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JP2021017723A - 排水構造 - Google Patents

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JP2021017723A JP2019133444A JP2019133444A JP2021017723A JP 2021017723 A JP2021017723 A JP 2021017723A JP 2019133444 A JP2019133444 A JP 2019133444A JP 2019133444 A JP2019133444 A JP 2019133444A JP 2021017723 A JP2021017723 A JP 2021017723A
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Abstract

【課題】排水トラップの高さを抑制しつつ、排水トラップの封水を通過した排水が横引き管へスムーズに流れるようにする。【解決手段】排水構造10は、封水34を貯留可能に構成され、床材22に設けられた貫通部32に上部41Aが挿入されて設置された排水トラップ12と、排水トラップ12の封水34より下流側に接続された横引き管14と、排水トラップ12の封水34より下流側のうち、横引き管14より上方で、かつ排水トラップ12の上部41Aを含む位置に接続された通気管16と、を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、排水構造に関する。
洗濯機等の水廻り機器の設置場所に用いられる防水パンに、排水トラップを設けた構造が開示されている(特許文献1参照)。この構造では、水廻り機器からのホースが排水トラップの封水容器と接続されている(第一流路)。また、このホースが破れた場合に備え、第一流路とは別に蓋体を貫通し封水容器に通じる第二流路が設けられている。
特開2019−44522号公報
しかしながら、サイホン排水システムにおいて、この様な第二流路に排水が流れ込んできても、水頭が低いため排水トラップから横引き管へ排水を押し流す力は弱い。一方で、横引き管にサイホン力が発生開始するまでには一定の時間を要し、それまでは排水が多く流れて行かない。これらのことから、流路内に空気が溜まってしまい、第二流路に入りきらなかった排水が防水パンの上に溢れてしまうおそれがあった。この対策として水頭を高くすることが考えられるが、単に水頭を高くするだけだと床下の高さ方向により大きなスペースが必要となる。
本発明は、排水トラップの高さを抑制しつつ、排水トラップの封水を通過した排水がサイホン排水管へスムーズに流れるようにすることを目的とする。
第1の態様に係る排水構造は、封水を貯留可能に構成され、板状部材に設けられた貫通部に上部が挿入されて設置された排水トラップと、前記排水トラップの前記封水より下流側に接続されたサイホン排水管と、前記排水トラップの前記封水より下流側のうち、前記サイホン排水管より上方で、かつ前記排水トラップの前記上部を含む位置に接続された通気管と、を有する。
この排水構造では、排水トラップの上部が板状部材に設けられた貫通部に挿入され、該上部を含む位置に通気管が接続されている。これにより、通気管と板状部材との干渉を抑制しつつ、通気管を排水トラップのより高い位置に接続できる。またこれによって、通気管とサイホン排水管との上下方向の距離が大きくなるので、排水トラップと通気管との接続位置が封水を通過した排水で塞がれることが抑制される。このため、排水トラップ内の封水より下流側の空気が通気管へ流れ、該空気が排水トラップ内に滞留することが抑制される。また、通気管とサイホン排水管との上下方向の距離が大きくなることで水頭も大きくなるため、封水を通過した排水がサイホン排水管へスムーズに流れ易くなる。
第2の態様は、第1の態様に係る排水構造において、前記排水トラップが、前記サイホン排水管及び前記通気管が接続される外かご、前記外かごの内側に配置され前記封水を貯留可能な内かご、及び前記内かごの内側に配置され前記封水を形成する内筒を有し、前記サイホン排水管の内周面の下端は、前記外かごの底部の高さに位置する。
この排水構造では、サイホン排水管の内周面の下端を外かごの底部の高さに合わせることで、排水トラップの高さを更に抑制できる。
第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に係る排水構造において、前記通気管と前記サイホン排水管とが連通管により接続されている。
この排水構造では、通気管に排水が流入した場合でも、該排水は連通管を通じてサイホン排水管へ排出される。このため、通気管の水抜きを行うことができる。
第4の態様は、第3の態様に係る排水構造において、前記連通管の内部には、前記通気管と前記サイホン排水管との間で管内の空気を双方向に通し、前記通気管から前記サイホン排水管へ排水を通し、前記サイホン排水管から前記通気管へ排水を通さないフロート弁が設けられている。
この排水構造では、連通管の内部にフロート弁が設けられているので、連通管を通じたサイホン排水管から通気管への空気の排出を可能にすると共に、連通管を通じたサイホン排水管から通気管への排水の流入を抑制できる。
第5の態様は、第3の態様又は第4の態様に係る排水構造において、前記通気管が、前記通気管と前記排水トラップとの接続部から下方へ延びる部分と再び上方へ向かう部分の境界に位置する低い部分を有し、前記連通管は、前記通気管の前記低い部分に接続されている。
この排水構造では、連通管が、通気管の低い部分に接続されているので、通気管に排水が流入した場合でも、該排水は連通管を通じてサイホン排水管へ排出され易い。このため、通気管の水抜きを効率的に行うことができる。
第6の態様は、第5の態様に係る排水構造において、前記板状部材は床材であり、前記床材の上には防水パンが設けられ、前記排水トラップは前記防水パンに接続され、上面視において、前記通気管の前記低い部分は前記貫通部と重なっている。
この排水構造では、排水トラップが防水パンに接続され、上面視において、通気管の低い部分が床材の貫通部と重なっているので、該低い部分に接続された連通管は、排水トラップの近くに位置する。したがって、汚れの付着し易い連通管の清掃を排水トラップ側から容易に行うことができる。
本発明に係る排水構造によれば、排水トラップの高さを抑制しつつ、排水トラップの封水を通過した排水がサイホン排水管へスムーズに流れるようにすることができる。
第1実施形態に係る排水構造を示す断面図である。 連通管の内部のフロート弁を示す断面図である。 第2実施形態に係る排水構造を示す断面図である。 参考例に係る排水構造を示す断面図である。 参考例における排水トラップの内部構造を示す断面図である。 外かごの内部構造を示す斜視断面図である。 外かごの内部構造を示す斜視断面図である。 外かごから壁形成部材を取り外した状態を示す斜視断面図である。 壁形成部材を示す斜視図である。 他の方向から見た壁形成部材を示す斜視図である。 参考例において、通気路が下方側に開放されていない例を示す断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づき説明する。
[第1実施形態]
図1において、本実施形態に係る排水構造10は、排水トラップ12と、サイホン排水管の一例としての横引き管14と、通気管16とを有している。
建物17の床スラブ18の上方には、板状部材の一例としての床材22が水平に設けられている。床材22と床スラブ18の間には、床下スペース24が設けられている。床材22の上には、防水パン26が設けられている。防水パン26の上には、図示しない洗濯機等の水廻り機器が設置される。水廻り機器と排水トラップ12とは、ホース28により接続される。防水パン26を用いることにより、ホース28が破れて排水が漏れた場合でも、その排水を該防水パン26で受け止めて排水トラップ12へ流すことが可能となっている。床材22には、貫通部32が形成されている。この貫通部32を通じて、排水トラップ12が防水パン26に接続されている。
排水トラップ12は、封水34を貯留可能に構成され、床材22に設けられた貫通部32に上部41Aが挿入されて設置されている。具体的には、排水トラップ12は、外かご41、内かご42及び内筒43を有している。上部41Aとは、排水トラップ12の上端を防水パン26に接続した場合に、該排水トラップ12のうち床材22と水平方向に重なる位置にある部位である。
外かご41は、排水トラップ12のうち、横引き管14及び通気管16が接続される最も外側の容器である。外かご41の上部41Aは、床材22の貫通部32に挿入されている。外かご41は、防水パン26の下面に当接している。防水パン26の上面側には、環状の取付け部材36が配置されている。取付け部材36と防水パン26との間には、パッキン38が設けられている。取付け部材36は外かご41のねじ部41B(図6から図8参照)に螺合可能であり、取付け部材36を外かご41のねじ部41Bに螺合させることにより、パッキン38と外かご41の間に防水パン26が水密に挟み込まれる。これにより、外かご41が防水パン26の下面に固定されている。
内かご42は、外かご41の内側に配置され封水34を貯留可能な容器である。内かご42の外周面には、封水34の水位の上限を定める排水窓42Aが貫通して形成されている。内かご42は、開口する排水トラップ12の開口部(図示せず)を通じて、防水パン26側から外かご41の内側に着脱自在である。
内筒43は、内かご42の内側に配置され、封水34を形成する筒状部材である。この内筒43は、防水パン26に開口する排水トラップ12の開口部(図示せず)を通じて、防水パン26側から内かご42の内側に着脱自在である。排水トラップ12において、水廻り機器からの排水は、内筒43の内側に流入して封水34と混ざり、内かご42の排水窓42Aから溢れた排水が外かご41内に入り、横引き管14を通じて排水トラップ12の外側へ排出されるようになっている。
横引き管14は、排水トラップ12の封水34より下流側に接続されている。この横引き管14は、床スラブ18の上に例えば水平に配置されている。排水トラップ12における外かご41の底部は、床スラブ18の上面近傍に位置する。この結果、横引き管14の内周面の下端は、外かご41の底部の高さに位置している。横引き管14の下流端には、建物15の下方に延びる竪管(図示せず)が接続されている。この竪管の下端は、建物の15の各階を貫通する排水立て管(図示せず)に接続されている。
通気管16は、サイホン力発生時における封水34の破封を抑制するために設けられている。この通気管16は、排水トラップ12の封水34より下流側のうち、横引き管14より上方で、かつ排水トラップ12の上部41Aを含む位置に接続されている。具体的には、排水トラップ12に対する通気管16の接続部16Aは、排水トラップ12の外かご41のうち、床材22の貫通部32に挿入された上部41Aに接続されている。なお、通気管16の接続部16Aが、貫通部32に挿入された上部41Aと、貫通部32に挿入されていない部分、換言すれば床材22よりも低い部分とに跨って接続されていてもよい。接続部16Aの上端は、床材22の厚みがある範囲内にある。接続部16Aの下端は床材22よりも低い部分にあってもよいが、厚みの範囲内にある方が、排水トラップ12に滞留した排水が通気管16になるべく入らない様にするという点で好ましい。
通気管16は、排水トラップ12との接続部16Aから下方へ延びる部分(下降部16B)と、再び上方へ向かう部分(主管部16C)の境界に位置する低い部分16Dを有する。上面視において、通気管16の低い部分16Dは、貫通部32と重なっている。通気管16の主管部16Cは、床下スペース24のうち、床材22に近い高さに配置されている。主管部16Cには、低い部分16Dから立ち上がり部16Eに向かって上り勾配が付されている。これは、通気管16に排水が流入した場合に、該排水が通気管16の下流側に流れて行くことを抑制するためである。通気管16の主管部16Cの下流側端部には、例えば上方に延びる立ち上がり部16Eが設けられている。立ち上がり部16Eは、床材22に設けられた貫通部40と、隣り合う壁44の間を通って上方に延びている。
なお、一例として、通気管16は、立ち上がり部16Eにおいて洗濯機等の水廻り機器の高さまで延びた後、再び下降して再び床下スペース24に入り、例えば排水立て管(図示せず)に接続されている。
通気管16と横引き管14とは、例えば上下方向に延びる連通管50により接続されている。連通管50は、通気管16の低い部分16Dに接続されている。上面視において、通気管16の低い部分16Dは貫通部32と重なっているので、該低い部分16Dに接続された連通管50の上端部も、貫通部32と重なる位置にある。
連通管50の内部には、フロート弁52が設けられている。フロート弁52は、通気管16と横引き管14との間で管内の空気を双方向に通し、通気管16から横引き管14へ排水を通し、横引き管14から通気管16へ排水を通さないように構成されている。具体的には、図2に示されるように、連通管50の内部には、フロート46が設けられている。フロート46の密度は、空気の密度よりも小さく、水の密度よりも大きい。したがって、フロート46は、排水に対して浮上し、空気に対して下降する。フロート46の下側には、フロート46が連通管50の下方へ離脱しないようにするための支持部48が設けられている。フロート46が支持部48に載った状態でも、フロート46と支持部48の周囲との間には隙間が確保されている。このため、通気管16と横引き管14との間で管内の空気を双方向に通したり、通気管16から横引き管14へ排水を流したりすることができる。一方、フロート46の上側には、弁座54が設けられている。横引き管14から連通管50に流入した排水によりフロート46が弁座54に押し当てられると、連通管50と通気管16との間が閉塞され、横引き管14から通気管16へ排水を通さないようになっている。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図1において、排水構造10では、排水トラップ12の上部41Aが床材22に設けられた貫通部32に挿入され、該上部41Aを含む位置に通気管16が接続されている。これにより、通気管16と床材22との干渉を抑制しつつ、通気管16を排水トラップ12のより高い位置に接続できる。またこれによって、通気管16と横引き管14との上下方向の距離が大きくなるので、排水トラップ12と通気管16との接続位置が封水34を通過した排水で塞がれることが抑制される。このため、排水トラップ12内の封水34より下流側の空気が通気管16へ流れ、該空気が排水トラップ12内に滞留することが抑制される。また、通気管16と横引き管14との上下方向の距離が大きくなることで水頭も大きくなるため、封水34を通過した排水が横引き管14へスムーズに流れ易くなる。
また、横引き管14の内周面の下端を外かご41の底部の高さに合わせることで、排水トラップ12の高さを更に抑制できる。
更に、通気管16と横引き管14とが連通管50により接続されているので、通気管16に排水が流入した場合でも、該排水は連通管50を通じて横引き管14へ排出される。このため、通気管16の水抜きを行うことができる。
また、連通管50の内部にフロート弁52が設けられているので、連通管50を通じた横引き管14から通気管16への空気の排出を可能にすると共に、連通管50を通じた横引き管14から通気管16への排水の流入を抑制できる。
更に、連通管50が、通気管16の低い部分16Dに接続されているので、通気管16に排水が流入した場合でも、該排水は連通管50を通じて横引き管14へ排出され易い。具体的には、通気管16の接続部16Aから下降部16Bに流入した排水と、主管部16Cに流入した排水は、共に低い部分16Dに集まり、連通管50を通じて横引き管14へ排出される。このため、通気管16の水抜きを効率的に行うことができる。
また、排水トラップ12が防水パン26に接続され、上面視において、通気管16の低い部分16Dが床材22の貫通部32と重なっているので、該低い部分16Dに接続された連通管50は、排水トラップ12の近くに位置する。したがって、汚れの付着し易い連通管50の清掃を排水トラップ12側から容易に行うことができる。
このように、本実施形態によれば、排水トラップ12の高さを抑制しつつ、排水トラップ12の封水34を通過した排水が横引き管14(サイホン排水管)へスムーズに流れるようにすることができる。
[第2実施形態]
図3において、本実施形態に係る排水構造20では、防水パン26の設置範囲内において、床材22には貫通部32に開口した切欠き60が設けられている。通気管16は、切欠き60を通じて排水トラップ12の上部41Aを含む位置に接続されている。具体的には、排水トラップ12に対する通気管16の接続部16Aは、排水トラップ12の外かご41のうち、床材22の貫通部32に挿入された上部41Aに接続されている。なお、通気管16の接続部16Aが、貫通部32に挿入された上部41Aと、貫通部32に挿入されていない部分、換言すれば床材22よりも低い部分とに跨って接続されていてもよい。
図3において、切欠き60は床材22の一部を下面側から除去した形状を有する。床材22の上面側は、切欠き60の部分も含め平坦であるので、防水パン26の支持に適している。また、切欠き60は、床材22が薄くなる平坦部60A及び傾斜部60Cを有している。傾斜部60Cは、平坦部60Aと切欠き60のない一般部60Bとを繋ぐ部位である。傾斜部60Cにおいては、床材22の厚さが変化している。なお、図3に示される例では、切欠き60が床材22を上下方向に貫通していないが、床材22を上下方向に貫通する構成であってもよい。
通気管16の下降部16Bは、切欠き60の傾斜部60Cに沿って配置されている。通気管16は、接続部16Aから下降部16Bの手前まで水平に配置されている。なお、この区間に対し、下降部16B側に向かって下り勾配が付されていてもよい。また、主管部16Cは、床材22に近い高さに配置され、立ち上がり部16Eに至るまで水平に配置されている。なお、この区間に対して、立ち上がり部16E側に向かって下り勾配が付されていてもよい。
通気管16の低い部分16Dは、切欠き60のない部分に設けられて連通管50に接続されている。換言すれば、通気管16の低い部分16Dは、切欠き60から外れた位置、つまり排水トラップ12から離れた位置に設けられている。図3においては、通気管16の低い部分16Dは、立ち上がり部16Eの真下に設けられている。連通管50も、立ち上がり部16Eの真下に設けられている。連通管50の内部には、第1実施形態と同様のフロート弁52(図2参照)が設けられている。
他の部分については、第1実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
(作用)
本実施形態は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図2において、排水構造20では、通気管16が、床材22に設けられた切欠き60を通じて、排水トラップ12のうち床材22の貫通部32に挿入された上部41Aを含む位置に接続されている。したがって、通気管16と床材22との干渉を抑制できる。
また、通気管16の低い部分16Dが、切欠き60のない部分に設けられて連通管50に接続されている。つまり、通気管16の低い部分16Dが床材22の貫通部32と重なっている場合と比較して、排水トラップ12から連通管50までの距離が長い。このため、通気管16への排水の流入をある程度許容できる。
[参考例]
図4において、参考例に係る排水構造30では、排水トラップ12における外かご41の内部に、通気管16と連通し、上方に向かって床材22の高さ位置まで延びる通気路70が形成されている。一例として、通気路70は、外かご41の内面と、内面から離間した第1壁部71との間に形成されている。また、通気路70は、外かご41における通気管16の接続位置41Cの内側から上方に延びている。通気路70と、外かご41における横引き管14の接続位置41Dの内側部56とは、連通路58により接続されている。連通路58は、外かご41の内面と、内面から離間した第2壁部72との間に形成されている。
外かご41の径方向において、通気路70の幅は連通路58の幅よりも小さい。第1壁部71と第2壁部72とは、外かご41の上下方向に対して傾斜した傾斜壁部73により結合されて連なっている。第1壁部71、傾斜壁部73及び第2壁部72は、例えば壁形成部材74として一体的に形成されている。この壁形成部材74は、外かご41から取外し可能である。
図8に示されるように、外かご41の内面には、上下方向に延びる例えば断面L字形のガイドレール76が設けられている。このガイドレール76は、一対設けられている。また、図9に示されるように、壁形成部材74には、ガイドレール76に沿って摺動し、該ガイドレール76に対して嵌合する嵌合部78が設けられている。嵌合部78をガイドレール76に沿って上下方向にスライドさせることで、壁形成部材74が外かご41に対して着脱可能となっている。
なお、外かご41に対する壁形成部材74の取付け方向は上下方向に限られず、径方向であってもよい。一例として、外かご41の内面に径方向内側に突出する引掛け部(図示せず)を設け、壁形成部材74の嵌合部78を該引掛け部に対して嵌め込む構成であってもよい。この場合、壁形成部材74を外かご41に対して径方向に着脱可能となる。なお、引掛け部は、断面矢印状又は片矢印状に形成されてもよい。また、壁形成部材74の材質は、シリコンゴム等の弾性材料であってもよい。
図5から図7に示されるように、通気路70の上端には、通気路70の上方への開放を遮る庇64が設けられている。図8、図9に示されるように、庇64は、例えば第1壁部71の上端に複数の支持部67を介して一体的に形成されている。この庇64により、通気路70は外かご41の径方向内側に開口している。
図4、図5において、連通路58の内部には、フロート弁62が設けられている。このフロート弁62は、通気路70と内側部56との間で管内の空気を双方向に通し、通気路70から内側部56へ排水を通し、内側部56から通気路70へ排水を通さないように構成されている。具体的には、連通路58の内部には、フロート66が設けられている。フロート66の密度は、空気の密度よりも大きく、水の密度よりも小さい。したがって、フロート66は、排水に対して浮上し、空気に対して下降する。フロート66の下側には、フロート66が連通路58の下方へ離脱しないようにするための支持部68が設けられている。フロート66が支持部68に載った状態でも、フロート66と支持部68の周囲との間には隙間が確保されている。このため、通気路70と内側部56との間で管内の空気を双方向に通したり、通気路70から内側部56へ排水を流したりすることができる。一方、フロート66の上側には、弁座84が設けられている。内側部56から連通路58に流入した排水によりフロート66が弁座84に押し当てられると、連通路58と通気路70との間が閉塞され、内側部56から通気路70へ排水を通さないようになっている。
なお、通気路70と、外かご41における横引き管14の接続位置の内側部56とは、連通路58により接続されるものとしたが、図11に示されるように、連通路58を省略し、通気路70が上方のみに開放され、下方側に開放されない構成であってもよい。また、図11に示されるように、図5に記載の庇64を省略した構成であってもよい。この場合、通気路70の上端が、内かご42の排水窓42Aよりも上に位置するようにしてもよい。封水34を通過し排水窓42Aから流出する排水が通気路70に流入し難くなるためである。
他の部分については、第1実施形態又は第2実施形態と同様であるので、同一の部分には図面に同一の符号を付し、説明を省略する。
(作用)
本参考例は、上記のように構成されており、以下その作用について説明する。図4、図5において、排水構造30では、排水トラップ12の外かご41の内部に、通気管16と連通し、上方に向かって床材22の高さ位置まで延びる通気路70が形成されているので、通気管16が床材22と干渉しない位置に配置されていても、封水34を通過した排水で通気管16が塞がれることが抑制される。これにより、排水トラップ12内の封水34より下流側の空気の入れ替えがスムーズに行われ、該空気が通気管16へ流れる。このため、排水トラップ12内の封水34より下流側に空気が滞留することが抑制される。
また、通気路70と、外かご41における横引き管14の接続位置の内側部56とが連通路58によれ接続され、連通路58の内部にフロート弁62が設けられているので、連通路58を通じた上記内側部56から通気路70への空気の排出を可能にすると共に、連通路58を通じた上記内側部56から通気路70への排水の流入を抑制できる。また、通気路70に排水が流入した場合でも、該排水は連通路58を通じて上記内側部56から横引き管14へ排出される。
更に、通気路70の上端に、通気路70の上方への開放を遮る庇64が設けられているので、封水34を通過した排水が通気路70に流入することが抑制される。これにより、通気路70から通気管16への空気の通路が確保されるので、排水トラップ12内の封水34より下流側に空気が滞留することが抑制される。
また、この排水構造30では、外かご41の径方向において、通気路70の幅が連通路58の幅よりも小さい。また、通気路70の第1壁部71と連通路58の第2壁部72とが、外かご41の上下方向に対して傾斜した傾斜壁部73により結合されて連なっている。したがって、排水トラップ12において、第1壁部71から傾斜壁部73に沿って内かご42を設置することにより、内かご42の容量を確保できる。このため、排水トラップ12の高さ寸法をコンパクトにすることができる。
更に、この排水構造では、第1壁部71、傾斜壁部73及び第2壁部72が、例えば壁形成部材74として一体的に形成され、外かご41から取外し可能であるので、壁形成部材74を外かご41から取り外すことで、排水トラップ12の清掃が容易となる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態の一例について説明したが、本発明の実施形態は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
また、上記実施形態と参考例を適宜組み合わせることも可能である。
10…排水構造、12…排水トラップ、14…横引き管(サイホン排水管)、16…通気管、16A…接続部、16B…下降部(下方へ延びる部分)、16C…主管部(上方へ向かう部分)、16D…低い部分、20…排水構造、22…床材(板状部材)、26…防水パン、30…排水構造、32…貫通部、34…封水、41…外かご、42…内かご、43…内筒、50…連通管、52…フロート弁

Claims (6)

  1. 封水を貯留可能に構成され、板状部材に設けられた貫通部に上部が挿入されて設置された排水トラップと、
    前記排水トラップの前記封水より下流側に接続されたサイホン排水管と、
    前記排水トラップの前記封水より下流側のうち、前記サイホン排水管より上方で、かつ前記排水トラップの前記上部を含む位置に接続された通気管と、
    を有する排水構造。
  2. 前記排水トラップは、前記サイホン排水管及び前記通気管が接続される外かご、前記外かごの内側に配置され前記封水を貯留可能な内かご、及び前記内かごの内側に配置され前記封水を形成する内筒を有し、
    前記サイホン排水管の内周面の下端は、前記外かごの底部の高さに位置する請求項1に記載の排水構造。
  3. 前記通気管と前記サイホン排水管とが連通管により接続されている請求項1又は請求項2に記載の排水構造。
  4. 前記連通管の内部には、前記通気管と前記サイホン排水管との間で管内の空気を双方向に通し、前記通気管から前記サイホン排水管へ排水を通し、前記サイホン排水管から前記通気管へ排水を通さないフロート弁が設けられている請求項3に記載の排水構造。
  5. 前記通気管は、前記通気管と前記排水トラップとの接続部から下方へ延びる部分と再び上方へ向かう部分の境界に位置する低い部分を有し、
    前記連通管は、前記通気管の前記低い部分に接続されている請求項3又は請求項4に記載の排水構造。
  6. 前記板状部材は床材であり、
    前記床材の上には防水パンが設けられ、
    前記排水トラップは前記防水パンに接続され、
    上面視において、前記通気管の前記低い部分は前記貫通部と重なっている請求項5に記載の排水構造。
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