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JP2021097072A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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JP2021097072A JP2019225465A JP2019225465A JP2021097072A JP 2021097072 A JP2021097072 A JP 2021097072A JP 2019225465 A JP2019225465 A JP 2019225465A JP 2019225465 A JP2019225465 A JP 2019225465A JP 2021097072 A JP2021097072 A JP 2021097072A
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美智子 名取
Michiko Natori
美智子 名取
偉夫 中子
Takeo Nakako
偉夫 中子
大 石川
Masaru Ishikawa
大 石川
祐貴 川名
Yuki Kawana
祐貴 川名
征央 根岸
Motohiro Negishi
征央 根岸
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Abstract

【課題】基材と半導体素子との優れた接合性を実現可能な半導体装置の製造方法を提供すること。【解決手段】基材上に、金属粒子を含有する組成物を用いて厚さT1の金属粒子含有層を形成する工程と、金属粒子含有層の厚さがT2となるように、金属粒子含有層上に半導体素子を押し付けながら載置する工程であり、T2はT1の90%未満である工程と、金属粒子を焼結させて焼結体層を形成する工程と、を備える、半導体装置の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関する。
半導体装置を製造する際、半導体素子とリードフレーム等(支持部材)とを接合させるため、さまざまな接合材が用いられている。半導体装置の中でも、150℃以上の高温で動作させるパワー半導体、LSI等の接合には、接合材として高融点鉛はんだが用いられてきた。近年、半導体素子の高容量化及び省スペース化により動作温度が高融点鉛はんだの融点近くまで上昇しており、接続信頼性を確保することが難しくなってきている。一方で、RoHS規制強化に伴い、鉛を含有しない接合材が求められている。
これまでにも、鉛はんだ以外の材料を用いた半導体素子の接合が検討されている。例えば、下記特許文献1には、半導体素子と電極とを接合するための接合材として、平均粒径が1nm〜50μmの酸化第2銅粒子及び還元剤を含む接合材が開示されている。また、下記特許文献2には、銅ナノ粒子と、銅マイクロ粒子もしくは銅サブマイクロ粒子、あるいはそれら両方を含む接合材が開示されている。
特許第5006081号 特開2014−167145号公報
ところで、パワー半導体のようにある程度の大面積を有する半導体素子と基材とを上記接合材により接合しようとすると、充分な接合状態が得られない場合がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、基材と半導体素子との優れた接合性を実現可能な半導体装置の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、基材上に、金属粒子を含有する組成物を用いて厚さT1の金属粒子含有層を形成する工程と、金属粒子含有層の厚さがT2となるように、金属粒子含有層上に半導体素子を押し付けながら載置する工程であり、T2はT1の90%未満である工程と、金属粒子を焼結させて焼結体層を形成する工程と、を備える、半導体装置の製造方法を提供する。形成した金属粒子含有層の厚さに対する、いわゆるチップマウント高さを適切に調整することで、基材と半導体素子との優れた接合性を実現することが可能となる。
一態様において、T1が80〜600μmであってよい。
一態様において、本発明は、焼結体層を形成する工程の前に、金属粒子含有層を乾燥させる工程を更に備えてよい。
一態様において、金属粒子含有層を乾燥させる工程における加熱温度が40〜80℃であってよい。
一態様において、半導体素子の主面の面積が25mm以上であってよい。
本発明によれば、基材と半導体素子との優れた接合性を実現可能な半導体装置の製造方法を提供することができる。
図1は、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図である。 図2は、本実施形態の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の一例を示す模式断面図である。 図3は、本実施形態の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の一例を示す模式断面図である。 図4は、得られたサンプルの超音波探傷画像である。
まず、本実施形態の製造方法にて用いられる、金属粒子を含有する組成物の詳細について説明する。
<金属粒子を含有する組成物>
金属粒子を含有する組成物(以下、単に「組成物」という場合がある)は、例えば銅粒子及び分散媒を含有するペースト状の組成物であってよい。そのような組成物を接合用銅ペーストと言うことができる。
(銅粒子)
銅粒子としては、サブマイクロ銅粒子及びマイクロ銅粒子が挙げられる。銅粒子は、これら以外の銅粒子を含んでいてよい。
[サブマイクロ銅粒子]
サブマイクロ銅粒子は、0.01μm以上1.00μm未満の粒径を有する銅粒子である。サブマイクロ銅粒子は、好ましくは、150℃以上300℃以下の温度範囲で焼結性を有する。サブマイクロ銅粒子は、粒径が0.01〜0.80μmの銅粒子を含むことが好ましい。サブマイクロ銅粒子は、粒径が0.01〜0.80μmの銅粒子を10質量%以上含んでいてよく、20質量%以上含んでいてもよく、30質量%以上含んでいてもよく、100質量%含んでいてもよい。銅粒子の粒径は、例えば、SEM像から算出することができる。銅粒子の粉末を、SEM用のカーボンテープ上にスパチュラで載せ、SEM用サンプルとする。このSEM用サンプルをSEM装置により5000倍で観察する。このSEM像の銅粒子に外接する四角形を画像処理ソフトにより作図し、その一辺をその粒子の粒径とする。
サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径は、好ましくは0.01〜0.80μmである。サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径が0.01μm以上であれば、サブマイクロ銅粒子の合成コストの抑制、良好な分散性、表面処理剤の使用量の抑制といった効果が得られやすくなる。サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径が0.80μm以下であれば、サブマイクロ銅粒子の焼結性が優れるという効果が得られやすくなる。上記効果がより一層奏される観点から、サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径は、0.02μm以上、0.05μm以上、0.10μm以上、0.11μm以上、0.12μm以上、0.15μm以上、0.2μm以上又は0.3μm以上であってもよい。また、上記効果がより一層奏される観点から、サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径は、0.60μm以下、0.50μm以下、0.45μm以下又は0.40μm以下であってもよい。サブマイクロ銅粒子の体積平均粒径は、例えば、0.01〜0.60μm、0.01〜0.50μm、0.02〜0.80μm、0.05〜0.80μm、0.10〜0.80μm、0.11〜0.80μm、0.12〜0.80μm、0.15〜0.80μm、0.15〜0.60μm、0.20〜0.50μm、0.30〜0.45μm、又は、0.30〜0.40μmであってよい。
本明細書において体積平均粒径とは、50%体積平均粒径を意味する。金属粒子(例えば銅粒子)の体積平均粒径は、例えば、以下の方法で測定することができる。まず、原料となる金属粒子、又は、組成物から揮発成分を除去して得られる乾燥金属粒子を、分散剤を用いて分散媒に分散させる。次いで、得られた分散体の体積平均粒径を光散乱法粒度分布測定装置(例えば、島津ナノ粒子径分布測定装置(SALD−7500nano、株式会社島津製作所製))で測定する。光散乱法粒度分布測定装置を用いる場合、分散媒としては、ヘキサン、トルエン、α−テルピネオール、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン等を用いることができる。
サブマイクロ銅粒子の形状は、特に限定されるものではない。サブマイクロ銅粒子の形状としては、例えば、球状、塊状、針状、柱状、フレーク状、略球状及びこれらの凝集体が挙げられる。分散性及び充填性の観点から、サブマイクロ銅粒子の形状は、球状、略球状又はフレーク状であってよく、燃焼性、分散性、フレーク状のマイクロ粒子(例えば、フレーク状のマイクロ銅粒子)との混合性等の観点から、球状又は略球状であってもよい。本明細書において、「フレーク状」とは、板状、鱗片状等の平板状の形状を包含する。
サブマイクロ銅粒子のアスペクト比は、分散性、充填性、及びフレーク状のマイクロ粒子(例えば、フレーク状のマイクロ銅粒子)との混合性の観点から、5.0以下であってよく、3.0以下であってもよく、2.5以下であってもよく、2.0以下であってもよい。本明細書において、「アスペクト比」とは、「粒子の長辺/粒子の厚さ」を示す。粒子の長辺及び粒子の厚さは、例えば、粒子のSEM像から求めることができる。
サブマイクロ銅粒子は、サブマイクロ銅粒子の分散性の観点から、表面処理剤で処理されていてもよい。表面処理剤は、例えば、サブマイクロ銅粒子の表面に水素結合等によって吸着していてよく、サブマイクロ銅粒子と反応してサブマイクロ銅粒子の表面に結合していてもよい。すなわち、サブマイクロ銅粒子が特定の表面処理剤由来の化合物を有していてもよい。表面処理剤は、組成物に含まれる有機化合物に包含される。
表面処理剤としては、例えば、炭素数2〜18の有機酸が挙げられる。炭素数2〜18の有機酸としては、例えば、酢酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、カプリル酸、メチルヘプタン酸、エチルヘキサン酸、プロピルペンタン酸、ペラルゴン酸、メチルオクタン酸、エチルヘプタン酸、プロピルヘキサン酸、カプリン酸、メチルノナン酸、エチルオクタン酸、プロピルヘプタン酸、ブチルヘキサン酸、ウンデカン酸、メチルデカン酸、エチルノナン酸、プロピルオクタン酸、ブチルヘプタン酸、ラウリン酸、メチルウンデカン酸、エチルデカン酸、プロピルノナン酸、ブチルオクタン酸、ペンチルヘプタン酸、トリデカン酸、メチルドデカン酸、エチルウンデカン酸、プロピルデカン酸、ブチルノナン酸、ペンチルオクタン酸、ミリスチン酸、メチルトリデカン酸、エチルドデカン酸、プロピルウンデカン酸、ブチルデカン酸、ペンチルノナン酸、ヘキシルオクタン酸、ペンタデカン酸、メチルテトラデカン酸、エチルトリデカン酸、プロピルドデカン酸、ブチルウンデカン酸、ペンチルデカン酸、ヘキシルノナン酸、パルミチン酸、メチルペンタデカン酸、エチルテトラデカン酸、プロピルトリデカン酸、ブチルドデカン酸、ペンチルウンデカン酸、ヘキシルデカン酸、ヘプチルノナン酸、ヘプタデカン酸、オクタデカン酸、メチルシクロヘキサンカルボン酸、エチルシクロヘキサンカルボン酸、プロピルシクロヘキサンカルボン酸、ブチルシクロヘキサンカルボン酸、ペンチルシクロヘキサンカルボン酸、ヘキシルシクロヘキサンカルボン酸、ヘプチルシクロヘキサンカルボン酸、オクチルシクロヘキサンカルボン酸、ノニルシクロヘキサンカルボン酸等の飽和脂肪酸;オクテン酸、ノネン酸、メチルノネン酸、デセン酸、ウンデセン酸、ドデセン酸、トリデセン酸、テトラデセン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、ヘキサデセン酸、パルミトレイン酸、サビエン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレイン酸、リノレン酸等の不飽和脂肪酸;テレフタル酸、ピロメリット酸、o−フェノキシ安息香酸、メチル安息香酸、エチル安息香酸、プロピル安息香酸、ブチル安息香酸、ペンチル安息香酸、ヘキシル安息香酸、ヘプチル安息香酸、オクチル安息香酸、ノニル安息香酸等の芳香族カルボン酸が挙げられる。有機酸は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。このような有機酸と上記サブマイクロ銅粒子とを組み合わせることで、サブマイクロ銅粒子の分散性と焼結時における有機酸の脱離性を両立できる傾向にある。
表面処理剤の処理量は、サブマイクロ銅粒子の分散性の観点から、表面処理後のサブマイクロ銅粒子の全質量を基準として、0.07〜2.10質量%、0.10〜1.60質量%又は0.20〜1.10質量%であってよい。表面処理剤の処理量は、表面処理後のサブマイクロ銅粒子の全質量を基準として、0.07質量%以上、0.10質量%以上又は0.20質量%以上であってよい。表面処理剤の処理量は、表面処理後のサブマイクロ銅粒子の全質量を基準として、2.10質量%以下、1.60質量%以下又は1.10質量%以下であってよい。
表面処理剤の処理量は、サブマイクロ銅粒子の表面に一分子層〜三分子層付着する量であってもよい。この処理量は、以下の方法により測定される。大気中、700℃で2時間処理したアルミナ製るつぼ(例えば、アズワン製、型番:1−7745−07)に、表面処理されたサブマイクロ銅粒子をW1(g)量り取り、大気中700℃で1時間焼成する。その後、水素中、300℃で1時間処理し、るつぼ内の銅粒子の質量W2(g)を計測する。次いで、下記式に基づき、表面処理剤の処理量を算出する。
表面処理剤の処理量(質量%)=(W1−W2)/W1×100
サブマイクロ銅粒子としては、市販されているものを用いることができる。市販されているサブマイクロ銅粒子を含む材料としては、例えば、CH−0200(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.36μm)、HT−14(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.41μm)、CT−500(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径0.72μm)、Tn−Cu100(太陽日産株式会社製、体積平均粒径0.12μm)及びCu−C−40(福田金属箔粉工業株式会社製、体積平均粒径0.2μm)が挙げられる。
サブマイクロ銅粒子の含有量は、組成物に含まれる銅粒子の全質量を基準として、30質量%以上、35質量%以上、40質量%以上又は50質量%以上であってよく、90質量%以下又は85質量%以下であってよい。また、サブマイクロ銅粒子の含有量は、組成物に含まれる銅粒子の全質量を基準として、30〜90質量%、35〜90質量%、40〜85質量%又は50〜85質量%であってよい。サブマイクロ銅粒子の含有量が上記範囲内であれば、金属粒子含有層を焼結させて製造される半導体装置の接合強度を確保することが容易となる。
[マイクロ銅粒子]
マイクロ銅粒子は、1μm以上50μm未満の粒径を有する銅粒子である。マイクロ銅粒子は、粒径が2.0〜50μmの銅粒子を含むことが好ましい。マイクロ銅粒子は、粒径が2.0〜50μmの銅粒子を50質量%以上含んでいてよく、70質量%以上含んでいてもよく、80質量%以上含んでいてもよく、100質量%含んでいてもよい。
マイクロ銅粒子の体積平均粒径は、好ましくは2.0〜50μmである。マイクロ銅粒子の体積平均粒径が上記範囲内であれば、金属粒子含有層を焼結した際の体積収縮、ボイドの発生等を低減でき、金属粒子含有層を焼結させて製造される半導体装置の接合強度を確保することが容易となる。上記効果がより一層奏される観点から、マイクロ銅粒子の体積平均粒径は、2.0〜20μm、2.0〜10μm、3.0〜20μm又は3.0〜10μmであってもよい。マイクロ銅粒子の体積平均粒径は、2.0μm以上又は3.0μm以上であってよい。マイクロ銅粒子の体積平均粒径は、50μm以下、20μm以下又は10μm以下であってよい。
マイクロ銅粒子の形状は、特に限定されるものではない。マイクロ銅粒子の形状としては、例えば、球状、塊状、針状、フレーク状、略球状、及びこれらの凝集体が挙げられる。これらの中でも、好ましいマイクロ銅粒子の形状はフレーク状である。マイクロ銅粒子は、フレーク状のマイクロ銅粒子を50質量%以上含んでいてよく、70質量%以上含んでいてもよく、80質量%以上含んでいてもよく、100質量%含んでいてもよい。
フレーク状のマイクロ銅粒子を用いることで、組成物内のマイクロ銅粒子が、接合面に対して略平行に配向することとなり、金属粒子含有層を焼結させたときの接合面方向の体積収縮を抑制でき、金属粒子含有層を焼結させて製造される半導体装置の接合強度を確保することが容易となる。上記効果がより一層奏される観点から、フレーク状のマイクロ銅粒子のアスペクト比は、好ましくは3.0以上であり、より好ましくは4.0以上であり、更に好ましくは6.0以上である。
フレーク状のマイクロ銅粒子の最大径及び平均最大径は、2.0〜50μm、3.0〜50μm又は3.0〜20μmであってよい。フレーク状のマイクロ銅粒子の最大径及び平均最大径は、例えば、粒子のSEM像から求めることができる。フレーク状のマイクロ銅粒子の最大径及び平均最大径は、例えば、フレーク状のマイクロ銅粒子の長径X及び長径の平均値Xavとして求められる。長径Xは、フレーク状のマイクロ銅粒子の三次元形状において、フレーク状のマイクロ銅粒子に外接する平行二平面のうち、この平行二平面間の距離が最大となるように選ばれる平行二平面の距離である。
マイクロ銅粒子において、表面処理剤の処理の有無は特に限定されるものではない。分散安定性及び耐酸化性の観点から、マイクロ銅粒子は表面処理剤で処理されていてもよい。すなわち、マイクロ銅粒子が表面処理剤由来の化合物を有していてもよい。表面処理剤は、マイクロ銅粒子の表面に水素結合等によって吸着していてよく、マイクロ銅粒子と反応してマイクロ銅粒子の表面に結合していてもよい。
表面処理剤は、接合時の加熱により除去されるものであってもよい。このような表面処理剤としては、例えば、ドデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸等の脂肪族カルボン酸;テレフタル酸、ピロメリット酸、o−フェノキシ安息香酸等の芳香族カルボン酸;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソボルニルシクロヘキサノール、テトラエチレングリコール等の脂肪族アルコール;p−フェニルフェノール等の芳香族アルコール;オクチルアミン、ドデシルアミン、ステアリルアミン等のアルキルアミン;ステアロニトリル、デカンニトリル等の脂肪族ニトリル;アルキルアルコキシシラン等のシランカップリング剤;ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、シリコーンオリゴマー等の高分子処理材などが挙げられる。表面処理剤は、一種を単独で使用してもよく、二種以上を組み合わせて使用してもよい。
マイクロ銅粒子としては、市販されているものを用いることができる。市販されているマイクロ銅粒子を含む材料としては、例えば、1050YF(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径1.7μm)、MA−C025KFD(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径7.5μm)、3L3(福田金属箔粉工業株式会社製、体積平均粒径8.0μm)、2L3N(福田金属箔粉工業株式会社製、体積平均粒径9.9μm)、3L3N(福田金属箔粉工業株式会社製、体積平均粒径7μm)及び1110F(三井金属鉱業株式会社製、体積平均粒径3.8μm)が挙げられる。
マイクロ銅粒子の含有量は、組成物に含まれる銅粒子の全質量を基準として、10質量%以上、15質量%以上又は20質量%以上であってよく、70質量%以下、50質量%以下、45質量%以下又は40質量%以下であってよい。また、マイクロ銅粒子の含有量は、組成物に含まれる銅粒子の全質量を基準として、10〜70質量%、10〜65質量%、10〜50質量%、15〜60質量%、15〜50質量%、又は15〜45質量%であってよい。マイクロ銅粒子の含有量が、上記範囲内であれば、接合部(例えば焼結体)の剥離、ボイド及びクラックの発生を抑制して接合強度を確保することができる。フレーク状のマイクロ銅粒子の含有量は、上記のマイクロ銅粒子の含有量の範囲と同じであってよい。フレーク状のマイクロ銅粒子の含有量がこのような範囲にある場合、上記効果がより一層奏される傾向がある。
組成物における銅粒子の含有量は、組成物に含まれる金属粒子の全質量を基準として、80〜100質量%であってもよく、90〜100質量%であってもよく、95〜100質量%であってもよい。
組成物は、サブマイクロ銅粒子及びマイクロ銅粒子を含むことがより好ましい。サブマイクロ銅粒子とマイクロ銅粒子とを併用する場合、乾燥に伴う体積収縮及び焼結収縮が抑制されやすく、焼結時に金属粒子含有層が接合面から剥離しにくくなる。すなわち、サブマイクロ銅粒子とマイクロ銅粒子とを併用することで、金属粒子含有層を焼結させたときの体積収縮が抑制され、半導体装置はより充分な接合強度を有することができる。
サブマイクロ銅粒子の含有量及びマイクロ銅粒子の含有量の合計は、組成物に含まれる金属粒子の全質量を基準として、80〜100質量%であってよい。サブマイクロ銅粒子の含有量及びマイクロ銅粒子の含有量の合計が上記範囲内であれば、金属粒子含有層を焼結した際の体積収縮を充分に低減でき、金属粒子含有層を焼結させて製造される半導体装置の接合強度を確保することが容易となる。上記効果が一層奏される観点から、サブマイクロ銅粒子の含有量及びマイクロ銅粒子の含有量の合計は、金属粒子の全質量を基準として、90質量%以上であってもよく、95質量%以上であってもよく、100質量%であってもよい。
[その他の金属粒子]
組成物は、銅粒子以外の金属粒子(「その他の金属粒子」ともいう。)を含むことができる。
その他の金属粒子としては、例えば、亜鉛、ニッケル、銀、金、パラジウム、白金等の粒子が挙げられる。その他の金属粒子の体積平均粒径は、0.01〜10μm、0.01〜5μm又は0.05〜3μmであってよい。その他の金属粒子の形状は、特に限定されるものではない。その他の金属粒子の含有量は、充分な接合性を得る観点から、組成物に含まれる金属粒子の全質量を基準として、20質量%未満であってよく、10質量%以下であってもよく、5質量%以下であってもよく、1質量%以下であってもよく、0質量%であってもよい。
組成物における金属粒子の含有量は、組成物全量を基準として、85〜98質量%であってもよく、85〜95質量%であってもよく、85〜90質量%であってもよく、87〜89質量%であってもよい。
(分散媒)
分散媒は、金属粒子を分散する機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、揮発性のものであってもよい。揮発性の分散媒としては、例えば、1価アルコール、多価アルコール等のアルコール類、エーテル類、エステル類、酸アミド、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等が挙げられる。具体的には、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、α−ターピネオール(α−テルピネオール)、ジヒドロターピネオール(ジヒドロテルピネーオール)等のアルコール類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールブチルメチルエーテル、ジエチレングリコールイソプロピルメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールブチルメチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールジプロピルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;エチレングリコールエチルエーテルアセテート、エチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(DPMA)、乳酸エチル、乳酸ブチル、γ−ブチロラクトン、炭酸プロピレン等のエステル類;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド;シクロヘキサン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素などが挙げられる。
分散媒の含有量は、組成物の全質量を基準として、2質量%以上、5質量%以上又は10質量%以上であってよく、50質量%以下、30質量%以下、20質量%以下又は15質量%以下であってもよい。例えば、分散媒の含有量は、組成物の全質量を基準として、2〜50質量%であってよく、5〜30質量%であってもよく、5〜20質量%であってもよい。また、分散媒の含有量は、組成物に含まれる金属粒子の全質量を100質量部として、2〜50質量部であってよく、5〜50質量部であってよく、2〜15質量部であってよく、5〜15質量部であってよく、10〜15質量部であってよく、11〜13質量部であってよい。分散媒の含有量が上記範囲内であれば、組成物をより適切な粘度に調整でき、また、銅粒子の焼結を阻害しにくい。
組成物は、分散媒として、300℃以上の沸点を有する化合物(以下、高沸点分散媒という場合もある)を含んでいてよい。高沸点分散媒を含むことで、焼結開始直前まで組成物に可塑性と密着性が付与され易い。高沸点分散媒の沸点は、金属粒子含有層の焼結時において、焼結及び緻密化を妨げず、接合温度に達した際に速やかに蒸発し除去される観点から、300〜450℃であってもよく、305〜400℃であってもよく、310〜380℃であってもよい。なお、沸点は、大気圧下(1気圧)における温度を指す。また、本明細書において、300℃未満の沸点を有する分散媒を低沸点分散媒という場合もある。
高沸点分散媒としては、イソボルニルシクロヘキサノール(MTPH、日本テルペン化学株式会社製)、トリブチリン、ステアリン酸ブチル、エキセパールBS(花王株式会社製)、ステアリン酸ステアリル、エキセパールSS(花王株式会社製)、ステアリン酸2−エチルヘキシル、エキセパールEH−S(花王株式会社製)、ステアリン酸イソトリデシル、エキセパールTD−S(花王株式会社製)、ヘプタデカン、オクタデカン、ノナデカン、エイコサン、ヘネイコサン、ドコサン、メチルヘプタデカン、トリデシルシクロヘキサン、テトラデシルシクロヘキサン、ペンタデシルシクロヘキサン、ヘキサデシルシクロヘキサン、ウンデシルベンゼン、ドデシルベンゼン、テトラデシルベンゼン、トリデシルベンゼン、ペンタデシルベンゼン、ヘキサデシルベンゼン、ヘプタデシルベンゼン、ノニルナフタレン、ジフェニルプロパン、オクタン酸オクチル、ミリスチン酸メチル、ミリスチン酸エチル、リノール酸メチル、ステアリン酸メチル、トリエチレングリコールビス(2−エチルヘキサン酸)、クエン酸トリブチル、セバシン酸ジブチル、メトキシフェネチルアルコール、ベンジルフェノール(C1312O)、ヘキサデカンニトリル、ヘプタデカンニトリル、安息香酸ベンジル、シンメチリン、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)等が挙げられる。接合性をより向上する観点から、高沸点分散媒が、イソボルニルシクロヘキサノール、トリブチリン、ステアリン酸ブチル及びオクタン酸オクチルからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
高沸点分散媒の含有量は、組成物の全質量を基準として、2質量%以上、2.2質量%以上又は2.4質量%以上であってよく、50質量%以下、45質量%以下、40質量%以下、20質量%以下、10質量%以下又は5質量%以下であってもよい。例えば、300℃以上の沸点を有する化合物の含有量は、組成物の全質量を基準として、2〜50質量%であってよく、2〜20質量%であってよく、2〜5質量%であってよい。
高沸点分散媒の含有量は、分散媒の全質量を基準として、10〜50質量%であってもよく、20〜40質量%であってもよく、25〜35質量%であってもよい。
(その他の成分)
組成物は、添加剤として、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ向上剤;表面張力調整剤;アルキルアミン、アルキルカルボン酸等の分散剤;シリコーン油等の消泡剤;無機イオン交換体等のイオントラップ剤;飽和高級アルコールなどを含有することができる。添加剤の含有量は、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜調整することができる。
<組成物の調製>
組成物は、上述の銅粒子と、分散媒と、場合により含有されるその他の金属粒子及び添加剤とを混合して調製することができる。各成分の混合後に、撹拌処理を行ってもよい。組成物は、分級操作により分散液の最大粒径を調整してもよい。このとき、分散液の最大粒径は20μm以下とすることができ、10μm以下とすることもできる。上記サブマイクロ銅粒子等の金属粒子は、表面処理剤で処理されたものを用いてよい。
銅粒子として、サブマイクロ銅粒子及びマイクロ銅粒子を用いる場合、組成物は、例えば、以下の方法で調製してよい。まず、分散媒に、必要に応じて分散剤を加えた上で、サブマイクロ銅粒子を混合し、分散処理を行う。次いで、マイクロ銅粒子及び必要に応じてその他の金属粒子を加え、分散処理を行う。サブマイクロ銅粒子とマイクロ銅粒子では分散に適した分散方法及び分散条件が異なる場合がある。一般に、サブマイクロ銅粒子はマイクロ銅粒子よりも分散し難く、サブマイクロ銅粒子を分散させるためには、マイクロ銅粒子を分散させる際に加える強度よりも高い強度が必要である。一方、マイクロ銅粒子は、分散しやすいだけでなく、分散させるために高い強度を加えると変形を生じる場合がある。そのため、上記のような手順とすることで、良好な分散性が得られやすく、組成物の性能をより向上させることができる。
分散処理は、分散機又は攪拌機を用いて行うことができる。分散機及び攪拌機としては、例えば、石川式攪拌機、シルバーソン攪拌機、キャビテーション攪拌機、自転公転型攪拌装置、超薄膜高速回転式分散機、超音波分散機、ライカイ機、二軸混練機、ビーズミル、ボールミル、三本ロールミル、ホモミキサー、プラネタリーミキサー、超高圧型分散機及び薄層せん断分散機が挙げられる。
分級操作は、例えば、ろ過、自然沈降及び遠心分離により行うことができる。ろ過用のフィルタとしては、例えば、水櫛、金属メッシュ、メタルフィルター及びナイロンメッシュが挙げられる。
攪拌処理は、攪拌機を用いて行うことができる。攪拌機としては、例えば、石川式攪拌機、自転公転型攪拌装置、ライカイ機、二軸混練機、三本ロールミル及びプラネタリーミキサーが挙げられる。
<半導体装置の製造方法>
本実施形態の半導体装置の製造方法は、基材上に、金属粒子を含有する組成物(接合用銅ペースト)を用いて厚さT1の金属粒子含有層を形成する工程と、金属粒子含有層の厚さがT2となるように、金属粒子含有層上に半導体素子を押し付けながら載置する工程と、金属粒子を焼結させて焼結体層を形成する工程と、を備える。
基材としては、例えば、リードフレーム;金属板貼付セラミックス基板(例えばDBC);LEDパッケージ等の半導体素子搭載用基材;金属ブロック等のブロック体;端子等の給電用部材;放熱板;水冷板などが挙げられる。半導体素子としては、例えば、IGBT、ダイオード、ショットキーバリヤダイオード、MOS−FET、サイリスタ、ロジック、センサー、アナログ集積回路、LED、半導体レーザー、発信器等が挙げられる。
本実施形態においては、パワー半導体のようにある程度の大面積を有する半導体素子であっても、基材との良好な接合性を確保できる。この観点から、半導体素子の主面の面積は25mm以上であってよく、49mm以上であってもよく、100mm以上であってもよい。当該面積の上限は、接合性の観点から225mm(例えば15mm×15mm)とすることができる。
基材の、半導体素子との接合面に金属粒子含有層を形成する方法としては、スクリーン印刷(ステンシル印刷)、転写印刷、オフセット印刷、凸版印刷、凹版印刷、グラビア印刷、ステンシル印刷、ジェット印刷等が挙げられる。また、ディスペンサ(例えば、ジェットディスペンサ、ニードルディスペンサ)、カンマコータ、スリットコータ、ダイコータ、グラビアコータ、スリットコート、バーコータ、アプリケータ、スプレーコータ、スピンコータ、ディップコータ等を用いる方法、ソフトリソグラフィによる方法、粒子堆積法、電着塗装による方法などを用いてもよい。
金属粒子含有層の厚さT1は、80μm以上、90μm以上又は100μm以上であってよく、600μm以下、550μm以下又は500μm以下であってよい。例えば、金属粒子含有層の厚さは、80〜600μmであってよく、90〜550μmであってもよく、100〜500μmであってもよい。
本実施形態においては、量産プロセスの観点から、金属粒子含有層をスクリーン印刷により形成することができ、印刷速度向上、マスクの開口の面積拡大等に対応することができる。マスクの開口面積(すなわち、金属粒子含有層の主面の面積)は、例えば、25mm以上であってもよく、49mm以上であってもよく、100mm以上であってもよい。当該面積の上限は、接合性の観点から225mmとすることができる。
金属粒子含有層上に半導体素子を載置する方法としては、例えば、チップマウンター、フリップチップボンダー、カーボン製又はセラミックス製の位置決め冶具等を用いる方法が挙げられる。半導体素子の載置に当たり、基材と半導体素子との良好な接合性を得るため、押し込み率(押し込みの程度)を調整する。すなわち、金属粒子含有層の厚さがT2となるように、金属粒子含有層上に半導体素子を押し付けながら載置する。T2はT1の90%未満であってよく、85%以下であってよく、80%以下であってもよい。一方、金属粒子含有層の厚みさやチップへの濡れ広がりばらつきを低減する観点から、半導体素子を強く押し付けすぎることは好ましくない。T2の下限は、T1の40%以上であってよく、50%以上であってもよい。(T2/T1)×100を押し込み率ということができる。なお、半導体素子を冶具から離した際にスプリングバック(金属粒子含有層が元の形状に戻ろうとする作用)が生じ難いよう、半導体素子を押し付ける際の押し付け速度や押し付け圧力が高くなり過ぎないよう調整することが好ましい。
図面を参照して、上記工程について説明する。図1は、本実施形態の半導体装置の製造方法の一例を示す模式断面図である。同図に示すように、同製造方法では、まず基材1上に、金属粒子を含有する組成物(上記接合用銅ペースト)を用いて厚さT1の金属粒子含有層2Pを形成する(図1(a))。そして、チップマウンター等の位置決め冶具4を用いて、金属粒子含有層2Pの厚さがT2となるように、金属粒子含有層2P上に半導体素子3を押し付けながら載置する(図1(b))。この際、T2はT1の90%未満となるように、半導体素子3を押し付ける。これにより、基材1と、金属粒子含有層2Pと、半導体素子3とがこの順に積層された積層体を得ることができる。
積層体の形成後、焼結時の流動及びボイドの発生を抑制する観点から、金属粒子含有層を適宜乾燥させてもよい。すなわち、本実施形態の製造方法は、焼結体層を形成する工程の前に、金属粒子含有層を乾燥させる工程を更に備えてよい。乾燥時のガス雰囲気は大気中であってよく、窒素、希ガス等の無酸素雰囲気中であってもよく、水素、ギ酸等の還元雰囲気中であってもよい。乾燥方法は、常温放置(例えば10〜30℃)による乾燥であってよく、加熱乾燥(予備加熱工程ということができる)であってもよく、減圧乾燥であってもよい。加熱乾燥又は減圧乾燥には、例えば、ホットプレート、温風乾燥機、温風加熱炉、窒素乾燥機、赤外線乾燥機、赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉、マイクロ波加熱装置、レーザー加熱装置、電磁加熱装置、ヒーター加熱装置、蒸気加熱炉、熱板プレス装置等を用いることができる。乾燥の温度及び時間は、使用した揮発成分(例えば、1価脂肪族アルコール及び溶剤成分)の種類及び量に合わせて適宜調整してもよい。乾燥条件(加熱温度及び加熱時間)は、例えば、40〜80℃又は50〜70℃で、1〜120分間又は10〜120分間乾燥させる条件であってよい。より好ましくは、上記押し込み率の範囲において、乾燥条件は例えば以下のように設定してよい。
金属粒子含有層の厚さが80〜150μm:40〜80℃又は50〜70℃で、5〜30分間又は7.5〜15分間。
金属粒子含有層の厚さが150μm超300μm以下:40〜80℃又は50〜70℃で、40〜80分間又は55〜65分間。
金属粒子含有層の厚さが300μm超600μm以下:40〜80℃又は50〜70℃で、100〜140分間又は110〜130分間。
金属粒子を焼結させて焼結体層を得る方法としては、例えば、ホットプレート、温風乾燥機、温風加熱炉、窒素乾燥機、赤外線乾燥機、赤外線加熱炉、遠赤外線加熱炉、マイクロ波加熱装置、レーザー加熱装置、電磁加熱装置、ヒーター加熱装置、蒸気加熱炉等を用いる方法が挙げられる。
焼結時のガス雰囲気は、焼結体、各種部材(例えば、基材及び半導体素子)の酸化抑制の観点から、無酸素雰囲気であってもよい。焼結時のガス雰囲気は、組成物中の銅粒子の表面酸化物を除去するという観点から、還元雰囲気であってもよい。無酸素雰囲気としては、例えば、窒素、希ガス等の無酸素ガス雰囲気、又は真空が挙げられる。還元雰囲気としては、例えば、純水素ガス雰囲気、フォーミングガスに代表される水素及び窒素の混合ガス雰囲気、ギ酸ガスを含む窒素雰囲気、水素及び希ガスの混合ガス雰囲気、ギ酸ガスを含む希ガス雰囲気等が挙げられる。
加熱処理時の温度(例えば、到達最高温度)は、各種部材への熱ダメージを低減できる観点及び歩留まりを向上させる観点から、170℃以上、190℃以上又は200℃以上であってよく、250℃以下、250℃未満、225℃以下又は225℃未満であってよい。例えば、到達最高温度は、170〜250℃であってもよく、170℃以上250℃未満であってもよく、190〜225℃であってもよく、190℃以上225℃未満であってもよく、200〜225℃であってもよく、200℃以上225℃未満であってもよい。
図2は、本実施形態の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の一例を示す模式断面図である。同図に示されるように、以上の工程により、基材1と、焼結体層2と、半導体素子3とがこの順に積層された積層体(半導体装置100)を得ることができる。
図3は、本実施形態の半導体装置の製造方法により製造される半導体装置の一例を示す模式断面図である。図3に示す半導体装置110は、焼結体層11と、基材としてリードフレーム15aと、リードフレーム15bと、ワイヤ16と、焼結体層11を介してリードフレーム15a上に接続された半導体素子18と、これらをモールドするモールドレジン17と、を備える。半導体素子18は、ワイヤ16を介してリードフレーム15bに接続されている。
本実施形態に係る半導体装置としては、例えば、ダイオード、整流器、サイリスタ、MOSゲートドライバ、パワースイッチ、パワーMOSFET、IGBT、ショットキーダイオード、ファーストリカバリダイオード等のパワーモジュール;発信機;増幅器;高輝度LEDモジュール;センサーなどが挙げられる。
以下、実施例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<接合用銅ペーストの調製>
サブマイクロ銅粒子を含む材料としてCH−0200(三井金属鉱業株式会社製、製品名、50%体積平均粒径:0.36μm)90質量部、及びジヒドロターピネオール(日本テルペン化学株式会社製)10質量部を、2000rpm、1分間の条件で株式会社シンキー製攪拌機(商品名:「あわとり練太郎 ARE−310」、以下同様。)にて混合した。その後、3本ロールミルで10回分散処理を行い、混合物を得た。
分散処理により得た混合物68質量部、フレーク状マイクロ銅粒子を含む材料として3L3N(福田金属箔粉工業株式会社製、製品名、50%体積平均粒径:7μm)28質量部、ジヒドロターピネオール1.7重量部、及びトリブチリン(沸点:305℃、富士フィルム和光純薬株式会社製)3.3質量部を容器に加え、2000rpm、1分間の条件で株式会社シンキー製攪拌機にて混合した。その後、3本ロールミルで5回分散処理を行い、接合用銅ペーストを得た。
<半導体装置の作製>
DBC基板(被着面Cu)上に、10mm□の開口を有するステンレス製のメタルマスクを載せ、メタルスキージを用いたステンシル印刷により、往路:速度150mm/s、印圧0.2MPa、復路:100mm/s、印圧0.1MPaの条件で接合用銅ペーストを印刷した。印刷した銅ペーストに、チップマウンターのピックアップツールを用いて、Siチップ(10mm□、厚さ0.15mm、被着面Au)を押し付けながら載置した。得られた積層体を、ホットプレート(アズワン製、製品名「EC−1200N」)を用い、60℃にて乾燥を行った。
次に、当該積層体をチューブ炉(株式会社アールデック製)にセットし、アルゴンガスを3L/min、5分間流して置換した。その後、水素ガスを500mL/minで流し、30分間で接合温度まで昇温した。昇温後、水素ガスを流しながら225℃で60分間保持した後、200℃まで15分間かけて冷却した。最後にアルゴンガスを0.3L/minで流しながら、チューブ炉の外側からエアブローで強制冷却してサンプル温度が60℃以下になってから、サンプルを空気中に取り出した。
以上の処理を、メタルマスクの厚さ、ピックアップツールの押し込み率及び乾燥時間を、表1に示すとおり種々変更して行った。
<評価>
得られた各サンプルについて、以下の基準に従い評価をした。
S:剥離及びボイドが発生しなかった。基板とチップの接合が保たれていた。
A:軽度のボイドが発生したものの、剥離は発生せず、基板とチップの接合は保たれていた。
B:ボイド又は軽度の剥離が発生したものの、基板とチップの接合は保たれていた。
C:基板とチップの接合が不充分であった。
Figure 2021097072
図4は、得られたサンプルの超音波探傷画像である。図4(a)は実験例2について、図4(b)は実験例7について、図4(c)は実験例9についての画像を示す。なお、サンプルの超音波探傷画像は、超音波スキャン装置IS−300(インサイト株式会社製)を用い、周波数35MHzのプローブを走査させて取得した。
1…基材、2P…金属粒子含有層、2…焼結体層、3…半導体素子、4…位置決め冶具、11…焼結体層、15a,15b…リードフレーム、16…ワイヤ、17…モールドレジン、18…半導体素子、100…半導体装置、110…半導体装置。

Claims (5)

  1. 基材上に、金属粒子を含有する組成物を用いて厚さT1の金属粒子含有層を形成する工程と、
    前記金属粒子含有層の厚さがT2となるように、前記金属粒子含有層上に半導体素子を押し付けながら載置する工程であり、T2はT1の90%未満である工程と、
    前記金属粒子を焼結させて焼結体層を形成する工程と、
    を備える、半導体装置の製造方法。
  2. 前記T1が80〜600μmである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記焼結体層を形成する工程の前に、前記金属粒子含有層を乾燥させる工程を更に備える、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記金属粒子含有層を乾燥させる工程における加熱温度が40〜80℃である、請求項3に記載の製造方法。
  5. 前記半導体素子の主面の面積が25mm以上である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。


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