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JP2021019822A - 調理器 - Google Patents

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JP2021019822A
JP2021019822A JP2019137976A JP2019137976A JP2021019822A JP 2021019822 A JP2021019822 A JP 2021019822A JP 2019137976 A JP2019137976 A JP 2019137976A JP 2019137976 A JP2019137976 A JP 2019137976A JP 2021019822 A JP2021019822 A JP 2021019822A
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川口 弘昭
Hiroaki Kawaguchi
弘昭 川口
斎藤 紀子
Noriko Saito
紀子 斎藤
智志 木村
Tomoshi Kimura
智志 木村
一也 三宅
Kazuya Miyake
一也 三宅
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Abstract

【課題】簡単な構造を付加するだけで、手や指などを直接触れることなく、調理に関する表示や操作を行なうことができ、使い勝手の悪さを解消した調理器を提供する。【解決手段】本発明の調理器は、ユーザUの動きを非接触で感知する近接スイッチによる感知手段13と、調理に関する表示及び操作のための表示操作ユニットと、感知手段13が動きを感知すると、感知手段13が動きを再び感知するまで、表示操作ユニットの表示部8を点灯表示させて、表示操作ユニットの操作部8からの操作を受け付け、感知手段13が動きを再び感知すると、表示操作ユニットの表示部8を消灯させて、表示操作ユニットの操作部9からの操作を受け付けないように切替える表示操作制御手段83と、を備える。【選択図】図4

Description

本発明は、調理に関する表示や操作を行なうために、表示操作ユニットを組み込んだ調理器に関する。
人が透明ディスプレイに表示された操作画面のボタンを指で触れると、透明ディスプレイの表示を操作画面からホーム画面に切替えることができる筐体が、特許文献1に開示されている。ここでは、透明ディスプレイの表面上で、人の指の位置を検知する入力検知手段が設けられ、透明ディスプレイと入力検知手段により、表示や操作を行なうための表示操作ユニットが構成される。
特許文献2には、液晶ディスプレイとタッチ式の操作キーによる表示操作ユニットを備え、扉が開かれたときに表示操作ユニットの電源をオンにして、液晶ディスプレイを表示させると共に、ユーザが操作キーに触れたときの誤動作や無反応をなくすために、扉が開いている間に操作キーを温めるヒータを組み込んだ加熱調理器が開示されている。
さらに本願出願人は、初期状態でホームキーをタッチ操作すると炊飯調理選択状態に移行して、操作部の中で操作をできるキーをLEDの点灯で一定時間明るく照明させ、記憶手段に記憶されたそれまでの設定状態(米の種類や炊き方)を表示させながら、照明したキーからの操作入力を受け付ける炊飯器を、特許文献3で既に出願している。
特許第6202698号公報 特開第6457294号公報 特開2015−104419号公報
上述した技術は、何れも人の手や指が筐体に触れることで、ディスプレイの表示を別な状態に切替えたり、キーの操作を受け付けたり、キーを照明するLEDを点灯させたりするものである。しかし、炊飯器や加熱調理器(オーブンレンジ)のような調理器の場合、下ごしらえなどで濡れたり汚れたりした手や指を、そのまま調理器に触りたくないという要望が多く、また手や指が濡れたり汚れたりしていなくても、調理器の表面にタッチをする毎に指紋が付いてしまう不満があった。
こうした点について特許文献1では、操作画面のボタンに触れることなく、マイクから集音した音声を解析し、その意味を判断して、透明ディスプレイの表示をホーム画面に切替える考えも示されている。しかし、そうした音声解析を実現させるには、人工知能(AI)を利用した高度な学習機能を必要とし、調理器にはコストなどの面で容易に搭載できない難しさがあった。
また引用文献3では、ホームキーをタッチ操作した後に、何も操作をせずにそのまま一定時間が経過すると、それまで点灯していたLEDが自動的に消灯して初期状態に戻ってしまう。そのためユーザは、一定時間が経過した後に、再び同じホームキーのタッチ操作を強いられる使い勝手の悪さがあった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、簡単な構造を付加するだけで、手や指などを直接触れることなく、調理に関する表示や操作を行なうことができ、使い勝手の悪さを解消した調理器を提供することを目的とする。
本発明の調理器は、生体の動きを非接触で感知する近接スイッチによる感知手段と、調理に関する表示及び操作のための表示操作ユニットと、前記感知手段が前記生体の動きを感知すると、前記感知手段が前記生体の動きを再び感知するまで、前記表示操作ユニットを点灯表示させて、当該表示操作ユニットからの操作を受け付け、前記感知手段が前記生体の動きを再び感知すると、前記表示操作ユニットを消灯させて、当該表示操作ユニットからの操作を受け付けないように切替える第1切替手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、近接スイッチによる感知手段を付加するだけの簡単な構造で、手や指などの動きを感知手段が感知すれば、調理器に触れることなく表示操作ユニットを点灯表示させると共に、そこからの操作を受け付けることで、調理に関する表示や操作を行なうことが可能になる。また表示操作ユニットは、次に感知手段が生体の動きを再び感知しない限り、点灯表示されたまま次の操作を受け付ける状態を継続するので、一定時間が経過した後に、再び同じ感知手段への操作を強いられる使い勝手の悪さを解消できる。
請求項2の発明によれば、表示操作ユニットの形態を切替える手や指などの動きに、感知手段のみならず操作部も一緒に反応して、意図しない操作信号が操作部から出力されるのを極力防ぐことが可能になる。
請求項3の発明によれば、表示シートと導光体との間にではなく、導光体の裏面に操作部を配設することで、操作部をわざわざ透明に形成する必要がなく、例えば基板にセンサを搭載した簡単な操作部の構成で、導光体の表面から表示シートに向けて光を直接照射することが可能となる。
請求項4の発明によれば、調理の設定および動作に関する操作を行なうための通信データを、通信手段を通して通信制御手段で受け付けるようにすることで、通信機器側の表示操作部を有効に利用して、通信機器の画面を見ながら調理の設定や動作の指示を行なうことが可能となる。
請求項5の発明によれば、収容部は例えばオーブンレンジの調理室に相当し、炊飯器の鍋に相当する。また、開閉体は例えばオーブンレンジの扉に相当し、炊飯器の蓋に相当する。何れの場合も、手や指などの動きを感知手段が感知すれば、調理器に触れることなく開閉体を開けたり閉めたりすることが可能になる。
本発明の第1実施形態における初期状態の蓋体を閉じた炊飯器の全体斜視図である。 同、蓋体を開けた炊飯器の全体斜視図である。 同、表示操作ユニットの全表示状態における正面図である。 同、炊飯器全体の電気的構成を示すブロック図である。 同、初期状態の表示操作ユニットとその周辺の斜視図である。 同、切状態の表示操作ユニットとその周辺の斜視図である。 同、炊飯開始時の表示操作ユニットとその周辺の斜視図である。 同、初期状態に戻した場合の表示操作ユニットとその周辺の斜視図である。 本発明の第2実施形態における初期状態の扉を閉じたオーブンレンジの正面図である。 同、切状態の扉を閉じたオーブンレンジの正面図である。 同、LCD表示部の横断面図である。 同、操作用表示部と操作部の横断面図である。 同、オーブンレンジ全体の電気的構成を示すブロック図である。 同、感知手段や録音再生ボードやバックライトユニットの接続関係を示す回路図である。 同、操作部の各キーやWiFiモジュールの接続関係を示す回路図である。 同、初期状態の表示操作ユニットとその周辺の斜視図である。 同、オーブンレンジへの操作に基づく切状態の表示操作ユニットとその周辺の斜視図である。 同、オーブンレンジへの操作に基づくオートメニュー選択状態の表示操作ユニットとその周辺の斜視図である。 同、スマートフォンへの操作に基づくオートメニュー選択状態の表示操作ユニットとその周辺の斜視図である。
以下、本発明における好ましい実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、これらの全図面にわたり、共通する部分には共通する符号を付すものとする。
図1〜図8は、本発明の調理器を炊飯器に適用した第1実施形態を示している。先ず、炊飯器100の全体構成を図1及び図2に基づいて説明すると、1は有底状の本体、2は本体1の上面開口を開閉自在に覆う蓋体で、これらの本体1と蓋体2とにより、炊飯器100の外郭が形成される。本体1は、鍋3を着脱可能に収容するために、上面を開口した鍋収容部4が形成され、蓋体2を開放したときに、鍋収容部4から鍋3を取り出せるようになっている。
内釜としての鍋3は、米や水などの被調理物を収容するためのもので、有底筒状に形成される釜本体5と、釜本体5の上端周囲から外方に延出する円環状のフランジ部6とにより構成される。フランジ部6は、鍋収容部4に鍋3を収容したときに本体1の上面に載置懸架され、鍋3と鍋収容部4との間に隙間を形成した状態で、鍋3が鍋収容部4に吊設される。
ここでは図示しないが、本体1の内部には、鍋3を電磁誘導加熱する鍋加熱手段としての加熱コイル73や制御手段71(図4を参照)が設けられる。そして、制御手段71からの制御信号に基づき、加熱コイル73に高周波電流を供給して、そこから交番磁界を発生させると、鍋3の外面に形成した発熱体が発熱し、鍋3ひいては鍋3内の被調理物が加熱される。また本体1の後部には、上方に突出したヒンジ部7が設けられ、ヒンジ部7に設けられたヒンジ軸(図示せず)を回転中心として、本体1に対して蓋体2が開閉する構成となっている。
蓋体2は、その上面に表示部8や操作部9を含む表示操作ユニット10と、蒸気口11がそれぞれ配設される。表示部8は調理に関する表示のために、複数個のLEDランプなどを組み合わせて構成され、操作部9は調理に関する操作のために、使用者が手動操作可能な複数個の操作キーにより構成される。蒸気口11は、鍋3内の被調理物の加熱に伴い発生する蒸気を、炊飯器100の外部に放出するためのもので、ここでは清掃性を考慮して蓋体2の上面から着脱可能に取付けられる。その他、蓋体2の前方上面には、本体1に対して蓋体2を開けるときに押動操作される蓋開ボタン12が露出状態で配設される。
本実施形態では上述した表示部8や操作部9とは別に、蓋体2の上面に感知手段13が配設される。感知手段13は、生体である人の指や手の動きを非接触で感知する静電容量式の近接スイッチを主な構成要素とし、表示操作ユニット10の裏面に配設された静電電極(図示せず)に導電体である人体が近付くと、その動きに応じて静電容量値が変化し、この変化量が設定された閾値を超えると、制御手段71に出力される検出信号のレベルが切替わる。ここで用いる近接スイッチは、元々の静電タッチスイッチを改造して、本来は表示操作ユニット10の表面に指を触れる程度にまで近付けなければ感知できなかったものを、表示操作ユニット10から離れた位置に手を近付けるだけで感知できるように、静電電極の面積を広げたものである。そのため、表示操作ユニット10の表面に指を触れることなく、感知手段13に指を近付けるたびに、近接スイッチからの検出信号のレベルが、H(高)またはL(低)に切替わるようになっている。また、蓋体2の内部に設けられた感知手段13がどこにあるのかをユーザに示すために、感知手段13の近傍に位置する蓋体2の上表面には、外光を受けて常時視認できる目印(アイコン)15が配設される。
蓋体2は、何れも樹脂製の上蓋ベース16と、下蓋ベース17と、上蓋パネル18とを組み合わせて構成される。上蓋ベース16および下蓋ベース17は、蓋体2の骨格部材として上下に取り付けられ、上蓋ベース16の上部には、蓋体2の上面外観部材となる略平面状の上蓋パネル18が配設される。下蓋ベース17の下面側は凹状に形成され、その略中央には金属製の放熱板19が設けられる。放熱板19には、蒸気口11の下部を露出させる蒸気通路20が開口形成される。
蓋体2の下側には、蓋体2に対して着脱可能な内蓋組立体21が配設される。炊飯器の内蓋体となる内蓋組立体21は、鍋3の上方開口部とほぼ同径の円盤状を有する金属材料からなる内蓋22と、鍋3と内蓋22との間をシールするために、当該内蓋22の外周に設けられる弾性部材としての蓋パッキン23と、蓋パッキン23を内蓋22の外側全周に装着するための内蓋リング24と、を備えている。環状に形成された蓋パッキン23は、蓋体2を閉じた時に、鍋3のフランジ部6上面に当接して、鍋3と内蓋組立体21との間の隙間を塞ぎ、鍋3から発生する蒸気を密閉する。
内蓋22には、放熱板19に設けられた吸気口25に対向して、吸気孔26が開口形成されると共に、調圧ボール(弁)や安全弁や逆止弁を組み込んだ圧力調整ユニット27が装着される。これにより、内蓋組立体21を蓋体2に取り付けた状態で、蓋体2を閉じた時に、吸気孔26を通して吸気口25から鍋3の内部の空気を吸い込む吸気用の経路(図示せず)が、減圧手段28の一部として蓋体2の内部に形成され、また圧力調整ユニット27を通して鍋3の内部と放熱板19から露出する蒸気口11との間が連通することで、鍋3内で発生した蒸気を蒸気口11から外部へ放出する蒸気排出機構が形成される。
蓋体2には、本体1に対して蓋体2を係合または離脱させるための金属製のクランプ部31が、蓋開ボタン12に連動して設けられる。本体1の前部には、クランプ部31に対応して樹脂製のクランプ受け部32が設けられ、本体1に対して蓋体2を閉じたときには、図示しない弾性体の付勢力によりクランプ部31がクランプ受け部32に係合し、そこから弾性体の付勢力に抗して蓋開ボタン12を押動操作すると、クランプ部31がクランプ受け部32から離れて、蓋体2が自動的に開く構成となっている。
33は、放熱板19より突出して下蓋ベース17に弾発的に取付けた蓋温度センサである。この蓋温度センサ33は、内蓋組立体21を蓋体2に取り付けたときに、内蓋22の上面に当接して、当該内蓋22の温度を検知するものである。また、本体1には鍋3に当接して、その温度を検知する別な鍋温度センサ34が設けられる。こうした蓋温度検出手段に相当する蓋温度センサ33や、鍋温度検出手段に相当する鍋温度センサ34からの検知出力に基づき、鍋3への加熱量を制御手段71で制御する構成となっている。
35は、炊飯器100への給電用の電源プラグ付きコードである。この電源プラグ付きコード35は本体1に巻取り可能に設けられ、本体1から電源プラグ付きコード35を引き出して、家庭用のコンセント(図示せず)に差し込み、炊飯器100の各部に所定の動作電圧が供給されると、そのまま一定時間が経過した後に表示部8の全てが消灯し、操作部9の全てからの操作を受け付けない初期状態に移行する。
図3は、全表示状態の表示操作ユニット10を示したものである。同図において、表示部8は、表示操作ユニット10の略中央部分に配置されるLED表示部41と、このLED表示部41の周辺に配置される表示ランプ42,43,44と、平面視で操作部9と同じ位置に配置される操作用表示部45と、により構成される。この中で、LED表示部41と表示ランプ42,43,44は、その上に手をかざしたり、指をタッチしたりしても反応せず、平面視で同じ位置に操作部9を設けない構成となっているが、操作用表示部45は、その上に手をかざしたり、指を近づけると、同じ位置に設けられた操作部9が反応して、そこから操作信号が送出される構成となっている。
LED表示部41は、現在時刻や、予約時刻や、炊飯完了までの時間などを表示する時間/時刻表示部41aと、設定された調理の種類や、内鍋に入れられるお米の種類や、炊き方を表示する設定表示部41bと、により構成される。また、表示ランプ42,43,44は、実際の炊飯器の状態を表示するもので、本実施例では、消費電力を抑制したecoモードの炊き方で炊飯が行われている時に、表示ランプ42の「ecoモード」が点灯し、保温状態になると表示ランプ42の「保温中」が点灯し、予約設定がされていている時に、表示ランプ43の「予約中」が点灯し、炊飯をしている時に、表示ランプ43の「炊飯中」が点灯し、前述した吸気用の経路を含む減圧手段28により鍋3の内部が真空(減圧)状態になると、表示ランプ43の「真空」が点灯し、炊飯中に内鍋の内部に圧力がかかり始めてから、被炊飯物が炊き上がるまでの間に、表示ランプ43の「圧力」が点灯し、意図的に操作部9からの操作を受け付けないようにキーロックが設定されている時に、表示ランプ43の鍵の記号が点灯し、炊飯を含む調理開始から一定時間後に、後述する切キー53が自動的にロックされ、切キー53への操作を長押ししないと受け付けない時に、表示ランプ44の「切3秒押し」が点灯するようになっている。なお、LED表示部41や表示ランプ42,43,44の表示形態は、炊飯器100の仕様に併せて適宜変更して構わない。また、LED表示部41や表示ランプ42,43,44の一部または全てを、LCD(液晶表示器)で構成してもよい。
操作部9は、表示操作ユニット10の下側部分に並んで配置されるホームキー51と、炊飯キー52と、切キー53と、予約キー54と、進むキー55と、戻るキー56の他に、保温再加熱キー57と、調理キー58と、お米キー59と、炊き方キー60がそれぞれ並んで配置される。これらのキー51〜60は、何れも感知手段13と同じく静電容量式の近接スイッチで構成され、それぞれのキー51〜60に対応して、表示操作ユニット10の裏面に配設された静電電極(図示せず)に導電体である人体が近付くと、その動きに応じて静電容量値が変化し、この変化量が設定された閾値を超えると、制御手段71に出力される操作信号のレベルが切替わる。各キー51〜60の近接スイッチは、元々の静電タッチスイッチを改造して、静電電極の面積を広げたものであり、表示操作ユニット10の表面に指を触れることなく、キー51〜60の何れかに指を近付けるたびに、そのキー51〜60に対応する近接スイッチからの操作信号のレベルが、H(高)またはL(低)に切替わるようになっている。
操作用表示部45は、それぞれのキー51〜60に対応して、表示操作ユニット10の裏面に配設した光源となるLED(図示せず)と、LEDからの光を受けて、文字や数字や記号などの表示体を、表示操作ユニット10の表面部材となる上蓋パネル18を通して、個々に視認できるようにするシート体(図示せず)と、を組み合わせて構成され、制御手段71からの表示制御信号を受けて、表示操作ユニット10の表面に向けて所望の輝度で、キー51〜60に対応したLEDを点灯するようになっている。なお、キー51〜60の構成は、炊飯器100の仕様に併せて適宜変更して構わない。
同様に、前述のLED表示部41や表示ランプ42,43,44も、光源となるLEDと、その光源からの光を受けて表示体を視認できるようにするシート体と、の組み合わせで構成され、制御手段71からの表示制御信号を受けて、表示操作ユニット10の表面に向けて所望の輝度で、視認させるべき表示体に対応したLEDを点灯するようになっている。
ホームキー51は、主にキーロックの設定と設定解除を行なうのに操作されるもので、制御手段71が他のキー52〜60の操作信号を受け付けるキーロック解除の状態で、ホームキー51に指を一定時間近付けたままにすると、制御手段71が他のキー52〜60の操作信号を受け付けないようにするキーロックの状態に切り替わり、子供のいたずら防止や上蓋パネル18の清掃時などに、操作部9に手を近付けても反応しないように設定できる。一方、キーロックの状態でホームキー51に指を一定時間近付けたままにすると、キーロック解除の状態に切り替わり、操作部9に手を近付けると反応するように設定できる。
炊飯キー52は、炊飯を開始する際に操作されるもので、炊飯キー52に対応した操作用表示部45のLEDが点灯した状態で、その炊飯キー52に指を近付けると、制御手段71が炊飯キー52からの操作信号を受け付けて、本体1内の被調理物に対する炊飯を開始する構成となっている。
切キー53は、炊飯や保温をやめる際に操作されるもので、切キー53に対応した操作用表示部45のLEDが点灯した状態で、その切キー53に指を近付けると、制御手段71が切キー53からの操作信号を受け付けて、鍋3内の被調理物に対する加熱を中止して切状態にする。また、不意に切状態となる誤動作を防ぐために、炊飯を含む調理開始の所定時間(例えば10秒)後に、切キー53が自動的にロックされる。
予約キー54は、予約炊飯を行なう際に操作されるもので、予約キー54が点灯した状態で、その予約キー54に指を近付けて、表示部8で予約時刻や炊飯コースを確認した後に、炊飯キー52に指を近付けると、制御手段71が予め設定した予約時刻に鍋3内の被調理物を調理して、ご飯に炊き上げる構成となっている。
進むキー55や戻るキー56は、予約時刻や現在時刻を調整するのに操作されるもので、例えば現在時刻を調整するには、切状態でホームキー51に指を近付けた後、進むキー55または戻るキー56に指を所定の例えば1秒以上近付けると、制御手段71は時間/時刻表示部41aに表示される現在時刻を点灯状態から点滅状態に切り替える。ここで進むキー55に指を近付けると、現在時刻が1分進み、戻るキー56に指を近付けると、現在時刻が1分戻る。また、進むキー55や戻るキー56に指を近付けたままでいると、現在時刻を10分単位で調整することができる。最後に切キー53に指を近付けることで、時間/時刻表示部41aにおける現在時刻の点滅が止まり、現在時刻の調整が終了する。また、予約時刻を調整するには、予約キー54に対応した操作用表示部45のLEDが点灯した状態で、その予約キー54に指を近付け、時間/時刻表示部41aに設定された予約時刻を点滅状態で表示させた後、進むキー55に指を近付けると、時間/時刻表示部41aに表示される設定された予約時刻を10分単位で進めることができ、代わりに戻るキー56に指を近付けると、時間/時刻表示部41aに表示される設定された予約時刻を10分単位で戻すことができる。
保温キー57は、保温を行なう際に操作されるもので、保温キー57に対応した操作用表示部45のLEDが点灯した状態で、その保温キー57に指を近付けると、制御手段71が保温キー57からの操作信号を受け付けて、鍋3内の被調理物に対する保温再加熱を開始する構成となっている。
その他、調理キー58と、お米キー59と、炊き方キー60は、調理コースや、お米の種類や、炊き方をそれぞれ設定するのに操作されるもので、調理キー58に対応した操作用表示部45のLEDが点灯した状態で、その調理キー58に指を近付けるたびに、制御手段71が調理キー58からの操作信号を受け付けて、お米の調理コース以外の複数の調理コースの中から、特定の調理コースで鍋3内の被調理物を調理できるように設定し、お米キー59に対応した操作用表示部45のLEDが点灯した状態で、そのお米キー59に指を近付けると、制御手段71がお米キー59からの操作信号を受け付けて、お米の調理コースについて、複数のお米の種類の中から、特定のお米で鍋3内の被調理物を炊飯できるように設定し、炊き方キー60に対応した操作用表示部45のLEDが点灯した状態で、その炊き方キー60に指を近付けると、制御手段71が炊き方キー60からの操作信号を受け付けて、お米の調理コースについて、複数の炊き方の種類の中から、特定の炊き方で鍋3内の被調理物を炊飯できるように設定する構成となっている。
なお、操作部9の各キー51〜60の中でホームキー51だけは、その位置がどこにあるのかを示すために、外光を受けて常時視認できるリング形の目印61を、ホームキー51の近接スイッチを取り囲むように、蓋体2の上表面に配設する。ホームキー51の目印61は、感知手段13の目印15と同様に、炊飯器100への給電が行われていない状態でも、炊飯器100の周辺が明るければ共に視認できる。
図1で示したように、表示操作ユニット10の操作部9はダイヤルや押しボタンを無くし、感知手段13の配設箇所を含めて、上蓋パネル18の表面全体を凹凸のない平坦状に形成する。表示操作ユニット10の近傍に設けられた感知手段13は、操作部9の各キー51〜60を操作する前に操作されるもので、前述の初期状態で感知手段13に手をかざすように近付けると、制御手段71は感知手段13からの検出信号に基づき、操作部9の各キー51〜60の中で、操作をできるキーに対応した操作用表示部45のLEDを明るく点灯させ、当該キーからの操作信号を受け付ける切状態に切り替える。切状態では、操作用表示部45の他に、現在時刻が時間/時刻表示部41aで表示され、設定されている調理の種類や炊き方が設定表示部41bに表示されるが、再び感知手段13に手を近付けない限り、初期状態に戻ることはなく切状態が継続する。切状態で感知手段13に手を近付けると、制御手段71は感知手段13からの検出信号に基づき、表示部8の全てのLEDを消灯させ、操作部9からの全ての操作を受け付けないようにする初期状態に切り替える。
感知手段13を構成する近接スイッチの感度は、各キー51〜60を構成する個々の近接スイッチの感度よりも高くなるように設定する。これは例えば、感知手段13に含まれる近接スイッチの電極面積を、各キー51〜60に含まれる近接スイッチの電極面積よりも大きく形成したり、感知手段13からの検出信号のレベルが切り替わる近接スイッチの閾値を、各キー51〜60からの操作信号のレベルが切り替わる近接スイッチの閾値よりも低く設定したりすることで実現できる。
また、感知手段13に手をかざすように近付けた場合に、表示部8の表示状態だけでなく、炊飯器100の開閉体となる蓋体2を自動的に開状態または閉状態に切替できるように、ヒンジ部7に駆動源となるステッピングモータなどを含む開閉機構80(図4を参照)を組み込んでもよい。この場合、操作部9への操作により、1つの感知手段13で表示部8の表示状態と蓋体2の開閉の何れかだけを切替できるように設定してもよいし、感知手段13を複数設けて、それぞれの感知手段13で表示部8の表示状態と蓋体2の開閉を個々に切替できるように構成してもよい。
次に、炊飯器100の電気的構成について、図4を参照しながら説明する。同図において、71は、炊飯器100の内部に設けられ、マイクロコンピュータ(マイコン)などを基板に搭載して構成される制御手段である。制御手段71は、図示しないがCPU(中央演算処理装置)や、計時手段としてのタイマーや、入出力インターフェースなどのハードウェア構成を有し、マイコンの一部をなすROMやRAMなどの記憶手段72との間で、各種情報やデータをやり取りできる構成となっている。
制御手段71の入力ポートには、前述の操作部9と、感知手段13と、蓋温度センサ33と、鍋温度センサ34が、それぞれ電気的に接続される。また、制御手段71の出力ポートには、前述の表示部8に加えて、鍋3を電磁誘導加熱する加熱コイル73や、鍋3の主に側部を加熱する側部ヒータ74や、鍋3の上面開口を直接塞ぐ内蓋22の結露防止のために、蓋体2の内部に設けられる蓋ヒータ75などの加熱手段と、圧力調整ユニット27に組み込まれた調圧ボールを動かして、鍋3の内部から蒸気口11に至る蒸気通路を開放または閉塞させるソレノイド76と、減圧手段28の減圧駆動源として蓋体2の内部に設けられる減圧ポンプ77と、吸気口25から減圧ポンプ77に至る経路を開閉する電磁弁78と、表示部8の点灯や消灯に合わせて、和音やパルスなどの効果音を出力する音出力部としてのスピーカ79と、本体1に対して蓋体2をモータ駆動で開閉する開閉機構80が、それぞれ電気的に接続される。
制御手段71は、蓋温度センサ33や鍋温度センサ34からの温度検出信号と、操作部9からの操作信号と、感知手段13からの検出信号を受けて、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、炊飯時および保温時に鍋3を加熱する加熱コイル73や側面ヒータ74と、蓋体2を加熱する蓋ヒータ75を各々制御すると共に、前述したソレノイド76や、減圧ポンプ77や、電磁弁78の動作を各々制御し、さらには表示部8の表示や、スピーカ79の報知や、開閉機構80による蓋体2の開閉動作を各々制御するものである。特に本実施形態の制御手段71は、鍋温度センサ34の検知温度に基づいて、主に加熱コイル73を制御して鍋3の底部を温度管理し、蓋温度センサ33の検知温度に基づいて、主に蓋ヒータ76を制御して内蓋22を温度管理するようになっている。
制御手段71は、記憶手段72に記憶されたプログラムの制御シーケンス上の機能として、操作部9からの炊飯開始の指示を受けて、鍋3に投入した米の吸水を促進させるひたしと、被調理物の温度を短時間に沸騰まで上昇させる加熱と、被調理物の沸騰状態を継続させる沸騰継続と、被調理物をドライアップ状態のご飯に炊き上げる炊き上げと、ご飯を焦がさない程度の高温に維持するむらしの各行程を順に実行して、鍋3内の被調理物に対する加熱を制御する炊飯制御手段81と、鍋3内のご飯を所定の保温温度に保つように制御する保温制御手段82と、をそれぞれ備えている。
炊飯制御手段81は、ひたし行程の期間中に、鍋3内部の圧力が常圧未満の減圧と常圧とを繰り返すように、減圧ポンプ77や電磁弁78の動作を制御する圧力制御手段としての機能を備えている。また保温制御手段82は、保温温度が安定した状態で、鍋3の内部が常圧未満の圧力に維持されるように、減圧ポンプ77や電磁弁78の動作を制御する減圧制御手段としての機能を備えている。
制御手段71は、操作部9からの操作信号や、感知手段13からの検出信号を受けて、操作部9からの操作信号を受け付けるか否かを判断し、さらには表示部8の動作を制御する表示操作制御手段83と、蓋体2の開閉機構80の動作を制御する開閉制御手段84をそれぞれ備えている。表示操作制御手段83は、感知手段13が人の手や指の動きを感知すると、次に感知手段13が同様の動きを再び感知するまで、表示操作ユニット10の表示部8を点灯表示させ続けて、表示操作ユニット10の操作部9の操作を受け付けるようにし、その後で感知手段13が人の手や指の動きを再び感知すると、表示操作ユニット10の表示部8を消灯させて、表示操作ユニット10の操作部9からの操作を受け付けないように切替える第1切替手段としての機能を有する。また、開閉制御手段84は、感知手段13が人の手や指の動きを感知する毎に、炊飯器100の開閉体となる蓋体2を開状態または閉状態の何れかに切替える第2切替手段としての機能を有する。
次に、上記構成の炊飯器100について、その作用を添付の図5〜図8に基づき説明する。図5は、初期状態における表示操作ユニット10の形態を示し、図6は切状態における表示操作ユニット10の形態を示している。本体1から引き出した電源プラグ付きコード35を家庭用のコンセントに差し込み、そのまま一定時間が経過すると、表示操作制御手段83は表示操作ユニット10に対して、操作部9の全てのキー51〜60からの操作を受け付けず、表示部8の全てのLEDを消灯するような初期状態に移行させる(図5を参照)。
初期状態では、蓋体2の上蓋パネル18を通して、感知手段13の位置を示す目印15と、ホームキー51の位置を示す目印61をそれぞれ視認できるが、目印61を目安にホームキー51の直上にユーザUの手や指を近付けても、表示操作制御手段83はホームキー51からの操作信号を受け付けない。一方、別な目印15を目安に感知手段13の直上にユーザUの手や指を近付けると、その動きで感知手段13から制御手段71に出力される検出信号のレベルが切り替わり、表示操作制御手段83はそれまでの表示部8がすべて消灯した初期状態から、図6に示すような表示部8の一部が点灯した切状態に表示操作ユニット10の形態を切り替える。また制御手段71は、表示操作制御手段83が表示部8を全消灯状態から点灯状態に切り替えたことを、スピーカ79から例えば「ピッ」のような効果音でユーザUに報知する。このようにユーザUは、表示部8の全てが消灯した初期状態であっても、表示操作ユニット10の近傍に配置された目印15を目標として、上蓋パネル18に非接触で感知手段13を直感的に操作できる。
切状態では、LED表示部41の時間/時刻表示部41aに現在時刻が表示され、設定表示部41bにそれまで記憶手段72に記憶された設定状態(例えば、お米の種類は「白米」、炊き方は「ecoモード」)が点灯表示される。また操作用表示部45は、操作部9の切キー53を除く各キー51,52,54〜60に対応するLEDが明るく点灯され、これらの各キー51,52,54〜60からの操作信号を受け付けるようになる。
その後、お米の種類や炊き方を変更する場合は、お米キー59や炊き方キー60の直上にユーザUの手や指を近付けた後に、炊飯キー52の直上にユーザUの手や指を近付けると、図7に示すように、時間/時刻表示部41aには炊き上がりまでの残時間が表示されると共に、炊飯器100の動作状態を示すために、表示ランプ43の「炊飯中」と「真空」がそれぞれ点灯して、炊飯制御手段81による炊飯制御が開始する。ここでは、例えばお米キー59の直上にユーザUの手や指を近付けた後に、次に上蓋パネル18に非接触で操作が可能なホームキー51と、スタートキーである炊飯キー52と、切キー53と、予約キー54と、炊き方キー60に対応する操作用表示部45のLEDがそれぞれ明るく点灯し、それ以外の操作不要な進むキー55や、戻るキー56や、保温再加熱キー57や、調理キー58や、お米キー59に対応する操作用表示部45のLEDを消灯させる。表示操作制御手段83が表示操作ユニット10の中で、操作に必要なキー51〜54,60だけを点灯させることで、必要な情報を表示し、操作性を向上させることができる。
また、炊飯制御の開始から所定の例えば10秒を経過すると、表示ランプ44の「切3秒押し」が点灯し、これ以降は切キー53の直上にユーザUの手や指を一定時間近付けたままにしないと、切キー53からの操作信号を表示操作制御手段83が受け付けない状態となる。これは炊飯制御が完了し、保温制御手段82による保温制御が行われる間も継続する。
切キー53の直上にユーザUの手や指を一定時間近付けたままにし、切キー53からの操作信号を受け付けると、表示操作制御手段83は表示操作ユニット10を前述の切状態に移行させる。切状態で感知手段13の直上にユーザUの手や指を近付けると、その動きで表示操作制御手段83はそれまでの切状態から、表示部8の全てが消灯した初期状態に表示操作ユニット10の形態を切り替える(図8を参照)。また制御手段71は、表示操作制御手段83が表示部8を点灯状態から全消灯状態に切り替えたことを、スピーカ79から例えば「ピッ」のような効果音でユーザUに報知する。
前述の図6において、ユーザが感知手段13に手や指を近付けることにより、表示操作ユニット10が初期状態から切状態に移行した後は、ユーザUが再び感知手段13に手や指を近付けない限り、初期状態には戻らずに切状態を継続する。これにより従来の炊飯器のように、一定時間が経過すると切状態から初期状態に戻ってしまい、再び初期状態から切状態への操作を強いられる使い勝手の悪さが解消される。また、初期状態から炊飯開始までの一連の操作で、ユーザUが上蓋パネル18の表面に指や手を触れる必要がないため、今までの炊飯器とは違う斬新で新しい操作感を得ることができ、手や指が濡れたり汚れたりしても、炊飯器100に触れることなく操作することが可能になる。こうした機能は、近接スイッチによる感知手段13を付加するだけで、複雑な人工知能を利用せずに簡単に実現でき、炊飯器100への搭載も容易になる。
以上のように、本実施形態の炊飯器100は、生体となるユーザUの手や指などの動きを非接触で感知する近接スイッチによる感知手段13と、調理に関する表示及び操作のための表示操作ユニット10と、感知手段13が手や指などの動きを感知すると、感知手段13が手や指などの動きを再び感知するまで、表示操作ユニット10の表示部8を点灯表示させて、表示操作ユニット10の操作部9からの操作を受け付け、感知手段13が手や指などの動きを再び感知すると、表示操作ユニット10の表示部8を消灯させて、表示操作ユニット10の操作部9からの操作を受け付けないように切替える第1切替手段としての機能を、表示操作制御手段83に備えている。
この場合、近接スイッチによる感知手段13を付加するだけの簡単な構造で、手や指などの動きを感知手段13が感知すれば、調理器となる炊飯器100に触れることなく、表示操作ユニット10の表示部8を点灯表示させると共に、操作部8からの操作を受け付けることで、調理に関する表示や操作を容易に行なうことが可能になる。また表示操作ユニット10は、次に感知手段13が手や指の動きを再び感知しない限り、点灯表示されたまま次の操作を受け付ける状態を継続するので、一定時間が経過した後に、再び同じ感知手段13への操作を強いられる使い勝手の悪さを解消できる。
また、本実施形態の表示操作ユニット10は、調理に関する表示のための表示部8と、調理に関する操作のために、生体の動きを非接触で感知する近接スイッチによる操作部9と、を備えており、感知手段13の感度を操作部9の感度よりも高く設定する構成としている。
これにより、表示操作ユニット10の形態を切替える手や指などの動きに、感知手段13のみならず操作部9も一緒に反応して、意図しない操作信号が操作部9から出力されるのを極力防ぐことが可能になる。
また本実施形態では、被調理物を出し入れ可能に収容する収容部としての鍋3と、鍋3の上部開口部を覆う開閉可能な開閉体としての蓋体2と、感知手段13がユーザUの手や指などの動きを感知する毎に、開閉機構80の動作を制御して、蓋体2を開状態または閉状態に切替える第2切替手段としての機能を、開閉制御手段84にさらに備えている。
これにより、ユーザUの手や指などの動きを感知手段13が感知すれば、炊飯器100に触れることなく蓋体2を開けたり閉めたりすることが可能になる。
図9〜図19は、本発明の調理器を加熱調理器となるオーブンレンジに適用した第2実施形態を示している。先ず、オーブンレンジ200の全体構成を図9及び図10に基づいて説明すると、101は略矩形箱状に構成される本体で、この本体101は、製品となるオーブンレンジの外郭を覆う部材として、金属製のキャビネット(図示せず)を備えている。また103は、本体101の前面に設けられる開閉自在な扉である。
扉103の上部には、縦開きの扉103を開閉するときに手をかける開閉操作用のハンドル104を備えており、扉103の下部には、表示や操作のための表示操作ユニット105を備えている。表示操作ユニット105は、複数個のLEDランプやLCDなどを組み合わせて構成され、調理の設定内容や進行状況などを表示する表示部106の他に、使用者が手動操作可能な複数個の操作キーにより構成され、加熱調理に関する各種の操作入力を可能にする操作部107が配設される。扉103の内部で表示操作ユニット105の後側には、図示しないが、表示部106や操作部107などの制御を行なうために、操作パネルPC(印刷回路)板が配置される。
本体101の下部には、本体101の前面より着脱が可能な給水カセット108と水受け109が各々配設される。給水カセット108は、後述するスチームユニット161から発生する蒸気の供給源として、液体となる水を入れる有底状の容器である。また水受け109は、本体101からの食品カスや水滴、蒸気などを受ける別な有底状の容器である。
本体101の内部には、加熱調理すべき被調理物を内部に収容する調理室110が設けられる。調理室110の前面は被調理物を出し入れするのに開口しており、この開口を扉103で開閉する構成となっている。また、上述した表示部106や操作部107とは別に、扉103の下部前面には、表示操作ユニット105の近傍に位置して感知手段111が配設される。この感知手段111は、第1実施形態の感知手段13と全く同じく、生体である人の指や手の動きを非接触で感知する静電容量式の近接スイッチを主な構成要素とし、表示操作ユニット105の裏面に配設された静電電極(図示せず)に導電体である人体が近付くと、その動きに応じて静電容量値が変化し、この変化量が設定された閾値を超えると、後述する制御手段151(図13を参照)に出力される検出信号のレベルが切替わる。ここで用いる近接スイッチは、元々の静電タッチスイッチを改造して、本来は表示操作ユニット105の表面に指を触れる程度にまで近付けなければ感知できなかったものを、表示操作ユニット105から離れた位置に手を近付けるだけで感知できるように、静電電極の面積を広げたものである。そのため、表示操作ユニット105の表面に指を触れることなく、感知手段111に指を近付けるたびに、近接スイッチからの検出信号のレベルが、H(高)またはL(低)に切替わるようになっている。また、扉103の内部に設けられた感知手段111がどこにあるのかをユーザに示すために、感知手段111の近傍に位置する扉103の前表面には、外光を受けて常時視認できる目印(アイコン)112が配設される。
扉103は、表示操作ユニット105の上部に、扉103を通して調理室110内部への視認を可能にするガラスなどの透明な内装板113が配設される。表示操作ユニット105と内装板113の表面側には、これらの表示操作ユニット105と内装板113を覆うように、扉103ひいてはオーブンレンジ200の外観前面を形成する樹脂製の前パネル114が配設される。
図示しないが、本体101にはオーブンレンジ200への給電用の電源プラグ付きコードが設けられる。家庭用のコンセント(図示せず)に電源プラグ付きコードを差し込み、オーブンレンジ200の各部に所定の動作電圧が供給されると、そのまま一定時間が経過した後に表示部106の全てが消灯し、操作部107の全てからの操作を受け付けない初期状態に移行する(図9を参照)。
表示部106は、扉103の下部中央部分に配置されるLCD表示部115と、正面視で操作部107と同じ位置に配置される操作用表示部116と、により構成される。この中で、LCD表示部115は、その上に手をかざしたり、指をタッチしたりしても反応せず、正面視で同じ位置に操作部107を設けない構成となっているが、操作用表示部116は、その上に手をかざしたり、指を近づけると、同じ位置に設けられた操作部107が反応して、そこから操作信号が送出される構成となっている。
LCD表示部115は、調理メニューを特定するオートメニューの番号や、使用する付属品や、調理室110内部の温度(庫内温度)や、加熱の時間や、加熱の種類を、数字や文字などで表示するもので、その表示形態は、オーブンレンジ200の仕様に併せて適宜変更して構わない。また、LCD表示部115に代わって、第1実施形態のようなLED(発光ダイオード)を利用したLED表示部としてもよい。
操作部107は、LCD表示部115の一側に、もどるキー121と、スタートキー122と、すすむキー123と、とりけしキー124がそれぞれ並んで配置される。これらのキー121〜124は、何れも感知手段111と同じく静電容量式の近接スイッチで構成され、それぞれのキー121〜124に対応して、表示操作ユニット105の裏面に配設された静電電極(図示せず)に導電体である人体が近付くと、その動きに応じて静電容量値が変化し、この変化量が設定された閾値を超えると、制御手段151に出力される操作信号のレベルが切替わる。各キー121〜124の近接スイッチは、元々の静電タッチスイッチを改造して、静電電極の面積を広げたものであり、表示操作ユニット105の表面に指を触れることなく、キー121〜124の何れかに指を近付けるたびに、そのキー121〜124に対応する近接スイッチからの操作信号のレベルが、H(高)またはL(低)に切替わるようになっている。操作用表示部116は、操作部107の各キー121〜124がどこに位置するのかを光で浮かび上がらせるために、前面視で操作部107と同じ位置に設けられる。なお、キー121〜124の構成は、オーブンレンジ200の仕様に併せて適宜変更して構わない。
図11は、扉103内部のLCD表示部115を示している。同図において、LCD表示部115は、液晶層131の表側(前側)と裏側(後側)に透明な電極132,133をそれぞれ配置し、電極132の表側と電極133の裏側に偏光板134,135をそれぞれ配置した液晶ユニット136と、この液晶ユニット136の裏側に配置され、光源137からの光を反射板138と導光板139で液晶ユニット136の裏側全面に導き、そこからLCD表示部115の表面に向けて放射させるLCD用のバックライトユニット140と、を主な構成要素とする。特に本実施形態では、初期状態で光源137を消灯させているときに、LCD表示部115をブラック仕様で黒く見せるために、液晶ユニット136の表側の偏光板134と裏側の偏光板135が、同じ方向に偏光軸(透過軸)を揃えて配置される。一方、切状態や調理メニューの選択状態で、光源137を点灯させた場合には、電圧を印加した電極132,133間の液晶層131の部分で、文字や数字などがバックライトユニット140からの光を通して前パネル114側に浮き出て表示される構成となっている。
図12は、扉3内部の操作用表示部116と操作部107を示している。同図において、操作用表示部116は、操作部107を特定する文字や記号などを白抜きで形成した表示シート141と、前パネル114の裏側に設けられ、裏側の表示シート141を隠し、照光時のコントラストを強調するためのスモークパネル142と、表示シート141の裏側に設けられ、光源143からの光を反射板144と導光板145で表示シート141の裏側全面に導き、そこから操作用表示部116の表面に向けて放射させるスイッチ用のバックライトユニット146と、を主な構成要素とする。また、操作部107の各キー121〜124は、静電電極を含む近接スイッチや、近接スイッチの駆動回路などを基板に搭載して個々に構成され、導光体となる導光板145の裏側に間隔を置いて配置される。
本実施形態では、表示シート141が文字や記号などを印刷形成したトレーシングペーパーなどの紙で構成され、前パネル114やスモークパネル142や導光板145が樹脂で構成される。したがって、各キー121〜124を導光板145の裏側に配置しても、各キー121〜124の近くで前パネル114に接触することなく手や指などを動かすと、その動きに応じた静電容量値の変化を、各キー121〜124の近接スイッチで確実に検出できる。また各キー121〜124は、導光板145から表示シート141に向けての光の照射の妨げにならない位置に設けられており、従来の表示シート141と導光板145との間に操作部107を設けたときのように、操作部107をわざわざ透明に形成する必要がない。そのため、基板に近接スイッチによるセンサを搭載した簡単な操作部107の構成で、導光板145の表面から表示シート141に向けて光を直接照射することが可能となる。
図9で示したように、表示操作ユニット105の操作部107はダイヤルや押しボタンを無くし、感知手段111の配設箇所を含めて、前パネル114の表面全体を凹凸のない平坦状に形成する。表示操作ユニット105の近傍に設けられた感知手段111は、操作部107の各キー121〜124を操作する前に操作されるもので、前述の初期状態で感知手段111に手をかざすように近付けると、制御手段151は感知手段111からの検出信号に基づき、操作部107の各キー121〜124に対応した操作用表示部116の光源143を明るく点灯させ、これらのキー121〜124からの操作信号を受け付ける切状態に切り替える。切状態では、操作用表示部116の他に、バックライトユニット140の光源137も明るく点灯して、それまでの何も表示されないブラック仕様から、LCD表示部115に調理メニューの選択が可能なことを示す「0」の数字が浮き出されて表示されるが、再び感知手段111に手を近付けない限り、初期状態に戻ることはなく切状態が継続する。切状態で感知手段111に手を近付けると、制御手段151は感知手段111からの検出信号に基づき、表示部106の全ての光源137,143を消灯させ、操作部107からの全ての操作を受け付けないようにする初期状態に切り替える。
本実施形態においても、感知手段111を構成する近接スイッチの感度は、各キー121〜124を構成する個々の近接スイッチの感度よりも高くなるように設定する。これは例えば、感知手段111に含まれる近接スイッチの電極面積を、各キー121〜124に含まれる近接スイッチの電極面積よりも大きく形成したり、感知手段111からの検出信号のレベルが切り替わる近接スイッチの閾値を、各キー121〜124からの操作信号のレベルが切り替わる近接スイッチの閾値よりも低く設定したりすることで実現できる。
また、感知手段111に手をかざすように近付けた場合に、表示部106の表示状態だけでなく、オーブンレンジ200の開閉体となる扉103を自動的に開状態または閉状態に切替できるように、その駆動源となるステッピングモータなどを含む開閉機構169(図13を参照)を組み込んでもよい。この場合、操作部107への操作により、1つの感知手段111で表示部106の表示状態と扉103の開閉の何れかだけを切替できるように設定してもよいし、感知手段111を複数設けて、それぞれの感知手段111で表示部106の表示状態と扉103の開閉を個々に切替できるように構成してもよい。
図13は、オーブンレンジ200の電気的構成を示している。同図において、151はオーブンレンジ200の内部に設けられ、マイコンにより構成される制御手段である。制御手段151は周知のように、CPUや、計時手段としてのタイマーや、入出力インターフェースなどのハードウェア構成を有し、マイコンの一部をなすROMやRAMなどの記憶手段152との間で、各種情報やデータをやり取りできる構成となっている。
制御手段151の入力ポートには、前述した操作部107や、感知手段111の他に、外部のスマートフォンSとの間でデータのやり取りを直接行えるようにするWiFi(Wireless Fidelity)モジュール153や、調理室110内の温度を検知するサーミスタ(図示せず)を備えた庫内温度検出手段154や、赤外線センサ(図示せず)にスイング機構を装備して構成され、調理室110内の温度分布を検出することで、そこに収容された被調理物の温度を検出可能にする庫内温度分布検出手段155などが、それぞれ電気的に接続される。また制御手段151の出力ポートには、前述した表示部106やWiFiモジュール153の他に、調理室110の上方および/または下方から、調理室110内の被調理物を輻射熱で加熱するためのグリル加熱用のグリルヒータ157や、調理室110の内部に熱風を循環供給するために、オーブン加熱用の熱風ユニット158を構成する熱風ヒータ159および熱風モータ160や、調理室110の内部に飽和蒸気や過熱蒸気を供給するために、スチーム加熱用のスチームユニット161を構成する給水ポンプ162および蒸発用ヒータ163や、調理室110内の被調理物をマイクロ波照射で加熱するために、レンジ加熱用のマイクロ波加熱ユニット165を構成するマグネトロン166およびアンテナモータ167や、ブザー音や電子音を発生させるための報知手段となる録音再生ボード168や、本体101に対して扉103をモータ駆動で開閉する開閉機構169などが電気的に接続される。
WiFiモジュール153は、オーブンレンジ200の本体101と、スマートフォンSとの無線通信を可能にする通信部として、本体101の内部に組み込まれるもので、ここで利用するWiFiの他に、ブルートゥース(登録商標)などの通信規格により、スマートフォンSとの双方向の通信を行なう機能を有している。こうした通信規格に適合する通信機器として、本実施形態で説明するスマートフォンSのような電話機能を備えた携帯電話の他に、パソコン、タブレット、またはゲーム機を利用できる。これらは何れも、利用者の多い無線通信が可能な通信機器である。
グリルヒータ157、熱風ユニット158、スチームユニット161、およびマイクロ波加熱ユニット165は、何れも調理室110に入れられた被調理物を加熱する加熱手段171に相当する。本実施形態では、制御手段151から出力されるヒータ制御信号により、グリルヒータ157が通電してそれに伴う熱が放射されると、調理室110内に収容した被調理物が上方向および/または下方向からグリル加熱される構成となっている。
熱風ユニット158はその内部において、熱風モータ160に取り付けられた熱風ファン(図示せず)の放射方向を取り囲んで、発熱部となる熱風ヒータ159が配置される。熱風ヒータ159は、例えばシーズヒータ、マイカヒータ、石英管ヒータやハロゲンヒータなどを用いる。本実施形態では、制御手段151からのヒータ制御信号により熱風ヒータ159を通電させ、また制御手段151からのモータ制御信号により熱風モータ160を通電させて、羽根車を有する熱風ファンを回転させると、調理室110の内部から熱風ユニット158の内部に吸い込まれた空気が、熱風ファンの放射方向に吹出して、通電した熱風ヒータ159により加熱され、調理室110内に熱風が供給される。これにより、調理室110の内外で熱風を循環させる経路が形成され、調理室110内の被調理物を熱風コンベクション加熱(オーブン加熱)する構成となっている。
スチームユニット161は、給水カセット108からの水を蒸発容器(図示せず)内に導く給水ポンプ162や、金属製の蒸発容器に装着されるシーズヒータなどの蒸発用ヒータ163などを主な構成要素とする。本実施形態では、給水カセット108に水を収容した状態で、制御手段151からのポンプ制御信号により給水ポンプ162が通電駆動させ、また制御手段151からのヒータ制御信号により蒸発用ヒータ163を通電させると、給水ポンプ162の駆動に伴い給水カセット108から送り出された水が、蒸発用ヒータ163の通電により所定の温度に加熱された蒸発容器の内部に導かれて蒸気化され、調理室110の内部に飽和蒸気や過熱蒸気が供給される。これにより、調理室110内に入れられた被調理物のスチーム加熱を行なう構成となっている。
マイクロ波加熱ユニット165は、マイクロ波の供給源となるマグネトロン166や、マイクロ波を放射するアンテナ(図示せず)や、そのアンテナを回転させるアンテナモータ167の他に、マグネトロン166に高周波電力を供給するインバータ(図示せず)などを主な構成要素とする。本実施形態では、制御手段151からインバータへのインバータ制御信号を受けて、被調理物を所定の出力でレンジ加熱するマイクロ波が、インバータからの高周波電力を受けたマグネトロン166から、アンテナを介して調理室110内に放射される。アンテナは、本体101の内部でアンテナモータ167により回動可能に設けられており、制御手段151からのモータ制御信号により、アンテナモータ167の回転動作を制御して、例えばアンテナを特定の方向に静止させたり、一定の速度で回転させ続けたりすることにより、アンテナから放射されるマイクロ波を、調理室110内の特定の方向に向けたり、調理室110内全体に撹拌したりすることで、調理室110内に入れられた被調理物のレンジ加熱を行なう構成となっている。
音出力手段となる録音再生ボード168は、例えば操作部107からの操作信号により、加熱調理の開始や取消しなどが指示された場合に、制御手段151からの報知制御信号により動作し、特定の音色で音を出力できるように構成される。なお、感知手段111の近接スイッチからの検出信号に録音再生ボード168を連動させるために、制御手段151を介さずに録音再生ボード168と感知手段111とを直接電気的に接続してもよい。その回路構成は、次の図14で説明する。
制御手段151は、操作部107からの操作信号や、感知手段111からの検出信号や、WiFiモジュール153からの通信データや、庫内温度検出手段154および庫内温度分布検出手段155からの各温度検出信号を受けて、計時手段からの計時に基づく所定のタイミングで、表示部106を動作させる表示用の制御信号を送出したり、加熱手段171を動作させる加熱用の制御信号を出力したり、録音再生ボード168を動作させる報知用の制御信号を出力したり、開閉機構169に扉103の開閉を動作させる開閉用の制御信号を出力したりする機能を有する。こうした機能は、記憶媒体としての前記メモリに記録したプログラムを、制御手段151が読み取ることで実現するが、特に本実施形態では、制御手段151を加熱制御手段172と、通信制御手段173と、表示操作制御手段174と、開閉制御手段175として主に機能させるプログラムを備えている。
加熱制御手段172は、主に被調理物の加熱調理に係る各部の動作を制御するものである。加熱制御手段172は、操作部107への操作に伴う操作信号を受け取ると、その操作信号に応じて、加熱手段171を動作させるための制御信号を送出して、調理室110内の被調理物に対する加熱調理を制御する。本実施形態では、操作部107から調理開始を指示する操作信号が送出される前に、加熱の種類(グリル加熱、オーブン加熱、スチーム加熱、レンジ加熱の選択)や、加熱の時間や、加熱の出力または温度などの加熱条件を設定するための操作信号が送出されると、加熱制御手段172がその設定した加熱条件に基づき加熱手段171を制御して、調理室110内の被調理物を加熱する手動調理機能と、操作部107から調理開始を指示する操作信号が送出される前に、予めメモリに記憶されているオーブンレンジが調理可能な全ての調理メニューに関する情報の中から、特定の調理メニューを選択するための操作信号が送出されると、加熱制御手段172がその選択された特定の調理メニューに関する情報をメモリから読み出して、当該特定の調理メニューに従う加熱条件と加熱手順で加熱手段171を制御して、調理室110内の被調理物を自動的に加熱する自動調理機能と、をそれぞれ備えている。
通信制御手段173は、主にWiFiモジュール153の動作を制御して、WiFiモジュール153と無線で接続するスマートフォンSとの間で、各種データのやり取りを行なうものである。本実施形態の通信制御部173は特に、オーブンレンジ200が加熱調理を開始する前に、WiFiモジュール153とスマートフォンSとの間で通信が確立され、スマートフォンSの表示手段192(図19を参照)に調理の設定および動作に関する操作を可能にする画面を表示させた状態から、スマートフォンSの表示手段192上で調理の設定および動作に関するタッチ操作が行なわれると、そのタッチ操作に伴う通信データがスマートフォンSからWiFiモジュール153に向けて送信され、WiFiモジュール153を通して調理の設定および動作を受け付ける構成を備えている。
なお、ここでいう「調理の設定および動作に関する操作」とは、スマートフォンS側の操作により、オーブンレンジ200の記憶手段152に記憶される全ての自動調理メニューの中から、所望する一つの調理メニュー(自動調理メニューまたは手動調理メニュー)を選択し、その選択した調理メニューで加熱調理の動作を行なうのに必要なあらゆる操作を含む。
スマートフォンSは周知のように、インターネットなどの外部の情報通信網に接続し、そこから所望する情報を閲覧できるウェブブラウザ機能を備えており、ここではウェブブラウザ機能を利用して、所望する特定の調理メニューを選択させるためのメニュー選択用画面を表示手段192に表示させ、特定の調理メニューを選択した後には、特定の調理メニューにおいて、所望する設定値などの加熱条件を選択させるための加熱条件選択画面を表示手段192に表示させることで、これらのメニュー選択用画面または加熱条件選択画面から、スマートフォンSへのタッチ操作により選択された情報が、スマートフォンSからオーブンレンジ200に通信データとして送信される構成となっている。
表示操作制御手段174は、加熱制御手段172と連携して、オーブンレンジ200の表示部106の表示に係る動作を制御し、また操作部107からの操作信号を受け入れるか否かを判断するものである。また表示操作制御手段174は、感知手段111が人の手や指の動きを感知すると、次に感知手段111が同様の動きを再び感知するまで、表示操作ユニット105の表示部106を点灯表示させ続けて、表示操作ユニット105の操作部107の操作を受け付けるようにし、その後で感知手段111が人の手や指の動きを再び感知すると、表示操作ユニット105の表示部106を消灯させて、表示操作ユニット105の操作部107からの操作を受け付けないように切替える第1切替手段としての機能を有する。
開閉制御手段175は、扉103の開閉機構169の動作を制御するもので、ここでは感知手段111が人の手や指の動きを感知する毎に、オーブンレンジ200の開閉体となる扉103を開状態または閉状態の何れかに切替える第2切替手段としての機能を有する。
続いて、表示操作ユニット105の各部の接続関係について、図14及び図15の回路図を参照して説明する。先ず図14に基づいて、感知手段111と、録音再生ボード168と、バックライトユニット140,146の接続関係を説明すると、感知手段111と録音再生ボード168は、何れもオーブンレンジ200内部で生成された動作電圧VDDを電源端子VCCに印加することで動作する。感知手段11は動作時において、感知手段111の近接スイッチに手や指を近付けるたびに、出力端子I/Oからの検出信号の電圧レベルがHとLに切り替わる設定となっている。
感知手段111の出力端子I/Oは、録音再生ボード168の入力端子P−Eに接続されると共に、ダイオードD1を介してトランジスタTr1のベースに接続される。制御手段151を構成するマイコンの制御端子40PINとトランジスタTr1のベースとの間と、トランジスタTr1のベースと接地ラインとの間には、それぞれ分圧用の抵抗R1,R2が接続され、トランジスタTr1のエミッタは接地される。なお、トランジスタTr1以外の各種半導体スイッチ素子を用いても構わない。
LCD用のバックライトユニット140の光源137と、スイッチ用のバックライトユニット146の光源143は、何れもLEDで構成され、動作端子の一端から他端に所定の電流が流れることで光源137,143が点灯する。オーブンレンジ200内部で生成された動作電圧Vpのラインと、バックライトユニット140の動作端子の一端との間には、電流制限用の抵抗R3,R4が直列に挿入接続され、動作電圧Vpのラインと、バックライトユニット146の動作端子の一端との間にも、電流制限用の抵抗R5,R6が直列に挿入接続される。バックライトユニット140の動作端子の他端と、バックライトユニット146の動作端子の他端は、何れもトランジスタTr1のコレクタに直接接続される。なお、光源137,143は、LED以外に例えば冷陰極管などを用いてもよい。
図14に示すバックライトユニット140,146や録音再生ボード168の動作回路では、前述の電源プラグ付きコードを家庭用のコンセントに差し込むと、オーブンレンジ200の内部で動作電圧VDD,Vpがそれぞれ生成されると共に、マイコンの制御端子40PINから出力する制御信号の電圧レベルがHレベルになる。このとき、感知手段111に手や指を近付けなければ、感知手段111の出力端子I/Oはその電圧レベルがLのままになってダイオードD1が導通し、トランジスタTr1のベースには所定の電流が流れずに、トランジスタTr1のエミッタ・コレクタ間はオフ状態となる。したがって、バックライトユニット140,146の光源137,143は何れも消灯し、表示操作ユニット105は図9で示したブラック仕様の初期状態となる。
一方、初期状態で感知手段111に手や指を近付けると、感知手段111の出力端子I/Oの電圧レベルがLからHに切り替わる。録音再生ボード168は、この電圧レベルの立ち上がりエッジを、入力端子P−Eに与えられる検出信号により検出して、予め録音したサウンドを1回再生する。また、感知手段111の出力端子I/Oの電圧レベルがHレベルになると、ダイオードD1が非導通になって、マイコンの制御端子40PINからトランジスタTr1のベースに所定の電流が流れ込む。これにより、トランジスタTr1のエミッタ・コレクタ間はオンし、バックライトユニット140,146の光源137,143に抵抗R3〜R6で決められた電流が流れて、これらの光源137,143が点灯する。したがって、表示操作ユニット105は初期状態から図10に示す切状態に切り替わり、表示部106が浮き出て表示されるときに、録音再生ボード168からの効果音が再生出力される。
その後、感知手段111から手や指を離しても、感知手段111は次に再び手や指が近付いたのを感知するまでは、出力端子I/Oの電圧レベルをそのままの状態に保持する。感知手段111が再び手や指が近付いたのを感知すると、感知手段111の出力端子I/Oの電圧レベルがHからLに切り替わり、バックライトユニット140,146の光源137,143が全て消灯して、表示操作ユニット105はブラック仕様の初期状態に戻る。
なお、制御手段151は初期状態であるか切状態であるのかを認識するために、例えば感知手段111の出力端子I/Oの電圧レベルを監視する構成としてもよい。これにより、感知手段111の出力端子I/Oの電圧レベルがLレベルで初期状態の場合には、操作部107からの操作信号を受け付けないようにし、感知手段111の出力端子I/Oの電圧レベルがHレベルで切状態の場合には、操作部107からの操作信号を受け付けるようにすることができる。
図15は、操作部107の各キー121〜124と、WiFiモジュール153の接続関係を示したものである。同図において、操作部107の各キー121〜124は、何れもオーブンレンジ200内部で生成された動作電圧VDDを電源端子VCCに印加することで動作する。同様にWiFiモジュール153も、動作電圧VDDを電源端子に印加することで動作する。スタートキー122やとりけしキー124は動作時において、これらの近接スイッチに手や指を近付けたときにのみ、出力端子I/Oからの検出信号の電圧レベルがLからHに切り替わる設定となっている。一方、もどるキー121やすすむキー123は動作時において、これらの近接スイッチに手や指を近付けたときにのみ、出力端子I/Oからの検出信号の電圧レベルがHからLに切り替わる設定となっている。
スタートキー122の出力端子I/Oは、ダイオードD2のアノードに接続され、ダイオードD2のカソードは、直列接続した抵抗R11,R12の接続点に接続される。抵抗R11,R12による直列回路は、その一端が制御手段151を構成するマイコンの制御端子74pinに接続され、他端が接地される。
とりけしキー124の出力端子I/Oは、ダイオードD3のアノードに接続され、ダイオードD3のカソードは、直列接続した抵抗R13,R14の接続点に接続される。抵抗R13,R14による直列回路は、その一端がマイコンの制御端子73pinに接続され、他端が接地される。
もどるキー121の出力端子I/Oは、ダイオードD4のカソードに接続され、ダイオードD4のアノードは、直列接続した抵抗R15,R16の接続点に接続される。抵抗R15,R16による直列回路は、その一端がマイコンの制御端子75pinに接続され、他端が動作電圧VDDのラインに接続される。
すすむキー123の出力端子I/Oは、ダイオードD5のカソードに接続され、ダイオードD5のアノードは、直列接続した抵抗R17,R18の接続点に接続される。抵抗R17,R18による直列回路は、その一端がマイコンの制御端子76pinに接続され、他端が動作電圧VDDのラインに接続される。
181はエンコーダのパルス発生器であり、パルス信号を発生する端子Aが、抵抗R15,R16の接続点に接続され、端子Aとは異なるタイミングでパルス信号を発生する端子Bが、抵抗R17,R18の接続点に接続される。また、パルス発生器181の端子Aと接地された端子COMとの間にはコンデンサC1が接続され、抵抗R15,R16の接続点と抵抗R17,R18の接続点との間には、別なコンデンサC2が接続される。コンデンサC2は、パルス発生器181の端子A,Bからそれぞれ発生する両パルス信号のタイミングをずらすためのものである。
WiFiモジュール153は、スマートフォンSへの操作に対応した通信データを、当該スマートフォンSから受信すると、所定(例えばオン時間が200ms)のパルス制御信号を、制御端子A12,A14,A15の何れかから送出する機能を有する。WiFiモジュール153は、スマートフォンSへの操作の違いによって、どの制御端子A12,A14,A15からパルス制御信号を出力するのかを割り当てている。ここでは、操作部106のスタートキー122に相当する操作をスマートフォンSで行ったときに、制御端子A14からパルス制御信号が出力され、とりけしキー122に相当する操作をスマートフォンSで行ったときに、制御端子A15からパルス制御信号が出力され、スマートフォンSから自動調理メニューを選択する操作を行なったときに、制御端子A12からその調理メニューを特定するパルス制御信号が出力される。
WiFiモジュール153の制御端子A14は、2個のNOT回路を直列に接続したCMOS論理ICによるバッファ回路182を介して、ダイオードD6のアノードに接続され、ダイオードD6のカソードは、前述のダイオードD2のカソードと共に、抵抗R11,R12の接続点に接続される。
WiFiモジュール153の制御端子A15は、2個のNOT回路を直列に接続したバッファ回路182を介して、ダイオードD7のアノードに接続され、ダイオードD7のカソードは、前述のダイオードD3のカソードと共に、抵抗R13,R14の接続点に接続される。
WiFiモジュール153の制御端子A12は、2個の抵抗とトランジスタによるバッファ回路183、84を介して、マイコンの制御端子36pin,37pinに接続される。
そして、前述の切状態でスタートキー122に手や指を近付けている間に、スタートキー122の出力端子I/Oの電圧レベルがHになると、ダイオードD2が導通して、マイコンの制御信号74pinの電圧レベルがHになる。同様にスマートフォンSへの操作で、WiFiモジュール153の制御端子A14からパルス制御信号が出力されると、その間はダイオードD6が導通して、マイコンの制御信号74pinの電圧レベルがHになる。これらを受けて制御手段151は、スタートキー122やスマートフォンSへの操作により、調理の開始が指示されたと認識する。
代わりに、とりけしキー124に手や指を近付けている間に、スタートキー124の出力端子I/Oの電圧レベルがHになると、ダイオードD3が導通して、マイコンの制御信号73pinの電圧レベルがHになる。同様にスマートフォンSへの操作で、WiFiモジュール153の制御端子A15からパルス制御信号が出力されると、その間はダイオードD7が導通して、マイコンの制御信号73pinの電圧レベルがHになる。これらを受けて制御手段151は、とりけしキー124やスマートフォンSへの操作により、調理の取り消しが指示されたと認識する。
また、もどるキー121に手や指を近付けている間に、もどるキー121の出力端子I/Oの電圧レベルがLになると、ダイオードD4が導通して、パルス発生器181の端子Aからマイコンの制御信号75pinへのパルス信号と、パルス発生器181の端子Bからマイコンの制御信号76pinへのパルス信号が、第1の位相差を有して与えられる。この第1の位相差から制御手段151は、もどるキー121への操作により、例えば選択されたオートメニューの番号を戻す指示が行なわれたと認識する。
代わりに、すすむキー123に手や指を近付けている間に、すすむキー123の出力端子I/Oの電圧レベルがLになると、ダイオードD5が導通して、パルス発生器181の端子Aからマイコンの制御信号75pinへのパルス信号と、パルス発生器181の端子Bからマイコンの制御信号76pinへのパルス信号が、第2の位相差を有して与えられる。この第2の位相差から制御手段151は、すすむキー123への操作により、例えば選択されたオートメニューの番号を進める指示が行なわれたと認識する。
さらに、スマートフォンSへの操作で、WiFiモジュール153の制御端子A12からパルス制御信号が出力されると、バッファ回路183,184を通してマイコンの制御端子36pin,37pinに電圧差が生じる。この電圧差から制御手段151は、スマートフォンSへの操作により、選択したオートメニューを特定する指示が行なわれたと認識する。
次に、上記構成のオーブンレンジ200について、その作用を添付の図16〜図19に基づき説明する。図16は、初期状態における表示操作ユニット105の形態を示し、図17は切状態における表示操作ユニット105の形態を示している。本体101から引き出した電源プラグ付きコードを家庭用のコンセントに差し込み、そのまま一定時間が経過すると、表示操作制御手段174は表示操作ユニット105に対して、操作部107の全てのキー121〜124からの操作を受け付けず、表示部106の全ての光源137,143を消灯するようなブラック仕様の初期状態に移行させる(図9を参照)。
初期状態では、扉103の前パネル114を通して、感知手段111の位置を示す目印112を視認できる。この目印112を目安として、感知手段111の直上にユーザUの手や指を近付けると、その動きで感知手段111から制御手段151に出力される検出信号のレベルが切り替わり、表示操作制御手段174はそれまでの表示部106がすべて消灯した初期状態から、図10に示すような表示部106が点灯した切状態に表示操作ユニット105の形態を切り替える。また制御手段151は、表示操作制御手段174が表示部106を全消灯状態から点灯状態に切り替えたことを、録音再生ボード168から例えば「ピッ」のような効果音でユーザUに報知する。このようにユーザUは、表示部106の全てが消灯した初期状態であっても、表示操作ユニット105の近傍に配置された目印112を目標として、前パネル114に非接触で感知手段111を直感的に操作できる。
切状態では、LCD表示部115のバックライトユニット140を構成する光源137が点灯し、調理メニューの選択が可能なことを示す「0」の数字がLCD表示部115に表示されるように、液晶ユニット136の対応する箇所の電極133,134間に電圧が印加される。また操作用表示部116は、操作部106の各キー121〜124に共通して、バックライトユニット146の光源143が点灯し、各キー121〜124の位置を特定する表示シート141を明るく照らして、これらの各キー121〜124からの操作信号を受け付けるようになる。
その後、例えばユーザUが所望する自動調理メニューを選択する場合は、もどるキー121やすすむキー123の直上にユーザUの手や指を近付けて、所望する自動調理メニューを特定するオートメニューの番号を選択すると、図18に示すように、LCD表示部115には自動調理メニューであることを示す例えば「調理メニュー」の文字と、選択されたオートメニューの番号である例えば「4」の数字がそれぞれ表示される。この自動調理メニューの選択状態から、スタートキー122の直上にユーザUの手や指を近付けると、加熱制御手段172による被調理物への調理が開始し、LCD表示部115には加熱調理の途中から調理終了までの残時間が表示される。
また、被調理物への加熱調理を中止させたり、自動調理メニューの選択状態を解除させたりすることで、切状態に戻りたい場合には、とりけしキー124の直上にユーザUの手や指を近付ける。表示操作制御手段174はとりけしキー124からの操作信号を受け付けると、表示操作ユニット105を前述の切状態に移行させる。切状態で感知手段111の直上にユーザUの手や指を近付けると、その動きで表示操作制御手段83はそれまでの切状態から、表示部106の全てが消灯したブラック仕様の初期状態に表示操作ユニット10の形態を切り替える。
前述の図16において、ユーザが感知手段111に手や指を近付けることにより、表示操作ユニット105が初期状態から切状態に移行した後は、ユーザUが再び感知手段111に手や指を近付けない限り、初期状態には戻らずに切状態を継続する。これにより、一定時間が経過すると切状態から初期状態に戻ってしまい、再び初期状態から切状態への操作を強いられる使い勝手の悪さが解消される。また、初期状態から調理開始までの一連の操作で、ユーザUが前パネル114の表面に指や手を触れる必要がないため、今までのオーブンレンジとは違う斬新で新しい操作感を得ることができ、手や指が濡れたり汚れたりしても、オーブンレンジ200に触れることなく操作することが可能になる。こうした機能は、近接スイッチによる感知手段111を付加するだけで、複雑な人工知能を利用せずに簡単に実現でき、オーブンレンジ200への搭載も容易になる。
前述した自動調理メニューの選択や、被調理物の調理開始や取り消しは、図18に示すようなオーブンレンジ200側からだけではなく、ユーザUが利用するスマートフォンSからも操作できる。スマートフォンSは一般的に知られるように、扁平状の機器本体191の表面側に表示を行なうための表示手段192と、操作を行なうための操作手段193とを備えた外観構成を有する。また図示しないが、機器本体101の内部には、WiFiモジュール153やインターネット上のサーバとの間で各種データのやり取りを可能にする端末通信部と、操作手段193からの操作信号や、端末通信部からのデータを受けて、表示手段192を含む各部を制御したり、端末通信部に必要なデータを送出したりする端末制御部とを備えている。
スマートフォンSの表示手段192は、好ましくはカラー表示が可能な液晶ディスプレイなどで構成される。また操作手段193は、好ましくは表示手段192の表面側に配置され、複数の透明電極スイッチを有してなるタッチパネルを含んで構成される。非押動操作体としてのタッチパネルは、スマートフォンSの使用者による表示手段192上でのタッチ操作を可能にするもので、タッチされた位置に対応して、端末制御部に操作信号が各々送出される。
そして本実施形態では、オーブンレンジ200が切状態で、表示操作制御手段174が操作部107からの操作信号を受け付けているときに、スマートフォンSの端末制御部が、そのオーブンレンジ200で調理可能な一つの調理メニューに関するメニュー決定画面を、インターネット上のサーバから取得して表示手段192に表示させると、そこからメニュー決定画面に表示される調理メニューを特定してオーブンレンジ200に送信したり、その調理メニューでの加熱調理の開始をオーブンレンジ200に指示したり、オーブンレンジ200で選択された調理メニューを取り消したりすることができる。
例えば図19に示すように、「鶏のから揚げ」(オートメニューの番号は「4」)に関するメニュー決定画面が、スマートフォンSの表示手段192に表示されているときに、そのメニュー決定画面の「送信」上で、タッチパネルによる操作手段193をタップ操作すると、スマートフォンSの端末通信部からWiFiモジュール153に送出される通信データを表示操作制御手段174で受け付けて、加熱制御手段172がオーブンレンジ200で調理可能な調理メニューの中から、「鶏のから揚げ」に対応する調理メニューを選択する。これにより、LCD表示部115には自動調理メニューであることを示す例えば「調理メニュー」の文字と、選択されたオートメニューの番号である「4」の数字と、料理集のページである「73」がそれぞれ表示される。
代わりに、同じメニュー決定画面の「スタート」上で、タッチパネルによる操作手段193をタップ操作すると、オーブンレンジ200側で加熱制御手段172による被調理物への調理の開始が指示される。また、同じメニュー決定画面の「とりけし」上で、タッチパネルによる操作手段193をタップ操作すると、オーブンレンジ200側で自動調理メニューの選択状態が解除され、切状態に戻る。
以上のように、本実施形態のオーブンレンジ200は、生体となるユーザUの手や指などの動きを非接触で感知する近接スイッチによる感知手段111と、調理に関する表示及び操作のための表示操作ユニット105と、感知手段111が手や指などの動きを感知すると、感知手段111が手や指などの動きを再び感知するまで、表示操作ユニット105の表示部106を点灯表示させて、表示操作ユニット10の操作部107からの操作を受け付け、感知手段13が手や指などの動きを再び感知すると、表示操作ユニット10の表示部106を消灯させて、表示操作ユニット105の操作部107からの操作を受け付けないように切替える第1切替手段としての機能を、表示操作制御手段174に備えている。
この場合、近接スイッチによる感知手段111を付加するだけの簡単な構造で、手や指などの動きを感知手段111が感知すれば、調理器となる炊飯器100に触れることなく、表示操作ユニット105の表示部106を点灯表示させると共に、操作部107からの操作を受け付けることで、調理に関する表示や操作を容易に行なうことが可能になる。また表示操作ユニット105は、次に感知手段111が手や指の動きを再び感知しない限り、点灯表示されたまま次の操作を受け付ける状態を継続するので、一定時間が経過した後に、再び同じ感知手段111への操作を強いられる使い勝手の悪さを解消できる。
また、本実施形態の表示操作ユニット105は、調理に関する表示のための表示部106と、調理に関する操作のために、生体の動きを非接触で感知する近接スイッチによる操作部107と、を備えており、感知手段111の感度を操作部107の感度よりも高く設定する構成としている。
これにより、表示操作ユニット105の形態を切替える手や指などの動きに、感知手段111のみならず操作部107も一緒に反応して、意図しない操作信号が操作部107から出力されるのを極力防ぐことが可能になる。
また図12で示したように、本実施形態の表示操作ユニット105は、調理に関する表示のための表示部106と、調理に関する操作のために、生体の動きを非接触で感知する近接スイッチによる操作部107と、を備えており、表示部106は、点灯または消灯するLEDなどの光源143と、光源143からの入射光を導光する導光体としての導光板145と、導光体145からの光を受けて操作部107の位置を示す表示シート141と、を含んで構成され、導光板145の裏面に操作部107の各キー121〜124を配設し、導光板145の表面に表示シート141を直接対向させた構成となっている。
つまり、表示シート141と導光板145との間にではなく、導光板145の裏面に操作部107の各キー121〜124を配設することで、操作部107をわざわざ透明に形成する必要がなく、例えば基板にセンサを搭載した簡単な操作部107の構成で、導光板145の表面から表示シート141に向けて、光源143から導いた光を直接照射することが可能となる。
また、本実施形態のオーブンレンジ200は、その本体101に外部の通信機器であるスマートフォンSとの無線通信を可能にする通信手段としてのWiFiモジュール153と、スマートフォンSにおいて調理の選択を含む設定および動作に関する操作に伴う通信データが、スマートフォンSからWiFiモジュール153に送信されると、そうした調理の設定および動作を受け付ける通信制御手段173と、をさらに備えている。
この場合、調理の設定および動作に関する操作を行なうための通信データを、WiFiモジュール153を通して通信制御手段173で受け付けるようにすることで、スマートフォンS側の表示操作部となる表示手段192や操作手段193を有効に利用して、スマートフォンSの画面を見ながら調理の設定や動作の指示を行なうことが可能となる。
また本実施形態では、被調理物を出し入れ可能に収容する収容部としての調理室110と、調理室110の前部開口部を覆う開閉可能な開閉体としての扉103と、感知手段111がユーザUの手や指などの動きを感知する毎に、開閉機構169の動作を制御して、扉103を開状態または閉状態に切替える第2切替手段としての機能を、開閉制御手段175にさらに備えている。
これにより、ユーザUの手や指などの動きを感知手段111が感知すれば、オーブンレンジ200に触れることなく扉103を開けたり閉めたりすることが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。本発明は、上述した炊飯器100やオーブンレンジ200に限定されず、調理に関する表示や操作を行なうために、表示操作ユニットを組み込んだあらゆる調理器に適用可能である。また、第1実施形態の炊飯器100に第2実施明体で説明したWiFiモジュール153や通信制御手段173を付加してもよいし、スマートフォンSの表示形態も炊飯器100用に適宜変更して構わない。
2 蓋体(開閉体)
3 鍋(収容部)
8,106 表示部
9,107 操作部
10,105 表示操作ユニット
13,111 感知手段
83,174 表示操作制御手段(第1切替手段)
84,175 開閉制御手段(第2切替手段)
103 扉(開閉体)
110 調理室(収容部)
141 表示シート
143 光源
145 導光板(導光体)

Claims (5)

  1. 生体の動きを非接触で感知する近接スイッチによる感知手段と、
    調理に関する表示及び操作のための表示操作ユニットと、
    前記感知手段が前記生体の動きを感知すると、前記感知手段が前記生体の動きを再び感知するまで、前記表示操作ユニットを点灯表示させて、当該表示操作ユニットからの操作を受け付け、前記感知手段が前記生体の動きを再び感知すると、前記表示操作ユニットを消灯させて、当該表示操作ユニットからの操作を受け付けないように切替える第1切替手段と、を備えたことを特徴とする調理器。
  2. 前記表示操作ユニットは、調理に関する表示のための表示部と、調理に関する操作のために、生体の動きを非接触で感知する近接スイッチによる操作部と、を備え、
    前記感知手段の感度を前記操作部の感度よりも高く設定する構成としたことを特徴とする請求項1記載の調理器。
  3. 前記表示操作ユニットは、調理に関する表示のための表示部と、調理に関する操作のために、生体の動きを非接触で感知する近接スイッチによる操作部と、を備え、
    前記表示部は、点灯または消灯する光源と、前記光源からの入射光を導光する導光体と、前記導光体からの光を受けて前記操作部の位置を示す表示シートと、を含んで構成され、
    前記導光体の裏面に前記操作部を配設し、前記導光体の表面に前記表示シートを直接対向させたことを特徴とする請求項1または2記載の調理器。
  4. 通信機器との無線通信を可能にする通信手段と、
    前記通信機器において調理の設定および動作に関する操作に伴う通信データが、当該通信機器から前記通信手段に送信されると、前記調理の設定および動作を受け付ける通信制御手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の調理器。
  5. 被調理物を出し入れ可能に収容する収容部と、
    前記収容部の開口部を覆う開閉可能な開閉体と、
    前記感知手段が前記生体の動きを感知する毎に、前記開閉体を開状態または閉状態に切替える第2切替手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れか一つに記載の調理器。
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