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JP2021015052A - 測定装置 - Google Patents

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JP2021015052A
JP2021015052A JP2019130165A JP2019130165A JP2021015052A JP 2021015052 A JP2021015052 A JP 2021015052A JP 2019130165 A JP2019130165 A JP 2019130165A JP 2019130165 A JP2019130165 A JP 2019130165A JP 2021015052 A JP2021015052 A JP 2021015052A
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努 中尾
Tsutomu Nakao
努 中尾
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Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp
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Toshiba Corp
Toshiba Infrastructure Systems and Solutions Corp
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Abstract

【課題】容易な構成で被搬送物の長さを測定できる測定装置を提供する。【解決手段】測定装置は、レンズと、エリアセンサと、取得部と、を備える。レンズは、第1方向に搬送されるシート状の被測定物の測定面を臨む位置に配置される。エリアセンサは、レンズを挟んで被測定物の反対側に配置され、測定面を撮像する撮像面を備える。エリアセンサは、被測定物が移動して、測定面とレンズとの間の距離である物体距離が変化した場合に、当該物体距離に応じて定まるレンズと撮像面との間の距離である像距離に、第1方向と略直交する第2方向に延在する複数の撮像ラインのうちいずれかが位置するように撮像面を傾けている。取得部は、現在の位置の被測定物の測定面とレンズとの間の物体距離に対応する像距離の位置に存在する撮像ラインに写っている測定面の端部の位置を取得し、当該端部の位置に基づき被測定物の第2方向の長さを算出する。【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、測定装置に関する。
従来、様々な材質のシート状材料(例えば鋼板等)の製造ラインにおいて、連続的に搬送されるシート状材料の形状の測定を非接触で自動的に実行する装置が種々提案されている。このようなシート状材料(被測定物)が搬送される場合、被測定物が搬送面(例えば、ローラコンベア等)に対して上下方向に変位している場合がある。例えば、搬送時の飛びはねや自重による撓み等による上下動が生じている場合がある。被測定物の上下動は、測定精度の低下の原因になり得る。そこで、例えば、被測定物の上下動を検出するレーザ距離計と被測定物の表面を測定するラインセンサとを組み合わせて被搬送物の幅(搬送方向と略直行する方向の長さ)の測定を行う幅測定装置が提案されている。
特開2016−125857号公報
しかしながら、従来の装置の場合、異なる構成(種類)のセンサで測定された測定値を組み合わせて測定結果を得ている。そのため、測定時の環境変化、例えば温度変化等により各センサの設置角度や特性等が個別に変動してしまう場合がある。このような場合、個々のセンサで発生した誤差が、測定結果に反映されてしまい(積み上げられてしまい)、測定結果の精度を低下させてしまう場合があった。そこで、搬送時の上下動を考慮しつつ、異なる種類の測定値を組合せることなく、測定誤差の軽減が可能な容易な構成の測定装置が提供できれば、測定精度の向上が図れて有意義である。
実施形態にかかる測定装置は、例えば、レンズと、エリアセンサと、取得部と、を備える。レンズは、第1方向に搬送されるシート状の被測定物の測定面を臨む位置に配置される。エリアセンサは、レンズを挟んで被測定物の反対側に配置され、測定面を撮像する撮像面を備える。このエリアセンサは、被測定物が移動して、測定面とレンズとの間の距離である物体距離が変化した場合に、当該物体距離に応じて定まるレンズと撮像面との間の距離である像距離に、第1方向と略直交する第2方向に延在する複数の撮像ラインのうちいずれかが位置するように撮像面を傾けている。取得部は、現在の位置の被測定物の測定面とレンズとの間の物体距離に対応する像距離の位置に存在する撮像ラインに写っている測定面の端部の位置を取得し、当該端部の位置に基づき被測定物の第2方向の長さを算出する。
図1は、実施形態にかかる測定装置を含む被測定物の測定概念を説明する例示的かつ模式的な図である。 図2は、実施形態にかかる測定装置のエリアセンサおよびレンズの被測定物に対する位置関係およびエリアセンサの姿勢を説明する例示的かつ模式的な斜視図である。 図3は、実施形態にかかる測定装置をX方向に臨む図であり、搬送面に対して高さ方向(Z方向)に変位した被測定物の変位量の取得例を説明する説明図である。 図4は、実施形態にかかる測定装置をY方向に臨む図であり、被測定物の端部の位置を第1データに基づいて取得する例を説明する説明図である。 図5は、本実施形態にかかる測定装置において、エリアセンサの検出結果から被測定物の端部の位置を検出する方法を説明する例示的かつ模式的な図である。 図6は、本実施形態にかかる測定装置で使用可能な治具の例示的かつ模式的な平面図である。 図7は、本実施形態にかかる測定装置による長さ測定において主として焦点の合っている撮像ラインを特定する処理の流れを説明するフローチャートである。 図8は、実施形態にかかる測定装置をX方向に臨む図であり、被測定物の端部の位置を第2データに基づいて取得する方法を説明する例示的かつ模式的な図である。例を説明する説明図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。以下に記載する実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、あくまで一例であって、以下の記載内容に限られるものではない。
図1は、実施形態にかかる測定装置を含む被測定物の測定概念を説明する例示的かつ模式的な図である。本実施形態の測定装置10は、搬送面12上を連続的に搬送される鋼板等のシート状材料(以下、「被測定物14」という)の測定面14Sを臨む位置、例えば、被測定物14の上方にセンサユニット16を配置している。なお、本実施形態において、搬送面12は、被測定物14が搬送される場合に通過可能な面として定められた「基準面」と称する場合もある。本実施形態の場合、センサユニット16は、例えば、測定面14Sの左右の端部の位置を個々に撮像して、搬送面12に対する被測定物14の位置とセンサユニット16との位置関係に基づいて、被測定物14の搬送方向と略直交する方向の長さを算出する。なお、搬送方向と略直交する方向の長さは、被測定物14の「幅」と称することができる。以下の説明では、被測定物14の搬送方向を第1方向またはY方向という場合がある。また、被測定物14の搬送方向と略直交する方向、つまり、被測定物14の幅方向を第2方向またはX方向という場合がある。また、搬送面12に対する被測定物14の上下の変位方向を高さ方向またはZ方向という場合がある。
被測定物14は、搬送面12(基準面)上を図1のY方向(紙面表裏方向)に搬送される。搬送面12は、Y方向に延在する、例えばローラコンベアを構成する各ローラの上面で規定される面である。各ローラは、Y方向に関して例えば1m間隔で配置され、少なくとも一部のローラが駆動ローラとして構成され、被測定物14を連続的にY方向に搬送する。つまり、被測定物14は、Y方向に関して、前後に離間するローラの間を跨ぐ状態で連続的に移動しうる。被測定物14は、Y方向(搬送方向)の長さが例えば数百mで、X方向(幅方向)が例えば、数百mm〜数千mm程度である。被測定物14の搬送速度は、例えば、数百m/分である。このように搬送方向に長尺の被測定物14が、一定間隔で配置されたローラの上を移動する場合、搬送時の振動等により搬送面12上でばたついたり、被測定物14の自重により前後のローラの間の空間で凹状に撓んだり、またその反作用で凸状に撓んだりする場合がある。つまり、搬送途中の被測定物14は、Z方向(高さ方向)に移動する場合がある。図1は、被測定物14が搬送面12に対して上方に移動した状態が例示されている。
センサユニット16(16a,16b)は、エリアセンサ18およびレンズ20を含む。センサユニット16は、被測定物14が搬送される搬送面12を挟んで、センサユニット16とは逆側に配置された光源22からの測定光を受光する。つまり、エリアセンサ18は、被測定物14が存在する部分では測定光が遮られて未受光となり、被測定物14が存在しない部分では測定光が遮られず受光可能となる。その結果、エリアセンサ18は、被測定物14の端部の位置であるエッジ14aを測定光の受光/未受光によって検出することができる。なお、図1において、被測定物14の左側のエッジ14aを主に撮像するセンサユニット16aと、被測定物14の右側のエッジ14aを主に撮像するセンサユニット16bは、実質的に同じ構成である。したがって、以下の説明では、代表してセンサユニット16aを説明し、センサユニット16bの説明は省略する。また、センサユニット16aとセンサユニット16bを説明上特に区別する必要のない場合は、センサユニット16として説明する。
エリアセンサ18は、例えば、CMOSイメージセンサであり、光量に応じた電圧信号を出力する撮像素子がm列n行のアレイ状に配置されている。レンズ20は、例えば凸レンズである。エリアセンサ18のレンズ20を介した撮像範囲は、搬送面12をX方向の中央位置で分けた場合の片側の領域をカバーできるものとすることができる。例えば、センサユニット16aは、図1において、ローラコンベア(搬送面12)のX方向の中央位置Cから左側(例えばワークサイドWSと称する)を撮像範囲とする。また、センサユニット16bは、中央位置Cから右側(例えばドライブサイドDSと称する)を撮像範囲とする。エリアセンサ18で撮像された撮像画像は、制御部24に逐次送られる。制御部24は、取得部26、記憶部28、出力部30等を含む。制御部24の詳細は後述する。
図2は、センサユニット16(測定装置10)のエリアセンサ18およびレンズ20の被測定物14に対する位置関係およびエリアセンサ18の姿勢を説明する例示的かつ模式的な斜視図である。図2に示すように、レンズ20は、Y方向(第1方向)に搬送される被測定物14の測定面14Sを臨む位置に配置される。また、エリアセンサ18は、レンズ20を挟んで被測定物14の反対側に配置される。図2に示すように、エリアセンサ18の撮像面Fは、X方向に並ぶ複数の撮像素子で形成される撮像ラインfsの延在方向が、搬送面12(基準面)と略平行であり、撮像面Fの法線ベクトルRが搬送面12(基準面)と非垂直になるように設定されている。つまり、撮像面Fは、搬送面12(基準面)に対して傾いている。搬送面12に対してエリアセンサ18の撮像面Fを傾けることにより、撮像面F上でX方向(第2方向)と直交する第3方向であるP方向に沿って配置されるn本の撮像ラインfsのレンズ20に対する距離(後述する像距離)がそれぞれ異なるようにしている。
図3は、測定装置10を被測定物14のX方向(幅方向)に臨む図である。ここで、レンズ20の焦点距離を焦点距離f、物体面(例えば搬送面12)とレンズ20の主平面の距離を物体距離A、エリアセンサ18の撮像面Fとレンズ20の主平面との距離を像距離Bとすると、以下の式1の関係が成立する。
1/A+1/B=1/f・・・(式1)
したがって、被測定物14がZ方向に移動して、物体面である測定面14Sとレンズ20との間の距離である物体距離Aが変化した場合に、当該物体距離Aに応じて、レンズ20と撮像面Fとの間の距離である像距離Bが定まる。つまり、エリアセンサ18の撮像面Fにおいて、P方向に並ぶn本の撮像ラインfsのうち、式1の関係を満たす位置に存在する撮像ラインfsが最も焦点の合った(鮮明に見える)被測定物14の像を撮像することができる。具体的には、搬送面12上でY方向に搬送される被測定物14が搬送面12(基準面)より上方(Z方向)に移動している場合、例えば、被測定物14が、物体距離Aの位置に存在するとする。この場合、像距離B=1/(1/f−1/A)に対応する位置に存在する撮像ラインfs(図3の場合、撮像面Fのうち第N行の撮像ラインfs)で上昇位置にある被測定物14u(被測定物14)が最も焦点の合った状態で撮像される。同様に、搬送面12上でY方向に搬送される被測定物14が搬送面12より下方(Z方向)に移動している場合、例えば、被測定物14が、物体距離Aの位置に存在するとする。この場合、像距離B=1/(1/f−1/A)に対応する位置に存在する撮像ラインfs(図3の場合、撮像面Fのうち第N行の撮像ラインfs)で下降位置にある被測定物14d(被測定物14)が最も焦点の合った状態で撮像される。したがって、搬送面12に対してZ方向のいかなる位置に被測定物14が存在しても、搬送面12(基準面)に対して傾いた撮像面Fを備えるエリアセンサ18は、P方向のいずれかの位置(第n行)に存在する撮像ラインfsで焦点の合った被測定物14を撮像することができる。つまり、エリアセンサ18は、焦点深度の深い撮像面Fを備えることになる。上述したように、エリアセンサ18の撮像面F上で測定面14Sが最も焦点の合っている撮像ラインfsの位置(行の位置)が特定できれば、その撮像ラインfsとレンズ20との距離である像距離Bが特定できる。そして、上述の式1に基づき、例えば、被測定物14が搬送面12から上方に移動した場合の物体距離Aは、A=1/(1/f−1/B)により算出することができる。このように、焦点が最も合っている撮像ラインfsを示す位置(第n行の撮像素子の座標(M,N)や(M,N)等)が特定できれば、搬送面12に対する被測定物14のZ方向の位置(高さ)を特定することができる。なお、図3において、搬送面12の像の焦点が合った位置は、撮像ラインfs0で示している。
図4は、測定装置10を被測定物14のY方向(搬送方向)に臨む図であり、被測定物14のエッジ14aの位置を後述する第1データを用いて取得する場合の説明図である。上述したように、被測定物14の位置が搬送面12(基準面)に対してZ方向のいかなる位置にあっても、エリアセンサ18の斜め姿勢の撮像面F上でP方向に並ぶいずれかの撮像ラインfsにおいて、焦点が合う。例えば、搬送面12より上方に被測定物14uが存在する場合、座標(M,N)を含む第N行の撮像ラインfs1に被測定物14uの像の焦点が合う。また、搬送面12より下方に被測定物14dが存在する場合、座標(M,N)を含む第N行の撮像ラインfs2に被測定物14dの像の焦点が合う。
また、前述したように、被測定物14(搬送面12)を挟んでエリアセンサ18と対向する位置には、光源22が配置されて、被測定物14の下方から測定光を照射している。したがって、エリアセンサ18で光源22(図1参照)の測定光を受光する場合、X方向に関して、被測定物14に遮られる領域と遮られない領域が発生する。この場合、焦点の合っている例えば第N行の撮像ラインfsにおいては、図5にライン32で示すように、光源22から照射される測定光は、X方向において被測定物14によって遮られた遮蔽領域と遮られない非遮蔽領域とがエッジ14aに対応する位置で隣接する撮像素子の出力する信号値の変化(差)が明確に現れる。逆に焦点の合っていない撮像ラインfsの場合、光源22から照射される測定光は、X方向において被測定物14によって遮られた遮蔽領域と遮られない非遮蔽領域とがぼやける。その結果、例えば、ライン34で示すように、エッジ14aの付近で隣接する撮像素子の信号値の大きさが徐々に変化する(隣接する撮像素子の出力する信号値の差が所定閾値未満となる)。
したがって、エリアセンサ18を構成する複数の撮像ラインfsのうち、隣接する撮像素子の出力する信号値(明度)の差が所定閾値以上の撮像ラインfsの中で最も差が大きい撮像ラインfsが、焦点の合っている撮像ラインfsであると判定できる。つまり、上方に移動している被測定物14uを焦点の合った状態で撮像している第N行の撮像ラインfsであると判定できる。また、その撮像ラインfsで、隣接する撮像素子の信号値の差が最も大きい位置の撮像画素が、被測定物14の端部の位置を撮像している第M列目の撮像素子であると判定できる。したがって、制御部24(図1参照)は、エリアセンサ18から逐次送信される撮像素子の信号値の比較を撮像ラインfsごとに行い、最も信号値の差が大きい撮像ラインfsを選択することにより、最も焦点が合っている撮像ラインfs、つまり、搬送面12に対してZ方向に変位している被測定物14を捕らえている撮像ラインfsとして決定できる。また、撮像素子の出力する信号値の変化が所定閾値以上で最も大きな撮像素子が、被測定物14のエッジ14aを捕らえている撮像素子として決定できる。このように、被測定物14のエッジ14aを撮像しているエリアセンサ18上の撮像画像の座標(M,N)や座標(M,N)を検出することができる。図4の場合、座標(M,N)は、搬送面12より上方に被測定物14uが位置する場合のエッジ14aに対応する座標である。また、座標(M,N)は、搬送面12より下方に被測定物14dが位置する場合のエッジ14aに対応する座標である。
図1に戻り、制御部24の取得部26で実行される被測定物14の長さ測定の手順を説明する。取得部26は、上述したように、エリアセンサ18の撮像素子が出力する信号値の比較を行うことにより、被測定物14の像の焦点が合っている撮像ラインfs(第n行の撮像ラインfs)を特定する。そして、上述した物体距離Aと像距離Bと焦点距離fとの関係に基づき、被測定物14が搬送面12に対してZ方向に移動した場合の変位量を取得する。また、撮像素子の出力する信号値の差が最も大きな撮像素子(所定閾値上の差がある中で最も差が大きい撮像素子)の位置に基づき、被測定物14の第2方向の端部の位置(エッジ14a)を検出する。そして、取得部26は、検出したエッジ14aのZ方向の変位量とX方向の位置とに基づき以下の手順で被測定物14の長さ(例え)幅)を算出(取得)する。
図1において、被測定物14の幅をWとし、被測定物14の一方のエッジ14aを撮像するセンサユニット16aと他方のエッジ14aを撮像するセンサユニット16bとの離間距離をLとする。また、センサユニット16aにおけるエリアセンサ18の撮像面のX方向の中央位置から搬送面12に下ろした垂線jaとセンサユニット16a側の被測定物14のエッジ14aとのX方向の距離をWwsとする。同様に、センサユニット16bにおけるエリアセンサ18の撮像面のX方向の中央位置から搬送面12に下ろした垂線jbとセンサユニット16b側の被測定物14のエッジ14aとのX方向の距離をWdsとする。この場合、被測定物14の幅Wは、以下の式2で示される。
W=L−Wws−Wds・・・(式2)
また、レンズ20の主平面から搬送面12(基準面)までの距離をH、レンズ20主平面から被測定物14までの距離を物体距離Aとする。また、センサユニット16aのエリアセンサ18から被測定物14を撮像した場合に、当該被測定物14のエッジ14aに対応する搬送面12上の位置と垂線jaとのX方向の見かけ距離をWaとする。この場合、相似関係により、Wws:Wa=A:Hとなり、式3が得られる。
Wws=Wa×A/H・・・(式3)
同様に、センサユニット16b側に関しては、式4が得られる。
Wds=Wb×A/H・・・(式4)
ここで、測定装置10は、長さ測定の事前準備として、X方向に関して、撮像ラインfsにおける撮像素子の位置と、搬送面12上で当該搬送面12上の基準位置(例えば搬送面12のX方向の中央位置C)から撮像素子の位置が示す位置までの見かけ距離(Wa,Wb)を予め試験等により対応付けた第1データを記憶部28の第1記憶部28aに記憶している。
第1データは、例えば、図6に示すような治具36を用いて予め決定しておくことができる。治具36は、例えば、搬送面12上でX方向に配置可能な長尺の金属の板材である。治具36は、搬送面12上で被測定物14が搬送されていない非生産時間帯に、例えば、搬送面12のX方向の中央位置Cに端部36aを位置合わせした状態で配置される。治具36は、端部36aを基準にして、一定間隔(例えば、間隔E)で、矩形形状の開口部38(38a,38b,38c等)が設けられている。なお、各開口部38には、ナイフエッジ40aを備えるナイフ部材40が装着され、端部36aと平行な辺の直線精度を確保するようにしている。
このように構成される治具36を搬送面12上に配置し、光源22から測定光を照射すると、エリアセンサ18において、搬送面12で焦点があう撮像ラインfs0(図3参照)では、一定間隔(E,2E,3E等)の輝点が撮像される。この場合、間隔E(搬送面12上の距離)に対応する撮像素子の数は取得可能である。換言すれば、現在の移動位置の被測定物14が写っている撮像ラインfsにおける被測定物14のエッジ14a(端部)を捕らえた撮像素子の座標、例えば、座標(M,N)や座標(M,N)が特定できれば、図4において、M(M)と第1データとに基づいて、エリアセンサ18の撮像面のX方向の中央位置Cから搬送面12に下ろした垂線jaまでの搬送面12上の見かけ距離を得ることができる。例えば、搬送面12より被測定物14が上方に存在していた場合のエッジ14aに対応する搬送面12上の位置Pまでの距離Wを決定することができる。同様に、搬送面12より被測定物14が下方に存在したいた場合のエッジ14aに対応する搬送面12上の位置Pまでの距離Wを決定することができる。なお、図4における距離Wが図1おける見かけ距離Waに対応し、距離Wが見かけ距離Wbに対応する。被測定物14の他端側、すなわち、センサユニット16bの撮像範囲についても同様である。
図1において、レンズ20と搬送面12との距離Hは、センサユニット16を搬送面12の上方位置に固定する際に決定することができる。ここで、例えば、被測定物14のX方向の長さ(幅)を測定するタイミングで、搬送面12をY方向に搬送される被測定物14が搬送面12より上方(Z方向)に変位していた場合を考える。図3に示すように、レンズ20と被測定物14との物体距離Aと、レンズ20とエリアセンサ18上で焦点の合っている撮像ラインfsとの像距離Bと、レンズ20の焦点距離fとの関係は、前述した式1で示すように、A=1/(1/f−1/B)となる。このとき、現在の位置の被測定物14(測定面14S)が写っている撮像ラインfsの位置に対応する像距離Bは、座標(M,N)とレンズ20の位置によって算出することができるので、現在の位置における被測定物14の物体距離Aを算出することができる。また、取得部26は、第1データと、撮像面Fで焦点の合っている撮像ラインfsで被測定物14のエッジ14aを示す撮像素子の位置(座標)とに基づいて、被測定物14のX方向のエッジ14aに対応する搬送面12上で見かけ距離Wa,Wbを決定することができる。したがって、取得部26は、見かけ距離Wa,WbとZ方向の変位量(A/H)とに基づいて、被測定物14のX方向のエッジ14aの位置、すなわちWws,Wdsを検出することができる。そして、取得部26は、取得した距離Wws、距離Wdsおよび既知の値のセンサユニット16aとセンサユニット16bとの離間距離Lを式2に代入すれば、被測定物14のX方向の長さである幅Wを算出することができる。被測定物14が搬送面12に対して、下方に変位した状態で搬送される場合も同様に被測定物14のX方向の長さである幅Wを算出することができる。
取得部26は、上述のようにして逐次算出される被測定物14のX方向の実際の幅Wと予め定められた被測定物14のX方向の基準幅との比較を行い、その差分が予め定められた許容範囲以内の場合、出力部30を介して、検査OKの結果を出力する。また、取得部26は、実際の幅Wと基準幅との比較の結果、差分が許容範囲外の場合、出力部30を介して検査NGの結果を出力する。なお、検査OKの場合は、出力を省略してもよい。
図7は、測定装置10による長さ測定において、主として焦点の合っている撮像ラインfsを特定する処理の流れを説明するフローチャートである。まず、取得部26は、エリアセンサ18が撮像した撮像データを取得する(S100)。撮像データを取得したら取得部26は、エリアセンサ18に複数存在する撮像ラインfsのうち処理対象の撮像ラインfsの列を指定するための値(n)を初期化(n=1)する(S102)。取得部26は、S102で指定した撮像ラインfsを参照する(S104)。そして、処理対象となった撮像ラインfsを構成する撮像素子について、隣接する撮像素子の出力する信号値の差を順次求め、所定の閾値以上の差が存在する場合(S106のYes)、その撮像ラインfsを記憶する(S108)。この場合、記憶した撮像ラインfsについて、最も信号値の差の大きな撮像素子の位置(例えば、明暗の変化が大きな位置、座標)も同時に記憶する。S106で所定の閾値以上の差がない場合(S106のNo)またはS108で撮像ラインfsを記憶した場合、取得部26は、処理対象の撮像ラインfsが最終列の撮像ラインfsか否か判定する(S110)。そして、最終ラインではない場合(S110のNo)、処理対象の撮像ラインfsを指定するためのnの値をインクリメント(n=n+1)する(S112)。そして、S104に移行して、次の列の撮像ラインfsについて、上述と同様な処理を実行する。
S110で処理対象の撮像ラインfsが最終列の撮像ラインfsの場合(S110のYes)、S108で記憶している撮像ラインfsの中で、隣接する撮像素子の信号値の差が最も大きな撮像ラインfsを焦点の合った撮像ラインfsとして決定する(S114)。そして、取得部26は、決定された焦点の合っている撮像ラインfsについて、最も信号値の差の大きな撮像素子の位置(座標)に基づき、被測定物14の長さ算出処理を実行し(S116)、一連の処理を一旦終了する。つまり、上述したように、最も信号値の差の大きな撮像素子の座標に基づき、像距離B、物体距離A、見かけ距離(Wa,Wb)を算出し、距離Wws,Wdsを求め、被測定物14の長さ(幅)を算出する。そして、取得部26は、次の測定タイミングで、図7のフローチャートの処理により長さ測定を逐次実行する。
このように、本実施形態の測定装置10は、被測定物14が搬送面12(基準面)に対し接離方向(上方や下方)に移動しながら搬送される場合でも、被測定物14のそれぞれのエッジ14aを同じ構成のセンサユニット16(16a,16b)で測定した撮像データのみで取得できる。その結果、従来のように、異なる種類のセンサの測定結果を組み合わせて被測定物の長さ(幅)を取得する場合に比べて、測定時の環境変化等がある場合でも、測定結果の誤差軽減が可能になり、容易な構成により搬送時の移動を考慮した長さ(幅)測定が実現できる。また、従来の構成では、被測定物14がZ方向に移動する場合でも撮像が可能なように、被写界深度の深いレンズを用いて撮像を行う必要がある場合があった。一方、本実施形態の場合、物体距離Aの変化に対応して像距離Bが変化する場合でも、傾いた撮像面を備えるエリアセンサ18のいずれかの撮像ラインfsで被測定物14の端部の位置の撮像が可能となる。したがって、本実施形態の測定装置10の場合、被写界深度の深いレンズを用いる必要がなく、この点においても測定装置10の構成の低コスト化、設計の自由度の向上等に寄与することができる。
上述した例では、取得部26は、被測定物14の搬送面12に対するZ方向の変位量(A/H)を、式1を用いた物体距離Aと既知の値である距離Hを用いて決定するとともに、第1データを参照して取得した見かけ距離Wa,Wbを用いた式3、式4により距離Wws,Wdsを算出した。他の実施形態においては、搬送面12のZ方向の変位ごとに、X方向の位置に対応した第2データを準備しておき、被測定物14のエッジ14aを示す撮像素子の位置(例えば、座標(M,N)や座標(M,N))から直接的に距離Wws,Wdsを決定してもよい。つまり、撮像面上でX方向と直交する第3方向(図2のP方向)における撮像ラインfsの第3方向の位置を示す座標成分(例えば、NやN)と、その撮像ラインfsにおける撮像素子の第2方向の位置を示す座標成分(例えば、MやM)と、被測定物14(測定面14S)のX方向の端部の位置(エッジ14a)と、を対応付けた第2データを予め試験等に基づき決定しておき、第2記憶部28bに記憶しておく。
なお、撮像面上でX方向と直交するP方向における撮像ラインfsの位置を示すライン位置(座標のn成分)と搬送面12から被測定物14のZ方向の移動距離との関係は、例えば治具36を高さ方向に関して用いることで決めることができる。図8に示すように、搬送面12に対してZ方向の異なる位置、例えば、−Tの位置、搬送面12の位置、Tの位置、2Tの位置、3Tの位置等に治具36を配置し、それぞれの位置で光源22から測定光を投光する。この場合、治具36がZ方向の、例えばTの位置に存在する場合に、エリアセンサ18で開口部38を通過した輝点の焦点が合う撮像ラインfsの位置と、治具36が搬送面12の位置に存在する場合にエリアセンサ18で開口部38を通過した輝点の焦点が合う撮像ラインfsの位置との差分(撮像画層数)が移動距離Tに対応する。そのときに、治具36がTの位置に存在する場合に輝点の焦点が合う撮像ラインfsと、搬送面12の位置に存在する場合に輝点の焦点が合う撮像ラインfsと間の撮像素子の数は取得可能である。したがって、実際に搬送面12に対してZ方向に被測定物14が移動した場合に、被測定物14の焦点が合う撮像ラインfsを示す撮像素子(例えば、座標(M,N))の位置から基準の位置、例えば、治具36を搬送面12に置き、輝点を確認した撮像素子までの素子数が分かれば、搬送面12から被測定物14のZ方向の移動距離が取得可能となる。つまり、エリアセンサ18において、被測定物14のエッジ14aを示す撮像素子の位置(座標(M,N)や座標(M,N))から図1において距離Wwsや距離Wdsを取得する場合に必要となるZ方向の変位量(A/H、A/H)を取得するための対応関係を得ることができる。また、第1データの説明で示したように、被測定物14のエッジ14aを示す撮像素子の位置(座標(M,N)や座標(M,N))から、被測定物14のX方向のエッジ14aに対応する搬送面12上での見かけ距離Wa,Wbを決定するための対応関係を得ることができる。
したがって、エリアセンサ18において、焦点が合っている被測定物14のエッジ14aを示す撮像素子の位置(座標(M,N)や座標(M,N))と、Z方向およびX方向の二次元的な関係を対応付けた第2データとして定めることができる。その結果、取得部26は、被測定物14のエッジ14aを示す撮像素子の位置(座標(M,N)や座標(M,N))が取得できれば、第2データを用いて、直接的に距離Wws,Wdsを決定し、被測定物14の長さ(幅)を取得可能となる。取得部26は、直接的に決定した距離Wws,Wdsを、式2に代入することにより、被測定物14の幅を取得することができる。
なお、図1においては、エリアセンサ18とレンズ20を一体化したセンサユニット16を示している。この場合、エリアセンサ18とレンズ20との相対位置は実質的に変化せず、測定装置10の設置が容易にできるとともに、撮像精度(幅測定精度)のばらつきを軽減できる。また別の実施形態では、エリアセンサ18とレンズ20とを別体で構成してもよい。
また、図2において、エリアセンサ18は、被測定物14の搬送方向の上流側を臨むように搬送面12(被測定物14)に対して傾ける場合を示しているが、下流側を臨むように傾けて傾けてもよく、同様の効果を得ることができる。
また、図1において、記憶部28は第1記憶部28aと第2記憶部28bの両方を備える例を示したが、予め測定方法が決定されている場合は、いずれか一方を備えるようにしてもよい。また、幅測定時に第1記憶部28aを用いる測定方法と第2記憶部28bを用いる測定方法を指定できるようにしてもよい。
また、図1に示す例では、本実施形態の測定装置10を用いて、略水平方向(例えばY方向)に搬送される被測定物14のX方向の長さ(幅)を測定する場合を示した。他の実施形態では、被測定物14は、例えば、略鉛直方向に搬送されてもよいし、斜め上方や斜め下方に向かって搬送される場合でも、本実施形態の測定装置10は適用可能であり、被測定物14のX方向の長さ(幅)を同様に測定することができる。また、本実施形態では、被測定物の長さ測定の一例として幅を測定する例を示したが、幅に限らず、被測定物の種々の長さを測定することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態は、様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 測定装置
12 搬送面
14 被測定物
14a エッジ
16,16a,16b センサユニット
18 エリアセンサ
20 レンズ
22 光源
24 制御部
26 取得部
28 記憶部
28a 第1記憶部
28b 第2記憶部
30 出力部
36 治具
fs 撮像ライン

Claims (4)

  1. 第1方向に搬送されるシート状の被測定物の測定面を臨む位置に配置されるレンズと、
    前記レンズを挟んで前記被測定物の反対側に配置され、前記測定面を撮像する撮像面を備え、前記被測定物が移動して、前記測定面と前記レンズとの間の距離である物体距離が変化した場合に、当該物体距離に応じて定まる前記レンズと前記撮像面との間の距離である像距離に、前記第1方向と略直交する第2方向に延在する複数の撮像ラインのうちいずれかが位置するように前記撮像面を傾けたエリアセンサと、
    現在の位置の前記被測定物の前記測定面と前記レンズとの間の前記物体距離に対応する前記像距離の位置に存在する前記撮像ラインに写っている前記測定面の端部の位置を取得し、当該端部の位置に基づき前記被測定物の前記第2方向の長さを算出する取得部と、
    を備える、測定装置。
  2. 前記エリアセンサの前記撮像面は、前記撮像ラインの延在方向が、前記被測定物が搬送される場合に通過可能な面として定められた基準面と略平行であり、前記撮像面の法線ベクトルが前記基準面と非垂直である、請求項1に記載の測定装置。
  3. 前記撮像ラインにおける撮像素子の位置と、前記基準面上で当該基準面上の基準位置から前記撮像素子の位置が示す位置までの見かけ距離と、を対応付けた第1データを記憶する第1記憶部を備え、
    前記取得部は、前記第1データと、現在の位置で前記被測定物の前記測定面が写っている前記撮像ラインにおける前記測定面の端部を示す前記撮像素子の位置と、に基づいて現在の前記見かけ距離を取得するとともに、前記測定面が写っている前記撮像ラインの位置に対応する前記像距離から現在の前記被測定物に関する前記物体距離を取得し、取得した前記見かけ距離と現在の前記物体距離とに基づいて、前記測定面の前記端部の位置を取得する、請求項2に記載の測定装置。
  4. 前記撮像面上で前記第2方向と直交する第3方向における前記撮像ラインの位置を示す第3方向の座標と、前記撮像ラインにおける撮像素子の第2方向の座標と、前記測定面の前記第2方向の端部の位置と、を対応付けた第2データを記憶する第2記憶部を備え、
    前記取得部は、前記第2データと、現在の前記測定面の端部を示す前記撮像面上の前記撮像素子の前記第2方向の座標および前記第3方向の座標と、に基づいて、前記測定面の前記端部の位置を取得する、請求項2に記載の測定装置。
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