JP2021024122A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置のセットアップ時に供給経路内の空気を液体に置換するための液体の汲み上げおよび供給を円滑に行うことができ、且つ、配管の簡素化が可能なインクジェット記録装置を提供する。【解決手段】インクジェット記録装置は、記録ヘッドと、メインタンクと、液体供給機構と、制御部と、を備える。液体供給機構は、可撓性のサブタンクと、メインタンクとサブタンクとを接続する第1供給路と、サブタンクと記録ヘッドとを接続する第2供給路と、第2供給路を開閉するバルブと、バルブを迂回するように第2供給路に接続されるバイパス供給路と、バイパス供給路に配置されるシリンジポンプと、シリンジポンプの上流側および下流側にそれぞれ配置され、バイパス供給路内を液体が上流側に流れることを禁止する第1逆止弁および第2逆止弁と、を有する。【選択図】図5
Description
本発明は、用紙等の記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドに液体を供給する液体供給機構と、を備えたインクジェット記録装置に関するものである。
ファクシミリ、複写機、プリンターのような記録装置として、インクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置が、高精細な画像を形成できることから広く用いられている。
インクジェット記録装置としては、記録ヘッドと、記録ヘッドにインク(液体)を供給する供給ユニットと、供給ユニットから記録ヘッドに供給されるインクが通過する供給経路と、を備えたものが知られている。
特許文献1には、一部が可撓性フィルムで形成された密閉構造のサブタンクと、記録ヘッドに対してインクを分岐して供給する分岐部材との間にインクを加圧して分岐部材に送り込む供給ポンプが設けられ、分岐部材の気泡排出電磁弁を開いた状態で供給ポンプによってサブタンクから分岐部材にインクを送り込むことで分岐部材内の空気を気泡排出口から排出させる液体吐出記録方式の画像形成装置が開示されている。
特許文献2には、インクタンクおよび記録ヘッドと、第1および第2逆支弁が設けられた第1および第2供給チューブを介して接続され、シリンジ部とピストン部材とを有するシリンジポンプと、ピストン部材を可動させる可動装置と、を有し、可動装置によるピストン部材の可動によって、インクがインクタンクからシリンジ部の第1収容室に供給され、第1収容室から記録ヘッドへ排出される記録ヘッドの回復装置およびインクジェット記録装置が開示されている。
特許文献1では、サブタンクとヘッドの間にポンプを配置するため、パージ量の切り替えが難しくインクを無駄に消費すること、ポンプがチューブポンプであり、チューブを潰さない位相が存在するため、装置のセットアップ時に供給経路内の空気をインクに置換するためのインクの汲み上げができないこと、ポンプの流体抵抗が画像形成時のインク供給を阻害することなどの問題点があった。
また、特許文献2では、シリンジとバルブ、逆止弁を用いた構成を提案しているが、サブタンクおよび補給ポンプがないため、装置のセットアップ時に供給経路内の空気をインクに置換するためのインクの汲み上げおよび供給ができないなどの問題点があった。
本発明は、上記問題点に鑑み、装置のセットアップ時に供給経路内の空気を液体に置換するための液体の汲み上げおよび供給を円滑に行うことができ、且つ、配管の簡素化が可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の第1の構成は、記録ヘッドと、メインタンクと、液体供給機構と、制御部と、を備えたインクジェット記録装置である。記録ヘッドは、記録媒体上にインクを吐出する。メインタンクは、記録ヘッドに供給する液体を貯留する。液体供給機構は、メインタンクから記録ヘッドに液体を供給する。制御部は、液体供給機構を制御する。液体供給機構は、サブタンクと、第1供給路と、第2供給路と、バルブと、バイパス供給路と、シリンジポンプと、第1逆止弁および第2逆止弁と、を有する。サブタンクは、可撓性であって記録ヘッドとメインタンクの間に配置される。第1供給路は、メインタンクとサブタンクとを接続する。第2供給路は、サブタンクと記録ヘッドとを接続する。バルブは、第2供給路に配置され、第2供給路を開閉する。バイパス供給路は、バルブを迂回するように第2供給路に接続される。シリンジポンプは、バイパス供給路に配置される。第1逆止弁および第2逆止弁は、サブタンクから記録ヘッドへ向かう液体供給方向に対し、バイパス供給路内のシリンジポンプの上流側および下流側にそれぞれ配置され、バイパス供給路内を液体が下流側に流れることを許容し、上流側に流れることを禁止する。
本発明の第1の構成によれば、インクジェット記録装置のセットアップ時に液体供給機構内の空気を液体に置換するための液体の汲み上げおよび供給を円滑に行うことができる。また、液体の供給経路を簡素化できるため流体抵抗が小さくなり、通常の印字時、パージ動作時、およびセットアップ動作時にメインタンクからサブタンクへ、サブタンクから記録ヘッドへの液体の供給を円滑に行うことができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置100の内部構造を示す側面断面図である。図1に示すように、インクジェット記録装置100では、装置本体1の内部下方に用紙収容部である給紙カセット2が配置されている。給紙カセット2の内部には、記録媒体の一例である用紙Pが収容されている。給紙カセット2の用紙搬送方向下流側、すなわち図1における給紙カセット2の右側の上方には給紙装置3が配置されている。この給紙装置3により、用紙Pは図1において給紙カセット2の右上方に向け、1枚ずつ分離されて送り出される。
また、インクジェット記録装置100は内部に第1用紙搬送路4aを備えている。第1用紙搬送路4aは、給紙カセット2に関して言えばその給紙方向である右上方に位置する。給紙カセット2から送り出された用紙Pは第1用紙搬送路4aにより装置本体1の側面に沿って上方に搬送される。
用紙搬送方向に対し第1用紙搬送路4aの下流端にはレジストローラー対13が設けられている。さらにレジストローラー対13の用紙搬送方向下流側には第1搬送ユニット5および記録部9が配置されている。給紙カセット2から送り出された用紙Pは第1用紙搬送路4aを通ってレジストローラー対13に到達する。レジストローラー対13は用紙Pの斜め送りを矯正しつつ記録部9が実行するインク吐出動作とのタイミングを計り、第1搬送ユニット5に向かって用紙Pを送り出す。
用紙搬送方向に対し第1搬送ユニット5の下流側(図1の左側)には第2搬送ユニット12が配置されている。記録部9においてインク画像が記録された用紙Pは第2搬送ユニット12へと送られ、第2搬送ユニット12を通過する間に用紙Pに吐出されたインクが乾燥される。
用紙搬送方向に対し第2搬送ユニット12の下流側であって装置本体1の左側面近傍にはデカーラー部14が設けられている。第2搬送ユニット12においてインクが乾燥された用紙Pはデカーラー部14へと送られ、用紙Pに生じたカールが矯正される。
用紙搬送方向に対しデカーラー部14の下流側(図1の上方)には第2用紙搬送路4bが設けられている。デカーラー部14を通過した用紙Pは両面記録を行わない場合、第2用紙搬送路4bからインクジェット記録装置100の左側面外部に設けられた用紙排出トレイ15に排出される。
装置本体1の上部であって記録部9および第2搬送ユニット12の上方には両面記録を行うための反転搬送路16が備えられている。両面記録を行う場合には第一面への記録が終了して第2搬送ユニット12およびデカーラー部14を通過した用紙Pが第2用紙搬送路4bを通って反転搬送路16へと送られる。反転搬送路16へ送られた用紙Pは、続いて第二面の記録のために搬送方向が切り替えられ、装置本体1の上部を通過して右側に向かって送られ、第1用紙搬送路4a、およびレジストローラー対13を経て第二面を上向きにした状態で再度第1搬送ユニット5へと送られる。
また、第2搬送ユニット12の下方にはワイプユニット19およびキャップユニット90が配置されている。ワイプユニット19は、後述するパージを実行する際に記録部9の下方に水平移動し、記録ヘッド17のインク吐出口18a(いずれも図2参照)から押出されたインクを拭き取り、拭き取られたインクを回収する。キャップユニット90は、記録ヘッド17のインク吐出面F1(図3参照)をキャッピングする際に記録部9の下方に水平移動し、さらに上方に移動して記録ヘッド17の下面に装着される。
図2は、図1に示すインクジェット記録装置100の第1搬送ユニット5および記録部9を上方から見た平面図である。図2に示すように、記録部9は、ヘッドハウジング10と、ヘッドハウジング10に保持されたラインヘッド11C、11M、11Y、および11Kとを備えている。これらのラインヘッド11C〜11Kは、第1搬送ユニット5の第1搬送ベルト8の搬送面に対して所定の間隔(例えば1mm)が形成されるような高さに支持され、用紙搬送方向(矢印X方向)と直交する用紙幅方向(図2の上下方向)に沿って延びる1個以上(ここでは1個)の記録ヘッド17によって構成されている。
図3は、記録部9のラインヘッド11C〜11Kを構成する記録ヘッド17の側面図である。図4は、記録ヘッド17をインク吐出面F1側から見た平面図である。図3および図4に示すように、記録ヘッド17のヘッド部18のインク吐出面F1には、インク吐出口18a(図2参照)が多数配列されたインク吐出領域R1が設けられている。
各ラインヘッド11C〜11Kを構成する記録ヘッド17には、4色(シアン、マゼンタ、イエローおよびブラック)のインクがインクタンク21からインク供給機構30(いずれも図5参照)を経由してラインヘッド11C〜11Kの色毎に供給される。
各記録ヘッド17は、制御部110(図1参照)からの制御信号により外部コンピューターから受信した画像データに応じて、第1搬送ベルト8の搬送面に吸着保持されて搬送される用紙Pに向かってインク吐出口18aからインクを吐出する。これにより、第1搬送ベルト8上の用紙Pにはシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色のインクが重ね合わされたカラー画像が形成される。
また、記録ヘッド17には、クリーニング液を供給するクリーニング液供給部材20が設けられている。クリーニング液供給部材20は、ヘッド部18に対してワイパー25のワイピング方向上流側(図3の右側)に隣接して配置されている。クリーニング液供給部材20は、クリーニング液を供給するクリーニング液供給口が多数配列されたクリーニング液供給領域R2を含むクリーニング液供給面F2を有する。
図5は、インクタンク31から記録ヘッド17までのインク供給機構30を示す模式図である。図5に示すように、インク供給機構30は、各記録ヘッド17に供給する各色のインク22を収容するインクタンク21と、インクタンク21と記録ヘッド17との間に設けられるサブタンク23と、インクタンク21とサブタンク23を接続する第1供給路31と、サブタンク23と記録ヘッド17とを連結する第2供給路32と、バイパス供給路33とを備える。インク供給機構30は、各記録ヘッド17に対応して複数設けられているが、以下の図では簡略化のため、1つの記録ヘッド17のインク供給機構30について記載している。
サブタンク23は、インクタンク21と記録ヘッド17との間であって、記録ヘッド17よりも低い位置に設けられる。サブタンク23は、アルミニウムシート等で形成された可撓性の容器であり、内部には脱気されたインク22が充填されている。サブタンク23から記録ヘッド17へインク22を供給すると、サブタンク23内のインク22が排出されるにつれ、サブタンク23の外観形状が膨らんだ状態から次第につぶれて偏平な状態へと変化する。
第1供給路31には、補給ポンプ37と脱気装置39が設けられている。補給ポンプ37は、インクタンク21からインク22を汲み上げてサブタンク23に供給する。補給ポンプ37としては、例えば、チューブポンプ、ダイアフラムポンプ等を用いることができる。脱気装置39は、インク22中の気泡を分離する装置であり、例えば、樹脂膜チューブの外側を減圧状態に保ち、膜の透過性を利用して分子サイズの空気をインク22から排出する。
第2供給路32は、記録ヘッド17よりも高い位置に設けられている。第2供給路32には、第2供給路32を開閉する電磁バルブ40が設けられている。電磁バルブ40の開閉動作は制御部110(図1参照)によって行われる。
バイパス供給路33は、電磁バルブ40を迂回するように第2供給路32に接続されている。バイパス供給路33には、シリンジポンプ41と、第1逆止弁43a、第2逆止弁43bとが設けられている。シリンジポンプ41は、サブタンク23からインク22を汲み上げて記録ヘッド17に供給する。シリンジポンプ41にはシリンジ駆動モーター42が連結されている。シリンジ駆動モーター42は、制御部110からの制御信号に基づいて、シリンジポンプ41のピストン(図示せず)を駆動することにより、シリンジポンプ41内へのインク22の引き込み、およびシリンジポンプ41からのインク22の押し出しを行う。
第1逆止弁43a、第2逆止弁43bは、それぞれサブタンク23から記録ヘッド17へ向かうインク供給方向に対しシリンジポンプ41の上流側(サブタンク23側)および下流側(記録ヘッド17側)に配置される。第1逆止弁43a、第2逆止弁43bは、バイパス供給路33内をインク22が下流側に流れることを許容し、上流側に流れることを禁止する。
サブタンク23の近傍には検知スイッチ45が設けられている。検知スイッチ45によってサブタンク23内のインク22の減少が検知されると、検知スイッチ45から制御部110(図1参照)に検知信号が送信される。制御部110は、補給ポンプ37に制御信号を送信してインクタンク21からサブタンク23に所定量のインク22を補給する。
次に、本実施形態のインクジェット記録装置100の印字動作中におけるインク供給制御について説明する。図6は、図5の状態における第1供給路31、第2供給路32内のインク圧を示すグラフである。図5は、サブタンク23がインク22で満たされた状態であるため補給ポンプ37は停止しているが、補給ポンプ37からサブタンク23までの第1供給路31内には大気圧P0よりも高い所定のインク圧が加わっている。一方、サブタンク23から記録ヘッド17までの第2供給路32内のインク圧は、サブタンク23との水頭圧(負圧)によって大気圧P0よりも低い所定のインク圧となっており、記録ヘッド17のインク吐出口18aは、第2供給路32との水頭圧(正圧)によって所定のメニスカス圧となっている。
図7は、インクタンク31から記録ヘッド17までのインク供給機構30を示す模式図であって、印字動作によってサブタンク23内のインク22が減少した状態を示す図である。図5の状態から印字動作によってサブタンク23内のインク22が消費され、サブタンク23内のインク圧(液量)が低下すると、サブタンク23の外観形状が膨らんだ状態から偏平な状態へ変化する。
図8は、図7の状態における第1供給路31、第2供給路32内のインク圧を示すグラフである。サブタンク23内のインク圧(液量)の低下に伴い、第1供給路31、第2供給路32内のインク圧も図6に比べて低下する。そして、インク吐出口18aのメニスカス圧が閾値P1まで低下すると、サブタンク23の外観形状の変化により検知スイッチ45がオンとなる。
これにより、制御部110から補給ポンプ37に制御信号が送信され、補給ポンプ37が駆動を開始してサブタンク23にインク22が補給される。その後、サブタンク23内のインク圧(液量)が所定値まで上昇すると、検知スイッチ45がオフとなって補給ポンプ37が停止し、図5の状態に戻る。
インクジェット記録装置100では、記録ヘッド17のインク吐出面F1を清浄にするために、長期間停止後の印字開始時および印字動作の合間に、ヘッド部18のインク吐出口18aから粘度の高くなったインク22を押し出すパージ動作を実行する。次に、パージ動作中におけるインク供給制御について説明する。
図9は、インクタンク31から記録ヘッド17までのインク供給機構30を示す模式図であって、シリンジポンプ41にインク22を充填する状態を示す図である。パージ動作を行う場合、先ずシリンジポンプ41によりインク22を吸引してシリンジポンプ41内にインク22を充填する。
このとき、電磁バルブ40は閉じた状態であり、第2逆止弁43bによって記録ヘッド17内のインク22の引き込みが防止される。そのため、サブタンク23内のインク22がシリンジポンプ41内に引き込まれる。また、サブタンク23内のインク圧(液量)が低下するため、制御部110から補給ポンプ37に制御信号が送信され、補給ポンプ37が駆動を開始してサブタンク23にインク22が補給される。
図10は、図9の状態における第1供給路31、第2供給路32内のインク圧を示すグラフである。シリンジポンプ41によるサブタンク23内のインク22の引き込みに伴い、第2供給路32内のサブタンク23からシリンジポンプ41までのインク圧が図6に比べて低下する。一方、電磁バルブ40および第2逆止弁43bによってシリンジポンプ41から記録ヘッド17までのインク圧は一定に維持されるため、記録ヘッド17のインク吐出口18aは所定のメニスカス圧となっている。
図11は、インクタンク31から記録ヘッド17までのインク供給機構30を示す模式図であって、シリンジポンプ41からインク22を押し出す状態を示す図である。図12は、図11の状態における第1供給路31、第2供給路32内のインク圧を示すグラフである。図9の状態から、サブタンク23内のインク圧(液量)が所定値まで上昇すると、検知スイッチ45がオフとなって補給ポンプ37が停止する。
次に、シリンジポンプ41内のインク22を押し出すことにより、記録ヘッド17にインク22が高圧で供給され、記録ヘッド17のインク吐出口18aから粘度の高くなったインク22がパージされる。シリンジ駆動モーター42として、パルス制御により回転角(回転量)、回転速度を精度よく制御可能なステッピングモーターを用いることにより、インク22の流量、流速(インク圧)を厳密に管理してパージ動作を行うことができる。
図13に示すようにシリンジポンプ41からのインク22の押し出しを終了すると、図14に示すように記録ヘッド17のインク吐出口18aのメニスカス圧は大気圧P0まで自然に下降する。その後、図15に示すように、電磁バルブ40を開くことで、図16に示すように電磁バルブ40の上流側(サブタンク23と電磁バルブ40の間)の負圧に引かれて記録ヘッド17のインク吐出口18aは所定のメニスカス圧(負圧)となり、図5に示した印字可能状態となる。
なお、電磁バルブ40の上流側の負圧が十分でない場合は、補給ポンプ37をサブタンク23内のインク22を引き込む方向に駆動させることで記録ヘッド17のインク吐出口18aを所定のメニスカス圧(負圧)とする。
次に、インクジェット記録装置100の使用開始時にインク供給機構30内の空気をインク22に置換するセットアップ動作について説明する。図17は、インクタンク31から記録ヘッド17までのインク供給機構30を示す模式図であって、セットアップ動作時に補給ポンプ37を駆動する状態を示す図である。図18は、図17の状態における第1供給路31、第2供給路32内のインク圧を示すグラフである。
インクジェット記録装置100の使用開始時に補給ポンプ37を駆動し続けると、図17に示すようにインク供給機構30の配管内の空気がインク22で押し出され、インク供給機構30内がインク22で満たされていく。このとき、記録ヘッド17のインク吐出口18aからインク22と共に空気を排出すると、記録ヘッド17内の空気を完全に排出するのに多量のインク22を流す必要がある。そのため、記録ヘッド17内に空気が残存し易くなり、残存した空気によって印字動作時にインク22の不吐出を誘発するおそれがある。
そこで、インク吐出口18aとは別に記録ヘッド17に連結された排出ライン34からインク22と共に空気を排出することが好ましい。排出ライン34からインク22を排出することで、インク吐出口18aから排出する場合に比べてインク22の使用量を削減することができる。さらに、この状態でシリンジポンプ41を駆動させることで、シリンジポンプ41内の空気の排出も同時に行うことができる。
また、図17の状態ではインク供給機構30内に流体抵抗が存在しないため、図18に示すように、補給ポンプ37よりも下流側の第1供給路31、第2供給路32内のインク圧は一定(=大気圧P0)となる。
図19に示すようにサブタンク32がインク22で満たされると、検知スイッチ45がオフとなって補給ポンプ37の駆動が停止し、セットアップ動作が完了する。この状態では、図20に示すように、補給ポンプ37からサブタンク23までのインク圧は大気圧P0よりも上昇しており、サブタンク23からシリンジポンプ41までのインク圧はサブタンク23と第2供給路32(シリンジポンプ41)との水頭圧(負圧)によって大気圧P0よりも低下している。
その後、図9、図11および図13に示したパージ動作を行うことで、記録ヘッド17内に充填されている保存液を押し出す。パージ動作の実行後、図16に示したように、記録ヘッド17のインク吐出口18aは所定のメニスカス圧(負圧)となり、図5に示した印字可能状態に移行することができる。
本実施形態では、サブタンク23と記録ヘッド17とを連結する第2供給路32に電磁バルブ40を配置するとともに、電磁バルブ40を迂回するように配管されたバイパス供給路33にシリンジポンプ41と第1逆止弁43a、第2逆止弁43bを配置している。この構成により、インクジェット記録装置100のセットアップ時にインク供給機構30内の空気をインク22に置換するためのインク22の汲み上げおよび供給を円滑に行うことができる。また、インク供給機構30の供給経路を簡素化することができ、流体抵抗が小さくなるため、通常の印字動作中、パージ動作時、セットアップ動作時におけるインクタンク21からサブタンク23へ、サブタンク23から記録ヘッド17へのインク22の供給を円滑に行うことができる。
また、シリンジポンプ41の駆動中は電磁バルブ40を閉じておくことで、パージ動作時にシリンジポンプ41によるインク22の汲み上げを行う際に、記録ヘッド17からのインク22の引き込みを防止することができる。
また、シリンジポンプ41によるインク22の押し出し後に電磁バルブ40を開放することで、電磁バルブ40の上流側の負圧によって記録ヘッド17の背圧が負圧になり、記録ヘッド17のインク吐出口18aは所定のメニスカス圧(負圧)となる。そのため、パージ動作終了後に電磁バルブ40を開放するだけで印字可能状態に容易に移行することができる。
また、シリンジポンプ41を駆動するシリンジ駆動モーター42としてステッピングモーターを用いることにより、インク供給機構30内のインク流量とインク圧の管理を確実に行うことができる。
なお、インクタンク21をサブタンク23よりも高い位置に配置すれば、水頭圧によってインクタンク21からサブタンク23にインク22を供給することができる。しかし、重量の大きいインクタンプ21を高い位置に配置する必要があり、ユーザーの作業負担が増大する。本実施形態のようにインクタンク21とサブタンク23との間に補給ポンプ37を配置することにより、重量の大きいインクタンプ21を高い位置に配置する必要がなくなり、ユーザーの作業負担を軽減するとともにインク供給機構30のレイアウトの自由度を高めることができる。
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では第1供給路31の補給ポンプ37とサブタンク23の間に脱気装置39を配置しているが、脱気装置39を設けない構成も可能である。
また、上記実施形態では、記録ヘッド17に供給される液体の一例としてインク22を用いた例について示したが、本発明はこれに限らない。記録ヘッド17に供給される液体はクリーニング液であってもよい。
本発明は、用紙等の記録媒体にインクを吐出する記録ヘッドと、記録ヘッドに液体を供給する液体供給機構と、を備えたインクジェット記録装置に利用可能である。本発明の利用により、装置のセットアップ時に供給経路内の空気を液体に置換するための液体の汲み上げおよび供給を円滑に行うことができ、且つ、配管の簡素化が可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
17 記録ヘッド
21 インクタンク(メインタンク)
22 インク(液体)
23 サブタンク
30 インク供給機構(液体供給機構)
31 第1供給路
32 第2供給路
33 バイパス供給路
34 排出ライン
37 補給ポンプ
40 電磁バルブ
41 シリンジポンプ
42 シリンジ駆動モーター
43a 第1逆止弁
43b 第2逆止弁
45 検知スイッチ
100 インクジェット記録装置
110 制御部
P 用紙(記録媒体)
21 インクタンク(メインタンク)
22 インク(液体)
23 サブタンク
30 インク供給機構(液体供給機構)
31 第1供給路
32 第2供給路
33 バイパス供給路
34 排出ライン
37 補給ポンプ
40 電磁バルブ
41 シリンジポンプ
42 シリンジ駆動モーター
43a 第1逆止弁
43b 第2逆止弁
45 検知スイッチ
100 インクジェット記録装置
110 制御部
P 用紙(記録媒体)
Claims (7)
- 記録媒体上にインクを吐出する記録ヘッドと、
前記記録ヘッドに供給する液体を貯留するメインタンクと、
前記メインタンクから前記記録ヘッドに前記液体を供給する液体供給機構と、
前記液体供給機構を制御する制御部と、
を備えたインクジェット記録装置において、
前記液体供給機構は、
前記記録ヘッドと前記メインタンクの間に配置される可撓性のサブタンクと、
前記メインタンクと前記サブタンクとを接続する第1供給路と、
前記サブタンクと前記記録ヘッドとを接続する第2供給路と、
前記第2供給路に配置され、前記第2供給路を開閉するバルブと、
前記バルブを迂回するように前記第2供給路に接続されるバイパス供給路と、
前記バイパス供給路に配置されるシリンジポンプと、
前記サブタンクから前記記録ヘッドへ向かう液体供給方向に対し、前記バイパス供給路内の前記シリンジポンプの上流側および下流側にそれぞれ配置され、前記バイパス供給路内を前記液体が前記下流側に流れることを許容し、前記上流側に流れることを禁止する第1逆止弁および第2逆止弁と、
を有することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 前記メインタンクと前記サブタンクの間の前記第1供給路に補給ポンプが設けられることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御部は、前記バルブを閉じた状態で前記シリンジポンプを駆動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット記録装置。
- 前記制御部は、前記シリンジポンプにより前記記録ヘッド側に前記液体を押し出した後、前記バルブを開くことにより前記記録ヘッドの背圧を負圧とすることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
- 前記シリンジポンプを駆動するシリンジ駆動モーターがステッピングモーターであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記記録ヘッドは、前記記録媒体上に前記インクを吐出するインク吐出口とは別に、前記液体を排出する排出ラインを有することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記液体は、前記インクであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019141400A JP2021024122A (ja) | 2019-07-31 | 2019-07-31 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019141400A JP2021024122A (ja) | 2019-07-31 | 2019-07-31 | インクジェット記録装置 |
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JP2021024122A true JP2021024122A (ja) | 2021-02-22 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2021024122A (ja) |
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2019
- 2019-07-31 JP JP2019141400A patent/JP2021024122A/ja active Pending
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