揚台車3の玉揚装置(可動部材)及び玉揚装置の動作軌跡と干渉しない位置に配置されている。
これにより、玉揚台車3が作業を行っても芯糸供給装置13に接触しないので、玉揚台車3にスムーズに作業を行わせることができる。
第2変形例の紡績機1において、紡績ユニット2は並べて複数配置されている。芯糸供給装置13は、芯糸26を紡績ユニット2に供給する供給部46を備える。並べて配置される2つの紡績ユニット2は、開閉可能な1つのドラフトクレードル37を備える。供給部46は、ドラフトクレードル37の開閉軌跡と干渉しない位置に移動可能である。
これにより、ドラフトクレードル37と芯糸供給装置13の干渉を防止できる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態では、走行作業機として、玉揚作業を行う玉揚装置を備える玉揚台車3を例として説明したが、走行作業機は、玉揚装置に代えて又は加えて、可動部材としての糸捕捉装置及び糸継装置の少なくとも何れかを備える構成であってもよい。糸捕捉装置とは、上述した案内装置に相当する装置である。糸継装置は、上述した糸継装置17に相当する装置である。また、走行作業機が糸捕捉装置を備える場合、紡績ユニット2から案内装置を省略できる。走行作業機が糸継装置を備える場合、紡績ユニット2から糸継装置17を省略できる。この種の可動部材を備える場合であっても、可動部材及び動作軌跡は、芯糸供給装置13とは干渉しないことが好ましい。
芯糸パッケージ25が図3に示す位置と図6に示す位置の間に配置されるように芯糸供給装置13が設けられていてもよい。また、例えば、第1変形例において、芯糸パッケージ保持部43は、芯糸パッケージ25の軸方向が床面に対して垂直ではなく、傾斜するように、芯糸パッケージ25を保持するように構成されていてもよい。
上記実施形態では、並んで配置される2つの紡績ユニット2のドラフト装置12のトップローラが、1つのドラフトクレードル37に取り付けられている。これに代えて、紡績ユニット2毎にドラフトクレードル37が設けられ、紡績ユニット2毎にトップローラが独立していてもよい。
紡績装置は、空気紡績装置14に限られない。従って、紡績機1は、他の種類の紡績装置を備える紡績機(例えばリング紡績機、オープンエンド精紡機)に変更することもできる。
紡績機1は、糸継装置17を備えず、パッケージ24の紡績糸23を空気紡績装置14内へ逆走させ、ドラフト装置12によるドラフト動作及び空気紡績装置14による紡績動作を再開させることによりパッケージ24の巻き取りを再開するように構成されていてもよい。即ち、紡績機1は分断されていた紡績糸23をピーシングにより連続状態としてもよい。
紡績ユニット2は、糸貯留装置16の代わりに、或いは糸貯留装置16に加えて、デリベリローラとニップローラを備え、当該ローラ対により空気紡績装置14から紡績糸23を引き出すように構成されていてもよい。
上記実施形態では、玉揚台車3は、満巻きのパッケージ24を巻取装置18から玉揚する作業と、空の巻取管24aを巻取装置18に供給する作業とを実施するように構成されている。走行作業機は、何れか1つの作業のみを行うように構成されていてもよい。
1 紡績機
2 紡績ユニット
3 玉揚台車(走行作業機)
12 ドラフト装置
13 芯糸供給装置
14 空気紡績装置(紡績装置)
18 巻取装置
42 支持部
43 芯糸パッケージ保持部
44 解舒支点部
45 保護部材
46 供給部

Claims (11)

  1. 紡績ユニットと、
    芯糸を案内するとともに当該芯糸を前記紡績ユニットに供給する芯糸供給装置と、
    前記紡績ユニットの上部又は上方を走行し、前記紡績ユニットに対して作業を行う走行作業機と、
    を備え、
    前記紡績ユニットは、
    フロントローラ対を含んで構成されており、スライバをドラフトして繊維束とするドラフト装置と、
    前記芯糸供給装置から供給された芯糸と前記繊維束から紡績糸を生成する紡績装置と、
    前記紡績装置よりも上方に配置されており、前記紡績糸を巻き取ってパッケージを形成する巻取装置と、
    を備え、
    前記芯糸供給装置は、前記フロントローラ対のうち高い位置に配置されるフロントトップローラの回転中心と同じ高さ又は低い位置で前記芯糸が前記繊維束に合流するように当該芯糸を案内することを特徴とする紡績機。
  2. 請求項1に記載の紡績機であって、
    前記フロントローラ対の軸方向で見たときにおいて、前記ドラフト装置によって搬送される前記繊維束の走行経路と、前記芯糸供給装置によって搬送される前記芯糸の走行経路と、がなす角度が20°以上80°以下であることを特徴とする紡績機。
  3. 請求項1又は2に記載の紡績機であって、
    前記芯糸供給装置は、
    芯糸パッケージを保持する芯糸パッケージ保持部と、
    前記芯糸パッケージから解舒された前記芯糸の解舒支点となる解舒支点部と、
    前記紡績ユニットから水平方向に離れた位置において、床に支持されるか天井に吊り下げられており、前記芯糸パッケージ保持部と前記解舒支点部とを支持する支持部と、
    を備えることを特徴とする紡績機。
  4. 請求項3に記載の紡績機であって、
    前記芯糸パッケージ保持部から前記紡績ユニットまでの芯糸の走行経路の少なくとも一部において、当該芯糸の径方向の外側の少なくとも一部を覆う保護部材を備えることを特徴とする紡績機。
  5. 請求項4に記載の紡績機であって、
    前記保護部材は、前記走行作業機の下端よりも下方に配置されていることを特徴とする紡績機。
  6. 請求項5に記載の紡績機であって、
    前記保護部材は、前記芯糸パッケージ保持部に近い側が高く、前記紡績ユニットに近い側が低くなるように傾斜して配置されていることを特徴とする紡績機。
  7. 請求項1又は2に記載の紡績機であって、
    前記芯糸供給装置は、
    芯糸パッケージの解舒側が上方を向くように、かつ、当該芯糸パッケージの解舒側の端部が前記フロントトップローラの回転中心よりも低い位置となるように当該芯糸パッケージを保持する芯糸パッケージ保持部と、
    前記芯糸パッケージから解舒された前記芯糸の解舒支点となる解舒支点部と、
    前記芯糸パッケージ保持部及び前記解舒支点部を支持する支持部と、
    を備えることを特徴とする紡績機。
  8. 請求項7に記載の紡績機であって、
    前記支持部は、前記紡績ユニットに取り付けられていることを特徴とする紡績機。
  9. 請求項7又は8に記載の紡績機であって、
    前記芯糸パッケージ保持部は、前記芯糸パッケージの下端に接触する接触面を備えており、床から前記接触面までの高さが55cm以上85cm以下であることを特徴とする紡績機。
  10. 請求項1から9までの何れか一項に記載の紡績機であって、
    前記走行作業機は、前記巻取装置が形成した前記パッケージを玉揚げする玉揚装置、前記紡績ユニットの前記紡績糸を捕捉する糸捕捉装置、及び前記紡績ユニットの前記紡績糸同士を糸継ぎする糸継装置の少なくとも何れかを可動部材として備え、
    前記芯糸供給装置は、前記走行作業機の前記可動部材及び当該可動部材の動作軌跡と干渉しない位置に配置されていることを特徴とする紡績機。
  11. 請求項1から10までの何れか一項に記載の紡績機であって、
    前記紡績ユニットは並べて複数配置されており、
    前記芯糸供給装置は、前記芯糸を前記紡績ユニットに供給する供給部を備え、
    並べて配置される2つの前記紡績ユニットは、開閉可能な1つのドラフトクレードルを備え、
    前記供給部は、前記ドラフトクレードルの開閉軌跡と干渉しない位置に移動可能であることを特徴とする紡績機。
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