JP2021007081A - スパークプラグの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接地電極の位置を検出するときに、ねじの締め付けの時間を短縮できると共に主体金具に傷を付け難くできるスパークプラグの製造方法を提供すること。【解決手段】スパークプラグの製造方法は、ゲージ基準部を有するゲージのめねじに、主体金具のおねじを、主体金具をエンジンに取り付けるときの規定トルクよりも小さい締付トルクで締め付け、ゲージに鍔部を接触させると共にゲージから接地電極を突出させる締付工程と、鍔部が接触したゲージのゲージ基準部を検出装置の基準部に押し当て、ゲージを基準部側に押す力を加え続け、ゲージ基準部が基準部に押し当てられた状態を維持する維持工程と、ゲージ基準部が基準部に押し当てられた検出装置を用いて、ゲージにおける接地電極の位置を検出する検出工程と、を備える。【選択図】図4
Description
本発明は主体金具に接地電極が接続されたスパークプラグの製造方法に関するものである。
スパークプラグの中心電極を絶縁保持する主体金具は、鍔部が設けられた軸部におねじが形成されている。スパークプラグは、エンジンのねじ穴に主体金具のおねじを締め付けてエンジンに取り付けられる。スパークプラグの主体金具をエンジンにねじ込んでいくと、鍔部によって規制されるまで、ねじのつる巻き線に沿って主体金具は軸の周りを回転しながら軸方向に進む。主体金具の周方向における接地電極の位置は、おねじの軸方向の移動を鍔部が規制したところで決まる。
エンジンに取り付けられたスパークプラグは、主体金具に接続された接地電極と中心電極との間の火花ギャップに火炎核を作る。火炎核を成長させるため、スパークプラグは、着火の前段階である圧縮行程において生じる燃焼室内の気流を妨げない位置に接地電極が配置されるように、エンジンに取り付けられるのが好ましい。
エンジンに主体金具が取り付けられたスパークプラグの接地電極の周方向の位置は、接地電極に対するおねじの切り始めの位置と接地電極との間の周方向の距離、及び、鍔部からおねじのねじ山までの軸方向の距離に依存する。特許文献1には、おねじに対する接地電極の位置を確認するために、めねじが形成されたゲージに、規定トルクと略同一の締付トルクで主体金具のおねじを締め付け(段落0030)、検出装置を用いて接地電極の位置を検出する技術が開示されている。
しかし特許文献1に開示の技術では、ゲージのめねじに主体金具のおねじを締め付けるときの締付トルクが、主体金具をエンジンのねじ穴に締め付けるときの規定トルクと略同一なので、ゲージのねじの締め付けに時間を要したり、ねじ同士が擦れて主体金具に傷が付くおそれがあったりするという問題点がある。
本発明はこの問題点を解決するためになされたものであり、接地電極の位置を検出するときに、ねじの締め付けの時間を短縮できると共に主体金具に傷を付け難くできるスパークプラグの製造方法を提供することを目的としている。
この目的を達成するために本発明は、先端側から後端側へと軸線に沿って延びる円筒状の軸部と、軸部の後端から径方向の外側へ張り出す鍔部と、を備え、軸部の外周面におねじが形成された主体金具と、軸部の先端側の中心に絶縁保持される中心電極と、自身の基端部が軸部に接続され、自身の先端部が中心電極との間で火花ギャップを介して対向する接地電極と、を備えるスパークプラグを製造する方法であって、接地電極が接続された主体金具を準備する準備工程と、めねじと、めねじの径方向の外側に位置するゲージ基準部と、を有するゲージのめねじに、主体金具のおねじを、主体金具をエンジンに取り付けるときの規定トルクよりも小さい締付トルクで締め付け、ゲージに鍔部を接触させ、ゲージから接地電極を突出させる締付工程と、鍔部が接触したゲージのゲージ基準部を検出装置の基準部に押し当て、ゲージを基準部側に押す力を加え続け、ゲージ基準部が基準部に押し当てられた状態を維持する維持工程と、ゲージ基準部が基準部に押し当てられた検出装置を用いて、ゲージにおける接地電極の位置を検出する検出工程と、を備える。
請求項1記載のスパークプラグの製造方法によれば、締付工程における主体金具の締付トルクは、主体金具をエンジンに取り付けるときの規定トルクより小さいので、主体金具をエンジンに取り付けるときの規定トルクと主体金具をゲージに取り付けるときの締付トルクとが同じ場合に比べ、ねじを回す量を少なくできる。よって、締付工程におけるねじの締め付けに要する時間を短縮できる。また、トルクが小さい分だけねじや鍔部に作用する力を小さくできるので、主体金具に傷を付け難くできる。
ここで、検出工程のときにゲージに振動が伝わると、ゲージと検出装置とが別々に振動する場合にはゲージが振動する周波数は高いので、ゲージの加速度が大きくなり、ねじを緩める力が作用する。主体金具の締付トルクは規定トルクより小さいので、主体金具の締付トルクが規定トルク以上の場合に比べて、ねじが緩みやすい。ねじが緩むと接地電極の位置の検出精度が低下する。
しかし、維持工程において、検出装置の基準部にゲージ基準部が押し当てられた状態が維持されるので、ゲージに振動が伝わると、ゲージは検出装置と一体に振動する。このときの振動の周波数は、ゲージと検出装置とが別々に振動する場合に比べて低いので、ゲージの加速度が小さくなり、ねじを緩める力は抑制される。よって、接地電極の位置の検出精度を確保しつつ、ゲージのねじの締め付けの時間を短縮できると共に主体金具に傷を付け難くできる。
以下、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は一実施の形成におけるスパークプラグ10の軸線Oを境にした片側断面図である。図1では、紙面下側をスパークプラグ10の先端側、紙面上側をスパークプラグ10の後端側という(図2においても同じ)。
図1に示すようにスパークプラグ10は、中心電極13、主体金具15及び接地電極24を備えている。中心電極13を保持する絶縁体11は、高温下の絶縁性や機械的特性に優れるアルミナ等により形成された略円筒状の部材である。絶縁体11は、軸線Oに沿って軸孔12が貫通する。
中心電極13は、絶縁体11の軸孔12に挿入され軸線Oに沿って配置される棒状の電極である。中心電極13は、中心電極13の先端が、絶縁体11の先端から突出するように軸孔12に配置されている。中心電極13は、熱伝導性に優れる芯材が電極母材に埋設されている。電極母材は、Niを主体とする合金またはNiからなる金属材料で形成されており、芯材は銅または銅を主成分とする合金で形成されている。芯材を省略することは可能である。
端子金具14は、高圧ケーブル(図示せず)が接続される棒状の金属製(例えば低炭素鋼等)の部材であり、先端側が軸孔12に挿入されている。端子金具14は、軸孔12内で中心電極13と電気的に接続されている。端子金具14は絶縁体11の後端に取り付けられている。
主体金具15は、導電性を有する金属材料(例えば低炭素鋼等)によって形成された略円筒状の部材である。主体金具15は、円筒状に形成される軸部16と、軸部16の後端から径方向の外側へ張り出す円環状の鍔部17と、鍔部17の後端側に連なる筒部18とを備えている。筒部18は、鍔部17よりも肉厚が薄い薄肉部19と、薄肉部19の後端側に隣接する工具係合部20と、を備えている。
軸部16は、絶縁体11を先端側から支持する部位である。軸部16の外周面には、おねじ21が形成されている。おねじ21は、エンジン(図示せず)のねじ穴にはまり、主体金具15をエンジンに固定する。鍔部17は、エンジンに対するおねじ21のねじ込み量を規制すると共に、おねじ21とねじ穴との隙間を塞ぐための部位である。本実施形態では、鍔部17の先端面22側の軸部16にガスケット23が装着されている。先端面22は軸線Oに垂直な面である。鍔部17とエンジンとの間に挟まれたガスケット23は、エンジンのねじ穴とおねじ21との隙間を封止する。
薄肉部19は、主体金具15を絶縁体11に組み付けるときに、塑性変形させて加締め固定するための部位である。工具係合部20は、エンジン(図示せず)のねじ穴におねじ21をねじ込むときに、レンチ等の工具を係合させる部位である。
接地電極24は、主体金具15の軸部16に接合される基端部25と、基端部25の反対の先端部26と、を有する棒状の金属製(例えばニッケル基合金製)の部材である。接地電極24は、先端部26が、中心電極13との間で火花ギャップGを介して対向する。本実施形態では、主体金具15の接地電極24は屈曲している。
図2は対象物30の軸線Oを含む断面図である。対象物30は、主体金具15のおねじ21に対する接地電極24の位置が検出される部材であり、主体金具15に接地電極24が接続されている。対象物30の接地電極24は屈曲する前の直線状であり、対象物30の薄肉部19は屈曲する前の円筒状である。
スパークプラグ10は、例えば、以下のような方法によって製造される。まず、ワーク(図示せず)を加工して対象物30を得る。対象物30は、冷間鍛造や切削等によって筒状に形成された主体金具15の軸部16の先端に、接地電極24(屈曲する前の直線状の棒材)が接合されている。対象物30は、軸部16におねじ21が転造され、めっき等が施されている。対象物30は、ゲージ40(図3(a)及び図3(b)参照)を用いて、検出装置60(後述する)により、おねじ21と接地電極24との位置関係(後述するα)が測定される。
これとは別に、中心電極13を絶縁体11の軸孔12に挿入し、中心電極13の先端が軸孔12から外部に露出するように配置する。次いで、絶縁体11の軸孔12に端子金具14を挿入し、端子金具14と中心電極13とを電気的に接続する。次に、対象物30の主体金具15に絶縁体11を挿入し、薄肉部19を屈曲して主体金具15を絶縁体11に組み付ける。次いで、先端部26が中心電極13と対向するように接地電極24を曲げ加工し、ガスケット23を装着してスパークプラグ10を得る。
得られたスパークプラグ10の主体金具15をエンジン(図示せず)のねじ穴にねじ込んでいくと、鍔部17に配置されたガスケット23がエンジンに密着するまで、おねじ21のつる巻き線に沿って主体金具15は軸線Oを中心に回転しながら軸方向に進む。エンジンに取り付けられた主体金具15の周方向における接地電極24の位置は、おねじ21の軸方向の移動を鍔部17及びガスケット23が規制したところで決まる。
エンジン(図示せず)に取り付けられたスパークプラグ10は、端子金具14に高電圧が印加されると、接地電極24の先端部26と中心電極13との間で火花放電が起こり、火炎核を作る。火炎核を成長させ混合気に着火し易くするためには、着火の前段階である圧縮行程において生じるエンジンの燃焼室内の気流が火花ギャップGを流れるのを妨げない周方向の位置に、接地電極24が配置されるのが好ましい。
ガスケット23の厚さにばらつきがなければ、エンジン(図示せず)のねじ穴に主体金具15のおねじ21が規定の締付トルク(以下「規定トルク」と称す)で締め付けられた状態において、中心電極13(軸線O)に対する接地電極24の周方向の位置は、鍔部17の先端面22に対するおねじ21のつる巻き線の軸方向および周方向の位置によって決まる。従って、エンジンに規定トルクで取り付けられたスパークプラグ10の中心電極13に対する接地電極24の位置(軸線Oの回りの角度)の精度を高めて、混合気への着火の安定性を保証するために、主体金具15のおねじ21に対する接地電極24の位置を測定し、その位置の精度を保証する。
図3(a)は主体金具15のおねじ21に対する接地電極24の位置を測定するときに使われるゲージ40の平面図である。図3(b)は図3(a)の矢印IIIb方向から見たゲージ40の側面図である。ゲージ40は、円筒状の本体部41と、本体部41の軸方向の両端から本体部41の径方向の外側にそれぞれ張り出すフランジ部42,43と、を備えている。ゲージ40には、本体部41及びフランジ部42,43を貫通する穴44が形成されている。穴44の内面にはめねじ45が形成されている。めねじ45は、ISOやJISに基づいて標準化されたねじであり、例えばJIS B8031:2006で規定されるスパークプラグ用のねじで構成されている。
ゲージ40は、めねじ45の径方向の外側に位置するフランジ部42,43の側面に、第1ゲージ基準部46,47がそれぞれ形成されている。第1ゲージ基準部46,47は、めねじ45の中心軸Cに平行な平面である。第1ゲージ基準部46,47は同一平面上に位置している。
ゲージ40は、めねじ45の径方向の外側に位置するフランジ部42,43の側面であって、第1ゲージ基準部46,47と交わる位置に、第2ゲージ基準部48,49がそれぞれ形成されている。第2ゲージ基準部48,49は、めねじ45の中心軸Cに平行な平面である。第2ゲージ基準部48,49は同一平面上に位置している。第2ゲージ基準部48,49は第1ゲージ基準部46,47に垂直な面である。
フランジ部42の軸方向の端面50、及び、フランジ部43の軸方向の端面52は、めねじ45の中心軸Cに垂直な面である。端面50には指標51が記されている。指標51は溝であり、めねじ45の中心軸Cへ向かって端面50の外縁からめねじ45の縁まで直線状に延びている。指標51は、第1ゲージ基準部46,47に平行、且つ、第2ゲージ基準部48,49に垂直である。第1ゲージ基準部46,47と中心軸Cとの間の距離、及び、第2ゲージ基準部48,49と中心軸Cとの間の距離は、それぞれ適宜設定されている。
フランジ部42の端面50からフランジ部43の端面52までの軸方向の距離は、対象物30(図2参照)の軸部16の長さにほぼ等しい。従って、ゲージ40のフランジ部43側から主体金具15の軸部16を挿入しておねじ21をめねじ45に螺合し、鍔部17の先端面22がフランジ部43の端面52に接触すると、穴44に軸部16が収まり、穴44から接地電極24が突き出す。
ゲージ40のめねじ45に主体金具15のおねじ21を螺合するときの締付トルクは、主体金具15をエンジン(図示せず)のねじ穴に締め付けるときの規定トルク未満である。これにより、主体金具15をエンジンに取り付けるときの規定トルクと主体金具15をゲージ40に取り付けるときの締付トルクとが同じ場合に比べ、ねじを回す量を少なくできる。よって、ゲージ40のねじの締め付けに要する時間を短縮できる。また、トルクが小さい分だけ鍔部17やねじにゲージ40が作用する力を小さくできるので、主体金具15のおねじ21や鍔部17の先端面22に傷を付け難くできる。なお、手などで主体金具15をゲージ40にねじ込み、ゲージ40の端面52に鍔部17の先端面22が接触したら直ちにねじ込むのを止めて、締付トルク≒0N・mとすることは当然可能である。
ゲージ40は、規定トルクよりも小さい締付トルクで主体金具15をゲージ40にねじ込んで接地電極24が指標51の位置にある場合に、主体金具15をエンジン(図示せず)に規定トルクでねじ込んだときに燃焼室内の気流を妨げない最適な位置に接地電極24が配置されるように、指標51が設けられている。主体金具15は、ゲージ40への締付トルクが大きくなると、中心軸Cの周りを接地電極24が回る量が多くなり、締付トルクが小さくなると、中心軸Cの周りを接地電極24が回る量が少なくなる。従って、ゲージ40は主体金具15の締付トルクに応じて作製される。
図4は対象物30が取り付けられたゲージ40が配置された検出装置60の平面図である。図5は図4のV−V線における検出装置60の断面を図4の下方側から見た図である。図5では、投光部70の図示が省略されており、ゲージ40から突き出した接地電極24が、二点鎖線で図示されている。検出装置60は、ゲージ40に取り付けられた接地電極24の位置を検出する装置である。
図4に示すように検出装置60は、ゲージ40の軸方向の位置を定めるステージ61と、ゲージ40の中心軸Cと垂直な方向の位置を定める位置決め部64と、測定中にゲージ40が動かないように位置決め部64に固定する固定装置67と、ゲージ40へ向けて光を照射する投光部70と、受光部71と、を備えている。
ステージ61には基準面63が形成されている。基準面63に、規定トルク未満の所定の締付トルクで対象物30が取り付けられたゲージ40が置かれる。対象物30(図5参照)は、ゲージ40の端面52に鍔部17が接触しているので、ゲージ40の穴44から鍔部17及び筒部18が突き出している。鍔部17や筒部18に邪魔されずにゲージ40の端面52が基準面63に接触するように、ステージ61には、鍔部17及び筒部18を収める切込み62が形成されている。ゲージ40の端面52が基準面63に接触する状態でゲージ40がステージ61に置かれたときに、めねじ45の中心軸Cは基準面63に垂直となる。
位置決め部64はステージ61の基準面63に設けられている。位置決め部64には、ゲージ40の第1ゲージ基準部46,47が押し当てられる第1基準部65と、ゲージ40の第2ゲージ基準部48,49が押し当てられる第2基準部66と、が設けられている。第1基準部65及び第2基準部66はステージ61の基準面63に垂直な面であり、第1基準部65は第2基準部66に垂直である。位置決め部64の高さは、ゲージ40の軸方向の高さよりも低い(図5参照)。
固定装置67は、ゲージ40の側面に力を加え、ゲージ40の第1ゲージ基準部46,47を第1基準部65に押し当てた状態を維持する装置である。固定装置67は、ステージ61に設けられた支持部68と、支持部68を貫通するボルト69と、を備えている。支持部68には、支持部68を貫通するねじ穴68aが形成されている。ボルト69はねじ穴68aに螺合する。ボルト69は、第1基準部65と第2基準部66とがなす隅へ向かって延びているので、ボルト69を締め付けると、ボルト69はゲージ40に第1基準部65及び第2基準部66へ押す力を加える。ボルト69を緩めてゲージ40に加わる軸力を解除すると、ステージ61からゲージ40を取り除くことができる。
投光部70及び受光部71は透過型センサである。投光部70はレーザ光などの光を出射する。投光部70は、コリメータレンズ等の光学系を通して、第2基準部66に垂直な平行光を、ゲージ40から突き出た接地電極24へ向けて投光する。受光部71は、接地電極24よって光線の一部が遮られてできる像を検出する撮像素子を備えている。投光部70及び受光部71には演算装置(図示せず)が接続されている。演算装置は、受光部71に作られる像を用いて、基準面63(図5参照)と平行な仮想平面(図6紙面)上の接地電極24の位置を検出する。
図6は接地電極24の位置検出の模式図である。演算装置(図示せず)は、接地電極24と交わる仮想平面(図6紙面)上において、めねじ45(図4参照)の中心軸Cに対応する受光部71上の基準点72と、受光部71に形成された接地電極24の像73の中心74と、の間の距離εを測定して、α=sin−1(ε/β)の式から、中心軸Cと基準点72とを結ぶ線分76と、中心軸Cと接地電極24の重心75とを結ぶ線分77と、のなす角αを求める。αは接地電極24のずれ量である。接地電極24の重心75と中心軸Cとの間の距離βは既知の値であり、演算装置に予め入力されている。
基準点72は、接地電極24の最適な位置を示す点である。基準点72と中心軸Cとを結ぶ線分76は、ゲージ40(図3(a)参照)の指標51と重なる。検出装置60の第1基準部65にゲージ40の第1ゲージ基準部46,47が接すると、ゲージ40の中心軸Cは予め規定された位置にくる。従って、基準点72はゲージ40の中心軸Cの位置に応じて、演算装置(図示せず)によって予め設定されている。
演算装置は、対象物30について、αが許容範囲内であるか、αが許容範囲から外れているかを判断する。αが許容範囲内であると判断された主体金具15に絶縁体11を組み付けてスパークプラグ10が製造される。これにより、おねじ21に対する接地電極24の位置のばらつきが少ないスパークプラグ10を製造できる。
また、検出装置60によって接地電極24の位置が検出されるときは、固定装置67によって、検出装置60の第1基準部65に第1ゲージ基準部46,47が押し当てられた状態が維持される。予め設定された位置にゲージ40が固定されるので、εの測定誤差を小さくすることができ、αの測定精度を向上できる。
固定装置67によって、検出装置60の第1基準部65に第1ゲージ基準部46,47が押し当てられた状態が維持されるので、測定中にゲージ40に振動が伝わると、ゲージ40は検出装置60と一体に振動する。このときの振動の周波数は、ゲージ40と検出装置60とが別々に振動する場合に比べて低いので、ゲージ40の加速度が小さくなり、ゲージ40に締め付けられた対象物30のねじを緩める力は抑制される。
これに対し固定装置67が無いと、ゲージ40は検出装置60と別々に振動するので、ゲージ40が振動する周波数が高くなる。ゲージ40の加速度が大きくなるので、ねじを緩める力が作用する。ゲージ40に取り付けられた主体金具15の締付トルクは規定トルク未満なので、主体金具15の締付トルクが規定トルク以上の場合に比べて、ねじが緩みやすく、接地電極24の位置の検出精度が低下しやすい。しかし、固定装置67がゲージ40を固定するので、接地電極24の位置の検出精度を確保しつつ、ゲージ40のねじの締め付けの時間を短縮できると共に主体金具15に傷を付け難くできる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
実施形態では、主体金具15の先端面22にガスケット23が配置されるスパークプラグ10について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。スパークプラグ10がコニカルシールタイプ(テーパシートタイプ)の場合には、先端面22をテーパ面にして、ガスケット23を省略できる。この場合にもゲージ40及び検出装置60を使って、おねじ21に対する接地電極24の位置を検出できる。
実施形態では、主体金具15に接地電極24を接続した後、おねじ21を転造する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。主体金具15におねじ21を形成した後、主体金具15に接地電極24を接続することは当然可能である。また、切削によっておねじ21を形成することは当然可能である。検出装置60によって対象物30の接地電極24の位置を検出した後、対象物30にめっき等を施しても良い。検出装置60による接地電極24の位置の検出は、全数について行っても良いし抜き取ったサンプルについて行っても良い。
実施形態では、ゲージ40の端面50,52間の距離(ゲージ40の高さ)が、主体金具15の軸部16の長さとほぼ等しい場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。ゲージ40の端面50から接地電極24の一部が突き出していれば、検出装置60を用いて接地電極24の位置を検出できるので、その範囲内で、ゲージ40の高さを軸部16の長さよりも低くしたり高くしたりすることは当然可能である。
実施形態では、ゲージ40の第1ゲージ基準部46,47、及び、検出装置60の第1基準部65が、めねじ45の中心軸Cと平行な平面である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1ゲージ基準部46,47及び第1基準部65を、中心軸Cに対して傾斜する傾斜面にしたり、第1ゲージ基準部46,47及び第1基準部65の片方を面、もう片方を複数の点にしたりすることは当然可能である。検出装置60の基準面63上のゲージ40の位置決めができれば良いからである。第2ゲージ基準部48,49及び第2基準部66についても同様である。
実施形態では、第1ゲージ基準部46,47と第2ゲージ基準部48,49とが垂直であり、かつ、第1基準部65と第2基準部66とが垂直である場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。第1ゲージ基準部46,47と第2ゲージ基準部48,49とのなす角を鋭角としたり鈍角としたりすることは当然可能である。第1ゲージ基準部46,47と第2ゲージ基準部48,49とのなす角に応じて第1基準部65と第2基準部66とのなす角を適宜設定することも当然可能である。
実施形態では、ゲージ40の指標51が溝の場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。指標51は、ゲージ40に対象物30をねじ込みゲージ40を検出装置60にセットする作業者が視認できれば良いので、形状や大きさ等を適宜設定できる。
実施形態では、検出装置60に第2基準部66が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。投光部70と受光部71との間のビームの広がりが無視できるほど小さければ、投光部70とゲージ40との間の距離を一定にする第2基準部66を省略することは当然可能である。第2基準部66を省略する場合には、固定装置67がゲージ40に加える力の向きが、第1基準部65にほぼ垂直になるように固定装置67を配置する。
実施形態では、透過型の変位センサ(投光部70及び受光部71)を備える検出装置60について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。投光部70及び受光部71を反射型の変位センサに代えることは当然可能である。この場合には、接地電極24の反射光を受けられる位置に受光部71を配置する。投光部70及び受光部71が反射型の変位センサの場合には、ゲージ40の第2ゲージ基準部48,49の位置決めをする第2基準部66が設けられているので、ゲージ40の位置による測定誤差を生じ難くできる。
実施形態では、一組の投光部70及び受光部71を備える検出装置60について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。投光部70及び受光部71に加え、投光部70が出射する平行光と直交、且つ、基準面63に平行な平行光を接地電極24へ向けて出射する投光部、及び、その光を受ける受光部を設けることは当然可能である。これによりα>90°の測定ができる。
実施形態では、投光部70及び受光部71を非接触式のセンサとする検出装置60について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。他の非接触式のセンサを採用することは当然可能である。他の非接触式のセンサとしては、例えば、超音波などの音波を発信する発信部および受信する受信部を備えるもの、ゲージ40の中心軸C方向の画像を取得して、その画像から接地電極24のずれ量を測定するものが挙げられる。
実施形態では、検出装置60が非接触式のセンサ(投光部70及び受光部71)をもつ場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。投光部70及び受光部71に代えて、検出装置60に接触式の変位センサや位置センサを配置することは当然可能である。
実施形態では、ゲージ40の中心軸Cに対応する基準点72を受光部71上に予め設定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。演算装置(図示せず)が、ゲージ40(図5参照)の端面50と第1ゲージ基準部46とがなす角のエッジを受光部71から検出し、そのエッジから既知の値(第1ゲージ基準部46と中心軸Cとの間の距離)だけ離れた位置を基準点72とすることは当然可能である。
実施形態では、ゲージ40における接地電極24の位置を検出する一例として、α=sin−1(ε/β)の式から求めた線分76,77のなす角αを接地電極24のずれ量とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。どこを接地電極24のずれ量とするのかは適宜設定できる。例えば接地電極24の像73の中心74と基準点72との間の距離εを、接地電極24のずれ量として採用することは当然可能である。また、例えば、接地電極24の像73の端と基準点72との間の距離に基づいて接地電極24のずれ量を求めることも当然可能である。
実施形態では、固定装置67が、ねじによる軸力をゲージ40に加えるボルト69を備える場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。他の固定装置を採用してゲージ40に力を加えることは当然可能である。他の固定装置としては、例えば、支持部68に回転の中心軸をもつ偏心カム付きクランプレバー、空気圧や油圧などで作動するシリンダ、電磁力で作動するソレノイドが挙げられる。
実施形態では、スパークプラグ10の接地電極24が屈曲している場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではない。屈曲した接地電極24を用いる代わりに、直線状の接地電極24を用いることは当然可能である。この場合には、軸部16の先端側を軸線方向に延ばし、直線状の接地電極24を軸部16に接合して、接地電極24の先端部26を中心電極13と対向させる。
実施形態では、接地電極24の先端部26と中心電極13とを軸線O上で対向するように接地電極24を配置する場合について説明した。しかし、必ずしもこれに限られるものではなく、接地電極24と中心電極13との位置関係は適宜設定できる。接地電極24と中心電極13との他の位置関係としては、例えば、中心電極13の側面と接地電極24の先端部26とが対向するように接地電極24を配置すること等が挙げられる。
実施形態では説明を省略したが、貴金属を含有するチップを中心電極13や接地電極24に配置して、中心電極13に配置されたチップと接地電極24との間や、接地電極24に配置されたチップと中心電極13との間に火花ギャップGを形成することは当然可能である。チップにより中心電極13や接地電極24の耐火花消耗性を向上できる。
10 スパークプラグ
13 中心電極
15 主体金具
16 軸部
17 鍔部
21 おねじ
24 接地電極
25 基端部
26 先端部
40 ゲージ
45 めねじ
46,47 第1ゲージ基準部(ゲージ基準部)
60 検出装置
65 第1基準部(基準部)
G 火花ギャップ
O 軸線
13 中心電極
15 主体金具
16 軸部
17 鍔部
21 おねじ
24 接地電極
25 基端部
26 先端部
40 ゲージ
45 めねじ
46,47 第1ゲージ基準部(ゲージ基準部)
60 検出装置
65 第1基準部(基準部)
G 火花ギャップ
O 軸線
Claims (1)
- 先端側から後端側へと軸線に沿って延びる円筒状の軸部と、前記軸部の後端から径方向の外側へ張り出す鍔部と、を備え、前記軸部の外周面におねじが形成された主体金具と、
前記軸部の先端側の中心に絶縁保持される中心電極と、
自身の基端部が前記軸部に接続され、自身の先端部が前記中心電極との間で火花ギャップを介して対向する接地電極と、を備えるスパークプラグの製造方法であって、
前記接地電極が接続された前記主体金具を準備する準備工程と、
めねじと、前記めねじの径方向の外側に位置するゲージ基準部と、を有するゲージの前記めねじに、前記主体金具の前記おねじを、前記主体金具をエンジンに取り付けるときの規定トルクよりも小さい締付トルクで締め付け、前記ゲージに前記鍔部を接触させ、前記ゲージから前記接地電極を突出させる締付工程と、
前記鍔部が接触した前記ゲージの前記ゲージ基準部を検出装置の基準部に押し当て、前記ゲージを前記基準部側に押す力を加え続け、前記ゲージ基準部が前記基準部に押し当てられた状態を維持する維持工程と、
前記ゲージ基準部が前記基準部に押し当てられた前記検出装置を用いて、前記ゲージにおける前記接地電極の位置を検出する検出工程と、を備えるスパークプラグの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019120932A JP2021007081A (ja) | 2019-06-28 | 2019-06-28 | スパークプラグの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2019120932A JP2021007081A (ja) | 2019-06-28 | 2019-06-28 | スパークプラグの製造方法 |
Publications (1)
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JP2021007081A true JP2021007081A (ja) | 2021-01-21 |
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ID=74165331
Family Applications (1)
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JP2019120932A Pending JP2021007081A (ja) | 2019-06-28 | 2019-06-28 | スパークプラグの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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-
2019
- 2019-06-28 JP JP2019120932A patent/JP2021007081A/ja active Pending
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