JP2021096321A - 光源装置およびプロジェクター - Google Patents
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Abstract
【課題】偏光方向が揃えられた複数の色光を射出できる光源装置を提供する。【解決手段】本発明の光源装置は、光源部21と、光源部から入射される第1光の第1偏光成分を第1方向に透過し、第2偏光成分を第2方向に反射する第1偏光分離素子22と、第1偏光分離素子から入射される第1偏光成分を第2方向に反射し、第2光の第3偏光成分を第2方向と反対方向の第3方向に透過し、第4偏光成分を第1方向と反対方向の第4方向に反射する第2偏光分離素子23と、第1偏光分離素子から入射される第2偏光成分を拡散させて第3方向に射出する拡散素子261と、第2偏光分離素子から入射される第1偏光成分を波長変換して第2光を第3方向に射出する波長変換素子28とを備える。第1偏光分離素子は、第1偏光分離層221と第1基材を有し、第2偏光分離素子は、第2偏光分離層と第2基材を有し、第1基材と第2基材の少なくとも一方は石英で構成される。【選択図】図2
Description
本発明は、光源装置およびプロジェクターに関する。
光源から射出された光を変調して画像情報に基づく画像光を生成し、生成された画像光を投射するプロジェクターが知られている。下記の特許文献1に、光源と、複数のダイクロイックミラーと、マイクロレンズアレイを有する液晶表示素子と、投射レンズと、を備えた投射型カラー画像表示装置が開示されている。投射型カラー画像表示装置は、光源から射出された白色光を互いに異なる色の複数の色光に分離し、分離された複数の色光のそれぞれを1つの液晶表示素子内の異なるサブ画素に入射させることによってカラー表示を行う。
上記の投射型カラー画像表示装置においては、光源から射出される白色光の入射光軸に沿って、赤色反射ダイクロイックミラー、緑色反射ダイクロイックミラー、および青色反射ダイクロイックミラーが互いに非平行な状態で配置されている。光源から射出された白色光は、上記のダイクロイックミラーを通過することにより、進行方向が互いに異なる赤色光、緑色光、および青色光に分離される。赤色光、緑色光、および青色光は、光変調素子の入射側に設けられたマイクロレンズによって空間的に分離された状態で、光変調素子の赤色サブ画素、緑色サブ画素、および青色サブ画素にそれぞれ入射される。
特許文献1の投射型カラー画像表示装置では、白色光源としてハロゲンランプ、キセノンランプ等のランプ光源が採用され、光変調素子として液晶表示素子が採用されている。ランプ光源から射出される光は非偏光であるが、光変調素子として液晶表示素子を用いる場合、液晶表示素子に入射される光は特定の偏光方向を有する直線偏光である必要がある。これに対し、液晶表示素子を均一に照明する手段として、白色光源から液晶表示素子までの間に、入射光を複数の部分光束に分割する一対のマルチレンズアレイと、複数の部分光束の偏光方向を揃える偏光変換素子と、を設けることが考えられる。この場合、光の入射方向に交差する方向に沿って交互に配列される複数の偏光分離層および複数の反射層と、偏光分離層を透過した光の光路、または、反射層で反射された光の光路のいずれかに設けられる位相差層と、を備える偏光変換素子がよく用いられる。
しかしながら、近年の小型化の要求に応じて、上記の投射型カラー画像表示装置を小型化する場合、偏光分離層と反射層との間のピッチが狭い偏光変換素子を製造することが難しい。このため、この種の偏光変換素子を備える光源装置の小型化、ひいては、光源装置を備えるプロジェクターの小型化が困難である。このような課題から、ピッチが狭い偏光変換素子を用いることなく、偏光方向が揃えられた複数の色光を射出できる光源装置の提供が求められている。
上記の課題を解決するために、本発明の一つの態様の光源装置は、第1波長帯を有する第1光を射出する光源部と、前記光源部から第1方向に沿って入射される前記第1光のうちの第1偏光成分を前記第1方向に透過し、前記第1光のうちの第2偏光成分を前記第1方向と交差する第2方向に反射する第1偏光分離素子と、前記第1偏光分離素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第1方向に沿って入射される前記第1偏光成分を前記第2方向に反射し、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光のうちの第3偏光成分を前記第2方向とは反対方向である第3方向に透過し、前記第2光のうちの第4偏光成分を前記第1方向とは反対方向である第4方向に反射する第2偏光分離素子と、前記第1偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第2偏光成分を拡散させて前記第3方向に射出する拡散素子と、前記第2偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第2偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1偏光成分を波長変換して前記第2光を前記第3方向に射出する波長変換素子と、を備える。前記第1偏光分離素子は、第1偏光分離層と、前記第1偏光分離層を挟んで設けられる第1基材と、を有し、前記第2偏光分離素子は、第2偏光分離層と、前記第2偏光分離層を挟んで設けられる第2基材と、を有し、前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、石英で構成される。
本発明の一つの態様の光源装置は、第1波長帯を有する第1光を射出する光源部と、前記光源部から第1方向に沿って入射される前記第1光のうちの第1偏光成分を前記第1方向に透過し、前記第1光のうちの第2偏光成分を前記第1方向と交差する第2方向に反射する第1偏光分離素子と、前記第1偏光分離素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第1方向に沿って入射される前記第1偏光成分を前記第2方向に反射し、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光のうちの第3偏光成分を前記第2方向とは反対方向である第3方向に透過し、前記第2光のうちの第4偏光成分を前記第1方向とは反対方向である第4方向に反射する第2偏光分離素子と、前記第1偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第2偏光成分を拡散させて前記第3方向に射出する拡散素子と、前記第2偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第2偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1偏光成分を波長変換して前記第2光を前記第3方向に射出する波長変換素子と、を備える。前記第1偏光分離素子は、第1偏光分離層と、前記第1偏光分離層を挟んで設けられる第1基材と、を有し、前記第2偏光分離素子は、第2偏光分離層と、前記第2偏光分離層を挟んで設けられる第2基材と、を有し、前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、前記第1基材および前記第2基材の内部における光の光路長をtとすると、t=10mmあたりの前記第1波長帯の光に対する光線吸収率が0.1%以下の材料で構成される。
本発明の一つの態様の光源装置は、第1波長帯を有する第1光を射出する光源部と、前記光源部から第1方向に沿って入射される前記第1光のうちの第1偏光成分を前記第1方向に透過し、前記第1光のうちの第2偏光成分を前記第1方向と交差する第2方向に反射する第1偏光分離素子と、前記第1偏光分離素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第1方向に沿って入射される前記第1偏光成分を前記第2方向に反射し、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光のうちの第3偏光成分を前記第2方向とは反対方向である第3方向に透過し、前記第2光のうちの第4偏光成分を前記第1方向とは反対方向である第4方向に反射する第2偏光分離素子と、前記第1偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第2偏光成分を拡散させて前記第3方向に射出する拡散素子と、前記第2偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第2偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1偏光成分を波長変換して前記第2光を前記第3方向に射出する波長変換素子と、を備える。前記第1偏光分離素子は、第1偏光分離層と、前記第1偏光分離層を挟んで設けられる第1基材と、を有し、前記第2偏光分離素子は、第2偏光分離層と、前記第2偏光分離層を挟んで設けられる第2基材と、を有し、前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、光弾性定数が0.1nm/cm/105Pa以下の材料で構成される。
本発明の一つの態様の光源装置は、前記第1偏光分離素子と前記拡散素子との間に設けられ、前記第1偏光分離素子から前記第2偏光成分が入射される第1位相差素子をさらに備えていてもよい。
本発明の一つの態様の光源装置は、前記第2偏光分離素子から前記第3方向に射出される前記第3偏光成分を前記第4偏光成分に変換する第2位相差素子をさらに備えていてもよい。
本発明の一つの態様の光源装置において、前記光源部は、発光素子と、前記発光素子から射出される光が入射され、前記第1偏光成分と前記第2偏光成分とを含む前記第1光を射出する第3位相差素子と、を有していてもよい。
本発明の一つの態様の光源装置において、前記第3位相差素子は、入射する光の進行方向に沿う回転軸を中心として回転可能とされていてもよい。
本発明の一つの態様の光源装置は、前記第1偏光分離素子に対して前記第3方向に配置され、前記第1偏光分離素子から射出された光を、前記第1波長帯を有する第3光と、前記第2波長帯を有する第4光と、に分離する第1色分離素子と、前記第2偏光分離素子に対して前記第3方向に配置され、前記第2偏光分離素子から射出された光を、前記第2波長帯とは異なる第3波長帯を有する第5光と、前記第2波長帯および前記第3波長帯とは異なる第4波長帯を有する第6光と、に分離する第2色分離素子と、をさらに備えていてもよい。
本発明の一つの態様のプロジェクターは、本発明の一つの態様の光源装置と、前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、を備える。
本発明の一つの態様のプロジェクターは、前記光源装置と前記光変調装置との間に設けられる均一化装置をさらに備えていてもよく、前記均一化装置は、前記光源装置から入射される光を複数の部分光束に分割する2つのマルチレンズと、前記2つのマルチレンズから入射される前記複数の部分光束を前記光変調装置に重畳させる重畳レンズと、を有していてもよい。
本発明の一つの態様のプロジェクターにおいて、前記光変調装置は、複数の画素を有する液晶パネルと、前記液晶パネルに対して光入射側に設けられ、前記複数の画素に対応する複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、を有し、前記複数の画素のそれぞれは、第1サブ画素、第2サブ画素、第3サブ画素、および第4サブ画素を有し、前記マイクロレンズは、前記第3光を前記第1サブ画素に入射させ、前記第4光を前記第2サブ画素に入射させ、前記第5光を前記第3サブ画素に入射させ、前記第6光を前記第4サブ画素に入射させてもよい。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図8を用いて説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクター1の概略構成図である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
以下、本発明の第1実施形態について、図1〜図8を用いて説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクター1の概略構成図である。
なお、以下の各図面においては各構成要素を見やすくするため、構成要素によって寸法の縮尺を異ならせて示すことがある。
本実施形態に係るプロジェクター1は、光源装置2から射出された光を変調して画像情報に応じた画像を形成し、形成された画像をスクリーン等の被投射面上に拡大して投射する。換言すると、プロジェクター1は、光源装置2から射出された光を1つの液晶パネル61を含む1つの光変調装置6により変調して画像を形成し、形成された画像を投射する。プロジェクター1は、いわゆる、単板方式のプロジェクターである。
図1に示すように、プロジェクター1は、光源装置2と、均一化装置4と、フィールドレンズ5と、光変調装置6と、投射光学装置7と、を備える。光源装置2、均一化装置4、フィールドレンズ5、光変調装置6、および投射光学装置7は、照明光軸Axに沿う所定の位置に配置されている。照明光軸Axは、光源装置2から射出される光Lの主光線の進行方向に沿う軸と定義する。
光源装置2および均一化装置4の構成については、後で詳しく説明する。
フィールドレンズ5は、均一化装置4と光変調装置6との間に配置されている。フィールドレンズ5は、均一化装置4から射出される光Lを平行化し、光変調装置6に導く。
フィールドレンズ5は、均一化装置4と光変調装置6との間に配置されている。フィールドレンズ5は、均一化装置4から射出される光Lを平行化し、光変調装置6に導く。
投射光学装置7は、光変調装置6によって変調された光、すなわち、画像を形成する光をスクリーンなどの被投射面(図示略)上に投射する。投射光学装置7は、単数または複数の投射レンズを有する。
以下の説明においては、照明光軸Axに沿って光源装置2から射出された光の進行方向に平行な軸をZ軸とし、光の進行方向を+Z方向とする。また、Z軸にそれぞれ直交し、かつ、互いに直交する2つの軸をX軸およびY軸とする。これらの軸に沿う方向のうち、プロジェクター1を設置した空間における鉛直方向上方を+Y方向とする。また、+Y方向が鉛直方向上方を向くように、+Z方向に沿って光が入射される対象物を見た場合の水平方向右方を+X方向とする。図示を省略するが、+X方向の反対方向を−X方向とし、+Y方向の反対方向を−Y方向とし、+Z方向の反対方向を−Z方向とする。
本実施形態の+X方向は特許請求の範囲の第1方向に対応し、本実施形態の−Z方向は特許請求の範囲の第2方向に対応する。また、本実施形態の+Z方向は特許請求の範囲の第3方向に対応し、本実施形態の−X方向は特許請求の範囲の第2方向に対応する。
本実施形態の+X方向は特許請求の範囲の第1方向に対応し、本実施形態の−Z方向は特許請求の範囲の第2方向に対応する。また、本実施形態の+Z方向は特許請求の範囲の第3方向に対応し、本実施形態の−X方向は特許請求の範囲の第2方向に対応する。
[光源装置の構成]
図2は、本実施形態の光源装置2の斜視図である。図3は、+Y方向から見た光源装置2の平面図である。
図2および図3に示すように、光源装置2は、光変調装置6を照明する光Lを、照明光軸Axに平行な方向、すなわち+Z方向に射出する。光源装置2が射出する光Lは、偏光方向が揃った直線偏光であり、空間的に分離された複数の色光を含む。本実施形態では、光源装置2が射出する光Lは、それぞれがS偏光からなる4本の光束で構成される。4本の光束は、青色光BLs、黄色光YLs、緑色光GLs、および赤色光RLsである。
図2は、本実施形態の光源装置2の斜視図である。図3は、+Y方向から見た光源装置2の平面図である。
図2および図3に示すように、光源装置2は、光変調装置6を照明する光Lを、照明光軸Axに平行な方向、すなわち+Z方向に射出する。光源装置2が射出する光Lは、偏光方向が揃った直線偏光であり、空間的に分離された複数の色光を含む。本実施形態では、光源装置2が射出する光Lは、それぞれがS偏光からなる4本の光束で構成される。4本の光束は、青色光BLs、黄色光YLs、緑色光GLs、および赤色光RLsである。
光源装置2は、光源部21と、第1偏光分離素子22と、第2偏光分離素子23と、第1位相差素子24と、第1集光素子25と、拡散装置26と、第2集光素子27と、波長変換素子28と、第1色分離素子29と、第4位相差素子30と、反射素子31と、第2位相差素子32と、第2色分離素子33と、を有する。
なお、本実施形態のP偏光成分は特許請求の範囲の第1偏光成分に相当し、S偏光成分は特許請求の範囲の第2偏光成分に相当する。また、後述するように、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23と、第1色分離素子29および第2色分離素子33とでは、偏光成分または色光を分離する膜の向きが異なっている。したがって、P偏光成分およびS偏光成分という表記は、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23に対する偏光方向で表しており、第1色分離素子29および第2色分離素子33に対する偏光方向では逆になる。すなわち、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23に対するP偏光成分は、第1色分離素子29および第2色分離素子33に対するS偏光成分であり、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23に対するS偏光成分は、第1色分離素子29および第2色分離素子33に対するP偏光成分である。ただし、説明を混乱させないため、以下では、P偏光成分およびS偏光成分を、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23に対する偏光方向として表記する。
[光源部の構成]
光源部21は、+X方向に沿って第1偏光分離素子22に入射される青色光BLsを射出する。光源部21は、複数の発光素子211と、複数のコリメーターレンズ212と、回転位相差装置213と、を有する。発光素子211は、青色光BLsを射出する固体光源で構成されている。具体的には、発光素子211は、S偏光の青色光BLsを射出する半導体レーザーで構成されている。青色光BLsは、例えば440〜480nmの青色波長帯を有し、例えば450〜460nmの範囲内にピーク波長を有するレーザー光である。すなわち、光源部21は、青色波長帯を有する青色光BLsを射出する。本実施形態の場合、複数の発光素子211は、Z軸に沿って配列されている。本実施形態の光源部21は2個の発光素子211を有しているが、発光素子211の数は限定されず、発光素子211の数は1個であってもよい。また、複数の発光素子211の配置も限定されない。また、発光素子211は、S偏光成分の青色光BLsを射出するように配置されているが、回転位相差装置213によってS偏光とP偏光の光量比が任意に設定できるため、P偏光成分の青色光を射出するように配置されていてもよい。すなわち、発光素子211は、射出光軸を中心として90°回転していてもよい。
本実施形態の青色波長帯を有する青色光BLsは、特許請求の範囲の第1波長帯を有する第1光に対応する。
光源部21は、+X方向に沿って第1偏光分離素子22に入射される青色光BLsを射出する。光源部21は、複数の発光素子211と、複数のコリメーターレンズ212と、回転位相差装置213と、を有する。発光素子211は、青色光BLsを射出する固体光源で構成されている。具体的には、発光素子211は、S偏光の青色光BLsを射出する半導体レーザーで構成されている。青色光BLsは、例えば440〜480nmの青色波長帯を有し、例えば450〜460nmの範囲内にピーク波長を有するレーザー光である。すなわち、光源部21は、青色波長帯を有する青色光BLsを射出する。本実施形態の場合、複数の発光素子211は、Z軸に沿って配列されている。本実施形態の光源部21は2個の発光素子211を有しているが、発光素子211の数は限定されず、発光素子211の数は1個であってもよい。また、複数の発光素子211の配置も限定されない。また、発光素子211は、S偏光成分の青色光BLsを射出するように配置されているが、回転位相差装置213によってS偏光とP偏光の光量比が任意に設定できるため、P偏光成分の青色光を射出するように配置されていてもよい。すなわち、発光素子211は、射出光軸を中心として90°回転していてもよい。
本実施形態の青色波長帯を有する青色光BLsは、特許請求の範囲の第1波長帯を有する第1光に対応する。
複数のコリメーターレンズ212は、複数の発光素子211と回転位相差装置213との間に設けられている。1つのコリメーターレンズ212は、1つの発光素子211に対応して設けられている。コリメーターレンズ212は、発光素子211から射出された光Lを平行化する。
回転位相差装置213は、第3位相差素子2131と、回転装置2132と、を有する。第3位相差素子2131は、第3位相差素子2131に入射する光の進行方向に沿う回転軸、すなわち、X軸と平行な回転軸を中心として回転可能とされている。回転装置2132は、モーター等から構成され、第3位相差素子2131を回転させる。
第3位相差素子2131は、1/2波長板または1/4波長板で構成されている。第3位相差素子2131に入射されたS偏光成分の青色光BLsの一部は、第3位相差素子2131によってP偏光成分の青色光BLpに変換される。このため、第3位相差素子2131を透過した青色光は、S偏光成分の青色光BLsと、P偏光成分の青色光BLpと、が所定の割合で混在した光となる。すなわち、第3位相差素子2131は、発光素子211から射出される青色光BLsが入射され、S偏光成分とP偏光成分とを含む青色光を射出する。
回転装置2132によって第3位相差素子2131の回転角が調整されることにより、第3位相差素子2131を透過した光に含まれるS偏光成分の青色光BLsの光量とP偏光成分の青色光BLpの光量との割合が調整される。なお、青色光BLsの光量と青色光BLpの光量との割合を調整する必要がない場合、第3位相差素子2131を回転させる回転装置2132は、設けられていなくてもよい。その場合には、青色光BLsの光量と青色光BLpの光量との割合が予め設定された光量の割合になるように、第3位相差素子2131の回転角が設定された後、第3位相差素子2131の回転位置が固定される。
このようにして、光源部21は、S偏光成分の青色光BLsとP偏光成分の青色光BLpとを含む光を射出する。なお、本実施形態では、複数の発光素子211の全てがS偏光成分の青色光BLsを射出する構成であるが、S偏光成分の青色光BLsを射出する発光素子211と、P偏光成分の青色光BLpを射出する発光素子211と、が混在していてもよい。この構成によれば、回転位相差装置213を省略することもできる。また、発光素子211は、半導体レーザーに代えて、LED(Light Emitting Diode)等の他の固体光源から構成されていてもよい。
[第1偏光分離素子の構成]
第1偏光分離素子22には、S偏光成分の青色光BLsとP偏光成分の青色光BLpとを含む光が、+X方向に沿って入射される。第1偏光分離素子22は、プリズム型の偏光分離素子で構成されている。第1偏光分離素子22は、第1偏光分離層221と、第1偏光分離層221を挟んで設けられる2つの第1基材222と、を有する。具体的には、2つの第1基材222の各々は、略直角二等辺三角柱状の形状を有する。2つの第1基材222は、傾斜面同士が対向するように組み合わされ、全体として略直方体状に形成されている。第1偏光分離層221は、2つの第1基材222の傾斜面の間に設けられている。したがって、第1偏光分離層221は、X軸およびZ軸に対して45°傾斜している。言い換えると、第1偏光分離層221は、XY平面およびYZ平面に対して45°傾斜している。
第1偏光分離素子22には、S偏光成分の青色光BLsとP偏光成分の青色光BLpとを含む光が、+X方向に沿って入射される。第1偏光分離素子22は、プリズム型の偏光分離素子で構成されている。第1偏光分離素子22は、第1偏光分離層221と、第1偏光分離層221を挟んで設けられる2つの第1基材222と、を有する。具体的には、2つの第1基材222の各々は、略直角二等辺三角柱状の形状を有する。2つの第1基材222は、傾斜面同士が対向するように組み合わされ、全体として略直方体状に形成されている。第1偏光分離層221は、2つの第1基材222の傾斜面の間に設けられている。したがって、第1偏光分離層221は、X軸およびZ軸に対して45°傾斜している。言い換えると、第1偏光分離層221は、XY平面およびYZ平面に対して45°傾斜している。
第1偏光分離層221は、入射される光のうち、P偏光成分を透過し、S偏光成分を反射する偏光分離特性を有する。さらに、第1偏光分離層221は、青色波長帯の光に対しては、P偏光を透過し、S偏光を反射するとともに、青色波長帯よりも長い波長帯を有する光に対しては、偏光状態に係わらず、光を反射する波長選択性の偏光分離特性を有する。このため、第1偏光分離素子22は、+X方向に沿って入射される青色光のうち、P偏光成分の青色光BLpを+X方向に沿って透過させ、S偏光成分の青色光BLsを−Z方向に反射する。第1偏光分離層221は、例えば誘電体多層膜から構成されている。
本実施形態の場合、第1基材222は、石英で構成されている。石英は、第1基材222の内部における光の光路長をtとすると、t=10mmあたりの青色波長帯の光に対する光線吸収率が略0.01%である。すなわち、石英は、光線吸収率が0.1%以下の材料である。石英は、天然水晶の粉末を溶融させて作製した溶融石英と、金属不純物をほとんど含まず、化学的に合成された合成石英と、に大きく分けられるが、本実施形態の場合、合成石英が用いられることが望ましい。
または、第1基材222は、光弾性定数が0.1nm/cm/105Pa以下の材料で構成されている。具体的な材料の一例として、光学ガラスの一種であるPBH56(製品名、株式会社オハラ社製)を用いることができる。PBH56は、屈折率ndが1.84139であり、光弾性定数が0.09nm/cm/105Paの低光弾性光学ガラス材料である。
[第2偏光分離素子の構成]
第2偏光分離素子23は、第1偏光分離素子22に対して+X方向に配置されている。第2偏光分離素子23には、第1偏光分離素子22を透過したP偏光成分の青色光BLpが入射される。第2偏光分離素子23は、第1偏光分離素子22と同様、プリズム型の偏光分離素子で構成されている。第2偏光分離素子23は、第2偏光分離層231と、第2偏光分離層231を挟んで設けられる2つの第2基材232と、を有する。
第2偏光分離素子23は、第1偏光分離素子22に対して+X方向に配置されている。第2偏光分離素子23には、第1偏光分離素子22を透過したP偏光成分の青色光BLpが入射される。第2偏光分離素子23は、第1偏光分離素子22と同様、プリズム型の偏光分離素子で構成されている。第2偏光分離素子23は、第2偏光分離層231と、第2偏光分離層231を挟んで設けられる2つの第2基材232と、を有する。
具体的には、2つの第2基材232の各々は、略直角二等辺三角柱状の形状を有する。2つの第2基材232は、傾斜面同士が対向するように組み合わされ、全体として略直方体状に形成されている。第2偏光分離層231は、2つの第2基材232の傾斜面の間に設けられている。第2偏光分離層231は、X軸およびZ軸に対して45°傾斜している。言い換えると、第2偏光分離層231は、XY平面およびYZ平面に対して45°傾斜している。また、第2偏光分離層231と第1偏光分離層221とは、平行に配置されている。
第2偏光分離層231は、青色光を反射するとともに、青色波長帯よりも長い波長帯を有する光に対しては、S偏光を反射し、P偏光を透過する波長選択性の偏光分離特性を有する。このため、第2偏光分離素子23は、第1偏光分離素子22から入射されるP偏光成分の青色光BLpを−Z方向に反射する。第2偏光分離層231は、例えば誘電体多層膜から構成されている。
本実施形態の場合、第2基材232は、第1基材222と同様、t=10mmあたりの青色波長帯の光に対する光線吸収率が0.1%以下の材料である石英で構成されている。また、石英としては、合成石英が用いられることが望ましい。もしくは、第2基材232は、上述したPBH56のように、光弾性定数が0.1nm/cm/105Pa以下の低光弾性光学ガラス材料で構成されている。
本実施形態の場合、第1偏光分離素子22と第2偏光分離素子23とは、別個の部材として構成されている。そのため、図示を省略するが、第1偏光分離素子22と第2偏光分離素子23とは、互いに対向する面の間に設けられた接合材を介して接合されている。なお、第1偏光分離素子22と第2偏光分離素子23とは、一体化されていてもよい。すなわち、第2偏光分離素子23に隣り合う第1基材222と第1偏光分離素子22に隣り合う第2基材232とは、同一の材料からなる共通の部材であってもよい。
また、本実施形態の場合、第1基材222および第2基材232の双方が石英で構成されているが、この構成に代えて、第1基材222および第2基材232のいずれか一方は、t=10mmあたりの青色波長帯の光に対する光線吸収率が0.1%以下の材料である石英で構成されていてもよい。または、第1基材222および第2基材232のいずれか一方は、光弾性定数が0.1nm/cm/105Pa以下の材料で構成されていてもよい。
[第1位相差素子の構成]
第1位相差素子24は、第1偏光分離素子22に対して−Z方向に配置されている。すなわち、第1位相差素子24は、Z軸上において第1偏光分離素子22と拡散装置26との間に配置されている。第1位相差素子24は、入射される青色光BLsおよび青色光BLpの波長に対する1/4波長板で構成されている。第1偏光分離素子22で反射されたS偏光成分の青色光BLsは、第1位相差素子24によって例えば右回りの円偏光の青色光BLc1に変換された後、第1集光素子25に向けて射出される。すなわち、第1位相差素子24は、入射される青色光BLsの偏光状態を変換する。
第1位相差素子24は、第1偏光分離素子22に対して−Z方向に配置されている。すなわち、第1位相差素子24は、Z軸上において第1偏光分離素子22と拡散装置26との間に配置されている。第1位相差素子24は、入射される青色光BLsおよび青色光BLpの波長に対する1/4波長板で構成されている。第1偏光分離素子22で反射されたS偏光成分の青色光BLsは、第1位相差素子24によって例えば右回りの円偏光の青色光BLc1に変換された後、第1集光素子25に向けて射出される。すなわち、第1位相差素子24は、入射される青色光BLsの偏光状態を変換する。
[第1集光素子の構成]
第1集光素子25は、第1位相差素子24に対して−Z方向に配置されている。すなわち、第1集光素子25は、Z軸上において第1位相差素子24と拡散装置26との間に配置されている。第1集光素子25は、第1位相差素子24から入射される青色光BLc1を拡散装置26の拡散板261上に集束させる。また、第1集光素子25は、拡散装置26から入射される、後述する青色光BLc2を平行化する。なお、図2の例では、第1集光素子25は、第1レンズ251と第2レンズ252とから構成されているが、第1集光素子25を構成するレンズの数は限定されない。
第1集光素子25は、第1位相差素子24に対して−Z方向に配置されている。すなわち、第1集光素子25は、Z軸上において第1位相差素子24と拡散装置26との間に配置されている。第1集光素子25は、第1位相差素子24から入射される青色光BLc1を拡散装置26の拡散板261上に集束させる。また、第1集光素子25は、拡散装置26から入射される、後述する青色光BLc2を平行化する。なお、図2の例では、第1集光素子25は、第1レンズ251と第2レンズ252とから構成されているが、第1集光素子25を構成するレンズの数は限定されない。
[拡散装置の構成]
拡散装置26は、第1集光素子25に対して−Z方向に配置されている。すなわち、拡散装置26は、第1偏光分離素子22に対して−Z方向に配置されている。拡散装置26は、第1集光素子25から−Z方向に入射される青色光BLc1を、後述する波長変換素子28から射出される黄色光YLと同等の拡散角となるように拡散させつつ+Z方向に反射する。拡散装置26は、拡散板261と、回転装置262と、を備える。拡散板261は、できる限りランバート散乱に近い反射特性を持つことが好ましく、入射された青色光BLc1を広角に反射する。回転装置262は、モーター等から構成され、拡散板261を+Z方向と平行な回転軸Rxを中心として回転させる。
本実施形態の拡散板261は、特許請求の範囲の拡散素子に対応する。
拡散装置26は、第1集光素子25に対して−Z方向に配置されている。すなわち、拡散装置26は、第1偏光分離素子22に対して−Z方向に配置されている。拡散装置26は、第1集光素子25から−Z方向に入射される青色光BLc1を、後述する波長変換素子28から射出される黄色光YLと同等の拡散角となるように拡散させつつ+Z方向に反射する。拡散装置26は、拡散板261と、回転装置262と、を備える。拡散板261は、できる限りランバート散乱に近い反射特性を持つことが好ましく、入射された青色光BLc1を広角に反射する。回転装置262は、モーター等から構成され、拡散板261を+Z方向と平行な回転軸Rxを中心として回転させる。
本実施形態の拡散板261は、特許請求の範囲の拡散素子に対応する。
拡散板261に入射された青色光BLc1は、拡散板261で反射されることにより、回転方向が反対方向の円偏光である青色光BLc2に変換される。すなわち、右回りの円偏光の青色光BLc1は、拡散板261によって左回りの円偏光の青色光BLc2に変換される。拡散装置26から射出された青色光BLc2は、第1集光素子25を+Z方向に通過した後、第1位相差素子24に再び入射する。このとき、第1集光素子25から第1位相差素子24に入射される青色光BLc2は、第1位相差素子24によって、P偏光成分の青色光BLpに変換される。変換された青色光BLpは、第1偏光分離素子22を+Z方向に透過して、第1色分離素子29に入射する。
[第2集光素子の構成]
第2集光素子27は、第2偏光分離素子23に対して−Z方向に配置されている。すなわち、第2集光素子27は、Z軸上において第2偏光分離素子23と波長変換素子28との間に配置されている。第2集光素子27は、第2偏光分離素子23で反射された青色光BLpを波長変換素子28上に集束させる。また、第2集光素子27は、波長変換素子28から射出される、後述する黄色光YLを平行化し、第2偏光分離素子23に向けて射出する。なお、図2の例では、第2集光素子27は、第1レンズ271と第2レンズ272とから構成されているが、第2集光素子27を構成するレンズの数は限定されない。
第2集光素子27は、第2偏光分離素子23に対して−Z方向に配置されている。すなわち、第2集光素子27は、Z軸上において第2偏光分離素子23と波長変換素子28との間に配置されている。第2集光素子27は、第2偏光分離素子23で反射された青色光BLpを波長変換素子28上に集束させる。また、第2集光素子27は、波長変換素子28から射出される、後述する黄色光YLを平行化し、第2偏光分離素子23に向けて射出する。なお、図2の例では、第2集光素子27は、第1レンズ271と第2レンズ272とから構成されているが、第2集光素子27を構成するレンズの数は限定されない。
[波長変換素子の構成]
波長変換素子28は、第2集光素子27に対して−Z方向に配置されている。すなわち、波長変換素子28は、第2偏光分離素子23に対して−Z方向に配置されている。波長変換素子28は、光が入射されることによって励起され、入射された光の波長とは異なる波長を有する光を、光の入射方向とは反対方向に射出する反射型の波長変換素子である。換言すると、波長変換素子28は、入射された光を波長変換し、波長変換された光を光の入射方向とは反対方向に射出する。
波長変換素子28は、第2集光素子27に対して−Z方向に配置されている。すなわち、波長変換素子28は、第2偏光分離素子23に対して−Z方向に配置されている。波長変換素子28は、光が入射されることによって励起され、入射された光の波長とは異なる波長を有する光を、光の入射方向とは反対方向に射出する反射型の波長変換素子である。換言すると、波長変換素子28は、入射された光を波長変換し、波長変換された光を光の入射方向とは反対方向に射出する。
本実施形態では、波長変換素子28は、青色光によって励起されて黄色光を射出する黄色蛍光体を含有している。具体的には、波長変換素子28は、例えば賦活剤としてセリウム(Ce)を含有するイットリウム・アルミニウム・ガーネット(YAG)系蛍光体を含んでいる。波長変換素子28は、−Z方向に沿って入射される青色光BLpの青色波長帯よりも長い黄色波長帯を有する蛍光、すなわち、非偏光の黄色光YLを+Z方向に射出する。黄色光YLは、例えば500〜700nmの波長帯を有する。黄色光YLは、緑色光成分と赤色光成分とを含み、各色光成分においてS偏光成分とP偏光成分とが混在した光である。
本実施形態の黄色波長帯を有する蛍光、すなわち、非偏光の黄色光YLは、特許請求の範囲の第2波長帯を有する第2光に対応する。
本実施形態の黄色波長帯を有する蛍光、すなわち、非偏光の黄色光YLは、特許請求の範囲の第2波長帯を有する第2光に対応する。
波長変換素子28から射出された黄色光YLは、+Z方向に沿って第2集光素子27を透過して平行化された後、第2偏光分離素子23に入射する。本実施形態の波長変換素子28は固定型の波長変換素子であるが、この構成に代えて、Z軸に平行な回転軸を中心として波長変換素子28を回転させる回転装置を備える回転型の波長変換素子が用いられてもよい。この場合、波長変換素子28の温度上昇が抑えられ、波長変換効率を高めることができる。
上述したように、第2偏光分離素子23の第2偏光分離層231は、黄色波長帯の光に対して、波長選択性の偏光分離特性を有する。このため、第2偏光分離層231に入射された非偏光の黄色光YLのうち、S偏光成分の黄色光YLsは、第2偏光分離層231によって−X方向に反射されて、第1偏光分離素子22に入射される。また、上述したように、第1偏光分離素子22の第1偏光分離層221は、偏光状態に係わらず、黄色光YLsを反射する特性を有する。このため、第1偏光分離層221に−X方向に沿って入射された黄色光YLsは、第1偏光分離素子22によって+Z方向に反射され、第1色分離素子29に入射される。
一方、第2偏光分離層231に入射された非偏光の黄色光YLのうち、P偏光成分の黄色光YLpは、第2偏光分離層231を+Z方向に透過して第2偏光分離素子23から射出され、第2位相差素子32に入射する。
本実施形態のP偏光成分の黄色光YLpは、特許請求の範囲の第3偏光成分に対応し、S偏光成分の黄色光YLsは、特許請求の範囲の第4偏光成分に対応する。
本実施形態のP偏光成分の黄色光YLpは、特許請求の範囲の第3偏光成分に対応し、S偏光成分の黄色光YLsは、特許請求の範囲の第4偏光成分に対応する。
[第1色分離素子の構成]
図4は、−X方向から見た光源装置2の側面図である。すなわち、図4は、第1色分離素子29、第4位相差素子30および反射素子31等を−X方向から見た状態を示している。図4においては、図面を見やすくするため、回転位相差装置213、第1位相差素子24、第1集光素子25、および拡散装置26等の図示を省略している。
図4は、−X方向から見た光源装置2の側面図である。すなわち、図4は、第1色分離素子29、第4位相差素子30および反射素子31等を−X方向から見た状態を示している。図4においては、図面を見やすくするため、回転位相差装置213、第1位相差素子24、第1集光素子25、および拡散装置26等の図示を省略している。
図4に示すように、第1色分離素子29は、第1偏光分離素子22に対して+Z方向に配置されている。第1色分離素子29は、ダイクロイックプリズム291と、反射プリズム292と、を有する。ダイクロイックプリズム291と反射プリズム292とは、Y軸に沿って並んで配置されている。第1色分離素子29は、第1偏光分離素子22から+Z方向に射出された光を、青色光BLpと黄色光YLsとに分離する。
ダイクロイックプリズム291には、第1偏光分離素子22から射出された青色光BLpと黄色光YLsとを含む光が入射される。ダイクロイックプリズム291は、略直角二等辺三角柱状の2つの基材を組み合わせて略直方体形状に形成されたプリズム型の色分離素子から構成されている。2つの基材の界面には、色分離層2911が設けられている。色分離層2911は、Y軸およびZ軸に対して45°傾斜している。換言すると、色分離層2911は、XY平面およびYZ平面に対して45°傾斜している。
色分離層2911は、入射される光のうち、青色光を透過させ、青色波長帯よりも大きい波長帯を有する色光、すなわち、黄色光を反射するダイクロイックミラーとして機能する。このため、第1偏光分離素子22からダイクロイックプリズム291に入射した光のうち、青色光BLpは、色分離層2911を+Z方向に透過して、ダイクロイックプリズム291の外部に射出される。
一方、第1偏光分離素子22からダイクロイックプリズム291に入射した光のうち、黄色光YLsは、色分離層2911によって−Y方向に反射される。なお、ダイクロイックプリズム291に代えて、色分離層2911を有するダイクロイックミラーを採用してもよい。また、第1色分離素子29は、偏光分離層を有する偏光分離素子と、反射プリズム292とを有する構成であってもよい。ダイクロイックプリズム291に代えて、例えば入射された青色光BLpを+Z方向に透過させ、黄色光YLsを反射プリズム292に向けて−Y方向に反射させる偏光分離素子を第1色分離素子29に採用したとしても、ダイクロイックプリズム291を有する第1色分離素子29と同様に、青色光BLpと黄色光YLsとを分離することができる。
反射プリズム292は、ダイクロイックプリズム291に対して−Y方向に配置されている。反射プリズム292には、色分離層2911で反射された黄色光YLsが入射される。反射プリズム292は、略直角二等辺三角柱状の2つの基材を組み合わせて略直方体形状に形成されたプリズム型の反射素子である。2つの基材の界面には、反射層2921が設けられている。反射層2921は、+Y方向および+Z方向に対して45°傾斜している。換言すると、反射層2921は、XY平面およびYZ平面に対して45°傾斜している。すなわち、反射層2921と色分離層2911とは、平行に配置されている。
反射層2921は、ダイクロイックプリズム291から−Y方向に入射される黄色光YLsを+Z方向に反射する。反射層2921によって反射された黄色光YLsは、反射プリズム292から+Z方向に射出される。なお、反射プリズム292に代えて、反射層2921を有する反射ミラーを採用してもよい。
[第4位相差素子の構成]
第4位相差素子30は、ダイクロイックプリズム291に対する+Z方向に配置されている。換言すると、第4位相差素子30は、ダイクロイックプリズム291から射出される青色光BLpの光路上に配置されている。第4位相差素子30は、入射される青色光BLpが有する青色波長帯に対する1/2波長板で構成されている。第4位相差素子30は、ダイクロイックプリズム291から入射される青色光BLpを、S偏光成分の青色光BLsに変換する。第4位相差素子30によってS偏光成分に変換された青色光BLsは、光源装置2から+Z方向に射出されて、図1に示す均一化装置4に入射する。なお、第4位相差素子30は、ダイクロイックプリズム291の青色光BLpが射出される面に接して設けられていてもよい。
第4位相差素子30は、ダイクロイックプリズム291に対する+Z方向に配置されている。換言すると、第4位相差素子30は、ダイクロイックプリズム291から射出される青色光BLpの光路上に配置されている。第4位相差素子30は、入射される青色光BLpが有する青色波長帯に対する1/2波長板で構成されている。第4位相差素子30は、ダイクロイックプリズム291から入射される青色光BLpを、S偏光成分の青色光BLsに変換する。第4位相差素子30によってS偏光成分に変換された青色光BLsは、光源装置2から+Z方向に射出されて、図1に示す均一化装置4に入射する。なお、第4位相差素子30は、ダイクロイックプリズム291の青色光BLpが射出される面に接して設けられていてもよい。
[反射素子の構成]
反射素子31は、反射プリズム292に対して+Z方向に配置されている。換言すると、反射素子31は、反射プリズム292から射出される黄色光YLsの光路上に配置されている。反射素子31は、入射される光のうち、一部の光を透過させ、他の光を反射するハーフミラーから構成されている。ただし、ハーフミラーの透過率および反射率は、光源装置2から射出される光Lのホワイトバランスに応じて任意に設定されていればよく、例えば透過率が80%となり、反射率が20%となるように設定されている。
反射素子31は、反射プリズム292に対して+Z方向に配置されている。換言すると、反射素子31は、反射プリズム292から射出される黄色光YLsの光路上に配置されている。反射素子31は、入射される光のうち、一部の光を透過させ、他の光を反射するハーフミラーから構成されている。ただし、ハーフミラーの透過率および反射率は、光源装置2から射出される光Lのホワイトバランスに応じて任意に設定されていればよく、例えば透過率が80%となり、反射率が20%となるように設定されている。
このため、反射素子31に入射した黄色光YLsのうち、一部の黄色光YLsは、反射素子31を透過して、光源装置2から+Z方向に射出され、均一化装置4に入射する。すなわち、黄色光YLsは、青色光BLsとは空間的に分離され、光源装置2における青色光BLsの射出位置とは異なる射出位置から射出され、均一化装置4に入射する。詳述すると、黄色光YLsは、光源装置2における青色光BLsの射出位置から−Y方向に離れた射出位置から射出され、均一化装置4に入射する。
一方、反射素子31に入射した黄色光YLsのうち、他の一部の黄色光YLsは、反射素子31によって反射され、反射プリズム292に再び入射する。反射プリズム292に入射した他の一部の黄色光YLsは、反射層2921で+Y方向に反射され、ダイクロイックプリズム291、第1偏光分離素子22、第2偏光分離素子23、および第2集光素子27を経て、波長変換素子28に入射する。
波長変換素子28に含有される黄色蛍光体は、外部から入射した黄色光をほとんど吸収しない。このため、波長変換素子28に入射された黄色光YLsは、波長変換素子28の内部で吸収されることなく、繰り返し反射、もしくは散乱されることによって非偏光の黄色光YLとなる。非偏光の黄色光YLは、黄色蛍光体において新たに生じた黄色光YLとともに波長変換素子28の外部に再度射出される。波長変換素子28から射出された黄色光YLは、上述したように、第2集光素子27を介して第2偏光分離素子23に入射する。上述したように、反射素子31を透過する黄色光YLsの光量と、反射素子31で反射される黄色光YLsの光量と、の割合は予め設定することができる。また、反射素子31は、反射プリズム292の黄色光YLsが射出される面に接して設けられていてもよい。
[第2位相差素子の構成]
図5は、+X方向から見た光源装置2の側面図である。換言すると、図5は、+X方向から見た第2位相差素子32および第2色分離素子33を示している。なお、図5においては、第2集光素子27および波長変換素子28の図示を省略する。
図5は、+X方向から見た光源装置2の側面図である。換言すると、図5は、+X方向から見た第2位相差素子32および第2色分離素子33を示している。なお、図5においては、第2集光素子27および波長変換素子28の図示を省略する。
図3および図5に示すように、第2位相差素子32は、第2偏光分離素子23に対して+Z方向に配置されている。第2位相差素子32には、第2偏光分離素子23を透過した黄色光YLpが入射する。第2位相差素子32は、黄色光YLpの黄色波長帯に対する1/2波長板で構成されている。第2位相差素子32は、P偏光成分の黄色光YLpをS偏光成分の黄色光YLsに変換する。S偏光成分に変換された黄色光YLsは、第2色分離素子33に入射する。
[第2色分離素子の構成]
図5に示すように、第2色分離素子33は、第2位相差素子32に対して+Z方向に配置されている。すなわち、第2色分離素子33は、第2偏光分離素子23に対して+Z方向に配置されている。第2色分離素子33は、ダイクロイックプリズム331と、反射プリズム332と、を有する。ダイクロイックプリズム331と反射プリズム332とは、Y軸に沿って並んで配置されている。第2色分離素子33は、第2偏光分離素子23から+Z方向に射出され、第2位相差素子32によってS偏光成分に変換された黄色光YLsを緑色光GLsと赤色光RLsとに分離する。
図5に示すように、第2色分離素子33は、第2位相差素子32に対して+Z方向に配置されている。すなわち、第2色分離素子33は、第2偏光分離素子23に対して+Z方向に配置されている。第2色分離素子33は、ダイクロイックプリズム331と、反射プリズム332と、を有する。ダイクロイックプリズム331と反射プリズム332とは、Y軸に沿って並んで配置されている。第2色分離素子33は、第2偏光分離素子23から+Z方向に射出され、第2位相差素子32によってS偏光成分に変換された黄色光YLsを緑色光GLsと赤色光RLsとに分離する。
ダイクロイックプリズム331は、ダイクロイックプリズム291と同様、プリズム型の色分離素子で構成されている。2つの基材の界面には、色分離層3311が設けられている。色分離層3311は、+Y方向および+Z方向に対して45°傾斜している。換言すると、色分離層3311は、XY平面およびYZ平面に対して45°傾斜している。色分離層3311と反射層3321とは、平行に配置されている。
色分離層3311は、入射される光のうち、緑色光成分を+Z方向に透過させ、赤色光成分を−Y方向に反射するダイクロイックミラーとして機能する。このため、ダイクロイックプリズム331に入射した黄色光YLsのうち、S偏光の緑色光GLsは、色分離層3311を+Z方向に透過して、ダイクロイックプリズム331の外部に射出される。S偏光の緑色光GLsは、光源装置2から+Z方向に射出され、均一化装置4に入射される。すなわち、緑色光GLsは、青色光BLsおよび黄色光YLsとは空間的に分離され、青色光BLsおよび黄色光YLsとは異なる位置から射出され、均一化装置4に入射される。換言すると、緑色光GLsは、光源装置2における青色光BLsの射出位置から+X方向に離れた射出位置から射出され、均一化装置4に入射される。
一方、ダイクロイックプリズム331に入射した黄色光YLsのうち、S偏光成分の赤色光RLsは、色分離層3311で−Y方向に反射される。なお、ダイクロイックプリズム331に代えて、色分離層3311を有するダイクロイックミラーが用いられてもよい。
反射プリズム332は、反射プリズム292と同様の構成を有する。すなわち、反射プリズム332は、色分離層2911、色分離層3311、および反射層2921と平行な反射層3321を有する。
反射層3321は、色分離層3311で反射されて入射する赤色光RLsを+Z方向に反射する。反射層3321で反射された赤色光RLsは、反射プリズム332の外部に射出される。赤色光RLsは、光源装置2から+Z方向に射出され、均一化装置4に入射される。すなわち、赤色光RLsは、青色光BLs、黄色光YLs、および緑色光GLsとは空間的に分離され、青色光BLs、黄色光YLs、および緑色光GLsとは異なる位置から射出され、均一化装置4に入射される。換言すると、赤色光RLsは、光源装置2における緑色光GLsの射出位置から−Y方向に離れ、黄色光YLsの射出位置から+X方向に離れた射出位置から射出され、均一化装置4に入射される。
[均一化装置の構成]
図1に示すように、均一化装置4は、光源装置2から射出された光が照射される光変調装置6の画像形成領域における照度を均一化する。均一化装置4は、第1マルチレンズ41と、第2マルチレンズ42と、重畳レンズ43と、を有する。
図1に示すように、均一化装置4は、光源装置2から射出された光が照射される光変調装置6の画像形成領域における照度を均一化する。均一化装置4は、第1マルチレンズ41と、第2マルチレンズ42と、重畳レンズ43と、を有する。
第1マルチレンズ41は、光源装置2から入射される光Lの中心軸、すなわち、照明光軸Axに直交する面内にマトリクス状に配列された複数のレンズ411を有する。第1マルチレンズ41は、複数のレンズ411によって光源装置2から入射される光を複数の部分光束に分割する。
図6は、−Z方向から見た第1マルチレンズ41における各色光の入射位置を示す模式図である。
図6に示すように、光源装置2から射出された青色光BLs、黄色光YLs、緑色光GLs、および赤色光RLsは、第1マルチレンズ41に入射される。光源装置2における−X方向で+Y方向の位置から射出された青色光BLsは、第1マルチレンズ41における−X方向で+Y方向の領域A1に含まれる複数のレンズ411に入射される。また、光源装置2における−X方向で−Y方向の位置から射出された黄色光YLsは、第1マルチレンズ41における−X方向で−Y方向の領域A2に含まれる複数のレンズ411に入射される。
図6に示すように、光源装置2から射出された青色光BLs、黄色光YLs、緑色光GLs、および赤色光RLsは、第1マルチレンズ41に入射される。光源装置2における−X方向で+Y方向の位置から射出された青色光BLsは、第1マルチレンズ41における−X方向で+Y方向の領域A1に含まれる複数のレンズ411に入射される。また、光源装置2における−X方向で−Y方向の位置から射出された黄色光YLsは、第1マルチレンズ41における−X方向で−Y方向の領域A2に含まれる複数のレンズ411に入射される。
光源装置2における+X方向で+Y方向の位置から射出された緑色光GLsは、第1マルチレンズ41における+X方向で+Y方向の領域A3に含まれる複数のレンズ411に入射される。光源装置2における+X方向で−Y方向の位置から射出された赤色光RLsは、第1マルチレンズ41における+X方向で−Y方向の領域A4に含まれる複数のレンズ411に入射される。各レンズ411に入射された各色光は、複数の部分光束となって、第2マルチレンズ42においてレンズ411に対応するレンズ421に入射する。
本実施形態の光源装置2から射出された光Lのうち、青色光BLsは特許請求の範囲の第3光に対応し、黄色光YLsは特許請求の範囲の第4光に対応し、緑色光GLsは特許請求の範囲の第5光に対応し、赤色光RLsは特許請求の範囲の第6光に対応する。
本実施形態の光源装置2から射出された光Lのうち、青色光BLsは特許請求の範囲の第3光に対応し、黄色光YLsは特許請求の範囲の第4光に対応し、緑色光GLsは特許請求の範囲の第5光に対応し、赤色光RLsは特許請求の範囲の第6光に対応する。
図1に示すように、第2マルチレンズ42は、照明光軸Axに直交する面内にマトリクス状に配列されるとともに、第1マルチレンズ41の複数のレンズ411に対応した複数のレンズ421を有する。各レンズ421には、当該レンズ421に対応するレンズ411から射出された複数の部分光束が入射される。各レンズ421は、入射された部分光束を重畳レンズ43に入射させる。
重畳レンズ43は、第2マルチレンズ42から入射される複数の部分光束を光変調装置6の画像形成領域において重畳する。詳述すると、それぞれが複数の部分光束に分割された青色光BLs、黄色光YLs、緑色光GLs、および赤色光RLsは、第2マルチレンズ42と重畳レンズ43とによって、フィールドレンズ5を介して、光変調装置6の後述するマイクロレンズアレイ62を構成する複数のマイクロレンズ621のそれぞれに異なる角度で入射する。
[光変調装置の構成]
図1に示すように、光変調装置6は、光源装置2から射出された光を変調する。詳述すると、光変調装置6は、光源装置2から射出されて均一化装置4およびフィールドレンズ5を介して入射される各色光を画像情報に応じてそれぞれ変調し、当該画像情報に応じた画像光を形成する。光変調装置6は、1つの液晶パネル61と、1つのマイクロレンズアレイ62と、を備える。
図1に示すように、光変調装置6は、光源装置2から射出された光を変調する。詳述すると、光変調装置6は、光源装置2から射出されて均一化装置4およびフィールドレンズ5を介して入射される各色光を画像情報に応じてそれぞれ変調し、当該画像情報に応じた画像光を形成する。光変調装置6は、1つの液晶パネル61と、1つのマイクロレンズアレイ62と、を備える。
[液晶パネルの構成]
図7は、−Z方向から見た光変調装置6の一部を拡大視した模式図である。換言すると、図7は、液晶パネル61が有する画素PXと、マイクロレンズアレイ62が有するマイクロレンズ621と、の対応関係を示している。
図7に示すように、液晶パネル61は、照明光軸Axに直交する面内にマトリクス状に配列された複数の画素PXを有する。
図7は、−Z方向から見た光変調装置6の一部を拡大視した模式図である。換言すると、図7は、液晶パネル61が有する画素PXと、マイクロレンズアレイ62が有するマイクロレンズ621と、の対応関係を示している。
図7に示すように、液晶パネル61は、照明光軸Axに直交する面内にマトリクス状に配列された複数の画素PXを有する。
各画素PXは、互いに異なる色の色光を変調する複数のサブ画素SXを有する。本実施形態では、各画素PXは、4つのサブ画素SX(SX1〜SX4)を有する。具体的に、1つの画素PX内において、−X方向で+Y方向の位置に、第1サブ画素SX1が配置されている。−X方向で−Y方向の位置に、第2サブ画素SX2が配置されている。+X方向で+Y方向の位置に、第3サブ画素SX3が配置されている。+X方向で−Y方向の位置に、第4サブ画素SX4が配置されている。
[マイクロレンズアレイの構成]
図1に示すように、マイクロレンズアレイ62は、液晶パネル61に対して光入射側である−Z方向に設けられている。マイクロレンズアレイ62は、マイクロレンズアレイ62に入射される色光を個々の画素PXに導く。マイクロレンズアレイ62は、複数の画素PXに対応する複数のマイクロレンズ621を有する。
図1に示すように、マイクロレンズアレイ62は、液晶パネル61に対して光入射側である−Z方向に設けられている。マイクロレンズアレイ62は、マイクロレンズアレイ62に入射される色光を個々の画素PXに導く。マイクロレンズアレイ62は、複数の画素PXに対応する複数のマイクロレンズ621を有する。
複数のマイクロレンズ621は、照明光軸Axに直交する面内にマトリクス状に配列されている。換言すると、複数のマイクロレンズ621は、フィールドレンズ5から入射される光の中心軸に対する直交面内にマトリクス状に配列されている。本実施形態では、1つのマイクロレンズ621は、+X方向に配列された2つのサブ画素と、+Y方向に配列された2つのサブ画素と、に対応して設けられている。すなわち、1つのマイクロレンズ621は、XY平面内に2行2列に配列された4つのサブ画素SX1〜SX4に対応して設けられている。
マイクロレンズ621には、均一化装置4によって重畳された青色光BLs、黄色光YLs、緑色光GLs、および赤色光RLsがそれぞれ異なる角度で入射される。マイクロレンズ621は、マイクロレンズ621に入射される色光を、当該色光に対応するサブ画素SXに入射させる。具体的には、マイクロレンズ621は、対応する画素PXのサブ画素SXのうち、第1サブ画素SX1に青色光BLsを入射させ、第2サブ画素SX2に黄色光YLsを入射させ、第3サブ画素SX3に緑色光GLsを入射させ、第4サブ画素SX4に赤色光RLsを入射させる。これにより、各サブ画素SX1〜SX4に、当該サブ画素SX1〜SX4に対応する色光が入射され、各サブ画素SX1〜SX4によって対応する色光がそれぞれ変調される。このように、液晶パネル61によって変調された画像光は、投射光学装置7によって図示しない被投射面上に投射される。
[第1実施形態の効果]
特許文献1に記載された従来のプロジェクターにおいては、光源としてランプが用いられている。ランプから射出される光は偏光方向が揃っていないため、光変調装置として液晶パネルを用いるためには、偏光方向を揃えるための偏光変換手段が必要となる。プロジェクターには、マルチレンズアレイと偏光分離素子(PBS)アレイとを備える偏光変換手段が一般的に用いられている。ところが、プロジェクターを小型化するために、ピッチが狭いマルチレンズアレイとPBSアレイとが必要となるが、ピッチが狭いPBSアレイの作成は非常に困難である。
特許文献1に記載された従来のプロジェクターにおいては、光源としてランプが用いられている。ランプから射出される光は偏光方向が揃っていないため、光変調装置として液晶パネルを用いるためには、偏光方向を揃えるための偏光変換手段が必要となる。プロジェクターには、マルチレンズアレイと偏光分離素子(PBS)アレイとを備える偏光変換手段が一般的に用いられている。ところが、プロジェクターを小型化するために、ピッチが狭いマルチレンズアレイとPBSアレイとが必要となるが、ピッチが狭いPBSアレイの作成は非常に困難である。
この問題に対して、本実施形態においては、偏光方向が揃った4色の色光、すなわち、S偏光成分の青色光BLs、S偏光成分の黄色光YLs、S偏光成分の緑色光GLs、およびS偏光成分の赤色光RLsが光源装置2から射出される。この構成によれば、上記のようなピッチが狭い偏光変換素子を用いることなく、空間的に分離され、偏光方向が揃えられた複数の色光を射出可能な光源装置2を実現することができる。これにより、光源装置2の小型化が可能となり、ひいては、プロジェクター1の小型化を図ることができる。
さらに、本実施形態のプロジェクター1においては、青色光BLs、緑色光GLs、および赤色光RLsに加えて、黄色光YLsが光変調装置6に入射されるため、投射光学装置7から投射される画像の輝度を高めることができる。
また、本実施形態の場合、光源部21が第3位相差素子2131を備えているため、P偏光成分の青色光BLpとS偏光成分の青色光BLsとを第1偏光分離素子22に確実に入射させることができる。さらに、この構成によれば、複数の発光素子211から射出される光の偏光方向が同じでよいため、同一の固体光源を同一の向きに配置すればよく、光源部21の構成を簡単にすることができる。
また、本実施形態の場合、第3位相差素子2131が+X方向に沿う回転軸を中心として回転可能とされているため、第3位相差素子2131の回転角を調整することによって、第1偏光分離素子22に入射される青色光BLsの光量と青色光BLpの光量との割合を調整することができる。これにより、光源装置2から射出される青色光BLsの光量と、黄色光YLs、緑色光GLsおよび赤色光RLsの光量との割合を調整できるため、光源装置2のホワイトバランスを調整することができる。
また、本実施形態の場合、第1偏光分離素子22と第1集光素子25との間に第1位相差素子24が設けられているため、拡散装置26から射出された円偏光の青色光BLc2をP偏光成分の青色光BLpに変換し、第1偏光分離素子22の第1偏光分離層221を透過させることができる。これにより、拡散装置26から射出された青色光BLc2の利用効率を高めることができる。
また、本実施形態の場合、第2偏光分離素子23と第2色分離素子33との間に第2位相差素子32が設けられているため、第2偏光分離素子23から射出されるP偏光成分の黄色光YLpをS偏光成分の黄色光YLsに変換することができる。これにより、第2色分離素子33から射出される緑色光GLsおよび赤色光RLsをS偏光成分の光とすることができ、光源装置2から射出される青色光BLs、黄色光YLs、緑色光GLs、および赤色光RLsの全てをS偏光成分の光に揃えることができる。
また、本実施形態の場合、第1色分離素子29の黄色光YLsの光射出側に、黄色光YLsの一部を反射させる反射素子31が設けられているため、光源装置2から射出される黄色光YLsの光量と、緑色光GLsおよび赤色光RLsの光量と、の割合を調整することができる。これにより、光源装置2のホワイトバランスを調整することができる。また、他の色光の光量に対する黄色光YLsの光量の割合を高めることによって、投射画像の輝度を高めることができる。また、他の色光の光量に対する緑色光GLsおよび赤色光RLsの光量の割合を高めることによって、投射画像の色再現性を高めることができる。
また、本実施形態の場合、光源装置2が青色光BLsを拡散装置26に向けて集光する第1集光素子25を備えているため、第1位相差素子24から射出された青色光BLsを第1集光素子25によって拡散装置26に効率良く集光できるとともに、拡散装置26から射出された青色光BLsを平行化することができる。これにより、青色光BLsの損失を抑制することができ、青色光BLsの利用効率を高めることができる。
また、本実施形態の場合、光源装置2が青色光BLpを波長変換素子28に向けて集光する第2集光素子27を備えているため、第2偏光分離素子23から射出された青色光BLpを第2集光素子27によって波長変換素子28に効率良く集光できるとともに、波長変換素子28から射出された黄色光YLを平行化することができる。これにより、青色光BLpおよび黄色光YLの損失を抑制することができ、青色光BLpおよび黄色光YLの利用効率を高めることができる。
ここで、以下の比較例の光源装置を想定する。
図8は、+Y方向から見た比較例の光源装置102の平面図である。なお、図8において、本実施形態の光源装置2と共通の構成要素には同一の符号を付す。また、図8では、第1色分離素子29および第2色分離素子33等の図示を省略する。
図8は、+Y方向から見た比較例の光源装置102の平面図である。なお、図8において、本実施形態の光源装置2と共通の構成要素には同一の符号を付す。また、図8では、第1色分離素子29および第2色分離素子33等の図示を省略する。
図8に示すように、比較例の光源装置102において、第1偏光分離素子122を構成する第1基材124は、本実施形態とは異なり、例えばBK7等に代表されるホウケイ酸ガラス等からなる一般的な光学ガラスで構成されている。同様に、第2偏光分離素子123を構成する第2基材125は、本実施形態とは異なり、ホウケイ酸ガラス等の一般的な光学ガラスで構成されている。光源装置102のその他の構成は、本実施形態の光源装置2の構成と同様である。
光源部21からの光が照射されることによって、第1偏光分離素子122および第2偏光分離素子123の内部で熱が発生する。このとき、第1偏光分離素子122を構成する第1基材124、および第2偏光分離素子123を構成する第2基材125がホウケイ酸ガラス等の一般的な光学ガラスで構成されている場合、第1基材124および第2基材125の熱歪みが生じ、熱歪みに起因した複屈折が生じる結果、第1偏光分離素子122および第2偏光分離素子123の内部を進行する光の偏光状態が乱れる。
具体的には、第1位相差素子24から射出されて第1偏光分離素子122に入射した後、第1偏光分離層221に向かって進むP偏光成分の青色光BLpの一部は、S偏光成分の青色光BLs2に変化する。その後、青色光BLs2は、第1偏光分離層221で−X方向に反射する。また、第2偏光分離層231で反射した後、第1偏光分離層221に向かって進むS偏光成分の黄色光YLsの一部は、P偏光成分の黄色光YLp2に変化する。その後、黄色光YLp2は、第1偏光分離層221を−X方向に透過する。
これらの青色光BLs2および黄色光YLp2は、第1偏光分離素子122から光源部21に戻る光となり、光の損失が生じる。このように、比較例の光源装置102によれば、青色光および黄色光の損失が生じるため、光利用効率が低下するおそれがある。
この問題に対して、本実施形態の光源装置2において、第1基材222および第2基材232が石英で構成される場合、石英のt=10mmあたりの青色波長帯の光に対する光線吸収率が略0.01%であり、一般的な光学ガラスに比べて十分に小さい。そのため、第1基材222および第2基材232の熱歪みがほとんど生じることがなく、複屈折がほとんど生じることがない。また、第1基材222および第2基材232が0.1nm/cm/105Pa以下の光弾性定数を有する材料で構成される場合、石英の場合と異なり、第1基材222および第2基材232の熱歪みが生じるが、熱歪みが生じたとしても複屈折はほとんど生じない。
そのため、第1基材222および第2基材232にいずれの材料を用いた場合であっても、図3に示すように、第1位相差素子24から射出されて第1偏光分離素子122に入射した後、第1偏光分離層221に向かって進むP偏光成分の青色光BLpの略全てが第1偏光分離層221を+Z方向に透過する。また、第2偏光分離層231で反射した後、第1偏光分離層221に向かって進むS偏光成分の黄色光YLsの略全てが第1偏光分離層221で+Z方向に反射する。このように、本実施形態の光源装置2によれば、青色光BLpおよび黄色光YLsの損失がほとんど生じることなく、比較例の光源装置102に比べて、青色光BLpおよび黄色光YLsの光利用効率を高めることができる。
なお、本実施形態で例示した石英またはPBH56等の材料は、一般的な光学ガラスに比べて高価である。しかしながら、本実施形態の光源装置およびプロジェクターが小型であるため、第1偏光分離素子22および第2偏光分離素子23も小型となり、製造コストの高騰を最小限に抑えることができる。
また、本実施形態の場合、プロジェクター1が光源装置2と光変調装置6との間に位置する均一化装置4を備えているため、光源装置2から射出される青色光BLs、黄色光YLs、緑色光GLsおよび、赤色光RLsによって光変調装置6を略均一に照明することができる。これにより、投射画像の色むらおよび輝度むらを抑制することができる。
また、本実施形態の場合、光変調装置6が複数の画素PXに対応する複数のマイクロレンズ621を有するマイクロレンズアレイ62を備えているため、光変調装置6に入射される4つの色光を、マイクロレンズ621によって液晶パネル61の対応する4つのサブ画素SXに入射させることができる。これにより、光源装置2から射出された各色光を各サブ画素SXに効率良く入射させることができ、各色光の利用効率を高めることができる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図9および図10を用いて説明する。
第2実施形態の光源装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、反射素子の構成が第1実施形態と異なる。そのため、光源装置の全体の説明は省略する。
図9は、−X方向から見た第2実施形態の光源装置の側面図である。図10は、マルチレンズ上の各色光の入射位置を示す模式図である。なお、図9においては、回転位相差装置213、第1位相差素子24、第1集光素子25および拡散装置26の図示を省略する。
図9および図10において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
以下、本発明の第2実施形態について、図9および図10を用いて説明する。
第2実施形態の光源装置の基本構成は第1実施形態と同様であり、反射素子の構成が第1実施形態と異なる。そのため、光源装置の全体の説明は省略する。
図9は、−X方向から見た第2実施形態の光源装置の側面図である。図10は、マルチレンズ上の各色光の入射位置を示す模式図である。なお、図9においては、回転位相差装置213、第1位相差素子24、第1集光素子25および拡散装置26の図示を省略する。
図9および図10において、第1実施形態で用いた図面と共通の構成要素には同一の符号を付し、説明を省略する。
図9に示すように、本実施形態の光源装置20は、第1実施形態の光源装置2における反射素子31に代えて、第3色分離素子35を備えている。すなわち、第3色分離素子35は、第1色分離素子29によって分離された黄色光YLsの光路上において、反射プリズム292に対して+Z方向に配置されている。第3色分離素子35は、緑色光GLsを透過させ、赤色光RLsを反射させる特性を有するダイクロイックミラーで構成されている。
そのため、第1色分離素子29の反射プリズム292から第3色分離素子35に入射される黄色光YLsに含まれる緑色光GLs2は、第3色分離素子35を透過して、光源装置20の外部に射出される。すなわち、光源装置20は、第1実施形態の光源装置2における黄色光YLsが射出された位置から、黄色光YLsに代えて緑色光GLs2を射出する。
したがって、本実施形態では、黄色光YLsが射出された位置から射出される緑色光GLs2が、特許請求の範囲の第4光に対応する。
したがって、本実施形態では、黄色光YLsが射出された位置から射出される緑色光GLs2が、特許請求の範囲の第4光に対応する。
一方、第3色分離素子35に入射される黄色光YLsに含まれる赤色光RLsは、第3色分離素子35で反射され、反射プリズム292に+Z方向から入射する。赤色光RLsは、第1実施形態の光源装置2において反射素子31で反射された黄色光YLsと同様に、第1色分離素子29、第1偏光分離素子22、第2偏光分離素子23、および第2集光素子27を介して、波長変換素子28に入射する。
上述したように、波長変換素子28に含有される黄色蛍光体は、外部から入射された黄色光をほとんど吸収しないことから、黄色蛍光体は、赤色光RLsもほとんど吸収しない。このため、波長変換素子28に入射された赤色光RLsは、波長変換素子28の内部で繰り返し反射されることによって非偏光の赤色光となり、黄色蛍光体にて生じた黄色光YLとともに、波長変換素子28の外部に射出される。波長変換素子28から射出された赤色光のうち、S偏光成分の赤色光RLsは、第3色分離素子35で反射されて波長変換素子28に再び戻るが、P偏光成分の赤色光は、第2偏光分離素子23を+Z方向に透過し、光源装置20の外部に射出される。なお、第3色分離素子35として、ダイクロイックプリズムが用いられてもよい。
図10に示すように、光源装置20は、青色光BLsと、緑色光GLs2と、緑色光GLsと、赤色光RLsと、を射出する。緑色光GLs2は、光源装置20における−X方向で−Y方向の位置から射出され、第1マルチレンズ41における−X方向で−Y方向の領域A2に配置された複数のレンズ411に入射する。図示を省略するが、緑色光GLs2は、第1実施形態の黄色光YLsと同様、第1マルチレンズ41、第2マルチレンズ42、重畳レンズ43、およびフィールドレンズ5を介して各マイクロレンズ621に入射する。各マイクロレンズ621に入射された緑色光GLsは、当該マイクロレンズ621に対応する画素PXの第2サブ画素SX2に入射する。
[第2実施形態の効果]
本実施形態においても、ピッチが狭い偏光変換素子を用いることなく、偏光方向が揃えられた複数の色光を射出可能な光源装置20を実現できる、光源装置20およびプロジェクター1の小型化が図れる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
本実施形態においても、ピッチが狭い偏光変換素子を用いることなく、偏光方向が揃えられた複数の色光を射出可能な光源装置20を実現できる、光源装置20およびプロジェクター1の小型化が図れる、といった第1実施形態と同様の効果が得られる。
さらに、第2実施形態の光源装置20においては、第1実施形態の光源装置20における黄色光YLsに代えて緑色光GLsが射出されるため、画素PXに入射される緑色光GLsの光量を増やすことができる。これにより、投射画像の視感度を高めることができる。
なお、第3色分離素子35として、本実施形態とは逆に、緑色光GLsを反射し、赤色光RLsを透過させる特性を有するダイクロイックミラーが用いられてもよい。波長変換素子28が含有する黄色蛍光体によっては、波長変換素子28から射出される黄色光YLに含まれる赤色光が不足する場合がある。この場合、上記の特性を有するダイクロイックミラーを用いることによって、4つのサブ画素SX1〜SX4のうち、第2サブ画素SX2と第4サブ画素SX4とに赤色光を入射させることができる。これにより、投射画像の色再現性を高めることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば上記実施形態において、第1色分離素子29が黄色光YLsを射出する位置は、青色光BLsを射出する位置に対して−Y方向の位置であり、第2色分離素子33が赤色光RLsを射出する位置は、緑色光GLsを射出する位置に対して−Y方向の位置である。この配置に代えて、第1色分離素子29が黄色光YLsを射出する位置は、青色光BLsを射出する位置に対して+Y方向の位置であってもよく、第2色分離素子33が赤色光RLsを射出する位置は、緑色光GLsを射出する位置に対して+Y方向の位置であってもよい。
例えば上記実施形態において、第1色分離素子29が黄色光YLsを射出する位置は、青色光BLsを射出する位置に対して−Y方向の位置であり、第2色分離素子33が赤色光RLsを射出する位置は、緑色光GLsを射出する位置に対して−Y方向の位置である。この配置に代えて、第1色分離素子29が黄色光YLsを射出する位置は、青色光BLsを射出する位置に対して+Y方向の位置であってもよく、第2色分離素子33が赤色光RLsを射出する位置は、緑色光GLsを射出する位置に対して+Y方向の位置であってもよい。
上記各実施形態では、P偏光成分は第1偏光成分に相当し、S偏光成分は第2偏光成分に相当するとした。具体的に、第1偏光分離素子22は、第1偏光成分であるP偏光成分の青色光BLpを透過させ、第2偏光成分であるS偏光成分の青色光BLsを反射する構成とした。また、第2偏光分離素子23は、第1偏光成分であるP偏光成分の青色光BLpを反射するとともに、第1偏光成分であるP偏光成分の黄色光YLpを透過させ、第2偏光成分であるS偏光成分の黄色光YLsを反射する構成とした。しかしながら、これに限らず、S偏光成分が第1偏光成分であってもよく、P偏光成分が第2偏光成分であってもよい。この場合、例えば第1偏光分離素子22は、第2偏光成分であるP偏光成分の青色光BLpを反射し、第1偏光成分であるS偏光成分の青色光BLsを透過させるとともに、第2偏光成分であるS偏光成分の黄色光YLsを反射する構成であってもよい。また、第2偏光分離素子23は、第1偏光成分であるS偏光成分の青色光BLsを反射し、第1偏光成分であるS偏光成分の黄色光YLsを反射するとともに、第2偏光成分であるP偏光成分の黄色光YLpを透過させる構成としてもよい。すなわち、第2偏光分離素子23は、第1偏光成分であるS偏光成分の光を反射し、第2偏光成分であるP偏光成分の光を透過させる偏光分離素子であってもよい。
第1実施形態の光源装置2、および第2実施形態の光源装置20は、第1集光素子25および第2集光素子27を備えている。しかしながら、この構成に限らず、第1集光素子25および第2集光素子27のうち少なくとも一方の集光素子は、設けられていなくてもよい。
上記各実施形態では、光源部21は、+X方向に青色光BLs,BLpを射出する。しかしながら、これに限らず、光源部21は、+X方向に交差する方向に青色光BLs,BLpを射出し、例えば反射部材を用いて青色光BLs,BLpを反射させた後、+X方向に第1偏光分離素子22に入射させる構成としてもよい。
上記各実施形態では、プロジェクターは、第1マルチレンズ41、第2マルチレンズ42、および重畳レンズ43を有する均一化装置4を備えている。この構成に代えて、他の構成を有する均一化装置が設けられてもよいし、均一化装置4は設けられていなくてもよい。
上記第1実施形態の光源装置2、および第2実施形態の光源装置20は、4つの射出位置のそれぞれから色光を射出し、光変調装置6を構成する液晶パネル61は、1つの画素PXに4つのサブ画素SXを有している。この構成に代えて、光源装置は、3つの色光を射出し、液晶パネルは、1つの画素に3つのサブ画素を有する構成であってもよい。この場合、例えば、上記実施形態の光源装置において、黄色光YLsの光路に全反射部材が設けられていてもよい。
第1実施形態の光源装置2は、それぞれがS偏光であり、空間的に分離された青色光BLs、黄色光YLs、緑色光GLs、および赤色光RLsを射出する。また、第2実施形態の光源装置20は、それぞれがS偏光であり、空間的に分離された青色光BLs、緑色光GLs、および赤色光RLsを射出する。これらの構成に代えて、光源装置が射出する各色光の偏光状態は、他の偏光状態であってもよい。例えば、光源装置は、それぞれがP偏光であり、空間的に分離された複数の色光を射出する構成であってもよい。また、光源装置が射出する色光は、青色光、黄色光、緑色光、および赤色光に限らず、他の色光であってもよい。例えば、光源装置は、青色光および黄色光に代えて、白色光を射出する構成であってもよい。
その他、光源装置、およびプロジェクターの各構成要素の形状、数、配置、材料等の具体的な記載については、上記実施形態に限らず、適宜変更が可能である。また、上記実施形態では、本発明による光源装置をプロジェクターに搭載した例を示したが、これに限られない。本発明の一つの形態の光源装置は、照明器具や自動車のヘッドライト等にも適用することができる。
1…プロジェクター、2,20…光源装置、4…均一化装置、6…光変調装置、7…投射光学装置、21…光源部、22…第1偏光分離素子、23…第2偏光分離素子、24…第1位相差素子、28…波長変換素子、29…第1色分離素子、32…第2位相差素子、33…第2色分離素子、41…第1マルチレンズ、42…第2マルチレンズ、43…重畳レンズ、62…マイクロレンズアレイ、211…発光素子、221…第1偏光分離層、222…第1基材、231…第2偏光分離層、232…第2基材、261…拡散板(拡散素子)、2131…第3位相差素子、BLs…青色光(第1光、第3光)、GLs…緑色光(第5光)、GLs2…緑色光(第4光)、RLs…赤色光(第6光)、YL…黄色光(第2光)、YLs…黄色光(第4光)、SX1…第1サブ画素、SX2…第2サブ画素、SX3…第3サブ画素、SX4…第1サブ画素。
Claims (11)
- 第1波長帯を有する第1光を射出する光源部と、
前記光源部から第1方向に沿って入射される前記第1光のうちの第1偏光成分を前記第1方向に透過し、前記第1光のうちの第2偏光成分を前記第1方向と交差する第2方向に反射する第1偏光分離素子と、
前記第1偏光分離素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第1方向に沿って入射される前記第1偏光成分を前記第2方向に反射し、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光のうちの第3偏光成分を前記第2方向とは反対方向である第3方向に透過し、前記第2光のうちの第4偏光成分を前記第1方向とは反対方向である第4方向に反射する第2偏光分離素子と、
前記第1偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第2偏光成分を拡散させて前記第3方向に射出する拡散素子と、
前記第2偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第2偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1偏光成分を波長変換して前記第2光を前記第3方向に射出する波長変換素子と、
を備え、
前記第1偏光分離素子は、第1偏光分離層と、前記第1偏光分離層を挟んで設けられる第1基材と、を有し、
前記第2偏光分離素子は、第2偏光分離層と、前記第2偏光分離層を挟んで設けられる第2基材と、を有し、
前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、石英で構成される、光源装置。 - 第1波長帯を有する第1光を射出する光源部と、
前記光源部から第1方向に沿って入射される前記第1光のうちの第1偏光成分を前記第1方向に透過し、前記第1光のうちの第2偏光成分を前記第1方向と交差する第2方向に反射する第1偏光分離素子と、
前記第1偏光分離素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第1方向に沿って入射される前記第1偏光成分を前記第2方向に反射し、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光のうちの第3偏光成分を前記第2方向とは反対方向である第3方向に透過し、前記第2光のうちの第4偏光成分を前記第1方向とは反対方向である第4方向に反射する第2偏光分離素子と、
前記第1偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第2偏光成分を拡散させて前記第3方向に射出する拡散素子と、
前記第2偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第2偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1偏光成分を波長変換して前記第2光を前記第3方向に射出する波長変換素子と、
を備え、
前記第1偏光分離素子は、第1偏光分離層と、前記第1偏光分離層を挟んで設けられる第1基材と、を有し、
前記第2偏光分離素子は、第2偏光分離層と、前記第2偏光分離層を挟んで設けられる第2基材と、を有し、
前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、前記第1基材および前記第2基材の内部における光の光路長をtとすると、t=10mmあたりの前記第1波長帯の光に対する光線吸収率が0.1%以下の材料で構成される、光源装置。 - 第1波長帯を有する第1光を射出する光源部と、
前記光源部から第1方向に沿って入射される前記第1光のうちの第1偏光成分を前記第1方向に透過し、前記第1光のうちの第2偏光成分を前記第1方向と交差する第2方向に反射する第1偏光分離素子と、
前記第1偏光分離素子に対して前記第1方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第1方向に沿って入射される前記第1偏光成分を前記第2方向に反射し、前記第1波長帯とは異なる第2波長帯を有する第2光のうちの第3偏光成分を前記第2方向とは反対方向である第3方向に透過し、前記第2光のうちの第4偏光成分を前記第1方向とは反対方向である第4方向に反射する第2偏光分離素子と、
前記第1偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第1偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第2偏光成分を拡散させて前記第3方向に射出する拡散素子と、
前記第2偏光分離素子に対して前記第2方向に配置され、前記第2偏光分離素子から前記第2方向に沿って入射される前記第1偏光成分を波長変換して前記第2光を前記第3方向に射出する波長変換素子と、
を備え、
前記第1偏光分離素子は、第1偏光分離層と、前記第1偏光分離層を挟んで設けられる第1基材と、を有し、
前記第2偏光分離素子は、第2偏光分離層と、前記第2偏光分離層を挟んで設けられる第2基材と、を有し、
前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、光弾性定数が0.1nm/cm/105Pa以下の材料で構成される、光源装置。 - 前記第1偏光分離素子と前記拡散素子との間に設けられ、前記第1偏光分離素子から前記第2偏光成分が入射される第1位相差素子をさらに備える、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の光源装置。
- 前記第2偏光分離素子から前記第3方向に射出される前記第3偏光成分を前記第4偏光成分に変換する第2位相差素子をさらに備える、請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の光源装置。
- 前記光源部は、発光素子と、前記発光素子から射出される光が入射され、前記第1偏光成分と前記第2偏光成分とを含む前記第1光を射出する第3位相差素子と、を有する、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の光源装置。
- 前記第3位相差素子は、入射する光の進行方向に沿う回転軸を中心として回転可能とされている、請求項6に記載の光源装置。
- 前記第1偏光分離素子に対して前記第3方向に配置され、前記第1偏光分離素子から射出された光を、前記第1波長帯を有する第3光と、前記第2波長帯を有する第4光と、に分離する第1色分離素子と、
前記第2偏光分離素子に対して前記第3方向に配置され、前記第2偏光分離素子から射出された光を、前記第2波長帯とは異なる第3波長帯を有する第5光と、前記第2波長帯および前記第3波長帯とは異なる第4波長帯を有する第6光と、に分離する第2色分離素子と、
をさらに備える、請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の光源装置。 - 請求項8に記載の光源装置と、
前記光源装置からの光を画像情報に応じて変調する光変調装置と、
前記光変調装置により変調された光を投射する投射光学装置と、
を備える、プロジェクター。 - 前記光源装置と前記光変調装置との間に設けられる均一化装置をさらに備え、
前記均一化装置は、
前記光源装置から入射される光を複数の部分光束に分割する2つのマルチレンズと、
前記2つのマルチレンズから入射される前記複数の部分光束を前記光変調装置に重畳させる重畳レンズと、を有する、請求項9に記載のプロジェクター。 - 前記光変調装置は、複数の画素を有する液晶パネルと、前記液晶パネルに対して光入射側に設けられ、前記複数の画素に対応する複数のマイクロレンズを有するマイクロレンズアレイと、を有し、
前記複数の画素のそれぞれは、第1サブ画素、第2サブ画素、第3サブ画素、および第4サブ画素を有し、
前記マイクロレンズは、前記第3光を前記第1サブ画素に入射させ、前記第4光を前記第2サブ画素に入射させ、前記第5光を前記第3サブ画素に入射させ、前記第6光を前記第4サブ画素に入射させる、請求項10に記載のプロジェクター。
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